本日は中国から7月のCaixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表されるものの、市場への影響は限定的となるだろう。市場の注目は、先週発表された米雇用統計について米連邦準備理事会(FRB)関係者がどの程度、FRBの2大責務(物価の安定と雇用の最大化)のうちに雇用を重視する方向に傾くのかが注目される。しかし、アジア時間では発言が伝わる時間帯ではないことで相場の主導権が米国市場入り後になりやすそうだ。また、米政権による新たな人事(FRB理事と労働省労働統計局・Bureau of Labor Statistics=BLS局長)についての報道なども、市場を動意づける要因になるので警戒したい。
2つ目は週末に解任されたマッケンターファーBLS局長の後任人事。ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は「大統領は自分の部下をそこに置きたい」と主張しているように、政策立案や経済のさまざまな側面の指標として利用されている統計が政治化される可能性がある。ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン氏は、今後は統計局の数値を信じることができなくなると批判しているように、今後はBLSが発表する経済指標は透明性と信頼性を失いそうだ。BLSは雇用統計だけでなく、消費者物価指数(CPI)も発表することで、雇用指数は良好でもCPIは低下する結果になり、FRBに一層の利下げ圧力をかけることになりそうだ。なお、個人消費支出(PCE)は商務省経済分析局(Bureau of Economic Analysis=BEA)が発表することで、CPIとPCEの結果にかい離が生じる可能性も出てきそうだ。
日経225先物オプション実況スレ3
https://talk.jp/boards/market/1745839932
月末の為替市場では、ドル円が200日MAを上抜けて上昇。HF勢の円ロングポジションを巻き戻す動きが加速することになりました。前日のFOMCでは、直前の米大統領によるFRBのビル改修工事現場への殴り込みを受けた「パウエル議長から何らかの配慮ある発言があるかもしれない」との淡い期待感を踏みにじられた市場にとって、昨日は日米関税交渉が合意に至ったことによる、不確実性からの解放がもたらす淡い期待感があったわけで、ましてや、展望レポートでの物価見通しの上方修正といった事実も助長して、市場の早期利上げ観測が高まるなかでの植田日銀総裁の一撃。「物価見通しの上方修正だけで政策は左右されない」との見解を示したほか、「足元の為替の動き、物価見通しに直ちに影響ない」と発言しました。
連日、コストを払い続けさせられている円ロングポジションが既にワークしていないなか、市場の反応は言わずもがなといったところです。ドル円は、チャート上で重要視されている200日MAをいともあっさりと上抜け。7月30日には、津波警報で短期筋が売り仕掛けてしまったというおまけもついて、買戻しの動きに拍車をかける結果となっています。
いずれにしても、本日はかなり忙しかった今週のイベント週の最後を飾る7月米雇用統計を待っているところ。週足の一目雲が位置する150.76円から151.75円を意識しつつ、目先は3月28日の高値151.21円が戻りの目処となっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比220円安の4万0980円(-0.53%)前後で推移。寄り付きは4万0760円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0765円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。現物の寄り付き後ほどなくして4万0580円まで売られる場面もみられたが、ナイトセッションでつけた安値(4万0580円)で下げ止まりをみせている。売り一巡後は押し目狙いのロングが入る形で4万0750円~4万0850円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上抜ける形となり、4万0980円まで下げ幅を縮めてきた。
前日に下方修正を発表した東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が急落し、一時ストップ安水準まで売られ、日経平均株価を500円超押し下げる形になった。これを受けた短期的なショートも入ったと考えられるが、引き続き4万0500円に接近する局面では底堅さがみられている。一方で、決算内容がポジティブ視された銘柄への資金流入も目立っているほか、TOPIX型のインデックス買いが断続的に入っているとみられ、日経225先物は、ボリンジャーバンドの+1σ(4万0890円)を上回ってきており、ややショートカバーを誘う形になりやすいようである。
NT倍率は先物中心限月で13.83倍に低下した。一時13.80倍まで低下しており、+3σ(13.83倍)を割り込んで、75日移動平均線(13.79倍)水準まで下げている。半導体株の弱い値動きが目立つ一方で、TOPIX型が買われており、75日線を割り込んでくるようだと、NTショートに振れやすくなりそうだ。
2024年7月末の日米金融政策決定会合では、植田日銀総裁は追加利上げを示唆するタカ派、パウエルFRB議長は利下げを示唆するハト派だったことで、ドル売り・円買いに拍車がかかり、150円を割り込んだ
2025年7月末の日米金融政策決定会合では、植田日銀総裁は利上げに慎重なハト派、パウエルFRB議長は利下げに慎重はタカ派だったことで、ドル買い・円売りに拍車がかかり、150円台に乗せた。
1.2024年7月末
■米連邦公開市場委員会(FOMC)(7月30-31日)※5.25-50%
8会合連続でFF金利誘導目標レンジ(5.25-50%)の据え置きが決定された。
パウエルFRB議長は、「早ければ次回9月の会合で政策金利の引き下げが選択肢となり得る。経済の展開の仕方次第で、年内の利下げがゼロにも複数回にもなるというシナリオは想像し得る」とハト派的な見解を述べた。
■日銀金融政策決定会合(7月30-31日)
政策金利(無担保コール翌日物金利)が、これまでの「0-0.1%程度」から、「0.25%程度」に引き上げられた。
植田日銀総裁は、「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べた。さらに、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示したことで、年内に1回(+0.25%=0.50%)、来年は1-2回程度で0.75%から1.00%に向けた利上げの可能性が示唆された。
2.2025年7月末
■米連邦公開市場委員会(FOMC)(7月29-30日)※4.25-50%
5会合連続で、FF金利誘導目標レンジ(4.25-50%)の据え置きが決定された。ウォラーFRB理事とボウマンFRB副議長の2名が利下げを主張した。
米経済に対する認識が前回の「堅調なペースで拡大を続けている」から「緩やかになった」に下方修正され、利下げにやや近づいている可能性が示唆された。
パウエルFRB議長は、現在の政策金利は「適切な水準」との見解を示し、政策スタンスについては「やや引き締め的」との認識を示しつつも、利下げには慎重な姿勢を示した。
■日銀金融政策決定会合(7月30-31日)※0.50%
4会合連続で、政策金利(無担保コール翌日物金利)を0.5%で据え置くと決めた。
展望リポートでは、2025年度の生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の前年度比上昇率の見通しが2.7%とされ、4月時点(2.2%)から引き上げた。
植田日銀総裁は、日米関税合意にも関わらず、不確実性の霧は晴れていない、として利上げに対して慎重なスタンスを崩さなかった。
本日のロンドン為替市場では、トランプ関税を巡る市場のリスクセンチメントを見極めつつ、複数の欧州経済指標を確かめながらの取引となる。
トランプ米政権は現地時間7月31日夜、1日の交渉期限を前に各国への関税率を発表した。欧州連合(EU)や英国、日本、韓国といった主要な貿易相手国・地域とは(内容への懸念は残るものの)合意に達している。今回の発表で目を引いたのが、スイス製品に対する39%の高関税率だろう。4月にトランプ大統領が発表した時点では、31%だった。
米国の発表を受け、値幅はそれほど大きくなかったがスイスフランへの売り圧力が強まった。この後も欧州勢の反応を見定めることになるものの、難しいのはフランの「リスク回避通貨」としての位置付け。先月に国際通貨基金(IMF)が公表した1-3月期の世界外貨準備高でも、円からスイスフランへの大規模な資金移動が見受けられ、安全資産としてフランの魅力がこれまで以上に高まりつつあることが指摘されている。
