メインシナリオとしては、パウエルFRB議長は、FRBの2つの責務である「雇用の最大化」と「物価の安定」の内、「雇用の最大化」に軸足を置いて、フェドウオッチが見込む9月FOMCでの0.25%の利下げを容認することになる。9月のFOMCでは、3名のトランプ・チルドレン(ウォラーFRB理事、ボウマンFRB副議長、ミランFRB暫定理事)が利下げを主張することが見込まれている。ちなみに、昨年8月23日のジャクソンホール会合では、パウエルFRB議長は、「利下げの時が来た(Time Has Come for Fed to Cut Interest Rates)」と表明していた。
3.ADP全国雇用者数と非農業部門雇用者数 民間給与計算代行業者大手のAutomatic Data Processing(ADP)社は、2006年5月から、自身の持つ全米約50万社、約2400万人の給与データを元に、労働省が発表する非農業部門雇用者数の先行指標として、雇用統計の2営業日前に公表を始めた。 2025年1-7月の月平均は+8.38万人となっており、大幅に下方修正された後の非農業部門雇用者数の+8.50万人に近似している。
2024年8月23日、パウエルFRB議長は、カンザスシティー地区連銀が開催する第47回ジャクソンホール会合での講演で、「利下げの時が来た(Time Has Come for Fed to Cut Interest Rates)」と表明し、9月のFOMCでは0.50%の大幅利下げを断行した。 2025年8月21-23日に開催される第48回ジャクソンホール会合のテーマは「雇用市場(Labor Markets in Transition)」となっている。 7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、パウエルFRB議長は、雇用市場は健全である、との見立てから、政策金利の据え置きを決定した。 翌日8月1日に発表された米7月雇用統計、5月と6月の修正値などは、利下げを主張していたウォラーFRB理事とボウマンFRB副議長の懸念通りに、雇用市場の悪化が示された。 22日の23時から講演が予定されているパウエルFRB議長は、昨年のように利下げ宣言を行うのだろうか。
トランプ米大統領は、米連邦準備理事会(FRB)に対して低金利政策を強いるために、来年5月15日に任期を迎えるパウエル第16代FRB議長の後任にはハト派議長を据え、7名のFRBの4人はハト派理事を据え、地区連銀総裁もハト派総裁を据えようと目論んでいる。 FRB支配の計画は、昨年末にミランFRB暫定理事が提唱した「A User’s Guide to Restructuring the Global Trading System」(国際貿易システム再構築のユーザーガイド)」に書かれていた。
2025年10月21日、米出版社クノップフ社から故ヴァージニア・ジュフリーの回想録『Nobody’s Girl: A Memoir of Surviving Abuse and Fighting for Justice(誰のものでもない少女:虐待からの生還と正義のための闘いの回想録)』が出版される。クノップフ社によると、10代だった少女ヴァージニア・ジュフリーが富豪の小児性愛者ジェフリー・エプスタインと愛人のギレーヌ・マックスウェルの支配下で性奴隷として扱われた地獄の日々から抜け出そうともがく勇敢な女性の心の旅路を描く物語だという。
本日NY時間で注目されるのは、米労働省統計局(Bureau of Labor Statistics=BLS)が発表する年次ベンチマーク改定の速報値。2024年4月から2025年3月までに約80万人(一部の金融機関では100万人近く)下方修正されるとの予想。下方修正の要因としては、新規企業における雇用創出が予想より弱いこと、回答率の低下による標本誤差、そして不法滞在労働者を考慮した調整などが考えられる。
2. 年次ベンチマーク改定の速報値 労働統計局は年に1回、3月時点の雇用者数を見直している。ベンチマーク改定は、速報性に欠けるものの正確性の高い「四半期雇用・賃金調査(QCEW:Quarterly Census of Employment and Wages)」を基に行われる。QCEWは州失業保険税の記録を基に作成され、全米の雇用者の大部分をカバーする。 9月9日に発表された年次ベンチマーク改定の速報値では、2024年4月から2025年3月までの1年間の雇用者増は91万1000人下方修正されることが示された。 改定前の雇用者数は1年間に180.5万人増(月平均+15.04万人)だったが、今回の改定を受けて、89.4万人(月平均+7.45万人)となった。
NY時間の為替市場は、米労働省統計局(Bureau of Labor Statistics=BLS)が発表する8月の消費者物価指数(CPI)に注目が集まっている。CPIはヘッドラインが前年比で7月の2.7%から2.9%へ上昇し、エネルギーと食品を除くコア指数は7月から横ばいの3.1%が市場の予想となっている。トランプ大統領の広範な輸入関税の負担を消費者に転嫁しているため、関税が価格を押し上げているとの判断が上昇予想の要因。
ベッセント米財務長官は、ドル高政策を標榜しているが、米国の貿易赤字を削減するために、対米貿易黒字国には、通貨高を要請している。この米国の為替政策は、1985年のプラザ合意以来変わっていないように思える。 ベッセント米財務長官と植田日銀総裁は2月と8月に電話会談をしたが、その都度、円安を牽制する発言をしている。 【プラザ合意】 (18)主要非ドル通貨の対ドル・レートのある程度の一層の『秩序ある上昇』が望ましい。 (some further orderly appreciation of the main non-dollar currencies against the dollar is desirable.)
第17代FRB議長の使命は、第3の責務の遂行となるのかもしれない。 ミランCEA委員長は、昨年11月に公表していた「A User’s Guide to Restructuring the Global Trading System」(国際貿易システム再構築のユーザーガイド)において、米国の債務削減のための長期金利の抑制を提唱しており、ベッセント米財務長官も同調していた。
日経225先物オプション実況スレ4
https://talk.jp/boards/market/1750284853
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 43140 -230 (-0.53%)
TOPIX先物 3082.0 -16.5 (-0.53%)
シカゴ日経平均先物 43145 -225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。前日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)に加えて、13日にはベッセント米財務長官が、米連邦準備理事会(FRB)は9月に利下げを再開する可能性が高いとの認識を示したことが材料視された。ディフェンシブ株や消費関連株などを中心に買われ、S&P500指数、ナスダック指数は連日で最高値を更新した。
S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、医薬品・バイオテクノロジー、保険が上昇した一方で、食品・生活必需品小売、ソフトウエア・サービス、メディアが下落した。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ナイキ<NKE>、メルク<MRK>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、ホーム・デポ<HD>が買われた。半面、ウォルマート<WMT>、マイクロソフト<MSFT>、シスコシステムズ<CSCO>、エヌビディア<NVDA>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比225円安の4万3145円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比80円高の4万3450円で始まった。直後につけた4万3480円を高値に軟化し、米国市場の取引開始後には4万3040円まで下げる場面もみられた。ただし、4万3000円は割り込まず、終盤にかけては4万3100円~4万3150円辺りで保ち合い、4万3140円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになろう。前日まで6営業日続伸で3000円超上昇したこともあり、過熱を冷ます一服として受け止められそうだ。ナイトセッションでは4万3000円をキープしたことで、同水準での底堅さを見極めながらの、押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。
ただし、切り上がりをみせているボリンジャーバンドの+2σと+3σでのレンジ内で推移しているが、+2σは4万2980円に位置しており、同バンドを割り込んでくると短期的なショートを誘う形になろう。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の2倍となる0.5%の利下げ期待が織り込まれてくると考えられる一方で、目先的なピーク感が意識される可能性がありそうだ。
上昇ピッチが速かったこともあり、いったん調整に入ると下へのバイアスが強まるだろう。そのため、オプション権利行使価格の4万2500円から4万3500円辺りのレンジを想定する。もっとも、4万3000円処で底堅さがみられる局面では、押し目待ち狙いのロングが入りやすいほか、ショートカバーも強まるとみておきたい。
13日の米VIX指数は14.49(12日は14.73)に低下した。一時14.30まで下げており、昨年12月下旬以来の水準まで低下する場面もみられた。そのため、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.99倍に上昇した。一時14.01倍をつけており、200日移動平均線(13.99倍)を上回る場面もあった。7月は13.95倍から14.10倍辺りでの保ち合いが続いていたため、いったんはリバランスに一巡感がみられそうである。ただし、レンジを突破してくるようだと、6月30日につけた14.24倍が射程に入るため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にらみとなりそうだ。
13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ベッセント米財務長官が米連邦準備理事会(FRB)に対して利下げを要請し、日銀に対して利上げを推奨する発言をしたことで、147.09円まで続落した。ユーロドルは、欧州市場の高値1.1730ドルから1.1693ドル付近まで下押しした。ユーロ円は日銀の追加利上げ観測の高まりを背景に172.24円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、ベッセント米財務長官の日米政策金利への見解を受けて軟調推移が予想される。
ドル円は、日米の株価指数が史上最高値を更新するリスク選好地合いにも関わらず、年内の米連邦公開市場委員会(FOMC)での3回の利下げ観測などから、米7月雇用統計を受けた下落幅(150.92円-146.62円)の半値戻し(=一目・転換線)148.77円が上値を抑える展開が続いている。12日に148.52円まで買い戻された後に反落しており、「半値戻しは全値戻し」という相場格言を彷彿とさせている。
一方で、日本銀行は、10月の日銀金融政策決定会合での利上げ観測が台頭しつつある。
ベッセント米財務長官は、FOMCに対しては、9月の0.50%利下げを皮切りに、1.50-1.75%低い水準までの利下げを要請し、これまでで最も明確に利下げサイクルに踏み切るよう訴えかけた。
日銀に対しては、植田日銀総裁と話したとのことで、インフレ抑制に取り組むために利上げする必要があるとの認識を示した。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、9月FOMCでの0.25%の利下げは確実視されており、年内3回の利下げで12月時点でのFF金利誘導目標は3.50-3.75%と見込まれている。
さらに、パウエルFRB議長が任期を迎える来年5月15日の後の6月のFOMCでは、3.25-3.50%までの利下げが織り込まれつつある。
ちなみに、ミランFRB暫定理事候補は、「トランプ政権の関税政策は実質的なインフレにつながっていない」と述べ、サマーリンFRB議長候補は「関税は実質的な課税強化であり、可処分所得が抑制され、需要面からインフレを抑える効果ある」と述べている。
10時30分に発表される7月豪雇用統計の予想は、失業率が4.2%で6月の4.3%から低下、新規雇用者数は+2.5万人で6月の+0.2万人からの増加が見込まれている。
豪準備銀行(RBA)は、先日、政策金利を3.60%に引き下げた後、声明で「基調インフレ率は引き続き中期目標の2-3%に向かって低下しており、労働市場の状況が若干緩和していることから、理事会は金融政策の更なる緩和が適切と判断」と表明している。
7月雇用統計が予想通りに雇用市場の改善を示していた場合は、9月の理事会での据え置き観測が高まり、雇用の軟化基調を示唆するネガティブサプライズだった場合は、「慎重かつ段階的」な金融緩和サイクルにより、11月理事会での追加利下げ観測が高まることになるのかもしれない。ブロックRBA総裁も、さらなる利下げの可能性を認めつつも、大幅利下げに慎重な姿勢を維持していた。
東京市場は不安定か。米国株は上昇。ダウ平均は463ドル高の44922ドルで取引を終えた。べッセント財務長官がメディアのインタビューで0.50%の利下げを支持したことが伝わり、早期利下げに対する期待が株買いを促した。米長期金利が低下して為替はドル安(円高)に振れており、ドル円は足元147円20銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが225円安の43145円、ドル建てが200円安の43170円で取引を終えた。
米国株は上昇したが円高は日本株には逆風となるため、強弱感が交錯するだろう。CME225先物は安寄りを示唆している。ここ数日はCME225先物がかなりの高寄りを示唆して日経平均も勢い良く上昇するといったケースが多かっただけに、初動が甘いと直近の上昇に対する利益確定売りが強めに出てくる可能性がある。とは言え、足元の地合いの良さから、押しが深くなるようなら下値は拾われるだろう。極端な動きは修正されて終値ではそれほど値幅が出ないとみるが、場中は方向感が定まらないと予想する。日経平均の予想レンジは42800-43500円。
日経225先物は11時30分時点、前日比650円安の4万2720円(-1.49%)前後で推移。寄り付きは4万3070円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3145円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。押し目待ち狙いのロングが入り、現物の寄り付き直後には4万3200円まで下げ幅を縮めた。ただし、中盤にかけて4万3000円を割り込んでくると下へのバイアスが強まり、終盤にかけて4万2640円まで下げ幅を広げた。
日経225先物は朝方こそ、4万3000円水準での底堅さがみられたが、その後は同水準を割り込んだことでロング解消に加えて、短期的なショートの動きが強まったようだ。足もとの急ピッチな上昇に対する過熱感が警戒されていただけに、過熱を冷ます一服との見方であろう。ただし、ボリンジャーバンドの+2σ(4万2890円)を下回っての推移をみせていため、押し目狙いのロングは入れにくいところである。
NT倍率は先物中心限月で13.94倍に低下した。一時14.05倍に上昇する場面もみられたが、その後はアドバンテスト<6857.T>[東証P]やファーストリテイリング<9983.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、リクルートホールディングス<6098.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさ株の下げが日経平均型の重荷になり、200日移動平均線(13.98倍)、25日線(13.95倍)を下回ってきた。
昨日の海外市場では、米長期金利の低下につれて全般ドル売りの展開。ドル円は欧州時間に一時147.18円まで値を下げた後、NY時間に入ってからは147.57円まで買い戻される場面もみられましたが、ベッセント米財務長官がインタビューに答えるかたちで「米金利は今より1.50-1.75%低くあるべきだ」との見解を表明したほか、「9月FOMCでは0.5%利下げの可能性が高い」と発言。更には、「植田日銀総裁とは話をしたが、日銀はビハインドザカーブの状況にあり、対処する必要がある」との指摘。再び147.09円まで値を下げることになりました。ただ、引けにかけては147.51円まで買い戻されてNY市場を終えています。
そして、お盆休み中のアジア市場に入ってからは、「昨日まで目立っていた本邦実需の買いが出ていない」ことを確認した米系短期筋が売り仕掛け。「かなり薄いマーケットとなっている」との声も聞かれるなか、昨日安値の147.09円や5日の安値146.62円を下抜けて一時146.38円まで売り込まれたものの、その後は146.75円まで買い戻されているといったところです。
いずれにしても、ドル円は、50日MAが位置する146.42円付近が意識されているなか、日経平均の動向を見極めながらの動き。日経平均が630円を超える下落となったことも戻り売りを後押ししたわけですが、急騰後のポジション調整という動きとしては「それほど意外感はない」のも事実。ドル円もまた、下押しのレベルをしっかりと確認中となっています。
「インフレの中期見通しに対するリスクバランスの変化が見られれば、われわれは方針を調整する用意がある」(ベイリーBOE総裁)
イングランド銀行は、史上初めて投票を2回実施して、5名の多数派による4.00%への利下げを決定したものの、4名がインフレ懸念から据え置きを求めたことで、利下げ局面の終了が近い可能性を示された。
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
■第1回投票:1対・4対・4
・0.50%の利下げ:テイラー委員
・0.25%の利下げ(4名):ベイリー総裁、ブリーデン副総裁、ディングラ委員、ラムスデン副総裁
・据え置き(4名):ロンバルデリ副総裁、ピル委員、グリーン委員、マン委員
■第2回投票:5対4
・0.25%の利下げ(5名):ベイリー総裁、ブリーデン副総裁、ディングラ委員、ラムスデン副総裁、テイラー委員
・据え置き(4名):ロンバルデリ副総裁、ピル委員、グリーン委員、マン委員
2.MPC議事要旨
・「緩やかで慎重なアプローチを取る」(※ガイダンス維持)
・「政策金利の引き下げで金融政策の制約度は低下した」
・「金利の道筋は事前に設定されていない」
・「中期的なインフレ圧力をめぐる上昇リスクが5月以降やや高まったと判断している」
3.ベイリーBOE総裁
「政策金利をあまりにも急激、もしくはあまりにも大幅に引き下げないことが引き続き重要」
「インフレの上昇が短期間で終息することが予想される」
「インフレの中期見通しに対するリスクバランスの変化が見られれば、われわれは方針を調整する用意がある」
「金利が依然低下する道筋にある」
「金利の方向性について真の不確実性がある。その道筋はより不確実になったと思う」
「5人が利下げに賛成し、4人が据え置きを求めたことは微妙なバランス」
「年内の追加利下げ観測の後退は、今回の利下げが僅差で決定されたことを反映している」
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、4-6月期ユーロ圏GDP改定値を見極めながら、明日開催される米露首脳会談の関連ヘッドラインに警戒していくことになる。
4-6月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比+0.1%/前年比+1.4%)では、ユーロ圏の景況感悪化への警戒感が高まりつつあることで、下方修正に警戒しておきたい。
4-6月期英GDP速報値(予想:前期比+0.1%/前年比+1.0%)では、過去の数字ではあるものの、先日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での5対4でのタカ派的利下げの決着を見極めることになる。
昨日は、15日にアラスカで開催予定のトランプ米大統領とプーチン露大統領によるウクライナ戦争の停戦を巡る米露首脳会談の前哨戦となる欧米首脳会合が開催された。
マクロン仏大統領は「ウクライナの領土を巡る本格的な議論はなかった」と述べていたものの、メルツ独首相は「米露会談では重要な決定もあり得る」と述べており、予断を許さない状況となっている。
トランプ米大統領は、プーチン露大統領に対して、ロシアが制圧したウクライナ領の一部を返還することで、「領土の交換」を停戦交渉の焦点とする考えを示している。
しかし、プーチン露大統領は「完全な停戦」に応じる条件として、ロシアに対する制裁の解除やウクライナが東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)から軍を撤退させることを求めている。
プーチン露大統領が最終的に目指しているものは、ウクライナの非軍事化と支配権の確保、北大西洋条約機構(NATO)による干渉を受けずに欧州でのロシアの勢力圏を米国に認めさせることであり、今回の米露首脳会談では、トランプ米政権側の準備不足が窺える。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1789ドル(7/24高値)
・ユーロ円:173.02円(8/13高値)
・ポンドドル:1.3681ドル(7/4高値)
・ポンド円:200.28円(8/13高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1629ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:170.62円(8/6安値)
・ポンドドル:1.3420ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:197.66円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=146.47円(前営業日NY終値比▲0.91円)
ユーロ円:1ユーロ=171.39円(▲1.11円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1702ドル(▲0.0003ドル)
日経平均株価:42649.26円(前営業日比▲625.41円)
東証株価指数(TOPIX):3057.95(▲33.96)
債券先物9月物:137.97円(▲0.39円)
新発10年物国債利回り:1.550%(△0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は売り優勢。昨日のベッセント米財務長官の発言をきっかけに米利下げ観測と日銀の利上げ観測が高まるなか、円買い・ドル売りが先行。日経平均株価が軟調に推移したことも重しとなり、目先のサポートとして意識されていた5日安値の146.62円を下抜けて146.21円まで下げ足を速め、7月24日以来の安値を更新した。
・ユーロ円は売り優位。日銀の早期利上げ観測や日本株安を背景に円が全面高となった流れに沿った。ユーロ円は一時171.13円まで下落したほか、ポンド円は198.60円、豪ドル円は95.74円、NZドル円は87.28円までそれぞれ大きく値を下げた。
・ユーロドルは小動き。円がらみの取引が中心となったため、ユーロドル自体は1.1697-1.1715ドルの狭いレンジ取引となった。
・日経平均株価は7営業日ぶりに反落。足元で史上最高値を更新し続けるなど高値警戒感もあり、目先の利益を確定する売りが活発化した。日銀の利上げ観測が高まっていることも利食い売りの材料にされた。
・債券先物相場は4日続落。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行したものの、日銀の早期利上げ観測から一巡後は売りが優勢となった。
2025年第2四半期の英国GDPは0.3%増と予想以上の伸びを示したが、依然として生産性停滞や財政不安が重く、経済の基調は弱い状態が続いている。専門家は春の好調から成長が鈍化した現状が経済の実力を反映しているとし、インフレや秋の増税による消費抑制を警戒。イングランド銀行による9月の利下げは依然現実的でないとの見方が支配的だ。
大阪9月限
日経225先物 42620 -750 (-1.72%)
TOPIX先物 3059.0 -39.5 (-1.27%)
日経225先物(9月限)は前日比750円安の4万2620円で取引を終了。寄り付きは4万3070円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3145円)にサヤ寄せする形から、売りが先行した。押し目待ち狙いのロングが入り、現物の寄り付き直後には4万3200円まで下げ幅を縮めた。だが、前場中盤に4万3000円を割り込んでくると下へのバイアスが強まり、前場終盤にかけて4万2640円まで下げ幅を広げた。ランチタイムで4万2740円まで下げ渋る動きもみられたが、後場の取引開始直後には4万2600円まで売られ、その後は4万2600円~4万2740円処のボトム圏での推移になった。
日経225先物は朝方こそ、4万3000円水準で底堅さがみられたが、その後は同水準を割り込んだことでロング解消に加えて、短期的なショートが強まったようだ。足もとの急ピッチな上昇に対する過熱感が警戒されていただけに、過熱を冷ます一服との見方であろう。ただし、前場中盤にボリンジャーバンドの+2σ(4万2880円)を割り込んだ後は、同バンドを下回っての推移となったことで、押し目狙いのロングは入れにくいところである。
バンドは上向きで推移しているため、ナイトセッションで+2σは4万3080円辺りに切り上がってきた。節目の4万3000円が心理的な抵抗線として意識されてくるようだと、過熱を冷ます調整とはいえ、+1σ(4万1980円)辺りまで下げてくる可能性を想定しておく必要があるだろう。+1σ割れとなれば中心値の25日移動平均線(4万0880円)が射程に入ってくるため、注意しておきたい。
ただし、週足では+1σ(4万1280円)と+2σ(4万2950円)によるレンジ内での推移を継続しており、現在は+2σに近い位置にあるため、ロング解消の動きが強まるリスクは高くないとみられる。短期的に4万2000円辺りまでの調整を警戒しつつも、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
もっとも、連日で500円超の変動幅が続くなか、下へのバイアスが強まるようだと、レバレッジ型ETFのヘッジに絡んだショートが膨らむ可能性がある点は意識しておく必要がある。また、米国では米消費者物価指数の結果やベッセント米財務長官の発言を受けて9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の2倍となる0.5%の利下げを織り込みに行っている状況である。織り込みが一巡する局面では次第に慎重姿勢が高まりやすいことにも警戒しておきたい。
そのため、オプション権利行使価格の4万2000円から4万3000円のレンジを想定。短期的には+2σ接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。ただ、早い段階で+2σを回復してくる局面では、ショートが強まる展開が意識されやすく、4万2500円から4万3500円のレンジに切り上がろう。
NT倍率は先物中心限月で13.93倍に低下した。一時14.05倍に上昇する場面もみられたが、その後はアドバンテスト<6857.T>[東証P]やファーストリテイリング<9983.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、リクルートホールディングス<6098.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさ株の下げが日経平均型の重荷となり、200日線(13.98倍)、25日線(13.95倍)を下回ってきた。いったんは75日線(13.82倍)辺りまでの低下がありそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万8132枚、ソシエテジェネラル証券が1万7089枚、サスケハナ・ホンコンが5201枚、バークレイズ証券が3292枚、ゴールドマン証券が3283枚、JPモルガン証券が2310枚、みずほ証券が2052枚、野村証券が1923枚、モルガンMUFG証券が1905枚、SBI証券が1810枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万7002枚、ソシエテジェネラル証券が2万1158枚、JPモルガン証券が3778枚、ゴールドマン証券が3758枚、バークレイズ証券が3512枚、モルガンMUFG証券が2673枚、ビーオブエー証券が2452枚、シティグループ証券が2201枚、サスケハナ・ホンコンが1561枚、野村証券が1314枚だった。
本日のNY為替市場でドル円は、米経済指標や要人発言を確認しつつ、足元のドル安・円高の流れを見極めることになる。
NY序盤に複数の経済指標が発表される。7月米卸売物価指数(PPI)の市場予想は、総合が前月比+0.2%/前年比+2.5%、コアは前月比+0.2%/前年比+2.9%となっており、前回から伸び率が加速見込み。予想以上の上昇となった場合、関税の影響が顕在化したとの見方からインフレが想起されるかもしれない。もし米9月利下げ観測が後退するようだと、欧州市場序盤に先月下旬以来となる146.21円まで下落したドル円を買い戻すきっかけになるかもしれない。
前週分の新規失業保険申請件数は、市場予想が22.8万件と前週比で若干増加する見通し。予想以上の件数増加となれば、弱い雇用状況を嫌気して一段とドルが売られることもあり得る。
NY午後になるが、本日はバーキン・リッチモンド連銀総裁の発言機会が予定されている。同総裁は12日に「インフレと失業への圧力は依然として見込まれるものの、両者のバランスは不透明」と述べたほか、金利調整の是非を巡っては「次回会合までに多くの情報が得られる」と慎重姿勢を示した。こちらでは、金融スタンスに変化がないか確認しておきたい。なお、欧州時間にサンフランシスコ連銀のデイリー総裁から早期利下げに慎重な発言が伝わった。
また引き続き、トランプ米大統領をはじめとする米政府要人からの不意の発言には注意したい。昨日は、ベッセント米財務長官の発言をきっかけに日銀の早期利上げ観測が警戒されて円が買われた。その後だけに、本日もトランプ政権から日銀金融政策への言及があれば、円相場は神経質に反応しそうだ。
想定レンジ上限
・ドル円は、13日安値147.09円。超えると21日移動平均線147.88円
想定レンジ下限
・ドル円は、先月24日安値145.86円。割り込むと日足・一目均衡表の雲上限145.39円。
今晩は米7月生産者物価指数(PPI)に注目。
昨日は、米10年債利回りが低下したことも追い風に、ダウ平均が463.66ドル高(+1.04%)、S&P500が0.32%高、ナスダック総合が0.14%高と主要3指数がそろって2日続伸。S&P500とナスダック総合はともに連日で取引時間中と終値の史上最高値を更新した。
前日に発表された米7月消費者物価指数(CPI)がおおむね予想通りとなり、トランプ関税によるインフレ懸念が強まらなかったことや、スコット・べッセント財務長官が9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げが実施できるとの見通しを示したことなどで利下げ期待が強まった。
今晩は年内の利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される米7月生産者物価指数(PPI)に注目が集まる。火曜日の7月CPIやベッセント財務長官の発言を受けてCMEのフェドウォッチの9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率が96%に上昇した。年内2回(0.50%)の確率は94%に上昇し、年内3回(0.75%)の利下げ確率も56%に上昇した。今晩の7月PPIは前年比+2.5%、前月比+0.2%の上昇が見込まれ、それぞれ6月分の+2.3%、0.0%から上昇が予想されているが、おおむね予想通りの結果となれば利下げ期待の継続が引き続き株式相場の支援となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは7月PPIのほか新規失業保険申請件数など。企業決算は寄り前にタペストリー、ディア、引け後にアプライド・マテリアルズなどが発表予定。
ポーランドのドマンスキ財務・経済相は13日、銀行業界の高収益を背景に新しい税制案を数週間以内に提示すると発表した。同相は「高金利政策が銀行利益を押し上げており、金利が低ければ利益も少なかった」と政府の方針転換を説明。銀行業界は2016年から専用の税負担や法人税を負っており、2024年には全業界の88%が銀行部門からのもので国家財政の重要源となっている。政権は、保守派や極右からの圧力や大統領選敗北後の財政強化を狙い、追加税制導入を急いでいるが、業界団体は新税案に強い懸念を示している。
日経平均株価は反落。後場は安値圏で戻ることなく、高値警戒感の強い値動きとなった。8日ぶりの陰線を形成し、43000円を割り込んで終えた。
RSI(9日)は前日の81.3%→68.0%(8/14)に低下。5日移動平均線(42304円 8/14)まで下落幅を拡大することなく、直近の上昇幅に対する調整幅は限定的だったといえよう。上値へのトレンドフォローが基本スタンスではあるものの、目先的には調整が続いても不思議ではない。
上値メドは、8/13高値(43451円)、心理的節目の44000円、45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、5日移動平均線、7/24高値(42065円)、10日移動平均線(41502円 同)、心理的節目の41000円、25日移動平均線(40765円 同)、心理的節目の4万円、8/4安値(39850円)、7/14安値(39288円)などがある。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.86円(14日15時時点比△1.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.07円(△0.68円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1637ドル(▲0.0065ドル)
FTSE100種総合株価指数:9177.24(前営業日比△12.01)
ドイツ株式指数(DAX):24377.50(△191.91)
10年物英国債利回り:4.641%(△0.051%)
10年物独国債利回り:2.712%(△0.032%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月英国内総生産(GDP)
(前月比) 0.4% ▲0.1%
4-6月期英GDP速報値
(前期比) 0.3% 0.7%
(前年同期比) 1.2% 1.3%
6月英鉱工業生産
(前月比) 0.7% ▲1.3%・改
(前年同月比) 0.2% ▲0.2%・改
6月英製造業生産指数
(前月比) 0.5% ▲1.0%
6月英商品貿易収支
221.56億ポンドの赤字 220.51億ポンドの赤字・改
6月英貿易収支
50.15億ポンドの赤字 45.48億ポンドの赤字・改
7月スイス生産者輸入価格
(前月比) ▲0.2% ▲0.1%
7月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比 0.2% 0.2%
前年比 1.0% 1.0%
4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.1% 0.1%
(前年同期比) 1.4% 1.4%
6月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) ▲1.3% 1.1%・改
(前年比) 0.2% 3.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。アジア市場では日銀の早期利上げ観測を背景に一時146.21円まで円高・ドル安が進んだものの、7月24日の安値145.86円がサポートとして働くと下げ渋った。欧州市場に入ると、146円台半ばでのもみ合いが続いたものの、NY市場に入ると米インフレ指標の上振れをきっかけに上昇した。東京時間の高値147.42円を上抜けると一時147.91円まで上値を伸ばした。
米労働省がこの日発表した7月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.9%/前年比3.3%と予想の前月比0.2%/前年比2.5%を大きく上回り、食品とエネルギーを除くコア指数も前月比0.9%/前年比3.7%と予想の前月比0.2%/前年比2.9%を大幅に上回る強い数字となった。これまで高まっていた米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測が後退したことからドルが買い戻される展開となった。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.29%台まで上昇した。
・ユーロドルは軟調。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が「来月の大幅な利下げは適切とは考えていない」「0.50%の利下げは不必要な緊急性のシグナルを送ることになる」と発言したことを受けて、ユーロ売り・ドル買いが先行。NY市場に入り、予想を上回る米PPIを受けて全般ドル買いが活発化すると、一時1.1631ドルと日通し安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.32まで上昇した。
・ユーロ円は下値が堅かった。日本時間夕刻に一時170.97円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。0時30分前には172.20円付近まで持ち直した。ドル円の上昇につれた買いが入った。
・ロンドン株式相場は小幅ながら4日続伸し、史上最高値を更新した。米早期利下げ観測を背景に前日の米国株が上昇すると英株にも買いが入った。ただ、指数は史上最高値圏にあるだけに利益確定目的の売りも出やすく、上値は限定的だった。英中銀(BOE)が利下げを進めにくくなるとの見方も相場の上値を抑えた。
・フランクフルト株式相場は続伸。FRBが9月にも利下げを決めるとの観測を支えに前日の米国株が上昇すると、投資家がリスク選好姿勢を強めた。個別ではラインメタル(2.76%高)やエアバス(2.31%高)、アリアンツ(2.14%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落した。米債安につれた。
14日の日経平均は7日ぶり大幅反落。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり455/値下がり1109。軟調相場の中でも売買代金1位のサンリオと2位のソフトバンクGは大幅上昇。ベッセント財務長官が日本の金融政策にも言及したことを手がかりに、三菱UFJや三井住友など銀行株に資金が向かった。中国電力や北陸電力など電力株がディフェンシブ性を発揮して軒並み高。1Qの好決算が確認できたオイシックスやライフドリンクが急伸し、上方修正を発表したセグエGがストップ高となった。
一方、三菱重工、川崎重工、古河電工が5%台の下落。アドバンテストやソシオネクストなど半導体株の一角が値幅を伴った下げとなった。円高進行を嫌気してトヨタやSUBARUなど自動車株が軒並み安。伊藤忠や三菱商事など商社株の弱さが目立った。マツキヨココカラは1Qは増収増益も、目先の材料出尽くし感が強まり7%を超える下落。今期大幅最終減益計画のトライアルが急落した。
日経平均は大幅安。派手な上昇が止まれば、その後の下げが大きくなるのは仕方ない。きょうは前場で下を試した後、後場は値幅があまり出なかった。手じまい売りは加速しなかった一方で押し目買いも入っておらず、あすも不安定な地合いが想定される。
本日の米国では7月の生産者物価指数(PPI)が発表される。インフレへの警戒を和らげる結果となれば米国株には追い風となるが、利下げ期待が一段と高まって円高(ドル安)が進んでしまうと日本株には逆風となる。また、米国の引け後にはアプライド・マテリアルズが決算発表を予定している。あすの日本株は為替と半導体株の影響を大きく受けることになりそうだ。指数に関しては、現状水準から約300円下に5日線(42304円、14日時点)が控えており、これより上で推移できるかが焦点となる。明確に割り込んでしまうと、売りに勢いがつく可能性があり注意したい。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.76円(前営業日比△0.38円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.11円(▲0.39円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1648ドル(▲0.0057ドル)
ダウ工業株30種平均:44911.26ドル(▲11.01ドル)
ナスダック総合株価指数:21710.67(▲2.47)
10年物米国債利回り:4.28%(△0.05%)
WTI原油先物9月限:1バレル=63.96ドル(△1.31ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3383.2ドル(▲25.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.9% 0.0%
(前年比) 3.3% 2.3%
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) 0.9% 0.0%
(前年比) 3.7% 2.6%
前週分の米新規失業保険申請件数
22.4万件 22.7万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。米労働省がこの日発表した7月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.9%/前年比3.3%と予想の前月比0.2%/前年比2.5%を大きく上回り、食品とエネルギーを除くコア指数も前月比0.9%/前年比3.7%と予想の前月比0.2%/前年比2.9%を大幅に上回る強い数字となった。これまで高まっていた米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退したことからドルが買い戻される展開となった。東京時間の高値147.42円を上抜けると一時147.96円まで上値を伸ばした。ただ、前日の高値148.17円には届かなかった。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が「来月の大幅な利下げは適切とは考えていない」「0.50%の利下げは不必要な緊急性のシグナルを送ることになる」と発言したことを受けて、ドル買い戻しが先行。米インフレ指標の上振れをきっかけに米長期金利が上昇すると全般ドル買いが活発化し、一時1.1631ドルと日通し安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.32まで上昇した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.2946%前後まで上昇した。
・ユーロ円は続落。日銀の早期利上げ観測を背景に一時170.97円まで売られた影響が残った。ただ、NY市場に限れば下値の堅さが目立った。ドル円の上昇につれた買いが優勢になると、172.20円付近まで下げ渋る場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに小反落。7月米PPIが予想を大幅に上回ると、インフレ懸念が改めて広がり売りが出た。ただ、9月の利下げ観測は根強く、売り一巡後は下げ渋った。指数は上昇に転じる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに小反落した。連日で史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りも出やすかった。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。7月米PPIが予想を大幅に上回るとFRBによる大幅利下げ観測が後退し、債券売りが広がった。
・原油先物相場は3日ぶりに反発。明日から始まるトランプ米大統領とプーチン露大統領の首脳会談を控え買い戻しが優勢となった。前日には6月以来の水準まで原油価格が下落したこともあり、値ごろ感からも買いが出やすかった。
・金先物相場は反落。7月米PPIが市場予想を大幅に上回ると、FRBの利下げが慎重になるとの思惑から米金利が上昇し、金利のつかない金先物は売られ上値が重くなった。NY午後に入るとドルが上げ幅を広げ、ドルで取引される金先物には割高感が生じたこともあり反落して引けた。
新規雇用者数増減
2025/07 +2.45万人
2025/06 +0.10万人 (前月発表値 +0.20万人)
失業率
2025/07 4.2%
2025/06 4.3% (前月発表値 4.3%)
常勤雇用者数
2025/07 +6.05万人
2025/06 -3.66万人 (前月発表値 -3.82万人)
非常勤雇用者数
2025/07 -3.59万人
2025/06 +3.76万人 (前月発表値 +4.02万人)
労働参加率
2025/07 67.0%
2025/06 67.0% (前月発表値 67.1%)
一部通信社が報じたところによると「ロシア大統領府が『15日の米露首脳会談、現地時間11時30分に開始』と発表した」と伝えられている。
14日16:39 カラハン・トルコ中銀総裁
「金融引き締め政策の効果は徐々に表れる」
「今後もあらゆる政策手段を断固として活用する方針」
「需要の構成はバランスの取れた形で推移している」
14日17:53 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「来月の大幅な利下げは適切とは考えていない」
「0.50%の利下げは不必要な緊急性のシグナルを送ることになる」
「労働市場が軟化している事実は無視できない」
14日22:25 ベッセント米財務長官
「プーチン露大統領との停戦合意が成立するかどうかは不明」
「FRBに指示を出していない」
「FRBは0.25%の利下げから始め、その後加速させる可能性」
「FRBは0.50%の利下げを行う可能性」
「FRB議長のポストについては、その合理化を正当化できる人物が必要」
「金利モデルは利下げを示唆」
14日23:27 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「インフレ率は約3%で目標の2%を上回っている。関税の影響が出ている」
「関税の影響が出ているが、6~9カ月後にはこうした圧力は弱まると予想。しかし、より長く続く可能性もある」
「FRBには二つの使命がある」
「インフレ率が目標を1%上回っていることと、雇用リスクが下振れ傾向にあることの両方を考えている」
「労働市場は完全雇用付近で安定していると考えている」
「労働の需要は減少しているものの、供給も減少」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.1%/前期比年率0.4%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○13:30 ◇ 6月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 6月設備稼働率
<海外>
○11:00 ◎ 7月中国鉱工業生産(予想:前年比5.9%)
○11:00 ◎ 7月中国小売売上高(予想:前年比4.6%)
○17:30 ◎ 4-6月期香港GDP確定値(予想:前期比0.4%/前年同期比3.1%)
○21:30 ◇ 6月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.4%)
○21:30 ◇ 6月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.7%)
○21:30 ☆ 7月米小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比0.3%)
○21:30 ◎ 8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:ゼロ)
○21:30 ◇ 7月米輸入物価指数(予想:前月比横ばい)
○22:15 ◎ 7月米鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
◇ 設備稼働率(予想:77.5%)
○23:00 ◇ 6月米企業在庫(予想:前月比0.2%)
○23:00 ◎ 8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:62.0)
〇16日04:30頃 ◎ 米露首脳会談(米アラスカ州アンカレジ)
○16日05:00 ◎ 6月対米証券投資動向
○インド(独立記念日)、韓国(解放記念日)、ポーランド(聖母被昇天祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42770 +150 (+0.35%)
TOPIX先物 3074.0 +15.0 (+0.49%)
シカゴ日経平均先物 42845 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場はNYダウ、ナスダックが小幅に下落した一方で、 S&P500は小幅に上昇。7月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.9%上昇と市場予想(0.2%上昇)を上回る伸びとなり、インフレ懸念から売りが先行した。ただし、12日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)の結果に加え、前日のベッセント米財務長官による利下げの可能性が高いとの発言によって、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切るとの見方は根強く、売り一巡後は下げ渋る動きとなった。
S&P500業種別指数は小売、銀行、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した半面、耐久消費財・アパレル、家庭用品・パーソナル用品、商業サービス・用品の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マクドナルド<MCD>、JPモルガン・チェース<JPM>、キャタピラー<CAT>が買われた。一方で、スリーエム<MMM>、ホーム・デポ<HD>、シスコシステムズ<CSCO>、セールスフォース<CRM>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比225円高の4万2845円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比60円高の4万2680円で始まった。直後につけた4万2520円を安値に切り返し、米国市場の取引開始後には4万2890円まで上げる場面もみられた。ただし、その後は4万2710円~4万2870円辺りでの保ち合いを継続しており、4万2770円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。ただし、節目の4万3000円やボリンジャーバンドの+2σ(4万3100円)が心理的な抵抗として意識されやすく、同水準の突破を見極めたいところである。一方で、節目の4万2500円での底堅さがみられると考えられ、オプション権利行使価格の4万2500円から4万3000円でのレンジを想定する。
前日の下落については過熱を冷ます調整との見方であるが、+2σを割り込んできたことでリバウンド狙いのロングを入れにくくさせた。米国ではPPIの結果を受けてインフレに対する警戒が改めて広がっていた。また、米サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、9月のFOMCで0.50%の利下げは適切でないとの見解を示したと報じられていることもあり、米国での過度な利下げを織り込む動きに対する反動も警戒されてきそうだ。
もっとも、日本時間の16日にトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領による首脳会談が行われる。地政学リスクが大きく後退する可能性があることで、ショートについても仕掛けにくいだろう。そのほか、トランプ政権は経営不振に陥っているインテル<INTC>との間で、米政府が同社に出資する可能性について協議していると、関係者の話として報じられている。半導体株への手掛かり材料になるようだと、日経平均型を押し上げる展開が期待されよう。
日経225先物は4万2500円接近では押し目狙いのロング対応とし、4万3000円に接近する局面では、短期的ではあるが戻り待ち狙いのショートに向かわせよう。4万3000円を突破してきたとしても、+2σを明確に上抜けてくるのを見極めたいところである。なお、+2σ突破となれば、前日の下げに対するショートが強まりそうだ。
14日の米VIX指数は14.83(13日は14.49)に上昇した。一時15.39まで上げる場面もみられたが、PPIの結果を受けた動きのほか、前日には昨年12月下旬以来の水準まで低下していたこともあり、テクニカル的な反発であろう。ボトム圏での推移であり、リスク選好の状況は変わらない。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.93倍に低下した。一時14.05倍に上昇する場面もみられたが、その後はアドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株の下げが日経平均型の重荷になり、200日移動平均線(13.98倍)、25日線(13.95倍)を下回っていた。いったんは75日線(13.82倍)辺りまでの低下が意識される反面、インテルの報道を受けた半導体株の動向次第では、NTロングに振れそうだ。
14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、7月米卸売物価指数(PPI)が予想を大幅に上回り、米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退したことで147.96円まで上昇した。ユーロドルは、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が「来月の大幅な利下げは適切とは考えていない」「0.50%の利下げは不必要な緊急性のシグナルを送ることになる」と発言したことや米インフレ指標の上振れをきっかけに米長期金利が上昇したことで1.1631ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日本の4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値を見極めた後は、日米の10年債利回りや日経平均株価の動向に連れた値動きが予想される。
8時50分に発表される日本の4-6月期実質GDP速報値は、前期比+0.1%、年率換算で+0.4%と予想されており、2四半期ぶりのプラス成長が見込まれている。
トランプ米政権の高関税措置により、米国向けの自動車輸出は25%の追加関税が課されていたが、販売価格を引き下げてコストを負担する形で輸出数量を維持していたことで、堅調な輸出が寄与している可能性が見込まれている。
GDP速報値が予想通りにプラス成長を回復していた場合、日銀の利上げ再開の目安である「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」が整うことになる。
また、トランプ米政権による対日相互関税は、9月中旬までに合意通りに15%程度になることが見込まれるため、植田日銀総裁が利上げ停止の理由としていた「不確実性」が後退することになる。
米7月の消費者物価指数(CPI)は、前月比+0.2%、前年比+2.7%、卸売物価指数(PPI)は、前月比+0.9%、前年比+3.3%とまちまちな数字だった。
しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利据え置きの理由としていた健全な労働市場という見立てが崩れかけているため、2つの責務である「雇用の最大化」と「物価の安定」の内、「雇用の最大化」に軸足を移していく可能性が高いのではないだろうか。
目先のリスクシナリオは、来週22日に、パウエルFRB議長がジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム:21-23日)で労働市場に対する見立ての過ちを認め、昨年同様に利下げを表明する可能性となる。
また、米国の雇用統計に関しては、アントニー次期米労働統計局長が、月次の発表から四半期毎の発表に変えると述べたが、ベッセント米財務長官は否定的な見解を示していた。
今年1-7月の雇用者数に関しては、労働省発表の非農業部門雇用者数は、大幅に下方修正された後で+59.7万人(月平均+8.5万人)、ADP社発表の全国雇用者は+58.7万人(月平均+8.4万人)だったことで、集計方法に改善の余地があるのかもしれない。
東京市場は堅調か。米国株はまちまち。ダウ平均とナスダックが下落し、S&P500が上昇した。ダウ平均は11ドル安の44911ドルで取引を終えた。7月の生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回り、インフレへの懸念が再燃。ただ、200ドル超下げたところでは押し目買いが入り、前日終値近辺まで戻して終えた。米長期金利が上昇して為替市場では円安(ドル高)が進行。ドル円は足元147円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが225円高の42845円、ドル建てが245円高の42865円で取引を終えた。
米国株は3指数ともほぼ横ばい。ドル円が円安に振れている分、日本株にはプラスの影響が及ぶと予想する。ただ、買いは恐る恐るとなるだろう。日経平均のきのうの下げ(625円安)が大きいものとなったため、高くなれば目先の利益を確定させる売りが出てくるとみる。いったん上を試した後は伸び悩み、小高い水準でこう着感が強まる展開を想定。物色に関しては、米国で引け後に決算を発表したアプライド・マテリアルズが時間外で大きく下落しており、半導体株にはネガティブな影響が及ぶと思われる。自動車株や金融株が、円安進行や米長期金利の上昇を手がかりに選好されやすくなるだろう。日経平均の予想レンジは42500-43000円。
サマーバケーション真っ只中のNY市場では、昨日は7月米PPIが予想を遥かに上回る数字に跳ね上がっていたことを受けて、米長期金利が急騰。前日の急低下を埋める動きとなりました。パウエルFRB議長がかねてから懸念している米相互関税の影響が「7月から9月にかけて顕著となる可能性が高い」ことを改めて意識せざるを得ないといったところですが、市場では13日のベッセント米財務長官のインタビューでの発言に対して、FOXビジネスのマリア・バルチロモとのやり取りが話題となっています。
マリア曰く、「あなたの現在の財務長官の立場でFedに150bpの利下げを求めるなんて、あなたのサポーターでもある非常に近い友人でさえ警告を発していましたが、これがかなり異常な事態であると思いませんか」と突っ込まれると、ベッセントはたじたじ。「ちょっと待って下さい。私は利下げを求めたわけではないんですよ。私が話したのは、中立金利にするには約150bp利下げとなるとの考えを伝えただけです。それと、5月と6月のBLSの悪化した数字が出たので、恐らく、多分恐らくですが、9月の50bpも可能になると話しただけです」と言い訳に終始しました。 その後もマリアの突っ込みがしばらく続くわけですが、結論からいうと「中立金利の議論をしたまで」といったところです。
いずれにしても、今月末には7月米PCEコアも出るほか、来月も9月FOMCを前にして8月の米労働指標やインフレ指標が、願わくば、トランプ米大統領への忖度なしに操作されずに公表される予定ですが、目先はやはり、週末のジャクソンホールを待つことになりそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比390円高の4万3010円(+0.91%)前後で推移。寄り付きは4万2770円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2845円)にサヤ寄せする形から、やや買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に4万2960円まで買われたが、4万3000円接近で上値を抑えられる形になり、買い一巡後は4万2730円と寄り付きの価格を下回る場面もあった。ただし、中盤にかけて再びロングが入る形で上げ幅を広げると、終盤にかけて4万3050円まで買われた。
日経225先物は朝方こそ、4万3000円接近で上値を抑えられていたが、終盤にかけての切り返しによって4万3000円台を回復してきた。ボリンジャーバンドの+2σが4万3150円辺りに位置しているため、同水準を捉えてくるかが注目される。同バンドが抵抗となるようだと戻り待ち狙いのショートが入りやすくなる半面、明確に上抜けてくるとショートカバーの動きが強まるだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.94倍に上昇した。低下して始まり、一時13.93倍まで下げる場面もみられたが、その後は終盤にかけて切り返す形となり、25日移動平均線(13.94倍)を捉えてきた。同線を上抜けてくるようだと、NTショートを巻き戻す動きに向かわせそうだ。
「ベッセント米財務長官の指揮の下で、次期FRB議長の人選が行われていく」
(トランプ米大統領)
2026年5月15日に任期を迎えるパウエル第16代FRB議長の後任の人選が、次期FRB議長を辞退したベッセント米財務長官の下で行われることになった。
トランプ大統領は秋に後任議長人事を発表する予定らしい。
1.FRB次期議長に求められる条件
・市場の信認を得られる人物
・複雑な経済データを分析できる能力
・FOMCの合意形成をできるマネジメント力
・鋭敏な先行き予測力
・FRB業務範囲(環境・規制)を見直せる人材
※おそらく、トランプ米大統領の利下げ要請に応じることができる人物?
2.歴代FRB議長の指名時期
・ボルカー第12代FRB議長(1979年):1カ月前
・グリーンスパン第13代FRB議長(1987年):2カ月前
・バーナンキ第14代FRB議長(2006年):6カ月前
・イエレン第15代FRB議長(2014年):3カ月前
・パウエル第16代FRB議長(2018年);3カ月前
2. 第17代FRB議長候補
【指名受諾を表明した候補】
■ウォーシュ元FRB理事(2006~11年)
ウォーシュ元FRB理事の妻は、エスティローダー創業家一族であることで、トランプ一族と長年にわたる個人的なつながりがある。2017年の第1次トランプ米政権では、第16代FRB議長の座を巡り、パウエルFRB理事と争ったものの敗れた。
FRB理事(2006~11年)としては、タカ派として知られていた。
2010年に失業率が9.4%と高水準だったにもかかわらず、バーナンキ第14代FRB議長の量的緩和(QE)第2弾に反対し、FRBの米国債購入がインフレを引き起こすと警告したが、インフレ懸念は杞憂に過ぎなかった。
2025年2月のWall Street Journalへの寄稿では、ハト派的な見解を示していた。
「中央銀行は物価を安定させるパワーを持つ」と指摘し、トランプ政権による規制緩和や政府支出の削減はインフレ抑制的であり、トランプ関税による物価上昇はあくまで一時的であり、FRBが積極的に利下げを実施すべきとのスタンスを示した。
■ウォラーFRB理事
ウォラーFRB理事は、トランプ政権1期目で理事に指名され、7月FOMCでは利下げを主張した。コロナ禍の際には、FRBはリセッション(景気後退)なしにインフレを抑制できると主張し、トランプ関税はインフレ加速的ではない、とも主張している。ブルーカラー出身で、倉庫労働者として働いていたウォラーFRB理事は、ウォーシュ氏が次期FRB議長に選任された場合は、辞任する可能性が警戒されている。
■ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
第1次トランプ米政権では、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長として「減税・雇用法」の策定と成立に中心的な役割を果たした。
第2次トランプ米政権では、国家経済会議(NEC)委員長として、「税制・歳出法案」の成立に尽力した。
【他の候補】
・ジョージ・W・ブッシュ政権で国家経済会議副委員長を務めたサマーリン氏
「現時点においてインフレは深刻な問題ではない。関税は実質的な課税強化であり、可処分所得が抑制され、需要面からインフレを抑える効果ある」
・ボウマンFRB副議長&ジェファーソンFRB副議長
・ローガン米ダラス連銀総裁&ブラード前セントルイス連銀総裁
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、主要な経済指標や要人発言の予定がないことで、米露首脳会談への警戒感から動きづらい展開が予想される。
本日は、アラスカ州のアンカレジでトランプ米大統領とプーチン露大統領によるウクライナ戦争の停戦を巡る米露首脳会談が開催される。
アラスカ(半島)は、1867年にロシアがクリミア戦争後の財政難により米国に720万ドル(1平方キロ=5ドル)で売却されたが、本日は、クリミア半島割譲などの領土問題が米露で協議されることになる。
戦争当事国であるウクライナのゼレンスキー大統領を抜きにした米露首脳会談で、ウクライナ戦争の停戦に向けた前向きな成果があるとは思えないものの、メルツ独首相が「米露会談では重要な決定もあり得る」と述べていることで予断を許さない状況となっている。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、欧州各国首脳とトランプ米大統領との電話協議の後、「五つの共通原則」で合意したと明らかにした。
・ウクライナに関するあらゆる事案はウクライナとだけ協議しなければならない。3者協議の枠組みを準備しなければならない。停戦は必ず実現しなければならない。
・真に信頼できる安全保障の保証が必要。
・ロシアは、ウクライナの欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)との将来について拒否権を持つことはできない。
・15日にプーチン氏と停戦合意に達しなければ、ロシアに対する制裁は強化される。
・ゼレンスキー氏は、即時停戦がプーチン氏とトランプ氏の協議の「中心的な議題」になることを期待している。
トランプ米大統領は、プーチン露大統領に対して、ロシアが制圧したウクライナ領の一部を返還することで、「領土の交換」を停戦交渉の焦点とする考えを示している。
しかし、プーチン露大統領は「完全な停戦」に応じる条件として、ロシアに対する制裁の解除やウクライナが東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)から軍を撤退させることを求めている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1789ドル(7/24高値)
・ユーロ円:173.02円(8/13高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1591ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:170.62円(8/6安値)
ドル円:1ドル=147.15円(前営業日NY終値比▲0.61円)
ユーロ円:1ユーロ=171.74円(▲0.37円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1671ドル(△0.0023ドル)
日経平均株価:43378.31円(前営業日比△729.05円)
東証株価指数(TOPIX):3107.68(△49.73)
債券先物9月物:137.91円(▲0.06円)
新発10年物国債利回り:1.560%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値
前期比 0.3% 0.1%・改
前期比年率 1.0% 0.6%・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
2549億円の取得超 5270億円の処分超・改
対内株式
4893億円の取得超 1939億円の取得超・改
6月鉱工業生産・確報値
前月比 2.1% 1.7%
前年比 4.4% 4.0%
6月設備稼働率
前月比 ▲1.8% 2.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。本邦の4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値が前期比+0.3%/前年比+1.0%と予想を上回る伸びとなったほか、前回分も上方修正された。これを受け、日銀が利上げに動きやすくなるとの見方から円買いが強まると、お盆休みで取引量が限られる中、147.05円まで下落した。時間外の米10年債利回りが4.26%台まで低下したことも重しとなったもよう。
・ユーロドルは小高い。米長期金利の低下をながめ、15時過ぎに1.1674ドルまで上値を広げた。ドル円でのドル売りが進んだことも追い風となったもよう。
・ユーロ円も軟調。本邦GDP後に円高となった影響を受けて171.51円まで下落。なお、日経平均は堅調推移するも反応は薄かった。ただ、その後はユーロドルの小幅高となった影響で下げ渋った。
・日経平均株価は反発。前日に下落した反動で買いが先行すると、国内景気の底堅さもあり堅調に推移。取引時間中・終値共に史上最高値を更新した。TOPIXも取引時間中・終値で史上最高値を更新している。
・債券先物相場は5日続落。前日の米物価指標を受けて長期金利が上昇(債券価格は下落)した流れを引き継いで始まると、本邦GDPの強い結果をあり、債券は売りが優勢となった。日経平均やTOPIXが取引時間中に史上最高値を更新したことも、相対的に安全資産とされる債券の重しとなった。
大阪9月限
日経225先物 43470 +850 (+1.99%)
TOPIX先物 3114.0 +55.0 (+1.79%)
日経225先物(9月限)は前日比850円高の4万3470円で取引を終了。寄り付きは4万2770円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2845円)にサヤ寄せする形から、やや買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に4万2960円まで買われたが、4万3000円接近で上値を抑えられる形になり、買い一巡後は4万2730円と寄り付きの価格を下回る場面もあった。だが、前場中盤に再びロングが入る形で上げ幅を広げ、前場終盤にかけて4万3050円まで買われた。
ランチタイムでは4万3000円辺りを固める動きをみせ、後場の取引開始後にはボリンジャーバンドの+2σ水準を突破。ショートカバーを交えての強い上昇が終盤にかけて続き、前日の下落分を完全に吸収する形になっている。
日経225先物は朝方こそ4万3000円接近で上値を抑えられていたが、前場終盤にかけての切り返しによって4万3000円台を回復した。+2σが抵抗線として意識されていたが、後場に入って同バンドを一気に上抜けたことで、上へのバイアスが強まったようだ。前日の大幅な下落分を埋める強い動きであり、レバレッジ型ETFによるヘッジ対応のショートカバーも意識されていた。
+2σはナイトセッションで4万3530円辺りに切り上がり、同バンドでは強弱感が対立しやすいとみられる。+3σは4万4760円、+1σが4万2300円辺りに位置している。バンドは拡大傾向にあるため、値幅が出やすい状況が続きそうだ。週足では+1σと+2σによるレンジ内での推移を継続するなかで、+2σを上回って終えている。
急ピッチの上昇に対する過熱感は警戒されやすいが、日足、週足ともに+2σ水準での推移であるため、それほど過熱している状況ではない。短期的には前日のような大幅な調整もありそうだが、現在のトレンド形成を続けている局面では、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.95倍に上昇した。低下して始まり、一時13.87倍まで下げる場面もみられたが、その後は切り返す形となり、25日移動平均線(13.94倍)を上回って終えている。同線を明確に上抜けて200日線(13.98倍)を捉えてくるようだと、NTショートを巻き戻す動きが強まりそうである。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万3047枚、ソシエテジェネラル証券が1万8458枚、サスケハナ・ホンコンが3870枚、バークレイズ証券が2289枚、JPモルガン証券が2157枚、SBI証券が2152枚、ゴールドマン証券が1929枚、野村証券が1801枚、日産証券が1450枚、モルガンMUFG証券が1284枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万6888枚、ソシエテジェネラル証券が2万4796枚、JPモルガン証券が6864枚、ビーオブエー証券が4034枚、バークレイズ証券が4020枚、モルガンMUFG証券が3624枚、ゴールドマン証券が2737枚、みずほ証券が1533枚、野村証券が1352枚、サスケハナ・ホンコンが942枚だった。
本日のニューヨーク為替市場では、複数の米経済指標で足もとの景気動向を確かめながら、米金利の上下にドル相場はついていくだろう。なお、週引けを控えた時間帯(日本時間16日4時30分頃から)に米露首脳会談が予定されている。
NY序盤に発表される7月米小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比0.3%)は、プラス幅が前回からやや縮小見込み。8月ニューヨーク連銀製造業景気指数も前月から下振れ予想だ。7月鉱工業生産が前月比で横ばい予想と、全般的に指標結果への期待感は弱めだ。
昨日はベッセント米財務長官が、13日の発言は米連邦準備理事会(FRB)に利下げを要求したわけではないと述べた。しかしながら財務長官は、中立水準が現行金利より1.5%低いと再び指摘。9月米連邦準備理事会(FRB)で0.5%の引き下げは適切との考えを改めて示した。本日の経済データがさえないようだと、トランプ政権の利下げ圧力は一層高まることが予想される。
現物の米株相場が寄り付いた後、ミシガン大調べの8月消費者態度指数(速報値、予想:62.0)が発表予定。前回から若干の改善見込みだが、こちらは1年先や5-10年先の期待インフレ率にも注目したい。先月の速報値も、それぞれが予想以上に低下していたことがドル売りを誘発した。前回7月の期待インフレ率(確報値)は1年先が4.5%、5-10年先が3.4%だった。
昨日の7月米卸売物価指数(PPI)はトランプ関税の影響が色濃く反映され、市場予想を大幅に上回った。12日の発表直後はドル売りで反応した同月消費者物価指数(CPI)も、「コア前年比」は2カ月連続で上昇し、5カ月ぶりに3%台を回復している。インフレの観点からは今のところ、(市場はほぼ織り込んでいるものの)早期利下げを裏付ける材料に乏しいとも言える。そういったなか本日の期待インフレ率次第では、来週に向けたドル相場の方向性が示されるかもしれない。
想定レンジ上限
・ドル円、昨日高値147.96円
想定レンジ下限
・ドル円、7月10日安値145.76円
今晩は底堅い展開か。
昨日は米7月生産者物価指数(PPI)が予想を上回る伸びとなったものの、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ見通しが維持されたことが支援となった。ダウ平均は朝方に231ドル安まで下落したが、11.01ドル安(-0.02%)と下落幅を縮小して終了し、S&P500は0.39%安まで下落後、0.03%高とわずかに上昇して終了し、終値で3日連続での最高値更新となった。ハイテク株主体のナスダック総合は0.40%まで下落後、0.24%高まで上昇し、0.01%安とわずかにマイナス圏で終了した。
引け後の動きではダウ平均採用のユナイテッドヘルスがバークシャー・ハサウェイの株式取得を好感し、時間外で10%超上昇した。一方、アプライド・マテリアルズは4-6月期決算が予想を上回ったものの、弱い見通しが嫌気され時間外で14%安と急落した。
今晩は週末の取引となるが、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しが引き続き支援となることが期待されるほか、ダウ平均採用銘柄のユナイテッドヘルスの大幅高が見込まれることも支援となりそうだ。比較的値がさ株のユナイテッドヘルスが通常取引でも10%高となれば、1銘柄でダウ平均を170ドル以上押し上げることになる。経済指標では景気動向を巡り、7月小売売上高、8月NY連銀製造業業況指数、8月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が注目されるほか、インフレ動向を巡ってはミシガン大が併せて発表する8月1年先・5年先期待インフレ率速報値にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは7月小売売上高、8月NY連銀製造業業況指数、8月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値のほか、7月輸入物価、7月鉱工業生産など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は大幅反発。5日移動平均線(42768円 8/15)上から上値を伸ばす動きが続き、前日の陰線逆上がりの展開となった。ほぼ高値引けとなり、2日前につけた史上最高値を更新した。
RSI(9日)は前日の68.0%→76.6%(8/15)に上昇。来週初も上昇が続きやすいタイミングとなる。一目均衡表の転換線(41650円 同)の上昇再開を通じて、上値へのトレンドフォローが基本スタンスである。
上値メドは、心理的節目の44000円、45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、5日移動平均線、7/24高値(42065円)、10日移動平均線(41733円 同)、心理的節目の41000円、25日移動平均線(40907円 同)、心理的節目の40500円や4万円、8/4安値(39850円)などがある。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.23円(15日15時時点比△0.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.33円(△0.59円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1704ドル(△0.0033ドル)
FTSE100種総合株価指数:9138.90(前営業日比▲38.34)
ドイツ株式指数(DAX):24359.30(▲18.20)
10年物英国債利回り:4.696%(△0.056%)
10年物独国債利回り:2.788%(△0.076%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。時間外の米長期金利が低下すると円買い・ドル売りが先行。17時過ぎに一時146.92円まで値を下げた。
NY時間発表の8月米NY連銀製造業景気指数や7月米輸入物価指数が予想を上回ると米長期金利の上昇とともに147.27円付近まで下げ渋ったものの、米長期金利が低下に転じるとすぐに失速。21時30分過ぎには一時146.74円と日通し安値を更新した。
ただ、その後米ミシガン大学が発表した期待インフレ率が予想を上回ると米長期金利の上昇とともに再びドル買いが優勢に。2時30分過ぎには147.33円付近まで持ち直した。総じて米長期金利の動向に一喜一憂する展開が続いた。
・ユーロドルは強含み。独長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。米経済指標の発表後は米金利に追随した動きとなり、23時30分過ぎに一時1.1715ドルと前日の高値に面合わせした。
ただ、そのあとは複数回にわたり前日高値の1.1715ドル突破を試したものの、上抜けることが出来ずに伸び悩んだ。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、1.1699ドル付近まで下押しする場面があった。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁は「1カ月分のPPIやCPI、輸入物価に過剰反応するべきではないが、懸念すべき点はある」と述べたと伝わった。
・ユーロ円は底堅い動き。東京午後に一時171.51円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。オセアニア時間の高値172.25円を上抜けて一時172.38円まで値を上げた。ドル円の下げ渋りやユーロドルの上昇につれた買いが入った。
・ロンドン株式相場は5日ぶりに反落。前日の米国株や本日の日本株の上昇を受けて、投資家心理が改善すると英株にも買いが先行したものの、徐々に上値が重くなった。連日で史上最高値を更新していただけに、利益確定目的の売りが出やすかった。HSBCホールディングスやスタンダード・チャータードなど金融株が売られた半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われた。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反落。前日の米国株や本日の日本株の上昇を受けて欧州株にも買いが先行した。ただ、中盤以降は週末を控えたポジション調整目的の売りなどが出たため、小幅ながら下げに転じた。個別ではシーメンス・エナジー(3.05%安)やザランド(1.53%安)、エーオン(1.25%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落した。米債安につれた。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.19円(前営業日比▲0.57円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.18円(△0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1703ドル(△0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:44946.12ドル(△34.86ドル)
ナスダック総合株価指数:21622.98(▲87.69)
10年物米国債利回り:4.32%(△0.04%)
WTI原油先物9月限:1バレル=62.80ドル(▲1.16ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3382.6ドル(▲0.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米小売売上高
(前月比) 0.5% 0.9%・改
(除く自動車) 0.3% 0.8%・改
8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
11.9 5.5
7月米輸入物価指数
(前月比) 0.4% ▲0.1%・改
7月米鉱工業生産
(前月比) ▲0.1% 0.4%・改
設備稼働率 77.5% 77.7%・改
6月米企業在庫
(前月比) 0.2% 0.0%
8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
58.6 61.7
6月対米証券投資動向
短期債を含む 778億ドル 3181億ドル・改
短期債を除く 1508億ドル 2668億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。NY市場に限れば米長期金利の動向につれた動きとなった。米長期金利が低下した場面では売りが強まり一時146.74円と日通し安値を付けたものの、米長期金利が上昇に転じると買い戻しが入り、2時30分過ぎに147.33円付近まで下げ渋った。
なお、この日発表された8月米NY連銀製造業景気指数や7月米輸入物価指数は予想を上回った一方、7月米鉱工業生産や8月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は予想を下回った。また、米ミシガン大学が発表した期待インフレ率は予想より強い結果となった。
・ユーロドルは反発。独長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。米長期金利が低下した場面では一時1.1715ドルと前日の高値に面合わせした。
ただ、そのあとは複数回にわたり前日高値の1.1715ドル突破を試したものの、上抜けることが出来ずに伸び悩んだ。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、1.1699ドル付近まで下押しする場面があった。
なお、トランプ米大統領とプーチン露大統領の首脳会談が米アラスカ州アンカレジで始まった。両首脳の対面での会談はロシアのウクライナ侵攻後初めてで、和平に向けた停戦への進展を見いだせるかどうかが焦点となる。
・ユーロ円は3日ぶりに小反発。東京午後に一時171.51円と日通し安値を付けたものの、NY市場では買い戻しが目立った。オセアニア時間の高値172.25円を上抜けて一時172.38円まで値を上げた。ドル円の下げ渋りやユーロドルの上昇につれた買いが入った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反発。著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる米バークシャー・ハザウェイによる株取得が明らかになったユナイテッドヘルス・グループが大幅に上昇し、1銘柄でダウ平均を220ドル超押し上げた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落。トランプ米大統領が半導体関税を近く公表すると話したうえで、「場合によっては200%、300%」との考えを示すと半導体株に売りが集まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米ミシガン大学が公表した8月米消費者調査(速報値)で期待インフレ率が予想を上回ると売りが優勢となった。
・原油先物相場は反落。この後始まるトランプ米大統領とプーチン露大統領の首脳会談を前に、前日にプーチン氏の和平に対して積極的な発言が伝わったことが原油価格の売りを誘った。ウクライナとロシア間で停戦が決まると、ロシア産原油の供給が回復することになることで原油先物は売りが優勢になる。また、本日発表された中国の経済指標が弱い結果だったことも重しになった。
・金先物相場は続落。米金利の上昇で金利のつかない金先物は上値が重くなっている反面、ドル安が進んでいることでドルで取引される金先物は割安感で下値も支えられた。引けにかけてはわずかながら売りが優勢になり、小幅に続落して引けた。
一部通信社が関係者の話として報じたところによると、「米露首脳会談は6-7時間を要する可能性がある」ようだ。
米露首脳会談が米アラスカ州アンカレジで始まった。トランプ米大統領はロシアのプーチン大統領を出迎え、会談を前に握手した。
15日10:24 赤沢経済再生相
「4-6月期GDPは景気が穏やかに回復していることを確認」
「米通商政策による下振れリスクに留意が必要」
「物価上昇継続が個人消費に及ぼす影響も景気の下押しリスク」
「日米合意を踏まえ、引き続き必要な対応を行う」
「ベッセント米財務長官は日本に利上げを求めていない」
「ベッセント米財務長官の発言は切り取り報道だと思う」
「政府として日銀の利上げの水準にはコメントしない」
15日15:22
「(米関税措置について)短期的に見て景気に良い影響を与えていない」
15日10:57 加藤財務相
「日銀には2%物価目標に向けた適切な金融政策を期待」
「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるもの」
「(米財務長官の日銀利上げ言及について)他国政府の発言にはコメント控える」
15日21:49 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「最新のPPIやCPIのインフレデータは不安材料を示唆している」
「1カ月分のPPIやCPI、輸入物価に過剰反応するべきではないが、懸念すべき点がある」
「金利を永遠に据え置く必要はない」
「9月か秋以降にインフレスパイラルに陥っていないという兆候があれば、利下げできる」
※時間は日本時間
◆豪ドル、雇用統計は好結果もRBAの動向は今後の経済指標次第か
◆NZドル、RBNZは利下げ予想が優勢
◆ZAR、景況感指数も強く高関税の影響は現時点では軽微
予想レンジ
豪ドル円 93.00-98.00円
南ア・ランド円 8.25-8.60円
8月18日週の展望
豪ドルは引き続き方向感が定まらない相場展開になりそうだ。今週11-12日に行われた豪準備銀行(RBA)理事会では、全会一致で市場予想通りに政策金利を3.85%から3.60%へと引き下げた。理事会では見通しについては引き続き慎重な姿勢を維持し、声明文では「基調インフレ率は2-3%レンジの中間点付近まで引き続き緩和していく」との見解を示した。市場では次回の利下げが9月予想と、11月まで先送りするとの予想が二分されている。今週発表された4-6月期の賃金指数は前回の0.9%よりも弱い0.8%だったこともあり、今後もインフレが低下傾向を示せば早期利下げ期待が高まりそうだ。一方で、7月の雇用統計は失業率が前回の4.3%から4.2%へと改善しただけでなく、常勤雇用者を中心に新規雇用者数が増加した。下半期に豪州の雇用指数が改善傾向を辿れば、利下げは先送りされ豪ドルの支えになる。今後は、インフレと雇用指標のバランスを見極めながら、豪ドルは神経質な動きになるだろう。
なお、来週は豪州からのイベントは20日にRBAのマクフィー副総裁(ビジネスサービス担当)とジョーンズ副総裁(金融システム担当)がパネルディスカッションに出席。21日にはメルボルンインスティテュートから8月のインフレ期待が発表される。
隣国のニュージーランド(NZ)からは、20日のNZ準備銀行(RBNZ)金融政策委員会(MPC)に注目。公式現金金利(OCR)は昨年8月の5.50%から3.25%へと引き下げられてきている。MPCでは前回に引き続き据え置きを予想する声も一部ではあるが、今月発表されたインフレ率や雇用指数の結果を受けて25ベーシスポイントの利下げ予想が優勢。4-6月期のCPIは前年比で+2.7%となり、基礎的な物価圧力が弱いことが示された。同期の雇用統計は、5.2%となり5年ぶりの高水準を記録し、労働力参加率が70.7%から70.5%へと低下するなど、労働市場の更なる弱さを示す結果となった。なお、21日には7月貿易収支も発表予定。
南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅い展開を予想。米国の関税率が30%に引き上げられたが、市場への影響は軽微で今週もZARは堅調に推移した。今週発表された南ア商工会議所(SACCI)がまとめた景況感指数は、7月は116.7まで上昇するなど、関税の悪影響は現時点では表面化されていない。各国の金融緩和路線で、南アへの投資意欲が継続されていることがZARを支えるだろう。なお、来週の経済指標では、20日の7月消費者物価指数(CPI)が注目される。
8月11日週の回顧
豪ドルは対ドルでは横ばい、対円では小幅安。豪雇用統計が好結果だったことが豪ドルを支えたが、米卸売物価指数(PPI)が市場予想を大幅に上回ると対ドルでは上値が重くなった。対円ではベッセント米財務長官が日銀への利上げ圧力と捉えられる発言をしたことで上値が重かった。ZARは堅調だった。対円では1月後半以来の水準、対ドルでは年初以来高値を更新した。南アの4-6月期失業率は悪化したが、市場の反応は限られた。
◆ポンド、金利見通しに変化あるか英インフレ指標を見極め
◆ポンド、PMIや小売売上高など景気指標にも注目
◆加ドル、7月CPIを確認するほか米加貿易交渉の行方も重要
予想レンジ
ポンド円 197.50-202.50円
加ドル円 105.00-109.00円
8月18日週の展望
ポンド相場は、7日に英中銀(BOE)が決定した「タカ派的な利下げ」の影響が残っている。英金利先安観が後退するなか、来週は英国の7月インフレ指標を見極める必要がある。また、8月購買担当者景気指数(PMI)や7月小売売上高などの景気指標にも注目。
7月CPIは、物価上昇の勢いに落ち着きが戻るかが焦点だろう。前回6月分は前年比3.6%と市場予想を上回り、2024年1月以来の高い水準を記録。輸送コストの上昇がインフレ押し上げの主要因とされた。英中銀が重視するサービス価格インフレ率も前年比4.7%と高止まり。今週発表の雇用データでも4-6月平均賃金(除くボーナス)は、前年比5.0%と高い伸び率が維持されている。英中銀チーフエコノミストのピルMPC(金融政策委員会)委員は前回会合後、「インフレ率の上昇が長期的な経済行動の変化を伴う場合」との条件を付けながらも、「利下げ先送りはあり得る」という見解を示した。CPIの結果次第では、ピル委員の見方が優勢になるかもしれない。
また、8月PMIは、改善基調の製造業が景況判断の境目50に近づくか、サービス部門は4カ月連続の50超えとなるかがポイント。また7月小売売上高は、プラスを回復した前回の流れが続くか注目したい。今週発表された第2四半期国内総生産(GDP)は予想より強い結果だったこともあり、足元の景気の良さが確認できれば、ポンドの底堅さに繋がるだろう。
加ドルは、米・カナダ貿易交渉の行方は重要だが、まず来週前半の7月カナダCPIを見定めたい。前回6月分は前年比1.9%と5月から0.2%加速したが、カナダ中銀(BOC)のインフレ目標2%付近を3カ月連続で下回った。次回BOC会合の前に8月CPIが発表されるため、金融政策決定の材料は残されている。とはいえ、今回もインフレ圧力が高まらないとなれば、前回会合で含みを持たせた「今後の利下げ」が意識されるだろう。もちろん、BOCが重視するコアインフレ指標(CPI中央値とCPIトリム)も精査する必要がある。
また、カナダと米国の貿易交渉については、執筆時点では大きな進展はみられない。「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の基準に適合する加製品は新たな関税の対象外」としているからか、トランプ米政権は対加交渉を優先事項としていない可能性がある。いずれにせよ、カーニー加首相が目指す8月末までの貿易合意に向けて、関連報道には注意し続ける必要があるだろう。
8月11日週の回顧
ポンドは前週の英金融政策後の買いの流れが続き、対円では昨年7月以来の高値圏となる200円前半、対ドルでは1.36ドル手前まで上げ幅を拡大した。ベッセント米財務長官の発言をきっかけに「日銀の利上げ観測」が高まった場面でも、円買い戻しは198円半ばまでに留まった。
加ドルは対円で一時106円前半まで下値を広げた。中国が「加産キャノーラに75.8%の反ダンピング関税を課す」と発表したことが加ドル売りを誘い、日銀追加利上げへの警戒感から円買いが進んだ。対ドルでは1.37加ドル半ばから1.38加ドル前半まで加ドル安に振れた。
◆ドル円、パウエルFRB議長のジャクソンホールでの講演や次期FRB議長人事に注目
◆日本の7月CPIや石破首相の進退にも注意
◆ユーロドル、8月ユーロ圏製造業・サービス業PMI速報値に注目
予想レンジ
ドル円 145.00-149.50円
ユーロドル 1.1400-1.1850ドル
8月18日週の展望
ドル円は、22日にジャクソンホール会合で講演するパウエルFRB議長の発言に注目が集まる。利下げ時期や年内の利下げ回数への言及などを確認したい。また、次期FRB議長の人選などにも注目しながら、7月の日本の消費者物価指数(CPI)などを見極めていくことになる。
来週は先ず、20日に公表される7月29-30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、労働市場の脆弱性への警戒感から0.25%の利下げを主張したウォラーFRB理事とボウマンFRB副議長を除く多数派による政策金利据え置きの背景を確認することになる。
また、21-23日に開催されるジャクソンホール会合の今年のテーマは「雇用市場」となっており、パウエルFRB議長が基調講演において、従来の「堅調な労働市場」という見立てについてどのような見解を示すのか。7月の雇用統計での大幅下方修正を受けて、利下げに対しての言及があるのかどうかに注目だろう。昨年の会合でも、パウエルFRB議長は講演において「政策金利を引き下げる時が来た」との見解を表明。市場に政策変更を伝えることになった。
更には、次期FRB議長の人選に関しては現在、ベッセント米財務長官の下で11名程度の候補者の中から選択が行われている。次期FRB議長が早期に決定した場合、「影の議長」として、トランプ米大統領に忖度しているとされている、ウォラーFRB理事、ボウマンFRB副議長、ミランFRB暫定理事と連携して、今後のFOMCでの利下げ圧力を強めることが警戒されるだろう。
日本国内では、石破首相の進退に関するヘッドラインに警戒しながら、7月の消費者物価指数(CPI)に注目しておきたい。石破首相辞任ならば、次期政権への期待感から日本株高・円安が見込まれている。また、7月CPIの数字次第では、トランプ関税の不確実性が後退しつつあることで、日銀の早期利上げ観測に影響することになるだろう。
ユーロドルは、米国と欧州連合(EU)との関税合意による欧州の景況感悪化が懸念される中、8月の製造業・サービス業PMI速報値に注目。8月の独・ユーロ圏ZEW景況指数の悪化に続き、PMIも悪化していた場合は、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げ観測が高まることになりそうだ。
8月11日週の回顧
ドル円は、148.52円まで上昇した後、米CPI後に146.21円まで反落。ベッセント米財務長官が米大幅利下げに言及したほか、日銀の利上げを促したことも売りを後押しした。ただ、米PPIが上振れたことから147.96円まで一転して買戻されている。ユーロドルは、米長期金利の低下につれて1.1590ドルから1.1730ドルまで上昇したものの、強い米PPIを受けて1.1631ドルまで下押ししている。また、ユーロ円は日米株価指数の史上最高値を背景に173.02円まで上昇後、日銀の早期利上げ観測から170.97円まで反落した。
15日の日経平均は大幅反発。終値は729円高の43378円。米国株は3指数がまちまちとなったが、強めの米7月生産者物価指数(PPI)を受けて為替市場で円安(ドル高)が進んだことを好感して、200円超上昇して始まった。前場では43000円近辺まで上昇すると上値が重くなったものの、11時辺りから強含み、前引けでは43000円を上回った。
後場は43000円より上が定着し、買いに勢いがつく展開。主力銘柄の多くが値幅を伴った上昇となり、プライム市場全体でも値上がりに転じる銘柄が増加した。前日の下げ分(625円安)を埋めると、終盤にかけては上げ幅を700円超に拡大。43400円台に乗せる場面もあり、高値圏で取引を終えた。TOPIXは終値で3100pを上回っており、そろって史上最高値を更新した。
東証プライムの売買代金は概算で5兆6100億円。業種別では銀行、非鉄金属、保険などが大幅上昇。下落は金属製品、水産・農林、倉庫・運輸の3業種のみとなった。米長期金利の上昇や良好な4-6月期GDPなどを追い風に、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほFG<8411.T>のメガバンク3行が大幅上昇。半面、下方修正や期末配当見通しの取り下げを発表した電通グループ<4324.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり853/値下がり703。指数寄与度の大きいソフトバンクGとファーストリテイリングがそろって大幅上昇。レーザーテックが全市場の売買代金トップとなって8.3%高と、動きの良さが際立った。古河電工やフジクラなど電線株のほか、ソニーG、アシックスなど業績期待の高い銘柄群が大幅上昇。メガバンクの動きが良くなる中で、第一生命、東京海上など保険株や、コンコルディア、九州FGなど地銀株にも資金が向かった。業績関連では、上方修正を発表したアミューズが急騰した。
一方、川崎重工が逆行安。三井倉庫や三菱倉庫など倉庫株が弱かった。上期が計画を下振れ、通期は最終赤字の見込みとなったペッパーフードが急落。くら寿司、串カツ田中、ギフトHDなど、外食株は株高の流れに乗り切れない銘柄が多かった。決算を材料に東邦亜鉛、メドレー、クレディセゾンなどが大きく水準を切り下げた。
日経平均は700円を超える上昇となり、前日の下げ分を埋め切った。後場に入って上げ幅を広げた動きは強い。先週末の同欄では、今週の注目点としてプライムの売買代金を挙げたが、今週は5兆~6兆円レベルの高水準が継続した。ソフトバンクGやサンリオなどが決算で買われた後も人気になっており、密かに強い動きが続いていた銀行株もここにきて一段高となってきた。この辺りで半導体株の下値不安が後退してくれば、日本株には死角が少なくなる。きょうの半導体株は米アプライド・マテリアルズの時間外の下落には耐性を示した。決算で急落した後も戻りが鈍い東京エレクトロンにそろそろ出直りの動きが見られるかに注目しておきたい。
【来週の見通し】
堅調か。21日~23日に開催予定のジャクソンホール会議が注目を集める。パウエルFRB議長が22日に講演することが伝わっているが、東京市場では来週の時点ではこの講演内容は消化できないと思われる。市場では9月のFOMCで利下げが再開されるとの期待が高まっている。仮に議長が早期の利下げに否定的な見解を示した場合でも、日本では銀行株(米長期金利の上昇)や自動車株(ドル高・円安)などに資金が向かう展開がイメージできるだけに、議長講演を前にしては売りが手控えられる公算が大きい。決算発表は一巡して個別の材料は少なくなるが、日本株のなかで資金が循環し、下げづらく上げやすい地合いが続くと予想する。
18日
○13:30 ◇ 6月第三次産業活動指数
20日
○08:50 ◎ 7月貿易統計(通関ベース)
○08:50 ◎ 6月機械受注
21日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
22日
○08:30 ☆ 7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 7月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
18日
○15:30 ◇ 4-6月期スイス鉱工業生産
○18:00 ◇ 6月ユーロ圏貿易収支
○21:15 ◇ 7月カナダ住宅着工件数
○21:30 ◇ 6月対カナダ証券投資
○23:00 ◎ 8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
19日
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○09:30 ◇ 8月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○17:00 ◇ 6月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○21:30 ◎ 7月カナダ消費者物価指数(CPI)
○21:30 ◎ 7月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○20日03:10 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
20日
○11:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表
○11:00 ◎ ホークスビーRBNZ総裁、記者会見
○15:00 ◎ 7月英CPI
○15:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○15:00 ◇ 7月独生産者物価指数(PPI)
○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表
○17:00 ◎ 7月南アフリカCPI
○18:00 ☆ 7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○18:00 ☆ 7月ユーロ圏HICPコア改定値
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○24:00 ◎ ウォラーFRB理事、講演
○21日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○21日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月29日-30日分)
○21日04:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○07:45 ◎ 7月NZ貿易収支
○15:00 ◎ 4-6月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○16:15 ◎ 8月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○16:15 ◎ 8月仏サービス部門PMI速報値
○16:30 ◎ 8月独製造業PMI速報値
○16:30 ◎ 8月独サービス部門PMI速報値
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏製造業PMI速報値
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ 8月英製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 8月英サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ 7月香港CPI
○18:00 ◇ 6月ユーロ圏建設支出
○21:30 ◇ 7月カナダ鉱工業製品価格
○21:30 ◇ 7月カナダ原料価格指数
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○21:30 ◎ 8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○22:45 ◎ 8月米製造業PMI速報値
○22:45 ◎ 8月米サービス部門PMI速報値
○22:45 ◎ 8月米総?⑰MI速報値
○23:00 ◎ 8月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○23:00 ◎ 7月米景気先行指標総合指数
○23:00 ◎ 7月米中古住宅販売件数
○米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議)、テーマは「転換期の労働市場:人口動態、生産性、そしてマクロ経済政策」(ワイオミング州ジャクソンホール、23日まで)
22日
○08:01 ◇ 8月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○15:00 ☆ 4-6月期独GDP改定値
○15:00 ◎ 7月英小売売上高
○15:45 ◇ 8月仏企業景況感指数
○21:00 ◎ 4-6月期メキシコGDP確定値
○21:30 ◎ 6月カナダ小売売上高
○23:00 ☆ パウエルFRB議長、ジャクソンホール会議で講演
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
今週の日経225先物は、21日~23日開催の「ジャクソンホール会議」を控え、いったん持ち高調整の動きが意識されそうである。ただし、海外投資家とみられるインデックスに絡んだ資金流入が続いており、現在の強いトレンドではロング優勢の需給状況であろう。
先週の日経225先物は、利下げ期待の高まりを受けた米株高を追い風に、前週からの強い基調を継続し、13日まで6営業日続伸。14日には大幅に下落(750円安)したものの、翌15日にはこの下落分を埋め、前週末比1650円高の4万3470円で終えた。夏休みシーズンで市場参加者は限られるとみられていたが、東証プライムの売買代金は5兆~6兆円レベルの高水準が続き、インデックスに絡んだ主力大型株主導の展開だった。
日経225先物は拡大傾向をみせるボリンジャーバンドの+2σと+3σによるレンジを継続。週前半の上昇で+3σを捉え、過熱感が警戒されて14日に大きく調整し+2σを割り込んだが、翌日の大幅な上昇で+2σを上回って終えていた。ただし、ナイトセッションで+2σは4万3510円まで切り上がってきている。ナイトセッションは4万3370円で終えていることもあり、週初は同バンド水準で強弱感が対立しそうである。
+2σ水準で底堅さがみられると、4万4740円まで切り上がってきた+3σとのレンジが意識されることになろう。一方で、+2σが抵抗に変わるようだと、+1σ(4万2290円)とのレンジに移行する。もっとも、週足では上向きで推移する+1σ(4万2040円)と+2σ(4万3930円)によるレンジを続けているため、4万2000円辺りまでの調整が入ったとしても現在の上昇トレンドは変わらず、押し目狙いのロングに向かわせよう。
パウエルFRB議長の講演内容に市場の関心が集まるなかで、発言を受けた市場反応は翌週になるが、講演を前に持ち高調整が強まる可能性はありそうだ。9月の利下げを織り込む形で米国市場は強い基調を続けているため、過度に偏ったポジションを週後半に向けて調整する動きは意識しておく必要があろう。
また、トランプ米大統領は15日、来週か再来週にも半導体関税を設定すると発言した。当初言及していた100%を上回る「200%か300%」に引き上げる可能性にも言及している。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になる可能性はあるが、来週27日には、エヌビディア<NVDA>の決算発表を控えており、ショートは仕掛けにくいところだ。
そのため、オプション権利行使価格の4万3500円を中心とした上下の権利行使価格である、4万2500円から4万4500円と広めのレンジを想定する。日経225先物は連日で500円を超える大幅な変動をみせているため、レバレッジ型ETFによるヘッジ対応の動きも強まりやすく、トレンドが出やすい状況が続きそうである。
そのほか、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領による首脳会談が15日に行われた。共同会見では、停戦について言及はなかった。ただし、ウクライナのゼレンスキー大統領は、18日にトランプ大統領と会談すると表明しており、停戦に向けた協議が進展するようだと地政学リスクの後退が買い材料になるだろう。
15日の米VIX指数は15.09(14日は14.83)に上昇した。週間(8日は15.15)では低下となった。13日には14.30まで低下し、昨年12月以来の水準まで下げている。25日移動平均線(16.25)を大きく割り込み、ボトム圏での推移をみせている。ジャクソンホール会議やトランプ関税を控えて上昇する可能性もあるが、25日線辺りまでの上昇は想定内であり、リスク選好に向かいやすいだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.95倍(14日は13.93倍)に上昇した。週間(8日は13.81倍)でも上昇。週初の上昇で75日線(13.81倍)を明確に上抜け、25日線(13.96倍)まで上昇。14日には200日線(13.98倍)を突破し、14.05倍まで上昇する場面もみられた。先週の14.00倍台回復でいったんは達成感も意識されやすく、トランプ関税が警戒されてハイテク株の弱さが目立つ局面では、NTショートに振れそうである。
8月第1週(8月4日-8日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は3610億円(7月第5週は3407億円の売り越し)だった。なお、現物は53億円の売り越し(同1892億円の売り越し)と2週連続の売り越し。先物は3663億円の買い越し(同1515億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しだった。個人は現物と先物の合算で7680億円の売り越しと2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1852億円の売り越しとなり、6週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、19日に米国7月住宅着工件数、20日に6月機械受注、7月貿易収支、FOMC議事録(7月29日・30日開催分)、21日に米国8月製造業PMI、米国7月コンファレンスボード景気先行指数、ジャクソンホール会議(~23日)、22日に7月全国消費者物価指数、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長のジャクソンホール会議講演などが予定されている。
<国内>
○13:30 ◇ 6月第三次産業活動指数(予想:前月比0.2%)
<海外>
○15:30 ◇ 4-6月期スイス鉱工業生産(予想:前年比0.7%)
○18:00 ◇ 6月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前145億ユーロの黒字/季節調整済なし)
○21:15 ◇ 7月カナダ住宅着工件数(予想:26.75万件)
○21:30 ◇ 6月対カナダ証券投資
○23:00 ◎ 8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:34)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利が低下した局面では146.74円まで下落した後、米長期金利が上昇に転じたことで147.33円付近まで買い戻された。ユーロドルは、独長期金利の上昇と米長期金利の低下を受けて1.1715ドルまで上昇した。ユーロ円は172.38円まで値を上げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、22日のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)でのパウエルFRB議長の講演を控えて動きづらい中、米長期金利の上昇で底堅い展開が予想される。
日本サイドの重要な材料としては、石破首相の進退問題や22日に発表される日本の7月消費者物価指数(CPI)などが挙げられる。
先週末に発表された日本の4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値がポジティブサプライズだったことで、日銀の利上げ再開の目安である「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」をクリアした。さらに、利上げを停止していたトランプ関税の不確実性も後退しつつある。 日本の7月CPI次第では、10月の日銀金融政策決定会合での利上げ再開の可能性が高まることになる。
9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に関しては、低調な雇用情勢が示された7月の雇用統計、まちまちな結果だった7月消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)を受けて、22日の23時に予定されているジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を待つことになる。
メインシナリオとしては、パウエルFRB議長は、FRBの2つの責務である「雇用の最大化」と「物価の安定」の内、「雇用の最大化」に軸足を置いて、フェドウオッチが見込む9月FOMCでの0.25%の利下げを容認することになる。9月のFOMCでは、3名のトランプ・チルドレン(ウォラーFRB理事、ボウマンFRB副議長、ミランFRB暫定理事)が利下げを主張することが見込まれている。ちなみに、昨年8月23日のジャクソンホール会合では、パウエルFRB議長は、「利下げの時が来た(Time Has Come for Fed to Cut Interest Rates)」と表明していた。
リスクシナリオは、トランプ関税による不確実性が残されているため、8月の物価指標を見極めるまでは据え置きスタンスを堅持した場合、そして、ベッセント米財務長官による0.50%の利下げ圧力に屈する場合となる。
ドル円のテクニカル分析では、1日の高値150.92円から146円台まで下落した後、149円台前半の200日移動平均線が上値を抑える中で、146円-148円での保ち合い、フラッグを形成しつつある。また、N計算値(150.92円~146.62円~148.52円)では、支持帯となっている一目均衡表の雲を下抜けて、目標値144.22円を目指す展開が見込まれている。
東京市場は小動きか。先週末の米国株はまちまち。ダウ平均が上昇し、ナスダックとS&P500が下落した。ダウ平均は34ドル高の44946ドルで取引を終えた。バークシャー・ハサウェイによる株式取得が判明したユナイテッドヘルスが急伸したことが、ダウ平均のプラスに大きく貢献した。一方、アプライド・マテリアルズが決算を受けて急落したことから、半導体株は軟調に推移した。ドル円は足元147円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが25円安の43445円、ドル建てが5円高の43475円で取引を終えた。
米国株は3指数の方向がそろわなかった。週末に開催された米露首脳会談ではロシアとウクライナの停戦合意には至らなかった。ただ、18日にはトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との会談が予定されており、そこには欧州の首脳が同席すると伝わっている。強弱材料が混在する中、日本株は方向感に欠ける展開を予想する。15日にアプライド・マテリアルズの時間外の下落を消化済みである分、下値の方が固いとみる。決算発表が概ね一巡して材料難となるなか、場中は模様眺めムードの強い地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは43250-43600円。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 43370 -100 (-0.23%)
TOPIX先物 3105.5 -8.5 (-0.27%)
シカゴ日経平均先物 43445 -25
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場はNYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックが下落。7月の米小売売上高は前月比0.5%増となり、6月分は0.9%増と速報値の0.6%増から上方修正された。8月のニューヨーク連銀製造業景況指数はプラス11.9に上昇し、市場予想を大幅に上回った。ただし、8月のミシガン大消費者態度指数が58.6に低下したことが重荷になった。
また、トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領との首脳会談の結果を見極めたいとするムードのほか、トランプ大統領が半導体関税を近く公表すると伝えられたことが警戒される場面もみられた。
S&P500業種別指数はヘルスケア機器・サービス、医薬品・バイオテクノロジー、電気通信サービスが上昇した半面、銀行、半導体・同製造装置、自動車・同部品の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社による株取引が明らかになったユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が大幅高になったほか、セールスフォース<CRM>、アムジェン<AMGN>、メルク<MRK>が堅調。一方で、シスコシステムズ<CSCO>、スリーエム<MMM>、キャタピラー<CAT>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>が下落。
シシカゴ日経平均先物清算値は大阪比25円安の4万3445円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比30円安の4万3440円で始まった。4万3300円辺りから4万3500円手前水準での保ち合いが続き、米国市場の取引開始後には4万3250円まで下げる場面もみられた。終盤にかけて4万3500円とプラス圏を回復する場面もみられたが、膠着感の強い展開のなか、4万3370円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになろう。ナイトセッションは概ね4万3300円~4万3500円辺りの狭いレンジでの推移だった。足もとで拡大傾向をみせているボリンジャーバンドの+2σと+3σによるレンジを継続しているが、4万3510円まで切り上がってきた+2σを下回っての推移となった。同バンドでの攻防が意識されるなかで、上値の重さが意識されてくるようだと、短期的なショートを誘う形になりそうである。
+2σが抵抗に変わるようだと、+1σ(4万2290円)とのレンジに移行する。一方で、+2σ水準で底堅さがみられると、4万4740円まで切り上がってきた+3σとのレンジが意識されることになるだろう。そのため、オプション権利行使価格の4万3500円を中心とした上下の権利行使価格である4万3250円から4万3750円辺りのレンジを想定する。
15日の米VIX指数は15.09(14日は14.83)に上昇した。先週は13日に14.30まで低下し、昨年12月以来の水準まで下げている。今週はジャクソンホール会議やトランプ大統領の半導体関税を控えて上昇する可能性があるが、25日移動平均線(16.25)辺りまでの上昇は想定内であり、リスク選好に向かいやすいだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.95倍(14日は13.93倍)に上昇した。14日には200日線(13.98倍)を突破し、一時14.05倍まで上昇する場面もみられた。14.00倍台回復でいったんは達成感も意識されやすく、トランプ関税に対する警戒からハイテク株の弱さが目立つ局面では、NTショートに振れそうである。
東京市場は小動きか。先週末の米国株はまちまち。ダウ平均が上昇し、ナスダックとS&P500が下落した。ダウ平均は34ドル高の44946ドルで取引を終えた。バークシャー・ハサウェイによる株式取得が判明したユナイテッドヘルスが急伸したことが、ダウ平均のプラスに大きく貢献した。一方、アプライド・マテリアルズが決算を受けて急落したことから、半導体株は軟調に推移した。ドル円は足元147円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが25円安の43445円、ドル建てが5円高の43475円で取引を終えた。
米国株は3指数の方向がそろわなかった。週末に開催された米露首脳会談ではロシアとウクライナの停戦合意には至らなかった。ただ、18日にはトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との会談が予定されており、そこには欧州の首脳が同席すると伝わっている。強弱材料が混在する中、日本株は方向感に欠ける展開を予想する。15日にアプライド・マテリアルズの時間外の下落を消化済みである分、下値の方が固いとみる。決算発表が概ね一巡して材料難となるなか、場中は模様眺めムードの強い地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは43250-43600円。
先週末のドル円は、米長期金利の動向に左右される方向感のない動きとなりましたが、結局は目先の下値を確認した上での底堅い展開となりました。欧州時間は米長期金利の低下につれて146.76円まで下落。NY時間に入ってからは8月エンパイア指数や7月米輸入物価指数が予想を大幅に上回る強い数字となると、米10年債利回りの上昇とともに147.27円まで買戻し。その後は米金利が一転して低下に転じると146.74円まで安値を更新したものの、8月米ミシガン大消費者態度指数速報値こそ予想を下回りましたが、同時に公表された消費者の期待インフレ率が強い結果だったことが判明すると再び米金利が上昇。米10年債利回りが一時4.3296%まで上昇するにつれて147.33円まで買戻されて週末の取引を終えています。
そして、お盆休み明けの東京市場では、早朝から当然のごとく本邦実需の買いが先行。仲値後も実需の買いが途切れることなく観測されるなか、一時147.58円まで買戻されているといったところです。
いずれにしても、今週は週末にかけて開催される米カンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム、いわゆる、「ジャクソンホール会議」でのパウエルFRB議長の講演に注目が集中しているわけですが、会議のテーマはまさに今話題の「転換期の労働市場」。
7月FOMC後の定例記者会見でも見解を表明したように、パウエル議長自身は、AIや労働人口の動態に変化がみられるなかにあって、労働市場をNFPではなく、「失業率に注目すべきである」との認識でいる以上、市場がBLS局長の解任まで引き起こしたNFPの大幅下方修正を過大評価していることへの警告になるのかもしれず、リスクとしては市場の織込み過ぎた利下げ観測の修正へと繋がっていく可能性も排除できません。ドル円は目先、一目転換線付近でサポートされつつ、戻りの目処を確かめる動きとなっています。
「起業・廃業モデルにより、NFPは労働市場を過大評価している可能性」
(2023年7月:ウォールストリート・ジャーナル紙)
1. 「Birth-Death model(起業・廃業モデル)」
雇用統計の事業所調査は、非農業部門(Non Farm)約12万社の給与明細(Payroll)でのサンプル調査で集計されるが、新たに生まれた企業による新規雇用と事業閉鎖に伴う雇用者減少は反映されない面がある。そこで、労働省は、事業者調査に基づく雇用者増加数に、通常のサンプルでは捕捉しきれない新たに生まれた企業による新規雇用者増加数と事業閉鎖に伴う雇用者減少数を暫定的に推計して、過去5年間の移動平均線と比較する「起業・廃業モデル」で調整している。
しかし、米労働省は、「起業・廃業モデル」が正確ではないことを認めており、ウォールストリート・ジャーナル紙は、2023年7月の記事で、「起業・廃業モデル」により「NFPは労働市場を過大評価している可能性」を取り上げていた。
2.2025年8月1日の米7月雇用統計ショック
2025年7月の米国の失業率は4.2%(※4.2479%)となり、就業者が26.0万人減だったものの、失業者数が22.1万人増だったことで、6月の4.1%(※4.117%)から上昇した。
非農業部門雇用者数(NFP)は、前月比+7.3万人の増加となり、6月は速報値の+14.7万人から+1.4万人へ下方修正(▲13.3万人)され、5月は改定値の+14.4万人から+1.9万人へ下方修正(▲12.5万人)されたことから、合計で25.8万人の下方修正となった。過去3カ月間の雇用者数の伸びは月平均+3.5万人と、前年同期の+12.3万人から大きく減少した。
BLSは雇用統計調査に当たり企業を対象に3カ月かけてデータを収集して完全な全体像を把握している。速報値段階で70%程度、改定値段階で90%程度、確報値段階で100%の回答率となる。しかし、速報値段階での調査に回答する企業の割合は、いろいろな規制への対応により減少傾向にあり、調査人員の削減などにより、最近では回収率が60%を下回ることが繰り返されている。
トランプ米大統領は、雇用者の伸びがこの3カ月に大きく減速(月平均+3.5万人)したことで、バイデン政権が任命した米労働省労働統計局(BLS)のマッケンターファー局長を解任するように当局者らに指示した。そして、保守系エコノミストで、以前から労働統計局の雇用統計の収集方法を批判してきたE・J・アントニー氏を労働統計局(BLS)局長に指名した。アントニー氏は、毎月の雇用統計発表を停止し、データ収集の問題が是正されるまで四半期ベースに切り替えることを提案した。
3.ADP全国雇用者数と非農業部門雇用者数
民間給与計算代行業者大手のAutomatic Data Processing(ADP)社は、2006年5月から、自身の持つ全米約50万社、約2400万人の給与データを元に、労働省が発表する非農業部門雇用者数の先行指標として、雇用統計の2営業日前に公表を始めた。
2025年1-7月の月平均は+8.38万人となっており、大幅に下方修正された後の非農業部門雇用者数の+8.50万人に近似している。
日経225先物は11時30分時点、前日比280円高の4万3750円(+0.64%)前後で推移。寄り付きは4万3510円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3445円)を上回り、やや買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に4万3710円まで買われ、買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の動きになり、中盤に4万3380円まで軟化する場面もあった。ただし、終盤にかけては再び上へのバイアスが強まり、4万3780円まで買われた。
日経225先物は寄り付き直後にボリンジャーバンドの+2σ(4万3590円)を突破してきた。中盤にかけて同バンドを割り込んだことでロングの解消もみられたが、終盤は+2σを上回っての推移となった。トランプ米大統領の半導体関税を警戒して指数インパクトの大きい値がさハイテク株に弱い値動きが目立ったものの、アドバンテスト<6857.T>[東証P]が上昇に転じてきたことで、ショートを仕掛けにくくさせている。
NT倍率は先物中心限月で13.99倍に上昇した。一時13.92倍に低下する場面もみられたが、その後の切り返しによって200日移動平均線(13.98倍)を捉えてきている。同線を明確に上抜けてくるようだと、NTショートを巻き戻す動きに向かわせそうだ。
本日のロンドン為替市場では、米露首脳会談の不透明な結果に対する反応や、ウクライナのゼレンスキー大統領や欧州主要国首脳とトランプ米大統領と会談を控え、ユーロドルは買いづらい展開が続きそうだ。
15日に米アラスカ州アンカレッジで行われた米露首脳会談は、ウクライナ戦争の停戦に向けた外交的転換点として注目されていた。しかしながら、会談後の会見では停戦に向けた具体的な言及はなく、トランプ米大統領は、停戦合意ではなく和平合意を目指すべきとの考えを示した。これに対して複数のメディアは、ロシア側にすり寄った方針に変わったと批判的な見方をしている。
米露のトップ協議を終え、週明けオセアニア市場はユーロ売りが先行したが下押し幅は限定的だった。一方で、上値を積極的に追う動きも見られず、慎重な売買が続いている。米国・ウクライナの大統領会談をニューヨーク時間に控えており、市場参加者はこの後も様子見姿勢を強めそうだ。なおトランプ米大統領は、ゼレンスキー・ウ大統領と米国東部時間18日13時15分頃に会談を始め、同15時頃に欧州主要国の首脳と会談予定。
一部報道によれば、アンカレッジでの米露会談では、「ウクライナがドネツク州全体を割譲すれば、ロシアがほとんどの前線を凍結する」という案を話し合ったもよう。ただし、この案を米側が本日の会談で押し付けてきたとしても、ゼレンスキー大統領が領土問題で譲歩する可能性は低い。そうなれば、トランプ氏は再び支援撤退を示唆し、ウクライナや欧州に対する圧力を強めることも想定される。
ゼレンスキー氏を米国に呼び寄せておきながら「成果なし」ということも考え難く、本日の会談では何らかの落としどころが模索されるだろう。特に、欧州側の支援負担増というシナリオは十分にあり得る。仮にその規模が欧州債券市場に影響を及ぼすようであれば、ユーロにも波及する可能性が高い。支援負担の拡大が欧州債売り圧力につながれば、欧州金利は上昇するものの、ユーロにとってはネガティブな印象が強まるか。
想定レンジ上限
・ユーロドル、7月24日高値1.1789ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、14日安値1.1631ドル
ドル円:1ドル=147.38円(前営業日NY終値比△0.19円)
ユーロ円:1ユーロ=172.52円(△0.34円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1705ドル(△0.0002ドル)
日経平均株価:43714.31円(前営業日比△336.00円)
東証株価指数(TOPIX):3120.96(△13.28)
債券先物9月物:137.81円(▲0.10円)
新発10年物国債利回り:1.570%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月第三次産業活動指数
前月比 0.5% 0.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。お盆明けの本邦勢の買いが観測されたほか、日経平均株価が史上最高値を更新したことでじりじりと下値を切り上げた。10時30分前には一時147.58円まで上昇。買いが一服すると、その後は147.40円を挟んだもみ合いが続いた。
・ユーロ円は強含み。ドル円の上昇につれたほか、日本株高で全般円安が進んだ流れに沿った。ユーロ円は一時172.65円まで上昇したほか、ポンド円は200.01円、豪ドル円は96.17円までそれぞれ値を上げた。
・ユーロドルは小動き。円絡みの取引が相場の中心となったため、ユーロドル自体は1.1694-1.1717ドルの狭いレンジだった。
・日経平均株価は続伸。市場では「商品投資顧問(CTA)の買いが観測された」との指摘があったほか、株価指数先物主導での買いが入り、前週末に続き史上最高値を更新した。
・債券先物相場は6日続落。前週末の夜間取引で下落した流れを引きついで137.58円まで売りが先行。ただ、一巡後はショートカバーが入り下げ幅を縮小した。
米国と欧州連合(EU)の貿易協定は大筋で合意していたが、ブリュッセルが進めるデジタルサービス法(DSA)やデジタル市場法(DMA)による米通信プラットフォーム規制を巡り対立が激化し、署名が遅れている。これにより米国の高関税(27.5%)が継続し、BMWやVWなどドイツ自動車産業に深刻な打撃を与えている。米国は「言論の自由」への侵害とみなし、積極的に反発。ルビオ国務長官がEU内でのロビー活動強化を命じた。欧州委員会のフォンデアライエン主導の規制政策は自由より統制を優先し、最終的に欧州産業と消費者がコストを負担する形となっている。
みずほ証券では、テクニカルな観点から、日経平均は40000円が上値から下値に変わった可能性があると指摘している。日経平均は8月13日まで6連騰し、その間の上昇幅は約3000円に達した。プライム市場の騰落レシオは155%(8/13)と2016年12月以来の高水準となり過熱感が強いが、日経平均の200日移動平均からのかい離率は11%と、極端な過熱感を示す20%には達していないとのこと。みずほでは7月号のストラテジーマンスリーリポートで2025年度末の日経平均予想を40000→44000円に引き上げたが、月末までにトップダウン業績予想やTOPIXのフェアバリューを再度見直す予定としている。
第一生命経済研究所では、4-6月期GDP1次速報を受けて、2025~2026年度の日本経済の見通しを改訂している。実質GDP成長率の見通しは、25年度が+0.6%(6月時点の予測は+0.4%)、26年度が+0.7%(同+0.7%)としている。暦年では2025年が+1.0%(同+0.7%)、2026年が+0.5%(同+0.6%)となる。日米関税交渉が大枠で合意されたことに加えて、25年4-6月期の実質GDP成長率が前回予測時点での見通しを上回ったことから、25年度の成長率見通しを上方修正している。
中国人民銀行(中央銀行)は15日に発表した2025年4-6月期の金融政策執行報告で、外部環境は一段と複雑かつ厳しく、中国の経済運営は依然として多くのリスクや課題に直面していると指摘した。今後は、マクロ調整の先見性、的確性、実効性を高め、政策の連続性と安定性を維持しつつ、柔軟性と予見性を強め、雇用、企業、市場、期待の安定に注力するとした。
報告は、内外の経済・金融情勢や市場動向に応じて政策実施の強度とペースを適切に調整する必要があると強調した。流動性を十分に保ち、物価の合理的な回復を金融政策運営の重要な考慮事項とし、物価水準を合理的範囲内に維持する方針を示した。
また、金利政策の執行と監督を一段と強化し、銀行の負債コストを低下させるとともに、社会全体の資金調達コストの低下を促す考えを示した。資金の利用効率を高め、資金の空回りを防ぎつつ、実体経済支援と金融システム健全性維持の均衡を図るとした。さらに、市場貸出金利を反映するローンプライムレート(LPR)の算定精度を高め、実際の貸出金利水準をより正確に反映させると強調した。
不動産市場については、安定的な動向を引き続き固め、金融面での基盤制度の整備を進めるとした。為替政策では、市場の決定的役割を堅持しつつ、外為市場の耐性を強め、期待を安定させる姿勢を示した市場秩序を乱す行為や為替の過度な変動リスクを断固防ぐと明言した。
さらに、金融による科学技術革新支援策を一段と整備し、融資、債券、株式など多方面から多層的な科技金融体制を構築する取り組みを進めていると説明した。金融の技術革新支援は強度・水準ともに着実に向上しているという。
消費面では、サービス消費が今後の成長をけん引する重要なエンジンだが、需要が強い分野では供給不足が課題だと指摘した。今後は金融政策を供給側から強化し、他の政策とも連動させて高品質のサービス消費供給を改善し、質の高い供給を通じて有効需要を創出し、消費拡大の潜在力を引き出す方針を示した。
人民銀は、サービス消費の重点分野への金融支援を拡大し、消費を支える融資ルートを多様化する必要があるとした。具体的には、与信支援の安定化に加え、債券や株式など多元的な資金調達手段を加速的に発展させ、サービス消費供給企業への金融資源投入を拡大すると表明した。
大阪9月限
日経225先物 43720 +250 (+0.57%)
TOPIX先物 3123.5 +9.5 (+0.30%)
日経225先物(9月限)は前日比250円高の4万3720円で取引を終了。寄り付きは4万3510円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3445円)を上回り、やや買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に4万3710円まで買われ、買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の動きになり、前場中盤に4万3380円まで軟化する場面もあった。
ただし、前場終盤にかけては再び上へのバイアスが強まり、後場の開始直後には4万3840円まで買われた。その後は4万3650円~4万3800円辺りで保ち合いが続き、4万3720円で取引を終えた。
日経225先物は寄り付き直後にボリンジャーバンドの+2σ(4万3590円)を突破してきた。前場中盤に同バンドを割り込んだことでロングの解消もみられたが、前場終盤にかけて+2σを上回り、後場は同バンドを支持線とした推移が続いた。トランプ米大統領による半導体関税を警戒して指数インパクトの大きい値がさハイテク株に弱い値動きが目立ったものの、アドバンテスト<6857.T>[東証P]が前場終盤にかけて切り返したこともあり、ショートを仕掛けにくくさせている。
後場は4万3650円~4万3800円辺りの狭いレンジでの推移とはなったが、膠着ながらも+2σを上回っての値動きだったことで、押し目ではインデックスに絡んだ買いが断続的に入っていたようだ。+2σはナイトセッションで4万3860円辺りに切り上がっており、同バンドを下回っての推移となれば市場心理を神経質にさせそうである。
ただし、週足の+2σは4万4030円に上昇しているため、4万4000円乗せが射程に入っている状況だろう。インデックスに絡んだ資金流入が継続しているため、調整が入る局面では押し目待ち狙いのロングでの対応となろう。
NT倍率は先物中心限月で13.99倍に上昇した。一時13.92倍に低下する場面もみられたが、その後の切り返しによって200日移動平均線(13.98倍)を挟んでの推移をみせるなかで、14.00倍に乗せる場面もあった。同線での攻防が続きそうだが、14.00倍台が定着してくると、NTショートの巻き戻しが強まる可能性もある。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万4077枚、ソシエテジェネラル証券が1万6473枚、サスケハナ・ホンコンが4507枚、JPモルガン証券が2554枚、ゴールドマン証券が2255枚、バークレイズ証券が2196枚、日産証券が1820枚、モルガンMUFG証券が1199枚、SBI証券が1155枚、ビーオブエー証券が789枚だった。
TOPIX先物はソシエテジェネラル証券が2万2440枚、ABNクリアリン証券が2万1080枚、JPモルガン証券が4997枚、バークレイズ証券が3329枚、モルガンMUFG証券が2793枚、みずほ証券が1959枚、ゴールドマン証券が1692枚、サスケハナ・ホンコンが1308枚、ビーオブエー証券が1236枚、大和証券が1103枚だった。
ドル円は7月末に節目の150円台を回復し、8月1日には3月28日以来の高値となる150.92円まで上昇したが、大台定着には至らず失速し、7月に続き146-149円を中心としたレンジ相場に戻している。本日のNYタイムで予定されているのは、8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数の発表程度と手掛かりが乏しく、米株・米長期金利の動向を睨みながら147円台を中心とした振幅と方向感に欠ける動きが続きそうだ。
もっとも市場の目線は週末の米ジャクソンホール会議でのパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長による講演に向けられており、手控えムードが強い。株高によるリスクオンがドル円の下支えとなる一方で、日銀の追加利上げに対する思惑が重しとなっている。米利下げについては、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視されているが、年末までに少なくとももう1回の追加利下げが実施されるとの見方と追加利下げは来年に先送りされるとの見方が分かれており、市場はジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の米経済についての見解を注目している。
パウエル氏の講演は22日に予定されているが、市場では米雇用市場の弱まりが同氏のハト派傾斜を後押しするとの見方が強まっているものの、米インフレ指標は予想以上に強く警戒されている。パウエルFRB議長は9月の利下げ観測を覆すような発言は避けつつも、9月FOMCでの政策決定はその前に公表される経済指標で労働市場の冷え込みとインフレの抑制が確認されるかどうか次第だと改めて強調する可能性が高いか。
・想定レンジ上限
ドル円、14日高値147.96円や日足一目均衡表・基準線148.39円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、15日安値146.74円や14日安値146.21円が下値めど。
今週のNY市場はジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演に注目。先週はダウ平均が770.51ドル高(+1.74%)、S&P500が0.94%高、ナスダック総合が0.81%高と主要3指数がそろって2週続伸した。米7月消費者物価指数(CPI)がおおむね予想通りとなり、トランプ関税によるインフレ高進懸念が和らいだほか、スコット・ベッセント財務長官が9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げが実施できるとの見通しを示したことで、利下げ期待の高まりが相場の支援となった。7月小売売上高が市場予想通りの増加となり、個人消費の底堅さが確認されたほか、ダウ平均採用銘柄のユナイテッドヘルスがバークシャー・ハサウェイの取得を好感し大幅高となったことも追い風となった。S&P500は12日から14日まで3日連続で終値の史上最高値を更新し、ナスダック総合も12-13日の連日で終値の史上最高値を更新。ダウ平均は週末15日に、昨年12月4日以来、8カ月ぶりに取引時間中の史上最高値を更新した。
今週は利下げ見通しを巡り、21日から23日に開催される米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に注目が集まる。CMEのフェドウォッチ・ツールでは9月FOMCでの利下げ確率が85%、金利据え置き確率が15%と、利下げ見通しが強まっており、22日に予定されるパウエルFRB議長の講演で利下げを巡る発言に要注目となる。このほかの経済指標は7月住宅着工件数、新規失業保険申請件数、8月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、7月中古住宅販売件数など。企業決算はホーム・デポ、ロウズ、ターゲット、TJX、ウォルマート、ロス・ストアーズなど消費関連株の実績やガイダンスが注目される。
今晩の米経済指標は8月NAHB住宅市場指数など。企業決算は引け後にパロ・アルト・ネットワークスが発表予定。
日経平均株価は続伸。5日移動平均線(43146円 8/18)から反発が続く格好となり、連日で史上最高値を更新した。
RSI(9日)は前日の76.6%→86.6%(8/18)に上昇。5日移動平均線や10日移動平均線(42024円 同)などの上場基調が続く中、上値へのトレンドフォローが基本スタンスである。ただ、25日移動平均線からのかい離拡大などの視点からは、目先的には調整が入っても不思議ではない。
上値メドは、心理的節目の44000円、45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、5日移動平均線、7/24高値(42065円)、心理的節目の42000円や41500円、25日移動平均線(41070円 同)、心理的節目の40500円や4万円などがある。
(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.80円(18日15時時点比△0.42円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.37円(▲0.15円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1663ドル(▲0.0042ドル)
FTSE100種総合株価指数:9157.74(前営業日比△18.84)
ドイツ株式指数(DAX):24314.77(▲44.53)
10年物英国債利回り:4.738%(△0.042%)
10年物独国債利回り:2.763%(▲0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期スイス鉱工業生産
(前年同期比) ▲0.1% 8.9%・改
6月ユーロ圏貿易収支
(季調済)28億ユーロの黒字 156億ユーロの黒字・改
(季調前)70億ユーロの黒字 162億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。米ウクライナ会談前に持ち高調整目的のユーロ売り・ドル買いが先行。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが活発化すると、2時前に一時1.1656ドルと日通し安値を更新した。
前週末の安値1.1646ドルが目先サポートとして意識されたほか、予想を下回る米住宅指標を受けて下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.19まで上昇した。
なお、トランプ米大統領は「安全保障について我々は関与する」「(NATO第5条)今日議論する」「ゼレンスキー氏との会談後にプーチン露大統領に電話する」と述べたほか、ゼレンスキー・ウクライナ大統領は「この戦争を終わらせるには外交的な方法を見つける必要がある」「三国間協議の用意がある」などと話した。
・ドル円は底堅い動き。米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。NY勢の本格参入で全般ドル買い圧力が高まると、前週末の高値147.87円を上抜けて一時147.99円まで値を上げた。
ただ、米長期金利の上昇が一服するとドル円も伸び悩んだ。8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が32と予想の34を下回ったことなども相場の重し。市場では「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演など、注目イベントを前に持ち高を一方向に傾ける動きは限られた」との声も聞かれた。
・ユーロ円はもみ合い。日本時間夕刻に一時172.05円付近まで値を下げたものの、週明け早朝取引で付けた日通し安値171.92円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。23時前には172.68円と日通し高値を更新した。ただ、NY午後に入ると172.18円付近まで押し戻された。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は小反発。日本や台湾の株価指数が史上最高値を更新するなど、アジア株相場が底堅く推移すると英株にも買いが入った。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われた。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られた。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら続落。指数が高値圏にあることから、利益確定や持ち高調整を目的とした売りが出た。ウクライナ情勢を巡る先行き不透明感も相場の重し。個別ではコメルツ銀行(3.24%安)やDHLグループ(2.13%安)、ダイムラー・トラック・ホールディング(1.81%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
18日の日経平均は大幅続伸。終値は336円高の43714円。先週末の米国株は3指数がまちまちで強弱感が交錯する中、70円程度上昇して始まった。序盤で上げ幅を300円超に広げた後にいったん失速したが、マイナス圏入りを回避して切り返すと、改めて上を試しにいった。
400円超上昇して43800円台に入ったところで買いは一巡。後場のスタート直後に高値をつけた後は緩やかに上げ幅を縮めた。ただ、大きく萎むことはなく、300円を超える上昇で取引を終了。大型株には利益確定売りに押されるものも散見されたが、全体では値上がり銘柄が多かった。新興銘柄の動きが良く、グロース250指数が1.5%高と相対的に強い動きを見せた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆円。業種別ではサービス、輸送用機器、情報・通信などが上昇した一方、銀行、海運、電気・ガスなどが下落した。上方修正を発表したテンシャル<325A.T>が、場中は値がつかずストップ高比例配分。半面、今期の最終減益見通しを提示したタウンニュース社<2481.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1130/値下がり443。サンリオが商いを伴って6%を超える上昇。IHIのほか、東京計器や石川製作所など防衛関連が買いを集めた。三越伊勢丹、Jフロント、H2Oリテイルなど百貨店株が人気化。インドのモディ首相が税金引き下げに言及したと伝わったことから、インド市場に強みを持つスズキが10.2%高と値を飛ばした。
一方、レーザーテック、東京エレクトロン、ディスコなど半導体株の多くが大幅安。メガバンクの三菱UFJ、三井住友、みずほFGがそろって2%台の下落となった。東電HDや北海道電力など電力株が軒並み安。決算が失望を誘った環境管理センターが急落した。
日経平均は大幅高。心理的節目の43500円は難なく超えて、高いところでは43800円台まで上値を伸ばした。特定の銘柄が上昇をけん引したというよりは、日本株全体の底上げが進んだ1日。グロース250指数は800p台に到達しており、大型株が休憩を入れるようなら新興銘柄が主役を張りそうな雰囲気も出てきている。こういった動きが出てくると、米国株の下落や円高などにも耐性を示しやすくなる。現状では不意打ちの悪材料が出てこない限り、上値追いの流れが続く公算が大きい。あすは日経平均が44000円の節目を超えることができるかが注目される。
(18日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.89円(前営業日比△0.70円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.45円(△0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1661ドル(▲0.0042ドル)
ダウ工業株30種平均:44911.82ドル(▲34.30ドル)
ナスダック総合株価指数:21629.77(△6.79)
10年物米国債利回り:4.33%(△0.01%)
WTI原油先物9月限:1バレル=63.42ドル(△0.62ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3378.0ドル(▲4.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
32 33
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反落。米ウクライナ会談前に持ち高調整目的のユーロ売り・ドル買いが先行。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると、2時前に一時1.1656ドルと日通し安値を更新した。
前週末の安値1.1646ドルが目先サポートとして意識されたほか、予想を下回る8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数を受けて下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
なお、トランプ米大統領はこの日、ホワイトハウスでゼレンスキー・ウクライナ大統領と会談し、ウクライナの長期的な「安全の保証」のため米国として支援すると伝えた。会談終了後には「領土交換の可能性を話し合う必要がある」「現時点では戦闘停止の段階にない」「次のステップは三者会談」などと発言。また、ゼレンスキー氏は「ウクライナの安全は米国にかかっている」などと話した。
・ドル円は反発。米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。NY勢の本格参入で全般ドル買い圧力が高まると、前週末の高値147.87円を上抜けて一時147.99円まで値を上げた。市場では「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演など、注目イベントを前に持ち高を一方向に傾ける動きは限られた」との声が聞かれたものの、その後の下押しは147.66円付近にとどまった。
・ユーロ円は続伸。23時前に一時172.68円と日通し高値を付けたものの、2時過ぎには172.18円付近まで下押しした。NY時間に限れば、ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため相場は方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反落。指数は史上最高値圏にあるだけに、持ち高調整や利益確定目的の売りが出た。半面、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測が相場を下支えした。著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる米バークシャー・ハザウェイによる株取得が明らかになったユナイテッドヘルス・グループへの買いも続いた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに小反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。FRBによる大幅利下げ観測が後退する中、債券売りがやや優勢となった。
・原油先物相場は小幅に反発。露・ウクライナの緊張状態の緩和を期待した調整が進む場面もあったが不透明感は拭いきれず。原油供給への懸念が尾を引くなか一方向へレンジを広げにくく、揺り戻しの買いも入った。小幅ながらプラスで引けている。
・金先物相場は3日続落。米長期金利の指標とされる10年債利回りが一時4.35%まで上昇。金利が付かない資産である金の上値を重くした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスが一時98.19まで上昇するなどドル高もドル建て金価格の割高感を意識させ売りを誘った。
一部通信社が報じたところによると、「トランプ米政権はインテル株の10%取得を協議している」ようだ。
19日02:27 ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「この戦争を終わらせるには外交的な方法を見つける必要がある」
「三国間協議の用意がある」
「この戦争を止め、ロシアを止める必要がある」
19日02:29 トランプ米大統領
「ウクライナ、そして全ての国と協力する」
「長期的な平和を望んでいる」
「安全保障について我々は関与する」
「戦争は必ず終わる。いつ終わるかは言えないが、必ず終わる」
「平和がすぐに訪れることを願う」
「停戦は必要ないと思う」
「戦闘が行われている間に和平協定に取り組める」
「(NATO第5条)今日議論する」
「先ほどプーチン露大統領と間接的に話した」
「ゼレンスキー大統領との会談後にプーチン露大統領に電話する」
19日03:58
「領土交換の可能性を話し合う必要がある」
「現時点では戦闘停止の段階にない」
「次のステップは三者会談」
「最終的に和平で合意する実現性はある」
19日03:53 米ホワイトハウス
「トランプ氏とゼレンスキー氏の会談が終了」
「トランプ氏とゼレンスキー氏は欧州首脳らと会談へ」
※時間は日本時間
<国内>
○自民党総裁選管理委員会が会合(総裁選前倒しを巡る賛否の確認方法を議論)
<海外>
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○09:30 ◇ 8月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○17:00 ◇ 6月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○21:30 ◎ 7月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比1.8%)
○21:30 ◎ 7月米住宅着工件数(予想:130.0万件、前月比▲1.6%)
◎ 建設許可件数(予想:138.5万件、前月比▲0.6%)
○20日03:10 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
トランプ米大統領は、プーチン露大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の3者会談を手配する方針を示した。場所は未定とのこと。複数の報道が伝えた。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 43780 +60 (+0.13%)
TOPIX先物 3128.0 +4.5 (+0.14%)
シカゴ日経平均先物 43805 +85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
18日の米国市場はNYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。22日にジャクソンホール会議で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演する。先行きの金融政策に対する見解に注目が集まるなか、持ち高調整や利益確定目的の売りが優勢となった。ただし、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測は根強く、相場を下支えした。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、消費者サービス、銀行が上昇した半面、不動産、メディア、素材が下落。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、キャタピラー<CAT>、シスコシステムズ<CSCO>、ウォルトディズニー<DIS>が買われた。一方で、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、アムジェン<AMGN>、ボーイング<BA>、ホーム・デポ<HD>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比85円高の4万3805円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比10円安の4万3710円で始まった。4万3620円まで売られた後はロング優勢の流れからプラスに転じると、米国市場の取引開始後には4万3930円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は上げ幅を縮め、4万3760円~4万3840円辺りでの推移が続き、4万3780円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。米国市場が小動きだったこともあり、手掛かり材料に欠ける状況のため、東京市場でも膠着感が強まりそうである。ただし、ナイトセッションで4万3930円と4万4000円に接近していることもあって、ロング対応に向かわせそうである。
拡大傾向をみせているボリンジャーバンドの+2σ(4万3880円)と+3σ(4万5200円)でのレンジを継続しているが、前日も前場終盤にかけての強い値動きで+2σを突破し、後場は同バンドを上回っての推移が続いていた。本日も+2σ水準での攻防をみせてくると考えられ、+2σを上回ってくるようだと、インデックスに絡んだ資金流入が意識されやすい。
一方で、ジャクソンホール会議を控えるなかで持ち高調整の動きが強まる可能性はある。+2σが抵抗となるようであれば、短期的なショートを誘う可能性はありそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万3500円から4万4000円のレンジを想定する。週足では上向きで推移する+2σ(4万4070円)に沿ったトレンドをみせているため、押し目待ち狙いのロングが入りやすいと考えられる。
15日の米VIX指数は14.99(14日は15.09)に低下した。一時15.95に上昇する場面もみられたが、25日移動平均線(16.16)が抵抗線として意識されていた。ジャクソンホール会議が近づくなかで同線に接近する動きは想定内であり、リスク選好に向かいやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.99倍に上昇した。一時13.92倍に低下する場面もみられたが、その後の切り返しによって200日線(13.98倍)を挟んでの推移をみせるなかで、14.00倍に乗せる場面もあった。同線での攻防が続きそうだが、14.00倍台が定着してくるようだと、NTショートを巻き戻す動きが強まる可能性がありそうだ。
18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利の上昇などを手掛かりに147.99円まで値を上げた。ユーロドルは、米長期金利の上昇や米ウクライナ会談前の持ち高調整でユーロ売り・ドル買いで1.1656ドルと日通し安値を更新した。ユーロ円は172.68円まで上昇後、172.18円付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、22日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を控えて動きづらい展開の中、日米10年債利回りや日経平均株価の動向を眺めながらの値動きが予想される。
また本日から、自民党は総裁選挙管理委員会で臨時の総裁選挙の是非を判断する手続きの議論を始めることになっている。今月8日に行われた自民党の「両院議員総会」では、石破総理大臣の続投を支持する声がある一方で、臨時の総裁選挙の実施を求める意見が相次いだことから、その是非を判断する手続きを総裁選挙管理委員会に委ねることになった。
本日、選挙管理委員会は会合を開き、総裁選前倒しを巡る賛否の確認方法を議論することになっており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。石破首相の退陣は円安要因、続投は円高要因となっている。
ドル円のテクニカル分析では、1日の高値150.92円から146円台まで下落した後、149円台前半の200日移動平均線が上値を抑えて146円-148円での保ち合い、フラッグを形成しつつある。おそらく、22日に発表される日本の7月消費者物価指数(CPI)や23時に予定されているジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演までは、レンジ相場に終始する可能性が高いと思われる。
日本の7月コアCPI(生鮮食品を除く)は、前年比+3.0%と予想されており、6月の同比+3.3%からの伸び率鈍化が見込まれている。もし、予想を上回った場合は、日銀の早期利上げ観測が高まることで、積極的な円買い要因となり、予想通りに鈍化していた場合も、実質金利の上昇で消極的な円買い要因となりえる。
パウエルFRB議長の講演では、7月の雇用統計を受けて、フェドウオッチが示唆するような9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げに言及すると思われる。昨年8月のジャクソンホール会合では、「利下げの時が来た」と表明し、9月FOMCでは0.50%の大幅利下げに踏み切っていた。ベッセント米財務長官は、先日、9月FOMCでの0.50%の利下げを推奨していた。
東京市場は堅調か。米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が下落し、ナスダックが上昇した。上値は重い一方で下値も堅く、動意に乏しい展開。3指数ともほぼ横ばいで取引を終えた。ドル円は足元147円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが85円高の43805円、ドル建てが110円高の43830円で取引を終えた。
米国株は小動きであったが、ナスダックがプラスで終えたことは下値不安を和らげる。エヌビディアやアプライド・マテリアルズなど、半導体株には上昇した銘柄が多かった。ドル円はやや円安に振れており、ナスダック高や為替を好感した買いが入ると予想する。高値警戒感はくすぶるものの、売りを急ぐ理由は乏しく、場中は下げづらく上げやすい地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは43650-44050円。
日経225先物は11時30分時点、前日比50円安の4万3670円(-0.11%)前後で推移。寄り付きは4万3770円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3805円)にサヤ寄せする形で、やや買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には4万3880円まで買われたが、買い一巡後は中盤にかけて4万3420円まで軟化する場面もあった。ただし、終盤は再び上へのバイアスが強まり、下げ幅を縮めている。
日経225先物は寄り付き直後にボリンジャーバンドの+2σ(4万3860円)を捉える場面もみられたが、同バンドに上値を抑えられる形で、中盤にかけて短期的なショートを誘う形になり、ロング解消の動きが入ったようである。ただし、終盤は持ち直しをみせているため、前日同様、後場に入りインデックスに絡んだ資金流入への思惑が高まりそうだ。もっとも、+2σが抵抗として機能するようだと、ロング解消の動きが強まる可能性がある点は警戒しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で13.98倍に低下した。一時14.03倍に上昇する場面もみられたが、その後は200日移動平均線(13.98倍)を割り込み、13.96倍に低下した。ただし、下値は25日線(13.94倍)が支持線として意識されているため、引き続き14.00倍を挟んだ攻防になりそうだ。
「戦争を終わらせる最善の方法は、守られない『停戦協定』ではなく、『平和協定』に直ちに進むことだ」(トランプ米大統領)
2025年8月15日、プーチン露大統領(KGB出身)とトランプ米大統領(不動産業出身)は、ウィトコフ中東担当特使(ユダヤ人不動産投資家)の御膳立てで、米アラスカ州アンカレッジのエルメンドルフ・リチャードソン統合基地で米露首脳会談に臨んだ。
トランプ米大統領は、ノーベル平和賞獲得に向けてウクライナ戦争の和平合意を目論んでいたが、停戦合意はなく、クレムリンは「プーチン露大統領勝利、ゼレンスキー・ウクライナ大統領の敗北」と喧伝した。
不動産業出身のトランプ米大統領は、盟友の不動産投資家であるウィトコフ中東担当特使に米露首脳会談の御膳立てを頼み、マンハッタンでの土地の交換のような感覚で、ウクライナ戦争での占領地の交換に臨んだと思われるが、外交では素人だったことが暴露された。
今回のアラスカ会談は、ネヴィル・チェンバレン英首相(農業経営出身)がナチス・ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラー(ドイツ軍伍長出身)への宥和政策により増長を許した1938年のミュンヘン会談を彷彿させるものであり、プーチン露大統領によるウクライナの橋頭保から欧州への侵攻への許可証となった可能性があるのかもしれない。
1.アラスカ半島とクリミア半島
アラスカ(半島)は、1867年にロシアがクリミア戦争後の財政難により米国に720万ドル(1平方キロ=5ドル)で売却された。
アラスカでの米露首脳会談では、因縁のクリミア半島割譲などの領土割譲問題が協議された模様だが、次回のモスクワ会談?に持ち越しになったのかもしれない。
トランプ米大統領は1945年2月にクリミア半島で開催されたヤルタ会談を目論んでいたものの、プーチン露大統領にとってはミュンヘン会談に留まったのかもしれない。
2.トランプ米大統領の目論見
・停戦(正式な平和条約は締結しない)
・ウクライナにおけるロシア占領地の事実上の承認
・対ロシア制裁の大幅解除(エネルギー協力とロシア産石油・ガスの輸入再開)
・NATOの東方拡大やウクライナへの西側の軍事支援停止に関する記述はない
3.ゼレンスキー・ウクライナ大統領の目論見
・ウクライナに関するあらゆる事案はウクライナとだけ協議しなければならない。3者協議の枠組みを準備しなければならない。停戦は必ず実現しなければならない。
・真に信頼できる安全保障の保証が必要。
・ロシアは、ウクライナのEUとNATOとの将来について拒否権を持つことはできない。
・プーチン氏と停戦合意に達しなければ、ロシアに対する制裁は強化される。
・ゼレンスキー氏は、即時停戦がプーチン氏とトランプ氏の協議の「中心的な議題」になる
4.プーチン露大統領の目論見
・ドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソン4州の完全掌握
・ウクライナのEUとNATO加盟禁止
・ロシアへの制裁解除
ドル円は、昨日の東京市場でお盆休み明けの本邦実需勢の買いが観測されたものの、それ以降は日本とは関係のないところでの材料やネタによる動きが繰り返されているといったところ。NY時間に入ってから米長期金利が上昇に転じると買い戻しが先行。15日の高値147.87円や14日の高値147.96円を上抜けて一時147.99円まで値を上げました。その後の下押しも147.66円までにとどまると再び147.92円まで買い戻されてNY市場を終えています。
そして、本日のアジア市場では、朝方にプーチン、ゼレンスキー、トランプの3者会談が実現する運びとなったことをきっかけにリスクオン。クロス円中心に買い戻しとなると147.98円まで上昇したものの、昨日高値を前に戻り売り。高く寄付いた日経平均が一転して戻り売りにおされるなか147.70円まで下押ししました。S&Pが米国の格付けを据え置いたことが報じられると148.11円まで急伸する場面もみられましたが、その後は再び147.62円まで値を下げるなど、ヘッドラインに振り回される展開となっています。
いずれにしても、ドル円は先週末から一目転換線をサポートレベルとして意識しつつ下値を切り上げている状況。昨日もお伝えした通り、日経平均の「利食いの売りで下押ししているだけで、直ぐにも買いが入ってくるかなりしっかりとした展開」とともに、円ロングポジションの縮小ではなく、解消に向けた動きが続いています。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、本日開催される臨時欧州連合(EU)首脳会合を見極めつつ、開催が見込まれている米露ウクライナ首脳会談を待つ展開となる。
15日に、アラスカ州のアンカレジで開催されたトランプ米大統領とプーチン露大統領によるウクライナ戦争の停戦を巡る米露首脳会談では、停戦・和平合意に至ることなく、次回のモスクワでの会談が示された。
昨日は、ワシントンでゼレンスキー・ウクライナ大統領とトランプ米大統領による首脳会談が開催され、プーチン露大統領を交えた「三者会談」が2-3週間以内に開催される運びとなった。
そして、本日は、臨時欧州連合(EU)首脳会合が開催されることになり、関連ヘッドラインに警戒していくことになる。
「三者会談」でのそれぞれの目論見は以下の通りと想定されるが、着地点を見出すのは困難だと思われる。
■トランプ米大統領
・停戦(正式な平和条約は締結しない)
・ウクライナにおけるロシア占領地の事実上の承認
・対ロシア制裁の大幅解除(エネルギー協力とロシア産石油・ガスの輸入再開)
・NATOの東方拡大やウクライナへの西側の軍事支援停止に関する記述はない
■ゼレンスキー・ウクライナ大統領
・ウクライナに関するあらゆる事案はウクライナとだけ協議しなければならない。3者協議の枠組みを準備しなければならない。停戦は必ず実現しなければならない
・真に信頼できる安全保障の保証が必要
・ロシアは、ウクライナのEUとNATOとの将来について拒否権を持つことはできない
・プーチン氏と停戦合意に達しなければ、ロシアに対する制裁は強化される
・ゼレンスキー氏は、即時停戦がプーチン氏とトランプ氏の協議の「中心的な議題」になる
■プーチン露大統領
・ドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソン4州の完全掌握
・ウクライナのEUとNATO加盟禁止
・ロシアへの制裁解除
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1789ドル(7/24高値)
・ユーロ円:173.02円(8/13高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1591ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:171.85円(日足一目均衡表・基準線)
ドル円:1ドル=147.63円(前営業日NY終値比▲0.26円)
ユーロ円:1ユーロ=172.09円(▲0.36円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1657ドル(▲0.0004ドル)
日経平均株価:43546.29円(前営業日比▲168.02円)
東証株価指数(TOPIX):3116.63(▲4.33)
債券先物9月物:137.62円(▲0.19円)
新発10年物国債利回り:1.590%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重い。「米・露・ウクライナ首脳の3者会談を開催」との一部報道が伝わり、露・ウクライナ間の和平交渉が進むとの期待感からクロス円を中心に買いが強まった。日経平均株価が史上最高値を更新後に下げに転じたことで上値は限られたが、米格付け会社S&Pが米ソブリン格付を据え置いたことが伝わると一時148.11円まで上昇した。ただ、買いは一時的ですぐに失速。日経平均の戻りが鈍かったこと、本邦10年債利回りが7月下旬以来となる1.6%まで上昇したことが重しとなり、一時147.59円まで値を下げた。
・ユーロ円も上値が重い。ウクライナ情勢に対する警戒感が後退したことを受けて172.63円まで上昇したが、昨日高値の172.68円に届かず一転下落。日本株安も売りを促す形で一時172.00円まで下落した。
・ユーロドルは下げ渋り。S&Pによる米格付け据え置きを受けて一時1.1639ドルまで下落したものの、ドル円が失速したため一巡後は1.1660ドル台まで切り返した。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。連日で史上最高値を更新していただけに短期的な過熱感を意識した売りが優勢となり、下げ幅は一時300円を超えた。
・債券先物相場は7日続落。20年債入札が弱い内容だったことを受けて債券売りが優勢となり、一時137.46円まで下落した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、4-6月期の決算発表を挟んで日経平均の予想EPS(1株当たり利益)は切り下がっていると指摘。株高のトレンドが続くにはEPSの切り上がりが必要と考えられるが、米関税政策を受けた需要動向の変化やコスト負担増などが懸念される中、見通しの上方修正が相次ぐ展開は期待し難い。こうしたファンダメンタルズを踏まえれば、目先の株価動向を慎重にみておきたい局面とコメントしている。
米エヌビディアが中国向けにより高性能の新型チップを準備中と一部通信社が伝えた。
英国国家統計局(ONS)は19日、年次国民経済計算「ブルーブック2025」を公表し、調査データや行政統計の更新に加え、資本形成・在庫推計システムの再構築や教育アウトプット計測方法の改良などを盛り込んだ。今回の改訂により、研究開発データや多国籍製薬企業の経済活動測定を改善した結果、名目GDP水準は全期間にわたって上方修正され、特に2023年は従来より1.5%高く推計された。実質GDPの伸びは過去の修正幅が名目値より小さく、1998-2023年の年平均成長は1.8%で従来と同水準。2023年の実質GDP成長率は0.1ポイント下方修正され0.3%となったが、2022年は0.3ポイント上振れに修正された。
累積実質成長(1997~2023年)は57.6%と前回推計の57.0%からやや引き上げ。さらに2023年第4四半期の実質GDP水準はコロナ前(2019年第4四半期)比で2.2%高と修正され、1人当たり実質GDPもコロナ前比で▲1.0%に改善した。次回9月30日の四半期国民経済計算で正式な推計に反映され、10月31日には改訂内容の詳細記事が公開予定だ。
一部通信社が報じたところによると、英国市場ではトレーダーが11月の利下げ実施確率を3割未満と織り込み、追加利下げに懐疑的な見方が強まっている。7月のインフレ率は6月の3.6%から3.7%へ上昇予想、コアも3.5%超、サービス部門では5%近辺が続くとされ、BOEの目標2%には程遠い状況だ。中銀自身もインフレ加速を見込んでおり、今月の利下げは市場に驚きを与えた。追加利下げに踏み切れば、実質金利がマイナス圏に陥るリスクがあるため、景気下支え効果を購買力の毀損が相殺しかねない。パンデミック後の厳しいインフレを踏まえれば、利下げは予測に対する強い確信がなければ正当化できないとの指摘もある。一方で、政策委員会には「超ハト派」も存在し、市場はBOEの動きを警戒中。今後数日の経済指標と委員会の姿勢次第で、相場は再び揺さぶられる可能性がある。
米国とその同盟国は直ちに新たなウクライナの安全保障計画に着手すると関係者の話として一部通信社が伝えた。
世界的なインフレや賃金伸び悩み、年金制度への圧力は多くの人々に経済的不安をもたらしている。気候変動や貿易摩擦、武力紛争といった地政学リスクも重なり、将来の生活への懸念が高まっている。Statistaの調査によれば、2024年7月から2025年6月にかけて回答したスペインと南アフリカの国民の約4割が「自らの経済的将来に不安を抱いている」と答えている。こうした傾向はグローバルに広がっており、家計の先行きに対する楽観が難しい状況を示している。
中国の政府系メディア『証券日報』は19日、専門家の話として、各地方が継続して打ち出している不動産市場の安定化策が市場の需給関係を一層改善し、価格の下落を食い止め、安定に向かわせる可能性があると伝えた。
同紙によると、8月以降、北京、天津、西安、蘇州などが相次いで不動産安定化策を発表。住宅公積金制度の拡充や住宅の「買い替え」促進、在庫物件の買い上げ、購入補助金の支給など多岐にわたる。
記事は、各地が政策誘導を発揮しつつ、不動産安定化策を着実に実行していると指摘。供給側管理の強化や既存在庫の調整と並行して、住宅公積金制度をはじめとする政策ツールを活用し、購入条件を緩和して需要を喚起しているとした。
上海易居不動産研究院の厳躍進副院長は、今年下半期の不動産市場が安定に向かう基礎は固いと指摘。4-6月期に価格安定への圧力が増したことから、7-9月期は価格の安定化が重要な取り組みになるとの見方を示した。広東省住宅政策研究センターの李宇嘉首席研究員は、市場の安定化は一つの過程であり、一時的な変動は正常な現象だと述べた。新築・中古ともに、主要70都市の住宅販売価格指数の前年比下落率は昨年から縮小を続けており、底打ちの兆しが明らかだという。
SMBC日興証券では、米商務省が8月28日に公表予定の米4-6月期GDP統計の2次推計に関して、4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+3.1%と、1次推計値の+3.0%からわずかに上方修正されると予想している。FOMC参加者が景気において重視する民間最終需要の伸びは、前期比年率+1.2%で変わらずと見込んでいる。
中国人民銀行(PBOC)は19日、リバースレポを通じて4657億元(約650億ドル)の短期資金を市場に供給した。これは7月25日以来最大規模で、今年3番目の大型注入となる。最近の市場では、米中通商協議やデフレ懸念緩和策に伴う株式市場の上昇を背景に債券売りが続き、10年国債利回りは一時4月以来の高水準に達していた。さらに、新発債の利子所得課税や緩和姿勢の抑制観測が債券需要を冷やしていた状況があった。今回の資金供給は、月末の納税需要を円滑にこなし、金利急騰を防ぐとともに、脆弱な経済を下支えする狙いがある。アナリストによると「国債の利回り曲線はさらにスティープ化する余地がある」と指摘。市場参加者によれば、銀行間の流動性は改善したものの、ノンバンク向けの資金調達コストは依然として高止まりしている。こうしたオペは政府の国債発行計画への支障を抑える側面もあり、PBOCは今後も低水準の資金調達環境維持に注力する構えを示している。
大阪9月限
日経225先物 43560 -160 (-0.36%)
TOPIX先物 3119.5 -4.0 (-0.12%)
日経225先物(9月限)は前日比160円安の4万3560円で取引を終了。寄り付きは4万3770円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3805円)にサヤ寄せする形で、やや買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には4万3880円まで買われたが、買い一巡後は前場中盤にかけて4万3420円まで軟化する場面もあった。
前場終盤に再び上へのバイアスが強まる形で4万3740円とプラス圏を回復したものの、ランチタイムで弱含むと、後場の取引開始直後には4万3520円まで売られた。ただ、前場につけた安値は割り込まず、終盤にかけて4万3520円~4万3700円辺りでの推移が続いた。
日経225先物は寄り付き直後にボリンジャーバンドの+2σ(4万3840円)を捉える場面もみられたが、その後は同バンドに上値を抑えられる形で、前場中盤にかけて短期的なショートを誘う形になり、ロング解消の動きが入ったようである。前場終盤にかけて持ち直しをみせたが、後場に入りインデックスに絡んだ資金流入は限られ、短期的なショートに振れる場面もあった。
指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が上場来高値を更新した後に軟化したことで、ショートを仕掛けやすくさせたのだろう。もっとも、日経225先物は+2σを割り込んでの推移とはなったが、4万3500円辺りでの底堅さもみられていた。
短期的なショートが入ったとしても、早めのカバーに向かわせているため、基本的には押し目狙いのロング対応が有効だろう。+2σはナイトセッションで4万4060円と4万4000円を上回ってきており、4万3500円から4万4000円のレンジを想定しておきたい。4万3500円を割り込んでくると、+1σが位置する4万3000円が意識されよう。
NT倍率は先物中心限月で13.96倍に低下した。一時14.03倍に上昇する場面もみられたが、その後は200日移動平均線(13.98倍)を割り込み、13.95倍に低下した。ただし、下値は25日線(13.94倍)が支持線として意識されていた。引き続き14.00倍を挟んだ攻防になりそうだが、本日は出遅れていた医薬品株が買われるなど、リバランスとみられる動きだった。ジャクソンホール会議を控えて持ち高調整も入りそうであり、ややNTショートに振れやすくなりそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0311枚、ソシエテジェネラル証券が1万4101枚、サスケハナ・ホンコンが4101枚、ゴールドマン証券が1834枚、バークレイズ証券が1764枚、モルガンMUFG証券が1750枚、JPモルガン証券が1647枚、日産証券が1599枚、シティグループ証券が1051枚、SBI証券が889枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万2174枚、ソシエテジェネラル証券が1万8971枚、モルガンMUFG証券が4547枚、JPモルガン証券が3719枚、バークレイズ証券が2986枚、ゴールドマン証券が2125枚、ビーオブエー証券が1319枚、サスケハナ・ホンコンが1189枚、みずほ証券が757枚、野村証券が606枚だった。
東京タイムで米格付け会社S&Pが米ソブリン格付を据え置いたことが伝わると、ドル円は一時148円台に乗せたがすぐに失速し、147円半ば-148.00円のレンジ内で振幅。
NYタイムでは7月米建設許可件数や7月米住宅着工件数など住宅データの発表が予定されているが、予想と大きくかい離しない限り、ドルの反応は限定的にとどまるだろう。また、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長の講演が予定されており、その発言内容には注目したい。同氏は現在早期利下げを支持しており、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利の据え置きに反対票を投じた。同氏は次期FRB議長の候補の一人として報じられている。
「米・露・ウクライナ首脳の3者会談を開催」との一部報道が伝わっており、露・ウクライナ間の和平交渉が進むとの期待感でクロス円が底堅い動きとなっており、ドル円の支えになりそうだが、一方向に大きく傾けそうな手掛かりが乏しく、市場の目線が週末の米ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長による講演に向けられていることでNY市場ではドル円はこう着感が強い相場が続きそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円、本日これまでの高値148.11円や日足一目均衡表・基準線148.39円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、日足一目均衡表・転換線147.37円や18日安値147.05円が下値めど。
今晩はホーム・デポの決算発表に注目。昨日は金曜日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演や翌日からの主力小売株の決算発表を控えた様子見姿勢が強まり、主要3指数がそろってほぼ横ばい。ダウ平均が34.30ドル安(-0.08%)と小幅に反落し、S&P500も0.01%安とわずかながら2営業日続落。ナスダック総合は0.03%高とわずかながら3営業日ぶりに反発した。引け後の動きでは予想を上回る決算を発表したパロ・アルト・ネットワークスが時間外で約5%上昇した。
今晩の取引では9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が引き続き支援となることが期待されるものの、週末金曜日のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演を控えた様子見姿勢の継続も予想され、上値も重い展開か。決算発表では寄り前にホームセンター大手のホーム・デポが発表予定で、トランプ関税による個人消費や企業業績の影響に要注目となる。また、水曜日以降もロウズ、ターゲット、TJX、ウォルマート、ロス・ストアーズなどの小売大手の決算発表が続く。
今晩の米経済指標・イベントは7月建設許可件数、7月住宅着工件数など。企業決算は寄り前にホーム・デポ、メドトロニック、引け後にキーサイト・テクノロジーズなどが発表予定。(執筆:8月19日、14:00)
ドイツ復興金融公庫(KfW)は南アフリカ政府と協力し、公正なエネルギー移行(JET)を推進するため、5億ユーロの融資契約を締結した。本融資は世界銀行、アフリカ開発銀行、JICA、OPEC基金も参加する第3次開発政策オペレーションの一環で、エネルギー分野と気候変動対策に軸足を置き、インフラサービスの効率性・レジリエンス・持続可能性を高める構造改革を支援する。同融資は2022年と2023年に続く一連の政策融資の第3弾で、ドイツがCOP26で約束した支援の一部を形成し、これまでの累計は13億ユーロに達した。
ゴドングワナ財務相は今回の協力が南アの短中期的なエネルギー安全保障の強化、脱炭素化、雇用創出・包摂的成長の促進に資すると評価。また、さらなる投資呼び込みには制度改革が重要と強調した。KfW南ア支社長ティットマン氏は融資は民間参入を促し両国の経済協力を拡大する契機になると述べ、国家財務省のリーダーシップに謝意を示した。この融資は優遇的条件を有し、南ア経済の構造改革を後押しする意義ある一歩と位置づけられる。
日経平均株価は反落。買い一巡後は売りに押される動きとなり、高値警戒感が戻りを抑える要因となった。3日ぶりの陰線を形成したが、上昇基調にある5日移動平均線(43312円 8/19)上までの下落幅にとどまった。
RSI(9日)は前日の86.6%→82.6%(8/19)に低下。短期的には上昇のハードルが高くなる。基本的には5日移動平均線や10日移動平均線(42350円 同)などの上場基調が続く中、上値へのトレンドフォローのスタンス継続である。ただ、25日移動平均線(41229円 同)からのかい離拡大などの視点からは、目先的には調整が続いても不思議ではない。
上値メドは、心理的節目の44000円、45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、5日移動平均線、10日移動平均線、7/24高値(42065円)、心理的節目の41500円、25日移動平均線、心理的節目の41000円や40500円などがある。
(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.47円(19日15時時点比▲0.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.87円(▲0.22円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1655ドル(▲0.0002ドル)
FTSE100種総合株価指数:9189.22(前営業日比△31.48)
ドイツ株式指数(DAX):24423.07(△108.30)
10年物英国債利回り:4.740%(△0.002%)
10年物独国債利回り:2.750%(▲0.013%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月ユーロ圏経常収支(季調済)
358億ユーロの黒字 318億ユーロの黒字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時147.54円まで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。22時過ぎには147.90円付近まで持ち直した。
ただ、東京午前に付けた日通し高値148.11円がレジスタンスとして働くと再び弱含んだ。米長期金利の指標となる10年債利回りが4.30%台まで低下したことも相場の重しとなり、2時過ぎに一時147.45円と日通し安値を更新した。高く始まったダウ平均が下げに転じるなど、米国株相場が軟調に推移したこともリスク回避の円買いを誘った。
・ユーロドルは上値が重かった。ウクライナ情勢を巡る緊張が緩和するとの期待からユーロ買い・ドル売りが先行。20時過ぎに一時1.1693ドルと日通し高値を更新した。
ただ、買い一巡後は徐々に上値を切り下げる展開に。対オセアニア通貨中心にドル買いが進んだ流れに沿って一時1.1652ドル付近まで下押しした。
なお、トランプ米大統領はFOXニュースのインタビューで「プーチン露大統領が良い方向に動いてくれることを望む。そうでなければ厳しい状況になる」などと話した。
・ユーロ円は行って来いの展開。20時過ぎに一時172.70円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は一転売りが優勢となり、3時過ぎに171.83円と日通し安値を更新した。ドル円やユーロドルの失速に伴う円買い・ユーロ売りが入った。
・オセアニア通貨は軟調。一時290ドル超上昇したダウ平均が下げに転じるなど、米株式相場が軟調に推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは一時0.6454米ドル、NZドル米ドルは0.5898米ドルまで値を下げたほか、豪ドル円は95.18円、NZドル円は86.98円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。ウクライナ情勢を巡る緊張が緩和するとの期待から買いが入ったものの、指数は高値圏にあるだけに、持ち高調整の売りも出やすく上値は重かった。コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが買われたほか、アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。ウクライナ情勢を巡る緊張が緩和するとの期待から投資家心理が改善すると買いが優勢となった。個別ではポルシェ(3.96%高)やザランド(3.68%高)、ブレンターク(2.94%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
19日の日経平均は3日ぶり反落。終値は168円安の43546円。小動きの米国株を受けても、寄り付きは3桁の上昇。しかし、買いは続かず早々に失速した。ソフトバンクグループ<9984.T>やサンリオ<8136.T>など、直近で大きく上昇していた人気銘柄の多くが利益確定売りに押された。
マイナス圏に沈んで10時近辺では下げ幅を300円超に拡大。43400円台に入ったところで売りは一巡した。主力銘柄には大きく下げるものが多かった一方、プライムでは値上がり銘柄が多かった。鋭角的に戻して、11時近辺ではプラス圏に浮上。ただ、動きが良くなってくると、改めての売りに押された。前場を2桁の下落で終えると、後場はマイナス圏が定着し、終盤にかけては下げ幅を3桁に拡大。後場の安値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆0700億円。業種別では医薬品、不動産、倉庫・運輸などが上昇した一方、その他製品、銀行、非鉄金属などが下落した。ダルトン・インベストメンツから「大規模買付行為等趣旨説明書」を受領したことなどを公表したあすか製薬ホールディングス<4886.T>が急騰。半面、ソフトバンクグループが4%安となり、1銘柄で日経平均を約135円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1055/値下がり511。東京エレクトロンがプラスで終えたほか、SCREENやソシオネクストが3%超上昇するなど、半導体株の動きが良かった。薬品株が軒並み高となっており、第一三共と中外製薬が4%台の上昇。ニデック、ローム、TDKなどハイテク株の一角に資金が向かった。増配や1:2の株式分割を発表したフライングガーデンが急騰。上方修正を好感した買いが続いたテンシャルが連日でストップ高比例配分となった。
一方、サンリオが10.4%安となり、ソフトバンクGとともに弱さが目立った。フジクラやIHIなど売買代金上位の常連銘柄が大幅安。任天堂、バンナムHD、コナミGなどゲーム株にも大きく売られる銘柄が多かった。三菱UFJや東京海上など金融株が全般軟調。公募・売り出しを発表したフージャースHDが急落した。
ここまで日本株の上昇をけん引していた銘柄群が値を崩した一方、プライムでは値上がり銘柄が値下がりの倍近くあるという、いびつな動きとなった。最終的に日経平均は弱い銘柄の影響を大きく受けて下落しただけに、あすもソフトバンクGやサンリオの動向には神経質となるだろう。ただ、安値は43411円までで、5日線(43312円、19日時点)は取引時間中でも割り込むことはなかった。大暴落したわけではなく、チャートの形状も崩れていない。相場の主役が変わったとしても日経平均の上昇継続にはまだまだ期待が持てるだけに、あすはきょうの安値や5日線を下回ることなく推移できるかに注目したい。
(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.67円(前営業日比▲0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.99円(▲0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1647ドル(▲0.0014ドル)
ダウ工業株30種平均:44922.27ドル(△10.45ドル)
ナスダック総合株価指数:21314.95(▲314.82)
10年物米国債利回り:4.30%(▲0.03%)
WTI原油先物9月限:1バレル=62.35ドル(▲1.07ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3358.7ドル(▲19.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米住宅着工件数
142.8万件 135.8万件・改
建設許可件数
135.4万件 139.3万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。7月米住宅着工件数が予想を上回ると買いが先行し一時147.90円付近まで持ち直したものの、東京午前に付けた日通し高値148.11円がレジスタンスとして働くと失速した。米長期金利の指標となる10年債利回りが4.29%台まで低下したことも相場の重しとなり、2時過ぎに一時147.45円と日通し安値を更新した。一時290ドル超上昇したダウ平均が失速するなど、米国株相場が軟調に推移したこともリスク回避の円買いを誘った。
・ユーロドルは小幅続落。ウクライナ情勢を巡る緊張が緩和するとの期待からユーロ買い・ドル売りが先行すると、20時過ぎに一時1.1693ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は上値が重くなった。対オセアニア通貨中心にドル買いが強まった影響を受けて、4時前に一時1.1642ドル付近まで値を下げた。ただ、東京午前に付けた日通し安値1.1639ドルが目先サポートとして意識されると下げ渋った。
・オセアニア通貨は下落。米株式相場がさえない展開になるとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは一時0.6450米ドル、NZドル米ドルは0.5891米ドルまで値を下げたほか、豪ドル円は95.13円、NZドル円は86.90円と日通し安値を更新した。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。20時過ぎに一時172.70円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は一転売りが優勢となり、4時30分前に171.70円と日通し安値を更新した。ドル円やユーロドルの下落につれた円買い・ユーロ売りが入った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反発。決算内容が好感されたホーム・デポが買われ、相場の上昇に寄与した。ディフェンシブ株の一角にも買いが入り、相場を下支えした。ただ、ハイテク株中心に持ち高調整の売りが広がると、指数は下げに転じる場面もあった。エヌビディアやマイクロソフトなどの下げが目立った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに持ち高調整目的の買いが入った。市場では「米株式市場でハイテク株への売りが目立ったことから、相対的に安全資産とされる米国債に資金が向かった」との声も聞かれた。
・原油先物相場は反落。昨日の米・ウクライナ首脳会談を経て、米露ウクライナ首脳会談が2-3週間以内に開催される運びに。まだ不透明感は拭いきれないが需給緩和の思惑もちらつき始め、買いを入れるような確信が持ちにくい。昨日安値62.18ドルを下抜くまでには至らなかったものの、62.25ドルまで下値を試した。
・金先物相場は4日続落。ユーロやオセアニア通貨などに対してドルが強含み、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは底堅く推移した。ドル強含みはドル建て金価格の割高感につながり、NY金先物はじり安。同限月として1日以来の安値を3358.1ドルまで更新した。
格付け大手S&Pグローバル・レーティングは19日、米国債の格付け「AA+/A-1+」で据え置いた。また、見通しは安定的としている。
19日08:20 ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「米国は可能な限り早期の3者会談開催を提案」
「安全保障とその調整への協力について米国から重要なシグナルを受け取った」
「ロシアはトランプ米大統領との電話会談でまずウクライナとの2国間協議、その後に3者会談を提案」
19日18:56 ラブロフ露外相
「ウクライナ和平プロセスを協議するいかなる枠組みもロシアは拒否しない」
19日20:43 ベッセント米財務長官
「インドのロシア産原油購入を受け、関税引き上げを計画」
「世界各国のデジタルサービス税に対し我々は反発」
19日21:08 トランプ米大統領
「プーチン露大統領が良い方向に動いてくれることを望む。そうでなければ厳しい状況になる」
「露・ウクライナ首脳会談を準備している」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 7月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前1962億円の黒字、季節調整済672億円の赤字)
○08:50 ◎ 6月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比▲1.0%/前年比5.0%)
<海外>
○11:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表(予想:3.00%に引き下げ)
○12:00 ◎ ホークスビーRBNZ総裁、記者会見
○15:00 ◎ 7月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比3.7%)
○15:00 ◎ 7月英CPIコア指数(予想:前年比3.7%)
○15:00 ◇ 7月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.1%/前年比4.5%)
○15:00 ◇ 7月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.1%)
○16:10 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:2.00%で据え置き)
○17:00 ◎ 7月南アフリカCPI(予想:前月比0.9%/前年比3.5%)
○18:00 ☆ 7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.0%)
○18:00 ☆ 7月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.3%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○24:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○21日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○21日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月29日-30日分)
○21日04:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 43350 -210 (-0.48%)
TOPIX先物 3115.0 -4.5 (-0.14%)
シカゴ日経平均先物 43390 -170
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
19日の米国市場はNYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。四半期決算を発表したホーム・デポ<HD>が買われたほか、ディフェンシブ株の一角に買いが入り、NYダウを支える形になった。7月の米住宅着工件数は前月比5.2%増と、予想に反して増加したことも材料視された。半面、ハイテク株の一角には持ち高調整の売りが広がり、相場の重荷になった。22日にジャクソンホール会議での米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演を控えているほか、トランプ政権による半導体関税が警戒されて売りが出やすかった。
S&P500業種別指数は不動産、家庭用品・パーソナル用品、運輸が上昇した一方で、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、自動車・同部品の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ホーム・デポのほか、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、トラベラーズ<TRV>が買われた。半面、エヌビディア<NVDA>の下落率が3%を超えたほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比170円安の4万3390円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比50円高の4万3610円で始まった。4万3820円まで買われた後はショート優勢の流れとなり、米国市場の取引開始後に下落に転じ、中盤にかけて4万3310円まで下げ幅を広げた。終盤にかけては4万3300円~4万3400円辺りでの推移が続き、4万3350円でナイトセッションの取引を終えている。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになろう。米国市場ではエヌビディアなど半導体株の一角が売られており、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になりそうである。また、ナイトセッションでは開始直後に4万3820円まで買われる場面もあったが、ボリンジャーバンドの+2σ(4万4010円)を捉えることができず、+1σ(4万2700円)とのレンジが意識されよう。
週足のボリンジャーバンドでは上向きで推移する+1σ(4万2030円)と+2σ(4万3920円)によるレンジ内での推移を継続している。上昇トレンドに変化はないものの、+2σが抵抗となることで、持ち高調整に伴うロング解消のほか、短期的なショートが入りやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格の4万3375円を中心とした上下の権利行使価格である、4万2875円から4万3875円でのレンジを想定する。
19日の米VIX指数は15.57(18日は14.99)に上昇した。一時15.91をつける場面もあったが、25日移動平均線(16.09)が抵抗線として意識されていた。ジャクソンホール会議が近づくなかで同線に接近する動きは想定内であるが、市場心理をやや神経質にさせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.96倍に低下した。一時14.03倍に上昇する場面もみられたが、その後は200日線(13.98倍)を割り込み、13.95倍に低下。ただし、下値は25日線(13.94倍)が支持線として意識されていた。米国市場同様、ハイテク株が弱い値動きである一方、ディフェンシブ株への資金シフトがみられるようだと、25日線割れからNTショートに振れやすくなりそうだ。