経済指標では、仏独ユーロ圏、そして英国も7月製造業購買担当者景気指数(PMI)の改定値が発表予定。速報値から離れた結果となれば、ユーロ相場は反応するかもしれない。これらの後に同月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が公表される。市場は前年比1.9%を予想し、2カ月ぶりに欧州中央銀行(ECB)のインフレ目標2%を下回ると見ている。
ECBは先週の理事会で8会合ぶりに政策金利の据え置きを決定した。金利先安観は維持されたままではあるが、次回のECB理事会まで1カ月以上ある。今回のインフレ指標が大きく上下に振れたとなれば別だが、ユーロ相場の反応は限られてしまうかもしれない。
欧州後半(ニューヨーク序盤)には7月米雇用統計、その後に同月ISM製造業景況指数も発表される。ユーロ圏HICP後は、米指標待ちというムードになりそうだ。
想定レンジ上限
・ドルスイスフラン、6月10日高値0.8242フラン
・ユーロドル、ピボット・レジスタンス2の1.1484ドル
想定レンジ下限
・ドルスイスフラン、21日移動平均線0.8002フラン
・ユーロドル、6月2日安値1.1341ドル
ドル円:1ドル=150.47円(前営業日NY終値比▲0.28円)
ユーロ円:1ユーロ=172.01円(▲0.07円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1431ドル(△0.0016ドル)
日経平均株価:40799.60円(前営業日比▲270.22円)
東証株価指数(TOPIX):2948.65(△5.58)
債券先物9月物:138.08円(△0.05円)
新発10年物国債利回り:1.550%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月完全失業率
2.5% 2.5%
6月有効求人倍率
1.22倍 1.24倍
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重い。東京午前は本邦実需勢の買いなどが観測されたことで昨日高値の150.84円を上抜けて150.92円まで値を上げた。もっとも、節目の151円を前に買いが一服すると、その後は持ち高調整の売りに押される形で150.42円まで値を下げた。
・ユーロドルは下値が堅い。米早期利下げ観測が後退しているほか、米関税による欧州景気不安が重しとなり一時1.1405ドルまで値を下げた。ただ、昨日安値の1.1404ドル、一昨日安値の1.1401ドルを割り込めず、節目の1.1400ドルがサポートして機能すると1.1437ドルまで反発した。
・ユーロ円はもみ合い。ドル円の下落につれて171.91円まで下げたが動きは総じて鈍く、その後は172円挟みの動きとなった。
・日経平均株価は反落。決算を嫌気して東京エレクトロンが大きく下落したため半導体関連株が総じて軟調に推移した。昨日の米株安も嫌気され、指数は一時480円超下落した。
・債券先物相場は5日続伸。昨日の植田日銀総裁の会見で早期利上げ観測が後退するなか、債券を買う動きが強まった。
大阪9月限
日経225先物 40860 -340 (-0.82%)
TOPIX先物 2952.5 +3.5 (+0.11%)
日経225先物(9月限)は前日比340円安の4万0860円で取引を終了。寄り付きは4万0760円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0765円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。現物の寄り付き後ほどなくして4万0580円まで売られる場面もみられたが、ナイトセッションでつけた安値(4万0580円)は割り込まず、底堅さが意識された。売り一巡後は押し目狙いのロングが入る形で4万0750円~4万0850円辺りで保ち合いを継続。
前場終盤にかけてレンジを上抜ける形となり、ランチタイムで4万1010円まで下げ幅を縮める場面もみられた。だが、4万1000円をキープすることはできず、後場中盤には4万0770円まで売られた。終盤にかけて持ち高調整に伴うショートカバーによりやや下げ幅を縮めたものの、ボリンジャーバンドの+1σ(4万0880円)を下回って終えた。
前日に下方修正を発表した東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が急落し、一時ストップ安水準まで売られ、日経平均株価を500円ほど押し下げる形になった。これを受けた短期的なショートも入ったとみられるが、引き続き4万0500円に接近する局面ではショートを仕掛けにくくさせよう。
一方で、決算内容がポジティブ視された銘柄への資金流入も目立つほか、前日同様、TOPIX型のインデックス買いが断続的に入っているとみられ、東証プライムの騰落銘柄は値上がり数が8割を占めている。半導体株の弱さが目立つなかで日経平均株価は下落したが、全体としての地合いは悪くなかった。
日経225先物は4万0500円処で底堅さはみられているが、+1σ水準での攻防のなかでは、いったんは25日移動平均線(4万0220円)辺りを試す可能性を意識しておきたい。東京エレクトロンは明確な底打ちは確認できていないため、引き続き半導体株の動向をにらみながらの展開となりやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格の4万0250円から4万1250円辺りのレンジを想定。
NT倍率は先物中心限月で13.83倍に低下した。一時13.80倍まで低下しており、+3σ(13.83倍)を割り込んで、75日線(13.79倍)水準まで下げている。半導体株の明確な底入れからの反転を確認するまでは、NTショートに振れやすい需給状況になりそうだ。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万1220枚、ソシエテジェネラル証券が1万3966枚、サスケハナ・ホンコンが4730枚、SBI証券が2198枚、JPモルガン証券が1744枚、ゴールドマン証券が1721枚、バークレイズ証券が1587枚、モルガンMUFG証券が1461枚、日産証券が991枚、シティグループ証券が949枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万6643枚、ソシエテジェネラル証券が2万3851枚、JPモルガン証券が8616枚、バークレイズ証券が6040枚、モルガンMUFG証券が4073枚、シティグループ証券が2716枚、ゴールドマン証券が2482枚、UBS証券が1850枚、みずほ証券が1604枚、BNPパリバ証券が1596枚だった。
ドル円は、米雇用指標が市場予想を上振れれば、3月後半以来となる151円を狙いに行く展開になるか。また、雇用統計が仮に市場予想よりも弱い結果となった場合でも、買い場を探す動きになりそうだ。
昨日発表された6月の米個人消費支出(PCE)デフレーター、およびコアデフレーターは前年比で市場予想を上回った。6月米消費者物価指数(CPI)も前年比でヘッドラインとコア指数が前月よりも上振れるなど、調査対象やカバレッジも異なる両インフレ指標が立て続けに上昇基調をたどっていることが確認された。トランプ米大統領が利下げの圧力をかけているが、米連邦準備理事会(FRB)が中長期の目標とする2%のインフレから上方向に離れつつあることで、米国の早期利下げ観測が急速に後退している。次期利下げ予想が9月から10月へと後退しているが、10月の利下げ予想も6割程度しかなく、更に後ろにずれる可能性もあり、ドルの買い意欲が引きそうもない。
FRBの2つの責務のうちで、1つ目の物価の安定で利下げ予想が後退する中で、もう1つの責務である雇用の最大化を判断するために、本日は7月の雇用統計の結果が注目される。市場では失業率が前月の4.1%から4.2%へと悪化、非農業部門雇用者数も前月比+10.4万人で、6月の同比+14.7万人から悪化する予想になっている。市場が前月よりも低調な予想に傾いていることで、逆に前月と同程度の結果になった場合はポジティブサプライズになり、ドル買いが一気に進みそうだ。一方で、予想を下振れた場合でも、米国のインフレが高止まりしているだけでなく、日銀の利上げ観測の後退や、植田日銀総裁が現行水準の円安を警戒していないこともあり、ドル買いだけではなく円売り意欲も強く、ドル円を買い遅れている市場参加者が買い場を探してくることが予想され、下げ幅は限られそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、3月28日高値151.21円。その上は2月19日高値152.31円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、昨日150円乗せ後の下押し水準149.82円。割り込むと200日移動平均線149.59円。
今晩は7月雇用統計に注目。昨日は好決算を発表したマイクロソフトとメタ・プラットフォームズが大幅高となり上昇してスタートしたものの、トランプ米大統領がインドやブラジルに高率の関税を課すと発表したことや、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて利下げ期待が後退したことも引き続き重しとなり主要3指数がそろって下落して終了した。ダウ平均は330.3ドル安(-0.74%)と4日続落し、S&P500とナスダック総合は朝方に取引時間中の史上最高値を更新したものの、S&P500は0.37%安と3日続落し、ナスダック総合は0.03%安とわずかながら反落した。引け後の動きでは決算が予想を上回ったアップルが時間外で2%超上昇したが、アマゾン・ドット・コムはガイダンスが嫌気され時間外で6%超下落した。
今晩はトランプ関税の猶予期限を迎えることで関税を巡るニュースが注目されるほか、今後の利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される7月雇用統計が注目される。7月雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数(NFP)が11.0万人増と6月分の14.7万人増から減少が見込まれ、失業率は6月の4.1%から4.2%に悪化が見込まれている。やや弱い目の結果となれば利下げ期待の高まりが相場の支援となることが期待される。このほか、7月ISM製造業PMIの発表もあり、足もとの景況感にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは7月雇用統計、7月ISM製造業PMIなどのほか、7月S&Pグローバル製造業PMI確定値、7月ミシガン大消費者信頼感指数確報値、同1年先・5年先期待インフレ率確報値など。企業決算は寄り前にエクソン・モービル、モデルナ、シェブロンなどが発表予定。
日経平均株価は反落。41000円を意識したスタートから下値を探る展開となった。前日安値(40639円)を若干下回る場面もあったが、一目均衡表の基準線(40560円 8/1)を支持に下げ幅を縮小して終えた。
RSI(9日)は前日の65.5%→62.4%(8/1)にやや低下。5日移動平均線(40839円 同)の下げに押された感もあるが、上昇基調が続く10日移動平均線(40824円 同)に寄せて終えた印象だ。昨年7/11に形成したマド埋め(42102円)水準を意識していったん調整が入る格好となっているが、RSIが50%超を維持しているほか、一目均衡表の基準線の上昇基調も続く。10日移動平均線付近から上昇再開の展開につながるかが焦点となる。
上値メドは、7/24安値(41554円)、7/24高値(42065円)、昨年7/11安値(42102円)、昨年7/11高値(42426円)、43000円などがある。下値メドは、心理的節目の40500円、25日移動平均線(40209円 同)、心理的節目の4万円、7/22安値(39586円)、心理的節目の39000円、6/18高値(38885円)、200日移動平均線(38265円 同)などがある。
(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.87円(1日15時時点比▲2.60円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=170.44円(▲1.57円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1527ドル(△0.0096ドル)
FTSE100種総合株価指数:9068.58(前営業日比▲64.23)
ドイツ株式指数(DAX):23425.97(▲639.50)
10年物英国債利回り:4.528%(▲0.041%)
10年物独国債利回り:2.679%(▲0.016%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月英ネーションワイド住宅価格
前月比 0.6% ▲0.9%・改
7月仏製造業PMI改定値
48.2 48.4
7月独製造業PMI改定値
49.1 49.2
7月ユーロ圏製造業PMI改定値
49.8 49.8
7月英製造業PMI改定値
48.0 48.2
7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.0% 2.0%
7月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.3% 2.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は急落。7月米雇用統計の発表を控えてしばらくは150円台半ばでのもみ合いが続いたが、NYの取引時間帯に入ると大幅に下落した。トランプ米大統領が自身のSNSに「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は頑固な馬鹿者。もし彼が利下げを拒み続けるなら、理事会が主導権を握るべきだ」と投稿すると、FRBの独立性を巡る懸念が高まり全般ドル売りが先行。
米労働省が発表した7月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比7.3万人増と予想の10.4万人増を下回り、過去2カ月分が25.8万人下方修正された。米雇用市場に対する懸念が高まると、米長期金利の大幅低下とともにドル売りが加速した。
その後発表された7月米ISM製造業景況指数が予想を下回るとさらにドル売りが進み、一時147.50円まで下落した。米株式市場でダウ平均が一時790ドル超下落したこともリスク回避の円買いを誘った。
なお、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策決定に反対票を投じたボウマンFRB副議長とウォラーFRB理事はそれぞれ声明を発表し、0.25%の利下げを改めて主張したうえで、金利据え置きに反対した理由を明らかにした。
・ユーロドルは上昇。FRBの独立性を巡る懸念や米雇用市場に対する懸念から全般ドル売りが進行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.40%台から4.22%台まで急低下したこともドル売りを促し、23時過ぎに一時1.1588ドルまで値を上げた。
ただ、買い一巡後は伸び悩んだ。トランプ米大統領はメドベージェフ露安全保障会議副議長(前大統領)の挑発に対し、SNS上で「原子力潜水艦2隻の配備を命令した」と明らかに。地政学リスクへの懸念からユーロ売りが出て一時1.1517ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は軟調。米関税政策が世界景気に悪影響を及ぼすとの懸念が再び高まったほか、低調な米経済指標を受けた米景気の不透明感から欧米株価が大幅に下落。投資家がリスク回避姿勢を強め、円買い・ユーロ売りが優勢となった。2時30分前には一時170.29円と日通し安値を更新した。
なお、欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は2.9%安となったほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1130円安の3万9730円まで下げる場面があった。
・ロンドン株式相場は続落。アジア各国・地域の株価指数が総じて下落すると、英株にも売りが先行。低調な米経済指標が相次ぎ、米国株相場が急落したことも相場の重しとなった。バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど金融株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。米関税政策に対する警戒感が再燃する中、売りが先行。低調な米経済指標が相次ぎ、米国株相場が急落すると独株にも売りが波及した。個別ではダイムラー・トラック・ホールディング(8.71%安)やシーメンス(5.31%安)、ハイデルベルク・マテリアルズ(4.96%安)などの下げが目立ち、バイエル(2.82%高)などを除く37銘柄が下落した。
・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。