19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.29%台まで低下し、米国株相場が軟調に推移したことで147.45円まで下落した。ユーロドルは、ウクライナ情勢を巡る緊張が緩和するとの期待から1.1693ドルまで上昇した後、1.1642ドル付近まで値を下げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、22日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を控えて動きづらい展開の中、米10年債利回りが低下していることで上値が重い展開が予想される。
ドル円のテクニカル分析では、8月1日の高値150.92円から146円台まで下落した後、149円台前半の200日移動平均線が上値を抑える形で、146円台-148円台での保ち合い、フラッグを形成しつつある。おそらく、22日に発表される日本の7月消費者物価指数(CPI)や23時に予定されているジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演までは、方向性を見出せないでレンジ相場に終始する可能性が高いと思われる。
8時50分に発表される7月貿易統計では、対米貿易黒字に注目しておきたい。ラトニック米商務長官は、日本との貿易合意に関する文書は数週間後になるとの見方を示している。
22日のパウエルFRB議長の講演が待たれる中、色々な重要なイベントの開催が先送りされつつある。
昨日開催された自民党総裁選管理委員会の後、委員長の逢沢衆院議員が、過半数が要求すれば臨時総裁選を実施することになる、と述べており、月内にも方向性を決め、9月に臨時総裁選の実施を目指す向きがあることが示された。
ウクライナ戦争の停戦に向けては、15日にトランプ米大統領とプーチン露大統領の米露首脳会談、18日にゼレンスキー・ウクライナ大統領とトランプ米大統領の首脳会談、19日に臨時欧州連合(EU)首脳会談が行われ、数日以内にウクライナの安全の保証計画に着手すると報じられている。そして、米ホワイトハウスは、トランプ米大統領、プーチン露大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領による3者会談を、ハンガリーの首都ブダペストで開催することを検討している、と報じられている。
ボウマンFRB副議長(銀行監督担当)は、大手銀行の資本規制見直しやデバンキング(口座強制解約)の根絶など、自身が担う監督分野の取り組みに引き続き注力する考えを示したものの、金融政策への言及はなかった。また、次期FRB議長候補に挙がっていることで、FRB議長職に関心があるか、との質問に対しては明言を避けた。
ベッセント米財務長官は、9月1日のレーバーデー前後に次期FRB議長候補11人と面会する予定だと述べた。さらに、米国の関税収入は年初の予想の3000億ドルを大幅に上振れするとの見方を示した上で、政府は関税収入をまず連邦債務の返済に充てると述べた。
昨日、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、米国のソブリン格付け「AA+/A-1」を据え置き、見通しは「安定的」としたが、理由としては、「関税収入が最近の予算関連法による財政赤字拡大を相殺する可能性がある」との見方を示した。ドル円は、ヘッドラインに反応して148.11円まで上昇したものの、一時的だった。
11時に発表されるニュージーランド準備銀行(RBNZ)の政策金利は3.00%への引き下げが見込まれている。声明やホークスビーRBNZ総裁の記者会見などから、ターミナルレート(利下げの最終到達点)を見極めたい。
東京市場は軟調か。米国株はまちまち。ダウ平均が上昇し、S&P500とナスダックが下落した。ダウ平均は10ドル高の44922ドルで取引を終えた。決算を受けたホーム・デポの上昇を好感して序盤には300ドル近く上げる場面もあったが、ハイテク株が弱く買い一巡後は値を消した。エヌビディアなど半導体株が大きく売られており、ナスダックは1%を超える下落となっている。ドル円は足元147円60銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが170円安の43390円、ドル建てが150円安の43410円で取引を終えた。
プラスで終えたダウ平均はほぼ横ばいであるだけに、S&P500やナスダックの下落を嫌気した売りに押されると予想する。米国動向からハイテク株に厳しい展開が想定される。ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演を先に控えて様子見姿勢が強まりやすい中、買いの方がより手控えられることで、場中は下押し圧力の強い地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは43200-43650円。
中国の全国銀行間同業折借中心が20日に発表した2025年8月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は、1年物が3.00%で据え置き、5年物も3.50%で据え置いた。
ドル円は完全にスタックした動きとなっていますが、週末のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演待ちである以上、一定のレンジ内での値動きが続いているのも致し方ないといったところ。昨日の海外市場でも147円台での全く方向感のない動きに終始しています。アジア時間に入ってからは、ゴトー日とあって、朝方から本邦実需の買いが先行。仲値直前になって輸出の売りがまとめて持ち込まれると一転して昨日安値の147.45円を下抜けて一時147.42円まで値を下げました。ただ、その後は147.62円まで買戻されるなど、神経質な動きが続いています。
アジア時間では、先ほどRBNZが政策金利を0.25%引き下げましたが、声明文によると、据置きと0.25%、0.50%の3つのオプションを議論し、結局、0.25%と0.50%利下げの選択肢で投票。4対2で0.25%利下げを決定したことが判明しました。市場は当然のごとくキーウィ売りで反応となっていますが、極めて分かりやすい、整合性のとれた相場展開といえます。
いずれにしても、ドル円は仲値後はサイドラインに置かれている状況。ただ、市場では海外勢を中心に今朝方公表された7月貿易統計で「輸出額が急減した結果の予想を大幅に上回る赤字額」が話題となっている模様。目先は一目転換線が位置する147.37円を下値の目処としつつ、下押しを見極める展開となっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比700円安の4万2860円(-1.60%)前後で推移。寄り付きは4万3380円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3390円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。直後につけた4万3410円を高値に下へのバイアスが強まり、終盤にかけて4万2760円まで下落幅を広げた。
19日の米国市場ではエヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が売られた。この流れからアドバンテスト<6857.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが日経平均株価を下押す形になった。また、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が急落し、1銘柄で日経平均株価を約236円下押している。
日経225先物は終盤にかけての下落によってボリンジャーバンドの+1σ(4万2660円)に接近した。短期的にはいったん調整一巡感が意識されやすいと考えられ、押し目待ち狙いのロングが入りやすいだろう。ただし、戻りの鈍さが意識されるようだと、ショートを仕掛けてくる動きに向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.82倍に低下した。25日移動平均線(13.93倍)を割り込んで始まり、一時13.80倍まで下げる場面もみられた。75日線(13.84倍)を割り込み、NTショートに振れている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値や7月独生産者物価指数(PPI)、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演を見極めながら、ウクライナ情勢に関するヘッドラインに警戒していくことになる。
ウクライナ戦争の停戦に向けては、15日にトランプ米大統領とプーチン露大統領の米露首脳会談、18日にゼレンスキー・ウクライナ大統領とトランプ米大統領の首脳会談、19日に臨時欧州連合(EU)首脳会談が行われ、数日以内にウクライナの安全の保証計画に着手すると報じられている。
そして、米ホワイトハウスは、トランプ米大統領、プーチン露大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領による3者会談を、ハンガリーの首都ブダペストで開催することを検討している、と報じられている。
本日も、関連ヘッドラインに警戒していくことになる。
7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値の予想は前年比+2.0%、コア改定値の予想は前年比+2.3%と見込まれている。
欧州中央銀行(ECB)による利下げ停止観測が高まる中、下方修正に警戒しておきたい。
7月英消費者物価指数(CPI)の予想は前月比-0.1%、前年比+3.7%、コア指数の予想は前年比+3.7%と見込まれている。
先日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)では、5対4でのタカ派的な利下げが決定されたものの、4名の据え置き主張の理由は、インフレ懸念だった。
英国のインフレ率が鈍化しているのか、それとも上昇に転じているのかを見極めることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1789ドル(7/24高値)
・ユーロ円:173.02円(8/13高値)
・ポンドドル:1.3681ドル(7/4高値)
・ポンド円:200.28円(8/13高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1591ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:170.30円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.3498ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:197.66円(日足一目均衡表・基準線)
2024年8月23日、パウエルFRB議長は、カンザスシティー地区連銀が開催する第47回ジャクソンホール会合での講演で、「利下げの時が来た(Time Has Come for Fed to Cut Interest Rates)」と表明し、9月のFOMCでは0.50%の大幅利下げを断行した。
2025年8月21-23日に開催される第48回ジャクソンホール会合のテーマは「雇用市場(Labor Markets in Transition)」となっている。
7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、パウエルFRB議長は、雇用市場は健全である、との見立てから、政策金利の据え置きを決定した。
翌日8月1日に発表された米7月雇用統計、5月と6月の修正値などは、利下げを主張していたウォラーFRB理事とボウマンFRB副議長の懸念通りに、雇用市場の悪化が示された。
22日の23時から講演が予定されているパウエルFRB議長は、昨年のように利下げ宣言を行うのだろうか。
1.ジャクソンホール会合での金融政策示唆
■1998年:グリーンスパン第13代FRB議長は、ロシア危機とLTCM危機への対応策を協議した。
■1999年:バーナンキ米プリンストン大学教授(後の第14代FRB議長)は、山口日銀副総裁(当時)と日本銀行のバブルに対する金融政策に関して論争した。
■2010年:バーナンキ第14代FRB議長は、「経済見通しと金融政策で、量的金融緩和政策第2弾(QE2)の導入を示唆し、11月のFOMCでQE2が導入された。
■2014年:ドラギ第3代ECB総裁は、量的金融緩和政策の導入を示唆し、後に導入した。
■2016年:イエレン第15代FRB議長は「FRBの金融政策手段」で「利上げへの論拠が強まった」と発言し、12月のFOMCで利上げを実施した。
■2018年:パウエル第16代FRB議長は「自然利子率の推定はかなり不確実である」と述べた。
■2020年:パウエル第16代FRB議長は、「平均インフレ目標」の導入により、「雇用の最大化」に包摂的な意味を加えた。
■2021年:パウエル第16代FRB議長は、年内の早期テーパリング(資産購入の段階的縮小)開始を示唆した。
■2022年:パウエル第16代FRB議長は、金融引き締めを「やり遂げるまでやり続けなければならない」と述べ、利上げを継続する姿勢を鮮明にした。
■2023年:パウエル第16代FRB議長は、「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある。インフレが目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで、政策を景気抑制的な水準に据え置く考えだ」と述べた。
■2024年:パウエル第16代FRB議長は、「政策を調整する時が来た。方向性は明確であり、利下げのタイミングとペースは今後入手するデータ、変動する見通し、そしてリスクバランスに左右される」と述べた。
2. デイビッド・ジャクソンの峡谷
19世紀初頭の米国ロッキー山麓、罠猟師のデイビッド・ジャクソン (David Jackson)は、獲物を追って峡谷(hole)に迷い込んだ。その峡谷は、探検家ジョン・コルターが1806年に足を踏み入れて紀行文で紹介した場所であり、ジャクソンホール(Jackson hole)と命名された。
3. ジャクソンホール経済政策シンポジウム(Jackson Hole Economic Policy Symposium)
1978年8月、米国の連邦準備銀行の一つであるカンザスシティー連邦準備銀行(第10地区管轄)は、世界各国から中央銀行総裁、財務大臣などの政治家、経済学者、エコノミストなどが参加する経済シンポジウムの開催を始めた。しかしながら、夏休みに、アメリカのロッキー山脈のリゾート地でもあるワイオミング州までわざわざ出掛けて来る中銀総裁や財務大臣はほとんど居なかった。そこで、カンザスシティー連銀は、1979年の「ボルカー・ショック」で米国のインフレを鎮静化させたボルカー第12代FRB議長を招聘することにして打診した。ボルカー第12代FRB議長が、趣味であるフライ・フィッシング(Fly fishing)が出来るなら参加してもいい、と応えたことで、1982年から渓流釣りで有名なジャクソンホール(Jackson Hole:ジャクソン渓谷)のホテル「ジャクソン・レイク・ロッジ」で経済シンポジウムが開催されるようになった。ジャクソンホール会合は、時折、中銀総裁が重要な金融政策を示唆したこともあり、注目されるようになった。
「Symposium(シンポジウム)」は、ギリシャ語で、一緒に酒を飲む「饗宴」に由来し、公開討論会、研究発表会のニュアンスがある。
ドル円:1ドル=147.46円(前営業日NY終値比▲0.21円)
ユーロ円:1ユーロ=171.63円(▲0.36円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1639ドル(▲0.0008ドル)
日経平均株価:42888.55円(前営業日比▲657.74円)
東証株価指数(TOPIX):3098.91(▲17.72)
債券先物9月物:137.52円(▲0.10円)
新発10年物国債利回り:1.605%(△0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月貿易統計(通関ベース)
季節調整前 1175億円の赤字 1521億円の黒字・改
季節調整済 3030億円の赤字 2476億円の赤字・改
6月機械受注(船舶・電力除く民需)
前月比 3.0% ▲0.6%
前年比 7.6% 4.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。7月貿易統計で貿易赤字が大きく拡大したことが買いにつながったほか、5・10日(ゴトー日)とあって東京仲値にかけて買いが観測されると一時147.82円まで値を上げた。ただ、仲値直前に輸出企業から売りが持ち込まれ失速。日経平均株価が軟調に推移したほか、本邦長期金利が上昇したことも嫌気され、15時過ぎには一時147.14円まで下げ足を速めた。
・ユーロドルは戻りが鈍い。ドル円が上昇した場面で売りが強まったほか、NZドル米ドルの急落につれた面もあり、一時1.1622ドルまで下押しした。一巡後は下げ渋り1.1642ドル付近まで切り返したが、ユーロポンドが急落すると再び安値圏まで押し戻された。
なお、NZドル米ドルは一時0.5821米ドルまで急速に値を下げた。NZ準備銀行(RBNZ)は市場予想通り0.25%の利下げを決定。6人中2人が0.50%利下げに投票していたほか、声明では「中期的なインフレ圧力が予想通りに緩和しつづければ金利をさらに引き下げる余地がある」「金利見通し、今後に2回の0.25%の利下げがあることを示唆」との見解が示されたことが材料視された。
また、ユーロポンドは一時0.8609ポンドまで下落。7月英消費者物価指数(CPI)やコア指数が前年比で予想を上回ったほか、7月独生産者物価指数(PPI)が予想を下振れたことでユーロ安・ポンド高が進んだ。
・ユーロ円は軟調。東京仲値直前からドル円が失速したことにつれたほか、日本株安も嫌気された。また、15時過ぎにはユーロポンドにつれ安となり、一時171.12円まで下値を広げた。
・日経平均株価は続落。前日の米ハイテク株が売られたことで半導体関連株が下落した。また、足元で上昇が目立っていたソフトバンクなどに利益確定売りが持ち込まれた。
・債券先物相場は8日続落。昨日の米国債が買われた流れを引き継いで小幅高で始まるも、日銀の早期利上げ観測が高まるなかで一巡後は売りが優勢となった。
大和証券では、日本の長期金利が19日に7月下旬以来、約1カ月ぶりに1.6%台となったことに注目している。大和では、日本の長期金利の妥当レンジは潜在成長率(0~0.75%)、長期期待インフレ率2%、バランスシート拡大効果(日銀が大量の国債購入により長期金利を押し下げている効果)-0.8%ptの合計で、1.2~1.95%とみている。19日の長期金利は1.60%であるため、日本の景況感の改善や日銀の政策金利見通しの上方修正などから長期金利が上昇する余地はあると大和では考えている。
ベッセント米財務長官は19日、米『フォックスニュース』のインタビューで、関税を巡る中国との交渉は「うまく運んでいる現状だ」と述べ、11月までに会合を再開する見通しを示した。ベッセント氏は現時点で最大の関税収入源は中国だと指摘し、「中国と非常に良い協議ができた」と語った。
米国と中国は米東部時間11日に共同声明を公表し、互いに一時停止中の関税措置の停止期間をさらに90日間延長すると発表した。11月10日まで追加関税の一部を停止する。
SMBC日興証券では、4-6月期GDP1次速報を受けて、経済見通しを改定している。実質GDP成長率は25年度を前年比+0.8%、26年度を同+1.0%としており、前回6月の予想から25年度を0.2ppt上方修正、26年度を0.1ppt下方修正した。25年度は米国の相互関税の90日間停止に伴う輸出の駆け込みを反映して上方修正しており、26年度は輸出入、設備投資をやや下方修正している。
大阪9月限
日経225先物 42920 -640 (-1.46%)
TOPIX先物 3104.5 -15.0 (-0.48%)
日経225先物(9月限)は前日比640円安の4万2920円で取引を終了。寄り付きは4万3380円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3390円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。直後につけた4万3410円を高値に下へのバイアスが強まり、前場中盤にかけて節目の4万3000円を割り込むと、後場の取引開始直後には4万2710円まで下落幅を広げた。売り一巡後は若干下げ渋る動きとなったが、終盤にかけて4万2800円~4万2950円辺りでのボトム圏での推移が続いた。
19日の米国市場ではエヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が売られた。この流れからアドバンテスト<6857.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが日経平均株価を下押す形になった。また、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が急落し、1銘柄で日経平均株価を約230円あまり下押している。
日経225先物は現物の寄り付き直後に4万3100円辺りまで売られ、その後4万3000円~4万3200円辺りで売り買いが交錯しており、ロング解消からショートに傾けた動きもあったとみられる。その後は4万2710円まで売られ、ボリンジャーバンドの+1σ(4万2660円)に接近したことで、いったん調整一巡感が意識されたようだ。
早い段階で4万3200円辺りを回復してくるようだと、ショートカバーの動きが強まる可能性はありそうだ。一方で、4万3000円辺りでの戻りの鈍さが意識されるようだと、ショートが積み上がってくることになりそうである。+1σはナイトセッションで4万2780円辺りに位置しており、同バンドを割り込んでくるようだと、仕掛け的なショートの動きが強まろう。
また、週足のボリンジャーバンドでは上向きで推移する+1σ(4万1950円)と+2σ(4万3790円)とのレンジ内での推移を継続している。ただし、+2σから下放れてきたことで短期的なショートに向かわせ、+1σに接近する場面も意識しておきたい。まずは、早い段階で4万3200円辺りを回復しておきたいところだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.82倍に低下した。25日移動平均線(13.93倍)を割り込んで始まり、一時13.80倍まで下げる場面もみられた。ソフトバンクグループやアドバンテストの下落が日経平均型の重荷になり、一気にNTショートに振れる形だった。75日線(13.84倍)が抵抗線として機能するようだと、直近安値の13.69倍辺りに接近してきそうである。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万8403枚、ソシエテジェネラル証券が1万6297枚、サスケハナ・ホンコンが4187枚、ゴールドマン証券が3084枚、バークレイズ証券が2579枚、JPモルガン証券が2547枚、モルガンMUFG証券が2218枚、シティグループ証券が1975枚、SBI証券が1703枚、日産証券が1606枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万5809枚、ソシエテジェネラル証券が1万9180枚、JPモルガン証券が4963枚、バークレイズ証券が4779枚、モルガンMUFG証券が3416枚、ゴールドマン証券が3277枚、ビーオブエー証券が1425枚、大和証券が1200枚、シティグループ証券が1078枚、サスケハナ・ホンコンが858枚だった。
今週これまでのドル円は147.05円を安値に下げ渋るも、148.11円を頭に伸び悩み、週末の米ジャクソンホール会議を控え147円台でのこう着相場が続いている。本日のNYタイムでは7月29日-30日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表される予定でその内容に注目も、ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演までは方向感が出にくくレンジ相場が続くと見込まれる。FOMC議事要旨に関しては、同FOMCが波乱の7月雇用統計が発表される直前に開かれたため、現状に即した情報はあまり得られない可能性があるとの見方もあり、大きな反応は見込めない。
本日はウォラーFRB理事とボスティック米アトランタ連銀総裁の講演も予定されているが、反応は限られるだろう。ウォラー氏は早期利下げを支持し、7月のFOMCで金利の据え置きに反対票を入れた。同氏は次期FRB議長候補11人の中に入っている。ベッセント米財務長官は11人候補と9月1日のレーバーデー前後に面会する予定だと明らかにした。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、9月FOMCで0.25%の利上げを予想する確率が先週に95%ぐらいまで上昇した後、米インフレ指標の強い結果を受けてやや低下するも80%以上の水準を保っている。市場が9月FOMCでの利下げをほぼ織り込んでいることを示しており、ジャクソンホール会議でのパウエル氏の発言が市場の年内2回以上の利下げ予想を後押しする内容になるかが注目される。
・想定レンジ上限
ドル円、19日高値148.11円や日足一目均衡表・基準線148.39円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、18日安値147.05円や15日安値146.74円が下値めど。
今晩はFOMC議事要旨と小売株の決算発表に注目。昨日は金曜日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を控えた様子見姿勢が強まる中、通期見通しを維持したホーム・デポが上昇した一方、エヌビディアを中心にハイテク株に利益確定売りが強まったことで主要3指数が高安まちまち。ダウ平均は取引時間中の史上最高値を更新後、10.45ドル高(+0.02%)とわずかながら反発して終了した一方、S&P500は0.59%安と3日続落。ナスダック総合も1.46%安と反落した。
今晩の取引ではジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を控えた様子見継続が予想されるが、寄り前に発表されるロウズ、ターゲット、TJXなどの小売株の決算発表や取引時間午後に公表される7月29-30日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が焦点となりそうだ。昨日発表のホーム・デポは通期見通しを維持したことが好感され3%超上昇したが、今晩の決算発表でも個人消費の堅調を示す結果となれば安心感が広がりそうだ。政策金利が据え置かれた7月FOMCでは、投票権を持つウォーラーFRB理事とボウマンFRB理事が反対票を投じており、議事要旨で議論の内容に要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC議事要旨のほか、MBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫、米20年債入札など。このほか、ウォラーFRB理事、ボスティック米アトランタ連銀総裁の講演も予定されている。企業決算は寄り前にアナログ・デバイセズ、ロウズ、ターゲット、TJXカンパニー 、エスティ・ローダー、引け後にノードソンなどが発表予定。
日経平均株価は続落。寄り付きから下げ幅を拡大する展開となり、5日移動平均線(43235円 8/20)を割り込んで終えた。8月に入ってから初の連続陰線となった。
RSI(9日)は前日の82.6%→70.9%(8/20)に低下。短期的には上昇のハードルが高くなる。基本的には10日移動平均線(42584円 同)などの上場基調が続く中、上値へのトレンドフォローのスタンス継続である。ただ、8/14安値(42606円)を下回ると、25日移動平均線(41366円 同)付近まで下落余地が拡大する公算が大きい。
上値メドは、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円、45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、10日移動平均線、7/24高値(42065円)、心理的節目の41500円、25日移動平均線、心理的節目の41000円や40500円などがある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ニュージーランド中銀、再利下げ決定に加えて追加利下げも示唆
ホークスビー総裁はNZドル安を容認する考えをみせ、当面は上値の重い展開が続く可能性
二ュージーランド準備銀行(RBNZ)は、20日の定例会合で政策金利(OCR)を25bp引き下げて3.00%とし、約3年ぶりの水準にした。昨年以降のインフレ率は目標範囲(1~3%)に収まるなか、物価高と金利高の共存による内需停滞や中国の景気減速も重なり、同国景気はリセッションに陥った。よって、RBNZは断続的な利下げを実施してきた。7月は一時的に利下げを見送ったものの、国際原油価格の伸び悩みや国内外の不透明感を背景に再び利下げを決定した。声明では、「インフレ率は来年半ばに2%近傍へ低下」と見通しを後ろ倒しする一方、追加利下げの可能性も示唆した。議事要旨では、今回の決定が「4(25bpの利下げ)対2(50bpの利下げ)」であったことが明らかにされるなど、今後もさらなる利下げ観測が強まっている。RBNZのホークスビー総裁も「OCR2.5%はさらなる利下げと一致」と述べるとともに、NZドル安を容認する姿勢を示している。よって、先行きのNZドル相場を巡っては上値の重い展開が続く可能性が高まっている。
米財務省によると、20年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.876%、応札倍率(カバー)が2.54倍となった。
(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.01円(20日15時時点比▲0.45円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.57円(▲0.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1671ドル(△0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:9288.14(前営業日比△98.92)
ドイツ株式指数(DAX):24276.97(▲146.10)
10年物英国債利回り:4.672%(▲0.068%)
10年物独国債利回り:2.717%(▲0.033%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.1% 0.3%
(前年比) 3.8% 3.6%
CPIコア指数
(前年比) 3.8% 3.7%
7月英小売物価指数(RPI)
(前月比) 0.4% 0.4%
(前年比) 4.8% 4.4%
7月独生産者物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.1% 0.1%
7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 2.0% 2.0%
7月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.3% 2.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時147.70円付近まで持ち直したものの、東京午前に付けた日通し高値147.82円が目先レジスタンスとして意識されると次第に上値が重くなった。
トランプ米大統領はこの日、米住宅ローン契約に関して不正疑惑が出ているクック米連邦準備理事会(FRB)理事に対して「今すぐに辞任すべき」と自身のSNSに投稿。トランプ氏によるFRBへの圧力が改めて意識されると全般ドル売りで反応した。米長期金利の低下も円買い・ドル売りを促し、24時前に一時146.87円と日通し安値を更新した。米国株相場の下落に伴うリスク回避の円買い・ドル売りも入った。
ただ、15日の安値146.74円や一目均衡表雲の上限146.30円がサポートとして働くとひとまず下げ渋った。
・ユーロドルは強含み。米長期金利の低下などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。トランプ米大統領の投稿をきっかけにFRBの独立性を巡る懸念が高まると全般ドル売りが優勢となり、22時前に一時1.1674ドルと日通し高値を更新した。
ただ、前日の高値1.1693ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。市場では「21-23日のジャクソンホール会議を前に積極的に上値を試す展開にはなっていない」との声も聞かれた。
・ユーロ円は方向感に乏しい展開。欧州勢参入後は買いが優勢となり、22時30分過ぎに一時171.95円付近まで値を上げた。ただ、東京午前に付けた日通し高値172.06円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。高く始まったダウ平均が下げに転じるなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買いも入った。24時過ぎには一時171.34円付近まで下押しした。
・ロンドン株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。21-23日のジャクソンホール会議を前に売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。引けにかけても底堅く推移した。ユニリーバやブリティッシュ・アメリカン・タバコなど生活必需品株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反落。21-23日のジャクソンホール会議を前に投資家の慎重姿勢が強まる中、持ち高調整目的の売りに押された。個別ではシーメンス・エナジー(2.88%安)やエアバス(2.57%安)、シーメンス(1.99%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値が市場予想通りの結果となったことが買い安心感につながった。
20日の日経平均は大幅続落。終値は657円安の42888円。米国株はまちまちも、ナスダックの下げが大きく3桁下落スタート。ソフトバンクグループ<9984.T>が連日で大きく売られたほか、半導体株や電線株なども弱く、安く始まった後もしばらく下値模索が続いた。早い時間に節目の43000円を割り込み、安いところでは下げ幅を800円超に拡大。42700円台でようやく売りが一巡し、13時以降は下押し圧力が和らいだ。ただ、下げ止まっても戻りは鈍く、600円を超える下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆8800億円。業種別では水産・農林、食料品、陸運などが上昇した一方、非鉄金属、その他製品、情報・通信などが下落した。日本経済新聞でSBIホールディングスとの資本業務提携観測が報じられた東北銀行<8349.T>が急騰。他の地銀株にも買いが波及した。半面、ストップ高比例配分が続いて3営業日ぶりに取引時間中に値がついたテンシャル<325A.T>が、利益確定売りに押されて9%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり708/値下がり846。主力の多くが売られる中、トヨタやホンダなど自動車株が逆行高。オリエンタルランドが4.5%高と強い動きを見せた。良好な米住宅指標が追い風となった住友林業が大幅上昇。山崎製パン、雪印メグミルク、日本ハムなど食品株に強く買われる銘柄が多かった。
一方、ソフトバンクGが7.1%安となり、1銘柄で日経平均を約231円押し下げた。米半導体株の下落が嫌気されて、アドバンテスト、ディスコ、ソシオネクストが大幅安。グロース系の主力銘柄は軒並み売られており、フジクラ、古河電工など電線株や、任天堂、カプコン、コナミGなどゲーム株が弱かった。グロース系以外でもIHIや川崎重工など防衛株が大幅安。中小型ではメタプラネットやセレスなど、暗号資産関連の下げが目立った。
日経平均は大幅安。大型グロースを中心に人気どころの銘柄が大きく下げたという構図はきのうと似ているが、きのうは168円安できょうは657円安と、きょうは下に値幅が出た。5日線(43235円、20日時点、以下同じ)はサポートにはならず、終値(42888円)では43000円を割り込んでおり、センチメントの悪化が懸念される。
19日の米国株は大きく下げているわけではなく、日本株は直近の急上昇に対する逆回転のような動きが出てきているにすぎない。ジャクソンホール会議におけるパウエルFRB議長の講演(22日)を消化するまでは動きづらく、あすも買い手控えムードの強い地合いが続くと思われる。7月開催のFOMC議事要旨が本日の米国マーケットを刺激するかどうかは注目される。この会合では政策金利は据え置かれたものの、2名が反対票を投じた。9月の利下げ期待を高めるような議論が確認でき、米ハイテク株が買われるようなら、日本のグロース株にも支援材料となる。一方、議論の内容がタカ派的と受け止められた場合には、グロース株には逆風が続く。日経平均はここからもう一段売られる場合、25日線(41366円)辺りまで調整する展開を想定しておく必要がある。
(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.33円(前営業日比▲0.34円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.67円(▲0.32円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1652ドル(△0.0005ドル)
ダウ工業株30種平均:44938.31ドル(△16.04ドル)
ナスダック総合株価指数:21172.86(▲142.09)
10年物米国債利回り:4.29%(▲0.01%)
WTI原油先物9月限:1バレル=63.21ドル(△0.86ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3388.5ドル(△29.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲1.4% 10.9%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。トランプ米大統領が米住宅ローン契約に関して不正疑惑が出ているクック米連邦準備理事会(FRB)理事に対して「今すぐに辞任すべき」との見解を示すと、トランプ氏によるFRBへの圧力が改めて意識され、全般ドル売りが先行。米長期金利の低下も円買い・ドル売りを促し、24時前に一時146.87円と日通し安値を更新した。米国株相場の失速に伴うリスク回避の円買い・ドル売りも入った。
ただ、15日の安値146.74円や一目均衡表雲の上限146.30円がサポートとして働くと下げ渋った。FRBが公表した7月29日-30日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「過半数のメンバーはインフレリスクが雇用リスクを上回ると認識」「大半のメンバーはFRBの政策は適切だと認識」との見解が示されたことも相場を下支えし、147.49円付近まで値を戻した。
・ユーロドルは3日ぶりに小反発。米長期金利の低下などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。トランプ米大統領の投稿をきっかけにFRBの独立性を巡る懸念が高まると全般ドル売りが優勢となり、22時前に一時1.1674ドルと日通し高値を更新した。
ただ、前日の高値1.1693ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。市場では「21-23日のジャクソンホール会議を前に積極的に上値を試す展開にはなっていない」との声も聞かれた。
・ユーロ円は続落。22時30分過ぎに一時171.95円付近まで値を上げたものの、東京午前に付けた日通し高値172.06円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。高く始まったダウ平均が下げに転じるなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買いも入った。24時過ぎには一時171.34円付近まで下押しする場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら続伸。FRBによる利下げ観測が相場を下支えした。米金利低下で投資妙味が強まる銘柄への物色が続いた。ただ、21-23日のジャクソンホール会議を前に持ち高調整目的の売りが強まると指数は下げに転じる場面もあった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。インテルやマイクロン・テクノロジーの下げが目立った。
・米国債券相場で長期ゾーンは小幅続伸。21-23日のジャクソンホール会議を前に持ち高調整目的の買いが入ったものの、上値は重かった。FOMC議事要旨(7月29日-30日分)が「ややタカ派的な内容だった」との受け止めから、小幅に売りが出た。
・原油先物相場は反発。露ウクライナ停戦の行方を見守るなか、米原油在庫の結果を受けた揺り戻しが入った。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(8/15時点)で原油在庫は-601.4万バレル(前週 +303.6万バレル)と取り崩しへ転換。原油先物は発表直前に小高く推移していた63.10ドル付近から一時63.55ドルまで上昇した。
・金先物相場は1週間ぶりに大幅な反発。昨日まで4営業日続落で、本日の時間外取引でも1日以来の安値3353.4ドルまで下落が進行していたところから3394.3ドルまで反動高。米金利低下が金利の付かない資産である金の相対的な投資妙味改善に寄与した。米金利低下を受けたドル下押しも、ドル建て金相場の割安感につながり買いを支援した。
20日11:10 ニュージーランド準備銀行(RBNZ)声明
「政策金利を0.25%引き下げるか、0.50%引き下げるかについて投票を行い、4対2で0.25%の利下げを決定」
「中期的なインフレ圧力が予想通りに緩和しつづければ金利をさらに引き下げる余地がある」
「総合インフレ率は2026年半ばまでに目標の中間値である2%程度に回復すると予想される」
「データはNZ経済が2025年第2四半期に縮小し、5月の声明発表時の予想よりも弱かったことを示唆」
「第3四半期には成長が再開すると予想」
「金利見通し、今後に2回の0.25%の利下げがあることを示唆」
20日12:11 ホークスビー・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁
「利下げをより速く進めるか、より遅く進めるかは、今後の経済データ次第」
「次の2回の会議はライブで行われる。決定はまだ下されていない」
「政策金利の見通しは2.5%付近で底を打つとされており、これはさらなる利下げと一致」
「正式な総裁に就きたいと申し入れた」
「NZドルの下落に満足」
「250bpを超える金融緩和は成長を支える」
「第2四半期の経済活動は予想よりもかなり弱い」
「財政見通しでは政府支出が減少し、インフレ抑制に寄与すると予測」
「10月会合で新しいMPCメンバーを任命したい」
「4対2の投票は初めて」
20日16:34 スウェーデン中銀(リクスバンク)声明
「経済活動は依然として弱い状況」
「年内に追加利下げが行われる可能性はなお残されている」
「インフレは予想以上に高くなったものの、一時的な要因によると評価」
「将来的に経済活動が強まる条件は整いつつあるが、回復は鈍いまま」
「想定を超えるインフレには注意が必要」
20日16:38 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「貿易交渉の合意で世界的な不確実性は軽減した」
「ユーロ圏の成長鈍化は、既に第2四半期に顕在化している」
20日21:36 トランプ米大統領
「クックFRB理事は今すぐに辞任するべきだ」
21日03:03 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月29日-30日分)
「複数のメンバーが現行金利は中立金利を大きく上回らない可能性があると認識」
「複数のメンバーが高騰した資産評価に懸念を表明」
「過半数のメンバーはインフレリスクが雇用リスクを上回ると認識」
「反対票を投じたメンバーはインフレが持続する可能性は低いと見ており、雇用リスクを懸念」
「関税が経済とインフレに及ぼす全体的な影響はいまだ不明」
「複数のメンバーは金利が中立水準からそれほど離れていない可能性があると認識」
「複数の企業が顧客に関税を転嫁すると予想」
「当局者は失業率とインフレ率が共に悪化した場合、難しいトレードオフの可能性を認識」
「当局者はインフレ率をやや高め、成長は鈍化し、失業率は低いと評価」
「多くのメンバーは関税の完全な効果が現れるまでにはしばらく時間がかかる可能性があると指摘」
「複数のメンバーが下期の経済成長の鈍化を予想」
「一部のメンバーは関税を除けばインフレ率は目標に近づくと認識」
「一部のメンバーは利下げ前に関税の明確化を待つことは現実的ではないと認識」
「大半のメンバーはFRBの政策は適切だと認識」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○07:45 ◎ 7月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○15:00 ◎ 4-6月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○16:15 ◎ 8月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:48.1)
○16:15 ◎ 8月仏サービス部門PMI速報値(予想:48.5)
○16:30 ◎ 8月独製造業PMI速報値(予想:48.8)
○16:30 ◎ 8月独サービス部門PMI速報値(予想:50.3)
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:49.5)
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:50.8)
○17:30 ◎ 8月英製造業PMI速報値(予想:48.3)
○17:30 ◎ 8月英サービス部門PMI速報値(予想:51.8)
○17:30 ◎ 7月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比0.9%)
○18:00 ◇ 6月ユーロ圏建設支出
○21:30 ◇ 7月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.3%)
○21:30 ◇ 7月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲0.6%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.5万件/196.0万人)
○21:30 ◎ 8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:6.7)
○22:45 ◎ 8月米製造業PMI速報値(予想:49.7)
○22:45 ◎ 8月米サービス部門PMI速報値(予想:54.2)
○22:45 ◎ 8月米総?⑰MI速報値(予想:53.5)
○23:00 ◎ 8月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.7)
○23:00 ◎ 7月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○23:00 ◎ 7月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲0.3%/年率換算392万件)
○米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議)、テーマは「転換期の労働市場:人口動態、生産性、そしてマクロ経済政策」(ワイオミング州ジャクソンホール、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ米大統領がクックFRB理事に対して「今すぐに辞任すべき」との見解を示したことや米長期金利の低下などにより146.87まで下落した。ユーロドルは米長期金利の低下やFRBの独立性を巡る懸念などから1.1674ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、明日22日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を控えて動きづらい展開の中、FRBの独立性を巡る懸念や米10年債利回りが低下していることで上値が重い展開が予想される。
ドル円のテクニカル分析では、8月1日の高値150.92円から146円台まで下落した後、149円台前半の200日移動平均線が上値を抑える形で、146円台-148円台での保ち合い、フラッグを形成しつつあると思われる。ドル円がフラッグを形成しているとの仮定が正しければ、下放れて、N計算値(150.92円~146.62円~148.52円)による目標値144.22円を目指す展開が予想される。
昨日は、トランプ米大統領が米住宅ローン契約に関して不正疑惑が出ているクックFRB理事に対して「今すぐに辞任すべき」との見解を示したものの、クックFRB理事は「辞任を強要されるつもりはない」と反論している。
トランプ米大統領が尊敬しているレーガン第40代米大統領は、利下げ要求を拒んでいたボルカー第12代FRB議長を追い出すため、4名の刺客をFRB理事として指名したことで、ボルカー第12代FRB議長は辞表を叩きつけた。
現在、トランプ・チルドレン(ウォラーFRB理事、ボウマンFRB副議長、ミランFRB暫定理事)の3名を送り込んでおり、クックFRB理事の代わりに4人目のFRB理事を指名できれば、パウエルFRB議長に対する包囲網が完成する。
パウエルFRB議長は明日のジャクソンホール会合では、雇用市場の低迷を理由に、昨年のジャクソンホール会合同様に利下げ開始を表明して、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを断行するのか、それともインフレへの警戒感から、「データ次第」と表明するのか注目されている。
パウエルFRB議長は、夏にトランプ関税による物価上昇が顕在化する、と述べていた。
7月の消費者物価指数(CPI)は伸び率が鈍化していたものの、卸売物価指数(PPI)の伸び率が加速していたことは、輸入企業が関税分を転嫁し始めたことで、8月のCPIの伸び率加速の可能性が残されている。7月のFOMC議事要旨では「過半数のメンバーはインフレリスクが雇用リスクを上回ると認識」していたが、パウエルFRB議長が「雇用の最大化」と「物価の安定」のどちらに軸足を置くのか、明晩まで待つことになる。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42820 -100 (-0.23%)
TOPIX先物 3101.5 -3.0 (-0.09%)
シカゴ日経平均先物 42835 -85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
20日の米国市場はNYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。米連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げ観測が相場を下支えしたが、22日にジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控え、ディフェンシブ株中心の物色が続いた。一方で、トランプ政権がインテル<INTC>に加え、マイクロン・テクノロジー<MU>や台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の株式取得を検討していると報じられ、政府の介入拡大が警戒されて半導体やハイテク株が売られ、相場の重荷になった。
S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売、保険、ヘルスケア機器・サービスが上昇した。半面、テクノロジー・ハード・機器、自動車・同部品、耐久消費財・アパレルの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、トラベラーズ<TRV>、ウォルマート<WMT>、キャタピラー<CAT>、コカ・コーラ<KO>が買われた。一方で、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ホーム・デポ<HD>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比85円安の4万2835円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比50円高の4万2970円で始まった。4万3010円まで買われた後は軟化し、4万2860円~4万2930円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜け、4万2560円まで下げ幅を広げた。終盤にかけては4万2700円~4万2850円辺りの狭いレンジでの推移が続き、4万2820円でナイトセッションの取引を終えている。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになろう。米国市場では半導体株や大型テック株の下げが目立っており、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になりそうである。また、ナイトセッションでは4万2560円まで売られ、ボリンジャーバンドの+1σ(4万2770円)を割り込む場面もあった。節目の4万2500円台までの下げで、いったんは下げ渋る動きをみせてきそうだが、再び+1σを割り込む局面では売り仕掛け的なショートが入りやすいだろう。
週足のボリンジャーバンドでは上向きで推移する+1σ(4万1930円)と+2σ(4万3750円)とのレンジ内での推移を継続している。ただし、+2σ水準から下放れてきているため、次第に+1σ水準が意識されてくる可能性がある。まずは日足の+1σでの底堅さを見極めつつ、オプション権利行使価格の4万2500円から4万3000円のレンジを想定する。
20日の米VIX指数は15.69(19日は15.57)に上昇した。一時17.19まで切り上がり、25日移動平均線(16.03)を突破し、75日線(17.60)に接近する場面もあった。その後は上げ幅を縮め、終値では25日線を下回っている。トランプ政権による半導体関税に対する警戒感から、やや神経質にさせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.82倍に低下した。25日線(13.93倍)を割り込んで始まり、一時13.80倍まで下げる場面もみられた。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]の大幅な下げが日経平均型の重荷になり、一気にNTショートに振れる形だった。75日線(13.84倍)が抵抗線として機能するようだと、直近安値の13.69倍辺りに接近する形になりそうである。
東京市場は一進一退か。米国株はまちまち。ダウ平均が上昇し、S&P500とナスダックが下落した。ダウ平均は16ドル高の44938ドルで取引を終えた。ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演を前に様子見姿勢が強く、方向感に欠ける展開。7月開催のFOMC議事要旨に関しては目新しい材料に乏しく、マーケットへの影響は限られた。物色は前日に続きハイテク株が売られた一方、ディフェンシブ系の銘柄には資金が向かった。ドル円は足元147円30銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが85円安の42835円、ドル建てが60円安の42860円で取引を終えた。
ダウ平均が横ばい程度の上昇で、ナスダックが弱いというのは前日と似た構図。ただ、3指数とも序盤に安値をつけており、引け味はそれほど悪くなかった。ナスダックが下げているためハイテク株は引き続き敬遠されるかもしれないが、全体では押しが深くなるようなら下値は拾われる可能性が高い。日経平均はきのう大きく下げている分、買いだけでなく売りも手控えられ、プラス圏とマイナス圏を行き来するような動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは42700-43100円。
昨日の海外市場では、全般様子見気分が広がるなか、トランプ米大統領がパウエルFRB議長に続いて今度はクックFRB理事を「いますぐ辞任すべき」と自身のSNSで発言。ドル円は米長期金利の低下も手伝って一時146.87円まで値を下げる場面もみられましたが、その後はFOMC議事要旨(7月29‐30日分)で「過半数のメンバーはインフレリスクが雇用リスクを上回ると認識している」ことが判明するなど、タカ派的な内容だったことから147.49円まで買戻されてほぼ行って来いとなってNY市場を終えることになりました。
トランプ米大統領の「相変わらずの圧力」というよりも、もはや、「相変わらずの気に入らない、自身の思い通りにならないことに対しての絶対的権力行使」、日本では一般的に単なるパワハラとも呼びますが、市場では既にかかる煮ても焼いても食えぬネタに対して、かなりの食傷気味であることは事実。反応も言わずもがなといったところです。
一連のパウエルFRB議長のFRB本部ビル改修工事に絡む疑惑や、今回のクックFRB理事の就任前の住宅ローンに絡む疑惑はともに、米連邦住宅金融庁(FHFA)のプルト長官からのあら捜しによる献上事案であることも明らか。トランプ政権内での忖度の横行が引き起こす不安定な要因であると言えますが、市場では既に今更感も漂っている状況。
いずれにしても、市場の視線はとっくに米ワイオミング州の避暑地ジャクソンホールにおいて開催される米カンザスシティ連銀主催の経済政策シンポジウム、いわゆるジャクソンホール会議に焦点を合わせているわけで、日本時間22日23時から予定されているパウエルFRB議長の講演一点に集中。ドル円は目先、一目転換線が位置する147.37円を意識した動きが続いています。
「米国の関税収入は年初の予想の3000億ドルを大幅に上振れする。関税収入をまず連邦債務の返済に充てる」(ベッセント米財務長官)
2011年4月、トランプ氏は、オバマ第44代米大統領から公衆の面前で恥をかかされたことで、大統領になってオバマ氏に復讐することを誓った。
2011年8月、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、オバマ政権での財政政策への懸念から、米国債を格下げした。
2017年1月にトランプ第45代米大統領が誕生し、オバマ政権下でのパリ合意、イラン核合意、オバマケアなどを破棄した。
2025年1月にトランプ第47代米大統領が誕生し、オバマ氏を2016年大統領選での陰暴論で批判し、肖像画をホワイトハウスの階段に移動した。
2025年8月、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、米国債格付けの据え置きを発表した。
1.トランプ氏が復讐を誓った夜
2011年4月、ワシントンのホテルで、ホワイトハウス特派員協会が主催する晩餐会が開催された。オバマ第44代米大統領は、出席していたトランプ氏に対して、「もしトランプ氏がホワイトハウスの住人になれば・・・」と仮定した上で聴衆の面前で大恥をかかせた。
ニューヨーク・タイムズ紙は、「あの夜、公の場で受けた屈辱は、トランプを大統領選に出馬してホワイトハウスに乗り込み、オバマ氏に復讐することを誓わせた」と報じている。
2.米国債格下げ:スタンダード&プアーズ(AA+)
2011年8月5日、S&Pグローバル・レーティングは、オバマ政権の財政赤字削減計画が債務の安定化には不十分との見方から、米国の長期発行体格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げた。米国債格下げショックが市場を襲った。
・ダウ平均株価:8日は前日比634.76ドル安の10809.85ドルへ下落
・日経平均株価:9500円台から9000円割れへ下落
・ドル円相場:79円台から76円台へ下落
3.米国債据え置き:スタンダード&プアーズ(AA+)
2025年8月18日、S&Pグローバル・レーティングは、米国のソブリン格付け「AA+/A-1」を据え置き、見通しは「安定的」とした。トランプ大統領が導入した関税による歳入が、大規模な減税・歳出法による財政への影響を相殺すると見込んでいる。
声明では、「財政状況は依然として米国債格付けにおける主要な弱点だ」と指摘しつつ、
「現時点では、相当の関税収入が最近の予算関連法による財政赤字拡大を相殺する可能性がある」との見方を示した。そして、「減税と歳出増を含む『減税・歳出法』に伴う財政悪化は、実効関税率が上昇する中で、大幅な関税収入によっておおむね相殺されると予想している」と述べた。
今後10年間の米国の財政赤字の見通しは、議会予算局(CBO)が21.8兆ドル、責任ある連邦予算委員会(CRFB)は22.7兆ドル、国債の純利払い費は総額14兆ドルと悲観的な見立てとなっている。
日経225先物は11時30分時点、前日比210円安の4万2710円(-0.48%)前後で推移。寄り付きは4万2780円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2835円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。その後は自律反発の動きによって、現物の寄り付き直後には4万2930円とプラス圏を回復する場面もみられた。ただし、4万3000円を意識したロングは強まらず、反対に戻り待ち狙いのショートが断続的に入る形で中盤には4万2600円まで下げる場面もあった。
前日に日経平均株価を下押す一因となったソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は、寄り付き後に上昇に転じたもののプラスをキープできず、神経質にさせている。日経225先物は4万2600円まで売られた後は下げ渋る動きをみせている。ボリンジャーバンドの+1σ(4万2760円)に上値を抑えられており、戻り待ち狙いのショートを誘う形である。
NT倍率は先物中心限月で13.82倍と横ばいで推移。一時13.87倍に上昇し、75日移動平均線(13.84倍)を上回る場面もみられたが、その後は同線を下回って推移。75日線が抵抗として意識されるなか、8月6日につけた直近安値の13.69倍が射程に入りそうだ。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、明晩のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演という重要イベントを控えて、8月の仏・独・英・ユーロ圏PMI速報値を見極めながら、ウクライナ情勢に関するヘッドラインに警戒していくことになる。
ウクライナ戦争の停戦に向けては、15日にトランプ米大統領とプーチン露大統領の米露首脳会談、18日にゼレンスキー・ウクライナ大統領とトランプ米大統領の首脳会談、19日に臨時欧州連合(EU)首脳会談が行われ、3者会談(トランプ米大統領、プーチン露大統領、ゼレンスキー大統領)の開催が検討されている模様で、本日も、関連ヘッドラインに警戒していくことになる。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)の利下げ停止観測が高まる中、8月の仏・独・ユーロ圏製造業・サービス業PMI速報値で、景況感を確認することになる。
ポンドドルは、昨日発表された英7月消費者物価指数(CPI)の上振れを受け、イングランド銀行金融政策委員会(MPC)での5対4のタカ派的な利下げが裏付けられたが、今度は8月英製造業PMI速報値(予想:48.3)や英サービス部門PMI速報値(予想:51.8)などで英国の景況感を見極めることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1789ドル(7/24高値)
・ユーロ円:173.02円(8/13高値)
・ポンドドル:1.3595ドル(8/14高値)
・ポンド円:200.28円(8/13高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1591ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:170.30円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.3369ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:197.66円(日足一目均衡表・基準線)
ドル円:1ドル=147.41円(前営業日NY終値比△0.08円)
ユーロ円:1ユーロ=171.73円(△0.06円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1649ドル(▲0.0003ドル)
日経平均株価:42610.17円(前営業日比▲278.38円)
東証株価指数(TOPIX):3082.95(▲15.96)
債券先物9月物:137.56円(△0.04円)
新発10年物国債利回り:1.605%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
3136億円の処分超 2547億円の取得超・改
対内株式
1兆1617億円の取得超 4955億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小動き。本日の東京市場における値幅は147.26-53円の27銭程度と非常に狭かった。市場は明日22日にジャクソンホールで行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に注目しているため、様子見ムードが一段と広がっている。
・ユーロ円も小動き。171円台半ばから後半でやや上下に振れたが、ドル円と同様に動きは鈍かった。日経平均株価は総じて上値が重く、一時320円超下げたが為替相場への影響は限られた。
・ユーロドルはこう着。東京市場での目立ったフローはほとんど見られず、1.1633-56ドルの狭いレンジ相場となった。
・日経平均株価は3日続落。昨日の米ハイテク株が下落した流れを引き継いだ。ソフトバンクなど昨日に続いて主力の値嵩株が指数を押し下げた。
・債券先物相場は9日ぶりに反発。夜間取引で上昇した流れを引き継いで137.69円まで買いが先行した。ただ、日銀の早期利上げ観測が根強く上値は限られた。
東海東京インテリジェンス・ラボでは為替に関するリポートの中で、シカゴ投機筋(IMM通貨先物)の動向において、8月12日時点のネット円ロング(買い持ち)が前週比7772枚減の74234枚まで縮小したことに注目している。円ショート(売り持ち)ポジションの増加が主因で、市場参加者の多くは円高から円安にリスク認識が転じてきたことがうかがえるとのこと。東海東京では、ドル円の1カ月物ボラティリティが8%台前半と昨年6月以来の水準まで低下したことで円キャリー取引の妙味が増しつつあると考えており、今後はネット円ロングの解消に加えて、円キャリー取引復活に伴うネット円ショートの増加がドル円上昇の原動力になると予想している。
明治安田総合研究所では、財務省が公表した7月の貿易統計を受けてリポートしている。7月の輸出金額は前年比-2.6%と、円高による円換算額の押し下げの影響もあって3カ月連続のマイナスとなった。米国向けの輸出金額は4カ月連続のマイナスで、米政権が4月に25%の追加関税を発動した自動車が4カ月連続のマイナスとなったとのこと。明治安田では、輸出は当面軟調な推移が続くと予想している。日米関税交渉は合意に至るも下押し要因であり続けることに変わりはなく、その影響には留意が必要と指摘している。
今週に入りドル円は、一時的に148円乗せや147円割れを示現するものの、基本的には147円台でのレンジ内での取引に限られている。本日も明日予定されているジャクソンホール会合での、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前にして、大きな値動きを期待するのは難しそうだ。
ただ、本日は米国から複数の経済指標が発表されることで、指標結果により市場が神経質な動きを見せることには警戒したい。日本時間21時30分には8月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、22時45分に各業種の購買担当者景気指数(PMI)速報値、23時に7月米景気先行指標総合指数などが発表される。
本来であれば複数発表されることで、それぞれすべての結果が出揃うまでは反応は難しい。ただ、この何年もの間、経済指標の反応を支配しているのは、AIによる取引で、指標結果次第で自動取引が相場をかく乱することになるだろう。
景気指数も重要だが、市場がそれ以上に動意づく可能性があるのは21時30分に発表される前週分の米新規失業保険申請件数及び失業保険継続受給者数の雇用指標。先月発表された米雇用統計の大幅下方修正で、雇用指標のネガティブサプライズには特に反応しやすそうだ。先週は雇用指標と同時に発表された卸売物価指数(PPI)が大幅に上振れたことで、雇用指標への反応は限られた。しかし、今週は予想と結果に大幅な乖離が生じた場合は市場の反応が敏感になるかもしれない。
なお、引き続きクック米連邦準備理事会(FRB)理事に対するトランプ政権の圧力にも要注目。クック理事の辞任問題は、トランプ政権の内部から住宅ローンをめぐる不正があったとして追及する動きがきっかけ。一部ではトランプ政権が、FRBをコントロールするためにクック氏のあらを探していたとのうわさも出ている。
ボウマンFRB副議長、ウォーラーFRB理事に続き、現時点では上院から承認を受けていないもののミラン氏が理事に加わり、クック氏まで理事を辞任すれば、7人のメンバーのうち4人もハト派で占められることになるだろう。同氏は現在の理事のメンバーの中で、任期終了となるのが最も遅く2038年になっている。民主党支持者でもあり、トランプ政権にとっては辞めさせることができれば、これほど好都合なことはない。もし、同氏が辞任に追い込まれた場合は、FRBが政権にコントロールされ独立性を失うことと、ハト派に占有されるという、2つの観点からドルが軟調に動きやすそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、19日高値148.11円から日足一目均衡表・基準線148.39円が抵抗帯。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、15日安値146.74円。割り込むと日足一目均衡表・雲上限146.32円。
米国は欧州連合(EU)からの大半の品目に対する関税上限15%を再確認し、双方は「不当なデジタル貿易障壁」の是正に取り組むことで一致した。また、米国はEU製自動車への関税を15%に引き下げる一方、EUは米国製品への関税緩和措置を進めることで合意。米欧間の貿易協力関係を再強化する動きとなっている。
今晩はウォルマートの決算や経済指標に注目。昨日は金曜日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を控えた様子見姿勢が強まる中、ダウ平均が16.04ドル高(+0.04%)とわずかに上昇し、2日続伸となった一方、ハイテク株を中心に利益確定売りが続いたことでS&P500が0.24%安と4営業日続落し、ハイテク株主体のナスダック総合は0.67%安と2日続落となった。決算を発表した小売大手はTJXカンパニーやロウズが上昇した一方、ターゲットが大幅安と高安まちまちだった。公表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では労働市場の下振れリスクを理由にウォーラーFRB理事とボウマンFRB副議長が利下げを支持したことが明らかになったが、多くのメンバーがインフレ懸念を理由に政策金利の据え置きを支持したことが明らかになった。
今晩の取引ではジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を控えた様子見継続が予想されるが、ウォルマートなどの決算発表や新規失業保険申請件数、7月中古住宅販売件数などの経済指標をにらんだ神経質な展開となりそうだ。パウエルFRB議長講演を前にハイテク大手には利益確定売りが続いており、下落トレンドが一服するか否かにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、8月S&P製造業・サービス業PMI速報値、7月中古住宅販売件数、7月景気先行指数など。企業決算は寄り前にウォルマート、引け後にロス・ストアーズ、インテュイットなどが発表予定。
日経平均株価は3日続落。上値も下値も限定的な値動きとなり、狭いレンジの取引が続いた。3日連続の陰線を形成し、終値ベースで8/14安値(42649円)を若干割り込んで終えた。
RSI(9日)は前日の70.9%→65.4%(8/21)に低下。短期的には上昇のハードルが高くなる。一目均衡表の転換線(42562円 8/21)上を意識して終える格好となったが、8/14安値を下回ったことで25日移動平均線(41484円 同)付近まで下落余地が拡大する可能性が高くなった。あすは上昇が続く転換線を支持に、陽線で切り返しがみられるかが焦点となる。
上値メドは、5日移動平均線(43227円 同)、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円、45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、7/24高値(42065円)、心理的節目の42000円、25日移動平均線、心理的節目の41000円や40500円などがある。
(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.27円(21日15時時点比△0.86円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.21円(△0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1615ドル(▲0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:9309.20(前営業日比△21.06)
ドイツ株式指数(DAX):24293.34(△16.37)
10年物英国債利回り:4.729%(△0.057%)
10年物独国債利回り:2.757%(△0.040%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
49.9 48.2
8月仏サービス部門PMI速報値
49.7 48.5
8月独製造業PMI速報値
49.9 49.1
8月独サービス部門PMI速報値
50.1 50.6
8月ユーロ圏製造業PMI速報値
50.5 49.8
8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
50.7 51.0
8月英製造業PMI速報値
47.3 48.0
8月英サービス部門PMI速報値
53.6 51.8
6月ユーロ圏建設支出
(前月比) ▲0.8% ▲2.1%・改
(前年比) 1.7% 3.6%・改
8月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値) ▲15.5 ▲14.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ドル円は底堅い動き。明日22日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演を前に、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行した。NY市場に入り、8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったこと分かると147.58円付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
8月米購買担当者景気指数(PMI)速報値が軒並み予想を上回ったほか、7月米中古住宅販売件数が予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇幅拡大とともに全般ドル買いが活発化。24時過ぎに一時148.40円と日通し高値を更新した。
ただ、一目均衡表基準線148.39円や12日の高値148.52円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。「米司法省(DOJ)当局者はパウエルFRB議長にクックFRB理事の解任を要請する」との一部報道も相場の重しとなった。
・ユーロドルは頭が重かった。8月の仏・独・ユーロ圏製造業PMI速報値が予想を上回ると全般ユーロ買いが先行。18時30分前に一時1.1663ドルと日通し高値を更新した。
ただ、前日の高値1.1674ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。米PMI速報値や米住宅指標が予想より強い内容となったことも相場の重しとなり、24時過ぎに一時1.1601ドルと日通し安値を更新した。
なお、米国と欧州連合(EU)はこの日、7月に合意した新たな貿易協定の枠組みに関する共同声明を発表。米国はEUから輸入する大半の製品に対し15%の関税を課し、EUは米国の工業製品に対する関税を撤廃し、農産物や水産物の市場アクセスを与える内容が明記された。
・ユーロ円は方向感に乏しい展開。20時過ぎに一時172.37円と日通し高値を付けたものの、23時前には171.75円付近まで失速。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり172.28円付近まで持ち直している。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は4日続伸し、史上最高値を更新した。前日の米株式市場でダウ平均が上昇した流れが波及し、英株にも買いが先行した。ただ、21-23日のジャクソンホール会議を前に投資家の慎重姿勢が強まる中、持ち高調整目的の売りに押されると伸び悩んだ。
・フランクフルト株式相場は小反発。パウエルFRB議長のジャクソンホール会議での講演を前に投資家の慎重姿勢が強まる中、相場はもみ合いの展開となった。個別ではラインメタル(3.27%高)やコメルツ銀行(2.93%高)、シーメンス・エナジー(1.35%高)などが上昇した半面、ザルトリウス(2.65%安)やバイヤスドルフ(2.14%安)が下げた。
・欧州債券相場は下落。8月独製造業PMI速報値が予想を上回ると欧州景気に対する懸念が和らぎ、債券売りが出た。
21日の日経平均は3日続落。終値は278円安の42610円。米国株は3指数がまちまちも、前日同様にナスダックが弱く、3桁下落スタート。序盤ではアドバンテスト<6857.T>やソフトバンクG<9984.T>など前日大きく下げた銘柄にしっかりとした動きが見られたことから、プラス圏に浮上する場面もあった。しかし、ソフトバンクGが改めての売りに押されて下げ幅を広げてくると、指数も下を試しにいった。42500円台に入ったところでは売り圧力が和らぎ、後場に入ると動意が乏しくなった。ただ、幾分戻すと売り直されて低空飛行が継続。200円を超える下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆円。業種別では非鉄金属、鉄鋼、鉱業などが上昇した一方、医薬品、輸送用機器、建設などが下落した。証券会社が目標株価を引き上げた旭化成<3407.T>が急伸。半面、株式の売り出しを発表した福田組<1899.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり673/値下がり879。前日大幅安となったアドバンテストに見直し買いが入り、フジクラなど電線株にも資金が向かった。サンリオが3%近い上昇。三井金属が商いを伴って値を飛ばした。ステーブルコインに関するリリースを材料にアステリアがストップ高。バリューアクトの大株主浮上が判明した宝HDがストップ高となり、傘下のタカラバイオも急伸した。
一方、ソフトバンクGは売りが止まらず2%安。アドバンテストは上昇したが、東京エレクトロンやレーザーテックなど、半導体株は大きく売られる銘柄が多かった。足元の動きが良かった第一三共が一転急落。JR西日本や富士急行など鉄道株が軒並み安となった。
日経平均は3日続落。ソフトバンクGが下げ止まらず、アドバンテストは強く買われたのが序盤だけとなれば、他の銘柄にも買いは入らない。きのう5日線(43227円、21日時点、以下同じ)を割り込んでチャートの形状も悪化していただけに、握力がなくなったかのように場中はさえない動きが続いた。
あすはジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演を前に、様子見姿勢が強まると思われる。3日続落で値ごろ感は出てきているが、講演の中身次第で買える銘柄と買えない銘柄の濃淡がつく可能性があるだけに、先回りでは買いを入れづらい。ソフトバンクGが切り返すかどうかが焦点で、下げ止まらない場合は買い手不在の中で売りだけが急がれる展開も想定される。売りが一巡するのを待って動くのが賢明だが、派手な下げとなって25日線(41484円)に接近するようなら、押し目買いを推奨したい。
(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.37円(前営業日比△1.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.20円(△0.53円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1606ドル(▲0.0046ドル)
ダウ工業株30種平均:44785.50ドル(▲152.81ドル)
ナスダック総合株価指数:21100.31(▲72.55)
10年物米国債利回り:4.33%(△0.04%)
WTI原油先物10月限:1バレル=63.52ドル(△0.81ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3381.6ドル(▲6.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数
23.5万件 22.4万件
8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
▲0.3 15.9
8月米製造業PMI速報値
53.3 49.8
8月米サービス部門PMI速報値
55.4 55.7
8月米総?⑰MI速報値
55.4 55.1
7月米景気先行指標総合指数
(前月比) ▲0.1% ▲0.3%
7月米中古住宅販売件数
(前月比) 2.0% ▲2.7%
(年率換算件数)401万件 393万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったこと分かると一時147.58円付近まで売られたものの、下押しは限定的だった。
その後発表の8月米購買担当者景気指数(PMI)速報値や7月米中古住宅販売件数が予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化。5時前に一時148.41円と日通し高値を更新した。
なお、ハマック米クリーブランド連銀総裁は「インフレを抑制するためには、適度に引き締め的な政策を維持することが重要」「最大の懸念は高すぎるインフレと上昇基調」「現在のデータは9月利下げの論拠を示さず」などと発言。また、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「今年1回の利下げという見通しがまだ妥当だと考えている」と述べた一方、「経済が大きく変化しているため、その見方には不確実性が大きい」との見解を示した。
・ユーロドルは反落。日本時間夕刻に一時1.1663ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.1674ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。米PMI速報値や米住宅指標が予想より強い内容となり、米長期金利が上昇幅を拡大したことなどが相場の重し。24時過ぎに一時1.1601ドルと日通し安値を更新した。その後の戻りも1.1619ドル付近にとどまった。
・ユーロ円は3日ぶりに反発。20時過ぎに一時172.37円と日通し高値を付けた影響が残った。もっとも、NY市場に限ればドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演を前に投資家の慎重姿勢が強まる中、持ち高調整目的の売りに押された。決算内容が嫌気されたウォルマートが大幅に下落し、相場の重しとなった面もある。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。米PMI速報値や米住宅指標が予想より強い内容だったことが分かると、債券売りが優勢となった。
・原油先物相場は反発。露ウクライナ停戦へ向けた話し合いや、米カンザスシティー連銀主催シンポジウム(ジャクソンホール会議)における週末のパウエルFRB議長講演イベントを控えた不透明感から方向性が出にくい。先週末から1ドル程度やそれ未満の上下が繰り返される様子見状態が続いている。
・金先物相場は反落。前日は4営業日続落後の大幅反発となったものの、FRB議長講演イベントを控えるなかの自律反発のような上昇一服の後を受け、再び調整の売りが優位に。米金利上昇やドル高が、金利の付かない資産である金の重しになったり、ドル建て金価格の換算値押し下げにつながったりした。
一部通信社が報じたところによると、「米司法省(DOJ)当局者はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長にクックFRB理事の解任を要請する」ようだ。
21日06:30 クック米連邦準備理事会(FRB)理事
「辞任を強要されるつもりはない」
21日20:26 ブラード元米セントルイス連銀総裁
「金利は現在高水準、2026年にかけて1.00%の利下げ余地がある」
「データ次第で2026年にさらに対応可能」
「FRBはドルの基軸通貨としての地位を守ることも念頭に置かねばならない」
「9月に利下げすると思う。ただし議事要旨は鮮度を失っている」
21日20:31 欧州連合(EU)のセフコビッチ通商担当
「EU・米国の貿易声明は終わりではなく始まり」
「米国との共同声明は第一歩であり、今後より多くの分野を包含する可能性がある」
「この枠組み合意に基づく立法提案を今月中に提示するのがEUの強い意向」
「米国のEU自動車への15%関税は8月1日付で遡及適用される」
「今月中に立法提案を提示する意向」
21日20:51 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「今年1回の利下げという見通しがまだ妥当だと考えている」
「FRBが政策を動かす際には、その方向性は一貫性のあるものでなければならない」
「雇用の軌道には潜在的に懸念がある」
「不確実な要素が多いなかで、経済データには大きな改定がより頻繁に生じる可能性」
「月間の雇用増加数については、現在は5-7.5万人程度が労働市場の置き換え需要に近い」
「失業率はこれまで長い間、完全雇用と整合的な水準にある」
22日00:15 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「FRBの責務の両側が圧力にさらされている」
「インフレを抑制するためには、適度に引き締め的な政策を維持することが重要」
「関税の影響が完全に明らかになるのは来年になるだろう」
「関税が最終的に一時的な影響にとどまるかどうかは不明」
「最大の懸念は高すぎるインフレと上昇基調」
「FRBは毎回の会合に先入観を持たずに臨んでいる」
「FOMC会合までの間には多くのデータがある」
「顕著な景気後退の兆候は見られない」
「現在のデータは9月利下げの論拠を示さず」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比3.0%)
○08:30 ☆ 7月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比3.4%)
<海外>
○08:01 ◇ 8月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲20)
○15:00 ☆ 4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比▲0.1%/前年同期比0.4%)
○15:00 ☆ 4-6月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比横ばい)
○15:45 ◇ 8月仏企業景況感指数(予想:96)
○21:00 ◎ 4-6月期メキシコGDP確定値(予想:前期比0.7%/前年比0.1%)
○21:30 ◎ 6月カナダ小売売上高(予想:前月比1.5%/自動車を除く前月比1.1%)
○23:00 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ジャクソンホール会議で講演
○米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議)、テーマは「転換期の労働市場:人口動態、生産性、そしてマクロ経済政策」(ワイオミング州ジャクソンホール、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、8月米購買担当者景気指数(PMI)速報値や7月米中古住宅販売件数が予想より強い内容だったことで、米長期金利の上昇とともに148.41円まで上昇した。ユーロドルは、米PMI速報値や米住宅指標が予想より強い内容となり、米長期金利が上昇幅を拡大したことなどで1.1601ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、8時30分発表の7月の全国コア消費者物価指数(CPI)を見極めた後は、23時から予定されているジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を控えて動きづらい展開が予想される。
8時30分に発表される7月の全国コア消費者物価指数(CPI)は前年比+3.0%と予想されており、6月の同比+3.3%からの伸び率の鈍化が見込まれている。電気・都市ガス代の支援策は25年3月使用分でいったん終了したが、7~9月使用分(CPIヘの反映は8~10月)から再開される。また、ガソリンへの補助金は、原油価格高騰を受けて6月末から1リットル当たり175円を上回る部分を全て補助する仕組みに切り替えられることとなったため、エネルギー価格は今後前年比でマイナスとなる公算が大きくなっている。すなわち、コアCPIの上昇率は、エネルギー価格の上昇率の低下を受けて伸び悩む可能性が高まっている。
しかしながら、経済・物価情勢の展望(展望リポート)での2025年度のコアCPI見通しは+2.7%となっていることで、利上げ再開の条件である「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」をクリアすることになる。
さて、今夜のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の発言を推測しておきたい。昨年は「利下げの時が来た」と表明し、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.50%の大幅利下げに踏み切っていた。
タカ派シナリオとして、パウエルFRB議長が、フェドウオッチがほぼ確実視している9月FOMCでの0.25%の利下げ見通しにも関わらず、8月のデータを見極めたい、と言及する背景は以下の通りとなる。パウエルFRB議長は、「この夏にかけてトランプ関税は目に見えて物価に影響してくる」と述べていた。7月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率は鈍化していたが、卸売物価指数(PPI)は、川上の輸入業者が関税分を価格に転嫁しつつあるため伸び率が上昇していた。8月の川下のCPIへ波及する可能性が高まっており、9月16-17日のFOMCの前の11日に発表される米8月CPIまで待つ理由となる。7月のFOMC議事要旨でも、「過半数のメンバーはインフレリスクが雇用リスクを上回ると認識」しており、「物価の安定」に軸足を置いていた。
ハト派シナリオは、パウエルFRB議長や多数派の据え置きの前提である「労働市場は堅調」という見立てが、米7月雇用統計ショックで崩れたことで、「雇用の最大化」に軸足を移すことになる。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42640 +30 (+0.07%)
TOPIX先物 3091.5 +8.0 (+0.25%)
シカゴ日経平均先物 42650 +40
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
21日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。22日にジャクソンホール会議で行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前に、持ち高調整の売りが優勢だった。四半期決算を発表したウォルマート<WMT>が大幅に下落したことで、ホーム・デポ<HD>やウォルト・ディズニー<DIS>などの消費関連株にも売りが広がったことが重荷になった。
S&P500業種別指数はエネルギー、素材、電気通信サービスが上昇した一方で、食品・生活必需品小売、自動車・同部品、小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、メルク<MRK>、シェブロン<CVX>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ハネウェル・インターナショナル<HON>が買われた。半面、ウォルマートやホーム・デポ、ウォルト・ディズニーのほか、IBM<IBM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比40円高の4万2650円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円高の4万2630円で始まった。その後4万2510円まで軟化したが4万2500円接近では底堅さがみられ、4万2510円~4万2650円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上抜け、4万2750円まで買われる場面もみられた。ただ、上値も限られており、終盤にかけては4万2600円~4万2680円辺りでの推移が続き、4万2640円でナイトセッションの取引を終えている。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。日経225先物は4万2500円辺りで下げ渋る動きがみられており、パウエルFRB議長の講演を前にショートポジションを圧縮する動きが意識されそうである。一方で、ボリンジャーバンドの+1σ(4万2830円)が抵抗となると考えられ、リバウンド狙いのロングも限られそうである。
日経225先物は19日につけた4万3930円をピークとした今回の急落でロング解消を迫られ、現在はショートに傾いている状況であろう。4万3000円辺りを明確に上回ってこないとショートカバーは強まらず、+1σ近辺での戻りの鈍さがみられる局面においては、戻り待ち狙いのショートに向かわせよう。
パウエルFRB議長は講演で、今後の利下げ方針について言及するとみられている。米国ではこれまで消費者物価指数(CPI)の結果やベッセント米財務長官の発言などもあって9月の利下げ確率が上昇し、通常の2倍となる0.5%の利下げを織り込む動きもみられた。利下げに慎重な発言となれば下へのバイアスが強まることも考えられるため、重要イベントを前に持ち高調整が中心になりそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の4万2500円から4万3000円でのレンジを想定する。底堅さがみられる4万2500円処を明確に割り込んでくるようだと、4万2000円辺りまでバイアスが強まる展開も意識しておきたい。
21日の米VIX指数は16.60(20日は15.69)に上昇した。一時17.24まで切り上がる場面もみられた。25日移動平均線(16.03)を突破し、75日線(17.52)に接近してきたため、やや神経質にさせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.81倍に低下した。一時13.87倍に上昇し、75日線(13.84倍)を上回る場面もみられたが、その後は同線を下回って推移。75日線が抵抗として意識されるなかで13.78倍をつける場面もあり、8月6日につけた直近安値の13.69倍が射程に入りそうだ。
東京市場は上値が重いか。米国株は下落。ダウ平均は152ドル安の44785ドルで取引を終えた。ウォルマートが決算を受けて大幅安となり、他の消費関連にも売りが広がった。強めの経済指標が多く9月利下げに対する期待が後退したことで、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演を前にリスク回避の様相も強まった。米長期金利が上昇し、ドル円は足元148円30銭近辺と円安(ドル高)に振れている。CME225先物は円建てが40円高の42650円、ドル建てが60円高の42670円で取引を終えた。
CME225先物は小幅高スタートを示唆している。円安は日本株の支援材料になる。日経平均はきのうまで3日連続で3桁の下落となっており、値ごろ感は出てきている。ここ数日の動きが弱いソフトバンクグループ<9984.T>はADRでは上昇している。これらの点を踏まえると、米国株安を跳ね返してプラスで推移する場面もありそうだ。ただ、重要イベントを前に、多くの銘柄は手がけづらさが意識されるだろう。S&P500は5日続落しており、印象が悪い。序盤に上を試した後は伸び悩み、場中は様子見姿勢が強まると予想する。日経平均の予想レンジは42500-42800円。
昨日の海外市場では、ドル全面高。ドル円は欧州時間から米長期金利の上昇につれて下値を切り上げたわけですが、NY時間に入ってからは弱い米指標にはほとんど反応することなく、強い米指標に大きく反応して上値を試す展開となりました。アジア時間に入ってからも、高値圏でのもみ合いが続くなか、直近の戻り目処として意識されていた12日の高値148.52円を上抜けたことから、目先のSLを巻き込むかたちで上げ足を速め一時148.68円まで値を上げているといったところです。
いずれにしても、市場は今週に入ってずっと今夜のイベント待ちとなっていたわけですが、直前になって月初のNFPショック後のポジション調整が顕著となっています。一時は0.5%利下げの可能性まで台頭した市場の行き過ぎた9月FOMCでの利下げ確率は、パウエルFRB議長の講演直前になって、9割の確定路線から7割程度まで急低下しているなか、為替市場においてもまた、同様に、ドル買い戻し方向へのリスクが高まっていると言えそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比40円高の4万2650円(+0.09%)前後で推移。寄り付きは4万2610円と、前日比変わらずで始まった。現物の寄り付き直後には4万2720円まで買われ、シカゴ日経平均先物清算値(4万2650円)を上回ったが、その直後に軟化し一気に4万2310円まで売られる場面もみられた。ただ、売り一巡後はショートカバーに向かわせており、終盤にかけては前日の終値水準まで回復している。
日経225先物は寄り付き後に自律反発の動きをみせたが、ボリンジャーバンドの+1σ(4万2830円)を捉えることができず、ショートに振れる形になった。さらに、底堅さがみられていた節目の4万2500円を割り込んだことで、下へのバイアスが強まったようである。もっとも、終盤にかけてショートカバーが入ったと考えられ、後場は前日終値を挟んでの膠着になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.75倍に低下した。一時13.82倍をつけたが、‐1σ(13.80倍)をキープできず、NTショートに振れる形になった。-2σ(13.70倍)に接近しており、8月6日につけた直近安値の13.69倍が射程に入っている。
「従順であれ」(パウエルFRB議長の信条)
マクロ経済の素人であるパウエルFRB議長は、2021年にインフレ率が7%台まで上昇している時に「インフレは一時的」であると主張して利上げを拒み、2025年にインフレ率が2%台まで低下している時に「トランプ関税は一時的」と主張している。
【キャッチ=22(Catch-22)】
ジョセフ・ヘラーの1961年の著作『キャッチ=22』では、軍規第22項「狂気に陥った者は、その旨を自ら申し出れば除隊することができる」を巡る「キャッチ=陥穽」が描かれている。戦闘機に乗って出撃したくないパイロットは、自分が狂っている、と主張すれば除隊できるが、「自分が狂っていると認識できる状態は狂っているとはいえない」ことになり、出撃は免れない。
1.「Mr Ordinary(ミスター凡庸)」から「Mr Too late(ミスターのろま)」へ
経済学博士号を持たず、マクロ経済に関する専門知識はほとんどなかったパウエル第16代FRB議長は、FRB理事として米連邦公開市場委員会(FOMC)での決定に一度も反対したことのないことで、「ミスター凡庸(Mr Ordinary)」と揶揄されていた。
2018年、トランプ第45代米大統領は、同じ1946年に生まれ、同じ地区で生まれ育った民主党寄りのイエレン第15代FRB議長が利上げ路線を邁進していたため、共和党寄りのパウエル第16代FRB議長を任命した。
2. 2021年のトラウマ
米国の消費者物価指数(CPI)は、バイデン政権によるコロナ給付金により、2021年12月には前年比+7.0%、2022年6月には前年比+9.1%まで上昇していた。
しかし、パウエルFRB議長率いる米連邦公開市場委員会(FOMC)は、「インフレ率の上昇は一時的」であるとして、ゼロ金利政策を貫いていた。
そして、2022年3月のFOMCで漸くFF金利誘導目標を第1次利上げで+0.25%(0.25-0.50%)に踏み切り、2023年7月の第11次利上げで5.25-5.50%まで引き上げていった。
2022年3月の消費者物価指数(CPI)は前年比+8.5%、インフレ指標として注視しているPCE総合価格指数は前年比+6.6%だった。
3.2025年のトラウマ?
米国のインフレ率の鎮静化を受けて、パウエルFRB議長率いるFOMCは、2024年12月のFOMCで、第3次利下げでFF金利誘導目標を4.25-4.50%まで引き下げた。
しかし、2025年1月のFOMC以降は、トランプ関税の不確実性(uncertainty)を理由に、据え置き続けている。
7月のCPIは+2.7%だが、失業者は4.2479%、そして非農業部門雇用者数は前月比+7.3万人(5-7月平均+3.5万人)まで落ち込んでいる。
すなわち、2つの責務(「雇用の最大化」「物価の安定」)の内、雇用の最大化に陰りが見え始めている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、4-6月期独国内総生産(GDP)改定値を見極めた後は、ウクライナ関連のヘッドラインに警戒しながら、23時からのジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を待つ展開となる。
ウクライナ戦争の停戦に向けては、15日にトランプ米大統領とプーチン露大統領の米露首脳会談、18日にゼレンスキー・ウクライナ大統領とトランプ米大統領の首脳会談、19日に臨時欧州連合(EU)首脳会談が行われ、3者会談(トランプ米大統領、プーチン露大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領)の開催が検討されている模様で、本日も、関連ヘッドラインに警戒していくことになる。
4-6月期独国内総生産(GDP)改定値の予想は、季節調整済で前期比▲0.1%/前年同期比+0.4%)、季節調整前は前年同期比横ばいと見込まれている。
ドイツの景況感の悪化が警戒される中、ネガティブサプライズに警戒しておきたい。
本日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演は、最近の米国の経済指標がまちまちとなっているため、明確なシグナルを示さない可能性も高まりつつある。
9月FOMCに向けて利下げ観測が高まる中、トランプ関税の影響が顕在化する8月のインフレ指標を見極めるという「物価の安定」に軸足を置いた慎重なスタンスを再確認するのか、それとも米7月雇用統計ショックにより、「雇用の最大化」に軸足を置いて利下げを示唆するのか、要注目となっている。
参考までに、最近のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の発言は以下の通り。
2022年、金融引き締めを「やり遂げるまでやり続けなければならない」と述べ、利上げを継続する姿勢を鮮明にした。
2023年、「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある。インフレが目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで、政策を景気抑制的な水準に据え置く考えだ」と述べた。
2024年、「政策を調整する時が来た。方向性は明確であり、利下げのタイミングとペースは今後入手するデータ、変動する見通し、そしてリスクバランスに左右される」と述べた。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1717ドル(8/18高値)
・ユーロ円:173.02円(8/13高値)
・ポンドドル:1.3542ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンド円:200.28円(8/13高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1528ドル(8/5安値)
・ユーロ円:170.56円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.3369ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:197.66円(日足一目均衡表・基準線)
ドル円:1ドル=148.67円(前営業日NY終値比△0.30円)
ユーロ円:1ユーロ=172.25円(△0.05円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1586ドル(▲0.0020ドル)
日経平均株価:42633.29円(前営業日比△23.12円)
東証株価指数(TOPIX):3100.87(△17.92)
債券先物9月物:137.55円(▲0.01円)
新発10年物国債利回り:1.615%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年比 3.1% 3.3%
7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
前年比 3.4% 3.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。本邦実需勢から買いが観測されたほか、今晩予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホールでの講演を前に持ち高調整の買いも重なり、東京午後には一時148.78円まで上昇し、1日以来の高値を付けた。もっとも、本邦30年債利回りが過去最高水準を付けるなど超長期金利の上昇が次第に上値を抑え、伸び悩んだ。
・ユーロドルは弱含み。しばらくは1.16ドル台前半での小動きが続いていたが、FRB議長の講演を前にポジション調整の売りが優勢になると一時1.1583ドルまで下落した。
・ユーロ円は伸び悩み。ドル円の上昇につれて172.54円まで上げたが、本邦金利上昇やユーロドルの下落を受けて一巡後は上値が重くなった。
・日経平均株価は4営業日ぶりに小反発。昨日の米国株安を受けて寄り付き後に一時200円超下げる場面があった。もっとも、外国為替市場での円安・ドル高で輸出関連株が買われプラス圏を回復した。
・債券先物相場は反落。上下に振れたものの総じて方向感はなく、前日終値を挟んだ推移となった。
10月のASEAN首脳会議にトランプ米大統領の出席が確認されたとされたが、中国の出席者は習近平主席ではなく李強首相になる見通しだと一部通信社が伝えた。これにより米中首脳会談の可能性は消滅し、トランプ大統領も参加を取りやめる公算が高い。現状では双方とも貿易摩擦がさらに激化するのを避けつつ、表面的に友好を演出しているに過ぎない。だが、根底にある敵意や不信感は依然として強く残っており、今回の判断は、中国が米国に「敬意を表しない」という姿勢を明確にしたものと言える。
大阪9月限
日経225先物 42570 -40 (-0.09%)
TOPIX先物 3099.5 +16.0 (+0.51%)
日経225先物(9月限)は前日比40円安の4万2570円で取引を終了。寄り付きは4万2610円と、前日比変わらずで始まった。現物の寄り付き直後には4万2720円まで買われ、シカゴ日経平均先物清算値(4万2650円)を上回ったが、その直後に軟化し一気に4万2310円まで売られる場面もみられた。
ただ、売り一巡後はショートカバーに向かわせており、前場終盤には前日の終値水準まで回復。ランチタイムで再び弱含み、後場中盤に4万2520円をつけたが、同水準からショートを仕掛ける動きとはならず、終盤にかけては4万2550円~4万2600円辺りでの保ち合いが続いた。
日経225先物は寄り付き後に自律反発の動きをみせたが、ボリンジャーバンドの+1σ(4万2830円)を捉えることができず、ショートに振れる形になった。さらに、底堅さがみられていた節目の4万2500円を割り込んだことで、下へのバイアスが強まったようである。もっとも、前場の時点で短期的なショートは一巡しており、後場は膠着感の強い相場展開だった。
米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」において、22日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演を控えている。今後の利下げ方針について言及するとみられているため、内容を見極めたいとする様子見姿勢が強かった。
日経225先物は前場の寄り付き直後にショートを仕掛けてきたが、その後は4万2500円辺りでの底堅さがみられていた。一方で、上値は+1σが抵抗として意識されており、同バンドはナイトセッションで4万2900円辺りに上昇している。パウエル議長の講演内容によって、+1σ突破、もしくは4万2500円割れといったトレンドが出る展開に身構えている状況だろう。
+1σを突破し4万3000円を回復してくる局面では、19日の4万3930円をピークとした急落に対するカバーの動きが強まろう。今回の急落によって4万3000円前半水準からはショートが積み上がっていると考えられる。半面、再び4万2500円を割り込んでくると、中心値となる25日移動平均線(4万1730円)辺りをターゲットとしたショートが入りやすいとみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で13.73倍に低下した。一時13.81倍をつけたが、‐1σ(13.80倍)を明確に上抜くことはできず、NTショートに振れる形になった。-2σ(13.69倍)に接近しており、8月6日につけた直近安値(13.69倍)が射程に入っている。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4959枚、ソシエテジェネラル証券が1万0120枚、サスケハナ・ホンコンが3228枚、JPモルガン証券が1669枚、バークレイズ証券が1144枚、日産証券が954枚、モルガンMUFG証券が871枚、ビーオブエー証券が756枚、野村証券が665枚、ゴールドマン証券が659枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万1674枚、ソシエテジェネラル証券が1万7365枚、バークレイズ証券が5314枚、JPモルガン証券が3992枚、ゴールドマン証券が3080枚、モルガンMUFG証券が2940枚、みずほ証券が2269枚、シティグループ証券が1653枚、サスケハナ・ホンコンが1536枚、野村証券が1468枚だった。
韓国の国家安保首席補佐官は22日、米国と韓国がNATOを参考に防衛費増額について協議していると明らかにした。また、李大統領とトランプ大統領の首脳会談に向け共同宣言を検討しているほか、米国からの投資誘致や武器購入計画についても協議が進められているという。
ハンガリー国立銀行のヴァルガ総裁は22日、物価上昇圧力が続く中で市場の安定とインフレ期待の抑制には「慎重で忍耐強い金融政策」が不可欠だと強調した。米連邦準備理事会(FRB)が主催する経済政策シンポジウムでの発言によると、同国は規律ある政策運営を堅持するという。ハンガリー中銀は26日、主要金利を6.5%に据え置く見通しで、これはルーマニアと並びEU最高水準。今回据え置かれれば11カ月連続となる。
大和証券では、日銀の金融政策がビハインド・ザ・カーブ(中央銀行の対応の遅れ)に陥っているとの指摘があることを受けて、その検証を行っている。テイラールールによる推計では、現在の適正な政策金利は0.87%から1.35%の範囲にあるとしており、現行の0.5%は明らかに低すぎると指摘。このまま利上げを遅らせれば、ターミナルレートは日銀が想定する最低ラインの1%を超える可能性が高いとみている。大和では、0.75%に利上げを実施した上で、1%への追加利上げのタイミングを慎重に見極める方が、リスク管理の観点からは健全な政策運営と考えている。
今週は週初から、市場の注目はジャクソンホール会合でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演と言われ、いよいよその注目の講演が本日の日本時間23時頃に行われる。
ここまで講演が注目されているのは、米連邦準備理事会(FRB)の2大責務のうち、「雇用の最大化」が大きくクローズアップされていること。7月の米雇用統計で発表された過去2カ月分の修正値が大幅に下方修正された。桁違いとも捉えられるほどの大幅修正となったことで、今後発表される月次の雇用統計の信頼性が問われるほどの事態となっている。
雇用統計後に初めてパウエル議長から、この修正についての言及がされることで否が応でも注目される。これまで、パウエル議長は失業率上昇のリスクの高まりを警戒はしていたが、「労働市場の状況は依然として堅調」との考えを示していた。今回の講演で現況の雇用情勢と見通しについて変化が生じるかが注目される。
一方で、2大責務のもう1つでもあり「物価の安定」では、先週発表された7月の卸売物価指数(PPI)が市場を大幅に上回る結果となった。7月のFOMC議事要旨でも「失業率とインフレ率が共に悪化した場合、難しいトレードオフの可能性を認識」していると公表した。インフレ警戒感もあり、パウエル議長が雇用統計の悪化にもかかわらず、これまでのように「今後のデータ次第」というあいまいな態度にとどめる発言でお茶を濁す可能性がある。逆に、昨年のジャクソンホール会合での「政策を調整する時が来た」と宣言したような、積極的な発言をするリスクも少ないとは言え警戒はしておきたい。
なお、市場ではパウエル議長がFRBの独立性を維持することを改めて明言するのではないかという予想もある。トランプ米大統領が度重なる政治的な圧力をFRBにかけているが、パウエル議長が辞任をする意思を表明していないだけでなく、異例とはなるがFRB議長の任期後も理事として残る可能性もある。
トランプ政権にとって想定外となる、パウエル議長の理事留任の可能性もあることで、トランプ政権はほかのFRB理事(クック理事)の交代に焦点をずらしたとのうわさもある。昨日のファイナンシャルタイムズ紙はトランプ大統領の意向を受けて、司法省がパウエル議長に対し、クック理事の解任を求める書簡を送付したと報じた。もし解任となれば、上院から承認を受けていないもののミラン氏に続いて、トランプ政権の意向を代弁する理事が新たに着任し、FRB理事はハト派が過半数を占めるだけではなく独立性を失うことになりそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、200日移動平均線149.13円。、その上は心理的節目150.00円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、21日移動平均線147.96円。その下は21日安値147.26円。
今晩はパウエルFRB議長発言に注目。昨日は週末金曜日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を控えた様子見姿勢が強まる中、米10年債利回りが上昇したことや、決算が嫌気された小売大手のウォルマートが4%超下落したことも重しとなり主要3指数がそろって下落。ダウ平均は152.81ドル安(-0.34%)と3日ぶりに反落し、S&P500も0.40%安と5営業日続落。ナスダック総合も0.34%安と3日続落した。週初来ではダウ平均が160.62ドル安(-0.36%)、S&P500が1.23%安、ナスダック総合が2.42%安と、そろって3週ぶりの反落ペースとなった。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しを巡り、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演に注目が集まる。市場では9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待がやや低下しているものの、CMEのフェドウォッチ・ツールの9月利下げ確率は73%、政策金利据え置き確率が27%と利下げ確率が据え置き確率を上回っている。今週公表された7月FOMCの議事要旨では投票権を持つボウマンFRB副議長とウォーラーFRB理事の2人が利下げを支持したものの、多くのメンバーがインフレ懸念を理由に政策金利の据え置きを支持した。今晩のパウエルFRB議長講演でも利下げに慎重な姿勢が示された場合は利下げ期待の後退が相場の重しとなることが警戒される。
今晩の米経済指標・イベントはジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は小反発。序盤は下落幅を広げる場面もあったが、午後にかけては落ち着きを取り戻す展開となった。日足は十字足を形成し、陽線で下げ渋った印象である。
RSI(9日)は前日の65.4%→59.5%(8/22)に低下。目先的には低下が続きやすいタイミングである。10日移動平均線(42923円 8/22)などの上場基調が続く中、上値へのトレンドフォローが基本スタンスである。ただ、8/14安値を下回ったことで25日移動平均線(41602円 同)付近まで下落余地が拡大する可能性が高くなった局面でもある。
上値メドは、10日移動平均線、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円、45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、7/24高値(42065円)、心理的節目の42000円、25日移動平均線、心理的節目の41000円や40500円などがある。
(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.65円(22日15時時点比▲2.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.11円(▲0.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1736ドル(△0.0150ドル)
FTSE100種総合株価指数:9321.40(前営業日比△12.20)
ドイツ株式指数(DAX):24363.09(△69.75)
10年物英国債利回り:4.693%(▲0.037%)
10年物独国債利回り:2.722%(▲0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済)
(前期比) ▲0.3% ▲0.1%
(前年同期比) 0.2% 0.4%
4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整前)
(前年同期比) ▲0.2% 0.0%
8月仏企業景況感指数
96 96
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は急落。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議)での講演を控えて、しばらくは148円台半ばでのもみ合いが続いていたが、パウエル氏の発言が伝わると急落した。
パウエルFRB議長はこの日、「労働市場の安定により、政策を慎重に進めることができる」「関税は長期的なインフレを誘発する可能性がある」「インフレリスクは上昇傾向、雇用は下振れ傾向」と述べた一方、「政策が引き締め的な領域にあるためリスクバランスの変化が政策調整を正当化する可能性がある」などと発言。市場では「利下げ再開を示唆した」との受け止めから、ドル売り・債券買い(金利は低下)・株買いで反応した。ドル円は0時30分前に一時146.58円まで値を下げた。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率は前日の75.0%から90%超まで上昇した。
・ユーロドルは大幅高。米重要イベントを前にしばらくは1.1600ドルを挟んだ狭いレンジ取引が続いていたが、パウエルFRB議長のハト派的な発言をきっかけにFRBが9月に利下げに動くとの観測が再び強まると全般ドル売りが活発化した。2時30分過ぎに一時1.1743ドルまで値を上げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時97.56まで低下した。
なお、FOMCで投票権を有するコリンズ米ボストン連銀総裁は「成長は減速しているものの、経済のファンダメンタルズは比較的堅調」「次回会合で何をするかはまだ決まっていない」「政策は適度に引き締め的であり、適切」などと話した。
・ユーロ円は上値が重かった。欧米株価の上昇を受けて円売り・ユーロ買いが先行すると、22時過ぎに一時172.68円と本日高値を付けた。ただ、ドル円の急落をきっかけに円買い・ユーロ売りが優勢になると171.83円の本日安値まで一転下落した。
・ロンドン株式相場は小幅ながら5日続伸し、史上最高値を更新した。小反落して始まったものの、終盤持ち直した。パウエルFRB議長の発言をきっかけに米国株相場が大幅に上昇すると英株にも買いが波及した。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。売り先行で始まったものの、引けにかけて持ち直した。パウエルFRB議長の発言をきっかけに米国株相場が大幅に上昇すると独株にも買いが入った。個別ではダイムラー・トラック・ホールディング(3.10%高)やザランド(2.83%高)、ブレンターク(2.19%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.94円(前営業日比▲1.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.19円(▲0.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1718ドル(△0.0112ドル)
ダウ工業株30種平均:45631.74ドル(△846.24ドル)
ナスダック総合株価指数:21496.54(△396.23)
10年物米国債利回り:4.25%(▲0.08%)
WTI原油先物10月限:1バレル=63.66ドル(△0.14ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3418.5ドル(△36.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は急反落。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議)での講演を控えて、しばらくは148円台半ばでのもみ合いが続いていたが、パウエル氏の発言が伝わると急落した。
パウエルFRB議長はこの日、「労働市場の安定により、政策を慎重に進めることができる」「関税は長期的なインフレを誘発する可能性がある」「インフレリスクは上昇傾向、雇用は下振れ傾向」と述べた一方、「政策が引き締め的な領域にあるためリスクバランスの変化が政策調整を正当化する可能性がある」などと発言。市場では「利下げ再開を示唆した」との受け止めから、ドル売り・債券買い(金利は低下)・株買いが広がった。ドル円は0時30分前に一時146.58円まで値を下げた。なお、講演前には「パウエル氏が労働市場の減速よりもインフレリスクを重視し、利下げに慎重になる」との見方があった。
もっとも、引けにかけては下げ渋った。一目均衡表雲の上限146.70円や14日の安値146.21円がサポートとして意識されると小幅に買い戻しが入り、緩やかに下値を切り上げた。
・ユーロドルは反発。米重要イベントを前にしばらくは1.1600ドルを挟んだ狭いレンジ取引が続いていたが、パウエルFRB議長のハト派的な発言をきっかけにFRBが9月に利下げに動くとの観測が再び強まると全般ドル売りが活発化した。2時30分過ぎに一時1.1743ドルまで値を上げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時97.56まで低下した。
なお、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は「サービスインフレが高止まりしていることから、追加利下げのハードルは高い」との見解を示したと伝わった。
・ユーロ円はほぼ横ばい。欧米株価の上昇を背景に円売り・ユーロ買いが先行すると一時172.68円と本日高値を付けたものの、ドル円の急落に伴う売りが出ると171.83円の本日安値まで一転下落した。ただ、引けにかけてはじりじりと買い戻しが入り、172.29円付近まで持ち直した。NY市場では大きな方向感は出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発し、史上最高値を更新した。パウエルFRB議長の発言を受けて、利下げ期待が強まると幅広い銘柄に買いが広がった。米長期金利が大幅に低下したことで、株式の相対的な割高感が薄れたことも相場の支援材料となり、指数は一時970ドル超上昇した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。パウエルFRB議長が講演で利下げ再開の可能性を示唆すると、債券買いが優勢となった。
・原油先物相場は小幅に続伸。露ウクライナ情勢を見守る状況で引き続き動きが出にくかった。様子見を誘っていたもう1つの注目イベントだったパウエルFRB議長のジャクソンホール講演はハト派な内容となりドル売りを促し、ドル安がドル建て原油価格の割安感につながり下支えとなった面はあったものの、強い方向感につながらなかった。
・金先物相場は大幅に反発。注目イベントのパウエルFRB議長講演はハト派的と受け止められた。米金利は急低下し、ドルが急落。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味回復や、ドル建て金価格の割安感が支援となり相場を押し上げた。
格付け会社フィッチは22日、米国の格付け「AA+」を確認したと発表した。また、見通しは「安定的」とした。
米格付け会社ムーディーズは22日、オーストリアの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。
22日06:57 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「中央銀行の独立性は極めて重要」
「9月のFOMC会合はライブだ」
「最新のインフレデータは良くなかった」
「FRBにはまだデータを集める時間がある」
「スタグフレーションショックへの対応は非常に難しい」
22日11:02 コンウェイNZ準備銀行(RBNZ)チーフエコノミスト
「第2四半期の経済の弱さは一時的」
22日22:18 コリンズ米ボストン連銀総裁
「成長は減速しているものの、経済のファンダメンタルズは比較的堅調」
「不確実性がすべて解消されるのを待つことはできない」
「最大の懸念はインフレ状況だが、もちろん雇用面にも目を向けている」
「インフレの上振れリスクと下振れリスクがある」
「次回会合で何をするかはまだ決まっていない」
「政策は適度に引き締め的であり、適切」
22日22:54 ナーゲル独連銀総裁
「ドイツでさらなる景気後退を予想」
「インフレはもはや重要ではないと考えている」
「中央銀行の独立性の重要性を改めて強調」
「金利に関して更なる措置を取るべきだという議論はあまり見当たらない」
「ユーロの水準は長期的平均に近く、懸念材料にはならない」
22日23:02 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「リスクバランス変化が政策調整を正当化する可能性」
「状況は雇用の下振れリスクを示唆」
「FRBは困難な状況に直面している」
「FRBの政策金利は、私の見解ではやや引き締め的」
「労働市場の安定により、慎重に進めることができる」
「FRBは2020年の柔軟な平均インフレ目標枠組みを放棄」
「雇用の下振れリスクが高まっている」
「関税は長期的なインフレを誘発する可能性がある」
「金利が依然として引き締め的であるため、政策調整は正当化される可能性がある」
「長期的なインフレ期待はしっかりと固定されているように見える」
「インフレリスクは上昇傾向、雇用は下振れ傾向」
「関税による価格への影響は今後数カ月で蓄積される」
「関税による消費者物価への影響は今や明確に現れている」
22日23:19 トランプ米大統領
「クック米連邦準備理事会(FRB)理事が辞任しなければ解任する」
23日02:52
「インテルは政府による10%出資に同意した」
23日00:40 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「インフレ率は高すぎる」
「失業率は引き続き上昇する可能性がある」
「インフレを抑制するため、概ね引き締め的な政策を維持する必要」
「9月の会合までに、さらに多くのデータが得られる」
※時間は日本時間
25日
○14:00 ◇ 6月景気動向指数改定値
26日
○08:50 ◇ 7月企業向けサービス価格指数
28日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◎ 中川順子日銀審議委員、あいさつ
29日
○08:30 ◎ 7月完全失業率
○08:30 ◎ 7月有効求人倍率
○08:30 ◎ 8月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
○08:50 ◎ 7月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 7月商業販売統計速報(小売業販売額)
○14:00 ◇ 7月新設住宅着工戸数
○14:00 ◇ 8月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
25日
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)小売売上高
○14:00 ◎ 7月シンガポール消費者物価指数(CPI)
○17:00 ◎ 8月独Ifo企業景況感指数
○23:00 ☆ 7月米新築住宅販売件数
○26日04:15 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○英国(サマーバンクホリデー)、休場
26日
○08:15 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○10:30 ◎ 豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(8月12日分)
○13:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、あいさつ
○15:45 ◇ 8月仏消費者信頼感指数
○19:45 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○21:30 ◎ 7月米耐久財受注額
○22:00 ◇ 6月米住宅価格指数
◇ 4-6月期米住宅価格指数
○22:00 ◎ 6月米ケース・シラー住宅価格指数
○23:00 ◎ 8月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○23:00 ◎ 8月米消費者信頼感指数
○27日02:00 ◎ 米財務省、2年債入札
27日
○10:30 ◎ 7月豪消費者物価指数(CPI)
○15:00 ◇ 9月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 7月メキシコ貿易収支
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○28日01:00 ◎ 7月ロシア失業率
○28日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○10:00 ◇ 8月ANZ企業信頼感
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表
○10:30 ◇ 4-6月期豪民間設備投資
○16:00 ◎ 4-6月期スイス国内総生産(GDP)
○16:00 ◇ 7月トルコ貿易収支
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏経済信頼感指数
○18:30 ◇ 7月南アフリカ卸売物価指数(PPI)
○19:30 ◎ 7月インド鉱工業生産
○20:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月23-24日分)
○21:00 ◇ 7月メキシコ失業率
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ経常収支
○21:30 ☆ 4-6月期米GDP改定値
◎ 米個人消費/コアPCE改定値
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:00 ◎ 7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
○29日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
29日
○07:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○15:00 ◎ 4-6月期スウェーデンGDP
○15:45 ◇ 7月仏消費支出
○15:45 ◇ 8月仏CPI速報値
○15:45 ◎ 4-6月期仏GDP改定値
○15:45 ◇ 7月仏PPI
○16:00 ◇ 8月スイスKOF景気先行指数
○16:00 ◇ 7月トルコ失業率
○16:55 ◎ 8月独雇用統計
○18:00 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○19:30 ☆ 4-6月期インドGDP
○21:00 ◎ 7月南アフリカ貿易収支
○21:00 ◎ 7月独CPI速報値
○21:30 ☆ 6月カナダGDP
☆ 4-6月期カナダGDP
○21:30 ◎ 7月米個人消費支出(PCE)
◎ 7月米個人所得
☆ 7月米PCEデフレーター
☆ 7月米PCEコアデフレーター
○21:30 ◇ 7月米卸売在庫
○22:45 ◎ 8月米シカゴ購買部協会景気指数
○23:00 ◎ 8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
31日
○10:30 ◎ 8月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、月次CPIと4-6月期民間設備投資に注目
◆NZドル、利下げ継続で上値が重い
◆ZAR、底堅さを維持しそう
予想レンジ
豪ドル円 93.00-96.50円
南ア・ランド円 8.30-8.50円
8月25日週の展望
豪ドルは上値が重くなりそうだ。市場では9月の米連邦公開市場委員(FOMC)での利下げを織り込みつつあるが、米国のインフレ懸念が高止まりしていることもあり、年後半の米連邦準備理事会(FRB)の金融政策には不透明感がある。また、日銀は米国からの利上げ圧力を受けている状況。その中で、豪州、NZはともに、利下げ継続の可能性が高く、対ドル、対円ともに上値の重しになっている。来週の豪州からのイベントは、26日に11-12日に行われた豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨が公表される。ここ最近は理事会直後に発表される声明文と議事要旨の間では、大きな差がなく、市場の反応は限られているが、更に利下げに対して積極的な発言が明らかになった場合は豪ドル売りを促しそうだ。経済指標では27日の7月消費者物価指数(CPI)、28日の4-6月期民間設備投資に注目が集まる。月次のCPIは四半期CPIバスケットの6割から7割程度しか含まれていないこともあり、RBAの注目度は低いとされているが、市場が過度に反応することもあるので注意が必要だ。また、民間設備投資は9月3日に発表予定の国内総生産(GDP)の構成要素の一つとなることから注目したい。
ニュージーランド(NZ)ドルは軟調継続を予想している。今週行われたNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC)では、再び政策金利の引き下げに舵を切った。声明文では「中期的なインフレ圧力が予想通りに緩和しつづければ、金利をさらに引き下げる余地がある」とし、今後2回の25bpの公式現金金利(OCR)引き下げの可能性を示唆した。OCRは昨年8月の5.50%から既に3.00%へと引き下げられてきているが、他国よりも利下げが継続される可能性が高く、NZドルは上値が重いだろう。なお、来週は25日に発表される4-6月期の小売売上高に注目している。
南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅さを維持しそうだ。南ア準備銀行(SARB)は前回のMPCでインフレ目標をこれまでの4.5%から3.0%へと引き下げる方針を示した。これに対して与党アフリカ民族会議(ANC)は、支持基盤である労働組合からの圧力もあり、SARB独断の方針変更には賛成していない。インフレ目標の変更は財務相の認可が必要とされているものの、南アは中銀の独立性が確保されている。よって、実質金利の高止まりとともに、今後SARBは利下げを継続するのが難しくなることがZARの支えになるだろう。なお、来週の経済指標では、28日に7月卸売物価指数(PPI)、29日には7月貿易収支が発表される。
8月18日週の回顧
豪ドルは弱含み。米株に調整の売りが入ったことで、リスク回避に敏感な豪ドルの上値が抑えられた。また、NZドルが急落したことも重しとなった。なお、NZドルは、RBNZの声明が市場予想よりもハト派となったことで急落。対ドルでは4月超ぶりとなる0.58ドル前半まで下がったほか、対円でも一時2カ月超ぶりとなる85円台まで下落した。ZARは買いが一服。ただ、対ドル、対円ともに狭いレンジでの取引に終始した。
◆ポンド、7月CPIの伸びが加速し追加利下げの思惑が後退
◆ポンド、景気減速や財政不安で上値は重い
◆加ドル、4-6月期GDP次第では利下げ観測が高まる可能性
予想レンジ
ポンド円 196.50-201.50円
加ドル円 105.00-108.50円
8月25日週の展望
来週、ポンド独自の手掛かりは乏しく、ドルなど外部要因主導の動きが見込まれる。イングランド銀行(英中銀、BOE)の8月会合でのタカ派寄りの利下げや根強いインフレ高などを要因に次回11月会合での追加利下げ期待は後退している。ただ、景気減速や財政不安への懸念も根強いことから、ポンドを積極的に買い進める地合いにはなりにくい。
20日に発表された7月消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%と6月の3.6%から伸びが加速。2024年1月以来の高水準となった。中銀が注視するサービス価格の上昇率も、前月の4.7%から5.0%に上昇した。BOEが追加利下げに踏み切れば、実質金利がマイナス圏に陥るリスクがあるため、景気下支え効果を購買力の毀損が相殺する可能性もある。ただ、8月会合で利下げは5対4の僅差で決定され「超ハト派」のメンバーもいるだけに、年内に追加利下げがあるかは不透明な状況。今後も経済指標の結果を睨みながら政策金利見通しを占うことになる。
また、英4-7月の政府借入額は600億ポンドと、予算責任局(OBR)予測の599億ポンドとほぼ一致した。リーブス英財務相は財政ルールを順守し金融市場を動揺させないためにも秋の予算案で増税か歳出削減に踏み切る可能性が高い。ドイツと英国はいずれも政府借り入れを増やしつつあるが、ドイツが成長拡大を目指しているのに対して、英国は成長を生み出すのに苦労している。
加ドルは4-6月期GDPや6月GDPの結果に注目。19日発表の7月CPIは前年比1.7%と前月の1.9%から予想以上に伸びが鈍化した。コアCPIの3カ月平均も7月に2.4%に鈍化し、昨年9月以来の低水準となった。カナダ中銀(BOC)は7月会合で政策金利を2.75%に据え置くことを3会合連続で決定。次回会合は9月17日の予定だが、市場ではCPIの発表後に利上げの思惑がやや上昇している。ただ、利下げと据え置きの見方は交錯しており、今後の指標結果などで経済状況を見極める展開が続くだろう。GDPの結果次第では利下げ観測が一段と強まる可能性がある。
なお、商品先物取引委員会(CFTC)が発表する主要な先物のみのポジション状況(12日時点)によると、加ドルの売り持ち高は9万枚程度と3週連続で拡大し4月以来の高い水準となった。BOCによる利下げ観測やトランプ政権のカナダに対する厳しい関税で、加ドルの重い動きが見込まれている。
8月18日週の回顧
週を通して22日のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演待ちムードが強く、為替相場全体の値動きは限られたが、全般ドルが底堅い動き。ポンドは強い7月CPIへの反応は限られ、ポンドドルは1.34ドル近辺までやや売りに押され、ポンド円は200円超え水準で上昇が一服した。加ドルは予想比下振れの7月CPIも重しとなり、ドル/加ドルは1.39加ドル台までドル高・加ドル安が進み、加ドル円は106円割れまで売りに押されるなどやや上値の重い動きとなった。
◆ドル円、パウエルFRB議長のジャクソンホール会合での発言を受けた展開
◆米7月PCEデフレーターや8月東京都区部CPIにも注目
◆ユーロドル、8月独Ifo景況感指数やECB理事会議事要旨に注目
予想レンジ
ドル円 145.50-150.50円
ユーロドル 1.1400-1.1800ドル
8月25日週の展望
ドル円は、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言を受けた展開が予想される。14日に公表された7月の卸売物価指数(PPI)が輸入業者による関税分の価格転嫁により大幅に上昇したことから、市場では9月11日に発表される8月の消費者物価指数(CPI)の上振れが警戒されているが、パウエルFRB議長が「価格の安定」に軸足を置いて、8月の物価データを待つといった利下げに慎重なスタンスを示した場合、ドル円は上値トライとなる可能性が高い。
一方、月初の雇用統計ショックを受けて、「雇用の最大化」の方に軸足を置き、昨年のように9月FOMCでの利下げを示唆した場合、ドル円は直近のレンジを下抜ける下落トレンドが見込まれる。
経済指標では、29日に発表されるPCEデフレーターの7月分に注目しているが、市場予想は前年比2.6%。関税による物価上昇は8月まで顕在化しないのかもしれない。
また、今週に入ってトランプ米大統領はクックFRB理事に対して「今すぐに辞任すべき」と発言。米中銀に対し新たな圧力をかけてきた。もしクックFRB理事が辞任した場合、結果的にはパウエルFRB議長の包囲網が更に強化され、利下げ観測が高まることになる。次期FRB議長の人選とともに、関連のヘッドラインなどには警戒しておきたい。
日本国内では、29日に8月の東京都区部CPIが予定されている。この指標は全国CPIの先行指標として注目されているが、7月の2.9%からの伸び率鈍化が見込まれている。ただ、日銀の展望リポートでの2025年度の物価見通し(+2.7%)を上回っている限りは、市場の利上げ観測は後退しないと思われる。また、日本の政局については、8月末を目処に自民党総裁選前倒しの意思確認が行わる予定となっているが、過半数が賛同して総裁選が行われることが決定した場合や、石破首相が総裁選を前にして辞任するような状況となった場合には、次期政権への期待感から日本株高・円安が見込まれている。
ユーロドルは、米国と欧州連合(EU)との関税合意による欧州の景況感悪化が懸念される中、8月の独Ifo景況感指数がZEW景況指数同様に悪化していた場合は、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げ観測が高まることになりそうだ。28日のECB理事会議事要旨にも注目している。
8月18日週の回顧
ドル円は、S&Pが米国格付けの据置きを発表したことで148.11円まで上昇したものの、その後は米長期金利の低下につれたほか、トランプ米大統領がクックFRB理事辞任に言及したことなどを受けて146.87円まで値を下げた。ただ、週末にかけては強い米指標を受けた米金利上昇から148.46円まで反発している。ユーロドルは、週初に1.1717ドルまで値を上げる場面もみられたものの、その後は米国債利回りが上昇に転じたこともあり1.1601ドルまで反落している。
22日の日経平均は4日ぶり反発。終値は23円高の42633円。米国株安を受けても小高く始まったが、場中は方向感に欠ける動きが続いた。開始直後には上げ幅を3桁に広げるも、急失速してマイナス圏に沈むと一気に下げ幅を200円超に拡大。42300円台に入ったところでは切り返し、再びプラス圏に浮上した。開始15分程度で高値と安値をつけると、10時辺りからは前日終値近辺でもみ合う展開。前場は一桁のプラスで終えた。後場はマイナス圏で推移する時間が長く、小幅な下落でクロージングオークションに突入したが、引けにかけて買いが入り、終値ではプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆9500億円。業種別では保険、証券・商品先物、銀行などが上昇した一方、化学、空運、サービスなどが下落した。ステーブルコインに関するリリースを材料に、電算システムホールディングス<4072.T>がストップ高。半面、直近上場のアクセルスペースホールディングス<402A.T>が、一時ストップ安となるなど大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1013/値下がり547。証券会社が目標株価を引き上げたソフトバンクGが4日ぶりに反発して2%近い上昇。ソニーG、レーザーテック、サンリオ、東電HDなどの動きが良かった。戦略的資本業務提携に関する合意書を締結したと発表した東北銀行とSBIHDがそろって大幅高となり、九州FGや西日本FGなど地銀株全体に買いが波及。証券会社がレーティングを引き上げたグローリーが買いを集めた。
一方、東京エレクトロン、アドバンテスト、信越化学など半導体関連の一角が軟調。キーエンスやダイキンなど値がさの一角も弱かった。三菱ケミカルや三井化学など前日の動きが良かった化学株の多くが下落。直近で騰勢を強めていたトレードワークスが急落した。
日経平均は4日ぶりに反発。かろうじてプラスといった動きではあったが、プライムでは値上がり銘柄が多く、TOPIXはプラスで推移する時間が長かった。金融株の動きが良かったが、東北銀行のリリースで地銀株が刺激されたことに加えて、寄り前に発表された7月の消費者物価指数(CPI)が市場予想をやや上回ったことも買い材料になったと思われる。直近でベッセント財務長官が日銀の金融政策について言及したこともあり、日銀がそう遠くないうちに利上げを再開するとの見方が浮上している。来週は金曜29日に8月東京都区部CPIなど経済指標の発表が多い。金融株の動意材料となるかどうかに注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
波乱含みか。米国で水曜27日にエヌビディアが決算発表を予定している。足元で国内半導体株の値動きが不安定となっているだけに、同社の決算が大きな注目を集めることになるだろう。東京市場で結果を消化するのは木曜で、週半ばまでは手がけづらさが意識される。日経平均は8月19日に43876円まで上昇した後は失速しており、プライムの売買代金も減少傾向にあるだけに、「待ち」の姿勢が続く中で市場エネルギーの低下が懸念される。また、エヌビディアの決算が市場に好感される内容であったとしても、国内半導体株が連れ高できるとは限らない点は留意しておく必要がある。一方、日経平均は25日線(22日時点では41602円)近辺まで下げてくれば、調整一巡への期待が高まってくる。上値追いには慎重になるとみるが、深押しするようなら買いは入りやすく、週末まで強弱感が交錯した状態が続くと予想する。
今週の日経225先物は買いが先行して始まり、4万3000円処での攻防が見込まれる。注目された22日のジャクソンホール会議の講演で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、早ければ9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切る可能性を示唆した。これを受けた22日の米国市場では長期金利が低下し、NYダウは大幅高となり史上最高値を更新した。
シカゴ日経平均先物は4万2965円で終えており、週明けはこれにサヤ寄せする形でロング優勢の展開が見込まれる。先週はパウエル議長の講演を前に持ち高調整の動きが強まり、日経225先物は8月19日の4万3930円をピークに、22日には一時4万2310円まで売られた。この大幅な調整に対するリバウンドが意識されて、ショートカバーが入りやすいだろう。
ただし、先週の下落局面でショートは積み上がっていると考えられるが、週前半はロングの解消を迫られたリバランスとみられる。ショートについては4万3000円前半の水準から積み上がった状況であろう。そのため、先週の下落局面を埋めてくる動きは期待しにくいところである。まずは先週に割り込んだボリンジャーバンドの+1σ(4万2920円)を支持線に変え、4万3000円処で底堅さをみせてくるかを見極める必要がありそうだ。
4万3000円を明確に突破してくる局面では、+1σと+2σ(4万4110円)によるレンジに移行する可能性があろう。一方で、4万3000円辺りで戻りの鈍さが意識されてしまうと、次第に戻り待ち狙いのショートを誘う展開となりそうだ。また、今回の調整局面でもパラボリックはSAR値を上回って推移しており、陽転シグナルを続けていた。ただ、SAR値が4万2360円辺りに上昇してきたことで、先週の安値水準まで軟化すると陰転シグナルを発生させてくる。
まずは4万3000円処での攻防から、オプション権利行使価格の4万3000円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万2500円から4万3500円のレンジを想定する。週初はロング先行で始まろうが、パウエル議長講演の通過により、市場の関心は27日に予定されるエヌビディア<NVDA>の決算へと移る。エヌビディアの動向は東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株に大きく影響する。エヌビディアに対して慎重姿勢が高まる局面では、戻り待ち狙いのショートに向かわせよう。
このほか、トランプ政権による半導体関税の行方が積極的な売買を手控えさせる可能性がある。トランプ米大統領は半導体関税を設定すると発言し、当初言及していた100%を上回る「200%か300%」に引き上げる可能性にも言及していた。ただ、欧州連合(EU)とは、米国はEUからの大部分の輸入品に課す関税率を15%とし、半導体や医薬品、木材も15%を上限にするとの共同声明を21日に公表している。半導体関税に対する懸念が和らぐようだと、日経平均型優位の展開が意識されそうだ。
22日の米VIX指数は14.22(21日は16.60)に低下した。週間(15日は15.09)でも低下している。パウエル議長の講演を控えた持ち高調整の流れにより、21日には17.24まで上昇し、25日移動平均線(16.03)を突破して75日線(17.52)に接近する場面もみられた。ただし、22日は急低下し、昨年12月以来の水準に低下した。エヌビディアの決算を控えた変動を意識しつつも、リスク選好に傾きやすいだろう。
8月第2週(8月12日-15日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の買い越しであり、買い越し額は1兆7582億円(8月第1週は3610億円の買い越し)だった。なお、現物は5737億円の買い越し(同53億円の売り越し)と3週ぶりの買い越し。先物は1兆1844億円の買い越し(同3663億円の買い越し)と2週連続の買い越しだった。個人は現物と先物の合算で1兆781億円の売り越しと2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で3085億円の売り越しとなり、7週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、25日に米国7月新築住宅販売件数、米韓首脳会談、26日に米国8月コンファレンスボード消費者信頼感指数、27日に中国1-7月工業企業利益、エヌビディア決算発表、28日に米国4-6月期GDP改定値、29日に7月完全失業率、7月鉱工業生産、米国7月個人所得、米国7月個人消費支出などが予定されている。
<国内>
○14:00 ◇ 6月景気動向指数改定値
<海外>
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)小売売上高(予想:前期比▲0.3%)
○14:00 ◎ 7月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比0.8%)
○17:00 ◎ 8月独Ifo企業景況感指数(予想:88.8)
○23:00 ☆ 7月米新築住宅販売件数(予想:前月比0.5%/63.0万件)
○26日04:15 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○英国(サマーバンクホリデー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は24日、FOXニュースで中央銀行の独立性が損なわれれば経済の混乱と不安定化を招くと警告した。政府が金利決定に関与すれば機能不全に陥るとし、政治圧力を強く牽制した。
植田日銀総裁は23日、ジャクソンホールで開かれた経済シンポジウムで、日本の労働市場は人口減少下でも引き締まった状況が続き、賃金には上昇圧力がかかり続けるとの見方を示した。「労働参加率の上昇やAI活用など構造的な変化が賃金と物価の関係を複雑にしている」と指摘し、供給サイドの動きも踏まえて金融政策を運営すると強調。
市場では直接的な政策示唆は乏しいとしつつも、底堅い経済や高まる賃上げ圧力、米国関税の影響が限定的であることを踏まえ、日銀は段階的な利上げを進める可能性が高いとの見方が強まっている。
ベイリー英中銀(BOE)総裁は週末に米ジャクソンホールでのシンポジウムで講演し、労働力参加率の低下により、英国は長期的な成長力を高めるうえで「深刻な課題」に直面していると警告した。潜在成長率は1%強に引き下げられ、インフレに脆弱な状況と説明。失業率は問題ではなく、労働供給の縮小がインフレを長引かせ政策運営を難しくしていると強調した。
イランの最高指導者ハメネイ師は24日、米国がイランを服従させようとしていると非難し、核開発停止要求に対して「力強く立ち向かう」と表明した。イスラエル攻撃に参戦した米国を批判し、国民の団結で侵略を防ぐと強調。米・イラン協議はイスラエル攻撃で頓挫し、トランプ米大統領はイラン核施設を爆撃し再攻撃も警告している。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42950 +380 (+0.89%)
TOPIX先物 3106.5 +7.0 (+0.22%)
シカゴ日経平均先物 42965 +395
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
22日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。ジャクソンホール会議の講演でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、早ければ9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切る可能性を示唆したことが好感された。長期金利が低下し、NYダウは大幅高となり史上最高値を更新した。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、小売の上昇が目立った。一方で、電気通信サービス、食品・生活必需品小売、食品・飲料・タバコが下落。NYダウ構成銘柄では、キャタピラー<CAT>、ホーム・デポ<HD>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が買われた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、ウォルマート<WMT>、コカ・コーラ<KO>、アムジェン<AMGN>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比395円高の4万2965円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比100円高の4万2670円で始まった。直後につけた4万2660円を安値に、4万2670円~4万2770円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上抜け、一気に4万3100円まで急伸した。買い一巡後は4万2850円~4万3000円辺りでの推移が続き、4万2950円でナイトセッションの取引を終えている。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。パウエル議長の講演を受けた米国市場の流れを引き継ぐ形で、朝方はインデックスに絡んだ買いが集中することになりそうだ。日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの+1σ(4万2920円)を上回って終えており、4万3000円処での攻防が意識されそうである。
4万3000円をクリアしてくるようだと+1σと+2σ(4万4110円)によるレンジに移行することで、ショートカバーを誘うことになるだろう。一方で、買い一巡後に4万3000円辺りでの上値の重さが意識されてくると+1σ水準での推移となり、次第に戻り待ち狙いのショートに向かわせそうだ。
為替市場では米国の9月の利下げを織り込む形で1ドル=146円台後半と、円高に振れて推移している。輸出関連株などは買い一巡後に利食いの動きが強まりやすいとみられ、相対的に日経平均型優位の展開になりやすい。ただし、指数インパクトの大きい値がさハイテク株についても、今週はエヌビディア<NVDA>の決算を控えていることで、積極的な買いは入れにくいところである。そのため、まずは4万3000円辺りでの底堅さを見極めることになりそうである。
4万3000円辺りでの攻防が続くようだと戻り待ち狙いのショートとしつつも、+1σ近辺では押し目値狙いのロング対応に向かわせやすいだろう。オプション権利行使価格の4万2750円から4万3250円辺りのレンジを想定しておきたい。
22日の米VIX指数は14.22(21日は16.60)に低下した。21日には17.24まで上昇し、25日移動平均線(16.03)を突破して75日線(17.52)に接近する場面もみられた。ただし、22日は急低下し、昨年12月以来の水準に低下したことで、リスク選好に傾きやすいだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.73倍(21日は13.81倍)に下落した。パウエル議長の講演を控えた持ち高調整の売りが影響し、-1σ(14.02倍)を割り込み-2σ(13.69倍)に接近してきた。方向性としては下向きだが、エヌビディアの決算を前に値がさハイテク株に買い戻しの動きがみられるようだと、NTショートの巻き戻しが強まりそうだ。
先週末の海外市場では、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米カンザスシティー連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議)での講演で、市場が「利下げ再開を示唆した」との受け止めから、ドル売り・債券買い(金利は低下)・株買いが広がった。ドル円は一時146.58円まで値を下げ、ユーロドルが1.1743ドルまで値を上げた。
本日の東京時間でのドル円は、上値が限定的か。日米の金融政策の方向性の違い(金利差縮小)を背景としたドル売り・円買いや、FRBの独立性が危惧されていることがドルの重しとなりそうだ。
先週末のジャクソンホール会合では、昨年に引き続きパウエルFRB議長が年後半からの利下げを示唆した。昨年の同会合でパウエル議長は、「政策を調整する時が来た」と高らかに利下げに舵を切ることを宣言。それと比較すると今年は、弱めのトーンではあったものの、FRBの2大責務の1つ「雇用の最大化」について、「雇用の下振れリスクが高まっている」との認識を示した。なお、もう1つの「物価の安定」については「長期的なインフレ期待はしっかりと固定されているように見える」と言及している。
パウエルFRB議長は、現状の政策金利をやや引き締め的との判断も下した。7月雇用統計時に発表された過去2カ月分の修正値が大幅に下方修正されたことで、これまでよりも「雇用の最大化」の責務が現時点ではFRBが重きを置くことを明示したといえよう。
さらに金融市場が休場の23日には、植田日銀総裁がジャクソンホールで「賃金には上昇圧力がかかり続けると見込まれる」と発言。FRBが利下げに傾く一方で、日銀の利上げ期待が高まる。今月13日にベッセント米財務長官が日銀への利上げ圧力と捉えられる発言をし、米国からの圧力もかかっていることで、日銀が利上げ路線に動く可能性は高い。日米の金融政策の方向性の相違(日米金利差の縮小)を背景に、為替相場はドル売り・円買いの傾向に戻りそうだ。
FRBの独立性が懸念されていることも、ドルの上値を抑える要因。先週末にトランプ米大統領は、「クックFRB理事が辞任しなければ解任する」と発言した。クック理事の辞任問題は、トランプ政権の内部から、同氏の住宅ローンをめぐる不正の追及が起こったことがきっかけだ。これを主導しているのはボンディ司法長官と米連邦住宅金融局(FHFA)のパルト局長とされ、両者ともにトランプ米大統領への忠誠心が高いことで知られている。
トランプ米大統領が、ここまでクック氏をFRB理事から追い出したいのは理由がある。現時点で7名のFRB理事の中でハト派(トランプ派)とされているのが、ボウマン副議長とウォーラー理事。これにまだ上院で承認されていないが、米大統領経済諮問委員会(CEA)ミラン委員長が来年1月まで暫定的に理事に指名されている。来年5月15日の任期でパウエル議長が議長職とともに理事を辞任すれば、過半数となる4名のトランプ派が占めることになる。しかしながら、パウエル氏が議長辞職とともに理事も辞めるという慣例を破って、2028年1月末まである理事職に居座る可能性が出てきた。トランプ大統領は金融政策もコントロールしたいため、自分の意向を組んでもらえないFRB理事のあら探しで、クック氏の住宅問題を追及している。
しかもクック氏は民主党支持者というだけではなく、FRB理事の任期満了時期が7人の中で最後になる2038年の1月末まで残されている。同氏が辞任すれば、暫定的なFRB理事就任ではなく、トランプ大統領に対してより忠誠心の高い人物を、長期的に次期理事として任命できる。大統領の思惑通りになれば、FRB独立性が完全に失われるという危機がドルの重しとなるだろう。
東京市場は堅調か。先週末の米国株は上昇。ダウ平均は846ドル高の45631ドルと値幅を伴った上げとなり、史上最高値を更新した。パウエルFRB議長がジャクソンホール会議の講演で、雇用の下振れリスクに言及。市場は9月の利下げを強く意識した。米国の長期金利が大きく低下しており、為替市場では円高(ドル安)が進行。ドル円は足元146円90銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが395円高の42965円、ドル建てが410円高の42980円で取引を終えた。
米国株の大幅高を好感した買いが入ると予想する。ただ、円高が進んでいる分、米国株に比べると上昇の度合いはマイルドになると思われる。パウエルFRB議長は9月の利下げを明言したわけではなく、先々で出てくる米国の経済指標次第では早期の利下げ期待が大きく後退することもあり得る。日経平均は先週大きく調整しており、見直し買いは入りやすいが、本日の米国株も見極めたい局面だけに、高く始まった後は模様眺めムードが強まるだろう。日経平均の予想レンジは42800-43100円。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は独紙に寄稿し、「米国と合意した新たな貿易協定について「強固で不完全ではあるが、破壊的な貿易戦争を防ぐ」と擁護した。米国との対立は欧州の労働者や産業を損なうだけでロシアや中国を利することになると指摘。協定は15%の包括的関税体系により欧州企業に比較的有利な米国市場アクセスを保証し、すでに自動車関税の削減や鉄鋼・アルミ分野での緩和の可能性を含む。一方、ワインや蒸留酒は対象外で、欧州議会や産業界からは不満も出ているが、ドイツのメルツ首相も「全面的な貿易戦争よりは望ましい」と支持を表明した。
先週末の海外市場では、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演内容が伝わるやいなや、ドル全面安。インフレリスクが上昇傾向にあるなか、雇用は下振れ傾向といった困難な状況にあるとの認識の上で、雇用の下方リスクの高まりを特に指摘。リスクバランスの変化が政策調整を正当化する可能性があることに言及しました。他のトランプ米大統領に忖度していないFOMCメンバーからは「政策の調整にはまだまだ慎重な姿勢が必要」との発言が相次ぐなかでの、利下げ示唆となったことから米長期金利の急低下とともにドル売りの反応となったといったところ。ドル円は一時146.58円まで売り込まれることになりました。ただ、引けにかけては147.00円まで買戻されて週末のNY市場を終えました。週明けのアジア市場では、ゴトー日ということもあってか、早朝に146.80円まで下押ししたものの、本邦実需の買いが先行。一時147.53円まで買戻されています。
いずれにしても、ドル円は、先週末から146.60円と146.58円の2回、そして、今朝方の146.80円と147円割れでの買い意欲の強さを確認したようなかたちとなっているわけで、目先は一目転換線が位置する147.50円が意識されているといったところ。9月FOMCまでには、まだまだ7月米PCEコアや8月米雇用統計、そして8月米CPI、PPIなどの指標を見極める必要があるのも事実。7月PPIが跳ね上がっていたことからもわかるように、企業側が相互関税分をようやく転嫁し始める動きとなっているなか、今後はジャクソンホールで言及された「リスクバランスの変化」が本当に起きているのかどうか確認することになります。FedWatchでの利下げ確率が、完全に織込まれる水準まで達していないところをみると、まだまだ、関税に関するclarityをしっかりと見いだせないままでいるのかもしれません。
日経225先物は11時30分時点、前日比340円高の4万2910円(+0.79%)前後で推移。寄り付きは4万3150円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2965円)を上回り、買い先行から始まった。現物の寄り付き直後には4万3200円まで上げ幅を広げている。ただ、買い一巡後は中盤にかけて戻り待ち狙いのショートとみられる動きによって4万2790円まで下押した。終盤は押し目待ち狙いのロングにより、4万2900円~4万2950円辺りで推移。
日経225先物はナイトセッションでつけた高値(4万3100円)を上回り、ショートカバーを誘う形から始まった。4万3200円まで買われた後はボリンジャーバンドの+1σ(4万2910円)水準での攻防となるなかで、同バンドを割り込んだことでショートを誘う形になったようである。4万2790円まで押した後の切り返しによってカバーは一巡したとみられるが、+1σ水準で上値を抑えられる状況が続くと、新たなショートを誘いそうである。
NT倍率は先物中心限月で13.79倍に上昇した。一時13.85倍をつけたが、75日移動平均線(13.85倍)に上値を抑えられる形となり、NTショートに振れやすい状況である。
本日の欧州為替市場でユーロドルは、ロンドン勢がサマーバンクホリデーでほぼ不在のなか、時間外の米債利回りを眺めながら上下する展開か。経済指標は、8月独Ifo企業景況感指数が発表予定。
先週末にユーロドルは1.15ドル後半まで売られたところから、1.17ドル半ばまで反発。注目されたジャクソンホール会議におけるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演は、「利下げ再開を示唆」と市場に受け止められた。米金利の低下とともにドルは全面安となり、一時98.80を超えていたドルインデックスも97.60割れまで低下する場面があった。
週明け東京市場は、先週末の反動からドル買いが先行。もっとも米金利先安観に大きな変化はなく、再びパウエルFRB議長の講演内容が意識された、つまりドルの上値が重い動きが想定される。くわえて、トランプ米大統領のFRB人事への過度な圧力も、中銀独立性を揺るがす問題であり、ドルを積極的に買えない要因とされそうだ。
日本時間17時に発表される8月独Ifo企業景況感指数は市場予想が88.8と、前回から若干の上振れが見込まれている。期待に沿った結果であれば、昨年5月以来の高い水準となる。先週発表されたドイツの8月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は、50に僅かに迫る水準まで改善してきた。4-6月期国内総生産(GDP)改定値は総じて弱かったものの、足もとの景気の強さが確認できれば、ユーロの底堅さにつながるのではないか。
想定レンジ上限
・ユーロドル、7月7日高値1.1790ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、21日移動平均線1.1620ドル
ドル円:1ドル=147.29円(前営業日NY終値比△0.35円)
ユーロ円:1ユーロ=172.35円(△0.16円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1701ドル(▲0.0017ドル)
日経平均株価:42807.82円(前営業日比△174.53円)
東証株価指数(TOPIX):3105.49(△4.62)
債券先物9月物:137.50円(▲0.05円)
新発10年物国債利回り:1.615%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月景気動向指数改定値
先行指数 105.6 106.1
一致指数 116.7 116.8
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。先週末に急落した反動から早朝のオセアニア市場では買い戻しが先行。日経平均株価が大きく上昇したことも支えに一時147.53円まで値を上げた。もっとも、その後は株価が上げ幅を縮めたこともあり買いは一服。米早期利下げ観測が一段と高まるなかで戻りを売りたい向きも多く、一巡後は147.10円台まで上げ幅を縮めた。
・ユーロ円も強含み。ドル円の上昇や日本株高を支えに円売り・ユーロ買いが強まり、一時172.58円まで上昇した。その後はドル円と同様の展開となるなど買いは一服した。
・ユーロドルは弱含み。対円でのドル高や米長期金利の上昇などが重しとなり、一時1.1694ドルまで下押しした。一巡すると売りは一服したが、反発力も弱かった。
・日経平均株価は続伸。先週末の米国株が大幅に上昇した影響から買いが優勢となり、指数は一時500円超上昇した。ただ、一巡後は利食い売りに押される形で上げ幅を縮めた。
・債券先物相場は続落。米早期利下げ観測から先週末の米国債券相場が急伸した影響から137.65円まで上昇してスタート。ただ、日銀の早期利上げ観測も高まるなかで一巡後は売りが優勢となり、マイナス圏に沈む場面も見られた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、4-6月期の決算発表を終えた日本では9月18~19日に開催予定の日銀金融政策決定会合に注目が集まると考えている。8月22日に発表された7月CPI(総合)は、日銀が物価安定の目標とする2%を40ヵ月連続で上回った。三菱UFJMSでは、年内の利上げが意識される局面では、三井住友<8316.T>やみずほ<8411.T>などメガバンクを中心とした銀行株に再度注目が集まる可能性があるとみている。地銀でも再編期待の高まりや外資系投資会社の大量保有が判明している例もみられるだけに、銀行株への投資家の関心は引き続き高いと考えている。
HSBCグローバルリサーチは最新リポートで、2025年末時点の上海総合指数の目標値を3700ポイントから4000ポイントに引き上げた。滬深300指数(CSI300指数)は4300ポイントから4600ポイントに、深セン成分指数は11500ポイントから13000ポイントにそれぞれ引き上げた。『AAストックス』が25日伝えた。
HSBCは、国内の潤沢な資金が足元の株価上昇を支えており、預金からのシフトやファンドの発行、保険資金の流入などが主な資金源になっているとした。また、注目すべき投資テーマとして、中国資金による中国資産買い、人工知能(AI)、中国企業の走出去(海外展開)、反内巻(過当競争の抑制)の4つを挙げた。
中国人民銀行(中央銀行)は22日、中期貸出制度(MLF)を通じて25日に6000億元を供給すると発表した。償還期間は1年。『経済通』によれば、8月26日にMLF資金3000億元が償還期限を迎えることから、同月のMLF操作は差し引き3000億元の供給超過となる。6カ月連続で供給超過となり、市場予想と一致した。
8月25日の公開市場操作では、7日物リバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)で2884億元(金利1.4%)が供給され、同日に償還された2665億元との差し引きで219億元の供給超過だった。
SMBC日興証券では、2025年度内のコアCPI(消費者物価指数)は+2~3%台前半での推移が続くとみるものの、2026年度は+1%台半ばまで低下すると予想している。日銀の次回利上げ時期の市場予想は、今年10月か来年1月に大きく二分した状態が続いているとのこと。SMBC日興では、米国の関税政策による経済への影響が今年度後半に明確になるとの見方から、10月時点での政策変更は利上げ以降に想定外に景気が変動するリスクがあると指摘。150円/ドルを大きく上回る円安進行が生じなければ、年内に追加利上げを行う可能性は小さいのではないだろうかとコメントしている。
中国の国務院(内閣に相当)は22日に開いた常務会議で、「大規模設備更新と消費財の以旧換新(買い替え促進)」政策の実施状況を聞き取った。同政策は、投資の安定、消費拡大、モデル転換、民生改善などの面で明確な成果を上げたものの、同時に統合調整を強化し、実施の仕組みを改善して内需を拡大する作用をさらに発揮させる必要があると指摘。補助金をだまし取る行為や不正受給を厳しく取り締まり、補助金が確実に適切に使われ効果を上げるようにすると表明した。さらに財政・税制・金融などの政策支援を強化し、消費・投資の新しいシーンを創出し、消費・投資環境を最適化し、総合的な施策で内需の潜在力を引き出す必要があるとした。
国務院は2024年3月に同政策の「行動方案」を発表。同年下半期から年末にかけて、同法案に基づいた措置が各地方で展開された。25年1月には同政策を拡大実施する方針を明らかにした。
2025年8月22日、パウエルFRB議長は、カンザスシティー地区連銀が開催した第48回ジャクソンホール会合での講演で、インフレ懸念が残る中でも労働市場へのリスクが高まっていることを指摘し、「政策が景気抑制的な領域にある現状では、基本見通しとリスクバランスの変化が、政策スタンスの調整を正当化する可能性がある」と述べ、慎重ながらも9月のFOMCでの利下げの道を開いた。
1.2大責務両方のバランス:雇用の最大化>物価の安定
【物価の安定】
「トランプ関税が持続的なインフレを引き起こす可能性に対し、政策当局者は警戒を怠るべきではない」
「関税の消費者物価への影響は今や鮮明になったが、影響は比較的短期にとどまるというのが妥当な予想だ」
「関税による物価上昇圧力がより持続的なインフレ力学をもたらす可能性もあり、それは精査と管理が必要なリスクだ」
【雇用の最大化】
「労働力需給の両面で顕著な鈍化が見られ、やや奇妙な均衡状態にある」
「7月の雇用統計では、ここ数カ月の雇用者数の伸びが従来の発表値より大幅に弱いことが示された」
「この異例な状況は雇用に対する下振れリスクが高まっていることを示唆している」
「そうしたリスクが現実化した場合、レイオフの急増や失業率の上昇という形で一気に表れる可能性がある」
2.ジャクソンホール会合での金融政策示唆
■1998年:グリーンスパン第13代FRB議長は、ロシア危機とLTCM危機への対応策を協議した。
■1999年:バーナンキ米プリンストン大学教授(後の第14代FRB議長)は、山口日銀副総裁(当時)と日本銀行のバブルに対する金融政策に関して論争した。
■2010年:バーナンキ第14代FRB議長は、「経済見通しと金融政策で、量的金融緩和政策第2弾(QE2)の導入を示唆し、11月のFOMCでQE2が導入された。
■2014年:ドラギ第3代ECB総裁は、量的金融緩和政策の導入を示唆し、後に導入した。
■2016年:イエレン第15代FRB議長は「FRBの金融政策手段」で「利上げへの論拠が強まった」と発言し、12月のFOMCで利上げを実施した。
■2018年:パウエル第16代FRB議長(以下パウエルFRB議長)は、「自然利子率の推定はかなり不確実である」と述べた。
■2020年:パウエルFRB議長は、「平均インフレ目標」の導入により、「雇用の最大化」に包摂的な意味を加えた。
■2021年:パウエルFRB議長は、年内の早期テーパリング(資産購入の段階的縮小)開始を示唆した。
■2022年:パウエルFRB議長は、金融引き締めを「やり遂げるまでやり続けなければならない」と述べ、利上げを継続する姿勢を鮮明にした。
■2023年:パウエルFRB議長は、「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある。インフレが目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで、政策を景気抑制的な水準に据え置く考えだ」と述べた。
■2024年:パウエルFRB議長は、「政策を調整する時が来た。方向性は明確であり、利下げのタイミングとペースは今後入手するデータ、変動する見通し、そしてリスクバランスに左右される」と述べた。9月FOMCでは、0.50%の大幅利下げを断行した。
■2025年:パウエルFRB議長は、「政策が景気抑制的な領域にある現状では、基本見通しとリスクバランスの変化が、政策スタンスの調整を正当化する可能性がある」と述べ、た。9月FOMCでの利下げに道を開いた。
大阪9月限
日経225先物 42770 +200 (+0.46%)
TOPIX先物 3103.0 +3.5 (+0.11%)
日経225先物(9月限)は前日比200円高の4万2770円で取引を終了。寄り付きは4万3150円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2965円)を上回り、買い先行から始まった。現物の寄り付き直後には4万3200円まで上げ幅を広げている。ただ、買い一巡後は前場中盤にかけて戻り待ち狙いのショートとみられる動きによって4万2790円まで下押した。
前場終盤には押し目待ち狙いのロングにより4万2950円まで切り返す場面もみられたが、ランチタイムで前場につけた安値を割り込み、後場開始直後には4万2670円まで上げ幅を縮めた。終盤にかけて持ち直す動きもみられたが、戻りの鈍い展開だった。
日経225先物はナイトセッションでつけた高値(4万3100円)を上回り、ショートカバーを誘う形から始まった。4万3200円まで買われた後はボリンジャーバンドの+1σ(4万2910円)水準での攻防となるなか、同バンドを割り込んだことでショートを誘う形になったようである。前場中盤にかけての切り返しによってカバーは一巡し、その後は+1σを下回っての推移が続いたことで、押し目待ち狙いのロングを手控えさせた。
週足のボリンジャーバンドは、上向きで推移する+1σ(4万2270円)と+2σ(4万4070円)とのレンジ内での推移を続けている。4万3000円辺りでの上値の重さがみられるなかでは、+1σ水準を試す動きが意識されそうである。
なお、ナイトセッションでは日足の+1σが4万2980円辺りまで切り上がってきたため、4万3000円水準では戻り待ち狙いのショートを一段と誘いそうである。そのため、オプション権利行使価格の4万2250円から4万3250円のレンジを想定。
NT倍率は先物中心限月で13.78倍に上昇した。一時13.85倍をつけたが、75日移動平均線(13.85倍)に上値を抑えられる形となった。本日は相対的にTOPIX型の弱さが目立ったものの、先週末に大きく低下したリバランスにとどまっており、方向性としてはNTショートに振れやすい状況だろう。エヌビディア<NVDA>の決算を前に、値がさハイテクに買い戻しが入るかを見極めたいところだろう。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9932枚、ソシエテジェネラル証券が1万4290枚、サスケハナ・ホンコンが4058枚、JPモルガン証券が3592枚、バークレイズ証券が2449枚、ビーオブエー証券が1588枚、モルガンMUFG証券が1341枚、BNPパリバ証券が1178枚、野村証券が940枚、SBI証券が939枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万6509枚、ソシエテジェネラル証券が2万1651枚、バークレイズ証券が5251枚、モルガンMUFG証券が4400枚、JPモルガン証券が4290枚、ビーオブエー証券が2659枚、ゴールドマン証券が2278枚、みずほ証券が1537枚、サスケハナ・ホンコンが1432枚、シティグループ証券が1430枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、先週末のジャクソンホール会合でパウエルFRB議長が「物価の安定」よりも「雇用の最大化」に軸足を置いたハト派的な見解を示したことで、タカ派のローガン米ダラス連銀総裁の講演に注目する展開となる。
タカ派のローガン米ダラス連銀総裁は、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での投票権はないものの、これまで「インフレ率を持続的に目標に戻すためには、もっと長く金融政策を引き締め気味に維持しなければならないというのが基本シナリオ」を維持しており、本日の発言に要注目となる。
ローガン米ダラス連銀総裁は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターが6月以降に加速する可能性を示唆しており、今週末発表される7月のPCEデフレーターにも要注目となる。
これまでのところ、9月FOMCでの利下げの可能性に言及しているのは、グールズビー米シカゴ連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は労働市場への懸念を表明しているものの、0.50%の大幅利下げには反対している。
据え置きスタンスを表明しているのは、ハマック米クリーブランド連銀総裁、コリンズ米ボストン連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁らとなっている。
また、引き続きトランプ米大統領による突発的な発言にも警戒しておきたい。トランプ米大統領は、先週まで、クックFRB理事に対して辞任すべきと圧力をかけ、クックFRB理事が辞任を拒否したことで、解任すると圧力を強めていた。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、148.39円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、146.58円(8/22安値)
中国の国務院(内閣に相当)は22日に開いた常務会議で、潜在的なスポーツ消費を活性化させ、スポーツ産業の質の高い発展をさらに推進する措置を検討した。スポーツ消費需要を喚起し、消費シーンを拡大するため、各地でスポーツ消費イベントを開催することを奨励し、消費に利得が伴う措置を実施する。国民消費の高度化するニーズをよりよく満たすことを目指す。さらに、市場の力を活用してスポーツ産業の発展と消費規模の拡大を促し、スポーツ事業主体の活力を高めるとした。
常務会議は、スポーツ産業とスポーツ消費の発展を「内需拡大戦略の実行にとって重要な内容」だと位置付けた。スポーツ製品の供給を増やし、スポーツイベントや活動を充実させ、スポーツ用品の高度化を推進し、産業要素の支えを強化し、サービス保障水準を高めることで、スポーツ産業の成長点を育成し、現代的なスポーツ産業体系の構築を加速させなければならないとした。
今週のNY市場はエヌビディアの決算発表とインフレ指標に注目。先週はダウ平均が685.62ドル高(+1.53%)、S&P500が0.27%高とともに3週続伸した一方、ナスダック総合が0.58%安と3週ぶりに反落した。金曜日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え、木曜日まで軟調に推移したが、パウエルFRB議長が講演で9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性を示唆したことで金曜日に大幅高となった。ダウ平均は終値で今年初めての最高値を更新し、S&P500も取引時間中の史上最高値に肉薄した。パウエルFRB議長発言を受けて利下げ期待が高まり、CMEのフェドウォッチ・ツールの9月利下げ確率は約85%に上昇した。月初来ではダウ平均が3.40%高、S&P500が2.01%高、ナスダック総合は1.77%高となり、例年はパフォーマンスが低調な8月としては異例の大幅高となっている。
今週は9月FOMCでの利下げ見通しが引き続き支援となることが期待されるが、半導体大手のエヌビディアの決算発表に注目が集まるほか、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する7月個人消費支出(PCE)価格指数が焦点となりそうだ。先週はハイテク・ジャイアントに利益確定の動きも見られたが、AIラリーの持続性を巡り水曜日引け後に発表されるエヌビディアの決算実績やガイダンスに注目が集まる。金曜日に発表される7月個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数が前年比+2.9%と6月分の+2.8%から伸びが加速すると予想されているが、おおむね予想通りとなれば利下げ期待が維持されそうだ。このほかの経済指標は6月S&Pケースシラー住宅価格指数、8月消費者信頼感指数、4-6月期国内総生産(GDP)改定値、8月ミシガン大消費者信頼感指数確報値など。
今晩の米経済指標・イベントは7月建設許可件数改定値、7月シカゴ連銀全米活動指数、7月新築住宅販売件数、8月ダラス連銀製造業景況指数など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は続伸。買い先行ながらも10日移動平均線(43022円 8/25)や一目均衡表の転換線(43103円 同)などに上値を抑えられ、陰線で終えた。
RSI(9日)は前日の59.5%→51.2%(8/25)に低下。5日移動平均線(42897円 同)など短期線が下向きに変化している点が反発時に伸び悩む要因となる。引き続き、上値へのトレンドフォローが基本スタンスである。ただ、8/14安値をいったん下回ったことで25日移動平均線(41719円 同)付近まで下落余地が拡大する可能性も依然として高い局面である。
上値メドは、10日移動平均線、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円、45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、8/22安値(42331円)、7/24高値(42065円)、心理的節目の42000円、25日移動平均線、心理的節目の41000円や40500円などがある。
(25日終値:26日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.56円(25日15時時点比△0.27円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.85円(▲0.50円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1646ドル(▲0.0055ドル)
FTSE100種総合株価指数:休場
ドイツ株式指数(DAX):24273.12(▲89.97)
10年物英国債利回り:休場
10年物独国債利回り:2.757%(△0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独Ifo企業景況感指数
89.0 88.6
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。前週末にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けてドル売りが進んだ反動が出た。「トランプ米政権が欧州連合(EU)のデジタルサービス法を巡って、EUおよびEU加盟国の政府関係者へのビザ制裁を検討中」との報道が伝わったことも相場の重しとなり、一時1.1641ドルまで値を下げた。なお、この日発表された8月独Ifo企業景況感指数は89.0と市場予想の88.8を上回る結果となったが、相場への影響は限られた。
・ドル円は強含み。対ユーロを中心にドル買いが進んだ流れに沿った。米10年債利回りが一時4.29%台まで上昇したことも支えに、1時前には147.67円まで上昇。ただ、その後は米長期金利が上昇幅を縮小した影響で買いも一服となった。
・ユーロ円は上値が重い。ドル円の上昇につれて22時過ぎに172.66円まで値を上げたが、前週末高値の172.68円が目先のレジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなった。NY時間の午後に入るとユーロドルの下げにつれた売りが強まり、171.79円の安値まで一転して下落した。
・ロンドン株式相場はサマーバンクホリデーのため休場となった。
・フランクフルト株式相場は3営業日ぶりに反落。他の欧州株と同様に持ち高調整売りに押されて、やや上値の重い動きとなった。個別ではメルク(1.92%安)やブレンターク(1.60%安)、バイエル(1.58%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
25日の日経平均は続伸。終値は174円高の42807円。22日の米国では、パウエルFRB議長の講演内容から9月の利下げが意識され、ダウ平均が800ドルを超える上昇となって史上最高値を更新。これを受けて、300円超上昇して始まった。
すぐに節目の43000円を上回ると、一気に上げ幅を500円超に拡大。ただ、43200円台で買いが一巡し、高値は早い時間につけた。前場では値を消しても3桁高の状態はキープしたが、後場には上げ幅を2桁に縮める場面もあった。パウエル議長発言を受けて円高(ドル安)が進んだことが日本株の上値を抑えた。終盤にかけては盛り返して3桁高で終えたものの、寄り付き(42977円)は下回り、ローソク足では陰線を形成した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1400億円。業種別では非鉄金属、卸売、機械などが上昇した一方、倉庫・運輸、電気・ガス、空運などが下落した。米国で長期金利が大きく低下して住宅関連株に強い買いが入ったことを手がかりに、住友林業<1911.T>が急伸。半面、テルモ<4543.T>は英国企業を買収して臓器移植関連分野に参入するとのリリースが好感されず、大幅に下落している。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり780/値下がり775。高寄り後の上値追いには慎重姿勢が見られたものの、ソフトバンクGや古河電工が3%を超える上昇。ディスコ、リクルート、ニデックなどは上に値幅が出た上に、場中の動きも強かった。JX金属、三井金属、東邦亜鉛など非鉄株の多くが大幅上昇。台湾におけるサービスが好調であることを発表したメルカリが買いを集めた。
一方、東電HDや北海道電力など電力株が全般軟調。KDDI、NTT、SBの通信大手3社がそろって下落した。米金利低下でグロース株向きの地合いになるかと思われたが、コナミG、バンナムHD、スクエニHDなどゲーム株は大きく売られるものが多かった。直近で派手に上げていた堀田丸正や京都きもの友禅が上を試した後に急失速しており、ストップ安まで売り込まれた。
日経平均は上昇したものの、ダウ平均が史上最高値を更新した割には上値が重かった。円安にブレーキがかかってくると、国内では買いが入りづらくなる銘柄も増えてくる。米金利低下を材料にグロース系買いが盛り上がる展開に期待したいが、きょうの大型グロース株はそこまで強い動きとはならなかった。27日には米国でエヌビディアが決算発表を予定している。半導体株、電線株、ソフトバンクGなど生成AI関連は、エヌビディアの決算を消化する木曜まで手がけづらさが意識される可能性がある。大型グロース株が米金利低下を好感できない場合には、日経平均は8月19日高値43876円からの調整がもうしばらく続くとみておいた方が良い。
(25日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.80円(前営業日比△0.86円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.70円(▲0.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1618ドル(▲0.0100ドル)
ダウ工業株30種平均:45282.47ドル(▲349.27ドル)
ナスダック総合株価指数:21449.29(▲47.25)
10年物米国債利回り:4.27%(△0.02%)
WTI原油先物10月限:1バレル=64.80ドル(△1.14ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3417.5ドル(▲1.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
7月米新築住宅販売件数
(前月比) ▲0.6% 4.1%・改
(件数) 65.2万件 65.6万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反落。前週末にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けてドル売りが進んだ反動が出た。全般に手掛かり材料は乏しかったが、週内に7月米PCEデフレーターなどの発表が控えていることもあって持ち高調整目的のドル買い戻しが進み、4時過ぎには一時1.1603ドルまで下押し。FRB議長による講演後の上昇分を全て吐き出した格好となった。
・ドル円は反発。対ユーロを中心にドル買いが進んだ流れに沿った。米長期金利の上昇も相場の支えとなり、一時147.94円まで値を上げた。なお、この日発表された7月米新築住宅販売件数は65.2万件と市場予想の63.0万件を上回ったが、相場への影響は限られた。
・ユーロ円は続落。ドル円の上昇につれて22時過ぎに172.66円まで値を上げたが、前週末高値の172.68円が目先のレジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなった。NY時間の午後に入るとユーロドルの下げにつれて売りが強まり、171.58円の安値まで一転して下落した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。前週末に史上最高値を更新した後とあって、高値警戒感から主力株は利益確定目的の売りに押された。寄り付き直後からほぼ一本調子で値を下げる展開となり、この日の安値圏で取引を終えた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。前週末に債券買いが進んだ反動で、持ち高調整や利益確定売りが観測された。
・原油先物相場は3日続伸。ウクライナによるロシアの製油所などへの攻撃強化を背景として、ロシア産原油の供給停滞が懸念され、買いが優勢となった。
・金先物相場は小反落。前週末に米9月利下げ観測を手掛かりに大幅上昇した後だけに、上昇が一服。ドル高の流れとなる中でドル建てで取引される金の割高感が意識されたことも重しとなり、若干下押した。
25日21:24 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「FRBが複数回利下げするのは適切」
25日21:33 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「ユーロ圏経済は底堅さを示している」
25日22:16 トランプ米大統領
「米国と有利な取引を行っている企業も支援」
「情報取引について『我が国のために、このような取引をいつでも行うつもり』」
26日01:07
「医薬品価格を1400-1500%引き下げる予定」
「医薬品に迅速に関税をかける見込み」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 7月企業向けサービス価格指数(予想:前年比3.2%)
<海外>
○08:15 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○10:30 ◎ 豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(8月11-12日分)
○13:01 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、あいさつ
○15:45 ◇ 8月仏消費者信頼感指数(予想:89)
○19:45 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○21:30 ◎ 7月米耐久財受注額(予想:前月比▲4.0%/輸送用機器を除く前月比0.2%)
○22:00 ◇ 6月米住宅価格指数(予想:前月比▲0.1%)
◇ 4-6月期米住宅価格指数
○22:00 ◎ 6月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比2.1%)
○23:00 ◎ 8月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲10)
○23:00 ◎ 8月米消費者信頼感指数(予想:96.2)
○23:00 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、あいさつ
○27日02:00 ◎ 米財務省、2年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、一時147.94円まで値を上げた。対ユーロを中心にドル買いが進んだ流れや、米長期金利の上昇が相場の支えとなった。ユーロドルは、持ち高調整目的のドル買い戻しが進み、一時1.1603ドルまで下押し。FRB議長による講演後の上昇分を全て吐き出した格好となった。
本日の東京時間でのドル円は、需給面でのドル買い・円売りとファンダメンタルズ面でのドル売り・円買いが拮抗するか。
先週後半は148円台での取引が続いたことで、昨日は水準的に値ごろ感があり、東京時間からドル買いが優勢となった。また、8月末のリバランスのためにドル買い需給も観測されているとの話もドルを支えている。本日も引き続き需給面ではドル買いが下値を支えそうだ。
一方で、日米の金融政策の方向性の違い(米連邦準備理事会=FRBの利下げ、日銀の利上げ)で金利差が縮小する傾向がドル円の重しになる。更に、トランプ米大統領がクックFRB理事を政治的圧力で辞任に追い込もうとしているため、FRBがハト派に支配されることや、FRBの独立性が懸念されることなども、ドル売り要因として重くのしかかるだろう。
もっとも本日は材料難ということもあり、アジア時間で大きなレンジを作る動きを期待するのは難しいか。本日は本邦からは7月企業向けサービス価格指数が公表されるだけで、直接日銀の金融政策の方向性を探ることは難しい。28日に行われる山口県金融経済懇談会での中川審議委員の挨拶や、29日に発表される全国の消費者物価指数(CPI)の前哨戦となる8月東京都区部CPIの発表までは方向感が出にくいだろう。また、米国からも7月米個人消費支出(PCE)デフレーターなどが今週末29日発表されることで、インフレ指標を確認するまでは動意づきにくそうだ。
円以外では、8月11-12日に行われた豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨が公表されるため、豪ドルの値動きには気を付けたい。ここ最近は、理事会直後に発表される声明文と議事要旨の間では大きな差がなく、市場の反応は限られているが、利下げに対して積極的な発言が明らかになった場合は豪ドル売りを促しそうだ。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42530 -240 (-0.56%)
TOPIX先物 3090.0 -13.0 (-0.41%)
シカゴ日経平均先物 42540 -230
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
25日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。NYダウは前週末にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けた、利下げ観測の高まりを背景に史上最高値を更新した後で、主力株に利益確定の売りが出た。29日にはFRBがインフレ指標として重視するコアPCE価格指数の発表を控えていることも投資家心理を神経質にさせた。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、メディア、半導体・同製造装置が上昇した一方で、運輸、食品・飲料・タバコ、家庭用品・パーソナル用品の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、ナイキ<NKE>、シェブロン<CVX>が買われた。半面、メルク<MRK>、アムジェン<AMGN>、コカ・コーラ<KO>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比230円安の4万2540円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円安の4万2730円で始まった。その後は4万2580円~4万2670円辺りで保ち合いを継続。4万2750円まで下落幅を縮める場面もみられたが、米国市場の取引開始後は終盤にかけて弱含みの展開が続いた。終了間際に4万2510円まで売られ、4万2530円とナイトセッションの安値圏で取引を終えている。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになろう。オプション権利行使価格の4万2500円から4万2750円の狭いレンジでの推移となり、ボリンジャーバンドの+1σ(4万2960円)から下放れる形となった。米国市場の下落は前週末の大幅な上昇に対する反動安であり、積極的なショートは限られるとみられるが、4万2500円辺りでの攻防が意識されるなかでは、押し目待ち狙いのロングも手控えられそうだ。
エヌビディアは、ロボット開発向け人工知能(AI)半導体「ジェットソンAGXソー」の販売を始めたと報じられている。27日には決算発表を控えていることもあり、ショートを仕掛けにくくさせよう。昨日はアドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]がプラス圏で終えていたこともあり、引き続き指数インパクトの大きい値がさハイテク株にらみの展開が見込まれる。
そのため、オプション権利行使価格の4万2500円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万2250円から4万2750円のレンジを想定する。4万2500円処で底堅さがみられる局面では+1σに接近する場面もありそうだが、4万3000円近辺では上値の重さが意識されやすいとみられ、戻り待ち狙いのショートに向かわせよう。
25日の米VIX指数は14.79(22日は14.22)に上昇した。22日には16.83まで上昇した後に、25日移動平均線(15.95)を割り込み、14.21まで下げる場面もみられた。昨年12月以来の水準に低下するなかで、昨日は反動高といったところであり、リスク選好の状況に大きな変化はないとみておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.78倍に上昇した。一時13.85倍をつけたが、75日線(13.85倍)に上値を抑えられる形となった。相対的にTOPIX型の弱さが目立ったものの、先週末に大きく低下したリバランスにとどまっていた。方向性としてはNTショートに振れやすい状況とみられるが、エヌビディアの決算を前に、ハイテク株の底堅さが意識されてくると、再び75日線を捉える場面がありそうだ。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は349ドル安の45282ドルで取引を終えた。前営業日に大幅高となった反動で売りが優勢。終盤にかけての動きが弱く、プラスで推移する時間が長かったナスダックも下落で終えた。ドル円は足元147円70銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが230円安の42540円、ドル建てが220円安の42550円で取引を終えた。
米国株安を受けて売りに押されると予想する。きのうの日経平均は上昇したが高寄り後は失速しており、買い手控えムードが強まる可能性が高い。27日に控える米エヌビディアの決算を前に手がけづらさが意識され、マイナス圏で下押し圧力の強い地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは42300-42700円。
トランプ米大統領はクック米連邦準備理事会(FRB)理事を解任した。
中国の李商務次官が今週、グリアUSTR(米通商代表部)代表および米政府高官らと会談を行う予定だとウォールストリートジャーナル紙が伝えた。
英国の失業率が急上昇し、2025年8月にコロナ禍初期(2021年初頭)以来の高水準5%に達する見通しが示されたとフィナンシャルタイムズ紙が報じている。第2四半期時点の公式失業率は4.7%だったが、労働市場の弱さを示す雇用や非労働人口などの他の指標は矛盾する動きを見せている。特に採用の鈍化が顕著で、多くの企業は国民保険料増加や最低賃金引き上げを理由に採用を抑制。英中銀(BOE)は高インフレと雇用低迷への対応に苦慮しており、利下げの道を慎重に模索している。
平均賃金の伸びは依然強いものの、求人数は小売やホスピタリティなどの低賃金業種中心に減少。不活発な労働人口割合は約21%と公式と概ね一致するが、過去2年間で約1ポイント上昇していると分析されている。公式データの精度低下が経済政策決定を難しくしている中、英国経済は成長鈍化とインフレ持続の間で厳しい舵取りを迫られている。
オーストラリアのアルバニージ首相は、イラン大使を追放することを発表し、テヘランの大使館業務も一時停止すると表明した。これはイラン大使の過激な発言を受けた措置であり、国内外からの強い批判を踏まえた対応。国際外交関係の緊張が高まる中、オーストラリアは毅然とした姿勢を示している。
トランプ米大統領が、アジア時間に入ってすぐにクックFRB理事の解任を伝えるレターをSNS上で公表。昨日、WSJのニックがジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演に焦点が集まるなかにあって、敢えて警告していた事態が起きてしまったといったところ。週末には、一際拡大したクック理事の写真にバツ印を付けて「詐欺師」と名付けてみたり、クック理事の自宅やマンションの写真を掲載したりと、日本で言えば、完全にいじめ案件としてアウトな何とも異様な事態となっていたわけですが、ニックが懸念していたように、クック理事を解任した暁には、7人の理事のうち、自身が任命した4人を傘下に、FRBのメンバー自身もコントロール可能な状況になるとのこと。
19人のFOMCメンバー中、7人が理事で、12人が連銀総裁という構成となっていますが、12人の連銀総裁については、来年3月までに理事によって新たに再任される必要があるようで、このままでいくと、連銀総裁までも再任の拒否が可能な状況をつくってしまうことになるわけです。
クーグラーFRB理事の辞任理由も、これまでのところはっきりしておらず、今回のクックFRB理事の解任もまた、トランプ米大統領による米金融政策への完全な介入という、あってはならない事態への扉を開いてしまうといった事態。市場は一応トリプル安で反応していますが、ドル円は実需のビッドが相変わらず厚く、また、市場では「どうせまたTACOるだろう」との声も聞かれているなかでの神経質な動きが繰り返されています。
クックFRB理事がこのまま「はいわかりました」と引き下がるとは思えず、また、ベッセント米財務長官が何度目かはもうカウントする気にもなりませんが、トランプ米大統領にコモンセンスを説得する可能性も残されているなか、市場は震源のNY市場参加者が入ってくるのを待っているところです。