(1日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.40円(前営業日比▲3.35円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=170.79円(▲1.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1587ドル(△0.0172ドル)
ダウ工業株30種平均:43588.58ドル(▲542.40ドル)
ナスダック総合株価指数:20650.13(▲472.32)
10年物米国債利回り:4.22%(▲0.15%)
WTI原油先物9月限:1バレル=67.33ドル(▲1.93ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3399.8ドル(△51.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月米雇用統計
失業率 4.2% 4.1%
非農業部門雇用者数変化
7.3万人 1.4万人・改
平均時給
(前月比) 0.3% 0.2%
(前年比) 3.9% 3.8%・改
7月米製造業PMI改定値
49.8 49.5
7月米ISM製造業景況指数
48.0 49.0
6月米建設支出
(前月比) ▲0.4% ▲0.4%・改
7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
61.7 61.8
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに大幅反落。トランプ米大統領が自身のSNSに「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は頑固な馬鹿者。もし彼が利下げを拒み続けるなら、理事会が主導権を握るべきだ」と投稿すると、FRBの独立性を巡る懸念が高まり全般ドル売りが先行。
米労働省が発表した7月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比7.3万人増と予想の10.4万人増を下回り、過去2カ月分が計25.8万人下方修正された。米雇用市場に対する懸念が高まると、米長期金利の大幅低下とともにドル売りが加速した。その後発表された7月米ISM製造業景況指数が予想を下回るとさらにドル売りが進んだ。
NY午後には「クーグラーFRB理事が8月8日付で辞任する意向を示した」と伝わり、米長期金利が一段と低下。ドルの重しとなり、一時147.30円まで値を下げた。
・ユーロドルは続伸。FRBの独立性を巡る懸念や米雇用市場に対する懸念から全般ドル売りが優勢になると、23時過ぎに一時1.1588ドルまで値を上げた。
トランプ米大統領がメドベージェフ露安全保障会議副議長(前大統領)の挑発に対し、SNS上で「原子力潜水艦2隻の配備を命令した」と明らかにすると、地政学リスクへの懸念からユーロ売り・ドル買いで反応。2時30分過ぎに1.1517ドル付近まで下押しする場面もあった。
ただ、FRB理事の辞任が伝わると米金利の低下とともに再びドル売りが優勢となり、一時1.1597ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は反落。米関税政策が世界景気に悪影響を及ぼすとの懸念が再び高まったほか、低調な米経済指標を受けた米景気の不透明感から株価が大幅に下落。リスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となり、2時30分前に一時170.29円と日通し安値を更新した。
なお、米株式市場でダウ平均は一時790ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1130円安の3万9730円まで下げる場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落。FRBの独立性を巡る懸念や米雇用市場に対する懸念から、株売りが優勢となった。決算内容が嫌気されたアマゾン・ドット・コムが大幅に下落したことも相場の押し下げ要因となり、指数は一時790ドル超下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅上昇。FRBの独立性を巡る懸念や米雇用市場に対する懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。米利下げ観測の高まりも相場の支援材料。
・原油先物相場は続落。トランプ米政権の新たな関税の発動がエネルギー需要に及ぼす影響を見極めたいとの思惑が強まるなか売りが先行した。弱い米雇用統計の結果を受けて為替相場でドル安が進み、ドル建ての原油は割安感から買いが入る場面もあったが、買いは一時的にとどまり再び売りに押された。
・金先物相場は3日ぶりに反発。米雇用統計の結果を受けて雇用情勢への警戒感が強まり、米早期利下げ思惑が浮上し、米長期金利が急低下した。金利を生まない金に買いが入り大幅反発した。米株の大幅安も安全資産とされる金の買いを後押した。
トランプ米大統領は1日、ロシアの脅威を指摘し、原子力潜水艦2隻の配備を命令したと発表した。
米連邦準備理事会(FRB)は1日、クーグラー理事が8月8日付で辞任する意向を示したと発表した。
1日09:53 赤沢経済再生相
「引き続き米側に自動車・同部品関税引き下げの合意実施を求めてゆく」
「(米相互関税の大統領令について)発表されたばかりで措置の詳細を精査する必要」
「輸出価格や輸出動向に注視が必要」
「関税で対米輸出や世界総需要など下振れる可能性が想定される」
「日銀、引き続き政府と緊密に連携して2%物価目標の安定的実現に向けて適切な政策運営を期待」
「日本の関税、相対的に他国より有利ならば日本の競争条件が有利になる可能性」
1日10:20 加藤財務相
「投機的な動きを含め、為替市場の動向を憂慮している」
「為替市場の動向に関して、政府としてコメントは控える」
「米関税措置が輸出に与える影響を注視する」
「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」
1日19:36 トランプ米大統領
「パウエルは頑固な馬鹿者であり、今すぐ大幅な利下げをしなければならない」
1日21:10 ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事
「私が反対票を投じたのは、政策金利を0.25%引き下げることが適切だと判断したため」
「関税は一時的な価格上昇要因であり、インフレ期待が安定している限り、政策当局は見過ごすべきだと考えている」
「さまざまなデータから、金融政策は現状では引き締め的でなく中立に近い水準が妥当だと示されている」
「現行金利を維持する理由は見当たらず、このままでは労働市場の急激な悪化リスクがあると指摘」
1日21:13 ゴドンワナ南ア財務相
「CPI目標の変更は協議を経て行われる」
「CPI目標に関する政策決定権は自分に委ねられている」
「CPI目標の発表の計画はない」
1日21:14 ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長
「他のFOMCメンバーが異なる見解を持っていることは認識し、尊重している」
「行動を遅らせることで労働市場の悪化や経済成長のさらなる減速というリスク」
「関税がインフレに恒常的なショックを与えるとは考えにくい」
「物価安定への上振れリスクは弱まっているとの自信が高まっている」
「今後は雇用維持により重きを置くべき」
「現在のやや引き締め的な金融政策を段階的に中立へ戻し始めるのが適切だと考える」
1日22:22 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「インフレ目標の未達幅は拡大し、期間も長引いている」
「今週の決定に自信を持っている」
「労働市場を非常に注意深く見守る必要がある」
「労働市場は健全、依然として均衡が取れている」
「雇用統計は確かに失望させるものだった」
「労働市場側に弱さが見られる可能性がある」
※時間は日本時間
4日
○08:50 ◇ 7月マネタリーベース
5日
○08:50 ☆ 6月16-17日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
6日
○08:30 ◇ 6月毎月勤労統計(現金給与総額)
7日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 6月景気動向指数速報値
8日
○08:30 ◇ 6月家計調査(消費支出)