ワシントンポスト紙が報じたところによると、クック米連邦準備理事会(FRB)理事は辞任しないと明言しているという。トランプ大統領には解任権限がないと指摘しているとのこと。
日経225先物は11時30分時点、前日比430円安の4万2340円(-1.00%)前後で推移。寄り付きは4万2650円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2540円)を上回り、小幅な下げから始まり、現物の寄り付き直後には4万2700円まで下落幅を縮めた。その後は4万2500円を挟んでの保ち合いを継続するなか、中盤にかけて下へのバイアスが強まり、一気に4万2110円まで売られる場面もみられた。終盤は下げ渋る動きから、4万2300円~4万2400円辺りで推移。
日経225先物は朝方こそリバウンドを試す動きもみられたが、トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のクック理事の解任を自身のSNSで発表したことが伝わり、これがショートのトリガーになった。また、トランプ大統領はデジタル課税などを導入している国に追加関税などを課す考えも示した。これにより一気に4万2110円まで売られ、節目の4万2000円や25日移動平均線(4万1830円)が射程に入ってきた。ボリンジャーバンドの+1σ(4万2950円)と中心値となる25日線でのレンジ推移となるなかで、押し目狙いのロングを入れにくくさせた。
NT倍率は先物中心限月で13.76倍に低下した。-1σ(13.78倍)に上値を抑えられており、NTショートに振れやすい状況である。
本日のロンドン為替市場では、トランプ米大統領が「クック米連邦準備理事会(FRB)の解任」に踏み切ったことに対する欧州勢の反応をまずは見極めたい。またトランプ大統領が要求している「米ハイテク企業に対するデジタル関税の撤廃」について、欧州連合(EU)への影響も見定める必要がある。ユーロ圏からは、昨日の仏資産売りにつながった仏政局の動向が注目される。
クックFRB理事の解任理由は、同理事の住宅ローン契約を巡る不正疑惑。もっとも、この件について米司法省は調査中としており、不正はあくまで「表向きの理由」と市場は捉えている。実際には、FRB理事の多数派をトランプ派で形成したいという大統領の思惑が働いていると見ているもよう。世界で最も影響力がある中銀の独立性に対する懸念が一層高まり、当然ドルにとってはネガティブだ。
東京午前には、トランプ米大統領の発言「米国の卓越したハイテク企業に攻撃を仕掛ける国々に断固として立ち向かう」が伝わった。トランプ米政権は昨日、EUの「巨大IT企業規制の実施」に関係した加盟国の当局者に対しても、制裁を検討していることが報じられている。規制構築に関与した個人を制裁対象とするのは極めて稀なケースであり、EUからの反発も強まるはずだ。貿易を巡るEUと米国間の溝も、再び広まってしまう恐れがある。
なおフランスでは、少数与党政権の崩壊危機が高まっている。バイル・仏首相は昨日、大規模な予算削減計画に対する信任投票の実施を発表した。9月8日行われるとされたが、問題は主要野党3党が信任しない意向を示したこと。そうなると、来月にも仏内閣が総辞職に追い込まれる可能性が浮上した。
もともと仏政局は安定していないものの、信任投票の件で先行きの不透明感が一層深まった。これを嫌気し、昨日は仏株や債券に売りが集まった。本日も仏資産を手放す動きが続けば、ユーロの伸び悩みに繋がってしまうだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、22日高値1.1743ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、22日安値1.1583ドルを割り込むと90日移動平均線1.1516ドル
ドル円:1ドル=147.71円(前営業日NY終値比▲0.09円)
ユーロ円:1ユーロ=171.94円(△0.24円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1641ドル(△0.0023ドル)
日経平均株価:42394.40円(前営業日比▲413.42円)
東証株価指数(TOPIX):3071.99(▲33.50)
債券先物9月物:137.36円(▲0.14円)
新発10年物国債利回り:1.620%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月企業向けサービス価格指数
前年同月比 2.9% 3.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は行って来い。朝方からじり高となり9時過ぎには一時147.88円まで上昇したものの、昨日高値の147.94円には届かず、トランプ米大統領が自身のSNSでクック米連邦準備理事会(FRB)の解任通知書を掲載すると一転下落。FRBの独立性が危惧されたほか、デジタル課税・規制などを撤回しない場合、追加関税や輸出制限措置を警告したことも嫌気され、一時146.99円まで急落した。
もっとも、147円割れでは押し目を拾いたい向きが多く、一巡後は買い戻しが優勢に。「クックFRB理事が解任の正当な理由はなく、辞任しないと明言している」とワシントンポスト紙が報じたことも支えに147.89円まで切り返した。
・ユーロドルは上値が重い。クックFRB理事の解任でドル売りが活発化すると一時1.1660ドルまで買い上げられた。もっとも、ドル売りが一服すると次第に上値が重くなり、クックFRB理事が解任に異議を申し立てると1.1610ドル台まで上げ幅を縮めた。仏政局不安が高まるなか、ロンバール仏財務相が「政府が崩壊した場合にIMF(国際通貨基金)が介入するリスクを避けたいが、そのリスクが存在しないと装うことはできない」と発言したことも嫌気されたか。
・ユーロ円は下値が堅い。日経平均株価が670円超下落するとリスク回避の動きからクロス円は総じて売られ、ユーロ円は一時171.33円まで下落した。もっとも、株価が下げ渋り、ドル円が反発するとつれる形で172.00円まで持ち直した。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。昨日の米国株が下落したほか、米大統領によるクックFRB理事の解任が投資家心理の悪化につながり、指数は一時670円超下落した。もっとも、一巡後は押し目買いが入り下げ幅を縮めた。
・債券先物相場は3日続落。FRBの独立性への懸念から時間外の米国債が売られた影響を受けた。
大和証券では、小売各社の7月の月次が概ね出そろったことを受けて、全体感についてまとめている。7月は天候に恵まれて総じて良好であったとのこと。ただし、前年ハードルの高低や販促要件などにより、業態や企業間で明暗が分かれたと指摘している。インバウンド需要に関しては、百貨店や都心の家電量販店で苦戦が続く反面、ドラッグストアなどは伸び率が鈍化するも、引き続き堅調であったとコメントしている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、米国で29日に発表される7月の個人消費支出(PCE)価格指数に注目している。7月は「総合」が前年同月比+2.6%(前回:+2.6%)、「コア」が同+2.9%(同+2.8%)となることが予想されているとのこと。7月は既に消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が発表済みではあるが、PCE価格指数はFRBが最も注視しているインフレ指標だけに、その結果からは目が離せないと東海東京ではコメントしている。
米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は関係者の話として、中国商務部の李成鋼・国際貿易交渉代表兼副部長が今週ワシントンを訪問し、米国と貿易交渉を行うと報じた。
関係者によると、李氏は今週後半に米通商代表部(USTR)のグリア代表や財務省高官らと会談する予定という。
中国本土の上場投資信託(ETF)の総規模が初めて5兆元の大台を突破し、5兆700億元に達した。『証券時報』が26日伝えた。
同日時点でETFは合計1273本。内訳は株式型が約3兆4600億元、適格国内機関投資家(QDII)型が約7537億元、債券型が約5559億元、通貨型が約1425億元、商品型が約1533億元となっている。
総規模の増加ペースは著しく加速している。2020年10月に1兆元を初めて突破すると、23年8月に2兆元、24年4月には4兆元に達した。4兆元から5兆元への増加にかかった期間は4カ月余りだった。総規模は5年間で5倍に拡大しており、中国本土のインデックス投資が急成長期に入ったことを示している。
「大統領が『正当な理由』(※職務怠慢、職務放棄、職務上の不正行為)により早期に解任しない限り、各理事は前任者の任期満了から14年間の任期を務める」
(連邦準備制度法10条)
「リバタリアニズム」は、中央銀行の存在に否定的である。
リバタリアンのレーガン第40代米大統領は、ボルカー第12代FRB議長に対して「なぜFRBは必要なのか?」と問い、利下げの要請を拒んだFRBに4人の刺客を理事として送り込み、ボルカー第12代FRB議長に辞表を書かせた。
リバタリアンのトランプ第47代米大統領も、利下げの要請を拒み続けているFRBに対して、トランプ・チルドレン(ウォラーFRB理事、ボウマンFRB副議長、ミランFRB暫定理事)に加えて4人目の刺客を送り込もうとしている。
1.FRB執行部
・パウエルFRB議長:2026年5月15日任期満了
・ジェファーソンFRB副議長
・バーFRB理事:トランプ第47代米大統領との確執で副議長から降格
【トランプ・チルドレン】
・ボウマンFRB副議長:トランプ第45代米大統領指名⇒次期FRB議長候補
・クーグラーFRB理事⇒8/8付け辞任⇒※ミランFRB暫定理事
・ウォラーFRB理事:トランプ第45代米大統領指名⇒次期FRB議長候補
・クックFRB理事:解任 ⇒※新FRB理事の指名へ
2. クックFRB理事
クックFRB理事は、バイデン前大統領の指名を受けて、2022年に黒人女性で初となるFRB理事(任期2038年)に就任した。上院の採決では賛否が50対50で拮抗したが、上院議長を兼務するハリス前副大統領が決裁票を投じて承認された。
8月20日、トランプ米大統領は、クックFRB理事に対して辞任を要求した。
そして、米連邦住宅金融局(FHFA)のパルト局長は、2件の住宅ローンに絡み、クック理事を捜査するよう、ボンディ司法長官に書簡で要請した。
8月22日、トランプ米大統領は、「辞任しないなら、解任する」と警告した。
8月26日、トランプ米大統領は、「あなたの誠実さを信頼することはできない」として、クックFRB理事の解任に踏み切った。
クックFRB理事は、2021年、ミシガン州アナーバーの物件で住宅ローンを取得する際、少なくとも1年間は主たる居住地とすることを条件とした契約書に署名していた。ところが、その2週間後にはジョージア州の別の物件についても、主たる居住地であると申告してローンを取得していたという。
1)ミシガン州:15年ローン(@2.5%)
2)ジョージア州:30年ローン(@3.25%)&15年ローン(@2.875%)
(※2021年の30年ローンの平均利率:2.9~3.3%)
トランプ米大統領は25日、中国が米国への磁石の供給を停止した場合、200%の関税やそれに類する措置を課す考えを示した。『信報』が25日伝えた。
トランプ氏は将来の訪中に言及し、習近平国家主席が自身の訪中を望んでいると述べた。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領とともに訪問する可能性にも触れた。中国人学生の米国留学を認める考えも示した。
中国はレアアース(希土類)磁石の世界最大の供給国。米国による追加関税への対抗措置として、今年4月に多くのレアアース製品と磁石を輸出制限の対象に加えていた。
大阪9月限
日経225先物 42300 -470 (-1.09%)
TOPIX先物 3068.0 -35.0 (-1.12%)
日経225先物(9月限)は前日比470円安の4万2300円で取引を終了。寄り付きは4万2650円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2540円)を上回り、小幅な下げから始まり、現物の寄り付き直後には4万2700円まで下落幅を縮めた。その後は4万2500円を挟んでの保ち合いを継続するなか、前場中盤にかけて下へのバイアスが強まり、一気に4万2110円まで売られる場面もみられた。
前場終盤は下げ渋る動きから、4万2300円~4万2400円辺りで推移。後場の取引開始後に4万2460円をつけた後は、4万2380円~4万2440円での狭いレンジでの推移が続き、終了間際に4万2250円まで売られる場面もあった。
日経225先物は朝方こそリバウンドを試す動きもみられたが、トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のクック理事の解任を自身のSNSで発表したことが伝わり、これがショートのトリガーになった。また、トランプ大統領はデジタル課税などを導入している国に追加関税などを課す考えも示した。これにより一気に4万2110円まで売られ、節目の4万2000円や25日移動平均線(4万1830円)が射程に入ってきた。
トランプ大統領の発言によって、FRBの独立性が脅かされることへの懸念が広がるとの見方に向かわせた。その後、クック理事は職務を遂行し続けると反発しており、これを受けて朝方に1ドル=146円台をつけた円相場は147円70銭台と落ち着きをみせたため、先物市場においてもショートカバーに向かわせたとみられる。
27日にエヌビディア<NVDA>の決算を控えていることもあり、カバー狙いの積極的なロングの動きは限られていた。後場は4万2400円近辺で下げ渋る動きもみられたが、終了間際にロングの解消とみられる動きで下押している。
ボリンジャーバンドの+1σから下放れる形状となり、中心値となる25日線を試す動きはあるだろう。ただし、先週の大幅な調整でロング解消を迫られ、その後ショートに切り替えたとすると、タイミングとしては4万3000円前半レベルと考えられる。+1σ割れからもショートが積み上がったとみられるが、中心値までの下げで調整一巡感のほか、ショートカバーが入りやすいタイミングにもなりそうだ。
週足では上向きで推移する+1σ(4万2180円)と+2σ(4万3940円)とのレンジ内で推移しているが、+1σに接近してきたことで、押し目待ち狙いのロングのタイミングを探ることになろう。トランプ大統領の発言による不安定さは強いところではあるが、エヌビディアの決算を前に、ショートポジションをある程度、ニュートラルに近づける動きが入りやすいとみられる。
NT倍率は先物中心限月で13.78倍と横ばいだった。-1σ(13.78倍)に上値を抑えられているものの、NTショートでのスプレッド狙いの動きも限られており、一時13.73倍まで低下した後は巻き戻された。明日は、エヌビディアの決算を前にした、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向次第でNTロングに振れる可能性も意識しておきたい。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8468枚、ソシエテジェネラル証券が1万3576枚、サスケハナ・ホンコンが3472枚、ゴールドマン証券が2485枚、JPモルガン証券が1923枚、バークレイズ証券が1871枚、モルガンMUFG証券が1112枚、日産証券が937枚、SBI証券が785枚、野村証券が647枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万8648枚、ソシエテジェネラル証券が2万4548枚、JPモルガン証券が7286枚、バークレイズ証券が6958枚、モルガンMUFG証券が4704枚、ゴールドマン証券が3108枚、ビーオブエー証券が2403枚、シティグループ証券が2298枚、サスケハナ・ホンコンが1788枚、UBS証券が852枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、先週末のジャクソンホール会合でパウエルFRB議長が「物価の安定」よりも「雇用の最大化」に軸足を置いたハト派的な見解を示したことで、8月米消費者信頼感指数での労働市場格差指数に注目する展開となる。
また、トランプ米大統領がクックFRB理事を解任したことで、トランプ・チルドレン(ウォラーFRB理事、ボウマンFRB副議長、ミランFRB暫定理事)に加わることになる次期FRB理事の人選にも注目しておきたい。
連邦準備制度法10条では、「大統領が『正当な理由』により早期に解任しない限り、各理事は前任者の任期満了から14年間の任期を務める」と規定されている。
『正当な理由』とは、職務怠慢、職務放棄、職務上の不正行為、などとなっているが、クックFRB理事の住宅ローンに関する問題は、FRB理事就任以前の事案なので、解任理由とはならないと思われる。
さらに、ワシントンポスト紙は、「トランプ大統領に解任権限はないと指摘」と報じている。
そして、クックFRB理事は「トランプ大統領は、法律上何の正当な理由もないにもかかわらず、『正当な理由に基づいて』私を解任すると主張している。彼にはそのような権限はない」と声明で表明した。そしてクック氏の弁護士は、トランプ氏の「違法行為」を「阻止するために必要なあらゆる手段」を講じると明らかにしており、今後の関連ヘッドラインに注目しておきたい。
8月米消費者信頼感指数は96.2と予想されており、7月の97.2からの低下が見込まれている。
7月の消費者の雇用機会に対する見方「労働市場格差指数」は11.3%となり、6月の12.2%から低下して、7カ月連続で悪化しており、2021年3月以来の水準に低下していた。
8月の労働市場格差指数が低下傾向を続けていた場合、8月の雇用統計への警戒感が高まることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、148.39円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、146.58円(8/22安値)
今晩は上値の重い展開か。昨日は先週末の大幅高の反動で幅広い銘柄に利益確定売りが強まった。先週末に8カ月ぶりに終値の最高値を更新したダウ平均は349.27ドル安(-0.77%)と反落し、S&P500も0.43%安と反落。ハイテク株主体のナスダック総合はエヌビディアが上昇したことで一時0.35%高まで上昇したものの、0.22%安と反落して終了した。引け後の動きではトランプ米大統領がクック米連邦準備理事会(FRB)理事を解任したと自身のSNSに投稿したが、クックFRB理事は辞任しないと明言したとワシントンポスト紙が報じた。
今晩の取引では水曜日引け後のエヌビディアの決算発表や金曜日の7月個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えて様子見姿勢が強まることが予想されるが、トランプ米大統領のクックFRB理事解任発言を受けてFRBの独立性が懸念されることも相場の重しとなりそうだ。7月耐久財受注、8月消費者信頼感指数などの経済指標をにらんだ神経質な展開が予想される。
今晩の米経済指標・イベントは7月耐久財受注、8月消費者信頼感指数のほか、6月S&Pケースシラー住宅価格指数、8月リッチモンド連銀製造業総合指数など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反落。5日移動平均線(42666円 8/26)を意識したスタートから下値を模索する展開となった。一時は600円を超える下落幅となる場面もあったが、後場は下げ幅を縮小した水準でもみ合いとなった。
RSI(9日)は前日の51.2%→37.0%(8/26)に低下。5日移動平均線など短期線が下向きに推移している点が押し戻される要因になりやすい。引き続き、上値へのトレンドフォローが基本スタンスであるが、25日移動平均線(41822円 同)付近まで下落余地が拡大する可能性も依然として高い。
上値メドは、10日移動平均線(42989円 同)、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円、45000円などがある。下値メドは、心理的節目の42000円、25日移動平均線、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円や40500円などがある。
米財務省によると、2年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.641%、応札倍率(カバー)が2.69倍となった。
(26日終値:27日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.38円(26日15時時点比▲0.33円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.52円(▲0.42円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1638ドル(▲0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:9265.80(▲55.60)
ドイツ株式指数(DAX):24152.87(▲120.25)
10年物英国債利回り:4.740%(△0.047%)
10年物独国債利回り:2.723%(▲0.034%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月仏消費者信頼感指数
87 88・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日本時間の夕刻に147.91円まで上昇する場面があったものの、昨日高値の147.94円が目先のレジスタンスとして意識されると次第に上値を切り下げた。米連邦準備理事会(FRB)の独立性を巡る懸念が引き続きドルの重しとして意識されるなか、米10年債利回りが4.31%台から4.25%台まで低下したことに伴い、147.10円付近まで弱含んだ。
なお、クックFRB理事の弁護士は「トランプ米大統領による解任措置に抗議し、訴訟を起こす構え」との見解を示した。
・ユーロドルは下値が堅い。欧州入り後に1.1602ドルまで下落したが、節目の1.1600ドル手前で下値の堅さを確認するとドル売りの流れに沿って買い戻しが入った。23時30分前には一時1.1665ドルまで本日高値を更新。もっとも、バイル仏首相が内閣信任投票を実施する意向を示したことで仏政局の先行き不透明感が意識されていることもあり、買い戻しの勢いも徐々に鈍くなった。
・ユーロ円は神経質な展開。欧州序盤に171.33円の本日安値に面合わせした後、172.12円の高値まで反発するなどユーロドルの動きにつれて上下したが、NY午後に入ると171.50円台まで再び売りに押された。171円台後半を中心としたレンジ内で上下する神経質な動きとなった。
・ロンドン株式相場は6営業日ぶりに反落。先週末まで4日連続で史上最高値を更新した後とあって、連休明けの本日は高値警戒感から利益確定売りが出た。ケータリングサービス大手のコンパス・グループの下げが目立ったほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株も売られた。
・フランクフルト株式相場は続落。バイル仏首相が9月に内閣の信任投票を実施すると発表したことで、仏政局への懸念から仏CAC40指数が1.70%下落。つれて独株も売りに押された。個別ではコメルツ銀行(5.03%安)やメルク(2.00%安)、アリアンツ(1.67%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場はまちまち。
26日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は413円安の42394円。米国株安を嫌気して3桁下落スタート。寄り付き近辺でドル円が鋭角的に円高に振れたことも売りに拍車をかけ、序盤では下を試しにいった。600円超下げて42100円台に入ったところで売りは一巡。円高にブレーキがかかったこともあり、42400円台辺りまでは値を戻した。10時以降は動意が乏しくなり、マイナス圏でこう着感が強まる展開。後場は42400円近辺でのもみ合いに終始し、400円を超える下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆6200億円。業種別ではプラスは倉庫・運輸の1業種のみで、繊維やパルプ・紙が小幅な下落にとどまった。一方、医薬品、電気・ガス、サービスなどの下げが大きかった。「Google Cloud Partner Advantageプログラム」に参加し、正式にサービスパートナーとして認定されたと発表した情報戦略テクノロジー<155A.T>がストップ高。半面、公募・売り出しを発表した第一工業製薬<4461.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり386/値下がり1180。東京エレクトロン、アドバンテスト、ソシオネクストなど、半導体株に上昇銘柄が多かった。良品計画や古河電工が逆行高。月次が好感されたしまむらが買いを集めた。証券会社のリポートを材料に、QPS研究所、楽天G、ハピネットなどが大幅高となった。
一方、東電HDや北海道電力など電力株が連日の大幅安。多くの半導体株がプラスで終えた中、レーザーテックは弱さが目立った。サンリオ、リクルート、中外製薬などが大幅安。円高進行を受けてトヨタやホンダなど自動車株が嫌われており、個別にネガティブなニュースが多かった日産自動車が6%を超える下落となった。足元で騰勢を強めていたアステリアが大商いとなって乱高下。プライムの値上がり率トップとなる場面もあったが、終盤に急落して終値では7%を超える下落となった。
日経平均は大幅安。終日さえない動きとなったが、きょうは仕方ない。米国株が弱かった上に、寄り付き近辺で為替が円高に振れてしまっただけに、買い手不在の様相が強まった。なお、朝方の急激な円高に関しては、トランプ大統領が自身のSNSでクックFRB理事の解任に言及したことがドル売りを招いたとみられている。
エヌビディアの決算を東京市場で消化するのは木曜28日となるだけに、あすは積極的な売買が限られると思われる。ただ、半導体株は売りづらくなるし、全体もきょうの大幅安で短期的な過熱感は払しょくされつつある。日経平均(26日終値:42394円)はここからもう一段下げれば42000円や25日線(41822円、26日時点)などの節目が控えており、この近辺では押し目買いが期待できる。仮に外部環境がアゲインストであったとしても、きょうのように売られっぱなしとはならず、ある程度の耐性を示すだろう。
(26日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.40円(前営業日比▲0.40円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.60円(▲0.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1642ドル(△0.0024ドル)
ダウ工業株30種平均:45418.07ドル(△135.60ドル)
ナスダック総合株価指数:21544.27(△94.98)
10年物米国債利回り:4.26%(▲0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=63.25ドル(▲1.55ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3433.0ドル(△15.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米耐久財受注額
(前月比) ▲2.8% ▲9.4%
輸送用機器を除く
(前月比) 1.1% 0.3%・改
4-6月期米住宅価格指数
(前期比) 0.0% 0.8%・改
6月米住宅価格指数
(前月比) ▲0.2% ▲0.1%・改
6月米ケース・シラー住宅価格指数
(前年比) 2.1% 2.8%
8月米リッチモンド連銀製造業景気指数
▲7 ▲20
8月米消費者信頼感指数
97.4 98.7・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。トランプ米大統領が「ミラン氏を米連邦準備理事会(FRB)の長期ポストに切り替える可能性も」「FRBでまもなく過半数を獲得」などの見解を示すなか、FRBの独立性を巡る懸念が引き続きドルの重しとして意識された。米10年債利回りが低下幅を拡大したことに伴い、1時過ぎには147.10円付近まで弱含み。ただ、アジア時間につけた安値146.99円の手前では下げ止まり、その後は147.50円台まで切り返す場面も見られた。
なお、クックFRB理事の弁護士は「トランプ米大統領による解任措置に抗議し、訴訟を起こす構え」と発言。トランプ米大統領も「(クックFRB理事について)法廷闘争の用意がある」と表明しており、今後は裁判所の判断に委ねられる見込みとなった。
・ユーロドルは反発。欧州序盤に下値の堅さを確認するとドル売りの流れに沿って買い戻しが入った。23時30分前には一時1.1665ドルまで本日高値を更新。もっとも、バイル仏首相が内閣信任投票を実施する意向を示したことで仏政局の先行き不透明感が意識されていることもあり、買い戻しの勢いも徐々に鈍くなった。
・ユーロ円は3日続落。ユーロドルの上昇につれて172.12円の高値まで反発したが、NY午後に入ると171.50円台まで売りに押された。海外時間は総じてドル円やユーロドルの動向をにらみながら、171円台後半を中心としたレンジ内で上下する神経質な動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。この日発表された7月米耐久財受注額が予想より強い結果となり、米景気の底堅さを好感した買いが入った。米連邦準備理事会(FRB)の独立性を巡る懸念が重しとなって相場が下落する場面もあったが、トランプ米大統領が実際にクックFRB理事を解任できるかは不透明との声も聞かれたため、FRB理事の解任を材料にした売りは続かなかった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。この日実施された2年債入札が好調な結果だったと受け止められたことで、債券には買いが入った。
・原油先物相場は4営業日ぶりに反落。前日まで上昇していたことから、利益確定の売りに押された。ロシア産石油の購入を増やしているインドに対する追加関税の発動が27日に迫る中、経済やエネルギー需要への影響が警戒されたことも重しとなった。
・金先物相場は反発。トランプ米大統領のクックFRB理事解任発言を受けてFRBの独立性が懸念されると、相対的に安全資産とされる金に買いが入った。
クック米連邦準備理事会(FRB)理事の弁護士は26日、解任通知に抗議し訴訟を提起する方針を示した。
米連邦準備理事会(FRB)はこの日、「理事は正当な理由がある場合のみ解任が可能」「いかなる裁判所の判断にも従う」などの声明を発表した。
26日08:16 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「データ上、Rスター(自然利子率)の水準に顕著な上昇は見られない」
「低い中立金利の時代はまだ終わったとは言えない」
26日09:35 トランプ米大統領
「米国の卓越したハイテク企業に攻撃を仕掛ける国々に断固として立ち向かう」
「デジタル課税・規制などを撤回しない場合、米国向け輸出品に相当な追加関税を課し、米国の高度な技術・半導体の輸出制限措置を実施」
「米国の素晴らしいテクノロジー企業に敬意を示すこと。さもなくば、それ相応の結果の覚悟を」
27日03:51
「FRBでまもなく過半数を獲得」
「住宅価格のため金利を下げる必要」
「(クックFRB理事について)法廷闘争の用意がある」
「ミラン氏をFRBの長期ポストに切り替える可能性も」
26日10:30 豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(8月11-12日分)
「今後1年でさらなる利下げが必要になる可能性が高いと判断」
「利下げペースについて、経済指標や会合ごとに慎重に判断していく方針」
「金融政策の現状は依然としてやや引き締め的」
「完全雇用に近づけば、やや速めの利下げが必要になる場合もある」
「緩和ペースは段階的な調整が望ましいとする理由がある一方、不確実性のためそれを判断するのは難しい」
「政府債券保有の削減ペースを速めるか検討したが、現時点ではその必要はないと決定」
「労働市場はまだややタイトであり、インフレ率は目標中央値を上回り、国内需要は回復傾向」
「住宅価格の上昇は過去の緩和サイクルの範囲内で、住宅建設は活発化」
「全体として、最新のスタッフ予測は完全雇用とインフレ目標の達成に整合する内容」
26日14:58 ロンバール仏財務相
「政府が崩壊した場合にIMF(国際通貨基金)が介入するリスクを避けたいが、そのリスクが存在しないと装うことはできない」
26日23:14 マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「現状では金利をより持続的に維持することが適切」
「成長の下振れリスクが高まった場合、大幅な利下げの用意がある」
27日02:50 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「金利は緩やかな調整を予想」
27日02:53 ベッセント米財務長官
「FRBの独立性は政治的取り決めによるもの」
「国民の信頼だけがFRBに信任を与える」
「トランプ米大統領は政府への信頼を取り戻している」
※時間は日本時間
<国内>
○未定 ◇ 8月月例経済報告
〇自民党総裁選挙管理委員会が会合
<海外>
○10:30 ◎ 7月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.3%)
○13:01 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、あいさつ
○15:00 ◇ 9月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲22.0)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 7月メキシコ貿易収支(予想:3.00億ドルの黒字)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○28日01:00 ◎ 7月ロシア失業率(予想:2.2%)
○28日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42520 +220 (+0.52%)
TOPIX先物 3080.0 +12.0 (+0.39%)
シカゴ日経平均先物 42505 +205
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
26日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のクック理事の解任を発表し、FRBの独立性に対する懸念からNYダウは下落する場面もみられた。ただし、7月の米耐久財受注額が予想より強い結果になったほか、8月の米消費者信頼感指数も市場予想を上回ったことで、米景気の底堅さを好感した買いが支えた。27日の取引終了後にエヌビディア<NVDA>の決算を控えていることで、様子見姿勢は強かった。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、資本財、銀行、半導体・同製造装置が上昇した一方で、食品・飲料・タバコ、電気通信サービス、ソフトウエア・サービス、不動産の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、大韓航空から航空機103機を受注したボーイング<BA>のほか、シスコシステムズ<CSCO>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、IBM<IBM>が買われた。半面、セールスフォース<CRM>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ナイキ<NKE>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比205円高の4万2505円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比60円安の4万2240円で始まった。直後につけた4万2170円を安値にロング優勢となりプラス圏を回復すると、米国市場の取引開始後には4万2490円まで買われた。買い一巡後は4万2340円~4万2390円と狭いレンジで保ち合いを継続。終盤にかけてロングが強まり4万2530円まで上げ幅を広げ、4万2520円とナイトセッションの高値圏で取引を終えている。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。ナイトセッションで4万2170円まで下げる場面もみられたが、日中につけた安値(4万2110円)を割り込まなかったことで、ショートカバーを誘う形にもなったようである。ボリンジャーバンドの中心値である25日移動平均線(4万1940円)と+1σ(4万2980円)によるレンジ内での推移が意識されるなか、オプション権利行使価格の4万2500円辺りでは強弱感が対立しそうだ。
エヌビディアの決算を控え、足もとで調整を続けている東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株には、いったん買い戻しの動きが入る可能性も考えられ、ハイテク株にらみの展開になるだろう。買い戻しが入る局面では、先物市場でショートカバーを誘う形となりやすく、+1σ水準に接近する展開も意識しておきたい。
一方で、慎重姿勢が強まりハイテク株が弱含む場面では、ショートに向かわせやすくなりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万2500円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万2250円から4万2750円辺りのレンジを想定。もっとも、足もとの調整でショートが積み上がっているとみられ、いったんニュートラルに近づけておく形でのショートカバーは入りやすいだろう。
26日の米VIX指数は14.62(25日は14.79)に低下した。15.75と上昇して始まったが、25日線(15.80)に上値を抑えられる形で下げた。エヌビディアの決算で荒れる可能性はあるが、昨年12月以来の水準に低下するなかで、リスク選好の状況とみておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.78倍と横ばいだった。-1σ(13.78倍)に上値を抑えられているものの、NTショートでのスプレッド狙いの動きも限られ、一時13.73倍まで低下した後は巻き戻された。値がさハイテク株の動向次第だが、-1σを捉えてくると、NTロングに振れる可能性はありそうだ。
昨日の海外市場でドル円は、FRBの独立性を巡る懸念が引き続きドルの重しとして意識されたことや、米10年債利回りが低下幅を拡大に伴い147.10円付近まで弱含んだ。ユーロドルは欧州序盤に下値の堅さを確認すると、ドル売りの流れに沿って買い戻しが入り1.1665ドルまで上昇した。もっとも、バイル仏首相が内閣信任投票を実施する意向を示し、仏政局の先行き不透明感が意識されていることもあり、買い戻しの勢いも徐々に鈍くなった。
本日の東京時間でのドル円は、引き続き需給面でのドル買い・円売りとファンダメンタルズ面でのドル売り・円買いのせめぎ合いになるか。
8月の月末週で、本日はスポ末(スポット応当日が月末)ということもあり、リバランスを含めたドル買い需給などがドルの支えになりそうだ。
一方で、ドル売り・円買いを促す材料は事欠かない。昨日は日本時間の9時過ぎにトランプ米大統領が、自身のSNSでクック米連邦準備理事会(FRB)の解任通知書を掲載。これを受けて米国資産売り、トリプル安(米債・米株・米ドル安)が進んだ。大統領は正当な理由があればFRB理事を解任できるが、市場参加者の多くがFRB理事の過半数をトランプ派で占有させたいというトランプ大統領の政治的介入と捉えている。
これに対して、クック理事は大統領には解任権限はないと主張し、解任処分に異議を唱えるため提訴を表明した。なお、クック理事が標的とされているのは、民主党支持者というだけではなく、FRB理事の任期満了時期が7人の中で最後になる2038年の1月末まで残されていることも要因。長期的にもトランプ米大統領は、自分の息のかかった人物をFRBの要職に就かせようとしている。
今回の騒動は、しばらく今後の展開を見守ることになる。明白なのはトランプ政権が中央銀行の独立性を軽視し、支配下に置こうとしていること。「法の支配」の危機も懸念されており、米国の信頼性を大幅に損なうことになるだろう。
米国売りだけではなく、円買い要因もドル円の重し。昨日は本邦の新発10年物国債利回りが2008年10月以来の水準まで上昇した。また、昨日発表された基調的なインフレ率を捕捉するための指標は、最頻値こそは前月から小幅に上昇。一方で、刈込平均値、加重中央値は低下したものの、円売りの反応は限られた。週末に行われたジャクソンホール会合での植田日銀総裁のタカ派発言や、ベッセント米財務長官からの外圧を受けていることなどで、日銀の9月の利上げ予想が高まっている。
円以外では、本日は豪州から7月消費者物価指数(CPI)が発表され、豪ドルの値動きに注目したい。月次のCPIは四半期CPIバスケットの6割から7割程度しか含まれておらず、RBAの注目度は低いとされているが、市場予想(前月比2.3%増)と結果にかい離があった場合は、市場が反応するだろう。なお、今週に入り豪ドルは対ドルで40Pipsにも満たない極めて狭いレンジでの取引が続いている。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は135ドル高の45418ドルで取引を終えた。翌日にエヌビディアの決算発表を控えて様子見姿勢が強く、中盤辺りまではプラス圏とマイナス圏を行き来したが、終盤にかけて強含む展開。3指数がそろって高値圏で取引を終えた。ドル円は足元147円40銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが205円高の42505円、ドル建てが215円高の42515円で取引を終えた。
米国株高を好感した買いが入ると予想する。エヌビディアの決算待ちという状況は日本も同様で様子見姿勢は強まると思われるが、ドル円も落ち着いており、売りを急ぐ理由が乏しい。エヌビディアの決算次第では、あすはギャップアップスタートもあり得る。きのうの日経平均は買い手不在の中で売りだけが急がれたような地合いとなったが、きょうは売りの方が手控えられて、しっかりとした動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは42450-42700円。
昨日の海外市場では、東京時間で既にトランプ米大統領の暴走を受けた乱高下を経験していたこともあってか、アジア時間のレンジを繰返したのみとなりました。147.91円まで値を上げたものの、前日25日の高値147.94円が意識されると次第に上値を切り下げる展開に。NY時間に入って7月米耐久財受注額や8月米リッチモンド連銀製造業景気指数、8月米消費者信頼感指数などがいずれも予想を上回る強い数字となりましたが、買戻しも147.72円までと限定的に終わると、米長期金利の低下につれて147.10円まで下押し。ただ、東京時間の安値146.99円を前にして下げ止まると引けにかけては147.54円まで値を戻してNY市場を終えています。
本日は早朝に147.30円まで下押す場面もみられましたが、スポ末ということもあって、本邦実需の月末絡みの買いが断続的に観測されているほか、下落していた日経平均が一転して3桁の上昇となっていることも買戻しを後押し。NY時間の高値147.72円を上抜けて147.89円まで値を上げているといったところです。
いずれにしても、昨日のクックFRB理事解任については、FRBが声明を発表しているように「正当な理由がある場合のみ解任は可能。いかなる裁判所の判断にも従う」とのこと。FHFAのパルト長官があら探ししてきたネタを、FRBのボードメンバーばかりではなく、FOMCのメンバーであるその他の連銀総裁までをも全て自身の支配下に置くチャンスとばかりに、早速突っ走ってしまった米大統領を横目に、NY市場はかなりしらけた醒めた反応となりました。
アジア時間の初期反応だけが、ヘッドラインリスクとして乱高下を誘発しただけに終わっているところをみると、トランプ米大統領が吠えれば吠えるほど、「どうせまたTACOる」との認識が益々市場に浸透していくことになりそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比220円高の4万2520円(+0.52%)前後で推移。寄り付きは4万2510円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2505円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。直後につけた4万2530円を高値に軟化し、中盤にかけて4万2260円まで売られる場面もみられた。ただし、売り一巡後はショートカバーが入りプラス圏を回復。終盤にかけて朝方につけた高値を突破し、4万2540円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は買い先行で始まったが、4万2500円水準で強弱感が対立するなか、戻り待ち狙いのショートに押される形になった。しかし、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、ディスコ<6146.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさ株の一角がプラス圏で推移しており、再び4万2500円を突破してきた。ショートカバーを誘う動きに向かわせそうであり、短期的なリバウンドを想定したロング対応になろう。
NT倍率は先物中心限月で13.84倍に上昇した。13.79倍とボリンジャーバンドの-1σ(13.78倍)を上回って始まり、75日移動平均線(13.85倍)に接近している。同線を捉えてくるようだと、中心値である25日線(13.88倍)が射程に入るため、NTショートを巻き戻す動きが強まる可能性はありそうだ。
本日のロンドン為替市場でユーロドル、フランスを巡る動きが材料視されそうだ。これまでのところ、同国政局の先行き不透明感や米国との外交対立がユーロを買いづらくさせている。
バイル仏首相が9月8日に国民議会(下院)で実施するとした信任投票は、首相の思惑とは逆に政権崩壊に繋がる可能性が高まっている。下院で最大議席を抱える極右・国民連合(RN)は信任に反対を表明し、その他主要野党も不信任の姿勢を示した。少数与党の状況で、挽回はかなり難しいとの見方が優勢だ。
仏内閣が総辞職に追い込まれると、推し進めようとしていた財政再建策も見直しを迫られる可能性がある。政府・議会が機能不全となれば内政の混迷も深まり、マクロン大統領の求心力低下は避けられない。欧州連合(EU)加盟国では経済規模2位のフランスの混乱は、ユーロにとってネガティブ要因だ。
米仏の外交対立激化も、国力の差を考えるとユーロにとって重しとなりそうだ。米国のクシュナー駐仏大使は米WSJ紙への寄稿で、フランスの反ユダヤ主義への対応が不十分だと批判した。これに対して、フランスが内政干渉だとして大使を呼び出した。ここにトランプ米大統領が口を挟んでくるようであれば、外交問題がこじれる可能性は否定できない。
なお、本日の主な欧州経済指標は、序盤に発表される9月独消費者信頼感指数(Gfk調査)のみ。マイナスは確実視されており、その低下幅を確認することになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、22日高値1.1743ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、22日安値1.1583ドル
ドル円:1ドル=147.81円(前営業日NY終値比△0.41円)
ユーロ円:1ユーロ=171.75円(△0.15円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1620ドル(▲0.0022ドル)
日経平均株価:42520.27円(前営業日比△125.87円)
東証株価指数(TOPIX):3069.74(▲2.25)
債券先物9月物:137.35円(▲0.01円)
新発10年物国債利回り:1.625%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。8月最終週のスポ末(スポット応当日が月末)ということもあり、東京仲値にかけて買いが強まった。仲値以降も日経平均株価が230円超上昇したことも支えに25日高値の147.94円を上抜けて147.97円まで上値を伸ばした。もっとも、節目の148円を前に買いが一服すると、午後の日経平均株価が上げ幅を縮めたこともあり、やや伸び悩んだ。
・ユーロドルは弱含み。ドル円の上昇に伴う売りが出たほか、仏政局不安が一段と高まっていることも引き続き重しとなった。一時1.1612ドルまで値を下げている。
・ユーロ円は小高い。ドル円の上昇につれて171.91円まで上げたが、ユーロドルが下げた影響も受けたため上値は限られた。
・日経平均株価は反発。昨日の米国株が堅調に推移したことを背景に買いが強まった。半導体関連株の上昇も買いを後押しした。もっとも、ファーストリテイリングなど値嵩株の一角が売られ、下げる場面も見られた。
・債券先物相場は4日続落。日銀の早期利上げ観測の高まりから債券売りが強まり、新発10年物国債利回りは一時1.625%と2008年10月以来の高水準を付けた。
第一生命経済研究所では、過去10年程度において海外投資家が9月に日本株を売り越す傾向があることを指摘している。2014年以降でみると、4・5月に買い越した後、8・9月に売り越し、10・11月に買い戻す傾向が見て取れるとのこと。9月の日経平均は2022年に-7.7%、2023年に-2.3%、2024年に-1.9%と3年連続で下落。株式市場を読む上で、季節性の悪さには注意が必要とみずほではコメントしている。
SMBC日興証券では、テクニカルリポートでビットコインを取り上げている。ビットコインは今年4月の7万4424ドルでボトムアウトして以降、急騰が続いた末に12万2500ドル処のフシに対応した12万4514ドル(8月14日)でピークアウト。パウエルFRB議長の講演後にいったん反発したが一時的にとどまり、8月3日の11万1932ドルを割り込んで調整が拡大し始めているとのこと。SMBC日興では4月からの上昇波動がピークアウトした可能性が高まっていると指摘しており、8万9700~8万4350ドル処まで調整が拡大する可能性があるとコメントしている。
みずほ証券では、トランプ政権の政策による米国経済への影響についてリポートしている。2025年末にかけては、関税政策の影響でインフレ率の伸びが拡大し、米国経済の成長の重荷になると予想。26年半ばにかけては、残業代への一時的な免税など、減税延長以外の部分の押し上げ効果や米利下げの効果が、米国経済を下支えするとみている。米インフレ率については、関税引き上げによるコスト増を転嫁する動きが続くことで、25年末にかけて伸びが拡大すると予想。ただし、関税の影響は財を中心に一時的とみており、家賃や家賃を除くサービスの伸び鈍化が続くことで、インフレ率は26年以降、ピークアウトすると予想している。
中国商務部の盛秋平副部長は国務院新聞弁公室の記者会見で、サービス貿易への政策支援を一段と強化すると表明した。国務院弁公庁が打ち出した「ハイレベルな開放によるサービス貿易の質の高い発展推進に関する意見」に基づき、関連措置の実行を着実に進めるとした。『AAストックス』が27日伝えた。
その上で、商務部は関係部門とともに、財政・税制、金融、利便化の面からサービス輸出を促進する一連の政策を近く打ち出すと説明。政策環境の継続的な改善を図る考えを示した。
盛副部長は、中国の年間サービス貿易は引き続き成長を維持し、貿易構造の最適化も進むとの見通しを示した。
「『基調的な物価上昇率』から、『物価の実績と見通し、需給ギャップや予想物価上昇率』に変えていくべき局面」(7月日銀金融政策決定会合議事要旨)
8月26日、2%の物価安定目標の実現を目指す日銀が公表した7月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」は、将来の予測に有効とされる「刈り込み平均値」と「加重中央値」がプラス幅を縮小した。
7月の上昇品目の比率は79.7%と、6月の80.5%を下回り、下落品目は14.6%で、6月の13.6%から増加した。
1. 基調的なインフレ率を捕捉するための指標
物価動向の分析にあたっては、現実に観測される「消費者物価」の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率(「コア指標」)が利用されている。
生鮮食品を除いた「コアCPI」や生鮮食品およびエネルギーを除いたコアコアCPIの他に、様々なコア指標を総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握できると思われる。
日本銀行調査統計局では、毎月の全国消費者物価指数の公表に合わせて、上昇・下落品目比率、刈込平均値、最頻値、加重中央値を試算し、原則として、全国消費者物価指数の公表日の2営業日後の14時を目途に公表している。
2.7月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(※コア3指標)
■刈り込み平均値:前年比+2.2%(※将来の予測に有効)
・6月から低下(6月+2.3%、5月+2.5%、4月+2.4%、3月+2.2%、2月+2.2%、1月+2.2%)
・価格変動が大きい上下10%の品目を異常値として機械的に除き算出する
■加重中央値:前年比+1.1%
・6月から低下(6月+1.4%、5月+1.7%、4月+1.7%、3月+1.4%、2月+1.4%、1月+1.4%)
・価格上昇率の高い順にウエートを累積して50%付近にある価格変化率
■最頻値:前年比+1.5%(※2020年基準)
・6月から上昇(6月+1.4%、5月+1.6%、4月+1.8%、3月+1.4%、2月+1.2%、1月+1.3%)
・品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率
3.7月の消費者物価指数(CPI)
■消費者物価指数(CPI):+3.1%(6月+3.3%、5月+3.5%、4月+3.6%、3月+3.6%)
■コアCPI(生鮮食品を除く):+3.1%(6月+3.3%、5月+3.7%、4月+3.5%、3月+3.2%)
■コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーを除く):+3.4%(6月+3.4%、5月+3.3%)
7月コアCPIは前年比+3.1%となり、政府補助によるガソリン価格の下落などで伸び率の鈍化傾向が続いているが、コメをはじめ幅広い品目が高止まりしており、8か月連続で3%台の状態が続いている。また、日銀の目標の2%を上回るのは40カ月連続となった。
特に生鮮食品を除く食料は8.3%の上昇と、6月の+8.2%に続き高い伸びが続いている。中でも高値が続くコメ類が90.7%の上昇となり、全体を押し上げた。
政府の定額補助でガソリン価格は前月比-1.3%と下落しており、電気、都市ガス代などを含むエネルギーは0.3%下がり、1年4か月ぶりのマイナスとなった。
今後、8月~10 月の電気代及び都市ガス代について、「緊急対応パッケージ」の一環として押し下げ効果が現れることになる。
SMBC日興証券では、トランプ政権の関税措置が米国住宅市場の逆風になっていると指摘している。共同住宅の着工は購入から賃貸へのシフトもあって持ち直しが進んでいるが、戸建ては販売が弱含む状況で着工も低調とのこと。住宅ローン金利が高止まりする状況で、関税に伴う高い不確実性と経済の下振れリスクが住宅販売の重石となっている。住宅価格は下落し始めたところだが、今後は関税を反映した建築コストの上昇が懸念されるとSMBC日興証券ではコメントしている。
大阪9月限
日経225先物 42500 +200 (+0.47%)
TOPIX先物 3068.0 ±0.0 (±0.00%)
日経225先物(9月限)は前日比200円高の4万2500円で取引を終了。寄り付きは4万2510円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2505円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。直後につけた4万2530円を高値に軟化し、前場中盤にかけて4万2260円まで売られる場面もみられた。ただし、売り一巡後はショートカバーが入りプラス圏を回復。前場終盤にかけて朝方につけた高値を突破すると、後場の取引開始直後には4万2610円まで上げ幅を広げた。
買い一巡後は後場中盤にかけて4万2390円まで上げ幅を縮め、終盤にかけて再びロング優勢の流れから4万2560円まで回復。引け間際にはロング解消とみられる動きから上げ幅を縮めており、概ね4万2500円を挟んでの推移であった。
日経225先物は買い先行で始まったが、4万2500円水準で強弱感が対立するなか、前場中盤にかけて戻り待ち狙いのショートに押される形だった。しかし、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、ディスコ<6146.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさ株の一角がプラス圏で推移し、後場はショートカバーを誘う動きになったとみられる。
もっとも、エヌビディア<NVDA>の決算を前に、いったんショートポジションをニュートラルに修正する動きが進む一方で、新たにロングポジションを積み上げてくる動きは限られていたのだろう。ショートカバーを誘う動きも後場の寄り付き直後で一巡しており、その後はスキャルピング中心のトレードであった。
ナイトセッションで中心値となる25日移動平均線は4万1980円、ボリンジャーバンドの+1σは4万3020円辺りで推移している。そのため、オプション権利行使価格の4万2500円を挟んだ上下の権利行使価格となる、4万2000円から4万3000円のレンジが意識されやすい。エヌビディアの決算は27日の米国市場の取引終了後に発表されるため、東京市場は時間外取引での初動対応になる。
明日の寄り付きはエヌビディアの動向を受けた資金が集中することで、朝方は荒い値動きになると考えられ、日経225先物は現在のレンジの上限もしくは下限を一気に捉えてくる可能性もありそうだ。ただし、短期的な資金が中心であるため、その後はリバランスの動きが強まるだろう。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重要視するPCEコア価格指数の発表が週末に予定されているほか、来週には雇用統計の発表も控える。米国の9月の利下げの可能性は高まっているものの、指標の結果次第では利下げ期待が後退する可能性もあり、ポジションを傾けにくい。現在のレンジを突破してトレンドを強めてくる展開は期待しづらいところである。
NT倍率は先物中心限月で13.85倍に上昇した。13.79倍とボリンジャーバンドの-1σ(13.78倍)を上回って始まり、75日線(13.85倍)を捉えてきた。中心値である25日線(13.88倍)が射程に入るなか、エヌビディアの決算が評価される局面となれば、NTショートを巻き戻す動きが強まる可能性はありそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4048枚、ソシエテジェネラル証券が1万0688枚、サスケハナ・ホンコンが3448枚、バークレイズ証券が1474枚、SBI証券が1446枚、野村証券が1295枚、モルガンMUFG証券が1175枚、日産証券が1092枚、JPモルガン証券が1064枚、ビーオブエー証券が498枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万1124枚、ソシエテジェネラル証券が1万9430枚、JPモルガン証券が4050枚、バークレイズ証券が3907枚、モルガンMUFG証券が2613枚、シティグループ証券が2397枚、ビーオブエー証券が2093枚、野村証券が1345枚、サスケハナ・ホンコンが1058枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、週末に発表される米国7月PCEデフレーターを控えて、トランプ米大統領によるクックFRB理事解任騒動の続報を見極めていくことになる。
トランプ米大統領がクックFRB理事の解任を表明したものの、クックFRB理事は「違法な行為に異議を唱える訴訟を起こす」と表明している。訴訟が提起されれば、クック氏はまず「予備的差し止め命令」を裁判所に求めることで、訴訟が進行する間は解任を一時的に阻止できる可能性がある。
米連邦準備理事会(FRB)もクックFRB理事の支持を表明し声明を発表している。「連邦準備制度は最大限の雇用、価の安定、円滑に機能する金融システムの促進という法定の責務を遂行するために、連邦議会によって設立された。連邦準備法により、理事は長期かつ定められた任期で務め、「正当な理由」がある場合のみ、大統領によって解任されると規定されている。長期の任期と解任に対する保護措置は、金融政策の判断がデータと経済分析、米国民の長期的利益に基づいて行われることを保証する重要なセーフガードだ。連邦準備制度は法により定められた責務を引き続き遂行していく」
連邦準備制度法が解任理由として規定している「正当な理由(for cause)」とは、職務怠慢、職務放棄、職務上の不正行為、などとなっており、2022年のクックFRB理事就任以前の2021年の住宅ローン問題が解任理由となるのか否か、裁判所の判断に委ねられることになる。
また、トランプ米大統領がクックFRB理事を解任した場合、3名のトランプ・チルドレン(ウォラーFRB理事、ボウマンFRB副議長、ミランFRB暫定理事)が4名となり、米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ圧力が強まることになる。
さらに、トランプ米大統領は、来年2月に予定されている地区連銀総裁全員の任期更新において、利下げに反対する地区連銀総裁を再任しない可能性も警戒されており、次期FRB議長の人選とともに関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、148.39円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、146.58円(8/22安値)
今晩は底堅い展開か。昨日はFRBの独立性を巡る懸念が重しとなり下落する場面もあったが、翌日引け後のエヌビディアの決算発表への期待や米10年債利回りの低下などを追い風に主要3指数がそろって上昇。ダウ平均が135.6ドル高(+0.30%)、S&P500が0.41%高、ナスダック総合が0.44%高と主要3指数がそろって反発した。今週は8月最終週となるが、月初来ではダウ平均が2.92%高、S&P500とナスダック総合がともに2.00%高と、例年パフォーマンスが低迷する8月としては異例の好調推移となっている。引け後の動きではクラウド上のデータベース運営のモンゴDBが予想を上回る決算を発表し時間外で30%超上昇し、ID管理大手のオクタも強い通期見通しが好感され時間外で6%超上昇した。
今晩の取引では引け後に発表されるエヌビディアの決算への期待を背景に底堅い展開か。AI関連需要の高まりを背景にモンゴDBとオクタが好決算を発表したことでエヌビディアの決算も好調が期待されている。エヌビディアは過去12四半期中、11四半期で予想を上回る増益決算を発表した。ただ、そのうち4回は利益確定売りで株価が下落した。今回も予想を上回る決算を発表すると期待されているが、決算を受けた株価の反応が注目される。
今晩の米経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫など。企業決算は寄り前にウィリアムズ・ソノマ、JMスマッカー、引け後にエヌビディア、HP、ネットアップ、クラウドストライクなどが発表予定。
日経平均株価は反発。5日移動平均線(42593円 8/27)を上値で意識する展開となり、前日の陰線に並ぶような小陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の37.0%→47.7%(8/27)に上昇。5日移動平均線など短期線が下向きに推移している点が伸び悩む要因になりやすい。引き続き、上値へのトレンドフォローが基本スタンスであるが、25日移動平均線(41932円 同)や一目均衡表の基準線(41731円 同)付近まで下落余地が拡大する可能性も依然として高い。
上値メドは、10日移動平均線(42914円 同)、8/25高値(43201円)、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円、45000円などがある。下値メドは、25日移動平均線や基準線、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円や40500円、8/4安値(39850円)などがある。
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.724%、応札倍率(カバー)が2.36倍となった。
(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.35円(27日15時時点比▲0.46円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.49円(▲0.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1637ドル(△0.0017ドル)
FTSE100種総合株価指数:9255.50(▲10.30)
ドイツ株式指数(DAX):24046.21(▲106.66)
10年物英国債利回り:4.736%(▲0.004%)
10年物独国債利回り:2.700%(▲0.023%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲23.6 ▲21.7・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。新規の取引材料を欠くなか、米長期金利の動向につれて上下した。米10年債利回りが一時4.28%台まで上昇したことに伴い、20時過ぎには148.18円まで本日高値を更新。ただ、その後に米10年債利回りが4.24%台まで低下すると、全般にドル売りが強まった影響から147.29円の安値まで売りに押された。なお、ウィリアムズ米NY連銀総裁はこの日、米労働市場は底堅いとして利下げを慎重に進める考えを示した。
・ユーロドルは下値が堅い。仏政局不安が依然として相場の重しとなっているほか、米長期金利の上昇を手掛かりにしたドル買いも進み、20時過ぎには一時1.1574ドルと6日以来の安値を更新した。ただ、その後は米金利の動向をにらみながらユーロ買い・ドル売り方向へと転じ、1.1640ドル台まで下値を切り上げた。
・ユーロ円はもみ合い。日本時間の夕刻に171.26円まで下落する場面があったものの、総じてドル絡みの取引が中心となったため、171円台半ばを挟んで方向感なく上下した。
・ロンドン株式相場は小幅続落。昨日終値を挟んだ水準での方向感を欠いた動きとなった。BPやシェルなどエネルギー株が買われた半面、HSBCホールディングスなどの金融株の下げが目立ち、指数を押し下げた。
・フランクフルト株式相場は3日続落。小高く始まった後ですぐに下げに転じ、そのまま小安く推移した。個別ではコメルツ銀行(4.98%安)やドイツ銀行(3.36%安)など銀行株の下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。欧州株安を受けた買いが入った。
27日の日経平均は反発。終値は125円高の42520円。米国株高を受けて上昇して始まるも、早々にマイナス転換。方向感が定まらず、しばらくプラス圏とマイナス圏を行き来した。ただ、下げ幅を3桁に広げると切り返しており、下値は限られた。11時辺りからスルスルと上げ幅を広げて3桁の上昇で前場を終えると、後場はプラス圏が定着。上げ幅を200円超に広げて42600円台に乗せたところでは上値が重くなったが、萎んで前日終値に接近したところでは盛り返し、終値で42500円を上回った。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1800億円。業種別では電気・ガス、空運、非鉄金属などが上昇した一方、保険、その他製品、ゴム製品などが下落した。中外製薬<4519.T>が急伸。同社が創製し、米イーライリリーが開発中の経口肥満症薬の治験で良好な結果が確認できたことが買い材料となった。半面、東証から特別注意銘柄に指定されたACCESS<4813.T>が一時ストップ安となるなど急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり741/値下がり793。欧州企業から出資比率引き上げの提案を受けているとの観測が報じられたニコンがストップ高。エヌビディアの決算発表を前にアドバンテストが4%を超える上昇となった。上方修正を発表したNJSが急騰。ぷらっとホームがリリースを材料に後場に買いを集めてストップ高となった。足元で振れ幅が大きくなっているアステリアが19.3%高と急騰。全市場の売買代金でトップ5入りするなど商いも活況となった。
一方、サンリオが3%を超える下落。川崎重工やIHIなど防衛関連が弱かった。三菱UFJ、第一生命、MS&ADなど金融株が軟調。通期見通しを引き下げた三菱自動車が、後場マイナス転換から下げ幅を広げた。公募・売り出しを発表したニューラルグループが大幅に下落した。
日経平均は反発。エヌビディアの決算発表を前に様子見姿勢は強かったが、アドバンテストが先回りで強く買われるなどアグレッシブな動きも見られた。あすはエヌビディアの時間外の反応を手がかりに、半導体株の注目度が高まると思われる。日経平均は19日に43876円まで上昇した後、大崩れすることなく調整が進んでいるだけに、この辺りで半導体株が買われて上を試しにいけるようなら、センチメントが強気に傾きやすい。
また、半導体以外の銘柄にも注目しておきたい。仮にエヌビディアの決算が市場の期待に届かなかったとしても、半導体株以外の銘柄を嫌う理由にはならない。今の日本株は他のジャンルにも相場の主役を張れる銘柄が多い。防衛株やゲーム株などは中期の基調は強いが足元では利益確定売りに押されており、その分、過熱感は削がれている。半導体株が買われてリスクオンというのが理想的なシナリオだが、そのシナリオでなくても日本株に上がり目はある。注目イベントを消化することで物色意欲が刺激され、調整一巡感が出てくる展開に期待したい。
(27日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.42円(前営業日比△0.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.59円(▲0.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1639ドル(▲0.0003ドル)
ダウ工業株30種平均:45565.23ドル(△147.16ドル)
ナスダック総合株価指数:21590.14(△45.87)
10年物米国債利回り:4.23%(▲0.03%)
WTI原油先物10月限:1バレル=64.15ドル(△0.90ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3448.6ドル(△15.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲0.5% ▲1.4%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円はほぼ横ばい。新規の取引材料を欠くなか、米長期金利の動向につれて上下した。米10年債利回りが一時4.28%台まで上昇したことに伴い、20時過ぎには148.18円まで本日高値を更新。その後に米10年債利回りが低下に転じると、全般ドル売りが強まった影響から147.29円の安値まで売りに押されたが、引けにかけては147円台半ばまで下げ渋った。なお、ウィリアムズ米NY連銀総裁はこの日、米労働市場は底堅いとして利下げを慎重に進める考えを示した。
・ユーロドルもほぼ横ばい。米長期金利の上昇を手掛かりにしたドル買いが進み、20時過ぎには一時1.1574ドルと6日以来の安値を更新した。ただ、その後は米金利の動向をにらみながらユーロ買い・ドル売り方向へと転じ、1.1640ドル台まで下値を切り上げた。
・ユーロ円もほぼ横ばい。総じてドル絡みの取引が中心となったため、171円台半ばを挟んだレンジ内で方向感なく推移した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。半導体大手エヌビディアの決算を控えて様子見ムードが強かったものの、出遅れ感のある銘柄などが物色されて相場は底堅く推移した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。前日の2年債入札に続いて、この日実施された5年債入札でも需要の堅調さを確認できたことが好感された。
・原油先物相場は反発。この日発表された週間在庫統計で、原油在庫が予想以上に減少していたことが明らかとなった。需給引き締まり観測から買いが優勢となった。
なお米政府は27日に、ロシア産原油の購入を続けていることを理由に、インドからの輸入品に対して25%の追加関税を発動した。
・金先物相場は続伸。米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性を巡る懸念を背景に、相対的に安全資産とされる金に買いが入った。全般的なドル売りの流れの中、ドル建てで取引される金の割安感が意識されたことも追い風となった。
中国の国家統計局が27日に発表した統計によると、2025年1-7月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比1.7%減の4兆203億5000万元だった。
業種別では、農産物加工が14.5%増、電気機械・器材製造が11.7%増、非鉄金属精錬・圧延加工が6.9%増、コンピューター・通信・その他の電子設備製造が6.7%増、汎用設備製造が6.4%増、電力・熱供給が6.3%増、専用設備製造が3.2%増、自動車製造が0.9%増となった。一方、非金属鉱物製品製造が5.6%減、紡織が6.5%減、化学原料・化学製品製造が8.0%減、石油・天然ガス採掘が12.6%減、石炭採掘・選炭が55.2%減、石油・石炭・その他の燃料加工は赤字が縮小した。
7月単月の税引き前利益は前年同月比1.5%減だった。
27日20:27 ベッセント米財務長官
「FRBは根本的な使命に回帰すべき」
「ウォラーFRB理事やボウマンFRB副議長に対して指示は出していない」
「FRBは無責任な機関」
「トランプ米大統領にはFRB議長候補3-4名を提示する」
27日21:35 ウィリアムズ米NY連銀総裁
「米連邦準備理事会(FRB)の独立性は非常に重要」
「米国の景気は、年率1-1.5%程度で成長している」
「もし中立金利が1%以下ならば、現状の政策金利は制約的である」
「2大責務である『物価の安定』と『雇用の最大化』のバランスは均衡している」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◎ 中川順子日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:2.50%で据え置き)
○10:00 ◇ 8月ANZ企業信頼感
○10:30 ◇ 4-6月期豪民間設備投資(予想:前期比0.7%)
○16:00 ◎ 4-6月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.1%/前年比1.4%)
○16:00 ◇ 7月トルコ貿易収支
○17:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:96.0)
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲15.5)
○18:30 ◇ 7月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.6%/前年比1.4%)
○19:30 ◎ 7月インド鉱工業生産(予想:前年同月比2.1%)
○20:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月23-24日分)
○21:00 ◇ 7月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.86%)
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ経常収支(予想:194.0億カナダドルの赤字)
○21:30 ☆ 4-6月期米GDP改定値(予想:前期比年率3.1%)
◎ 個人消費(改定値、予想:前期比1.6%)
◎ コアPCE(改定値、予想:前期比2.6%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/197.0万人)
○23:00 ◎ 7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲0.1%/前年比0.1%)
○29日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、新規の取引材料を欠くなか、米長期金利の動向につれて上下した。米10年債利回りが一時4.28%台まで上昇したことに伴い、148.18円まで日通し高値を更新。その後に利回りが低下に転じると、147.29円の安値まで売りに押された。ユーロドルは一時1.1574ドルと6日以来の安値を更新。ただ、その後は1.1640ドル台まで下値を切り上げた。
本日の東京時間でのドル円は、引き続き需給面でのドル買い・円売りとファンダメンタルズ面でのドル売り・円買いの攻防か。昨年8月も最終週は、東京仲値の値決めの時間を中心に月末までは実需勢のドル買いが優勢となった。今年も最終週に入って以後、実需勢の買いでドル円は底堅さを維持していることを見ると、月末までは引き続き下値は支えられそうだ。
一方で、ドル売り・円買いを促すような材料は事欠かない。その中で、本日は山口県金融経済懇談会での中川審議委員の挨拶に注目。挨拶は10時30分から始まるが、通常は同時刻に日銀のホームページで挨拶の全文が公開される。4月に同審議委員は「経済や物価の見通しを実現していくとすれば、引き続き緩和度合いを調整していく」との発言をした。先週末のジャクソンホール会合で植田日銀総裁がタカ派発言をした後だけに、4月と同様の発言となった場合には、市場の利上げ観測がより高まることになるだろう。なお、昨日も本邦10年国債利回りが2008年以来の高水準を記録した。
米国からは本日、国内総生産(GDP)改定値や雇用指標、明日は個人消費支出(PCE)デフレーターなどが発表される。そのためNY市場では、経済指標の結果で左右される相場展開になるだろう。もっとも東京時間の午前は、引き続きトランプ米大統領をはじめとした米政権からの突発的な発言には、市場が急に動意づく可能性もあるため警戒が必要だ。
クック米連邦準備理事会(FRB)の解任に関しては、疑惑の段階で通知書を送る異常事態になっている。ベッセント米財務長官はこれまで、トランプ大統領の暴走を止めていたが、徐々に大統領の行動に歯止めが利かなくなってきた。再びトランプ大統領がサプライズコメントをSNSに投稿した場合は、ドル相場が大きく動くリスクはある。
本邦国内以外では、豪州から4-6月期民間設備投資が発表される。同指標は9月3日に発表予定の同期GDPの構成要素の一つ。ただし、今週に入り豪ドルは対ドルで僅か50pipsのレンジ内で上下しており、市場がどの程度動意づくことができるかは不透明だ。
東京市場は軟調か。米国株は上昇。ダウ平均は147ドル高の45565ドルで取引を終えた。エヌビディアの決算発表を前に動意は乏しかったが、長期金利の低下を好感して買いが優勢となった。ドル円は足元147円20銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが65円高の42565円、ドル建てが80円高の42580円で取引を終えた。
米国で引け後に出てきたエヌビディアの5-7月期決算は、売上高や最終利益は市場予想を上回った。ただ期待値も相応に高かっただけに、時間外の株価は下落している。エヌビディアの時間外の下落は、本日の米国株安を想起させる。東京市場ではきのうアドバンテスト<6857.T>が先回りで強く買われており、国内半導体株にはネガティブな影響が見込まれる。これらの点から、日本株は売りに押されると予想する。エヌビディアの決算は悪い内容ではなかっただけに大崩れはするとはみていないが、場中は手がけづらさが意識され、盛り上がりに欠ける地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは42200-42650円。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42450 -50 (-0.11%)
TOPIX先物 3064.5 -3.5 (-0.11%)
シカゴ日経平均先物 42565 +65
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
27日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。取引終了後にエヌビディア<NVDA>の決算を控えて様子見ムードが強かったが、相対的に出遅れている銘柄などが買われた。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合について金利変更の可能性に言及した、と伝えられたことを材料視する動きもみられた。
S&P500業種別指数はエネルギー、電気通信サービス、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、自動車・同部品、運輸、メディアが下落した。NYダウ構成銘柄では、セールスフォース<CRM>、シェブロン<CVX>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、マイクロソフト<MSFT>が買われた。半面、メルク<MRK>、ナイキ<NKE>、ハネウェル・インターナショナル<HON>、アムジェン<AMGN>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比65円高の4万2565円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比30円安の4万2470円で始まった。直後につけた4万2330円を安値に下げ渋り、4万2360円から4万2470円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にプラス圏を回復し、終盤にかけて4万2590円まで買われた。ただし、終了間際に4万2360円まで軟化するなど荒い値動きとなり、4万2450円でナイトセッションの取引を終えている。
エヌビディアの8~10月期の売上高は約540億ドル前後の見通しであり、市場予想と同水準だった。ただ、一部のアナリストの予想に届かなかったことで、AI投資が鈍化しているとの懸念につながり、時間外取引では3%ほど下落して推移している。
この影響により、日経225先物はやや売りが先行して始まりそうだ。もっとも、エヌビディアは決算を受けて大きく動くとの見方は織り込まれており、3%程度の下落であれば過度に警戒する流れにはならないだろう。
そのため、売りが先行したとしても現在のボリンジャーバンドの+1σ(4万3020円)と中心値である25日移動平均線(4万1990円)とのレンジ内での推移は継続するとみる。オプション権利行使価格の4万2500円を挟んだ上下の権利行使価格となる4万2250円から4万2750円辺りのレンジを想定する。朝方に下へのバイアスが強まるようであれば、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。
もっとも、29日には米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているPCEコア価格指数の発表を控えている。9月の利下げ観測は根強いが、指標の内容を受けて利下げ期待が後退する可能性もあるため、積極的なロングは手控えられやすいだろう。4万2500円処で上値の重さが意識されてくるようだと、短期的には戻り待ち狙いのショートが入りやすいとみられる。また、米国市場でのエヌビディアの決算反応を見極めたいとして、グローベックスの米株先物の動向に振らされやすいだろう。
27日の米VIX指数は14.85(26日は14.62)に上昇した。15.23まで上げる場面もみられたが、エヌビディアの決算待ちのなかで小動きだった。依然としてボトム圏での推移が続いているため、リスク選好の状況とみておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.85倍に上昇した。13.79倍と-1σ(13.78倍)を上回って始まり、75日線(13.85倍)を捉えてきた。同線が抵抗線として意識されやすく、NTショートに向かわせそうだ。ただし、エヌビディアの時間外での下落の影響が限定的であれば、指数インパクトの大きい値がさハイテク株はアク抜けが意識されやすく、NTショートを巻き戻す動きが強まる可能性がありそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比240円高の4万2740円(+0.56%)前後で推移。寄り付きは4万2380円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2565円)を割り込み、売り先行で始まった。ただし、現物の寄り付き時につけた4万2280円を安値に一気に反転して4万2700円台まで急伸。買い一巡後は中盤にかけて4万2560円辺りまで上げ幅を縮めたが、終盤にかけて上へのバイアスが強まり、4万2750円まで上げ幅を広げた。
米国で取引終了後に決算を発表したエヌビディア<NVDA>が時間外取引で下落した流れから、売りが先行して始まった。しかし、現物の寄り付き時につけた4万2280円を安値に一気にロングが集中する形になった。オプション権利行使価格の4万2500円を中心とした上下の権利行使価格となる4万2250円から4万2750円でのレンジとなった。下限を試した後に一気にレンジ上限を捉えたことで、ショートカバーを誘う形になったと考えられる。4万2750円辺りでの底堅さがみられるようだと、ボリンジャーバンドの+1σ(4万3040円)が意識されてきそうだが、短期的には達成感はある。
NT倍率は先物中心限月で13.86倍に上昇した。一時13.82倍に低下する場面もみられたが、その後の切り返しで75日移動平均線(13.85倍)を突破しており、25日線(13.87倍)を捉えてきた。25日線を明確に上抜けてくるようだと、NTショートを巻き戻す動きが強まる可能性はありそうだ。
内閣府の発表によると、赤沢経済再生相による訪米は取りやめになった。
一部通信社によると、赤沢経済再生相は来週にも訪米することを検討しているという。
昨日のドル円は欧州時間は米長期金利の上昇につれて148.18円まで値を上げる場面もみられましたが、NY時間に入って米長期金利が一転して下落すると戻り売り。アジア時間の安値147.30円を下抜けて一時147.29円まで値を下げました。ただ、引けにかけては147.52円まで買戻されてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは昨日安値を下抜けると147.21円まで下落したものの、月末絡みの本邦実需の買いが観測されたほか、日経平均が上昇に転じたこともあり147.49円まで買戻し。仲値後には147.20円まで値を下げました。中川日銀審議員が講演で関税などの不確実性について言及したことを受けて147.45円まで再び買戻される場面もみられましたが、戻りも限定的。ランチタイムに一時147.17円まで安値を更新しているといったところです。
いずれにしても、目先は月末絡みのフローのみで狭いレンジでの相場が形成されているなか、神経質な動きが繰り返されているわけですが、トランプ米大統領のFRB完全掌握への暴走や、自民党の臨時総裁選開催の可否など、良くも悪くも材料になり得るネタがいずれも不透明な状況のなか、目先は米長期金利や株価などといった、いたって可視化出来る透明性のある数字などをもとに、短期的な売買を繰り返せざるを得ない状況とあって、市場自身が方向性を失ったままとなっています。
財務省が実施した2年物国債入札は応札倍率が2.84倍と2009年以来の低水準となった。また、最低落札価格は100円05銭と市場予想の100円08銭程度を下回った。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、仏政局の先行き不透明感に対する市場の反応を見極めながら、欧州中央銀行(ECB)理事会の議事要旨を確かめ、ニューヨーク勢の参入を待つという展開か。経済指標は8月ユーロ圏経済/消費者信頼感指数など、またレーン・フィンランド中銀総裁の講演が予定されている。
フランスでバイル内閣の崩壊危機が高まっていることを受け、昨日も仏長期債は売りが先行した(利回りは上昇)。仏10年債利回りは3.48%台から一時3.54%台まで上昇し、それに伴いユーロドルは一時1.1570ドル台まで売り込まれた。また、同債と独10年債の利回り格差は、約82ベーシスポイント(bp)と1月以来の水準まで拡大している。
もっともユーロドルは1.15ドル後半では底堅さを見せ、1.1640ドル台まで反発。仏独の利回りスプレッドは広がったままだが、欧州終盤には仏長期債を買い戻す動きも見られたことや、仏株の主要指数CAC40が3日ぶりに反発したことがユーロの支えとなったようだ。このように、9月8日に仏下院で行われるバイル内閣への信任投票までは、仏資産の上下にユーロ相場が振らされる場面が何度かありそうだ。
20時30分に公表されるECB理事会議事要旨は、8会合ぶりに政策金利が据え置かれた7月23-24日分。この決定自体は市場予想通りであり、定例会見でもラガルドECB総裁は「経済成長のリスクは引き続き下振れ方向にある」と従来からの見解を繰り返した。ECB総裁が様子見の立場を示したものの、議事要旨ではタカ派ハト派の意見を見比べることも必要だろう。
なお、次回のECB理事会は9月10-11日に予定され、今のところ短期金融市場は2会合連続の据え置きを予想している。この辺りは、議事要旨が明らかになっても変わりないだろう。
ほかNY勢が本格参入した後になるが、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシング前後の相場には注意したい。月末に絡んだフローで、荒い動きとなるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、25日高値(今週高値)1.1734ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、27日安値1.1574ドル
ドル円:1ドル=147.12円(前営業日NY終値比▲0.30円)
ユーロ円:1ユーロ=171.21円(▲0.38円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1637ドル(▲0.0002ドル)
日経平均株価:42828.79円(前営業日比△308.52円)
東証株価指数(TOPIX):3089.78(△20.04)
債券先物9月物:137.43円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.620%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1672億円の処分超 3109億円の処分超・改
対内株式
4968億円の処分超 1兆1670億円の所得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。早朝取引で147.21円まで値を下げた後、本邦実需勢の買いが観測されると147.49円まで反発した。ただ、東京仲値にかけて輸出予約が入るなど、上値も限られた。午後に入り財務省が実施した2年債入札が弱い内容だったことが分かると2年債利回りが低下幅を縮小。時間外の米長期金利も小幅ながら低下するなか、日米金利差縮小が意識され、15時過ぎには一時147.00円まで下押しした。
なお、中川日銀審議委員は「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との見解を示したほか、「利上げ環境、4月よりは少し改善した」「ビハインド・ザ・カーブには陥っていない」などとも述べた。
・ユーロ円も頭が重い。ドル円が高値を付けたタイミングで一時171.75円まで上げたが、その後はドル円が失速するとつれ安に。午後には昨日安値の171.26円を下抜けて171.12円まで下げ足を速めた。
・ユーロドルは伸び悩み。時間外の米10年債利回りが小幅ながら低下したことに伴って一時1.1655ドルまで上昇した。ただ、一巡後はユーロ円の下落に引きずられる形で上げ幅を縮めた。
・日経平均株価は続伸。決算発表のエヌビディア株が時間外で下落したことが嫌気され、200円超下落してスタートしたが、すぐに押し目買いが入りプラス圏に浮上。後場に入っても堅調地合いを保ちながら、300円超高の高値引けとなった。
・債券先物相場は5営業日ぶりに反発。昨日の米国債が買われた流れを引き継ぐ形で日本国債も買いが先行。一時137.55円まで上昇した。もっとも、2年債入札の応札倍率が2009年9月以来の低水準を記録すると137.38円まで上げ幅を縮めた。
東海東京インテリジェンス・ラボでは今年の動きが強い中国株に関して、相場回復が続くかどうかは、予想EPSの回復基調が着実になるような政策を中国当局が打ち出せるかどうかにかかっていると考えている。7月に入り、予想EPSの上方修正の兆しが見えるようになってきているとのこと。東海東京では中国当局が過当競争の是正に乗り出したことが背景にあるとみており、予想EPSの上方修正が続くのであれば、比較的息の長い回復相場が実現する可能性があると考えている。
SMBC日興証券では、2000年代半ば以降は資本ストックがほとんど経済成長率に寄与していなかったが、これに関しては設備投資が減耗分相当額にとどまり、資本の蓄積がなされていなかったことが背景にあると考えている。しかし、直近では減耗分を上回る純設備投資がプラスになり始めているとのこと。国内外の需要は底堅いと予想されることに加え、設備投資の拡大が資本投入の増加だけでなく、労働生産性の向上をもたらす可能性があることから、日本経済は緩やかながら成長軌道に乗りつつあると判断できるのではないかとSMBC日興ではコメントしている。
中国の工業情報化部は27日、衛星通信産業を業務参入の最適化によって発展させるよう各地方に指示した「指導意見」を公表した。2030年までに携帯電話の直接衛星接続などの新しいモデルや業態が広がり、衛星通信ユーザー数が1000万を超える目標を掲げた。衛星通信の管理制度と政策・法規を一段と整備し、産業の発展環境を継続的に最適化して各事業主体にイノベーション活力を発揮させることでインフラ、産業供給、技術標準、国際協力などの総合的な発展水準が大きく向上するよう支援する。
「指導意見」には計19項目の措置が盛り込まれた。市場開放の拡大措置として、衛星インターネットシステムの建設と応用サービスの加速、低軌道衛星通信アプリケーションの商用試験の展開を支援する。また、電気通信事業者が衛星企業と共同建設・共同利用などの方式を通じて携帯端末による直接衛星接続の普及・応用を加速させ、モバイル通信ユーザーに衛星を基盤とした音声・ショートメッセージサービスを提供できるようにする。低軌道衛星インターネットを活用した高速データサービスの拡大も奨励する。
同時に、一定条件を満たす企業による低軌道衛星IoT(モノのインターネット)ネットワークの活用を支援し、新型衛星通信業務を民間企業にいっそう開放する。さらに、民間企業が法令・規則に基づき高軌道・低軌道で運用中の各種衛星を活用することを奨励する。
「指導意見」は一方で、衛星通信業務の監督管理を強化すると明らかにした。市場参入や端末機器のネットワーク接続などの許認可審査を最適化し、公平な競争秩序を維持し、統一的かつ開放的で秩序ある競争が行われる衛星通信市場体系を構築するとした。
「これまで30州以上で同時に失業率の悪化が見られると、米経済は必ず景気後退局面に陥った」(サンフランシスコ連銀の研究者)
米サンフランシスコ連銀の研究者は、リセッション(景気後退)を警告する新たな指標「労働市場ストレス指標(LMSI)」を提示した。
州レベルの「サーム・ルール」と位置づけられるLMSIは、労働市場の混乱や地域的な景気下降の兆候に政策当局が迅速に対応することを可能にするとのことである。
1. 労働市場ストレス指標(LMSI:Labor Market Stress Indicator)
失業率が過去12カ月の最も低い水準から少なくとも0.5ポイント以上の州が30州を超えた場合、リセッション(景気後退)に陥る
■考案者:サンフランシスコ連銀の研究者
(ロヒト・ガリメラ、オスカル・ジョルダ、サンジェイ・R・シン)
■概要
・労働市場における地域ごとのばらつきに着目したもの
・失業率が過去12カ月の最も低い水準から少なくとも0.5ポイント上昇した州の数を数える仕組み
・これまで30州以上で同時に失業率の悪化が見られると、米経済は必ず景気後退局面に陥っている
・LMSIは失業率が悪化している州の数を数えるというシンプルで透明性の高い手法を採用しており、解釈しやすい上、経済的ストレスの地理的な分布に関する貴重な洞察も与える
・2024年7月にリセッション警戒シグナルを一時点灯させたものの、失業率が悪化した州の数はすぐに目安の30州を下回り、労働市場の回復を示唆している
2.サームルール景気後退指標(SRI:Sahm Rule Recession Indicator)
失業率の3ヵ月平均と過去1年間での最低水準の差が0.5ポイント以上なら、1年以内に景気後退入りする。
■考案者:クローディア・サーム氏(Claudia Sahm)
元FRB(連邦準備制度理事会)の消費者・地域社会部門の課長で家計経済と意思決定に関する調査を監督していたエコノミストのクローディア・サーム氏(Claudia Sahm)が、景気後退に陥った個人への景気刺激策を自動的に開始する方法として開発した景気後退の初期シグナル。
■算出法
1)失業率の直近3カ月移動平均-過去12か月間の3カ月平均の最低値(セントルイス連銀)
2)失業率の直近3カ月移動平均-過去12か月間の最低値(サーム氏)
大阪9月限
日経225先物 42930 +430 (+1.01%)
TOPIX先物 3098.0 +30.0 (+0.97%)
日経225先物(9月限)は前日比430円高の4万2930円で取引を終了。寄り付きは4万2380円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2565円)を割り込み、売り先行で始まった。ただし、現物の寄り付き時につけた4万2280円を安値に反転して4万2700円台まで急伸。買い一巡後は4万2560円辺りまで上げ幅を縮めたが、前場終盤にかけて上へのバイアスが強まり、4万2750円まで上げ幅を広げた。後場入ると4万2830円まで買われ、その後は4万2800円を挟んで保ち合いとなったが、終了間際にショートカバーとみられる動きが強まり、4万2930円と本日の高値で終えた。
米国で取引終了後に決算を発表したエヌビディア<NVDA>が時間外取引で下落した流れを受けて、売り先行で始まった。しかし、現物の寄り付き時につけた4万2280円を安値に一気にロングが集中する形になった。オプション権利行使価格の4万2500円を中心とした上下の権利行使価格となる4万2250円から4万2750円でのレンジとなった。下限を試した後に一気にレンジ上限を捉えたことで、ショートカバーを誘ったと考えられる。
ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などが日経平均型を牽引。さらに、三菱商事<8058.T>[東証P]が正午前に、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>の議決権ベースの保有株比率が10%を超えたと発表。改めて海外投資家の日本株に対する関心は高いとの見方に向かわせたことも、ショートカバーを誘ったようである。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(4万3050円)に接近してきた。4万3000円接近では戻り待ち狙いのショートが警戒されそうだが、同バンドを明確に上抜けてくると、+2σ(4万4100円)とのレンジに移行する可能性が高まろう。28日の米国市場では改めてエヌビディアの決算反応を見極めることになるが、ネガティブな反応が限定的であれば、4万3000円突破からの一段の上昇が意識されやすい。
週足のボリンジャーバンドでは、+1σと+2σによるレンジを形成しているが、+1σ(4万2310円)までの調整を経てリバウンドを強めており、+2σ(4万4140円)がターゲットになりそうだ。4万3000円処で底堅さがみられてくるようだと、戻り待ち狙いのショートは慎重にしておきたい。
NT倍率は先物中心限月で13.85倍と前日比変わらず。一時13.82倍に低下する場面もみられたが、その後の切り返しで75日移動平均線(13.85倍)を突破しており、25日線(13.87倍)を捉えてきた。ただ、25日線に上値を抑えられる形となり、75日線水準での攻防が続いた。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5946枚、ソシエテジェネラル証券が1万2160枚、サスケハナ・ホンコンが3858枚、ゴールドマン証券が2627枚、日産証券が1920枚、モルガンMUFG証券が1809枚、JPモルガン証券が1736枚、バークレイズ証券が1679枚、野村証券が1261枚、大和証券が948枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万2080枚、ソシエテジェネラル証券が1万7246枚、バークレイズ証券が4576枚、JPモルガン証券が3906枚、ゴールドマン証券が3745枚、モルガンMUFG証券が3075枚、シティグループ証券が2434枚、ビーオブエー証券が1941枚、野村証券が1783枚、サスケハナ・ホンコンが1021枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、明日発表される米国7月PCEデフレーターを控えて、米国の4-6月期米GDP改定値や雇用指標などを見極めていく展開となる。
また、トランプ米大統領によるクックFRB理事解任騒動に関するヘッドラインや次期FRB議長の人選に関するヘッドラインにも警戒しておきたい。
次期FRB議長候補(11名程度)の人選を担当しているベッセント米財務長官は、昨日、「トランプ米大統領には次期FRB議長候補3-4名を提示する」意向を示していた。
4-6月期米GDP改定値は前期比年率+3.1%と予想されているが、コアPCE(改定値、予想:前期比+2.6%)とともに見極めることになる。
前週分の米新規失業保険申請件数の予想は23.0万件、8月の雇用統計の調査対象週(12日週)の失業保険継続受給者数の予想は197.0万人となっており、8月の雇用統計を占う意味で要注目となる。
先日発表された8月の消費者信頼感指数での労働市場格差指数は、8カ月連続して雇用情勢の悪化傾向を示していたことで、トランプ政権の関税政策や移民政策による悪影響が警戒されつつある。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、148.39円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、146.73円(日足一目均衡表・雲の上限)
今晩はハイテク株を中心に上値の重い展開か。昨日は引け後のエヌビディアの決算発表への期待は金利の低下傾向などを追い風に主要3指数がそろって上昇。ダウ平均が147.16ドル高(+0.32%)、S&P500が0.24%高、ナスダック総合が0.21%高と、そろって2日続伸した。S&P500は8営業日ぶりに取引時間中の史上最高値を更新し、終値では9営業日ぶりに最高値を更新した。8月月初来ではダウ平均が3.25%、S&P500が2.24%高、ナスダック総合が2.21%高となり、ともに4カ月続伸ペースとなった。引け後に決算を発表したエヌビディアは5-7月期の売上高と利益が予想を上回ったものの、データセンター売上高が予想に届かなかったことをきっかけに利益確定売りに押され、株価は時間外で3%超下落した。
今晩の取引ではエヌビディアの下落が見込まれ、ハイテク株を中心に上値の重い展開か。エヌビディアの下落を受けて、アドバンスト・マイクロ・デバイセズやブロードコムなども時間外で下落しており、半導体株の軟調が予想される。経済指標では、翌金曜日に米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する7月個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えており、様子見姿勢も強まりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは4-6月期国内総生産(GDP)改定値、新規失業保険申請件数、7月中古住宅販売仮契約指数など。企業決算は寄り前にブラウン・フォーマン、ベストバイ、ダラー・ゼネラル、引け後にデル・テクノロジーズ、アルタ・ビューティーなどが発表予定。
日経平均株価は続伸。横ばいに変化した5日移動平均線(42636円 8/28)を上回る動きとなり、10日移動平均線(42932円 同)を前に高値引けの陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の47.7%→38.9%(8/28)に低下。5日移動平均線は横ばいに変化したが、10日移動平均線は目先の下向き基調が続く。引き続き、上値へのトレンドフォローが基本スタンスであるが、25日移動平均線(41998円 同)や一目均衡表の基準線(41863円 同)付近まで下落余地が拡大する可能性も依然として高い。
上値メドは、10日移動平均線、8/25高値(43201円)、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円、45000円などがある。下値メドは、25日移動平均線や基準線、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円や40500円、8/4安値(39850円)などがある。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.925%、応札倍率(カバー)が2.49倍となった。
(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.81円(28日15時時点比▲0.31円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.58円(△0.37円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1688ドル(△0.0051ドル)
FTSE100種総合株価指数:9216.82(▲38.68)
ドイツ株式指数(DAX):24039.92(▲6.29)
10年物英国債利回り:4.699%(▲0.037%)
10年物独国債利回り:2.695%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期スイス国内総生産(GDP)
(前期比) 0.1% 0.4%・改
(前年比) 1.2% 1.8%・改
8月スイスKOF景気先行指数
97.4 101.3・改
7月トルコ貿易収支
64.4億ドルの赤字 82.1億ドルの赤字・改
8月ユーロ圏消費者信頼感(確定値)
▲15.5 ▲15.5
8月ユーロ圏経済信頼感
95.2 95.7・改
7月南アフリカ卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.7% 0.2%
(前年比) 1.5% 0.6%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは強含み。欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面が終わりに近づいているとの見方からユーロ買いが進んだ。米10年債利回りが4.20%台まで低下したこともユーロ買い・ドル売りを誘い、2時過ぎには一時1.1697ドルまで本日高値を更新した。なお、7月24日開催分のECB理事会議事要旨では「金利は概ね中立的な領域にあった」「大半の加盟国はインフレ見通しを取り巻くリスクは概ね均衡しているとみている」などの見解が示された。
・ドル円はさえない。米長期金利の低下を手掛かりにしたドル売りの流れに沿った。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値が市場予想を上回ったことで一時買いが入る場面も見られたが、戻りの鈍さを確認すると146.66円の安値まで売りに押された。
・ユーロ円は強含み。ユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが進み、一時171.79円まで値を上げた。市場では「この日発表された7月の欧州新車販売台数が昨年4月以来の伸び率を記録し、欧州景気への懸念が和らいだこともユーロ買いを誘った」との声が聞かれた。
・ロンドン株式相場は3日続落。小高く始まったものの、上値を追う材料を欠いたこともあって指数はその後に下げに転じた。リオ・ティントなど素材株には買いが入ったものの、公共事業株や不動産株などの下げが目立ち、指数を押し下げた。
・フランクフルト株式相場は小幅に4日続落。小高く始まった後にマイナス圏に沈んだものの、引けにかけては前日終値を挟んだ水準で方向感なく推移した。個別ではキアゲン(4.24%安)やヴォノヴィア(2.31%安)など下げが目立った一方、シーメンス(1.65%高)などは買われた。
・欧州債券相場は上昇。米債券高につれた。
28日の日経平均は大幅続伸。終値は308円高の42828円。米国株は上昇したが、引け後に決算を発表したエヌビディアが時間外で下落したことを警戒して、200円超下げて始まった。ただ、ネガティブな影響が懸念された半導体株の売り圧力が限定的であったことから、開始早々にプラス圏に浮上。序盤は上げ幅を3桁に広げた後に再びマイナス圏に沈むなど値動きが荒くなったが、次第にプラス圏が定着した。
11時辺りから動きが良くなり、200円を超える上昇で前場を終えると、後場も強い基調が続いた。半導体株も大半がプラス圏に浮上する中、終盤にかけては上げ幅を300円超に拡大。42800円台に乗せて高値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆6500億円。業種別では鉱業、非鉄金属、証券・商品先物などが上昇した一方、小売、繊維、精密機器などが下落した。フジクラ<5803.T>が全市場の売買代金で2位となる大商いとなって5%を超える上昇。反面、証券会社が投資判断を引き下げたメドレー<4480.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり916/値下がり631。証券会社が目標株価を引き上げたソフトバンクGが3.2%高。海外保険会社の買収を発表したSOMPOが買いを集めた。バークシャー・ハザウェイによる株式保有比率が議決権ベースで10%を超えたことが判明した三菱商事が後場に買われ、三井物産や住友商事など同業も連れ高。大阪チタニウム、東邦チタニウムのチタン2社がそろって値を飛ばした。
一方、古河電工や三井住友が逆行安。アステリアが8.6%安と下に値幅が出た。ファストリやセブン&アイなど小売株は全体株高の流れに乗れておらず、くら寿司やギフトHDなど外食株も多くが下落。ニコンが前日ストップ高の反動で大幅安となった。
日経平均は大幅高。エヌビディアの時間外の下落を消化した上で強く買われた。終わってみれば半導体株は軒並み上昇している。エヌビディアの決算そのものは良好であったし、本日の米国市場でエヌビディアが売られたとしても、それは織り込み済み。指数はきょうの上昇でここ数日抵抗となっていた5日線(42636円、28日時点)を上回っており、センチメントの改善が期待できる。あすは8月最終日となるが、7月末の水準は41069円(7/31)で、月間上昇がほぼ確実といった状況。9月相場に向けて43000円台を回復するような動きが見られるかに注目したい。
(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.93円(前営業日比▲0.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.67円(△0.08円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1683ドル(△0.0044ドル)
ダウ工業株30種平均:45636.90ドル(△71.67ドル)
ナスダック総合株価指数:21705.16(△115.02)
10年物米国債利回り:4.20%(▲0.03%)
WTI原油先物10月限:1バレル=64.60ドル(△0.45ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3474.3ドル(△25.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期米国内総生産(GDP)改定値
(前期比年率) 3.3% 3.0%
個人消費改定値
(前期比年率) 1.6% 1.4%
コアPCE改定値
(前期比年率) 2.5% 2.5%
前週分の米新規失業保険申請件数
22.9万件 23.4万件・改
7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
(前月比) ▲0.4% ▲0.8%
(前年比) 0.3% ▲0.2%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面が終わりに近づいているとの見方からユーロ買いが進んだ。米10年債利回りが低下したこともユーロ買い・ドル売りを誘い、2時過ぎには一時1.1697ドルまで本日高値を更新。もっとも、節目の1.1700ドル手前では買いも一服となり、その後はやや上値が重くなった。
なお、7月24日開催分のECB理事会議事要旨では「金利は概ね中立的な領域にあった」「大半の加盟国はインフレ見通しを取り巻くリスクは概ね均衡しているとみている」などの見解が示された。
・ドル円は反落。米長期金利の低下を手掛かりにしたドル売りの流れに沿った。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値が市場予想を上回ったことで一時買いが入る場面も見られたが、戻りの鈍さを確認すると146.66円まで下押し。ただ、22日につけた直近安値の146.58円が目先のサポートとして意識されると、引けにかけては147.00円付近まで買い戻しが入った。
・ユーロ円は5営業日ぶりに小幅反発。ユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが進み、一時171.79円まで上昇。その後の下押しも171.40円台までにとどめ、本日高値圏で底堅く推移した。市場では「この日発表された7月の欧州新車販売台数が昨年4月以来の伸び率を記録し、欧州景気への懸念が和らいだこともユーロ買いを誘った」との声が聞かれた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、史上最高値を更新した。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値は速報値から上方修正され、市場予想も上回った。米経済の底堅さを確認したことで、投資家心理の改善を手掛かりにした買いが入った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。この日実施された7年債入札で底堅い需要が確認されたことを好感した買いが入ったほか、月末を控えた持ち高調整目的の買いも観測された。
・原油先物相場は続伸。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値は前期比年率で速報値から上方修正されたほか、失業保険継続受給者数は予想より強い結果となった。これらを受け、米景気の底堅さが意識されて原油に買いが入った。
・金先物相場は3日続伸。ドルが主要通貨に対して下落したことで、ドル建てで取引される金の割安感が意識されて買いが優勢となった。
28日10:30 中川日銀審議委員
「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」
「今後明らかとなるデータや情報を、引き続き丁寧に確認し、適切に政策を判断」
「経済・物価の先行きの見通しには高い不確実性がある」
「中長期的な予想物価上昇率は、全体としては、緩やかに上昇」
「各国の通商政策の交渉の進展などによる変化をみるために、次回短観の結果も大変重要」
28日14:22
「(追加利上げ)その都度・その時点までのソフト・ハードデータみて適切に判断」
「(金利上昇について)経済・物価に対する見方や思惑で変動するものと認識」
「長期金利は市場において自由に形成されるもの」
28日20:30 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月24日分)
「金利は概ね中立的な領域にあった」
「環境は依然として極めて不透明」
「大半の加盟国はインフレ見通しを取り巻くリスクは概ね均衡しているとみている」
「政策金利を現状水準に維持すれば、貿易交渉の展開を見極める時間が増える」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 7月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 7月有効求人倍率(予想:1.23倍)
○08:30 ◎ 8月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合予想:前年比2.5%)
○08:50 ◎ 7月鉱工業生産速報(予想:前月比▲1.0%/前年比▲0.6%)
○08:50 ◇ 7月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比1.8%)
○14:00 ◇ 7月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲9.6%)
○14:00 ◇ 8月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:34.2)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○07:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○15:00 ◎ 7月独小売売上高(予想:前月比▲0.4%/前年比2.5%)
○15:00 ◇ 7月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.3%/前年比▲1.2%)
○15:00 ◎ 4-6月期スウェーデン国内総生産(GDP、予想:前期比0.4%)
○15:45 ◎ 4-6月期仏GDP改定値(予想:前期比0.3%)
○15:45 ◇ 8月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.5%/前年比1.0%)
○15:45 ◇ 7月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45 ◇ 7月仏消費支出(予想:前月比▲0.2%)
○16:00 ◇ 7月トルコ失業率
○16:55 ◎ 8月独雇用統計(予想:失業率6.3%/失業者数変化1.00万人)
○19:30 ☆ 4-6月期インドGDP(予想:前年同期比6.7%)
○21:00 ◎ 8月独CPI速報値(予想:前月比横ばい/前年比2.1%)
○21:00 ◎ 7月南アフリカ貿易収支(予想:186億ランドの黒字)
○21:30 ☆ 6月カナダGDP(予想:前月比0.1%/前年比1.3%)
☆ 4-6月期カナダGDP(予想:前期比▲0.6%)
○21:30 ◎ 7月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.5%)
◎ 7月米個人所得(予想:前月比0.4%)
☆ 7月米PCEデフレーター(予想:前年比2.6%)
☆ 7月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.3%/前年比2.9%)
○21:30 ◇ 7月米卸売在庫(予想:前月比0.2%)
○22:45 ◎ 8月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:46.0)
○23:00 ◎ 8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:58.6)
○31日10:30 ◎ 8月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.5)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、米長期金利の低下を手掛かりにしたドル売りの流れに沿って一時146.66円まで下押した。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値が市場予想を上回ったことで一時買いが入る場面も見られたが、戻りは鈍いままだった。引けにかけては147.00円付近まで持ち直している。ユーロドルは1.1697ドルまで上昇した。
本日の東京時間でのドル円は、8月最終取引日の中、引き続き需給面で大きく左右されることになるだろう。また、経済指標では全国消費者物価指数(CPI)の前哨戦となる、8月の東京都区部CPIが注目される。
昨年同様に8月最終週に入り、ドル円はリバランスを含めた実需の需給に左右される相場展開を繰り返している。昨年の8月末は朝方にドル買い期待で上昇したが、月末の仲値に向けてはドル売りが観測された。その後は、昨年も今年同様にNY時間に7月の米個人消費支出(PCE)デフレーターなどが発表されたことで、方向感を欠く動きとなった。本日も昨年同様に午前は需給に振らされて上下しやすいと予想され、午後は米国のインフレ指標待ちの相場になりやすそうだ。
ただ、本日は8月東京都区部CPIが発表されることで、指標結果次第では想定よりも大きな値幅を伴う動きになる可能性もある。市場では生鮮食料品を除く総合の予想は、前年比で前月の2.9%増からは低下し2.5%増がコンセンサスになっている。5月の3.6%から3カ月連続で低下する予想だが、これは主に東京都の水道基本料金無償化で、水道料金が34.6%低下したことが押し下げ要因となっている。今月分も東京都の無償化政策がインフレ抑制に効果を与え、全国CPIと比較する場合は、この押し下げの寄与分も鑑みて数値を判断する必要がありそうだ。
ジャクソンホール会合での植田日銀総裁のタカ派発言や米国からの利上げ圧力により、昨日行われた本邦2年債の入札も2009年以来の低水準になるなど日銀の利上げ期待が高い。今回の東京都区部のインフレ指標も、市場予想を上振れたほうが反応は大きそうだ。
なお、本日の日経新聞では「実質金利が低迷し、円売り圧力が持続」との記事を掲載している。FXのアノマリーの1つに「日経新聞で為替のことが掲載されたら、一度その流れが終わりやすい」というものがある。このアノマリーが正しければ、円売り圧力がいったん終了するのかもしれない。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は71ドル高の45636ドルで取引を終えた。序盤には下げる場面もあったが、売りをこなしてプラス圏に浮上した後は堅調に推移した。4-6月期GDP改定値が速報値から上方改定されたことなどが支援材料となった。決算を発表したエヌビディアは下落したが、0.8%安と小幅な下落にとどまっている。ドル円は足元147円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが10円安の42920円、ドル建てが5円高の42935円で取引を終えた。
米国株高を好感した買いが入ると予想する。ダウ平均とS&P500が史上最高値を更新しており、S&P500は初めて6500p台に乗せた。日経平均はきのう大きく上昇している分、高く始まっても節目の43000円近辺では戻り売りが出てくるとみる。ただ、米国もエヌビディアの決算を大きな波乱なく消化しており、グローバル市場が崩れるリスクは大きく後退している。きのうの上昇で短期調整一巡に対する期待も高まる中、場中はプラス圏でしっかりとした動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは42700-43100円。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42900 -30 (-0.06%)
TOPIX先物 3084.0 -14.0 (-0.45%)
シカゴ日経平均先物 42920 -10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
28日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2025年4~6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正されたほか、米新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことを手掛かりに買われた。前日夕に決算を発表し、時間外取引で3%あまり下落していたエヌビディア<NVDA>は、0.7%程度の小幅な下げだった。AI需要は底堅いとの見方から押し目買い意欲は強く、ブロードコム<AVGO>やマイクロン・テクノロジー<MU>といった半導体株の一角も買われた。
S&P500業種別指数はメディア、テクノロジー・ハード・機器、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、自動車・同部品、家庭用品・パーソナル用品、公益事業の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、セールスフォース<CRM>、シスコシステムズ<CSCO>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>が買われた。半面、メルク<MRK>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、アムジェン<AMGN>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比10円安の4万2920円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比60円高の4万2990円で始まった。直後につけた4万3040円を高値に軟化し、4万2730円まで下げる場面もみられた。ただし、売り一巡後はロング優勢の流れとなり、米国市場の取引開始後にプラス圏に浮上し、中盤には再び4万3000円台を回復。終盤にかけては4万2870円~4万2960円辺りと日中終値を挟んでの保ち合いが続き、4万2900円でナイトセッションの取引を終えている。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることになりそうだ。エヌビディアは米国市場で下げ渋る動きだったこともあり、安心感につながりそうである。また、昨日はウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>の議決権ベースの保有株比率が10%を超えたと発表した三菱商事<8058.T>[東証P]が買われ、改めて日本株への海外投資家の注目は強いとの見方に向かわせており、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
日経225先物は節目の4万3000円のほか、ボリンジャーバンドの+1σ(4万3110円)突破を意識したスタンスに向かわせやすく、オプション権利行使価格の4万3000円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万2750円から4万3250円でのレンジを想定する。
+1σが足もとで抵抗線として機能しているため、4万3000円近辺では利益確定に伴うロング解消のほか、戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。ただし、同水準を明確に上放れてくるようだと、8月19日につけた4万3930円をピークとした調整に対するトレンド転換が意識されてくる可能性はあるだろう。4万3000円処での上値の重さがみられたとしても、ショートからのエントリーは控えておきたいところだ。
週足では上向きで推移する+1σ(4万2290円)と+2σ(4万4110円)とのレンジを継続しているが、+1σまでの調整を経てリバウンドをみせてきており、+2σ水準をターゲットとしたセンチメントに向かわせよう。
28日の米VIX指数は14.43(27日は14.85)に低下した。一時14.12まで下げる場面もみられており、昨年12月以来の14.00割れも射程に入るなかで、リスク選好の状況とみておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.85倍と前日比変わらず。一時13.82倍に低下する場面もみられたが、その後の切り返しで75日移動平均線(13.85倍)を突破しており、25日線(13.87倍)を捉えてきた。ただ、25日線に上値を抑えられる形になり、その後は75日線水準での攻防が続いた。日経225先物が4万3000円を回復し、同水準での底堅さがみられるようだと、NTショートを巻き戻す動きが強まりそうである。
日経225先物は11時30分時点、前日比260円安の4万2670円(-0.60%)前後で推移。寄り付きは4万2910円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2920円)にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まった。寄り付きを高値に軟化し、現物の寄り付き時には一気に4万2600円台まで下げ幅を広げた。中盤にかけて4万2620円まで売られる場面もみられたが、その後は概ね4万2650円~4万2700円辺りでの保ち合いを継続。
日経225先物は寄り付き後に下げ幅を広げる動きになったが、ナイトセッションで4万3000円台に乗せており、目先的には利益確定に伴うロング解消の動きに向かわせているようだ。ただし、4万2500円を上回っての推移をみせているため、底堅さは意識されている。4万2650円~4万2700円辺りでのもち合いを継続するなか、同水準を上回ってくるようだと、ショートカバーを誘う動きに向かう可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.88倍に上昇した。一時13.91倍をつける場面もみられており、25日移動平均線(13.87倍)を上回ってきた。同線のほか75日線(13.85倍)が支持線として意識されてくるようだと、NTショートを巻き戻す動きに向かわせそうである。
昨日のドル円は基本的に米長期金利に左右される展開。欧州時間は一時147.40円まで買戻されたものの、米10年債利回りが低下に転じるにつれて146.81円まで値を下げました。NY時間に入って4-6月期米GDP改定値や米新規失業保険申請件数が予想よりも強い数字となったものの、買い戻しも147.23円までと限定的。米10年債利回りが4.2014%まで低下するにつれて146.66円まで再び値を下げました。ただ、引けにかけては147.00円まで買戻されています。
月末のアジア市場では、トランプ米大統領に忖度が激しいウォラーFRB理事が「9月利下げでは0.25%以上は必要ない」との驚きの発言に対して、147.08円まで買戻される場面もみられましたが、その後は146.77円まで下押し。月末絡みの本邦実需の買いが観測されると147.11円まで値を上げたものの、目先のフローが落ち着いたなかでは146円台後半でのもみ合いとなっているといったところです。
いずれにしても、市場では「今夜の米PCEコア待ち」との声も多く聞かれているなか、ウォラーFRB理事の意外にも遠慮した発言に対しては「次期FRB議長候補から外れたのかも?」とのうがった見方も出てくるなど、もはや、米金融政策決定過程に対する信頼度はほぼ無いに等しく、また、月末にかけての米10年債利回りの低下などにしても、毎月行われているデュレーション長期化におけるリバランス絡みの米長期債の買いに過ぎないわけで、係る動きに反応するしかない現状が、何とも真っ当なネタに不足した市場環境を表しているといえます。
今夜は、通常であれば、米金融当局がインフレ指標として一番重要視しているはずの、PCEコアデフレータに、しっかりとした反応があるのかどうかを見極めることになりそうです。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、複数のドイツおよびフランスの経済指標を確かめながら、米金融当局が重視する個人消費支出(PCE)デフレーターの7月分発表を待つ展開か。また、昨日は仏株や債券に買い戻しが入ったものの、仏政局の動向については気にかけておきたい。
仏経済データは、4-6月期国内総生産(GDP)改定値、8月消費者物価指数(CPI)速報値、7月の卸売物価指数(PPI)や消費支出が発表予定。通常は相場インパクトが弱く、くわえて今は仏政治に市場の関心が向いているため、あくまで確認するという意味合いとなってくる。その中でも、結果に目を向けるとすればGDP改定値か。4-6月期速報値は予想0.1%から0.3%に上振れた。遅行指標ではあるものの、本日3四半期ぶりの高い水準が確定できれば、ユーロは売りづらくなりそうだ。
独経済データは、7月の小売売上高や輸入物価指数、8月の独雇用統計やCPI速報値が発表される。8月CPIは前年比2.1%と、前回を0.1ポイントだけ上回る予想。見込み通りだとすれば、前回からの加速は昨年12月分以来となる。昨日のユーロドル反発は、欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面が終わりに近づいているとの見方も要因とされた。独CPIが底打ち感を見せれば、緩和サイクル終焉の早まりが意識されるかもしれない。
ただ、21時半には米国で7月PCEデフレーターが発表される。週末・月末を控えたポジション調整も含め、値幅を伴った神経質な相場展開が想定される。あっさりと、それまでのレンジを広げる可能性はありそうだ。また、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシング前後の値動きにも注意しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、22日高値1.1743ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、27日安値1.1574ドル
ドル円:1ドル=147.01円(前営業日NY終値比△0.08円)
ユーロ円:1ユーロ=171.55円(▲0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1670ドル(▲0.0013ドル)
日経平均株価:42718.47円(前営業日比▲110.32円)
東証株価指数(TOPIX):3075.18(▲14.60)
債券先物9月物:137.54円(△0.11円)
新発10年物国債利回り:1.600%(▲0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月完全失業率
2.3% 2.5%
7月有効求人倍率
1.22 1.22倍
8月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.5% 2.9%
7月鉱工業生産・速報値
前月比 ▲1.6% 2.1%
前年同月比 ▲0.9% 4.4%
7月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 0.3% 1.9%・改
7月新設住宅着工戸数
前年同月比 ▲9.7% ▲15.6%
8月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
34.9 33.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。やや上下したものの146.77-147.11円のレンジで方向感がなかった。朝方にウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「FRBは来月の利下げ幅について、0.25%を超える必要はないと考えている」と述べ、0.50%などの大幅利下げを支持していないことがわかると買いが入ったほか、月末に絡んだ買いが観測された。一方で、日経平均株価の下落などが相場の重しとなった。
・ユーロ円は下げ渋り。日本株安が重しとなり171.24円まで下げたが、株価が下げ渋ると買戻しが入るなど下値は限られた。
・ユーロドルは小安い。昨日の海外市場での上昇に対する持ち高調整の売りが散見されると一時1.1656ドルまで下押しした。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。今月は総じて堅調に推移したこともあり、月末最終日で持ち高調整の売りが出た。半面、ソフトバンクなど値嵩株が買われたため下値も堅かった。
・債券先物相場は続伸。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで137.58円まで上昇したが、その後は手掛かり材料難から動きが鈍くなった。
トランプ米大統領は、米連邦準備理事会(FRB)に対して低金利政策を強いるために、来年5月15日に任期を迎えるパウエル第16代FRB議長の後任にはハト派議長を据え、7名のFRBの4人はハト派理事を据え、地区連銀総裁もハト派総裁を据えようと目論んでいる。
FRB支配の計画は、昨年末にミランFRB暫定理事が提唱した「A User’s Guide to Restructuring the Global Trading System」(国際貿易システム再構築のユーザーガイド)」に書かれていた。
1. 国際貿易システム再構築のユーザーガイド
ミラン論文は、米国の貿易赤字と財政赤字の削減策を提唱している。
米国の貿易赤字の原因は、ドル高にあり、ドル安政策を提唱している。そして、貿易赤字の削減のために、関税の引き上げを提唱している。
財政赤字の削減には、関税引き上げによる税収の増大や低金利政策による利払いの削減、そして債券の満期を100年債などで長期化する策が提唱されている。
米国の借金の利払い額は、昨年度に1兆ドルを超えたが、今後3年間に償還を迎える借り換え債が現状の金利水準ならば、利払い金額は2兆ドルを超えるとのことである。
FRBには、利払い削減のための低金利政策と量的金融緩和政策による米国債の購入が求められている。
2.2026年の米連邦公開市場委員会(FOMC)
FRBは5年に1度、地区連銀総裁の任期更新承認採決を行っており、次回は来年2月に予定されている。
トランプ政権は、地区連銀総裁の指名や再任の手続きに関与しようとしているらしい。
■執行部(7名)
・パウエルFRB議長:2026年5月15日に任期満了
・ジェファーソンFRB副議長
・バーFRB理事:トランプ米大統領との確執で副議長から理事へ降格
【トランプ・チルドレン】
・ウォラーFRB理事:トランプ第1次政権で指名
・ボウマンFRB副議長:トランプ第1次政権で指名
・ミランFRB暫定理事:トランプ第2次政権で指名
・クックFRB理事:解任?⇒トランプ第2次政権で指名
■地区連銀総裁(5名)⇒ハト派的な新総裁任命へ
・ウィリアムズ米NY連銀総裁
・ハマック米クリーブランド連銀総裁
・ポールソン米フィラデルフィア連銀総裁
・カプラン米ダラス連銀総裁
・カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
大阪9月限
日経225先物 42690 -240 (-0.55%)
TOPIX先物 3072.5 -25.5 (-0.82%)
日経225先物(9月限)は前日比240円安の4万2690円で取引を終了。寄り付きは4万2910円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2920円)にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まった。寄り付きを高値に軟化し、現物の寄り付き時には一気に4万2600円台まで下げ幅を広げた。
前場中盤にかけて4万2620円まで売られる場面もみられたが、同水準での底堅さが意識され、後場の取引開始時には4万2800円を回復。ただ、リバウンドの動きも限られ、その後は概ね4万2650円~4万2800円辺りで保ち合いが続いた。
日経225先物は寄り付き後に下げ幅を広げる動きになったが、目先的には利益確定に伴うロング解消の動きに向かわせたようだ。4万2500円を上回って推移をみせているため、前日のリバウンドに対する半値押しといったところでの膠着であろう。ボリンジャーバンドの+1σ(4万3130円)と中心値となる25日移動平均線(4万2080円)とのレンジは継続している。
なお、週足では+1σ(4万2500円)と+2σ(4万4190円)でのレンジになるが、ナイトセッションで+1σを割り込んできており、同バンドを明確に下回ってくるようだと、下へのバイアスが強まりやすくなる可能性はありそうだ。
そのため、目先的にはオプション権利行使価格の4万2000円から4万3000円のレンジを想定。エヌビディア<NVDA>の決算が通過したことで、今後は9月半ばの米連邦公開市場委員会(FOMC)に関心が移ることになるため、米経済指標の結果にらみの展開となるだろう。
また、来週は2日にも自民党の両院議員総会が開催され、参院選の総括を取りまとめるほか、臨時の総裁選挙に関する手続きが行われる予定であり、相場の変動要因になりそうである。
NT倍率は先物中心限月で13.89倍に上昇した。一時13.91倍をつける場面もみられており、25日線(13.87倍)を上回ってきた。同線のほか75日線(13.85倍)が支持線として意識されてくるようだと、NTショートの巻き戻しに向かわせそうである。そのため、200日線(13.95倍)辺りを試してくる可能性がありそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4135枚、ソシエテジェネラル証券が1万0766枚、サスケハナ・ホンコンが3384枚、ゴールドマン証券が2022枚、JPモルガン証券が2005枚、モルガンMUFG証券が1579枚、バークレイズ証券が1416枚、ビーオブエー証券が1351枚、BNPパリバ証券が1138枚、日産証券が874枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万7385枚、ソシエテジェネラル証券が2万2351枚、バークレイズ証券が8543枚、JPモルガン証券が5526枚、モルガンMUFG証券が4795枚、ビーオブエー証券が3578枚、ゴールドマン証券が3508枚、野村証券が1638枚、みずほ証券が1474枚、ドイツ証券が1459枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米7月PCEデフレーターを見極めつつ、月末のロンドン・フィキシングのフローやトランプ米大統領によるクックFRB理事の提訴に対する反論などに警戒していく展開となる。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの7月分は前年比+2.6%と予想されており、6月分の伸び率と変わらずと見込まれている。
先日発表された7月の消費者物価指数(CPI)の伸び率も6月分とほぼ変わらずだったが、卸売物価指数(PPI)は川上の輸入企業が関税分を価格に転嫁し始めていることで伸び率が上昇しており、8月の川下のCPIの伸び率加速が警戒される結果となった。
パウエルFRB議長も、トランプ関税の影響が8月の物価から顕在化する可能性に言及していたことで、8月の米国のインフレ指標が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に影響する可能性には警戒しておきたい。
しかし、先週のジャクソンホール会合では、パウエルFRB議長が2つの責務の内、「物価の安定」から「雇用の最大化」に軸足を移して、9月FOMCでの利下げの可能性に言及していた。
先日発表された8月の消費者信頼感指数での労働市場格差指数は、8カ月連続して雇用情勢の悪化傾向を示していたことで、トランプ政権の関税政策や移民政策による悪影響が警戒されつつある。
雇用情勢悪化懸念を受けた利下げ観測の高まりがドルの上値を重くしつつあることで、本日の米7月PCEデフレーターでは、予想を下回るネガティブサプライズに警戒しておきたい。
また、トランプ米大統領によるクックFRB理事の解任表明に対して、クックFRB理事が提訴に踏み切った。クックFRB理事は、「予備的差し止め命令」を裁判所に求めることで、訴訟が進行する間は解任を一時的に阻止できる可能性がある。
一方で、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は、クックFRB理事は訴訟の間は休職すべきだと主張しており、9月FOMCでは、トランプ・チルドレン(ウォラーFRB理事、ボウマンFRB副議長、ミランFRB暫定理事)による利下げ圧力が強まる可能性がある。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、147.68円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、145.65円(日足一目均衡表・雲の下限)
今晩は7月個人消費支出(PCE)価格指数に注目。昨日はエヌビディアの決算が見直され、AIラリーの継続期待が強まったほか、4-6月期国内総生産(GDP)改定値が上方修正され、予想を上回ったことも好感された。ダウ平均は71.67ドル高(+0.16%)と3日続伸し、4営業日ぶりに終値の最高値を更新。S&P500も0.32%高と3日続伸し、終値で初めて6500ポイントを突破。前日に続いて取引時間中の史上最高値も更新した。ナスダック総合も0.53%高と3日続伸し、終値の最高値まで0.04%に迫った。
週初来ではダウ平均が0.01%高、S&P500が0.54%高、ナスダック総合が0.97%高とそろって上昇し、月初来ではダウ平均が3.41%高、S&P500が2.56%高、ナスダック総合が2.76%高とそろって4カ月続伸ペースとなった。
今晩は週末、月末の取引となるが、利下げ見通しを巡り寄り前に発表される7月個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まる。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する7月PCE価格指数は、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数が前月比+0.3%と前月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.9%と前月の+2.8%から伸びの加速が予想されている。コアPCE価格指数がおおむね予想通りとなれば、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が相場の支援となることが期待される一方、予想以上の伸びとなればインフレ高進による利下げ期待の後退が最高値圏で推移する米国株の重しとなることが警戒される。
今晩の米経済指標・イベントは7月個人消費支出(PCE)価格指数のほか、8月シカゴ地区購買部協会景気指数、8月ミシガン大消費者信頼感指数確報値、同1年先・5年先期待インフレ率確報値など。主要な企業の決算発表はなし。来週月曜日はレーバーデーの祝日でNY市場が休場。
一部報道が伝えたところによると、ドイツ・フランスは制裁迂回の支援国などを対象に対ロシアの2次制裁を模索しているという。
日経平均株価は反落。10日移動平均線(42866円 8/29)付近に上値を抑えられる展開となり、前日上昇の反動で小陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の38.9%→27.9%(8/29)に低下。来週前半は上昇しやすいタイミングとなる。5日移動平均線(42653円 同)は横ばいに変化したが、10日移動平均線は目先の下向き基調が続く。引き続き、上値へのトレンドフォローが基本スタンスであるが、25日移動平均線(42034円 同)や一目均衡表の基準線(41863円 同)付近まで下落余地が拡大する可能性も依然として高い。
上値メドは、転換線(43007円 同)、8/25高値(43201円)、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円、45000円などがある。下値メドは、25日移動平均線や基準線、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円や40500円、8/4安値(39850円)などがある。
(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.98円(29日15時時点比▲0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.91円(△0.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1696ドル(△0.0026ドル)
FTSE100種総合株価指数:9187.34(前営業日比▲29.48)
ドイツ株式指数(DAX):23902.21(▲137.71)
10年物英国債利回り:4.722%(△0.023%)
10年物独国債利回り:2.724%(△0.029%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月独輸入物価指数
(前月比) ▲0.4% 0.0%
(前年比) ▲1.4% ▲1.4%
7月独小売売上高
(前月比) ▲1.5% 1.0%
(前年比) 2.3% 2.4%
4-6月期スウェーデン国内総生産(GDP)
(前期比) 0.5% ▲0.2%
7月仏消費支出
(前月比) ▲0.3% 0.4%・改
8月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.4% 0.2%
(前年比) 0.9% 1.0%
4-6月期仏国内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.3% 0.3%
7月仏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.4% ▲0.1%・改
7月トルコ失業率
8.0% 8.4%・改
8月独雇用統計
失業者数変化 ▲0.90万人 0.20万人
独失業率 6.3% 6.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは強含み。欧州勢の参入後に1.1690ドルまで上昇する場面があったものの、その後は米10年債利回りの上昇が重しとなって1.1651ドルの安値まで押し戻された。ただ、NY勢の本格参入後は再び買いが優勢に。7月米PCEデフレーターは市場予想に沿った内容となったが、8月シカゴ購買部協会景気指数や8月米ミシガン大学消費者態度指数・確報値は市場予想を下回り、同時に発表された1年先と5-10年先の期待インフレ率も速報値から下方修正された。市場では「9月の米利下げ予想に影響を与える内容ではなかった」との見方が広がり、米利下げ観測を手掛かりにしたドル売りが徐々に強まった。24時過ぎには一時1.1709ドルと25日以来の高値を更新した。
・ドル円は神経質な値動き。米長期金利の上昇を手掛かりにした買いが入り、21時30分過ぎには一時147.41円まで値を上げた。もっとも、その後はさえない米経済指標を受けたドル売りの流れに沿って上値を切り下げる展開となり、24時過ぎには146.77円とアジア時間につけた安値に面合わせした。一方で同水準付近では下値の堅さが意識されて下げ渋るなど、総じて147.00円を挟んだ水準で神経質に上下した。
・ユーロ円は強含み。ユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが進んだ。NY時間に入るとドル絡みの取引が中心となったことでやや買いの勢いも落ち着いたが、1時過ぎには171.99円まで本日高値を更新した。
・ロンドン株式相場は4日続落。週末を前に持ち高調整目的の売りが先行した。売り一巡後にいったんはプラス圏を回復する場面も見られたが、引けにかけては米国株安につれて再びマイナス圏に沈んだ。英シンクタンクが銀行に対する新たな課税の導入を提言したことが嫌気され、ナットウエストグループやロイズ・バンキング・グループなど銀行株の下げが目立った。
・フランクフルト株式相場は5日続落。他の欧州株や米国株の下げにつれて弱含んだ。個別ではインフィニオンテクノロジーズ(3.73%安)やポルシェ(2.09%安)、アディダス(1.97%安)など下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債券安につれた。
(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.05円(前営業日比△0.12円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=171.86円(△0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1686ドル(△0.0003ドル)
ダウ工業株30種平均:45544.88ドル(▲92.02ドル)
ナスダック総合株価指数:21455.55(▲249.61)
10年物米国債利回り:4.23%(△0.03%)
WTI原油先物10月限:1バレル=64.01ドル(▲0.59ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3516.1ドル(△41.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米卸売在庫
(前月比) 0.2% 0.1%
7月米個人所得
(前月比) 0.4% 0.3%
7月米個人消費支出(PCE)
(前月比) 0.5% 0.4%・改
7月米PCEデフレーター
(前年比) 2.6% 2.6%
7月米PCEコア・デフレーター
(前月比) 0.3% 0.3%
(前年比) 2.9% 2.8%
8月米シカゴ購買部協会景気指数
41.5 47.1
8月米ミシガン大学消費者態度指数・確報値
58.2 58.6
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは小幅続伸。7月米PCEデフレーターは市場予想に沿った内容となったが、指標の発表直後に上下に振れた場面では一時1.1651ドルまで本日安値を更新した。
ただ、その後は買い戻しが優勢に。8月米シカゴ購買部協会景気指数や8月米ミシガン大学消費者態度指数・確報値は市場予想を下回り、同時に発表された1年先と5-10年先の期待インフレ率も速報値から下方修正された。市場では「9月の米利下げ予想に影響を与える内容ではなかった」との見方が広がり、米利下げ観測を手掛かりにしたドル売りが徐々に強まった。24時過ぎに1.1709ドルまで25日以来の高値を更新。その後も1.1700ドルを挟んだ高値圏で推移していたが、引けにかけては1.1680ドル台まで伸び悩んだ。
・ドル円は反発。米長期金利の上昇を手掛かりにした買いが入り、21時30分過ぎには一時147.41円まで値を上げた。もっとも、その後はさえない米経済指標を受けたドル売りの流れに沿って上値を切り下げる展開となり、24時過ぎには146.77円とアジア時間につけた安値に面合わせした。一方で同水準付近では下値の堅さが意識されて下げ渋るなど、総じて147.00円を挟んだ水準で神経質に上下した。
・ユーロ円は続伸。ユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが進んだ。ドル円の下げが一服したことも相場の支えとなり、4時過ぎには172.01円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落。中国のアリババ集団が新しいAI向けの半導体を開発したと報じられ、AI分野の競争激化による先行き不透明感が意識されると、ハイテク株を中心に売りが出た。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4営業日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反落。米連休前の持ち高調整売りが出たほか、7月米PCEコア・デフレーターが5カ月ぶりの伸びを記録したことも売りを促した面があった。
・原油先物相場は3営業日ぶりに反落。来月7日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)プラスの次回会合での増産観測を背景に、需給の緩みが意識されたことで売りが出た。米国で夏のドライブシーズンが終盤を迎え、需要鈍化に対する警戒感が広がったことも重しとなった。
・金先物相場は4日続伸。この日発表された7月米PCEデフレーターは概ね市場予想と一致した一方、8月米シカゴ購買部協会景気指数や8月米ミシガン大学消費者態度指数・確報値は市場予想を下回った。これらを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げに動くとの観測が拡大すると、金利を生まない金の投資妙味が強まり、買いが入った。なお、中心限月の清算値ベースでは最高値を更新している。トランプ米大統領によるFRBへの利下げ圧力もまた、金相場にとって追い風となった。
29日05:47 バンス米副大統領
「金利は高すぎる、FRBは職責を果たしていない」
29日07:41 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「次回の雇用統計は9月利下げ幅の判断に影響を与える可能性」
「供給サイドの変化では、芳しくない雇用指標を説明できない」
「最近の雇用統計の改定は転換点を示している可能性」
「FRBは来月の利下げ幅について、0.25%を超える必要はないと考えている」
「利下げの根拠は7月よりも今日の方が強まっている」
「労働市場の下方リスクは高まっている」
30日04:35 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「政策の再調整をする時期が間近に迫っている」
※時間は日本時間
1日
○08:50 ◇ 4-6月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額)
2日
○08:50 ◇ 8月マネタリーベース
○10:30 ◎ 氷見野日銀副総裁、あいさつ
4日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
5日
○08:30 ◇ 7月毎月勤労統計(現金給与総額)
○08:30 ◇ 7月家計調査(消費支出)
○14:00 ◇ 7月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
1日
○07:45 ◎ 7月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○10:30 ◎ 7月豪住宅建設許可件数
○10:45 ◎ 8月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○15:00 ◇ 8月英ネーションワイド住宅価格指数
○15:30 ◇ 7月スイス小売売上高
○16:00 ◇ 8月トルコ製造業PMI
○16:00 ◎ 4-6月期トルコ国内総生産(GDP)
○16:30 ◇ 8月スイス製造業PMI
○16:50 ◎ 8月仏製造業PMI改定値
○16:55 ◎ 8月独製造業PMI改定値
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏製造業PMI改定値
○17:30 ◎ 8月英製造業PMI改定値
○17:30 ◇ 7月英消費者信用残高
○17:30 ◇ 7月英マネーサプライM4
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏失業率
○24:00 ◇ 8月メキシコ製造業PMI
○米国、カナダ(レーバーデー)、休場
2日
○10:30 ◇ 4-6月期豪経常収支
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏HICPコア速報値
○21:00 ☆ 4-6月期ブラジルGDP
○22:45 ◎ 8月米製造業PMI改定値
○23:00 ☆ 8月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○23:00 ◇ 7月米建設支出
○10:30 ☆ 4-6月期豪GDP
○10:45 ◎ 8月Caixin中国サービス部門PMI
○16:00 ◎ 8月トルコ消費者物価指数(CPI)
○16:30 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○16:50 ◎ 8月仏サービス部門PMI改定値
○16:55 ◎ 8月独サービス部門PMI改定値
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○17:15 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○17:30 ◎ 8月英サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○19:00 ◇ 7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ労働生産性指数
○22:00 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○23:00 ◎ 7月米製造業新規受注
○4日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
4日
○10:30 ◇ 7月豪貿易収支
○15:00 ◎ 8月スウェーデンCPI
○15:30 ◎ 8月スイスCPI
○16:00 ◇ 8月スイス失業率(季節調整前)
○17:30 ◎ 8月英建設業PMI
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏小売売上高
○18:30 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、議会証言
○20:30 ◇ 8月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:15 ☆ 8月ADP全米雇用報告
○21:30 ◇ 7月カナダ貿易収支
○21:30 ◎ 7月米貿易収支
○21:30 ◇ 4-6月期米非農業部門労働生産性・改定値
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:45 ◎ 8月米サービス部門PMI改定値
○22:45 ◎ 8月米総?⑰MI改定値
○23:00 ☆ 8月米ISM非製造業指数
○5日00:30 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○5日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○5日03:00 ◎ 8月ブラジル貿易収支
5日
○08:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○15:00 ◎ 7月独製造業新規受注
○15:00 ◎ 7月英小売売上高
○15:45 ◇ 7月仏貿易収支
○15:45 ◇ 7月仏経常収支
○16:00 ◇ 8月スイスSECO消費者信頼感指数
○18:00 ☆ 4-6月期ユーロ圏GDP確定値
○21:30 ☆ 8月カナダ雇用統計
○21:30 ☆ 8月米雇用統計
○23:00 ◇ 8月カナダIvey購買部協会景気指数
○インド(イスラム教ムハンマド生誕祭)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、リスク回避や日銀利上げ予想で上値は重い
◆豪ドル、4-6月期のGDPとRBA総裁講演に注目
◆ZAR、投資資金流入や実質金利高止まりで底堅い展開を予想
予想レンジ
豪ドル円 94.50-96.50円
南ア・ランド円 8.25-8.50円
9月1日週の展望
豪ドルは上値が重いと予想している。トランプ米大統領がクック米連邦準備理事会(FRB)の解任を発表したことで、米中銀の独立性が懸念されている。強引な政治的介入を続ける米大統領に対して、市場は一時米トリプル安で反応した。本来であれば米国の信頼が損なわれ、豪ドル買い・ドル売りが強まることになるが、リスク回避の動きに敏感な豪ドルは上値が限られそうだ。また、対円ではジャクソンホール会合での植田日銀総裁の講演がタカ派だったことや、ベッセント米財務長官が日銀に利上げを促す外圧をかけていることもあり、下値を探りやすいだろう。
来週の豪州からの経済指標は、9月1日に7月住宅建設許可件数、9月2日に4-6月期国際収支、9月3日に国内総生産(GDP)、9月4日に7月貿易収支が公表される。また、9月3日にはブロックRBA(豪準備銀行)総裁の講演が予定されている。この中で注目されるのは、9月3日に重なるGDPとブロック総裁の講演。1-3月期GDPは、前期比で市場予想や昨年の10-12月期よりも弱い0.2%増という結果になった。RBAが今週発表した理事会の議事要旨で、関税の引き上げと政策の不確実性が世界経済の重しとなるため、2025年後半から2026年にかけてはGDP成長率が鈍化すると予想している。4-6月期の成長率も予想よりも低調となれば、ブロック総裁の講演内容にもよるが、RBAの再利下げ時期や、利下げ幅にも影響を及ぼす可能性がありそうだ。
なお、隣国ニュージーランド(NZ)からは、9月1日に建設許可件数が発表予定。
南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅さを維持しそうだ。先週末にZARは対ドルで年初来高値を更新した。今週は反動もありZARは対ドルで利食いが優勢となったが、ZAR買いトレンドは対ドル、対円ともに変わらないとみている。このところ、米政権への信頼性の低下も影響してか、南アへの投資資金流入がZARの支えになっている。
また、南ア準備銀行(SARB)が今年の利下げ路線が前回の利下げで一服となると予想していることもZARの支えになるだろう。南ア財務相は認めていないが、SARBがインフレ目標を実質3%に引き下げたことで実質金利が高止まりすると予想されているほか、水道料金が12.1%、電気料金が10.6%上昇しており、実際には利下げに動きにくく、ZARの支えになりそうだ。
なお、来週は9月3日に7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感、9月4日に4-6月期経常収支が発表予定。
8月25日週の回顧
豪ドルは小高く推移。米政権に対する信頼性の低下や利下げ期待の高まりで、対ドルでは小幅に買いが優勢。対円では実需の円売りが支えた。もっとも、対ドルでは0.65ドルを挟んだ動き、対円では95円後半でレンジは限られた。また、7月のCPIが市場予想を上振れ、豪ドル買いを促す場面があった。
ZARは買いが一服。先週末にドルZARが年初来安値(ZARの高値)を更新したこともあり、対ドルを中心に利食いのZAR売りが散見された。ランド円も対ドルのZAR売りの影響で上値が抑えられた。
◆ポンド、成長の鈍化とインフレ再燃懸念で動きづらい
◆英8月CPI、1年半ぶりの高水準となった7月から一段上昇の可能性
◆加ドル、8月雇用データ次第では9月利下げ観測が高まる可能性
予想レンジ
ポンド円 196.50-201.50円
加ドル円 105.00-108.00円
9月1日週の展望
来週、英国内では8月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値や8月建設業PMI、7月小売売上高などの発表が予定されているが、結果がポンドの方向性を出す可能性は低い。英経済成長の弱さとインフレ再燃というテーマを抱え、足元でポンドはやや動きづらい。
英経済は減速感が強まっている。関税引き上げ前の駆け込み需要が剥落し輸出が鈍化するなか、雇用情勢の悪化とインフレ再燃が個人消費の重しとなっている。イングランド銀行(英中銀、BOE)は物価の高止まりへの懸念を一段と強める可能性がある。7月の消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%と1年半ぶりの高い伸び率となったが、8月はBOEの物価目標の2倍となる4.0%に一段の上昇が警戒されている。BOEはインフレ率が12月に3.6%まで低下し、26年に平均2.5%、27年第2四半期にようやく物価目標の2%に戻ると予測しているが、想定以上に高いインフレ圧力が高まるリスクがある。インフレ高進はBOEに雇用市場が弱含む状況でも利下げペースを鈍化させざるを得ない決断を迫る可能性がある。BOEが利下げペースの鈍化に動けば、減速している経済成長を加速させようとするスターマー英政権にとっては痛手となるだろう。
カナダ中銀(BOC)9月会合での政策金利の据え置きと利下げ思惑が交錯している中、来週は8月雇用統計に注目。7月の雇用統計は、失業率こそ前月と変わらずの6.9%となったが、雇用者数は4万800人減と2022年1月以来の大幅なマイナスを記録した。雇用者数の減少は労働市場が悪化局面で最初に打撃を受ける若年層に集中した。今のところ、トランプ関税の悪影響は鮮明になっていないが、8月の雇用データも悪化すれば4会合ぶりの利下げ観測が高まり、加ドルに売り圧力が強まりそうだ。マックレムBOC総裁は今週の講演で、「米国の関税措置やサプライチェーン(供給網)の変化に起因する経済の不確実性は高まっており、これによりインフレに一段の上昇圧力がかかる可能性がある」と述べた。
トランプ米大統領は1日に米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)対象外のカナダ製品に対する関税を25%から35%に引き上げる大統領令に署名したが、現状では加国内で関税の痛手は鉄鋼・アルミニウムと自動車に限定され、物価や雇用、マクロ経済が大幅に悪化する気配はまだ見られないと悲観論は高まっていない。むしろ、関税対策として、これまで州を跨いだ投資や商取引を妨げてきた数々の規制の撤廃に動いていることが、経済や消費者の暮らしに恩恵をもたらし関税の影響が緩和されるとの見方もある。
8月25日週の回顧
先週末のパウエルFRB議長の講演を受けて、為替市場ではドルの上値が重くなるも、米利下げを織り込んでいる部分も大きく、全般動きは限られた。ポンドドルは1.35ドル台で上値が抑えられたほか、ポンド円は199円台で伸び悩んだ。
また、ドル/加ドルの下押しは1.37加ドル台にとどまった一方、加ドル円は106円台を中心とした狭いレンジ内での動きとなった。
◆ドル円、8月ADP全米雇用者数や8月米雇用統計などを見極め
◆石破首相の進退、クックFRB理事解任を巡る動きにも注意
◆ユーロドル、フランス政局や8月ユーロ圏HICPに注目
予想レンジ
ドル円 145.00-149.00円
ユーロドル 1.1400-1.1800ドル
9月1日週の展望
ドル円は、ジャクソンホール会合でパウエルFRB議長が「価格の安定」よりも「雇用の最大化」に軸足を置いて、今後の利下げに前向きなスタンスを示したことで、来週はADP全米雇用報告や8月雇用統計、さらには9月2日、9月4日予定のISM製造業・非製造業景気指数での雇用指数を見極めていく展開となる。
7月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想を下回ったほか、5月と6月分が異例の大幅下方修正となり、数字に対する信頼感が急激に低下。トランプ米大統領は労働統計局長を解任するという事態に至った。市場では、週末9月5日の8月雇用統計はもちろんだが、前日9月4日のADP全米雇用者数への注目がより高まっている。次期労働統計局長に指名されたアントニー氏は、雇用統計の発表を月次から四半期ベースに変える意向を示している。今後は、米雇用情勢を見極める上で、雇用統計だけではく、その他の雇用関連指標も含めて総合的に判断していくことになるのかもしれない。9月3日公表の米地区連銀経済報告にも注目。さらには、4日予定の7月貿易収支では、トランプ関税の影響を確認したい。また、トランプ米大統領は今週、クックFRB理事を解任する意向を表明。強引な中銀への介入が行われているが、クック理事は米大統領を提訴。次期FRB議長の人選とともに、関連のヘッドラインには警戒が必要だろう。
日本国内では、自民党総裁選管理委員会が参院選の総括が出た後に総裁選前倒しの是非を巡り意思確認作業に入る方針を決定した。臨時総裁選挙の開催が決定した場合や、石破首相が総裁選前に辞任するような状況となった場合には、次期政権への期待感から日本株高・円安の反応となる可能性が高い。
ユーロドルは、フランスの内閣総辞職の可能性が高まっているほか、米国と欧州連合(EU)との関税合意による欧州の景況感悪化が懸念されており、上値が重い展開が予想される。9月2日予定の8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)の伸び率が鈍化していた場合は、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げ観測が高まることでユーロ売り要因となりそうだ。
8月25日週の回顧
ドル円は、週明け明けから買戻しが先行。米大統領がクックFRB理事解任を伝えると146.99円まで急落したものの、クック理事が辞任しない意向を示したほか、月末絡みの本邦実需の買いなどを受けて148.18円まで買戻された。ただ、米長期金利が低下幅をひろげるなか、再び146.66円まで値を下げるなど、方向感のない動きとなっている。
ユーロドルは、フランスの政権崩壊懸念などを受けて1.1734ドルから1.1574ドルまで下落したが、米長期金利の低下につれて1.1697ドルまで値を戻している。
29日の日経平均は3日ぶり反落。終値は110円安の42718円。米国株の上昇を好感できず小幅に下げて始まると、すぐに下げ幅を3桁に拡大。半導体株の一角や小売株が弱く、前場は下げ幅を広げてはやや戻すといった動きを繰り返した。200円超下げたところでは売り圧力が和らいでおり、後場に入ると戻りを試しにいった。14時台半ば辺りからは急速に下げ幅を縮め、前日終値近辺でクロージングオークションに突入。ただ、引けにかけはまとまった売りに押されており、3桁の下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4000億円。業種別では非鉄金属、パルプ・紙、卸売などが上昇した一方、不動産、保険、輸送用機器などが下落した。ソフトバンクグループ<9984.T>が米国株高に好反応を示して大幅上昇。強い動きとなる中で、売買代金は全市場でトップとなった。反面、潜水艦の検査データ改ざん観測が報じられ、会社からも調査を進めている旨のリリースがあった川崎重工業<7012.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり632/値下がり929。古河電工やフジクラなど電線株が大幅上昇。大阪チタニウム、東邦チタニウムのチタン2社が連日で強い動きとなった。海外事業の売却検討観測が報じられた電通Gが急伸し、傘下の電通総研もつれ高。開業100周年の記念品贈呈や優待の対象者拡大を発表したTONEがストップ高比例配分となった。
一方、傘下「すき家」の牛丼値下げを発表したゼンショーHDが大幅安。同じく牛丼チェーンを展開する吉野家HDや松屋フーズのほか、ハイデイ日高、ワタミ、クリレスHDなど外食株の弱さが目立った。コシダカ、ラウンドワン、イオンファンタジーなどレジャー関連も多くが大幅安。日証金が増し担保金徴収措置を実施すると発表したアステリアが急落した。
日経平均は3日ぶり反落。引けにかけての値動きが荒くなっており、月末を意識した売買の影響を大きく受けたようにも見える。終値(42718円)で5日線(42653円、29時点)を上回ったことは、来週に向けて期待の持てる動きであった。
週間では日経平均は上昇した一方で、TOPIXは下落している。日経平均は8月19日に43876円まで上昇した後、軽めの調整に一巡感が出てきている。TOPIXは3100pより上をキープできずに緩やかに値を消している。どちらも高値圏のもみ合いの範ちゅうではあるが、相場の転換点を示唆している可能性はある。両指数が足並みをそろえてくるか、パフォーマンスに差が出てくるかといった点には注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
一進一退か。9月相場に入り、金曜5日には米8月雇用統計が発表される。注目指標の発表を前に、日米株ともに方向感が定まらないと予想する。月曜1日の米国はレーバーデーで休場となるだけに、早いうちから様子見姿勢が強まる可能性もある。米国では雇用統計を前に指標の発表が多くあり、日々の指数は結果に一喜一憂となりやすい。ただ、現状では米国の9月利下げに対する期待が強いだけに、指標を受けて売られたとしても、下では買いが入るだろう。一方、雇用統計を前に楽観に傾いた場合には、高くなったところでリスク回避や利益確定の売りが出てくると思われる。どちらに振れてもそれを修正する動きが出てきて、週間では水準が大きく変化しないと予想する。
今週の日経225先物は米経済指標をにらんでの相場展開になりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はジャクソンホール会議の講演で9月利下げの可能性を示唆したが、データ次第との姿勢は維持している。今週は9月2日にISM製造業景気指数、3日に地区連銀経済報告(ベージュブック)、4日にADP雇用統計、貿易収支、ISM非製造業景気指数、5日に雇用統計と重要統計の発表が予定されている。これらを消化しつつ、米国の利下げ観測に変化が起きるかを見極めることになろう。
また、国内では自民党が2日に参院選の敗北を受けた参院選総括を再協議する。石破茂首相の責任にどの程度触れるかも注目され、総裁選前倒しの機運が高まるようだと、政局不安が短期的にショートを誘う可能性がある。
29日の米国市場では主要な株価指数が下落した。エヌビディア<NVDA>の大口顧客でもある中国のアリババ<BABA>が中国政府の後押しを受け、従来より汎用性の高い新型のAI(人工知能)向け半導体を開発したと報じられた。この報道をきっかけにエヌビディアが3%を超す下落となったほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やマイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株が軒並み売られた。
月末に伴う調整売りに加えて、9月1日がレイバーデーの祝日となるため、3連休を前にした持ち高調整の動きもあったとみられるが、米国市場での半導体株下落は週明けの東京市場へも影響を与えることになろう。
日経225先物は29日取引終了後のナイトセッションで売られ、一時4万2030円まで下げ幅を広げる場面もみられた。先週はエヌビディアの決算を無難に通過。また、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>の保有株比率が議決権ベースで10%を超えたと発表した三菱商事<8058.T>[東証P]が買われ、日本株に対する海外投資家の関心の高まりが意識されて押し目買いへと向かわせていた。
日経225先物は8月21日にボリンジャーバンドの+1σを割り込んだ後は中心値となる25日移動平均線と同バンドによるレンジを継続し、29日には4万3040円まで買われる場面もみられるなど、+1σ水準を捉える動きをみせていた。+1σ突破からリバウンド基調が一段と強まる展開が期待されたが、ナイトセッションの下げで中心値を捉えている。なお、ナイトセッションで+1σは4万3110円、中心値は4万2070円処で推移。
25日線を瞬間的に割り込む場面もあったが、4月下旬以降は同線が支持線として機能していたこともあり、リバウンド狙いのタイミングとなる可能性はあるだろう。週初は米国が休場のため、海外勢のフロー減少の影響を受けて、ショートを仕掛けてくる動きが入りやすいとみられる。そのため、まずは売り一巡後のカバー狙いのスタンスとなりそうだ。
一方で25日線を明確に割り込んでくるようだと、-1σ(4万1020円)が射程に入ってくる可能性がある。そのため、オプション権利行使価格の4万2000円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万1000円から4万3000円のレンジを想定する。
29日の米VIX指数は15.36(28日は14.43)に上昇した。週間(22日は14.22)でも上昇となった。エヌビディアは四半期決算を受けて小幅安となったが、AI向け半導体需要の強さを意識した買いが他のハイテク株に入るなか、28日には14.12と昨年12月以来の水準まで下げる場面もみられた。依然としてボトム圏での推移ではあるが、25日線が位置する15.75辺りを明確に上回ってくると、75日線(17.20)辺りまでのリバウンドを意識しておきたいところであり、やや市場心理を神経質にさせそうだ。
先週のNT倍率は先物中心限月で13.89倍(28日は13.85倍)に上昇した。週間(22日は13.73倍)でも上昇した。一時13.91をつける場面もみられており、75日線(13.85倍)、25日線(13.87倍)を上回ってきた。両線が支持線として意識されてくると、NTショートの巻き戻しに向かわせそうであり、200日線(13.95倍)辺りを試してくる可能性がある。ただし、米ハイテク株が下落した影響で指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが目立つようだと、TOPIX型優位の展開も意識されそうである。再び、25日、75日線を割り込んでくると、NTショートに振れやすくなりそうだ。
8月第3週(8月18日-22日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続の買い越しであり、買い越し額は330億円(8月第2週は1兆7582億円の買い越し)だった。なお、現物は1988億円の売り越し(同5737億円の買い越し)と2週ぶりの売り越し。先物は2319億円の買い越し(同1兆1844億円の買い越し)と3週連続の買い越しだった。個人は現物と先物の合算で2061億円の買い越しと3週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で221億円の売り越しとなり、8週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、9月1日に4-6月期法人企業統計調査、中国8月財新製造業PMI、2日に自民党両院議員総会(参院選総括を報告)、米国8月ISM製造業景気指数、3日に中国8月財新サービス業PMI、米国7月製造業新規受注、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、4日に米国8月ADP雇用統計、米国7月貿易収支、米国8月ISM非製造業景気指数、5日に7月全世帯家計調査、7月景気動向指数、米国8月雇用統計などが予定されている。
<国内>
○08:50 ◇ 4-6月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額、予想:前年比6.2%)
<海外>
○07:45 ◎ 7月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○10:30 ◎ 7月豪住宅建設許可件数(予想:前月比▲4.0%)
○10:45 ◎ 8月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.7)
○15:00 ◇ 8月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○15:30 ◇ 7月スイス小売売上高
○16:00 ◇ 8月トルコ製造業PMI
○16:00 ◎ 4-6月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比4.1%)
○16:30 ◇ 8月スイス製造業PMI(予想:47.0)
○16:50 ◎ 8月仏製造業PMI改定値(予想:49.9)
○16:55 ◎ 8月独製造業PMI改定値(予想:49.9)
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:50.5)
○17:30 ◎ 8月英製造業PMI改定値(予想:47.3)
○17:30 ◇ 7月英消費者信用残高(予想:14億ポンド)
○17:30 ◇ 7月英マネーサプライM4
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏失業率(予想:6.2%)
○24:00 ◇ 8月メキシコ製造業PMI
○米国、カナダ(レーバーデー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
中国の習近平国家主席とインドのモディ首相は、トランプ米大統領復帰以降初となる首脳会談を天津で開催し、米国の貿易戦争による経済的影響に対応するため関係強化で一致した。両首脳は国境問題で関係を規定せず、友好関係を築くことが「正しい選択」と確認。直接便の再開、二国間貿易・投資の拡大、赤字削減で合意した。また、国境の緊張緩和や協力拡大を重視し、混乱する国際情勢で多国間主義や持続的対話の推進も強調された。
レーン・フィンランド中銀総裁は先月31日、フィンランド紙とのインタビューで「ユーロ高やエネルギー安、コアインフレの鈍化、そして貿易政策による世界経済への悪影響を背景に、インフレの下方リスクが以前より増している」と述べた。「ユーロ圏における経済ショックはより複雑化しており、インフレの先行きには大きな不確実性がある。このため、経済の変化に応じて柔軟に対応する必要がある」と強調した。
秋にECBが預金金利を引き下げるべきか問われると、レーン氏は「理事会は利下げ路線に予めコミットしているわけではなく、あくまであらゆる選択の自由を維持している」と答えた。
先週末の海外市場ででドル円は、米長期金利の上昇を手掛かりに一時147.41円まで値を上げた。もっとも、その後はさえない米経済指標を受けて上値を切り下げ、147.00円を挟み神経質に上下した。ユーロドルは1.1709ドルまで8月25日以来の高値を更新したが、引けにかけては1.1680ドル台まで伸び悩んだ。
本日の東京時間でのドル円は、147円を挟んで方向感のない取引になりそうだが、リスク要因としてはやや上値が重くなるか。
先週は8月末特有の値動きで、本邦の実需勢を中心にリバランスを含めたドル買い意欲が強かった。昨年も同様の動きだったが、9月に入るとドル買い意欲が減少しており、今年も下押しへの警戒感がある。ただ、本日は米国がレーバーデーで休場ということもあり、大きな値動きを期待するのは難しいかもしれない。
ドル売り・円買いの要因は先週同様に、日本と米国の金融政策の方向性の違いが明確に分かれていること。先週発表された7月の米個人消費支出(PCE)デフレーターや食品エネルギーを除いたコア指数は、前年比で2%後半だった。インフレの低下傾向が目立った結果ではないが、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウォッチ」によると、9月FOMCで0.25%の利下げ織り込み度は、前日とほぼ変わらず80%後半を維持したままだ。
米連邦準備理事会(FRB)が2大責務の中で「物価の安定」から「雇用の最大化」へと軸足を移していることで、市場の利下げ期待は変わらない。一方で、日銀の利上げ期待が高まっていることもあり、9月の両中銀での金融政策の方向性の違いがドル円の重しになるだろう。明日2日は、氷見野日銀副総裁が道東地域金融経済懇談会で挨拶を行う。植田日銀総裁に続いて副総裁からタカ派寄りの発言が出た場合は、更に円金利の上昇が予想される。
さらに、トランプ政権による独裁政治の動きが加速していることで、米国に対する信頼性が損なわれていることもドル売り要因。先月はマッケンターファー米労働省労働統計局(BLS)局長、クックFRB理事、そしてモナレス疾病対策センター(CDC)所長など、正当化される理由が乏しいのにもかかわらず、多くの政府要人がトランプ政権から解任を言い渡された。特に、クックFRB理事の解任問題でFRBの独立性危機への懸念が高まり、2年債などの中期ゾーンの利回りが低下し、インフレ制御が困難になるとの見方で30年債利回りが上昇するなど、多くの弊害が出始めている。
本日は、アジア時間では本邦から4-6月期の法人企業統計調査が発表され、豪・NZからは住宅建設許可件数、中国から8月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標が発表される。しかし、どの指標に対しても市場が動意づくのは難しいだろう。
本邦の報道の扱いは限られているが、先週後半から海外で多く報じられているのは、昨日から本日まで中国・天津で行われている2025年上海協力機構(SCO)首脳会議。すでに昨日インドのモディ首相が7年ぶりに訪中し、習近平国家主席と両国関係の改善加速で一致した。また、同様に昨日訪中したプーチン露大統領は、SCO首脳会談後3日に行われる抗日戦争勝利80周年の軍事パレードにも参加予定だ。米国から50%の高関税を賦課されるインドが、中露に接近していることに米国も警戒感を強めている。トランプ大統領がSNSで新たな制裁などを企てようとした場合、市場が急変するリスクもありそうだ。
東京市場は軟調か。先週末の米国株は下落。ダウ平均は92ドル安の45544ドルで取引を終えた。中国のアリババが高性能半導体を開発しているとのウォールストリート・ジャーナルの報道を受けて、エヌビディアが3%超下落するなど半導体株が大幅安。関税影響に対する見通しを発表したキャタピラーも3%超下落しており、三連休を前に売り圧力が強まった。ドル円は足元147円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが610円安の42080円、ドル建てが590円安の42100円で取引を終えた。
米国株安を受けて売りに押されると予想する。米国動向から生成AI関連や機械関連に特に厳しい展開が想定される。CME225先物は大幅安スタートを示唆しており、値持ちの良かった銘柄には目先の利益を確定させる売りが出てきやすい。下では25日線(42034円、8月29日時点)や節目の42000円がサポートになるとみるが、エヌビディアの決算を消化した直後に半導体株にネガティブなニュースが出てきた上に、本日の米国が休場であすの材料難が予想されることから、場中は警戒ムードの強い地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは42000-42500円。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42100 -590 (-1.38%)
TOPIX先物 3048.5 -24.0 (-0.78%)
シカゴ日経平均先物 42080 -610
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
29日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。エヌビディア<NVDA>の大口顧客でもある中国のアリババ<BABA>が中国政府の後押しを受け、従来より汎用性の高い新型のAI(人工知能)向け半導体を開発したと報じられた。この報道をきっかけにエヌビディアが3%を超す下落となったほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やマイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株が軒並み売られた。月末に伴う調整売りに加えて、9月1日がレイバーデーの祝日となるため、3連休を前にした持ち高調整の動きもあった。
S&P500業種別指数は食品・飲料・タバコ、電気通信サービス、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、資本財の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、メルク<MRK>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が買われた。半面、エヌビディアのほか、キャタピラー<CAT>、スリーエム<MMM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、IBM<IBM>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比610円安の4万2080円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比30円安の4万2660円で始まった。直後につけた4万2670円を高値に下げ幅を広げ、4万2340円~4万2490円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜け、一気に4万2030円まで売られる場面もみられた。終盤にかけては4万2080円~4万2220円辺りでの推移が続き、4万2100円でナイトセッションの取引を終えている。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。エヌビディアの下げが嫌気されて、アドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になるだろう。米国はレイバーデーの祝日で休場になるため海外勢のフローは限られ、商いが膨らみにくい需給状況のなかで、短期的な商いに振らされやすくなりそうだ。売り一巡後の戻りの鈍さが意識される局面ではショートを仕掛けてくる動きが警戒されよう。
日経225先物は足もとでボリンジャーバンドの+1σと中心値となる25日移動平均線によるレンジで推移をみせている。先週後半には一時4万3000円台を回復するなど、+1σ水準を捉える場面もみられた。しかし、ナイトセッションでの下落によって、一気に中心値である25日線まで下げてきた。同線を明確に割り込んでくると、ショートが膨らみやすくなりそうである。
ただし、同線はこれまで支持線として機能しており、一時的に割り込む局面ではその後のカバー狙いのロング対応に向かわせよう。短期的なトレードが中心になると考えられ、カバーの動きも速いとみられる。もっとも、積極的なリバウンドを狙ったロングも入りにくいと思われ、戻りの鈍さが意識される局面では早い段階でロング解消に向かわせそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の4万2125円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万1875円から4万2375円のレンジを想定する。25日線が支持線として機能するようだと、4万2000円から4万2500円辺りでの推移とみておきたい。
29日の米VIX指数は15.36(28日は14.43)に上昇した。依然としてボトム圏での推移ではあるが、25日線が位置する15.75辺りを明確に上回ってくると、75日線(17.20)辺りまでのリバウンドを意識しておきたいところであり、やや市場心理を神経質にさせそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.89倍(28日は13.85倍)に上昇した。一時13.91倍をつける場面もみられており、75日線(13.85倍)、25日線(13.87倍)を上回ってきた。ただし、米ハイテク株が下落した影響で指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが目立つようだと、相対的にTOPIX型優位の展開が意識されよう。再び、25日、75日線を割り込んでくると、NTショートに振れやすくなりそうである。
日経225先物は11時30分時点、前日比850円安の4万1840円(-1.99%)前後で推移。寄り付きは4万2250円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2080円)にサヤ寄せする形で、売り先行で始まった。寄り付き後は押し目狙いのロングが入り、4万2460円まで下げ幅を縮める場面もみられた。ただし、中盤にかけては寄り付き水準での保ち合いが続き、終盤にかけて下へのバイアスが強まり、4万1820円まで下落幅を広げた。
日経225先物はナイトセッションで25日移動平均線(4万2060円)水準まで下げたことで、寄り付き後はリバウンド狙いの動きもみられた。ただし、節目の4万2500円を捉えることはできず、早い段階でロング解消からショートを誘う形になった。25日線を割り込むとショートの動きが強まる形になったようである。後場はショートカバーの動きが意識されそうだが、アドバンテスト<6857.T>[東証P]が9%あまり下げて日経平均株価を押し下げており、戻り待ち狙いのショートスタンスに向かわせそうである。
NT倍率は先物中心限月で13.71倍に低下した。13.85倍辺りで推移している25日線、75日線を割り込んで始まり、一時13.85倍をつける場面もみられたが、両線に上値を抑えられた。その後は指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下落影響もあって、8月6日につけた直近安値の13.69倍に接近してきたことで、NTショートでのスプレッド狙いになろう。
1日早朝に発表された8月のオーストラリア製造業PMIは53.0と、2022年9月以来の高水準を記録した。新規受注は約3年ぶりの大幅増、輸出も5月以来のプラスに転じ、生産・雇用とも堅調。調達在庫も40カ月ぶりの上昇となり、サプライチェーンの遅延に備えた安全在庫の積み増しが進んでいる。景況感は2022年2月以来の高さとなったものの、価格上昇圧力は限定的でインフレ懸念は弱い。
9月1日月初のアジア市場は、米国とカナダが休場となる週明け。本邦実需の買いが断続的に観測されると一時147.38円まで値を上げる場面もみられましたが、先週末高値の147.41円が目先の目処として意識されたほか、先週末の先物で急落していた日経平均が、先物での安値42025円を下抜けて大台割れとなると146.84円まで戻り売りに押されています。先週末の海外市場でも欧州時間に買戻されたものの、前日8月28日の高値147.49円が戻りの目処として意識されたほか、弱い米指標を受けて米長期金利の低下とともにアジア時間の安値146.77円に面合わせ。ただ、引けにかけては147円台を回復していたわけで、何とも相場自身に確かな意志が感じられない、他人任せのレンジ相場が繰り返されています。
いずれにしても、本日はNY市場が休場という、市場参加者にとっては様子見の理由付けとしては最も大きな要因の一つであって、東京市場で多少動きがあったとしても、大勢には影響はないといったところ。兎にも角にも、今週末の米雇用統計に向けて、今週は米雇用関連指標が目白押しとなっているなか、ジャクソンホールの講演でパウエルFRB議長が「リスクバランスの変化」に言及したように、「インフレ安定>雇用最大化」から「インフレ安定<雇用最大化」へと、デュアルマンデートの力関係に変化が生じていることの確認作業が必要となっているわけで、極めて重要な9月第1週を迎えています。
本日のロンドン為替市場は、月初に絡んだフローで上下する展開か。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングは、ニューヨーク勢不在(米、レーバーデーで祝日)で流動性が通常より薄くなる時間帯でもあり、いつもより値幅を伴った動きとなるかもしれない。経済指標は、改定値だが欧州の8月製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。
市場が米金利先安観を維持する一方、欧州中央銀行(ECB)の利下げサイクルが終わりに近づいているとの見方が広まりつつある。明日の8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が注目されるところだが、本日については足もとの欧州景気動向をまずは確認したい。
8月仏・独製造業PMIは速報値で景況判断の境目50に僅かに届かなかった。もし本日の改定値が上振れれば、フランスは約2年半ぶり、ドイツが約3年ぶりの50超えとなる。ユーロ圏の同PMIが速報値と変わらず50台を維持すれば、ユーロドルの底堅さに繋がるのではないか。
もっとも、8日の仏下院における内閣信任投票を控え、積極的にユーロの上値を追えないという見方も根強い。欧州委員会からは仏財政赤字の是正要求が強まっており、そうした中でバイル首相は歳出削減と増税を提案した。予算案を通すために首相は信任投票の実施を決めたが、不信任が過半数を占めると見られている。
仏政局の先行き不透明感から財政不安も拡大しており、先週末の仏10年債利回りは3.51%とギリシャより約10ベーシスポイント(bp)高い水準で終えた。財政状況が厳しいとされるイタリアの同年債利回り3.58%にも近づいている。8日の信任投票に向けて仏長期債への売り圧力は続く(利回りは上昇基調)と予想され、そうなるとユーロドルの上値も限定されてしまいそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル、8月22日高値1.1743ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月28日安値1.1629ドル
ドル円:1ドル=146.91円(前営業日NY終値比▲0.14円)
ユーロ円:1ユーロ=172.09円(△0.23円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1713ドル(△0.0027ドル)
日経平均株価:42188.79円(前営業日比▲529.68円)
東証株価指数(TOPIX):3063.19(▲11.99)
債券先物9月物:137.30円(▲0.24円)
新発10年物国債利回り:1.625%(△0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
前年同期比 7.6% 6.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。早朝は147.10円前後での小動きだったが、月初とあって本邦勢が参入すると買いが強まった。10時30分過ぎには一時147.38円まで上昇したが、先週末高値の147.41円が目先のレジスタンスとして意識されると失速。対ポンドなどでドル売りが優勢になると一時146.80円まで下げ足を速めた。
・ユーロドルは強含み。特段材料は伝っていないが、全般ドル安が進んだ流れに沿った。ユーロクロスが上昇したことも支えに一時1.1728ドルまで値を上げた。
・ユーロ円は底堅い。ドル円の上昇につれて172.28円まで値を上げた。その後にドル円が失速したことで172円を割り込む場面があったが、全般ユーロが買われるなかで下値は堅かった。
・日経平均株価は続落。米中の人工知能半導体開発競争をめぐる懸念から半導体関連株が軒並み下落。投資家心理が悪化し、指数は一時900円近く下落した。大きく下げた反動から引けにかけては下げ渋った。
・債券先物相場は3日続落。日銀の早期利上げ観測が高まるなかで、週明けの国債市場では売りが強まった。午後に入っても地合いは弱いままだった。
8月のオーストラリア全国住宅価格は前月比0.7%上昇し、過去1年超で最速の伸びとなった。利下げ局面が続く中、需給逼迫が価格上昇を後押ししている。主要都市圏では0.8%の上昇で、7カ月連続のプラスに。実質賃金の上昇や消費者マインド改善も影響しているが、全体的な住宅取得の難しさや人口増加の鈍化が今後の抑制要因と指摘される。金融大手AMPのチーフエコノミスト、シェーン・オリバー氏は2025年の住宅価格が約7%上昇、来年はさらなる利下げ継続で8-10%の値上がりを予想している。
大和証券では、8月28日に7月ECB理事会の議事要旨が公表されたことを受けてリポートしている。当会合では8か月ぶりに政策金利の据え置きが決定されたが、議事要旨では利下げを主張した委員がいたことが明らかになった。インフレの見通しについては委員の間で見方が分かれていたほか、ユーロ高が長期化する可能性が指摘されたとのこと。大和では、今回の議事要旨で示された内容から、9月の理事会では政策金利が据え置かれる可能性が高いとみており、利下げ再開に向けた議論に注目している。
金融市場では、8月は市場参加者がバカンス気分で油断しているせいなのか、金融危機に襲われがちな季節としてトラウマになっており、ドル円相場に関してはリスク回避の円高となるアノマリーが確認されている。
1.2025年8月の円高(始値150.75円・高値150.92円・安値146.21円・終値147.05円)
8月1日に発表された米7月雇用統計の非農業部門雇用者数は予想を下回る前月比+7.3万人、5月と6月も合計で25.8万人下方修正され、ドル円は150円台から146.62円(5日)まで下落した。
8月22日のジャクソンホール会合で講演したパウエルFRB議長は、「雇用の最大化」に軸足を置いた利下げに言及したことで、ドル円は148円台から146円台へ下落した。
2.「8月の円高」というトラウマ
■ イラクのクウェート侵攻
1990年8月2日、イラクのフセイン政権は、クウェートに侵攻した。1991年1月17日、多国籍軍によるイラク空爆により湾岸戦争が勃発した。
ドル円は、8月2日の高値151.60円から10月の123.70円まで下落した。
■ アジア通貨危機
1997年7月、アジアの新興国諸国で一斉に通貨が暴落し、8月にかけてアジア全体が不況に陥った。ドル円は、5月の高値127.48円から、6月には110.61円まで下落していた。
■ ロシアショック
1998年8月17日、ロシア政府は、対外債務の90日間の支払い停止を宣言した。
ドル円は、8月11日の高値147.64円から9月11日の128円台まで約20円下落した。
■ パリバショック
2007年8月9日、仏銀行最大手のBNPパリバ銀行傘下のミューチュアルファンドが、サブプライムローンの証券化商品の混乱により解約を凍結された。
ドル円は、8月9日の119円台から8月17日の111円台まで下落した。
■米国債格下げ
2011年8月5日、米格付け機関スタンダード&プアーズが、アメリカの長期発行体格付けを『AAA』から『AA+』に格下げした。当時、米国議会は、米国債務上限の引き上げを巡る問題で紛糾しており、デフォルト(債務不履行)のリスクが警戒されていた。
ドル円は、80円前後から10月31日の変動相場制移行後の最安値75.32円まで下落した。
■中国人民元切り下げ
2015年8月11日、中国人民銀行は、中国人民元の対ドル基準値を前日比1.9%切り下げ、その後12日、13日と3日間で約4.7%の中国人民元切り下げを断行した。
ドル円は、125円台から月末の116円に向けて約9円下落した。
■米中貿易・通貨安戦争の勃発
2019年8月1日、トランプ大統領が対中制裁関税第4弾を9月1日から発動する、と表明し、中国商務省は、国営企業に対して米国産農産物の輸入停止を要請し、報復関税措置の発動を表明したことで、米中貿易戦争が再燃した。さらに、中国人民銀行が、ドル・人民元が1ドル=7元以上に上昇することを黙認したことで、人民元安誘導という「為替操作」の思惑が強まり、米財務省は中国を「為替操作国」に認定し、米中通貨安戦争が勃発した。ドル円は109.32円から104.46円まで下落した。
■令和のブラックマンデー
2024年8月5日、日経平均株価は4451.28円(▲12.40%)下落して、1987年10月20日の「ブラックマンデー」の下げ幅3836.48円(▲14.9%)を上回り、「令和のブラックマンデー」となった。NYダウは、1033.99ドル(▲2.60%)下落した。
ドル円は、7月3日に到達した1986年12月以来の高値161.95円から、141.70円まで約20.25円下落した。
■米国雇用統計ショックとジャクソンホール会合
2025年8月1日に発表された米7月雇用統計の非農業部門雇用者数は予想を下回る前月比+7.3万人、5月と6月も合計で25.8万人下方修正され、ドル円は150円台から146.62円(5日)まで下落した。
8月22日のジャクソンホール会合で講演したパウエルFRB議長は、「雇用の最大化」に軸足を置いた利下げに言及したことで、ドル円は148円台から146円台へ下落した。
本日のNY為替市場のドル円は、NY市場がレーバーデー休場のため動きづらい展開が予想される。
ドル円の上値を抑える要因としては、トランプ米大統領によるクックFRB理事解任に対する提訴やトランプ関税に対する違憲判決への警戒感やレーバーデー明けに予定されているベッセント米財務長官による次期FRB議長の人選などが挙げられる。
ドル円の下値を支える材料としては、石破首相の進退を巡る不透明感が挙げられる。新たな内閣が誕生した場合、財政出動策などで、債券売り、円売り、そして日本株買いが警戒されている。
石破首相の進退に直結する自民党総裁選挙の前倒しについて、石破内閣の中からも10人を上回る議員が求めている、と報じられいる。 自民党は明日2日に、参議院選挙の総括をとりまとめたうえで、総裁選を行うかどうかを決定するとのこと。
ジャクソンホール会合では、パウエルFRB議長が2つの責務の内、「物価の安定」から「雇用の最大化」に軸足を移して、9月FOMCでの利下げの可能性に言及していた。
今週は、8月のADP全国雇用者数、雇用統計、ISM製造業・非製造業「雇用」指数、チャレンジャー人員削減予定数などの発表があることで、最新の米国の雇用情勢を見極めていくことになる。
8月のADP全国雇用者数の予想は前月比+6.5万人、非農業部門雇用者数は前月比+7.0万人と低調な数字が見込まれている。
さらに、来週9日には、年次ベンチマークの改定が予定されているが、昨年8月21日の年次ベンチマークの改定は81.8万人の下方修正だったことで、警戒されている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、147.68円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、145.65円(日足一目均衡表・雲の下限)
大阪9月限
日経225先物 42250 -440 (-1.03%)
TOPIX先物 3066.5 -6.0 (-0.19%)
日経225先物(9月限)は前日比440円安の4万2250円で取引を終了。寄り付きは4万2250円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2080円)にサヤ寄せする形で、売り先行で始まった。寄り付き後は押し目狙いのロングが入り、4万2460円まで下げ幅を縮める場面もみられた。ただし、前場終盤にかけて下へのバイアスが強まり、ランチタイムで4万1780円まで下落幅を広げた。後場の取引開始後はショートカバーとみられる動きにより下げ幅を縮め、4万2250円と寄り付き水準まで戻す形になった。
日経225先物はナイトセッションで25日移動平均線(4万2060円)水準まで下げたことで、寄り付き後はリバウンド狙いの動きもみられた。ただし、節目の4万2500円を捉えることはできず、早い段階でロングの解消によりショートを誘う形になった。25日線を割り込むとショートが強まり、4万1780円まで売られた。ただし、海外勢のフローが限られるなかで短期的な資金が中心とみられ、後場はショートカバーの動きになった。後場中盤に25日線を回復したことで、終盤にかけてカバーの動きが強まったようである。
チャート形状では下ヒゲを残す形で25日線を上回っており、引き続き同線を支持線としたトレンドを形成している。8月4日の調整場面でも、4万0690円から3万9730円まで急落して25日線(4万0210円:8月4日)を割り込んだが、その後は4万0320円まで下落幅を縮めて同線を上回っていた。25日線を上回って推移するようだと、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
1日の米国市場はレイバーデーで休場になるため、ナイトセッションは小動きであろう。明日の日中取引でも市場参加者は限られるとみられ、短期筋の売買に振らされやすい需給状況であろう。ただし、再び25日線割れを狙ったショートは入れにくいと考えられ、下へのバイアスが強まる局面となれば、その後のカバーを想定したロングに向かいやすいとみておきたい。
そのため、イレギュラー的な動きはあるとしても、ボリンジャーバンドの+1σと中心値となる25日線によるレンジは継続。オプション権利行使価格の4万2000円から4万3000円のレンジとなり、目先的には4万2500円辺りを試す動きが意識されそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.77倍に低下した。13.85倍辺りで推移している25日線、75日線を割り込んで始まり、13.85倍をつける場面もみられたが、両線に上値を抑えられた。その後は指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下落もあって、13.70倍まで下げており、8月6日につけた直近安値の13.69倍に接近してきた。ボトム水準まで下げてきたことで、NTショートを巻き戻す動きに向かうかを見極めたい。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万1912枚、ソシエテジェネラル証券が1万9077枚、サスケハナ・ホンコンが5446枚、モルガンMUFG証券が3018枚、ゴールドマン証券が2609枚、みずほ証券が2593枚、バークレイズ証券が2490枚、日産証券が2245枚、JPモルガン証券が2200枚、ビーオブエー証券が1376枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万5641枚、ソシエテジェネラル証券が2万3543枚、バークレイズ証券が7290枚、JPモルガン証券が4117枚、ゴールドマン証券が3725枚、モルガンMUFG証券が2951枚、ビーオブエー証券が2831枚、サスケハナ・ホンコン証券が2468枚、ドイツ証券が1533枚、野村証券が1229枚だった。
今週のNY市場は米8月雇用統計に注目。先週はダウ平均が0.19%安、S&P500が0.10%安とともに4週ぶりに反落し、ナスダック総合は0.19%安と2週続落となった。9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が引き続き支援となる中、エヌビディアが予想を上回る決算を発表したことなどでダウ平均が終値の最高値を更新し、S&P500が取引時間中と終値の史上最高値を更新したが、高値警戒感が意識されたことや、3連休や月末を控えた利益確定売りも強まった。利下げ見通しを巡って注目された7月個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数が予想通りの伸びとなり、インフレの根強さが意識されたものの、8月シカゴ地区購買部協会景気指数などが予想を下回り、8月ミシガン大期待インフレ率確報値が下方修正されたことなどで9月利下げ期待は維持された。8月月間ではダウ平均が3.20%高、S&P500が1.91%高とともに4カ月続伸し、ナスダック総合は1.58%高と5カ月続伸。例年パフォーマンスが低調な8月としては異例の好調となった。
今週は月曜日がレーバーデーの祝日で休場となり、4日間の取引となるが、利下げ見通しを巡り金曜日に発表される8月雇用統計に注目が集まる。7月雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を下回り、過去2カ月分も大幅に下方修正された。8月の非農業部門雇用者数は7.5万人増と7月の7.3万人増からわずかに増加すると予想されているが、引き続き弱い結果となれば利下げ期待が強まる一方、関税による景気悪化懸念が強まりそうだ。このほか、8月ISM製造業PMI、7月JOLTS求人件数、8月ISM非製造業PMIなど注目度の高い経済指標の発表も多く、指標結果を受けた利下げ見通しや景況感をにらんだ展開となりそうだ。また、トランプ米大統領がリサ・クック米連邦準備理事会(FRB)理事を解雇するとした問題などFRBの独立性を巡る懸念も最高値圏で推移する米国株の重しとなりそうだ。
今晩のNY株式市場はレーバーデーの祝日で休場。主要な米経済指標、企業決算の発表はなし。
日経平均株価は大幅続落。寄り付きから下値模索の展開となり、一時は41900円を割り込む場面もあった。一目均衡表の基準線(41863円 9/1)まで下げたところで戻りが意識され、後場は下げ幅を縮小する動きとなった。
RSI(9日)は前日の27.9%→24.1%(9/1)に低下。25日移動平均線(42063円 同)や一目均衡表の基準線付近まで下落したことで、反発機運が高まるかが焦点となる。一方、10日移動平均線(42713円 同)は目先の下向き基調が続くことで上値を抑える要因になる。
上値メドは、転換線(42630円 同)、8/25高値(43201円)、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円などがある。下値メドは、基準線、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円や40500円、8/4安値(39850円)などがある。
(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.22円(1日15時時点比△0.31円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.30円(△0.21円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1704ドル(▲0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:9196.34(前営業日比△9.00)
ドイツ株式指数(DAX):24037.33(△135.12)
10年物英国債利回り:4.750%(△0.029%)
10年物独国債利回り:2.748%(△0.024%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月英ネーションワイド住宅価格
前月比 ▲0.1% 0.5%・改
7月スイス小売売上高
(前年同月比) 0.7% 3.9%・改
8月スイス製造業PMI
49.0 48.8
8月仏製造業PMI改定値
50.4 49.9
8月独製造業PMI改定値
49.8 49.9
8月ユーロ圏製造業PMI改定値
50.7 50.5
8月英製造業PMI改定値
47.0 47.3
7月英消費者信用残高
16億ポンド 15億ポンド・改
7月英マネーサプライM4
(前月比) 0.1% 0.3%
(前年比) 2.9% 3.3%
7月ユーロ圏失業率
6.2% 6.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは伸び悩み。米利下げ観測や米連邦準備理事会(FRB)の独立性を巡る懸念から、ユーロ買い・ドル売りが先行。18時前に一時1.1736ドルと日通し高値を付けた。ただ、買い一巡後は徐々に上値を切り下げる展開に。1時過ぎには1.1697ドル付近まで下押しした。フランスの政治・財政の先行きに対する懸念は根強く、ユーロ売り・ドル買いが出やすい面もあった。
もっとも、本日は米国がレーバーデーの祝日で取引参加者が減少。商いは低調で、値幅は限られた。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁はラジオインタビューで、「ユーロ圏内で政権が崩壊する事態はどの国であっても懸念材料だ」などと発言。ラガルド氏の出身国であるフランスではバイル首相が来週、不信任投票によって退陣に追い込まれる可能性が高まっている。
・ドル円は持ち直した。東京午後に一時146.79円と日通し安値を安値を付けたものの、前週末の安値146.77円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。0時30分前には一時147.31円付近まで値を戻した。ただ、東京午前に付けた日通し高値147.38円が目先レジスタンスとして意識されたため、上昇のスピードは緩やかだった。
本日は米市場がレーバーデーの祝日に伴う休場のため売買は低調で、ポジションを傾けにくい面もあったようだ。
・ユーロ円は20時30分前に一時172.55円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は狭いレンジでのもみ合いに転じた。米市場が休場となる中、大きな方向感は出なかった。
・ロンドン株式相場は5日ぶりに小反発。仏政治リスクなどを嫌気して前週末まで4日続落したあとだけに、自律反発狙いの買いが入った。ロールス・ロイス・ホールディングスやBAEシステムズなど資本財サービス株が買われた。ただ、ナショナル・グリッドやSSEなど公共事業株が売られ、指数の上値を抑えた。
・フランクフルト株式相場は6日ぶりに反発。仏政治リスクなどを警戒して前週末までに5日続落していたため、自律反発を見込んだ買いが入った。個別ではラインメタル(3.49%高)やザルトリウス(2.67%高)、コメルツ銀行(2.33%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。仏政治・財政の先行きに対する懸念は根強く、仏国債中心に売りが出た。
9月に入り1日の日経平均は大幅続落。終値は529円安の42188円。米国株安を嫌気して、寄り付きから300円を超える下落。米国でエヌビディアなど生成AI関連が大きく売られたことから、アドバンテスト<6857.T>やソフトバンクグループ<9984.T>などの下げが大きくなった。全面安とはならず、内需株には買いが入った。それでもしばらくは下値模索が続き、800円を超える下落で前場を終了。42000円を下回り、41800円台まで水準を切り下げた。一方、後場のスタート直後に安値をつけた後は、売り圧力が和らいで緩やかながら値を戻す展開。結局、500円を超える下落とはなったものの、終値では42000円を上回り、大引けが後場の高値となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆0200億円。業種別では電気・ガス、医薬品、陸運などが上昇した一方、非鉄金属、証券・商品先物、電気機器などが下落した。インターネットイニシアティブ(IIJ)<3774.T>が急伸。ゆうちょ銀行がデジタル通貨を発行するとの日経観測記事の中で、同社グループが開発するデジタル通貨を導入すると報じられたことが買い材料となった。半面、上述のアドバンテストが7.9%安と派手に下げており、1銘柄で日経平均を250円近く押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり750/値下がり806。主力どころではサンリオ、東電HD、良品計画などが上昇。半導体関連が嫌われる中でキオクシアHDは3%超上昇した。エーザイ、住友ファーマ、協和キリンなど薬品株が全般堅調。足元の動きが良い大阪チタニウムが騰勢を強めた。暗号資産の購入を発表したgumiや、ミツヤグループ本社の完全子会社化を発表した六甲バターが急伸した。
一方、ソフトバンクGが4.8%安。アドバンテスト以外の半導体株もディスコやソシオネクストが派手に下げたほか、古河電工、フジクラ、住友電工の電線大手3社が大幅安となった。株安局面でSBIHD、野村HD、大和証Gなど証券株が全般軟調。1Qが減益となったラクーンHDが急落し、下方修正を発表したトリケミカルがストップ安まで売り込まれた。
日経平均は大幅安。月初や本日の米国が休場という点がボラティリティを高めた可能性はあるが、生成AIに絡む銘柄が崩れると下に値幅が出ることが改めて印象づけられた。ただ、後場に持ち直したことで、終値(42188円)では42000円だけでなく25日線(42063円、1日時点)も上回った。今年の6月以降は25日線に接近、もしくは割り込んだところで切り返すことが多いだけに、今回もそうなる展開に期待したい。米株休場であすは材料難となるが、その中で再び42000円を割り込んでしまうようだと、センチメントの悪化が懸念される。きょうの弱さが目立ったアドバンテストとソフトバンクGの動向には注意を払っておきたい。
1日11:53 習近平・中国国家主席
「冷戦的思考への反対を呼びかける」
「上海協力機構(SCO)開発銀行の早期設立を要請」
「今年度、20億元のSCO加盟国への無償資金協力を約束」
1日15:24 ラガルドECB総裁
「財政には規律が必要」
「スプレッドを非常に注視している」
「不確実性は大幅に後退した」
「ユーロ圏のインフレ目標2%は達成された」
「トランプ米大統領がFRBで過半数を掌握するのは困難」
「FRBが独立性を失うことは大きな懸念材料」
1日17:51 ドレンツ・スロバキア中銀暫定総裁
「欧州中央銀行(ECB)の利下げサイクルはおそらく終了した」
1日18:37 レーン・フィンランド中銀総裁
「ユーロ圏のインフレ率は予想よりも低下する可能性」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 8月マネタリーベース
○10:30 ◎ 氷見野日銀副総裁、あいさつ
○自民党両院議員総会
<海外>
○10:30 ◇ 4-6月期豪経常収支(予想:160億豪ドルの赤字)
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.0%)
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.2%)
○21:00 ☆ 4-6月期ブラジル国内総生産(GDP、予想:前期比0.3%/前年同期比2.2%)
○21:45 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○22:45 ◎ 8月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:53.3)
○23:00 ☆ 8月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:49.0)
○23:00 ◇ 7月米建設支出(予想:前月比▲0.1%)
○中露首脳会談(北京)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は大きな方向感はでず、147円前半を中心にもみ合った。ユーロドルは欧州の取引時間帯に一時1.1736ドルまで上昇したが、1時過ぎには1.1697ドル付近まで下押しした。米市場がレーバーデーの祝日に伴う休場のため、総じて売買は低調だった。
本日の東京時間でのドル円は、日米要人の発言に左右される相場展開になりそうだ。昨日は米国がレーバーデーでドル円は147円を挟んで方向感なく上下したが、本日は米国勢にとっては9月最初の取引日であり、市場が再び活発に動くと予想される。
本日まず注目されるのは、道東地域金融経済懇談会で日本時間10時30分から始まる氷見野日銀副総裁の挨拶。通常であれば、同時刻に挨拶内容の全文が日銀のホームページに掲載される。先月ジャクソンホール会合では植田日銀総裁がタカ派的な発言をしており、それに追随するかがポイントだろう。内容次第で今月の日銀会合への利上げ期待が高まり、円買いに繋がる可能性がある。
一方米国からは、突発的に出てくるトランプ米大統領の発言には気をつけたい。特に昨日まで中国・天津で上海協力機構(SCO)首脳会議が行われていたため、中国・ロシアやインド、並びにSCOに参加した各国に圧力をかけるかが焦点。
SCOで習近平国家主席は冷戦的思考には反対と述べ、米国の名前こそ出さなかったが、世界的秩序を乱す行為を批判した。また、SCO開発銀行の早期設立を要請し、人民元経済の拡大を企てるとともに、新興国の脱米国・脱米ドルを促している。米国から制裁を受けているロシアや、50%という高額な関税額が賦課されたインドもSCOに積極的に協力する姿勢だ。トランプ大統領の「高関税賦課で脅せば従う」というシナリオを完全に狂わせた。
G7は8億人に満たない経済圏だが、中印露の3カ国だけで30億人弱の巨大経済圏を形成している。今後のG7経済規模は縮小し、SCO加盟国がG7を上回るのは時間の問題か。米国ファーストで覇権を握ろうとしたトランプ大統領の目論見は、明らかに失敗している。今後は高関税を再び課すのか、懐柔策に転じるのかで市場は大きく反応しそうだ
なお、市場の反応は限定的だろうが、自民党両院議員総会の行方にも注目される。森山幹事長が辞意を表明する可能性が高まっているが、森山氏が辞任した場合は他の党四役も同調する公算が大きい。石破首相の進退判断や総裁選前倒しの有無も注目点だ。
東京市場は堅調か。米国はレーバーデーにより休場。ドル円は足元147円10銭近辺で推移している。夜間の日経平均先物は日中比150円高の42400円で取引を終えた。
新たな手がかりには乏しいが、欧州では英独仏がそろって上昇しており、日本株の支援材料となりそうだ。きのうの日経平均は生成AI関連が大きく売られて値幅を伴った下げとなったが、前場で売りは一巡して後場は持ち直した。欧州株の落ち着きを受けて、きのうの下げに対する買い戻しが優勢となるだろう。日経平均の予想レンジは42100-42600円。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42400 +150 (+0.35%)
TOPIX先物 3075.0 +8.5 (+0.27%)
シカゴ日経平均先物 ―
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
1日の米国市場はレイバーデーの祝日で休場。欧州市場はドイツDAX指数が0.57%上昇、英国FTSE100指数は0.10%上昇、フランスCAC40指数が0.05%上昇した。欧州委員会のフォンデアライエン委員長がウクライナへの多国籍部隊の派遣計画に言及したことで、防衛関連株の上昇が指数を牽引したようである。
日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比10円高の4万2260円で始まった。寄り付きを安値にロング優勢の動きをみせており、中盤にかけて4万2410円まで買われた。ただし、米国市場が休場で市場参加者は限られ、買い一巡後は4万2350円から4万2400円辺りの狭いレンジで推移。4万2400円でナイトセッションの取引を終えている。
本日も海外勢のフローが限られるなかで、膠着感の強い相場展開になりそうだ。前日には一時4万1780円まで下落し、4万2070円辺りで推移していた25日移動平均線を割り込む場面もみられたが、その後はショートカバーによって下落幅を縮め、同線を上回って終えていた。ナイトセッションでは小動きながらも4万2130円に上昇してきた25日線を上回って推移しており、ショートを仕掛けにくくさせよう。
3連休明け後の米国市場の動向を見極めたいところだが、前日の下げでショートに傾いていると考えられるため、ショートカバーを誘う動きが意識されそうだ。前日の陰線部分を埋めてくる展開も考えられるため、オプション権利行使価格の4万2500円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万2250円から4万2750円辺りのレンジを想定する。
8月29日の米国市場は中国の阿里巴巴集団(アリババ・グループ)<BABA>の報道を受けて半導体株の弱さが目立っていたが、月末に伴う調整売りに加えて、3連休を前にした持ち高調整の動きもあったとみられる。連休明けに底堅い値動きをみせてくる可能性も考えられるため、ショートに傾いているポジションを、いったんニュートラルに近づけておきたい面もありそうだ。
なお、国内要因としては自民党が本日、参院選の敗北を受けた参院選総括を再協議する。石破茂首相の責任にどの程度触れるかも注目され、総裁選前倒しの機運が高まるようだと、政局不安が短期的にショートを誘う可能性がある。ただし、下へのバイアスが強まる局面では、25日線辺りを支持線としたカバー狙いのスタンスで対応したいところである。
1日の米VIX指数は16.12(29日は15.36)に上昇した。依然としてボトム圏での推移ではあるが、25日線が位置する15.80辺りを上回っての推移となった。75日線(17.17)辺りまでのリバウンドを意識しておきたいところであり、やや市場心理を神経質にさせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.77倍に低下した。13.85倍辺りで推移している25日線、75日線を割り込んで始まり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下落影響もあって、13.70倍まで下げる場面もみられた。8月6日につけた直近安値の13.69倍に接近してきたことで、NTショートを巻き戻す動きに向かうかを見極めたいところであろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比30円高の4万2280円(+0.07%)前後で推移。寄り付きは4万2380円と、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた4万2240円を安値にロング優勢の流れとなり、中盤にかけて4万2490円まで買われる場面もみられた。節目の4万2500円を捉えることはできず、4万2220円と下落に転じる場面もあったもののショートの動きは限られており、終盤にかけてはプラス圏での推移を継続。
日経225先物は4万2500円接近では上値の重さが意識された形だが、25日移動平均線を上回っての底堅さはみられている。買い一巡後に軟化する場面もあったが、仕掛け的な売買は限られており、25日線を上回る推移のなかで押し目狙いのロングに向かわせそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万2250円から4万2500円での狭いレンジではあるが、上限を試す動きをみせてくるかが注目されよう。
NT倍率は先物中心限月で13.74倍に低下した。一時13.79倍をつけて、ボリンジャーバンドの-1σ(13.76倍)を上回る場面もみられた。ただし、同バンドをキープできずに、その後は13.72倍まで下げている。前日に下げが目立ったアドバンテスト<6857.T>[東証P]は落ち着くも、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の下げが日経平均型の重荷になっている。
石破茂首相は、物価高やトランプ米政権の関税措置などに対応するため週内にも経済対策を関係閣僚に指示する方向で調整に入ったと産経新聞が伝えた。首相としては、経済対策を指示することで改めて続投意欲を示し、自身の退陣につながる総裁選前倒しの動きを牽制(けんせい)する狙いもあるとみられるとのこと。
昨日は、NYとカナダ市場がレイバーデーの祝日で休場。市場も当然のごとく方向感のないレンジ相場を繰返すことになりました。ドル円は欧州時間に一時146.79円まで値を下げたものの、先週末8月29日の安値146.77円が意識されると買戻し。NY時間に入って147.31円まで買戻されました。ただ、アジアでの高値147.38円が目先の目処として意識されると147.15円まで下押しして参加者不在の海外市場を終えました。
本日の東京市場では、朝方こそ147.05円まで下押す場面もみられましたが、休場明けの米長期金利が2bpを超える上昇となっているほか、日経平均が堅調に推移していることもあり、本邦実需の買いとともに下値を切り上げる展開に。氷見野日銀副総裁が道東地域金融経済懇談会における挨拶で「不確実性がなくなることはない。メインシナリオが実現していくかどうか予断を持たずにみていきたい」とかなり慎重な姿勢を示すと上値を試す動き。8月29日、8月28日の高値や一目転換線の位置する147.68円を上抜けて一時147.72円まで値を上げることになっています。
いずれにしても、市場では今週末の米雇用統計を前に、本日から目白押しの米雇用関連指標を見極めることになっていますが、意外にも「米系が日銀副総裁の発言に食いついてきている」との声も聞かれているわけで、自民党の両院議員総会で参院選の総括も終わり、いよいよ政局絡みのネタも再びステージに持ち上げられつつあるなか、ドル円は8月1日のNFPショックから1カ月続いているレンジ相場をブレイクする準備が出来つつあるのかもしれません。
10年債入札で応札倍率は3.92倍、最低落札価格は98円99銭、平均落札価格と最低落札価格の差(テール)は6銭だった。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、ユーロ圏のインフレ指標を確かめ、欧州中央銀行(ECB)の金融政策スタンスを探りながらの取引か。欧州午後には、ミュラー・エストニア中銀総裁の講演が予定されている。
日本時間18時に発表される8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は、予想が3カ月連続の前年比2.0%。今年前半の水準を下回っているものの、5月の前年比1.9%で底打ち感は確かに出てきた。もっとも、先週発表された8月仏CPI速報値(前年比)は再び1%を割り込んでいる。ドイツの同月インフレ率は2.1%まで加速していたものの、ユーロ圏主要国はまちまちな物価動向だ。
2025年のECB理事会は残すところ3回。今のところ短期金融市場は、来週と10月の理事会で据え置きを織り込み、12月は利下げの可能性を幾分か見込んでいる。本日の結果で、12月理事会に対する市場の思惑に変化が出るかを見定めたい。
なお、政局の混迷から財政改革の遅れが懸念されるフランスにおいて、長期国債の動向には依然として注意が必要だろう。8日に下院で実施されるバイル仏内閣の信任投票を巡る状況、「主要野党が反対(不信任)の立場」は変わらず、少数与党政権の崩壊が現実味を帯びてきた。昨日の仏10年債利回りも、一時3.54%近くまで上昇(債券価格は下落)している。
ほか、ロシアとの戦争が長引くウクライナ支援で、欧州にやや足並みの乱れが見えるのも地政学リスクを意識させそうだ。フォンデアライエン欧州委員長は英FT紙とのインタビューで、ウクライナでの戦闘停止後に「欧州軍を派遣する具体的な計画が進んでいる」ことを明らかにした。これに対して、ドイツの国防相は発言内容は時期尚早だとして反発している。
想定レンジ上限
・ユーロドル、7月28日高値1.1779ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月29日安値1.1651ドル
ドル円:1ドル=147.91円(前営業日NY終値比△0.73円)
ユーロ円:1ユーロ=172.98円(△0.62円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1695ドル(▲0.0016ドル)
日経平均株価:42310.49円(前営業日比△121.70円)
東証株価指数(TOPIX):3081.88(△18.69)
債券先物9月物:137.52円(△0.22円)
新発10年物国債利回り:1.600%(▲0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月マネタリーベース
前年同月比 ▲4.1% ▲3.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。氷見野日銀副総裁は「米関税政策の影響はこれから及んでくる」「メイン・シナリオが本当に実現していくかどうかについては、予断を持たずにみていきたい」などの見解を示し、早期の利上げに関しては慎重な姿勢を崩していないと受け止められた。日銀の利上げ観測後退を手掛かりにした買いが出たほか、10年物国債入札後に国内長期金利が低下したことも相場の支えとなり、一時148.05円まで値を上げた。
・ユーロ円も強含み。日銀の早期利上げ観測後退を材料に、全般円売りが進んだ流れに沿った。一時173.21円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは小安い。対円でドル買いが進んだ影響を受けたほか、連休明けの米10年債利回りが上昇したことも売りを促し、1.1687ドルまで下押しした。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反発。前日に大幅安となった反動で幅広い銘柄に自律反発狙いの買いが入った。ただ、その後は伸び悩む展開に。主力の半導体関連株の一角が売りに押され、後場に入ると相場も下げに転じる場面が見られた。
・債券先物相場は反発。氷見野日銀副総裁が利上げに慎重な姿勢を示したことで買いが入ったほか、10年物国債入札が「堅調な結果だった」と受け止められたことも買いを誘った。
みずほ証券では、4-6月期の法人企業統計の結果を踏まえて、9月8日に公表予定の4-6月期GDP2次速報は、前期比+0.6%、前期比年率+2.2%と、1次速報の前期比+0.3%、前期比年率+1.0%から上方修正されると予想している。法人企業統計を受けて民間企業設備投資が下方修正される一方で、民間在庫変動が上方修正されて、全体では上方修正となる公算が大きいとコメントしている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、米国の当面の注目材料として、9月5日に発表される8月の雇用統計を挙げている。今回は非農業部門雇用者数が前月比7.5万人増(前回は同7.3万人増)となる見通しとのこと。前回7月の結果は予想を下回り過去2カ月分が大幅下方修正されるなど、市場にサプライズを引き起こした。それだけに、8月統計に対する注目度は高まっている。東海東京では、弱めの数字になれば9月FOMCでの利下げ再開の確度が高まる一方、過去データの上方修正を含めて予想比で強めの結果となった場合には、市場の利下げ観測が大きく揺らぐことになると考えている。
「10月は株式投資に特に危険な月の1つだ。他にも危険な月は7月、1月、9月、4月、11月、5月、3月、6月、12月、8月、そして2月だ」(マーク・トウェイン)
9月はドルにとって危険な季節となっている。
今月は、トランプ米大統領によるクックFRB理事解任を巡る訴訟と次期FRB議長の人選、トランプ関税に対する米国裁判所による違憲判断、エプスタイン関連、ウクライナ戦争を巡るロシアとNATOの対立激化懸念、などを警戒しておきたい。
■プラザ合意(1985年9月22日)
(ドル円:始238.85円・高244.10円・安215.80円・終216.00円)
※レーガン第40代米大統領&ボルカー第12代FRB議長
ドル円は、プラザ合意でのドル高是正を受けて、244.10円から215.80円まで▲28.30円下落した。
1985年1月の先進5カ国(G5)蔵相・中央銀行総裁会議で、ローソン英蔵相とベーカー米大統領補佐官は、ドル高是正の必要性を確認した。2月にベーカー米大統領補佐官が第67代財務長官に任命され、ドル高是正の機運が高まった。
ドル円は2月の高値263.65円から1988年1月の安値120.45円まで、長期下落トレンドを辿った。
■LTCM危機(1998年9月23日)
(ドル円:始139.52円・高139.95円・安128.80円・終136.70円)
※クリントン第42代米大統領&グリーンスパン第13代FRB議長
ドル円は、ロシア金融危機を受けたロングタームキャピタルマネジメント(LTCM)の破綻により、1998年8月の高値147.64円から1999年11月の安値101.25円まで下落した。
1998年9月23日、LTCMは、バークシャー・ハサウェイやゴールドマン・サックスの買収提案を拒否した。
グリーンスパン第13代FRB議長は、FFレートを9月、10月、11月と3ヶ月連続で引き下げた。ドル円は、139.95円から128.80円まで▲11.15円下落した。
■米国同時多発テロ(2001年9月11日)
(ドル円:始119.27円・高122.08円・安115.80円・終119.45円)
※ブッシュ第43代米大統領&グリーンスパン第13代FRB議長
ドル円は、米国同時多発テロを受けて、122.08円から115.80円まで▲6.28円下落した。
■リーマンショック(2008年9月15日)
(ドル円:始108.41円・高109.19円・安103.50円・終106.12円)
※ブッシュ第43代米大統領&バーナンキ第14代FRB議長
ドル円は、米国住宅市場のバブル崩壊を受けたリーマン・ブラザースの破綻により、109.19円から103.50円まで▲5.69円下落した。
大阪9月限
日経225先物 42350 +100 (+0.23%)
TOPIX先物 3085.0 +18.5 (+0.60%)
日経225先物(9月限)は前日比100円高の4万2350円で取引を終了。寄り付きは4万2380円と、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた4万2240円を安値にロング優勢となり、前場中盤にかけて4万2490円まで買われる場面もみられた。節目の4万2500円を捉えることはできず、前場終盤に4万2220円と下落に転じる場面もあったものの、ショートの動きは限られ、後場の取引開始後には再び4万2400円台を回復。その後、後場中盤にかけてショートを仕掛ける動きから4万2090円まで軟化したものの、終盤にはショートカバーが強まる形でプラス圏を回復した。
日経225先物は4万2500円接近では上値の重さが意識された形だが、下値は25日移動平均線水準で底堅さがみられている。自民党両院議員総会での石破茂首相の発言内容が伝わり、後場中盤には短期的なショートを誘ったとみられるが、25日線水準で下げ渋る動きをみせたほか、節目の4万2000円を割り込まなかったことで、引けにかけてのショートカバーにつながったようだ。
連休明けの米国市場が弱い値動きとなればショートを誘う可能性もあり、再び4万2000円を割り込んでくる展開は意識しておく必要があろう。米国では2日にISM製造業景気指数、3日に地区連銀経済報告(ベージュブック)、4日にADP雇用統計、貿易収支、ISM非製造業景気指数、5日に雇用統計と重要統計の発表が予定されているため、これらを消化しつつ、利下げ観測に変化が起きるかを見極める必要はある。そのため、積極的にポジションを傾けにくく、スキャルピング中心のトレードになりやすいだろう。
週足ではボリンジャーバンドの+1σ(4万2450円)を下回って推移しており、同バンドが抵抗線となる可能性はある。中心値となる13週線(4万0780円)とのレンジが意識されてくる。戻りの鈍さがみられる局面では、短期的なショートを誘うことになりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.72倍に低下した。一時13.80倍をつけて、-1σ(13.76倍)を上回る場面もみられた。ただし、同バンドをキープできずに、その後は13.71倍まで下げている。前日に下げが目立ったアドバンテスト<6857.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は下げ渋るもののマイナス圏での推移が続いた。一方で、バフェット銘柄とされる三菱商事<8058.T>[東証P]など商社株が軒並み買われており、相対的にTOPIX型優位になった。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3654枚、ソシエテジェネラル証券が1万1051枚、サスケハナ・ホンコンが2816枚、JPモルガン証券が2118枚、ゴールドマン証券が1801枚、モルガンMUFG証券が1369枚、バークレイズ証券が1219枚、野村証券が1174枚、日産証券が1128枚、SBI証券が654枚だった。
TOPIX先物はソシエテジェネラル証券が2万0589枚、ABNクリアリン証券が1万9321枚、JPモルガン証券が4714枚、みずほ証券が4506枚、バークレイズ証券が4269枚、野村証券が4099枚、ゴールドマン証券が4056枚、モルガンMUFG証券が3900枚、シティグループ証券が2698枚、ビーオブエー証券が2342枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、8月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値や8月米ISM製造業景気指数と雇用指数に注目する展開となる。
8月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値の予想は53.3となっている。
また、8月米ISM製造業景気指数の予想は49.0となっており、7月の48.0からの改善が見込まれている。
ISM指数に関しては、雇用指数が7月の43.4から改善しているのか否か、物価指数が7月の64.8から上昇しているのか否かにも注目しておきたい。
ジャクソンホール会合では、パウエルFRB議長が2つの責務の内、「物価の安定」から「雇用の最大化」に軸足を移して、9月FOMCでの利下げの可能性に言及していた。
今週は、本日発表される8月のISM製造業「雇用」指数を皮切りに、ADP全国雇用者数、チャレンジャー人員削減予定数、雇用統計、ISM非製造業「雇用」指数などで、最新の米国の雇用情勢を見極めていくことになる。
ドル円の上値を抑える材料としては、トランプ米大統領によるクックFRB理事解任に対する提訴や次期FRB議長の人選などが挙げられるため、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
ドル円の下値を支える材料としては、石破首相の進退を巡る不透明感が挙げられる。
報道によると、総裁選前倒しの是非を問う投票が行われる場合、記名式投票で9月8日頃までには完了する方向とのことである。
新たな内閣が誕生した場合、財政出動策などで、債券売り、円売り、そして日本株買いが想定されている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、150.92円(8/1高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、146.70円(日足一目均衡表・雲の上限)
今週のNY市場は米8月雇用統計に注目。先週はダウ平均が0.19%安、S&P500が0.10%安とともに4週ぶりに反落し、ナスダック総合は0.19%安と2週続落となった。9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が引き続き支援となる中、エヌビディアが予想を上回る決算を発表したことなどでダウ平均が終値の最高値を更新し、S&P500が取引時間中と終値の史上最高値を更新したが、高値警戒感が意識されたことや、3連休や月末を控えた利益確定売りも強まった。利下げ見通しを巡って注目された7月個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数が予想通りの伸びとなり、インフレの根強さが意識されたものの、8月シカゴ地区購買部協会景気指数などが予想を下回り、8月ミシガン大期待インフレ率確報値が下方修正されたことなどで9月利下げ期待は維持された。8月月間ではダウ平均が3.20%高、S&P500が1.91%高とともに4カ月続伸し、ナスダック総合は1.58%高と5カ月続伸。例年パフォーマンスが低調な8月としては異例の好調となった。
今週は利下げ見通しを巡り金曜日に発表される8月雇用統計に注目が集まる。7月雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を下回り、過去2カ月分も大幅に下方修正された。8月の非農業部門雇用者数は7.5万人増と7月の7.3万人増からわずかに増加すると予想されているが、引き続き弱い結果となれば利下げ期待が強まる一方、関税による景気悪化懸念が強まりそうだ。このほか、8月ISM製造業PMI、7月JOLTS求人件数、8月ISM非製造業PMIなど注目度の高い経済指標の発表も多く、指標結果を受けた利下げ見通しや景況感をにらんだ展開となりそうだ。また、トランプ米大統領がリサ・クック米連邦準備理事会(FRB)理事を解雇するとした問題などFRBの独立性を巡る懸念も最高値圏で推移する米国株の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは8月ISM製造業PMI、8月S&Pグローバル製造業PMI確定値、7月建設支出など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反発。方向感に乏しい時間帯が長く、小動きで終えた。日足は前日の陰線に並ぶ「十字足」を形成し、あすに向けての迷いの足型となった。
RSI(9日)は前日の24.1%→36.1%(9/2)に上昇。あすも上昇しやすいタイミングとなる。前日と見方は同様となり、25日移動平均線(42115円 9/2)や一目均衡表の基準線(41863円 同)付近から反発機運が高まるかが焦点となる。ただ、10日移動平均線(42590円 同)は目先の下向き基調が続くことで、きょうのように上値を抑える要因になる。
一方、「十字足」から下放れ基準線を割り込む場合、7/31高値(41151円)に向けて目先的には下落幅を拡大する展開につながる公算が大きい。
上値メドは、転換線(42518円 同)、8/25高値(43201円)、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円などがある。下値メドは、基準線、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円や40500円、8/4安値(39850円)などがある。
(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.39円(2日15時時点比△0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.75円(▲0.23円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1642ドル(▲0.0053ドル)
FTSE100種総合株価指数:9116.69(前営業日比▲79.65)
ドイツ株式指数(DAX):23487.33(▲550.00)
10年物英国債利回り:4.800%(△0.050%)
10年物独国債利回り:2.786%(△0.039%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.1% 2.0%
8月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.3% 2.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。仏政治リスクや英財政悪化への懸念から、欧州債利回りが上昇すると投資家心理が悪化し、株安とユーロ安が進んだ。22時前には一時1.1613ドルと日通し安値を付けた。市場では「仏政治・財政の先行きに懸念が強く、ユーロ売りを促した」との声が聞かれた。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。低調な米経済指標を受けてユーロ買い・ドル売りがじわりと強まると、1.1683ドル付近まで下げ幅を縮めた。
・ポンドは全面安の展開。ポンドドルは一時1.3340ドルと日通し安値を付けたほか、ユーロポンドは0.8713ポンドと日通し高値を更新した。ポンド円も本日安値となる198.33円まで値を下げた。英財政悪化への懸念から英長期金利が上昇すると、英株やポンドに売りが集まった。
・ドル円は強含み。自民党の森山幹事長が辞意を表明したことを受けて、日本の政局不安が高まると全般円売りが先行。対欧州通貨中心にドル買いが進んだ影響も受けて、22時前に一時148.94円と8月1日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。
ただ、200日移動平均線が位置する148.87円付近がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。8月米製造業PMI改定値や8月米ISM製造業景況指数が予想より弱い内容だったことも相場の重しとなり、23時30分前には147.94円付近まで下押しした。
・ユーロ円は上値が重かった。日本の政局不安に伴う円売りが先行すると一時173.41円と日通し高値を付けたものの、仏政治・財政の先行き懸念からユーロ売りが強まると172.64円付近まで押し戻された。
・ロンドン株式相場は反落。英財政悪化への懸念から英長期金利が上昇すると、投資家心理が悪化し株売りが広がった。時間外のダウ先物の下落も相場の重し。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、ナショナル・グリッドやSSEなど公共事業株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は大幅に反落。仏政治リスクや英財政悪化への懸念から欧州債利回りが上昇すると、投資家心理が悪化し株売りが膨らんだ。個別ではボノビア(6.06%安)やシーメンス・エナジー(5.82%安)、フレゼニウス・メディカル・ケア(5.31%安)などの下げが目立ち、シムライズ(0.05%高)などを除く38銘柄が下落した。
・欧州債券相場は下落。フランスや英国の債券が売られると、独国債にも売りが波及した。
2日の日経平均は3日ぶり反発。終値は121円高の42310円。米国が休場で手がかり難も、欧州株高を好感して3桁上昇スタート。場中は強弱感が交錯して方向感に欠ける動きが続いた。前日大幅安となったアドバンテスト<6857.T>とソフトバンクグループ<9984.T>がきょうも売られたが、全体では値上がり銘柄が多く、前場はプラス圏で推移した。ただ、動きが良くなってくると買いが続かなくなり、次第に上値の重さが意識された。後場に入ると生成AI関連に対する売り圧力が強まったことで、マイナス圏に沈む場面があった。ただ、下げ幅を3桁に広げたところでは切り返しており、3桁の上昇で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆9500億円。業種別では卸売、海運、証券・商品先物などが上昇した一方、機械、その他製品、サービスなどが下落した。デンソーのスパークプラグ事業と排気センサ事業を譲り受けると発表した日本特殊陶業<5334.T>が大幅上昇。半面、生成AI関連の手がけづらさが意識される中、古河電工<5801.T>が後場に下げ幅を広げて3.4%安と弱さが目立った。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1012/値下がり555。日経電子版で自販機におけるレッドブル販売権を取得したと報じられたサントリーBFが大幅上昇。場中は親会社の人事に関するニュースで値動きが荒くなったものの、商いを伴って強い動きを見せた。月次を材料に百貨店株が買われており、松屋や三越伊勢丹が急伸。三井物産、伊藤忠、住友商事など商社株に資金が向かった。1Q決算が好感された伊藤園が6%を超える上昇となって年初来高値を更新した。
一方、前日に大きく下げたソフトバンクGとアドバンテストが連日の下落。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって売りに押された。サンリオや良品計画など業績期待の高い銘柄の一角が軟調。株式の売り出しを発表したライフドリンクが急落した。
日経平均は3日ぶり反発。きのう同様に生成AI関連は敬遠されたが、厳しい下げとなったものは少なかった上に、それ以外の多くの銘柄には買いが入ったことで概ね堅調に推移した。後場にマイナス圏に沈んだところで、売り崩されることなく切り返した点は特筆される。安値の42084円は25日線(42115円、2日時点、以下同じ)に近く、テクニカルの節目が意識されたようにも見える。
休場明けの米国でエヌビディアがどういった動きを見せるかが注目される。弱かった場合にはソフトバンクGやアドバンテストが改めて売られる可能性もある。今はこれらに振り回されるのは仕方ないが、下値は固めておきたい局面。25日線や節目の42000円を割り込んでしまうと、13週線(40823円)辺りまでは調整が続きそうであるだけに、ここは踏ん張りどころだ。TOPIXの方は終値(3081p)で5日線(3075p)を上回っており、チャートが改善している。日経平均もキャッチアップして5日線(42513円)上を回復できるかに注目したい。
(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.36円(前営業日比△1.18円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.70円(△0.34円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1640ドル(▲0.0071ドル)
ダウ工業株30種平均:45295.81ドル(▲249.07ドル)
ナスダック総合株価指数:21279.63(▲175.92)
10年物米国債利回り:4.26%(△0.03%)
WTI原油先物10月限:1バレル=65.59ドル(△1.58ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3592.2ドル(△76.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米製造業PMI改定値
53.0 53.3
8月米ISM製造業景況指数
48.7 48.0
7月米建設支出
(前月比) ▲0.1% ▲0.4%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。日本の政局不安が高まる中、全般円売りが先行。対欧州通貨中心にドル買いが進んだ影響も受けて、22時前に一時148.94円と8月1日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。
ただ、200日移動平均線が位置する148.87円付近がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。8月米製造業PMI改定値や8月米ISM製造業景況指数が予想より弱い内容だったことも相場の重しとなり、23時30分前に147.94円付近まで下押しした。
もっとも、引けにかけては再び強含む展開に。4時前には148.53円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは4日ぶりに反落。仏政治リスクや英財政悪化への懸念から、欧州債利回りが上昇すると投資家心理が悪化し、欧州株安とユーロ安が進んだ。22時前には一時1.1613ドルと日通し安値を付けた。低調な米経済指標を受けてユーロ買い・ドル売りが入ると1.1683ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
なお、フランスでは8日に内閣信任投票が実施される。バイル首相はこの日、極右の国民連合(RN)を実質的に率いるルペン氏と同党のバルデラ党首と協議したと伝わったものの、市場では「8日の投票で信任を得るのは難しい」との見方が優勢となっている。
・ユーロ円は4日続伸したものの、NY市場では上値の重さが目立った。日本の政局不安に伴う円売りが出たものの、仏政治・財政の先行き懸念からユーロ売りが強まると172.63円付近まで下押しした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。米連邦巡回区控訴裁判所は「トランプ政権の相互関税は違法」との判断を下した一方、トランプ米大統領は最高裁に上訴する意向を表明。米関税政策を巡る先行き不透明感から売りが優勢となった。指数は一時600ドル近く下落する場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。仏政治リスクや英財政悪化への懸念から欧州債相場が下落すると、米国債にも売りが波及した。ただ、8月米ISM製造業景況指数が予想より弱い内容だったことが分かると買い戻しが入ったため、下げ幅を縮めた。
・原油先物相場は反発。米政府はこの日、イラン産の原油をイラク産と偽って販売したイラク企業に制裁を科した。これを受け、原油供給への不透明感から買いが入った。
・金先物相場は5日続伸。不透明な米国の金融政策や関税政策のほか、仏の財政懸念を背景にユーロ圏で金利が上昇してリスク回避の流れとなると、実物資産としての裏付けがある金に買いが集まった。一時3600ドル台に乗せ、中心限月として過去最高値を更新した。
ウォールストリートジャーナル紙が伝えたところによると、ベッセント米財務長官は米連邦準備理事会(FRB)議長の後任選びに向け、5日から候補者への面接を開始する予定であるという。
2日10:30 氷見野日銀副総裁
「実質金利は依然きわめて低い水準」
「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適切」
「メイン・シナリオが本当に実現していくかどうかについては、予断を持たずにみていきたい」
「リスクや不確実性がなくなることはない」
「メイン・シナリオから離れた時にもあまり困ったことにならないよう、適時適切に対応」
「過大な水準のマネーを不必要に放置しておくことにはリスクもあるのではないかと思う」
「市場機能回復の観点からは保有比率を引き下げることが望ましい」
「基調的なインフレ率は最近では2%にかなり近づいてきている」
2日14:06
「米関税で世界全体として不確実性が残っている」
「ETF処分について、特に時期を示唆する考えはない」
2日13:36 石破首相
「参院選大敗、総裁たる私の責任」
「地位にしがみつくつもりは全くない」
「来るべき時にきちんとした決断をする」
2日14:39 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「インフレリスクは上方向」
「金利はすでにやや緩和的」
「世界的な利上げが予想より早く始まるかもしれない」
「為替レートについての懸念は小さい」
「関税はバランス的にインフレ要因」
「これ以上の利下げをする理由は見当たらない」
2日17:30 シムカス・リトアニア中銀総裁
「インフレおよび成長にはダウンサイドリスクがある」
「利下げは10月に議論される可能性がある」
3日04:36 トランプ米大統領
「(米連邦控訴裁判所が先週違憲と判断した関税について)明日最高裁に上告する」
「迅速な判断を求める」
「早期の決断が必要」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○10:30 ☆ 4-6月期豪国内総生産(GDP、予想:前期比0.5%/前年比1.6%)
○10:45 ◎ 8月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:52.5)
○16:00 ◎ 8月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.79%/前年比32.60%)
○16:30 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○16:50 ◎ 8月仏サービス部門PMI改定値(予想:49.7)
○16:55 ◎ 8月独サービス部門PMI改定値(予想:50.1)
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:50.7)
○17:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○17:15 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○17:30 ◎ 8月英サービス部門PMI改定値(予想:53.6)
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比0.1%)
○19:00 ◇ 7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:4.75%に引き下げ)
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比▲0.2%)
○22:00 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:737.8万件)
○23:00 ◎ 7月米製造業新規受注(予想:前月比▲1.4%)
○4日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、148.94円と8月1日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。日本の政局不安が高まる中、全般円売りが先行し、また対欧州通貨中心にドル買いが進んだ影響も受けた。ただ米経済指標が予想より弱かったことが重しとなり、一時148円を割り込む場面もあった。ユーロドルは、一時1.1613ドルまで弱含んだ。仏政治リスクや英財政悪化への懸念から欧州債利回りが上昇すると、投資家心理が悪化して欧州株安とユーロ安が進んだ。
本日の東京時間でのドル円は、約1カ月ぶりにレンジの上限を上抜けたこともあり、下値が堅くなるか。ただ、同じ政局不安を抱える欧州国の通貨は、昨日こそは弱含んだものの、大きな枠ではドル安相場が続いており、ドル高一辺倒になりにくいと見る。
昨日は氷見野日銀副総裁が利上げに対してはやや慎重な姿勢を見せ、これをきっかけに円が売られ始めた。その後、自民党両院議員総会が開始されると、政局不安により円売りに拍車がかかった。
本日の円相場は、これまで利上げを過度に期待していた本邦債券市場の動きを確認し、自民党内の情勢や、トランプ大統領の突発的発言などに注視する展開になるだろう。また本日から週末5日まで、米国から雇用指標が立て続けに発表されることで、NY入り後は相場の雰囲気が変わる可能性もあるか。
昨日こそは日銀利上げ期待がやや弱まったものの、氷見野副総裁は、基調的なインフレ率は2%に近づき「引き続き政策金利引き上げ」で金融緩和の度合いを調整することに言及していた。一方で、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウォッチ」では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は91%超えまで達している。日米の金融政策の方向性の違いは、引き続きドル売り・円買い要因ということは変わらない。ただ、利上げ期待が高まりすぎていたため、円買いのスピード調整が数日続く可能性がある。
自民党総裁選に関しては、まもなく85歳を迎えるキングメーカーの麻生自民党最高顧問が、前倒し実施を要求している。一部世論は、裏金問題や統一教会等の問題を抱える自民党議員が、再び過去の政治を踏襲することに嫌気を差し、積極的ではないものの「石破首相の続投」を支持する声もある。総裁選の行方が不透明なことや、仮に総裁が変わった場合は、財政出動により株高・円安などを連想する声も多いことで、海外投資家は円売りに反応しやすいだろう。石破首相が続投する可能性や次期総裁候補を予想するのも難しく、混迷する政治状況を引き続き注視する必要がある。
アジア時間午前は、トランプ米大統領の突発的に発せられるSNSでの発言にも要注意。先週トランプ関税について二審でも違憲判断が出たことについて、大統領は3日にも連邦最高裁に上訴する方針を示した。現在の最高裁はトランプ派とよばれる保守が6対3で優位だが、ニューヨーク・タイムズは「政府が勝訴する保証はない」と報じるなど予断が許さない状況。他にもクック米連邦準備理事会(FRB)理事の去就の問題などもあり、引き続きトランプ大統領がどのようなコメントを投稿するかが読めない。
円以外では、豪州から4-6月期国内総生産(GDP)が発表され、豪ドルの値動きに注目。市場予想は、前年比で前回1.3%増から1.6%増に改善見込み。もっとも大規模なインフラ・プロジェクトが上昇要因とされ、民間需要は依然として弱いままだろう。また日本時間17時過ぎには、ブロックRBA(豪準備銀行)総裁が講演予定。GDP発表後だけでなく、結果を受けたRBA総裁による今後の見通しが豪ドルを動意づけることになりそうだ。
なお、本日から8日まで米国から雇用指標の発表が相次ぐ。本日は7月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、明日4日は8月チャレンジャー人員削減数、8月ADP雇用統計、そして、5日には8月雇用統計が発表予定。先月の雇用統計ショックもあり、今週の雇用指標はこれまで以上に注目されている。NY入り後の急変リスクにも備えたい。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は249ドル安の45295ドルで取引を終えた。米連邦控訴裁判所がトランプ関税を違憲としたことで財政不安が高まり、長期金利が上昇。イギリスやフランスでも財政不安の高まりを受けて長期金利が上昇しており、これらを嫌気してリスク回避姿勢が強まった。ただ、600ドル近く下げて45000ドルを割り込んだところでは下値が拾われた。ドル円は足元148円40円近辺と円安(ドル高)に振れている。CME225先物は円建てが265円安の42085円、ドル建てが250円安の42100円で取引を終えた。
米国株安を嫌気した売りに押されると予想する。米金利上昇を受けてナスダックの下げが大きくなっており、エヌビディアは2%近い下落となっている。足元で不安定な動きを見せているソフトバンクグループ<9984.T>やアドバンテスト<6857.T>には逆風で、全体でも警戒ムードが強まると思われる。円安が進んでいる点は下支えにはなりそうだが、週末に米雇用統計の発表を控える中では腰の入った買いは期待しづらい。下げて始まり、場中はマイナス圏で方向感に欠ける動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは41800-42400円。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42180 -170 (-0.40%)
TOPIX先物 3076.5 -8.5 (-0.27%)
シカゴ日経平均先物 42085 -265
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
2日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦巡回区控訴裁判所は、トランプ米政権の相互関税などを憲法違反とした一審判決を支持。トランプ米大統領は最高裁に上訴する意向を表明したが、違憲となれば米政府が得る関税の歳入が減るとの懸念など先行き不透明感から売りが優勢となった。NYダウの下落幅は600ドルに迫る場面もみられたが、8月のISM製造業景況感指数が前月から改善したことを手掛かりに、その後は下げ幅を縮めている。
S&P500業種別指数は、家庭用品・パーソナル用品、医薬品・バイオテクノロジー、エネルギーが上昇した一方で、不動産、商業サービス・用品、半導体・同製造装置の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、メルク<MRK>、マクドナルド<MCD>、ボーイング<BA>、ウォルマート<WMT>が買われた。半面、ナイキ<NKE>、エヌビディア<NVDA>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、シスコシステムズ<CSCO>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が軟調。
シカゴ日経平均先物の清算値は大阪比265円安の4万2085円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比200円安の4万2150円で始まった。その後もショート優勢のなかで、4万1690円まで売られる場面もみられた。米国市場の取引開始後にショートカバーが入り、いったん4万2110円まで切り返したが、中盤にかけて再び4万1810円まで下落。ただ、終盤にショートカバーの動きが強まり、4万2180円まで下げ幅を縮めてナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。ナイトセッション開始直後にショートを仕掛ける動きとなったが、自民党の森山裕幹事長が党の両院議員総会で辞任する意向を表明したと伝わり、政局不安から為替市場で1ドル=148円台と円売り・ドル買いの勢いが増したことがトリガーになったようだ。
一時4万1690円まで急落したが、終盤のショートカバーによって4万2000円を回復し、25日移動平均線(4万2190円)水準で終えている。売り一巡後に早い段階で同線を上回ってくるかが注目されそうだ。25日線が抵抗線として意識されてくると、ボリンジャーバンドの-1σ(4万1200円)とのレンジに移行する可能性が高まるため、戻り待ち狙いのショートに向かわせそうである。
そのため、オプション権利行使価格の4万2000円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万1500円から4万2500円のレンジを想定する。米国市場では主要な株価指数が下落したものの、売り一巡後は下落幅を大きく縮めていることもあり、まずは4万2000円処での底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロング対応になりそうだ。
2日の米VIX指数は17.17(1日は16.12)に上昇した。75日線(17.16)を突破し、一時19.38まで上昇する場面もみられ、200日線(19.17)を上回った。その後は上げ幅を縮めて75日線水準で終えているが、8月上旬以来の水準に急伸してきたことで、市場心理を神経質にさせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.72倍に低下した。一時13.80倍をつけて、-1σ(13.76倍)を上回る場面もみられた。ただし、同バンドをキープできずに、その後は13.71倍まで下げている。アドバンテスト<6857.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の弱い値動きが日経平均型の重荷になった一方で、バフェット銘柄とされる三菱商事<8058.T>[東証P]など商社株が軒並み買われており、相対的にTOPIX型優位になった。日米ともに政治不安が燻るなかでは、バリュー株志向に向かわせそうであり、NTショートに振れやすいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比150円安の4万2200円(-0.35%)前後で推移。寄り付きは4万2120円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2085円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた4万2030円を安値に下げ渋る動きをみせており、4万2150円~4万2250円辺りでの保ち合いを継続。中盤にかけて4万2100円をつけたが下へのバイアスは強まらず、終盤に4万2300円まで下げ幅を縮める場面もみられた。
日経225先物は4万2030円まで下押す場面もあったが、節目の4万2000円を割り込まなかったことで、押し目狙いのスタンスに向かわせている。25日移動平均線(4万2190円)水準で強弱感が対立しているものの、同線を上回っての推移が目立ってくるようだと、短期筋のショートカバーを誘う動きも意識されてきそうである。後場においても25日線水準での強弱感を見極めることになりそうだ。また、4万2000円近辺での底堅さがみられており、短期的なショートに対してはその後のカバー狙いになりそうである。
NT倍率は先物中心限月で13.74倍に上昇した。一時13.67倍に低下し、8月6日につけた直近安値の13.69倍を割り込んだ。その後はリバランスとみられる動きにより、13.76倍まで切り返している。ボリンジャーバンドの-2σ(13.66倍)と-1σ(13.75倍)のレンジ推移であり、‐1σを明確に突破してくるかが注目されよう。
昨日のドル円は、東京時間は氷見野日銀副総裁が「不確実性はなくならない」との発言。欧州時間に入ってからは、自民党の森山幹事長を始めとする自民党4役の辞任表明。「海外勢がかなり食いついていた」との声も聞かれるなか、欧州時間に入るとポンドドルがギルトの売り浴びせを受けて急落となると、全般ドル高の流れに沿うかたちで一気に148.94円まで買い上げられることになりました。8月米製造業PMI改定値や8月米ISM製造業景気指数が予想を下回ると147.94円まで1円の下落となったものの、その後は再び148.53円まで買戻されるなど、底堅い動きとなってNY市場を終えました。アジア時間に入ってからも再び148.90円まで買戻されるなど、「ビッドが引かない」展開が続いています。
昨日は、財政懸念からの英国長期債の急落が話題となりましたが、米30年債利回りも急騰。本日のアジアでも、日本国債30年物の利回りが急上昇とあって、世界的な超長期債のメルトダウン状態となっています。為替市場では、ドル買いでの反応。特に、ドル円については、8月1日のNFPショック後のレンジ相場をブレイクするきっかけとなったといったところです。米国でも、相互関税に対する連邦控訴裁判所の判断が違憲。ますます、スティープニングが進むことになりました。更には、トランプ米大統領がFRBにFF金利の引き下げ圧力をかければかけるほど、長めの金利との格差は広がっていくわけで、単純な日米金利差云々という相場ではなくなってきているのも事実。
ドル円は確かな実需勢の買いに支えられつつ、改めてショックからの回復と、未だに滞留している円ロングポジションの解消に向けた動きが加速していくのかもしれません。
本日のロンドン為替市場でポンド相場は、昨日急速に高まった英財政悪化に対する懸念の度合いを探りながら上下することになりそうだ。英国からは、ブリーデン英中銀(BOE)副総裁の講演や改定値だが8月英サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の発表が予定されている。
昨日同様にポンド主導の動きとなれば、ユーロドルはポンドドルとユーロポンドに挟まれて動きづらいかもしれない。ただ、欧州序盤に予定されているラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演には要注目か。経済指標は、仏・独・ユーロ圏の8月サービス部門PMI改定値や7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)が発表予定。
昨日は英財務省が10年国債を発行し、過去最高となる140億ポンドを調達することが報じられた。調達価格が魅力的だとし、この新発10年債には10倍以上の応札があったもよう。しかしながら債務拡大への警戒感は高まり、超長期債は売りが優勢に(利回りは上昇)。英30年債利回りは一時5.72%と、1998年以来の水準まで上昇した。
英国の秋季予算案をリーブス財務相が明らかにするのは、確定ではないが10月29日の見込み(一部では翌週とする見方もある)。2カ月近くも先であり、それまでは英財政改革に対する信頼感よりも不安感のほうが広まりやすそうだ。市場を落ち着かせようとスターマー首相やリーブス財務相が何かしら発言する可能性もあり、本日はその辺りも注意してみておきたい。
講演が予定されているブリーデンBOE副総裁も、昨日の超長期債利回りの上昇について述べるかもしれない。英金融政策委員会(MPC)における投票行動を見る限り、ブリーデン副総裁はベイリーBOE総裁と同じ金融政策スタンスだ。市場は、BOEが年末まで政策金利を据え置くと見始めている。年内3会合に向けたヒントも、ブリーデン氏の講演で探すことになる。
想定レンジ上限
・ポンドドル、21日移動平均線1.3477ドル
・ユーロポンド、8月7日高値0.8744ポンド
・ユーロドル、2日高値1.1718ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、8月4日安値1.3254ドル
・ユーロポンド、21移動平均線0.8652ポンド
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1568ドル
SMBC日興証券では、自民党が2日に両院議員総会を開催したことを受けてリポートしている。同日に参院選総括が報告され、総括を受けて党総裁である石破首相は続投の意向を事実上表明したが、党4役は辞任の意向を表明した。9月8日に総裁選実施の有無が決定されるとのこと。現時点では、総裁選が実施に至るか否か微妙な情勢だが、実施の可能性がやや高まっているのではないかとSMBC日興では考えている。8日を前に実施に向けた流れが一気に生じる可能性があるとみている。逆に、8日に向けて総裁選実施の有無に関して不透明な状況が続くようであれば、見送りの可能性が高まりそうとコメントしている。
ドル円:1ドル=148.60円(前営業日NY終値比△0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=172.82円(△0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1630ドル(▲0.0010ドル)
日経平均株価:41938.89円(前営業日比▲371.60円)
東証株価指数(TOPIX):3048.89(▲32.99)
債券先物9月物:137.29円(▲0.23円)
新発10年物国債利回り:1.630%(△0.030%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。国内政局の先行き不透明感が引き続き円売りを促した。時間外の米10年債利回りが上昇したことも相場の支えとなり、一時148.92円まで上昇。ただ、昨日高値の148.94円が目先のレジスタンスとして意識されると買いも一服した。その後は日本株安が進んだことを受けて148円台半ばまで押し戻された。石破首相との会談を終えた植田日銀総裁が「為替の話もでた」「見通し実現していくとすれば、利上げしていくスタンスに変わりない」などの見解を示したことも重しとなった面がある。
・ユーロ円も伸び悩み。11時前に173.17円まで上昇する場面があったものの、その後はドル円の買い一服や日本株安などと歩調を合わせて172.70円台まで上値を切り下げた。
・ユーロドルは小安い。1.16ドル台前半の狭いレンジ内推移となったが、米長期金利の上昇が相場の重しとなって一時1.1622ドルまで下押しした。
・日経平均株価は反落。昨日の米国株式相場が下落し、この日の国内株にも売りが波及した。寄り付きでの売り一巡後は押し目買いが入って下げ渋ったものの、後場に入ると売りが再開。国内長期金利の上昇が相場の重しとなり、指数は一時450円近く下落する場面も見られた。
・債券先物相場は反落。前日の米国債券相場が下落した流れを引き継いだほか、この日実施された日銀の国債買い入れオペで投資家の売り意欲が確認されたことも相場の重しとなった。
モルガン・スタンレーは最新リポートで、中国本土系不動産企業の2025年上期の業績が予想通り低調だったが、下期以降の業績見通しは総じて前向きで、開発利益率の回復や賃料の伸びが期待できると指摘した。業界の流動性リスクはほぼ解消された可能性があるとの見方を示した。ただ、本土不動産株に対する慎重なスタンスを維持し、引き続き見通しが良好な国有企業を選好するとした。『信報』が3日伝えた。
リポートによると、主な不動産デベロッパーの25年上期のコア利益は前年同期比17%減となったが、配当性向は安定を維持。業界の分化は残るものの、国有企業は引き続き堅調で、利益率や財務体質の改善が進んでいる。個別では、華潤置地(01109)や華潤万象生活(01209)、高配当株として建発国際集団(01908)など優良な国有企業に注目すべきとした。
モルスタは、国有企業が大都市で豊富な販売可能物件を抱えていることを理由に、25年10-12月期の不動産販売が加速する可能性があると指摘。一方、年末までの平均販売価格は前年同期比2%低下すると予想した。
第17代FRB議長候補に挙がっているウォーシュ元FRB理事に関して、間違っていた金利論と間違っていると思われる金利論を確認しておきたい。
すなわち、来年、ウォーシュ第17代FRB議長が誕生した場合、トランプ米政権による利下げ圧力と誤解している金利論により、金融市場は混迷に陥ることが警戒される。
ウォーシュ元FRB理事の妻は、エスティローダー創業家一族であることで、トランプ一族と長年にわたる個人的なつながりがある。2017年の第1次トランプ米政権では、第16代FRB議長の座を巡り、パウエルFRB理事と争ったものの敗れた。
1.量的金融緩和政策(QE:Quantitative Easing)
ウォーシュ元FRB理事(2006~11年)は、タカ派として知られていた。
2010年に失業率が9.4%と高水準だったにもかかわらず、バーナンキ第14代FRB議長の量的緩和(QE)第2弾に反対し、FRBの米国債購入がインフレを引き起こすと警告したが、インフレ懸念は杞憂に過ぎなかった。
しかし、2025年2月のWall Street Journalへの寄稿では、ハト派的な見解を示していた。
「中央銀行は物価を安定させるパワーを持つ」と指摘し、トランプ政権による規制緩和や政府支出の削減はインフレ抑制的であり、トランプ関税による物価上昇はあくまで一時的であり、FRBが積極的に利下げを実施すべきとのスタンスを示した。
2.量的金融引締政策(QT:Quantitative tightening)=バランスシート縮小
ウォーシュ元FRB理事は、金融システムにおける流動性を低下させることを論拠に、米連邦準備理事会(FRB)がバランスシートを著しく縮小すれば、大幅な利下げが可能になると主張している。バランスシート縮小で金融環境はタイトになり、FRBは短期金利の誘導目標引き下げでこれに対応するという理論である。ウォーシュ氏によれば、家計や中小企業は短期金利低下の恩恵を受け、金融市場では高揚感や熱狂が抑えられることになっている。
しかし、2008年にFRBが預かる銀行準備金に利息を支払うようになって以来、バランスシートの規模とマネーサプライや経済活動の結びつきは断たれている。
FRBは、量的金融引締政策(QT)によって、ピーク時の2022年には約8兆9700億ドルだったバランスシート資産を、直近の6兆6400億ドルまで減らしてきた。そして、FRBは短期金利が少なくとも適度に引き締め気味と判断しているものの、金融環境は依然としてかなり緩和的のままとなっている。
FRBがバランスシートを急激に縮小すれば、短期金利は大幅に低下せず、好景気も齎されない。むしろ金融政策の遂行能力が損なわれて、経済にストレスがかかる金融不安時に大胆に対応するための柔軟性を失うことになりかねない。
大阪9月限
日経225先物 42010 -340 (-0.80%)
TOPIX先物 3053.5 -31.5 (-1.02%)
日経225先物(9月限)は前日比340円安の4万2010円で取引を終了。寄り付きは4万2120円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2085円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた4万2030円を安値に下げ渋り、売り一巡後は4万2150円~4万2250円辺りで保ち合いを継続。前場中盤にかけて4万2100円をつけたが下へのバイアスは強まらず、前場終盤に4万2300円まで下げ幅を縮める場面もみられた。
ただし、ランチタイムで再び弱み、後場の取引開始直後に朝方につけた安値水準まで下げると、後場中盤にかけて4万1870円まで下げ幅を広げた。その後は4万1870円から4万1970円辺りでの保ち合いが続くなかで終盤にショートカバーが入り、辛うじて4万2000円を上回って終えた。
25日移動平均線水準で強弱感が対立するなか、同線での上値の重さが意識されてきたことで、短期的なショートを誘う形になった。終値で4万2000円は回復したものの、25日線はナイトセッションで4万2240円辺りに上昇してきており、同線とのカイ離が拡大してくることで、ボリンジャーバンドの-1σ(4万1300円)とのレンジになりそうだ。
週足では+1σ(4万2450円)を抵抗に、中心値となる13週線(4万0790円)とのレンジが意識されてくる。そのため、戻りの鈍さがみられる局面では、短期的にショートが入りやすい需給状況になりそうだ。米国では重要統計の発表が予定されているため、利下げ観測に変化が起きるかを見極める必要があろう。
さらに国内では、自民党の麻生太郎最高顧問が派閥の研修会で、臨時総裁選実施を求める考えを明らかにしたと報じられている。政局の不透明感を背景に持ち高を圧縮する動きも警戒されてくるとみられ、押し目待ち狙いのロングが入ったとしても、早い段階で利食いに向かわせそうだ。
そのため、4万2000円辺りでの押し目狙いのスタンスとしつつも、25日線突破を見極めることになるだろう。オプション権利行使価格の4万2000円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万1750円から4万2250円のレンジを想定する。
NT倍率は先物中心限月で13.75倍に上昇した。一時13.66倍に低下し、8月6日につけた直近安値の13.69倍を割り込んだ。その後はリバランスとみられる動きにより、13.77倍まで切り返している。ボリンジャーバンドの-2σ(13.66倍)と-1σ(13.75倍)によるレンジ推移だった。直近安値とのボトム形成でリバランスが入りやすく、-1σを明確に突破してくると、いったんはNTショートの巻き戻しに向かわせよう。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9040枚、ソシエテジェネラル証券が1万4502枚、サスケハナ・ホンコンが4282枚、バークレイズ証券が2215枚、モルガンMUFG証券が1735枚、JPモルガン証券が1531枚、ビーオブエー証券が1109枚、野村証券が1073枚、SBI証券が936枚、みずほ証券が860枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が3万2878枚、ソシエテジェネラル証券が2万8271枚、JPモルガン証券が7800枚、モルガンMUFG証券が7383枚、ビーオブエー証券が5667枚、バークレイズ証券が5646枚、ゴールドマン証券が3342枚、野村証券が2802枚、みずほ証券が2638枚、シティグループ証券が2598枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や米地区連銀経済報告(ベージュブック)を見極めつつ、引き続きトランプ米大統領による突破的な発言には警戒しておきたい。
パウエルFRB議長がジャクソンホール会合での講演で、2つの責務の内、「物価の安定」から「雇用の最大化」に軸足を移して、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性に言及したことで、米国の雇用関連指標に注目していく展開となっている。
今週は、昨日発表された8月のISM製造業「雇用」指数を皮切りに、本日は7月米雇用動態調査、明日以降はADP全国雇用者数、チャレンジャー人員削減予定数、雇用統計、ISM非製造業「雇用」指数などで、米国の雇用情勢を見極めていくことになる。
昨日発表された8月米ISM製造業景気指数は48.7と発表され、7月の48.0から改善していた。また雇用指数は43.8で7月の43.4から改善し、物価指数は63.7で7月の64.8から低下していた。
7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数の予想は737.8万件となっており、6月の743.7万件からの減少が見込まれている。7月の雇用統計ショックの時の求人件数なので、ネガティブサプライズと整合的なのか否かを確認しておきたい。
米地区連銀経済報告(ベージュブック)は、9月16-17日のFOMCでの判断材料となるため、物価情勢や雇用情勢を見極めることになる。
ドル円は攻防の分岐点である200日移動平均線付近で堅調に推移しているものの、上値を抑える材料としては、9月FOMCでの利下げ観測、トランプ米大統領によるクックFRB理事解任に対する提訴や5日から始まる予定の次期FRB議長の人選、そして、日銀による早期利上げ観測などが挙げられるため、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、149.81円(150.92円~146.21円の下げ幅の76.4%戻し)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、147.76円(日足一目均衡表・転換線)
今晩はハイテク株を中心に堅調か。昨日は9月入りとなったが、高値警戒感が意識されたことや、米債利回りの上昇などが重しとなり主要3指数がそろって下落。ダウ平均が249.07ドル安(-0.55%)、S&P500が0.69%安、ナスダック総合が0.82%安と、そろって2営業日続落した。引け後の動きではアルファベットが時間外で約7%高。米連邦地裁がインターネット検索の独占禁止法違反問題で、ウェブ閲覧ソフト「クローム」の売却を求めなかったことが好感された。
今晩はアルファベットの大幅高が見込まれ、ハイテク株を中心に堅調か。今週は利下げ見通しを巡り金曜日に発表される8月雇用統計に注目が集まるが、今晩7月JOLTS求人件数や、7月製造業新規受注、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表があり、足もとの雇用や景況感が注目される。昨日は財政悪化懸念などで米30年債利回りが一時5.0%の大台に迫り、米10年債利回りも先週末の4.226%から4.265%に上昇した。米債利回りの上昇は企業業績や住宅市場の重しとなるほか、将来の企業収益の現在価値の減少につながるため、債券市場の動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは7月製造業新規受注、7月JOLTS求人件数、ベージュブックなど。企業決算は寄り前にキャンベル・スープ、ダラー・ツリー、引け後にヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、セールスフォースなどが発表予定。
日経平均株価は反落。前日から下振れスタートとなり、下げ幅を広げる展開となった。前場は下げ幅を縮小する場面もあったが、後場は再び売り込まれ、25日移動平均線(42166円 9/3)を下回って終えた。
RSI(9日)は前日の36.1%→34.5%(9/3)にほぼ横ばい。大きな見方は変わらないが、25日移動平均線を下回った。一目均衡表の基準線(41863円 同)を割り込む場合、7/31高値(41151円)に向けて目先的には下落幅を拡大する展開につながる公算が大きい。
上値メドは、転換線(42518円 同)、8/25高値(43201円)、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円などがある。下値メドは、基準線、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円や40500円、8/4安値(39850円)などがある。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.04円(3日15時時点比▲0.56円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.63円(▲0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1660ドル(△0.0030ドル)
FTSE100種総合株価指数:9177.99(前営業日比△61.30)
ドイツ株式指数(DAX):23594.80(△107.47)
10年物英国債利回り:4.748%(▲0.052%)
10年物独国債利回り:2.740%(▲0.046%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
49.8 49.7
8月独サービス部門PMI改定値
49.3 50.1
8月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
50.5 50.7
8月英サービス部門PMI改定値
54.2 53.6
7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.4% 0.8%
(前年比) 0.2% 0.6%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。時間外の米10年債利回りが4.29%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。一時149.14円と8月1日以来約1か月ぶりの高値を付けた。
ただ、149円台では戻りを売りたい向きも多く、滞空時間は短かった。NYの取引時間帯に入ると、7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が718.1万件と予想の737.8万件を下回ったことが分かり、全般ドル売りが活発化。米10年債利回りが4.19%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時147.88円と日通し安値を更新した。
なお、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は「9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げをすべきだと確信」「労働市場が悪化するのを待ってから政策金利を引き下げるべきではない」「今後数カ月で複数回の利下げを予想」などと述べた一方、FOMCで投票権を有するムサレム米セントルイス連銀総裁は「データを考慮すると、現在の引き締め政策は適切」「関税はインフレの持続的な上昇を引き起こすリスクがある」「労働市場は冷え込み、労働部門には下振れリスクがあると予想」などと語った。
・ユーロドルは底堅い動き。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.1608ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。NY市場では低調な米雇用関連指標の結果を受けて米長期金利が低下したため、全般ドル売りが加速。0時30分過ぎに一時1.1682ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.01まで低下した。
・ポンドドルは持ち直した。前日に急落した英長期債が反発(金利は低下)したことで、投資家心理が改善するとポンドを買い戻す動きが広がった。リーブス英財務相が財政規律を守る姿勢を示したことも好感されて、一時1.3458ドルまで値を上げた。
・ユーロ円は失速。22時前に一時173.30円と日通し高値を付けたものの、前日の高値173.41円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ドル円の下落につれた売りが出ると一時172.59円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は反発。前日に急落した英長期債が反発(金利は低下)したことで、投資家心理が改善し株買いが広がった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。仏政治リスクや英財政悪化への懸念から下落していた欧州長期債が反発(金利は低下)すると、投資家心理が改善し株式にも買い戻しが入った。個別ではアディダス(4.81%高)やザランド(4.13%高)、エアバス(3.09%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。リーブス英財務相が「自ら設定した財政規則を守る」と強調したことが債券市場の落ち着きにつながったようだ。
3日の日経平均は大幅反落。終値は371円安の41938円。米国株安を嫌気して、寄り付きから200円を超える下落。前場は安寄り後は下げ渋り、節目の42000円を割り込むことなく推移した。米国の長期金利上昇を嫌気してソフトバンクグループ<9984.T>が大きく売られた一方、値上がり銘柄は多く、強弱感が交錯。ただ、前日終値に接近したところでは押し戻されており、プラス圏に浮上することはできなかった。
後場に入るとソフトバンクグループが一段安となり、全体でも下押し圧力が強まった。節目の42000円を割り込むと、値下がりに転じる銘柄が増えて売りが売りを呼ぶ展開。400円超下げて41800円台に入ったところで下げ止まったものの、戻りは限られ安値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆円。業種別ではパルプ・紙、ゴム製品、陸運などが上昇した一方、銀行、保険、海運などが下落した。企業買収に関するリリースを材料にインターメスティック<262A.T>が一時ストップ高となるなど急騰。半面、ソフトバンクグループが5.3%安と弱さが目立っており、1銘柄で日経平均を約164円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり740/値下がり832。アドバンテストが売り先行から切り返してプラスを確保。フジクラや住友電工など電線株の一角に資金が向かった。TOKYO BASE、ABCマート、QBネットが月次を材料に大幅上昇。決算が好感された内田洋行が急騰した。
一方、防衛関連が弱く、三菱重工が5%を超える下落。柏崎刈羽原発の再稼働に対する新潟県知事の判断が11月以降になると伝わったことを受けて、東電HDが7%近い下落となった。欧米では長期金利の上昇がクローズアップされたが、「悪い金利上昇」が意識されて三菱UFJや三井住友など銀行株は大幅安。円安進行を受けてもトヨタやホンダなど自動車株は売られるものが多かった。
日経平均は大幅安。終値(41938円)で25日線(42166円、3日時点、以下同じ)や節目の42000円を下回った。今週はここまで下落、上昇、下落だが、下落日の値幅が大きい。月曜も水曜も大幅安の割には値上がり銘柄は多いが、それでも注目の節目を割り込んでしまったことで、センチメントの悪化が懸念される。海外で財政不安を理由に長期金利が上昇しているのはやっかいな話。債券市場が不安定になると、リスク回避姿勢が強まりやすい。本日の7月JOLTS求人件数など米国の経済指標やベージュブックが米長期金利の上昇にブレーキをかける展開に期待したいが、金利が一段と上昇するようなら、日経平均は13週線(40794円)辺りまで調整が続く展開を意識しておいた方が良い。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.10円(前営業日比▲0.26円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.71円(△0.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1662ドル(△0.0022ドル)
ダウ工業株30種平均:45271.23ドル(▲24.58ドル)
ナスダック総合株価指数:21497.73(△218.10)
10年物米国債利回り:4.22%(▲0.04%)
WTI原油先物10月限:1バレル=63.97ドル(▲1.62ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3635.5ドル(△43.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲1.2% ▲0.5%
7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
718.1万件 735.7万件・改
7月米製造業新規受注
(前月比) ▲1.3% ▲4.8%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。日本時間夕刻に一時149.14円と8月1日以来約1カ月ぶりの高値を付けたものの、149円台では戻りを売りたい向きも多く、滞空時間は短かった。NY時間発表の7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が718.1万件と予想の737.8万件を下回ったことが分かると、全般ドル売りが活発化。米10年債利回りが4.19%台まで低下したことも相場の重しとなり、2時30分前に一時147.88円と日通し安値を更新した。
なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動は大半の地区が前回に比べて、ほとんど、もしくは全く変化しなかった」と指摘。物価については「10地区が緩やか、または控えめに上昇した」「ほぼすべての地区で関税関連の価格上昇が見られ、多くの地区は関税が特に価格に影響を与えている」と報告した。
・ユーロドルは反発。低調な米雇用関連指標の結果を受けて米長期金利が低下すると、全般ドル売りが進行。0時30分過ぎに一時1.1682ドルと日通し高値を更新した。
ただ、買い一巡後はやや上値が重くなった。前日の高値1.1718ドルが目先レジスタンスとして意識されると戻り売りなどが出たようだ。
・ユーロ円はほぼ横ばい。22時前に一時173.30円と日通し高値を付けたものの、前日の高値173.41円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ドル円の下落につれた売りが出ると一時172.54円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら3日続落。低調な米雇用関連指標を受けて売りが強まった。米関税政策をめぐる先行き不透明感も根強く、指数は一時310ドル超下げた。ただ、グーグルの反トラスト法(独占禁止法)違反を巡る裁判所の判決を受けて親会社のアルファベットが大幅上昇すると、アップルなどが買われ相場を下支えした。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。前日に下落した欧州債相場が反発すると、米国債にも買いが波及した。7月米JOLTS求人件数が予想を下回ったことも相場の支援材料。
・原油先物相場は反落。7日に会合が開かれるOPECプラスで「追加増産を検討する」との報道のほか、低調な米雇用関連指標を受けた米経済の減速懸念が重しとなり、売りが優勢となった。
・金先物相場は6日続伸。ウォラーFRB理事が「9月のFOMCでは利下げをすべきだと確信している」などと発言したほか、7月米JOLTS求人件数の弱い結果もあり、ドルが売られる中でドル建てで取引される金の投資妙味が増すとの見方から、買いが入った。2日連続で、中心限月として過去最高値を更新した。
共同通信が報じたところによると、「石破茂首相は追加の経済対策策定を週内にも関係省庁に指示する検討に入った」ようだ。「政策課題の解決を優先する姿勢をアピールし、首相続投の環境を整える狙いがある」という。
3日13:08 ドレンツ・スロベニア中央銀行暫定総裁
「今月の利上げや利下げの必要性はない」
「四半期ごとの経済見通しにも大きな変化は予想しない」
「次の利上げか利下げは状況次第」
3日13:16 植田日銀総裁
※石破首相との会談後
「経済・物価・市場動向について、石破首相と意見交換した」
「金融市場全般について話し、為替の話もでた」
「見通し実現していくとすれば、利上げしていくスタンスに変わりない」
「政府と連絡とりつつ、為替市場の動向をモニターしていきたい」
「為替、ファンダメンタルズに沿って安定的に推移が望ましい」
3日18:37 ブロック豪準備銀行(RBA)総裁
「民間部門の成長がやや加速し始めている」
「支出についてはRBAの想定よりもやや強かった」
「この状況が続けば、それほど大幅な利下げは必要なくなるかもしれない」
「ただし現段階で金利がどうなるかは分からない」
3日21:45 ウォラーFRB理事
「9月のFOMCでは利下げをすべきだと確信している」
「労働市場が悪化するのを待ってから政策金利を引き下げるべきではない」
「米10年債利回りは、これまでアンカーの役割を果たしてきた」
「今後数カ月で複数回の利下げを予想」
「インフレ率は今後2%に向けて低下する見通し」
「関税は長期的には物価高要因ではない」
3日22:31 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「データを考慮すると、現在の引き締め政策は適切」
「FRBは今後、インフレと雇用目標のバランスを取る必要がある」
「関税はインフレの持続的な上昇を引き起こすリスクがある」
「インフレ率は2026年後半までに2%に低下すると予想」
「労働市場は冷え込み、労働部門には下振れリスクがあると予想」
「家計と企業のインフレ期待はしばらく前から高まっている」
「インフレ持続リスクは高まる一方、需要低迷リスクは低下しているため、政策金利の据え置きに投票」
「最近のインフレ関連ニュースは食品価格に関するもので、期待感に非常に影響している」
「デフレプロセスが減速している兆候」
「労働市場の活性化は期待できない」
3日22:44 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「インフレリスクは高まっている」
「労働市場の下振れリスクへの懸念が高まっている」
「労働市場の弱さが賃金に反映されている」
3日22:47 テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「年間4-5回の利下げを望む」
「中立金利はかなり低い。まだ改善の余地があると思う」
「インフレ期待は赤信号ではない」
「家計のインフレ期待は劇的に高まっているとは思わない」
「賃金決定は、CPIを2%に戻すための最後の段階が完了したことを示唆」
「雇用市場の軟化により、賃金交渉にインフレが波及するリスクは軽減」
4日03:06 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「米経済活動は前回からほとんど変化がないか、全く変化がなかった」
「多くの世帯で賃金が物価上昇に追いついていないため、消費支出は横ばい、もしくは減少しているとの報告があった」
「全体として、各地区の見方はまちまち」
「ほとんどの企業は、楽観的な見方にほとんど変化がない、あるいは全く変化がないと回答」
「11地区では、全体的な雇用水準にほとんど、もしくは全く変化がないと指摘。1地区では若干の減少、7地区は需要の低迷や不確実性のために企業が労働者の採用をためらっていると報告した」
「さらに、2地区はレイオフの増加を報告し、複数の地区は自然減によって人員を削減したと報告した」
「半数の地区は賃金の小幅な上昇を報告し、残りのほとんどは中程度の上昇を報告。2地区は賃金にほとんどまたは全く変化がないと指摘した」
「10地区は価格上昇を中程度または緩やかと指摘」
「ほぼすべての地区で関税関連の価格上昇が見られ、多くの地区は関税が特に価格に影響を与えていると報告」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○10:30 ◇ 7月豪貿易収支(予想:50.00億豪ドルの黒字)
○15:00 ◎ 8月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.4%/前年比1.1%)
コア指数(予想:前月比▲0.3%/前年比3.2%)
○15:30 ◎ 8月スイスCPI(予想:前月比横ばい)
○16:00 ◇ 8月スイス失業率(季節調整前、予想:2.8%)
○17:30 ◎ 8月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:45.0)
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.2%/前年比2.4%)
○18:30 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、議会証言
○20:30 ◇ 8月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:15 ☆ 8月ADP全米雇用報告(予想:6.5万人)
○21:30 ◇ 7月カナダ貿易収支(予想:47.5億カナダドルの赤字)
○21:30 ◎ 7月米貿易収支(予想:757億ドルの赤字)
○21:30 ◇ 4-6月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比2.7%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/196.2万人)
○22:45 ◎ 8月米サービス部門PMI改定値(予想:55.4)
○22:45 ◎ 8月米総?⑰MI改定値(予想:55.3)
○23:00 ☆ 8月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:51.0)
○5日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○5日01:05 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○5日03:00 ◎ 8月ブラジル貿易収支(予想:60.50億ドルの黒字)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42110 +100 (+0.23%)
TOPIX先物 3062.5 +9.0 (+0.29%)
シカゴ日経平均先物 42110 +100
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。7月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が市場予想を下回ったほか、米地区連銀経済報告(ベージュブック)では消費の陰りなどが報告された。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は米CNBCのインタビューで、9月の米連邦準備制度理事会(FOMC)での利下げ再開を支持するとともに、雇用の下振れリスクを改めて指摘した。
グーグルの反トラスト法(独占禁止法)違反を巡る裁判所の判決を受けて、アルファベット<GOOG>は9%超上昇し上場来高値を更新。自社開発の人工知能(AI)を活用したウェブ検索ツールを来年投入する計画が伝えられたアップル<AAPL>は3.8%の上昇だった。
S&P500業種別指数はメディア、テクノロジー・ハード・機器、自動車・同部品が上昇した半面、エネルギー、食品・飲料・タバコ、資本財の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、アップルのほかウォルマート<WMT>、セールスフォース<CRM>、トラベラーズ<TRV>、IBM<IBM>が買われた。一方で、シェブロン<CVX>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ボーイング<BA>、ハネウェル・インターナショナル<HON>が軟調。
シカゴ日経平均先物の清算値は大阪比100円高の4万2110円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比40円高の4万2050円で始まった。その後もロング優勢の流れのなかで、4万2220円まで買われる場面もみられた。米国市場の取引開始後にショートに転じ、4万1920円まで軟化したものの、終盤にかけてショートカバーが強まり、4万2110円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションで一時4万1920円まで売られる場面もみられたが、終値では4万2000円を上回っており、同水準では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。ただし、25日移動平均線(4万2240円)が抵抗線として意識される可能性があるため、同線を明確に上抜けてくるかを見極めたいところであろう。
25日線が抵抗となるようだと、オプション権利行使価格の4万2000円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万1750円から4万2250円のレンジが意識される。4万2000円辺りで底堅さがみられたとしても4万2000円から4万2250円の狭いレンジ内でのスキャルピング中心のトレードになりそうだ。
米国では9月の利下げ確率が高まっているが、5日に発表される雇用統計が重要な判断材料になるとみられ、結果を見極めたいとするムードが強まりやすいだろう。国内では昨日、自民党の麻生太郎最高顧問が次の衆議院選挙で勝利できる体制を整えるとして、総裁選挙の実施を求める考えを明らかにした。実施を求める国会議員は8日までに書面を提出することになっており、この動きを見守ることなる。
そのため、オプション権利行使価格の4万2000円を下回る局面ではその後のカバー狙いのロング対応になろうが、25日線を捉えてくる場面では戻り待ち狙いのショートに向かわせよう。
3日の米VIX指数は16.35(2日は17.17)に低下した。一時17.57まで上昇する場面もみられ、75日線(17.10)を上回った。その後は下げに転じる形になったが、25日線(15.88)辺りを割り込んでくるまでは、投資家心理を慎重にさせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.75倍に上昇した。一時13.66倍に低下し、8月6日につけた直近安値の13.69倍を割り込んだ。ボリンジャーバンドの-2σ(13.66倍)と-1σ(13.75倍)のレンジ推移だったが、直近安値とのボトム形成が意識されやすく、いったんはNTショートの巻き戻しに向かわせよう。
昨日の海外市場でドル円は、日本時間夕刻に一時149.14円と8月1日以来の高値を付けたものの、7月米JOLTS求人件数が予想を下回ると147.88円まで反落した。ユーロドルは低調な米雇用関連指標の結果を受けて米長期金利が低下すると、1.1682ドルまで上昇した。
本日の東京時間でのドル円は、超長期債利回りの値動きや本邦の政治状況を見極めながらの展開になりそうだ。また、本日もNY入り後には米雇用指標の発表が予定されており、相場の流れが一転するリスクにも備えておきたい。
1日に行われた自民党の両院議員総会後は政治的混迷が深まり、財政規律を重視する石破首相退陣リスクへの警戒感が高まった。昨日の本邦超長期債は下落し、新発30年物国債利回りは過去最高水準を記録した。ただ、これは米国発のスティープニング(短期金利と長期金利の金利差が拡大)とは若干異なることに注意しておきたい。
米国の超長期債下落、いわゆる「信認低下トレード」は、トランプ米大統領がクック米連邦準備理事会(FRB)理事の解任発表で、米政権がFRBを掌握する懸念が高まったことがきっかけ。FRBの独立性を奪い取り、米国の膨張する債務負担を軽減させるため、トランプ政権がFRBに利下げを強制するリスクが高まっている。一方で、インフレ抑制にも歯止めがかけられなくなるリスクも危惧されている。
しかし、日本の場合は様相が違う。石破首相が退任を表明していないだけではなく、総裁選の前倒しも決定事項ではない。さらに次期自民党総裁が前回の総裁選と違い、具体的に誰が立候補するかも未定で、財政拡張路線となるのかも不透明なままだ。
また、日銀が政府の意向を組まなくてはいけない(日本銀行第4条「金融政策が『政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない』」)のは事実。しかしながら、トランプ政権が行おうとしているほどの中銀の独立性を無視した政策遂行は、政府・日銀とも取りにくいだろう。これらの差異を考慮して、本日も超長期債などの動向を見ておく必要がありそうだ。
ただ本邦の政治状況が分かりにくいため、石破首相の進退が不透明な限り、海外投資家を中心に一方的な円買いに動くのは難しいだろう。よって、8日予定の「総裁選前倒しを求める議員の署名提出」に向けた政治動向が焦点となる。
日本時間午前は、トランプ米大統領の突発的に発せられるSNSでの発言にも要注目。昨日は2名の共和党の上院議員が、クック米連邦準備理事会(FRB)理事の訴訟の判決が出るまでは、後任を検討しないと述べた。トランプ大統領がこれらの議員への圧力をかけるか、または反対を表明する議員が増加するのかが注目される。
本日も、アジア時間のトレンドがNY市場で急変するリスクには要警戒。昨日は、7月米JOLTS求人件数が予想を下回ったことで、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ予想がさらに高まった。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウォッチ」では、9月の利下げ確率は91%台から96%超えまで上昇した。
JOLTSは雇用統計同様に米労働省労働統計局(BLS)が発表する指標。本日は、同じくBLSが発表する新規失業保険申請件数・失業保険継続受給者数だけでなく、民間のチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社やオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)社の雇用指標も発表される。市場ではBLSの数値が大幅に改定されたことで、民間の指標の信頼性がより重視される可能性もあり、どの指標の反応が大きくなるのかも関心が集まる。
東京市場は堅調か。米国株はまちまち。ダウ平均が下落した一方、S&P500とナスダックは上昇した。ダウ平均は24ドル安の45271ドルで取引を終えた。7月JOLTS求人件数が弱い結果となったことで景気敏感株が売られており、ダウ平均はマイナス圏で推移した。一方、個別に材料があったアルファベットが急伸し、アップルなどにも買いが入ったことから、ナスダックは1%を超える上昇となった。ドル円は足元148円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが100円高の42110円、ドル建てが110円高の42120円で取引を終えた。
欧州・米国ともに長期金利が低下しており、グローバルで財政不安に対する過度な警戒は後退している。米国株は3指数の方向性がそろわなかったが、ナスダックに強い動きが見られたことは安心材料。米金利低下やナスダック高を受けて、足元弱いソフトバンクグループ<9984.T>に対する売り圧力は和らぐと思われる。日経平均はきのう大きく下げており、きょうは見直し買いが入ると予想する。25日線(42166円、3日時点)近辺では強弱感が交錯する可能性が高いだけに、場中はこの近辺で一進一退が続くだろう。日経平均の予想レンジは41850-42250円。
一部通信社が伝えたところによると、中国政府は安定した利益促進に向け、株式投機の規制を検討しているという。
30年債入札で応札倍率は3.31倍だった。なお、最高落札利回りは3.2770%と過去最高を記録した。
日経225先物は11時30分時点、前日比470円高の4万2480円(+1.11%)前後で推移。寄り付きは4万2090円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2110円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた4万2020円を安値にロングの勢いが強まり、中盤にかけて4万2490円まで上げ幅を広げた。買い一巡後に4万2300円辺りまで上げ幅を縮める場面もみられたが、終盤にかけて再び強含みの展開になった。
日経225先物は現物の寄り付き後ほどなくして上値を抑えられていた25日移動平均線を上抜けており、ショートカバーを誘う形になった。節目の4万2500円接近では利益確定に伴うロング解消の動きや戻り待ち狙いのショートが入りそうであり、強弱感が対立しそうだ。ただし、25日線が位置する4万2250円を上回っての推移が続くようだと、カバー狙いのスタンスに向かわせそうである。
NT倍率は先物中心限月で13.81倍に上昇した。一時13.83倍まで上昇しており、ボリンジャーバンドの-1σ(13.75倍)を突破して中心値となる25日線(13.83倍)を捉えてきた。半導体株やAI、電線株などが買われており、相対的に日経平均型優位の流れになった。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、普段は相場インパクトがそれほど強くないもののユーロ圏小売売上高を確認し、チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事の議会証言を見定めながらの取引。その後は、欧州午後(NY序盤)の米雇用データを待つ展開か。ほか、スイスから8月消費者物価指数(CPI)も発表される。
ユーロドルは昨日、売りが強まった場面でも1.16ドル手前で下げ渋った。ただし、弱い米経済指標で反発も、1.16ドル後半で頭を押さえられている。昨日終値付近の1.1655ドルには、日足一目均衡表・転換線が位置している。当日を含む過去9日間の最高値と最安値の平均値である同線を挟み、しばらく上下する展開が続くか。
7月ユーロ圏小売売上高は予想が前月比0.2%減、前年比2.4%増とどちらも前回から下振れ見込み。経済活動の活発さを示すこの指標では、トランプ関税がどの程度まで個人消費の動向に影響したかを見極めることになる。前月比のマイナス幅が広がるようだと、通貨ユーロの印象も悪くなりそうだ。
議会証言が予定されているチポローネECB専務理事は、理事会内ではハト派に位置付けられている。ただ7月下旬には、インフレを巡るリスクは概ね均衡しているとの見解を示し、追加利下げを急がない姿勢を見せた。もっとも今回の証言は、デジタルユーロが主題とされるため、相場も落ち着いた反応となりそうだ。
欧州序盤の8月スイスCPIは前月比予想が2カ月連続の横ばい。予想を下回るようであれば、およそ3年ぶりの低い水準にあるスイスの政策金利に低下圧力が強まるだろう。スイス中銀は6月19日、政策金利を0.25%から0.00%に引き下げた。次回の金融政策決定会合は今月25日に予定されている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、1日高値1.1736ドル
・ドルスイスフラン、8月11日高値0.8132フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、3日安値1.1608ドル
・ドルスイスフラン、8月29日・9月1日安値の0.7986フラン
ドル円:1ドル=148.23円(前営業日NY終値比△0.13円)
ユーロ円:1ユーロ=172.76円(△0.05円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1655ドル(▲0.0007ドル)
日経平均株価:42580.27円(前営業日比△641.38円)
東証株価指数(TOPIX):3080.17(△31.28)
債券先物9月物:137.63円(△0.34円)
新発10年物国債利回り:1.605%(▲0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆4198億円の取得超 1672億円の処分超
対内株式
7857億円の処分超 4962億円の処分超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。朝方から148.00円前後でのもみ合いとなっていたが、10時30分過ぎに147.80円まで下押す場面があった。もっとも、その後は日本株高を手掛かりにした買いが徐々に強まり、148.28円まで下値を切り上げた。
・ユーロ円も下値が堅い。朝方からやや売りに押されて172.46円まで下落したものの、一巡後は株高を支えに172.80円まで切り返した。
・ユーロドルはもみ合い。1.1660ドルを挟んだ狭いレンジ内での推移が続き、相場は方向感を欠いた。
・日経平均株価は大幅反発。昨日の米国株式市場でハイテク株が上昇し、この日の国内市場でも主力株に買いが入った。海外勢からの買いが観測された株価指数先物主導で上値を伸ばす展開となり、指数は一時670円近く上昇する場面も見られた。
・債券先物相場は反発。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いだほか、30年物国債入札を警戒した買いも入った。なお、30年債入札は「無難(想定内の弱め)な結果だった」と受け止められ、相場への影響は限られた。
中国本土の株式市場が足元で急伸し、当局が警戒を強めている。情報筋によると、中国の金融監督当局は一部の投機的な動きを抑えるため、一連の措置を検討している。『信報』が外電を引用して4日伝えた。
株式市場の大幅な変動で個人投資家が大きな損失を被る可能性を懸念し、直近数週間に検討された選択肢には、一部の空売り規制の撤廃や投機的取引の抑制が含まれる。ただ、こうした措置を実際に導入するかは不透明という。
中国証券監督管理委員会(CSRC)の呉清主席は8月末に北京で会合を開き、市場の安定維持に取り組む姿勢を強調した。情報筋によれば、監督当局は銀行に対し、消費ローンやネット融資を株式投資に流用する行為を厳しく取り締まるよう指示。また、証券会社には株式口座の新規開設サービスを過度に宣伝しないよう求めた。
さらに、ソーシャルメディアも「ブル相場」や「融資残高の高水準」、「預金の株式市場へのシフト」などの過剰な宣伝を禁じられ、投資家の過熱をあおる行為は厳しく処罰されるという。
上海証券取引所の統計では、今年8月のA株新規口座開設数は265万300件と、前月比34.97%増となり、前年同月の99万9300件の2.65倍に達した。
SMBC日興証券では、テクニカルリポートで日経平均を取り上げている。日経平均は8月に昨年7月の最高値を上抜き、新たな上昇波動へ移行していることが確認されたが、43670円処のフシに対応した8月18日の43714円(終値)で頭打ちとなった。そして、その後の反落で42180円処のサポートを下回り、4月7日にボトムアウトして以降で最大幅の反落が生じた。これらの動きから、当面の天井を打った公算が大きくなったとSMBC日興では考えている。SMBC日興ではこの調整は683日サイクルが到来する10月半ば頃まで継続する可能性があるとみており、その間、まずは41350円処、先行き39050円処か場合によっては37430円処まで押し戻される可能性があるとコメントしている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、足元の金価格を一段と押し上げた要因として、トランプ政権による政策リスクに対する懸念を挙げている。FRBの独立性に対する信認が懸念される状況となっていることや、相互関税に関して米連邦高裁が大統領の権限を越えた違法行為だと判断したことなどが、脱ドル化やリスク回避の動きとなって金の選好につながったとみている。上海協力機構の会議では中国、ロシア、インドの首脳が集まったが、これらの国では外貨準備を金で保有する流れが既に始まっているとのこと。トランプ政権による「アメリカンファースト」によって、この流れがさらに強まる可能性があると東海東京では考えている。
「FRBは川に浮かぶ材木の上を歩いているようなものだ。バランスが崩れたと感じれば、少し動いて調節しようとする。その過程で逆にバランスを失うこともあるが、うまくいけば、もっと安定した場所に行きつける。失敗すれば転落する」
(グリーンスパン第13代FRB議長)
日本と米国の7月のコア消費者物価指数(CPI)は前年比+3.1%である。
日銀の政策金利は0.50%、米連邦準備理事会(FRB)の政策金利は4.25-50%なので、どちらも「ビハインド・ザ・カーブ」の状態にある。
■ビハインド・ザ・カーブ(behind the curve):後手に回る
金融政策の手段で、景気や物価の変動に対して、意図的に政策金利を変更するタイミングを遅らせる金融政策。
景気拡大や物価上昇(インフレ懸念)に対して、意図的に政策金利を引上げるタイミングを遅らせれば、その期間中は経済成長率の上昇が見込まれる。
景気悪化や物価下落(デフレ懸念)に対して、政策金利を引き下げるタイミングを遅らせれば、その期間中は経済成長率の下落が見込まれる。
■アヘッド・オブ・ザ・カーブ(ahead of the curve):先手を打つ予防的措置
金融政策の予防的措置で、景気や物価の変動に対して、意図的に政策金利を変更するタイミングを早める金融政策。
1.植田日銀総裁
7月31日、植田和男総裁は「現状では『ビハインド・ザ・カーブ』に陥っているとは思っていないし、そうなるリスクが高いとまでは思っていない」と述べた。
テイラールールによる推計では、現在の適正な政策金利は0.87%から1.35%の範囲にあるとされており、7月のコアCPI前年比+3.1%に対して、現行の政策金利0.5%は明らかに低すぎると警戒されている。
日本銀行は、2016年から2024年までマイナス金利を導入していたが、日本のコア消費者物価指数(CPI)がインフレ目標2%を上回ったのは、2022年4月、そして2023年1月には4.2%まで上昇していた。
日銀の『ビハインド・ザ・カーブ』は、伝家の宝刀なのかもしれない。
2. ベッセント米財務長官
8月13日、ベッセント米財務長官は「日銀は『ビハインド・ザ・カーブ』に陥っている。そのため日銀は利上げを行い、インフレを抑制する必要があるだろう」と述べた。
そして、米連邦準備理事会(FRB)に対しては、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を通常より大幅な0.5ポイント引き下げる選択肢にオープンであるべきだ、と述べた。
大阪9月限
日経225先物 42630 +620 (+1.47%)
TOPIX先物 3083.0 +29.5 (+0.96%)
日経225先物(9月限)は前日比620円高の4万2630円で取引を終了。寄り付きは4万2090円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2110円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた4万2020円を安値にロングが強まり、前場中盤にかけて4万2490円まで上げ幅を広げた。買い一巡後に4万2300円辺りまで上げ幅を縮める場面もみられたが、再び強含むと節目の4万2500円を捉えた。
同水準では強弱感が対立する形だったが、後場中盤に4万2610円まで上げ幅を広げると、終盤にかけては4万2530円~4万2600円処と、4万2500円を上回って推移。引け間際には4万2640円まで上げ幅を広げる場面もみられた。
日経225先物は現物の寄り付き後ほどなくして上値を抑えられていた25日移動平均線を上抜き、ショートカバーを誘う形になった。節目の4万2500円接近では利益確定に伴うロングの解消や戻り待ち狙いのショートが入りやすく強弱感は対立したものの、後場中盤以降は4万2500円を上回って推移したことで、引け間際までカバーの動きが続いたようである。
3日の米国市場で、グーグルの反トラスト法(独占禁止法)違反を巡る裁判所の判決を受けてアルファベット<GOOG>が急伸したことが支援材料になったようだ。東京市場でもソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]を筆頭に、アドバンテスト<6857.T>[東証P]やフジクラ<5803.T>[東証P]など、ハイテク株や人工知能(AI)関連株への資金流入が目立ち、日経平均株価を押し上げる形だった。
現物主導の相場展開のなかで、先物市場ではショートカバーを迫られる形だった。ただし、東証プライムの売買高は18億7000万株台と20億株を下回っており、指数インパクトの大きい値がさ株の影響が大きかったのだろう。25日線を突破してきたことでボリンジャーバンドの+1σ(4万3230円)とのレンジに入ってきたが、目先的には4万2500円辺りでの底固めの動きを見極めたい。
週足の+1σは4万2530円で推移しており、週末の終値で同バンドを上回って終えるようだと、+2σ(4万4230円)とのレンジが意識されてくるため、投資家心理を明るくさせそうである。そのため、4万2500円から25日線が位置する4万2320円辺りのレンジでは押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
4万2500円を上回っての推移が続く局面では、ショートカバーを誘う形で4万3000円を捉えてくる展開も意識しておきたいところである。
NT倍率は先物中心限月で13.82倍に上昇した。一時13.84倍まで上昇しており、ボリンジャーバンドの-1σ(13.75倍)を突破して中心値となる25日線(13.83倍)を捉えてきた。半導体株やAI、電線株などが買われており、相対的に日経平均型優位の流れになった。25日線のほか75日線(13.85倍)を捉えてくるようだと、200日線(13.94倍)が射程に入ってきそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万6880枚、ソシエテジェネラル証券が1万1931枚、サスケハナ・ホンコンが3087枚、SBI証券が2382枚、JPモルガン証券が2112枚、バークレイズ証券が1968枚、ゴールドマン証券が1321枚、野村証券が1295枚、モルガンMUFG証券が1268枚、日産証券が995枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万1873枚、ソシエテジェネラル証券が1万8922枚、JPモルガン証券が7152枚、バークレイズ証券が4624枚、モルガンMUFG証券が4259枚、ゴールドマン証券が2654枚、みずほ証券が1912枚、シティグループ証券が1739枚、ビーオブエー証券が1539枚、ドイツ証券が1514枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、明日発表される8 月米雇用統計の前哨戦としての複数の雇用関連指標を見極めた後は、FRB新理事に指名されたミランFRB暫定理事の人事公聴会に関するヘッドラインやトランプ米大統領による突破的な発言に警戒していくことになる。
明日からは、ベッセント米財務長官が次期FRB議長候補への面接を開始する、と報じられている。
パウエルFRB議長がジャクソンホール会合での講演で、2つの責務の内、「物価の安定」から「雇用の最大化」に軸足を移して、9月FOMCでの利下げの可能性に言及したことで、本日発表される8月の米雇用関連指標、すなわち、米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)、ADP全米雇用報告(予想:6.5万人)、米ISM非製造業「雇用」指数などを見極めていくことになる。
ADP全米雇用報告の今年1-7月の月平均は+8.38万人となっており、大幅に下方修正された後の非農業部門雇用者数の+8.50万人に近似しており、ADP社への注目度合いが高まっている。
8月の雇用統計では、非農業部門雇用者数の予想は前月比+7.5万人で、7月の同比+7.3万人からは増加している。
しかし、トランプ米政権による不法移民の強制送還や移民制限の強化により、雇用増加が10万人以下となる鈍化傾向が「新常態(ニューノーマル)」になっていると解釈する当局者もいる。
また、前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/196.2万人)なども要注目となる。
さらに、7月米貿易収支(予想:757億ドルの赤字)では、トランプ関税による貿易赤字削減効果を確認することになる。
昨日は 2 名の共和党の上院議員が、クックFRB理事の訴訟の判決が出るまでは、後任を検討しないと述べた。
また、2名の共和党の下院議員が、司法省に対して「エプスタイン・ファイル」記録の公開を求める超党派請願を提出する予定、と報じられている。
トランプ米大統領が、共和党議員に対して圧力をかけるのか、それとも、反旗を翻す共和党議員が増加するのか、今後の注目ポイントとなる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、149.14円(9/3高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、147.56円(日足一目均衡表・雲の上限)
今晩はもみ合いか。昨日は7月JOLTS求人件数が予想以上に減少したことで景気悪化懸念が相場の重しとなったが、独占禁止法違反問題での司法判決を好感したアルファベットが急伸し、アップルも大幅高となりハイテク株の上昇をけん引した。ダウ平均が24.58ドル安(-0.05%)とわずかながら3営業日続落した一方、S&P500が0.51%高、ナスダック総合が1.02%高とともに3営業日ぶりに反発した。
今晩の取引ではアルファベットを中心にハイテク・ジャイアントの堅調持続が期待されるものの、週末金曜日の8月雇用統計の発表を控え、引き続き雇用関連指標に注目する展開か。寄り前に発表される8月ADP民間部門雇用者数の市場予想は7.5万人と、7月分の10.4万から減少が見込まれ、週間新規失業保険申請件数は23.0万件と前週発表分の22.9万件からほぼ横ばいが予想されている。昨日のJOLTS求人件数に続いて、ADP民間部門雇用者数や新規失業保険申請件数が弱い結果となれば、翌日の雇用統計の下振れ懸念が相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは8月ADP民間部門雇用者数、新規失業保険申請件数のほか、8月ISM非製造業総合指数(PMI)、8月S&Pグローバル・サービス業・総?⑰MI確定値など。企業決算は引け後にルルレモン・アスレティカ、コパート、ブロードコムなどが発表予定。
一部報道が関係者筋の話として伝えたところによると、日米両政府は大統領令の発出後10-14日で自動車関税を引き下げる方向で最終調整に入ったようだ。また、大統領令とともに共同声明を発表。対米投融資5500億ドルの覚書も結ぶという。上乗せ徴収分に関して、すでに徴収した分は遡及して返還される見込み。
日経平均株価は大幅反発。寄り付きから上値を試す展開となり、25日移動平均線(42243円 9/4)を上回る展開となった。後場も一段高となり、5日移動平均線(42347円 同)や10日移動平均線(42492円 同)なども上回って終えた。
RSI(9日)は前日の34.5%→49.0%(9/4)に上昇。大きな見方は変わらないが、一目均衡表の基準線(41863円 同)を割り込まずに切り返したことや、短期の移動平均線上を回復した。8月後半からの保ち合いが煮詰まってきたことから、きょうの陽線が上放れのきっかけになるかが注目される。一方、基準線を下回る場合、7/31高値(41151円)に向けて目先的には下落幅を拡大する展開につながる公算が大きい。
上値メドは、心理的節目の43000円、8/25高値(43201円)、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円などがある。下値メドは、25日移動平均線、基準線、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円や40500円、8/4安値(39850円)などがある。
(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.64円(4日15時時点比△0.41円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.98円(△0.22円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1637ドル(▲0.0018ドル)
FTSE100種総合株価指数:9216.87(前営業日比△38.88)
ドイツ株式指数(DAX):23770.33(△175.53)
10年物英国債利回り:4.720%(▲0.027%)
10年物独国債利回り:2.719%(▲0.021%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比 ▲0.1% 0.0%
8月スイス失業率
2.8% 2.7%
8月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
45.5 44.3
7月ユーロ圏小売売上高
(前月比) ▲0.5% 0.6%・改
(前年比) 2.2% 3.5%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。しばらくは148円台前半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入り8月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が5.4万人増と予想の6.5万人増を下回ったことが分かると円買い・ドル売りが先行した。21時30分前には一時148.07円付近まで下押しした。
ただ、節目の148.00円や東京午前に付けた日通し安値147.80円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。8月米ISM非製造業景況指数が52.0と予想の51.0を上回ったこともドル買いを促し、一時148.78円と日通し高値を付けた。
もっとも、明日5日の8月米雇用統計の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、一本調子で上昇する展開にはならなかった。市場では「200日移動平均線が位置する148.84円付近がレジスタンスとして意識されている」との声も聞かれた。
・ユーロドルは小安い。8月ADP全米雇用報告や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが分かるとユーロ買い・ドル売りが先行したものの、反応は一時的だった。そのあとは次第に戻り売りが優勢となり、一時1.1630ドルと日通し安値を更新した。もっとも、前日の安値1.1608ドルが目先サポートとして意識されたため、下値も限定的だった。
・ユーロ円は強含み。しばらくは172円台後半でのもみ合いが続いていたが、NY市場に入るとじり高の展開となった。ドル円の上昇や米国株高に伴う円売り・ユーロ買いが出ると一時173.21円と本日高値を更新した。
・ロンドン株式相場は続伸。財政悪化などへの懸念から今週前半に下落していた債券市場が落ち着いたことから、投資家のリスク志向が改善し株買いが入った。ボーダフォン・グループやインフォーマなど電気通信サービス株が買われたほか、コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。仏政治リスクや英財政悪化への懸念から今週前半に下落していた欧州長期債がこの日も上昇(金利は低下)すると、投資家心理が上向き株式にも買い戻しが続いた。個別ではシーメンス・エナジー(3.70%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(3.52%高)、ドイツテレコム(2.35%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。英仏の財政悪化懸念などから今週前半に強まった国債への売り圧力が弱まり、欧州国債全般に買い戻しが入った。
4日の日経平均は大幅反発。終値は641円高の42580円。米国株は3指数がまちまちとなったが、ナスダックの動きが良かったことや、欧米で長期金利が低下したことを好感して3桁上昇スタート。節目の42000円を上回った。足元で大きく売られていたソフトバンクグループ<9984.T>が強く買われたことで投資家心理が強気に傾き、主力大型株が上昇を先導。早い時間に42400円台まで水準を切り上げた。プライムでは序盤は値下がり銘柄の方が多かったものの、値上がりに転じる銘柄が増えて、次第に幅広い業種に資金が向かった。高値圏で前場を終えると、後場には42500円を突破。42600円台に乗せる場面もあり、600円を超える上昇で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3200億円。業種別では銀行、非鉄金属、保険などが上昇した一方、鉱業、ゴム製品、化学などが下落した。ソフトバンクグループが後場にも上げ幅を広げるなど終日強い動きを見せており、6%を超える上昇。半面、第三者委員会の設置を発表したニデック<6594.T>がストップ安まで売られており、値幅が出る中で売買代金は全市場で3位と商いも膨らんだ。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1126/値下がり437。フジクラが商いを伴って5%を超える上昇。電線株ではリリースのあったSWCCの動きも良かった。ソフトバンクG同様に今週の動きがさえなかったアドバンテストが4.7%高。三菱UFJや三井住友など銀行株や、東電HDなど、きのうの下げが大きかった銘柄に見直し買いが入った。子会社の事業譲渡を発表したPHCHDが急伸。日本ヒュームが急騰し、日本鋳鉄管がストップ高となるなど、上下水道に関連する銘柄が人気化した。
一方、通期の営業利益見通しを引き下げた積水ハウスが小幅ながら下落。横浜ゴムやTOYOTIREなど、きのうの動きが良かったタイヤ株が売りに押された。きのう決算で急騰した内田洋行は6%を超える下落。キーエンスが大型株主導の株高の流れに乗りきれず、2%台の下落となった。
日経平均は大幅高。水曜までのうっぷんを晴らすかのように派手に上昇した。25日線(42243円、4日時点、以下同じ)、5日線(42347円)、42500円など、戻り局面で抵抗となりそうな水準はいくつかあったが、これらをまとめて上回っている。きょう大崩れしてしまうと見切り売りが加速しそうであっただけに、大幅高となったことはポジティブ。しかも、ソフトバンクG、フジクラ、アドバンテストなど、生成AI関連が強い動きを見せた。きのうまで3日続落していたソフトバンクGが連日で上昇するようなら、これらに対する警戒感が和らぐことで投資家心理の一段の改善が見込まれる。あすは米雇用統計の発表を前に様子見姿勢が強まると思われるが、きょうの大幅高を受けて売り急ぎは抑制されるだろう。流れが良くなりつつあるだけに、42500円より上で推移できるかに注目したい。
(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.49円(前営業日比△0.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.98円(△0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1649ドル(▲0.0013ドル)
ダウ工業株30種平均:45621.29ドル(△350.06ドル)
ナスダック総合株価指数:21707.70(△209.97)
10年物米国債利回り:4.16%(▲0.06%)
WTI原油先物10月限:1バレル=63.48ドル(▲0.49ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3606.7ドル(▲28.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米企業の人員削減数
(前年比) 13.3% 139.8%
8月ADP全米雇用報告
5.4万人 10.6万人・改
7月米貿易収支
783億ドルの赤字 591億ドルの赤字・改
4-6月期米非農業部門労働生産性改定値
(前期比) 3.3% 2.4%
前週分の米新規失業保険申請件数
23.7万件 22.9万件
8月米サービス部門PMI改定値
54.5 55.4
8月米総?⑰MI改定値
54.6 55.4
8月米ISM非製造業指数
52.0 50.1
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。8月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が5.4万人増と予想の6.5万人増を下回ると円買い・ドル売りが先行。21時30分前に一時148.07円付近まで値を下げた。
ただ、節目の148.00円や東京午前に付けた日通し安値147.80円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。8月米ISM非製造業景況指数が52.0と予想の51.0を上回ったこともドル買いを促し、一時148.78円と日通し高値を付けた。
もっとも、明日5日の8月米雇用統計の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、一本調子で上昇する展開にはならなかった。200日移動平均線が位置する148.84円付近がレジスタンスとして意識されたことも相場の重し。
なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁はこの日の講演で「経済が自身の予想通り推移すれば、政策金利の段階的な引き下げが正当化される」との見解を示した。
・ユーロドルは小反落。8月ADP全米雇用報告や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが分かるとユーロ買い・ドル売りが先行したものの、反応は一時的だった。そのあとは次第に戻り売りが優勢となり、一時1.1630ドルと日通し安値を更新した。もっとも、前日の安値1.1608ドルが目先サポートとして意識されたため、下押しも限定的だった。
・ユーロ円は上昇。ドル円の上昇や米国株高に伴う円売り・ユーロ買いが出ると一時173.21円と本日高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反発。8月ADP全米雇用報告や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げへの期待が高まり買いが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。8月ADP全米雇用報告や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが分かると、FRBの早期利下げ観測が高まり買いが広がった。利回りは一時4.1549%前後と5月1日以来約4カ月ぶりの低水準を付けた。
・原油先物相場は続落。本日発表されたEIA石油在庫統計で、原油在庫の減少が見込まれていたが予想に反して増加したことで、需給の弱さが意識されて売りが優勢となった。
もっとも、市場では「7日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)プラスの会合が予定されており、結果を見極めたいとの雰囲気が根強い」との指摘もあった。
・金先物相場は7日ぶりに反落。前日まで2日連続で中心限月として過去最高値を更新した直後だけに、明日の8月米雇用統計に対するの警戒感が広がる中で利益確定の売りが先行した。
4日10:20 赤沢経済再生相
「事務的な協議が整ったため訪米する」
「自動車関税引き下げる大統領令を速やかに発出していただく必要」
「自民党総裁選の前倒しは必要ない」
4日19:20 マクロン仏大統領
「バイル内閣不信任でも早期の総選挙は回避する方向」
5日01:11 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「経済が予想通り推移すれば段階的な利下げを予想」
「FRBは今すぐインフレと雇用市場リスクのバランスを取らなければならない」
「金融政策は緩やかに引き締め的だが、現在の経済状況には適切」
「貿易と移民が経済活動を鈍化させ、今年のGDPは1.25%~1.50%成長を予想」
「来年の失業率は4.5%程度に上昇すると予想」
「インフレ率は2027年にFRBの目標である2%に戻ると予想」
「関税が価格と購買パターンに影響を与えている明確な兆候」
「関税は今年のインフレ率を1.00-1.50%押し上げる可能性がある」
「労働市場はパンデミック前の傾向に冷え込みつつある」
「関税の影響は来年半ばまで続くと予想」
「関税の影響でコア商品のインフレ率は上昇」
「債券市場に異常な動きは見られない」
「債券市場は今、経済ファンダメンタルズにより焦点をあてている」
「金利は最終的に現在の水準よりも低くなるだろう」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 7月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比3.0%)
○08:30 ◇ 7月家計調査(消費支出、予想:前年比2.3%)
○08:50 ◇ 8月外貨準備高
○14:00 ◇ 7月景気動向指数速報値(予想:先行105.8/一致114.1)
<海外>
○08:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○15:00 ◎ 7月独製造業新規受注(予想:前月比0.5%/前年同月比▲0.6%)
○15:00 ◎ 7月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
○15:00 ◎ 7月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.4%/前年比1.2%)
○15:45 ◇ 7月仏貿易収支
○15:45 ◇ 7月仏経常収支
○16:00 ◇ 8月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲36.5)
○18:00 ☆ 4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.1%/前年比1.4%)
○21:30 ☆ 8月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化1.00万人/失業率7.0%)
○21:30 ☆ 8月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化7.5万人/失業率4.3%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.7%)
○23:00 ◇ 8月カナダIvey購買部協会景気指数
○インド(イスラム教ムハンマド生誕祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、8月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が予想を下回ると円買い・ドル売りが先行し148.07円付近まで値を下げた。ただ、8月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ると148.78円まで上昇した。ユーロドルは1.16ドル前半から半ばでもみ合った。
本日の東京時間でのドル円は、引き続き自民党総裁選をめぐる政局やトランプ米大統領の動向を注視しつつ、今週のメインイベント・8月米雇用統計を待つ相場になるだろう。また、経済指標では7月の毎月勤労統計調査に注目したい。
来週8日(月)、自民党では総裁選の前倒しを求める投票が行われる。国会議員は署名・捺印のうえで、10時から15時までに文書を党本部に提出する。総裁選の前倒しには、国会議員295人・47都道府県の代表1人の計342人の過半数(172人)の賛成文書が必要だ。提出をめぐり各議員、派閥の間で様々な動きが報じられ、すでに内閣からも10人超が賛成を表明しており、総裁選が前倒しとなる可能性は高い。
総裁選前倒しは、通常であれば総裁のリコールとみなされ、現職総裁が出馬することはほぼない。ただし、自民党の党則で出馬が制限されているわけではなく、石破首相が再出馬する可能性も否定できない。また、前倒し選挙となった場合は、党員投票を行わない簡易方式か、党員票を含めた投票かで総裁選の行方が全く異なる。これらの状況次第で、金融市場も動意づくだろう。
仮に、財政規律を重視するとみなされてきた石破首相が出馬しない場合は、海外投資家を中心に超長期債売りや円売りに反応しやすいだろう。ただ、前回の自民党総裁選と異なるのは、ポスト石破となる議員の名前があまり挙がっていないこと。裏金や統一教会問題で世論の反感を買う議員の票を得られなければ、総裁選で勝つのは難しく、推薦人をめぐるジレンマに陥っている。次期総裁候補の政策が不透明なため、一方的に円を売り込むのが難しい。
経済指標では、ここ最近の市場の反応は鈍いが、7月毎月勤労統計調査の中で発表される実質賃金に注目したい。実質賃金は今年に入り6カ月連続でマイナスだが、7月もマイナス予想。賃上げはこの何年も物価上昇に追いつかず、自民党は参院選で「物価に負けない持続的な賃上げ」を掲げた。総裁選前倒しの可能性が高まる中、次期総裁候補が新たな物価対策を打ち出すのか、それとも物価高を上回る賃上げという非現実的な主張を繰り返すのかは、金融市場にとっては気になるところだ。
国外では、日本時間午前はトランプ米大統領をめぐる動向や、大統領の突発的に発せられるSNSでの発言にも要注意。トランプ大統領は昨日、連邦取引委員会(FTC)のスローター委員の解任を認めるよう最高裁判所に求めた。大統領による解任にもかかわらず、下級裁判所はスローター委員の復職を命じている。クックFRB理事の解任と同じく、正当な理由もなく民主党系要人を次々に解任する大統領の独裁的姿勢に、市場はFRBなど公的機関の独立性低下を懸念している。
大統領に関する様々な問題(クック理事解任、相互関税の権限、州兵派遣、大学助成金停止ほか)が法廷で争われているが、トランプ大統領にとってこれまで不利な判決が多い。最高裁判所判事はトランプ派が過半数を占めているものの、今後の行方はまったくの不透明で、米国の混乱がこのまま続く可能性が高いだろう。
日本の政局やトランプ大統領などに大きな動きが見えなかった場合は、アジア時間は凪相場になりやすそうだ。なお今週に入り、米国の雇用指標で上下を繰り返しているが、本日は大トリとなる8月雇用統計が発表される。これまで通りに「非農業部門雇用者数変化、失業率、平均時給」の結果も重要だが、先月大きく下方修正された前2カ月分の修正にも要注目。また、米労働省労働統計局(BLS)長官が、米国議会議事堂襲撃事件にも加わったトランプ大統領の熱狂的支持者のアントニー氏に代わったこともあり、指標が操作されるリスクにも留意しておきたい。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42910 +280 (+0.65%)
TOPIX先物 3101.0 +18.0 (+0.58%)
シカゴ日経平均先物 42880 +250
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
4日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。8月の米ISM非製造業総合景況指数は52.0と前月(50.1)から上昇し、市場予想を上回ったことで米景気が底堅さを保っているとの見方に向かわせた。8月のADP雇用統計は市場予想を下回ったほか、米新規失業保険申請件数が予想を上回るなど、雇用関連の弱い結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げへの期待が高まった。
S&P500業種別指数は小売、耐久消費財・アパレル、銀行が上昇した一方で、食品・飲料・タバコ、運輸、公益事業が弱い。NYダウ構成銘柄では、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、スリーエム<MMM>、アメリカン・エキスプレス<AXP>が買われた。半面、セールスフォース<CRM>、アムジェン<AMGN>、コカ・コーラ<KO>、ボーイング<BA>が軟調。
シカゴ日経平均先物の清算値は大阪比250円高の4万2880円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比変わらずの4万2630円で始まった。その後は日中の大幅上昇に対するロング解消の動きから4万2500円まで軟化する場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後にロングの動きが強まると一気に4万2800円台を回復した。買い一巡後は4万2830円~4万2880円辺りでの高値保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上抜けて4万2920円まで買われ、4万2910円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。前日の日中取引で600円を超える上昇で25日移動平均線(4万2260円)を上抜けたが、ナイトセッションで一段高となり、ボリンジャーバンドの+1σ(4万3240円)とのレンジに移行した。ナイトセッションでは4万2500円を割り込まなかったことで、オプション権利行使価格の4万2500円から4万3000円でのレンジが意識されそうである。
4万3000円は足もとで上値を抑えられていた水準であり、利益確定に伴うロング解消の動きも入りやすいだろう。5月下旬以降は+1σも抵抗線として機能していたこともあり、買い一巡後は膠着感が強まりそうである。ただし、前日の4万2000円割れ水準からの連日の上昇で4万3000円に接近することで、レバレッジ型ETFのヘッジ対応の動きが意識されてくる。
5日の米国では雇用統計の発表が予定されており、結果を見極めたいとする模様眺めムードも強まりそうだが、足もとでの雇用関連指標の弱い結果もあって、雇用統計についても弱い内容になるとみられる。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率が一段と高まる可能性があるだろう。
そのため、ショートカバーを誘う動きも意識されると考えられ、オプション権利行使価格の4万2500円から4万3500円でのレンジを想定する。
4日の米VIX指数は15.30(3日は16.35)に低下した。25日線(15.82)を割り込んできたことで、直近安値の14.12辺りが意識され、リスク選好に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.82倍に上昇した。一時13.84倍まで上げており、-1σ(13.75倍)を突破して中心値となる25日線(13.83倍)を捉えてきた。日経平均株価が4万3000円に接近する局面では、指数インパクトの大きい値がさ株の影響が大きくなりそうであり、相対的に日経平均型優位の流れになりそうである。25日線のほか75日線(13.85倍)を捉えてくるようだと、200日線(13.94倍)が射程に入ってくるだろう。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は350ドル高の45621ドルで取引を終えた。8月ADP民間部門雇用者数や新規失業保険申請件数が雇用の減速を示す結果となり、米長期金利が大きく低下。9月の利下げに対する期待が高まり、株式に資金が向かった。ドル円は足元148円40銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが250円高の42880円、ドル建てが265円高の42895円で取引を終えた。
米国株高を好感した買いが入ると予想する。米国の長期金利が一段と低下してきたことから、本日の米8月雇用統計を前にしては警戒よりも期待の方が高まりやすい。きのうの日経平均は大幅高となって節目の42000円や42500円を上回った。週前半は弱かったソフトバンクグループ<9984.T>も、きのうは大きく上昇している。地合いの改善が見込まれる中、高く始まり、場中もしっかりとした動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは42700-43100円。
日経225先物は11時30分時点、前日比280円高の4万2910円(+0.65%)前後で推移。寄り付きは4万2950円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2880円)を上回る形から、買い先行で始まった。ほどなくして4万3000円台を回復すると、現物の寄り付き直後には4万3230円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は中盤にかけて4万2860円まで上げ幅を縮め、その後は4万2860円から4万2950円辺りで推移している。
日経225先物は4万3000円を回復し、一気に4万3230円まで上げ幅を広げたが、ボリンジャーバンドの+1σ(4万3240円)水準まで上昇したことで、いったんは達成感が意識された形だろう。後場は膠着感が強まると考えられるものの、週足の+1σ(4万2570円)を上回って終えるのはほぼ確実であり、4万3000円近辺での底堅さをみせてくるようだと、引けにかけたショートカバーを誘う動きが意識されそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.87倍に上昇した13.85倍と25日移動平均線(13.83倍)を上回って始まり、75日線(13.85倍)も上抜けてきた。+1σ(13.91倍)に接近する局面ではリバランスが入りやすいだろうが、目先的にはNTロングに振れやすくなったようである。
昨日のドル円は、下値の堅い展開。東京時間は前日安値を下抜けたことから目先のSLを付ける動きとなると147.80円まで値を下げたものの、直ぐにも反転。欧州時間も暫く148.20円を挟んだもみ合いが続くなか148.41円まで買戻されました。NY時間に入ると8月ADP全米雇用報告が5.4万人と予想の6.5万人を下回る弱い数字となったことから148.07円まで下押す場面もみられましたが、下押しも極めて限定的。その後は8月米ISM非製造業指数が逆に予想を上回る強い結果となると148.78円まで買戻されました。ただ、引けにかけては148.45円まで下押ししています。
週末のアジア市場では、早朝に7月毎月勤労統計において、実質賃金が昨年12月以来のプラスを記録したことをきっかけに戻り売りが強まる展開に。ゴトー日ではあったものの、市場では「輸出の売りが目立った」との声も聞かれ148.08円まで値を下げました。ただ、午後に入ってからは148.21円まで買戻されるなど、神経質な動きが続いています。
いずれにしても、ドル円は目先、NY時間の安値148.07円や一目転換線の位置する147.90円付近を意識しつつ短期的なポジション調整が続いているわけですが、今朝方の実質賃金についても、昨年12月同様に、単にボーナス分がかさ上げしただけの可能性が高いわけで、方向性としては8月のNFPショック後のレンジを上抜けようとしている最中。
1カ月をかけて、9月FOMCでの利下げや、米労働市場の下方リスクを凡そ織込んだ上での動きであることを考えれば、結果的に、今夜の数字に対するリスクがどちらの方向にあるのかは言わずもがな。上サイドは、200日MAの位置する148.84円が大きな転換点として意識される動きとなりそうです。
本日のロンドン為替市場で欧州通貨は、複数の経済指標を確かめ、債券市場に目を向けながらの取引か。もっとも、欧州午後(日本時間21時30分)には今週のメインイベント・8月米雇用統計が発表されるため、対ドルでは一定のレンジ内に留まりそうだ。
経済指標は、ユーロ圏から7月独製造業新規受注、同月仏貿易収支や経常収支、4-6月期ユーロ圏GDP確定値、英国が7月小売売上高、スイスからは8月SECO消費者信頼感指数が発表予定。ユーロ圏GDPの前期比が予想通りにプラスを維持できるか、英小売売上高は前回から縮小見込みのプラス幅、SECO消費者信頼感指数が再び拡大傾向にあるマイナス幅などをチェックしておきたい。
ユーロについては、来週8日にフランス下院で行われるバイル内閣への信任投票への警戒感はくすぶったまま。不信任から財政改革の遅れが確実となれば、ユーロの上値は追いづらい。
ポンドは、今週前半に広がった英財政悪化への懸念が縮小していることが支え。リーブス英財務相が財政規則を守ると強調し、英債券市場は落ち着きを取り戻した。なお、英秋季予算案の公表は、予想されていたより遅い11月26日に決まった。
昨日明らかとなった8月スイス消費者物価指数(CPI)は、前月比0.1%低下と7カ月ぶりの低い水準を記録。もっとも市場は許容範囲内と見なし、今月下旬のスイス中銀会合では政策金利は現行0.00%で据え置きとの見方が優勢だ。
米雇用統計では、8月分の雇用者数も大切だが、7月分と6月分の改定値にも要注意。なお、米労働統計局(BLS)は来週前半、2025年3月まで1年間の雇用統計を修正する予定。下方修正が見込まれ、一部予想では最大95万人の減少もあり得るとされている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、1日高値1.1736ドル
・ポンドドル、1日高値1.3550ドル
・ドルスイスフラン、8月11日高値0.8132フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月27日安値1.1574ドル
・ポンドドル、3日安値1.3333ドル
・ドルスイスフラン、7月28日安値0.7945フラン
■各社予想 8月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +7.5万人
第一生命経済研究所 +8.6万人
ドイツ証券 +10.0万人
バークレイズ・キャピタル +7.5万人
BNPパリバ +9.0万人
HSBC +7.0万人
モルガン・スタンレー +7.0万人
市場コンセンサス +7.5万人
前回 +7.3万人
■各社予想 8月米失業率
JPモルガン 4.3%
第一生命経済研究所 4.3%
ドイツ証券 4.2%
バークレイズ・キャピタル 4.2%
BNPパリバ 4.2%
HSBC 4.3%
モルガン・スタンレー 4.2%
市場コンセンサス 4.3%
前回 4.2%
■各社予想 8月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.3%
バークレイズ・キャピタル +0.3%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.3%
モルガン・スタンレー +0.3%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.3%
■各社予想 8月米平均時給(前年比)
JPモルガン +3.7%
第一生命経済研究所 +3.8%
バークレイズ・キャピタル +3.7%
BNPパリバ +3.8%
HSBC +3.7%
市場コンセンサス +3.7%
前回 +3.9%
ドル円:1ドル=148.17円(前営業日NY終値比▲0.32円)
ユーロ円:1ユーロ=173.01円(△0.03円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1677ドル(△0.0028ドル)
日経平均株価:43018.75円(前営業日比△438.48円)
東証株価指数(TOPIX):3105.31(△25.14)
債券先物9月物:137.96円(△0.33円)
新発10年物国債利回り:1.570%(▲0.030%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 4.1% 3.1%・改
7月家計調査(消費支出)
前年同月比 1.4% 1.3%
8月外貨準備高
1兆3242億ドル 1兆3044億ドル
7月景気動向指数速報値
先行指数 105.9 105.1・改
一致指数 113.3 115.9・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小安い。7月毎月勤労統計調査で実質賃金が7カ月ぶりに上昇し、日銀が利上げに動きやすくなるとの思惑が広がったことを追い風に円買いが出た。昨日までの米長期金利低下で日米金利差縮小も意識され、11時過ぎには一時148.08円まで下押し。売り一巡後は148.20円前後でのもみ合いに転じた。
・ユーロドルは小高い。対円などでドル売りが進んだことに伴い、昨日高値の1.1669ドルを上抜けて1.1678ドルまで値を上げた。
・ユーロ円はもみ合い。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、前日終値を挟んだレンジ内の推移が続いた。
・日経平均株価は続伸。昨日の米国株式相場が上昇した流れを引き継いだ。トランプ米大統領が前日に関税引き下げに対する大統領令に署名したことを受けて、自動車関連株などに買いが向かい、指数は一時640円超上昇。もっとも、節目の4万3000円を上回る水準では利益確定目的の売りが観測され、その後は次第に伸び悩んだ。
・債券先物相場は続伸。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継ぐ形で買いが進み、一時137円98銭まで値を上げた。
中国人民銀行(人民銀行)は4日、5日の公開市場操作でアウトライト・リバースレポ(買い切り式リバースレポ)により1兆元を供給すると発表した。償還期間は3カ月。『経済通』によれば、5日に償還期限(3カ月)を迎える1兆元を継続する形になる。
9月にはさらに3000億元の6カ月物アウトライト・リバースレポ資金が償還される予定。中信証券のエコノミストは、人民銀による継続規模が3000億元を超え、資金の出入りが供給超過になると見込んでいる。
一方、人民銀が今週の公開市場操作で実施した7日物リバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)の規模は、『経済通』によると計1兆684億元だった。週内に償還期限を迎えた2兆2731億元との差し引きで市場から1兆2047億元が吸収され、1週間の吸収超過としては2カ月ぶりの大きさとなる。
「私が亡くなった場合、本が確実に出版されるようにしたい」
(故ヴァージニア・ジュフリー:1983年~2025年)
2025年10月21日、米出版社クノップフ社から故ヴァージニア・ジュフリーの回想録『Nobody’s Girl: A Memoir of Surviving Abuse and Fighting for Justice(誰のものでもない少女:虐待からの生還と正義のための闘いの回想録)』が出版される。クノップフ社によると、10代だった少女ヴァージニア・ジュフリーが富豪の小児性愛者ジェフリー・エプスタインと愛人のギレーヌ・マックスウェルの支配下で性奴隷として扱われた地獄の日々から抜け出そうともがく勇敢な女性の心の旅路を描く物語だという。
1. ギレーヌ・マックスウェル(1961年~)
ギレーヌ・マックスウェルの父親のメディア王で英議会議員だったロバート・マクスウェル(1923-1991年:ユダヤ人)は、1940年、ナチスから逃れて、チェコスロバキアから英国へ脱出した。英議会議員やメディア王に上り詰めたものの、1991年、カナリア諸島近海で大型ヨット上から転落して、大西洋上で水死体となって発見された。
ロバート・マクスウェルは1980年代後半に娘をジェフリー・エプスタインに紹介したらしい。マクスウェルは、2019年にエプスタインが再逮捕直後に自殺した翌年の2020年に逮捕され、未成年者誘拐、児童性的人身売買などで懲役20年の刑を受けて刑務所に収監されている。
2. 故ジェフリー・エプスタイン(1953年~2019年)
欧州からの移民であったユダヤ人の両親の下に生まれたエプスタインは、親族の多くがホロコーストの犠牲者だったらしい。
エプスタインは、プライベートジェット機(通称「ロリータ・エクスプレス」)で、顧客達意をエプスタイン島(通称「ペドフィリア島」)へ招待していた。
クリントン第42代米大統領は26回の搭乗記録が確認されているが、クリントン氏は4回と主張している。
ジェット機の搭乗者記録や島への来訪者記録が、「エプスタインリスト」と呼ばれており、MAGA(アメリカを再び偉大に)派がトランプ米大統領に、大統領選挙公約通りに公開することを要求している。
トランプ米大統領は、不動産王だった頃の2002年の雑誌インタビューで「ジェフとは15年来の付き合いだ。一緒にいてすごく楽しい奴だ。私と同じくらい美しい女性が大好きでね」と答えていた。FBIメモによると、被害者数は約1000名とのことである。
2008年、性犯罪への懲罰が厳しいフロリダ州で、エプスタインは未成年を性的虐待目的で調達していたことから終身刑もあり得たが、13カ月で出所している。
顧客リストにイギリス王室のアンドルー王子の名前があったため、ブッシュ第43代米大統領が圧力をかけたらしい。
2019年、性的人身売買の容疑でニューヨーク州で再逮捕をされたが、収監されていた独房で死亡しているのを発見された。
3. 故ヴァージニア・ジュフリー(1983年~2025年)
彼女は、7歳の時に家族の友人から性的虐待を受けたことで12歳で家出して、14歳の時には路上生活を始めた。そして、フロリダ州にあるトランプ氏の「マー・ア・ラゴ」のホテルのロッカールーム係としての職を得たが、16歳の時にトランプ氏の友人エプスタインの恋人としてマールアラーゴに出入りしていたギレーヌ・マクスウェルに出会い、エプスタインに引き合わされて性的虐待を受けた。
2019年11月にBBCに出演し、17歳の時に、エプスタインを介してイギリス王室のアンドルー王子に3回にわたって性行為を強制されたとイギリス国民に広く訴えた。王子は2019年11月20日に公務を停止し、王子が関係していた組織や慈善団体は多くが彼との関係を解消した。
大阪9月限
日経225先物 43070 +440 (+1.03%)
TOPIX先物 3109.5 +26.5 (+0.85%)
日経225先物(9月限)は前日比440円高の4万3070円で取引を終了。寄り付きは4万2950円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2880円)を上回る形から、買い先行で始まった。ほどなくして4万3000円台を回復すると、現物の寄り付き直後には4万3230円まで買われる場面もみられた。
買い一巡後は前場中盤にかけて4万2860円まで上げ幅を縮め、その後は4万2860円から4万3020円辺りで推移。後場中盤にはレンジを下抜けて4万2780円まで下押す場面もみられたが、終盤にかけてショートカバーが強まり4万3070円で終えた。
日経225先物は4万3000円を回復し、一気に4万3230円まで上げ幅を広げたが、ボリンジャーバンドの+1σ(4万3240円)水準まで上昇したことで、いったんは達成感が意識された形だろう。後場は膠着感が強まるなかで4万2780円まで上げ幅を縮めたが、下へのバイアスは強まらず、引けにかけてショートカバーを誘う動きになり、終値で4万3000円を回復した。
8月下旬以降は+1σと中心値の25日移動平均線によるレンジ内で推移している。今週は3日に4万1690円まで売られ25日線を割り込んだものの、翌日には同線を回復し、週末にはレンジ上限の+1σを捉える形だった。
目先的には4万3000円処での底固めから、+1σ突破を見極めることになりそうだ。そのきっかけになりそうな材料は、5日に発表される米雇用統計を受けた米国市場の反応であろう。足もとでは弱い雇用関連指標の発表が続くが、市場の反応としては9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待を高める要因につながっている。
米雇用統計を受けて利下げ期待が高まるようだと、ナイトセッションで+1σを突破してくる可能性はありそうだ。一方で、引き続き+1σが抵抗として機能する状況が続くと、来週の経済指標の結果を確認しながらの相場展開が続きそうである。ただ、+1σを明確に上抜けてきた場面でのショートカバーの動きは強いと考えられ、スタンスとしては押し目狙いのロング対応となろう。
NT倍率は先物中心限月で13.85倍に上昇した。13.85倍と25日線(13.83倍)を上回って始まり、一時13.90倍まで上昇し、75日線(13.85倍)も上抜けてきた。+1σ(13.91倍)に接近してきたことでリバランスが入ったとみられるが、25日、75日線辺りで底堅さがみられる局面では、NTロングに振れやすくなりそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0588枚、ソシエテジェネラル証券が1万5167枚、JPモルガン証券が3016枚、サスケハナ・ホンコンが2567枚、バークレイズ証券が2555枚、ゴールドマン証券が1729枚、モルガンMUFG証券が1489枚、ビーオブエー証券が1306枚、日産証券が1233枚、野村証券が1047枚だった。
TOPIX先物はソシエテジェネラル証券が2万7964枚、ABNクリアリン証券が2万4211枚、モルガンMUFG証券が8472枚、JPモルガン証券が7060枚、野村証券が6965枚、ゴールドマン証券が5816枚、バークレイズ証券が5710枚、BNPパリバ証券が5453枚、みずほ証券が3638枚、ビーオブエー証券が2376枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、8月米雇用統計次第の展開となるが、7月同様に予想を下回るネガティブサプライズに警戒しておきたい。
また本日からは、ベッセント米財務長官が次期FRB議長候補への面接を開始する、と報じられており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
8月米雇用統計の予想は、失業率が4.3%で7月の4.2%から上昇、非農業部門雇用者数が前月比+7.5万人で、7月の同比+7.3万人からは増加が見込まれている。
7月の連邦公開市場委員会(FOMC)での労働市場に関する判断の根拠の1つとなっていた数値は、3カ月平均で15万人という水準だった。
しかし、トランプ米政権による不法移民の強制送還や移民制限の強化により、雇用の均衡値が10万人以下となる「新常態(ニューノーマル)」になっていると解釈する当局者もいる。ちなみに、今年1-7月の月平均は、前月比+8.5万人となっている。
また、来週9日には、米労働統計局から昨年8月21日に公表されていた年次ベンチマーク改定の速報値が発表されるため、9月16-17日のFOMCに向けて予断を許さない状況が続くことになる。昨年は、2023年4月から2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されていた。
パウエルFRB議長がジャクソンホール会合での講演で、2つの責務の内、「物価の安定」から「雇用の最大化」に軸足を移して、9月FOMCでの利下げの可能性に言及したことで、米国の雇用関連指標を見極めていくことになる。
米国8月の雇用関連指標は以下の通り、やや悪化している。
【8月】 【7月】(〇改善・●悪化)
【改善】
〇失業保険継続受給者数(8/12週):186.4万人 194.6万人
〇ISM非製造業雇用指数:46.5 46.4
〇ISM製造業雇用指数: 43.8 43.4
【悪化】
●ADP全国雇用者数:+5.4万人 +10.6万人
●消費者信頼感指数(雇用):9.7% 11.0%(※職が十分-雇用が困難)
●チャレンジャー人員削減予定数:8万5979人 6万2075人
●新規失業保険申請件数(8/12週):23.4万件 22.1万件
●シカゴ購買部協会雇用指数:(悪化傾向)
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、149.14円(9/3高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、147.60円(日足一目均衡表・雲の上限)
今晩は8月雇用統計に注目。昨日は労働市場の悪化で利下げ期待が強まった一方、サービス業の景況感が改善し、景気減速懸念が和らいだ。米10年債利回りが低下したことやアマゾン・ドット・コムが大幅高となったことも追い風となり主要3指数がそろって上昇した。ダウ平均は350.06ドル高(+0.77%)と4日ぶりに反発し、S&P500とナスダック総合はそれぞれ0.83%高、0.98%高と2日続伸。S&P500は8月28日以来、4営業日ぶりに終値の最高値を更新した。
今晩の取引では9月16-17日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しを巡り、労働省が発表する8月雇用統計に注目が集まる。今週発表された7月JOLTS求人件数や8月ADP民間部門雇用者数、新規失業保険申請件数が軒並み予想より悪化したことで、市場では9月FOMCでの利下げ期待が高まった。今晩の8月雇用統計でも労働市場の悪化を示す結果となれば、利下げ期待の高まりが引き続き相場の支援となることが期待される。ただ、極端に弱い結果となれば、景気悪化懸念が強まることにも要警戒となる。8月雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数(NFP)が7.5万人増(前回:7.3万人増)、失業率が4.3%(同:4.2%)、平均賃金が前月比+0.3%(同:0.3%)、前年比+3.7%(同:3.9%)。
今晩の米経済指標・イベントは8月雇用統計。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は大幅続伸。買い一巡後は伸び悩む動きとなったが、寄り付きで開けた下のマドを埋め戻すことなく底堅い展開となった。前日の5日移動平均線(42407円 9/5)上への浮上から買いが続き、43000円台を回復して取引を終えた。
RSI(9日)は前日の49.0%→53.4%(9/5)に上昇。来週初も上昇しやすいタイミングとなる。一目均衡表の基準線(41863円 同)からの切り返しが続いたことや、終値ベースで8/28高値を上回った。RSIが50%を超えてきたことから、史上最高値更新に向けて騰勢を強められるかが注目ポイントとなる。
上値メドは、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円や44500円、45000円などがある。下値メドは、25日移動平均線(42321円 同)、基準線、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円や40500円などがある。
(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.27円(5日15時時点比▲0.90円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.69円(▲0.32円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1726ドル(△0.0049ドル)
FTSE100種総合株価指数:9208.21(前営業日比▲8.66)
ドイツ株式指数(DAX):23596.98(▲173.35)
10年物英国債利回り:4.646%(▲0.075%)
10年物独国債利回り:2.662%(▲0.057%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月独製造業新規受注
(前月比) ▲2.9% ▲0.2%・改
(前年比) ▲3.4% 1.7%・改
7月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) 0.6% 0.3%・改
(前年比) 1.1% 0.9%・改
7月英小売売上高(自動車燃料除く)
(前月比) 0.5% 0.6%
(前年比) 1.3% 1.3%・改
7月仏貿易収支
55.58億ユーロの赤字 71.59億ユーロの赤字・改
7月仏経常収支
25億ユーロの赤字 23億ユーロの赤字・改
8月スイスSECO消費者信頼感指数
▲39.9 ▲32.8
4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値
(前期比) 0.1% 0.1%
(前年同期比) 1.5% 1.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下落。米重要指標の発表を控えてしばらくは148円台前半でのもみ合いが続いていたが、米労働省が発表した8月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比2.2万人増と予想の7.5万人増を下回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が大幅な利下げに動くとの見方が強まり、幅広い通貨に対してドル安が進んだ。米長期金利の指標となる10年債利回りが一時4.0609%前後と約5カ月ぶりの低水準を付けたことも相場の重しとなり、1時前に146.82円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後はじりじりと買い戻しが入り、147.32円付近まで下げ渋った。週末を控えたポジション調整目的の買いが入ったほか、1日の安値146.79円が目先サポートとして意識された面があった。
・ユーロドルは強含み。米雇用者数の下振れをきっかけに全般ドル売りが優勢になると、一時1.1760ドルと7月28日以来の高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時97.43まで低下した。市場では「低調な米雇用統計は今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げをほぼ決定づけた」との声が聞かれた。
ただ、NY午後に入ると伸び悩んだ。週末を控えたポジション調整目的の売りが出て1.17ドル台前半まで下押しした。
・ユーロ円は頭が重かった。21時過ぎに一時173.27円と本日高値を付けたものの、ドル円の下落をきっかけに円買い・ユーロ売りが優勢になると172.49円の本日安値まで値を下げた。高く始まった米国株相場が失速したことも相場の重し。
もっとも、前日の安値172.46円が目先サポートとして働くと下げ渋った。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。米利下げ観測の高まりを背景に投資家のリスク志向が改善すると買いが先行した。ただ、引けにかけては米国株の失速などが相場の重しとなり、下げに転じた。原油先物相場の下落を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど金融株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。米利下げ観測の高まりを背景に投資家のリスク志向が改善すると買いが先行したものの、終盤失速した。高く始まった米国株が下げに転じたことなどが相場の重し。個別ではSAP(2.12%安)やMTUエアロ・エンジンズ(1.87%安)、シーメンス(1.76%安)など下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.43円(前営業日比▲1.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.74円(▲0.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1717ドル(△0.0068ドル)
ダウ工業株30種平均:45400.86ドル(▲220.43ドル)
ナスダック総合株価指数:21700.39(▲7.30)
10年物米国債利回り:4.07%(▲0.09%)
WTI原油先物10月限:1バレル=61.87ドル(▲1.61ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3653.3ドル(△46.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米雇用統計
失業率 4.3% 4.2%
非農業部門雇用者数変化
2.2万人 7.9万人・改
平均時給
(前月比) 0.3% 0.3%
(前年比) 3.7% 3.9%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米労働省が発表した8月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比2.2万人増と予想の7.5万人増を下回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が大幅な利下げに動くとの見方が強まり、幅広い通貨に対してドル安が進んだ。米長期金利の指標となる10年債利回りが一時4.0609%前後と約5カ月ぶりの低水準を付けたことも相場の重しとなり、1時前に146.82円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は下げ渋った。週末を控えたポジション調整目的の買いが入ったほか、1日の安値146.79円が目先サポートとして意識された面もあり、5時過ぎに147.50円付近まで下げ幅を縮めた。
・ユーロドルは反発。米雇用者数の下振れをきっかけに全般ドル売りが優勢になると、一時1.1760ドルと7月28日以来の高値を更新した。市場では「低調な米雇用統計は今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げをほぼ決定づけた」「インフレ率は2%の目標を上回る状況ではあるものの、FRBは物価安定に関する責務よりも労働市場の安定を優先する公算が大きい」との声が聞かれた。
ただ、NY午後に入ると伸び悩んだ。週末を控えたポジション調整目的の売りが出て1.1713ドル付近まで下押しした。
・カナダドルは下落した。カナダ統計局が発表した8月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が6.55万人減と予想の1.00万人増を大幅に下回り、失業率が7.1%と予想の7.0%より弱い内容となったことを受けた。米ドルカナダドルは一時1.3854カナダドル、ユーロカナダドルは1.6257カナダドル、カナダドル円は106.17円までカナダドル安に振れた。
・ユーロ円は小反落。21時過ぎに一時173.27円と本日高値を付けたものの、ドル円の下落をきっかけに円買い・ユーロ売りが優勢になると172.49円の本日安値まで値を下げた。高く始まった米国株相場が失速したことも相場の重し。
もっとも、前日の安値172.46円が目先サポートとして働くと下げ渋った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。8月米雇用統計の結果を受けて、FRBが大幅な利下げに動くとの見方が強まると買いが先行した。ただ、そのあとは米景気悪化への懸念が強まり、次第に売りが広がった。指数は一時400ドル超下落する場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに小反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。8月米雇用統計の結果を受けて、FRBが大幅な利下げに動くとの見方が強まると買いが優勢となった。利回りは一時4.0609%前後と4月7日以来約5カ月ぶりの低水準を付けた。
・原油先物相場は3日続落。弱い8月米雇用統計を受け、需給の先行きが不安視されて原油は売りが先行した。7日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)プラスの会合での追加増産観測も相場の重しとなった。
・金先物相場は反発。8月米雇用統計を受けて米利下げ観測が強まる中、米長期金利が低下して金利を生まない金の投資妙味が増したことから、買いが入った。中心限月の清算値ベースで最高値を更新した。
米メディアはハセット米国家経済会議(NEC)委員長が「米雇用者数、7万人近く上方修正されるだろう」と述べたと報じたものの、この発言は過去の調査に基づく発言であると訂正した。
5日05:29 米ホワイトハウス
「トランプ大統領は日米貿易合意を実行する大統領令に署名」
5日08:26 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「労働市場は弱まりつつあり、インフレは上昇している可能性がある」
「不確実性が続くため、しばらく様子を見たい」
6日02:50
「9月の金利決定についてはまだ決めていない」
「FRBの責務であるインフレ対策にも目を向ける必要がある」
5日08:34 トランプ米大統領
「1年後には素晴らしい雇用統計が出ると期待している」
「米国に来ない半導体企業には近いうちに大きな関税を課す予定」
「中国は我々を模倣することはできるが、我々のようにイノベーションを起こすことはできない」
「中国とロシアの同盟については全く心配していない」
5日23:20
「パウエルFRB議長はずっと前に金利を引き下げるべきだった」
5日16:42 石破首相
「(進退について)政府として国民に対し果たすべき責任を果たす」
「今秋に経済政策を策定する」
5日20:59 ラトニック米商務長官
「トランプ米大統領は日本からの5500億ドルの対米投資を自由に使える」
6日01:01 ベッセント米財務長官
「FRBは米国民の信頼維持に改めて尽力しなければならない」
「米経済の将来と安定を守るために、FRBは独立機関としての信頼性を再構築する必要」
「トランプ政権が減税と規制緩和に舵を切った際、FRBの予測は悲観的過ぎた」
「将来を見据え、FRBは経済にもたらす歪みを縮小する必要がある」
※時間は日本時間
8日
○08:50 ☆ 4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値
○08:50 ◎ 7月国際収支速報
○14:00 ◇ 8月景気ウオッチャー調査
9日
○08:50 ◇ 8月マネーストックM2
11日
○08:50 ◇ 7-9月期法人企業景気予測調査
○08:50 ◇ 8月企業物価指数
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
12日
○13:30 ◇ 7月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 7月設備稼働率
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
7日
○石油輸出国機構(OPEC)プラス会合
8日
○未定 ◎ 8月中国貿易収支
○15:00 ◎ 7月独鉱工業生産
○15:00 ◇ 7月独貿易収支
○9日01:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日04:00 ◇ 7月米消費者信用残高
9日
○07:45 ◇ 4-6月期ニュージーランド(NZ)製造業売上高
○08:01 ◇ 8月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◇ 9月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:30 ◇ 8月豪NAB企業景況感指数
○15:45 ◇ 7月仏鉱工業生産
○18:30 ◎ 4-6月期南アフリカ国内総生産(GDP)
○20:30 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○21:00 ◎ 8月メキシコCPI
○10日00:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○10日00:15 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○10日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
○10:30 ◎ 8月中国消費者物価指数(CPI)
○10:30 ◎ 8月中国生産者物価指数(PPI)
○15:00 ◎ 8月ノルウェーCPI
○16:00 ◇ 7月トルコ鉱工業生産
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 8月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○21:30 ◎ 8月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○23:00 ◇ 7月米卸売売上高
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○11日01:00 ◎ 8月ロシアCPI
○11日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
11日
○08:01 ◇ 8月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○18:00 ◎ 4-6月期南アフリカ経常収支
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表
○21:00 ◎ 7月ブラジル小売売上高
○21:00 ◇ 7月メキシコ鉱工業生産
○21:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表
○21:30 ☆ 8月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○21:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○12日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○12日03:00 ◎ 8月米月次財政収支
12日
○15:00 ◎ 8月独CPI改定値
○15:00 ☆ 7月英GDP
○15:00 ◎ 7月英鉱工業生産/製造業生産高
○15:00 ◇ 7月英商品貿易収支/英貿易収支
○15:45 ◇ 8月仏CPI改定値
○17:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○17:15 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○21:30 ◇ 7月カナダ住宅建設許可件数
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ設備稼働率
○23:00 ◎ 9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、RBA総裁は利下げ幅が限られる可能性を示唆
◆豪ドル、日米の材料に注目
◆ZAR、来週以降に重要イベント相次ぐ
予想レンジ
豪ドル円 94.00-98.00円
南ア・ランド円 8.20-8.50円
9月8日週の展望
豪ドルは荒い値動きに警戒が必要となりそうだ。今週発表された4-6月期の豪国内総生産(GDP)は市場予想を上回る強い結果となり、その後に豪準備銀行(RBA)のブロック総裁はRBAの予測よりも消費支出が回復しているとして、「この状況が続けば今後の利下げは限られるかもしれない」との見解を示した。金利先物市場では年内のRBAの利下げはあと1回程度と想定されており、豪金利先安観が後退しつつあることは豪ドルの支えとなるだろう。
もっとも、来週については9月ウエストパック消費者信頼感指数や8月NAB企業景況感指数の発表が予定されている程度で相場への影響は限定的となる見込み。対して日本では8日に自民党の臨時総裁選が実施されるか否かの結果が明らかになるほか、11日には米国で8月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されているため、目先的には豪ドルもドル相場や円相場の動向に振らされやすい。特に自民党の臨時総裁選が開催されることが決まった場合、政局の不透明感から円売りが進む可能性が高く、週明けの為替市場には警戒しておく必要があるだろう。
一方で、テクニカル面では対円を中心に下押しリスクに警戒が必要となる。豪ドル円などオセアニアのクロス円は先月後半から調整らしい調整を挟まないまま上昇が続いており、豪ドル円は7月15日につけた直近高値97.43円手前で今週に上値の重さを確認したことも含めて、調整売りが進みやすい局面にあることは頭に入れておきたい。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開となりそうだ。来週は9日に4-6月期国内総生産(GDP)、11日に4-6月期経常収支が予定されているほか、翌週には8月CPIや南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策などの重要イベントも控えている。ZAR相場は足もとで対ドル・対円ともに方向感の乏しい動きとなっていたが、来週以降は値幅を伴った動きを見せる可能性があるだろう。豪ドルと同様に自民党総裁選実施の有無、米国のCPIなどを確認しつつ、ZAR相場の方向性を見極めたいところだ。
なお、今週発表された8月のABSA製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.5と前月の50.8から低下し、好不況の分水嶺である50.0を再び下回った。米国による関税の影響や、今後の影響がより大きくなる可能性があることなどが指摘されている。米関税政策によるZAR相場への影響はここまで限られているものの、南アの実体経済に与える影響についても改めて注意する必要がありそうだ。
9月1日週の回顧
豪ドルは対円で週明けから買いが進み、一時97.30円まで上昇するもその後は買い一服となった。対ドルでは0.65ドル台を中心に上下したものの、方向感なく推移。ZARも対ドルでは17.50-80ZAR台のレンジ内でもみ合い。対円では3日に8.44円まで上昇したが、8月25日につけた直近高値8.45円には届かず、その後は伸び悩んだ。
◆ポンド、英財政赤字を巡り英債の動きに注目
◆ポンド、翌週に8月雇用・物価データや金利発表控え様子見
◆加ドル、翌週に日米加で政策金利発表控え思惑的な動きに注意
予想レンジ
ポンド円 197.00-201.50円
加ドル円 105.50-108.50円
9月8日週の展望
今週は英長期債利回りが急上昇し、英財政悪化への懸念が再燃したことでポンドの売りが強まった。英財政問題は常に懸念材料となっているが、これからも秋の秋季予算案までしばしばポンド売りの手がかりとして浮上してくる可能性がある。
スターマー英首相は今週、リーブス財務相の下で財務次官を務めたジョーンズ氏を日常業務を統括する「首相首席秘書」に任命するなど、官邸の大幅な人事異動を行うと発表した。市場は、労働党の支持率も急落する中で政府を立て直し、経済政策への影響力を強める狙いがあり、経済専門家を集め秋の予算に備えているとの見方が広がった。ただ債券市場では、英30年債利回りは一時5.7%台と1998年以来の高水準となった。英国の30年債利回りは先進7カ国(G7)の中で最も高い。これは英国の高いインフレ率や多額の借り入れ、経済成長の鈍化に対する懸念を反映している。リーブス英財務相は財政目標の達成軌道を維持するために秋の予算で増税を行うと見込まれており、経済成長の加速を一段と難しくする可能性が警戒されている。
来週は英財政不安を背景とした英国売りを警戒しつつも、翌週の16日に5-7月雇用・賃金データ、17日に8月消費者物価指数(CPI)、18日にイングランド銀行(英中銀、BOE)の政策金利発表など注目イベントを控え、ポンドは様子見ムードが広がりそうだ。インフレがBOEの予想以上に強く、市場では年末までに利下げを見送るとの見方が高まりつつある。
来週、カナダ国内で予定されているのは7月建設許可件数程度と、加ドルの動意につながりそうな指標やイベントは見当たらない。翌週にカナダ中銀(BOC)の政策金利発表を控え思惑的な動きに注意したい。その同じ週には日米でも政策金利の発表が予定されており、大きな方向感は出ず様子見ムードが広がりそうだ。
BOCの7月会合では3会合連続で政策金利を2.75%に据え置くことが決定された。この会合では「米国の関税によって経済の勢いが弱まり、物価圧力が抑制されている場合は利下げが可能だ」との見解が示された。一方、一部の委員からは「政策金利をいわゆる中立金利レンジの中心まで引き下げたことで、既に景気を支えるためにできることはやり尽くした」との考えも明らかになった。トランプ関税の影響が依然として不透明で、9月会合で政策金利の据え置きと利下げに見方が分かれているが、7月会合後に発表された7月の雇用統計・CPIは予想を下回り、5日発表の8月雇用データが弱い結果となれば、9月会合で利下げに踏み切る可能性が高まりそうだ。
9月1日週の回顧
ポンドは上値の重い動き。英財政赤字への懸念が再燃し、ポンドドルは一時1.33ドル前半まで急落したが、ポンド円はドル円の底堅い動きを支えに198円前半で下げ渋った。加ドルは今週も値動きが鈍く、ドル/加ドルは1.38加ドルを挟んでの狭いレンジ内で上下した。加ドル円は小動きながら約1カ月ぶりの108円台を回復するなど下値の堅い動きとなった。
◆ドル円、米CPIに市場の注目が集まる
◆8日の自民党総裁選実施の可否判断にも注意
◆ユーロドル、仏内閣信任投票に警戒で上値重い
予想レンジ
ドル円 146.00-151.00円
ユーロドル 1.1400-1.1800ドル
9月8日週の展望
ドル円は、週末の8月米雇用統計を受けた動きが継続することになるだろう。ただ、11日には8月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、結果次第でそれまでの動きとは一変する可能性があることには警戒したい。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%利下げが完全に織り込まれているが、10月以降の利下げ観測にどう影響を与えるかを見極める必要があるだろう。なお、それ以外の指標としては10日に8月卸売物価指数(PPI)、12日に9月ミシガン大消費者態度指数速報値が発表される。
また、自民党総裁選の行方にも気を付けたいところだ。森山幹事長をはじめ、党四役が辞意を表明したことで石破首相の退陣期待が高まるなか、8日には総裁選実施の意思確認が行われる。党国会議員と都道府県連代表合わせて342人の過半数である172人が前倒しを要求すれば、臨時の総裁選が実施されることになる。締め切られる8日午後3時以降のヘッドラインニュースには警戒が必要だろう。ただ、次期総裁については現時点で不明であり、実施が決定したとしても日本の政局不安が完全に払しょくされるわけではない。
日銀の利上げ観測については、ジャクソンホールでの植田日銀総裁による「賃金の上昇圧力続く」との発言で高まっていたが、氷見野副総裁が利上げに慎重な姿勢を示したことでいったん利上げへの期待感は落ち着いている。来週は今のところ要人発言の予定はないが、観測記事などには警戒をしておきたい。
ユーロドルは、上値の重い動きとなりそうだ。8日にフランスではバイル内閣の信任投票が行われるが、予想では与党が過半数を獲得する可能性は著しく低く、議会解散・総選挙という流れになることが見込まれる。ただ、財政緊縮に反対する野党が後の総選挙で勝利すれば仏の財政悪化懸念は一段と高まり、ユーロ売りの潜在的な材料となる可能性が高い。また、11日には欧州中央銀行(ECB)の政策発表が行われる。現状では前回7月に続き、政策金利の据え置きが見込まれており、ラガルドECB総裁が会見で慎重な姿勢を維持するかどうかに注目が集まる。
9月1日週の回顧
ドル円は堅調。週明けから月初の実需買いが観測されたほか、氷見野日銀副総裁の発言も買いを促した。日本の政局不安を背景とした円安が進むと一時149.14円と8月1日以来の高値を付けた。その後は7月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が弱い内容となったため、147円台後半まで伸び悩んだが、下値は限られた。
ユーロドルは仏政局不安から欧州長期金利が上昇したことをきっかけに売りが優勢に。週半ばには一時1.1608ドルまで下落する場面も見られた。
5日の日経平均は大幅続伸。終値は438円高の43018円。米長期金利の低下や米国株高を好感して、寄り付きから400円を超える上昇。開始早々に43000円を上回り、43200円台まで駆け上がった。600円超上昇したところで買いは一巡し、9時台半ば辺りからは上げ幅を縮める流れがしばらく続いた。しかし、後場に入って42700円台に入ったところで盛り返すと、終盤にかけては改めて上を試しにいく展開。終値で43000円を上回った。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5500億円。業種別では精密機器、鉄鋼、ゴム製品などが上昇した一方、空運、石油・石炭、倉庫・運輸などが下落した。証券会社が目標株価を引き上げた住友ファーマ<4506.T>が急騰。半面、1Qが大幅な営業減益となったロック・フィールド<2910.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1087/値下がり469。レーザーテックやアドバンテストなど半導体株の一角が大幅上昇。売買代金上位銘柄では、ニデック、古河電工、良品計画などの動きが良かった。キオクシアが商いを伴って16.7%高と急騰。証券会社のリポートを材料にユニプレスやエクセディが買われたほか、上期の見通しを引き上げたミライアルが急伸した。
一方、サンリオが2%を超える下落。任天堂、ソニーG、コナミG、バンナムなどゲーム株に下落銘柄が多かった。大成建設や鹿島など建設株が全般軟調。ユーロ円建てCBを発行すると発表したAZ-COM丸和が急落した。大阪チタニウムなど直近で急騰した銘柄が値を崩しており、日本ヒュームはストップ安となった。
日経平均は大幅高。水曜に42000円を割り込んだが、金曜には43000円を上回った。場中にいったん萎んだにもかかわらず、後場に43000円に向けて上げ幅を広げた動きは強い。序盤では上に値幅が出た割にプライムでは値下がり銘柄が多かったが、終わってみれば値上がり銘柄が1000を超えている。
今週はソフトバンクGやアドバンテストに翻弄されたが、来週も日本株が翌週の中銀イベントを前に様子見かつ薄商いとなった場合には、これらの銘柄に値幅を求めた資金が向かう可能性がある。イベント待ちの中で指数寄与度の大きい銘柄の振れ幅が大きくなった場合、日経平均は無駄に値幅が出ることも想定される。上げに浮かれず下げに怯えずのスタンスで、落ち着いた行動を心がけたい。
【来週の見通し】
不安定か。翌週を見渡すと月曜15日が敬老の日により休場で、16~17日にFOMC、18~19日に日銀金融政策決定会合が開催される。三連休や中央銀行イベントを前に、全体的には売買手控えムードが強まると思われる。11日の米8月消費者物価指数の注目度が高く、この日に欧州ではECB理事会も開催されるが、これらを東京市場で消化するのは金曜12日。週初に米8月雇用統計の結果を消化した後は、金曜まで様子見姿勢が強まりそう。米CPIが弱い結果となれば9月利下げの確度は高まるが、現時点でも織り込みは相当程度進んでいる。米国が利下げ期待から堅調に推移すればその恩恵は受けるとみるが、不穏な動きが出てくればリスク回避や利益確定目的の売りは出やすく、週を通して強弱感が交錯し続けると予想する。
今週の日経225先物は、石破首相の辞意表明を受けて政治的な不確実性が高まる中、米利下げ期待が押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