○08:50 ◎ 6月国際収支速報
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(7月30-31日分)
○14:00 ◇ 7月景気ウオッチャー調査
○自民党、両院議員総会を開催
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
4日
○15:30 ◎ 7月スイス消費者物価指数(CPI)
○16:00 ◎ 7月トルコCPI
○16:30 ◇ 7月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)
○23:00 ◎ 6月米製造業新規受注
○カナダ(市民の祝日)、休場
5日
○10:45 ◎ 7月Caixin中国サービス部門PMI
○15:45 ◇ 6月仏鉱工業生産
○16:50 ◎ 7月仏サービス部門PMI改定値
○16:55 ◎ 7月独サービス部門PMI改定値
○17:00 ◎ 7月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○17:30 ◎ 7月英サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○21:30 ◇ 6月カナダ貿易収支
○21:30 ◎ 6月米貿易収支
○22:45 ◎ 7月米サービス部門PMI改定値
○22:45 ◎ 7月米総?⑰MI改定値
○23:00 ☆ 7月米ISM非製造業指数
○6日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
6日
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)失業率/就業者数増減
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合
○15:00 ◎ 6月独製造業新規受注
○17:30 ◎ 7月英建設業PMI
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏小売売上高
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○7日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○7日03:00 ◎ 7月ブラジル貿易収支
○10:30 ◇ 6月豪貿易収支
○未定 ◎ 7月中国貿易収支
○15:00 ◎ 6月独鉱工業生産
○15:00 ◇ 6月独貿易収支
○15:00 ◎ 7月スウェーデンCPI
○15:45 ◇ 6月仏貿易収支
○15:45 ◇ 6月仏経常収支
○16:00 ◇ 7月スイス失業率(季節調整前)
○19:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○20:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表
○20:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:00 ◎ 7月メキシコCPI
○21:30 ◇ 4-6月期米非農業部門労働生産性・速報値
○21:30 ◇ 4-6月期米単位労働コスト・速報値
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:00 ◇ 7月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:00 ◇ 6月米卸売売上高
○23:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○8日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○8日04:00 ◇ 6月米消費者信用残高
○8日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表
8日
○16:00 ◇ 7月スイスSECO消費者信頼感指数
○21:30 ☆ 7月カナダ雇用統計
○23:20 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
9日
○10:30 ◎ 7月中国CPI
○10:30 ◎ 7月中国PPI
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、日米金融政策を受けた動きに
◆豪ドル、4-6月期CPIの鈍化で利下げの可能性高まる
◆ZAR、SARBは0.25%の利下げを決定
予想レンジ
豪ドル円 94.00-98.00円
南ア・ランド円 8.00-8.40円
8月4日週の展望
豪ドルは上値の重い動きとなりそうだ。今週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通りの金利据え置きと2名の理事から反対票が投じられたことが明らかになったが、その後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見は、市場では「タカ派」的な内容と受け止められた。日銀も予想通りの金利据え置きを決めたほか、植田日銀総裁の会見は利上げを急いでいないと印象付ける内容だった。日米の金融政策を手掛かりに、市場全般の方向性は円安・ドル高へと傾くと予想され、豪ドルも対ドル・対円で影響を受けることになるだろう。また、豪州では金利先安観が高まっており、しばらくは豪ドルが戻り売りに押されやすい展開となることも考慮しておきたい。
今週発表された注目の4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比2.1%の上昇と前期の2.4%からインフレ鈍化が確認されたほか、豪準備銀行(RBA)が重視しているトリム平均も前年比2.7%と2021年10-12月期以来の低水準となった。RBAのインフレ目標である2-3%の範囲内に2四半期連続で収まっており、市場では次回(8月11-12日)理事会での0.25%利下げが既定路線となりつつある。今後、RBAが金融緩和ペースを速めるかの判断は次回理事会での声明文を待つ必要があるが、当面は金利先安観が重しとして意識されやすい状況が続くだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む展開となりそうだ。今週開催された南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策決定委員会(MPC)では全会一致で0.25%の利下げを決定。クガニャゴSARB総裁は会見で「現在のインフレ目標(3-6%)の下限を目指す」との見解を示した。SARBと財務省が検討中のインフレ目標引き下げは正式発表こそなかったものの、実質的にSARBのインフレ目標は3%になったと考えてもよい。SARB総裁は「これにより金融政策余地が拡大する」と説明しているが、市場では現状の緩和サイクルは終了が近いと見ており、今回の決定に対する反応が注目される。
なお、南アフリカと米国間では期日となる8月1日を迎えたが関税交渉は合意に至らず、南アフリカから米国向けの輸入品に対して30%の関税が賦課されることが発表された。両国間の関係が冷え込んでいたこともあって今回の結果はサプライズではないが、すでに今年の米国向け自動車輸出が前年比で5分の1程度まで急減したとの報道もあり、関税の影響がさらに顕在化した際にはZAR相場にとっても懸念材料となりそうだ。
7月28日週の回顧
豪ドルは対ドルで軟調に推移。FOMC 後は全般にドル買いが強まった影響もあり、週末にかけて0.64ドル台前半まで値を下げた。一方、対円ではドル円が上昇した影響も受けたため、方向感に乏しかった。ZARは対ドルで5月以来の水準まで売りに押され、対円でも8.2円台でやや上値の重さが目立つ動きとなった。
◆ポンド、BOEは0.25%利下げ見込みも議事要旨に着目
◆加ドル、米加関係は中東情勢も絡み依然として先行き不透明
◆加ドル、6月貿易収支や7月雇用統計に注目
予想レンジ
ポンド円 195.00-200.00円
加ドル円 107.00-111.00円
8月4日週の展望
来週のポンドは、7日に英中銀(BOE)が公表する金融政策委員会(MPC)の結果に注目。市場は現行4.25%の政策金利を4.00%に引き下げると予想している。見込み通りであれば2会合ぶりの利下げ、水準も2023年2月以来(当時は金融引き締め局面)の低さだ。1年前から始まった緩和フェーズにおける引き下げ幅は、125ベーシスポイント(bp)となる。最近のベイリーBOE総裁のハト派コメントからしても、市場の織り込み通り、金利についてサプライズはないだろう。
着目すべきはMPC委員の投票行動。据え置きを決めた前回6月の会合では、リスク評価を続けるとして9人中6人が支持。残り3人の委員が0.25%の利下げを主張した。今回は逆に、何人が据え置きに固執するかがポイントとなる。特に、利下げした5月会合で据え置きをアピールしたピル委員は英中銀チーフエコノミストでもあるため、その行動は他委員よりも市場の関心を引きそうだ。またMPC議事要旨では、全体の金利先安観の強弱を確かめる必要がある。
加ドルは、依然として貿易問題を巡るカナダと米国の関係に注視。トランプ米大統領は先日、「パレスチナ独立を支持したカナダとは、貿易協定締結は非常に困難」と発言した。民主的改革の推進を条件に、カーニー加首相が9月にもパレスチナを国家として承認する方針を表明。カナダの動きは英仏に続くものであり、トランプ大統領が反対圧力を高めても、カーニー首相は引き下がらないだろう。そうなると、米加の溝はさらに広がってしまうことになる。
カナダ経済指標では、まず6月貿易収支に注目。トランプ米政権が高関税で世界に圧力をかけ始めた2月以降、カナダ貿易は赤字が続いている。4月は70億ドル超と過去最大の赤字幅を記録し、前回5月は輸出先の多角化から赤字額は縮小したが、それでも59億ドルと高水準だ。遅行指標ではあるものの、6月貿易収支の結果次第では、実需の加ドル売りが意識されそうだ。
週末に発表される7月カナダ雇用統計では、前回の改善が本物かを見定めることになる。6月分の新規雇用者数は8万人超の増加と、±ゼロの予想から大幅に上振れた。失業率も7%台への悪化見込みから6.9%まで改善した。7月は、新規雇用の多くが非常勤だったことの反動が懸念材料となっている。2025年上半期の雇用者数は、新型コロナ禍を除くと2018年以来の低い伸び率だった。下半期のスタートが弱いとなれば、まだ不確定とされる「年末までにカナダ中銀(BOC)が追加利下げに踏み切る」ことへの思惑が、今後は高まることになりそうだ。
7月28日週の回顧
ポンド円は週初の199円前半から失速し、一時197円割れまで下落。ドル高進行で、ポンドドルが1.34ドル前半から1.32ドル割れまで売られた影響を受けた。もっとも、植田日銀総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示すと199円半ばまで切り返した。
加ドルは対円で107円前半を底に109円手前まで反発。対ドルでは1.36加ドル後半から1.38加ドル半ばまで加ドル安が進んだ。BOCの政策金利据え置きや声明に対する反応は限られ、円相場・ドル相場の流れに追随した。
◆ドル円、短期的な日米金融スタンスが明確化し底堅い
◆来週は米指標予定少ないが、8日の自民党両院議員総会には注意
◆ユーロドル、欧州景気不安やドル先高観から上値重い
予想レンジ
ドル円 147.50-155.00円
ユーロドル 1.1050-1.1600ドル
8月4日週の展望
ドル円は、日米の金融政策決定会合を通過したことで底堅い地合いが継続しそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)は2人のメンバーによる反対票はあったものの政策金利を据え置き、パウエル米連邦準備理事会(FRB)は「9月FOMCについては何も決定していない」と早期利下げについては言及しなかった。トランプ米大統領からは再三にわたって利下げ圧力が掛けられていたが、FRB議長は慎重な姿勢を保ったことでドルが大きく買われることとなった。
また、日銀は2025年の物価目標を引き上げたものの、現状の金融政策を維持。植田日銀総裁は会見で早期利上げを示唆することはなかった。それに加え、「足もとの為替の動き、物価見通しに直ちに影響あるとは見ていない」と発言したことが円安容認とも捉えられ、会見後は円売りが加速した。
今週の日米金融政策の決定内容や両首脳の会見などを受けて、短期的ながらも日米の金融政策スタンスが明らかになった。来週も円売り・ドル買いの流れか継続する可能性が高い。なお、米経済指標としては、5日に7月ISM非製造業指数、7日に4-6月期非農業部門労働生産性・速報値と予定は少なく、株価や米金利動向をしっかりと見極めていくことになりそうだ。
なお、日本国内では、参院選後の政局を引き続き注視。注目の石破首相の進退問題については、自民党内では意見がまとまっていない。1日召集の臨時国会が5日まで行われ、党の重要な意思決定機関である両院議員総会は8日に開催されることが決定している。仮に石破首相辞任という動きとなれば、次期政権を期待した日本株高による一段の円安の可能性にも留意しておきたい。
ユーロドルは、頭の重い展開が想定される。米国と欧州連合(EU)との通商協議が合意したものの、15%の関税が特に自動車業界に与える悪影響が計り知れないと指摘する専門家も多く、欧州の景気先行き懸念がユーロの重しとなるだろう。また、米早期利下げ観測が後退しドルの先高観が高まっていることも売り材料視されそうだ。一方で、欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測も後退しており、短期金利市場では年内の金利据え置きの確率が50%程度まで上昇している。
7月28日週の回顧
ドル円は買い優勢。週半ばまでは148円台を中心に方向感のない動きが続いた。ただ、良好な米指標やFRB議長の利下げに慎重な姿勢を受けて買いが強まった。日銀総裁の会見で買いが加速すると一時150.88円まで上値を伸ばし、3月28日以来の高値を付けた。
ユーロドルは軟調。米EUの関税交渉が合意に至ったものの、欧州景気不透明感を背景に週明けから大幅に下落。FOMC後は全般ドル高が進んだ影響も受けて一時1.1401ドルと6月10日以来の安値を更新した。
8月に入り1日の日経平均は反落。終値は270円安の40799円。米国株安や東京エレクトロン<8035.T>の下方修正などを嫌気して下落スタート。小安く始まるも、売り気配で始まった多くの半導体株の値が付くにつれて、一気に下げ幅を400円超に広げた。40500円台に入り、東京エレクトロンがストップ安で寄り付いたところで売りが一巡。そこから40900円台まで値を戻したが、節目の41000円近辺では上値が重くなった。後場は動意が乏しくなったが、東京エレクトロンが改めて売られたことから、やや下げ幅を拡大。後場の安値圏で取引を終えた。一方、半導体株を除いては多くの銘柄が上昇しており、TOPIXはプラスで終えた
東証プライムの売買代金は概算で5兆6100億円。業種別では電気・ガス、陸運、建設などが上昇した一方、精密機器、電気機器、海運などが下落した。1Qが大幅な最終増益となった亀田製菓<2220.T>が後場急騰。半面、決算発表前に上場来高値圏で推移していた日立製作所<6501.T>は、1Qの増収増益着地は好感されず、8%を超える下落となった。本日派手に売られた東京エレクトロンは18%安となり、1銘柄で日経平均を約498円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1300/値下がり291。上方修正と増配を発表したJTが商いを伴って大幅高。東電HDは1Qの大幅最終赤字を受けて売りが先行したものの、プラス転換から上げ幅を広げて3%を超える上昇となった。富士電機やコナミグループが決算を材料に急伸。1Qが大幅増益となったテレビ東京や日本テレビが跳ねており、同業のテレビ朝日やTBSにも期待買いが入った。
一方、東京エレクトロンの急落が嫌気され、レーザーテック、ディスコ、SCREEN、KOKUSAIなど半導体株の多くが大幅安。商船三井は増配を発表したものの決算が嫌気されて後場に売られており、同業の日本郵船や川崎汽船も連れ安した。1Qが最終減益となった住友ファーマが、直近で強く買われていたこともあって6%を超える下落。1Qが減益となったデジタルアーツは、本日自己株取得を発表したものの、2桁の下落率となった。
日経平均は下落したが、東京エレクトロンの暴落を受けても常識的な下げにとどまった。安値の40588円は東京エレクトロンがストップ安で寄り付いた9時27分につけている。7月29日や30日も40500円台で下げ止まっており、底割れはしていない。何より、プライムでは1300銘柄が上昇している。東京エレクトロンが一時的とはいえストップ安まで売られたのはショッキングではあるが、優良銘柄とみられている同社が業績だけでなく配当見通しまで引き下げてくれば、売りが殺到するのは仕方ない。半導体株に関しては風向きが悪くなる可能性はあるものの、半導体株安を冷静に消化した日本株には期待が持てる。
【来週の見通し】