自民党は8日に総裁選前倒しの是非を決める予定だったが、7日夕方に石破首相が辞意を表明したことで、次期総裁が決まるまでの政治空白への懸念もしくは次期政権に対する期待が高まるかなど市場反応によって、短期的に大きく振らされる可能性がある。
米国では8月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比2万2000人増だった。市場予想(7万5000人増程度)を大きく下回ったことで、労働市場の悪化傾向への懸念が強まった。ただし、足もとで弱い結果の雇用関連指標の発表が相次いでいたこともあり、雇用統計が予想に届かない事態はある程度想定されていたことでもあろう。
米雇用統計の結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利下げに踏み切る可能性が強まったと考えられる。米国の利下げが確実視されるなかで、株式市場ではショートを仕掛けにくくさせよう。今週は10日に米生産者物価指数(PPI)、11日に消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。
先週の日経225先物は3日に4万1690円まで売られる場面もみられたが、その後はリバウンド基調が強まり、5日には4万3230円まで買われた。一時的には割り込んだものの、概ね25日移動平均線とボリンジャーバンドの+1σによるレンジ推移を継続するなかで、+1σを捉えてきた。5日の取引終了後のナイトセッションでは+1σに上値を抑えられる形で下落し、一時4万2590円まで売られる場面もあったが、売り一巡後は終盤にかけてショートカバーの動きがみられ4万2870円で終えた。
25日線と+1σとのレンジを継続するなかでポジションを傾けにくいところであるが、週足では+1σを上回って終えており、+1σと+2σとのレンジを継続。ナイトセッションで下げているが、+1σ(4万2820円)を上回っている。上向きで推移するバンドに沿ったトレンドを形成しており、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
そのため、オプション権利行使価格の4万2500円から4万3500円のレンジを想定。まずは、4万3000円を固める動きをみせてくるかを見極めたい。4万3000円を固めれば、+1σ(4万3290円)突破が意識されてくるとみられる。+1σを突破してくると、+2σ(4万4170円)とのレンジに移行する。
8月21日以降、+1σが抵抗線として機能していたことで、同バンドではショートが積み上がっているとみられ、明確に上抜けてくる局面ではショートカバーが強まりそうだ。
5日の米VIX指数は15.18(4日は15.30)に低下した。週間(8月29日は15.36)でも低下となった。米連邦巡回区控訴裁判所は8月29日、トランプ米政権の相互関税などを憲法違反とした一審判決を支持。違憲となれば米政府が得る関税の歳入が減るとの懸念から2日には一時19.38まで急伸し、200日線(19.17)を上抜けた。ただし、その後は落ち着き、週末には14.74まで下げる場面もみられた。再び直近の安値水準まで下げてきたことで、リスク選好に傾きそうだ。
先週のNT倍率は先物中心限月で13.85倍(4日は13.82倍)に上昇した。週間(29日は13.89倍)では下落した。週初に25日、75日線を割り込んで始まると、3日には一時13.66倍まで下げる場面もみられた。アドバンテスト<6857.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の弱い値動きが日経平均型の重荷になった一方で、バフェット銘柄とされる三菱商事<8058.T>[東証P]など商社株が軒並み買われ、相対的にTOPIX型が優位となった。ただ、週後半にハイテク株やAI関連株を買い戻す動きが強まったことでNTロングに向かわせたようである。4万3000円を固める動きとなる局面では、NTロングでのスプレッド狙いとなろう。
8月第4週(8月25日-29日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりの売り越しであり、売り越し額は6352億円(8月第3週は330億円の買い越し)だった。なお、現物は3031億円の売り越し(同1988億円の売り越し)と2週連続の売り越し。先物は3321億円の売り越し(同2319億円の買い越し)と4週ぶりの売り越しだった。個人は現物と先物の合算で5087億円の買い越しと2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で3461億円の売り越しとなり、9週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、9月8日に4-6月期GDP改定値、8月景気ウォッチャー調査、米国7月消費者信用残高、中国8月貿易収支、フランスで内閣信任投票実施、9日に米アップル製品発表イベント、10日に中国8月消費者物価指数、中国8月生産者物価指数、米国8月生産者物価指数、11日に7-9月期法人企業景気予測調査、ECB(欧州中央銀行)政策金利、ラガルドECB総裁記者会見、米国8月消費者物価指数、12日にメジャーSQ、7月鉱工業生産確報値、米国9月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。
<国内>
○08:50 ☆ 4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.3%/前期比年率1.0%)
○08:50 ◎ 7月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前3兆3660億円の黒字/季節調整済2兆5805億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:580億円の黒字)
○14:00 ◇ 8月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数45.6/先行き判断指数47.5)
<海外>
○未定 ◎ 8月中国貿易収支(予想:993.0億ドルの黒字)
○15:00 ◎ 7月独鉱工業生産(予想:前月比1.0%/前年同月比▲0.3%)
○15:00 ◇ 7月独貿易収支(予想:155億ユーロの黒字)
○9日01:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日04:00 ◇ 7月米消費者信用残高(予想:100.0億ドル)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、8月米非農業部門雇用者数が前月比2.2万人増だったことで、米10年債利回りが4.0609%前後まで低下し、146.82円まで下落した後、147.50円付近まで下げ幅を縮めた。ユーロドルは米8月雇用者数の下振れをきっかけに1.1760ドルまで上昇後、1.1713ドル付近まで下押しした。カナダドルは、低調な8月カナダ雇用統計を受けて下落、対米ドルで1.3854カナダドル、対円で106.17円までカナダドル安に振れた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、低調な米8月雇用統計を受けて9月16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が上値を抑える中、次期政権への思惑から下値は限定的だと思われる。
8時50分に発表される日本の4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値は前期比+0.3%、前期比年率+1.0%と予想されている。予想を上回った場合は、日銀の「経済・物価見通しが実現していけば、利上げで緩和度合いを調整する方針」の追い風となるため、早期利上げ観測が高まることになるものの、政治動向を巡る不透明感が高まったことで動きづらい展開か。
昨日は、石破首相が退陣を表明し、総裁選への出馬を見送る方針を表明した。当面は、財政規律を重視する石破首相の退陣と次期自民党総裁選や国会での首相指名選挙への思惑から、債券売り、円売りが優勢な展開が見込まれる。
参院選の結果を踏まえれば、世論は減税を支持していたことで、新政権は財政拡張的な方向性になっていくことが予想されるため、日銀は利上げを打ち出しにくくなっていくことが見込まれる。
今朝のドル円は148円台まで上昇しており、攻防の分岐点は200日移動平均線の148.83円や先週の高値149.14円となる。
低調だった米8月雇用統計を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9月で0.25%の利下げを予想する確率は89.0%、0.50%の利下げ確率は11.0%となり、9月の利下げを完全に織り込んでいる。また、年内の利下げ回数も毎回の3回となっている。
8月の非農業部門雇用者数は前月比+2.2万人と発表され、3カ月平均は+2.9万人となった。7月のFOMCでの労働市場に関する判断の根拠の1つとなっていた数値は、3カ月平均で15万人という水準だったことで、労働市場の脆弱性を根拠に利下げを主張していたウォラーFRB理事とボウマンFRB副議長の見立てが正しかったことになる。特に6月分は▲1.3万人に下方修正されており、ADP全国雇用者数の6月分が▲2.3万人だったように、マイナスに沈んでいたことが判明した。
また明日、米労働統計局から昨年8月21日に公表されていた年次ベンチマーク改定の速報値が発表されるため、9月のFOMCに向けて予断を許さない状況が続くことになる。昨年は、2023年4月から2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されていた。
東京市場は波乱含みか。先週末の米国株は下落。ダウ平均は220ドル安の45400ドルで取引を終えた。注目された8月雇用統計では、非農業部門雇用者数が2.2万人増と市場予想の7.5万人増を下回った。失業率は4.3%と予想と前月の4.2%から悪化した。総じて雇用の悪化を示す内容で9月の利下げ期待は高まったものの、景気減速が強く意識されて米株市場の反応は売りとなったCME225先物は円建てが180円安の42890円、ドル建てが160円安の42910円で取引を終えた。
米国株の動きは日本株には逆風となるが、7日に石破首相が緊急会見を開いて自民党総裁の辞任を発表している。先週まで総裁選が実施されるかどうかはっきりしない状態が続いていたが、実施が決まったことで次のリーダーをにらんだ物色は活況となりやすい。ドル円は米雇用統計を受けていったん円高(ドル安)に振れた後、本日の朝方にかけては円安に傾斜しており、足元では148円40銭近辺で推移している。日本株は米国株安を跳ね返して買いが優勢となる展開も想定される。ただ、買われる場面があったとしても、5日の米国株が弱い雇用統計を受けて下落しているだけに、楽観一辺倒とはなりづらい。場中は強弱感が交錯して不安定な動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは42700-43400円。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42870 -200 (-0.46%)
TOPIX先物 3095.5 -14.0 (-0.45%)
シカゴ日経平均先物 42890 -180
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。8月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比2万2000人増だった。市場予想(7万5000人増程度)を大きく下回ったことで、悪化傾向にある労働市場への懸念が強まり、NYダウの下落幅は一時400ドルを超えた。ただ、米連邦準備理事会(FRB)が、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利下げに踏み切る可能性が強まったとの見方から、終盤にかけて下げ幅を縮めた。
S&P500業種別指数は、自動車・同部品、不動産、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で、銀行、エネルギー、各種金融の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、セールスフォース<CRM>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、ホーム・デポ<HD>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が買われた一方で、JPモルガン・チェース<JPM>、エヌビディア<NVDA>、シェブロン<CVX>、マイクロソフト<MSFT>が軟調。
シカゴ日経平均先物の清算値は大阪比180円安の4万2890円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比20円安の4万3050円で始まった。その後はロング優勢の流れのなかで4万3200円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後に軟化し、一気に4万2590円まで下落幅を広げた。売り一巡後は終盤にかけてショートカバーが優勢となり、4万2870円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。ボリンジャーバンドの+1σ(4万3290円)が上値抵抗として機能する形になったが、下へのバイアスが強まる局面では25日移動平均線(4万2410円)が支持線として意識されており、25日線と+1σとのレンジ内での推移だった。朝方は売りが先行することになりそうだが、レンジ下限に接近する局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
また、石破茂首相は7日、首相官邸で記者会見を行い、辞任する意向を表明した。党内の分断を避けるため続投を断念し、臨時総裁選挙の手続きを実施するよう森山裕幹事長に伝えた。政治の不確実性が警戒される一方で、新政権に対する期待などの思惑が高まる可能性があり、短期的な売買から方向感をつかみにくくさせそうだ。ただ、政策期待から押し目買い意欲は高まるとの見方がコンセンサスになると考えられる。
日経225先物が早い段階で4万3000円を固める動きをみせてくるかを見極めたい。同水準を捉えてくる局面では政策期待が高まりやすく、レンジ上限を捉えてくる展開が意識されてくるだろう。そのため、オプション権利行使価格の4万2750円から4万3250円のレンジを想定。+1σを明確に上抜けてくるようだと上へのバイアスが強まりやすく、4万3000円から4万3500円のレンジに移行しよう。
5日の米VIX指数は15.18(4日は15.30)に低下した。先週は2日に一時19.38まで急伸し、200日線(19.17)を上抜けた。ただし、その後は落ち着き、週末には14.74まで下げる場面もみられている。雇用統計の影響が限られ、再び直近の安値水準まで下げてきたことで、リスク選好に傾きそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.85倍(4日は13.82倍)に上昇した。先週は一時13.66倍まで下げる場面もみられたが、週後半にハイテク株やAI関連株を買い戻す動きが強まったことでNTロングに向かわせたようである。日経225先物が4万3000円を固める動きとなる局面では、NTロングでのスプレッド狙いとなろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比550円高の4万3620円(+1.27%)前後で推移。寄り付きは4万3700円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2890円)を大きく上回る形から、ギャップアップで始まった。現物の寄り付き直後に4万3340円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、中盤にかけてはショートカバーを交えた強い基調によって、一時4万3850円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は高値圏での推移をみせたものの、4万3850円辺りでの上値の重さが意識されるなかで、終盤にかけては4万3600円辺りでの推移となった。
石破茂首相が退陣表明したことで、市場では新政権に対する期待感からインデックスに絡んだ商いが集中した。日経225先物は節目の4万3000円およびボリンジャーバンドの+1σ(4万3350円)を一気に上抜けて始まったことで、ショートカバーを誘う形になった。買い一巡後は4万3340円まで上げ幅を縮めたものの、+1σが支持線として機能したことで、中盤にかけて上へのバイアスが強まったようだ。
また、8月19日につけた高値4万3930円に接近したことで、利益確定に伴うロング解消も入りやすいところだろう。終盤にかけては4万3600円辺りでの推移をみせているが、+1σを上回っての推移を継続するようだと、引けにかけてショートカバーが入りやすくなりそうである。
NT倍率は先物中心限月で13.91倍に上昇した。一時13.96倍まで上昇する場面もみられ、抵抗線として意識されやすい200日移動平均線(13.93倍)を上回った。指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引する形だった。いったんはNTロングを巻き戻す動きも入りやすいだろう。ただ、200日線を明確に上抜けてくる局面では、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせそうだ。
中国商務部は5日、欧州連合(EU)産の豚肉および豚副産物を対象とする反ダンピング調査で、輸入品にダンピングがあり国内産業に実質的な損害が生じているとの仮決定を示したと発表した。輸入業者は10日以降、企業ごとに定められた保証金を中国税関に納付する必要がある。
調査は2024年6月に開始。商務部は対象製品のダンピングの有無、国内産業への影響、ダンピングと損害の因果関係を調べた結果、ダンピングが確認され損害が生じていると認定した。
「リスク・バランス(「雇用の最大化」vs「物価の安定」)はシフトしており、政策スタンスの変更を保証する可能性がある」(パウエルFRB議長:ジャクソンホール会合)
1.米8月雇用統計
2025年8月の米国の失業率は4.3%(※4.324%)となり、就業者が+28.8万人増だったものの、7月の4.2%(※4.248%)から上昇した。
非農業部門雇用者数(NFP)は、前月比+2.2万人の増加となり、7月は速報値の+7.3万人から+7.9万人へ上方修正(+0.6万人)され、6月は改定値の+1.4万人から▲1.3万人へ下方修正(▲2.7万人)されたことから、合計で2.1万人の下方修正となった。過去3カ月間の雇用者数の伸びは月平均+2.9万人となった。7月FOMCでの労働市場に関する判断の根拠の1つとなっていた数値は、3カ月平均で15万人という水準だった。
7月FOMCで利下げを主張していたボウマンFRB副議長とウォラーFRB理事は、雇用情勢への懸念の高まりを理由に挙げていたが、慧眼だったことになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、9月FOMCでの利下げ確率は▲0.25%が89%、▲0.50%が11%となり、利下げが完全に織り込まれた。
2021年の非農業部門雇用者数は723.3万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.3万人の増加だった。2022年平均は+38.0万人、2023年平均は+21.6万人、2024年平均は+16.8万人、2025年平均は+7.5万人と減少傾向が続いている。
2.家計調査(Household survey):失業率を算出(※5.5万世帯)
8月の失業率は4.3%(※4.324%)となり、7月の4.2%(※4.2479%)から上昇した。
失職者数は、前月比8.7万人増の255.2万人、労働市場への再参入者は前月比10.7万人増の228.7万人となった。
労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.3%と7月の62.2%から改善したものの、2020年2月の63.4%を下回った状況が続いている。経済の雇用創出能力の尺度とされる就業率は59.6%となり、2021年12月以来の低水準で低迷している。
失業者数は738.4万人となり、7月の723.6万人から14.8万人増加しており、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億7077万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約619万人上回っている。
・不完全雇用率(U6):8.1%(7月7.9%、6月7.7%、5月7.8%:2020年5月21.1%)
(フルタイム雇用を望みながらパートタイム職に就いている労働者を含む広義の失業率)
・労働参加率:62.3%(7月62.2%、6月62.3%、5月62.4%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):193.0万人(7月182.6万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:7.5%(7月7.2%、6月6.8%、5月6.3%、4月6.2%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率は景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向)
3.事業所調査(Establishment survey):非農業部門雇用者数(Non-Farm Payroll)(※12.2万の会社・政府機関)
8月の非農業部門雇用者数は、前月比+2.2万人の増加だった。民間就労者数は前月比+8.3万人と7月の+8.3万人から増加した。平均時給は前月比+0.3%で、7月の+0.3%から変わらず、前年同月比は+3.7%となり、7月の3.9%から低下した。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は、前月比+0.3%(7月+0.7%)、前年比+4.4%(7月5.3%)だった。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、11日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて動きづらい展開が予想される中、フランスでの内閣信任投票に注目することになる。
ユーロ圏の8月の消費者物価指数(HICP)は前年比+2.1%だったが、本日講演が予定されているビルロワドガロー仏中銀総裁は、「インフレは十分に抑制されており、経済成長も予測通りの水準にある」との見解を示していた。
そして、「フランス経済が抱える最も深刻な問題、極めて過大な財政赤字と債務に対処することが、かつてないほど重要になっている」と指摘しており、本日の講演のテーマも、ブラックアウト期間のため、金融政策ではなく財政政策となることが予想される。
フランスでは予算案の成立が危ぶまれる中で、内閣不信任投票が実施される。バイル仏首相は野党各党と会談したものの、信任投票は否決される公算が高まっている。
否決された場合は、解散総選挙か内閣総辞職が選択肢となるが、マクロン仏大統領は最新の世論調査で支持率が過去最低の15%に落ち込んでいるため、総選挙実施を回避する意向と報じられている。
シュナーベルECB専務理事は、「フランスの政局混迷がユーロに幅広い影響があるとは考えていない」と述べているものの、信任投票の結果やその後のフランスの政治情勢には注目しておきたい。
また、ポンドドルも、11月26日に予定されているスターマー政権の予算案への懸念が上値を抑えており、先週末のレイナー英副首相辞任の影響を見極めることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1789ドル(7/24高値)
・ユーロ円:173.97(7/28 高値=年初来高値)
・ポンドドル:1.3595ドル(8/14高値)
・ポンド円:200.86円(ピポット・ターニングポイント)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1644ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:172.39円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3425ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:198.68円(9/5安値)
ドル円は週末の石破首相の辞任表明を受けて週明け早朝のオセアニア市場から買戻しが先行。いきなり148.42円をつけるところから取引がスタートしました。東京勢参入と同時に147.93円まで戻り売りに押されたものの、日経平均が先物から大幅な上昇となるにつれて再び上値を試す展開に。現物の日経平均が8月19日に付けたザラ場での史上最高値付近まで急伸したほか、米長期金利も3bp近い上昇となると先週末の高値148.54円を上抜けて一時148.58円まで値を上げました。その後は株価が上げ幅を縮めるにつれて148.01円まで下押す場面もみられましたが、148円台を維持して様子見となっています。
いずれにしても、石破政権の終焉は、海外勢にとっては、円売りと株買いでのかなりわかりやすい反応。減税や財政拡大路線へと変わるであろう、左寄りの政治姿勢から右寄りへの転換に対する期待感が強いわけで、次期総裁や連立政権の再構築など、根本的政治的スタンスの変化を見極めていくことになりそうです。
大きな変革とともに、かかる市場への認識もまた大きくセンチメントが変わっていくのは明らか。8月1日のNFPショック後の1カ月に上るもみ合いのなかで、更に市場ではエネルギーが溜められていたわけで、それらを放出する方向性は既に見えているといえます。
欧州連合(EU)はロシアへの新たな制裁措置として、銀行取引や石油貿易を標的とした追加制裁を検討中だと一部通信社が伝えた。最新の制裁パッケージでは、ロシア産原油の価格上限の引き下げや計22行のロシア銀行の全面取引禁止などが含まれている。石油関連では第三国を経由してEUに流入するロシア産石油製品にも厳格な監視と規制、提携企業や個人の資産凍結も強化される見通しだ。
ドル円:1ドル=148.13円(前営業日NY終値比△0.70円)
ユーロ円:1ユーロ=173.53円(△0.79円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1715ドル(▲0.0002ドル)
日経平均株価:43643.81円(前営業日比△625.06円)
東証株価指数(TOPIX):3138.20(△32.89)
債券先物9月物:138.04円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.570%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値
前期比 0.5% 0.3%
前期比年率 2.2% 1.0%
7月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
2兆6843億円の黒字 1兆3482億円の黒字
経常収支(季節調整済)
1兆8828億円の黒字 2兆3979億円の黒字
貿易収支
1894億円の赤字 4696億円の黒字
8月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 46.7 45.2
先行き判断指数 47.5 47.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は買い優勢。石破首相が週末7日に辞任を発表したことを受けて、次期政権での減税政策実現への思惑から円売り・ドル買いが進行し、上方向に大きく窓を開けてスタート。日経平均株価が大幅高となったうえ、時間外の米10年債利回りが上昇したことも支えに先週末高値の148.54円を上抜けて148.58円まで買い上げられた。もっとも、株高や米金利上昇が一服すると、利食い売りなどが持ち込まれ148円を割り込む場面も見られた。
・ユーロ円も買い優勢。石破首相の退陣を受けて週明けから円が全面安の展開となった。ユーロ円は一時173.91円まで大きく上昇した。もっとも、急ピッチで上げた反動もあり、一巡すると173.30円台まで伸び悩んだ。
・ユーロドルはもみ合い。円相場となったことから東京市場では1.1692-1.1723ドルのレンジで方向感を欠いた。
・日経平均株価は3日続伸。石破首相の辞任を受けて財政拡張政策への期待感から買いが優勢となった。上げ幅は一時800円を超えたほか、TOPIXは史上最高値を更新した。
・債券先物相場は3日続伸。前週末の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行。ただ、石破首相の辞任によって拡張的な財政政策を志向する次期政権が誕生するとの思惑が広がったため、一巡後は買いを進めにくくなった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
OPECプラス有志国、増産幅は大幅縮小も10月も増産で合意
有志国による自主減産の追加縮小で合意、市場シェア確保を重視する姿勢が一段と鮮明に
主要産油国の枠組みであるOPECプラスの有志8ヶ国(サウジアラビア、ロシア、イラク、アラブ首長国連邦、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)は、7日のオンライン会合で10月の産油量を日量13.7万バレル増産することで合意した。これは、価格維持を重視してきたOPECプラスが市場シェアの確保に政策の軸足を一段とシフトしていることを意味する。今回の決定は、世界経済の安定や原油在庫が低水準に留まることを理由とする一方、小幅に留めているものの、今後のさらなる増産にも含みを持たせる考えを示唆している。
トランプ米政権による政策運営を理由に、このところの国際原油価格は比較的高止まりしてきた。しかし、OPECプラスの決定に加え、他の産油国による増産も見込まれるなか、先行きは世界的な原油供給に過剰感が意識される可能性がある。よって、先行きの国際原油価格については上値の重い展開が続く可能性が高まっていると見込まれる。
米国は韓国のサムスン電子とSKハイニックスが中国で半導体工場を運営し続けられるよう、年ごとに供給の許可を与える案を検討していると一部通信社が伝えた。この新しい仕組みは米政府がバイデン政権時の無期限特例を失効させる中で、世界的な半導体供給網の安定維持を目的としたものだ。
大阪9月限
日経225先物 43660 +590 (+1.36%)
TOPIX先物 3139.5 +30.0 (+0.96%)
日経225先物(9月限)は前日比590円高の4万3660円で取引を終了。寄り付きは4万3700円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万2890円)を大きく上回る形から、ギャップアップで始まった。現物の寄り付き直後に4万3340円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、前場中盤にかけてはショートカバーを交えた強い基調によって4万3850円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は上値の重さが意識され、前場終盤にかけては4万3600円辺りでの推移となった。後場は4万3560円~4万3710円での保ち合いが続いた。
石破茂首相が退陣を表明したことで、市場では新政権に対する期待感からインデックスに絡んだ商いが集中した。日経225先物は節目の4万3000円とボリンジャーバンドの+1σ(4万3350円)を一気に上抜けて始まったことで、ショートカバーを誘う形になった。買い一巡後は4万3340円まで上げ幅を縮めたものの、+1σが支持線として機能し、前場中盤にかけて上へのバイアスが強まったようだ。
後場は膠着感が強まったものの、4万3500円を上回って推移しており、ショートを仕掛けにくくさせた。4万3850円辺りで上値を抑えられたが、8月19日につけた高値4万3930円に接近したことで、利益確定に伴うロング解消も入りやすいところだろう。ただし、+1σと4万3500円の節目を上回って推移するなかで、+2σ(4万4220円)とのレンジに移行している。
8月高値に接近する局面では戻り待ち狙いのショートが入る可能性もあるが、週末には9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)算出が控えている。週半ば辺りからは限月交代に伴うロールオーバーが中心になろうが、レンジを切り上げてきていることでヘッジ対応の動きも強まりやすい。SQ値で4万4000円乗せが意識されてくる可能性もあるなかでは、ショートは避けておきたい。
一方で、+1σを割り込んでくると、再び25日移動平均線辺りへのバイアスが強まることも考えられる。ロールオーバーが中心とはいえ、高値接近でトレンドが出やすいところであろう。
NT倍率は先物中心限月で13.90倍に上昇した。一時13.96倍まで上昇する場面もみられ、抵抗線として意識されやすい200日線(13.93倍)を上回った。指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引する形だった。その後はNTロングを巻き戻す動きも入ったが、25日線(13.86倍)が支持線として意識されていた。再び200日線を捉え、明確に上抜けてくる局面では、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5566枚、ソシエテジェネラル証券が2万0201枚、JPモルガン証券が1万0410枚、野村証券が7931枚、みずほ証券が6998枚、ビーオブエー証券が4717枚、ゴールドマン証券が3852枚、バークレイズ証券が3486枚、サスケハナ・ホンコンが3344枚、モルガンMUFG証券が2894枚だった。
TOPIX先物はみずほ証券が4万7348枚、ソシエテジェネラル証券が3万7508枚、ABNクリアリン証券が3万0637枚、JPモルガン証券が2万4062枚、モルガンMUFG証券が1万6775枚、野村証券が1万4856枚、シティグループ証券が1万4560枚、ゴールドマン証券が1万1479枚、バークレイズ証券が1万0145枚、BNPパリバ証券が8639枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、前週土曜より米連邦公開市場委員会(FOMC)のブラックアウト期間に入っており米金融当局者からの発言は期待できない中、日米欧の材料を確認しつつ方向感を模索することになるか。
まず米国について、前週5日の弱い8月米雇用統計を受け、CMEのフェドウォッチ・ツールでは9月FOMCでの0.50%利下げ確率が10%程度織り込まれている(残り90%程度は0.25%利下げ確率)。欧州市場に入り、大幅利下げを意識したドル売りによりドル円は売りが優勢となり、17時過ぎに147.40円台まで下落している。NY市場でもこの流れが続くか、米10年債利回りの動向に注意したい。
また、本邦の政局について、石破首相辞任による政局不安がNY市場でも意識される場合、本日早朝の円売りが蒸し返されるかもしれない。次期自民党総裁についての世論調査で財政拡張的な政策を採ることが予想される高市前経済安全保障担当相の優勢が伝えられる場合も、円売りを誘いそうだ。もっとも、自民総裁選について「10月4日投開票で調整」と報じられており、円売り材料としては一旦収束するかもしれない。
さて、フランスでは、執筆時点では時刻未定ながら内閣信任投票が行われる見通し。事前予想では否決される可能性が高まっている。信任されるためには左派の要求を受け入れて予算案を修正するしかない状況であり、信任・不信任どちらであっても政局不安は続くことが予想される。ユーロ相場の反応に注目したい。
テクニカル面では、本日のドル円は前週末終値から大きく上昇して始まるも、148.83円付近に位置する200日移動平均線を前に失速している。147.60円台には日足・一目均衡表の基準線147.68円のほか、雲の上限147.60円があり、本日は同水準での攻防が注目される。特に雲の上限は明後日以降せりあがる見通しとなっており、サポートとしての機能を保ち続けられるようならば200日線上抜けを再び試す展開もあり得る反面、割り込むようならば5日安値146.82円を目指して下値を試す展開もあるだろう。
そのほか、トランプ米大統領をはじめとする米政府要人の発言や、高値圏での推移が続いている米株主要3指数の動向にも、引き続き注目したい。
想定レンジ上限
・ドル円は、現時点での本日高値148.58円
・ユーロドルは、7月24日高値1.1789ドル
想定レンジ下限
・ドル円は、5日安値146.82円
・ユーロドルは、日足・一目均衡表の転換線1.1667ドル
今週のNY市場は物価指標に注目。先週はS&P500が0.33%高と反発し、ナスダック総合も1.14%高と3週ぶりに反発した一方、ダウ平均が144.02ドル安(-0.32%)と2週続落した。1日月曜日がレーバーデーの祝日で株式市場休場だったため、4日間の取引だったが、3連休明けの2日は高値警戒感が意識される中、米国債利回りの上昇が嫌気され軟調にスタートした。しかし、3日の取引では、グーグルのインターネット検索の独占禁止法違反問題で、米連邦地裁がウェブ閲覧ソフト「クローム」の売却を求めなかったことが好感されたアルファベットが9%超急伸し、同様の問題を抱えるアップルも4%近く上昇したことでハイテク株を中心に上昇した。4日に発表された8月ADP民間部門雇用者数や新規失業保険申請件数が予想より悪化したことで利下げ期待が高まったことも好感されたほか、週末金曜日は注目された8月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回る小幅な増加にとどまり、失業率も前月から悪化したことで、利下げ期待が一段と強まった一方、景気減速懸念が強まったことが相場の重しとなった。ダウ平均は5日に取引時間中の史上最高値を更新したものの、週間では下落して終了し、S&P500は4日に終値の最高値を更新し、5日は取引時間中の史上最高値を更新した。ナスダック総合は5日に取引時間中の史上最高値を更新し、終値ではほぼ最高値で終了した。
今週は利下げ見通しを巡り米8月消費者物価指数(CPI)や米8月生産者物価指数(PPI)の物価指標に注目が集まる。先週金曜の米8月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り、失業率も上昇した。労働市場の悪化を受けて9月16-17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げが確実視され、一部では0.50%の大幅利下げ期待も高まった。木曜日に発表される8月CPIは前年比+2.9%と前月分の+2.7%から上昇が見込まれているが、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%、前年比+3.1%とともに前月から横ばいが予想されている。コアCPIが予想通り横ばいとなれば9月利下げ期待が引き続き相場の支援となることが期待できそうだ。ただ、例年9月は最もパフォーマンスが悪い月であることや、主要3指数が最高値圏で推移していることで高値警戒感も上値圧迫要因となりそうだ。今週の経済指標は水曜日の8月PPI、木曜日の8月CPIのほか、金曜日には9月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・1年先期待インフレ率速報値が発表される。
今晩の米経済指標・イベントは8月雇用傾向指数、7月消費者信用残高など。主要な企業の決算発表はなし。
ユルマズ・トルコ副大統領は、アンカラで発表した中期経済計画で、金融・財政の引き締め政策を堅持しながら成長を損なうことなくインフレを永続的に抑制すると表明した。インフレ抑制には金融政策だけでなく、マクロ経済政策や供給側改革の強力な連携も進め、追加の財政引き締め策も講じる方針だ。成長率見通しは一部下方修正されつつも、インフレ率は2027年までに1桁台まで低下させる目標。経済成長と物価安定の両立を目指す、堅実な成長路線が示された。
日経平均株価は大幅に3日続伸。先週末の推移に対してマドを開けて寄り付き、堅調な動きが続いた。一方、8月につけた史上最高値を上値で意識して伸び悩む時間帯もあった。
RSI(9日)は前日の53.4%→69.0%(9/8)に上昇。一目均衡表の基準線(41863円 9/8)からの切り返しが続いており、史上最高値更新に向けて騰勢が続くかが注目ポイントとなる。
上値メドは、8/19高値(43876円)、心理的節目の44000円や44500円、45000円などがある。下値メドは、心理的節目の43000円、5日移動平均線(42698円 同)、25日移動平均線(42435円 同)、基準線、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円などがある。
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.73円(8日15時時点比▲0.40円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.42円(▲0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1739ドル(△0.0024ドル)
FTSE100種総合株価指数:9221.44(前営業日比△13.23)
ドイツ株式指数(DAX):23807.13(△210.15)
10年物英国債利回り:4.605%(▲0.041%)
10年物独国債利回り:2.642%(▲0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月独鉱工業生産
(前月比) 1.3% ▲0.1%・改
(前年比) 1.5% ▲1.8%・改
7月独貿易収支
147億ユーロの黒字 154億ユーロの黒字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。石破首相が7日に辞意を表明したことを受けて、「次期政権下で財政は拡張方向へ向かい、金融政策は引き締めが進みにくくなる」との思惑が浮上。東京市場では一時148.58円まで値を上げた。
ただ、欧州市場に入ると米利下げ観測を背景としたドル売りが活発化した。17時過ぎに一時147.47円まで下落し、週明け早朝の窓を埋める動きとなった。
もっとも、NY市場に入ると下げ渋る展開に。市場では「一目均衡表基準線が位置する147.68円や雲の上限147.60円などがサポートとして意識された」との声が聞かれた。
・ユーロドルは強含み。米利下げ観測を背景としたドル売りが優勢になると、22時30分過ぎに一時1.1756ドルと日通し高値を付けた。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入った。ただ、前週末の高値1.1760ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
なお、フランス国民議会(下院)ではこの日、バイル内閣に対する信任投票が実施され、反対多数で否決された。同国の政治混乱や財政悪化への警戒感は根強いものの、市場では不信任が確実視されていたため、結果に対する相場の反応は限られた。
・ユーロ円は下げ渋り。東京午前に一時173.91円まで値を上げたものの、日本時間夕刻には173.07円付近まで失速した。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値172.89円が目先サポートとして意識されるとじりじりと下値を切り上げた。24時前には173.66円付近まで持ち直した。
・ロンドン株式相場は小反発。米利下げ観測の高まりを背景に投資家のリスク志向が改善すると買いが入った。石油輸出国機構(OPEC)プラスは7日、追加増産の方針を示したものの、WTI原油先物価格は上昇。このところ下落していたシェルやBPなどエネルギー株に買いが入った。
・フランクフルト株式相場は反発。米利下げ観測の高まりを背景に投資家のリスク志向が改善すると買いが優勢となった。個別ではザランド(5.02%高)やアディダス(3.61%高)、コメルツ銀行(3.13%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米利下げ観測を背景に米国債が上昇すると、欧州債にも買いが波及した。
8日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は625円高の43643円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1258/値下がり289。自民党総裁選では防衛力の強化がテーマになるとの見方から、IHIや三菱重工が大幅上昇。主力どころでは任天堂や東電HDの動きも良かった。弱めの雇用統計を受けて米長期金利が大きく低下したことを手がかりに、三井不動産や三菱地所など不動産株が軒並み高。証券会社が投資判断を引き上げたJX金属やマツダが急伸した。
一方、キーエンスやディスコなど超値がさ株の一角が軟調。サンリオ、良品計画、リクルートなど成長期待の高い銘柄に逆行安となるものが散見された。1Qが営業赤字となった日本ハウスが大幅安。今期の見通しが失望を誘ったエイチームが急落した。
日経平均は大幅高。高く始まって場中に上げ幅を広げており、非常に強い動きであった。石破首相の自民党総裁辞任はサプライズというほどではなかったと思われるが、株価の反応が良かったことから、今後も政局絡みのニュースでは買いが入りやすくなるだろう。本日の上昇で今年の高値圏まで水準を切り上げているだけに、反動で大きく下げたとしても健全な調整の一環と受け止められる。米8月雇用統計が弱かったことで9月FOMCでの利下げはほぼ確実とみられており、総裁選モードに突入することで日銀が利上げに踏み切るハードルは高くなった。流れが一段と良くなってきただけに、日経平均もTOPIXにキャッチアップして今年8月18日の終値43714.31円を上回り、史上最高値を更新する展開に期待したい。
(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.50円(前営業日比△0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.50円(△0.76円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1763ドル(△0.0046ドル)
ダウ工業株30種平均:45514.95ドル(△114.09ドル)
ナスダック総合株価指数:21798.70(△98.31)
10年物米国債利回り:4.04%(▲0.03%)
WTI原油先物10月限:1バレル=62.26ドル(△0.39ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3677.4ドル(△24.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米消費者信用残高
160.1億ドル 96.1億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは続伸。前週末発表の8月米雇用統計の結果を受けて、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視される中、一部の市場参加者の間では大幅利下げへの思惑も浮上。全般ドル売りが優勢になると、前週末の高値1.1760ドルを上抜けて一時1.1765ドルと7月28日以来の高値を更新した。
なお、フランス国民議会(下院)ではこの日、バイル内閣に対する信任投票が実施され、反対多数で否決された。同国の政治混乱や財政悪化への警戒感は根強いものの、市場では不信任が確実視されていたため、結果に対する相場の反応は限られた。
・ドル円は小反発。石破首相が7日に辞意を表明したことを受けて、「次期政権下で財政は拡張方向へ向かい、金融政策は引き締めが進みにくくなる」との思惑が浮上する中、東京市場で一時148.58円まで買われた影響が残った。
ただ、欧米市場では米利下げ観測を背景としたドル売りが目立つ展開に。5時前には一時147.34円と日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時97.42まで低下した。
・ユーロ円は反発。東京午前に一時173.91円まで値を上げたものの、日本時間夕刻には173.07円付近まで失速した。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値172.89円が目先サポートとして意識されるとじりじりと買い戻しが進んだ。24時前には173.66円付近まで持ち直した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。米景気悪化への懸念から売りが強まる場面もあったが、米利下げ観測を背景に買いが優勢になると持ち直した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、史上最高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続伸。前週末の8月米雇用統計の結果を受けて、来週のFOMCでの利下げがほぼ確実視される中、市場の一部では大幅利下げへの思惑も浮上し、債券買いを促した。利回りは一時4.0360%前後と4月7日以来約5カ月ぶりの低水準を付けた。
・原油先物相場は4日ぶりに反発。石油輸出国機構(OPEC)プラスの有志8カ国は7日にオンライン会合を開き、10月の産油量拡大を決定した。もっとも、増産幅は市場が警戒した水準を下回り、供給過剰への懸念が緩むと買い戻しが強まった。
・金先物相場は続伸。米金利の先安観を背景とした買いが先週末同様に強まり、一時3685ドル超まで上げ幅を拡大した。アルゼンチンの地方選で与党が敗北し、これが嫌気されて同国資産が急落したことも、リスク回避資産とされる金に資金を向かわせたもよう。この日も、中心限月の清算値ベースで最高値を更新した。
ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は8月に3.2%と前回の3.1%から上昇した。また、3年後のインフレ期待は3.0%と前回から横ばいとなり、5年後のインフレ期待も2.9%と前回から変わらずとなった。
フランス下院で8日、バイル首相に対する信任投票が行われた。信任は否決され、バイル仏首相は辞任することとなった。
9日02:00 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「欧州のインフレ状況は良好」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 8月マネーストックM2
<海外>
○07:45 ◇ 4-6月期ニュージーランド(NZ)製造業売上高
○08:01 ◇ 8月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比2.0%)
○09:30 ◇ 9月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:30 ◇ 8月豪NAB企業景況感指数
○15:45 ◇ 7月仏鉱工業生産(予想:前月比▲1.4%)
○18:30 ◎ 4-6月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比0.6%/前年同期比0.8%)
○20:30 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○21:00 ◎ 8月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.56%)
○23:00 ◎ 米労働省、雇用統計の年次改定を発表
○10日00:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○10日00:15 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○10日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 43980 +320 (+0.73%)
TOPIX先物 3162.0 +22.5 (+0.71%)
シカゴ日経平均先物 43970 +310
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。ニューヨーク連銀が発表した8月の消費者調査では、1年先インフレ期待は3.2%に上昇。3カ月以内に再就職できるとの割合が前月の50.7%から44.9%に低下した。労働市場の悪化が意識されるなか、米連邦準備理事会(FRB)が16~17日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとの観測が買いに向かわせた。ただ、10日に8月の米卸売物価指数(PPI)、11日に8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、結果を見極めたいとするムードも強かった。
S&P500業種別指数は小売、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービスが上昇した。一方で、電気通信サービス、自動車・同部品、公益事業の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、IBM<IBM>、ウォルマート<WMT>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、エヌビディア<NVDA>が買われた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、アムジェン<AMGN>、スリーエム<MMM>、コカ・コーラ<KO>が軟調。
シカゴ日経平均先物の清算値は大阪比310円高の4万3970円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比60円安の4万3600円で始まった。直後につけた4万3540円を安値に反転し、4万3760円~4万3860円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上抜けて4万4030円まで買われると、終盤にかけて4万3900円~4万4000円辺りのレンジが続き、4万3980円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションで8月19日の高値4万3930円を突破し、4万4000円台に乗せてきた。目先的な達成感が意識される可能性はあるものの、ボリンジャーバンドの+1σ(4万3440円)と+2σ(4万4280円)によるレンジで推移するなかで、+2σ水準を捉えてくる可能性が高まっている。
週末には9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)算出が控えており、限月交代に伴うロールオーバーが中心になるが、高値更新でレンジを切り上げてきたことで、ヘッジ対応の動きが強まりやすいだろう。4万4000円突破ではレバレッジ型ETFのヘッジ対応も強まるとみられ、+2σを突破する局面では上へのバイアスが強まり、瞬間的には+3σ(4万5120円)水準に接近する可能性も意識しておきたい。
そのため、オプション権利行使価格の4万4000円を中心とした4万3500円から4万4500円辺りのレンジを想定する。4万4000円処での上値の重さが意識される局面では、短期的なショートを誘う可能性はあるが、その後のカバーを狙った押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
8日の米VIX指数は15.11(5日は15.18)に低下した。一時15.65まで上昇し、25日移動平均線(15.52)を上回る場面もみられたが、その後は落ち着きをみせて14.99まで低下する局面もあった。直近の安値水準まで下げてきたことで、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.90倍に上昇した。一時13.96倍まで上昇する場面もみられ、抵抗線として意識されていた200日線(13.93倍)を上回った。その後はNTロングを巻き戻す動きも入ったが、25日線(13.86倍)が支持線として意識されていた。再び200日線を捉え、明確に上抜けてくる局面では、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせそうである。
8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、今月のFOMCでの大幅利下げ観測を背景としたドル売りが優勢となり147.34円まで下落した。ユーロドルはFOMCでの大幅利下げへの思惑から1.1765ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜米労働統計局が発表する年次ベンチマーク改定の大幅下方修正への警戒感から上値が重い展開が予想される中、日経平均株価や長期債利回りの動向を注視しながら、自民党総裁選に関するヘッドラインやトランプ米大統領の突発的な発言に警戒していく展開となる。
本日午後23時(米国東部時間午前10時)に、米労働統計局から雇用者数の年次ベンチマーク改定(2024年4月から2025年3月)の速報値が発表される。昨年は8月21日に公表されたが、2023年4月から2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人も下方修正されていた。
2024年4月から2025年3月までの雇用者数は、209.2万人増加(月平均+17.4万人)していたが、下方修正の数字次第では、9月16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の大幅利下げの可能性が高まることになる。
市場では40万人から100万人程度の下方修正が予想されているが、ベッセント米財務長官は80万人減少と見ている。
ベッセント米財務長官は、7月末のFOMCで、8月1日に発表された雇用統計で過去のデータが大幅に下方修正されたことが示されていれば、0.25%の利下げに踏み切った可能性があるとして、9月FOMCでは、7月分と合わせて0.50%の利下げが望ましいと述べていた。
パウエルFRB議長がジャクソンホール会合での講演で、2つの責務の内、「物価の安定」から「雇用の最大化」に軸足を移して、9月FOMCでの利下げの可能性に言及したことで、米国の雇用関連指標への注目度合いが高まっている。
ちなみに、昨年は、パウエルFRB議長がジャクソンホール会合で利下げ宣言をして、9月のFOMCでは0.50%の利下げに踏み切っている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9月で0.25%の利下げを予想する確率は88.4%、0.50%の利下げ確率は11.6%となっており、9月の利下げを完全に織り込んでいる。
また、10月4日に投開票が行われる予定の自民党総裁選に向けて、出馬を表明した議員の財政・金融政策にも注目していきたい。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は114ドル高の45514ドルで取引を終えた。マイナス圏に沈む場面もあったが、利下げ期待を支えに概ね堅調に推移した。ハイテク株の動きが良く、ナスダックは史上最高値を更新している。ドル円は足元147円40銭近辺で推移。CME225先物は円建てが310円高の43970円、ドル建てが315円高の43975円で取引を終えた。
米国株高を好感した買いが入ると予想する。米長期金利が一段と低下してナスダックが高値を更新しており、大型グロース株が上昇を先導すると見込まれる。きのうの日経平均は政治の変化に対する期待から大幅高となったが、CME225先物からはきょうは44000円をうかがう展開が想定される。売り方には分が悪い環境下、高く始まり、場中も強い基調が続くだろう。日経平均の予想レンジは43800-44200円。
昨日のドル円は、週明け早朝から先週末のNY市場での戻り高値である147.50円から一気に窓を空けるかたちで急伸したものの、先週末の高値を上抜けた後は戻り売りに押される展開に。欧州時間に入ってその窓を埋めてからというもの、しばらくは様子見の動きとなりました。NY時間午後に入ってからは米長期金利が低下幅をひろげたことから147.34円まで下押す場面もみられましたが、引けにかけては147.58円まで買戻されるなど、神経質な動きの繰返しで8日の取引を終えました。
本日の東京市場では、昨日安値を下抜けると米系短期の売りから147.16円まで値を下げたものの、その後は147.39円まで買戻されるなど、狭いレンジでの取引となっています。一方で、日経平均は昨日の先物市場で既に44000円台に乗せていたとあって、史上最高値を更新。ただ、前場引けにかけては上げ幅を縮める動きとなっています。
いずれにしても、日本サイドの政治的変革が今後の大きなテーマであることは明らか。米国サイドに対しては、既に来週のFOMCでの0.25%利下げは織込み済み。一部市場では「今夜の米雇用統計の年次改定に警戒している」模様ですが、毎年行われているベンチマーク改訂。過去にさかのぼっての定期的な作業であって、通常であればそれほど意識することもないのでしょうが、BLS局長を解任するなど、新たな火種を抱えているトランプ政権においては、市場も必要以上にナーバスになっているといったところ。ドル円は50日MAの147.44円や一目雲上限の147.60円などを意識しながらの動きとなっています。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、今週の米国株の見通しについてリポートしている。米8月雇用統計の下振れを受けて、市場の一部では9月FOMCでの50ベーシスポイントの大幅利下げ観測も浮上している。そのような中、今週は8月PPIやCPIなどインフレ指標の発表が最大の焦点になると東海東京では指摘。インフレへの警戒感が高まった場合には、相場の揺り戻しもあるとみている。また、9日のアップル新製品発表会も注目材料の一つに挙げている。東海東京では、「生成AI相場」と「利下げ期待」に支えられた米株市場の強さは損なわれていないとの見方から、基本的には米国株相場に強気の見通しを維持している。
「FRBと行政機関との回転ドアを阻止することは、大統領の短期的な政治的利益に沿って行動するインセンティブ(動機)を減らす意味で重要だ」
(ミラン氏:2024年3月)
1.民主党議員の「回転ドア」禁止
ミラン米大統領経済諮問委員会CEA委員長は、8月にクーグラーFRB理事が来年1月31日の任期満了を待たずに退任したことで、トランプ米大統領によって暫定理事に指名された。
9月4日には、上院銀行委員会での指名公聴会に臨み、「私の意見と判断は、マクロ経済分析と長期的責務にとって何が最善かに基づくだろう」と述べた。
ミラン米大統領経済諮問委員会CEA委員長のFRB理事としての任期は、退任したクーグラーFRB理事の任期である来年1月31日までであり、その間、CEA委員長職は「無給の休暇」状態となり、来年2月からCEA委員長に復職する予定とのことである。
しかし、9月5日、米上院銀行委員会の民主党議員らはミラン大統領経済諮問委員会CEA委員長のFRB理事への指名を巡り、承認手続きを進める前に、ミラン氏がCEA委員長ポストを辞任することを確約するよう求めた。ミラン氏に8日までにCEA委員長職を辞任するよう求めた上で、「金融政策と金融規制に関して独立した判断を下せると主張するのはばかげている」と言及した。
2.ミラン氏の「回転ドア」禁止
2024年3月、ミラン氏は、ホワイトハウスとFRBとを行き来する「回転ドア人事」を批判し、ガバナンス(統治)改革を提唱した。そして、FRB理事の任期満了後、4年間は行政機関ポストに就くことを禁じる改革を提案していた。
さらに、ミラン氏は、かつて主たる住居として登録した物件について住宅ローンを組んでいるが、現在はその住居を賃貸物件として使用していることが判明した。
住宅ローンの疑惑に関しては、トランプ米大統領がクックFRB理事の解任理由にしている。
3.トランプ米大統領のFRB支配計画
トランプ米大統領は、米連邦準備理事会(FRB)に対して低金利政策を強いるために、来年5月15日に任期を迎えるパウエル第16代FRB議長の後任にはハト派議長を据え、7名のFRBの4人はハト派理事を据え、地区連銀総裁もハト派総裁を据えようと目論んでいる。FRB支配の計画は、昨年末にミランFRB暫定理事が提唱した「国際貿易システム再構築のユーザーガイド」に書かれていた。
■執行部(7名)
・パウエルFRB議長:2026年5月15日に任期満了
・ジェファーソンFRB副議長
・バーFRB理事:トランプ米大統領との確執で副議長から理事へ降格
【トランプ・チルドレン】
・ウォラーFRB理事:トランプ第1次政権で指名
・ボウマンFRB副議長:トランプ第1次政権で指名
・ミランFRB暫定理事:トランプ第2次政権で指名
・クックFRB理事:解任?⇒トランプ第2次政権で指名
■地区連銀総裁(5名)⇒ハト派的な新総裁任命へ
日経225先物は11時30分時点、前日比130円高の4万3790円(+0.29%)前後で推移。寄り付きは4万3900円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3970円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き後ほどなくして4万4000円台に乗せると、中盤にかけて4万4190円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただ、買い一巡後はロング解消の動きが強まり、終盤にかけて4万3680円まで上げ幅を縮めた。
日経225先物は4万4000円での攻防をみせた後に4万4190円まで上げ幅を広げており、ショートカバーの動きが強まったようである。ただし、ボリンジャーバンドの+2σ(4万4250円)に接近するなかで利益確定に伴うロング解消の動きも入りやすく、終盤にかけて上げ幅を縮める形になった。高値から500円あまり調整する形であり、短期の大幅な変動によってヘッジ対応のショートを誘う動きも意識されそうだ。ヘッジ対応一巡後の底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.92倍に上昇した。一時13.98倍まで上昇しており、再び200日移動平均線(13.93倍)を上回る場面もみられた。ただ、同線をキープできず、NTロングを巻き戻す動きに向かわせている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、11日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて動きづらい展開が予想される中、米労働省の雇用統計の年次改定に注目することになる。
本日はナーゲル独連銀総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁の講演が予定されているものの、ブラックアウト期間中のため、金融政策への言及はないことになっている。
また、フランスでは予算案の成立が危ぶまれている中で、バイル内閣の信任投票が否決されたことで、本日、バイル仏首相はマクロン仏大統領に辞表を提出し、マクロン仏大統領は、1年余りで3人目となる首相を指名することになる。
マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いる極右・国民連合(RN)や左派「不屈のフランス」は共に解散総選挙を要求しているものの、マクロン仏大統領は最新の世論調査で支持率が過去最低の15%に落ち込んでいるため、総選挙実施を回避する意向と報じられている。
また、本日は、米労働統計局から雇用者数の年次ベンチマーク改定(2024年4月から2025年3月)の速報値が発表される。昨年は8月21日に公表されたが、2023年4月から2024年3月までの1年間の雇用者増は81万8000人も下方修正されていた。
2024年4月から2025年3月までの雇用者数は、209.2万人増加(月平均+17.4万人)していたが、下方修正の数字次第では、9月16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の大幅利下げの可能性が高まることになる。
市場では40万人から100万人程度の下方修正が予想されているが、ベッセント米財務長官は80万人減少と見ている。
昨年のような大幅な下方修正だった場合、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利下げ観測が高まることで、ユーロ買い・ドル売り要因となる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1829ドル(7/1高値)
・ユーロ円:173.97(7/28 高値=年初来高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1687ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:172.52円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=146.85円(前営業日NY終値比▲0.65円)
ユーロ円:1ユーロ=172.97円(▲0.53円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1779ドル(△0.0016ドル)
日経平均株価:43459.29円(前営業日比▲184.52円)
東証株価指数(TOPIX):3122.12(▲16.08)
債券先物9月物:138.00円(▲0.04円)
新発10年物国債利回り:1.560%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月マネーストックM2
前年比 1.3% 1.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。昨日のNY市場で下落した流れを引き継いで、東京市場でも売りが強まった。午後に入っても戻りは鈍く、一時146.82円まで下値を広げた。特段、ドル売りを促す新規材料は伝わっていないが、23時に米労働統計局が発表する雇用者数の年次ベンチマーク改定(2024年4月から2025年3月)への警戒感が背景にあり、一部では100万人ほど下方修正されるとの予想も出ている。
・ユーロ円も弱含み。173.40円挟みのもみ合いが続いていたが、次第にドル円の下落につれる形で172.92円まで下押ししている。前場に史上最高値を更新していた日経平均株価が後場にマイナス圏に沈んだことも嫌気された。
・ユーロドルは強含み。全般ドル安が進んだ流れに沿って一時1.1780ドルまで値を上げている。また、ポンドドルは1.3582ドル、豪ドル米ドルは0.6615米ドル、NZドル米ドルは0.5956米ドルまで上昇している。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反落。昨日の米ハイテク株が上昇したことを受けて半導体関連株が買われ、指数は500円超上昇し、史上最高値を更新した。ただ、買い一巡後は一転して売りが優勢となり、後場には下げに転じた。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反落。昨日の米国債券相場が上昇した影響から138.27円まで買いが先行。ただ、自民党総裁選に出馬する可能性のある河野議員が日銀の利上げの必要性に言及すると売りが優勢となった。
自民党の選挙管理委員会によると、総裁選は9月22日告示で10月4日に投開票が行われる。
一部通信社が関係者の話として伝えたところによると、日銀は10月の国債買い入れ額について10-25年ゾーンを減額する可能性があるという。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国側は米中協議でまったく譲歩する気がないのかもしれない
足元の輸出入は「米国回避」の様相を強めるとともに、外需を下支えする展開が続いている
トランプ米政権の関税政策をきっかけに、米中は一時貿易戦争に発展した。しかし、その後の協議を通じて報復関税を撤廃し、関税の上乗せ分や輸出規制を一時停止するなど、最悪期は回避されている。その一方、足元における協議は停滞しており、中国は米国のあらゆる措置の撤廃を要求する一方で、譲歩を拒んでいるとされる。これは、トランプ1次政権時の通商合意が片務的な内容であったことも影響している。
中国経済は様々な不透明要因を抱えるなか、米国に関税撤廃や輸出規制の緩和を要求する一方、米国以外への輸出拡大を通じて外需を下支えしている。8月の輸出額も前年比+4.4%と底堅く推移しており、米国向けは大幅マイナスが続く一方、ASEANやアフリカ、EU向けなどを中心に堅調を維持している。その一方、内需の弱さが重石となる形で8月の輸入額は前年比+1.3%と鈍化しており、堅調な輸出を追い風に生産資材の輸入は底堅い一方、内需向けの輸入は低迷が続くなど対照的な動きをみせている。
人民元は対ドルでは緩やかに上昇するも、通貨バスケットは数年来の安値圏で推移するなど輸出競争力の維持に繋がっている。人民元の国際化は貿易や投資の拡大を追い風に進展する可能性はあるものの、中国当局による強い管理姿勢が障害となり、投資家、ひいては金融市場との摩擦を招くと見込まれる。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
投票後のフランスの政治シナリオを読む まずは左派取り込みの成否に注目
8日のフランスの内閣信任投票は不信任票が上回り、昨年12月に就任したバイル首相は辞任する。マクロン大統領は近く後継首相を任命するとしており、極右の躍進が予想される国民議会(下院)の解散・総選挙はひとまず回避される方向で進んでいる。穏健左派の社会党の政権協力を取り付けることを目指しているが、これに失敗する場合や次期政権が予算協議に行き詰まった場合、改めて解散・総選挙のリスクが浮上しよう。
社会党は政権協力と引き換えに首相ポストや財政政策の転換を求める可能性がある。昨年の総選挙での左派会派の公約と比べて、社会党が独自に発表した予算案の財政拡張度合いは後退しているが、政府予算案に比べて財政再建が遅れることは避けられない。向こう数ヶ月の間の格付けレビューや予算協議が引き続き重要となってくる。
社会党の政権協力を取り付けることは、短期的には政権基盤の安定につながるが、中長期的には極右の更なる支持拡大につながり、政治リスクを高める恐れがある。特に社会党と共和党の二大政党が揃って政権に協力する場合、極左と極右が批判票の受け皿となり、次の議会選挙や大統領選挙で極右が勝利する可能性が高まる。
北欧ノルウェーの議会選挙(一院制、定数169)は7-8日に投票がおこなわれ、ストーレ首相率いる与党・労働党を中心とした中道左派勢力が過半数を獲得し政権を維持した。首相は選挙で自身の選択肢への明確な支持を得たとし、今週から来週にかけて他の支持政党と協議を行い、責任ある政権運営に向けて議会で解決策を見出すと強調した。また、「われわれには明確な多数派がある。その責任を果たさなければならない」と述べ、中道左派勢力の結束で政策実現を目指す考えだ。
大阪9月限
日経225先物 43560 -100 (-0.22%)
TOPIX先物 3127.0 -12.5 (-0.39%)
日経225先物(9月限)は前日比100円安の4万3560円で取引を終了。寄り付きは4万3900円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3970円)にサヤ寄せする形から買いが先行した。現物の寄り付き後ほどなくして4万4000円台に乗せると、4万4190円まで上げ幅を広げた。ただ、買い一巡後はロング解消の動きが強まり、前場終盤にかけて4万3680円まで上げ幅を縮めた。
ランチタイムは4万3700円辺りでの膠着が続き、現物の後場の取引開始直後にはマイナスに転じた。中盤にかけて下落幅を広げると、終盤には4万3500円を挟んでの推移が続くなかで、4万3430円まで売られる場面もみられた。
日経225先物は4万4000円処での攻防をみせた後に4万4190円まで上げ幅を広げており、ショートカバーの動きが強まったようである。ただし、ボリンジャーバンドの+2σ(4万4250円)に接近し利益確定に伴うロングの解消も入りやすく、前場終盤にかけて上げ幅を縮める形になった。
さらに、後場は下落に転じるなど短期の大幅な変動によってヘッジ対応のショートを誘って、+1σ(4万3400円)水準まで下げる形だった。バンドは徐々に収斂しているが、ナイトセッションで+1σは4万3430円、+2σが4万4160円辺りで推移しており、引き続きレンジ内での推移が意識されよう。
ただし、4万4000円乗せでいったんは達成感が意識され、+1σを割り込んでくると中心値となる25日移動平均線(4万2690円)が射程に入ってくる可能性がある。週末に9月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えて、基本的には限月交代に伴うロールオーバーの商いが中心となる。
仕掛け的な商いは手控えられるものの、大きく振れる局面ではヘッジ対応の動きでトレンドが出やすい状況である点は意識しておきたい。+1σを明確に割り込んでくるとショートに振れやすく、4万3000円割れが射程に入ってくるだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.93倍に上昇した。一時13.98倍まで上昇しており、再び200日線(13.93倍)を上回る場面もみられた。ただ、200日線をキープできず、同線に上値を抑えられる形のなかで、NTロングを巻き戻す動きに向かわせている。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はソシエテジェネラル証券が2万9102枚、ABNクリアリン証券が2万8177枚、HSBC証券が2万0314枚、みずほ証券が1万2372枚、JPモルガン証券が1万1923枚、バークレイズ証券が1万1562枚、野村証券が1万1091枚、BNPパリバ証券が1万0284枚、ゴールドマン証券が6047枚、モルガンMUFG証券が5497枚だった。
TOPIX先物はソシエテジェネラル証券が5万2049枚、みずほ証券が3万9341枚、ABNクリアリン証券が2万9261枚、ゴールドマン証券が2万9254枚、バークレイズ証券が2万8272枚、JPモルガン証券が2万5176枚、野村証券が1万8820枚、モルガンMUFG証券が1万8139枚、ビーオブエー証券が1万0373枚、UBS証券が1万0237枚だった。
NY時間のドル円は上値が重い展開を予想する。一部通信社が複数の日銀関係者の話として、今月は政策金利を据え置くとの見解を示したが「国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない」と報じたことをきっかけに、日銀の早期利上げ期待で円買い意欲が強い。一方で今月の米連邦公開市場委員(FOMC)での利下げはほぼ確実となるばかりではなく、追加利下げのスピードも速まる可能性が高く、日米の金融政策の方向性の違いが引き続きドル円の上値を抑えるだろう。
本日NY時間で注目されるのは、米労働省統計局(Bureau of Labor Statistics=BLS)が発表する年次ベンチマーク改定の速報値。2024年4月から2025年3月までに約80万人(一部の金融機関では100万人近く)下方修正されるとの予想。下方修正の要因としては、新規企業における雇用創出が予想より弱いこと、回答率の低下による標本誤差、そして不法滞在労働者を考慮した調整などが考えられる。
下方修正となれば、対象期間の多くがバイデン前政権時代のものであり、トランプ政権にとって前政権時代に雇用が悪化していたことは都合がよく、更に雇用情勢を見誤ったとしてパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の責めにするにも好都合となるだろう。16-17日に予定されている米連邦公開市場委員(FOMC)での利下げはほぼ確実だが、今後の追加利下げ圧力が高まればトランプ政権の追い風になる。先月にBLS長官が米国議会議事堂襲撃事件にも加わったアントニー氏に交代したこともあり、前政権時の雇用情勢が好調で、利下げの足かせとなるような結果を発表することはないだろう。
なお、昨年は同指標は発表予定時間(日本時間23時)を過ぎても結果が出なかったことで、仕掛け的なドル買いがでるなど神経質な動きになった。遅れて発表された後は、年間雇用者数の伸びが下方修正されたことで、米金利が低下し、ドル売りが進んだ。本日も発表予定時間に結果が出ていないにも関わらず乱高下するリスクもありそうだ。また、結果発表後のトランプ大統領の発言などにも要注目となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、これまでの本日高値148.58円から4日高値148.78円までが抵抗帯。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、7月24日安値145.86円。
今晩は底堅い展開か。昨日は9月中旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しや米10年債利回りの低下が追い風となる中、ブロードコムなどの半導体株が上昇し、ハイテク株を中心に上昇した。ダウ平均が114.09ドル高(+0.25%)、S&P500が0.21%高、ナスダック総合が0.45%高と、主要3指数がそろって反発。ナスダック総合は先週末に続いて取引時間中の史上最高値を更新し、終値でも8月13日以来、17営業日ぶりに最高値を更新した。
今晩の取引では水曜日の米8月生産者物価指数(PPI)、木曜日の米8月消費者物価指数(CPI)の発表を控えた様子見姿勢が予想されるものの、9月FOMCでの利下げ期待を背景に引き続き底堅い展開か。経済指標では8月NFIB中小企業楽観度指数が発表されるほか、労働省が雇用者数ベンチマーク速報値を発表する。3月までの1年間の雇用者数が大幅下方修正となれば利下げ期待が一段と高まることになり、年次改定に要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは8月NFIB中小企業楽観度指数、雇用統計年次改定など。企業決算は引け後にオラクル、シノプシスが発表予定。このほか、アップルが特別イベントを開催し、「iPhone17」などが発表される予定。
日経平均株価は反落。買い先行から44000円台を回復する場面もあったが、心理的節目として意識された。買い一巡後は上げ幅を縮小し、後場にはマイナスに転じる展開となった。
RSI(9日)は前日の69.0%→64.0%(9/9)に低下。値幅の大きい陰線となったが、5日移動平均線(42928円 9/9)上を維持しており、前日からの見方に大きな変化はない。一目均衡表の基準線(42018円 9/9)が再び上昇に転じるタイミングに入っており、史上最高値更新に向けて騰勢が続くかが注目ポイントとなる。
上値メドは、心理的節目の44500円や45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、5日移動平均線、25日移動平均線(42561円 同)、心理的節目の42000円、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円などがある。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.485%、応札倍率(カバー)が2.73倍となった。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.35円(9日15時時点比△0.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.54円(▲0.43円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1709ドル(▲0.0070ドル)
FTSE100種総合株価指数:9242.53(前営業日比△21.09)
ドイツ株式指数(DAX):23718.45(▲88.68)
10年物英国債利回り:4.623%(△0.018%)
10年物独国債利回り:2.659%(△0.017%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月仏鉱工業生産
(前月比) ▲1.1% 3.7%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。「日銀は国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない」との一部報道をきっかけに、日銀の早期利上げ期待が高まると円買い・ドル売りが先行。19時前に一時146.31円と日通し安値を更新した。
ただ、8月14日の安値146.21円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。一目均衡表雲の下限146.52円付近では押し目買いなども入りやすかったようだ。
NY市場に入ると、米労働省統計局(BLS)が雇用統計の年次改定で2025年3月までの1年間の雇用者数が91.1万人の下方修正になるとの推計値を公表。市場では70万人から80万人程度の下方修正が見込まれていたものの、一部の金融機関では100万人近くの下方修正が予想されていたため、結果が伝わると売買が交錯した。23時過ぎに一時146.53円付近まで下押ししたものの、そのあとは米長期金利の切り返しとともに買い戻しが優勢となり147.40円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは弱含み。アジア市場では一時1.1780ドルと7月24日以来の高値を付けたものの、同日の高値1.1789ドルが目先レジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなった。
NY市場に入り、米雇用者数の年次ベンチマーク改定の速報値が伝わると1.1762ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、すぐに失速。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると一時1.1706ドルと日通し安値を更新した。市場では「前日の仏信任投票の敗北は織り込み済みだったが、同国の政治を巡る先行き不透明感は引き続きユーロの上値を抑えている」との声が聞かれた。
・ユーロ円は下げ渋り。20時前に一時172.14円と日通し安値を更新したものの、売り一巡後は徐々に下値を切り上げた。1時30分前には172.68円付近まで下げ幅を縮めた。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は小幅続伸。前日の米国株相場の上昇を受けて投資家心理が上向くと、英株にも買いが波及した。アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は反落。前日の米国株相場の上昇を受けて買いが先行したものの、すぐに失速した。仏政局不安を背景に仏長期債が下落(金利は上昇)すると、独長期債にも売りが波及し、株式相場の重しとなったもよう。個別ではBMW(4.16%安)やブレンターク(2.64%安)、コメルツ銀行(2.32%安)など下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。仏政局不安を背景に仏長期債が下落すると、独長期債にも売りが波及した。
9日の日経平均は4日ぶり反落。終値は184円安の43459円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり616/値下がり952。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって上昇。日経平均の銘柄入れ替えに絡んで、採用が決まったSHIFTや、除外を回避したトクヤマ、カナデビアが買いを集めた。月次好調が確認できたトレジャーファクトリーが急伸。総額200億円のビットコインを購入すると発表したコンヴァノが、場中は値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、ソフトバンクGが米国株高や米長期金利の低下を受けても4%台の下落。大阪チタニウム、三井金属、JX金属など足元で騰勢を強めていた非鉄株の下げが目立った。米国の長期金利の一段の低下を受けて、三菱UFJや三井住友など銀行株が軟調。日経平均採用銘柄からの除外が決まったシチズン時計が大幅安となり、下方修正を発表した学情が急落した。
日経平均は一時44000円を上回ったが、買いが続かず3桁の下落で終えた。きのうの625円高を踏まえれば184円安というのは大した下げではない。ただ、2日連続で取引時間中に史上最高値(43714.31円、8/18)を上回りながら、高値を更新できなかったことは残念な動き。
米国動向からは上昇のけん引役になっても不思議はなかったソフトバンクGが大幅安となって全体の足を引っ張っており、目先は上値を追いづらくなるだろう。きょうはフジクラ、大阪チタニウム、三井金属、JX金属など非鉄株が弱かった。いずれも高値圏で利益確定売りに押された程度であるが、7~8月以降に大きく水準を切り上げている分、上昇が止まれば下に勢いがつく可能性もある。この先、これらが派手に下げてしまうようだと、他の業種でも値持ちの良かった銘柄が売りに押されやすくなるだけに注意したい。
(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.41円(前営業日比▲0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.59円(▲0.91円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1708ドル(▲0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:45711.34ドル(△196.39ドル)
ナスダック総合株価指数:21879.49(△80.79)
10年物米国債利回り:4.08%(△0.04%)
WTI原油先物10月限:1バレル=62.63ドル(△0.37ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3682.2ドル(△4.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は小反落。欧州市場では「日銀は国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない」との一部報道をきっかけに円買い・ドル売りが優勢となり、一時146.31円と日通し安値を付けたものの、売りが一巡すると底堅く推移した。一目均衡表雲の下限146.52円や8月14日の安値146.21円がサポートとして働いたようだ。
NY市場では、米労働省統計局(BLS)が雇用統計の年次改定で2025年3月までの1年間の雇用者数が91.1万人の下方修正になるとの推計値を公表。市場では70万人から80万人程度の下方修正が見込まれていたものの、一部の金融機関では100万人近くの下方修正が予想されていたため、結果が伝わると売買が交錯した。23時過ぎに一時146.53円付近まで下押しした。ただ、そのあとは米長期金利の切り返しとともに買い戻しが進み、5時過ぎには147.47円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。米雇用者数の年次ベンチマーク改定の速報値が伝わると1.1762ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、すぐに失速。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると一時1.1704ドルと日通し安値を更新した。市場では「前日の仏信任投票の敗北は織り込み済みだったが、同国の政治を巡る先行き不透明感は引き続きユーロの上値を抑えている」との声が聞かれた。
なお、マクロン仏大統領はこの日、新首相に中道右派の重鎮であるセバスチャン・ルコルニュ氏を指名した。
・ユーロ円は反落。20時前に一時172.14円と日通し安値を更新したものの、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢となり、1時30分前には172.68円付近まで下値を切り上げた。ドル円の持ち直しにつれた動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。米労働省が発表した米雇用統計の年次改定を受けて、9月の米利下げがほぼ確実視されたことが買い安心感につながった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、史上最高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに反落。仏政局不安を背景に欧州債相場が下落すると、米国債にも売りが波及した。足もとで相場上昇が続いたあとだけに、持ち高調整目的の売りも出やすかった。
・原油先物相場は続伸。石油輸出国機構(OPEC)プラスの有志8カ国による10月増産幅は、懸念されたほどの大きさではなかった。供給過剰への警戒感が後退し、昨日同様にこの日も買い戻しが先行。もっとも、4日の高値圏である63ドル後半では頭を抑えられた。
・金先物相場は小幅に3日続伸。米労働省統計局(BLS)は年次改定で、2025年3月まで1年間の雇用者数(推計値)を91.1万人も下方修正すると公表。これを受けて安全資産とされる金に買いが集まり、一時3715ドル付近まで上げ足を速めた。もっともその後、米長期金利が上昇に転じると金利がつかない金は持ち高調整の売りに押され、高値から約50ドル下げる場面もあった。一巡後は持ち直し、この日も中心限月の清算値ベースで最高値を更新している。
米労働統計局が発表した雇用者数の年次ベンチマーク改定の速報値は年間91.1万人の下方修正となった。市場では70万人程度の下方修正が見込まれていた。
マクロン仏大統領は9日、新首相に中道右派の重鎮であるセバスチャン・ルコルニュ氏を指名した。
9日11:23 加藤財務相
「マクロ経済全体には明るい兆しが見える」
「日米関税の動向を分析し、必要な対応を行う」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○10:30 ◎ 8月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比▲0.2%)
○10:30 ◎ 8月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲2.9%)
○15:00 ◎ 8月ノルウェーCPI(予想:前月比▲0.6%/前年比3.5%)
○16:00 ◇ 7月トルコ鉱工業生産
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 8月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比5.09%)
○21:30 ◎ 8月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比3.3%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.5%)
○23:00 ◇ 7月米卸売売上高(予想:前月比0.2%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○11日01:00 ◎ 8月ロシアCPI(予想:前月比▲0.2%)
○11日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧州市場で「日銀は国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない」との報道を受けた安値146.31円から、米長期金利の上昇を受けて147.47円付近まで反発した。ユーロドルは米雇用者数の年次ベンチマーク改定の速報値を受けて1.1762ドル付近まで強含んだ後、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いで1.1704ドルまで反落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が上値を抑える中、今夜発表される8月米卸売物価指数(PPI)への警戒感から下げ渋る展開が予想される。
パウエルFRB議長が夏にかけてトランプ関税の影響が物価に顕在化すると述べていたことで、本日の8月米PPIや明日のCPIを見極めていくことになる。
ドル円のテクニカル分析では、8月1日の高値150.92円を頭、左肩が149.18円、右肩が149.14円、ネック・ラインが145.86円~146.21円の「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成中と見なせる。日足一目均衡表の雲の下限(146.52円)を下抜けて、ネック・ラインを下抜ければ完成するため、下値リスクに警戒しておきたい。
昨日は、関係筋の話として、日本銀行は、石破首相の退陣表明を受けて国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない姿勢が示された。
9月18-19日の日銀金融政策決定会合では、経済・物価情勢を入念に点検するが、引き続き不確実性が大きい中で、米関税政策の影響や国内政治情勢を受けた金融市場の動向などを見極めるため、0.5%程度の政策金利の維持を決める公算が大きい、とのことである。
しかし、10月29-30日の会合では、10月4日に予定されている自民党総裁選挙や国会での首相指名選挙などが終わっているため、新政権の財政拡張政策に伴って経済・物価に上振れ余地が生じる可能性があるため、利上げに踏み切る可能性が指摘されている。
一方で、翌日物金利スワップ(OIS)から算出した12月会合までの0.25%の利上げ確率は、今月初めの70%程度から50%程度まで低下している。
昨日、米労働統計局が発表した雇用者数の年次ベンチマーク改定(2024年4月から2025年3月)の速報値は、▲91.1万人下方修正された。
2024年4月から2025年3月までの雇用者数は、180.5万人増加(月平均+15.04万人)していたが、▲91.1万人の下方修正により、89.4万人(月平均+7.45万人)となったことで、9月16-17日のFOMCでの0.50%の大幅利下げの可能性に警戒することになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9月に0.25%の利下げを予想する確率は93.8%、0.50%の利下げ確率は6.2%となっており、9月の利下げを完全に織り込んでいる。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 43600 +40 (+0.09%)
TOPIX先物 3136.0 +9.0 (+0.28%)
シカゴ日経平均先物 43495 -65
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米労働省が発表した米雇用統計の年次改定で、2025年3月までの1年間の雇用者数が推計値で91万1000人下方修正された。雇用の増加ペースが想定以上に鈍っていたことが明らかになり、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げはほぼ確実と受け止められて買いが優勢となった。2025年12月期通期の収益見通しを据え置いたユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が、8%を超える上昇でNYダウを押し上げた。
S&P500業種別指数は、メディア、銀行、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で、耐久消費財・アパレル、素材、テクノロジー・ハード・機器の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループのほか、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、エヌビディア<NVDA>が買われた。半面、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、アップル<AAPL>、ウォルト・ディズニー<DIS>が軟調。
シカゴ日経平均先物の清算値は大阪比65円安の4万3495円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比20円高の4万3580円で始まった。その後はショート優勢の流れとなり、米国市場の取引開始後には4万3080円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は終盤にかけて下げ幅を縮め、終了間際にプラスに転じた。4万3610円まで買われ、4万3600円とナイトセッションの高値圏で取引を終えている。
日経225先物は節目の4万3000円に接近する場面もみられたが、終盤にかけての切り返しでボリンジャーバンドの+1σ(4万3440円)を上回って終えた。同バンドでの攻防になりそうだが、+1σ水準での底堅さがみられるようだと再度+2σ(4万4180円)を意識したトレンド形成が見込まれる。週末に9月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控え、仕掛け的な売買は手控えられやすいが、トレンドが強まる局面ではヘッジ対応の動きが強まる可能性がある。
前日に4万4190円まで買われ+2σに接近した後はロング解消から下落に転じ、+1σ水準まで下げていた。ナイトセッションで同バンドを割り込み、4万3080円まで下げたことで値幅調整としては十分だろう。そのため、オプション権利行使価格の4万3500円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万3000円から4万4000円のレンジを想定する。
+1σが抵抗となるようだと、4万3000円へのバイアスが強まる可能性はありそうだが、4万3000円割れから25日移動平均線(4万2690円)のレンジでは押し目狙いのロングで対応し、その後のカバー狙いのスタンスとなりそうだ。ヘッジ対応の動きはあるとしても、新政権への期待感からショートは仕掛けにくくさせよう。
9日の米VIX指数は15.04(8日は15.11)に低下した。一時15.82まで上昇し、25日線(15.41)を上回る場面もみられたが、その後は落ち着きをみせて14.97まで低下する局面もあった。直近の安値水準での推移をみせているため、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.93倍に上昇した。一時13.98倍まで上昇しており、200日線(13.93倍)を上回る場面もみられた。ただ、同線をキープできず、その後は上値を抑えられる形のなかで、NTロングを巻き戻す動きに向かわせていた。スプレッドは狙いにくいところであるが、200日線を下回る水準ではNTロングを組成する形になりそうだ。
東京市場はしっかりか。米国株は上昇。ダウ平均は196ドル高の45711ドルで取引を終えた。米労働省統計局が雇用統計の年次改定で、2025年3月まで1年間の雇用者数を大幅に下方修正。景気減速への警戒から序盤には下げる場面もあったが、利下げに対する期待が一段と高まったことで、中盤以降は堅調に推移した。ドル円は足元147円40銭近辺で推移している。CME225先物は円建て・ドル建てともに65円安の43495円で取引を終えた。
米国株は小幅な上昇ではあったが3指数がそろって史上最高値を更新しており、日本株にもプラスの影響が及ぶと予想する。ただ、きのうの日経平均は一時44000円を上回りながら3桁の下落で終えており、高くなれば目先の利益を確定させる売りは出やすい。週後半にかけては米国の物価指標の発表やECB理事会が控えており、これらを見極めたい状況下では商いの低調が予想される。米国株高を受けて売り急ぎが抑制される分、プラス圏で推移する時間が長くなるとみるが、上値は重いだろう。日経平均の予想レンジは43350-43650円。
昨日のドル円は、完全に行って来い。欧州時間には、日銀会合前の恒例の利上げ観測記事に反応すると一時146.31円まで売り込まれたものの、NY時間に入って注目の米雇用統計年次改定値が公表されると、発表直後こそ下押ししましたが、米長期金利が一転して上昇するにつれて147.47円まで買い戻されて9日の取引を終えました。
ゴトー日の東京市場では、早朝から実需の買いが目立つとNY時間の高値を上抜けて一時147.57円まで値を上げる場面もみられましたが、昨日高値の147.58円が戻りの目処として意識されると早朝の安値である147.30円に面合わせするなど、戻り高値圏での様子見が続いているといったところです。
市場は当然のことながら、「今夜の米PPI待ち」であることは明らか。米連邦地方裁判所の判事が「トランプ米大統領はクックFRB理事を現時点では解任出来ない」と判断したことが報じられたものの、アジアではほとんど反応もないままとなっています。
いずれにしても、ドル円は昨日、「日銀前になると必ずどこからかともなく湧いてくる利上げ観測ヘッドライン」の今更ネタに反応するといった悪手だったわけで、しかも、米雇用統計年次改定値が「まあ、そんなところだよね」といった数字だった後の米長期金利の急反転を受けて、かなり長い下ひげを形成しての行って来いに、146円台での下値の堅さを確認しただけのような動きとなっています。
「起業・廃業モデルにより、NFPは労働市場を過大評価している可能性」
(2023年7月:ウォールストリート・ジャーナル紙)
1. 「Birth-Death model(起業・廃業モデル)」
雇用統計の事業所調査は、非農業部門(Non Farm)約12万社の給与明細(Payroll)でのサンプル調査で集計されるが、新たに生まれた企業による新規雇用と事業閉鎖に伴う雇用者減少は反映されない面がある。そこで、労働省は、事業者調査に基づく雇用者増加数に、通常のサンプルでは捕捉しきれない新たに生まれた企業による新規雇用者増加数と事業閉鎖に伴う雇用者減少数を暫定的に推計して、過去5年間の移動平均線と比較する「起業・廃業モデル)」で調整している。
しかし、米労働省は、「起業・廃業モデル」が正確ではないことを認めており、ウォールストリート・ジャーナル紙は、2023年7月の記事で、「起業・廃業モデル」により「NFPは労働市場を過大評価している可能性」を取り上げていた。
2. 年次ベンチマーク改定の速報値
労働統計局は年に1回、3月時点の雇用者数を見直している。ベンチマーク改定は、速報性に欠けるものの正確性の高い「四半期雇用・賃金調査(QCEW:Quarterly Census of Employment and Wages)」を基に行われる。QCEWは州失業保険税の記録を基に作成され、全米の雇用者の大部分をカバーする。
9月9日に発表された年次ベンチマーク改定の速報値では、2024年4月から2025年3月までの1年間の雇用者増は91万1000人下方修正されることが示された。
改定前の雇用者数は1年間に180.5万人増(月平均+15.04万人)だったが、今回の改定を受けて、89.4万人(月平均+7.45万人)となった。
【速報値段階の年次ベンチマーク改定】
・2006年:+81.0万人 ・2007年:▲29.7万人 ・2008年:▲2.1万人
・2009年:▲82.4万人 ・2010年:▲36.6万人 ・2011年:+19.2万人
・2012年:+38.6万人 ・2013年:+34.5万人 ・2015年:▲20.8万人
・2016年:▲15.0万人 ・2017年:+9.5万人 ・2018年:+4.3万人
・2019年:▲50.1万人 ・2020年:▲17.3万人 ・2021年:▲16.6万人
・2022年:+46.2万人 ・2023年:▲30.6万人 ・2024年:▲81.8万人
・2025年:▲91.1万人
3.パウエルFRB議長のミス
マクロ経済の素人であるパウエルFRB議長は、2021年にインフレ率が7%台まで上昇している時に「インフレは一時的」であると主張して利上げを拒み、2025年にインフレ率が2%台まで低下している時に「トランプ関税は一時的」と主張している。
7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での労働市場に関する判断の根拠の1つとなっていた数値は、3カ月平均で+15万人という水準だった。
しかし、現時点での3カ月平均(6月、7月、8月)は、+2.9万人となっており、労働市場の脆弱性を根拠に利下げを主張していたウォラーFRB理事とボウマンFRB副議長の見立てが正しかったことになる。また、8月の失業率が4.3%まで上昇し、FRBが完全雇用と見なす4.2%をわずかに上回っている。
パウエルFRB議長はジャクソンホール会合での講演で、2020年8月のジャクソンホール会合での見解、すなわち、FRBの金融政策の主軸を「物価安定」から「雇用最大化」へ大転換することを表明している。
日経225先物は11時30分時点、前日比100円高の4万3660円(+0.22%)前後で推移。寄り付きは4万3480円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3495円)にサヤ寄せする形から、やや売りが先行して始まった。ただ、直後につけた4万3460円を安値にロング優勢の流れとなってプラス圏を回復すると、中盤にかけて4万3730円まで買われる場面もみられた。終盤は上げ幅を縮めているが、4万3600円を挟んでの底堅さが意識されている。
日経225先物は下落して始まったが、ボリンジャーバンドの+1σ(4万3430円)を上回っての推移となった。4万3730円まで買われた後は上げ幅を縮めたものの、プラス圏での推移を続けており、短期的なショートを仕掛けにくくさせている。9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を週末に控えるなかで、限月交代に伴うロールオーバー中心の動きになりそうだ。ただし、膠着ながらも+1σを上回っての推移を継続していることもあり、終盤にかけて短期筋のショートカバーを誘う可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.92倍に低下した。一時13.97倍まで上昇しており、再び200日移動平均線(13.93倍)を上回る場面もみられた。ただ、同線をキープできず、その後はNTロングを巻き戻す動きに向かわせている。ただし、200日線水準での攻防をみせており、同線を下回る局面ではNTロングを組成する動きが意識されやすい。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、今夜発表される8月米卸売物価指数(PPI)や明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて動きづらい展開が予想される。
明日の欧州中央銀行(ECB)理事会では政策金利の据え置きが見込まれており、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げがほぼ確実視されているため、ユーロ買い・ドル売り要因となっている。
ラガルドECB総裁は先日、「ECB は物価目標を達成した」と述べ、金融政策が「良い立ち位置にいる」との考えを踏襲して、様子見姿勢を維持することを示唆していた。
しかし、フランスの政局混迷やフランス国債の格下げへの警戒感が上値を抑える展開となっている。
ラガルドECB総裁は「ユーロ圏内での政権崩壊はどの国であれ懸念材料」と警戒している。
フランスのマクロン大統領は9日、前政権で国防相を務めたセバスチャン・ルコルニュ氏を新首相に指名し、分裂状態にある下院での予算案の可決という重責を託した。
しかし、極右政党・国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン氏は、ルコルニュ氏の起用はマクロン氏の最後の一手であり、新たな総選挙は不可避だと述べた。
社会党も、マクロン氏の手法に一切加担しないと表明しており、依然として予算案の成立が危ぶまれており、解散総選挙への警戒感は払しょくされないままとなっている。
フランスのソブリン格付けの見直しに関して、フィッチ・レーティングスは9月12日、DBRSは19日、ムーディーズ・レーティングスは10月24日、S&Pグローバル・レーティングは11月28日に公表する予定となっており、フランスの予算案を巡る混迷に対する審判には警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1829ドル(7/1高値)
・ユーロ円:173.97(7/28 高値=年初来高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1593ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:171.68円(日足一目均衡表・雲の上限)
新華社が報じたところによると、中国は積極的な財政政策をフル活用し、雇用と対外貿易の安定を約束するという。また、今後も、経済・金融分野やインフラ、気候関連などの重要産業やセクターでリスク回避と抑制策を継続的に講じていく方針を明らかにした。
ドル円:1ドル=147.42円(前営業日NY終値比△0.01円)
ユーロ円:1ユーロ=172.61円(△0.02円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1708ドル(横ばい)
日経平均株価:43837.67円(前営業日比△378.38円)
東証株価指数(TOPIX):3140.97(△18.85)
債券先物9月物:137.95円(▲0.05円)
新発10年物国債利回り:1.565%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は小動き。本日は5・10日(ゴトー日)とあって仲値にかけた買いが入ったほか、時間外の米10年債利回りが上昇したことも支えとなり、一時147.57円まで値を上げた。もっとも、昨日高値の147.58円が目先のレジスタンスとして意識されると、その後は147.40円を挟んだもみ合いとなった。
・ユーロ円は下値が堅い。午前には一時172.39円まで小幅に下げたが、日経平均株価が後場にかけて底堅く推移すると次第に買い戻しが強まり、一時172.74円まで切り返した。
また、豪ドル円は97.50円、NZドル円は87.74円まで上値を伸ばすなど、オセアニア通貨のクロス円が堅調に推移した。
・ユーロドルも下値が堅い。昨日の海外市場で売られた流れを引き継いで一時1.1690ドルまで下げたが、一巡後はショートカバーが入り1.1718ドルまで反発している。
・日経平均株価は反発。8月18日以来、3週間ぶりに史上最高値を更新した。昨日の米国株が上昇した影響を受け、主力株を中心に買いが強まった。
・債券先物相場は続落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いだ。日銀が年内に利上げに踏み切るとの見方が広がっていることも重しとなった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
フランス新首相は大統領の側近 左派の協力取り付けに暗雲
辞任に追い込まれたバイル首相に代わり、9日にマクロン大統領が後継首相に指名したのは、自身が旗揚げした中道政党に所属するルコルニュ国防相。新首相は不安定な政権基盤を安定させるため、議会の他勢力との連携を模索するが、野党勢の反応は冷ややかだ。穏健左派の政権協力を取り付けるには、財政政策の軌道修正が不可欠で、財政リスクが高まる恐れがある。政権基盤の強化に失敗すれば、予算協議が行き詰まり、新首相も辞任に追い込まれる。首相辞任が続けば、議会の解散権を持つ大統領が解散・総選挙を求める声を無視することは難しくなる。
ロシアの無人機(ドローン)がポーランド領空に侵入し、NATO加盟国ポーランドは最高警戒態勢を発令。ポーランド軍は戦闘機を発進させ、地上の防空・レーダーも最高水準に引き上げた。侵入した無人機は複数に及ぶ可能性が報告され、特に国境近くの都市ザモシュチが脅威にさらされている。NATOオランダ空軍の空中給油機が支援に向かい、ドローンの迎撃態勢が強化されている。一連の事態は、ロシアによるウクライナに対する大規模な無人機・ミサイル攻撃の最中に発生しており、東欧の緊張が高まっている。さらにロシアのエネルギー施設も攻撃を受けており、欧州は厳しい冬を迎える懸念が強まっている。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
南ア4-6月GDPは久々の高成長も、実態との乖離を示唆する内容
ランド相場は米ドル安や実質金利が下支え役となるも、先行きも米ドル相場に左右される展開が続く
トランプ米政権は、安全保障上の理由や貿易赤字の是正を目的に相互関税を発動している。しかし、南アフリカへの貿易赤字は小幅にもかかわらず30%の高関税を課し、BRICS諸国を標的とする姿勢を鮮明にしている。南アフリカの対米輸出依存度は低いものの、低成長が続くなかで、すでに自動車関連輸出などに深刻な悪影響が出るなど、景気の重石となることは避けられない
こうした状況ながら、4-6月の実質GDP成長率は前期比年率+3.37%と久々の高成長となるなど回復が確認されている。インフレ鈍化や中銀の利下げを背景に個人消費は拡大するなど、景気持ち直しの動きをけん引している。しかし、固定資本投資は減少が続いているほか、輸出不振の動きも確認されている。さらに、在庫の積み増しが景気を押し上げる様子が確認されており、景気回復の持続性には疑問が残る。
分野別では、農林漁業や製造業、サービス業など幅広い分野で生産拡大が確認されている。その一方、建設業や公益部門の生産は低迷しており、景気実態と数字との乖離を示唆している可能性がある。また、中銀は昨年後半以降に利下げを進めてきたものの、足元では消費拡大を追い風にインフレ圧力が再燃する動きがみられる。今後はトランプ関税の余波を受けた雇用悪化や在庫調整が景気の足かせとなり得る。
通貨ランド相場は、金融市場における米ドル安に加え、高い実質金利を追い風に堅調な推移をみせる。ただし、インフレ動向や実体経済の不透明感を勘案すれば、米ドル相場の動向に左右される展開が続こう。
トランプ米大統領は、ロシアへの圧力強化を狙い、欧州連合(EU)に対し中国とインドからの輸入品に最大100%の関税を課すよう要請した。米国も足並みをそろえて同様の措置を検討しており、欧米のロシア制裁戦略が「関税」にも拡大する可能性が出ている。トランプ大統領は中国・インドの対ロ支援を一貫して批判してきたが、インドとは貿易障壁解消で連携強化の意向も示している。
米欧による厳しい新関税措置は、ロシア経済の資金源遮断とエネルギー制裁の補完を狙ったもの。インドや中国は反発しており、国際貿易・外交に波紋が広がる見通しだ。
2024年全米学力テスト(NAEP)で、高校12年生の数学と読解力の全国平均スコアが過去最低を記録。数学では45%、読解では32%の生徒が「基礎未満」となり、10年来続く下落傾向が一層鮮明となった。特にコロナ以降、回復の兆しはなく、教育長官は「国家的な危機」と位置づけている。最下位層と上位層の格差も拡大し、低所得層や女子の成績低下が顕著。巨額の教育資金投入にもかかわらず、成果は出ておらず、教育政策の抜本的見直しが求められている。
大阪9月限
日経225先物 43870 +310 (+0.71%)
TOPIX先物 3146.0 +19.0 (+0.60%)
日経225先物(9月限)は前日比310円高の4万3870円で取引を終了。寄り付きは4万3480円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3495円)にサヤ寄せする形から、やや売りが先行した。直後につけた4万3460円を安値にロング優勢となってプラス圏を回復すると、前場中盤にかけて4万3730円まで買われた。
前場終盤は上げ幅を縮め再び下落に転じる場面もみられたが、ランチタイムで中盤につけた高値を捉えると、後場は4万3750円~4万3850円辺りで推移。終盤にかけてヘッジ対応の動きが強まり、終了間際には4万3890円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は下落して始まったが、ボリンジャーバンドの+1σ(4万3460円)を上回っての推移となった。4万3730円まで買われた後は上げ幅を縮めたものの、節目の4万3500円を割り込まなかったことで、短期的なショートを仕掛けにくくさせていた。底堅さが意識されてランチタイム以降は短期筋のショートカバーが優勢となり、9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を週末に控えてヘッジ対応の動きも入った形だろう。
米国では10日に米生産者物価指数(PPI)、11日に消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、これらの結果を受けて米利下げ期待に変化がみられるかを見極めたいところではある。一方で、新政権を巡る思惑から押し目待ち狙いの買いが入りやすい。さらに、メジャーSQを控えるなかでレンジを切り上げていることから、ヘッジ対応に伴うロングが入りやすい需給状況である。
+1σを再び割り込んでくるようだとショートヘッジに向かわせる可能性はあるが、現状では+2σ(4万4220円)とのレンジが意識されやすい。SQでの4万4000円突破となれば上へのバイアスが一段と強まる可能性も考えられるため、短期的とはいえショートからのエントリーは慎重にさせよう。そのため、オプション権利行使価格の4万3500円から4万4250円のレンジを想定。
NT倍率は先物中心限月で13.94倍に上昇した。一時13.97倍まで上昇した後は200日移動平均線(13.93倍)での攻防をみせていたが、同線を終値で上回ってきた。足もとでは200日線水準ではリバランスが入りやすく、NTロングの巻き戻しに向かわせていた。SQに絡んだ商いでトレンドを見極めにくくさせるため、まずは同線を下回る局面でNTロングを組成する動きが強まろう。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8627枚、ソシエテジェネラル証券が1万5382枚、野村証券が6978枚、HSBC証券が5089枚、バークレイズ証券が4672枚、JPモルガン証券が3959枚、ゴールドマン証券が3308枚、サスケハナ・ホンコン証券が2299枚、UBS証券が2288枚、ビーオブエー証券が2122枚だった。
TOPIX先物はソシエテジェネラル証券が2万5442枚、ABNクリアリン証券が1万2060枚、ゴールドマン証券が1万0725枚、バークレイズ証券が9199枚、ビーオブエー証券が8787枚、野村証券が8227枚、モルガンMUFG証券が7569枚、シティグループ証券が7553枚、JPモルガン証券が7443枚、みずほ証券が6361枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、8月米卸売物価指数(PPI)を確認しながら、米長期金利をながめることになるか。
まず8月米PPIについて、市場予想は前年比+3.3%/コア・前年比+3.5%となっている。明日の8月米消費者物価指数(CPI)を確認する必要はあるものの、予想を上回る伸びとなれば、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%利下げ観測が後退し、米長期金利が上昇してドル円を押し上げるかもしれない。前回の7月PPIでは関税の影響で伸びが加速したことが明らかとなり、0.50%利下げ観測が後退すると共にドル買いで反応していた。ただし、予想外の伸び鈍化となればドル売りを促すこともあり得る。結果に注目したい。
CMEのフェドウォッチ・ツールを見ると、今月のFOMCでの利下げ確率は、0.50%は8%程度となっている。それに対して0.25%は90%超に達しており、0.25%の利下げがほぼ織り込まれている状況である。この点からも、市場の関心は大幅利下げ観測が高まるか、それとも後退するかにあるといえる。
また、FOMCのブラックアウト期間中のためFRB関係者からの発言は期待できない中、PPIを受けたトランプ米大統領を始めとする米政府関係者の発言には気を付けたい。トランプ米大統領によるFRB批判は今に始まった事ではないが、新手の批判方法を繰り出すようならばドル売りでの反応が予想される。事前に予想することは困難ではあるが、万一への備えは怠らないようにしたい。
そのほか、NY午後になるが米10年債入札が予定されている。入札結果を受けた債券市場の動きが為替にも影響を及ぼすことも考えらえる。
テクニカル面では、ドル円は前日に146.31円まで下落して1カ月弱ぶりの安値を付けるも少し下に位置していた90日移動平均線が目先のサポートとして意識されると下げ渋る動きとなり、結局は下影の長い「たくり足」を日足チャートに付けた。本日の東京市場では147円台半ばで伸び悩んだが、同水準には日足・一目均衡表の基準線147.68円や転換線147.73円、雲の上限147.95円などが集まっており、抵抗帯となっている。これらをこなして148円台に乗せるようならば、前日の足形と合わせて上値を試す流れに傾くことも考えられる。
想定レンジ上限
・ドル円は、日足・一目均衡表の雲の上限147.95円。超えると4日高値148.78円
想定レンジ下限
・ドル円は、心理的節目の147.00円。割り込むと90日移動平均線146.26円
今晩は米8月生産者物価指数(PPI)に注目。昨日は労働省が2025年3月まで1年間の雇用者数の大幅に下方修正したことを受けた利下げ期待の高まりや、ダウ平均採用のユナイテッドヘルス株の大幅高などで主要3指数がそろって2日続伸。ダウ平均が7営業日ぶりに終値の最高値を更新し、S&P500も3営業日ぶりに終値の最高値を更新。ナスダック総合は2日連続で取引時間中と終値の史上最高値を更新した。引け後の動きではクラウド・データベース売上高が急増したことが好感されたソフトウェア大手のオラクルが時間外で28%高と急伸した。
今晩の取引ではオラクルの大幅高が見込まれることでハイテク株を中心に堅調な展開が期待できるが、利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される米8月生産者物価指数(PPI)が焦点となりそうだ。先週末の米8月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく下回ったことや、昨日の雇用統計の年次改定を受けて9月米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが確実視されているものの、8月PPIが予想を上回る大幅な上昇となれば利下げ期待の後退が相場の重しとなることが警戒される。
今晩の米経済指標・イベントは8月PPIのほか、MBA住宅ローン申請指数、7月卸売在庫、EIA週間原油在庫、米10年債入札など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反発。小幅高のスタートから、緩やかに上げ幅を拡大する展開となった。前日の陰線の水準を切り上げる動きとなり、ほぼ高値引けの陽線を形成した。
RSI(9日)は前日64.0%→64.8%(9/10)に横ばい。8月につけた終値ベースの高値(43714円)を上回り、史上最高値を更新した。あすは9/9の取引時間中につけた高値(44185円)を超えて終えられるかに注目したい。
上値メドは、9/9高値(44185円)、心理的節目の44500円や45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、5日移動平均線(43307円 9/10)、心理的節目の43000円、25日移動平均線(42693円 同)、心理的節目の42000円、7/31高値(41151円)、心理的節目の41000円などがある。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.033%、応札倍率(カバー)が2.65倍となった。
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.33円(10日15時時点比▲0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.46円(▲0.15円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1706ドル(▲0.0002ドル)
FTSE100種総合株価指数:9225.39(前営業日比▲17.14)
ドイツ株式指数(DAX):23632.95(▲85.50)
10年物英国債利回り:4.633%(△0.010%)
10年物独国債利回り:2.652%(▲0.007%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
(前月比) ▲0.6% 0.8%
(前年比) 3.5% 3.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは下値が堅かった。「ポーランド軍と北大西洋条約機構(NATO)軍はウクライナ攻撃に際してポーランドに侵入したロシアのドローン(無人機)を撃墜した」との報道が伝わると、地政学リスクへの警戒からユーロ売りが先行。16時過ぎに一時1.1683ドルと日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米労働省労働統計局(BLS)が発表した8月米卸売物価指数(PPI)が前月比▲0.1%/前年比2.6%と予想の前月比0.3%/前年比3.3%を下回り、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比▲0.1%/前年比2.8%と予想の前月比0.3%/前年比3.5%より弱い内容だったことが分かると全般ドル売りが活発化。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、24時前に一時1.1730ドルと日通し高値を付けた。
・ドル円は一進一退。米インフレ指標の発表を控えて、しばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いた。NY市場では、米PPIが予想を下回ったことが伝わり一時147.13円と日通し安値を付けたものの、売りは一時的ですぐに持ち直した。22時前には一時147.65円と日通し高値を付けている。もっとも、そのあとは米長期金利の低下に伴う売りが出たため、再び上値が重くなった。
市場では「明日11日発表の8月米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたい」との声も聞かれ、方向感が出にくい面もあったようだ。
・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に172.48円付近まで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。24時過ぎに一時172.91円と日通し高値を更新した。ただ、続落して終えた独DAXや一時300ドル超下落したダウ平均を背景に円買い・ユーロ売りが優勢になると、172.39円とアジア時間に付けた日通し安値に面合わせした。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。前日の米国株相場が史上最高値を更新すると、投資家心理が上向き英株にも買いが波及した。ただ、ロンドン午後に入ると徐々に上値が重くなり下げに転じた。ボーダフォン・グループやインフォーマなど電気通信サービス株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。前日の米国株相場が史上最高値を更新すると、独株にも買いが先行したものの、すぐに失速した。明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前にポジション調整目的の売りなどが出たようだ。個別ではSAP(2.87%安)やバイヤスドルフ(2.23%安)、ドイツテレコム(2.16%安)など下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
10日の日経平均は大幅反発。終値は378円高の43837円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり819/値下がり725。アドバンテストが3%を超える上昇となって連日で上場来高値を更新。前日大きく下げたソフトバンクGが7.3%高と急伸した。フジクラや古河電工など電線株が大幅上昇。一部メディアでエリオットマネジメントが大株主に浮上したとの観測が報じられた関西電力が買いを集めた。米オラクルが決算を材料に時間外で急騰したことを受けて、日本オラクルが6%近い上昇。米オラクルの決算がソフトバンクGなど生成AI関連への買いを刺激したとの見方もあった。
一方、サンリオが2%を超える下落。大阪チタニウムがきのうに続いて大きく売られており、5%を超える下落となった。住友ファーマやエーザイなど薬品株の一角が大幅安。トヨタ、ホンダ、SUBARUなど自動車株がセクターとして弱かった。ネガティブな材料があった銘柄は厳しい下げとなっており、下方修正を発表した三井ハイテックやベステラが急落した。
日経平均は大幅高。きのう全体の足を引っ張ったソフトバンクGが、きょうは指数の上昇に大きく貢献した。8日に政治の変化を理由に大幅高となった後、9日はその反動が大きく出すぎて本日修正が入ったようにも見える。ソフトバンクGとアドバンテストの2銘柄で330円近く指数を押し上げており、目先はこれらの影響を大きく受けると思われるが、史上最高値を更新したことで、下では買いが入りやすくなるだろう。
本日の米国では8月の生産者物価指数(PPI)が発表される。翌11日には消費者物価指数(CPI)の発表もあるだけに、FOMC直前に出てくる物価指標に対して、マーケットがどういった反応を見せるかが注目される。現状では0.25%の利下げは確実とみられており、PPIやCPIが多少強かったとしてもその見方は変わらないだろう。著しく弱かった場合には、9月の利下げ幅が0.25%ではなく0.50%になるとの見方が強まると思われる。このケースで米国の長期金利が大きく低下した場合、グロース株には追い風となるが、ドル円が円高(ドル安)に振れてしまうと日本株は上がりづらくなる。足元のドル円は比較的落ち着いた動きを見せているだけに、円高がそれほど進まず、日本株の下振れリスク低下につながる展開に期待したい。
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.46円(前営業日比△0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.46円(▲0.13円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1695ドル(▲0.0013ドル)
ダウ工業株30種平均:45490.92ドル(▲220.42ドル)
ナスダック総合株価指数:21886.06(△6.57)
10年物米国債利回り:4.04%(▲0.04%)
WTI原油先物10月限:1バレル=63.67ドル(△1.04ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3682.0ドル(▲0.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 9.2% ▲1.2%
8月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.1% 0.7%・改
(前年比) 2.6% 3.1%
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) ▲0.1% 0.7%・改
(前年比) 2.8% 3.4%・改
7月米卸売売上高
(前月比) 1.4% 0.7%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小反発。米労働省労働統計局(BLS)が発表した8月米卸売物価指数(PPI)が前月比▲0.1%/前年比2.6%と予想の前月比0.3%/前年比3.3%を下回り、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比▲0.1%/前年比2.8%と予想の前月比0.3%/前年比3.5%より弱い内容だったことが分かると全般ドル売りが先行し、一時147.13円と日通し安値を付けた。
ただ、ドル売りは一時的ですぐに持ち直した。22時前には一時147.65円と日通し高値を更新した。もっとも、そのあとは米長期金利の低下に伴う売りが出て再び上値が重くなるなど、大きな方向感は出なかった。明日11日発表の8月米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたい市場参加者が多く、方向感が出にくい面もあったようだ。
・ユーロドルは小幅ながら続落。米PPIが予想を下回ったことや米長期金利の低下を受けてユーロ買い・ドル売りが先行。24時前に一時1.1730ドルと日通し高値を付けた。
ただ、明日の米CPIや欧州中央銀行(ECB)定例理事会など重要イベントを前に、積極的に上値を追う展開にはならなかった。4時30分過ぎには1.1694ドル付近まで下押ししている。
・ユーロ円も小幅続落。24時過ぎに一時172.91円と日通し高値を付けたものの、上値は重かった。独DAXやダウ平均の下落を背景に円買い・ユーロ売りが優勢になると、一時172.38円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。8月米PPIは米利下げを後押しする内容だったが、明日の8月米CPIの結果を見極めたいとの見方から売りが優勢となった。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら3日続伸し、史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。8月米PPIが予想を下回ると買いが優勢となった。10年債入札が「堅調」と受け止められたことも相場の支援材料となり、利回りは一時4.0226%前後と4月7日以来約5カ月ぶりの低水準を付けた。
・原油先物相場は3日続伸。週初からの底堅さが継続され、一時64ドル台に乗せる場面もあった。産油国カタールの首都ドーハでは、イスラエル軍がイスラム組織ハマスの幹部を標的に攻撃を仕掛けた。こちらも原油買いを誘ったもよう。
・金先物相場はほぼ横ばい。時間外は持ち高調整の売りが先行するも、ポーランド領空を侵犯したロシアのドローンが撃墜されたことが報じられると、地政学リスクの高まりから安全資産の金は買い戻された。3700ドルには届かなかったが、8月米PPIが予想を下回り、米金利に低下圧力かかったことも金利の付かない金の支えとなった。
トランプ米大統領はクックFRB理事を現時点では解任できない、と判事が認定した。
一部通信社が報じたところによると、「メキシコは中国やアジアの自動車関税を50%に引き上げることを検討している」ようだ。
10日15:44 トゥスク・ポーランド首相
「昨夜、ポーランド領空が多数のロシア製ドローンに侵犯された」
「攻撃や挑発には直ちに対応できる体制が整っているので、パニックの必要はない」
「今のところ状況は制御されている様子」
10日19:57 ルッテ北大西洋条約機構(NATO)事務総長
「ロシアによる領空侵犯は完全に無謀」
「領域の隅々まで守ることを同盟国は決意」
「ウクライナ支援の強化を同盟国は決意」
10日20:52 シュレーゲル・スイス国立銀行(SNB)総裁
「金利に関する議論の要約の公表を開始」
「四半期ごとの決定から4週間後に公表」
「要約では個々の理事の立場は詳細には記載しない」
「マイナス金利導入のハードルは高いが、本当に必要なら実施」
「関税がスイスに与える影響を判断するのは困難」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 7-9月期法人企業景気予測調査
○08:50 ◇ 8月企業物価指数(予想:前月比▲0.1%/前年比2.7%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○08:01 ◇ 8月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:▲10)
○18:00 ◎ 4-6月期南アフリカ経常収支(予想:620億ランドの赤字)
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:41.00%に引き下げ)
○21:00 ◎ 7月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比0.8%)
○21:00 ◇ 7月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲0.2%)
○21:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:2.15%で据え置き)
○21:30 ☆ 8月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比2.9%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.1%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.5万件/195.0万人)
○21:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○12日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○12日03:00 ◎ 8月米月次財政収支(予想:3245億ドルの赤字)
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 43870 ±0 (±0.00%)
TOPIX先物 3135.0 -11.0 (-0.34%)
シカゴ日経平均先物 43900 +30
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
10日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。8月の米卸売物価指数(PPI)が前月比0.1%下落と市場予想を下回り、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げを決めるとの見方を後押しした。ただ、明日の8月米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの見方から、利益確定の売りが出やすかった。四半期決算で受注残が急増したオラクル<ORCL>が35%を超える大幅高となり、半導体などAI関連株に買いが波及しており、エヌビディア<NVDA>やブロードコム<AVGO>などの上昇が目立った。
S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、エネルギー、公益事業が上昇した半面、小売、テクノロジー・ハード・機器、食品・生活必需品小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほか、シェブロン<CVX>、シスコシステムズ<CSCO>、キャタピラー<CAT>、JPモルガン・チェース<JPM>が買われた。一方で、セールスフォース<CRM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>、マクドナルド<MCD>が軟調。
シカゴ日経平均先物の清算値は大阪比30円高の4万3900円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比10円高の4万3880円で始まった。その後はショート優勢となり、4万3690円まで売られる場面もみられた。ただ、下へのバイアスは強まらず、売り一巡後はロングが優勢となり、米国市場の取引開始後にはプラス圏を回復。中盤にかけて4万4020円まで買われ、その後は4万3820円~4万3940円辺りで保ち合い、日中比変わらずの4万3870円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まりそうだ。9月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えるなかで限月交代に伴うロールオーバーが中心になりやすく、膠着感が強まりやすいだろう。ただし、米国ではAI関連株に資金が集中する動きが目立ち、エヌビディアなどの強い値動きが支援材料になりそうである。
連日で史上最高値を更新しているアドバンテスト<6857.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が牽引する展開が見込まれるなかでは、下へのバイアスは強まらないだろう。日経225先物は4万4000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろうが、押し目待ち狙いのロング対応とし、ショートカバー狙いに向かわせそうだ。
ボリンジャーバンドの+1σ(4万3510円)と+2σ(4万4200円)によるレンジ内での推移をみせるなか、オプション権利行使価格の4万3750円から4万4250円辺りのレンジを想定。SQで4万4000円に乗せてくるとの思惑も高まりやすく、SQ通過後に上へのバイアスが強まる展開が期待されやすいだろう。
10日の米VIX指数は15.35(9日は15.04)に上昇した。一時15.63まで上昇し、25日移動平均線(15.35)を上回る場面もみられたが、その後は同線に上値を抑えられる形での推移だった。引き続き直近の安値水準での推移をみせているため、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.94倍に上昇した。一時13.97倍まで上昇した後は200日線(13.93倍)での攻防をみせていたが、同線を終値で上回ってきた。これまで200日線水準ではリバランスが入りやすかったが、米国で半導体などAI関連への物色が強まるなか、日経平均型優位の流れが意識されそうだ。SQに絡んだ商いでトレンドを見極めにくくさせるだろうが、8月19日以来の14.00倍台乗せを想定した、NTロングに振れそうである。
10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回った8月米卸売物価指数(PPI)を受けて147.13円まで下落後、147.65円まで買い戻された。ユーロドルは、米8月PPIが予想を下回ったことや米長期金利の低下を受けて1.1730ドルまで上昇後、1.1694ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、来週16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が上値を抑える中、今夜発表される8月米消費者物価指数(CPI)への警戒感から下げ渋る展開が予想される。
パウエルFRB議長が夏にかけてトランプ関税の影響で物価上昇が顕在化すると述べていたことで、来週のFOMCに向けて、昨日の8月米卸売物価指数(PPI)や本日の消費者物価指数(CPI)を見極めていくことになる。
8月米卸売物価指数(PPI)は、前月比▲0.1%、前年比+2.6%と発表され、7月の輸入業者が関税分を価格に転嫁していたと思われる前年比+3.1%(※速報値+3.3%から下方修正)から伸び率が鈍化した。また、コアPPIは、前月比▲0.1%、前年比+2.8%だった。
トランプ米大統領は、「インフレなし!手遅れだ。金利を大幅に、今すぐ引き下げなければならない。パウエルFRB議長は全くの災難で、何も分かっていない!」」として、改めて米連邦準備理事会(FRB)に利下げを要求した。
ドル円は、147.13円まで下げた後、本日の8月米CPIへの警戒感から147.65円まで買い戻されている。ドル円の147円台の抵抗帯としては、日足一目均衡表・基準線147.68円、一目・転換線147.73円、一目・雲の上限147.98円などが控えており、本日も念頭に置きながら相場に臨んでいきたい。
8月米CPIの予想は前年比+2.9%で、7月の同比+2.7%からの伸び率上昇が見込まれているのは、7月の川上での上昇が8月の川下に波及するからだと思われる。コアCPIの予想は、同比+3.1%で、7月の同比+3.1%と変わらずと見込まれている。
コアCPIの前月比ベースでは、5月+0.13%、6月+0.23%、7月+0.32%と伸び率が上昇基調にあるものの、トランプ関税が発動されていた割には落ち着いていた。
8月は+0.31%と予想されており、トランプ関税の影響がどの程度なのかを見極めることになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9月に0.25%の利下げを予想する確率は92.0%、0.50%の利下げ確率は8.0%となっており、9月の利下げを完全に織り込んでいる。そして、10月と12月のFOMCでも利下げが予想されており、12月段階のFF金利誘導目標の見通しは3.50-75%となっている。
また、クックFRB理事がトランプ米大統領による解任を受けて提訴していたが、連邦地裁が解任は無効と認定したことで、9月FOMCには、クックFRB理事が参加できることになった。
さらに、ミランFRB暫定理事に関しては、昨日の米上院銀行委員会で指名手続きを進めるかどうかの採決が賛成13、反対11で承認されたものの、本会議での承認は15日以降となり、就任宣誓に必要な他の手続きがあるため、16-17日に開催されるFOMCには参加が難しい状況となっている。
東京市場は堅調か。米国株はまちまち。ダウ平均が下落した一方、S&P500とナスダックは上昇した。ダウ平均は220ドル安の45490ドルで取引を終えた。8月生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回り、長期金利が低下。オラクルが急騰したほか、エヌビディアなど半導体に強い動きが見られた。一方、全体では翌日の8月消費者物価指数(CPI)を前に様子見指数が強く、上値が重かった。ドル円は足元147円40銭近辺で推移している。CME225先物は円建て、ドル建てともに30円高の43900円で取引を終えた。
日本株はオラクル株の上昇をきのうの時間外の動きで先んじて織り込んでいるが、PPIを受けて米長期金利が低下したことから、CPIも金利低下要因になるとの期待が高まる。そういった期待を背景に、生成AI関連を中心にグロース株に資金が向かう公算が大きい。米金利が低下した割には為替市場でそれほど円高(ドル安)が進んでいないことも安心材料。日経平均とTOPIXはともにきのう史上最高値を更新しており、センチメントの改善が見込まれる中で下げづらく上げやすい地合いが続くと予想する。日経平均の予想レンジは43700-44150円。
日経225先物は11時30分時点、前日比410円高の4万4280円(+0.93%)前後で推移。寄り付きは4万4000円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3900円)を上回る形から、買いが先行して始まった。4万4000円を回復して始まったこともあり、買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の動きにより、4万3860円と下落に転じる場面もみられた。ただ、4万4000円回復でヘッジ対応のロングが入りやすい需給状況のなか、終盤にかけて4万4290円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は終盤にかけて上げ幅を広げており、ボリンジャーバンドの+2σ(4万4270円)を上回ってきた。9日の上昇場面では+2σに上値を抑えられる形で軟化したこともあり、利益確定に伴うロング解消の動きが入りやすいところではある。ただし、9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えるなかで、+2σを上回ってきたためヘッジ対応の動きが強まりやすいだろう。オーバーシュート気味に上昇する可能性もあるため、短期のショートは避けておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.08倍に上昇した。13.99倍と200日移動平均線(13.93倍)を明確に上放れる形で始まり、8月14日につけた直近高値の14.05倍を上回ってきた。アドバンテスト<6857.T>[東証P]が連日で史上最高値を更新するなど、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する形である。
ドル円は、この2日間、NY市場では同じような動きを繰り返しています。昨日は8月米PPIが予想を大幅に下回る弱い数字となると発表直後に147.13円まで値を下げたものの、その後はすぐにも147.65円の高値まで買い戻されるといった反発。米10年債入札後に米長期金利が低下幅を広げたにもかかわらず、引けにかけては147.47円まで買い戻されてNY市場を終えました。
一昨日も同様に、米雇用統計の年次ベンチマーク改定値が発表されましたが、公表直後に146.53円まで値を下げたものの、その直後から反転。引けにかけてはNY時間の戻り高値を付けて終えています。
市場では、既に来週のFOMCでの利下げをほぼ織り込んでしまったなかにあって、一部米系マクロ勢が大元の円ロングポジション解消の動きを淡々と進めていることとも無関係ではないといったところ。また、日経平均がしっかりと史上最高値を更新してきているなか、ダウ平均との絶対値の差が再び1000ポイント近くまで縮小してきているわけで、日本株へのオーバーウエートを進める動きも、何の過熱感もないなかで続いています。
いずれにしても、米国ではMAGAの代表格であるチャーリー・カーク氏が演説中に暗殺されて、相場どころではない状況ですが、市場は本日の8月米CPI待ち。為替市場でのポジションリスクがどちらの方向にあるのかは明確となりつつあるのかもしれません。
■連邦準備制度法10条
「大統領が『正当な理由(for cause)』(※職務怠慢、職務放棄、職務上の不正行為)により早期に解任しない限り、各理事は前任者の任期満了から14年間の任期を務める」
■FRB当局者の倫理規定
・連邦公開市場委員会(FOMC)前後のいわゆる「ブラックアウト期間」の取引禁止、銀行株ないし金融部門特化型の投信の保有禁止、証券購入後30日間の売却禁止
・職員は実際上だけなく見掛け上の利益相反にもなりかねない状況は、何であろうと避けるべき
・市場を動かす情報にアクセスできる者は、FRBの討議や決定に関わる内部情報に基づいた動きに見えかねないタイミングでは、金融取引は何であれ避けるべき
トランプ米大統領がクックFRB理事に対して、2022年のFRB理事就任前の2021年の住宅ローン疑惑により、解任を言い渡し、クックFRB理事は提訴に踏み切り、連邦地裁は解任は無効との判断を示している。
これまでのFRB高官達の不祥事を整理しておきたい。
■ブラード米セントルイス連銀総裁・・・次期FRB議長候補
国際通貨基金(IMF)や世界銀行の会合と並行してシティグループが主催した招待者限定の非公開イベントで講演した。
■ボスティック米アトランタ連銀総裁:居座り
2017年の総裁就任後の数年間、FRBの倫理規定で禁じられていた期間中に私的な金融取引を行っていたことが判明したことで、財務開示書類を修正した。ボスティック総裁は、資産運用を第三者の運用会社に委託して詳細を認識していなかったため、禁止された期間の取引は誤って起きてしまったと説明した。また、2021年の米国債ファンドの保有額がFOMCの規則で定められた限度を超えたことも認識していなかった、と弁明した。
さらに、2020年2月終盤にパウエルFRB議長が新型コロナウイルス危機への対応を講じる考えを発表する数日前に、さまざまな投資ファンドを売却していたことも明らかにした。
■カプラン米ダラス連銀総裁:辞任
FRBがコロナ禍対応で異例な金融緩和や市場への資金供給策に踏み切った2020年にアクティブ運用の株式取引などをしていた、と報じられた。
■ローゼングレン米ボストン連銀総裁:辞任
不動産投資信託(REIT)4本に投資しているほか、これらの投資信託と他の証券を複数回にわたって売買していた。
■クラリダFRB副議長:辞任
クラリダFRB副議長は、パウエルFRB議長のコロナ禍に対する緊急声明の前日に「債券ファンド」から「株式ファンド」に対して、100万~500万ドルの資金移動を行っていたことが、米政府倫理局(OGE)の開示資料で明らかになった。
■パウエルFRB議長
2020年10月1日、パウエルFRB議長は、トランプ第45代米大統領が新型コロナウイルスの追加経済対策を断念する前に、保有する株式投資信託を最大500万ドル売却していた。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、21時15分発表の欧州中央銀行(ECB)理事会での金融政策や21時30分発表の8月米消費者物価指数(CPI)に注目する展開となる。
欧州中央銀行(ECB)理事会では政策金利の据え置きが見込まれており、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げがほぼ確実視されているため、ユーロ買い・ドル売り要因となっている。
タカ派のナーゲル独連銀総裁は、追加利下げへの「ハードルは高いだろう」と述べ、「金融政策の変更を確信するには多くの根拠が必要だ」と述べている。シュナーベルECB専務理事も「追加利下げのハードルは極めて高い」と述べ、「中期的にインフレ率が目標から大きく乖離する兆しが見られる場合に限り、追加利下げの根拠となり得るだろう。しかし現時点では、そのような兆候は一切見られない」と述べている。
ハト派のリトアニア中銀のシムカス総裁は、12月理事会での追加利下げの可能性に言及している。
ラガルドECB総裁は、「ECBは物価目標を達成した」と述べており、今回は金融政策が「良い立ち位置にいる」との考えを踏襲して、様子見姿勢を維持することが見込まれているものの、記者会見には要注目となる。
米8月の卸売物価指数(PPI)の前月比がマイナスに落ち込んでいたことで、本日の消費者物価指数(CPI)の前月比に注目しておきたい。
コアCPIの前月比ベースでは、5月+0.13%、6月+0.23%、7月+0.32%と伸び率が上昇基調にあるものの、トランプ関税が発動されていた割には落ち着いていた。
8月は+0.31%と予想されており、トランプ関税の影響がどの程度なのかを見極めることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1829ドル(7/1高値)
・ユーロ円:173.97円 (7/28 高値=年初来高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1593ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:171.75円(日足一目均衡表・雲の上限)
ドル円:1ドル=147.58円(前営業日NY終値比△0.12円)
ユーロ円:1ユーロ=172.53円(△0.07円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1689ドル(▲0.0006ドル)
日経平均株価:44372.50円(前営業日比△534.83円)
東証株価指数(TOPIX):3147.76(△6.79)
債券先物9月物:137.85円(▲0.10円)
新発10年物国債利回り:1.575%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期法人企業景気予測調査
大企業業況判断指数(BSI、全産業)
4.7 ▲1.9
大企業業況判断指数(BSI、製造業)
3.8 ▲4.8
8月企業物価指数
前月比 ▲0.2% 0.3%・改
前年比 2.7% 2.5%・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
2451億円の取得超 1兆4199億円の取得超・改
対内株式
1086億円の取得超 7857億円の処分超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は東京終盤に強含み。小幅に上下したものの、しばらくは147.40円を挟んで方向感のない動きが続いた。ただ、15時前に「高市氏が自民党総裁選への出馬意向を岸田前首相に伝達」とのヘッドラインニュースが伝わると買いで反応。一時147.79円まで上昇した。
・ユーロ円も強含み。ドル円と同様に172円台半ばでのこう着状態が続いていたが、高市氏出馬の報道を受けて一時172.82円まで値を上げている。
・ユーロドルは小安い。1.1700ドル前後での小動きとなっていたが、ドル円や米長期金利の上昇を受けて1.1684ドルまで小幅に下げ、昨日安値の1.1683ドルに迫った。
・日経平均株価は続伸。昨日の米ハイテク株高を受けて半導体関連株が大きく上昇した。ソフトバンクなど値嵩株の上昇も相場をけん引し、連日で史上最高値を更新した。
・債券先物相場は3日続落。日経平均株価が史上最高値を更新するなかで安全資産とされる債券は売られた。
中国政府は地方政府が民間企業に対して抱える総額1兆ドルを超える未払い債務問題に本格的に取り組む方針を示した。政府は国有銀行から地方自治体への融資を促し、まずは1兆元(約1400億ドル)分の債務解消を目指す。最終目標は2027年までの全体解消だが、今後の追加支援規模は不明とされている。地方政府による企業や公務員への債務総額は10兆元(約1.4兆ドル)に達し、前年の中国GDPの約7%を占める。未払いが続くことで民間企業の不満や社会不信が深まり、共通富裕政策にもリスクが生じている。政府は経済安定と民間セクターの信頼回復を目指し、早期解決を図る構えだ。
フランスでは政治混乱が続く中、債券市場に加えて今後の格付け見直しが大きなリスクとして注目されている。主要格付け機関(フィッチ、ムーディーズ、S&P)が近く国債の信用格付けを改めて評価予定で、もしダブルA格を失えば、特にアジアの機関投資家の資金流出や借入コスト上昇が懸念される。2024年の財政赤字はGDP比5.8%とユーロ圏で最大水準で、今後は44億ユーロの歳出削減・増税が議論されているが政治的合意形成は難航。市場混乱や信用危機の可能性こそ低いものの、今後失政が続けば痛みを伴う財政調整や格付け引き下げが現実味を帯びてくると専門家は指摘している。
ポーランド外務省はロシアのドローンによる領空侵犯を受け、国連安全保障理事会の緊急会合の開催を要請した。今回の事件では、ロシア軍のドローンが一晩でポーランド領空に19機侵入し、ポーランド軍やNATO戦闘機によって撃墜された。NATOとしても初めて直接対応する事態となり、地域の緊張が高まっている。ポーランド首相や欧州・米国など関係国は強く非難し、さらなる制裁や防衛強化を訴えている。
国際エネルギー機関(IEA)は、2025年の世界の石油需要見通しを日量74万バレル(前回予測は68万バレル)に引き上げたと月例報告で発表した。
英国の賃貸物件の新規掲載数が8月にコロナ禍以来の急減となり、大家による市場撤退が相次いでいる。英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)の調査によれば「大家からの指示」指数はマイナス37となり、2020年4月のロックダウン時以来最低水準に落ち込んだ。背景には、相続税や国民保険料の課税強化、賃貸者権利法(Renters’ Reform Bill)への懸念が挙げられる。国会ではこの法案の最終段階が進行中で、家賃収入へのさらなる課税や「ノーフォールト退去」禁止などが議論されている。高金利や厳しい税制、社会保障費用削減など三重苦が大家の離脱を促進し、市場供給縮小が続く見通し。住宅販売市場も弱含みで、消費者や投資家の不安が賃貸・不動産市場全体に波及している。
大阪9月限
日経225先物 44440 +570 (+1.29%)
TOPIX先物 3151.0 +5.0 (+0.15%)
大阪12月限
日経225先物 44170 +530 (+1.21%)
TOPIX先物 3127.0 +5.5 (+0.17%)
日経225先物(9月限)は前日比570円高の4万4440円で取引を終了。寄り付きは4万4000円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万3900円)を上回る形から、買いが先行した。4万4000円を回復して始まったこともあり、買い一巡後は利益確定に伴うロングの解消により、現物の寄り付き直後には4万3860円と下落に転じる場面もみられた。
ただ、4万4000円回復でヘッジ対応のロングが入りやすい需給状況のなか、前場終盤にかけて4万4290円まで上げ幅を広げた。ランチタイムで4万4300円台に乗せたが、後場中盤には4万4010円まで利食いに押される場面もあった。ただし、終盤にかけてヘッジ対応の買いが強まり、終了間際には4万4460円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は12月限に移行し4万4170円が基準値となる。9月の配当落ち分が考慮されることで、スプレッドは-270円となる。12月限の終値でも4万4000円を突破したほか、ボリンジャーバンドの+2σ(4万4060円)を上回って終えたことで、同バンドが支持線として意識されそうだ。+3σ(4万4770円)とのレンジが意識されてくることで、9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を波乱なく通過するようだと、改めてロングの動きが強まろう。
また、本日はソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]の強い値動きが目立った。10日の米国市場では四半期決算で受注残が急増したオラクル<ORCL>が35%を超える大幅高を演じ、半導体などAI関連株に買いが波及し、エヌビディア<NVDA>やブロードコム<AVGO>などの上昇が目立った。東京市場も同様にAI関連株に資金が集中しており、結果、日経平均型優位の展開だった。
SQを控え限月交代に伴うロールオーバーが中心の需給状況で、AI関連株物色が強まり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均株価を牽引したことで、レンジの切り上がりとともに、先物市場でもヘッジ対応の動きが強まったようである。
いったんは+2σ水準での攻防が見込まれ、同バンドに上値を抑えられる局面では短期的なショートを誘うことになりそうだ。ただし、バンドは上向きで推移しており、これに沿った形で底堅さがみられるようだと、早い段階でショートカバーに向かわせよう。そのため、短期的なショートを意識したとしても、ショートに傾けるポジションの組成は避けたいところだ。
NT倍率は先物中心限月で14.10倍に上昇した。13.99倍と200日移動平均線(13.93倍)を明確に上放れる形で始まり、8月14日につけた直近高値の14.05倍を上回ってきた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向次第の面はあるが、トレンドとしては6月30日につけた14.24倍が射程に入ってきている。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が8735枚、ソシエテジェネラル証券が6361枚、JPモルガン証券が4320枚、野村証券が4200枚、BNPパリバ証券が3976枚、バークレイズ証券が2174枚、モルガンMUFG証券が1951枚、SBI証券が1864枚、UBS証券が1751枚、みずほ証券が1748枚だった。
TOPIX先物はJPモルガン証券が5608枚、ソシエテジェネラル証券が4326枚、ABNクリアリン証券が4090枚、ゴールドマン証券が3542枚、野村証券が3182枚、みずほ証券が2452枚、ビーオブエー証券が1807枚、BNPパリバ証券が1629枚、モルガンMUFG証券が1467枚、UBS証券が1220枚だった。
NY時間の為替市場は、米労働省統計局(Bureau of Labor Statistics=BLS)が発表する8月の消費者物価指数(CPI)に注目が集まっている。CPIはヘッドラインが前年比で7月の2.7%から2.9%へ上昇し、エネルギーと食品を除くコア指数は7月から横ばいの3.1%が市場の予想となっている。トランプ大統領の広範な輸入関税の負担を消費者に転嫁しているため、関税が価格を押し上げているとの判断が上昇予想の要因。
ただ、今回のCPIが政治的な要因で予想よりも低下するのではないかという声が一部ではある。今週に入りBLSは9日に雇用統計の年次ベンチマーク改定・速報値、昨日は8月卸売物価指数(PPI)を発表したが、いずれもFRBの利下げを促すような結果になった。年次ベンチマーク発表後にはベッセント米財務長官が「トランプ大統領が引き継いだ経済は報告されていたよりもはるかに深刻な状態であり、FRBが高金利で成長を阻害しているという彼の指摘は正しい」とXに投稿した。
先月にBLS長官が米国議会議事堂襲撃事件にも加わった熱狂的なトランプ大統領支持者のアントニー氏に交代したが、BLSの指標が政治的な様相をみせている状況下で、利下げの足かせとなるような高インフレの結果を発表することはないという意見がある。仮に市場予想よりもCPIが上振れた場合は、米国の関税圧力がインフレをもたらすということになり、政権の政策を否定するような結果を見せることにもなる。
ただ、昨日のPPIが大幅に予想を下回ったにもかかわらず、ドル円の下げ幅は限られたことで、下押した場合でも下値に限りがありそうだ。更に、日銀の利上げに反対し、財政拡大策を提唱している高市早苗氏が自民党総裁選に出馬する可能性が高まっていることも、ドル売り・円買いの勢いを弱めそうだ。高市氏は前回の総裁選の前に「金融緩和を我慢強くやらなければ、また元のデフレ状態に後戻り」「金利を今、上げるのはあほやと思う」と発言している。ただ、前回の総裁選から約1年経過していることで、今後の発言ニュアンスが変わる可能性もあるだろう。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、8日高値148.58円。その上は3日高値149.14円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、10日安値147.13円。その下は先月14日安値146.21円。
今晩は米8月消費者物価指数(CPI)に注目。昨日は米8月生産者物価指数(PPI)が予想に反して減速し利下げ期待が高まったことや、AI需要の高まりを背景にオラクルが36%高と急騰したことでS&P500が0.30%高、ナスダック総合が0.03%高と3日続伸し、ともに取引時間中と終値の史上最高値を更新した。一方、ダウ平均はアップル株の下落などが重しとなり220.42ドル安(-0.48%)と3日ぶりに反落した。米8月PPIは前月比-0.1%と予想の+0.3%に反して低下し、前年比でも+2.6%と予想の+3.3%を下回った。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPPIも前月比-0.1%と予想の+0.3%に反して減速し、前年比では+2.8%と予想の+3.5%を下回った。
今晩の取引では利下げ見通しを巡り引き続き物価指標に注目が集まる。昨日の8月PPIが予想を下回る結果となり、9月16-17日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が続いた。CMEのフェドウォッチ・ツールでは9月FOMCでの0.50%(2回分)の利下げ確率が前日の7%から8%に上昇し、0.25%の利下げ確率が92%となった。今晩の米8月CPIの市場予想は前月比+0.3%、前年比+2.9%とそれぞれ前月の+0.2%、+2.7%から上昇が見込まれており、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%、前年比+3.1%とともに前月から横ばいが見込まれている。足もとでは労働市場の悪化により利下げ期待が高まったほか、昨日のPPIを受けてインフレ懸念も後退しており、今晩のCPIを予想並みの伸びとなれば利下げ期待が引き続き米国株の支援となることが期待される。
今晩の米経済指標・イベントは8月CPIのほか、新規失業保険申請件数、米30年債入札、8月財政収支など。企業決算は寄り前にクローガー、引け後にアドビが発表予定。
日経平均株価は大幅続伸。5日移動平均線(43666円 9/11)上で連続陽線を形成し、9/9の取引時間中につけた高値(44185円)を超えて終えた。
RSI(9日)は前日64.8%→71.6%(9/11)に上昇。あすも上昇しやすいタイミングとなる。あすのSQ通過の値動きに注視だが、45000円に向けて騰勢を強められるかが焦点となる。
上値メドは、心理的節目の44500円や45000円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、5日移動平均線、10日移動平均線(43006円 同)、25日移動平均線(42836円 同)、心理的節目の42000円、7/31高値(41151円)などがある。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.651%、応札倍率(カバー)が2.38倍となった。
(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.29円(11日15時時点比▲0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.80円(△0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1731ドル(△0.0042ドル)
FTSE100種総合株価指数:9297.58(前営業日比△72.19)
ドイツ株式指数(DAX):23703.65(△70.70)
10年物英国債利回り:4.606%(▲0.027%)
10年物独国債利回り:2.657%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
2.15%で据え置き 2.15%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。8月米消費者物価指数(CPI)は概ね市場予想通りの結果となったものの、結果発表直後はドル買いで反応。一時148.17円と日通し高値を付けた。
ただ、8日の高値148.58円や200日移動平均線148.78円がレジスタンスとして意識されると失速した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったこともドル売りを促し、1時過ぎに146.99円と日通し安値を更新した。市場では「米CPIの結果は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを阻止するほどの内容ではない」との声が聞かれた。
なお、米長期金利の指標となる10年債利回りは一時3.9921%前後と4月7日以来約5カ月ぶりの低水準を付けた。
・ユーロドルは底堅い動き。米インフレ指標発表直後に一時1.1662ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.1746ドルと日通し高値を更新した。
欧州中央銀行(ECB)はこの日、政策金利を現行の2.15%に据え置くことを決めたと発表。結果は市場予想通りとなったが、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「ユーロ圏経済成長に対するリスクはより均衡が取れてきた」「ディスインフレのプロセスは終了した」と述べたことも相場の支援材料。市場では「ラガルド氏の発言を受けて、ECBの利下げ局面が終わりに近づいているとの見方が広がった」との声が聞かれた。
・ユーロ円は伸び悩み。ドル円の上昇につれた買いが先行すると一時173.06円と日通し高値を付けたものの、ドル円が失速するとユーロ円にも売りが出て172.51円付近まで下押しした。
・トルコリラ円は上値が重かった。ドル円の上昇につれた買いが先行し一時3.57円まで値を上げたものの、ドル円が失速するとリラ円にも売りが出て3.55円まで値を下げた。
なお、トルコ中銀は本日開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を現行43.00%から40.50%に引き下げることを決めたと発表。予想は41.00%への引き下げだった。
・ロンドン株式相場は反発。日本株相場の上昇を受けて買いが先行。米国株相場が大幅に上昇したことも相場の支援材料となり、引けにかけて上げ幅を広げた。ロールス・ロイス・ホールディングスやBAEシステムズなど資本財サービス株が買われたほか、コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。米利下げ観測の高まりを背景に米国株相場が堅調に推移すると、独株にも買いが波及した。個別ではエアバス(2.86%高)やバイエル(2.85%高)、ハイデルベルク・マテリアルズ(2.51%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
11日の日経平均は大幅続伸。終値は534円高の44372円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり697/値下がり861。ソフトバンクGが10%高となって8月19日以来となる上場来高値を更新。アドバンテストが4.4%高となって連日で上場来高値を更新し、この2銘柄で日経平均を480円近く押し上げた。ディスコ、JX金属、イビデンなどが大幅上昇。足元で商いを伴って水準を切り上げているキオクシアHDが14.9%高と急騰した。上方修正を発表したANYCOLORがストップ高まで買われており、同じくVチューバー事業を展開するカバーにも期待買いが言った。
一方、きのう乱高下しながらも大きく上昇したメタプラネットが、買い先行から崩れて9.7%安。米国で弱い物価指標を受けて長期金利が低下したことから、三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクがそろって強めに売られた。非鉄株には強く買われるものもあったが、大阪チタニウムは3日続落と売りが止まらず5%を超える下落。月次が失望を誘ったMonotaROや、証券会社が投資評価を引き下げたマネーフォワードが大幅に下落した。
日経平均は連日の大幅上昇。きのう強かったソフトバンクGやアドバンテストがきょうも大人気となった。東京市場は15日が休場であすは三連休前となるだけに、基本的には直近の上昇に対する利益確定売りが出やすくなるとみておいた方が良い。ただ、本日は米国で8月の消費者物価指数(CPI)が発表される。結果を受けて米国株が大きく上昇し、ドル円が落ち着いているようなら、売り手不在となって一段高の展開もあり得る。
きょうは日経平均は大きく上昇したが、プライムでは値下がり銘柄の方が多かった。過熱感がある銘柄が多いわけではないだけに、仮にソフトバンクGやアドバンテストが利益確定売りに押されて指数が下げたとしても、全体では冷静に押し目が拾われるだろう。現状で三連休を前に警戒感が高まっていないのは良い傾向。きょうの終値は44372円。下げた場合には、節目の44000円がサポートとして機能するかどうかを注視しておきたい。
(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.21円(前営業日比▲0.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.75円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1734ドル(△0.0039ドル)
ダウ工業株30種平均:46108.00ドル(△617.08ドル)
ナスダック総合株価指数:22043.07(△157.01)
10年物米国債利回り:4.02%(▲0.02%)
WTI原油先物10月限:1バレル=62.37ドル(▲1.30ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3673.6ドル(▲8.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.4% 0.2%
(前年同月比) 2.9% 2.7%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比) 0.3% 0.3%
(前年同月比) 3.1% 3.1%
前週分の米新規失業保険申請件数
26.3万件 23.6万件
8月米財政収支
3448億ドルの赤字 2911億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米労働省労働統計局(BLS)が発表した8月米消費者物価指数(CPI)は概ね市場予想通りの結果となったものの、発表直後はドル買いで反応し一時148.17円と日通し高値を付けた。
ただ、8日の高値148.58円や200日移動平均線148.78円がレジスタンスとして意識されると失速した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったこともドル売りを促し、1時過ぎに146.99円と日通し安値を更新した。市場では「米CPIの結果は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを阻止するほどの内容ではない」との声が聞かれた。
米長期金利の指標となる10年債利回りが一時3.9921%前後と4月7日以来約5カ月ぶりの低水準を付けたことも相場の重しとなった。
・ユーロドルは3日ぶりに反発。米インフレ指標発表直後に一時1.1662ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.1746ドルと日通し高値を更新した。
ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が定例理事会後の記者会見で「ユーロ圏経済成長に対するリスクはより均衡が取れてきた」「ディスインフレのプロセスは終了した」と述べたことも相場の支援材料。市場では「ラガルド氏の発言を受けて、ECBの利下げ局面が終わりに近づいているとの見方が広がった」との指摘があった。
・ユーロ円も3日ぶりに反発。ただ、NY市場に限れば上値の重さが目立った。22時過ぎに一時173.06円と日通し高値を付けたものの、ドル円の失速に伴う売りが出ると172.51円付近まで下押しした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発し、史上最高値を更新した。8月米CPIや前週分の米新規失業保険申請件数の結果を受けて米利下げ観測が高まると、主力株中心に買いが集まった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も連日で過去最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。8月米CPIや前週分の米新規失業保険申請件数の結果を受けて米利下げ観測が高まると、買いが広がった。利回りは一時3.9921%前後と4月7日以来約5カ月ぶりの低水準を付けた。
・原油先物相場は4日ぶりに反落。国際エネルギー機関(IEA)が公表した月報では、2025年の石油供給が予想を上回るペースで増加するとの見通しが示された。くわえて2026年の供給拡大も示唆され、世界的な供給過剰への警戒感が高まる中、原油相場は売りが優勢となった。
・金先物相場は下落。この日も時間外では持ち高調整の売りが先行。注目された8月米CPIは概ね予想に沿った結果だったが、新規失業保険申請件数は予想よりも悪い結果に。指標発表後に米長期金利が低下すると、利回りを生まない金にも買い戻しが入った。もっとも、3680ドル超えでは利益確定売りに抑えられた。
11日20:03 トルコ中銀声明
「最終的な国内需要は弱いまま」
「最近のデータは需要状況がデフレ傾向にあることを示している」
「政策変更の幅はインフレ見通しを重視し、会合ごとに慎重に検討」
「インフレ見通しが目標と大きくずれた場合は金融政策を引き締める」
「中期的にインフレ率を5%に抑えるために必要な金融・財務条件を整える方針」
11日21:21 欧州中央銀行(ECB)声明
「インフレ見通し、2025年を+2.0%から+2.1%、2026年を+1.6%から1+1.7%へ上方修正。2027年を+2.0%から+1.9%へ引き下げ」
「GDP見通し、2025年を+0.9%から+1.2%へ上方修正。2026年を+1.1%から+1.0%へ下方修正」
「資産購入プログラム(APP)およびパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)のポートフォリオは計画的かつ予測可能なペースで縮小している」
「データに基づき、会合ごとに適切な金融政策のスタンスを決定することを方針」
「現在のインフレ率は約2%台で、中期目標とほぼ一致しているとの評価」
11日21:54 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「国内需要の強さに支えられ経済は成長しており、最近の調査では製造業とサービス業の双方で成長が示されている」
「成長の課題は来年には減少する」
「最近の貿易協定は不確実性を低減している」
「労働市場は経済の強みとなっている」
「賃金成長がさらに緩やかになる方向を示す先行指標がある」
「基調インフレの指標は、ECBの中期目標である2%に一致している」
「労働コストの圧力が低下し、ユーロ高が進むことで基調的なインフレが低下すると予想」
「経済成長に対するリスクはより均衡が取れている」
「ユーロ高が予想以上にインフレを押し下げる可能性がある」
「インフレ見通しは通常よりも不確実性が高い」
「ディスインフレのプロセスは終了した」
「我々は依然として良好な状況にある」
「インフレ率は望ましい水準にあり、市場は回復力を示唆」
「今日の決定は全会一致」
「ユーロ圏の国債は秩序ある動き」
「特定の国についてはコメントしない」
「インフレ、2%からのわずかな乖離ではECBの行動を促さない」
※時間は日本時間
<国内>
○13:30 ◇ 7月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 7月設備稼働率
<海外>
○15:00 ◎ 8月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比2.2%)
○15:00 ☆ 7月英国内総生産(GDP、予想:前月比横ばい)
○15:00 ◎ 8月英鉱工業生産(予想:前月比横ばい/前年比1.1%)
○15:00 ◎ 8月英製造業生産高(予想:前月比0.1%)
○15:00 ◇ 7月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:219.00億ポンドの赤字/41.00億ポンドの赤字)
○15:45 ◇ 8月仏CPI改定値(予想:前月比0.4%/前年比0.9%)
○16:00 ◇ 7月トルコ経常収支(予想:15.0億ドルの黒字)
○17:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○17:00 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○17:15 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:16.00%に引き下げ)
○19:30 ◎ 8月インドCPI(予想:前年比2.12%)
○21:30 ◇ 7月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比4.0%)
○21:30 ◇ 4-6月期カナダ設備稼働率(予想:78.8%)
○23:00 ◎ 9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:58.0)
○13日01:00 ☆ 4-6月期ロシアGDP改定値(予想:前年比1.1%)
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 44520 +350 (+0.79%)
TOPIX先物 3144.5 +17.5 (+0.55%)
シカゴ日経平均先物 44505 +335
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
11日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇し、いずれも史上最高値を更新。8月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比の上昇率が2.9%と市場予想に一致した。米新規失業保険申請件数は前週比2万7000件増の26万3000件と、ほぼ4年ぶりの高水準になった。労働市場の減速に対する懸念により米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動くとの見方を強め、主力株を中心に買われた。また、前日はオラクル<ORCL>の急騰が半導体や人工知能(AI)関連株への資金集中につながったが、この日はマイクロンテクノロジー<MU>が急伸するなかでAI関連株の一角が買われ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は一時6000台に乗せる場面もあった。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、素材、商業サービス・用品が上昇した一方で、半導体・同製造装置、エネルギー、ソフトウエア・サービスが小安い。NYダウ構成銘柄では、スリーエム<MMM>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、トラベラーズ<TRV>、ホーム・デポ<HD>が買われた。半面、ボーイング<BA>、シスコシステムズ<CSCO>、コカ・コーラ<KO>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比335円高の4万4505円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比120円高の4万4290円で始まった。その後は4万4260円を安値にロング優勢の展開となり、中盤にかけて4万4570円まで買われる場面もみられた。終盤にかけては4万4470円~4万4560円辺りでの保ち合いを継続し、4万4520円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。本日は9月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)となる。SQ値の4万4000円乗せは織り込まれていたが、4万4500円台にレンジを切り上げてくる可能性が高く、上へのバイアスが強まりそうである。オーバーシュート気味の価格形成からSQ値が抵抗線として意識される可能性もあり、買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の動きが入りやすいだろう。
ただし、SQ値を早い段階でクリアしてくるようだと、ショートカバー狙いの動きが強まりそうだ。SQを通過し、市場は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合に関心が移る。特に米国では年内3回の利下げ観測の確率が高まっているようであり、押し目待ち狙いのロングに向かわせやすいと考えられる。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万4190円)を突破し、+3σ(4万4900円)とのレンジに移行した。+3σ接近では過熱感が意識されそうであり、いったんピークを形成する可能性はあるだろう。もっともバンドが上向きで推移しているため、これに沿ったトレンド形成が見込まれるなかでは、ポジションをショートに傾けるのは避けたい。そのため、オプション権利行使価格の4万4375円から4万4875円でのレンジを想定する。
11日の米VIX指数は14.71(10日は15.35)に低下した。一時15.24まで下げ幅を縮める場面もみられたが、25日移動平均線(15.27)に上値を抑えられる形となり、終値では8月28日以来の15.00割れとなった。下向きに推移している25日線に上値を抑えられるトレンドを形成しており、リスク選好に向かわせよう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.10倍に上昇した。13.99倍と200日線(13.93倍)を明確に上放れる形で始まり、8月14日につけた直近高値の14.05倍を上回ってきた。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]といった指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向次第の面はあるだろうが、トレンドとしては6月30日につけた14.24倍が射程に入ってきている。
11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、8月米消費者物価指数(CPI)の前月比が予想を上回ったことで148.17円まで上昇後、米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことや10年債利回りが一時3.9921%前後まで低下したことで146.99円まで反落した。ユーロドルは8月米CPI発表直後に1.1662ドルまで下落後、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りで1.1746ドルまで反発した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、来週16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測から軟調な展開が予想される中、自民党総裁選関連のヘッドラインやトランプ大統領の突発的な発言には引き続き警戒しておきたい。
昨日のドル円は、金融引き締めに消極的とみられる高市前経済安全保障担当相が自民党総裁選出馬の意向を示したとの報道を受けて、148円前後まで上昇する局面があったことで、今後も10月4日に投開票が予定されている自民党総裁選に関連するヘッドラインには警戒しておきたい。
昨年9月に行われた総裁選に際しては、23日に有力候補だった高市氏が日銀の金融政策について「金利を今、上げるのはアホやと思う」と発言したことで、ドル円は143円台から144円台に上昇した。27日の投開票では、1度目の投票で高市氏が石破氏を上回り、ドル円146.49円まで円安に振れたが、決選投票で石破氏が勝利すると142.07円まで円高が進むという乱高下となった。
8月末のジャクソンホール会合では、パウエルFRB議長は、「リスク・バランス(「雇用の最大化」vs「物価の安定」)はシフトしており、政策スタンスの変更を保証する可能性がある」と述べて、FRBの2つの責務のバランスを、「物価の安定」から「雇用の最大化」に傾けた。
パウエルFRB議長は、夏にかけてトランプ関税の影響で物価上昇が顕在化すると述べていたが、8月の米国の物価状況は以下の通りとなっている。
■物価の安定
・卸売物価指数(PPI):前月比▲0.1%、前年比+2.6%
・消費者物価指数(CPI):前月比+0.4%、前年比+2.9%
8月の雇用統計は以下の通り、労働市場の悪化を示した。
■雇用の最大化
・失業率:4.3%(※完全雇用水準:4.2%)
・非農業部門雇用者数:前月比+2.2万人(※健全な労働市場:月平均+15万人)
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9月に0.25%の利下げを予想する確率は約94.0%、0.50%の利下げ確率は約6.0%となっており、9月の利下げを完全に織り込んでいる。そして、10月と12月のFOMCでも利下げが予想されており、12月のFF金利誘導目標の見通しは3.50-75%となっている。
ドル円のテクニカル分析では、8月1日の高値150.92円を頭、左肩が149.18円、右肩が149.14円、ネック・ラインが145.86円~146.21円~146.31円の「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成中と見なせる。
本日は、上値抵抗線として、一目・基準線147.68円、一目・転換線147.73円、雲の上限148.16円(昨日高値:148.17円)、下値支持線として、雲の下限146.65円を念頭に相場に臨んでいきたい。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は617ドル高の46108ドルと値幅を伴った上昇となった。8月消費者物価指数(CPI)が市場予想並みの結果となり、市場は9月の利下げを確信。上昇して始まり、場中に上げ幅を広げて高値圏で取引を終えた。ドル円は足元147円20銭近辺で推移している。米10年債利回りが4%を割り込む場面があり、やや円高(ドル安)に振れている。CME225先物は円建てが335円高の44505円、ドル建てが450円高の44620円で取引を終えた。
米3指数はそろって史上最高値を更新しており、日本株もこの動きを好感した買いが入ると予想する。ドル円は円高に振れているが、ダウ平均が600ドルを超える上昇となっており、米国株高のポジティブインパクトが勝る公算が大きい。日経平均は三連休前かつ、直近2営業日で900円近く上昇しており、高くなれば利益確定売りは出やすい。ただ、米国株が強く連休明けのギャップアップスタートも想定されるだけに、値を消すようなら改めての買いも入りやすい。本日の日本経済新聞では高市早苗氏の自民党総裁出馬観測を報じており、日本の政治の変化に対する期待も高まる局面。高値圏での売りをこなしながら楽観ムードの強い地合いが続くだろう。なお、本日はメジャーSQ日だけに、序盤の振れ幅が大きくなる可能性がある点には留意したい。日経平均の予想レンジは44200-44800円。
昨日の海外市場では、8月米CPIがほぼほぼ予想通りの数字となった一方、米新規失業保険申請件数が約4年振りの悪い数字となったことを受けて、米長期金利が低下。つれるかたちでドル全般に戻り売りとなりました。ドル円は米CPI直後こそ148.17円まで値を上げたものの、その後は146.99円まで下落。ただ、引けにかけては147.31円まで買戻されるなど、こちらもほぼほぼ予想通りの値動き。
146円台での本邦実需勢の買い意欲の強さは「今に始まった話ではない」のは明らかですが、輸入勢を中心とした実需の買い遅れ感は強く、一部長期為替では「140円台前半までの下落を期待していた向きも多かったが、最近では146円台にその設定値を上げざるを得なくなっているのが実情」との声も聞かれているわけで、市場センチメントの変化が、そのままかかるレベル感の変化に繋がってきているといったところです。
いずれにしても、本日の東京市場では、こういった本邦勢が3連休を控えた週末。当然のごとく実需勢のフローが淡々と観測されるなかで下値を切り上げていますが、目先は50日MAの147.62円や一目転換線の147.73円、一目雲上限の148.16円や昨日高値の148.17円が意識されることになりそうです。
米国では、相場どころではなく、トランプ政権のファーストプライオリティは今、未だに拘束されていない、FBIが異例の10万ドルの懸賞金を懸けてビデオを公開したチャーリーカーク氏殺害のスナイパー確保となっています。
「米国の関税収入は年末までに3000億ドルを優に超す可能性がある」
(ベッセント米財務長官)
1. 2025会計年度(24年10月-25年9月)財政赤字:1兆9733.07億ドル
米財務省は、2025会計年度(24年10月~25年9月)の8月の財政収支が、3447.92億ドルの赤字だったと発表した。2024年8月は3800.80億ドルの赤字だったことで、赤字幅は352.88億ドル減少(▲9%)した。歳出は6891.07億ドル(+0.4%)、歳入は関税収入が295億ドルだったことで3443.15億ドル(+12.3%)だった。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の財政赤字は、前年同期比4%増の1兆9733.07億ドル、歳入は4兆6909.53億ドル(+6%)、歳出は6兆6642.60億ドル(+7%)となり、過去最高を記録した。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、8月は1114.66億ドル(※2025会計年度=1兆1243.44億ドル)だった。
米国債残高の金利は平均で約3.36%となっているが、2025年の借り換え債は9.2兆ドル、今後3年間で発行されている国債の50%が満期を迎えるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
ベッセント米財務長官は、米中長期債利回りの抑制を最重要課題に掲げている。
【財政赤字と対GDP比】 【対GDP比】
・2020会計年度:3兆1319億ドル(15.0%)※過去最大
・2021会計年度:2兆7721.79億ドル(12.4%)※過去2番目
・2022会計年度:1兆3754.81億ドル
・2023会計年度:1兆6952.40億ドル(6.2%)
・2024会計年度:1兆8328.16億ドル(6.4%)利払い(1.049兆ドル)=GDP比3.06%
2.2025年8月末債務残高:37兆2742億ドル(※米国債発行:28兆5825億ドル)
米国の2025年8月末時点での債務残高は37.2742兆ドルで、2025年第2四半期国内総生産(GDP) 30.3311兆ドルの約123%となっている。
純関税歳入は、1月が79億ドル、2月は77億ドル、3月は87億ドル、4月は163億ドル、5月は228億ドル、6月は272億ドル、7月は276億ドル、8月は過去最高の295億ドルとなり、2025会計年度では、グロスベースでは1651億ドルとなった。
議会予算局(CBO)は、包括的な税制・歳出法案は、向こう10年間で約3.4兆ドルの財政赤字拡大につながる、と警鐘を鳴らしていたが、8月22日には、10年間で財政赤字が4兆ドル削減される可能性があるとの推計を発表した。歳入増加により基礎的財政赤字は3.3兆ドル縮小し、今後10年間で米連邦政府の利払いが7000億ドル削減される可能性があるとのことである。
一方、超党派の非政府組織(NGO)「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」は、34年度までに米債務を少なくとも3.3兆ドル増加させ、年間財政赤字をGDP比7%超に押し上げるとの推計を発表している。
日経225先物は11時30分時点、前日比310円高の4万4480円(+0.70%)前後で推移。寄り付きは4万4570円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万4505円)を上回る形から、買いが先行して始まった。オーバーシュート気味の動きをみせるなか、現物の寄り付き時には4万4720円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ボリンジャーバンドの+3σ(4万4880円)に接近してきたことで過熱感も警戒されやすく、中盤にかけては利益確定に伴うロング解消の動きにより、4万4320円まで上げ幅を縮めた。ただ、下へのバイアスは強まらず、終盤にかけては4万4500円辺りで推移している。
日経225先物はナイトセッションで4万4500円を超えていたこともあり、9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)に絡んだ商いによって、オーバーシュート気味の上昇をみせた。これによりSQ値は節目の4万5000円を突破しており、いったんは達成感が意識された面もあったと考えられ、買い一巡後に上げ幅を縮める形になったとみられる。3連休を前に積極的にポジションを傾けてくる動きは限られそうだが、先高期待から押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.17倍に上昇した。一時14.19倍をつけており、6月30日につけた14.24倍が射程に入ってきたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にらみの展開になろう。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、8月の独・仏消費者物価指数(CPI)改定値を見極めつつ、フランス国債の格下げの可能性に警戒することになる。
8月独消費者物価指数(CPI)改定値の予想は前月比+0.1%、前年比+2.2%、8月仏CPI改定値の予想は前月比+0.4%、前年比+0.9%となっている。
昨日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、「ディスインフレのプロセスは終了した」(ラガルドECB総裁)とのことで、利下げサイクルが終了した可能性が示唆された。
ラガルドECB総裁は「基調インフレの指標は、ECBの中期目標である2%に一致している」「インフレ、2%からのわずかな乖離ではECBの行動を促さない」と述べており、今後は、ユーロ圏のインフレ指標が下げ止まったことを確認していくことになる。
また、本日は、フランスの政局混迷を受けて、フィッチ・レーティングスがフランスのソブリン格付けの見直しを発表する予定となっており、格下げリスクに警戒しておきたい。
ポンドドルは、前月比横ばいと予想されている7月英国内総生産(GDP)や8月英鉱工業生産(予想:前月比横ばい/前年比+1.1%)、8月英製造業生産高(予想:前月比+0.1%)などを見極めつつ、英国の景況感や利下げの可能性などを見極めることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1829ドル(7/1高値)
・ユーロ円:173.97円 (7/28 高値=年初来高値)
・ポンドドル:1.3789ドル(7/1高値)
・ポンド円:200.87円(ピポット・ターニングポイント)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1677ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:171.46円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.3464ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:198.87円(日足一目均衡表・基準線)
ドル円:1ドル=147.34円(前営業日NY終値比△0.13円)
ユーロ円:1ユーロ=172.82円(△0.07円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1729ドル(▲0.0005ドル)
日経平均株価:44768.12円(前営業日比△395.62円)
東証株価指数(TOPIX):3160.49(△12.73)
債券先物12月物:136.64円(▲0.18円)
新発10年物国債利回り:1.590%(△0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月鉱工業生産・確報値
前月比 ▲1.2% ▲1.6%
前年比 ▲0.4% ▲0.9%
7月設備稼働率
前月比 ▲1.1% ▲1.8%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はやや強含み。日経平均株価が連日で史上最高値を更新したことが支えとなったほか、日本の3連休を前に本邦実需勢から買いが観測され、一時147.55円まで値を上げた。一巡後は147.30円台まで戻り売りに押されたが、下値は限定的だった。
・ユーロ円は小高い。日本株の上昇を受けて投資家のリスク選好を意識した円売りが進んだ流れに沿った。一時173.02円まで上昇する場面があったが、昨日高値の173.06円が目先のレジスタンスとして意識されると、やや伸び悩んだ。
・ユーロドルは小安い。昨日のNY市場で上昇した反動からユーロ売り・ドル買いが散見され、一時1.1721ドルまで値を下げた。
なお、パツァリデス・キプロス中銀総裁からは「次の政策変更は利上げとなる可能性」、ビルロワドガロー仏中銀総裁からは「今後の会合でさらなる利下げの可能性」などの発言が伝わったが、ユーロの反応は限られた。
・日経平均株価は3日続伸し、連日で史上最高値を更新。昨日の米国株が上昇したことが追い風となった。値嵩株を中心に買いが広がり、上げ幅は一時500円を超える場面があった。
・債券先物相場は3日続落。前日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで小高く始まったが、午後に財務省が実施した流動性供給入札がやや弱めの結果との見方から売りが優勢となった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
リスク選好の改善も追い風に新興国金融市場の活況が続く
米ドル安や金融緩和期待も株式市場の活況を招くも、各国が直面する個別事情には要注意
新興国の金融市場は活況を呈しており、株価指数の上昇や通貨高がみられる。米中関係の改善期待に加え、FRBの利下げ観測による米ドル安の進行も追い風に、新興国への資金流入が促されている。
トランプ米政権の関税政策は世界経済に不透明感をもたらしたが、米中協議を通じて最悪の事態は回避されている。さらに、米中関係の改善期待の高まりを受けて、世界経済への楽観的な見方が広がっている。
一方、米国はインドやブラジル、南アフリカなどBRICS諸国に高関税を課すなど標的とする動きを強めており、BRICSの結束や加盟希望の動きが広がっている。また、アジア新興国に対する関税率は引き下げられたが、サプライチェーンの見直しや輸出先の変更を目指す動きがみられ、世界貿易の萎縮が世界経済の成長機会を狭める可能性がある。
新興国の株式市場は特に活況であり、インフレの沈静化や金融緩和の拡大余地も後押ししている。しかし、すべての新興国が同様の恩恵を受けている訳ではなく、米国との通商関係や内政の不安定さなどが通貨や金融政策を制約する国もある。今後は各国の個別事情にこれまで以上に注目する必要がある。
トルコ最大の野党・共和人民党(CHP)の指導者オズグル・オゼル氏の追放を巡り、アンカラの裁判所が月曜に判断を下す。この決定は、政敵エルドアン大統領率いる与党との対立が続く中、民主主義と権威主義の微妙な均衡を試す重要な局面となっている。過去1年にわたる大規模な法的弾圧で多くのCHP党員が拘束され、党の指導体制は弱体化。イスタンブール市長イムアモグル氏も逮捕され、オゼル氏はエルドアンの最も有力な対抗馬として注目されている。裁判は2023年の党大会における手続き上の不備を理由に党大会の取り消しを検討。判決次第でオゼル氏は党首の座を失い、国家が党に代理人を送り込む可能性も指摘されている。CHP内部ではキリチダルオール元党首への批判が強まり、分裂の懸念も。野党追放はエルドアン政権の長期化を助長するという見方が強い。民主主義の後退を懸念する声が国内外で広がっている。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
ECBの利下げサイクルは終わったか?
2会合連続利下げ見送り、景気のリスク判断を引き上げ
欧州中央銀行(ECB)は2会合連続で政策金利を据え置き。ラガルド総裁は物価安定の達成に自信を覗かせ、景気に対するリスク評価を「下振れ方向」から「よりバランスが取れている」に変更、関税合意を受けてのスタッフ見通しの下方修正も僅かにとどまった。「事前に特定の政策金利の経路を約束することはなく、データに基づいて理事会毎に適切な金融政策を決定する」との従来の政策ガイダンスを維持。利下げ再開の余地を残すが、よほど大きな追加的なショックがない限り、ECBの利下げサイクルは既に終わったと考える。
スタッフ見通しは、米国による関税引き上げと貿易政策を巡る不確実性が、2025~27年のユーロ圏の実質GDP成長率を累積で約0.7%ポイント押し下げると試算している。関税率の引き上げ幅が6月時点の想定よりもやや上振れたが、ECBの景気認識や金融政策判断に大きな影響を及ぼすものではない。
フランスの政治・財政リスクの再燃は、今のところECBの金融政策判断に影響を及ぼす段階にはない。国債市場での緊張の高まりに対するECBの政策ツールとしては、2022年のイタリアの金利上昇時に創設したTPIがある。TPIはフランス固有の問題に対処するためには使えず、国債市場の緊張が他国や他の資産に広がる場合に改めて利用が検討されることになろう。
2025年、中国本土の投資家による香港株式ETFへの資金流入が過去最大の260億ドルに達し、AIやバイオテック、若年消費など旬なテーマが人気を集めた。ハンセン指数は年初来で30%上昇し、中国CSI300に比べて大幅なアウトパフォームを記録。小売投資家はアリペイ等のアプリで簡単にテーマ型ETFを購入でき、証券口座不要の利便性も流入加速の要因となった。新規ETFの急速な展開や特色あるセクターの強み、現地市場のリターンも追い風。香港ETFは中国ETF市場全体の10%規模ながら、全体流入の5割超を占める強い吸引力を見せている。クロスボーダー取引に比べ必要資金が少なく、小口投資家にも魅力的な選択肢となっている。
大阪12月限
日経225先物 44480 +310 (+0.70%)
TOPIX先物 3135.5 +8.5 (+0.27%)
日経225先物(12月限)は前日比310円高の4万4480円で取引を終了。寄り付きは4万4570円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万4505円)を上回る形から買いが先行した。オーバーシュート気味の動きをみせ、現物の寄り付き時には4万4720円まで上げ幅を広げる場面もみられた。
ボリンジャーバンドの+3σ(4万4880円)に接近してきたことで過熱感も警戒されやすく、前場中盤には利益確定に伴うロング解消の動きにより、4万4320円まで上げ幅を縮めた。ただ、下へのバイアスは強まらず、ランチタイムで4万4500円を回復すると、後場中盤には4万4630円まで切り返した。終盤にかけては4万4550円を挟んでの保ち合いが続いた。
日経225先物はナイトセッションで4万4500円を超えていたこともあり、9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)に絡んだ商いによって、オーバーシュート気味の上昇をみせた。これによりSQ値は節目の4万5000円を突破しており、いったんは達成感が意識された面もあったとみられる。また、SQ値にタッチできず幻のSQになったことも、ロング解消に向かわせやすかった。
ボリンジャーバンドの+3σに接近したことで過熱感が意識されやすいものの、バンドは上向きで推移しており、ナイトセッションで+2σが4万4360円、+3σは4万5090円まで切り上がってきている。+2σを支持線としたトレンドを継続するようだと、過熱感からのショートを仕掛けにくくさせよう。
週足では+1σと+2σによるレンジで推移しており、今週は+1σ水準からの切り返しによって、+2σを捉えてきた。6月下旬以降続くレンジであり、週足でもいったん調整が入りやすいところである。
NT倍率は先物中心限月で14.18倍に上昇した。一時14.20倍をつけており、6月30日につけた14.24倍が射程に入ってきた。今週はソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引しており、週末には東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など出遅れ感の強い銘柄への物色が目立っていた。半導体やAI(人工知能)関連の物色に広がりがみられてくると、引き続き日経平均型優位の展開となろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9422枚、ソシエテジェネラル証券が1万6567枚、サスケハナ・ホンコン証券が4501枚、JPモルガン証券が4254枚、野村証券が2413枚、バークレイズ証券が2348枚、SBI証券が2059枚、ビーオブエー証券が1589枚、日産証券が1384枚、モルガンMUFG証券が1255枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万2771枚、ソシエテジェネラル証券が1万6802枚、バークレイズ証券が4734枚、JPモルガン証券が4448枚、モルガンMUFG証券が3867枚、ビーオブエー証券が1807枚、ゴールドマン証券が1784枚、野村証券が1652枚、サスケハナ・ホンコン証券が1531枚、みずほ証券が1342枚だった。
本日のNY為替市場では、米欧の金融政策の方向性の違いが意識されるか、米長期金利を見ながら確認してゆきたい。
昨日の欧州中銀(ECB)理事会で、ラガルド総裁は「ユーロ圏経済成長に対するリスクはより均衡が取れてきた」「ディスインフレのプロセスは終了した」などと発言した。これを受け、市場ではECBの利下げ局面が終わりに近づいているとの見方が広がり、ユーロドルは堅調に推移した。
他方、米国については来週の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが既定路線となるなか、市場の関心は利下げ幅となっている。CMEのフェドウォッチ・ツールを見ると、来週のFOMCでの利下げ確率は0.50%が8%弱に留まり、残り90%以上は0.25%となっている。
米経済イベントでは9月ミシガン大学消費者態度指数・速報値の発表が予定されており、市場予想は58.0と前月の58.2を下回る見通し。インフレ見通しについては、先月は1年先が4.8%、5-10年先は3.5%であった。昨日はインフレ指標への反応は鈍く、雇用指標に敏感に反応したが、本日は雇用指標の発表はないことでインフレ見通しに素直に反応しそうだ。仮に、インフレ見通しが予想より弱い内容となった場合は大幅利下げが想起されてドル売りに作用するだろう。特に金融政策の方向性の違いが意識され、対ユーロや対円でドル売りが進みやすいと見る。
また、時刻未定ながら本日予定されている格付け会社フィッチ・レーティングスによるフランスのソブリン格付けの見直し発表は注意したい。政局混迷を受けて格下げに動くようだとユーロ相場への影響が懸念される。
円相場という点では、決戦まで1カ月弱あるもの、自民党総裁選関連のヘッドラインにも気を付けたい。特に「積極財政派」とされる高市氏に関する報道が伝われば円売りを促すことも考えらえる。
本日は週末ということで、連日で過去最高値を更新しているダウ平均を始めとした米株主要3指数の動きも気になるところ。週末を前にポジション調整の動きが出るようだと、ドル円の重しとなるかもしれない。そのほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長への批判が相次いでいるトランプ米大統領を始めとした米政府関係者の不意の発言には備えておきたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、日足・一目均衡表の雲の上限148.16円。超えると200日移動平均線148.77円
・ユーロドルは、7月1日に付けた年初来高値1.1829ドル。
想定レンジ下限
・ドル円は、11日安値146.99円。割り込むと9日安値146.31円
・ユーロドルは、11日安値1.1662ドル。
今晩は底堅い展開か。昨日は米8月消費者物価指数(CPI)がおおむね市場予想通りとなったことや、新規失業保険申請件数が悪化したことで来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が一段と強まった。ダウ平均が617.08ドル高(+1.36%)と大幅反発し、S&P500が0.85%高、ナスダック総合が0.72%高とともに4日続伸。主要3指数はそろって取引時間中と終値の史上最高値を更新した。週初来ではダウ平均が707.14ドル高(+1.56%)と3週ぶりの反発ペースとなり、S&P500が1.63%高、ナスダック総合が1.58%高とともに2週続伸ペースとなった。
今晩は主要3指数が最高値更新を続けていることや、週末の取引となることで利益確定売りが上値の圧迫要因となることが予想されるものの、投資家の不安心理を示すVIX指数が14ポイント台に低下するなどセンチメントが大きく改善していることや、来週のFOMCで利下げが確実視されていることなどを背景に底堅い展開が期待できそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは9月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先インフレ率速報値など。主要な企業の決算発表はなし。
米国は戦争終結を目指し、ロシアのエネルギー部門に対する主要7カ国(G7)の幅広い制裁を提案していると一部通信社が伝えた。
インド当局は大企業の上場を容易にするためにIPO規則の見直しを提案していると一部通信社が伝えた。大手企業が市場での株式希薄化や公開株式比率の達成期間を緩和され、より柔軟に資金調達ができるようにする狙い。
中国商務部の何立峰氏は9月14日から17日にかけてスペインを訪問し、訪問中に米国当局者と会談を行う予定だ。両国は貿易、輸出管理、関税、そしてTikTokに関する議論を行う見込み。
明治安田総合研究所では10月1日に公表予定の日銀短観9月調査に関して、大企業・製造業の業況判断DIは6月調査の+13から1ポイント改善の+14と予想している。日米関税交渉合意によって不確実性が低下したことや、円安進行が企業収益を下支えしたことなどが寄与したとみている。2025年度の設備投資計画(全規模・全産業ベース)は、輸出企業が関税コストを米国向け製品に価格転嫁することによる販売減への懸念が重石となるものの、全体としては6月調査からの上方修正を見込んでいる。
モルガン・スタンレーは最新リポートで、米国投資家の中国市場への関心が2021年以来の最高水準に達しているとの見方を示した。中国が一部のハイテク分野で世界をリードしていることや、中国の経済安定策の実施、流動性の改善、政府による株式市場への支援が背景にあるとした。『信報』が11日伝えた。
リポートによると、相場のバリュエーションにとどまらず、特定のテーマや構造的な投資機会に対しても投資家の中国市場への関心は強い。最近、モルスタと面談した投資家の90%以上が中国への投資比率を引き上げる意向を明確に示しており、これは中国株が21年初めにピークを迎えて以来、確認した最高水準だ。
モルスタは、複数の要因が投資意欲を押し上げたと指摘。投資家は、モルスタが今年初めから示してきた中国市場に対する前向きな見方や、6月以降の本土A株へのオーバーウェイト推奨と関連テーマに対する投資提案を評価しているという。
また、中国は人型ロボットやロボティクス、バイオテクノロジー・医薬品開発など一部のハイテク分野で世界をリードしており、投資機会として中国市場の魅力が高まっている。中国の政策立案者も段階的に経済安定策を講じ、株式市場を明確に支援する姿勢を示しており、最悪期は過ぎた可能性があるとした。
加えて、中国市場の流動性は大幅に改善しており、株価の持続的上昇に寄与すると指摘。米国資産への偏重が続く資産配分の多様化ニーズも高まっているという。
日米財務相は共同声明を発表。声明では「為替レートは市場で決定されるべき」「競争上の目的のために為替レートを目標としない」「過度な変動は経済と金融の安定に悪影響を与え得る」「為替介入は過度な変動に対処するためのものに留保」などの見解が示された。
日経平均株価は3日続伸。前日終値からマドを開けて強いスタートとなったが、伸び悩んだ。ただ、場中に緩む場面がありながらもマドを埋め戻す動きに至らず、底堅い値動きが続いた。
RSI(9日)は前日71.6%→84.9%(9/12)に上昇。連日で史上最高値を更新した。一方、SQ値45016.28円に対して下方で終えており、高値警戒感が強まる可能性がある。きょうはマドを開けた小陰線で終えたが、来週初にマドを開けて反落するケースなどには留意したい。基本的には上昇トレンドフォローの見方が優先されるが、昨年12/27高値(40398円)から4/7安値(30792円)までの下落幅に対する1.5倍返しの水準(45200円)に近いため、来週も上昇が続く場合は短期的な上昇一服のタイミングとなっても不思議ではない。
上値メドは、心理的節目の45000円、昨年12/27高値から4/7安値までの下落幅に対する1.5倍返し45200円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、5日移動平均線(44016円 9/12)、10日移動平均線(43211円 同)、25日移動平均線(42984円 同)、心理的節目の42000円、7/31高値(41151円)などがある。
(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.56円(12日15時時点比△0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.13円(△0.31円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1732ドル(△0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:9283.29(前営業日比▲14.29)
ドイツ株式指数(DAX):23698.15(▲5.50)
10年物英国債利回り:4.671%(△0.065%)
10年物独国債利回り:2.715%(△0.058%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.1% 0.1%
(前年同月比) 2.2% 2.2%
7月英国内総生産(GDP)
(前月比) 0.0% 0.4%
7月英鉱工業生産
(前月比) ▲0.9% 0.7%・改
(前年同月比) 0.1% 0.2%
7月英製造業生産指数
(前月比) ▲1.3% 0.5%
7月英商品貿易収支
222.44億ポンドの赤字 221.56億ポンドの赤字
7月英貿易収支
52.60億ポンドの赤字 50.15億ポンドの赤字
8月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比 0.4% 0.4%
前年比 0.9% 0.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。市場では「自民党総裁選に関する世論調査で、『次期総裁にふさわしい人物として高市早苗前経済安全保障担当相がリードしている』との報道を材料に海外勢が円売り・ドル買いを進めた」との声も聞かれた。21時30分過ぎには一時148.07円と日通し高値を更新した。
ただ、一目均衡表雲の上限148.16円や前日の高値148.17円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。9月米ミシガン大学消費者態度指数速報値が55.4と予想の58.0を下回ったことも相場の重しとなり、一時147.52円付近まで下押しした。
・ユーロドルは一進一退。欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面は終わりに近づいているとの見方が広がる一方、米連邦準備理事会(FRB)は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを再開することがほぼ確実視されている。欧米の金融政策の方向性の違いを意識したユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1748ドルと日通し高値を更新した。
ただ、そのあとは米長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.1701ドルと日通し安値を付けた。週末を控えたポジション調整目的の売りも出た。もっとも、米経済指標の下振れを受けて買い戻しが強まると1.1738ドル付近まで持ち直している。
なお、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「インフレの上振れリスクは下振れリスクよりも低い」「今後の会合でさらなる利下げの可能性がある」と述べた一方、ナーゲル独連銀総裁は「さらなる利下げは物価安定を脅かす可能性がある」などと発言。ECB理事会内では今後の政策運営について見方が分かれている。
・ユーロ円は買い先行後、伸び悩んだ。10月4日投開票の自民党総裁選を巡る報道をきっかけに円売り・ユーロ買いが優勢になると一時173.44円と日通し高値を付けたが、23時過ぎには172.98円付近まで上げ幅を縮めた。
・ロンドン株式相場は反落。前日の米株高を受けて買いが先行したものの、引けにかけて失速した。週末を控えたポジション調整目的の売りなどが出た。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は小反落。前日の米株高を受けて買いが先行したものの、週末を控えたポジション調整目的の売りなどが出ると下げに転じた。ただ、下押しも限定的だった。個別ではバイエル(2.64%安)やハイデルベルク・マテリアルズ(2.36%安)、コメルツ銀行(1.40%安)など下げが目立った。
・欧州債券相場は下落した。ECBによる利下げ観測の後退を背景に売りが出た。
(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.68円(前営業日比△0.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.27円(△0.52円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1734ドル(横ばい)
ダウ工業株30種平均:45834.22ドル(▲273.78ドル)
ナスダック総合株価指数:22141.10(△98.03)
10年物米国債利回り:4.06%(△0.04%)
WTI原油先物10月限:1バレル=62.69ドル(△0.32ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3686.4ドル(△12.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
55.4 58.2
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。自民党総裁選に関する世論調査で、「次期総裁にふさわしい人物として高市早苗前経済安全保障担当相がリードしている」との報道が伝わり、海外勢が円売り・ドル買いを進めた。21時30分過ぎに一時148.07円と日通し高値を更新した。
ただ、一目均衡表雲の上限148.16円や前日の高値148.17円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。9月米ミシガン大学消費者態度指数速報値が55.4と予想の58.0を下回ったことも相場の重しとなり、4時過ぎに147.46円付近まで下押しした。
・ユーロドルは横ばい。米長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行。週末を控えたポジション調整目的の売りも出て、21時30分過ぎに一時1.1701ドルと日通し安値を付けた。
ただ、米経済指標の下振れを受けて買い戻しが強まると1.1742ドル付近まで持ち直した。欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面は終わりに近づいているとの見方が広がる一方、米連邦準備理事会(FRB)は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを再開することがほぼ確実視されており、金融政策の方向性の違いを意識したユーロ買い・ドル売りも入りやすかった。
・ユーロ円は続伸。10月4日投開票の自民党総裁選を巡る報道を受けて、欧州市場では一時173.44円と日通し高値を付けた。ただ、NY市場ではドル円の失速に伴う円買い・ユーロ売りが入り、172.98円付近まで下押しする場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。前日に大幅反発し史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りが出やすかった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸し、史上最高値で取引を終えた。市場では「米利下げ観測に加えて、人工知能(AI)の恩恵への期待は依然として高く、ハイテク株に買いが続いた」との声が聞かれた。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りが出た。
・原油先物相場は反発。ウクライナとの和平交渉が進まないロシアに対し、米国は制裁強化の可能性を示唆。ロシア産原油の供給混乱への懸念が高まり、時間外取引から原油買いが強まった。もっともNY勢の本格参入後は64ドル手前で頭打ちとなり、上げ幅を縮小した。供給過剰への懸念を高めた国際エネルギー機関(IEA)の月報が、依然として意識されたもよう。
・金先物相場は反発。9月米ミシガン大学消費者態度指数が速報値55.4と市場予想58.0を下回ったことが分かると、買い戻しが強まった。時間外取引でつけた3695ドル台には届かなかったものの底堅さは継続され、中心限月の終値ベースで史上最高値を更新した。
モルガン・スタンレーは最新リポートで、米国投資家の中国市場への関心が2021年以来の最高水準に達しているとの見方を示した。中国が一部のハイテク分野で世界をリードしていることや、中国の経済安定策の実施、流動性の改善、政府による株式市場への支援が背景にあるとした。『信報』が11日伝えた。
リポートによると、相場のバリュエーションにとどまらず、特定のテーマや構造的な投資機会に対しても投資家の中国市場への関心は強い。最近、モルスタと面談した投資家の90%以上が中国への投資比率を引き上げる意向を明確に示しており、これは中国株が21年初めにピークを迎えて以来、確認した最高水準だ。
モルスタは、複数の要因が投資意欲を押し上げたと指摘。投資家は、モルスタが今年初めから示してきた中国市場に対する前向きな見方や、6月以降の本土A株へのオーバーウェイト推奨と関連テーマに対する投資提案を評価しているという。
また、中国は人型ロボットやロボティクス、バイオテクノロジー・医薬品開発など一部のハイテク分野で世界をリードしており、投資機会として中国市場の魅力が高まっている。中国の政策立案者も段階的に経済安定策を講じ、株式市場を明確に支援する姿勢を示しており、最悪期は過ぎた可能性があるとした。
加えて、中国市場の流動性は大幅に改善しており、株価の持続的上昇に寄与すると指摘。米国資産への偏重が続く資産配分の多様化ニーズも高まっているという。
明治安田総合研究所では10月1日に公表予定の日銀短観9月調査に関して、大企業・製造業の業況判断DIは6月調査の+13から1ポイント改善の+14と予想している。日米関税交渉合意によって不確実性が低下したことや、円安進行が企業収益を下支えしたことなどが寄与したとみている。2025年度の設備投資計画(全規模・全産業ベース)は、輸出企業が関税コストを米国向け製品に価格転嫁することによる販売減への懸念が重石となるものの、全体としては6月調査からの上方修正を見込んでいる。
赤沢亮正経済財政・再生相は12日、5500億ドルの対米投資に関して「円を売ってドルを直接買うような取引は基本的に発生しない」と述べた。また、国際協力銀行(JBIC)からの融資について「半分は外為特会の運用収入などで対応可能だと思う。米国債等を売却する必要はない。政府保証付きのドル建ての債券の発行や通貨スワップで考えている」と話した。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は12日、スペインの格付けを「A」から「A+」に引き上げたと発表した。なお、見通しは「安定的」とした。
◆豪ドル、雇用統計の行方を注視
◆NZドル、四半期GDPで景気回復の進展を確認
◆ZAR、SARBの金融政策に注目
予想レンジ
豪ドル円 96.00-99.50円
南ア・ランド円 8.25-8.70円
9月15日週の展望
豪ドルは神経質な展開となりそうだ。来週は18日に8月雇用統計の発表が予定されている。豪準備銀行(RBA)は前回(8月11-12日)の理事会で利下げを決めた際に、金利引き下げの根拠の一つとして労働市場の状況が若干軟化していることを挙げていた。ただ、その後に発表された4-6月期の国内総生産(GDP)が市場予想を上回る強い結果となり、ブロックRBA総裁は「この状況が続けば今後の利下げは限られるかもしれない」との見解を示すなど、足もとでは豪金利先安観が後退しつつある。今回の雇用統計を受けて再び豪利下げ期待が高まるか、豪ドルの反応とともに注意深く見極めることになるだろう。
また、来週は日米で金融政策の発表が予定されており、日銀は金利の据え置き、米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが確実視されている。米国は金利見通し(ドットチャート)やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見、日本は声明文や植田日銀総裁の会見などから次回以降の金融政策判断に関するヒントを探りたいところだ。
隣国のニュージーランド(NZ)では来週17日に4-6月期経常収支、18日に4-6月期GDP、19日に8月貿易収支が発表予定。NZ準備銀行(RBNZ)のホークスビー総裁は今週、「政策金利に関する中心的な予測は年末までに2.50%程度まで低下するというものだが、景気回復の進展次第ではより早くも遅くもなり得る」と述べ、政策金利の先行きは景気回復に関する今後のデータ次第との見解を示した。次回(10月8日)のRBNZ会合まで主だった経済指標の発表が予定されていないこともあり、来週の4-6月期GDPでNZ経済の状況を確認することになる。
南アフリカ・ランド(ZAR)は荒い値動きに警戒する必要があるだろう。来週は17日に8月消費者物価指数(CPI)や7月小売売上高、18日に南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策決定委員会(MPC)が予定されている。SARBの政策決定に関しては市場の意見も分かれており、追加利下げが実施されるかどうかは、前日のCPIも見極めながら慎重な判断が必要となる。SARBはインフレ目標を従来の3-6%の下限に設定する方針を示しており、8月CPIが7月の前年比3.5%からさらに上昇した場合は追加利下げが困難となるかもしれない。なお、SARBと南アフリカ財務省はインフレ目標に関して既に合意している模様。目標が確定次第、今後の方向性を発表する予定と伝わっている。
9月8日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円でともにしっかり。対ドルでは0.66ドル台で底堅く推移し、年初来の高値を更新。対円でも1月以来の高値水準となる98円台前半まで上値を伸ばした。
ZARも対ドルのレートでは17.35ZAR台まで下落して、年初来のZAR高水準を更新。対円では8.4円台で底堅く推移し、年初来高値の8.53円を視野に入れた動きとなった。
◆ポンド、英賃金やインフレは高止まりか
◆ポンド、英中銀MPCでは金利据え置き見込み
◆加ドル、BOCは4会合ぶり利下げとの見通し強まる
予想レンジ
ポンド円 197.00-202.00円
加ドル円 104.50-108.50円
9月15日週の展望
来週、英国では16日に5-7月雇用データ、17日に8月消費者物価指数(CPI)、18日にイングランド銀行(英中銀、BOE)の政策金利発表などが控えている。英中銀イベントの前後には、米国と日本でも金融政策が公表され、ポンドは対ドルや対円で神経質な動きが予想される。
雇用データでは悪化傾向の失業率が懸念されるが、週平均賃金にも要注目。前回の数字(除くボーナス)は前年比5.0%と、BOEのインフレ目標(2%)と整合する約3%を大きく上回ったままだ。英中銀は、インフレについて9月には4%程度まで上昇すると予想しており、今回の5-7月分も高い水準が見込まれる。さえない労働市場と物価動向の間で、中銀は難しい立場にある。
英金融政策委員会(MPC)では、政策金利は4.00%で据え置かれる見通し。0.25%利下げが決定された前回8月会合では、9人のMPC委員中5人が据え置きを求めた。8月CPIの高止まりは織り込み済みだが、想定以上の加速となればタカ派委員の勢いが増すだろう。なお、短期金融市場では年末まで据え置き予想が優勢だ。また、英中銀は8月に過去1年間の量的引き締め(QT)の影響を点検し、今回9月会合で向こう1年間の方針を決定する。決定内容を受けて英長期債は敏感に反応すると見られ、その方向性にも注目が集まる。
カナダからも、16日に8月CPIが発表され、翌17日にはカナダ中銀(BOC)が政策金利を公表予定。まずは国内イベントを確認し、その後は米日の金融イベントを見極めることになるだろう。CPIは、7月まで前年比2%割れが4カ月続いている。BOCが重視するコアCPI(中央値やトリム)次第でもあるが、ヘッドラインが1%台でさらに減速となれば、カナダ金利の低下圧力の強まりは避けられない。いずれにせよ、市場ではCPIが大幅に加速しない限り、BOCが4会合ぶり利下げに動くとの見方が強い。5日発表の8月カナダ雇用統計が弱かったことがその理由。増加が期待された新規雇用者数は6.55万人減と下振れ、失業率も7.1%と新型コロナ禍の時期を除くと約9年ぶりの水準まで悪化した。現行2.75%のカナダ政策金利について短期金融市場は、9月会合で0.25%引き下げをほぼ織り込み、10月会合は据え置いた後、12月会合で0.25%追加利下げも視野に入れ始めた。市場の思惑通りに中銀が考えているのか、声明文で読み解くことになる。また、トランプ関税の影響についても、中銀の見通しが依然として注目される。
9月8日週の回顧
ポンドや加ドルは対円で買いが先行。石破首相の辞任表明を受け、週明けから円安の動きが全般強まった。ポンド円は200.35円と昨年7月以来の高値を更新。カナダ雇用統計を受けて前週に弱含んだ加ドル円も107円前半まで持ち直した。もっとも、米金利先安観の強まりからドル円が失速すると、ポンド円は198円後半、加ドル円が106円手前まで水準を落とす場面があった。
対ドルでは、ポンドが1.34ドル後半から一時1.35ドル後半まで上昇。加ドルは1.37加ドル後半から1.38加ドル後半まで加ドル安に振れる場面があった。
◆ドル円、FOMCは今後の利下げ見通しが焦点
◆ドル円、日銀は自民党総裁選次第で利上げ見通し困難に
◆ユーロドル、欧米金融政策の違いから下値堅い
予想レンジ
ドル円 145.50-149.00円
ユーロドル 1.1550-1.2000ドル
9月15日週の展望
ドル円は、日米金融政策決定会合の内容を見極める展開となるだろう。まず、16-17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われ、0.25%利下げすることは確実視されている。注目点は今後の利下げ見通しであり、今回は四半期に一度の金利見通し(ドットチャート)が公表される。先週発表された米雇用統計や今週のインフレ指標を受けて、市場は9月を含め年内に計3回の利下げを織り込み始めている。一部では9月に0.50%の大幅利下げを予想する声が依然として残っているなど、米利下げ観測は一段と高まっており、中期的なドル売り材料となりつつある。
続いて、18-19日の日銀金融政策決定会合では、現状維持となることが大方の予想だ。焦点は今後の利上げ時期に集まっており、複数の報道では今秋から来年初めにかけて利上げを予想している。ただ、市場では10月4日に行われる自民党総裁選で日銀の利上げに反対している高市氏が選ばれた場合、今後の利上げ見通しは非常に難しくなるとの認識。植田日銀総裁は先月のジャクソンホールでの講演で「賃金には上昇圧力がかかり続ける」とタカ派的な見解を示していたこともあり、記者会見での発言内容に注目したいところだ。
日米金融政策以外では、米国で15日に9月NY連銀製造業景気指数、16日に8月小売売上高や8月鉱工業生産、18日に9月フィリー指数の発表が予定されている。
ユーロドルは、下値の堅い動きとなりそうだ。11日に欧州中央銀行(ECB)が金融政策の現状維持を発表。ラガルドECB総裁が記者会見で「ユーロ圏の経済成長に対するリスクはより均衡し、ディスインフレの進行は終了した」と述べるなど、終始タカ派的な姿勢を示した。これにより、ECB発表前には来年半ばまでに最低1回の利下げを予想していた短期金利市場は来年末までの金利据え置きへ予想をシフトしている。一方で、米利下げ観測は一層高まっており、欧米金融政策の方向性の違いが鮮明になったため、来週以降のユーロドルは買われやすい地合いとなりそうだ。
9月8日週の回顧
ドル円は方向感がない。週末に石破首相が辞任を表明したことを受けて週明け早朝から一時148.58円まで大きく上昇したが、米利下げ観測からその後は一転して売られる展開に。日銀の利上げ観測が高まった影響も受けて一時146.31円まで下げ足を速めた。一巡すると押し目買いが入り148.17円まで反発する場面も見られたが、戻りも鈍かった。
ユーロドルは一進一退。週前半には一時1.1780ドルまで上昇したが、その後は仏政局を巡る不透明感なども重しに失速し、一時1.1662ドルまで値を下げた。ただ、ECBのタカ派発言や米長期金利の低下を受けて再び1.1746ドルまで切り返した。
12日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は395円高の44768円。
日経平均は3日連続の3桁上昇。8月CPIが米国株の買い材料となったことで三連休を前にしても売り急ぎは手控えられ、一段と上を試しにいった。高値は44888円まであり、45000円が射程圏内に入っている。
来週はドル円の動向に注意を払っておきたい。FOMCでは0.25%の利下げ、日銀会合は据え置きが濃厚とみられているが、FRBはこの先、複数回の利下げを実施する可能性がある一方、日銀は年内のどこかで利上げを実施するとの見方が多い。市場で日米の金利差縮小が強く意識された場合には、円高(ドル安)が進みやすくなる。今週は米国の物価指標を確認しながら米国の長期金利(10年債利回り)は低下したが、それほど円高が進まなかった。為替の落ち着きは日本株の上昇に一役買ったと考えられる。今の日本株であれば、多少の円高は内需を買う理由になると好意的に受け止めるだろうが、大きく円高が進んだ場合には楽観ムードが急速に冷え込む可能性はあるだけに、振れ幅が大きくならない方が好ましい。
【来週の見通し】
堅調か。月曜が休場で立ち合いは4日。16~17日にFOMC、18~19日に日銀金融政策決定会合と中央銀行イベントが相次ぐ。なお、日銀会合後の植田総裁会見は金曜の引け後となり、東京市場の現物市場では消化できない。金融政策に関しては、米国の0.25%の利下げと日本の据え置きに対する織り込みが進んでおり、今回は波乱の要素は少ない。日米株ともに高値圏で推移しているだけに、これらのイベント近辺では利益確定目的の売りが出てくる可能性はある。ただ、米国の利下げ継続に対する期待が高いだけに、押し目があれば買いが入る公算が大きい。サプライズの少ない会合を無難に消化しながら買いが買いを呼ぶ展開も十分期待でき、上向きの基調が継続すると予想する。
【今週を振り返る】
大幅高となった。日曜7日に石破首相が自民党の総裁を辞任すると発表。週明け8日は政治の変化に対する期待が高まり、日経平均は前週末の米国株安を跳ね返して600円を超える上昇となった。9日は反動売りに押されたものの、10日に大幅高となって史上最高値を更新すると、11日は終値で初めて44000円を上回り、12日には一時44800円台まで水準を切り上げた。米オラクルの業績に関するリリースが生成AI関連を刺激したことで、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、フジクラなどが大幅上昇。週後半にかけては米国の物価指標が利下げに対する期待を高め、これらを材料にリスク選好ムードが強まった。日経平均は週間では約1749円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。
15日
○敬老の日の祝日で休場
16日
○13:30 ◇ 7月第三次産業活動指数
17日
○08:50 ◎ 8月貿易統計(通関ベース)
18日
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○08:50 ◎ 7月機械受注
19日
○08:30 ☆ 8月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 8月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合(終了後、決定内容発表)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
15日
○11:00 ◎ 8月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 8月中国小売売上高
○15:30 ◇ 8月スイス生産者輸入価格
○18:00 ◇ 7月ユーロ圏貿易収支
○20:30 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30 ◇ 7月カナダ製造業出荷
○21:30 ◇ 7月カナダ卸売売上高
○21:30 ◎ 9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○16日03:10 ◎ ラガルドECB総裁、講演
16日
○15:00 ◎ 8月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 5-7月英失業率(ILO方式)
○17:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○18:00 ◎ 9月独ZEW景況感指数
○18:00 ◎ 9月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏鉱工業生産
○21:15 ◇ 8月カナダ住宅着工件数
○21:30 ◎ 8月カナダ消費者物価指数(CPI)
○21:30 ☆ 8月米小売売上高
○21:30 ◇ 8月米輸入物価指数
○22:15 ◎ 8月米鉱工業生産
◇ 設備稼働率
○23:00 ◇ 7月米企業在庫
○23:00 ◎ 9月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
○17日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○メキシコ(独立記念日)、休場
17日
○07:45 ◇ 4-6月期ニュージーランド(NZ)経常収支
○15:00 ◎ 8月英CPI
○15:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○16:30 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○16:45 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○17:00 ◎ 8月南アフリカCPI
○17:00 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏HICPコア改定値
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◇ 7月南アフリカ小売売上高
○21:30 ◇ 7月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 8月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○22:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○18日02:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○18日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
○18日03:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○18日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表
○トランプ米大統領、英国国賓訪問(19日まで)
○07:45 ☆ 4-6月期NZ国内総生産(GDP)
○10:30 ◎ 8月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○16:10 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○17:00 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○17:00 ◇ 7月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○17:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表
○18:00 ◇ 7月ユーロ圏建設支出
○18:45 ◎ シュナーベルECB専務理事、パネルディスカッションに参加
○20:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表
○20:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○21:30 ◎ 9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○22:00 ☆ 南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表
○23:00 ◎ 8月米景気先行指標総合指数
○19日05:00 ◎ 7月対米証券投資動向
19日
○07:45 ◎ 8月NZ貿易収支
○08:01 ◇ 9月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○15:00 ◇ 8月独生産者物価指数(PPI)
○15:00 ◎ 8月英小売売上高
○15:45 ◇ 9月仏企業景況感指数
○21:30 ◎ 7月カナダ小売売上高
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
今週の日経225先物は、先週の大幅な上昇に対する過熱感が警戒され、利益確定に伴うロングの解消や短期的なショートを誘い込む一方で、中銀イベントを背景に押し目待ち狙いのロングが入りやすいだろう。先週の日経225先物(12月限)は12日に4万4720円まで買われる場面もみられ、週間(8~12日)の上昇率は一時4.3%を超えている。
先週は石破茂首相の辞意表明を受け、新政権では財政拡張的な政策へ転換するとの思惑が広がり、買いが先行して始まった。その後、利益確定売りに押される場面もあったが、米国市場で利下げ観測が強まり、半導体や人工知能(AI)関連株への資金流入が強まるなか、東京市場でもソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など、日経平均型を中心に資金流入が目立った。
12日に9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていたことも影響した。週初からの強い値動きによってレンジを切り上げるなかで、ヘッジ対応に伴うロングも指数を押し上げる形になった。なお、SQに絡んだ商いは金額ベース(推定)で、日経平均型が1000億円超の買い越し、TOPIX型は510億円超の買い越しだった。この需給もあって9月限のSQ値は4万5016.28円と、節目の4万5000円台に乗せている。
12日の日経平均株価はSQを超えられず幻のSQの形ではあったが、4万4800円台とギャップアップで始まった後に4万4500円台まで上げ幅を縮めたものの、その後は4万4800円を挟んで高値圏での推移が続いた。また、日経225先物は12日の取引終了後のナイトセッションで日中比80円安の4万4400円だった。一時4万4320円まで下げる場面もみられたが、その後4万4570円とプラス圏を回復。買い一巡後は終盤にかけて軟化したものの、4万4400円~4万4500円辺りでの底堅さがみられた。15日(敬老の日)はJPXグループ全体でのBCPテスト(DR切替)を行うため、祝日取引は行われない。
今週は16日~17日に米国で米連邦公開市場委員会(FOMC)、18日~19日には日銀の金融政策決定会合が開催される。米国の金融政策に関して市場では9月FOMCでの0.25%の利下げを含め、年内3会合連続での利下げがほぼ織り込まれている。FOMCメンバーによる経済見通しが発表されるほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見で先々の利下げに消極的な姿勢が示されれば、米国市場はネガティブに反応する可能性がある。そのため、FOMCの結果判明を前にロング解消や短期的なショートが入りやすいだろう。
日銀については金融政策の据え置きが広く予想されており、市場の関心は会合後の植田和男総裁会見に集まりそうだ。先週は年内の利上げ観測が強まるなかで長期金利の上昇がみられた。ただし、10月4日の自民党総裁選を控えて、9月の利上げはないと考えられる。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万4350円)と+3σ(4万5080円)とのレンジでの推移が意識される。過熱感が警戒されてこようが、バンドが上向きで推移していることもあり、これに沿ったトレンドを形成する可能性がある。+2σを割り込む局面では、押し目狙いのロングでの対応に向かわせよう。
そのため、オプション権利行使価格の4万4000円から4万5000円のレンジを想定する。一気に4万5000円を捉えてくるとピーク感の醸成につながる可能性はあるが、バンドに沿った上昇ではピーク形成を見極めにくいため、ショートに傾ける戦略は避けておきたい。
12日の米VIX指数は14.76(11日は14.71)に上昇した。週間(5日は15.18)では低下となった。下向きで推移する25日移動平均線に上値を抑えられる形で低下を続けており、12日には一時14.41まで下げる場面もみられた。FOMC前にいったんは上昇する場面もありそうだが、FOMCを無難に通過すれば、8月28日の直近安値である14.12を割り込んでくる可能性があり、リスク選好に向かわせそうだ。
週末のNT倍率は先物中心限月で14.18倍(11日は14.10倍)に上昇した。週間(5日は13.85倍)でも上昇した。NT倍率は3日から9営業日連続で上昇している。米国市場の流れを受けて半導体やAI関連株に資金が集中しており、日経平均型優位の展開となった。+3σ(14.20倍)に接近してきたことで、リバランスの動きが入りやすくなりそうだ。
ただし、バンドの切り上がりに沿ったトレンド形成が意識されるなか、6月30日につけた戻り高値14.24倍を捉えてくるようだと、1月23日の14.54倍が射程に入ってくる。リバランスを意識しつつも、押し目ではNTロングでのスプレッドを狙ったポジションの組成に向かわせよう。
9月第1週(9月1日-5日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は1249億円(8月第4週は6352億円の売り越し)だった。なお、現物は1314億円の買い越し(同3031億円の売り越し)と3週ぶりの買い越し。先物は64億円の売り越し(同3321億円の売り越し)と2週連続の売り越しだった。個人は現物と先物の合算で1058億円の買い越しと3週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で4420億円の売り越しとなり、10週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、9月15日に中国8月鉱工業生産、中国8月小売売上高、米国9月ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日に米国自動車関税引き下げが正式発効(見通し)、米国8月小売売上高、米国8月鉱工業生産指数、17日に8月貿易収支、米国8月住宅着工件数、FOMC終了後に政策金利、パウエルFRB議長が記者会見、18日に7月機械受注、イングランド銀行(BOE)が政策金利、米国8月コンファレンスボード景気先行指数、19日に8月全国消費者物価指数、日銀金融政策決定会合終了後に政策金利、植田和男日銀総裁記者会見などが予定されている。
<国内>
○敬老の日の祝日で休場
<海外>
○11:00 ◎ 8月中国鉱工業生産(予想:前年比5.6%)
○11:00 ◎ 8月中国小売売上高(予想:前年比3.8%)
○15:00 ◇ 8月独卸売物価指数(WPI)
○15:30 ◇ 8月スイス生産者輸入価格
○18:00 ◇ 7月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済120億ユーロの黒字)
○20:30 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30 ◇ 7月カナダ製造業出荷(予想:前月比1.8%)
○21:30 ◇ 7月カナダ卸売売上高(予想:前月比1.3%)
○21:30 ◎ 9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:4.8)
○16日03:10 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、自民党総裁選に関する世論調査で、「次期総裁にふさわしい人物として高市早苗前経済安全保障担当相がリードしている」との報道を受けて148.07円まで上昇した。ユーロドルは、米長期金利の上昇を受けて1.1701ドルまで下落後、低調な米経済指標や欧米金融当局の金融政策の方向性の違いを意識したユーロ買い・ドル売りで1.1742ドル付近まで買い戻された。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が敬老の日の祝日で休場となり、16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて動きづらい展開の中、引き続き自民党総裁選関連のヘッドラインやトランプ大統領の突発的な発言には警戒しておきたい。
先週11日のドル円は、日銀の利上げに難色を示している高市前経済安全保障担当相が総裁選出馬の意向を示したとの報道で148.17円まで上昇し、12日には、世論調査で「次期総裁にふさわしい人物として高市早苗前経済安全保障担当相がリードしている」との報道で148.07円まで上昇した。
昨年9月に行われた総裁選に際しては、23日に有力候補だった高市氏が日銀の金融政策について「金利を今、上げるのはアホやと思う」と発言したことで、ドル円は143円台から144円台に上昇した。27日の投開票では、1度目の投票で高市氏が石破氏を上回り、ドル円146.49円まで円安に振れたが、決選投票で石破氏が勝利すると142.07円まで円高が進むという乱高下となった。
今後も、10月4日の自民党総裁選に向けて、高市氏の名前は円安に反応するというアルゴリズムには警戒しておきたい。
今週末18-19日の日銀金融政策決定会合では、政策金利の据え置きが見込まれているが、先日の関係筋による報道では、「日銀は国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない」とのことで、10月29-30日の会合での利上げ観測がやや高まっている。
10月の日程は以下の通りとなっており、注視しておきたい。
・1日:9月調査の日銀短観
・2日:内田日銀副総裁講演
・3日:植田日銀総裁講演
・4日:自民党総裁選
・中旬:国会で次期首相指名投票
・29-30日:日銀金融政策決定会合
本日は、米上院本会議でミランFRB暫定理事の指名採決が行われるが、承認されて、書類や宣誓手続きが滞りなく完了すれば、16-17日のFOMCに参加できることになる。
また、トランプ米大統領が住宅ローン疑惑により解任したクックFRB理事は、連邦地裁の解任無効の判断を受けて、明日のFOMCには参加できることになった。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、9月に0.25%の利下げを予想する確率は93.4%、0.50%の利下げ確率は6.6%となっており、9月の利下げを完全に織り込んでいる。そして、10月と12月のFOMCでも利下げが予想されており、12月のFF金利誘導目標の見通しは3.50-75%となっている。
先週末のドル円は、欧州時間に入って147.24円まで下押す場面もみられましたが、東京時間の安値147.12円が意識されたほか、共同通信が実施した自民党総裁選での世論調査で高市議員への支持率が高かったことを受けて思惑的な買い戻しが先行。米長期金利の上昇も買い戻しを後押しすると一時148.07円まで値を上げました。
一目雲上限の148.16円や前日11日の高値148.17円が戻りの目処として意識されるなか、9月米ミシガン大消費者態度指数速報値が予想を下回ると147.46円まで下押ししたものの、引けにかけては再び買い戻されて週末のNY市場を終えています。相変わらずの方向感ない動きではありましたが、全般下値を切り上げたといったところです。
いずれにしても、ドル円は9日の「いつもの日銀ネタ」に、必要以上に反応してしまったことが、週末にCFTCが公表した投機筋の円ロングポジションの18,385枚の急増でも明らかになっているわけで、大元の円ロングを解消に向かっているなか、少々色気が出てしまったといったところ。146円台前半への下押しが、逆に実需勢の買い遅れ感を煽ってしまったかもしれず、需給のタイト感を益々強める結果となっています。
週明けの東京勢不在のアジア市場では、様子見の動きが続いていますが、目先は一目転換線の147.73円を挟みつつ、一目雲上限と11日の高値が位置する148.17円や200日MAの148.75円を意識する動きとなっていきそうです。
「ディスインフレのプロセスは終了した」(ラガルドECB総裁)
2025年9月11日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、2会合連続で全会一致での金利据え置きを決定し、利下げサイクルが終了した可能性が示唆された。
ECBはこれまで金利の中立水準を1.75-2.25%としてきており、現状は中間点2.00%に到達している。
1.欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化(※中銀預金金利)
■2025年9月11日: 2.00%(据え置き)
・限界貸出金利 :2.40%(2.40%)
・リファイナンス金利:2.15%(2.15%)
・中銀預金金利 :2.00%(2.00%)
■2025年7月24日: 2.00%(据え置き)
■2025年6月5日: 2.00%(第8次利下げ)▲0.25%
■2025年4月17日:2.25%(第7次利下げ)▲0.25%
■2025年3月6日:2.50%(第6次利下げ)▲0.25%
■2025年1月30日:2.75%(第5次利下げ)▲0.25%
■2024年12月12日:3.00%(第4次利下げ)▲0.25%
■2024年10月17日:3.25%(第3次利下げ)▲0.25%
■2024年9月12日:3.50%(第2次利下げ)▲0.25%
■2024年7月18日:3.75%(据え置き)
■2024年6月6日:3.75%(第1次利下げ)▲0.25%
2.声明文
「資産購入プログラム(APP)およびパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)のポートフォリオは計画的かつ予測可能なペースで縮小している」
「データに基づき、会合ごとに適切な金融政策のスタンスを決定することを方針」
「現在のインフレ率は約2%台で、中期目標とほぼ一致しているとの評価」
■インフレ見通し:2025年+2.1%(従来+2.0%)、2026年+1.7%(従来+1.6%)、2027年+1.9%(従来+2.0%)
■GDP見通し:2025年+1.2%(従来+0.9%)、2026年+1.0%(従来+1.1%)
3.ラガルドECB総裁
■利下げサイクルが終了した可能性
「我々は依然として良好な状況にある」
「労働コストの圧力が低下し、ユーロ高が進むことで基調的なインフレが低下すると予想」
「経済成長に対するリスクはより均衡が取れている」
「ユーロ高が予想以上にインフレを押し下げる可能性がある」
■インフレ目標
「インフレ率は望ましい水準にあり、市場は回復力を示唆」
「インフレ見通しは通常よりも不確実性が高い」
■インフレ見通し
「インフレ見通しは通常よりも不確実性が高い」
「ディスインフレのプロセスは終了した」
■基調インフレ
「基調インフレの指標は、ECBの中期目標である2%に一致している」
「インフレ、2%からのわずかな乖離ではECBの行動を促さない」
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、先週末のフィッチ・レーティングスによるフランス国債の格下げの影響やタカ派のシュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演を見極めて行くことになる。
先週末、フィッチ・レーティングスは、フランスの政局混迷や財政再建への警戒感などから、フランスのソブリン格付けを引き下げた。今後、DBRS、ムーディーズ・レーティングス、S&Pグローバル・レーティングもフランスのソブリン格付けの見直し結果を公表する予定となっており、格下げが連続するリスクには警戒しておきたい。
また、先週のECB理事会では、2会合連続して政策金利の据え置きが決定され、ラガルドECB総裁は利下げサイクルが終了した可能性を示唆していた。
本日講演が予定されているタカ派のシュナーベルECB専務理事も、利下げサイクルの終了を再確認すると予想されるため、明日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測と相まって、ユーロ買い・ドル売り要因となる。
7月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済120億ユーロの黒字)では、トランプ関税の影響を見極めておきたい。
先週末にトランプ米大統領は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対してロシア産原油の輸入停止を要請しており、NATO側からの回答にも注目しておきたい。
日本時間15日午後3-5時の予定で、米中通商協議の2日目が開催され、午後には協議後の記者会見が暫定的に予定されていることで、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1829ドル(7/1高値=年初来高値)
・ユーロ円:173.97円 (7/28高値=年初来高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1677ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:172.44円(日足一目均衡表・基準線)
NY時間の為替市場は、明日から始まる米連邦公開市場委員(FOMC)を控えて限られた値動きになりそうだ。ただし、昨日からスペインのマドリードで米中間の貿易協議が始まり、本日午後には協議後に記者会見が暫定的に予定されていることで、両国の会見で市場が動意づくこともありそうだ。
FOMCは16-17日に行われるが、市場では25ベーシスポイント引き下げの予想が9割を超えている。ただ、利下げ幅が予想通りだった場合でも、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見や今回は四半期に一度のドットプロットも発表されることで、市場は神経質に動くことになるだろう。
昨日から始まった米中貿易協議はベッセント米財務長官と何立峰中国副首相を中心に話し合いが行われている。週末にフィナンシャル・タイムズ(FT)紙が、10月末に韓国で開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて、中国側がトランプ米大統領を招待し、首脳会談を要請していると報じている。トランプ政権がG7国に対して中国やインドへの関税引き上げを要請するなど、米中間の関係は再び徐々に悪化傾向を辿っている。一方で中国はインド・ロシアだけでなく、米国が高関税を課しているブラジルなどの国を巻き込み、G7以上の巨大経済圏を築こうとしている中で、中国側が弱気な姿勢を見せることはないとも思われ、両大国の行方が注目さえる。
なお、経済指標では9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が発表される。政治状況以外ではイベントが少ないことで、通常よりも市場の反応が敏感になる可能性もあるかもしれない。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、日足一目均衡表・雲上限があり11日高値でもある148.17円。その上は8日高値148.58円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、11日安値146.99円。その下は90日移動平均線がある146.29円。
今週のNY市場はFOMCとパウエルFRB議長発言に注目。先週はダウ平均が433.36%高(+0.95%)と3週ぶりに反発し、S&P500が1.59%高、ナスダック総合が2.03%高とともに2週続伸した。経済指標を受けて労働市場の減速が意識されたことやインフレ高進懸念が和らいだことで9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視されたことが支援となった。雇用を巡っては、前週末の米8月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り労働市場の減速が意識されるなか、先週は米労働省統計局が年次改定で、2025年3月まで1年間の雇用者数を市場予想のほぼ上限となる91.1万人下方修正したことや、新規失業保険申請件数が予想を上回り、2021年10月以来の水準に悪化した。物価を巡っては、8月生産者物価指数(PPI)が予想に反して低下したことや、8月消費者物価指数(CPI)もおおむね予想通りとなった。経済指標を受けて利下げ期待が続き、CMEのフェドウォッチ・ツールの9月FOMCでの0.25%の利下げ確率が96.2%、0.50%(2回分)の利下げ確率も3.8%となった。主要3指数は11日にそろって取引時間中と終値の史上最高値を更新。ナスダック総合は5日連続で取引時間中と終値の史上最高値を更新した。
今週は17日に結果が公表されるFOMCやその後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見に注目が集まる。FOMCでは0.25%の利下げがほぼ確実視されているほか、0.50%の大幅利下げ期待もあり、結果が注目される。また年内の利下げ見通しを巡りメンバーのFF金利見通し(ドットプロット)やパウエルFRB議長記者会見に注目が集まる。CMEのフェドウォッチ・ツールでは年内3回(0.75%)以上の利下げ確率が77%超に上昇しており、ドットプロットやパウエルFRB議長発言が市場の期待に沿ったものとなれば安心感が広がりそうだ。このほかの経済指標は8月小売売上高、8月鉱工業生産、8月住宅着工件数など。企業決算はゼネラル・ミルズ、ダーデン・レストランツ、レナー、フェデックスなどが発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは9月NY連銀製造業業況指数など。主要な企業の決算発表はなし。
中国の工業情報化部など8部局は12日、「自動車産業安定成長工作方案(2025-26年)」を地方政府や関連部門、税関に通知したと発表した。同方案は、2025年の自動車販売台数の目標を前年比約3%の増の3230万台前後と設定。うち、新エネルギー車は約20%増の1550万台前後を見込む。自動車輸出は安定成長を維持する方針を明らかにした。
同方案に盛り込まれた関連政策は「国内消費の拡大」、「供給品質の向上」、「発展環境の最適化」、「開放・協力の深化」の4項目に分かれる。主要な措置は次の通り。
自動車産業の競争秩序:コスト調査と価格監視を強化し、主要自動車メーカーに支払期日の順守を徹底させ、業界団体が自動車メーカーのサプライヤーへの支払ルールを策定するよう指導するとした。また、自動車業界のネット上の不正行為を摘発し、業界データや情報の発表ルールを整備し、虚偽の宣伝や競合に対する中傷などの行為を取り締まると明記した。
自動車消費の拡大:公共分野で車両の全面的な電動化を先行実施する試験的事業を強化し、農村での新エネルギー車の普及活動や県レベルでの充電・交換施設の不足解消活動を継続的に実施して、農村住民が電気自動車(EV)を利用する水準を高める。また、新エネルギー車について自動車購入税や車船税の減免・優遇制度を着実に実行するとした。
スマートコネクテッドカーの振興:スマートコネクテッドカーの認可と公道走行の試行を進め、基準を満たしたレベル3車(条件付き自動運転車)の生産を認可し、道路交通安全や保険などの法律法規の整備を進める。
自動車輸出の安定的発展:国際競争力を備えた中国ブランドの育成を加速させること、完成車およびサプライチェーン企業が輸出先市場に適した製品を研究開発・生産すること、現地企業との協力を強化することを求める。
金融サービスによる支援:銀行が自動車産業に対する融資形態を拡充し、金融機関が自動車産業チェーン企業にグローバル資金管理サービスを提供し、保険会社が自動車輸出信用保険業務やサービスの最適化を促す。
トランプ米大統領はSNSで中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業に関して合意に至ったとし、習中国国家主席とは19日に会談することも表明した。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.25円(15日15時時点比▲0.26円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.33円(△0.32円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1771ドル(△0.0042ドル)
FTSE100種総合株価指数:9277.03(前営業日比▲6.26)
ドイツ株式指数(DAX):23748.86(△50.71)
10年物英国債利回り:4.633%(▲0.038%)
10年物独国債利回り:2.691%(▲0.024%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独卸売物価指数(WPI)
前月比 ▲0.6% ▲0.1%
8月スイス生産者輸入価格
(前月比) ▲0.6% ▲0.2%
7月ユーロ圏貿易収支
(季調済)53億ユーロの黒字 37億ユーロの黒字・改
(季調前)124億ユーロの黒字 70億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視される中、全般ドル売りが先行。22時過ぎに一時147.23円と日通し安値を付けた。なお、トランプ米大統領は自身のSNSに「手遅れだ。今すぐ金利を引き下げなければならない。しかも、当初の想定よりも大幅な引き下げだ。住宅価格は急騰するだろう!!!」と投稿し、米連邦準備理事会(FRB)に「大幅な」利下げを実施するよう改めて要求した。
ただ、前週末の安値147.12円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。
・ユーロドルは底堅い動き。アジア市場では一時1.1716ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面は終わりに近づいているとの見方が広がる一方、FRBは16-17日のFOMCで利下げを再開することがほぼ確実視されており、金融政策の方向性の違いを意識したユーロ買い・ドル売りが入りやすかった。1時過ぎには一時1.1774ドルと日通し高値を更新した。
なお、シュナーベルECB専務理事は「金利は適切な水準にある」と述べた一方、「インフレの上方リスクが優勢になりつつある」などと発言した。
・ユーロ円は下値が堅かった。アジア時間に一時172.90円と日通し安値を付けたあとはじりじりと下値を切り上げる展開に。21時30分前には一時173.45円と週明け早朝取引で付けた日通し高値に面合わせした。ユーロドルの上昇につれた買いが相場を下支えした。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。今週のFOMCや英中銀金融政策委員会(MPC)など重要イベントを前に様子見ムードも強く、相場は大きな方向感は出なかった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られた半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われた。
・フランクフルト株式相場は反発。今週のFOMCでの利下げがほぼ確実視される中、投資家が運用リスクをとりやすくなるとの見方から買いが入った。個別ではラインメタル(2.82%高)やインフィニオン・テクノロジーズ(2.82%高)、シーメンス・エナジー(2.77%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.40円(前営業日比▲0.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.37円(△0.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1761ドル(△0.0027ドル)
ダウ工業株30種平均:45883.45ドル(△49.23ドル)
ナスダック総合株価指数:22348.75(△207.65)
10年物米国債利回り:4.04%(▲0.02%)
WTI原油先物10月限:1バレル=63.30ドル(△0.61ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3719.0ドル(△32.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
▲8.7 11.9
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視される中、全般ドル売りが先行。22時過ぎに一時147.23円と日通し安値を付けた。ただ、前週末の安値147.12円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。
なお、トランプ米大統領は自身のSNSに「手遅れだ。今すぐ金利を引き下げなければならない。しかも、当初の想定よりも大幅な引き下げだ。住宅価格は急騰するだろう!!!」と投稿し、米連邦準備理事会(FRB)に「大幅な」利下げを実施するよう改めて要求した。
・ユーロドルは上昇。欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面は終わりに近づいているとの見方が広がる一方、FRBは今週のFOMCで利下げを再開することがほぼ確実視されており、金融政策の方向性の違いを意識したユーロ買い・ドル売りが入りやすかった。1時過ぎには一時1.1774ドルと日通し高値を更新した。米長期金利の低下も相場の支援材料。
なお、シュナーベルECB専務理事は「金利は適切な水準にある」と述べた一方、「インフレの上方リスクが優勢になりつつある」などと発言した。
・ユーロ円は小幅ながら3日続伸。ユーロドルの上昇につれた買いが入ると、週明け早朝取引で付けた日通し高値173.45円に面合わせした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。米利下げ観測や米中貿易協議の進展期待から買いが優勢となった。ただ、主力株の一角には利益確定目的の売りも出たため、上値は限定的だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸し、史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。米利下げ観測を背景に買いが入ったほか、9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を下回ったことが相場の支援材料となった。
・原油先物相場は続伸。トランプ米大統領が北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対してロシア産原油の購入を停止するよう要請したことや、ウクライナの攻撃にロシアスルグトネフテガスのキリシ製油所が標的となったことが支えとなった。
・金先物相場は続伸。中心限月の清算値ベースでは先週末に続き史上最高値を更新した。今週のFOMCでの利下げがほぼ確実視されていることが引き続き支援材料となった。また、為替相場でドルが重い動きとなったこともドル建ての金の買いを後押した。
中国の国家統計局が15日発表した2025年8月の住宅価格統計によると、主要70都市のうち、新築分譲住宅価格(保障性住宅を除く)が前月比で下落したのは57都市となり、前月から3都市減った。上昇は9都市で3都市増加。横ばいは4都市だった(前月も4都市)。前年同月比では、下落は65都市と前月と変わらず。上昇は5都市で前月と変わらず。横ばいの都市はなかった(前月もなし)。
中国国家統計局の統計に基づいてロイターが算出した8月の主要70都市の新築住宅価格指数は前年同月比2.5%下落したが、下げ幅は24年3月(2.3%下落)より後では最小となった。前月比では同指数は0.3%低下し、下げ幅は7月から横ばいだった。
規模別では、「一線都市」(北京、上海、広州、深セン)の新築分譲住宅価格は前月比0.1%下落した(前月は0.2%下落)。これに次ぐ規模の「二線都市」(31都市)は0.3%低下(前月は0.4%下落)。「三線都市」(35都市)は0.4%下落した(前月は0.3%下落)。前年同月比では、一線都市が0.9%下落(前月は1.1%下落)。二線都市は2.4%下落(前月は2.8%下落)、三線都市は3.7%下落(前月は4.2%下落)となった。
米国と中国の政府当局者は14日、スペイン・マドリードで貿易協議を開始した。初日の協議を終えたベッセント米財務長官は中央政府庁舎を出る際、記者団に対し、「明日の朝に再開する」と述べた。現地時間15日午前8-10時(日本時間午後3-5時)に再開され、協議後にベッセント氏や中国側代表団を率いる何立峰副首相らが記者会見を開く見通し。ロイター通信が15日伝えた。
初日の協議では、米中間の貿易摩擦や中国発の動画共有アプリ「TikTok」の売却、さらに米国が同盟国に対して中国のロシア産原油購入を理由に中国からの輸入品に関税を課すよう求めている問題などが議題に上ったもよう。
ロイター通信よれば、米中通商問題に詳しい専門家は、マドリードでの協議で大きな突破口が開ける可能性は低く、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の会談が開かれなければ実質的な成果は得られないとみている。今回の協議の成果として最も期待できるのは、中国企業の字節跳動(バイトダンス)が米国事業のTikTokを売却する期限の再延長という。
米国ではTikTokの中国資本下でのサービス提供を違法とする法律が今年1月に発効しており、期限までに売却されなければ米国内での事業が停止される。売却期限はこれまでに3度延長され、現時点では9月17日に設定されている。
中国の国家統計局が15日発表した統計によると、2025年1-8月の商品不動産(不動産デベロッパーが市場で販売する物件)の販売額は前年同期比7.3%減の5兆5015億元だった。下落率は1-7月と比べ0.8ポイント拡大した。うち住宅販売額は4兆8447億元と7.0%減った。販売面積は全体で4.7%減の5億7304万平方メートル、うち住宅は4.7%減の4億8086万平方メートルだった。
1-8月の不動産開発投資額は6兆309億元と前年同期比12.9%減った。下落率は1-7月と比べ0.9ポイント拡大した。住宅投資は11.9%減の4兆6382億元。不動産開発企業が新規に着工した物件の面積は19.5%減の3億9801万平方メートルで、うち住宅は18.3%減の2億9304万平方メートルだった。
不動産市場の景気動向を示す不動産開発景気指数は8月に93.05となった。7月から0.28ポイント低下した。不動産開発景気指数は、2012年を基準(=100)に、95-105なら「適正な水準」、95以下なら「低い水準」、105以上なら「高い水準」を示す。
15日08:10 トランプ米大統領
「米連邦準備理事会(FRB)の大幅な利下げを期待している」
「(FRBの議長候補について)非常に気に入っている人が3人いる」
15日21:46
「『遅すぎる』今すぐ金利を引き下げなければならない。しかも、当初の想定よりも大幅な引き下げだ。住宅価格は急騰するだろう!!! 」
15日16:10 ベッセント米財務長官
「トランプ大統領は習近平国家主席を非常に尊敬している」
「中国との技術的詳細について順調に進展している」
「TikTokに関する合意がなくても、全体的な関係には影響しない」
15日21:43
「中国と幅広い問題について議論した」
「TikTokについての問題解決への枠組みで合意した」
15日20:45 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「金利は適切な水準にある」
「インフレの上方リスクが優勢になりつつある」
「関税、サービスインフレ、食料インフレ、財政政策がその潜在的なインフレ要因」
「関税はサプライチェーンに対して純インフレ効果をもたらす」
「ユーロ圏の経済成長は潜在成長率を上回る」
「ユーロ高の波及効果は限定的」
※時間は日本時間
<国内>
○13:30 ◇ 7月第三次産業活動指数(予想:前月比0.1%)
<海外>
○15:00 ◎ 8月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 5-7月英失業率(ILO方式、予想:4.7%)
○16:00 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○17:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○18:00 ◎ 9月独ZEW景況感指数(予想:25.0)
○18:00 ◎ 9月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:00 ◎ 7月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.4%/前年比1.8%)
○21:15 ◇ 8月カナダ住宅着工件数(予想:28.00万件)
○21:30 ◎ 8月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい/前年比2.0%)
○21:30 ☆ 8月米小売売上高(予想:前月比0.2%/自動車を除く前月比0.4%)
○21:30 ◇ 8月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.2%)
○22:15 ◎ 8月米鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%)
◇ 設備稼働率(予想:77.4%)
○23:00 ◇ 7月米企業在庫(予想:前月比0.2%)
○23:00 ◎ 9月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:33)
○17日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
○メキシコ(独立記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 44400 -80 (-0.17%)
TOPIX先物 3129.5 -6.0 (-0.19%)
シカゴ日経平均先物 44635 +155
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇した。16~17日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げに動くと市場は織り込んでいるが、一部で0.5%の利下げを予想する向きもあり、買いに向かわせた。また、米中貿易協議が開かれるなか、トランプ米大統領が自身のSNSで会合がうまくいったと投稿し、19日に中国の習近平国家主席と直接話すと伝えられたことも買いを誘う形になった。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、メディア、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方で、食品・飲料・タバコ、ヘルスケア機器・サービス、保険の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>、IBM<IBM>、マイクロソフト<MSFT>が買われた。半面、メルク<MRK>、マクドナルド<MCD>、トラベラーズ<TRV>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比155円高の4万4635円だった。12日取引終了後の日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円安の4万4430円で始まった。直後に4万4320円まで売られた後はロング優勢の展開となり、4万4570円とプラス圏を回復する場面もみられた。買い一巡後は再び軟化し、4万4380円~4万4480円処で保ち合いを継続。終盤にかけて4万4560円まで切り返したもののプラス圏をキープできず、引け間際に失速し4万4400円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。12日の取引終了後のナイトセッションは狭いレンジでの推移が続いたが、週明けの米国市場の上昇が支援材料になりそうだ。ボリンジャーバンドの+2σ(4万4350円)が支持線として意識されることで、+3σ(4万5080円)とのレンジが見込まれる。
また、米中両政府の交渉担当者は通商協議を経て、「TikTok」の米国事業継続を巡る枠組みで合意に達したと報じられている。トランプ大統領の訪中を期待して譲歩したようだが、安心感につながりそうだ。
ただし、米国ではFOMCでの大幅な利下げを織り込むなかで、結果判明を前に利益確定目的の売りも出やすいとみられる。ショートは仕掛けにくいものの、積極的な上値追いのロングも手控えられる可能性がある。そのため、オプション権利行使価格の4万4500円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万4250円から4万4750円辺りのレンジを想定する。
なお、レンジ上限に接近する局面では日経平均株価の4万5000円乗せが意識されやすく、9月のSQ値である4万5016.28円を捉えてくる可能性があるだろう。先高期待が一段と強まる展開から、ショートカバーを誘う動きに向かわせそうである。
15日の米VIX指数は15.69(12日は14.76)に上昇した。一時15.84まで上昇する場面もみられ、上値抵抗線として機能していた25日移動平均線(15.24)を突破してきた。依然としてボトム圏での推移を継続しているが、FOMC前にいったんは上昇する場面は想定しておきたい。
週末のNT倍率は先物中心限月で14.18倍(11日は14.10倍)に上昇した。米国市場の流れを受けて、日経平均型優位の展開が続きそうである。ただ、+3σ(14.20倍)に接近してきたことで、リバランスの動きが入りやすくなりそうだ。リバランスを意識しつつも、押し目ではNTロングでのスプレッドを狙ったポジションの組成に向かわせそうである。
15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視される中、147.23円まで下落した。ユーロドルは、欧米金融当局の金融政策の方向性の違いを意識したユーロ買い・ドル売りで1.1774ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、本日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)への思惑から上値が重い展開が予想される。また引き続き、自民党総裁選関連のヘッドラインやトランプ大統領の突発的な発言には警戒しておきたい。
本日からのFOMCでは、FF金利誘導目標の0.25%の引き下げはほぼ確実視されているものの、0.50%の大幅引き下げの可能性も残されている。年内残り2回の追加利下げの可能性が示されることへの警戒感から、日足一目均衡表・基準線147.68円付近が重い展開が予想される。
0.25%の利下げがほぼ確実視されている背景には、ジャクソンホール会合でパウエルFRB議長が、2つの責務の内、「物価の安定」から「雇用の最大化」に軸足を移したこと、7月と8月の雇用統計が雇用情勢の悪化を示していたことが挙げられる。
7月のFOMCでの労働市場に関する判断の根拠の1つとなっていた数値は、3カ月平均で15万人という水準だったが、現状の3カ月(8月、7月、6月)平均は+2.9万人。さらに、2024年4月から2025年3月までの雇用者数は、ベンチマークの改正により、月平均+7.45万人となっている。すなわち、7月FOMCで労働市場の悪化懸念から利下げを主張していたウォラーFRB理事とボウマンFRB副議長の見立てが正しかったことになる。
さらに、7月FOMCの段階で7月雇用統計を知らされていた場合、0.25%の利下げが行われ、8月雇用統計が知らされている9月FOMCでも0.25%の利下げ、つまり0.50%の利下げが正当とするベッセント米財務長官の見解が現実となる可能性もある。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウォッチ」では、9月に0.25%の利下げを予想する確率は95%超、0.50%の利下げ確率は約4%と、9月の利下げを完全に織り込んだ。10月と12月のFOMCでも利下げが予想されており、12月のFF金利誘導目標の見通しは3.50-3.75%となっている。さらに、パウエルFRB議長が任期満了となる来年5月15日の後の6月のFOMCでは3.00-3.25%と予想されており、ドット・チャートに注目が集まっている。
ドル円の下値を支える要因としては、パウエルFRB議長が、トランプ関税の不確実性が残っているため今後の金融政策がデータ次第だと述べる可能性、18-19日の日銀金融政策決定会合では政策金利の現状維持が確実視されていること、10月4日に投開票が行われる自民党総裁選への不透明感などが挙げられる。
自民党総裁選に関しては、日銀の利上げに否定的な高市氏の優勢が報じられていることや次期政権での財政拡張的な政策の可能性などから、円を買い進めることは躊躇されている。
東京市場は小動きか。米3指数は先週末の12日はまちまちで、週明けの15日は上昇した。ダウ平均は12日に273ドル安となり、15日は49ドル高の45883ドルで取引を終えた。12日は一部の銘柄に直近の上昇に対する利益確定売りが出てきたが、15日は概ね堅調に推移した。ドル円は足元147円40銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが155円高の44635円、ドル建てが260円高の44740円で取引を終えた。
ダウ平均は12日と15日を均すとやや弱めだが、ナスダックは連日で最高値を更新しており、日本株は強気にも弱気にも傾きづらいと予想する。米国では本日からFOMCが開催される。0.25%の利下げが濃厚とみられており波乱は少なそうだが、あすの結果発表を前にしては様子見姿勢も強まりやすい。方向感が定まらない中、前週末の終値近辺で一進一退が続くだろう。日経平均の予想レンジは44500-44900円。
昨日は、東京市場が休場。ドル円はユーロドルの上昇などにつれて全般ドル売りの流れとなるなか147.23円まで下押す場面もみられましたが、その後は147.35円を挟んだもみ合いに終始。NY時間に限れば、147.23‐48円の極めて狭いレンジにとどまりました。
3連休から東京勢が戻って来ているアジア市場では、仲値にかけては本邦実需の買いが断続的に観測されると一時147.54円まで上昇。その後は147.11円まで下押すなど、上下ともNY時間のレンジを一応抜ける動き。市場では「FOMCを控えているアジア市場では、この程度の動きがいっぱいいっぱいだろう」との声も聞かれているわけで、目先のポジション調整中心の展開。
いずれにしても、ドル円は上下ともに長いひげを伸ばす動きの後、一目雲の中にすっぽりと入り込んでしまっているなか、ブレイクのきっかけを見極めているといったところ。市場全体がナーバスな中銀ウィークが始まっています。
「トランプ大統領が打ち出した相互関税は、貿易相手国の為替操作の有無を検証し、関税率に反映させる。米国は強いドル政策を取るが、それは他国が通貨安政策を取ることを意味しない」(ベッセント米財務長官)
ベッセント米財務長官は、ドル高政策を標榜しているが、米国の貿易赤字を削減するために、対米貿易黒字国には、通貨高を要請している。この米国の為替政策は、1985年のプラザ合意以来変わっていないように思える。
ベッセント米財務長官と植田日銀総裁は2月と8月に電話会談をしたが、その都度、円安を牽制する発言をしている。
【プラザ合意】
(18)主要非ドル通貨の対ドル・レートのある程度の一層の『秩序ある上昇』が望ましい。
(some further orderly appreciation of the main non-dollar currencies against the dollar is desirable.)
1.2025年2月の電話会談
■2月5日:植田日銀総裁と電話会談(※ドル円:152円~154円)
■2月6日:ベッセント米財務長官発言
「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」
「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」
■2月20日:植田日銀総裁と石破首相の会談
「上昇基調にある長期金利に関する話はしていない」
※トランプ米大統領とベッセント米財務長官による金利上昇容認の圧力か?