堅調か。日米ともにイベントや指標の発表は多くない中、日本では決算発表がラッシュとなる。三菱UFJ、トヨタ、ソフトバンクGなど注目度の高い企業の決算が連日で出てくるだけに、個別物色に全力投球の1週間となるだろう。決算で大きく下げる銘柄にもリバウンド狙いの押し目買いが入ることで、売買の活況が見込まれる。ある程度のボラティリティを許容しながら、楽観ムードの強い地合いが続くと予想する。なお、「森よりも木を見る」相場環境になると思われるだけに、指数に関してはガンガン上昇していくというよりは、弱材料に耐性を示しながら週間ではプラスとなるような展開を想定している。
今週の日経225先物は、ギャップダウンから調整一巡感が意識されてくる可能性はあるものの、決算発表がピークを迎えるなかで積極的なリバウンド狙いのロングを手控えさせそうだ。8月1日の米国市場では主要な株価指数が下落し、NYダウは5日続落で7月16日の直近安値を割り込み、6月下旬以来の水準まで売られた。
1日発表の7月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比7万3000人増と、市場予想(10万人増程度)を下回った。さらに増加幅は6月が14万7000人から1万4000人、5月が14万4000人から1万9000人へとそれぞれ下方修正された。7月のISM製造業総合景況指数は48.0と市場予想(49.5程度)を下回り、6月(49.0)から低下した。雇用統計などの想定外の結果を受けてトランプ政権の通商政策が米労働市場や世界景気に与える影響への懸念が広がった。
日経225先物は1日の取引終了後のナイトセッションで急落し、3万9900円と節目の4万円を割り込んで終えている。一時3万9730円まで下げ幅を広げる場面もみられており、日米関税交渉の合意が好感された7月23日の急騰分を埋めつつある。
週明けは米株安の影響からインデックス売りが膨らみやすく、シカゴ日経平均先物清算値の4万円にサヤ寄せする形で、ギャップダウンから始まることになろう。ボリンジャーバンドの-1σ(3万9500円)が射程に入ってくるとみられ、いったんはリバウンド狙いのロングを誘うことになりそうだ。ただし、同バンドを明確に下回ってくるようだと、7月23日の急騰分を帳消しにする形になるため、ショートが膨らむ可能性がある。
また、7月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見でパウエルFRB議長は早期利下げに慎重な見解を示し、不確実性は非常に多いと述べており、次回9月の利下げ期待が後退していた。ただし、米雇用統計の結果を受けて、再び早期利下げ観測が高まってきている。為替市場では日米の金融会合の結果を受けて、日米金利差を狙った動きから1ドル=150円台後半へ円安が進んだ。先週半ば以降は円安を手掛かりとした資金流入も観測されていたが、米国の早期利下げ観測の再燃によって現在は1ドル=147円台前半と円高に振れていることも手掛けにくくさせよう。
自民党は「参院選の総括と今後の党運営について」を議題に、8日に両院議員総会を開催する。参院選大敗の責任を追及するなかで石破茂首相の退陣圧力が強まっているが、辞任はないと考えられる。ただ、思惑的な動きから次期総裁への政策期待が高まる可能性があり、短期的なロングを誘う動きは意識しておきたい。
日経225先物は、ギャップスタート後は4万円を巡る攻防になりそうである。同水準での上値の重さが意識されるようだと、-1σに接近する場面もあると考えられ、まずは押し目狙いのロング対応に向かわせよう。下へのトレンドが強まる局面では、レバレッジ型ETFのヘッジ対応に伴うショートが下へのバイアスを強めてくる展開に注意しておきたい。
一目均衡表では、3万9000円~3万9300円に位置する雲上限を試す可能性もありそうだ。雲上限を支持線としたリバウンドが意識されるが、同水準まで下げてくると遅行スパンが実線を割り込んでくるため、テクニカルの下方シグナルを発生させる。シグナル悪化によって、4万円近辺では戻り待ち狙いのショートが入りやすくなりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万0500円のレンジを想定。4万円での攻防が続くようだと、3万9000円から4万円のレンジに引き下げる。
1日の米VIX指数は20.38(7月31日は16.72)に上昇した。週間(7月25日は14.93)でも大幅な上昇となった。先週は29日につけた14.70をボトムに25日線で攻防をみせていたが、週末の急伸によって75日線(19.35)、200日線(19.41)を一気に上抜いている。26週線が位置する21.36を上回ってくると、上へのトレンドが出やすくなり、市場心理を神経質にさせそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.83倍に(31日は13.97倍)に低下した。週間(7月25日は14.02倍)でも下げている。週初に200日線(14.02倍)、75日線(14.03倍)を明確に割り込み、週末には一時-3σ(13.83倍)を割り込んで、75日線(13.79倍)水準まで下げている。75日線までの下げでいったんは反転が意識されそうだが、半導体株の明確な底入れからの反転を確認するまでは、NTショートに振れやすい需給状況となりそうだ。
7月第4週(7月22日-25日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では15週連続の買い越しであり、買い越し額は1兆2557億円(7月第3週は2411億円の買い越し)だった。なお、現物は6023億円の買い越し(同1875億円の買い越し)と17週連続の買い越し。先物は6533億円の買い越し(同536億円の買い越し)と3週連続の買い越しだった。個人は現物と先物の合算で1兆1687億円の売り越しと7週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2110億円の売り越しとなり、4週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、4日に米国6月製造業新規受注、5日に日銀金融政策決定会合議事要旨(6月16・17日開催分)、中国7月財新サービス業PMI、米国6月貿易収支、米国7月ISM非製造業景気指数、6日に6月毎月勤労統計、7日に6月景気動向指数、米国による日本への相互関税15%発動、イングランド銀行(BOE)政策金利、米国4-6月期非農業部門労働生産性指数、米国6月卸売売上高、中国7月貿易収支、8日にオプションSQ、6月全世帯家計調査、日銀金融政策決定会合の主な意見(7月30日・31日開催分)、7月景気ウォッチャー調査、自民党両院議員総会などが予定されている。
サウジアラビアやロシアなどOPECプラスの有志8カ国は3日、オンラインで会合を開き、9月の原油の生産量を1日あたり54万7000バレル増やすと明らかにした。
米労働省労働統計局のマッケンターファー局長が、7月雇用統計をめぐる「政治的操作」批判を受け、トランプ大統領の指示で2日に解任された。同氏はバイデン前政権が任命し信頼されていた統計専門家で、多くの共和党議員も承認していたが、トランプ大統領は1日に発表された7月の就業者数の増加幅が鈍化し、過去のデータも大幅に下方修正されたことを受け、政治的意図で統計データを「操作」していると主張していた。
<国内>
○08:50 ◇ 7月マネタリーベース
<海外>
○15:30 ◎ 7月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.2%)
○16:00 ◎ 7月トルコCPI(予想:前月比2.50%/前年比34.10%)
○16:30 ◇ 7月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.0)
○23:00 ◎ 6月米製造業新規受注(予想:前月比▲5.0%)
○カナダ(市民の祝日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末の海外市場でドル円は、7月米雇用統計の非農業部門雇用者数が予想を下回り、過去2カ月分が下方修正されると米長期金利の大幅低下とともにドル売りが加速した。その後発表された7月米ISM製造業景況指数が予想を下回るとさらにドル売りが進み147.30円まで値を下げた。ユーロドルは一時1.14ドルを割り込んだが、全般ドル売りが優勢になると、1.1597ドルまで値を上げた。
本日の東京時間でのドル円は、日銀の金利引き上げ観測後退や、先週植田日銀総裁が現行の為替水準を容認したことで円売り要因はあるが、先週の金曜日の雇用統計ショックやニュース等で、市場の流れは一転米国からのドル売り要因が表面化し、ドルの上値が重い展開になりそうだ。