2. 2025年8月の電話会談
■8月11日:日本経済新聞とのインタビュー
「強いドルとは基軸通貨を維持し続ける政策だ」
「(長く続く円安については)日銀がインフレ率や成長率に焦点を当てて金融政策を進めれば、為替レートは自然と調整される」
■8月13日:ベッセント米財務長官発言(※ドル円:147円~148円)
「これは植田日銀総裁の見解ではなく、私見だが、日銀は後手に回っており、利上げするだろう」
■9月3日:植田日銀総裁と石破首相の会談
「政府と連絡を取りつつ、為替市場の動向はモニターしていきたい」
日経225先物は11時30分時点、前日比190円高の4万4670円(+0.42%)前後で推移。寄り付きは4万4640円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万4635円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には4万4810円まで上げ幅を広げる場面もみられた。同時に日経平均株価は節目の4万5000円に乗せて9月のSQ値(4万5016.28円)を突破した。いったん達成感が意識されるなか、中盤にかけて4万4370円まで軟化する場面もみられた。ただし、ボリンジャーバンドの+2σ(4万4400円)水準が支持線として意識され、終盤にかけてはプラス圏を回復し、4万4750円辺りまで切り返している。
日経平均株価が4万5000円台に乗せたことで達成感が意識され、日経225先物は利益確定に伴うロング解消の動きが入ったほか、短期的なショートも誘う形になったと考えられる。ただし、+2σを割り込んで積極的にショートを仕掛ける動きにはならず、終盤にかけてはカバーを誘う形で切り返してきた。日経平均株価は終盤にかけて4万4900円台での推移をみせており、再び4万5000円に乗せてくるようだと、先物市場へもロングを誘う形になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.17倍に低下した。一時14.25倍に上昇し、6月30日につけた14.24倍を上回ってきたことで、目先的な達成感からリバランスに向かわせたようである。+2σが14.13倍辺りで推移しており、同水準まで下げてくるようだと、NTロングの組成のタイミングとして意識されてきそうである。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、年初来高値を意識しながらの値動きか。昨日は欧州序盤に緩む場面もあったが、1.17ドル台は維持されて切り返した。欧州中央銀行(ECB)は緩和サイクル終了との思惑が高まる一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は利下げフェーズの再開が確実視されている。FOMCの結果を見極めるまでは、欧米の金融政策の違いが、ユーロ買いドル売りにつながりそうだ。
ユーロ圏内の経済指標は、ドイツとユーロ圏の9月ZEW景況感指数や7月ユーロ圏鉱工業生産が発表予定。その中でも、2カ月連続の低下が見込まれる独ZEW景況感指数に注目か。9月分の市場予想は25.0と、前回から10ポイント弱下回る見込み。予想通りであれば、マイナスを記録した4月以来の低い水準となる。
金融当局者からは欧州前半に、シムカス・リトアニア中銀総裁とエスクリバ・スペイン中銀総裁の講演が予定されている。シムカス総裁は、次回10月のECB理事会で投票権がないため、エスクリバ総裁をより気にかけたい。11日理事会の翌日、同総裁は「インフレ目標は達成済み」との見解を示した。
ほか英国からは、序盤に最新の雇用データが発表予定。5-7月英失業率(ILO方式)は、予想4.7%と高止まると見られている。また、5%を下回った水準が見込まれる週平均賃金の伸び率にも注目したい。今週は、明日が8月英インフレ指標、翌18日にはイングランド銀行(英中銀、BOE)が政策金利を公表と、ポンドの動意を高める重要イベントが目白押しだ。
なお一部通信社が米政府関係者の話として報じたところによると、 米国と英国は100億ドルを超える経済協定を発表するもよう。トランプ米大統領の英国訪問に合わせて、今週正式に明らかにされる見通し。国賓として訪問するトランプ大統領は、18日にスターマー英首相と会談し、共同会見を行う予定。
想定レンジ上限
・ユーロドル、7月1日高値(年初来高値)1.1829ドル
・ポンドドル、7月4日高値1.3681ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、12日安値1.1701ドル
・ポンドドル、15日安値1.3539ドル
ドル円:1ドル=146.99円(前営業日NY終値比▲0.41円)
ユーロ円:1ユーロ=173.13円(▲0.24円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1778ドル(△0.0017ドル)
日経平均株価:44902.27円(前営業日比△134.15円)
東証株価指数(TOPIX):3168.36(△7.87)
債券先物12月物:136.52円(▲0.12円)
新発10年物国債利回り:1.605%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月第三次産業活動指数
前月比 0.5% ▲0.2%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。3連休明けとあって本邦実需勢から買いが観測されると一時147.54円まで値を上げた。ただ、本邦長期金利が上昇したことをながめ、一巡後は一転して売りが優勢に。ハト派とされる大統領経済諮問委員会(CEA)のミラン委員長が米連邦準備理事会(FRB)理事に承認されたことが売り材料視されたほか、自民党の小泉氏が自民党総裁選に出馬したことが重しとなった面もあり、一時146.78円まで値を下げた。
・ユーロ円も頭が重い。総じてドル円につれる展開となった。午前に一時173.50円まで上昇したものの、15時過ぎには173.03円まで売られている。
・ユーロドルは強含み。ミラン氏のFRB理事承認がドル売り材料にされるとユーロ買い・ドル売りが進み、一時1.1791ドルまで値を上げ、7月3日以来の高値を付けた。
・日経平均株価は4日続伸し、連日で史上最高値を更新した。昨日の米ハイテク株高を受けて半導体関連株が買われた。もっとも、高値警戒感も台頭する中で下げに転じる場面もあった。
・債券先物相場は4日続落。前日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで小高く始まったが、一巡後は下げに転じた。日本株高が重しとなったほか、明日の20年債入札を前に持ち高調整の売りも強まった。
豪準備銀行(RBA)のアンドリュー・ハウザー副総裁は16日、豪ドルが世界的なリスク資産の「自然なヘッジ」として機能してきたと強調した。米ドルや豪ドルの地位低下を懸念する声もあるが、現時点では悲観は早計だとして自信を示した。また豪州の年金・スーパー基金はリスク回避のためにヘッジ活用を拡大する必要があり、今後は国内資産不足を背景に海外投資が増えると展望を述べた。今回の講演は通貨や運用機関のリスク管理が中心で、金融政策には大きな言及はなかった。
ニュージーランドの住宅価格は8月に前月比1.3%低下し、前年同月比でも0.5%下落した。中央銀行による累計2.5%の大幅利下げが行われているものの、景気後退の影響もあり買い手の慎重姿勢が続いている。成約件数も前月比4.5%減となり、売買活動は限定的。大きな値下がりは見られない一方、REINZ首脳は「市場には慎重楽観が広がっており、今後の活動増加に期待が持てる」とコメント。国内資産不足も背景に、今後春を前に売買活発化への期待も残る。
イギリスでは、7月までの平均賃金が前年比4.7%増加し、政府は来年の公的年金支給額をこの「トリプルロック」制度に基づいて引き上げることが確定した。この制度は、賃金・物価上昇率・2.5%のうち最も高い数値で年金を毎年増額する仕組みで、公式の見通しでは2029-30年度までに予算負担は当初推計の3倍に拡大する見込みとなっている。年金支給額は2025-26年度で週230.25ポンド(年11,973ポンド)まで増加し、持続性への懸念も強い。一方、雇用者数は横ばい、失業率は4.7%にとどまるなど労働市場の弱さは続いているが、賃金上昇だけが目立ち政策担当者らを悩ませている。
ロシア安全保障会議のメドベージェフ副議長は、西側諸国がウクライナ上空でロシアの無人機を撃墜する場合、それは「NATOとの戦争」になると強く警告した。この警告は、最近ロシア製無人機がポーランドやルーマニアなどNATO加盟国の領空を侵犯した事件を受けて発せられたもの。メドベージェフは、ウクライナによる「飛行禁止区域」構想やNATOの新たな対ロ作戦「イースタン・セントリー」への反発を示し、西側諸国が無人機撃墜に踏み切れば直接的な軍事衝突になると強調。「NATOは既にウクライナ支援を通じ戦争状態にある」との主張もロシア政府報道官から明確に表明された。緊張が高まる中、ポーランドやルーマニアでは戦闘機がスクランブル発進し、越境ドローンに対し警戒対応が続いている。
大阪12月限
日経225先物 44640 +160 (+0.35%)
TOPIX先物 3145.0 +9.5 (+0.30%)
日経225先物(12月限)は前日比160円高の4万4640円で取引を終了。寄り付きは4万4640円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万4635円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には4万4810円まで上げ幅を広げる場面もみられた。同時に日経平均株価は節目の4万5000円に乗せて9月のSQ値(4万5016.28円)を突破した。いったん達成感が意識されるなか、前場中盤にかけて4万4370円まで軟化する場面もみられた。
ただし、ボリンジャーバンドの+2σ(4万4400円)水準が支持線として意識され、前場終盤にかけてプラス圏を回復すると、ランチタイムで4万4830円まで買われている。もっとも、日米中銀イベントを控えるなかでリバランスの動きは入りやすく、後場は4万4600円~4万4800円辺りでの保ち合いが続いた。
日経平均株価が4万5000円台に乗せたことで達成感が意識され、日経225先物は前場中盤にかけて利益確定に伴うロング解消の動きが入ったほか、短期的なショートも誘う形になったと考えられる。ただし、+2σを割り込んで積極的にショートを仕掛ける動きにはならず、反対に押し目待ち狙いのロングがショートカバーを誘う形になり、ランチタイムで前場につけた高値を突破した。
上向きで推移する+2σと+3σとのレンジ推移が意識されるなか、ナイトセッションで+2σは4万4620円、+3σが4万5440円辺りに上昇している。日経225先物と日経平均株価とのスプレッドは約-250円ほどであり、日経平均株価で4万5000円、日経225先物は4万4750円辺りを固めてくるようだとロングを誘う形になりそうである。
米国の金融政策に関して市場では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は0.25%の利下げを含め、年内3会合連続での利下げが織り込まれている。17日のFOMCの結果及びパウエルFRB議長の会見内容を見極めたいところであり、中銀イベントを控え積極的なロングの動きは手控えられると考えられるため、リバランスの動きに入りやすいところだろう。
そのため、一時的には+2σを割り込んでくる可能性はあると考えられ、+2σが位置するオプション権利行使価格の4万4625円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万4375円から4万4875円辺りでのレンジを想定する。+2σが支持線として機能するようであれば、4万4625円から4万5125円でのレンジとみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.19倍に上昇した。一時14.24倍まで切り上がり、6月30日につけた14.24倍を捉えた。その後は目先的な達成感からリバランスに向かわせ、14.16倍に低下する場面もみられたが、+2σ(14.14倍)が支持線として機能する形だった。+2σ水準まで下げてくるようだと、NTロングの組成のタイミングとして意識されてきそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万1105枚、ソシエテジェネラル証券が1万8728枚、サスケハナ・ホンコンが4618枚、野村証券が2841枚、バークレイズ証券が2539枚、JPモルガン証券が2373枚、モルガンMUFG証券が2151枚、日産証券が2023枚、シティグループ証券が1280枚、SBI証券が1220枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万9832枚、ソシエテジェネラル証券が2万3225枚、JPモルガン証券が7233枚、バークレイズ証券が6975枚、モルガンMUFG証券が4597枚、ゴールドマン証券が4236枚、サスケハナ・ホンコンが2257枚、シティグループ証券が1789枚、ビーオブエー証券が1506枚、ドイツ証券が1057枚だった。
NY時間のドル円は、本日から始まる米連邦公開市場委員(FOMC)を控えて限られた値動きになりそうだ。FOMCではトランプ米大統領による大幅利下げ圧力はあるものの、25ベーシスポイントの引き下げ予想がコンセンサス。ただ、利下げ幅が予想通りだった場合でも、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見や、今回は四半期に一度のドットプロットも発表されることで、明日は神経質に動くことになるだろう。
本日のアジア時間では、円買いが進んだ要因として「小泉農林水産相は、現政権の考えを引き継いで利上げを支持する可能性」との声がある。ただ、他候補が総裁になった場合でも、米国からの圧力もあり利上げは既定路線でサプライズではない。それよりも市場が注目しているのは、加藤財務相が小泉陣営の選対本部長を務めることに決定したこと。加藤氏と組んだことで、小泉政権になれば、経済対策は財務省の方針を組んだ財政健全派になることは濃厚で、財政悪化懸念の後退で円買い要因になる。
一方で、対抗とされている高市氏は財政拡大派・利上げ否定派とされているが、1年前とは本邦のインフレ動向等も違うことで、これまで通りの見解を示すのかは不透明のままだ。今後の高市氏の発言や、自民党の総裁選の行方が相場を動かす要因になりそうだ。
なお、経済指標では8月米小売売上高、8月米輸入物価指数、8月米鉱工業生産ほか複数が発表される予定。どの指標も予想と結果に大きな乖離があった場合には、市場が動意づくだろう。また、20年債の入札が予定されていることで、入札結果次第で米債市場が動意づいた場合は、為替市場も反応することになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、日足一目均衡表・基準線147.68円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、先月14日安値146.21円。
今晩は底堅い展開か。昨日はトランプ米大統領が米国と中国の貿易交渉が上手くいったと発言したことが好感され主要3指数がそろって上昇。アルファベットとテスラがそれぞれ4%超、3%超上昇したことも相場を押し上げた。ダウ平均は49.23ドル高(+0.11%)と小幅な反発にとどまったが、S&P500が0.47%高と反発し、ナスダック総合は0.94%高と6日続伸した。S&P500は取引時間中の史上最高値を更新し、終値では初めて6600ポイントを上回った。ナスダック総合は6日連続で取引時間中と終値の史上最高値を更新した。
今晩の取引では翌日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控えて様子見姿勢が強まることが予想されるものの、FOMCでの利下げ期待や、トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)理事に指名したスティーブン・ミラン氏を米上院が承認したことなどを支援に底堅い展開か。今週はFOMCやその後のパウエルFRB議長記者会見が最大の焦点となるが、今晩も8月小売売上高などが発表され、足もとの個人消費の動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは8月小売売上高のほか、8月輸入物価、8月鉱工業生産、9月NAHB住宅市場指数、米20年債入札など。主要な企業の決算発表はなし。
ホワイトハウスは、米連邦準備理事会(FRB)のクック理事に関する裁判所の判決に対して控訴する予定だと一部通信社が伝えた。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、景気ウォッチャー調査の改善が続いていることに注目している。8月は景気の強さを示す現状判断DIが前月比+1.5pの46.7となり、先行きについても同+0.2pの47.5と4カ月連続で改善した。好不況の境目となる50を下回っているが、物価高や関税影響への不安から着実に回復している様子がうかがえると東海東京ではコメント。同日に発表された4-6月期GDPの2次速報が個人消費の寄与で前期比年率+1.0%から+2.2%に上方修正されたことと併せて、景気の堅調さを示す結果と捉えている。東海東京では総じて日本の景況観は回復基調にあるとみており、このことは内需株にとって追い風と考えている。
みずほ証券ではテクニカルリポートの中で、8月よりも9月の上昇局面の方が日経平均やTOPIXの水準が上昇しているにもかかわらず、売買代金は減少している点に着目。これはあまり良い形の上昇とは言えず、乱高下しやすく上昇後の下落にも警戒する必要があると指摘している。日経平均、TOPIXがさらに史上最高値を更新した先週末の売買代金は、SQ絡みの売買を除くと4.6兆円にとどまっているとのこと。みずほでは、米国株が強い間は史上最高値更新の可能性があるとみているが、売買代金が5兆円割れ、4.5兆円前後であれば米国株が下落すると大きく下落する可能性があると考えている。
日経平均株価は4日続伸。買い優勢の地合いの中で一時は45000円を超える場面もあったが、終値ベースはやや押し戻される展開となった。
RSI(9日)は前日84.9%→84.9%(9/16)に横ばい。連日で史上最高値を更新した。基本的には上昇トレンドフォローの見方が優先されるが、昨年12/27高値(40398円)から4/7安値(30792円)までの下落幅に対する1.5倍返しの水準(45200円)に近いため、今週も上昇が続く場合は短期的な上昇一服のタイミングとなっても不思議ではない。
上値メドは、心理的節目の45000円、昨年12/27高値から4/7安値までの下落幅に対する1.5倍返し45200円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円などがある。下値メドは、5日移動平均線(44267円 9/16)、心理的節目の44000円、10日移動平均線(43483円 同)、25日移動平均線(43108円 同)、9/4高値(42608円)、心理的節目の42000円、7/31高値(41151円)などがある。
米財務省によると、20年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.613%、応札倍率(カバー)が2.74倍となった。
(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.37円(16日15時時点比▲0.62円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.68円(△0.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1866ドル(△0.0088ドル)
FTSE100種総合株価指数:9195.66(前営業日比▲81.37)
ドイツ株式指数(DAX):23329.24(▲419.62)
10年物英国債利回り:4.639%(△0.006%)
10年物独国債利回り:2.693%(△0.002%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月英雇用統計
失業率 4.4% 4.3%・改
失業保険申請件数
1.74万件 ▲3.33万件・改
5-7月英失業率
(ILO方式) 4.7% 4.7%
9月独ZEW景況感指数
37.3 34.7
9月ユーロ圏ZEW景況感指数
26.1 25.1
7月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) 0.3% ▲0.6%・改
(前年比) 1.8% 0.7%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面は終わりに近づいているとの見方が広がる一方、米連邦準備理事会(FRB)は16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを再開することがほぼ確実視されており、金融政策の方向性の違いを意識したユーロ買い・ドル売りが入った。2時30分前には一時1.1878ドルと2021年9月以来4年ぶりの高値を更新した。
なお、カザークス・ラトビア中銀総裁は「ECBの利下げ幅はすでに著しく大きい」「現時点で金利を引き下げる理由はない」などと述べたと伝わった。
・ドル円は軟調。明日のFOMCでの利下げがほぼ確実視される中、全般ドル売りが優勢になると、2時30分前に一時146.28円と8月14日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時96.56まで低下した。
なお、この日発表の8月米小売売上高や同月米輸入物価指数、同月米鉱工業生産は予想を上回ったものの、相場の反応は限定的だった。
・ユーロ円は下値が堅かった。東京午後に一時173.03円と日通し安値を付けたものの、前日の安値172.90円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ユーロドルの上昇につれた買いも入り、2時前には173.79円と8日以来の高値を付けた。
・ロンドン株式相場は3日続落。今週のFOMCや英中銀金融政策委員会(MPC)など重要イベントを前に、持ち高調整目的の売りが優勢となった。HSBCやバークレイズなど金融株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。半面、グレンコアやアングロ・アメリカンなど素材株は買われた。
・フランクフルト株式相場は反落。FOMCの結果公表を明日に控えて、持ち高調整目的の売りが優勢となった。個別ではコメルツ銀行(4.14%安)やドイツ銀行(3.45%安)、ハノーバー再保険(2.74%安)などの下げが目立ち、フレゼニウス・メディカル・ケア(1.47%高)などを除く38銘柄が下落した。
・欧州債券相場は下落。FOMCの結果発表を明日17日に控えて、持ち高調整や利益確定の売りが優勢となった。
16日の日経平均は4日続伸。終値は134円高の44902円。ナスダックの連日の史上最高値更新を好感して、3桁上昇スタート。ディスコ<6146.T>など半導体の一角が強く、開始早々に上げ幅を200円超に広げて節目の45000円を上回った。到達感からいったん急失速してマイナス圏に沈んだものの、下げ幅を3桁に広げたところでは切り返してプラス圏に浮上した。3桁の上昇で前場を終えると、後場はプラス圏が定着。前場同様に45000円より上では伸び悩んだものの、大崩れはなく節目の近辺でもみ合う時間が長かった。終盤にかけては萎んでおり終値では45000円を下回ったが、3桁の上昇で終了。TOPIXとともに史上最高値を連日で更新した。
東証プライムの売買代金は概算で5兆0400億円。業種別では石油・石炭、輸送用機器、水産・農林などが上昇した一方、その他製品、不動産、小売などが下落した。上期の見通しを引き上げたPR TIMES<3922.T>が、場中は値が付かずストップ高比例配分。半面、3Q累計が大幅な減益着地となったグッドコムアセット<3475.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1078/値下がり493。証券会社のリポートを手がかりにディスコが8.2%高。強い動きとなる中で売買代金は全市場でトップとなった。キオクシアが利益確定売りをこなしながら6%高と急伸。川崎重工やIHIなど防衛株の一角に資金が向かった。新株予約権の発行が嫌気されてストップ安が2日続いていたデータセクションが一転ストップ高。業績関連のリリースを材料にGENDAやクラシコムがストップ高となった。
一方、任天堂やサンリオが大幅安。ファーストリテイリングが2%安と弱さが目立った。フジクラや古河電工など電線株の一角が軟調。米国の利下げ期待が高まる中でも三井不動産や三菱地所など不動産株の多くが下落した。3Q減益着地のくら寿司や下方修正を発表したHISが急落。3Q決算が失望を誘った笑美面がストップ安比例配分となった。
日経平均は4日続伸で、節目の45000円を上回る場面もあった。半導体株の動きが良かったがプライムでは値上がりが1000を超えており、特定の銘柄に依存した上昇ではない。高値警戒感もくすぶる中、マイナス圏に沈んだところで深押しすることなくあっさり戻した動きは強い。
本日の米国株やあすの日本株は、FOMCの結果発表を前に様子見姿勢が強まると思われる。注目イベントを前にしては利益確定売りが出てくるかもしれないが、多少下に値幅が出たとしても、短期的な過熱感を冷ます動きと冷静に受け止められるだろう。足元の日経平均は5日線(44267円、16日時点)をサポートに水準を切り上げる動きが続いている。三連休明けもこの流れに変化はなかっただけに、再度45000円より上を試しにいくことができるかに注目したい。
(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.48円(前営業日比▲0.92円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.83円(△0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1867ドル(△0.0106ドル)
ダウ工業株30種平均:45757.90ドル(▲125.55ドル)
ナスダック総合株価指数:22333.96(▲14.79)
10年物米国債利回り:4.03%(▲0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=64.52ドル(△1.22ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3725.1ドル(△6.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米小売売上高
(前月比) 0.6% 0.6%・改
(除く自動車) 0.7% 0.4%・改
8月米輸入物価指数
(前月比) 0.3% 0.2%・改
8月米鉱工業生産
(前月比) 0.1% ▲0.4%・改
設備稼働率 77.4% 77.4%・改
7月米企業在庫
(前月比) 0.2% 0.2%
9月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
32 32
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視される中、全般ドル売りが進行。2時30分前に一時146.28円と8月14日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時96.56と7月1日以来約2カ月半ぶりの低水準を更新した。
なお、この日発表の8月米小売売上高や同月米輸入物価指数、同月米鉱工業生産は予想を上回ったものの、相場の反応は限られた。
・ユーロドルは続伸。欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面は終わりに近づいているとの見方が広がる一方、米連邦準備理事会(FRB)は明日のFOMCで利下げを再開することがほぼ確実視されており、金融政策の方向性の違いを意識したユーロ買い・ドル売りが広がった。目先レジスタンスとして意識されていた7月1日の高値1.1829ドルを上抜けると上昇に弾みが付き、2時30分前に一時1.1878ドルと2021年9月以来4年ぶりの高値を更新した。
・ユーロ円は4日続伸。ドル円の下落につれた売りが出たものの、ユーロドルの上昇につれた買いが入ると一時173.83円と8日以来の高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。明日17日のFOMC結果公表を前に様子見ムードが強まる中、主力株の一角に利食い売りなどが出た。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は7日ぶりに小反落した。連日で史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りが優勢となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。8月米小売売上高や同月米輸入物価指数が予想を上回ると売りが先行したものの、すぐに持ち直した。明日のFOMCで利下げがほぼ確実視される中、買いが入りやすかった。
・原油先物相場は3日続伸。ウクライナのドローン攻撃を受けてロシアの石油パイプライン運営会社大手トランスネフチが減産を余儀なくされる可能性を指摘したことや、翌日にFOMCの結果公表を控えドル安が続いたことが支援材料となった。
・金先物相場は3日続伸。3日連続で史上最高値を更新するなど堅調地合いを維持した。米長期金利が低下し、為替相場でドル安が進んだことが買いを後押した。
米控訴裁はこの日、トランプ米大統領によるクック米連邦準備理事会(FRB)理事の解任を認めないとの判断を下した。
16日10:48 ハンター豪中銀総裁補
「豪経済見通しは、現時点でバランス取れている」
「コアインフレ率はほぼ予測通りだが、物価のディスインフレは弱まったようだ」
「基調的なインフレ率は目標バンド(2-3%)の中間点に近づいており、経済を可能な限り完全雇用に近づけることが目標」
16日11:20 赤沢経済再生相
「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられている」
「日銀には引き続き政府と緊密に連携し物価目標に向けて適切な政策運営を期待」
16日15:55 カザークス・ラトビア中銀総裁
「ECBの利下げ幅はすでに著しく大きい」
「現時点で金利を引き下げる理由はない」
「世界経済は非常に不確実」
16日17:11 フォン・デア・ライエン欧州委員長
「非市場経済への雇用流出があまりに多い」
「公共・民間による大規模な投資促進が必要」
16日18:12 シクルーナ・マルタ中銀総裁
「利下げ無しがすでに梱包済みであり、開封待ち」
「小さなインフレ率の乖離は慌てる理由にはならない」
16日20:17 ベッセント米財務長官
「金利について、インフレが下がり始めるのを見込んでいる」
「0.25%の利下げは織り込まれている」
「市場は年末までに合計0.75%の利下げを織り込んでいる」
「関税収入は米国の債務返済の助けになるだろう」
「関税について、最高裁が政府を支持すると確信している」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 8月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前5126億円の赤字、季節調整済3413億円の赤字)
<海外>
○07:45 ◇ 4-6月期ニュージーランド(NZ)経常収支(予想:27.00億NZドルの赤字)
○15:00 ◎ 8月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比3.8%)
○15:00 ◎ 8月英CPIコア指数(予想:前年比3.6%)
○15:00 ◇ 8月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.4%/前年比4.7%)
○16:30 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○16:45 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○17:00 ◎ 8月南アフリカCPI(予想:前月比0.2%/前年比3.6%)
○17:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○17:00 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.1%)
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.3%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◇ 7月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比2.7%)
○21:30 ◇ 7月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 8月米住宅着工件数(予想:136.5万件、前月比▲4.4%)
◎ 建設許可件数(予想:137.0万件、前月比0.6%)
○22:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:2.50%に引き下げ)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○18日02:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○18日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:4.00-4.25%に引き下げ)
○18日03:00 ◎ FOMC、経済・金利見通し発表
○18日03:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○18日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:15.00%で据え置き)
○トランプ米大統領、英国国賓訪問(19日まで)
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は146.28円まで続落した。16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視される中、ドルが全面安となった。ユーロドルは、欧米金融当局の金融政策の方向性の違いを意識したユーロ買い・ドル売りで1.1878ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、明朝発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明への警戒感から下値を探る展開が予想される。
ドル円のテクニカル分析では、8月1日の高値150.92円を頭、左肩が149.18円、右肩が149.14円、ネック・ラインが145.86円~146.21円~146.28円の「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成中と見なせる。本日は、雲の下限146.65円を攻防の分岐点として、ネック・ラインの下抜けに警戒しながら相場に臨んでいきたい。
また、自民党総裁選に関しては、ドル円は、日銀の利上げに否定的な高市氏が出馬表明したり、優勢が伝えられた局面では148円台に乗せている。そして、昨日のように利上げを容認していると見なされている小泉氏が出馬を表明した局面では、146円台まで売られており、今後も関連ヘッドラインには要警戒か。
昨日から本日にかけて開催されているFOMCには、トランプ米大統領による解任が無効と判断されたクックFRB理事が参加し、15日の上院本会議で48対47の僅差でFRB理事就任が承認されたミランFRB暫定理事が参加している。ミランFRB暫定理事は、上院本会議で、米連邦準備理事会(FRB)の第3の責務(サードマンデート)としての「長期金利の抑制」に言及しており、FOMCでの議論に注目しておきたい。
7月FOMCでは、堅調な労働市場(※3カ月平均+15万人)を理由に政策金利据え置きが決定されていたが、2名(ボウマンFRB副議長、ウォラーFRB理事)が労働市場への懸念から利下げを主張していた。
今回のFOMCでは、FF金利誘導目標の0.25%の引き下げはほぼ確実視されている。リスクシナリオは、8月の消費者物価指数(CPI)を理由に、不確実性が払拭されていないとして据え置かれた場合、あるいは、ベッセント米財務長官の見解や昨年9月FOMCのように0.50%の利下げに踏み切った場合となる。
ドット・プロット(金利予測分布図)は、年内残り2回の利下げ(0.25%x2)が示されると予想されている。リスクシナリオは、トランプ関税の不確実性を理由にデータ次第との見方が反映されたケース、あるいは、フェドウォッチが予想しているように来年6月FOMCで3.00-3.25%辺りまでの利下げが示されたケースとなる。
ベッセント米財務長官は、FF金利の水準について、1.50%から1.75%低くあるべきだと主張している。そして、7月のFOMCで、7月の雇用統計のデータが示されていれば0.25%の利下げが決定された可能性があり、9月のFOMCでは、8月の雇用統計のデータが示されていることで、0.25%の利下げの可能性、すなわち、合計で0.50%の利下げが望ましいと述べていた。
トランプ米大統領も1.00%程度の利下げ圧力をかけているが、政策金利の適正値を示すテイラー・ルールでは3.75%程度とのことで、理論的な背景は整っている。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は125ドル安の45757ドルで取引を終えた。FOMCの結果発表前に様子見姿勢が強く、主力銘柄の一角が利益確定売りに押された。ドル円は足元146円50銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが135円安の44505円、ドル建てが35円安の44605円で取引を終えた。
米国株安を受けて売りが優勢になると予想する。米3指数は下げたといっても小動きで、特段リスク回避姿勢は強まっていない。ただ、日経平均はきのうまで4営業日連続で3桁の上昇となっているだけに、クールダウンでも下に値幅は出やすい。きのう辺りからドル円が円高に振れていることも、いったんの利益確定売りを誘う要素となる。今晩の米国マーケットを見定めたい状況で商い自体が盛り上がりに欠けると思われるだけに、場中はマイナス圏で不安定な動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは44550-44850円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 44550 -90 (-0.20%)
TOPIX先物 3133.5 -11.5 (-0.36%)
シカゴ日経平均先物 44505 -135
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落した。8月の米小売売上高が前月比0.6%増と市場予想を上回った。7月分も上方修正されたことで消費の底堅さが意識され、朝方は買いが優勢だった。ただし、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとするムードのなか、いったん利益を確定させる動きや持ち高調整の売りが入りやすかった。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、エネルギー、食品・飲料・タバコが上昇した一方で、公益事業、保険、半導体・同製造装置の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、シェブロン<CVX>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、キャタピラー<CAT>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、エヌビディア<NVDA>、トラベラーズ<TRV>、セールスフォース<CRM>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比135円安の4万4505円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円安の4万4590円で始まった。直後に4万4680円まで買われた後は、4万4590円~4万4680円処で保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜ける形になり、中盤にかけて4万4430円まで売られた。終盤にかけてショートカバーが入る形で下げ幅を縮め、4万4550円でナイトセッションの取引を終えている。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになろう。ナイトセッションでは4万4500円を挟んだ狭いレンジでの推移であり、FOMCの結果待ちのなかで想定内の膠着といったところだろう。上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(4万4600円)はキープできなかったが、同バンドを明確に下抜ける動きではないため、短期的にショートが強まる局面では、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。
米国市場で主要な株価指数は下落したが、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は9営業日続伸した。エヌビディアは下げたものの、人工知能(AI)関連への物色は根強い。東京市場でもリバランスの動きが入りそうだが、半導体株などに底堅さがみられるようだと、ショートを仕掛けにくくさせそうだ。
そのため、+2σ水準に位置するオプション権利行使価格の4万4625円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万4375円から4万4875円のレンジを想定する。まずは節目の4万4500円辺りでの底堅さを見極めることになるとみられる。スキャルピング中心のトレードが見込まれるが、スタンスとしてはロングからのショートカバー狙いになりそうだ。
16日の米VIX指数は16.36(15日は15.69)に上昇した。一時16.38まで上昇する場面もみられ、上値抵抗線として意識される75日移動平均線(16.60)に接近してきた。FOMC前にいったんは上昇する場面は想定されていたが、市場心理をやや神経質にさせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.19倍に上昇した。一時14.24倍まで切り上がり、6月30日につけた14.24倍を捉えた。その後は目先的な達成感によりリバランスに向かわせ、14.16倍に低下する場面もみられたが、+2σ(14.14倍)が支持線として機能する形だった。FOMCの結果判明を前にリバランスが入りやすいが、+2σ水準まで下げてくるようだと、イベント通過後を想定したNTロングの組成のタイミングとして意識されよう。
日経225先物は11時30分時点、前日比110円高の4万4750円(+0.24%)前後で推移。寄り付きは4万4500円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万4505円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。現物の寄り付き直後には4万4370円まで下げ幅を広げる場面もみられた。ただし、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への物色が継続するなか、終盤にかけてショートカバーを伴ってのリバウンドにより、4万4790円まで買われる場面もみられた。
東京エレクトロンの上昇率が6%を超えたほか、売り先行で始まったアドバンテスト<6857.T>[東証P]がプラス圏を回復するなかで、先物市場は短期筋のショートカバーを誘う形になったようだ。日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万4640円)を上回ってきており、後場は同バンドが支持線として機能するかを見極めながらの展開になりそうだ。日経平均株価は再び4万5000円台に乗せたことで、同水準での底固めの動きをみせてくると、終盤にかけてカバーの動きが強まる可能性はあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.29倍に上昇した。6月30日につけた14.24倍を明確に上抜けてきたことで、1月高値の14.54倍が次のターゲットとして意識されそうである。NTロングでのスプレッド狙いの動きが強まりやすい。
昨日の海外市場では、ユーロドルが主役のドル売り相場。8月に入ってからずっと続いていた1.17ドルを挟んだレンジ相場を一気に上抜けることになりました。NY時間に入ってからは8月米小売売上高や8月米輸入物価指数、8月米鉱工業生産といった数字が軒並み予想を大幅に上回る強い数字となったものの、ドル買いでの反応は極めて限定的。7月1日の高値1.1829ドルを上抜けると一時1.1878ドルまで買い上げられることになりました。
ドル円は、完全にユーロドルにフォローする動き。強い米指標を受けた買い戻しも147.26円までと限定的。9日の安値146.31円を下抜けて一時146.28円まで値を下げたといったところです。そして、FOMCを今夜に控えたアジア市場では、早朝に昨日安値を下抜けたことから短期筋が売り仕掛けとなったものの、146.21円と8月14日の安値に面合わせするにとどまると、仲値にかけては連休明けとなった昨日同様に、本邦実需の買いが持ち込まれたことから146.61円まで買戻されています。目先は一目雲下限が位置する146.65円を意識した動きが続いています。
いずれにしても、本日はFOMCの利下げと「経済・金利見通し」におけるドットチャートを見極めることになるわけですが、米長期金利が昨日はほとんど動意付いていないのも事実。為替市場のドル売りが、単にユーロドルにおけるチャートブレイクといった要因が大きかったということであれば、かかる値動きにもある意味整合性はとれますが、昨日の米債券市場との温度差の違いがやけに気になっています。
米国のクックFRB理事は、2022年のFRB理事就任前の2021年の住宅ローン疑惑で、トランプ米大統領から解任を言い渡されたが提訴し、連邦地裁と控訴裁は、トランプ米大統領はクックFRB理事を解任できないと認定した。
英国のアンジェラ・レイナー英副首相兼住宅・コミュニティー担当相は、住宅購入を巡り閣僚行動規範に違反したことを受けて辞意を表明した。
ミランFRB暫定理事は、かつて主たる住居として登録した物件について住宅ローンを組んでいたが、現在はその住居を賃貸物件として使用していることが明らかになった。
1.植田日銀総裁
2000年当時、日銀は豪華な社宅が世論の批判を浴びていたため、順次、売却を進めていたが、植田日銀審議委員は残っていた社宅に住んでいた。
地元不動産業者によると、売買価格は約6億円で、賃貸なら100万円程度とのことだが、年収約2900万円の植田日銀審議委員は、27万円の家賃を払って住んでいた。
2. クックFRB理事
黒人女性として初のFRB理事に就任したクック氏が契約した3件の住宅ローンに関して、有利な条件を得るため貸し手の銀行や信用金庫に虚偽の事実申告を行った、という不正疑惑が浮上している。クック氏は住宅ローン申請書で事務的なミスがあった、と弁明している。クック氏は、コロナ禍を受けたFRBの利下げにより住宅ローン金利が低下した2021年1月に、ミシガン州アナーバーで保有する物件のローンを借り換え、2週間後にジョージア州アトランタで『第1の住宅』(プライマリー・レジデンス:年間を通して最も多く居住する住宅)として高級マンションを購入した。両方の物件では、頭金の支払額や金利が低く、売却時にキャピタルゲインの免除など優遇措置を受けられる。
アトランタの不動産については、「別荘」として申告していたことが判明している。
さらに、2021年4月、マサチューセッツ州ケンブリッジで、保有していた物件の住宅ローンの借り換えを行い、『第2の住宅』(セカンダリー・レジデンス)として申告した。
2021年12月、バイデン政権からFRB理事就任を打診されたことで、「住居用」から「投資・賃貸用途」に変更したものの、3軒とも賃貸に出されていた。
3. レイナー英副首相兼住宅・コミュニティー担当相
レイナー副首相が、住宅購入をめぐり閣僚行動規範に違反した可能性が出てきており、9月5日付けで辞意を表明した。レイナー氏は、今年5月に購入したイングランド南部ホーヴにある80万ポンドの住宅について、『第2の住宅』としての印紙税4万ポンドを支払っていなかったことを認めた。レイナー氏は「今回の誤りを深く後悔している。私はこの問題を完全に解決し、公的サービスに求められる透明性を確保することに尽力する」と述べていた。閣僚行動規範は、誠実や正直など、閣僚に求められる行動基準を定めたものであり、閣僚には包括的な順法義務があると定めている。行動規範に違反した閣僚は辞任するのが慣例になっており、レイナー副首相は辞意を表明した。
本日のロンドン為替市場では、約4年ぶりのユーロ高ドル安が進行している状況に対し、欧州金融当局者がどのような見解を示すかが注目される。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は第10回ECB年次研究会議(テーマは「次なる金融危機は来るのか?」)で、16時30分から開会挨拶をする。他、複数名のECB理事会メンバーが講演予定。
ユーロドルは昨日、1.1878ドルと2021年9月以来の高値を記録した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、強まる米金利先安観がドル売りを促している。またユーロクロスの上昇からも、ECB緩和サイクルの終了を意識したユーロ買いも断続的に出ていたようだ。
ECB自体が行き過ぎたユーロ高に対処できる方法は少ないものの、現状の為替水準を金融当局者がどのように捉えているかは興味深い。近づいてきたユーロドルの節目1.20ドルについてのコメントが注目される。なお7月初旬に1.18ドル台に乗せた局面では、デギンドスECB副総裁が「1.20ドルでも無視できるが、それ以上になると複雑になる」と発言していた。
ユーロ圏の経済指標は、8月消費者物価指数(HICP)が発表されるものの、こちらは改定値。市場予想の前年比2.1%/コア2.3%に沿った結果が見込まれる。速報値ではヘッドラインは予想より0.1ポイント加速しており、インフレの底打ち感を確認することになりそうだ。
他、日本時間15時に8月英消費者物価指数(CPI)が発表予定。本日は、英中銀金融政策委員会(MPC)が政策金利の投票を行う(結果公表は明日)。インフレの高止まりはほぼ確実視されている中、予想(前年比3.8%)より上振れた場合はMPC内でタカ派が勢力を強めるだろう。そうなるとポンドの上値余地が広がることになりそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル、ピボット・レジスタンス1の1.1911ドル
・ポンドドル、ピボット・レジスタンス2の1.3713ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート1の1.1790ドル
・ポンドドル、ピボット・サポート2の1.3565ドル
ドル円:1ドル=146.52円(前営業日NY終値比△0.04円)
ユーロ円:1ユーロ=173.74円(▲0.09円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1858ドル(▲0.0009ドル)
日経平均株価:44790.38円(前営業日比▲111.89円)
東証株価指数(TOPIX):3145.83(▲22.53)
債券先物12月物:136.65円(△0.13円)
新発10年物国債利回り:1.590%(▲0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月貿易統計(通関ベース)
季節調整前 2425億円の赤字 1184億円の赤字・改
季節調整済 1501億円の赤字 2928億円の赤字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。米利下げ観測が一段と高まるなかで売りが先行し、昨日安値の146.28円を下抜けて146.21円まで8月14日安値に面合わせした。ただ、その後は東京仲値にかけて本邦実需勢の買いが観測されたため反発。下落して始まった日経平均株価がプラス圏を回復したことも支えに一時146.61円まで切り返した。一方で、株価が再びマイナス圏に沈んだこともあり戻りも限定的だった。
・ユーロドルは頭が重い。全般ドル安が進んだ流れに沿って一時1.1873ドルまで上げたが、4年ぶりの高値圏とあって高値警戒感もあり、一巡後はやや上値が重くなった。
・ユーロ円はもみ合い。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたためユーロ円自体は方向感がなく173.58-85円で上下した。
・日経平均株価は5営業日ぶりに反落。史上最高値圏だったため主力株を中心に利益確定売りが優勢となった。半導体関連株には押し目買いが入りプラス圏を回復する場面もあったが、維持できなかった。
・債券先物相場は5営業日ぶりに反発。昨日の米国債券相場が上昇した影響から買いが強まったほか、20年債入札が強い内容だったことが伝わると買いが観測された。
欧州中央銀行(ECB)の賃金トラッカーによると、ユーロ圏の賃金上昇率は2026年第2四半期に年率+1.8%と、第1四半期の+1.7%とほぼ同じ水準だったことが分かった。2024年末のピーク(+5.2%)から依然として大幅に減速する見込みだ。今後も賃金上昇圧力の収束により、インフレの持続的加速は抑えられるとされており、企業・家計は米国の新関税やウクライナ・中東での地政学リスクに対応しつつ、ECBは引き続き金融政策運営に警戒を続ける必要があるとしている。
ロシアのリャブコフ外務次官は、米国との幅広い分野で対話が続いていると強調した上で、「サハリン1プロジェクトを含むエネルギー協力の議論をさらに深める用意がある」と表明した。近年はエネルギー分野での米露協力が西側制裁などで停滞していたが、最近の首脳・高官協議では、米エクソンモービルのサハリン1復帰や一部米ロ共同事業の再開などが水面下で協議されている。西側の制裁動向やウクライナ和平が条件となるものの、エネルギーを軸に米露対話が再活発化する可能性がある。
大阪12月限
日経225先物 44610 -30 (-0.06%)
TOPIX先物 3125.0 -20.0 (-0.63%)
日経225先物(12月限)は前日比30円安の4万4610円で取引を終了。寄り付きは4万4500円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万4505円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。現物の寄り付き直後には4万4370円まで下げ幅を広げる場面もみられた。ただし、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への物色が継続するなか、前場終盤にかけてショートカバーを伴ってのリバウンドにより、4万4790円まで買われる場面もみられた。
ランチタイムでは4万4700円~4万4770円辺りでの保ち合いを継続。後場の取引開始直後からショート優勢の流れとなり、中盤にかけて4万4490円まで軟化した。ただし、終盤にかけてはカバーの動きから下げ幅を縮める形だった。
東京エレクトロンの上昇率は5%を超えたほか、売り先行で始まったアドバンテスト<6857.T>[東証P]が一時プラス圏を回復する場面もみられ、これが前場終盤にかけて短期筋のショートカバーを誘う形になったようだ。半導体やAI関連への物色は根強く、さらに関連銘柄のなかで先駆した銘柄の利益確定に対して、出遅れ感の強い銘柄への資金流入といったリバランスの動きが強まった形である。
一方で、東証プライムの8割近い銘柄が下落しており、全体としては米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果待ちのなかで、持ち高調整の動きが中心だったとみられる。積極的な売買が手控えられるなかにおいて、東京エレクトロンなど指数インパクトの大きい値がさ株の影響を大きく受けていた。
日経225先物は小幅な下げで終えたが、ボリンジャーバンドの+2σ(4万4610円)を挟んでの推移であり、押し目待ち狙いの買い意欲は意識されていた。バンドは上向きで推移しているため、+2σはナイトセッションで4万4790円、+3σが4万5660円まで上昇してきた。FOMCの結果及びパウエル米連邦準備(FRB)議長の会見を受けた米国市場の動向次第では、+2σが支持線としてキープもしくは抵抗線に変わる可能性があるだろう。
その流れから明日は朝方に、オーバーシュート気味の動きをみせてくる場面を想定しておきたいところである。一方で、FOMC通過後のアク抜けが意識されてくるほか、日銀の金融政策決定会合、さらに自民党総裁選(22日告示、10月4日投開票)を控える。調整の場面では押し目狙いのロングが入りやすいと考えられ、オプション権利行使価格の4万4500円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万4000円から4万5000円でのレンジ内での推移を想定しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.27倍に上昇した。6月30日につけた14.24倍を明確に上抜け、一時14.30倍まで切り上がる場面もみられた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の影響が大きくリバランスを警戒しつつも、1月高値の14.54倍が次のターゲットとして意識されそうである。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万6533枚、ソシエテジェネラル証券が1万2343枚、サスケハナ・ホンコンが4900枚、バークレイズ証券が2373枚、JPモルガン証券が1964枚、日産証券が1369枚、野村証券が1347枚、SBI証券が1214枚、モルガンMUFG証券が1123枚、大和証券が1046枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万3909枚、ソシエテジェネラル証券が1万7554枚、バークレイズ証券が5800枚、JPモルガン証券が4951枚、ゴールドマン証券が3431枚、モルガンMUFG証券が3253枚、サスケハナ・ホンコンが2170枚、シティグループ証券が1970枚、ビーオブエー証券が1591枚、野村証券が1455枚だった。
NY時間の為替市場はドルの上値が限定的になるだろうが、米連邦公開市場委員(FOMC)の結果次第で大相場になるリスクにも備えておきたい。
FOMCではトランプ米大統領による大幅利下げ圧力はあるものの、25ベーシスポイント(bp)の引き下げ予想がコンセンサス。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では25bp引き下げの折り込み度が96%になっている。市場予想を超える利下げ幅(もしくは据え置き)になった場合は、大きな値動きになることは間違いないだろう。ただ、予想通りの利下げ幅となった場合でも、今回は四半期に一度の経済・金利見通し(ドットプロット)も発表されることで、この結果次第で市場が動意づくことになる。
上述の「フェドウオッチ」では、10月に更に25bp引き下げ(FF金利誘導目標を3.75-4.00%)予想が約75%となっている。また、年末12月は9・10月に続いて25bp引き下げ(FF金利誘導目は3.50-3.75%)予想が69.5%になっている。
6月のFOMCで公表されたドットプロットでは、2025年末時点の中央値が3.875%で据え置かれ、年内の利下げ回数が2回と前回の想定が維持されたが、「フェドウオッチ」ではすでに中央値も引き下げ回数も先取りをしている状態だ。今回のドットプロットが「フェドウオッチ」に則した結果になるのか、それよりも利下げに慎重になるのかなどで市場が動意づくことになりそうだ。
更に今回注目されるのは、トランプ米大統領により解任を言い渡されたクック米連邦準備理事会(FRB)理事が、連邦控訴裁が判決を認めなかったことでFOMCに参加すること。また、15日に米上院で急遽承認されたトランプ米大統領の刺客のミラン氏がFRB理事として同様にFOMCに参加すること。クック理事が利下げに賛同するのか、ミラン理事は50bp以上の利下げを主張するのかが注目される。また、トランプ米大統領から度々非難されているパウエルFRB議長の会見も相場を動意づけることになるだろう。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、昨日欧米時間の高値147.26円。その上は昨日も上値の重しになった日足一目均衡表・基準線147.68円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、先月14日安値で本日のこれまでの安値でもある146.21円。その下は7月10日安値145.76円。
今晩は金融政策に注目。昨日は翌日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控えて様子見姿勢が強まり、ハイテク・ジャイアントの一角などが利益確定売りに押された。ダウ平均が125.55ドル安(-0.27%)、S&P500が0.13%安とともに反落し、ナスダック総合も0.07%安と小幅ながら7営業日ぶりに反落した。ただ、S&P500は5営業日連続で取引時間中の史上最高値を更新し、ナスダック総合も8営業日連続で取引時間中の史上最高値を更新した。
今晩の取引では取引時間午後に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)とその後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見に注目が集まる。FOMCでは0.25%の利下げが確実視されているほか、年内合計3回の利下げが予想されている。公表されるメンバーのFF金利見通し(ドットプロット)や会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が市場予想に沿った内容となれば安心感が広がる一方、先行きの利下げに慎重なタカ派的内容となれば失望感が広がることが警戒される。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC結果公表、パウエルFRB議長記者会見のほか、MBA住宅ローン申請指数、8月建設許可件数、8月住宅着工件数など。企業決算は寄り前にゼネラル・ミルズが発表予定。
大和証券では為替リポートの中で、今回の日銀会合の注目点に植田総裁の記者会見のトーンを挙げている。今回は据え置きが規定路線とされているが、その後の政策判断については不確実性が高いとコメント。決定会合後の会見では、総裁が次回の利上げが可能となる条件や、利上げが近いことを示唆するかどうかに注目している。総裁が利上げに前向きな姿勢を示すのか、慎重な姿勢をにじませるかによって、為替市場は大きく反応する可能性があると大和では考えており、会合を受けてボラティリティがやや高まることには警戒が必要と指摘している。
(17日終値:18日2時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.28円(17日15時時点比▲0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.39円(▲0.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1853ドル(▲0.0005ドル)
FTSE100種総合株価指数:9208.37(前営業日比△12.71)
ドイツ株式指数(DAX):23359.18(△29.94)
10年物英国債利回り:4.625%(▲0.014%)
10年物独国債利回り:2.675%(▲0.018%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.3% 0.1%
(前年比) 3.8% 3.8%
CPIコア指数
(前年比) 3.6% 3.8%
8月英小売物価指数(RPI)
(前月比) 0.4% 0.4%
(前年比) 4.6% 4.8%
8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 2.0% 2.1%
8月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.3% 2.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは小安い。前日に一時1.1878ドルと2021年9月以来4年ぶりの高値を付けたあとだけに、ポジション調整目的の売りが先行。19時過ぎに一時1.1833ドルと日通し安値を更新した。ただ、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を控えて、投資家の様子見ムードも強く大きな方向感は出なかった。今日これまでの値幅は0.0040ドル程度だった。
・ドル円は上値が重かった。欧州勢参入直後はドル買いが強まり一時146.68円と日通し高値を付けたものの、買いが一巡すると徐々に上値を切り下げた。19時過ぎには一時146.21円と東京午前に付けた日通し安値に面合わせした。その後の戻りも146.48円付近にとどまった。
・ユーロ円は小幅安。ドル円の失速やユーロドルの下落につれた売りが出ると、20時過ぎに一時173.09円と本日安値を更新した。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに小反発。前日まで3日続落しており、値ごろ感からの買いが優勢となった。なお、8月英消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの結果となったため、相場の反応は限られた。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は小反発。このところ下げていた一部銘柄に押し目買いが入り相場の支援材料となったものの、FOMCの結果公表やパウエルFRB議長の記者会見を控えて、投資家の様子見ムードも強く上値は限られた。個別ではSAP(3.20%高)やコンチネンタル(1.90%高)、アディダス(1.74%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。持ち高調整の動きが中心となる中、買いがやや優勢となった。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は17日公表のFF金利見通しで、2025年末時点の中央値を3.625%と前回から引き下げた。
また、26年末時点の見通しを3.375%と前回3.625%から下方修正。
27年末時点の見通しは3.125%と前回3.375%から下方修正した。
長期金利見通しは3.000%と前回の3.000%から据え置いた。
17日の日経平均は5日ぶり反落。終値は111円安の44790円。米国株安を受けて3桁下落スタート。安く始まった後はプラス圏とマイナス圏を行き来した。広範囲に売りが出たことで、序盤は下を試しにいった。東京エレクトロン<8035.T>やディスコ<6146.T>など半導体株の一角が強く、売り一巡後は切り返してプラス圏に浮上。上げ幅を3桁に広げて45000円台に乗せたが、そこから上は重かった。値下がり銘柄が圧倒的に多い状態が続く中、13時辺りからは失速してマイナス転換。再び下げに転じた後は、マイナス圏で方向感に欠ける動きが引けまで続いた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆6100億円。業種別では空運、小売、輸送用機器などが上昇した一方、非鉄金属、電気・ガス、保険などが下落した。創立75周年の記念配当を実施予定と発表したいちよし証券<8624.T>が後場急伸。半面、イタリアンレストランチェーン店運営企業の完全子会社化に伴い、第三者割当増資を実施すると発表した串カツ田中ホールディングス<3547.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり312/値下がり1267。東京エレクトロンが5%を超える上昇。日経平均を一時プラスに押し上げる原動力にもなった。半導体関連ではKOKUSAIも大幅高となったほか、ディスコが商いを伴って上昇した。証券会社が目標株価を引き上げたTDKが年初来高値を更新。ドル円がやや円高に振れたことを手がかりに、ニトリHDや神戸物産など内需小売の一角に資金が向かった。オアシスマネジメントの大株主浮上が判明したカルビーが急伸。株主優待の導入を発表したインタースペースがストップ高比例配分となった。
一方、半導体関連は濃淡あり、キオクシアやソシオネクストが大幅安。フジクラなど電線株やIHIなど防衛関連が弱かった。東電HDや北海道電力など電力株が軒並み安。9月のFOMCでは利下げが確実とみられている中、MS&ADやT&Dなど保険株が売りに押された。決算が失望を誘ったパーク24やテラドローンが急落。TOKYOBASEは通期見通しおよび中期経営計画の上方修正が好感されず、2桁の下落率となった。
日経平均は5日ぶり反落。結局下落で終えたが、プライムで1000を超える銘柄が値下がりした割には、111円安(44790円)とさほど下に値幅が出なかった。安値(44612円)でも節目の44500円は割り込んでおらず、押し目買い意欲の強さが垣間見えた。
今回のFOMCでは0.25%の利下げが濃厚とみられている。直前でそれを覆すような報道もなく、金融政策はノーサプライズだろう。日本株を見る上でのリスクは、(1)パウエルFRB議長が会見で次回以降の利下げに消極的な姿勢を示して米国株が大幅安となる、(2)逆に、積極利下げ姿勢を打ち出すことで米長期金利が急低下してドル安(円高)が急速に進行する―の2点となる。こういった動きにならなければ、右肩上がりのトレンドが継続する公算が大きい。米国株が大きく上昇して為替が落ち着いていれば、リスクオンの流れに弾みがつく展開も期待できる。日経平均はきょうも45000円を上回る場面があり、天井感は出てきていない。あすは終値で45000円を上回ることができるかに注目したい。
(17日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.99円(前営業日比△0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.64円(▲0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1813ドル(▲0.0054ドル)
ダウ工業株30種平均:46018.32ドル(△260.42ドル)
ナスダック総合株価指数:22261.33(▲72.63)
10年物米国債利回り:4.09%(△0.06%)
WTI原油先物10月限:1バレル=64.05ドル(▲0.47ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3717.8ドル(▲7.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 29.7% 9.2%
8月米住宅着工件数
130.7万件 142.9万件・改
建設許可件数
131.2万件 136.2万件
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
4.00-4.25%に引き下げ 4.25-4.50%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通り政策金利を4.00-4.25%に引き下げることを決めたと発表。声明では「雇用の伸びは鈍化し、失業率は小幅に上昇したものの、依然として低水準にある」「委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視しており、雇用に対する下振れリスクが高まっている」と指摘した。採決では16日に理事に就任したミラン氏が反対票を投じ、0.50%の利下げを主張したことが明らかになった。
また、同時に公表されたFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、2025年末時点の中央値が3.625%に引き下げられ、年内残り2回の会合でも利下げするとのシナリオが示された。
FOMC結果公表直後は米長期金利の低下とともにドル売りが活発化し、一時145.49円と7月7日以来約2カ月半ぶりの安値を更新した。ただ、売り一巡後は一転上昇した。一時は3.9879%前後と4月7日以来の低水準を付けた米10年債利回りが4.08%台まで上昇したことを受けてドルを買い戻す動きが広がった。5時30分過ぎには一時147.05円と日通し高値を更新した。
なお、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で「雇用減速の大部分は労働人口の減少を反映」「リスクバランスは変化し、雇用に対する下振れリスクが高まっている」と述べたほか、「今日の決定はリスク管理の利下げだ」「今回の会合で0.50%の利下げは広く支持されなかった」などと発言。市場の一部ではパウエル氏の「リスク管理のための利下げ」との発言が「今後の利下げに慎重」と受け止められた面もあったようだ。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。FOMC金利見通しで年内の連続利下げ予想が示されると米長期金利の低下とともに全般ドル売りが進行。3時過ぎに一時1.1919ドルと2021年6月以来約4年3カ月ぶりの高値を付けた。
ただ、1.19ドル台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。米長期金利が一転上昇するとドル買い戻しが優勢となり、一時1.1808ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は5日ぶりに小反落。20時過ぎに一時173.09円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。4時過ぎには173.78円付近まで下げ渋った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。FRBが今日まで開いたFOMCで市場予想通り利下げを実施し、今後も利下げを継続する見通しを示すと、「利下げが米経済を支える」との見方から買いが優勢となった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落。米長期金利が上昇に転じたことなどが相場の重しとなった。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。FOMCで利下げ継続見通しが示されると買いが先行し、利回りは一時3.9879%前後と4月7日以来の低水準を付けた。ただ、そのあとは一転売りが優勢に。パウエルFRB議長がFOMC後の会見で「リスク管理のための利下げ」と発言したことなどが材料視されたもよう。
・原油先物相場は4日ぶりに反落。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫統計で、原油は予想以上の取り崩しとなったが、ディスティレート(留出油)は予想以上の積み増しとなった。結果公表後に原油先物はやや売りが優勢となった。また、FOMCで雇用情勢の悪化を背景に利下げを決定し、結果公表後に原油相場も一時売りで反応した。
・金先物相場は4日ぶりに反落。前日まで3日連続で史上最高値を更新し、この日にFOMCの結果公表を控え調整や利食い売りが優勢となるも、利下げが確実視されていることも支えに下押しは限られた。
17日15:55 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「現行の金利水準はインフレ動向、我々の見通し、金融政策の波及を踏まえて適切」
「世界は複雑かつ不透明でリスクが多い」
「実質所得が増えても消費は冷え込んでいる背景に将来の増税懸念を指摘」
「金利決定、全ての選択肢を残す必要がある」
「独立した中銀こそ高インフレへの最大の盾」
「インフレ期待を低く保つには中銀への信頼が不可欠」
17日16:36 シムシェキ・トルコ財務相
「世界的な貿易摩擦や地域紛争などの外的ショックにもかかわらず、同国の経済運営は堅調に継続している」
「インフレ抑制と価格安定への移行を目指す経済プログラムの次の段階は来年初めに開始予定」
「野党による訴訟からくる不確実性が高まっている」
17日22:45 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「米関税引き上げと不確実性が継続する中、世界経済は底堅く推移していたものの、成長に減速の兆しが見られる」
「米国のインフレ率は、企業が関税コストの一部を消費者物価に転嫁しているように見えることから、ここ数カ月で上昇してる」
「原油価格は、7月想定の水準に近づいている」
「金融環境はさらに緩和し、株価は上昇し、債券利回りは低下している」
「カナダドルのレートは、米ドルに対して安定している」
「カナダのGDPは、関税と貿易をめぐる不確実性が経済活動の重しとなり、予想通り第2四半期に約1.5%減少」
「消費と住宅投資はともに健全なペースで増加した」
「今後数カ月は、人口増加の鈍化と労働市場の弱さが家計支出の重しとなる可能性が高い」
「8月消費者物価指数(CPI)インフレ率は1.9%で、7月と同水準」
「米国からの輸入品に対する報復関税の大部分を撤廃するという最近の決定は、今後これらの製品の価格上昇圧力を軽減することを意味する」
「景気が鈍化し、インフレ率の上振れリスクが低下していることから、理事会はリスクバランスを改善するために政策金利の引き下げが適切であると判断した」
「理事会は、リスクと不確実性に特に注意を払いながら、慎重に政策を進めていく」
「理事会は、米国の関税や貿易関係の変化を受けて輸出がどのように推移するか、それが企業投資、雇用、家計支出にどの程度波及するか、貿易の混乱やサプライチェーンの再編によるコストが消費者物価にどのように転嫁されるか、そしてインフレ期待がどのように推移するかを評価する」
「世界的な混乱の時期を通して、国民が物価安定への信頼を維持し続けられるよう注力している」
「我々はインフレが適切に抑制された状態を維持しながら経済成長を支援していく」
※時間は日本時間
18日03:04 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「最近の指標は今年上半期の経済活動の成長が緩やかになったことを示している」
「雇用の伸びは鈍化し、失業率は小幅に上昇したものの、依然として低水準にある」
「インフレ率は上昇し、やや高止まりしている」
「委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す」
「経済の見通しを巡る不確実性は依然として高水準にある」
「委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視しており、雇用に対する下振れリスクが高まっていると判断」
「目標達成を支援するため、委員会はFF金利の目標誘導レンジを4.00-4.25%に引き下げることを決定した」
「FF金利の目標誘導レンジに対する追加調整の程度と時期を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」
「委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける」
「委員会は雇用最大化を支援し、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する」
「もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」
「委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の決定に反対票を投じたのはミラン氏で0.50%の利下げを主張した」
18日03:39 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「景気鈍化は主に消費支出の減速を反映している」
「企業投資は加速している」
「サービス業のディスインフレは継続している」
「労働需要は弱まっている」
「関税は短期的なものになると予想するのが妥当だが、関税の影響がより長期化する可能性もある」
「我々の目標は、一時的な変化が継続的な問題とならないようにすること」
「雇用減速の大部分は労働人口の減少を反映」
「リスクバランスは変化し、雇用に対する下振れリスクが高まっている」
「我々は引き続き、タイムリーに対応できる態勢を整えている」
「FRBは独立性を維持する強い決意だ」
「関税が労働市場に影響しているのは確かにあり得る」
「関税がインフレに与える影響は今後積み上がり続ける」
「雇用数値の修正はもはや堅調でない労働市場を意味している」
「今回の会合で0.50%の利下げは広く支持されなかった」
「今日の決定はリスク管理の利下げと考えてよいだろう」
「ここ数カ月、雇用の低迷が懸念材料となっている」
「FRBは会合ごとに状況を変える」
「FRBは予測について議論したり合意しようとしたりしない」
「確率の観点からドットプロットを見る」
「現状では幅広い意見が交わされるのは当然」
「独立性は我々の文化に深く根付いている」
「クック氏の件について私がコメントするのは不適切」
※時間は日本時間
<国内>
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○08:50 ◎ 7月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比▲1.5%/前年比5.2%)
<海外>
○07:45 ☆ 4-6月期ニュージーランド(NZ)国内総生産(GDP、予想:前期比▲0.3%/前年比横ばい)
○10:30 ◎ 8月豪雇用統計(予想:失業率4.2%/新規雇用者数2.10万人)
○16:00 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○16:10 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○17:00 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○17:00 ◇ 7月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○17:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.00%に引き下げ)
○18:00 ◇ 7月ユーロ圏建設支出
○18:45 ◎ シュナーベルECB専務理事、パネルディスカッションに参加
○20:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:4.00%で据え置き)
○20:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:24.0万件/195.0万人)
○21:30 ◎ 9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:1.9)
○22:00 ☆ 南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:7.00%で据え置き)
○22:20 ◎ 米英首脳、記者会見
○23:00 ◎ 8月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.2%)
○19日05:00 ◎ 7月対米証券投資動向
○トランプ米大統領、英国国賓訪問(19日まで)
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が4.00-4.25%に引き下げられ、米10年債利回りが3.9879%前後まで低下したことで、145.49円まで下落後、米10年債利回りが4.08%台まで上昇したことで147.05円まで反発した。ユーロドルは1.1919ドルまで上昇した後、1.1808ドルまで反落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りに0.25%の利下げが決定された後、本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合の結果を待ちつつ、自民党総裁選関連の報道やトランプ米大統領による0.25%の利下げへの見解などに警戒していくことになる。
日銀金融政策決定会合では、政策金利0.50%の据え置きが見込まれており、注目ポイントは、利上げ時期への言及の有無や明日の植田日銀総裁の記者会見となる。
先日関係筋の話として、年内利上げの可能性を排除しない姿勢が示されていた。すなわち、日銀は新政権の政策を巡る思惑で神経質な市場の動向を注視しているが、経済・物価情勢は7月の最新シナリオに沿った動きと判断しており、年内に環境が整う可能性も引き続き視野に入れているとされている。
10月4日に投開票が行われる予定の自民党の総裁選では、昨年の総裁選で上位につけた高市前経済安全保障担当相と小泉農林水産相による争いが軸になるとみられている。高市氏は、財政出動と金融緩和の継続による経済成長重視の立場であり、日銀の追加利上げに対し慎重な姿勢で臨む可能性がある。ドル円は、出馬表明や優勢が伝えられた局面では148円台まで円安に反応した。
昨年9月に行われた総裁選に際しては、23日に有力候補だった高市氏が日銀の金融政策について「金利を今、上げるのはアホやと思う」と発言したことで、ドル円は143円台から144円台に上昇した。27日の投開票では、1回目の投票で高市氏が石破氏を上回り、ドル円146.49円まで円安に振れたが、決選投票で石破氏が勝利すると142.07円まで円高が進むという乱高下となった。
一方で、小泉氏は現政権の考えを引き継ぎ、利上げを支持する可能性があると見なされており、16日の出馬表明では、ドル円は146円台まで円高に反応した。
また先月、ベッセント財務長官は、「(長く続く円安については)日銀がインフレ率や成長率に焦点を当てて金融政策を進めれば、為替レートは自然と調整される」と述べていた。そして、植田日銀総裁との会談では「物価高の下で日本銀行の金融政策は後手に回っている」とし、利上げを促すような発言をしていた。
さらに、先日公表された為替に関する日米共同声明では、「財政・金融政策はそれぞれの国内目的を達成するために国内の手段を用いて実施され、競争目的で為替レートを目標にしないという認識を再確認した」という文言が盛り込まれた。日本銀行の追加利上げにより円安修正が進むことを、トランプ米政権が期待していることが示されているのではないだろうか。
10時30分に発表される8月豪雇用統計の予想は、失業率が4.2%で7月と変わらず、新規雇用者数は+2.10万人で、7月の+2.45万人からの減少が見込まれている。豪準備銀行(RBA)は8月11-12日の理事会で利下げを決めた際に、金利引き下げの根拠の一つとして労働市場の状況が若干軟化していることを挙げていた。しかし、4-6月期の国内総生産(GDP)が市場予想を上回ったことで、ブロックRBA総裁は「この状況が続けば今後の利下げは限られるかもしれない」との見解を示していた。8月の雇用統計次第で、今後のRBAの金融政策を左右することになるため要注目となる。
東京市場は一進一退か。米国株はまちまち。ダウ平均が上昇した一方、S&P500とナスダックは下落した。ダウ平均は260ドル高の46018ドルで取引を終えた。FOMCでは大方の予想通り0.25%の利下げが決定された。ドットチャートでは、年内あと2回の利下げが示唆された。パウエルFRB議長は会見で今回の利下げは予防的な措置と言及しており、会見はややタカ派的と受け止められた。景気敏感系の銘柄が買われてダウ平均は堅調に推移した一方、個別にネガティブなニュースがあったエヌビディアが弱くナスダックは下落。S&P500は横ばいに近い下落となった。3指数ともFOMCの結果発表後の振れ幅は大きくなったが、発表前からダウ平均は強く、ナスダックは弱かった。
利下げ決定直後に米10年債利回りは低下したが、議長会見を受けて一転上昇。ドル円も連動するように145円台に入った後に147円台まで円安が進むなど、やや動きが荒くなった。足元では146円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが35円安の44575円、ドル建てが50円高の44660円で取引を終えた。
注目イベントを消化して米3指数の方向がそろわなかったことから、日本株は気迷いムードが強まりそう。利下げ決定でもナスダックが下落して米長期金利が上昇していることから、ハイテク株にはネガティブな影響が想定される。一方、米国株が大崩れしなかったことや、円高が加速しなかったことなどは安心材料。マイナス圏に沈むようなら、下値では買いが入る公算が大きい。強弱感が入り混じり、場中は方向感に欠ける動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは44500-45000円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 44630 +20 (+0.04%)
TOPIX先物 3127.0 +2.0 (+0.06%)
シカゴ日経平均先物 44575 -35
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
17日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は市場予想通り、0.25%の利下げを決定した。政策金利見通しは、年内に0.25%の利下げを2回予想するFOMC参加者が過半数を占めた。利下げが米経済を支えるとの見方から買いが優勢となり、NYダウは一時500ドルあまり上昇する場面もあった。
半面、エヌビディア<NVDA>が2%を超す下落となった。中国当局が国内大手テクノロジー企業に対し、同社製の新たな半導体の一つを購入しないよう指示したと伝えられたことが嫌気された。この影響でブロードコム<AVGO>やパランティア・テクノロジーズ<PLTR>が下げるなど、他のハイテク株に売りが広がった。
S&P500業種別指数は銀行、家庭用品・パーソナル用品、各種金融が上昇した一方で、半導体・同製造装置、運輸、小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、アメリカン・エキスプレス<AXP>、キャタピラー<CAT>、ビザ<V>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が買われた。半面、エヌビディア、ホーム・デポ<HD>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、スリーエム<MMM>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比35円安の4万4575円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円高の4万4660円で始まった。その後は軟化し4万4500円を割り込んだが、米国市場の取引開始後にプラス圏を回復。買い一巡後は4万4500円~4万4600円辺りで保ち合い、終盤にかけて4万4350円まで下押した直後に4万4710円まで切り返すなど荒い値動きが目立ち、4万4630円でナイトセッションの取引を終えている。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まることになろう。FOMCの結果は予想通りであり、買い戻しを誘う可能性はあるだろう。ただし、中国当局のエヌビディア製品締め出しの影響により、足もとで日経平均型を牽引してきたアドバンテスト<6857.T>[東証P]などの半導体株の一角には利益確定の売りが出やすく、重荷になりそうだ。
もっとも、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は19日に直接会談に臨む予定であり、積極的にショートを仕掛けてくる流れにはならないだろう。短期的に下へのバイアスが強まる局面があれば、その後のカバーを狙った押し目待ち狙いのロング対応となろう。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万4800円)を超えられなかったことで、同バンドが抵抗として意識されそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万4375円から4万4875円のレンジを想定する。4万4750円辺りが日経平均株価の4万5000円に相当するため、この水準での攻防が続くようだと徐々にショートが積み上がってくることになりそうだ。
17日の米VIX指数は15.72(16日は16.36)に低下した。一時16.75まで上昇する場面もみられ、上値抵抗として意識される75日移動平均線(16.57)を上回った。ただ、その後は同線に上値を抑えられる形で下げに転じており、15.26と25日線(15.35)を割り込む場面もあった。FOMCを無難に通過したことで、リスク選好に向かわせやすい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.27倍に上昇した。6月30日につけた14.24倍を明確に上抜け、一時14.30倍まで切り上がる場面もみられた。方向性としては1月高値の14.54倍が次のターゲットとして意識されるが、ハイテク株が日経平均型の重荷になる可能性から、本日のところはリバランスが入りやすくなりそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比510円高の4万5120円(+1.14%)前後で推移。寄り付きは4万4750円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万4575円)を大きく上回り、買いが先行して始まった。4万4800円まで買われた後は、4万4580円と下落に転じる場面もみられた。ただし、中盤にかけてリバウンド基調が強まり、朝方につけた4万4800円を突破するとショートカバーを交えた上へのバイアスが強まり、終盤にかけて4万5120円まで急伸した。
予想以上に強い相場となった。日経平均株価は16日につけたザラ場高値(4万5055円)にタッチした後は利食いに押される場面もみられたが押し目待ち狙いの買い意欲は強く、その後の高値更新でショートカバーの動きが強まった。また、中国当局によるエヌビディア<NVDA>の一部製品の購入停止要請の影響が警戒されていたが、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など半導体やAI関連への一極集中が継続したことも支援材料になった。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万4890円)を突破し、ショートカバーが強まった形である。同バンドが支持線として機能することで、+3σ(4万5800円)とのレンジが意識されてきそうだ。4万5000円乗せで利食いも入りやすいところだが、ショートは避けておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.36倍に上昇した。いったんはリバランスが入るとみられたが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の強い値動きによってトレンドが強まっている。1月高値の14.54倍が次のターゲットとして意識されるなか、NTロングでのスプレッド狙いの動きが継続しそうである。
FOMCが市場予想通りに0.25%の利下げを決定しましたが、米債券市場の反応が全て。米10年債利回りは発表直後に4.04%前後から3.9879%まで急低下したものの、その後は一転して4.0891%までの倍返しの急騰。
債券市場においては、昨日もお伝えしたように、為替市場が前日からドル売りを仕掛け気味だった一方、「かなり冷静な動き」を続けていたわけですが、FOMC声明文を眺めて、先ず、「あれ、25の利下げに反対がミランだけなの?ボウマンとウォラーは25で賛成してるじゃん」というサプライズ。
そして、あと年2回の利下げ水準、つまり、前回の6月からは1回分利下げが増えたレベルに中央値が引下げられたドットチャートをしっかりと見てみると、「あれ、年内利下げ必要なしのメンバーが6人、利上げして戻す予想が1人、あと1回の利下げが2人もいるね。全然ハト派になっていないな」との感想。また、「中央値のあと2回利下げ予想が9人で、ミランはあと5回利下げだってさ」と苦笑。
更には、パウエルFRB議長の定例記者会見でも「今回の決定はリスク管理の利下げ。政策は会合ごとに決定していく」との見解とあって、米10年債利回りの10bpを超える急騰につながっていきました。
いずれにしても、ドル円は米債券市場の動きにつれるかたちで145.49円の安値から一気に147.05円まで買戻されることに。一目雲に再び入り込む動きとなっています。日経平均がようやく45000円台の大台に慣れてきたからか、ダウ平均を再び追い抜く準備を整えているところ。ドル円もリスクオン的な動きや、イベントリスクを一つクリアしたことによって、改めて買い遅れ感の依然として強い本邦実需勢の買いなどが観測されるなか、一目転換線の147.04円を意識した動きが続いています。
「You can think of this, as a risk management cut」(パウエルFRB議長)
9月16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、トランプ関税によるインフレ懸念から5会合連続で政策金利を据え置いた後、労働市場への懸念の高まりを理由に、FF金利誘導目標を4.00-4.25%へ0.25%引き下げることを決定した。また年内さらに2回の利下げを予想した。
トランプ米政権が8月に辞任したクーグラーFRB理事の後任として2026年1月末までの任期で指名したミランFRB暫定理事だけが、0.50%の利下げを主張した。
パウエルFRB議長は、労働市場のリスク管理の一環としての利下げである、と述べ、市場の連続利下げ、大幅利下げ観測を牽制したことで、タカ派的な利下げとなった。
1. FOMCの金融緩和(2024年~)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2024年9月:4.75%~5.00%(第1次利下げ)▲0.50% +2.5% +2.5%
・2024年11月:4.50%~4.75%(第2次利下げ)▲0.25% +2.4% +2.1%
・2024年12月:4.25%~4.50%(第3次利下げ)▲0.25% +2.7% +2.3%
・2025年1月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年3月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年5月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年6月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年7月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年9月:4.00%~4.25%(第4次利下げ)▲0.25%
2. FOMC声明:雇用に対する下振れリスク
■雇用「雇用の伸びは鈍化し、失業率はやや上昇したが、低水準を維持している」
(※「堅調」から「鈍化」へ)
■物価「インフレ率は上昇し、依然やや高止まりしている」(※「上昇」)
■2つの使命「2つの使命の両面に対するリスクを注視しており、雇用に対する下振れリスクが高まったと判断する」(※雇用の下振れリスク)
■ドット・プロット(金利予測分布図)
・年内2回の利下げを見込む(▲0.25%×2=▲0.50%=FF金利3.50-3.75%)
・2026年と27年に1回ずつ0.25%利下げ
■シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループの「フェドウオッチ」
・10月FOMC(▲0.25%=3.75-4.00%)
・12月FOMC(▲0.25%=3.50-3.75%)
3.パウエルFRB議長:リスク管理の利下げ(risk management cut)
「市場が織り込むような大幅利下げは既定路線ではない。今回の0.25ポイント利下げは保険的な意味合いが強く、リスク管理の一環だ」
「労働需要は軟化し、最近の雇用創出ペースは失業率の安定維持に必要な水準を下回っているようだ。労働市場が非常に堅調だとはもはや言えなくなった」
「われわれの責務は、物価水準の一時的な上昇が持続的なインフレの問題にならないようにすることだ」
「今回の会合で0.5%の大幅利下げに対する幅広い支持はなかった。過去5年で極めて大幅な利上げや利下げを実施する場面もあったが、そうした措置は政策が適切でない水準にあり、迅速に新たな水準へ移行させる必要があると判断した局面で実施する」
「関税による持続的なインフレへのリスクを管理・評価する必要がある」
本日のロンドン時間におけるユーロドルは、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)およびパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言内容を再評価する展開が見込まれる。また、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁や複数のECBメンバーの講演も複数予定されており、金利やインフレ見通しに関する発言が相場材料となる可能性がありそうだ。
今回のFOMC金利見通しでは、年内残り2回の会合(10月・12月)での連続利下げが示唆された。これを受けてドル売りが進行し、ユーロドルは一時2021年6月以来の高値となる1.1919ドルを記録した。しかし、米長期金利が反転上昇に転じるとドル買い戻しが加速し、ユーロドルは1.18ドル手前まで押し戻されてNY市場を終えている。
トランプ米政権による圧力や弱い雇用データを受け、市場は0.25%の利下げおよび金利見通しを概ね織り込んでいた。加えて、パウエル議長が関税によるインフレ圧力に言及し、追加利下げについて「会合ごとに判断」と慎重な姿勢を示した。こちらが、金利およびドルの反転要因となった可能性がある。ここからは、欧州勢による評価が注視される。
一方でポンドドルは、日本時間20時に予定される英中銀(BOE)の政策金利発表および金融政策委員会(MPC)議事要旨の内容が焦点となる。政策金利は4.00%での据え置きが市場コンセンサスであり、インフレ率の高止まりを背景にサプライズは限定的と見られる。注目点は、前回会合で意見が分かれた委員の投票行動および議事要旨の内容。MPC内で見解の相違が鮮明となれば、今後の利下げ観測に対する不透明感が強まる可能性がある。
想定レンジ上限
・ユーロドル、ピボット・レジスタンス1の1.1885ドル
・ポンドドル、ピボット・レジスタンス1の1.3695ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1747ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.3530ドル
ドル円:1ドル=147.35円(前営業日NY終値比△0.36円)
ユーロ円:1ユーロ=173.73円(△0.09円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1791ドル(▲0.0022ドル)
日経平均株価:45303.43円(前営業日比△513.05円)
東証株価指数(TOPIX):3158.87(△13.04)
債券先物12月物:136.56円(▲0.09円)
新発10年物国債利回り:1.595%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月機械受注(船舶・電力除く民需)
前月比 ▲4.6% 3.0%
前年比 4.9% 7.6%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)による政策発表後にドルの買い戻しが強まった流れを引き継いだ。自民党の高市氏が総裁選への出馬を正式に表明したことも円安・ドル高につながった面があり、一時147.53円まで上昇し、16日高値の147.54円に接近した。
・ユーロドルは弱含み。全般ドル買い戻しが優勢となった流れに沿った。足元で急速にユーロ高・ドル安が進んでいただけに持ち高調整も活発化し、一時1.1781ドルまで値を下げている。
・ユーロ円は小高い。ドル円の上昇とユーロドルの下落に挟まれて動きは鈍かったものの、東京午後に入ると次第に買いが強まり、一時173.88円まで値を上げた。
・日経平均株価は反発。史上初めて4万5000円台で取引を終えた。昨日の米国株が上昇した流れを引き継いで買いが強まった。主力の半導体関連株を中心に買われ、指数は一時700円超上昇した。
・債券先物相場は反落。昨日の米国債券相場が下落し、この日の国内債にも売りが波及した。日本株高も相場の重しとなった。
欧州連合(EU)は最も早くて明日19日に加盟国に対してロシアに対する最新の制裁パッケージを提示する予定だと一部通信社が関係者の話として伝えた。
大阪12月限
日経225先物 45220 +610 (+1.36%)
TOPIX先物 3143.5 +18.5 (+0.59%)
日経225先物(12月限)は前日比610円高の4万5220円で取引を終了。寄り付きは4万4750円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万4575円)を大きく上回り、買いが先行して始まった。寄り付き直後に4万4800円まで買われた後は、4万4580円と下落に転じる場面もみられた。ただし、前場中盤にかけてリバウンド基調が強まり、朝方につけた4万4800円を突破するとショートカバーを交えて上へのバイアスが強まり、前場終盤には4万5120円まで急伸した。
ランチタイムは4万5050円~4万5150円辺りで保ち合いをみせていたが、後場に入り一段高となり、中盤にかけて4万5270円まで上げ幅を広げた。終盤にかけて持ち高調整とみられる動きで上げを縮めたものの、4万5050円~4万5150円と4万5000円を上回っての底堅さがみられた。
予想以上に強い相場となった。日経平均株価は16日につけたザラ場高値(4万5055円)にタッチした後は利食いに押される場面もみられたが、押し目待ち狙いの買い意欲は強く、その後の高値更新でショートカバーが強まった。また、中国当局によるエヌビディア<NVDA>の一部製品の購入停止要請の影響が警戒されたが、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など半導体やAI関連への一極集中が継続したことも支援材料になった。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(4万4920円)を突破し、ショートカバーが強まった形である。同バンドが支持線として機能することで、+3σ(4万5840円)とのレンジが意識されてきそうだ。バンドは上向きで推移しているが、ナイトセッションで+2σは4万5200円、+3σが4万6210円辺りまで切り上がってきている。
一気に+3σまでの上昇を見せてくるようだと、いったんはピーク形成となろう。ただし、+2σに沿ったトレンドを形成しているため、過熱感も警戒されにくい。バンドに沿ったトレンドを形成するなかでは、ショートは避けておきたい。また、短期的に調整をみせてくる局面では、その後のカバーを想定した押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
半導体やAI関連への一極集中が継続する一方で、電気・ガスや陸運株の弱さが目立っていた。日経平均型に連動させるファンドなどは、パフォーマンスの観点から指数インパクトの大きい値がさハイテク株の比率を高めざるを得ない状況にあるとみられ、明暗が大きく分かれている。
この影響によりNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。一時14.40倍まで上昇しており、1月高値の14.54倍が射程に入ってきた。1月高値を捉える局面ではいったん達成感が意識されそうだが、同水準を明確に上抜けてくると、NTロングでのスプレッド狙いの動きが一段と強まる可能性がある。しばらくは半導体株などのピーク形成を見極めたいところだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万1279枚、ソシエテジェネラル証券が1万6440枚、サスケハナ・ホンコンが5268枚、JPモルガン証券が3287枚、バークレイズ証券が2517枚、日産証券が1791枚、大和証券が1696枚、ゴールドマン証券が1662枚、モルガンMUFG証券が1556枚、シティグループ証券が1551枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万5149枚、ソシエテジェネラル証券が1万9274枚、バークレイズ証券が5918枚、JPモルガン証券が4902枚、モルガンMUFG証券が4240枚、ゴールドマン証券が2853枚、野村証券が2103枚、サスケハナ・ホンコンが1909枚、ビーオブエー証券が1529枚、シティグループ証券が1488枚だった。
NY時間の為替市場でドルは、米長期金利の動向に左右されるだろうが、明日の本邦からのイベントを控え、両サイドともに大きく動意づくのは難しそうだ。
明日のイベントの1つ目は日銀金融政策決定会合。市場では今月は据え置き予想となっているが、年後半の10・12月にかけては利上げ予想が高まっている。9日には複数の日銀関係者の話として、「日銀は国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない」との報道が流れた。
本邦の全国消費者物価指数(CPI)は昨年の12月から連続で3%を超えているように、多くのエコノミストが予想していた通年の2%台のインフレ率を超えて推移することが確実視されつつある。更に、ベッセント米財務長官は表立っては利上げを要求してはいないが、日銀について「インフレ問題を制御する必要がある」と先月発言するなど、利上げ要求を催促する(圧力をかける)発言をしていることもあり、植田日銀総裁が今後の利上げを示唆する発言をするとの声がある。ただ、市場との対話が不得手とも言われている植田総裁の真意がどの程度市場に伝わるかで、相場展開は読めない。
2つ目のイベントとしては、本日小泉進次郎氏とともに10月の自民党総裁選の有力候補である高石早苗氏が正式に出馬表明し、明日政策の記者会見を行うこと。財政拡大派とされるだけではなく、昨年の総裁選出馬時には日銀の利上げについて反対する声を上げていたこともあり、市場は円安に動きやすいと捉えている。ただ、昨年の出馬時とインフレ動向が異なる点や、利上げに賛成していた石破氏は首相に就任すると一転して利上げに反対する声を上げたように、一議員と総裁(首相)になった場合では自分の主張を180度転換することは日常茶飯事なことには要注意。中期的にみると高市氏が総裁に就いた場合でも、これまでのように円安一辺倒に動くかは不透明だ。
なお、本日は米国から前週分の米新規失業保険申請件数・失業保険継続受給者数、9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、8月米景気先行指標総合指数などが発表される。昨日の米連邦公開市場委員(FOMC)前後から米長期金利は、神経質な動きを繰り返していることで、本日も通常以上に経済指標で市場が敏感に反応することになりそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、日足一目均衡表・雲上限147.85円。その上は11日高値148.17円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、これまでの日通し安値146.77円。その下は昨日安値145.49円。
今晩は底堅い展開か。昨日は米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り政策金利が0.25%引き下げられ、年内あと2回の利下げ見通しが示されたことが好感された一方、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で先行きの政策については未定だとしたことや、メンバーの金利予想で来年の利下げ見通しが市場予想を下回る1回にとどまったことで先行き不透明感も強まった。ダウ平均は一時504ドル高まで上昇し取引時間中の史上最高値を更新後、260.42ドル高(+0.57%)で終了した一方、S&P500は0.27%高まで上昇後、0.10%安とわずかにマイナス圏で終了。ナスダック総合は0.33%安と2日続落した。
今晩は底堅い展開か。FOMCでは0.25%利下げが実施され、メンバーのFF金利見通し(ドットプロット)では年内あと2回の利下げ見通しが示された。ほぼ市場の期待通りの内容となったことで、先行きの利下げ期待が引き続き米株の支援となることが期待される。ただ、2026年については予想よりタカ派的な内容となったほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長も引き続きインフレへの警戒感を表明しており、上値も重い展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、9月フィラデルフィア連銀業況指数、8月景気先行指数など。企業決算は寄り前にファクトセット・リサーチ、ダーデン・レストランツ、引け後にレナー、フェデックスなどが発表予定。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ブラジル中銀、非常に長期にわたる金利据え置きをあらためて示唆
米ドル安や実質金利の高さがレアル相場を支える一方、期待先行の株高の動きには要注意
ブラジル中銀は、9月16~17日の定例会合で政策金利(Selic)を15.00%に据え置いた。インフレ率は鈍化傾向にあるものの、依然として目標を上回る推移が続いている。こうしたなか、同行は「必要であれば利上げ再開も辞さない」とのタカ派姿勢を維持しつつ、非常に長期にわたって現行維持を図る考えを示した。
声明では、世界経済の不透明感やそれに伴う新興国への影響を警戒する一方、国内景気は鈍化しつつも、労働市場は堅調な推移をみせると指摘。その上で、先行きの物価について上下双方のリスクが通常より高まっているとの認識を示し、長期的な金利据え置きの可能性にあらためて言及する動きをみせている。
金融市場では、トランプ米政権の関税政策や関係悪化の懸念があるものの、FRBの利下げや高い実質金利を追い風にレアル相場は堅調に推移している。ボベスパ指数も過去最高値を更新するなど活況を呈しているものの、期待先行感が強いと見込まれ、先行きについては調整リスクに注意する必要がある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ニュージーランドの景気失速、大幅利下げ観測がNZドルの重石に
4-6月GDPは3四半期ぶりのマイナス成長、RBNZは大幅利下げを迫られる可能性
世界経済や金融市場はトランプ米政権の関税政策に翻弄されており、対米輸出や中国への依存度の高さを通じてニュージーランド経済にも影響を与える可能性がある。足元の米中関係は最悪期を脱する様子がうかがえるも、先行きについては依然として不透明であり、ニュージーランド経済に対するリスクは残る。
ニュージーランド国内では、長期に及んだインフレが落ち着き、RBNZ(中銀)は昨年8月以降に累計250bpの利下げを実施した。しかし、4-6月の実質GDP成長率は前期比年率▲3.74%と3四半期ぶりのマイナス成長に転じるなど景気は急失速している。個人消費は緩やかに拡大する一方、公共投資や設備投資、輸出は低迷しており、在庫の積み上がりが成長率を下支えするなど、景気実態は数字以上に悪いと捉えられる。
産業全体の大半で生産が下振れしており、農林漁業関連の生産低迷は物価上昇圧力を招く可能性がある。また、不動産市場は低迷が続いており、隣国オーストラリアが不動産バブル懸念に見舞われる状況とは対照的である。金融市場では、米ドル安を背景にNZドル相場は底堅く推移したが、景気失速を受けて追加での大幅利下げ観測が強まることが予想され、先行きは上値の重い展開となる可能性が高まっている。
日経平均株価は大幅反発。5日移動平均線(44827円 9/18)上で長い陽線を形成し、終値で初の45000円台乗せを達成した。
RSI(9日)は前日91.3%→91.0%(9/18)に横ばい。基本的には上昇トレンドフォローの見方が優先される。一方、昨年12/27高値(40398円)から4/7安値(30792円)までの下落幅に対する1.5倍返しの水準(45200円)に近く、短期的には上昇一服のタイミングを向えても不思議ではない。
上値メドは、昨年12/27高値から4/7安値までの下落幅に対する1.5倍返し45200円、心理的節目の45500円、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し45650円、心理的節目の46000円などがある。下値メドは、心理的節目の45000円、5日移動平均線、心理的節目の44000円、25日移動平均線(43272円 同)、心理的節目の43000円、9/4高値(42608円)などがある。
(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.87円(18日15時時点比△0.52円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.30円(△0.57円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1787ドル(▲0.0004ドル)
FTSE100種総合株価指数:9228.11(前営業日比△19.74)
ドイツ株式指数(DAX):23674.53(△315.35)
10年物英国債利回り:4.676%(△0.051%)
10年物独国債利回り:2.726%(△0.051%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月ユーロ圏経常収支(季調済)
277億ユーロの黒字 358億ユーロの黒字
ノルウェー中銀、政策金利
4.00%に引き下げ 4.25%
7月ユーロ圏建設支出
(前月比) 0.5% ▲0.7%・改
(前年比) 3.2% 1.8%・改
英中銀(BOE)、政策金利
4.00%で据え置き 4.00%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、NYの取引時間帯に入ると値を上げた。21時30分発表の9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると全般ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.13%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、22時30分過ぎに一時148.27円と日通し高値を更新した。
ただ、買い一巡後はやや伸び悩んだ。米10年債利回りの上昇が一服したことや、8月米景気先行指標総合指数が予想を下回ったことなどが相場の重し。2時30分過ぎには147.81円付近まで下押しした。
・ユーロドルは頭が重かった。日本時間夕刻に一時1.1848ドルと日通し高値を付けたものの、買いが一巡すると徐々に弱含んだ。堅調な米経済指標を受けて米長期金利が上昇すると全般ドル買いが進んだ流れに沿った。23時前に一時1.1750ドルと日通し安値を付けた。ただ、米長期金利の上昇が一服すると1.1794ドル付近まで下げ渋っている。
なお、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁は「今後も非常に慎重な姿勢を維持し続けなければならない」「現行の政策スタンスは適切」などと述べたと伝わった。
・ポンドドルも頭が重かった。英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り政策金利を4.00%に据え置くことを決めたと発表。直後には一時1.3661ドルと日通し高値を付けたものの、すぐに失速した。BOEが量的引き締め(QT)ペースを縮小したことなどが相場の重しとなり、一時1.3534ドルと日通し安値を更新した。
なお、QTペース縮小は7対2で決定。2009年から21年までに買い入れた国債の売却を年間1000億ポンドから700億ポンドに縮小する。市場予想は800億ポンドへの縮小だった。
・ユーロ円は買い先行後、もみ合い。欧州株相場の上昇などを手掛かりに円売り・ユーロ買いが先行。18時前に一時174.47円と昨年7月11日以来約1年2カ月ぶりの高値を更新した。ただ、NY市場ではドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は小幅続伸。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や本日の英中銀金融政策委員会(MPC)を波乱なく通過したことで、買い安心感が広がった。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが買われた半面、アストラゼネカなど医薬品株が売られた。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日のFOMCを波乱なく通過したことで、買い安心感が広がった。個別ではSAP(5.42%高)やザランド(5.30%高)、コンチネンタル(4.29%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。独国債の発行増などが意識されて売りが優勢となった。
18日の日経平均は大幅反発。終値は513円高の45303円。FOMCを消化した17日の米国では3指数がまちまちとなったが、波乱のない結果となったことやダウ平均の上昇を好感して、寄り付きから3桁の上昇。ナスダックの下落やエヌビディアの大幅安を受けても半導体関連が強く、全体の上昇をけん引した。
序盤では節目の45000円を上回ると何度か押し戻されたが、10時以降はこれより上が定着してじわじわと上げ幅を広げる展開。前場のうちに45200円台まで水準を切り上げると、後場には上げ幅を700円超に広げて45500円を上回る場面もあった。14時以降は買いが一巡して上げ幅を縮めたものの、500円を超える上昇で終了。初めて終値で45000円を上回った。一方、新興銘柄には好影響は波及しておらず、グロース250指数は下落した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆8500億円。業種別では電気機器、非鉄金属、金属製品などが上昇した一方、電気・ガス、その他製品、空運などが下落した。読売新聞1面で政府が国産AIの開発に乗り出すと報じられたことを材料に、記事内で名前が挙がったさくらインターネット<3778.T>がストップ高。半面、東京電力ホールディングス<9501.T>が特段の材料が観測されない中で7%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり912/値下がり637。ディスコ、東京エレクトロン、アドバンテストが5%近い上昇。ローツェやトリケミカルなど半導体周辺の深堀りが進んでおり、読み方が同じSUMCOとサムコはともに7%を超える上昇となった。ハイテク系の銘柄にも資金が向かっており、ソニーGやTDKが大幅上昇。証券会社が投資判断を引き上げたレゾナックが急騰した。
一方、任天堂が3%を超える下落。IHI、川崎重工、三菱重工の防衛大手3社がそろって売りに押された。FOMCの結果発表後に円高が急速に進む場面があったことが警戒されて、トヨタやホンダなど自動車株が軟調。証券会社が投資判断を引き下げたタイミーや東京ガスが大幅に下落した。
日経平均は大幅高。半導体関連が製造装置から半導体材料に至るまで広範囲に物色されており、値幅を伴った上昇となった。米国動向からは半導体関連は下げても不思議はなかっただけに、これらが目を見張る上昇となったことで全体でもリスク選好ムードが強まった。
あすは日銀金融政策決定会合の結果が発表されるが、今回は据え置きが濃厚。植田総裁の会見が引け後となるため手がけづらさはあるものの、会見で年内の利上げが示唆されたとしても寝耳に水というほどのサプライズではない。きょうの日本株がFOMCを消化して強い上昇となっただけに、さほど警戒は高まらないだろう。日経平均の終値は45303円。大幅高の反動で利益確定売りが出てきたとしても、45000円台はキープできそうな水準で終えている。強く買われた半導体関連が大崩れしなければ、「押し目待ちに押し目なし」でもう一段上を試しにいったとしても驚きはない。
(18日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.00円(前営業日比△1.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.44円(△0.80円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1788ドル(▲0.0025ドル)
ダウ工業株30種平均:46142.42ドル(△124.10ドル)
ナスダック総合株価指数:22470.73(△209.40)
10年物米国債利回り:4.10%(△0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=63.57ドル(▲0.48ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3678.3ドル(▲39.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数
23.1万件 26.4万件
9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
23.2 ▲0.3
8月米景気先行指標総合指数
(前月比) ▲0.5% 0.1%・改
7月対米証券投資動向
短期債を含む 21億ドル 921億ドル・改
短期債を除く 492億ドル 1510億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると全般ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.13%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、22時30分過ぎに一時148.27円と8日以来の高値を更新した。
ただ、買い一巡後はやや伸び悩んだ。米10年債利回りの上昇が一服したことや、8月米景気先行指標総合指数が予想を下回ったことなどが相場の重し。2時30分過ぎには147.81円付近まで下押しした。
・ユーロドルは続落。堅調な米経済指標を受けて米長期金利が上昇すると全般ドル買いが進行。23時前に一時1.1750ドルと日通し安値を付けた。ただ、米長期金利の上昇が一服すると1.1794ドル付近まで下げ渋っている。
なお、英国を訪問中のトランプ米大統領は、スターマー英首相との共同記者会見で「ロシア・ウクライナ戦争の解決は想定より複雑」「プーチン露大統領には失望させられた」などと述べた。また、スターマー英首相は「トランプ米大統領との会談ではウクライナに対する防衛支援を強化する方策について協議した」と明らかにした。
・ユーロ円は反発。欧州市場序盤に一時174.47円と昨年7月11日以来約1年2カ月ぶりの高値を付けたものの、NY市場に限れば狭いレンジ取引に終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も連日で過去最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が前日に利下げを再開し、今後も利下げを継続するとの見通しを示したことが引き続き買いを促した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、史上最高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことを受けて売りが出たものの、8月米景気先行指標総合指数が予想を下回ると買い戻しが入り下げ幅を縮めた。
・原油先物相場は続落。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定し、年内にあと2回の利下げ想定が示されたことがエネルギー需要への影響を巡り見方が分かれ、売り買いが交錯。ただ、8月米景気先行指標総合指数が予想を下回ったことや、為替相場でドル高が進んだことを手がかりに、原油先物は徐々に売りに押された。
・金先物相場は続落。前日引け後にFOMCの結果公表を受けて米長期金利が上昇し、為替相場ではドル高が進み、金利を生まないドル建ての金相場は売りが優勢となった。
一部通信社が米当局者の話として報じたところによると、「米中首脳電話会談は明日19日9時(日本時間19日22時)に実施される」ようだ。
大和証券のクオンツリポートでは、企業の配当金が高水準になったことから、潜在的にどれほどの配当落ち額があるのかを認識しておくことは非常に重要と指摘。2025年9月下旬における配当落ち額を、日経平均では299円、TOPIXでは 29.2ptsと試算している。また、パッシブ連動資産がすべて配当落ちに伴う先物買いに動いた場合、日経平均先物で2000億円強、TOPIX先物で1兆1500億円程度の配当落ちによる買い需要が予想されるとコメントしている。
SMBC日興証券では8月貿易統計に関するリポートの中で、米国向けの輸出が4カ月連続で2桁の減少となっていることを指摘している、大きな要因は輸出企業が関税コストを負担して輸出価格を引き下げたこととみられるが、自動車や建設・鉱山用機械は実質ベースでも輸出が減少し始めており、トランプ関税が徐々に数量にも悪影響を及ぼしているとコメント。SMBC日興では企業の価格転嫁による米国の需要減速が生じる可能性があるとみており、徐々に減少し始めた輸出数量がさらに落ち込むかどうか、今後見極める必要があると考えている。
新規雇用者数増減
2025/08 -0.54万人
2025/07 +2.65万人 (前月発表値 +2.45万人)
失業率
2025/08 4.2%
2025/07 4.2% (前月発表値 4.2%)
常勤雇用者数
2025/08 -4.09万人
2025/07 +6.36万人 (前月発表値 +6.05万人)
非常勤雇用者数
2025/08 +3.55万人
2025/07 -3.71万人 (前月発表値 -3.59万人)
労働参加率
2025/08 66.8%
2025/07 67.0% (前月発表値 67.0%)
18日16:13 中国商務省
「(中国とEUの貿易関係について)中国の対外開放と協力の立場は変わらず」
「対話と協議の原則も変わらない」
18日17:04 ノルウェー中銀(ノルゲバンク)声明
「金融政策は依然として引き締め的」
「物価見通しではやや高止まりがしばらく続く見込み」
「今回の現状認識に基づき、やや高めの金利水準が今後必要と見込まれる」
「前回予想よりも政策金利の引き下げは緩やかになる見通し」
「政策金利は2028年末までに3%をやや上回る水準まで徐々に低下していく見通し」
「インフレ率は2028年ごろ2%近くに落ち着く予想」
「今後急激な利下げは想定しておらず、本日示した予測では今後3年間で年1回程度の利下げが見込まれる」
18日17:12 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「今後も非常に慎重な姿勢を維持し続けなければならない」
「現行の政策スタンスは適切」
「現在の環境はかなり不確実な状況」
「成長に対するリスクは現在、はるかにバランスの取れた状態になっている」
18日20:01 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
「MPCは7人が据え置きを支持、2人が0.25%引き下げを主張」
「2025-26年度に210億ポンドの国債を売却する計画」
「段階的かつ慎重なアプローチが適切」
「英国の労働市場では需給の緩みが徐々に拡大」
「賃金や物価への二次的影響リスクに警戒」
「家計のインフレ期待は依然として高止まり」
「ディングラ氏とテイラー氏は0.25%の利下げを主張」
「バランスシート縮小(QT)ペースをこれまでの1000億ポンドから減速」
「第3四半期GDPは前期比+0.4%程度(8月時点の予測は+0.3%)」
「英国の消費者物価指数(CPI)は2025年9月に4%でピークに達する見込み」
「まだ危機を完全に脱したわけではないため、将来の利下げは段階的かつ慎重に実施する必要がある」
「BOEの年内利下げ見通しは変更なし」
「ステーブルコインの大規模な拡大は、米ドルの地位を強化する可能性」
「ユーロがより大きな国際的役割を果たす機会がある」
「外国為替システムが特定の通貨に偏る度合いが弱まっている兆候」
18日20:46 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「インフレを伴わない経済成長が進んでいる」
「FRBの利下げははるかに低い金利に向かう正しい方向」
「今回のFRBの決定は双方に配慮した折衷案であり、賢明な判断だ」
18日23:20 スターマー英首相
「米英はプーチン露大統領への圧力を強める方法について協議した」
「安全保障は引き続き特別な関係の礎である」
「米英は平和の追求において結束している」
「プーチン露大統領は最近、真の姿を見せた」
18日23:22 トランプ米大統領
「英国への信頼できるAI供給の確保に尽力」
「株式市場は過去最高値を更新」
「プーチン露大統領は私を失望させた」
「株価は時が経つにつれてさらに上昇するだろう」
「ロシア・ウクライナ紛争は解決するだろう」
「イスラエル・ガザ問題に全力を尽くす」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 8月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比2.7%)
○08:30 ☆ 8月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比3.3%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表(予想:0.50%で据え置き)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
<海外>
○07:45 ◎ 8月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○08:01 ◇ 9月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲18)
○15:00 ◇ 8月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%)
○15:00 ◎ 8月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.4%/前年比0.6%)
○15:00 ◎ 8月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.7%/前年比1.0%)
○15:45 ◇ 9月仏企業景況感指数(予想:95)
○21:30 ◎ 7月カナダ小売売上高(予想:前月比▲0.8%/自動車を除く前月比▲0.6%)
○22:00 ◎ 米中首脳電話会談
○20日03:30 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は148.27円まで上げ幅を広げた。米経済指標の強い内容を受けて米10年債利回りが4.13%台まで上昇し、ドル買いが活発化した。ユーロドルも、一時1.1750ドルまでユーロ安ドル高に傾いた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日銀金融政策決定会合での政策金利据え置きがほぼ確実視されていることで、15時30分からの植田日銀総裁の記者会見から利上げ時期などを探る展開となる。
8時30分発表の8月全国コア消費者物価指数(CPI)は、前年比+2.7%予想と7月+3.1%からの伸び率鈍化が見込まれている。8月から10月の電気代及び都市ガス代は、「緊急対応パッケージ」の一環で押し下げ効果が現れることになるため、政策要因による伸び率鈍化となる。
日銀金融政策決定会合では、政策金利0.50%の据え置きが大方の予想。植田日銀総裁の会見では、トランプ関税の影響の見極め時期、今後の企業収益と賃上げの見通し、物価の基調と上振れリスク、財政拡張的になりやすい次期政権の政策と利上げのポリシー・ミックスに関する見解、利上げ時期への言及などに注目しておきたい。
日銀が政策金利据え置きの理由としていたトランプ関税の不確実性は、日米関税合意が締結されて16日に対日自動車関税率が15%へ引き下げられたことで後退。現状は自民党総裁選(22日告示、10月4日投開票)が不透明要因となっている。
本日は、昨日自民党総裁選への出馬の意向を表明した高市氏が記者会見を行う予定。「サナエノミクス(金融緩和、機動的な財政出動、大胆な危機管理投資・成長投資)」を再強調して、日銀の利上げに否定的な見解が表明されるのか要注目となる。
高市氏は、昨年9月の総裁選の1回目投票では石破首相の154票(国会議員票46票+党員票108票)を上回り、全体1位181票(72票+109票)を獲得していた。なおドル円は、出馬の意向が報じられた11日には148.17円、優勢が報じられた12日には148.07円、出馬表明の昨日は148.27円まで円安に反応している。
先日の関係筋による報道では、「日銀は国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない」とのことで、10月29-30日の会合での利上げ観測がやや高まっている。
日程的には、以下の通りとなっており、注視しておきたい。
・10月1日:9月調査の日銀短観
・10月2日:内田日銀副総裁講演
・10月3日:植田日銀総裁講演
・10月4日:自民党総裁選
・10月6日:日銀支店長会議
・10月中旬:国会で次期首相指名投票
・10月29-30日:日銀金融政策決定会合
またベッセント財務長官は、先月の植田日銀総裁との会談の後、「物価高の下で日本銀行の金融政策は後手に回っている」とし、利上げを促すような発言をしていた。さらに先日公表された為替に関する日米共同声明は、6月に米財務省が公表した「為替政策報告書」と同様に、日本銀行の追加利上げにより円安修正が進むことを、トランプ米政権が期待していることが示されており、植田日銀総裁に対する質疑応答に注目しておきたい。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は124ドル高の46142ドルで取引を終えた。FOMCを通過して利下げ継続に対する期待が高まる中、楽観ムードの強い地合い。エヌビディアが出資を表明したインテルが2割を超える急騰となっており、ハイテク株が上昇を先導した。ドル円は足元147円90銭近辺と円安(ドル高)に振れている。CME225先物は円建てが375円高の45595円、ドル建てが465円高の45685円で取引を終えた。
米3指数はそろって史上最高値を更新しており、中でもナスダックの動きが良かった。円安も進行しており、日本株にはこれらを好感した買いが入ると予想する。本日は日銀金融政策決定会合の結果発表日だが、金融政策は据え置きが濃厚。FOMC同様に日銀会合も無難に消化して株高が続くとの見方が強まりやすい。きのうの日経平均は初めて終値で45000円を上回っており、取引時間中には45500円を上回る場面もあった。売り方には分が悪い環境下、次の節目の46000円に向けて強い基調が続くだろう。日経平均の予想レンジは45500-46100円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 45650 +430 (+0.95%)
TOPIX先物 3162.0 +18.5 (+0.58%)
シカゴ日経平均先物 45595 +375
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
18日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇した。米連邦準備理事会(FRB)が16~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めたことが引き続き材料視された。パウエルFRB議長の会見では利下げに慎重と受け止められる発言があったが、年内に0.25%の利下げを2回予想するFOMC参加者が過半数を占めたことで、米経済を支えるとの期待が高まっていた。9月のフィラデルフィア連銀景況指数はプラス23.3と8月(マイナス0.3)から改善し予想を上回ったほか、米新規失業保険申請件数が予想を下回ったことも相場の支えとなった。
さらに、エヌビディア<NVDA>は、インテル<INTC>に50億ドル(約7400億円)を出資すると発表した。再建に向けた取り組みが好感されてインテルは22%超の上昇。データセンターやパソコン関連製品を共同開発する計画と伝えられるなか、他の半導体株なども買われた。
S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、運輸、資本財が上昇した一方で、自動車・同部品、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、キャタピラー<CAT>、エヌビディア、IBM<IBM>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、シスコシステムズ<CSCO>が買われた。半面、ビザ<V>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比375円高の4万5595円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比40円高の4万5260円で始まった。直後につけた4万5210円を安値にロング優勢の流れが続き、米国市場の取引開始後には4万5720円まで上げ幅を広げる場面もみられた。中盤以降は4万5530円~4万5650円辺りでの保ち合いが続き、4万5650円でナイトセッションの取引を終えている。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。米国では主要な株価指数はいずれも史上最高値を更新しており、ロングが入りやすい需給状況であろう。また、エヌビディアによるインテルへの出資を受けて一段とハイテク株や半導体株に資金流入が強まりやすく、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への物色が、先物市場でのロングを強めさせそうだ。
日経225先物は上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(4万5280円)に沿ったトレンドを形成するなか、ナイトセッションでは同バンドを上回っての推移となっており、+3σ(4万6320円)とのレンジが意識される。一気に+3σを捉えてくる局面では過熱感が警戒され、いったんピークを形成する可能性はありそうだが、+2σ接近での押し目待ち狙いの買い意欲は強いだろう。
本日は日銀の金融政策決定会合の結果が判明する。金融政策の据え置きが広く予想されており、10月4日の自民党総裁選を控えて9月の利上げはないと考えられる。日銀会合後のアク抜けが意識されてくるようだと、ロングの勢いが強まる展開もありそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万5250円から4万6000円のレンジを想定する。
18日の米VIX指数は15.70(17日は15.72)に低下した。一時14.33まで下げる場面もみられ、25日移動平均線(15.39)を割り込む場面もあった。ボトム圏での推移を継続するなかで、リスク選好に向かわせやすい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。一時14.40倍まで上昇しており、1月高値の14.54倍が射程に入ってきた。1月高値を捉える局面ではいったん達成感が意識されそうだが、同水準を明確に上抜けてくると、NTロングでのスプレッド狙いの動きが一段と強まる可能性はありそうだ。半導体株への一極集中の持続性を見極めたいところだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比180円高の4万5400円(+0.39%)前後で推移。寄り付きは4万5620円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万5595円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。直後に4万5660円まで買われたが、買い一巡後は中盤にかけて、4万5350円まで上げ幅を縮めた。ただし、押し目待ち狙いの買い意欲は強く、終盤にかけては4万5360円~4万5560円辺りでのレンジで推移している。
日経225先物は、買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の動きが入ったとみられるが、ボリンジャーバンドの+2σ(4万5240円)を上回っての推移をみせており、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。日銀の金融政策決定会合の結果待ちのなかで、持ち高調整の動きもあったとみられ、結果判明後に再動意をみせてくるかが注目されそうだ。前場はオプション権利行使価格の4万5500円を中心とした上下の権利行使価格となる、4万5375円から4万5625円辺りでのレンジだった。週末要因もあり、このレンジを放れた方向に、やや振れる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.39倍に上昇した。一時14.47倍まで上昇する場面もみられ、1月高値の14.54倍に接近した。アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]は買い一巡後に上げ幅を縮めているため、ややNTロングを巻き戻す動きに向かわせそうである。
昨日の海外市場では、ドル円は改めて買戻される展開となりました。アジア時間は日経平均の45000円台乗せとなる史上最高値の更新とともに147円台を値固め。NY時間に入ると強い米指標を受けて米長期金利が上昇に転じたほか、日経平均先物が一気に更に大台替わりを伺う大幅高となるにつれて148.27円まで買い上げられることになりました。その後の下押しも147.81円までと極めて限定的となると、再び148円台を回復してNY市場を終えています。
週末のアジア市場では、中銀ウィークとなった今週を締め括るべく、日銀金融政策決定会合の結果待ち。相変わらず、発表時間未定といった前近代的な記者クラブ絡みの柔軟性のないシステムを変えられないままとなっていますが、いずれにしても、本日は「トイレにさえも席を空けられない」差し迫った緊張感はなく、こちらは開始時間が決められている15時30分からの植田日銀総裁の定例記者会見を見極めたいといったところ。
ただ、政局真っ只中という不確実性が高まっているなかでは、予断を持って何かを示唆することも出来ず、いくら植田総裁が市場とのコミュニケーションが不得意であると言っても、「流石に今回は、、、」との状況。
ドル円は、FOMCというもうひとつの大きなイベントを終え、市場の行き過ぎた利下げへの期待感の修正を余儀なくされているなかでの買戻しの動きが続いているといったところ。日経平均も改めて兄貴越えを視野に入れつつ、色気を出してコストの悪い円ロングを積み増してしまった向きの巻き戻しの動きが加速しそうな状況となっています。
「『第3の使命』(長期金利の安定化)は、低く落ち着いた物価と最大化された雇用の結果としてもたらされる」(パウエルFRB議長:2025年11月17日)
米連邦準備理事会(FRB)の責務(mandate)として、これまでは「2大責務(Dual mandate)」が知られてきた。
1)maximum employment(雇用の最大化)
2)price stability (物価の安定)
しかし、ミラン米大統領経済諮問委員会CEA委員長は、上院本会議で48対47の僅差でFRB暫定理事への就任を承認された際の証言で、「3大責務(Triple mandate)」としての第3の責務に言及した。ベッセント米財務長官も以前言及していた。
3)moderate long-term interest rates(長期金利の抑制)
第17代FRB議長の使命は、第3の責務の遂行となるのかもしれない。
ミランCEA委員長は、昨年11月に公表していた「A User’s Guide to Restructuring the Global Trading System」(国際貿易システム再構築のユーザーガイド)において、米国の債務削減のための長期金利の抑制を提唱しており、ベッセント米財務長官も同調していた。
1.米連邦準備理事会(FRB)と米財務省の「アコード」
1941年、米国は第二次世界大戦に参戦した。1942年、米国財務省はFRBに対し、証券市場を安定させて低金利に保ち、政府が低金利の戦時国債を通じて資金を調達できるように要請していた。
カリフォルニア大学アーバイン校のゲーリー・リチャードソン経済学教授によれば、トランプ米政権が試みようとしていることは、FRBが過去に実行し、議会もこれを認めてきたが、それは主に戦時か経済危機の時期だった。「今は大規模な戦争状態になく、深刻な恐慌にも陥っておらず、そうした事情は当てはまらない」と見解を示した。
2. 「国際貿易システム再構築のユーザーガイド」(ミラン氏:2024年11月)
2024年11月、元財務省上級顧問のミラン氏(現在:大統領経済諮問委員会CEA委員長)は、「トリフィンのジレンマ(The Triffin dilemma)」をベースにして、「持続的なドル過大評価」に起因する経済的不均衡の解消と国際貿易システム改革に向けロードマップを提示した。
貿易赤字の削減のためには、関税を引き上げ、ドル安に誘導(マールアラーゴ合意(Mar-a-Lago Accord))する。
財政赤字の削減のためには、関税を引き上げ、長期金利を低利に抑制、そして、100年債などへデュレーションを移行させる。
3.ベッセント米財務長官
ベッセント米財務長官は、米経済と住宅所有コストにとって長期金利が持つ重要性をたびたび強調してきた。かつて、米紙ウォールストリート・ジャーナルに掲載された論説で、FRBの3大責務に言及して、ミッションクリープ(責務からの逸脱)を批判した。
本日のロンドン為替市場でユーロやポンドは、まずは15時30分から始まる植田日銀総裁の会見を眺めながら、対円を中心とした値動きとなるだろう。日銀は本日、政策金利を0.50%で据え置くことを発表した。5会合連続の据え置きは市場の予想通り。ただ、年内残り2回(10月と12月)の金融政策決定会合で、10月にも利上げに踏み切るとの思惑は燻ったままだ。市場参加者は、日銀総裁が追加利上げについて何らかのヒントを与えてくれるかを期待している。
もちろん、植田総裁が利上げに慎重な姿勢を示したり、または、これまでと同じような文言を使う可能性も十分にあり得る。その場合は、昨日からの円安地合いがさらに強まりそうだ。ポンド円は昨日、2024年7月以来の201円台から失速したが200円台は維持し、ユーロ円が本日も174円半ばで上値を伸ばしている。円相場の勢いにもよるが、欧州通貨は対ドルでも底堅い動きとなるのではないか。
一方、日銀総裁が利上げについて具体的な話をしてきた場合、昨日の円安の巻き戻し、つまり円買いが進むだろう。しかしながら総裁は、昨夏の経験から金融市場の波乱要因には成りたくないはずだ。そうなると、市場を驚かすようなコメントは期待しないほうが良さそうだ。
なお欧州序盤には、8月英小売売上高が発表予定。前年比が前回を下回ると予想されているが、それでもプラスは維持される見込み。ポンドは昨日、英中銀の金融イベントを通過した後だけに、予想から大きく乖離しない限りは動意に繋がりにくいか。ポンドにおいては、英中銀金融政策委員会(MPC)が決めた「量的引き締め(QT)のペース縮小」の影響を依然として見定めることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、昨日高値1.1848ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.3610ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、12日安値1.1701ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・雲の上限1.3466ドル
ドル円:1ドル=147.51円(前営業日NY終値比▲0.49円)
ユーロ円:1ユーロ=173.67円(▲0.77円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1773ドル(▲0.0015ドル)
日経平均株価:45045.81円(前営業日比▲257.62円)
東証株価指数(TOPIX):3147.68(▲11.19)
債券先物12月物:136.10円(▲0.46円)
新発10年物国債利回り:1.640%(△0.045%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年比 2.7% 3.1%
8月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
前年比 3.3% 3.4%
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆4785億円の取得超 2080億円の取得超・改
対内株式
2兆340億円の処分超 1086億円の取得超
日銀金融政策決定会合、政策金利
0.50%で据え置き 0.50%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は売り優勢。日銀金融政策決定会合の結果公表を前に148円を挟んだもみ合いが続いた。日銀が予想通り政策金利を0.50%で据え置くことを決定したが、2名の審議委員(高田委員・田村委員)が0.75%への利上げを主張したことが伝わると急落。上場投資信託(ETF)の売却を開始することを決定したことも売りを促し、一時147.20円まで売り込まれた。もっとも、急ピッチで下げた反動から一巡後はショートカバーが入り147.80円台を回復している。
・ユーロ円は急落。日銀の政策発表後は円が全面高となり、一時173.48円まで下げ足を速めた。その後はドル円と同様に買い戻しが入り173.90円台まで下げ渋っている。
・ユーロドルは小安い。円絡みの取引が中心となったため動きは鈍かったが、東京後半には時間外の米10年債利回りが上昇したことなどが重しとなり、一時1.1763ドルまで下押しした。
なお、ポンドドルは一時1.3497ドルまで下落。8月英小売売上高は強い内容だったが、同時に発表された8月英公的部門純借入額が180億ポンド増加し、市場予想の135億ポンド程度を上回ったことで英財政悪化懸念からポンド売りにつながった。
・日経平均株価は反落。日銀がETF売却を決定したことが嫌気され売りが優勢に。発表前には上昇していた日経平均は下げに転じ一時800円超急落する場面があった。もっとも、押し目買い意欲も強く、引けにかけては急速に下げ幅を縮めた。
・債券先物相場は続落。日銀会合で利上げに2名投票していたことが伝わったことが債券売りを促した。
豪銀大手NAB(ナショナル・オーストラリア銀行)は、豪準備銀行(RBA)が2025年11月に利下げを行い、続いて2026年2月にもさらに利下げを実施すると予想している。これにより、2026年初めの政策金利は3.1%まで低下する見込みだ。利下げのペースは急激ではなく、インフレ率を目標範囲内に維持しつつ経済への過度な負担を避けるため、慎重な調整が続く。背景には、インフレ鈍化、労働市場の緩み、経済成長の抑制傾向がある。ただし、賃金上昇やサービス分野のインフレが強まれば利下げが鈍化し、世界需要の弱まりや貿易障害の悪化があれば利下げが加速するリスクもあるという。
中国は2025年7月時点での米国債保有額を約7310億ドルに削減し、2008年以来の最低水準となった。一方、日本や英国は米国債の保有を増やし、日本は約1.15兆ドル、英国は約9000億ドルに達した。中国は米ドル依存を減らし、自国通貨である人民元を強化する狙いから米国債の売却を進めているとみられる。この動きは中国経済の鈍化や貿易制限の影響も指摘されている。
2025年9月のイギリスの消費者信頼感指数は、GfKの調査で-19と8月の-17から低下し、予想の-18も下回った。すべての信頼感項目が下落し、貯蓄意向も大きく減少した。経済見通しに対する悲観的な感情は-32と依然厳しい。リーヴス財務相による11月の税率引き上げが消費者心理にさらなる圧迫をかける可能性が指摘されている。消費の落ち込みが予想され、ポンドや株式市場にも下押し圧力となる見込みだ。
カナダのカーニー首相は、メキシコと新たな二国間安全保障対話を開始し、米国とのパートナーシップを改めて強調したと発表した。この新たな安全保障対話は、越境犯罪、法執行、地域安定化の分野で協力を深めることを目的とし、既存の米国との枠組みに加えて北米全体の安全保障・経済レジリエンス強化を目指すもの。さらに、シェインバウム大統領もカナダとUSMCA自由貿易協定の強化で合意したと述べており、首相は「北米全体の競争力向上に向けて調整策を探る」と表明している。
英国のリーヴス財務相は、公的サービスの生産性向上に賭けているが、失敗すれば2028-29年までに180億ポンドの資金不足に直面するとシンクタンクの財政研究所(IFS)が警告した。政府は各省庁に効率向上と事務費削減を求め、生産性を前年より2.3%上げる目標を掲げているが、これは過去20年間で達成されなかった目標だ。もし生産性が横ばいならば、18億ポンドの追加資金が必要となり「重大な財政問題」に直結すると指摘されている。これまでの政府は同様の効率化を約束しながら実現できていないため、IFSは「政府支出計画を守るなら真剣な生産性向上が不可欠」と強調。特にNHSの生産性回復に可能性を見出しているが、大規模なIT導入やAI活用に伴う削減目標は不確実性が高いと警告している。
ニュージーランド中央銀行(RBNZ)は数週間以内に新総裁を任命する見通しである。暫定総裁のクリスチャン・ホークスビー氏は正式な就任を目指しているが、新総裁は景気の深刻な低迷による信頼回復や、政府からの強い批判に直面することになる。前任のアドリアン・オア総裁の突然の辞任と議長の退任により、中央銀行は混乱の時期にあった。財務大臣のニコラ・ウィリス氏は、中央銀行の独立性を批判し、首相も金利政策について介入の意向を示すなど、政治的圧力が強まっている。これに対し、暫定総裁ホークスビー氏は「低く安定したインフレの維持と金融システムの強靭性確保に注力している」と述べている。
大阪12月限
日経225先物 44730 -490 (-1.08%)
TOPIX先物 3118.0 -25.5 (-0.81%)
日経225先物(12月限)は前日比490円安の4万4730円で取引を終了。寄り付きは4万5620円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万5595円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。直後に4万5660円まで買われたが、買い一巡後は前場中盤にかけて、4万5350円まで上げ幅を縮めた。ただし、押し目待ち狙いの買い意欲は強く、前場終盤にかけては4万5360円~4万5560円辺りでのレンジで推移しており、日銀の金融政策決定会合の結果待ちのなかで膠着感が強まった。
その後、日銀会合の結果が伝わり、市場の予想通り政策金利が据え置かれた。ただ、保有するETF(上場投資信託)について年間3300億円程度ずつ売却し、Jリート(上場不動産投資信託)も年間50億円程度ずつ売却すると決めた。これがトリガーとなり、ショートの動きが加速。後場に入り一気に4万4250円まで急落する場面もみられた。ただ、売り一巡後は押し目待ち狙いのロングやショートカバーから下げ幅を縮めており、終盤にかけては4万4700円から4万4950円辺りでの推移となった。
日銀会合での波乱展開は想定していなかったこともあり、ETFの売却決定を受けたショートによって、ヘッジ対応の動きも入ったとみられる。ただし、ボリンジャーバンドの+1σ(4万4130円)接近ではカバーに向かわせていた。+2σ(4万5100円)を割り込んだことで+1σとのレンジが意識されることになろうが、バンドは上向きで推移していることもあり、+1σ接近では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
また、上げ幅を縮めたものの、アドバンテスト<6857.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などへの物色は継続。さらに、レーザーテック<6920.T>[東証P]など出遅れ感のある半導体関連株に物色が広がりをみせてきている。本日の荒い値動きでショートが入りやすくなっただろうが、半導体やAI関連物色は根強いことから、短期的なトレードになろう。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.47倍まで上昇する場面もみられ、1月高値の14.54倍に接近した。ただし、日銀会合の結果判明後にリバランスの動きが強まり、14.23倍まで下げる場面もみられた。なお、日銀会合で政策委員のうち2人が利上げを主張したとして、追加利上げのタイミングは近いとの観測から長期金利が上昇。金利上昇を手掛かりに金融株の一角には物色の矛先が向かっていたことで、リバランスの動きが今後強まるかを見極めたいところである。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万3203枚、ソシエテジェネラル証券が2万8059枚、サスケハナ・ホンコンが6884枚、SBI証券が5462枚、JPモルガン証券が5289枚、バークレイズ証券が4316枚、ゴールドマン証券が3175枚、モルガンMUFG証券が3172枚、野村証券が2880枚、日産証券が2578枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が4万3408枚、ソシエテジェネラル証券が4万1853枚、バークレイズ証券が1万1009枚、JPモルガン証券が7068枚、ゴールドマン証券が6310枚、モルガンMUFG証券が5596枚、ビーオブエー証券が4611枚、サスケハナ・ホンコンが4393枚、シティグループ証券が3895枚、BNPパリバ証券が2886枚だった。
NY時間の為替市場でドル円は、レンジから大きく外れて動くのは難しそうだ。今週は日米をはじめ複数の中央銀行が政策金利を発表し、大きなイベントが一度クリアしたといえる。ドル円は激しく上下したものの、結局は週初の水準147.70円近辺に戻ってきたこともあり、ここから週末を前にレンジを大幅に更新していくのは難しいだろう。
円安要因になりかねなかった、高市早苗氏の出馬表明会見だが、自身のことを「穏健保守か中道保守」と位置づけ、中国との外交関係を改善していくことを示すなど、これまでよりも総裁選勝利による首相就任を意識してなのか、波風立てないような発言が目立った。
世界の潮流が緊縮財政ではなく積極財政と述べ、財政拡大の可能性を示唆したが、現金給付に関しては、自民党が参院選で敗北したことで、選挙で国民の支持を得られなかったと否定的な発言をした。また、食料品の消費減税に関しても、今の物価対策として即効性が無いとも述べている。慎重な発言が目立ったこともあり、これまでのような日銀の利上げに対して「アホ」というような発言も避けている。今後もこの路線を通すことが予想され、高市氏有利=円売り、という一方的な動きを期待するのは難しいかもしれない。
一方、円高要因になった日銀の金融政策決定会合だが、2名の審議委員(高田委員・田村委員)が0.75%への利上げを主張したことと、上場投資信託(ETF)の売却開始の発表したこともあり円高が進んだ。植田日銀総裁は具体的な利上げまでの距離については明確にしなかったが、年後半での利上げは期待は依然として強い。
本日のNY時間のイベントとしては、3カ月ぶりに米中首脳の電話会談が行われる。今回の会談後に、10月30日から11月1日に韓国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で対面による米中首脳会談の決定を発表する可能性がある。電話会談のみでは、米中間の大きな進展を期待できないことで、対面での首脳会談が最重要になりそうだ。なお、本日はTikTokの米国資産などの処理についてが議題としてのぼるようだが、為替市場に影響を与えるような内容にはなりにくいと見込まれる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、200日移動平均線148.65円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、これまでの日通し安値147.20円。
今晩は底堅い展開か。昨日は前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが決定され、年内あと2回の利下げ予想が示されたことで金利低下による景気回復を期待する買いが強まった。エヌビディアがインテルに50億ドルを投資してデータセンターやPC向け半導体を共同で開発すると発表し、インテルが22.77%高、エヌビディアが3.49%高となったことも相場を押し上げた。ダウ平均は124.1ドル高(+0.27%)と2日続伸し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.48%高、0.94%高とともに3日ぶりに反発。主要3指数はそろって取引時間中と終値の史上最高値を更新した。景気敏感株が多い小型株指数のラッセル2000は2.51%高となり、約10カ月ぶりに取引時間中の史上最高値を更新。終値では2021年11月以来の最高値更新となった。引け後の動きでは予想を上回る決算を発表したフェデックスが時間外で5%超上昇した。
今晩は底堅い展開か。FOMCの結果を受けて年内の利下げ継続見通しが引き続き支援となることが期待されるほか、半導体株やAI関連株の上昇モメンタムが強まったこと、昨日の引け後に予想を上回る決算を発表したフェデックスの大幅高が見込まれることも追い風となりそうだ。ただ、主要3指数とラッセル2000が史上最高値を更新したことで高値警戒感が意識され、週末を控えた持ち高調整売りが上値の重しとなりそうだ。
今晩は主要な米経済指標や企業決算の発表はなし。
欧州連合(EU)はロシアへの追加制裁として、化学物質や金属、塩類など新たな品目の輸出禁止を検討している。フォン・デア・ライエン欧州委員長はロシアの資産凍結案を近日中に提示し、加盟国に新制裁への支持を促す方針。またカラス上級代表はロシアを支援する中国企業への規制強化を提案した。さらにロシアの決済ネットワーク「MIR」対象拡大や、2027年1月から天然ガス輸入禁止の前倒しも検討されている。仮想通貨プラットフォームへの規制も強化される見通し。
中国共産党に関する米下院特別委員会のモーレナー委員長(共和党)は18日、トランプ大統領に対し、国防や先進的製造に不可欠なレアアースや磁石の供給を中国政府が締め付けている問題に対処するため、米国と同盟国が協調し、中国の航空会社に離着陸を制限するなどの措置を講じるよう求めた。「米国と同盟国が協調して行動することで、連帯を強化し、中国に対して真の交渉力を持つことができる」とモーレナー委員長はトランプ氏宛ての書簡で述べた。
同書簡で提案された措置は次の通り。
◇中国がレアアースや磁石の完全かつ非差別的な輸出を再開するまで、中国の航空会社による米国および同盟国での着陸権を制限・停止する。
◇輸出管理政策を見直し、中国への民間航空機、部品、保守サービスの販売を規制する。
◇主要同盟国と協調し、中国の航空分野への対外投資を制限する。
モーレナー委員長は、ロシア支援を理由に中国に関税を課すため主要7カ国(G7)を結集させたトランプ氏の指導力や、米国の重要鉱物の供給網を強化する動きを称賛した。その上で、中国政府との協議における米国と同盟国の交渉力をさらに高めるための追加措置を呼びかけた。
SMBC日興証券では、家計の現金・預金残高の頭打ちが鮮明となっていることに注目している。SMBC日興では家計がリスク資産を保有する傾向が強まっていることが影響しているとみている。家計の金融資産残高は2239兆円と過去最高で、可処分所得のうち消費に使われなかった割合を示す家計の貯蓄率は、足元でコロナ前の水準を上回って推移しているとのこと。こうした状況から、消費の本格的な回復に向けては賃金上昇による可処分所得の増加だけではなく、家計が所得から消費に振り向ける割合を高めるような需要喚起策が必要とSMBC日興では考えている。
(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.94円(19日15時時点比△0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.85円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1751ドル(▲0.0022ドル)
FTSE100種総合株価指数:9216.67(前営業日比▲11.44)
ドイツ株式指数(DAX):23639.41(▲35.12)
10年物英国債利回り:4.715%(△0.039%)
10年物独国債利回り:2.748%(△0.022%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独生産者物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.5% ▲0.1%
8月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) 0.5% 0.5%・改
(前年比) 0.7% 0.8%・改
8月英小売売上高(自動車燃料除く)
(前月比) 0.8% 0.4%・改
(前年比) 1.2% 1.0%・改
9月仏企業景況感指数
96 96
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は持ち直した。植田和男日銀総裁は金融政策決定会合後の記者会見で「今後の金融政策、もう少しデータを見たい」「経済の下振れリスク、そこそこある」などと述べ、追加利上げの時期については言及しなかった。欧州勢参入後は徐々に円売り・ドル買いが増え、下値を切り上げた。NYの取引時間帯に入ると、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが優勢となり、22時前に一時148.28円と8日以来の高値を付けた。
ただ、200日移動平均線が位置する148.65円付近がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
なお、トランプ米大統領と習近平・中国国家主席はこの日、電話会談を実施。両首脳は来月韓国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に直接会談することで合意した。また、中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を巡る取引で進展があったとの認識も示した。
・ユーロドルはじり安。今週17日に一時1.1919ドルと2021年6月以来約4年3カ月ぶりの高値を付けたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りが出やすかった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると、前日の安値1.1750ドルを下抜けて一時1.1729ドルまで値を下げた。
なお、今週16日に米連邦準備理事会(FRB)理事に就任した米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長のミラン氏は「関税による目立ったインフレの兆候は見られない」などと話し、16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを主張したことの正当性を訴えた。
・ポンドドルは一時1.3463ドルまで下落した。英国立統計局(ONS)が発表した4-8月の公的部門借入が公式予測を大幅に上回ると、英財政悪化への懸念が高まりポンド売りが出た。
・ユーロ円は戻りが鈍かった。日銀金融政策決定会合後に一時173.48円まで売られたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり17時前に174.17円付近まで下げ渋った。ただ、そのあとは173.66円付近まで再び弱含んだ。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。前日の米国株高の流れを引き継いで買いが先行したものの、上値は限定的だった。週末を控えたポジション調整目的の売りが出ると小幅ながら下げた。BTグループやインフォーマなど電気通信サービス株が売られたほか、ロイズ・バンキング・グループやバークレイズなど金融株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反落。前日の米国株相場が史上最高値を更新したことが好感されて独株にも買いが先行した。ただ、週末を控えたポジション調整目的の売りが出ると下げに転じた。個別ではザランド(3.67%安)やシムライズ(3.15%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(2.06%安)など下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.95円(前営業日比▲0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.81円(▲0.63円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1746ドル(▲0.0042ドル)
ダウ工業株30種平均:46315.27ドル(△172.85ドル)
ナスダック総合株価指数:22631.48(△160.76)
10年物米国債利回り:4.12%(△0.02%)
WTI原油先物10月限:1バレル=62.68ドル(▲0.89ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3705.8ドル(△27.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに小反落。日銀は今日まで開いた金融政策決定会合で市場予想通り政策金利を現行の0.50%に据え置くことを決めたと発表。ただ、2名の審議委員(高田委員・田村委員)が0.75%への利上げを主張したことが伝わると円買い・ドル売りが優勢に。東京午後には一時147.20円まで値を下げた。
もっとも、植田和男日銀総裁が会合後の記者会見で「今後の金融政策、もう少しデータを見たい」「経済の下振れリスク、そこそこある」などと述べ、追加利上げの時期について言及しなかったことが分かると、徐々に円売り・ドル買いが増えた。NY市場に入ると、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが優勢となり、22時前に一時148.28円と8日以来の高値を付けた。
ただ、そのあとは200日移動平均線が位置する148.65円付近がレジスタンスとして意識されたため上値が重くなった。
・ユーロドルは3日続落。今週17日に一時1.1919ドルと2021年6月以来約4年3カ月ぶりの高値を付けたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りが出やすかった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると、前日の安値1.1750ドルを下抜けて一時1.1729ドルまで値を下げた。
なお、今週16日に米連邦準備理事会(FRB)理事に就任した米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長のミラン氏は「関税による目立ったインフレの兆候は見られない」などと話し、16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを主張したことの正当性を訴えた。
・ユーロ円は反落。日銀金融政策決定会合後に一時173.48円まで売り込まれた影響が残った。ただ、NY市場に限ればドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も連日で過去最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が今後も利下げを継続するとの見方が引き続き買いを促した。米中首脳が今後も対話を続ける姿勢を示したことも好感された。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、史上最高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たものの、本日は主要な米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、大きな方向感は出なかった。
・原油先物相場は3日続落。今週のFOMC後に為替相場でドルの堅調地合いが続いていることもドル建ての原油先物の重しとなった。また、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による増産が引き続き相場の重しとなった。
・金先物相場は3日ぶり反発。17日のFOMC結果公表後に米長期金利の上昇とドル高が重しとなり、調整の売りに押されたが、FRBの利下げが続くとの観測が高いこともあり、金先物の堅調地合いは変わっておらず、安値拾いの買いが入った。
一部報道が伝えたところによると、南アフリカと米国は貿易交渉の妥結に向けたロードマップで合意したという。
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(賛成7反対2)
無担保コールレート (オーバーナイト物) を、0.5%程度で推移するよう促す。
2. 日本銀行が保有するETFおよびJ-REITについて、市場に攪乱的な影響を与えることを回避する等の基本方針を踏まえ、「金融機関から買入れた株式」の売却と同程度の規模で、市場への売却を行うことを決定した(全員一致) 。
3.わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。海外経済は、各国の通商政策等の影響を受けて一部に弱めの動きもみられるが、総じてみれば緩やかに成長している。 輸出や鉱工業生産は、一部に米国の関税引き上げに伴う駆け込みとその反動の動きがみられるが、 基調としては横ばい圏内の動きを続けている。企業収益は、製造業において関税による下押しの影響がみられるが、全体としては高水準を維持している。設備投資は緩やかな増加傾向にある。個人消費は、物価上昇の影響などから消費者マインドに弱さがみられるものの、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移している。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、 賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで、米などの食料品価格上昇の影響等から、足もとでは2%台後半となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。
先行きのわが国経済を展望すると、各国の通商政策等の影響を受けて、海外経済が減速し、わが国企業の収益なども下押しされるもとで、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、成長ペースは鈍化すると考えられる。その後については、海外経済が緩やかな成長経路に復していくもとで、成長率を高めていくと見込まれる。 消費者物価(除く生鮮食品)については、このところの米などの食料品価格上昇の影響は減衰していくと考えられる。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、成長ペース鈍化などの影響を受けて伸び悩むものの、その後は、成長率が高まるもとで人手不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。
リスク要因としては様々なものがあるが、とくに、各国の通商政策等の今後の展開やその影響を受けた海外の経済・物価動向を巡る不確実性は高い状況が続いており、その金融・為替市場やわが国経済・物価への影響については、十分注視する必要がある。
ETFおよびJ-REITの処分について
当分の間、以下のとおり、当該売却と同程度の規模(市場全体の売買代金に占める売却割合は0.05%程度) で、保有するETF等の売却を行うこととした。
1. ETFについては、年間3,300億円程度のペースで、取引所市場で形成される価格にもとづき、市場への売却を行う。
2.J-REITについては、年間50億円程度のペースで、取引所市場で形成される価格にもとづき、市場への売却を行う。
3. ETF、J-REITともに、上記の売却ペースのもとで、時期の分散に配慮しつつ、各銘柄の保有割合におおむね比例的なかたちで売却する。
(日銀HPより抜粋)
【処分の基本方針】
・市場の情勢を勘案し、適正な対価による処分を目指す
・日本銀行の損失発生を極力回避する
・市場に攪乱的な影響を与えることを極力回避する
【「金融機関から買入れた株式」の処分の経験】
金融システムの安定確保のために買入れた株式を、市場に大きな影響を与えることなく、本年7月に処分を完了。
1.「金融機関から買入れた株式」の売却と同程度の規模で市場へ売却
年間の売却ペース
・株式(実績)
簿価1500億円程度(時価6200億円程度)
・ETF
3300億円程度(時価6200億円程度)
・J-REIT
50億円程度(時価55億円程度)
市場全体の売買代金に占める売却割合
それぞれ0.05%程度
* 時期の分散に配慮しつつ、各銘柄の保有割合におおむね比例的なかたちで売却
2. 市場の安定に配慮した仕組み
上記の売却ペースのもとで、市場の状況に応じて売却額の一時的な調整や停止を行うことができる仕組み 。基本方針や今後の売却の経験を踏まえ、金融政策決定会合において売却ペースが見直されることがある。
3. 所要の準備が整い次第、処分を開始する予定
※日銀HPより
19日09:15 加藤財務相
「他国の金融政策についてはコメント控える」
「米国の経済情勢が日本経済に及ぼす影響を注視する」
19日12:50 日本銀行声明
「政策金利の現状維持、賛成7対反対2」
「政策金利の現状維持、反対は高田委員と田村委員」
「ETF・REITの売却開始を決定」
「予想物価上昇率は緩やかに上昇している」
「田村委員、0.75%への利上げ議案を提出 反対多数で否決」
「景気は一部に弱めの動きがみられるが、緩やかに回復」
「ETF・REITの売却、全員一致で決定」
19日14:25 高市前経済安全保障担当相(自民党総裁選出馬公約)
「ガソリン暫定税率の廃止を急ぎ、地方財源も確保する」
「所得税の年収の壁を引き上げる」
「給付付き税額控除の制度設計に着手」
「日本の国力を総合的に強くしなければならない」
「防衛力の裏付けのない外交は弱い」
「あくまでもどこまでも経済成長を追い求める」
「最もやりたいことは大胆な危機管理投資と成長投資」
「世界の潮流は緊縮財政ではなく責任ある積極財政」
「戦略的な財政出動は雇用所得を増やし消費マインドを改善」
「税収が自然増に向かい、恩恵は未来の納税者に及ぶ」
「社会保険料を軽減し、手取りが増えるようにする」
19日15:38 植田日銀総裁
「経済、物価、金融情勢に応じて適切の金融政策を運営」
「現在の実質金利は極めて低い水準」
「経済・物価の改善に応じて政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整していく」
「ETF売却、特定の株価水準を念頭に置いての判断ではない」
「ETF・JREIT売却、単純計算で100年以上かかる」
「緩和ツールとしてのETF買い入れ、現状では視野に入れていない」
「今後の金融政策、もう少しデータを見たい」
「今朝発表のCPI、我々の見通しに沿ったもの」
「食品インフレが長引いた際に基調物価を引き上げるリスクもある」
「ベッセント米財務長官の日銀政策への発言、コメント控える」
「経済の下振れリスク、そこそこある」
19日18:03 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「ECBは2%未満のインフレを長期間容認することはできない」
「2028年のインフレ予測は2%を下回ると予想」
「インフレリスクは依然として下方向にあると見ている」
「今週の利下げを支持した」
「失業率の急上昇リスクは何らかの対策を正当化する」
「中立金利は3.1%に上昇した可能性が高い」
「金融政策はこれまで考えられていたほどタイトではなかった」
「今年あと2回、各0.25%の利下げが妥当と見ている」
「もし労働市場が予想以上に悪化すれば、さらに早く利下げすることもできる」
「逆に、労働市場が底堅かったりインフレが上昇した場合は、政策金利を据え置くべき」
19日23:55 習近平・中国国家主席
「米中の関係は重要」
「米国は貿易を制限する措置を取るべきではない」
「米国に一方的な貿易措置を取らないよう要求」
20日00:14 ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事
「住宅価格の下落はデフレーションを促すだろう」
「FOMCでどのように投票するかトランプ大統領と話さなかった」
「FRBの金利は中立からかなり遠い」
「米国は中立金利を維持すべきだ」
「ドルの価値はFRBではなく、大統領と財務長官が決めるべき」
20日00:31 トランプ米大統領
「習近平・中国国家主席は適切な時期に米国を訪問する計画」
「APECサミットで習近平・中国国家主席と会談することに同意」
※時間は日本時間
◆豪ドル、8月CPIに注目
◆NZドル、四半期GDPの失速で金利先安観広がる
◆ZAR、SARBは金利据え置きを決定
予想レンジ
豪ドル円 95.50-99.00円
南ア・ランド円 8.40-8.80円
9月22日週の展望
豪ドルは伸び悩む展開となりそうだ。来週は24日に8月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。豪準備銀行(RBA)は金融政策を決定する際の判断材料として四半期ベースのインフレ率を重視していることを示唆しているものの、次回のRBA理事会(29-30日)の前に発表される最後のインフレ統計であるため、直近の豪インフレ動向を確認するための指標として注目が集まっている。
なお、今週に発表された8月雇用統計では常勤雇用者数の大幅減が明らかとなり、市場予想に反して新規雇用者数は減少した。RBAは前回の理事会(8月11-12日)で利下げを決めた際に、金利引き下げの根拠の一つとして労働市場の状況が若干緩和していることを挙げており、豪雇用指標がさえない結果となったことで、一時後退していた豪金利先安観が再び広がる可能性もある。現在の金利先物市場では年内にあと1回程度の利下げしか織り込んでいない状況だが、来週のCPIなどを受けて再び利下げ期待が高まるか確認しておきたい。
隣国のニュージーランド(NZ)では今週発表された4-6月期国内総生産(GDP)が予想比で大きく下振れる結果となり、NZの金利先安観が広がった。金利先物市場ではNZ準備銀行(RBNZ)の年内2回の利下げをすでに100%織り込んでいるほか、来年前半までに政策金利が2.25%まで低下すると見込んでいる。RBNZの中心的な予測によると、現在の利下げ局面での着地点は2.50%程度となっているが、市場での急速な利下げ期待の高まりは今後もNZドルの重荷となる可能性が高い。
南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅い展開となりそうだ。今週開催された南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策決定委員会(MPC)では、政策金利が7.00%での据え置きとなった(決定は4対2、2名が0.25%の利下げを主張)。SARBは今後数カ月でインフレ率が約4%まで上昇すると予測しており、今年の平均は3.4%、2026年は3.6%になると見込んでいる。SARBが実質的なインフレ目標と設定した3%を当面は上回る見込みとなっており、南アの金利先安観は後退。市場では「SARBは今後の利下げに慎重な姿勢を取る可能性が高い」との見方が広がっている。また、SARBは今年の経済成長率見通しを従来の0.9%から1.2%に引き上げており、南ア経済の景気見通し改善もZAR相場を下支えしそうだ。
9月15日週の回顧
豪ドルは対円では弱含み。豪雇用統計がさえない結果となったことも重しとなり、97円台半ばまで値を下げた。対ドルでは米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表直後に0.67ドル台まで値を上げたが、その後は伸び悩んだ。
ZARは対円で底堅い動きとなり、一時8.53円の年初来高値に面合わせした。対ドルでも年初来のZAR高水準を更新する場面があったものの、週末にかけては買いが一服した。
◆ポンド、英政策金利据え置き 追加利下げのタイミングは不透明
◆ポンド、英中銀は量的引き締めペースの縮小を決定
◆加ドル、政策金利は約3年ぶりの低い水準となり、利下げサイクルは終盤との見方も
予想レンジ
ポンド円 198.00-203.00円
加ドル円 105.50-109.00円
9月22日週の展望
ポンドは、イングランド銀行(英中銀、BOE)の次の一手が不透明感を増す中、円相場やドル相場全般の強弱で上下することになりそうだ。
英中銀は18日に金融政策委員会(MPC)の結果を公表し、政策金利は市場予想通り4.00%で据え置いた。MPCメンバーの投票では9人中2人が0.25%の利下げを主張したが、こちらも想定内とされた。中銀は、インフレ率が9月の4%を上限に減速し、2027年には目標の2%まで低下するとの見通しを維持。しかしながら、声明では「中期的なインフレ圧力は上振れリスクが依然として目立つ」ことも指摘。今後の利下げについては「段階的かつ慎重に進める」とした。現状の高金利は既に弱っている英国経済へさらに負担をかけるものの、金融緩和はインフレを加速させる可能性もあるため、中銀は政策判断に今後も苦慮することになるだろう。
また、英中銀は今回の会合で、量的引き締め(QT)のペースを緩めることを決定した。2021年まで約12年間購入してきた国債の売却について、これまでの年間1000億ポンドから、一部市場予想より少ない700億ポンドに縮小した。この決定を受けて為替はポンド売りで反応したものの、今後も影響を見極める必要があるだろう。なお、英長期債利回りが高い水準にある中、売却による市場への波及を軽減させるため、長期債の売却比率を他年限よりも低くするもようだ。
来週の主な経済指標は、9月の購買担当者景気指数(PMI)速報値のみ。8月の改定値は製造業が47.0、サービス部門が54.2と50を挟み強弱分かれる結果だった。
加ドルは、カナダ中銀(BOC)の政策金利が、「今回の利下げサイクルにおける最終到達点(ターミナルレート)に近づいている」との見通しが市場に浸透するかに注目したい。
BOCは17日、市場予想通りに政策金利を0.25%引き下げて2.50%にすることを決定した。利下げは4会合ぶり、金利水準は2022年7月以来の低さとなる。要因としては、「雇用の急速な悪化、経済の縮小、基調的なインフレ圧力の後退、米国発の関税などによる輸出・供給面の不確実性」などが挙げられた。ただ、声明では今回、7月会合で示された追加利下げの必要性に関する言及が削除され、マックレム総裁も「金融政策は会合ごとに判断していく」と慎重なスタンスを強調した。金融イベントを経て、ターミナルレートを2.25%とする見方が広がりつつある。
9月15日週の回顧
ポンド円は週明け200円台で買いが先行。ドル円が下落したタイミングで下押すも、199円半ばでは支えられた。英中銀の金利発表前に買いが強まると、一時2024年7月以来の高値201.27円まで上げ幅を広げた。ポンドドルは、米国の利下げで1.3720ドル台まで上昇したところから失速。英中銀QTペースの減速を受けて1.35ドル前半まで下落した。
加ドルは対円で107円台乗せから106円割れまで売られるも、ドル円の上昇につれて107円半ばまで切り返した。対ドルでは、1.38加ドル半ばから1.37加ドル前半まで加ドル高に振れた。
◆ドル円、過度な米利下げ観測後退で今後は米指標に注目
◆ドル円、自民党総裁選の行方にも引き続き警戒
◆ユーロドル、ECBの利下げ休止観測から底堅さを維持
予想レンジ
ドル円 146.50-150.00円
ユーロドル 1.1650-1.2000ドル
9月22日週の展望
ドル円は、下値の堅い動きとなりそうだ。16-17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げが決定されたが、0.50%利下げを主張したのが就任したばかりのミラン米連邦準備理事会(FRB)理事のみ。また、パウエルFRB議長も定例記者会見で「今回の決定はリスク管理の利下げ。政策は会合ごとに決定していく」と今後の利下げを明確に示唆することもなく、予想していたほどハト派的な内容ではなかった。四半期に一度の金利見通し(ドットチャート)でも、年内残り2回の利下げと市場予想と一致していたほか、2026年の利下げは1回と緩和ペースを緩める姿勢を示した。足元で米利下げ期待を背景にしたドル安が加速していたこともあり、今後は今までのようなドル売りを仕掛けづらくなったと言えるだろう。
ただ、FRB議長が雇用に対する下振れリスクを強調したように、今後は経済データに市場の関心がシフトしていくとみられる。特に、米雇用関連の指標に注目が集まることになりそうだ。来週は、23日に9月購買担当者景気指数(PMI)速報値、25日に4-6月期国内総生産(GDP)確定値や新規失業保険申請件数、26日に8月PCEデフレータなどの発表が予定されている。
また、自民党総裁選の行方にも注目したい。10月4日の投開票を控えて、財政出動と金融緩和政策を支持するハト派の高市氏と、石破政権の政策を引き継ぐと思われる小泉氏の一騎打ちとなることが想定されている。市場では、高市氏なら円安、小泉氏なら円高との認識が強く、関連する報道などに為替相場は一喜一憂しそうだ。
ユーロドルは、引き続き底堅さを維持するとみている。今週は各国の中銀総裁から利下げについて否定的な発言が相次ぐなど、欧州中央銀行(ECB)の利下げ休止観測が一段と高まっている。過度な米利下げ期待がいったん後退したことで、スピードは緩やかになる可能性はあるが、引き続き堅調地合いが続きそうだ。7月の年初来高値を更新し、約4年ぶりの高値を付けたこともあり、テクニカル的にも買いが出やすい状況となっている。
9月15日週の回顧
ドル円は下値が堅い。米利下げ観測が一段と高まるなかで週前半から売られる展開となった。FOMC後に予想通り0.25%の利下げが決定すると一時145.49円と7月7日以来の安値を付けた。もっとも、声明文や金利見通しが想定ほどハト派ではなかったことから、米長期金利が一転して急騰すると、つれるかたちで148.27円まで反発した。
ユーロドルは伸び悩み。欧米金融政策の違いからユーロ買い・ドル売りが強まり、一時1.1919ドルと2021年6月以来約4年3カ月ぶりの高値を付けた。ただ、FOMC後はドルの買い戻しが目立ったため1.1750ドルまで失速した。
19日の日経平均は反落。終値は257円安の45045円。米国株高や円安進行を受けて、寄り付きは300円を超える上昇。開始直後には上げ幅を500円以上に広げて45800円台に乗せた。早い時間に高値をつけた後は伸び悩んだものの、前場は300円を超える上昇で終えた。
昼休みのうちには日銀金融政策決定会合の結果は出ず、後場は政策変更への警戒から早々に失速。日銀は政策金利は据え置いたものの、保有するETFとREITを市場で売却することを決定した。据え置きの決定は賛成7、反対2となり、利上げを支持した委員がいたことも判明。議論の中身はタカ派的と受け止められ、結果発表直後の指数は下方向への勢いを強めた。
45000円の節目はあっさり割り込み、安いところでは800円を超える下落となって44500円を割り込んだ。ただ、売却の規模自体のインパクトはそれほど大きくないとの見方が強まり、13時台半ば辺りからは切り返した。結局、200円を超える下落となったものの、終値では45000円を上回った。
東証プライムの売買代金は概算で8兆7500億円とかなりの高水準。業種別では銀行、卸売、証券・商品先物などが上昇した一方、その他製品、サービス、精密機器などが下落した。フランス眼鏡大手のエシロール・ルックスオティカによる保有株買い増しが判明したニコン<7731.T>が急伸。半面、日銀のETF売却方針決定を受けて、指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>が後場に入って大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり649/値下がり917。レーザーテックが全市場の売買代金トップとなって12.5%高と急騰。米インテル株の急騰を受けて、インテル向けのパッケージ基板を手がけるイビデンが買いを集めた。証券会社が投資判断を引き上げた川崎重工が大幅上昇。さくらネットがリリースを材料に連日で値を飛ばした。日銀会合を受けて早期利上げの可能性が意識されたことから、三菱UFJや三井住友など銀行株に資金が向かった。
一方、任天堂、ソニーG、スクエニなどゲーム関連が軟調。半導体株は高寄り後に失速する銘柄が多く、ソシオネクストが大きめの下落となった。足元の動きが良かったTDKや太陽誘電が上を試した後にマイナス転換から下げ幅を拡大。大阪チタニウムと東邦チタニウムのチタン2社がそろって大幅安となった。
日銀は保有しているETFとREITを市場で売却することを決定した。日経平均、REIT指数ともに高い水準で推移しているだけに、このタイミングでの決定は妥当な判断。ただ、これまでの日銀のコミュニケーションからすると、唐突感が強い。足元の日本株は堅調に推移していたのだから、メディアを上手に使って事前にその可能性を市場に織り込ませておけば、今回の決定も冷静に消化できたと思われる。日銀は市場参加者に「油断するなよ」とのメッセージを送りたかったのかもしれないが、発表が一時的にせよ株価の急落を招いたことで、日本株の高値警戒感が意識されやすくなった点には注意を払う必要がある。
【来週の見通し】
一進一退か。火曜が休場で立ち合いは4日。日銀が保有ETFの市場売却を発表して19日の後場に日経平均が崩れているだけに、上値追いには慎重になると思われる。その手前まで強かった半導体株には利益確定売りが出やすくなるかもしれない。ただ、仮に半導体株の上値が重くなったとしても、市場は買い材料をアグレッシブに探しにいく公算が大きい。9月の権利取り(権利付き最終日は金曜26日)に向けた駆け込み買いは期待できるほか、自民党総裁選をにらんだテーマ株物色も盛り上がりやすい。大型株が案外であれば中小型株に資金が向かうだろうし、IPOではオリオンビールの上場(25日)もある。日本株全体では物色意欲は衰えず、下値も限られると予想する。
23日
○秋分の日の祝日で休場
25日
○08:50 ◇ 8月企業向けサービス価格指数
○08:50 ☆ 7月30-31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
26日
○08:30 ◎ 9月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
22日
○10:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、議会証言
○17:30 ◎ 8月香港消費者物価指数(CPI)
○21:30 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○21:30 ◇ 8月カナダ鉱工業製品価格
○21:30 ◇ 8月カナダ原料価格指数
○22:45 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:45 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 9月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○23:00 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○23日01:00 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○23日01:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○23日01:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○23日01:00 ◎ ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23日03:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
23日
○14:00 ◎ 8月シンガポールCPI
○16:15 ◎ 9月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○16:15 ◎ 9月仏サービス部門PMI速報値
○16:30 ◎ 9月独製造業PMI速報値
○16:30 ◎ 9月独サービス部門PMI速報値
○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表
○17:00 ◎ 9月ユーロ圏製造業PMI速報値
○17:00 ◎ 9月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ 9月英製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 9月英サービス部門PMI速報値
○21:30 ◎ 4-6月期米経常収支
○22:40 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○22:45 ◎ 9月米製造業PMI速報値
○22:45 ◎ 9月米サービス部門PMI速報値
○22:45 ◎ 9月米総?⑰MI速報値
○23:00 ◎ 9月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○23:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、インタビュー
○23:25 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○24日02:00 ◎ 米財務省、2年債入札
○国連総会一般討論演説(ニューヨーク、29日まで)
○10:30 ◎ 8月豪CPI
○17:00 ◎ 9月独Ifo企業景況感指数
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○23:00 ☆ 8月米新築住宅販売件数
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○25日01:30 ◎ グリーン英中銀MPC委員、講演
○25日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○25日05:10 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、あいさつ
○南アフリカ(伝統文化継承の日)、休場
25日
○15:00 ◇ 10月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
○15:45 ◇ 9月仏消費者信頼感指数
○16:30 ☆ スイス国立銀行(中央銀行、SNB)、政策金利発表
○17:00 ◇ 7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○18:30 ◇ 8月南アフリカ卸売物価指数(PPI)
○21:20 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○21:30 ◇ 8月米卸売在庫
○21:30 ☆ 4-6月期米国内総生産(GDP)確定値
◎ 米個人消費/コアPCE確定値
○21:30 ◎ 8月米耐久財受注額
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○23:00 ◎ 8月米中古住宅販売件数
○26日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○26日02:40 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○26日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表
26日
○21:00 ◇ 8月メキシコ貿易収支
○21:30 ☆ 7月カナダGDP
○21:30 ◎ 8月米個人消費支出(PCE)
◎ 8月米個人所得
☆ 8月米PCEデフレーター
☆ 8月米PCEコアデフレーター
○23:00 ◎ 9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
○23:00 ◎ ボウマンFRB副議長、討議に参加
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
<国内>
特になし
<海外>
○10:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、議会証言
○17:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○17:30 ◎ 8月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.1%)
○21:30 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○21:30 ◇ 8月カナダ鉱工業製品価格
○21:30 ◇ 8月カナダ原料価格指数
○22:45 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:45 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 9月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲15.0)
○23:00 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○23日01:00 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○23日01:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○23日01:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○23日01:00 ◎ ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23日03:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○第80回国連総会(ニューヨーク、23日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが優勢となり148.28円と8日以来の高値を付けるも、200日移動平均線がレジスタンスとして意識されたため上値が重くなった。ユーロドルは週末を控えたポジション調整目的の売りが出やすい中、1.1729ドルまで値を下げた。
本日の東京時間では、本邦では主だった指標発表や要人発言が予定されておらず、手掛かり材料に乏しい。そうした中、前週に日米の金融政策イベントを消化した直後であることや、来月4日投開票の自民党総裁選まで時間があることから、ドル円は株や長期金利を眺めながら方向感を模索することになるか。
前週末の日経平均はタカ派的な日銀金融政策決定会合を受けて売られるも、その後の先物では下げが一服。米株主要3指数はそろって史上最高値を更新しており、市場には楽観的なムードも漂う。そうした流れを引き継いで日経平均が堅調地合いを維持するようならば、ドル円が上値を伸ばすことも考えられる。その際は前週末の上伸を阻んだ200日移動平均線(本日は148.61円付近)が意識されるだろう。
また、前週末に発表された商品先物取引委員会(CFTC)の円ポジションでは、円の買い持ち(ロング)が3万枚超減少してネットでは6万1411枚のロングとなっており、潜在的な円買い圧力が低下している点も見逃せない。
他方、本邦の長期金利の動向は気になるところ。前週末は日銀金融政策決定会合で2人の委員が0.25%利上げを主張したことで、10年債利回りは早期利上げを織り込む形で一時1.640%まで上昇した。早期利上げ期待が一段と高まるようなことがあれば、金利上昇から円買い圧力が強まる展開もあり得る。
また、本日は時刻未定ながら自民党総裁選が告示され、4日の投開票に向けて選挙戦が繰り広げられる。立候補が予定されている5名からの発言を受けて株価が反応すれば、為替相場に波及することも考えられる。そのほか、世論調査の結果にも注意を払いたい。
他方、豪州ではブロック豪準備銀行(RBA)総裁の議会証言が予定されている。現在、市場ではRBAの利下げは年内に一度程度が織り込まれている。次回RBA理事会を29-30日に控え、インフレに関する発言があれば豪ドル相場を動かす恐れがある。
豪インフレと共に気になるのが、雇用についてのRBA総裁の見解。前回(8月11-12日)のRBA理事会で利下げを決めた際に、金利引き下げの根拠の一つとして労働市場の状況が若干軟化していることを挙げていたが、18日の8月雇用統計では常勤雇用者の減少により新規雇用者数が減少したほか、労働参加率も66.8%と7月の67.0%より低下するなど、弱い内容であったためである。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 45050 +320 (+0.71%)
TOPIX先物 3136.5 +18.5 (+0.59%)
シカゴ日経平均先物 45005 +275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
19日の米国市場は、NYダウ、 S&P500https://us.kabutan.jp/indexes/%5ESPX/chart、ナスダックの主要な株価指数が上昇した。米連邦準備理事会(FRB)は17日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決め、年内2回の会合で0.25%ずつ利下げをするとの見方が引き続き買いに向かわせた。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は電話協議を行い、「TikTok」の米国事業売却の問題について最終的な合意には至らなかったものの、今後も対話を続ける姿勢を示したことも材料視された。
S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、自動車・同部品、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、耐久消費財・アパレル、エネルギー、食品・生活必需品小売が下落。NYダウ構成銘柄では、アムジェン<AMGN>、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が買われた。半面、ナイキ<NKE>、シェブロン<CVX>、ウォルマート<WMT>、ウォルトディズニー<DIS>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比275円高の4万5005円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比100円高の4万4830円で始まった。寄り付きを安値にロング優勢の流れとなり、4万5100円まで上昇。米国市場の取引開始後に4万4840円まで上げ幅を縮めたが、中盤以降は4万4900円から4万5050円辺りでの保ち合いを継続し、4万5050円でナイトセッションの取引を終えている。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日銀は19日の金融政策決定会合で政策金利を据え置く一方、保有する上場投資信託(ETF)の売却を決定した。これがトリガーとなってショートが入り、一気に4万4250円まで急落する場面もみられた。終盤にかけてカバーが入ったことで4万4730円まで下げ幅を縮めて終えたが、4万5000円を上回る局面では売り買いが交錯しやすくなっただろう。
日経225先物は19日の荒い値動きでは4万5660円まで買われ、ボリンジャーバンドの+3σ(4万6070円)が意識された後に、+1σ(4万4130円)に接近する形だった。バンドは上向きで推移しているが、+2σ(4万5310円)が抵抗線として意識されそうだ。そのため、節目の4万5000円での底堅さがみられたとしても、+2σに接近する局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。
一方で、きょう自民党総裁選挙が告示される。各候補の財政政策姿勢や成長戦略に対する市場の関心が集まると考えられ、積極的なショートを仕掛けにくくさせよう。4万5000円固めから+2σとのレンジが意識されやすく、オプション権利行使価格の4万4875円から4万5375円でのレンジを想定する。
日銀のETF売却については市場が吸収できない規模ではないと考えられ、動揺は一時的とみられるが、神経質にさせる要因である。戻りの鈍さがみられるようだとショートを誘い込みやすいほか、祝日を挟むことでポジションを傾けてくる動きは考えにくく、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。そのほか、大きな変動によってレバレッジ型ETFによるヘッジ対応の動きなども警戒されてくる可能性には注意しておきたい。
19日の米VIX指数は15.45(18日は15.70)に低下した。18日には14.38まで下げて25日移動平均線(15.40)を割り込んだ後に切り返しており、この流れから16.13まで上昇する場面もあったが、その後下げに転じた。ボトム圏での推移であるが、足もとでやや変動幅が大きくなっている点は、神経質にさせそうである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.47倍まで上げる場面もみられ、1月高値の14.54倍に接近。ただし、日銀会合後にリバランスの動きが強まり、一時14.23倍まで下げて+2σ(14.32倍)を割り込む場面もあった。物色対象の変化が意識されるなか、+2σを明確に割り込んでくるようだと、リバランスの動きが強まる可能性はありそうだ。
東京市場は堅調か。先週末の米国株は上昇。ダウ平均は172ドル高の46315ドルで取引を終えた。利下げ継続に対する期待が強い中で堅調に推移。アップルやテスラなど主力グロース株の一角に強い動きが見られた。ドル円は足元147円90銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが275円高の45005円、ドル建てが370円高の45100円で取引を終えた。
米国株の上昇を好感した買いが入ると予想する。先週金曜の日経平均は日銀会合の結果発表後に値を崩しており、高くなったところでは利益確定売りが出やすくなるとみる。ただ、米3指数はそろって史上最高値を更新しており、FOMCを通過した後の動きが強い。ドル円も落ち着いており、米国株の上昇基調が続くことで日本株もその恩恵を受けられるとの期待は高まる。場中はプラス圏でしっかりとした動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは44900-45400円。
日経225先物は11時30分時点、前日比760円高の4万5490円(+1.69%)前後で推移。寄り付きは4万5070円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万5005円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。直後につけた4万4990円を安値にロングの動きが強まり、一気に4万5460円まで急伸。買い一巡後は4万5350円~4万5450円辺りでの保ち合いを継続するなか、終盤にかけてレンジを上抜けており、4万5510円まで上げ幅を広げた。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]が上場来高値を更新したほか、出遅れ感のあったレーザーテック<6920.T>[東証P]が6月30日以来の年初来高値を更新。東京エレクトロン<8035.T>[東証P]は8月の急落局面で空けたマドを埋めてくるなど、半導体や人工知能(AI)関連株への資金流入が継続している。
日経平均株価が再び高値を意識したトレンドを形成するなかで、先物市場ではショートカバーを交えての上昇になった。ボリンジャーバンドの+2σ(4万5390円)を上回ってきており、同バンドをキープするようだと、一段とロングが強まる可能性はありそうだ。レバレッジ型ETFのヘッジ対応の動きも意識されそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.42倍に上昇した。14.38倍と上昇して始まり、+2σ(14.38倍)を上回ってきた。ハイテク株への資金流入により日経平均型優位の流れをみせており、改めて1月高値の14.54倍が意識されやすいだろう。
先週末のドル円は、日銀金融政策決定会合後の動きは、まさにFOMC後と同じ。発表直後こそ売り込まれたものの、その後は一転して買戻される結果となりました。発表直後のヘッドラインに反応した市場は、その政策の意味するところや、トップからの直接の会見などを経て、その方向性をしっかりと認識。
更には、週明けの東京市場で観測されているように、二つのビッグイベント終了といったイベントリスクの解消を受けた本来の実需のフローがしっかりと確認されているわけで、明日が休場となってしまう本邦実需の買いが断続的に持ち込まれているといったところです。チャート的にも、一目雲上限をしっかりと上抜けてきているなか、目先は200日MAに向けて改めて上値をトライし始めています。
いずれにしても、先週末CFTCが公表したCMEにおける投機筋の円ロングポジション(16日時点)は、何と前週から30232枚も減少した61411枚となったことが判明。ユーロドルが上抜ける動きにそって、ドル円も一目雲を下抜けていたわけですが、やはり、大元は日々コストを払わされ続けているポジションの解消へと本格的に舵を切ったことがわかります。翌日のFOMC直後には米短期勢を中心に再び売り込んでしまった可能性もありますが、このところ、グッドネームが揃って下値を拾い始めているように、大きな方向性は既に、言わずもがな、といえます。
週明けロンドンタイムは、欧州午後の英欧中銀チーフ・エコノミストの発言内容を見極めながら取引の展開か。ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフ・エコノミストが日本時間21時30分から、また22時45分からレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが講演予定。
ピル氏は、今月の政策金利が据え置かれた中銀会合で賛成票を投じた7名に含まれている。しかしながら、量的引き締め(QT)ペースを緩めることへの決定は、年間の国債売却額を1000億ポンドで維持すべきと反対した。ピル氏はインフレの高止まりリスクも指摘し続けており、本日の講演でも同氏からのタカ派的な見解が予想される。
先週末のポンドは欧州前半に売り圧力が強まった。きっかけは英国立統計局(ONS)が発表した4-8月の公的部門借入が838億ポンドと予算責任局(OBR)予測を大幅に上回ったこと。リーブス英財務相が11月に発表する秋季予算案では、経済成長と債務削減の狭間で難しい舵取りが求められそうだ。
ポンドは、ピル英中銀MPC委員兼チーフ・エコノミストの講演で戻りの強弱を確かめることになる。戻り限定となってしまえば、先週末の英財政不安を背景としたポンド売りが再燃してしまうだろう。
レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストの講演では、市場で高まるECBの利下げ打ち止め観測に関する意見が注目される。同チーフ・エコノミストは、以前から中道的なアプローチを提唱しており、インフレリスクについて上下のどちらにも過度に重きを置かないスタンスをとってきた。もし本日、どちらかのリスクに言及した場合、ユーロ相場の動意につながるだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、19日高値1.1793ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.3530ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、11日安値1.1662ドル
・ポンドドル、8月22日安値1.3391ドル
ドル円:1ドル=148.25円(前営業日NY終値比△0.30円)
ユーロ円:1ユーロ=174.04円(△0.23円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1738ドル(▲0.0008ドル)
日経平均株価:45493.66円(前営業日比△447.85円)
東証株価指数(TOPIX):3163.17(△15.49)
債券先物12月物:135.89円(▲0.21円)
新発10年物国債利回り:1.650%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。日経平均株価の堅調推移を受けて、投資家のリスク志向改善を意識した買いが先行した。米長期金利が足もとで上昇傾向にあるなか、日米金利差拡大への思惑も相場の支えとなって一時148.38円まで上昇。前週末高値の148.28円を上抜けたが、その後は買いも一服となった。
・ユーロ円も強含み。ドル円の上昇や日本株高を背景にした円売り・ユーロ買いが進み、174円台前半まで値を上げた。
・ユーロドルは小安い。米金利の上昇が相場の重しとなり、前週末安値の1.1729ドルを下抜けて、一時1.1726ドルまで下押しした。
・日経平均株価は反発。終値での史上最高値を更新した。前週末の米国株式相場が史上最高値を更新した流れを引き継いだ。前週末に日銀が上場投資信託(ETF)売却を決定した方針については冷静な受け止めが広がり、週明けの株式市場では相場を押し下げる材料にはならなかった。後場に入ると一時710円超高まで上昇する場面も見られた。
・債券先物相場は3日続落。日銀の早期利上げ観測を観測を手掛かりにした売りが出たほか、日経平均株価が堅調に推移したことも相対的に安全資産とされる債券相場の重しになった。
「ETFの売却を進める上で有益な知見が蓄積された。市場に攪乱的な影響を与えることを極力回避する」(植田日銀総裁)
2025年9月18日、日銀金融政策決定会合は政策金利0.50%の据え置きを決定し、上場投資信託(ETF:Exchange Traded Fund)を、来年初め頃から毎年3300億円売却していくことを決定した。
1.臨時措置としての上場投資信託(ETF)購入
2010年12月15日、日経平均株価が1万円前後で低迷していた頃、白川第30代日銀総裁は、「臨時、異例の措置」として、リスクプレミアム縮小を「旗印」に、上場投資信託(ETF)の購入を開始した。
2021年2月、日経平均株価は3万円台の大台に乗せたものの、黒田第31代日銀総裁は、「ETF買い入れの出口を検討する段階ではない」と表明していた。
日銀が、古今東西の中央銀行が回避している「株買い」の大義名分としている「リスクプレミアムの縮小」とは、株式益回りと国債利回りとの差である「イールドスプレッド」の縮小が想定されるが、拡大基調にあることで手段が間違っている可能性が指摘されている。
日銀によるETF購入の弊害として、業績の悪い企業の株も上昇する傾向にあること、ESG(環境・社会・企業統治)投資と矛盾していること、などが指摘されている。
・2010年12月:年間4500億円(※白川第30代日銀総裁)
・2013年4月:年間1兆円(※黒田第31代日銀総裁)
・2014年10月:年間3兆円
・2016年7月:年間6兆円
・2020年3月:年間12兆円
・2024年3月:新規買い入れを停止(※植田第32代日銀総裁)
・2026年1月頃:売却開始(※植田第32代日銀総裁)
2.日本銀行の上場投資信託(ETF)保有残高:37兆1861億円
日本銀行の2025年3月末(※日経平均株価:35617.56円)のETFの保有残高は37兆1861億円に膨らみ、日本株最大の株主となっている。
ETFの簿価は21000円程度なので、日経平均株価45000円では、時価85兆円程度となっており、含み益は約48兆円程度になる。
すなわち、簿価37兆円規模のETFを毎年3300億円(※3月末時点の時価換算:6200億円)売却していくと、約112年間かかることになる。
2020年、国立社会保障・人口問題研究所が最新の将来推計人口を発表したが、100年後の2120年には5000万人を割り、明治時代の人口まで減少することである。
日本銀行は過去半世紀、1971年のニクソン・ショック、1980年前後の石油ショック、1985年のプラザショック、1990年前後のバブルショックなどのショック時に、間違った金融政策を打ち出してきたが、今後100年に渡り、禍根を先送りしたのかもしれない。
大阪12月限
日経225先物 45320 +590 (+1.31%)
TOPIX先物 3139.5 +21.5 (+0.68%)
日経225先物(12月限)は前日比590円高の4万5320円で取引を終了。寄り付きは4万5070円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万5005円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。直後につけた4万4990円を安値にロングの動きが強まり、一気に4万5460円まで急伸。買い一巡後は4万5350円~4万5450円辺りでの保ち合いを継続するなか、前場終盤にかけてレンジを上抜けて4万5500円台に乗せると、後場の取引開始直後には4万5540円まで上げ幅を広げた。ただ、その後は祝日を前に持ち高調整とみられるロング解消の動きとなり、終盤にかけて上げ幅を縮めた。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]が上場来高値を更新したほか、出遅れ感のあったレーザーテック<6920.T>[東証P]が6月30日以来の年初来高値を更新。東京エレクトロン<8035.T>[東証P]は8月の急落局面で空けたマドを埋めてくるなど、半導体や人工知能(AI)関連株への資金流入が継続した。日経225先物は後場中盤以降に上げ幅を縮めたが、半導体株などは概ね高値圏での推移を続けていた。
また、先週末の日銀の金融政策決定会合では2人の審議委員が0.75%への利上げを主張したことで、利上げのタイミングが迫っているとの見方からメガバンクなどが買われていた。さらに、三井物産<8031.T>が著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社の保有比率が10%以上になったと発表しており、商社株への資金流入もみられるなかで、ショートを仕掛けにくくさせているだろう。
後場は持ち高調整となったが、祝日明けには改めてロングが入りやすいだろう。そのほか、自民党総裁選挙が告示され、10月4日投開票に向けては各候補の財政政策姿勢や成長戦略に対する市場の関心が集まると考えられ、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
ただし、ボリンジャーバンドの+2σ(4万5360円)を上回って終えることはできなかった。バンドは上向きで推移しているため、ナイトセッションでは4万5560円辺りまで切り上がってきている。バンドに沿った上昇を継続しているものの、+2σが抵抗として機能しているようだと、短期的には節目の4万5000円のほか、+1σ(4万4440円)辺りまでの調整を意識しておく必要はありそうだ。もっとも、+2σが抵抗として機能したとしても足もとでのハイテク株物色が継続している地合いにおいては、短期的なショートにとどめておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍に上昇した。14.38倍と上昇して始まり、一時14.44倍をつける場面もみられ、+2σ(14.39倍)を上回ってきた。ハイテク株への資金流入により日経平均型優位の流れをみせており、改めて1月高値の14.54倍が意識されやすいだろう。一方で、メガバンクや商社株への物色が強まってきたことで、目先的にはリバランスの動きが入る可能性はありそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8712枚、ソシエテジェネラル証券が1万2349枚、サスケハナ・ホンコンが5093枚、日産証券が2288枚、バークレイズ証券が2150枚、JPモルガン証券が1712枚、ゴールドマン証券が1450枚、野村証券が1267枚、モルガンMUFG証券が1215枚、ビーオブエー証券が1177枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万0727枚、ソシエテジェネラル証券が1万7584枚、JPモルガン証券が5810枚、バークレイズ証券が5661枚、モルガンMUFG証券が4426枚、サスケハナ・ホンコンが2371枚、ビーオブエー証券が2007枚、ゴールドマン証券が1708枚、みずほ証券が965枚、野村証券が905枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、プラザ合意40周年を迎える中、重要な経済指標の発表がないことで、欧米英金融当局の高官の講演を見極めつつ、トランプ米大統領の突発的な発言には警戒しておきたい。
またベッセント米財務長官が次期FRB議長候補に対する面接を行っており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
本日は、欧州中央銀行(ECB)のレーンECB専務理事、ナーゲル独連銀総裁、イングランド銀行のベイリーBOE総裁、ピル英MPC委員、米連邦準備理事会(FRB)のウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、ムサレム米セントルイス連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁、バーキン米リッチモンド連銀総裁、ミランFRB暫定理事らの講演が予定されている。
先週までの欧米英の中銀の金融政策決定を受けて、今後の金融政策への見解に注目しておきたい。
欧州中央銀行(ECB)理事会では、利下げサイクルの停止が打ち出され、イングランド銀行金融政策委員会(MPC)は7対2で据え置きが決定され、米連邦公開市場委員会(FOMC)では、ミランFRB暫定理事が0.50%の利下げを主張したものの、0.25%の利下げが決定されている。
ピル英MPC委員は、今月の政策金利が据え置かれた中銀会合で賛成票を投じた7名の一人だが、量的引き締め(QT)ペースを緩めることへの決定は、年間の国債売却額を1000億ポンドで維持すべきと反対していた。また、インフレの高止まりリスクも指摘し続けており、本日の講演でもタカ派的な見解が予想される。
また、本日は、プラザ合意(1985年9月22日)40周年を迎えるが、トランプ関税にも関わらず、米国の対外貿易赤字が減少していないことで、トランプ米大統領によるドル高是正に関する言及には警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ドル円の上値目処(めど)は、149.14円(9/3高値)
・ユーロドル、19日高値1.1793ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.3530ドル
想定レンジ下限
・ドル円の下値目処(めど)は、146.94円(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロドル、11日安値1.1662ドル
・ポンドドル、8月22日安値1.3391ドル
今週のNY市場はインフレ指標に注目。先週はダウ平均が481.05ドル高(+1.05%)と2週続伸し、S&P500が1.22%高、ナスダック総合が2.21%高とともに3週続伸。ラッセル2000は2.16%高と7週続伸した。9月月初来ではダウ平均が1.69%高、S&P500が3.16%高、ナスダック総合が5.48%高、ラッセル2000が3.48%高となり、例年下落することが多い9月としては異例の好調ペースとなった。米中貿易交渉の進展期待の高まりや、アルファベットやテスラなどのメガ・キャップの大幅高を受けて週明けに上昇してスタートすると、水曜日に結果が公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り政策金利が0.25%引き下げられ、年内あと2回(0.50%)の利下げ見通しが示されたことで週後半に上昇幅を拡大した。主要3指数はそろって18-19日の連日で取引時間中と終値の史上最高値を更新。小型株指数のラッセル2000は18日に終値で2021年11月以来の最高値を更新し、18-19日連日で取引時間中の史上最高値を更新した。
今週は主要3指数の史上最高値更新が続いていることで高値警戒感が強まる可能性が高いものの、年内2回の利下げ見通しや、AI関連ラリーの持続期待が引き続き相場の支援となることが期待される。利下げ見通しを巡っては、金曜日に発表される8月個人消費支出(PCE)価格指数が焦点となりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する8月PCE価格指数の市場予想は前月比+0.3%、前年比+2.7%と、それぞれ7月分の+0.2%、+2.6%から上昇が見込まれているが、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数は前月比+0.2%と7月の+0.3%から鈍化が見込まれ、前年比では+2.9%と7月から横ばいが予想されている。8月PCE価格指数がおおむね予想通りとなれば利下げ期待が継続する一方、大幅に上振れとなった場合は利下げ期待の後退が相場の重しとなりそうだ。このほかの経済指標では、9月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、8月新築住宅販売件数、4-6月期国内総生産(GDP)確報値、新規失業保険申請件数、8月中古住宅販売件数の発表もあり、足もとの景気や雇用の動向にも要注目となる。企業決算はオートゾーン、マイクロン・テクノロジー、カーマックス、コストコ・ホールセールなどS&P500採用の7銘柄が発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは8月シカゴ連銀 全米活動指数など。主要な企業の決算発表はなし。
スイス国立銀行(SNB)は、6回連続の利下げを経て2025年6月に政策金利を0%とし、今週の会合でもゼロ金利を据え置く見通しだ。一方で、追加利下げやマイナス金利再導入には高いハードルが立ちはだかっている。背景には、スイスフラン高やインフレ率の低迷があり、8月の基調インフレは前年比+0.7%と低水準。市場は当面の追加利下げを織り込んでおらず、今後はフラン高やインフレ動向次第で方針変更の可能性も残る。SNBは、政策の柔軟性を確保しつつも金融緩和寄りのスタンスを続けている。
ロシアのプーチン大統領は米国のトランプ大統領に対し、2026年2月に期限切れとなる新戦略兵器削減条約(New START)を1年延長する「暫定的な核軍縮合意」を提案した。この期間に正式延長の交渉も進める狙いで、双方が同意すれば新たな軍拡競争の回避につながると強調。プーチン氏は「戦略的安全保障環境は悪化している」と危機感を示し、冷戦期に締結された核兵器管理協定が次々失効した結果、New STARTが最後の枠組みとなったと指摘した。またロシアは脅威対応にも万全を期す姿勢を強調したが、米ロ双方が現行の核兵器制限を維持することが重要との考えを示している。
韓国の李在明大統領は、米国が求める総額3,500億ドルの対米投資条件を無保障で受け入れれば、1997年の通貨危機に匹敵する金融危機を招きかねないと警告した。7月に米韓は関税引き下げと投資拡大で基本合意したが、投資の扱いを巡り最終合意に至っていない。李氏は通貨スワップが不可欠と主張し、日本が米国との協定を結べたのは豊富な外貨準備と円の国際通貨性が背景にあると指摘。また米移民当局の現代自動車工場での韓国人労働者大量拘束事件では、米側の謝罪を受けつつ同盟関係維持を強調した。さらに北朝鮮の対露軍事協力や中露との接近に警戒感を示し、米日韓の結束と同時に軍事的緊張の緩和策を模索する必要があると語った。
日経平均株価は反発。上昇スタートから寄り付きを安値に上げ幅を拡大。後場に入ると伸び悩んだものの、史上最高値を更新した。
RSI(9日)は前日82.3%→81.7%(9/22)に小幅低下。19日は値幅の大きな陰線となったが、きょうは終日5日移動平均線(45107円 9/22)上で推移し、陽線を形成している。基本的には5日移動平均線上でのトレンドフォローの見方が優先される。
ただし、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し(45650円)を達成しており、短期的には上昇一服のタイミングを向えても不思議ではない。
上値メドは、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返しの45650円、心理的節目の46000円や46500円などがある。下値メドは、5日移動平均線、10日移動平均線(44561円 同)、心理的節目の44000円、25日移動平均線(43452円 同)、心理的節目の43000円、9/4高値(42608円)などがある。
トランプ米大統領は今週、大統領令に署名しTikTok米国事業の売却合意を正式承認する見通し。新体制ではオラクル、シルバーレイク、アンドリーセン・ホロウィッツが主導し、オラクルがアルゴリズムを再訓練・運用して米国ユーザーのデータを保護する。取締役会7席のうち6席を米国人が占め、バイトダンスは20%未満に留まる。合意成立は署名から120日以内とされ、利用者はアプリを再ダウンロードせず継続使用可能。オラクルは同日、クレイ・マグイリクとマイク・シシリアの共同CEO体制を発表し、サフラ・カッツを交代させた。
(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.69円(22日15時時点比▲0.56円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.22円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1796ドル(△0.0058ドル)
FTSE100種総合株価指数:9226.68(前営業日比△10.01)
ドイツ株式指数(DAX):23527.05(▲112.36)
10年物英国債利回り:4.712%(▲0.003%)
10年物独国債利回り:2.748%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値) ▲14.9 ▲15.5
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。欧州勢が本格参入したあとは全般ドル売りが先行。アジア時間に148円台前半で頭の重さを確認したこともあって戻り売りも優勢となった。NY市場でもドル安の流れが継続し、3時前には一時147.66円と日通し安値を付けた。
なお、ムサレム米セントルイス連銀総裁は「追加利下げの余地は限られている」「インフレリスクが高まった場合、追加利下げは支持しない」などと述べたほか、ハマック米クリーブランド連銀総裁は「インフレの水準と持続性について懸念している」「急速過ぎる利下げは景気再過熱の原因にもなり得る」などと発言。また、ボスティック米アトランタ連銀総裁「年内の追加利下げの必要性は現時点ではない」などと話した。一方、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は「政策金利は高過ぎる」「労働市場を守るために今後数カ月で積極的な利下げを実施すべき」などと述べたと伝わった。
・ユーロドルは強含み。欧米の金融政策の方向性の違いに着目したユーロ買い・ドル売りが海外市場では入りやすかった。目先レジスタンスとして意識されていた前週末の高値1.1793ドルを上抜けると、一時1.1799ドルまで値を上げた。
なお、ナーゲル独連銀総裁は「ユーロの国際的役割を強化することは望ましい」「ユーロをドルだけで比較すると影響を過大評価してしまう」「現在のユーロ水準については懸念していない」などと語った。
・ユーロ円はじり高。ドル円の下落につれた売りが出た半面、ユーロドルの上昇につれた買いが入った。21時30分過ぎには一時174.28円と日通し高値を更新した。ただ、前週末の高値174.50円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
・ロンドン株式相場は小反発。新規の取引材料に乏しかったこともあり、積極的な売買は手控えられ、前週末の終値を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。リオ・ティントやグレンコアなど素材株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。時間外の米株価指数先物が軟調に推移したことで独株にも売りが出た。個別ではポルシェ・オートモービル・ホールディング(8.22%安)やフォルクスワーゲン(7.09%安)、ブレンターク(1.76%安)など下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が横ばいとなった。
22日の日経平均は大幅反発。終値は447円高の45493円。米国株高を好感して150円近く上昇して始まると、寄り付きを安値に上げ幅を拡大。レーザーテック<6920.T>など半導体株に強い動きが見られたほか、19日の後場に大きく下げたファーストリテイリング<9983.T>に見直し買いが入ったことなどから、全体でも楽観ムードが強まった。
序盤で上げ幅を600円超に広げた後は値動きが落ち着いたが、しばらくは高い位置をキープ。前引け近辺から後場のスタート直後には700円超上昇する場面もあった。45700円台に乗せたところで買いが一巡し、13時以降は緩やかに上げ幅を縮小。後場の安値圏で取引を終えたものの400円を超える超える上昇となり、9月18日の終値45303円を上回って史上最高値を更新した。
東証プライムの売買代金は概算で5兆3100億円。業種別では電気機器、石油・石炭、化学などが上昇した一方、海運、情報・通信、医薬品などが下落した。上述のレーザーテックが10.5%高と派手に上昇しており、節目の2万円を大きく上回って年初来高値を更新した。半面、ソフトバンクグループ<9984.T>が後場に下方向への勢いを強めて2%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり928/値下がり630。レーザーテック以外にも東京エレクトロンやアドバンテストなど主力の半導体株が大幅上昇。「iPhone17」の増産観測が伝わり、村田製作所、太陽誘電、TDKなど電子部品株に資金が向かった。電子部品事業の分社化検討に関するリリースが好感されたオムロンが6.4%高。証券会社が投資判断を引き上げたわらべや日洋が急伸した。
一方、東電HDが3%を超える下落。日本郵船など海運大手3社がそろって売りに押された。内需の一角が弱く、大成建設、鹿島建設などゼネコン株が全般軟調。証券会社がレーティングを引き下げたSANKYOが急落した。
日経平均は大幅反発。日銀会合の結果発表で乱高下した19日の下げ分(257円安)をあっさり取り戻した。19日も一時800円超下げたところから値を戻していたが、間を置かず大きく上昇したことで日銀に対する過度な警戒はいったん後退するだろう。あすは秋分の日により休場で、水曜24日に2日分の米国株の動きを消化する。米国で23日の引け後に半導体大手のマイクロン・テクノロジーが決算発表を予定しているため、時間外の反応が大きくなった場合には国内半導体株を大きく刺激する可能性がある。今の半導体株は好材料があれば素直に買いが入るであろうし、悪材料が出てきて下げたとしても押し目は拾われやすい。休場明けも半導体株の活況な売買が見込まれる中、指数の46000円乗せが見られるかに注目したい。
(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.72円(前営業日比▲0.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.37円(△0.56円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1803ドル(△0.0057ドル)
ダウ工業株30種平均:46381.54ドル(△66.27ドル)
ナスダック総合株価指数:22788.98(△157.50)
10年物米国債利回り:4.14%(△0.02%)
WTI原油先物10月限:1バレル=62.64ドル(▲0.04ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3705.8ドル(△27.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら続落。アジア時間に148円台前半で頭の重さを確認したこともあり、欧米市場でも戻り売りなどが目立った。米利下げ観測が根強い中、全般ドル売りが進むと、3時前に一時147.66円と日通し安値を付けた。
なお、ムサレム米セントルイス連銀総裁は「追加利下げの余地は限られている」「インフレリスクが高まった場合、追加利下げは支持しない」などと述べたほか、ハマック米クリーブランド連銀総裁は「インフレの水準と持続性について懸念している」「急速過ぎる利下げは景気再過熱の原因にもなり得る」などと発言。ボスティック米アトランタ連銀総裁「年内の追加利下げの必要性は現時点ではない」などと話した。
一方、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は「政策金利は高過ぎる」「労働市場を守るために今後数カ月で積極的な利下げを実施すべき」などと述べたと伝わった。
・ユーロドルは4日ぶりに反発。欧米の金融政策の方向性の違いに着目したユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。目先レジスタンスとして意識されていた前週末の高値1.1793ドルを上抜けると、一時1.1804ドルまで値を上げた。
・ユーロ円は反発。ドル円の下落につれた売りが出たものの、ユーロドルの上昇につれた買いが入ると次第に下値を切り上げた。米国株相場の上昇も相場を下支えし、取引終了間際に一時174.39円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も連日で過去最高値を更新した。個別に好材料が伝わったアップルやエヌビディアが買われ、相場の押し上げ要因となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、史上最高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。FRB高官らのタカ派的な発言を受けて米利下げ観測がやや後退すると、債券売りが出た。
・原油先物相場は続落。イラクが輸出量を増やしているとの報道が伝わるなど、需給緩和が意識されると売りが強まった。
・金先物相場は続伸した。米利下げ観測が根強いなかで金利を生まない金に買いが入った。中東情勢の緊迫化も安全資産とされる金の需要を高め、史上最高値を更新した。
22日10:25 ブロック豪準備銀行(RBA)総裁
「労働市場の状況は完全雇用に近い」
「実質所得が引き続き伸びるにつれ、家計消費の回復は持続すると予測」
「8月の会合以降、国内データは概ね我々の予想と一致しており、むしろやや強めとなっている」
「労働市場の状況はやや緩和しており、失業率はわずかに上昇しているが、依然として一部に逼迫感が残っている」
「データとリスク評価の進化を注視し、意思決定の指針としてゆく」
「インフレ抑制において実質的な進歩は達成された。しかし我々の任務は、インフレが持続可能な形で目標範囲内に留まるようにすること」
「インフレに関して非常に良い状況」
「インフレには両側にリスクがある」
「四半期ごとのCPI報告に引き続き大きく依存」
「民間需要の反応は非常に前向き」
「公共から民間への需要の移管が進行中」
22日20:59 プーチン露大統領
「ロシアは、新戦略兵器削減条約(START)を1年間守る」
22日22:06 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「追加利下げをする理由は見当たらない」
「労働市場が危機的な状況にあるとは思えない」
「インフレが高止まりしている状況に懸念している」
22日23:06 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「追加利下げは雇用の一段の弱さが条件」
「労働市場のリスクは下振れリスクに重きを置く」
「政策は引き続きインフレ抑制に重点を置くべき」
「追加利下げの余地は限られている」
「インフレリスクが高まった場合、追加利下げは支持しない」
「米連邦準備理事会(FRB)議長候補10人を来週までに面接予定」
23日01:05 ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事
「適切なFF金利水準は約2-2.5%」
「現在の政策は労働市場に重大なリスクをもたらす」
「実質的な中立金利はほぼゼロになると予測」
「トランプ大統領の複数の政策が中立金利を低下させている」
23日01:13 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「低失業率、賃金上昇、株価高が消費を支えている」
「企業マインドは再び強気に戻りつつある」
「経済を覆う霧は晴れ始めているが、企業は依然新規投資に慎重」
「採用率は歴史的に低水準だが、不況入りの状況ではない」
「関税の影響が実体経済に浸透するには時間がかかる」
「わずかな関税負担が現時点で消費者に転嫁されている」
23日01:15 ナーゲル独連銀総裁
「ユーロの国際的役割を強化することは望ましい」
「ユーロをドルだけで比較すると影響を過大評価してしまう」
「現在のユーロ水準については懸念していない」
23日01:24 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「失業率4.3%はかなり健全な水準だ」
「中立金利の見積もりは比較的高めで、現状の政策はわずかに制約的にとどまっている」
「政策制約を緩める際には極めて慎重であるべきだ」
「インフレ目標の達成には大きな乖離があり、インフレ抑制に集中している」
「労働市場については目標にかなり近づいている」
「インフレの水準と持続性について懸念している」
「来年初めにもう一段の物価圧力が生じると予想している」
「急速過ぎる利下げは景気再過熱の原因にもなり得る」
※時間は日本時間
<国内>
○自民党総裁選候補者が共同記者会見(党本部)
○秋分の日の祝日で休場
<海外>
○14:00 ◎ 8月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比0.6%)
○16:15 ◎ 9月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.1)
○16:15 ◎ 9月仏サービス部門PMI速報値(予想:49.6)
○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:2.00%で据え置きと1.75%への引き下げで拮抗)
○16:30 ◎ 9月独製造業PMI速報値(予想:50.0)
○16:30 ◎ 9月独サービス部門PMI速報値(予想:49.5)
○17:00 ◎ 9月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:50.7)
○17:00 ◎ 9月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:50.5)
○17:00 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ 9月英製造業PMI速報値(予想:47.1)
○17:30 ◎ 9月英サービス部門PMI速報値(予想:53.5)
○18:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○21:30 ◎ 4-6月期米経常収支(予想:2563億ドルの赤字)
○22:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○22:40 ◎ コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
○22:45 ◎ 9月米製造業PMI速報値(予想:52.2)
○22:45 ◎ 9月米サービス部門PMI速報値(予想:54.0)
○22:45 ◎ 9月米総?⑰MI速報値(予想:54.0)
○23:00 ◎ 9月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲5)
○23:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、インタビュー
○23:25 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○24日01:35 ◎ パウエルFRB議長、講演
○24日02:00 ◎ 米財務省、2年債入札
○国連総会一般討論演説(ニューヨーク、29日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、アジア時間に148円台前半で頭の重さを確認したこともあり、欧米市場でも戻り売りが目立った。米利下げ観測が根強い中で全般ドル売りが進むと、3時前に一時147.66円と日通し安値を付けた。ユーロドルは、欧米の金融政策の方向性の違いに着目したユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなり、前週末の高値1.1793ドルを上抜けると1.1804ドルまで値を上げた。
本日の東京時間では、本邦が秋分の日で休場につき市場参加者の減少が見込まれる中、ドル円は株価先物や米長期金利を眺めて方向感を探ることになるか。
足もとの米株高の背景としては、米連邦準備制度理事会(FRB)が今後も緩やかな利下げを行うとの見通しがある。昨日は主要3指数そろって高値を更新しており、利益確定の売りが入りがちなものの上値模索の機運が高まりやすい位置にいる。日経平均も米株高の流れを受けて昨日は終値で史上最高値を更新しており、本日手掛かり材料難のなかで日米の株価先物の動きに注目したい。
先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げが決定され、0.50%の大幅利下げについては16日に就任したミラン理事のみと、FRB内部では大幅利下げへの支持が広がっていないことが明らかとなった。昨日は複数のFRB高官の発言機会があり、ミラン理事は大幅利下げを志向するも、ボスティック米アトランタ連銀総裁やムサレム米セントルイス連銀総裁からは追加利下げに慎重な発言が相次ぎ、昨日の米長期金利は上昇した。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、10月の0.25%利下げが9割近くに達するほか、12月にさらに0.25%引き下げる確率は7割以上となるなど、年内の段階的な利下げがほぼ織り込まれている状況。こうした中では米長期金利の上昇余地は小さいかもしれないが、手掛かり材料に乏しい中ということもあり、金利が動き出す場面ではドル円相場にも影響を与えやすいと見る。
本邦では、10時から自民党総裁選における候補者共同記者会見が予定されている。既に5名の候補者の所見などが発表されていることや、来月4日の投開票まで時間があることから、材料にはなりにくいかもしれないが気には留めておきたい。
テクニカル面では、前週末より日足一目均衡表・雲の上限(本日は147.88円)を挟んでの往来が続いている。目先的には前週末からの上伸を阻んだ200日移動平均線(本日は148.59円付近)を上抜くか、もしくは18日の下押しの際にサポートとなった雲の下限(同、146.80円)を下抜かないと、明確な方向感は出にくいかもしれない。
秋分の日の東京は、ようやくその訪れを感じさせる清々しい秋晴れとなっていますが、市場はかなり落ち着いた動きとなっています。昨日の海外市場では、ユーロドルの買戻しを中心に、全般ドルの戻り売り。ユーロドルが1.18ドル台を回復するなか、ドル円は147円台半ばまで下押すことになりました。特段材料があったわけではなく、単に目先のポジション調整に終始したといったところです。
昨日は、FOMC後に多くのメンバーが講演を行っていますが、ムサレム米セントルイス連銀総裁やハマック米クリーブランド連銀総裁、更にはボスティック米アトランタ連銀総裁は揃って「追加利下げの余地は限られている」とか、「年内の追加利下げの必要性は現時点ではない」とか、「インフレリスクが高まった場合には追加利下げを支持しない」などのタカ派的な見解を表明しました。
一方で、トランプ米大統領に事実上、本来のFRBに与えられているデュアルマンデートとは別の、確固たる特別な責務を与えられて異例の早期就任となったミランFRB理事は、初っ端の講演から「政策金利は高すぎる。適切なFF金利は2-2.5%」と、まさにトランプ節を発揮。更には、「実質的な中立金利はほぼゼロになると予想している。トランプ米大統領の政策が中立金利を低下させている」と、先週のドットチャート上においても、ただ一人、年内あと5回の利下げが適切と主張した理由を展開させました。ただ、市場の反応は米10年債利回りの値動きをみてもわかるように、米長期金利の上昇という結果に終わっています。
いずれにしても、市場は既にミランを相手にしていないということ。日銀もインフレを判断する際に重要視しているように、しばらくは、米金融政策についても、ドットチャートやFOMCメンバーの発言など、両サイドの極論は無視して、いわゆる刈込平均をしっかりとみていく必要性が高まっているといえます。
本日のロンドン為替市場でユーロ相場は、欧州前半に発表される仏・独・ユーロ圏や英国の9月製造業/サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値の結果を見極めながらの取引となりそうだ。また、市場予想が分かれるスウェーデン中銀の政策金利発表も、スウェーデン・クローナ(SEK)相場の動意につながるだろう。
9月仏PMIは製造業に注目。前回8月改定値では約2年半ぶりに景況感の境目50を超え、今回は50.1となんとか基準値超えは維持すると見られている。独製造業PMIは前回より改善が期待されているもの、予想50.0と上げ幅は小さめ。株価は高いところにあるが、経済データの景気回復までには至っていない。ユーロ圏PMIは、仏独と49台が予想されるサービス部門に注視か。こちらは、4カ月連続の50超えとの予測だ。
9月英PMIはサービス部門が前回から下振れ予想ではあるものの、53台と比較的高い水準。47付近の製造業とは対照的であり、ポンド相場の判断は難しそうだ。
ほか、ミュラー・エストニア中銀総裁や英中銀のチーフ・エコノミストでもあるピル金融政策委員会(MPC)委員の講演が予定されている。
スウェーデン中銀(リクスバンク)の政策金利については、現行2.00%で据え置きと1.75%への引き下げで拮抗している。スウェーデンの8月消費者物価指数(CPI)は前年比1.1%と7月より加速していたものの、水準的には低いままだ。一方、前年比コアが3.3%まで上昇率を伸ばしており、確かに今回の会合は中銀にとっても難しい判断となるだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、18日高値1.1848ドル
・ユーロ/スウェーデン・クローナ(SEK)、200日移動平均線11.1250SEK
想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1747ドル
・ユーロSEK、15日安値10.9036SEK
2025年9月3日、北京では抗日戦争勝利80周年の軍事パレードが大々的に行われた。
9月7日、石破首相が辞意を表明したが、翌8日、石平議員に対する制裁措置を決定した。次期首相への警告なのだろうか?
1.抗日戦争勝利80周年の反日映画
7月25日には、中国で日中戦争中に起きた南京事件を描いた映画「南京照相館」(日本語:「南京写真館」)が公開された。
7月31日に公開予定だった、旧日本軍の731部隊を描いた映画「731」は、満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた9月18日に公開が延期された。
8月8日には、1942年に米軍の魚雷攻撃を受けて沈没した日本船リスボン丸を題材にした映画『東極島』が公開された。大勢のイギリス人捕虜が海に投げ出されたのを、東極島の中国人漁民が救出した美談を基に、旧日本軍の残虐性を誇張した作品とのことである。
2.石破首相辞任:9月7日
9月7日の18時に、石破首相は辞任することを表明した。翌日には、党則第6条4項に基づく「臨時総裁選」の実施要求数の確認が行われる予定だった。
中国政府にとっては、石破首相は、8月15日に靖国神社を参拝する首相ではなかったことで、好ましい日本の首相だったと思われる。次期首相が「靖国参拝首相」、すなわち、小泉氏、高市氏、小林氏ならば、好ましからざる首相となると思われる。
3.石平議員への制裁:9月8日
中国政府は、「石平に対する制裁措置の決定について」と題した異例の声明を発表し、本決定は2025年9月8日から施行するとした。「石平」とは、7月20日の参院選に日本維新の会から出馬し、当選を果たした「元中国人」の石平議員のことであり、1988年に来日して、2007年に日本に帰化している。
「日本の参議院議員石平は、長期にわたって、台湾、釣魚島(尖閣諸島)、歴史、ウイグルへの干渉、チベットへの干渉、香港への干渉の問題で、誤謬の論を散布してきた。また、公然と靖国神社を参拝し、中日の4つの政治文書の精神、及び一つの中国の原則に著しく違反してきた。さらに中国の内政に著しく干渉し、中国の主権と領土の保全に著しく損害を与えてきた。よって「中華人民共和国反外国制裁法」の規定により、中国は石平に対し、以下の制裁措置を取ることを決定した。
1.わが国における動産、不動産及びその他の各種財産を凍結する。
2.わが国境内部の組織、個人との関係する交易、協力などの活動を禁止する。
3.本人及び直系の親族に対して、ビザを発行せず、入境を認めない。
本日のNY為替市場のドル円は、今週の金曜日に発表される米8月PCEデフレーターを控えて、9月米製造業PMI速報値やボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長やパウエルFRB議長の講演を見極めていく展開となる。
また、引き続き、トランプ米大統領の突発的な発言や次期FRB議長候補に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
そして、米上院が9月末で期限を迎える予算の暫定予算案を否決したことで、10月から政府機関の一部閉鎖の可能性が警戒されており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
9月米製造業PMI速報値は52.2と予想されており、8月の53.0からの悪化が見込まれている。米連邦準備理事会(FRB)の2大責務(「物価の安定」と「雇用の最大化」)のバランスが注目されていることで、物価指数や雇用指数の変化にも注目しておきたい。
ボウマンFRB副議長の講演では、0.25%の利下げに賛成した理由やドット・プロット(金利予測分布図)での位置を見極めることになる。
パウエルFRB議長の講演では、リスク管理の利下げ(risk management cut)の意味合いや来年5月15日の任期満了に向けたドット・プロットの位置への言及、「第3の使命」(長期金利の安定化)への見解などに注目しておきたい。
また、ボスティック米アトランタ連銀総裁のインタビューでは、昨日同様にインフレ懸念を理由に年内の追加利下げの必要性は現時点ではないとの認識が繰り返されると思われるが、今年のFOMCでの投票権がないことで、市場への影響は軽微だと思われる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、148.59円(200日移動平均線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、146.94円(日足一目均衡表・転換線)
今晩はもみ合いか。昨日は高値警戒感から軟調にスタートしたものの、オープンAIの提携を発表したエヌビディアや新型iPhoneの販売好調が伝えられたアップルが大幅高となり相場をけん引した。ダウ平均が66.27ドル高(+0.14%)と4日続伸し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.44%高、0.70%高と3日続伸。主要3指数は先週末に続いて、そろって取引時間中と終値の史上最高値を更新した。
今晩はもみ合いか。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた利下げ期待や、AI関連株を中心にハイテク株の堅調持続が期待される一方、主要3指数の最高値更新が続いていることで高値警戒感も意識されそうだ。利下げ見通しを巡り週末金曜日に発表される8月個人消費支出(PCE)価格指数を控えた様子見が強まる可能性や、先週末に米上院が9月末で期限を迎える予算の暫定予算案を否決したことで、政府閉鎖の可能性が意識されることも上値の圧迫要因となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは9月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、4-6月期経常収支、9月リッチモンド連銀製造業総合指数など。企業決算は寄り前にオートゾーン、引け後にマイクロン・テクノロジーが発表予定。(執筆:9月23日、14:00)
ブラジルのルラ大統領は国連総会演説で、主権への攻撃や恣意的な制裁が「例外」でなく「新たな常態になりつつある」と強い懸念を表明した。多国間主義と公平な国際秩序の重要性を訴え、南米やグローバルサウスへの権利侵害に警鐘を鳴らし、資本・技術・環境問題など世界的課題への協調を呼びかけた。
メキシコ政府はUSMCA協定に基づくアンチダンピングおよび相殺関税の最終決定見直しに関する手続き規則を官報で発表した。これにより、米国・カナダとの貿易紛争解決や関税措置の透明性が向上し、輸出入企業の権利保護や予見可能性が強化される狙いがある。
タイレノール(アセトアミノフェン)は少量の過剰摂取でも急性肝障害を起こし、命に関わることがある。毎年米国で5万人超が過剰摂取で救急搬送され、約500人が命を落としている。一方、バリウムなど他の鎮静剤と比べても、致死量が少なく「誤服用でも命を落としかねない」と専門家は指摘する。気軽に飲まれる一方で、実は極めて注意が必要な市販薬である。
トランプ米大統領は22日、タイレノールの妊婦への処方を今後控えるよう、医師に対する勧告が出されると発表している。
イタリアのメローニ首相は国連総会出席のためNYに向かう機内で、ガザ情勢への沈黙理由やイスラエル軍の侵攻に慎重な姿勢を示した。「パレスチナ国家承認には現段階で具体的な国家としての実態が乏しく、まず外交的構築や国家成立の条件整備に集中すべき」と説明。外相タジャーニも同調し、「国家承認はその後の段階」と強調した。これは多数国が支持するパレスチナ早期承認から距離を置く立場を示すもので、イタリア政府は近年、国連決議では賛否を分け、かつての非支持から慎重な中立姿勢へと外交姿勢を変化させている。
2025年9月、ウクライナはモスクワに対し過去最大級の無人機攻撃を行い、モスクワ市長の発表によれば少なくとも44機が撃墜された。ロシア国防省は12日昼までに合計127機のウクライナ製ドローンを撃墜したと発表している。モスクワの主要空港シェレメーチエヴォは4時間の閉鎖となり、約100便の欠航や多数の遅延が発生、利用客はターミナルで長時間待機や就寝を余儀なくされた。一方、ロシア南部ベルゴロド州の別のドローン攻撃では7名の負傷者が出た。ウクライナ側は、ロシアの夜間攻撃により2名が死亡したと報告している。この攻撃は国連総会でのトランプ大統領とウクライナ大統領ゼレンスキー氏の会談を控えたタイミングで行われた。
米財務省によると、2年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.571%、応札倍率(カバー)が2.51倍となった。
(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.58円(23日15時時点比▲0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.31円(▲0.08円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1811ドル(△0.0013ドル)
FTSE100種総合株価指数:9223.32(前営業日比▲3.36)
ドイツ株式指数(DAX):23611.33(△84.28)
10年物英国債利回り:4.680%(▲0.032%)
10年物独国債利回り:2.749%(△0.001%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月仏製造業PMI速報値
48.1 50.4
9月仏サービス部門PMI速報値
48.9 49.8
スウェーデン中銀、政策金利
1.75%に引き下げ 2.00%
9月独製造業PMI速報値
48.5 49.8
9月独サービス部門PMI速報値
52.5 49.3
9月ユーロ圏製造業PMI速報値
49.5 50.7
9月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
51.4 50.5
9月英製造業PMI速報値
46.2 47.0
9月英サービス部門PMI速報値
51.9 54.2
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。米長期金利の低下を手掛かりに円買い・ドル売りが先行。アジア時間に付けた147.60円を下抜けて一時147.51円まで値を下げた。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控える中、積極的に持ち高を傾ける展開とはならず、売り一巡後は147.93円の本日高値まで切り返した。もっとも、そのあとは再び上値が重くなり3時前には147.49円と本日安値を付けた。
なお、パウエルFRB議長はこの日の講演で「短期的なインフレへのリスクは上方向、雇用へのリスクは下方向に傾いており、厳しい状況だ」「両面のリスクがあるということは、リスクの全くない道は存在しないことを意味する」などと発言。また、10月28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを支持するかどうかについては何も示唆しなかった。
・ユーロドルは下値が堅かった。日本時間夕刻に一時1.1780ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。3時前には一時1.1818ドルまで上昇し、アジア時間に付けた日通し高値1.1820ドルに迫った。もっとも、パウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとして様子見ムードも強く、総じて狭い範囲内での推移が続いた。
なお、9月ユーロ圏の製造業PMI速報値は予想を下回った一方、サービス部門PMI速報値は予想を上回るなど、強弱入り混じる内容だった。
・ユーロ円はユーロドルにつれた動き。日本時間夕刻に一時174.06円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。2時前には174.48円まで上昇し、アジア時間に付けた日通し高値174.49円に迫った。
・ロンドン株式相場は小反落。前日の米国株高の流れを引き継いで買いが先行したものの、終盤失速した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたことが相場の重しとなった。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われ、相場を下支えした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。前日の米国株相場が史上最高値を更新したことが好感されて独株にも買いが波及した。個別ではアディダス(3.52%高)やフォルクスワーゲン(3.14%高)、ポルシェ・オートモービル・ホールディング(2.51%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
香港は超大型台風の接近で最高レベルとなるシグナル10を発令した。
(23日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.64円(前営業日比▲0.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.45円(△0.08円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1815ドル(△0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:46292.78ドル(▲88.76ドル)
ナスダック総合株価指数:22573.47(▲215.51)
10年物米国債利回り:4.10%(▲0.04%)
WTI原油先物11月限:1バレル=63.41ドル(△1.13ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3815.7ドル(△40.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期米経常収支
2513億ドルの赤字 4398億ドルの赤字・改
9月米製造業PMI速報値
52.0 53.0
9月米サービス部門PMI速報値
53.9 54.5
9月米総?⑰MI速報値
53.6 54.6
9月米リッチモンド連銀製造業景気指数
▲17 ▲7
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら3日続落。1時30分過ぎに一時147.93円と日通し高値を付けたものの、上値は重かった。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが優勢になると、日本時間夕刻に付けた147.51円を下抜けて一時147.46円と日通し安値を更新した。
なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日の講演で「短期的なインフレへのリスクは上方向、雇用へのリスクは下方向に傾いており、厳しい状況だ」「両面のリスクがあるということは、リスクの全くない道は存在しないことを意味する」などと述べたと伝わった。また、10月28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを支持するかどうかについては何も示唆しなかった。
・ユーロドルは小幅ながら続伸。パウエルFRB議長の講演を控えて様子見ムードが強く、しばらくは狭い範囲内での推移が続いた。ただ、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.10%台まで低下すると次第にドル売りが優勢となり、一時1.1818ドルとアジア時間に付けた日通し高値1.1820ドルに迫った。
・ユーロ円は小幅続伸。日本時間夕刻に一時174.06円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。2時前には174.48円まで上昇し、アジア時間に付けた日通し高値174.49円に迫った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反落。パウエルFRB議長が講演で「短期的なインフレへのリスクは上方向、雇用へのリスクは下方向に傾いており、厳しい状況だ」と発言すると、「追加利下げに慎重な姿勢を示した」と受け止められ、株売りにつながった。前日までに4日続伸し、史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに反発。9月米製造業・サービス部門PMI速報値や同月米リッチモンド連銀製造業指数が予想より弱い内容だったことを受けて、買いが優勢となった。足もとで相場下落が続いたあとだけに、短期的な戻りを期待した買いも入った。
・原油先物相場は上昇。イラク政府とクルド自治区政府がトルコ経由での輸出再開を決定したものの、輸出が依然として滞っているとの見方が根強く買いが優勢となった。
・金先物相場は3日続伸。米利下げ観測やロシアを巡る地政学リスクから金の需要は衰えず、この日も買いが優勢に。史上最高値を連日で更新した。
23日16:36 リクスバンク(スウェーデン中銀)声明
「最近の動向は高インフレが一時的な現象であるという見方を裏付けるものとなっている」
「インフレ率と経済活動の見通しが現状維持であれば、政策金利はこの水準でしばらく維持される見込み」
「インフレ率がどの程度高く続くかについての不確実性は低下したが、依然として一定程度残っている」
23日18:31 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「先日のMPCでは、1000億ポンドのQTの維持に投票した」
「制約的な金融政策の継続が必要」
「QEは機能した」
23日21:40 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「労働市場のデータは、安定性を示している」
「インフレ目標2%への到達は達成されていない」
「中立金利は、現行金利よりも1.00-25%低い」
「現時点では0.50%の利下げは考えていない」
23日22:59 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「雇用市場でFRBの対応が遅れているのではと懸念している」
「先週の利下げは第一歩だったと予想」
「関税を除けばインフレは目標に近い」
「関税の影響はやがて薄れるだろう」
「労働市場は今後数カ月で急速に悪化する可能性がある」
「住宅市場の弱さが価格下落の加速につながる恐れ」
「需要環境が改善しなければ企業が解雇に踏み切る可能性がある」
「株式市場はこれまでで最高のパフォーマンス」
「我が国は世界で最もホットな国だ」
「国連より戦争終結を優先した」
「NATOの強化を称賛、従来より遥かに強力に」
「国連は我々のために機能しなかった」
24日02:46
「NATOがロシアの軍用機を撃墜することに関して状況次第」
「もしロシア機がNATOの領空に入れば、NATO各国は撃墜すべきだ」
23日23:25 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「新たな政策枠組みは多くの状況で有効」
「インフレ目標レンジの導入に前向き。将来的には1.75-2.25%の範囲を支持する可能性があると表明」
「中立金利の上昇は歓迎すべきことで、現在は実質1.25%付近と考える」
「中立金利が上昇している可能性もある」
「雇用リスクはインフレリスクと同程度に高まっている」
24日01:37 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「長期的なインフレ期待は2%の目標と一致する」
「数四半期にわたり、一時的な物価上昇が起こる可能性が高い」
「関税が継続的なインフレを招かないようにする」
「FRBにとってリスクフリーの道筋はない」
「雇用の下振れリスクが高まっている」
「政策が過度に引き締め的であれば、労働市場に不必要な打撃を与える可能性がある」
「最近の物価上昇は関税の影響が大きい」
「インフレの道筋をめぐる不確実性は依然として高い」
「過度に積極的な金融緩和はインフレ抑制策を未完にしてしまう可能性がある」
「9月の利下げ後、FRBは好位置にある」
「経済・政治制度への国民の信頼が揺らいでいる」
「株価はかなり高い評価水準にあると多くの指標が示唆している」
24日02:13 イラン最高指導者ハメネイ師
「現在の米国との交渉状況は有害であり、譲歩はない」
「核兵器を必要とせず、製造の意図もない」
「ウラン濃縮は国家の重要な産業基盤であり、ゼロ濃縮をイラン国民は認めない」
※時間は日本時間
<国内>
○自民党総裁選候補者が日本記者クラブで討論会(13:00~15:00)
<海外>
○10:30 ◎ 8月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.9%)
○17:00 ◎ 9月独Ifo企業景況感指数(予想:89.4)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○23:00 ☆ 8月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲0.3%/65.0万件)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○25日01:30 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○25日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○25日05:10 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、あいさつ
○南アフリカ(伝統文化継承の日)、休場
○国連総会一般討論演説(ニューヨーク、29日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は上値重く、147.93円を頭に147.46円まで下落した。米長期金利の低下がドル売りを促した。ユーロドルも1.17ドル後半から1.18ドル前半までじり高となった。
本日の東京為替市場でドル円は、本邦祝日開けの東京仲値にかけた需給を見定めながら、結局は先行き米金利に対する思惑で上下する展開か。なお、本日午後に自民党総裁選候補者が討論会を行う。有力候補者の経済政策や金利に関する発言には注意しておきたい。ほか、午前に発表される豪インフレ指標で豪ドルが動意づくかも要注目。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)は昨日、金利見通しについて積極的な発言を控えたため、年内追加利下げについては慎重な姿勢と受け止められたもよう。他、ハト派のボウマンFRB副議長は従来通りに利下げを主張したものの、グールズビー米シカゴ連銀総裁やボスティック米アトランタ連銀総裁はインフレ上昇リスクへの警戒感を示した。
FRB高官の見解がタカ派とハト派で分かれるのは当然だが、数人のトランプ派を除けば、総じて追加利下げにそれほど積極的ではないように見える。とはいえ、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、次回10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%利下げ織り込み度が9割を超えている。さらに、年内最後の12月会合では追加0.25%引き下げ確率は8割に迫っている。
ドル円は昨日も狭いレンジで上下しており、やや方向感を失いつつある。東京時間でも、米長期金利の方向性について行く展開となりそうだ。
なお、日本記者クラブが主催する自民党総裁選候補者の討論会は、本日13時から15時まで行われる予定。昨日の共同記者会見に対する相場の反応は極めて限られたが、本日は各自の掲げる政策をめぐり、より深い討議が行われる可能性がある。討論内容を受けた本邦株式市場や債券市場の動向次第で円相場も反応するかもしれない。
ほか、8月豪消費者物価指数(CPI)を受けた豪ドル相場にも注目。市場予想は前年比2.9%と前回から加速する見込み。予想に沿った結果であれば、約1年ぶりに高い水準となる。ブロック豪準備銀行(RBA)総裁は一昨日の議会証言で、金融政策を決定する際の判断材料として「四半期ごとのCPIに引き続き大きく依存」と述べていた。しかしながら、来週のRBA理事会(29-30日)の前に発表される最後のインフレ統計であるため、相場インパクトは少なからずあるだろう。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 45330 +10 (+0.02%)
TOPIX先物 3140.5 +1.0 (+0.03%)
シカゴ日経平均先物 45305 -15
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
23日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演で、短期的なインフレと雇用の下振れリスクに言及した。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の記者会見に近い内容で目新しさがなかったことで、利益確定の売りが優勢となった。
S&P500業種別指数はエネルギー、ヘルスケア機器・サービス、不動産が上昇した一方で、小売、自動車・同部品、半導体・同製造装置の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ボーイング<BA>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、スリーエム<MMM>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が買われた。半面、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、エヌビディア<NVDA>、セールスフォース<CRM>、ビザ<V>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比15円安の4万5305円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比80円安の4万5240円で始まった。直後につけた4万5130円を安値にロング優勢となり、祝日取引で4万5660円まで買われる場面もみられた。買い一巡は4万5450円~4万5550円辺りのレンジで推移。米国市場の取引開始後にレンジを下抜け、終盤にかけては4万5260円~4万5330円処での保ち合いが続き、4万5330円で取引を終えている。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになろう。ボリンジャーバンドの+2σ(4万5580円)が心理的な抵抗として意識されやすく、同バンドに接近する局面では戻り待ち狙いのショートを誘う形になりそうだ。ただし、バンドは上向きで推移しており、これに沿ったトレンドを形成していることで、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。そのため、4万5000円に接近する局面ではロング対応に向かわせよう。
米国市場は利益確定の売りが優勢となったが、取引終了後に2025年6~8月期決算を発表したマイクロン・テクノロジー<MU>は、一株利益が予想を上回ったことが評価されて時間外取引で買われている。アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が底堅い値動きをみせてくると、+2σ突破からショートカバーを伴っての上昇が意識されてきそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万5125円から4万5875円のレンジを想定する。
また、22日に自民党総裁選挙が告示された。各候補の財政政策姿勢や成長戦略に市場の関心が集まると考えられ、積極的なショートを仕掛けにくくさせよう。+2σ接近での短期的なショートに対しては、その後のリバウンドを狙った押し目待ち狙いのロングが基本戦略になりそうだ。
23日の米VIX指数は16.64(22日は16.10)に上昇した。足もとで上値抵抗線として意識されていた75日移動平均線(16.50)を上回ってきた。依然としてボトム圏での推移であるものの、やや投資家心理を神経質にさせそうである。
22日のNT倍率は先物中心限月で14.43倍に上昇した。14.38倍と上昇して始まり、一時14.44倍をつける場面もみられ、+2σ(14.39倍)を上回ってきた。ハイテク株への資金流入により日経平均型優位の流れをみせており、改めて1月高値の14.54倍が意識されやすい。一方で、メガバンクや商社株への物色もみられてきたことで、ハイテク株が上げ一服となれば、目先的にはリバランスに向かわせる可能性があろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比240円安の4万5080円(-0.52%)前後で推移。寄り付きは4万5360円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万5305円)を上回り、買いが先行して始まった。直後につけた4万5370円を高値に軟化し、現物の寄り付き直後には4万5040円まで売られた。売り一巡後は4万5150円~4万5250円辺りで下げ渋る動きをみせていたが、終盤にかけてレンジを下抜け、4万4970円と節目の4万5000円を割り込む場面もみられた。
ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、レーザーテック<6920.T>[東証P]など、引き続き半導体や人工知能(AI)関連株への資金流入が継続している。ただし、アドバンテスト<6857.T>[東証P]は売り一巡後にプラス圏を回復する場面もみられたが再び下げに転じており、積極的なロングは入れにくいところでもある。日経225先物は4万5000円近辺では押し目待ち狙いのロングに向かわせているが、ボリンジャーバンドの+2σ(4万5530円)に接近する局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすい。
NT倍率は先物中心限月で14.38倍に低下した。14.44倍と上昇して始まり、14.45倍をつける場面もみられた。その後は+2σ(14.43倍)を割り込んできたことで、リバランスの動きが入ってきているようである。
昨日の海外市場では、全般様子見といったところ。ドル円は一時147.93円まで値を上げる場面もみられましたが、一目雲上限などが戻りの目処として意識されたこともあり、その後は米長期金利の低下につれて147.46円まで下押し。ただ、その後は弱い米指標にも、パウエルFRB議長の講演にも大した反応もなく、引けにかけては147.68円まで買戻されて、NY市場を終えました。
アジア市場に入ってからは、下押しも147.52円までとかなり中途半端なものに終わると、休場明けの本邦勢から実需の買いが断続的に観測されるなか一時147.86円まで再び買戻されているといったところです。
市場では13時から予定されている自民党総裁選候補者による日本記者クラブでの討論会に注目が集まっていますが、直接の反応というよりは、前回完全にやらかしてしまった進次郎がまたやらかすかどうかを見極めたい向きが多いわけで、まだまだ、市場全体に今回の政局に対する切羽詰まった緊張感は出て来ていない状況。史上最高値を付けた後の値固めを行っている最中の日経平均や、FOMC後の米長期金利の動向などを横目に、ドル円も一目雲を意識した147円台での値固めが進んでいるといえます。
本日のロンドン為替市場では、手掛かり材料が少なめの中、ユーロは独経済指標に注目することになるか。
冒頭で触れたとおり、本日の欧州時間には主だったユーロ圏金融当局者の発言が予定されていないなど、経済イベントはやや少なめ。そうした中、9月独Ifo企業景況感指数が発表される。昨日発表された独9月購買担当者景気指数(PMI)速報値が強弱まちまちの結果だったこともあり、注目が集まりやすいと見る。市場予想は89.4と前月の89.0を上回る見通し。予想を上回ると23年5月以来の高水準となるため、昨日は1.18ドルを挟んで方向感の定まらなかったユーロドルの上昇を後押しするか気になるところ。
テクニカル面では、ユーロドルは日足・一目均衡表で三役好転が点灯しているものの、基準線が横ばいと今一つ力強さに欠ける。そうした中、転換線は上向きとなっており、18日高値1.1848ドルを上抜けるようだと、上昇トレンドが再開して17日高値1.1919ドルを目指して上値を伸ばす展開もあるだろう。下げた場合は本日1.1735ドル付近に位置する21日移動平均線がサポートになるか見極めたい。
それ以上に気になるのは、ユーロ円の行方だろう。東京午前に174.54円まで上昇して昨年7月以来の高値を付けた。日足・一目均衡表で三役好転が点灯する中、日通し高値を更新すると昨年7月11日に付けたユーロ導入来の高値175.43円まで主だった目処が見当たらないこともあり、目先は心理的節目の175円が意識されると見る。
想定レンジ上限
・ユーロドル:18日高値1.1848ドル。超えると17日高値1.1919ドル
・ユーロ円:心理的節目の175円
想定レンジ下限
・ユーロドル:21日移動平均線1.1735ドル。割り込むと11日安値1.1662ドル。
・ユーロ円:日足・一目均衡表の転換線173.54円
ドル円:1ドル=147.88円(前営業日NY終値比△0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=174.46円(△0.01円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1797ドル(▲0.0018ドル)
日経平均株価:45630.31円(前営業日比△136.65円)
東証株価指数(TOPIX):3170.45(△7.28)
債券先物12月物:135.96円(△0.07円)
新発10年物国債利回り:1.640%(▲0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。朝方に147.52円まで下落する場面もあったが、昨日安値の147.46円手前で下値の堅さを確認すると、祝日明けの仲値に向けて買い戻しが入った。一時伸び悩んでいた日経平均株価が後場にプラス圏を回復したことも相場の支えとなり、148.11円まで反発した。
・豪ドルはしっかり。8月豪消費者物価指数(CPI)が予想を上回る結果となり、豪ドル買いで反応した。対ドルでは0.6628ドル、対円では98.09円までそれぞれ値を上げた。
・ユーロドルは弱含み。対円を中心にドル買いが進んだ影響もあり、15時30分過ぎには1.1787ドルまで売りに押された。
・ユーロ円は小高い。しばらくは174.40円付近でのもみ合いとなっていたが、日本株高やドル円の上昇を手掛かりに174.65円まで買いが入った。
・日経平均株価は続伸。高値警戒感から利益確定目的の売りに押されて一時290円近く下げたものの、下値では押し目買いも入って徐々に相場を押し上げた。上場来の高値を更新したソフトバンクグループが指数を押し上げ、連日で史上最高値を更新した。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いだほか、この日実施された日銀の国債買い入れオペで投資家の売り意欲が乏しかったと受け止められたことも買いを誘った。一方で、日銀の早期利上げ観測が相場の重しとなっており、積極的に買いを進める展開にはならなかった。
東海東京インテリジェンス・ラボでは米国株に関するリポートの中で、米国の代表的な半導体株指数であるSOX指数に注目している。9月4日から16日にかけて9営業日連続で上昇し、1日置いた18日には最高値を更新するなど、目を見張る強さを見せている。世界の半導体の月次売上高(3カ月平均)は、過去1年近くにわたって前年同月比+20%弱以上の高い伸び率を維持。AI向けの半導体は需要が非常に強く、供給が追い付かない状況が継続している可能性が高そうとのこと。仮にそうであるならば、半導体株については当面「下がれば買い」の投資スタンスが望ましいと思われると東海東京ではコメントしている。
明治安田総合研究所では、9月の日銀金融政策決定会合を受けてリポートしている。当会合では金融政策は据え置きとなったが2名が利上げに票を投じるなど、情勢に変化の兆しが見られた。また、日銀が保有するETFおよびJ-REITの売却開始を発表したことがサプライズとなった。明治安田では、任期の前半で金融政策正常化路線の最後の壁であるETFの売却にまでこぎつけた植田総裁の手腕を評価している。また、日銀の次なる一手に関しては、好調な株価や堅調なドルが利上げしやすい環境を提供していることなどから、現状では10月に利上げに踏み切る確率が、見送る確率をわずかに上回るとコメントしている。
「労働市場が冷え込むリスクは残されており、英中銀の利下げはまだ終わっていない」
(ベイリーBOE総裁)
9月18日、イングランド銀行金融政策委員会(MPC)は、7対2で政策金利4.00%の据え置きを決定した。0.25%の利下げを主張したのは、ハト派のディングラ委員とテイラー委員だった。
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
■政策金利:4.00%に据え置き
・据え置き支持:7名(ベイリー総裁、ブリーデン副総裁、ラムスデン副総裁、ロンバルデリ副総裁、ピル委員、グリーン委員、マン委員)
・0.25%の利下げ支持:2名(ディングラ委員とテイラー委員)
■バランスシート縮小(QT)ペース
・1000億ポンドから700億ポンドに減額
・2025-26年度に210億ポンドの国債を売却する計画
2.MPC議事要旨
「段階的かつ慎重なアプローチが適切」
「英国の労働市場では需給の緩みが徐々に拡大」
「賃金や物価への二次的影響リスクに警戒」
「家計のインフレ期待は依然として高止まり」
「英国の消費者物価指数(CPI)は2025年9月に4%でピークに達する見込み」
「まだ危機を完全に脱したわけではないため、将来の利下げは段階的かつ慎重に実施する必要がある」
「BOEの年内利下げ見通しは変更なし」
3.ベイリーBOE総裁
「インフレ率は2%の目標値に戻る見通しだが、まだ安心はできない」
「労働市場が冷え込むリスクは残されており、英中銀の利下げはまだ終わっていない」
「インフレに上振れのリスクがあり、金融市場が織り込む見通しに同意する」
「市場は、次の行動に移る前に、経済がどうなるか英中銀は極めて注意深く見守る期間を設けるだろうと示唆しているが、現時点でそれは正しい」
「一定の追加利下げがあるだろうと自分は今でも考えている。8月以前と比べてその規模や時期について不透明性は増した」
「新たな目標により、金融政策委員会は国債市場の状況への影響を最小限に抑えながら、金融政策目標に沿ってイングランド銀行のバランスシートの規模を引き続き縮小することができる」
大阪12月限
日経225先物 45420 +100 (+0.22%)
TOPIX先物 3146.5 +7.0 (+0.22%)
日経225先物(12月限)は前日比100円高の4万5420円で取引を終了。寄り付きは4万5360円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万5305円)を上回り、買いが先行して始まった。直後につけた4万5370円を高値に軟化し、現物の寄り付き直後には4万5040円まで売られた。売り一巡後は4万5150円~4万5250円辺りで下げ渋りをみせたが、前場終盤にレンジを下抜け、4万4970円と節目の4万5000円を割り込む場面もみられた。
ただし、4万5000円近辺では押し目待ち狙いのロングに向かわせており、ランチタイムでは4万5000円を上回って推移。後場の取引開始後に4万5200円台に乗せると、終盤にかけての切り返しでプラス圏を回復している。引け間際には朝方につけた高値を上回り、4万5440円まで買われる場面もみられた。
ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が1社で日経平均株価を216円超押し上げる形となり、人工知能(AI)関連株への物色を牽引した。東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やフジクラ<5803.T>[東証P]、レーザーテック<6920.T>[東証P]などが買われる一方で、ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]の下げが日経平均型の重荷になった。
日経平均株価は史上最高値を更新したが、ソフトバンクグループのインパクトが大きく、東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が過半数を占めていた。日経225先物は4万5000円処では押し目待ち狙いのロング対応になるが、上値はボリンジャーバンドの+2σ(4万5600円)が抵抗線として意識される。
バンドは上向きで推移しており、ナイトセッションで+2σは4万5830円まで切り上がってきた。これに沿ったトレンドが見込まれるものの、AI関連株への物色次第といったところだろう。そのため、AI関連株に対し利益確定が強まる局面では、+1σ(4万4620円)辺りまでの短期的な調整は警戒しておきたい。
特に、本日のようにソフトバンクグループ1社のインパクトが大きい状況では、いったん値を崩すと、先物主導でショートを仕掛けてくる動きが強まる可能性が意識される。上値追いを慎重にさせる半面、短期的な調整をみせてくる場面では、その後のカバーを想定した押し目待ち狙いのロングも入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍と変わらずだった。朝方に14.45倍をつける場面もみられたが、その後は14.36倍まで下げており、+2σ(14.44)を割り込んできた。+2σを下抜けてくる局面では、NTロングを巻き戻すリバランスが入りやすくなりそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5915枚、ソシエテジェネラル証券が1万2768枚、サスケハナ・ホンコンが4814枚、JPモルガン証券が2692枚、日産証券が1946枚、バークレイズ証券が1526枚、モルガンMUFG証券が1192枚、SBI証券が925枚、ビーオブエー証券が919枚、松井証券が695枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万2109枚、ソシエテジェネラル証券が1万9297枚、JPモルガン証券が8347枚、バークレイズ証券が5248枚、モルガンMUFG証券が3252枚、ビーオブエー証券が3047枚、ゴールドマン証券が2970枚、サスケハナ・ホンコンが2098枚、野村証券が1069枚、大和証券が950枚だった。
本日これまでのドル円は昨日の安値147.46円を前に下げ渋ると、日経平均が大引けにかけて上昇した動きも支えに148円台を回復した。
本日のNYタイムでは8月米新築住宅販売件数の発表や、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁の発言機会などがあるものの、ドル円の方向感につながる可能性は低く、米株や米長期金利の動向を眺めながら、底堅さを維持しつつも積極的に買い進める材料が乏しいことで伸び悩む相場展開が想定される。
先週、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過しドルに買い戻しが入っていること、自民党総裁選というテーマが円売り圧力になっていることや、クロス円の堅調な動きなどがドル円の下支えとなっている。スイスフラン(CHF)円は先週に史上初の187円台を記録し、本日も186円後半で堅調な動きとなっているほか、ユーロ円は174円後半に切り返し、昨年7月につけた過去最高値175.43円が意識されている。
一方で、日銀の早期利上げ観測が根強いことは引き続きドル円の上値圧迫要因となる。自民党総裁選も絡み、日銀の政策見通しに不確実性が増しているものの、日銀が10月会合で利上げに踏み切るとの見方は少なくない。当面は147円台を中心としたレンジ相場が続きそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円、200日移動平均線148.55円や4日高値148.78円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値147.52円や日足一目均衡表・転換線146.94円が下値めど。
今晩は底堅い展開か。昨日は前日に大きく上昇したエヌビディアが反落したことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が株価の割高を指摘したことで利益確定売りが優勢となった。政府機関閉鎖の可能性が意識されたことや、金曜日に米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する8月個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えていることも様子見につながった。ダウ平均とS&P500は朝方に取引時間中の史上最高値を更新したものの、ダウ平均が88.76ドル安(-0.19%)と5日ぶりに反落し、S&P500も0.55%安と4日ぶりに反落して終了した。ハイテク株主体のナスダック総合は終日マイナス圏で推移し、0.95%安と4日ぶりに反落した。引け後の動きでは6-8月期決算が予想を上回ったマイクロン・テクノロジーが時間外で一時、3%超上昇し、大型データセンターの建設計画を発表したオラクルも時間外で一時4%超上昇した。
今晩は底堅い展開か。主要3指数が最高値圏にあることや、パウエルFRB議長が株価の割高を指摘したこと、政府機関閉鎖の可能性などが引き続き相場の重しとなることが予想される一方、前日引け後にマイクロン・テクノロジーが予想を上回る好決算を発表したことなどでAI関連株の堅調が期待される。高値警戒感で上値は重いものの、AIラリーの継続期待を支えに下値も堅い展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは8月新築住宅販売件数、8月建設許可件数改定値、MBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫など。企業決算は寄り前にシンタスが発表予定。
アメリカが本日、ガザ地区に関する計画を発表予定と一部通信社が伝えた。紛争終結と人質解放を目指し、段階的なイスラエルの撤退と国際機関による人道支援導入を含む内容と伝えられている。
2025年第3四半期のダラス連銀エネルギー調査によると、石油・天然ガスセクターの活動は前四半期に比べわずかに減少し、不確実性は高いままである。事業活動指数は-6.5とマイナス圏ながら第2四半期の-8.1からわずかに改善。企業見通し指数は-17.6に悪化し、悲観的な見方が強まった。生産面では石油と天然ガスの生産指数はほぼ横ばいで低調推移。コストは上昇傾向で、油田サービス企業の投入コスト指数は40.0から34.8にやや鈍化しつつも高水準。
探査開発コストや賃貸運営経費は増加し、設備稼働率やサービス価格は悪化。雇用はほぼ横ばい、労働時間や賃金も安定している。2025年末のWTI原油価格は平均63ドル、ヘンリーハブ天然ガス価格は3.30ドルが予想されている。長期的にはWTIが5年後に77ドル、天然ガスが4.50ドルと予測されている。
ベッセント米財務長官は、アルゼンチンを「米国にとって戦略的な同盟国」と位置づけ、約200億ドルの通貨スワップ枠や国債購入など「全ての安定化策をテーブルに乗せる」と発表した。トランプ米大統領もミレイ・アルゼンチン大統領を支持し、米国は市場安定や中間選挙に向けた経済下支えに動くと明言。自国通貨ペソが急落し市場混乱が続く中、米国の積極介入を受けてアルゼンチン資産は急騰、経済政策への信認回復にも繋がっている。IMF主導の過去の支援と比べても今回は米国主導色が強く、今後の南米経済や米州地政学にも大きな影響を与える見通し。
トランプ大統領は国連総会期間中のゼレンスキー大統領との会談で、「ロシア機がNATO加盟国の領空を侵犯した場合は撃墜すべき」と断言した。欧州東部では最近、ロシア軍機によるポーランド、エストニア、ルーマニア領空への侵入が度重なり、NATOは防衛態勢を強化している。これに対し、NATO事務総長ルッテ氏は「脅威度などを踏まえ現場が総合判断する」と慎重姿勢を強調。独国防相も「挑発的な撃墜要求は危険」と強調したが、米国は「全加盟国を守る」との立場を鮮明にしている。
チェコ国立銀行(CNB)は2025年9月の金融政策会合で、政策金利の2週間物レポ金利を3.5%に据え置くことを全会一致で決定。年内のインフレ率は2%超で推移し、特にコアインフレは高水準が続くと予測されており、これが利下げを許さない要因となっている。経済は国内需要の回復に支えられ、2025年2QのGDP成長率は年率2.6%、家計消費も3.4%増と好調。賃金も7.8%の伸びで家計支出を押し上げている。インフレ抑制のためにはマネーサプライと信用の急激な増加を抑制し、物価上昇の安定化を目指す方針だ。今後の利率判断は新データを基に行い、為替や財政政策、労働市場の緊張度、国際情勢も注視する。CNBは「現在も比較的タイトな金融政策を維持し、長期的に2%の物価安定を目指す」と強調した。
日経平均株価は続伸。横ばい圏からスタートしていったん下を試しにいったものの、5日移動平均線(45252円 9/24)近辺で下げ止まって反転。切り返してプラス圏に浮上すると、終盤にかけて上げ幅を3桁に広げて高値圏で取引を終えた。
RSI(9日)は前日81.2%→87.3%(9/24)に上昇。3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し(45650円)はすでに達成しており、短期的には上昇一服のタイミングを迎えても不思議はないが、5日移動平均線をサポートとした右肩上がりのトレンドが続いている。
なお、連日で史上最高値(終値)を更新してはいるものの、取引時間ベースでは9/19の高値45852円を前に足踏みしているだけに、これを早々に上回ることができるかが目先の焦点となる。
上値メドは、3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返しの45650円、9/19高値(45852円)、心理的節目の46000円や46500円などがある。下値メドは、5日移動平均線、10日移動平均線(44760円 同)、心理的節目の44000円、25日移動平均線(43529円 同)などがある。
中国商務部の王文濤部長はアメリカにある中国企業との会合で、米中経済・貿易協力の安定化に努めると表明。中国企業の正当な権利利益を断固守るとし、多様な事業展開と法令遵守を重視するよう企業に促した。
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.710%、応札倍率(カバー)が2.34倍となった。
(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.74円(24日15時時点比△0.86円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.58円(△0.12円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1737ドル(▲0.0060ドル)
FTSE100種総合株価指数:9250.43(前営業日比△27.11)
ドイツ株式指数(DAX):23666.81(△55.48)
10年物英国債利回り:4.669%(▲0.011%)
10年物独国債利回り:2.748%(▲0.001%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独Ifo企業景況感指数
87.7 88.9
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。米長期金利の上昇を手掛かりに全般ドル買いが先行。8月米新築住宅販売件数が80.0万件と予想の65.0万件を上回ったことも相場の支援材料となり、1時30分過ぎに一時148.79円と3日以来の高値を更新した。23日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて、追加利下げへの期待が後退する中、ドル買いが入りやすい面もあった。
・ユーロドルは軟調。9月独Ifo企業景況感指数が87.7と予想の89.4を下回ったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが先行。パウエルFRB議長が前日に追加利下げについて慎重に判断する姿勢を示したことから、米金利の上昇とともにドル買いも入りやすかった。
トランプ米大統領は23日、「欧州の支援があればウクライナがロシアから全土を奪還できる」と発言。同氏のロシアに対する姿勢の変化から地政学リスクが改めて意識されてユーロ売りを誘った面もあった。23時30分前には一時1.1728ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は小幅高。ユーロドルの下落につれた売りが出た半面、ドル円の上昇につれた買いが入ったためじり高の展開となった。0時30分過ぎには一時174.70円と本日高値を更新した。
・ロンドン株式相場は反発。前日の米株安を受けて売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。半面、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが売られた。
・フランクフルト株式相場は小幅続伸。前日の米国株安や予想を下回る9月独Ifo企業景況感指数を受けて売りが先行したものの、引けにかけて持ち直した。個別ではコメルツ銀行(4.41%高)やラインメタル(3.48%高)、ザランド(2.73%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。独経済指標の下振れを受けて、独景気回復への期待が後退。相対的に安全資産とされる独国債に買いが入った。
24日の日経平均は続伸。終値は136円高の45630円。寄り付きは一桁の下落となり、場中はプラス圏とマイナス圏を行き来した。前場はマイナス圏で推移する時間が大半であったが、下げ幅を200円超に広げると押し目買いが入った。一方、後場は自民党総裁選の公開討論会が開催される中、売り圧力が和らぎ小幅高でもみ合う時間が長かった。前場は半導体株の荒い動きに指数も翻弄されたが、後場は半導体株の値動きも落ち着いた。討論会が終了した15時辺りからは上を試す流れとなり、上げ幅を3桁に拡大。高値圏で終了し、連日で最高値を更新した。
東証プライムの売買代金は概算で6兆円。業種別では鉱業、その他製品、機械などが上昇した一方、ガラス・土石、サービス、ゴム製品などが下落した。前営業日に大きく下落したソフトバンクグループ<9984.T>が、きょうは買いを集めて6%近い上昇。半面、東京電力ホールディングス<9501.T>が連日で大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり734/値下がり820。三菱重工や川崎重工など防衛関連が強く、IHIが9%を超える上昇。ほか主力どころでは、東京エレクトロン、日立、任天堂、古河電工などの動きが良かった。証券会社が目標株価を引き上げたスズキが大幅上昇。子会社の大口受注に関するリリースが好感されたテスHDが後場に入って急騰した。
一方、ファーストリテイリングやトヨタが大きめの下落。三菱商事、伊藤忠、住友商事など商社の一角が弱かった。23日の米債券市場で長期金利が低下したことから、東京海上、T&D、MS&ADなど保険株が軟調。月次を材料に神戸物産が大幅安となった。
日経平均は続伸。米国株は22日と23日を均すと水準が大きく変化したわけではなかっただけに、場中は売り買いがせめぎ合って方向感が定まらなかった。それでも前場で売りをこなして終値では3桁の上昇。きょうは防衛関連に久々に強い動きが見られたが、売買代金上位銘柄に大きく上昇しているものが多い。半導体関連もまだブームが去ったわけではない中、生成AI以外のテーマで物色される銘柄も出てきており、流れが非常に良い。あすはオリオンビール<409A.T>とGMOコマース<410A.T>が新規上場する。久々のIPOに加えて、オリオンビールはプライム直接上場。投資家の選択肢も広がる中、日本株全体ではリスクを取りやすい地合いが続く公算が大きい。
トランプ米大統領は10月に訪日を検討していると一部通信社が報じた。
(24日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.90円(前営業日比△1.26円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.78円(△0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1738ドル(▲0.0077ドル)
ダウ工業株30種平均:46121.28ドル(▲171.50ドル)
ナスダック総合株価指数:22497.86(▲75.61)
10年物米国債利回り:4.14%(△0.04%)
WTI原油先物11月限:1バレル=64.99ドル(△1.58ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3768.1ドル(▲47.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 0.6% 29.7%
8月米新築住宅販売件数
(前月比) 20.5% ▲1.8%・改
(件数) 80.0万件 66.4万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反発。米長期金利の上昇を手掛かりに全般ドル買いが先行。8月米新築住宅販売件数が80.0万件と予想の65.0万件を上回ったことも相場の支援材料となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁が「過度に前倒しされた利下げは不安材料」と発言したこともドル買いを促し、取引終了間際に一時148.92円と3日以来の高値を更新した。
23日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて、追加利下げへの期待が後退する中、ドル買いが入りやすい面もあった。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。欧州時間発表の9月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことを受けて、NY市場でもユーロ売り・ドル買いが進んだ。パウエルFRB議長が前日に追加利下げについて慎重に判断する姿勢を示したことから、米金利の上昇とともにドル買いも入りやすく、23時30分前に一時1.1728ドルと日通し安値を更新した。その後も戻りも1.1746ドル付近にとどまった。
・ユーロ円は3日続伸。ユーロドルの下落につれた売りが出た半面、ドル円の上昇につれた買いが入った。取引終了間際には一時174.80円と本日高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。23日のパウエルFRB議長の講演を受けて、追加利下げへの期待が後退する中、利益確定目的の売りが優勢となった。米政府機関の一部閉鎖への懸念も相場の重し。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。FRBによる追加利下げへの期待が後退する中、売りが優勢となった。グールズビー米シカゴ連銀総裁の「過度に前倒しされた利下げは不安材料」との発言も相場の重し。
・原油先物相場は続伸。米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計で、原油・ガソリンともに減少したことで需給の引き締まりを意識した買いが強まった。
・金先物相場は4日ぶりに反落。連日で史上最高値を更新していただけに利益確定売りが優勢となった。外国為替市場でドル高が進み、ドル建てで取引される金の割高感も意識された。
24日10:30 ウィリスNZ財務相
「中銀のインフレ目標を変更する意図ない」
「RBNZの新総裁にブレマン氏を任命」
「新RBNZ総裁は12月1日から5年間の任期」
24日13:06 チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事
「インフレリスクは非常にバランスが取れている」
「ECBは必要に応じあらゆる方向で対処する用意」
「12月の理事会までさらに多くのデータが発表される見込み」
24日15:59 グリア米通商代表部(USTR)代表
「対ASEAN貿易合意は数週間から数カ月以内の締結予想」
24日21:35 ベッセント米財務長官
「10月と11月に中国側と再び会議を行う見込み」
24日22:01 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「依然として金利はいくらか下がる余地がある」
「いつどの程度かはインフレの経路次第」
24日23:13 ペーゼシュキアン・イラン大統領
「イランは核兵器を求めることは決してない」
「イスラエルのネタニヤフ首相は犯罪者」
25日01:43 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「制限的な姿勢を維持する場合、利下げを見送る可能性」
「需要の弱さのリスクは消えていないが、かなり軽減されたと考えている」
「インフレ見通しには上振れリスクがある」
「労働市場の急激な悪化への懸念は以前より低い」
「この環境下で金融政策は供給ショックを相殺すべき」
「インフレが目標を長期間超えた際には、物価が景気より早く反応する可能性」
「ネガティブな供給ショックは今後も続く見込み」
「現在の不確実性とリスクに対し、今後は利下げに慎重に取り組むのが適切」
25日02:13 マクロン・仏大統領
「イランに対して制裁回避の時間が残りわずか」
25日03:37 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「雇用市場は依然として概ね安定し堅調」
「新たな労働統計は緩やかな冷え込みを示している」
「過度に前倒しされた利下げは不安材料」
<国内>
○08:50 ◇ 8月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.9%)
○08:50 ☆ 7月30-31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
<海外>
○15:00 ◇ 10月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲23.3)
○15:45 ◇ 9月仏消費者信頼感指数(予想:87)
○15:45 ◎ カジミール・スロバキア中銀総裁、講演
○16:30 ☆ スイス国立銀行(中央銀行、SNB)、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○17:00 ◇ 7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○18:30 ◇ 8月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%/前年比1.8%)
○21:20 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○21:30 ☆ 4-6月期米国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比年率3.3%)
○21:30 ◎ 4-6月期米個人消費(確定値、予想:前期比年率1.7%)
○21:30 ◎ 4-6月期米コアPCE(確定値、予想:前期比年率2.5%)
○21:30 ◇ 8月米卸売在庫(予想:前月比0.1%)
○21:30 ◎ 8月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.3%/輸送用機器を除く前月比横ばい)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.5万件/193.5万人)
○22:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○22:00 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○23:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長、ディスカッションに参加
○23:00 ◎ 8月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲1.4%/年率換算396万件)
○26日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○26日02:00 ◎ バーFRB理事、講演
○26日02:40 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○26日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.50%に引き下げ)
○26日04:30 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○国連総会一般討論演説(ニューヨーク、29日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 45420 ±0 (±0.00%)
TOPIX先物 3157.0 +10.5 (+0.33%)
シカゴ日経平均先物 45375 -45
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
24日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落した。23日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて年内の追加利下げへの期待が後退するなか、ハイテク株を中心に利益確定の売りが優勢となった。25日発表の米新規失業保険申請件数や26日に発表される8月の米個人消費支出(PCE)物価指数の結果を見極めたいとする様子見ムードもあった。
S&P500業種別指数は自動車・同部品、エネルギー、公益事業が上昇した一方で、素材、テクノロジー・ハード・機器、電気通信サービスの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、シェブロン<CVX>、ウォルトディズニー<WMT>、セールスフォース<CRM>が買われた。半面、アムジェン<AMGN>、IBM<IBM>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、スリーエム<MMM>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比45円安の4万5375円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円高の4万5470円で始まった。その後は4万5420円~4万5520円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上抜け、4万5600円まで買われた。買い一巡後は軟化し、4万5270円まで売られる場面もあったが、終盤にかけてショーカバーが入り、4万5420円と日中比変わらずで取引を終えている。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになろう。ボリンジャーバンドの+2σ(4万5820円)が心理的な抵抗として意識されやすく、同バンドに接近する局面では戻り待ち狙いのショートを誘う形になりそうだ。ただし、バンドは上向きで推移しており、これに沿ったトレンドを形成しているため、引き続き押し目待ち狙いの買い意欲は強そうである。そのため、オプション権利行使価格の4万5250円から4万5750円辺りのレンジを想定する。
前日の取引終了後に決算を発表したマイクロン・テクノロジー<MU>は時間外取引で買われていたが、24日の取引では2.8%下げた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株などの利食いにつながりやすく、日経平均型の重荷になる可能性はあろう。
また、昨日はソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が1社で日経平均株価を200円超押し上げており、人工知能(AI)関連株への物色が目立っていた。同社の動向を睨みながらの展開になりそうであり、利益確定の売りが優勢になるようだと、先物市場ではショートを仕掛けてくる動きが入りやすいとみておきたい。
24日の米VIX指数は16.18(23日は16.64)に低下した。一時17.21まで上昇する場面もみられたが、その後の下げで前日に上回った75日移動平均線(16.48)を割り込んで終えている。25日線(15.51)が意識されて、ややリスク選好に向かわせる可能性がある。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.43倍と変わらず。朝方に14.45倍をつける場面もみられたが、その後は14.36倍まで下げており、+2σ(14.44倍)を割り込んできた。+2σを明確に下抜けてくる局面では、NTロングを巻き戻すリバランスが入りやすくなりそうであり、ソフトバンクグループの動向が注目される。
昨日の海外市場でドル円は、米長期金利の上昇を手掛かりに全般ドル買いが先行。8月米新築住宅販売件数が予想を上回ったことも相場の支援材料となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁が「過度に前倒しされた利下げは不安材料」との発言もドル買いを促し、取引終了間際に一時148.92円と3日以来の高値を更新した。ユーロドルは欧州時間発表の9月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことを受け一時1.1728ドルまで弱含んだ。
本日の東京時間でのドル円は、底堅さを維持すると予想するものの、さらに買い上げるためには米国の経済指標・要人(FRB関係者やトランプ米大統領)などの発言が、ドル買いを促すようなものにならない限りは難しそうだ。
昨日は3日以来のドル高・円安水準を更新したため、東京時間ではドルを買い遅れている市場参加者は下落局面で輸入予約を手堅く抑えてくると見込まれる。昨日は、通常では市場の反応が限られる米新築住宅販売件数でドルが買われた。本日も自民党総裁選に立候補している要人の発言や、日本時間午前中に更新されることが多いトランプ米大統領のSNSなど、些細な発言などで市場が急変するリスクもある。
昨日行われた自民党総裁選の公開討論会では、候補者はこれまで以上に慎重な発言となった。過去は日銀の利上げ批判を繰り返した高市候補も日銀批判を封印、小泉候補も財政拡大について玉虫色の発言にとどめるなど、無難に乗り切ることに終始し、市場への影響は限定された。もっとも、今後の発言次第では市場が動意づく可能性があり、警戒は必要。
米国からは23日の講演でパウエルFRB議長が明確な利下げ方針を示さなかったことで、トランプ政権の圧力が増す可能性がある。また、アリゾナ州の下院特別選挙は、予想通り民主党候補が勝利を収めた。この結果で、下院における共和党と民主党の僅かな差がさらに縮小し、エプスタインのファイル公開に関して票決が行われる可能性が高いと報じられている。同ファイルの公開は本邦では関心が低いが、トランプ政権の命運を握る可能性もあり注目される。
日本時間で相場が無風に終わった場合でも、本日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、ボウマン米連邦準備理事会FRB副議長、バーFRB理事の講演などが予定されている。昨日はグールズビー氏がタカ派と捉えられる発言をしたが、他のメンバーの見解次第では神経質な動きになると予想する。
また、NY入り直後には前週分の米新規失業保険申請件数と失業保険継続受給者数が発表され、雇用指標には市場が敏感に反応すると見込まれる。
東京市場は一進一退か。米国株は下落。ダウ平均は171ドル安の46121ドルで取引を終えた。序盤には買われる場面もあったが、上値が重く中盤以降はマイナス圏が定着した。早期の利下げ期待がやや後退する中、米10年債利回りが上昇しており、ドル円は足元148円80銭近辺と円安(ドル高)に振れている。CME225先物は円建てが45円安の45375円、ドル建てが40円高の45460円で取引を終えた。
米3指数が下落しており、上値は重いだろう。ただ、円安進行は日本株を下支えする公算が大きい。きのうの日経平均は一時200円超下げたところから持ち直し、136円高(45630円)と3桁の上昇で終えた。今週に入って連日で史上最高値を更新するなど基調は強く、下げる場面があれば下値は拾われるとみる。下を試すも大きくは崩れず、売り一巡後は切り返して次第に前日終値近辺でこう着感が強まる展開を予想する。日経平均の予想レンジは45350-45850円。
昨日のドル円は、表面的には一応、8月米新築住宅販売件数が予想を大幅に上回る強い数字となったとか、米長期金利が上昇したとかといった理由付けは当然出来るわけですが、これほど意識されていた200日MAを完全に上抜けてくるほどの大きな材料かと言えば、多くが首を傾げざるを得ないことも事実。ドル円は、結局、特段の理由のないままビックポイントをブレイクすることになりました。
ドル円は、今回ばかりではなく、昨日のように何もない時のよく理由の分からない動きには注意しなければならず、現に、日米の金融政策決定会合を前後して、グッドネームがしっかりと下値を拾い始めていたことからもわかるように、市場は既に円ロングのキープを良しとせず、むしろ、実需勢の執拗なドル買い需要や、日米合意による80兆円にも及ぶ巨額の米国投資、当然のことながら、全額がキャッシュで出るわけではないことは認識しているものの、その潜在的ドル買い需要を鑑みるに、もはや、日米の0.25%程度の利上げや利下げが実施されたとしても、日米金利差なる材料とは比べ物にならないほどの需給関係のタイト感が完全に上回ってきてしまっているわけで、昨日の全く下押しらしい下押しもないままビッドが引かなかった事実は、当然のことながら、一部マクロ勢のまとまった買いが出ていたと考えるのが最も整合性がとれるといったところです。
いずれにしても、ドル円は、株価などを眺めながら、200日MAを意識した値固めが行われています。
日経225先物は11時30分時点、前日比30円高の4万5450円(+0.06%)前後で推移。寄り付きは4万5370円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万5375円)にサヤ寄せする形から、やや売りが先行して始まった。4万5260円まで下げ幅を広げた後は4万5300円~4万5400円辺りで下げ渋る動きをみせており、終盤にかけてレンジを上抜けてプラス圏を回復すると、4万5580円まで買われる場面もみられた。
前日に日経平均株価を牽引したソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は、売りが先行した後に切り返してきたことで、ロングを誘う形になったようである。ただし、アドバンテスト<6857.T>[東証P]は底堅さが意識されているものの、マイナス圏で推移しているため、積極的なロングは入れにくいようであり、日経225先物は概ねナイトセッションでのレンジ(4万5270円~4万5600円)で推移している。方向性が見極めにくいため、スキャルピング中心のトレードに向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.39倍に低下した。ボリンジャーバンドの+2σ(14.48倍)を明確に下放れてきたことで、NTロングを巻き戻す形でのリバランスの動きが入りやすくなりそうだ。
本日のロンドン為替市場では、ユーロ圏の経済指標や要人発言を確認しつつ、スイス国立銀行(SNB)の政策金利発表に注目することになろう。
欧州序盤には10月独Gfk消費者信頼感調査や9月仏消費者信頼感指数が発表される。通常は単体では相場を動かしづらい指標ではあるものの、昨日の9月独Ifo企業景況感指数が予想外の悪化となった直後でもあり、念のため気を付けたい。そのほか、欧州中銀(ECB)内でタカ派と目される、カジミール・スロバキア中銀総裁の講演も予定されている。
NY序盤からは、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁を始めとして、FRB高官の発言機会が相次いで予定されている。昨日は米追加利下げ期待の後退などを背景に米長期金利が上昇してドルが買われ、ユーロドルを下押した。米長期金利の動向にも、引き続き注目したい。
さて、本日はSNBの政策金利発表が予定されている。スイスフラン相場が安定していることなどから、今回は金利据え置き(0.00%)予想がコンセンサス。10日にシュレーゲルSNB総裁が「マイナス金利導入のハードルは高いが、本当に必要なら実施」などと発言しており、一段の金利引き下げのハードルは高そうだ。また、市場関係者の間では少なくとも年内は現在の金利水準を維持するとの見方が強い。
ただ、直近の経済指標を振り返ると、8月消費者物価指数(CPI)は1月以来となるマイナスになったほか、先月末に発表された4-6月期四半期国内総生産(GDP)は前年比で予想を下回る伸びに留まっている。前回6月の理事会での声明では、「必要に応じて金融政策を調整することで、中期的にインフレ率が物価安定と整合する範囲内にとどまるよう努める」「スイスの経済見通しは依然として不透明」などの見解が示された。声明の内容に注目したい。
想定レンジ上限
・ドル/スイスフラン:日足一目均衡表・雲の上限0.8059フラン
・ユーロドル:23日高値1.1820ドル。
想定レンジ下限
・ドル/スイスフラン:17日安値0.7829フラン
・ユーロドル:90日移動平均線1.1626ドル。
ドル円:1ドル=148.80円(前営業日NY終値比▲0.10円)
ユーロ円:1ユーロ=174.73円(▲0.05円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1742ドル(△0.0004ドル)
日経平均株価:45754.93円(前営業日比△124.62円)
東証株価指数(TOPIX):3185.35(△14.90)
債券先物12月物:135.82円(▲0.14円)
新発10年物国債利回り:1.640%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月企業向けサービス価格指数
前年同月比 2.7% 2.6%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。朝方に148.90円の高値を見るも、その後は前日上昇した反動で持ち高調整の売りが優勢に。5・10日(ゴトー日)の東京仲値も盛り上がらず、148.56円まで下押し。もっとも、下げの勢いが一服すると148.80円台まで持ち直した。
・ユーロ円は強含み。前日高値174.80円前に足踏みが続くも、15時過ぎに174.87円まで上昇して年初来高値を更新した
・ユーロドルは小動き。手掛かり材料に乏しい中、1.17ドル台半ばで方向感を模索する展開となった。
・日経平均株価は続伸。前日の米株安を背景に売り先行でスタートするも、売り一巡後は買いが優勢となった。円安を背景に輸出株に買いが入ったほか、中間配当の権利取りの買いも出たもよう。3日連続で最高値を更新した。
・債券先物相場は反落。前日の米長期金利が上昇(国債価格は下落)した流れを引き継ぎ、売りが先行。15時前には135円73銭まで売られた。なお、本日の40年債入札は「やや強め」の結果と受け止められた。
ロイター通信は消息筋の話として、米中両国の当局者が現地時間の25日、米財務省で貿易・経済問題に関する事務レベルの協議を行う見通しだと伝えた。ただ、中国のTikTok米国事業の米国管理下への譲渡に関する最新協議は議題に含まれない。『信報』が25日伝えた。
関係者によると、今回の協議は、ベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相が両国間の関税「貿易休戦」の期限である11月10日までに行う予定の次回のハイレベル貿易協議には触れない。25日の協議では、これまでの数回の協議で話し合われた貿易問題に関連する技術的な詳細に重点が置かれるという。
東海東京インテリジェンス・ラボでは欧州経済に関して、9月のユーロ圏総?⑰MI速報値が51.2と1年4カ月ぶりの高水準に上昇ことに注目している。地域別ではフランスが48.4と低迷した一方、ドイツがサービス業の好調で52.4と昨年5月以来の高水準を記録。ユーロ圏全体ではサービス業が51.4と好調を維持した。東海東京では、ユーロ圏経済が引き続き成長軌道にあるとみられる中、当面のユーロは緩やかに下値を切り上げる展開を予想している。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、9月29~30日にオーストラリアで開催されるRBA(豪州準備銀行)理事会についてリポートしている。RBAは今年2月の後、5、8月と2会合に1回のペースで利下げを実施。前回の8月理事会以降に得られた経済指標や米中通商協議の状況などから、連続利下げを今回決定する緊急性は高まっていないと三菱UFJMSでは考えている。また、無風通過になるかもしれない今理事会では、声明文や理事会後のブロックRBA総裁の記者会見で示される今後の金融政策に関するスタンスに注目している。
中国商務部など9部門は24日、サービス輸出拡大を狙った13の政策措置を発表した。中央と地方の資金を活用した輸出支援や、「サービス貿易創新発展指導基金」の活用強化、輸出信用保険の拡充、ゼロ税率申告の手続き改善、越境資金の管理や決済の利便性向上、知的財産取引やデータ越境移動の規範化などを柱とする。
デジタルサービスやハイエンド設計、研究開発、サプライチェーン、検査認証、知的財産、言語サービスなどの新業態に加え、省エネ、リサイクル、環境管理、カーボンフットプリント管理などのグリーンサービスを重点分野に位置付け、重点企業や重点プロジェクトを育成する方針を示した。
外国人の中国入国に関してはビザ制度を最適化し、ビザ免除対象国の拡大や区域限定のビザ免除制度の整備を進める。観光や親族訪問、医療、学術研究、展示会や大会参加、留学や長期滞在などインバウンド消費の利便性も高める。
このほか、重要データの目録作成や識別指針の策定、自由貿易試験区におけるデータの越境移転に関するネガティブリストの調整・更新を進める。条件を満たした地域では、グローバル企業内部で持つ個人情報の越境移転を認める仕組みづくりも後押しする。
2025年9月7日、石破首相が辞任を表明した。前後して、トランプ米政権から赤沢経済再生相と加藤財務相に対して餞別らしきものが贈られた。
1.赤沢経済再生相:日米関税合意
9月4日、トランプ米大統領は、日本との貿易合意を実施する大統領令に署名した。
米国は自動車・同部品を含む大半の日本からの輸入品に対して最大15%の関税を課すことになる。この合意には、日本が5500億ドル規模の米国向け投資基金を創設する約束も含まれている。
9月9日、赤沢経済再生担当相は閣議後会見で、日米関税合意に基づく自動車・同部品を含む米関税の引き下げが9月16日までに正式に発効する見込みだとの認識を示した。
9月16日、アメリカが日本から輸入する自動車に対する関税率は、27.5%(=2.5%+25.0%)から15.0%に引き下げられた。
2.加藤財務相:日米為替合意
9月12日、加藤財務相とベッセント米財務長官との間で「日米財務相声明」が発表された。おそらく、ベッセント米財務長官は、日本に対して、円安是正を日銀の利上げで対応すべきとのメッセージを送ったのかもしれない。
■日米為替声明
信頼できるパートナーとして、米国財務省と日本財務省は、マクロ経済及び為替に関する事項について、緊密な協議を継続することに合意した。
「為替介入検討の場合、過度な変動や無秩序な動きに対処するためのものに留保」
「競争上の目的のため為替レートを目標としないとの認識を再確認」
「為替は市場で決定されるべきことを再確認」
「過度な変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響与え得ること再確認」
「競争上の優位性得るための為替操作は、両者が避けてきたこと再確認」
両者は以下の事項の公表にコミットする:
・少なくとも月次で、あらゆる為替介入の実施状況
・IMF の「外貨準備と外貨流動性に関するデータ・テンプレート」に沿って、月次で外貨
準備のデータとフォワード・ポジション、年次で外貨準備の通貨構成を年次で公表する
■加藤財務相
「為替政策に関する日米の共通認識の確認は、大変意義深い」
「為替水準については議論出ていない」
「日米為替声明は、従来のG7などの議論やコミットメントがベースとなっている」
「為替水準に関してベッセント米財務長官との間で議論は出ていない」
「為替の無秩序な動きはもともと定義決められるものではない」
「ベッセント米財務長官との間で、過度な為替変動がネガティブな影響を及ぼすと確認」
「日米財務相で緊密に連携を図っていきたい」
大阪12月限
日経225先物 45460 +40 (+0.08%)
TOPIX先物 3156.5 +10.0 (+0.31%)
日経225先物(12月限)は前日比40円高の4万5460円で取引を終了。寄り付きは4万5370円とシカゴ日経平均先物清算値(4万5375円)にサヤ寄せする形で、やや売りが先行して始まった。4万5260円まで下げ幅を広げた後は4万5300円~4万5400円辺りで下げ渋りをみせ、前場終盤にかけてレンジを上抜けてプラス圏を回復すると、4万5580円まで買われる場面もみられた。ただ、前場は概ねナイトセッションでのレンジ(4万5270円~4万5600円)での推移であり、後場は4万5370円~4万5550円とさらに狭いレンジでの推移となっている。
前日に日経平均株価を牽引したソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が、売りが先行した後に切り返してきたことでロングを誘う形になったようである。ただし、アドバンテスト<6857.T>[東証P]は底堅さが意識されたもののマイナス圏での推移が続いたため、ポジションを傾けにくい需給状況だったとみられる。方向性が見極めにくいため、スキャルピング中心のトレードを余儀なくされたようだ。
本日もソフトバンクグループが日経平均株価を牽引する形だった。指数インパクトが大きく、連日で最高値を更新しているため過熱感は警戒されつつ、インデックスファンドなどではパフォーマンスの観点から組み入れないわけにはいかず、特に出遅れているファンドでは比率を高める必要に迫られているのだろう。アドバンテストから主役交代となれば、先物市場でも過剰に反応する展開が意識されそうだ。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジ内での推移を続けているが、ナイトセッションで+2σは4万6050円辺りに位置しており、同バンドから下放れてきている。+1σ(4万4780円)をターゲットとしたショートは考えにくいが、短期的には4万5000円辺りを試してくる可能性がありそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万5000円から4万5750円辺りのレンジを想定しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.40倍に低下した。ボリンジャーバンドの+2σ(14.48倍)を明確に下放れてきたことで、NTロングを巻き戻す形でリバランスが入りやすくなりそうだ。ただ、中間配当取りの動きからTOPIX型の強さが目立った点もあったとみられ、イベント通過で再びNTロングに振れるかを見極めたいところであろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4261枚、ソシエテジェネラル証券が9168枚、サスケハナ・ホンコンが3685枚、JPモルガン証券が1684枚、バークレイズ証券が1653枚、日産証券が1313枚、モルガンMUFG証券が1045枚、ゴールドマン証券が768枚、楽天証券が646枚、野村證券が631枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万3386枚、ソシエテジェネラル証券が2万1097枚、JPモルガン証券が8391枚、バークレイズ証券が6195枚、モルガンMUFG証券が4374枚、ゴールドマン証券が3908枚、野村証券が2410枚、ビーオブエー証券が2250枚、サスケハナ・ホンコンが1481枚、シティグループ証券が1418枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、明日発表される米8月PCEデフレーターという重要なインフレ指標を控えて、米新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者数などを見極めつつ、複数のFRB高官の発言を見極めていく展開となる。
また、引き続き、トランプ米大統領の突発的な発言や次期FRB議長候補に関するヘッドライン、そして10月からの米政府機関の閉鎖の可能性に関するヘッドラインなどには警戒しておきたい。
ドル円のテクニカル分析では、日足一目均衡表・雲の上限147.88円や長期的な攻防の分岐点である200日移動平均線148.51円を上回る水準で堅調に推移している。
8月1日の米雇用統計ショックによる下押しの戻り高値149.14円を上抜けて、8月1日の高値150.92円を目指す上昇トレンドを継続していくのか否かに注目していきたい。
パウエルFRB議長は、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決定した理由に雇用情勢の悪化を挙げていた。本日発表される新規失業保険申請件数の予想は23.5万件と前回分の23.1万件から悪化が見込まれており、9月雇用統計調査対象週(12日)の失業保険継続受給者数の予想は193.5万人と前回分の192.0万人からの悪化が見込まれている。予想通りか予想を上回る弱い結果となれば、年内2回の利下げ観測が高まることになる。
また本日は、グールズビー米シカゴ連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、ボウマンFRB副議長、バーFRB理事、ローガン米ダラス連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁らの発言機会が予定されており、金融政策への言及には警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、149.14円(9月3日高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、147.88円(日足一目均衡表・雲の上限)
今晩は雇用指標に注目。昨日はAIラリーの持続可能性への懸念の高まりやパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が火曜日に株価の割高を指摘したことが引き続き相場の重しとなった。ダウ平均は朝方に160ドル高まで上昇したものの、171.5ドル安(-0.37%)で終了。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.28%安、0.33%安で終了し、主要3指数がそろって2日続落した。個別ではエヌビディアが0.82%安、オラクルが1.71%安となり、予想を上回る増収増益決算を発表したマイクロン・テクノロジーも2.82%下落した。一方、インテルはアップルからの投資を模索していると報じられ、6.41%高となり、引け後の取引でも2%超上昇した。
今晩は利下げ見通しを巡り新規失業保険申請件数に注目が集まる。株価の高値警戒感や9月末の政府機関閉鎖の可能性が意識されることが引き続き重しとなることが懸念されるほか、金曜日に米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する8月個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えていることで様子見姿勢が強まることも予想されるが、新規失業保険申請件数が予想以上の悪化となれば、利下げ期待の高まりが相場の支援となることが期待される。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決定した理由について、雇用の悪化を指摘した。新規失業保険申請件数の市場予想は23.5万件と前回分の23.1万件から悪化が見込まれており、弱い結果となれば年内利下げ継続期待が続きそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数のほか、4-6月期GDP確報値、8月中古住宅販売件数など。企業決算は寄り前にカーマックス、アクセンチュア、引け後にコストコなどが発表予定。(執筆:9月25日、14:00)
トランプ政権は、韓国との通商協定を日本との合意に近い条件で最終調整を目指しているとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じた。7月に発表された3500億ドル規模の投資等の合意内容を微調整し、対日協定との整合性を図る意向である。
ドイツのメルツ首相は、EUに対し凍結中のロシア資産を活用してウクライナの戦費を賄うよう要請した。この措置により最大1,400億ユーロ規模の融資資金がキーウに供給可能になる見通しで、EU当局も現金化された資産を裏付けとした「賠償ローン」構想を検討している。ロシアへの損害賠償分を将来的な返済財源とし、IMFの資金需要評価後に最終規模が決定されるが、欧州内で資産没収には慎重論も残る。
イスラエル軍はイエメン首都サナアのフーシ派拠点への大規模空爆を実施し、軍事キャンプや総司令部を標的とした攻撃で多数のフーシ派戦闘員を「排除」したと発表した。これらの攻撃は、フーシ派からイスラエルへのミサイル・無人機攻撃への報復措置であり、現地では複数の死傷者が発生した模様。国際社会では市民被害への懸念が高まっているが、イスラエル国防相はさらなる戦力攻撃も示唆している。
ポーランドは、ノルドストリームパイプライン破壊事件の容疑者であるウクライナ人ウォロディミル・Zに対し、庇護と国家勲章の授与を検討している。シコルスキ外相は私的に「彼を国内で庇護し、勲章を授与する用意がある」と述べたと報じられた。ウォロディミルはポーランド南西部のプシュクフ在住のダイビングインストラクターで、2022年9月に発生したバルト海の3本のノルドストリームパイプライン破壊に関与しているとされる。
ドイツ側は彼を追跡していたが、2024年7月にポーランドがウクライナへの脱出を支援した疑いがある。ドイツは2024年6月に逮捕状を発行したがポーランド側は逸早く出国していたと主張。ポーランドの関係者は「彼は我々の英雄だ」との見方を示し、ポーランドとドイツの関係は緊張状態にある。
日経平均株価は3日続伸。小安く始まり一時下げ幅を3桁に広げたが、売り一巡後は切り返して3桁の上昇で取引を終えた。安値が45503円で、5日移動平均線(45445円 9/25)近辺で反転。ここ数日は押したところで5日移動平均線が強いサポートとして機能している。
RSI(9日)は前日87.3%→86.0%(9/25)に低下。3/26高値から4/7安値までの下落幅に対する倍返し(45650円)はすでに達成しており、短期的には上昇一服のタイミングを迎えても不思議はないが、基本的には5日移動平均線上でのトレンドフォローの見方が優先される。
上値メドは、9/19高値(45852円)、心理的節目の46000円や46500円などがある。下値メドは、5日移動平均線、心理的節目の45000円、10日移動平均線(44989円 同)、心理的節目の44000円、25日移動平均線(43617円 同)などがある。
トランプ大統領は本日中にも新たなTikTokの米国合弁事業を承認する大統領令に署名するとホワイトハウス筋が明かした。この命令で、中国のByteDanceによるTikTokの売却期限を120日延長し、米国の投資家とByteDanceが規制承認を得て合意を成立させる時間が確保される。新事業の理事会は7名で、そのうちの6名はサイバーセキュリティや国家安全保障の背景を持つ米国人が占め、ByteDanceはセキュリティ関連の意思決定から除外される。ByteDanceは新会社の20%未満の株式を保有する。
Oracleが投資家の一つとして、アプリのソースコードとセキュリティを監督。TikTokアルゴリズムは米国ユーザーデータで再訓練され、不正操作がないか厳しく監視される。中国の承認も得ており、トランプは安全保障リスクを考慮しつつ合意を進めている。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.953%、応札倍率(カバー)が2.40倍となった。
欧州関係者はロシアがNATO領空を侵犯した際、ロシアの軍用機を撃墜する準備ができていると非公式に伝えていると一部通信社が伝えた。
ヨーロッパの関係者は、ロシアによるエストニア領空侵犯を故意の行動として捉えていると一部通信社が伝えた。19日、ロシアのMiG-31戦闘機3機が許可なくエストニアのバルト海フィンランド湾上空に入り、12分間滞在した。この侵入は、ロシアの挑発的行動の一環と見なされ、NATOは迅速に介入しイタリアやスウェーデン、フィンランドの戦闘機が対応した。ロシアはこれを否定し、国際法に則った飛行だと主張しているが、欧州諸国は一層の警戒を強めている。エストニアはNATOの条約第4条に基づく協議を要請し、同盟国との連携強化を図っている。
(25日終値:26日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.80円(25日15時時点比△1.00円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.63円(▲0.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1658ドル(▲0.0084ドル)
FTSE100種総合株価指数:9213.98(前営業日比▲36.45)
ドイツ株式指数(DAX):23534.83(▲131.98)
10年物英国債利回り:4.757%(△0.088%)
10年物独国債利回り:2.773%(△0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲22.3 ▲23.5・改
9月仏消費者信頼感指数
87 87
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)政策金利
0.00%で据え置き 0.00%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。しばらくは148円台後半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。4-6月期米国内総生産(GDP)確定値や8月米耐久財受注額、前週分の米新規失業保険申請件数、8月米中古住宅販売件数など、この日発表の米経済指標が予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが進行。2時30分過ぎには一時149.92円と8月1日以来の高値を付けた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.19%台まで上昇した。
なお、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は「政策金利は150-200べーシスポイント程度制約的」と述べたほか、ボウマンFRB副議長は「インフレではなく雇用創出へのシフトが適切」「労働市場は予想以上に脆弱」などと発言。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁は「あまりに多くの利下げ前倒しには懸念を覚える」と述べたほか、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁は「FRBの金融政策はやや引き締め的で、この水準が適切」「今後も金融政策判断はデータ次第で調整」などと語った。
・ユーロドルは軟調。良好な米経済指標が相次いだことを受けて全般ドル買いが優勢になると、2時30分過ぎに一時1.1652ドルと日通し安値を更新した。「欧州はロシアがNATO領空を侵犯した場合、ロシアの戦闘機を撃墜する用意があると非公式に警告した」との報道を受けて、地政学リスクを意識したユーロ売りも出た。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.56まで上昇した。
・ドルスイスフランは底堅い。良好な米指標が相次いだことを受けて全般ドル買いが優勢になると、2時30分過ぎに一時0.8014スイスフランと5日以来の高値を更新した。
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)はこの日、政策金利を現行の0.00%に据え置くことを決めたと発表。声明では「トランプ米政権の関税政策により、スイスの経済見通しが悪化した」と指摘したほか、「インフレ圧力は前四半期とほぼ変わらず。金融政策はインフレを物価安定と一致する範囲に維持し、経済発展を支える一助となっている」との見解を示した。
・ユーロ円は一進一退。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は反落。前日の米国株相場の下落を受けて投資家心理が悪化すると、英株にも売りが出た。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、HSBCホールディングスやバークレイズなど金融株が値下がりした。半面、リオ・ティントやグレンコアなど素材株は買われた。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。前日の米国株相場の下落を受けて独株にも売りが先行したものの、引けにかけては下げ渋った。個別ではシーメンス・ヘルシニアーズ(3.45%安)やハイデルベルク・マテリアルズ(2.53%安)、アディダス(2.41%安)など下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
25日の日経平均は3日続伸。終値は124円高の45754円。米国株安を受けて小安く始まり、序盤はプラス圏とマイナス圏を行き来した。下げ幅を3桁に広げても45500円近辺では買いが入っており、下値は堅かった。10時台半ば以降はプラス圏で推移する時間が長かったが、上げ幅を3桁に広げると上値が重くなった。後場にもマイナス圏に沈む場面があるなど方向感は定まらなかったものの、14時以降の動きが良く、3桁の上昇で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆7600億円。業種別では非鉄金属、石油・石炭、電気・ガスなどが上昇した一方、精密機器、その他製品、鉄鋼などが下落した。本日プライムに新規上場したオリオンビール<409A.T>が、前場は買いが殺到して値がつかず、後場に公開価格比2.2倍となる初値をつけた。終値も初値を上回っており、注目を集める中で商いも膨らんだ。半面、有価証券報告書を延長承認後の期限までに提出できない見込みになったと発表した河西工業<7256.T>が後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1030/値下がり513。ソフトバンクGが全市場の売買代金トップとなって3%を超える上昇。サンリオ、ソニーG、ディスコ、東電HDなどに強い動きが見られた。住友鉱山、三菱マテリアル、JX金属など非鉄株が軒並み大幅高。上期の見通しを引き上げたハピネットがストップ高となった。
一方、アドバンテストが2%を超える下落。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって売りに押された。任天堂、スクエニHD、コナミGなどゲーム株の一角が軟調。証券会社が投資判断を引き下げた朝日インテックが大幅に下落した。
プライムに新規上場したオリオンビールは上述の通り高い初値をつけて、終値も初値を上回った。グロース市場に新規上場したGMOコマースは、高い初値をつけたものの、終値は初値を大きく下回った。
日経平均は3日続伸。円安進行に対して自動車株がそれほど強い反応を示したわけではなかったが、そもそも米国株の下落をそれほど警戒しておらず、プライムの値上がり銘柄数は1000を超えた。今の日本株には多少のネガティブな材料には鈍感となれる強さがある。アドバンテストは終日弱かったが、だからといって半導体株が皆売られるわけではなく、グロース株にも強く買われるものは多かった。
あすは9月の権利付き最終日。週明けの29日に権利落ちで見た目の水準が切り下がる銘柄が多くなると思われるだけに、駆け込み買いが盛り上がるとは限らない。ただ、仮に週明けの指数が下げたとしても9月末の特殊要因と冷静に受け止められるであろうから、その手前で警戒ムードが高まることはないと思われる。先週末の19日に日銀会合の結果を消化して乱高下したが、今週はここまで3営業日連続で3桁の上昇。右肩上がりのトレンドは継続している。流れが良い中、負けなしの4日続伸で週を締めくくることができるかに注目したい。
(25日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.80円(前営業日比△0.90円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.75円(▲0.03円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1666ドル(▲0.0072ドル)
ダウ工業株30種平均:45947.32ドル(▲173.96ドル)
ナスダック総合株価指数:22384.70(▲113.16)
10年物米国債利回り:4.17%(△0.03%)
WTI原油先物11月限:1バレル=64.98ドル(▲0.01ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3771.1ドル(△3.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4-6月期米国内総生産(GDP)確定値
(前期比年率) 3.8% 3.3%
個人消費確定値
(前期比年率) 2.5% 1.6%
コアPCE確定値
(前期比年率) 2.6% 2.5%
8月米卸売在庫
(前月比) ▲0.2% 0.0%・改
8月米耐久財受注額
(前月比) 2.9% ▲2.7%・改
輸送用機器を除く
(前月比) 0.4% 1.0%
前週分の米新規失業保険申請件数
21.8万件 23.2万件・改
8月米中古住宅販売件数
(前月比) ▲0.2% 2.0%
(年率換算件数)400万件 401万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。4-6月期米国内総生産(GDP)確定値や8月米耐久財受注額、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。その後発表の8月米中古住宅販売件数が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、3時過ぎに一時149.93円と8月1日以来の高値を付けた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.19%台まで上昇した。
なお、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は「政策金利は150-200べーシスポイント程度制約的」と述べたほか、ボウマンFRB副議長は「インフレではなく雇用創出へのシフトが適切」「労働市場は予想以上に脆弱」などと発言。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁は「あまりに多くの利下げ前倒しには懸念を覚える」と話し、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁は「FRBの金融政策はやや引き締め的で、この水準が適切」「今後も金融政策判断はデータ次第で調整」と語った。
・ユーロドルは続落。良好な米経済指標が相次いだことを受けて全般ドル買いが優勢になると、3時過ぎに一時1.1646ドルと4日以来の安値を更新した。「欧州外交当局者らはロシアに対し、これ以上の領空侵犯があった場合にはロシア機の撃墜を含め、全面的な対応を取る用意があると警告した」との一部報道が伝わると、地政学リスクを意識したユーロ売りも出た。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.61まで上昇した。
・ユーロ円は4日ぶりに小反落。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。良好な米経済指標が相次いだことを受けて、FRBの追加利下げへの期待が後退すると株売りが広がった。欧州とロシアを巡る地政学リスクが意識されたことも投資家心理を冷やした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。良好な米経済指標が相次いだことを受けてFRBによる追加利下げへの期待が後退すると、売りが優勢となった。
・原油先物相場は3日ぶりに小反落。良好な米経済指標でドル高が進むとドル建てで取引される原油の割高感が意識され、一時64ドル台前半まで下落した。ただ、欧州とロシアを巡る地政学リスクが意識されると一転して買い戻しが強まった。
・金先物相場は反発。良好な米指標を受けてドル高が進むと、ドル建てで取引される金の割高感が意識されて一時3750ドル台まで下落した。ただ、金先高観は根強く、一巡後は押し目買いが入りプラス圏を回復した。
25日05:16 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「経済リスクが変化し、行動の時が来た」
「先週の0.25%利下げを全面的に支持」
「労働市場は鈍化し、インフレ上昇は予想より小さい」
「物価安定と労働市場支援のため、さらなる政策調整が必要になる可能性」
「利上げや利下げの計画は約束ではなく、その都度評価する必要」
25日08:50 7月30-31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
「日米関税交渉の合意により不確実性は低下したが、当面は影響を見極める必要があるとの判断」
「今後は経済・物価情勢の改善に応じて 段階的に政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整していくとの考え方を共有」
「基調的な物価上昇率」は2%には達しておらず、食料品価格上昇が一時的要因である可能性を指摘」
「政策金利は中立金利下回っている、今後も可能なタイミングで利上げ進めていくべき ある委員」
「過度に慎重になって利上げタイミングを逸することないよう留意必要 ある委員」
「将来的に日本銀行当座預金やバランスシートの最適規模・資産構成を検討する必要がある」
「適度に利上げ進めることはリスクマネジメント上、重要 ある委員」
25日16:37 スイス国立銀行(中央銀行、SNB)声明
「2025年前半の世界経済成長はやや鈍化」
「世界経済の動向は米国の関税と継続的な高い不確実性によって抑制されている」
「SNBは、今後数四半期にわたり世界経済の成長が鈍化すると予想している」
「米国のインフレ率は当面高止まりする見込み。一方、ユーロ圏ではインフレ率は目標水準付近で推移すると予想されている」
「貿易障壁がさらに引き上げられ、世界経済の減速がさらに顕著になる可能性がある」
「世界経済が予想以上に回復力を発揮する可能性も否定できない」
「米国の関税大幅上昇によりスイスの経済見通しは悪化」
「関税は特に輸出と投資を鈍化させる可能性が高い」
「機械・時計製造業界の企業が特に影響を受ける」
「この環境下では失業率は引き続き上昇する可能性が高い」
「スイスの経済見通しは依然として不透明。主なリスクは米国の貿易政策と世界経済の動向」
25日20:51 ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事
「政策金利は150-200べーシスポイント程度制約的」
「住宅インフレ率は今後低下していく見込み」
「関税収入や移民により、中立金利は低下している」
「今後、中立金利に向けて金利を引き下げていきたい」
「FRBの多くのメンバーより、自分は成長に楽観的」
「今年下半期の成長が3%に届く可能性はかなりある」
25日21:12 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「米国のインフレ率は低下傾向にある」
「関税によるインフレへの影響は一回限り」
※時間は日本時間
25日21:44 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「あまりに多くの利下げ前倒しには懸念を覚える」
26日01:03
「インフレが上昇する中で政策金利を据え置くことは、利下げと同じ」
「FRBの政策はやや引き締め的だ」
「労働指標は緩やかな冷え込みを示している」
「前倒しの利下げは政策ミスのリスクを伴う」
25日22:47 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「現在、FRBは物価安定と雇用の目標にほぼ到達しているが、政策は将来を見据えて運用されるべき」
「労働市場へのリスクを緩和するために直近の利下げは適切だった」
「最近のデータでは雇用市場のリスクが高まっている」
「インフレ率は依然として高水準だが、労働市場は全体的には均衡状態」
「FRBの金融政策はやや引き締め的で、この水準が適切」
「今後も金融政策判断はデータ次第で調整」
「バランスシートはできるだけ縮小した方が良い」
25日22:55 メルツ独首相
「欧州は1400億ユーロのウクライナ向け無利子融資を検討している」
25日23:10 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「インフレではなく雇用創出へのシフトが適切」
「FRBの2%のインフレ目標の範囲内にある」
「労働市場は予想以上に脆弱」
「関税は一時的な価格変動をもたらす」
26日02:13 ペーゼシュキアン・イラン大統領
「イランはあらゆる事態に完全に備えている」
「国連制裁の復活に対しては、望まないが復活すれば政策を適切に調整する」
26日02:46 ローガン米ダラス連銀総裁
「新たなベンチマークレート(基準となる金利)を準備する時が来た」
「目標金利の更新はバランスシートに影響しない」
「目標金利の更新は金融政策に影響しない」
「FF金利の連動性は脆弱で、突然切れる可能性がある」
「現時点では、FF金利は依然として有効」
「レポ金利はFRBにとってより堅固な目標となるだろう」
「短期金融市場は変化しており、FF金利目標は時代遅れ」
26日04:07 メキシコ中銀声明
「利下げは4対1で決定。1人の委員が金利据え置きを主張」
「2025年第4四半期のインフレ率を3.6%と予測」
「2026年第3四半期にインフレ率は目標の3%に向けて収束すると予測」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 9月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比2.8%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○16:15 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○21:00 ◇ 8月メキシコ貿易収支(予想:26.00億ドルの赤字)
○21:30 ☆ 7月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%/前年比0.7%)
○21:30 ◎ 8月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.5%)
◎ 8月米個人所得(予想:前月比0.3%)
☆ 8月米PCEデフレーター(予想:前年比2.7%)
☆ 8月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比2.9%)
○22:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:55.4)
○27日02:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○国連総会一般討論演説(ニューヨーク、29日まで)
○28日 ニュージーランド(NZ)が夏時間に移行
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、強い米経済指標が発表を受け、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。一時149.93円と8月1日以来の高値を付けた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.19%台まで上昇した。ユーロドルは1.1646ドルと4日以来の安値を更新した。
本日の東京時間でのドル円は、堅調地合いの維持を見込む。円安の進行だけでなくドル高が大幅に進み、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは、一時今月上旬以来となる98.61まで上昇した。連日一本調子でドル高が進んでいるため、多少の調整もあるだろうが、東京時間でトレンドが大きく変わるのは、余程のニュースがない限り難しいだろう。
本日東京時間では、まず全国消費者物価指数(CPI)の前哨戦となる9月東京都区部CPIの結果を確かめての取引になる。市場予想では、生鮮食料品を除く総合が、前年比ベースで前回2.5%から2.8%へ上昇見込み。前月よりも加速するが、夏季の水道基本料金の無償化措置の効果で水道料金が34.6%低下していることや、政府による7月から9月使用分の電気・ガス料金の負担軽減策も寄与し、3%は下回る見込みだ。10月の日銀金融政策決定会合を前にしてインフレ指標が予想よりも強まれば、本邦金利上昇・円高に動く場面もありそうだ。
ただ、大きなドル買いの流れが強まっている中、NY時間には注目の経済指標を控えていることもあり、東京都区部CPIだけでは大きく動意づくのは難しい。本日NY午前には米連邦準備理事会(FRB)が重要視するインフレ指標「個人消費支出(PCE)デフレーター」の8月分が発表予定。PCEデフレーターは、前年比で前回より小幅上昇の2.7%予想、食品とエネルギーを除いたコアデフレーターは前月から横ばいの2.9%予想になっている。
市場では、CPIを発表する労働省労働統計局(BLS)の局長にトランプ氏の熱狂的な支持者であるアントニー氏が就任したことで、今後のCPIの信頼性を懸念する声が出てきた。一方、PCEは商務省経済分析局(BEA)が担当し、信頼性と透明性が確保されているとの見方もある。
8月PCEが予想より強まれば、昨日にグールズビー米シカゴ連銀総裁が「インフレが上昇する中で政策金利を据え置くことは、利下げと同じ」と述べたように、年後半の利下げ回数が減少する可能性もあり、ドルを支えることになりそうだ。
また、ドル円が8月1日以来となる節目の150円台に乗せた場合、円安について、自民党総裁選の候補者(特に有力とみなされている小泉氏や高市氏)が、どのような見解を示すかにも注目。総裁選候補の不用意な発言が、市場の神経質な動きにつながるリスクにも備えておきたい。
なお米行政管理予算局は、来週1日には予算が切れ、追加資金源がなく、トランプ大統領の優先事項と一致しない省庁に対し、人員削減通知の発行を検討するよう伝えた。これまでは直前の予算切れ回避が多かったものの、トランプ政権とそれに対する野党・民主党も通常ではない状況でもあることで、予算案の行方にも目を向けておきたい。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は173ドル安の45947ドルで取引を終えた。新規失業保険申請件数や4-6月期GDP確報値などの経済指標が強い結果となり、利下げ継続に対する期待が後退。米10年債利回りが上昇し、株は売られる展開となった。米金利上昇を受けて、ドル円は足元149円80銭近辺と円安(ドル高)に振れている。CME225先物は円建てが85円安の45375円、ドル建てが変わらずの45460円で取引を終えた。
米国株安を嫌気した売りに押されると予想する。円安は日本株にプラスの影響もあるが、ドル円は150円に接近してくると米国側からのけん制や逆回転の動きにも注意を払う必要が出てくる。本日は9月の権利取り最終日で、駆け込み買いは期待できる。一方、今週の日経平均はきのう25日まで3日続伸しており、目先の利益を確定させる売りも出やすい。足元の基調は強いだけに米国株の下げに対してはある程度耐性を示すとみるものの、米国株安を跳ね返してまで上を試すほどの動きにはならず、クールダウンの1日となるだろう。日経平均の予想レンジは45500-45850円。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 45370 -90 (-0.19%)
TOPIX先物 3162.5 +6.0 (+0.19%)
シカゴ日経平均先物 45375 -85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
25日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落した。米新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、7月以来の低水準となった。4~6月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は改定値から上方修正されたほか、8月の米耐久財受注は予想に反して増えた。良好な経済指標が相次いだことで、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げへの期待が後退し、利益確定の売りが優勢となった。シカゴ連銀のグールズビー総裁は、過度な利下げに動くのはリスクがあるとの見解を示したと伝わったことも、持ち高調整の売りに向かわせた。
S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、エネルギー、電気通信サービスが上昇した一方で、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、医薬品・バイオテクノロジーの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、IBM<IBM>、アップル<AAPL>、シェブロン<CVX>、シスコシステムズ<CSCO>が買われた。半面、アムジェン<AMGN>、ナイキ<NKE>、メルク<MRK>、セールスフォース<CRM>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比85円安の4万5375円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比変わらずの4万5460円で始まった。直後につけた4万5470円を高値にショート優勢の流れとなり、米国市場の取引開始後には4万5020円まで下げ幅を広げた。ただ、4万5000円は割り込まず、中盤にかけて4万5410円まで買い戻す場面もみられた。その後再び4万5140円まで下げたが、終盤にかけてショートカバーが入り、4万5370円で取引を終えている。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになろう。ボリンジャーバンドのバンドは上向きで推移しているが、+2σ(4万6040円)が心理的な抵抗として機能しているなかで、同バンドから下放れてきている。+1σ(4万4770円)に接近する展開も意識されやすく、短期的なショートを誘いやすくなりそうだ。
もっとも、ナイトセッションでは4万5000円を割り込まなかったことで、同水準では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうである。米国市場は主要な株価指数が下落したものの、追加利下げ期待から高値圏で推移していたこともあり、利益確定の売りが出やすいところであろう。そのため、短期的なショートは入りそうだが、基本的には押し目待ちでのロングが有効とみておきたい。
26日の米国では8月の個人消費支出(PCE)の発表が予定されており、これを受けた米国市場の動向を見極めたいとする様子見ムードが強まりそうである。一方で、国内では10月4日に投開票される自民党総裁選に向けてショートは入りにくくさせるだろう。そのため、オプション権利行使価格の4万5000円から4万5500円でのレンジを想定する。
また、昨日もソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の上昇が日経平均株価を牽引する形になった。配当権利取りによる買いによって全体の底堅さにつながった影響もあり、本日は権利付き最終日になることで、下値の堅さが意識されそうだ。来週の権利落ち後は、よりソフトバンクグループのインパクトが強まる可能性により、先物市場では仕掛け的な動きに向かわせる展開を意識させそうであり、同社からは目が離せないだろう。
25日の米VIX指数は16.74(24日は16.18)に上昇した。一時17.74まで上昇する場面もみられた。その後は上げ幅を縮めたものの、再び75日移動平均線(16.47)を上回って終えてきたことで、やや神経質にさせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.40倍に低下した。ボリンジャーバンドの+2σ(14.48倍)を明確に下放れてきたため、NTロングを巻き戻す形でのリバランスの動きが入りやすくなりそうだ。ソフトバンクグループの動向次第だが、中間配当取りのイベント通過で再びNTロングに振れるかを見極めたいところであろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比60円安の4万5400円(-0.13%)前後で推移。寄り付きは4万5370円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万5375円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。4万5180円まで下げ幅を広げた後はロングが入り、中盤にかけて4万5520円とプラス圏を回復する場面もみられた。ただし、節目の4万5500円近辺では戻り待ち狙いのショートも意識されやすく、終盤にかけて4万5400円を下回っての推移となった。
米国市場の下落の影響はあるものの、本日は配当権利付き最終日に当たるため、権利取りの動きによりTOPIX型優位の流れとなっている。一方で、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、アドバンテスト<6857.T>[東証P]といった日経平均株価を牽引してきた半導体や人工知能(AI)関連には利益確定という形でのリバランスの動きとなった。26日の米国では8月の個人消費支出(PCE)の発表が予定されていることもあり、いったんは利食いを入れておきたいところでもあろう。ただし、押し目待ち狙いの買い意欲は強く、底堅さが目立ってくるようだと、ショーカバーを誘う可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.30倍に低下した。一時14.28倍をつけており、ボリンジャーバンドの+1σ(14.26倍)に接近してきた。権利付き最終日による需給面での影響はあるものの、来週のイベント通過後をにらんだ動きも意識されそうであり、+1σまでの調整を経て、リバランスの動きが入るかが注目されよう。
昨日の海外市場では、予想を大幅に上回る強い米指標をきっかけに米長期金利が急騰。ドル全面高となりました。ドル円は前日に「大した理由もないなか」でのビッドが引かない買いに支えられて200日MAを上抜けたばかりといった、チャート的には「取組み妙味が充満」していた中とあって、一気に149.93円まで買い上げられることになりました。
週末のアジア市場に入ってからも、通常であれば、150円台の大台を前にして利食い売りなどが先行するはずですが、仲値付近で輸出の売りが若干目立ったのみといった状況。早朝に公表された9月東京都区部CPIが予想を大幅に下回る弱い数字となったことから昨日高値を上抜けて149.96円まで値を上げた後は、下押しも149.63円までにとどめると、その後は様子見の動きが続いています。
いずれにしても、ドル円は昨日もお伝えした通り、もはや円ロングをエンジョイ出来る環境にはなく、一部のマクロ勢がドテンを思わせる買いを入れているように、明らかにマーケットセンチメントが変わりつつあるわけで、目先はNFPショック時の高値150.92円が意識されてはいますが、オプション絡みで言えば、市場では152.00円付近に設定されているビッグポイントが既に意識されてきています。
本日のロンドン為替市場では、ロシアを巡る欧州の地政学リスクへの警戒感がどの程度まで高まるかを見極めながらの取引か。
9月に入りロシアは、NATO加盟国の領空侵犯を連続して行ってきた。9月前半には20機前後の無人機(ドローン)がポーランド領空に侵入し、少なくとも8機が撃墜された。また、19日には、ロシア空軍の戦闘機3機がエストニア領空に10分以上も侵入する事件が発生。これらの戦闘機は、交信を拒否する「前例のないほど大胆で挑発的」な行動とされた。
ロシアの行動に対して欧米側は強硬に対応し、NATOは東側の国境防衛を強化する作戦を開始している。G7外相会合は24日、ロシアの領空侵犯は「容認できず」国家安全保障を損なうと非難する共同声明を発表した。さらに、ポーランド首相は領空侵犯機を「撃墜する」と強く警告し、トランプ米大統領もロシア機を「撃墜すべきだ」と主張している。
一方、ロシアはNATOへの領空侵犯について、一貫して否定する立場をとっている。加えて、ラブロフ露外相は昨日、NATOと欧州連合(EU)がウクライナを通じてロシアに「本物の戦争」を宣言していると非難。西側諸国とロシアとの溝は広がり、深まるばかりだ。
欧米側は迅速に対応しているものの、軍事的な衝突への警戒感が高まれば、ユーロを買いづらい相場となるだろう。昨日、続落したユーロドルは1.16ドル前半に位置する90日移動平均線や薄い日足一目均衡表・雲を念頭に置いた取引となりそうだ。また、欧州の避難通貨スイスフランの対ユーロ動向にも注視する必要がある。
欧州午後(ニューヨーク序盤)は、米連邦準備理事会(FRB)が政策を決定するうえで重要視するPCEデフレーターや同コアデフレーターの8月分が発表予定。昨日は良好な米経済指標を受けて、金利先安観が後退した。本日のインフレデータで、昨日の動きが強化されるのか見定めたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、昨日高値1.1754ドル
・ユーロスイスフラン、5日高値0.9396フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、3日安値1.1608ドル
・ユーロスイスフラン、7月31日安値0.9268フラン
UBSでは、日本株式に対するポジティブな見方を強め、投資判断を「Neutral(中立)」から「Attractive(魅力度が高い)」へ引き上げている。米国との関税交渉の進ちょくが予想以上に良好なことが、これまで慎重姿勢をとる要因となっていた主なリスクを解消したとしている。自民党総裁選を経て次期政権ではより緩和的な政策が打ち出されるとみており、FRBによる利下げや、米国経済・株式市場の底堅さも日本株を下支えすると考えている。これらの点を踏まえてUBSでは、直近の株価上昇を受けても、短期的にはリスク・リターンがより魅力的になったと判断している。
ドル円:1ドル=149.72円(前営業日NY終値比▲0.08円)
ユーロ円:1ユーロ=174.82円(△0.07円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1677ドル(△0.0011ドル)
日経平均株価:45354.99円(前営業日比▲399.94円)
東証株価指数(TOPIX):3187.02(△1.67)
債券先物12月物:135.79円(▲0.03円)
新発10年物国債利回り:1.655%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.5% 2.5%
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
8172億円の取得超 1兆4797億円の所得超・改
対内株式
1兆7475億円の処分超 2兆328億円の処分超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。9月東京都区部消費者物価指数(CPI・生鮮食料品除く総合)が前年比+2.5%と予想を下回る伸びに留まり、一時149.96円まで上昇。昨日に続いて150円の大台乗せに失敗すると、日経平均の軟調もあり149.62円まで下押すも、下げ一巡後は小戻すなど149円台後半で方向感を欠いた。
・ユーロ円は強含み。東京都区部CPIの発表後に174.86円まで上昇後に174.60円台まで下押すなど、ドル円に連れる動きとなった。ただ、15時過ぎにユーロドルが小幅高となると174.93円まで上昇して前日に付けた年初来高値の174.94円に迫った。
・ユーロドルは小高い。ドル円でのドル売りを手掛かりに小幅高となると、15時過ぎに1.1684ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反落。前日の米株安を受けて売りが先行。その後の戻りも鈍く、下げ幅は一時400円近くとなった。半導体株の多くが値幅を伴う下げとなった事が重しとなったもよう。
・債券先物相場は反落。東京都区部CPIの結果を受けて日銀の早期利上げ期待の後退が意識されて買いが先行するも、前日に米長期金利が上昇(債券価格は下落)した影響を受けて徐々に売りが優勢となると、下げに転じて取引を終えた。
中国商務部は25日、米国企業6社を貿易規制リストに収載したと発表した。規制措置は同日付で施行する。うち、Huntington Ingalls Industries, Inc.、Planate Management Group、Global Dimensions LLCを中国からの輸出を制限する「輸出管制管控リスト」に追加した。3社は軍需用と産業用の双方で活用できるデュアルユース品目の輸出を禁じられ、進行中の対象輸出活動も差し止められた。
商務部報道官は3社が「中国の国家安全と利益を損なった」ため、「輸出管制法」などに基づいてリストへの収載を決めたと説明した。
残り3社のSaronic Technologies, Inc.、Aerkomm Inc.、Oceaneering International, Inc.は事実上の禁輸措置となる「信頼できないエンティティ-リスト」に追加された。同リスト入りした企業は中国関連の輸出入と中国本土での新規投資を禁じられる。
商務部報道官は、3社が「中国側の強い反対を顧みず、台湾と軍事技術協力を行い、中国の国家主権と安全、発展の利益を深刻に損なった」と述べた。
BNPパリバ証券では、9月の東京都区部CPIを受けてリポートしている。9月は生鮮食品を除くコアが前月比マイナス0.2%(8月は0.1%)、生鮮食品とエネルギーを除く新型コアがマイナス0.3%(同0.2%)となった。新型コアの下落は、2024年4月に東京都が高校無償化対象を拡大して以来となるが、今回の下落も都が独自政策として実施した第一子の保育料無償化が主因とBNPパリバでは指摘。同政策がコアおよび新型コアを0.3ポイント押し下げており、これがなければコアは0.1%、新型コアは0.0%ということであったとコメントしている。
中国商務部は25日、メキシコが中国製品を対象に関税率引き上げを検討していることを受けて調査を開始したと発表した。メキシコの措置が貿易障壁に当たる可能性があるとしている。
メキシコ議会が9月9日に掲載した輸入税調整案で、中国など非自由貿易パートナーの製品に対する関税引き上げ計画が含まれており、商務部は「中国企業の貿易や投資の利益が大きく損なわれるおそれがある」と指摘した。
調査対象は、自動車や部品、繊維、衣料品、プラスチック、鉄鋼、家電、アルミ、玩具、家具、靴、皮革、紙・紙製品、オートバイ、ガラスなど幅広い製品カテゴリーに及ぶ。近年メキシコが講じた中国関連のその他の貿易投資制限措置も調査範囲に含める。
商務部は関係者からの聞き取りなどで情報を収集し、原則として公告日から6カ月以内に調査を終了し、必要に応じて最大3カ月延長する。
「基調的な物価上昇率は2%に向けて緩やかに上昇しているものの、なお2%には至っていない」(7月日銀金融政策決定会合議事要旨)
9月24日、2%の物価安定目標の実現を目指す日銀が公表した8月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」は、最も頻度の多い上昇率である「最頻値」が前年比+1.9%となり、7月の+1.5%を大きく上回った。しかし、食料品価格の高騰が続く中でも、2024年3月以降、2%に届いていない。
8月の上昇品目の比率は80.1%と、7月の79.7%を上回り、下落品目は14.6%で、6月の14.6%と変わらずだった。
1. 基調的なインフレ率を捕捉するための指標
物価動向の分析にあたっては、現実に観測される「消費者物価」の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率(「コア指標」)が利用されている。
生鮮食品を除いた「コアCPI」や生鮮食品およびエネルギーを除いたコアコアCPIの他に、様々なコア指標を総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握できると思われる。
日本銀行調査統計局では、毎月の全国消費者物価指数の公表に合わせて、上昇・下落品目比率、刈込平均値、最頻値、加重中央値を試算し、原則として、全国消費者物価指数の公表日の2営業日後の14時を目途に公表している。
2.8月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(※コア3指標)
■刈り込み平均値:前年比+2.0%(※将来の予測に有効)
・7月と変わらず(7月+2.0%、6月+2.3%、5月+2.5%、4月+2.4%、3月+2.2%、2月+2.2%)
・価格変動が大きい上下10%の品目を異常値として機械的に除き算出する
■加重中央値:前年比+1.1%
・7月と変わらず(7月+1.1%、6月+1.4%、5月+1.7%、4月+1.7%、3月+1.4%、2月+1.4%)
・価格上昇率の高い順にウエートを累積して50%付近にある価格変化率
■最頻値:前年比+1.9%(※2020年基準)
・7月から上昇(7月+1.5%、6月+1.4%、5月+1.6%、4月+1.8%、3月+1.4%、2月+1.2%)
・品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率
3.8月の消費者物価指数(CPI)
■消費者物価指数(CPI):+2.7%(7月+3.1%、6月+3.3%、5月+3.5%、4月+3.6%)
■コアCPI(生鮮食品を除く):+2.7%(7月+3.1%、6月+3.3%、5月+3.7%、4月+3.5%)
■コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーを除く):+3.3%(7月+3.4%、6月+3.4%)
8月コアCPIは前年比+2.7%となり、7月の+3.1%から伸び率が鈍化し、2024年11月以来の2%台となった。電気・ガス代の補助金再開やコメ価格の上昇鈍化が影響した。
補助金の再開で、エネルギー価格は電気代が7月の▲0.7%から8月は▲7.0%に、都市ガス代は▲0.9%から同▲5.0%にそれぞれ下げ幅が拡大しており、総務省では政府の電気・ガス料金補助金の再開がコアCPIを▲0.27%押し下げたとみている。
コメ類の前年比上昇率は、7月の90.7%から69.7%に縮小した。
生鮮食品を含み、生活者が実感する物価により近い総合指数も前年比2.7%上昇し、7月の3.1%から伸びが鈍化した。
変動の大きい生鮮食品とエネルギーを除き、物価の基調的な動きを示すとされる指数(コアコアCPI)は前年比+3.3%上昇となり、7月の+3.4%から鈍化した。
大阪12月限
日経225先物 45050 -410 (-0.90%)
TOPIX先物 3153.0 -3.5 (-0.11%)
日経225先物(12月限)は前日比410円安の4万5050円で取引を終了。寄り付きは4万5370円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万5375円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。4万5180円まで下げ幅を広げた後はロングが入り、前場中盤にかけて4万5520円とプラス圏を回復する場面もみられた。
ただし、節目の4万5500円近辺では戻り待ち狙いのショートも意識されやすく、前場終盤にかけて4万5400円を下回っての推移となった。後場に入ると下へのバイアスが強まり、4万5160円~4万5360円辺りにレンジを切り下げ、引け間際には4万5050円まで下落幅を広げており、本日の安値で取引を終えた。
米国市場の下落の影響はあるものの、本日は配当権利付き最終日にあたるため、権利取りの動きによりTOPIX型優位の流れとなっている。一方で、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、アドバンテスト<6857.T>[東証P]といった日経平均株価を牽引してきた半導体や人工知能(AI)関連には利益確定という形でのリバランスの動きとなった。
ただ、前場の時点では半導体やAI関連株には売り一巡後の底堅さがみられたが、後場に入り「米トランプ政権が、外国で製造される半導体の輸入依存度を大幅に減らす新たな計画を検討」と伝わると、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が売り直されて、先物市場でのショートを誘う形になったようである。
26日の米国では8月の個人消費支出(PCE)の発表が予定されていることもあり、いったんは利食いを入れておきたいところだったが、トランプ大統領の半導体業界を照準とした新計画によって、ややハシゴを外される形であろう。もっとも、4万5000円は割り込まなかったことで、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。
ボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジ内での推移が続くなか、+1σに接近してきた。ナイトセッションで+1σは4万4870円辺りに位置しているため、いったんは4万5000円割れを狙ったショートが意識されそうである。短期的に下へのバイアスが強まる局面では、その後のリバウンド狙いでの対応とみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。一時14.26倍をつけ、ボリンジャーバンドの+1σ(14.26倍)まで下げてきた。権利付き最終日による需給面の影響が通過することで、+1σまでの低下を経て、リバランスの動きが入るかが注目されよう。ただし、半導体株の調整が強まってくるようだと、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせる可能性も考えられるため、見極めが必要だろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万3481枚、ソシエテジェネラル証券が1万4383枚、サスケハナ・ホンコンが3944枚、ゴールドマン証券が2183枚、JPモルガン証券が2130枚、バークレイズ証券が2048枚、モルガンMUFG証券が1708枚、野村証券が1616枚、日産証券が1094枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が4万7668枚、ソシエテジェネラル証券が4万0985枚、JPモルガン証券が1万2994枚、バークレイズ証券が1万0984枚、モルガンMUFG証券が9831枚、ゴールドマン証券が9745枚、SMBC日興証券が5950枚、野村証券が5924枚、ビーオブエー証券が3774枚、みずほ証券が3550枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している米8月PCEデフレーターを見極めることになる。
また、引き続き、トランプ米大統領の突発的な発言や次期FRB議長候補に関するヘッドライン、そして10月からの米政府機関の閉鎖の可能性に関するヘッドラインなどには警戒しておきたい。
ホワイトハウスは連邦政府機関に対して、政府機関が来週閉鎖されるリスクに備え、大量解雇の計画をまとめるよう指示している。過去の閉鎖時には通常、職員の一時帰休が行われており、政府職員の削減を進めてきたトランプ米政権による異例の対応となる。
ドル円は長期的な攻防の分岐点である200日移動平均線148.48円を上回る水準で堅調に推移しており、8月1日の米雇用統計ショック前の高値150.92円に迫るのか否かに注目していきたい。
パウエルFRB議長は、トランプ関税の影響が8月の物価指標に顕在化すると述べていたが、8月の消費者物価指数(CPI)は前年比+2.9%、卸売物価指数(PPI)は同比+2.6%だった。
本日発表される米8月PCEデフレーターの予想は同比+2.7%で7月の同比+2.6%から上昇、コア指数は同比+2.9%で7月の同比+2.9%と変わらずと見込まれている。
予想を大幅に上回ることがなければ、市場の関心は、来週発表される米9月の雇用統計に移ることで、ドル円の上値は限定的となるのかもしれない。
また、予想を上回った場合は、ドル円は150円台に乗せる可能性が高まることで、トランプ米政権による円安牽制発言に警戒することになる。
日本の今年の1-7月の対米貿易黒字は、5兆398億円となっており、昨年同時期の5兆3149億円から、トランプ関税にも関わらず減少幅はわずかだった。
すなわち、トランプ米政権が目指す日米貿易不均衡の是正のためには、トランプ関税だけではなく、ドル安・円高が必要なことは、ベッセント米財務長官も認識していると思われる。
かつて、クリントン政権下では、日米貿易不均衡の是正のために、ベンツェン・シーリング(113.60円)が設定されていたが、ベッセント・シーリングが150円超えに設定されている可能性には警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、150.92円(8月1日高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、149.14円(9月3日高値)
今晩はインフレ指標に注目。昨日はオラクルやテスラが大幅高となったほか、新規失業保険申請件数や4-6月GDP確定値が強い結果となったことで利下げ期待がやや後退し、米10年債利回りが一時4.20%を上回ったことや、9月末の政府機関閉鎖の可能性が意識されたことも相場の重しとなった。ダウ平均が173.96ドル安(-0.38%)、S&P500とナスダック総合はともに0.50%安となり、主要3指数がそろって3日続落となった。
今晩は利下げ見通しを巡り8月個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まる。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り0.25%の利下げが決定され、メンバーのFF金利見通し(ドットプロット)で年内あと2回の利下げ予想が示されたことで、市場では利下げ期待が高まった。しかし、昨日は新規失業保険申請件数が予想を下回ったほか、4-6月GDP確定値が上方修正されたことで、利下げ期待がやや後退した。今晩の8月個人消費支出(PCE)価格指数は米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しており、インフレ鈍化を示す結果となれば、再び利下げ期待の高まりが相場の支援となることが期待される。8月PCE価格指数の市場予想は前月比+0.3%、前年比+2.7%と、それぞれ7月分の+0.2%、+2.6%から伸びの加速が見込まれている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数は前月比+0.2%と前月分の+0.3%から鈍化が見込まれ、前年比では+2.9%と前月から横ばいが見込まれている。
今晩の米経済指標・イベントは8月個人消費支出(PCE)価格指数のほか、9月ミシガン大 消費者信頼感指数確報値、同1年先・1年先期待インフレ率確報値など。主要な企業の決算発表はなし。
欧州連合(EU)は米国との暫定通商協定により、医薬品の関税上限が15%に制限されることを確認しているが、この枠組みは法的拘束力がなく、トランプ大統領による正式な大統領令も未署名の状況である。米側の新関税案では、米国内に生産設備を新設していないブランド医薬品に100%の関税を課す方針が示されており、一部の欧州製薬企業に影響が及ぶ可能性もある。ただし、ジェネリック医薬品や建設中の施設を持つメーカーは例外となる。
イスラエルのネタニヤフ首相は、ガザに残るハマス指導部に対し、即時の武装解除と全人質解放を要求した。ハマスが従わなければ、イスラエルは徹底的に包囲して追い詰めると警告した。首相はガザ作戦の迅速な完遂を指示し、イランの核兵器開発や高濃縮ウランの備蓄は絶対に排除すべきだと強調。さらに、イスラエルはホーシ派やハマス、ヒズボラに対して効果的な攻撃を行っているとし、米トランプ大統領の迅速な対イラン対応に謝意を示した。ネタニヤフ氏は戦争継続の決意を明確にし、交渉より軍事圧力強化を優先する姿勢を示している。
トルコのエルドアン大統領は25日、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談し、戦略的な民生用核エネルギー開発に関する協定に署名した。会談にはルビオ氏米国務長官も立ち会い、両国間の多面的なパートナーシップ強化が期待されている。エルドアン大統領はF-16やF-35戦闘機の共同調達やパトリオットミサイル配備など安全保障面でも協力を示した。また、米国務省はイラク・トルコ間のクルド産原油パイプライン再開の仲介も発表した。トランプ大統領はエルドアン大統領を「価値ある友人」と称賛し、シリアでの影響力拡大を評価した。
日経平均株価は4日ぶり反落。下を試した後にいったんプラス転換したものの、売り直されると後場は下げ幅を広げて安値引けとなった。
RSI(9日)は前日86.0%→69.4%(9/26)に急低下。9/17の91.3%で天井感が出てきている。これまでサポートとして機能していた5日移動平均線(45455円 9/26)を下回って終えており、早期に5日移動平均線に復帰できるかが目先の焦点となる。
上値メドは、9/19高値(45852円)、心理的節目の46000円や46500円などがある。下値メドは、10日移動平均線(45141円 同)、心理的節目の45000円や44000円、25日移動平均線(43716円 同)などがある。
2025年9月から、米国のH-1Bビザ申請料が大幅に引き上げられ、1件あたり10万ドルとなった。この措置は、米国内のSTEM分野の雇用における内国労働者の保護を目的とし、企業が外国人材よりも米国人労働者を優先するよう促す狙いがある。一部は米国の大手IT企業にとって大きな負担となり、新興企業には特に厳しい影響が出ると指摘されている。H-1Bビザは主にインド人技術者が多く、2025年上半期の許可件数はインドが71%を占める。今回の申請料引き上げは、米国の労働市場や経済成長に対し短期的な「頭脳流出」リスクを生む可能性があると懸念されている。
(26日終値:27日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.52円(26日15時時点比▲0.20円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.93円(△0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1700ドル(△0.0023ドル)
FTSE100種総合株価指数:9284.83(前営業日比△70.85)
ドイツ株式指数(DAX):23739.47(△204.64)
10年物英国債利回り:4.746%(▲0.011%)
10年物独国債利回り:2.746%(▲0.027%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは持ち直した。欧州勢が参入するとユーロ売り・ドル買いが先行。20時前に一時1.1662ドル付近まで値を下げた。ただ、東京午前に付けた日通し安値1.1658ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢となった。
NY市場に入り、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)が市場予想に一致すると、米利下げが継続するとの見方が強まりドル売りが活発化。米ミシガン大学が公表した9月消費者態度指数確報値や期待インフレ率が予想を下回ったこともドル売りを促し、24時前には一時1.1705ドルと日通し高値を更新した。
・ドル円は頭が重かった。20時前に一時149.95円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値149.96円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。このところ予想を上回る米指標が相次ぎ、市場では「FRBが利下げを続けることは難しい」との見方が出ていたが、本日発表の米物価指標が市場の想定の範囲にとどまったことで、米利下げ継続観測が高まった。週末を控えたポジション調整目的の売りも出て、一時149.43円まで値を下げた。
・ユーロ円は一進一退。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。ただ、23時過ぎには一時175.05円と昨年7月以来約1年2カ月ぶりの高値を付ける場面があった。市場では「昨年7月に記録した過去最高値175.43円が視野に入った」との声が聞かれた。
・ロンドン株式相場は反発。しばらくは小高い水準で推移していたが、引けにかけて強含んだ。米物価指標が市場予想に一致し、米利下げ継続の見方が強まると投資家心理が上向き買いが広がった。コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが買われたほか、HSBCホールディングスやバークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。しばらくは狭い範囲での推移が続いたが、引けにかけて強含んだ。米物価指標が市場予想に一致すると米利下げが継続するとの見方が強まり、投資家心理が改善。独株にも買いが入った。個別ではミュンヘン再保険(3.93%高)やアリアンツ(2.52%高)、MTUエアロ・エンジンズ(2.41%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
(26日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.49円(前営業日比▲0.31円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.95円(△0.20円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1703ドル(△0.0037ドル)
ダウ工業株30種平均:46247.29ドル(△299.97ドル)
ナスダック総合株価指数:22484.07(△99.37)
10年物米国債利回り:4.17%(横ばい)
WTI原油先物11月限:1バレル=65.72ドル(△0.74ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3809.0ドル(△37.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米個人所得
(前月比) 0.4% 0.4%
8月米個人消費支出(PCE)
(前月比) 0.6% 0.5%
8月米PCEデフレーター
(前年比) 2.7% 2.6%
8月米PCEコア・デフレーター
(前月比) 0.2% 0.2%・改
(前年比) 2.9% 2.9%
9月米ミシガン大学消費者態度指数・確報値
55.1 55.4
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)が市場の予想に一致すると、米利下げが継続するとの見方が強まり全般ドル売りが先行。米ミシガン大学が公表した9月消費者態度指数確報値や期待インフレ率が予想を下回ったこともドル売りを促し、4時前に一時149.41円と日通し安値を更新した。アジア時間に一時149.96円と8月1日以来の高値を付けたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りも出やすかった。
・ユーロドルは3日ぶりに反発。20時前に一時1.1662ドル付近まで値を下げたものの、東京時間に付けた日通し安値1.1658ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。本日発表の米物価指標が想定の範囲にとどまり、米追加利下げ期待が継続すると全般ドル売りが活発化し、5時30分前には一時1.1707ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は反発。21時30分過ぎに一時174.72円付近まで下押ししたものの、東京時間に付けた日通し安値174.64円が目先サポートとして意識されると買い戻しが進んだ。23時過ぎには一時175.05円と昨年7月以来約1年2カ月ぶりの高値を付けた。市場では「昨年7月に記録した史上最高値175.43円が視野に入った」との声が聞かれた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反発。8月米PCEデフレーターが市場予想に一致すると、追加利下げ期待が継続し主力株に買いが入った。市場では「米物価指標が想定の範囲内となったことで買い安心感が広がった」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。8月米PCEデフレーターが市場予想に一致すると、追加利下げ期待が継続し買いが入ったものの、週末を控えたポジション調整目的の売りが出ると値を消した。
・原油先物相場は反発。ロシア南部の製油所で火災が発生したとの報道が伝わり、供給不安を背景にした買いが強まった。
・金先物相場は続伸。米インフレ指標が予想通りとなり、利下げが順調に行われるとの見方から外国為替市場でドル安が進むと、ドル建てで取引される金に買いが入った。
米格付け会社ムーディーズは26日、スペインの格付けを「Baa1」から「A3」に引き上げたと発表した。なお、見通しは「安定的」とした。
26日07:57 トランプ米大統領
「10月1日より外国製のすべての大型トラックに25%の関税」
「10月1日から全てのキッチンキャビネットに50%の関税を課す」
「洗面化粧台にも50%関税、布張り家具に30%関税を課す」
「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がいなければ、今では2%だっただろう」
「金利は高すぎる」
26日23:16
「政府が閉鎖しなければならないなら、閉鎖されるだろう」
「経済は順調に推移しており、物価は下がっている」
26日20:41 バーキン米リッチモンド地区連銀総裁
「消費者は物価の上昇によって疲弊している」
「雇用と物価の下方リスクは相対的に限定的」
「中立金利は実用的ではない」
「歴史的に見て、失業率は非常に低い」
「雇用に関する最近の修正から逃れることはできない」
「雇用のトレンドは間違った方向に動き始めている」
「失業率はやや不安定に見えるが、インフレ率は改善している」
27日02:07 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「最新データの重視から予測的・先見的な政策運営への転換が必要」
「なるべく小さなバランスシートを維持し、準備金は不足気味に近い水準が望ましい」
「国債のみの保有を強く支持し、モーゲージ担保証券(MBS)の売却議論も期待」
「準備金水準の引き下げは銀行の流動性管理の活発化につながる可能性」
※時間は日本時間
29日
○14:00 ◇ 7月景気動向指数改定値
○14:30 ◇ 野口旭日銀審議委員、講演
30日
○08:50 ◎ 8月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 8月商業販売統計速報(小売業販売額)
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(9月18-19日分)
○14:00 ◇ 8月新設住宅着工戸数
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
10月1日
○08:50 ☆ 日銀・企業短期経済観測調査(短観、9月調査)
2日
○08:50 ◇ 9月マネタリーベース
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 9月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
○15:35 ◎ 内田眞一日銀副総裁、あいさつ
3日
○08:30 ◎ 8月完全失業率
○08:30 ◎ 8月有効求人倍率
○10:05 ◎ 植田和男日銀総裁、あいさつ
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
28日
○ニュージーランド(NZ)が夏時間に移行
29日
○15:30 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○16:10 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○17:30 ◇ 8月英消費者信用残高
○17:30 ◇ 8月英マネーサプライM4
○18:00 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演
○18:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○18:00 ◎ 9月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○18:00 ◎ 9月ユーロ圏経済信頼感指数
○19:30 ◎ 8月インド鉱工業生産
○20:35 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○21:00 ◇ 8月メキシコ失業率
○21:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、ハマック米クリーブランド連銀総裁、ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○23:00 ◎ 8月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
30日
○09:00 ◇ 9月ANZ企業信頼感
○10:30 ◎ 8月豪住宅建設許可件数
○10:30 ◎ 9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○10:45 ◎ 9月Caixin中国製造業PMI
○10:45 ◎ 9月Caixin中国サービス部門PMI
○13:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表
○14:30 ◎ ブロックRBA総裁、記者会見
○15:00 ◇ 8月独輸入物価指数
○15:00 ◎ 8月独小売売上高
○15:00 ☆ 4-6月期英国内総生産(GDP)改定値
○15:00 ◇ 4-6月期英経常収支
○15:45 ◇ 8月仏消費支出
○15:45 ◇ 9月仏消費者物価指数(CPI)速報値
○15:45 ◇ 8月仏卸売物価指数(PPI)
○16:00 ◇ 9月スイスKOF景気先行指数
○16:00 ◇ 8月トルコ失業率
○16:00 ◇ 8月トルコ貿易収支
○16:55 ◎ 9月独雇用統計
○18:30 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○19:00 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○21:00 ◎ 8月南アフリカ貿易収支
○21:00 ◎ 9月独CPI速報値
○21:50 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○22:00 ◇ 7月米住宅価格指数
○22:00 ◎ 7月米ケース・シラー住宅価格指数
○22:25 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:45 ◎ 9月米シカゴ購買部協会景気指数
○23:00 ◎ 8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○23:00 ◎ 9月米消費者信頼感指数
○1日00:30 ◎ ブリーデンBOE副総裁、講演
○1日02:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、質疑応答
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
10月1日
○06:45 ◎ 8月NZ住宅建設許可件数
○08:10 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合
○15:30 ◇ 8月スイス小売売上高
○16:00 ◇ 9月トルコ製造業PMI
○16:15 ◎ カジミール・スロバキア中銀総裁、コッハー・オーストリア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○16:30 ◇ 9月スイス製造業PMI
○16:50 ◎ 9月仏製造業PMI改定値
○16:55 ◎ 9月独製造業PMI改定値
○17:00 ◎ 9月ユーロ圏製造業PMI改定値
○17:30 ◎ 9月英製造業PMI改定値
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏HICPコア速報値
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:15 ☆ 9月ADP全米雇用報告
○22:45 ◎ 9月米製造業PMI改定値
○23:00 ☆ 9月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○23:00 ◇ 8月米建設支出
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○24:00 ◇ 9月メキシコ製造業PMI
○2日01:00 ☆ 4-6月期ロシア国内総生産(GDP)確報値
○2日01:00 ◎ 8月ロシア失業率
○欧州連合(EU)非公式首脳会議
○中国、香港(国慶節)、休場
2日
○10:30 ◇ 8月豪貿易収支
○15:30 ◎ 9月スイスCPI
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏失業率
○20:30 ◇ 9月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:00 ◎ 8月米製造業新規受注
○3日01:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○3日02:00 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○中国(国慶節)、インド(マハトマ・ガンジー生誕日)、休場
3日
○15:45 ◇ 8月仏鉱工業生産
○16:00 ◎ 9月トルコCPI
○16:50 ◎ 9月仏サービス部門PMI改定値
○16:55 ◎ 9月独サービス部門PMI改定値
○17:00 ◎ 9月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○17:30 ◎ 9月英サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏PPI
○18:40 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○19:05 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○21:30 ☆ 9月米雇用統計
○22:20 ◎ ベイリーBOE総裁、講演
○22:45 ◎ 9月米サービス部門PMI改定値
○22:45 ◎ 9月米総?⑰MI改定値
○23:00 ☆ 9月米ISM非製造業指数
○中国(国慶節)、韓国(建国記念日)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、RBA理事会に注目
◆NZドル、利下げが織り込まれる中で戻りは限られそう
◆ZAR、キャリートレードの流れを見極め
予想レンジ
豪ドル円 96.00-100.00円
南ア・ランド円 8.40-8.80円
9月29日週の展望
豪ドルは神経質な動きを予想している。来週は30日に豪準備銀行(RBA)の金融政策発表が予定されている。市場予想は政策金利の3.60%据え置きとなっている。ブロックRBA総裁は22日に「四半期ごとの消費者物価指数(CPI)に引き続き大きく依存」と発言するも、24日の8月の月次CPIが前年比+3.0%と予想や前回値を上回り、昨年7月以来の高い上昇率だった。現在の金利先物市場では、次回RBAの利下げ予想は来年2月となっており、年内は据え置きが見込まれている。そうした中、声明や総裁会見に注目しており、RBAの次の一手についての手掛かりが示されれば豪ドル相場を動かすことになるだろう。
また、来週は豪ドルに限らず、日米でも重要イベントが目白押しとなっている。米国では10月2日の9月雇用統計を筆頭に、雇用関連の指標が複数予定されている。今のところあまり材料視されていないが、米国の10月からの新会計年度の「つなぎ予算案」の期限が31日に迫っており、リスク要因となる恐れがある点にも留意したい。本邦要因では、自民党総裁選の開票は10月4日(土)であるものの、選挙戦における各候補の発言のほか、世論調査の結果に対して市場は神経質な反応を見せる恐れがある。また、その手前の10月1日には日銀短観も発表される。これらを受けたドル円の動きが、豪ドル円を始めとするクロス円相場に影響を及ぼすことが予想される。
隣国のニュージーランド(NZ)では、主だった経済イベントは予定されておらず、前述のドル円を始め、主要国株価の上下によるリスクセンチメントに影響を受けやすいと見る。ただ、金利先物市場ではNZ準備銀行(RBNZ)の年内2回の利下げをすでに100%織り込んでいる状態であり、10月8日のRBNZ理事会に向けて上値は限られそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調地合いが続きそうだ。米国とは関税問題で緊張が続いているものの、その一方で中国は南アへの投資拡大で合意しており、現在は南アの最大の貿易相手国となっている。ZARは対ドルのみならず、対円でも年初来高値を更新している。米株主要3指数が過去最高値圏で推移するなど市場が安定しており、キャリートレードしやすい環境となっていることも高金利通貨であるZARの上昇を後押ししているもよう。また、来週は南アでは主だった経済指標が予定されておらず、引き続き株価をながめながらの展開が見込まれる。ただ、対円ではドル円相場の行方が波乱要因になり得るため注意が必要だろう。
9月22日週の回顧
豪ドルは対円では切り返し。97円台前半での底堅さを確認すると、8月豪CPIの上振れを受けて上昇。ドル円で円安が進んだことも買いを後押しすると、98円台前半まで値を上げた。
ZARは対円で堅調な値動き。日米での株高も追い風となって一時8.60円まで上昇して年初来高値を更新した。対ドルでも17.21ランド台まで昨年9月末以来の水準までランド買いが進んだ。
◆ポンド、経済指標の改定値で景気停滞の程度を見極め
◆対ドルでは米雇用データ、対円では自民党総裁選を睨みながらの値動き
◆加ドル、米加貿易問題は膠着状態
予想レンジ
ポンド円 198.00-202.00円
加ドル円 106.00-109.00円
9月29日週の展望
ポンドは、英経済指標の改定値で景気停滞の程度を見極め、ベイリー英中銀(BOE)総裁が示した利下げ余地を確かめる展開となりそうだ。また、対ドルでは米雇用データの結果、対円では自民党総裁選に向けた動きにも影響されるだろう。
発表されるのは、30日の4-6月期国内総生産(GDP)と10月1日、3日の9月購買担当者景気指数(PMI)。GDPは速報値で前期比0.3%/前年比1.2%と予想以上に拡大していたものの、前四半期の値には届かなかった。今週発表の9月PMI速報値は製造業が46.2と弱く、サービス部門は景況判断の境目50を超えていたものの51.9と前回からの下振れ予想を更に下回った。ベイリーBOE総裁は今週の講演で、個人消費の弱まりや労働市場の低迷に言及し、「依然として、金利には引き下げ余地がある」との見解を示した。ただ、「いつどの程度かはインフレの経路次第」とし、景気回復力への懸念と高止まるインフレ率の間で政策判断の難しさを浮き彫りにしている。短期金融市場では、年内残り2回の英金融政策委員会(MPC)で政策金利は据え置きと見ている。市場が完全に織り込んでいる追加利下げは、今のところ来年の春頃に0.25%が1度。一部メディアでは、英中銀による緩和サイクルは終了したというエコノミストの見方も紹介している。
対ドルでは、当然ながら10月3日に発表の9月米雇用統計は無視できない。週末に向けては複数の雇用データも発表されるため、米労働市場の強弱で振らされる展開も多くなるだろう。対円では、4日投開票が実施される自民党総裁選レースで、誰がリードしているかを意識しておきたいところだ。これらの要因は、ポンドのみならず加ドルにも影響を及ぼすだろう。
カナダでは、重要指標の発表はないが、加ドルは対米関係や米国以外との経済関連の報道で動意づく場面もあるりそうだ。カーニー加首相は今週、対米貿易交渉が依然進行中であることを改めて表明。カナダは米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)準拠品に対する関税免除措置により、有利な対米貿易条件を受けているとしたものの、完全な関税撤廃を巡る協議は数カ月にわたり膠着状態にあると認めた。今後は、米加間の未解決の論点がUSMCA見直しプロセスに移行することが明らかに。つまり、米加貿易問題はまだ暫く決着がつかないということだろう。
なお、カナダは24日、インドネシアと新たな包括的経済連携協定(CEPA)に署名。アジアで中国依存を減らし、諸外国との経済関係を深める全体方針の一環である。米中への依存度を減らすことに対し、相場がどのように反応するかを見定めたい。
9月22日週の回顧
ポンド円は199円後半から199円前半まで売りが先行。9月英PMI速報値が予想を下回ったことが影響した。ただし週後半には、上値を伸ばしたドル円につれて200円台を一時回復した。加ドル円は106円半ばを下押し水準に107.60円台まで切り返した。全般ドル高の流れを受け、ポンドドルや加ドルは対ドルで売りが優勢となった。
◆ドル円、週末の米雇用統計をはじめ重要指標が目白押し
◆ドル円、自民党総裁選の投開票は土曜日のため、週末リスクに警戒
◆ユーロドル、欧州・ロシア地政学リスクから上値重い
予想レンジ
ドル円 147.00-152.50円
ユーロドル 1.1400-1.1850ドル
9月29日週の展望
ドル円は、荒い値動きとなりそうだ。来週は米重要指標が目白押しとなっており、特に先日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が雇用の下振れリスクを指摘したため、10月3日の9月米雇用統計に市場の注目が集まっている。今週は23日に議長が講演で利下げ時期について言及しなかったほか、複数の米連銀総裁からも早期利下げを否定する発言が目立つなか、良好な米経済指標が相次いだことで過度な利下げ期待が後退している。来週も米指標に一喜一憂することになるだろうが、米雇用統計の結果次第ではそれまでの相場が一変する可能性もあり、乱高下などには警戒しておきたい。
なお、米国では、雇用統計のほかに30日に8月JOLTS求人件数や9月消費者信頼感指数、10月1日に9月ADP全米雇用報告や9月ISM製造業景況指数、3日に9月ISM非製造業指数が発表される。
また、日本では自民党総裁選の行方にも注目だ。現時点では小泉氏と高市氏の一騎打ちとなることが想定されているが、市場としては全く織り込んでいない状況。結果が出るのは週末4日の土曜日となるため、週明け早朝のオセアニア市場から大きく値が動く可能性が高い。財政出動に積極的で日銀の利上げに否定的な高市氏ならドル円は上昇、石破政権を引き継ぐ小泉氏なら下落というのが大方の見方となっている。
なお、米国では10月以降に連邦政府の予算執行を続ける「つなぎ予算案」を巡り、トランプ政権と野党との協議が難航している。仮に30日までに成立しなければ一部政府機関が閉鎖されるが、これまでのようにギリギリで回避されるのであれば、材料視されることはなさそうだ。
ユーロドルは、上値の重い展開が想定される。ロシアの戦闘機がエストニア領空を侵犯したことを受け、北大西洋条約機構(NATO)とロシアとの間で緊張感が高まっている。トランプ大統領も「NATO加盟国の領空に侵入するならロシア機を撃墜することを支持する」と煽るような発言をしており、地政学リスクからユーロは売られやすい地合いとなりそうだ。米雇用統計も週末に発表されることから、結果次第では大きな値幅を伴う動きとなるだろう。
9月22日週の回顧
ドル円は堅調。週半ばにかけては148円を挟んで方向感を欠いたが、FRB議長が講演で利下げ時期に言及しなかったことをきっかけに「過度な金利引き下げ期待」が後退し、米長期金利の上昇とともに買いが優勢に。良好な米指標が相次いだことも支えに一時149.96円と8月1日以来の高値を付けた。
ユーロドルは上値が重い。週前半に1.1820ドルまで上昇したが、その後はドルが全面高となった流れから失速。ロシアを巡る地政学リスクも売りを促し、一時1.1646ドルまで値を下げた。
26日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は399円安の45354円。米国株安を受けて、寄り付きから3桁の下落。レーザーテック<6920.T>やディスコ<6146.T>など半導体株に大きく売られるものが多かった一方、プライムでは値上がり銘柄が多く、前場は強弱感が交錯した。いったん下を試した後、鋭角的に切り返してプラス転換。ただ、戻したところではすぐに売り直され、3桁の下落で前場を終えた。
後場はレーザーテックやディスコが一段安となったことから、半導体株の弱さに対する警戒が強まり下げ幅を拡大。プライムでは値上がり銘柄が多い状態が継続したが、押しが深くなっても買いは入らなかった。終盤にかけての動きも弱く、400円近い下落となって安値引け。一方、TOPIXは初めて3200pを上回る場面があり、終値でもプラスを確保した
東証プライムの売買代金は概算で6兆2000億円。業種別では不動産、食料品、建設などが上昇した一方、非鉄金属、電気機器、医薬品などが下落した。上方修正と増配を発表したNCS&A<9709.T>が急騰。半面、ディスコが7%を超える下落となり、レーザーテックが8%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1197/値下がり376。自己株取得を発表したリクルートが大幅上昇。三井不動産や三菱地所など不動産株に強い動きが見られた。三井物産や三菱商事など商社株が全般堅調。材料のあった銀行株が跳ねており、千葉銀行との経営統合観測が報じられた千葉興業銀行や、上方修正と増配を発表した群馬銀行が急伸した。
一方、レーザーテックやディスコのほかにも、東京エレクトロンやキオクシアなど半導体株が軒並み大幅安。ソフトバンクGも3%を超える下落となっており、生成AI期待でこれまで買われていた銘柄が弱かった。トランプ大統領が自身のSNSで医薬品の関税強化について投稿したことから、中外製薬や住友ファーマなど薬品株の一角が大幅安。前日上場初日に人気化したオリオンビールが10%を超える下落となり、プライムの下落率トップとなった。
本日、スタンダード市場に新規上場したUNICONホールディングスは、高い初値を付けたものの、終値は初値を下回った。
日経平均は大幅安。一方でTOPIXは上昇といびつな動きとなった。日経平均は前引けが125円安、大引けが399円安と後場に下げ幅を広げているが、プライムの値上がり銘柄を見ると、前引けが1178銘柄、大引けが1197銘柄と、後場の方が値上がりが多い。半導体株を中心とした生成AI関連とそれ以外が、全く別物のような扱いとなっている。生成AI関連の変調を日本株全体では冷静に消化したのは期待の持てる動き。日経平均に関しては、目先は上でも下でも日々の振れ幅が無駄に大きくなる可能性がある。日本株の方向感を見定める点では、本日も史上最高値を更新したTOPIXの動向に注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
上値が重いか。10月相場に突入し、金曜10月3日には米国で9月雇用統計が発表予定。足元では複数の良好な米国指標を受けて米国の利下げ継続に対する期待が後退しつつあるだけに、注目の雇用指標を前に身構える地合いとなるだろう。国内では10月4日の土曜日に自民党総裁選の投開票が実施される。石破首相が総裁選の不出馬を表明した後の日本株が大きく上昇していること、昨年の総裁選では結果が出た直後の日経平均が大きく下落したことなどを鑑みると、投開票を前にしては利益確定やリスク回避目的の売りが出やすくなると思われる。押し目ではこれまでの上昇に乗り遅れた投資家からの買いが入るとみるが、重要イベントの結果待ちの状況が続く中、これまでと比べると弱材料に対して敏感になると予想する。
国連は27日、イランに対する武器禁輸を含む制裁を10年ぶりに再発動した。英仏独は「イランが2015年核合意を違反し、ウラン濃縮活動などを加速した」と主張し、国連安全保障理事会に制裁復活を提案。ロシア・中国は発動延期を求めたが決議案は否決され、欧米主導で再発動が決まった。イランと核・弾道ミサイル関連の個人・団体との取引が全世界で禁止となり、資産凍結や渡航制限も含まれる。イランはIAEA査察受け入れ拡大などで譲歩を求められたが応じず、「厳しい対応」を警告し、中東の緊張が一層高まる懸念がある。
米英仏独はイランに対し「エスカレーション回避」と法的義務順守を共同声明で要求。トランプ米大統領は「外交の選択肢は残されている」と強調しつつ、全加盟国に速やかな制裁履行を求めている。ラブロフ露外相は「制裁は非合法」と反発、グテレス国連事務総長に警告書簡も送付した。国連制裁復活は外交打開の試練と中東情勢悪化の分岐点となる
<国内>
○14:00 ◇ 7月景気動向指数改定値
○14:30 ◇ 野口旭日銀審議委員、講演
<海外>
○15:30 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○15:50 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○17:30 ◇ 8月英消費者信用残高(予想:15億ポンド)
○17:30 ◇ 8月英マネーサプライM4
○18:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○18:00 ◎ 9月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○18:00 ◎ 9月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:95.3)
○19:30 ◎ 8月インド鉱工業生産(予想:前年同月比5.1%)
○20:30 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○21:00 ◇ 8月メキシコ失業率(季節調整前)
○21:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、ハマック米クリーブランド連銀総裁、ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○23:00 ◎ 8月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.1%/前年比なし)
○国連総会一般討論演説(ニューヨーク、最終日)
○ニュージーランド(NZ)は28日から夏時間に移行済み
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
日本経済新聞社とテレビ東京は26-28日の世論調査で、自民党総裁選(10月4日投開票)を前に次の総裁にふさわしい人として、高市氏が34%、小泉氏が25%になったことが分かった。続いて林氏が14%、茂木氏が5%、小林氏が4%だった。
今週の日経225先物は、一進一退の相場展開が見込まれる。先週は24日に4万5660円まで買われる場面もみられたが、過度な米利下げ期待の後退や米株安、トランプ米大統領の発言、配当権利付き最終日を迎えた需給要因などによって、週末26日は4万5050円と安値で終えた。
26日の取引終了後のナイトセッションでは4万4920円と節目の4万5000円を割り込む場面もあったが、同水準での底堅さが意識されそうである。足もとでは上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(4万6140円)に沿ったトレンドを形成していたが、先週の調整で同バンドから下放れて、ナイトセッションで+1σ(4万4880円)に接近してきた。そのため、いったんはリバウンドが入りやすいタイミングであろう。
26日の米国市場では、主要な株価指数が4日ぶりに上昇した。8月の米個人消費支出(PCE)統計で、食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数が予想通りだったことで、改めて追加利下げ期待が継続するとの見方に向かわせたようだ。9月のミシガン大消費者態度指数(確報値)や期待インフレ率が予想を下回ったことも材料視されている。
日経225先物は+1σ水準までの調整を経たことや米株高の流れもあり、週初はリバウンド狙いのロングが入りやすいとみられる。ただし、トランプ大統領の関税等に関する発言が活発化してきたことが懸念されそうだ。先週末には「トランプ大統領が海外製半導体への依存度を下げるため、半導体の輸入縮小計画を検討」と伝わり、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]などへの売りを誘い、相対的に日経平均型の弱さにつながっていた。
また、トランプ大統領はウクライナのゼレンスキー大統領に対し、米国製の長距離兵器によるロシア国内への攻撃制限を解除する用意があると伝えたと報じられている。トランプ大統領がノーベル平和賞を熱望していると報じられるなかで、地政学リスクが高まる可能性も市場を神経質にさせそうである。
そのほか、米国では週末に9月の雇用統計の発表が予定されている。経済指標の結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ期待が再び後退することも考えられ、ポジションを傾けにくくさせそうだ。10月から始まる2026会計年度の予算が成立しておらず、政府機関の一部閉鎖懸念が高まっていることも重荷になろう。
そのため、+1σ水準を支持線としたリバウンドから、オプション権利行使価格の4万5000円から4万5500円のレンジでの推移を想定する。4万5500円を捉えることができれば、19日につけた4万5720円を射程に入れた、4万5500円から4万5750円のレンジにシフトしそうだ。
一方で、4万5000円を割り込む局面ではショートを誘うことが想定され、週足の+1σが位置する4万4440円辺りを試してくる可能性がある。もっとも、総裁選を控えてショートに傾けたポジションは考えにくく、4万5000円固めを意識しつつ、同水準では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
また、先週後半は配当権利取りの動きはあったものの、ハイテク株の下げが影響していた。需給イベント通過で再び半導体や人工知能(AI)関連株への買いが勢いを取り戻せるかを見極める必要がある。ハイテク株の調整が続くようであれば、戻り待ち狙いのショートが入りやすいとみておきたい。
26日の米VIX指数は15.29(25日は16.74)に低下した。週間(19日は15.45)でも下落となった。先週は予想を上回る経済指標が相次ぐなかで追加利下げ期待が後退し、26日には一時17.74まで上昇し、抵抗線として意識されていた75日移動平均線を上回る場面もあった。上へのトレンドが強まりやすいところであったが、週末には利下げ期待が改めて意識されたことで大きく低下し、75日線および25日線(15.56)を下回ってきた。週末の雇用統計やトランプ大統領発言などが警戒されて不安定な動きを続けそうだが、ひとまずリスク選好に傾きやすいだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。週間(19日は14.34)でも下落となった。14.35~14.45倍での推移を続けていたが、週末は権利付き最終日による需給面の影響で相対的にTOPIX型優位になった。+1σ(14.26倍)までの低下を経て、今週はリバランスの動きが入るかが注目されよう。ただし、同バンドを明確に下抜けてくると、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせる可能性も考えられるため、見極めが必要である。
9月第3週(9月16日-19日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は2611億円(9月第2週は843億円の売り越し)だった。なお、現物は2943億円の売り越し(同6923億円の売り越し)と2週連続の売り越し。先物は5555億円の買い越し(同6080億円の買い越し)と2週連続の買い越しだった。個人は現物と先物の合算で98億円の買い越しと2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で5562億円の売り越しとなり、12週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、9月29日に7月景気動向指数改定値、米国8月中古住宅販売成約指数、30日に日銀金融政策決定会合の主な意見、8月鉱工業生産、中国9月製造業PMI、米国9月コンファレンスボード消費者信頼感指数、10月1日に日銀短観、米国9月ADP雇用統計、米国9月ISM製造業景気指数、2日に9月消費動向調査、米国8月製造業新規受注、3日に8月完全失業率、植田和男日銀総裁が大阪経済4団体共催懇談会で挨拶、植田日銀総裁記者会見、米国9月雇用統計、米国9月ISM非製造業景気指数などが予定されている。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 45200 +150 (+0.33%)
TOPIX先物 3164.5 +11.5 (+0.36%)
シカゴ日経平均先物 45130 +80
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
26日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇した。8月の米個人消費支出(PCE)統計で、食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数が予想通りだったことで、改めて追加利下げ期待が継続するとの見方に向かわせたようだ。9月のミシガン大消費者態度指数(確報値)や期待インフレ率が予想を下回ったことも材料視されている。
S&P500業種別指数は、自動車・同部品、公益事業、耐久消費財・アパレル、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した。一方で、食品・生活必需品小売、テクノロジー・ハード・機器の2セクターが下落。NYダウ構成銘柄では、ボーイング<BA>、トラベラーズ<TRV>、メルク<MRK>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が買われた。半面、シスコシステムズ<CSCO>、アップル<AAPL>、コカ・コーラ<KO>、ユナイテッド・ヘルス・グループ<UNH>が軟調。
シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比80円高の4万5130円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比80円高の4万5130円で始まった。その後軟化し、4万4920円と節目の4万5000円を割り込む場面もみられた。ただし、売り一巡後はショートカバーが入る形で切り返しており、米国市場の取引開始後には4万5220円まで買われた。その後は再び4万5000円を割り込む場面もあったが、終盤にかけて切り返しており、4万5200円で取引を終えている。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。ナイトセッションで4万5000円を割り込む場面がみられたものの、同水準での底堅さは意識されそうである。ボリンジャーバンドの+1σ(4万4880円)に接近してきたことで、いったんはリバウンドが入りやすいタイミングであろう。+1σが支持線として機能するようだと、+2σ(4万6140円)とのレンジ内での推移が意識されやすく、+1σ接近では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
一方で、積極的なロングの動きは期待しにくい。先週末には「トランプ大統領が海外製半導体への依存度を下げるため、半導体の輸入縮小計画を検討」と伝わり、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]などへの売りを誘い、相対的に日経平均型の弱さにつながっていた。
指数インパクトの大きい値がさハイテク株の調整が継続するようだと、日経平均型の重荷になりそうである。+1σ水準を支持線としたリバウンドから、オプション権利行使価格の4万5000円から4万5500円のレンジでの推移を想定する。まずはハイテク株のリバウンドを見極めたいところである。4万5000円を割り込む局面ではショートを誘うことが想定されるが、10月4日に投開票される自民党総裁選を控えていることで、早い段階でショートカバーに向かわせそうだ。
26日の米VIX指数は15.29(25日は16.74)に低下した。一時17.05まで上昇した後は、75日移動平均線(16.39)および25日線(15.56)を下回ってきた。週末の雇用統計やトランプ大統領発言などが警戒されて不安定な動きを続けそうだが、ひとまずリスク選好に傾きやすいとみられる。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。ハイテク株が売られる一方で、権利付き最終日による需給面の影響もあって相対的にTOPIX型優位になった。+1σ(14.26倍)までの低下を経て、リバランスの動きが入るかが注目されそうだ。ただし、ハイテク株の調整が継続するようだと、+1σを割り込んでNTショートによるスプレッド狙いに向かわせる可能性もあるため、見極めが必要なところだ。
26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想通りの8月米PCEデフレーターや9月消費者態度指数確報値や期待インフレ率が予想を下回ったことなどで149.41円まで下落した。ユーロドルは米追加利下げ期待が高まったことで1.1707ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今週末3日に米9月の雇用統計の発表、4日には自民党総裁選を控えていることで、動きづらい展開が予想される。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの8月分が予想通りだったことで、年内2回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測が高まったままとなっており、市場の関心は、米9月雇用統計に移っている。
米9月の雇用統計に関しては、会計年度末の9月30日までに議会が歳出法案を可決できなかった場合は労働省などの政府機関が閉鎖されるため、発表は先送りされることになるため、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
本日は、先日の日銀金融政策決定会合で政策金利0.50%の据え置きを支持した野口日銀審議委員の講演が予定されており、利上げ時期への言及に注目しておきたい。
先日の関係筋による報道では、「日銀は国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない」とのことで、10月29-30日の会合での利上げ観測がやや高まっている。
日程的には、以下の通りとなっており、注視しておきたい。
・9月29日:野口日銀審議委員講演
・10月1日:9月調査の日銀短観
・10月2日:内田日銀副総裁講演
・10月3日:植田日銀総裁講演
・10月4日:自民党総裁選
・10月6日:日銀支店長会議
・10月中旬:国会で次期首相指名投票
・10月16日:田村日銀審議委員講演(※0.75%への利上げ主張)
・10月17日:内田日銀副総裁講演
・10月20日:高田日銀審議委員講演(※0.75%への利上げ主張)
・10月29-30日:日銀金融政策決定会合
先週のドル円は149.96円まで上昇しており、8月1日の米雇用統計ショック時以来の150円台に迫っている。
ドル円の150円台は、2月と8月にベッセント米財務長官と植田日銀総裁が電話会談して、円安への懸念を共有した水準であり、かつての「ベンツェン・シーリング(113.60円)」のような「ベッセント・シーリング」が控えている可能性に警戒しておきたい。
ベッセント米財務長官は、日米関税合意に関して、トランプ米大統領が不満を感じた場合は見直すと言及しており、ドル円の150円台への円安水準がトランプ米大統領の逆鱗に擦れる可能性には警戒しておきたい。
日本の今年の1-7月の対米貿易黒字は、5兆398億円となっており、昨年同時期の5兆3149億円から、トランプ関税にも関わらず減少幅はわずかだった。
すなわち、トランプ米政権が目指す日米貿易不均衡の是正のためには、トランプ関税だけではなく、ドル安・円高が必要なことは、ベッセント米財務長官も認識していると思われる。