先週は30日発表の4-6月期国内総生産(GDP)が大幅(1-3月期の-0.5%から+3.0%)に改善し、31日の6月米個人消費支出(PCE)デフレーター、コアデフレーターともに前年比では市場予想を上振れた。6月米消費者物価指数(CPI)も前年比でヘッドラインとコア指数が前月よりも上振れるなど、調査対象やカバレッジも異なる両インフレ指標が立て続けに上昇基調をたどっていることが確認された。この結果を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、利下げ予想が9月から10月が優勢になり、10月の利下げも25ベーシスポイント(bp)の利下げが60%台にとどまった。
しかしながら、その流れが週末の7月雇用統計で一転した。特に市場が反応したのが非農業部門雇用者数の過去2カ月(5・6月)分の修正で、これまでの1.6万人増加が25.8万人減少と大幅に下方修正されたこと。市場では6月の州政府と地方自治体の雇用が7万3000人増加とされていたことが、兼ねてから疑問視されていたが、これほどの修正は想定の範囲を超えていた。先週の米連邦公開市場委員(FOMC)で据え置きに反対票を投じた、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、ボウマンFRB副議長は、雇用統計発表直前の会見で「このままでは労働市場の急激な悪化リスクがある」「行動を遅らせることで労働市場の悪化や経済成長のさらなる減速というリスク」などと指摘したことがうなずける結果となった。ボウマン氏が今後のFRBは雇用維持に重点を置くべきとの見解を示したが、これまでインフレの低下が緩やかで、利下げに対して慎重姿勢となっていたほかのFRBメンバーが、FRBの2大責務(物価の安定と雇用の最大化)のうちに雇用を重視する傾向が進む可能性があり、ドルの上値を抑えることになりそうだ。なお、上述したFF金利に基づく利下げ予想は、9月の25bpの利下げ予想が再び9割弱になり、10月には更に25bp(9-10月の合計は50bp)の利下げが過半数を超えている。
また、米金利の低下をさらに促す要因としては、クーグラー理事が8月8日付で辞任する意向を示したと発表したこと。2026年1月末まで任期があった同理事だが、民主党支持者ということもあり、トランプ米大統領は任期後には自分の息のかかったハト派の人物を後任に充てると見込まれていた。ただ、半年以上も早くクーグラー氏が辞任することはサプライズだった。トランプ氏が後任にハト派を指名することは確実なことで、FRB内で利下げに慎重な理事に更に圧力がかかることも、ドルに重くのしかかることになるだろう。なお、パウエルFRB議長は、議長職は2026年5月15日まで、理事職は2028年1月末まである。ただ、これまで慣例としてFRB議長を退任した後は、理事に残ることはなかった。
更に、週末にトランプ大統領がマッケンターファー労働省労働統計局長を解任したこともドル売り要因。トランプ大統領はマッケンターファー氏が「カマラ(ハリス氏)の勝利の可能性を高めようとし雇用統計を偽造していた」とSNSで記載している。ただ、ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン氏が今後は統計局の数値を信じることができなくなると批判しているように、米経済指標の信頼性の低下が、米国の信頼性を失うこともドル売り要因になりそうだ。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 39900 -960 (-2.34%)
TOPIX先物 2893.5 -59.0 (-1.99%)
シカゴ日経平均先物 40000 -860
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
1日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。7月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比7万3000人増と、市場予想(10万人増程度)を下回った。さらに増加幅は6月が14万7000人から1万4000人、5月が14万4000人から1万9000人へとそれぞれ下方修正された。7月のISM製造業総合景況指数は48.0と市場予想(49.5程度)を下回り、6月(49.0)から低下した。雇用統計などの想定外の結果を受けてトランプ政権の通商政策が米労働市場や世界景気に与える影響への懸念が広がった。決算内容が嫌気されたアマゾン・ドット・コム<AMZN>が大幅に下落したことも、相場の押し下げ要因となった。
S&P500業種別指数は医薬品・バイオテクノロジー、食品・生活必需品小売、耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、小売、銀行、テクノロジー・ハード・機器の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、ホーム・デポ<HD>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、メルク<MRK>が買われた。半面、アマゾン・ドット・コムのほかユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、スリーエム<MMM>、セールスフォース<CRM>、アップル<AAPL>、エヌビディア<NVDA>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比860円安の4万円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比170円安の4万0690円で始まった。寄り付きを高値に4万0440円~4万0600円辺りで保ち合いを続けるなかで、米国市場の取引開始直前にレンジを下抜けると、中盤にかけて3万9730円まで下落幅を広げた。売り一巡後は3万9900円~4万0140円辺りで推移し、3万9900円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになろう。25日移動平均線(4万0190円)を下抜けたことで、ボリンジャーバンドの-1σ(3万9500円)が射程に入ってくるとみられる。売り一巡後は4万円の攻防になりそうだが、25日線が抵抗線して意識されてくると戻り待ち狙いのショートが入りやすく、-1σ水準に接近する局面には注視しておきたい。
また、ナイトセッションで日中比960円安となったが、7月23日の急騰時と同様、トレンドが大きく出てくる局面では、レバレッジ型ETFのヘッジ対応に伴う調整の動きが入りやすい。下へのバイアスが強まる局面では、ヘッジ対応のショートが膨らむ可能性があるだろう。まずは売り一巡後の底堅さを見極め、ショートを警戒しつつも4万円を支持線とした値動きをみせてくるかを確認したいところである。
そのため、オプション権利行使価格の4万円を中心とした上下の権利行使価格である3万9500円から4万0500円のレンジを想定する。
1日の米VIX指数は20.38に上昇した。先週は7月29日につけた14.70をボトムに25日線での攻防をみせていたが、週末の急伸によって75日線(19.35)、200日線(19.41)を一気に上抜いている。26週線が位置する21.36を上回ってくると、上へのトレンドが出やすくなり、市場心理を神経質にさせそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.83倍に低下した。週初に200日線(14.02倍)、75日線(14.03倍)を明確に割り込み、週末には一時-3σ(13.83倍)を割り込んで、75日線(13.79倍)水準まで下げている。75日線までの下げでいったんは反転が意識されそうだが、同線を明確に割り込んでくると、NTショートに振れやすい需給状況となろう。
東京市場は軟調か。先週末の米国株は下落。ダウ平均は542ドル安の43588ドルで取引を終えた。7月雇用統計では、非農業部門雇用者数が7.3万人増と市場予想の11.0万人増を下回った。さらに、6月分と5月分も大幅に下方修正されたことで、景気後退に対する警戒が強まる展開。アマゾンが決算を受けて大きく下落したことも嫌気され、リスクオフムードの強い1日となった。米10年債利回りは大きく低下しており、為替市場では円高(ドル安)が進行。ドル円は足元147円30銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが860円安の40000円、ドル建てが815円安の40045円で取引を終えた。
米国株安や円高進行を受けて、売りに押されると予想する。米国の雇用指標が弱ければ早期の利下げ期待も高まってくるが、きょうに関しては本日の米国株の反応を見定めたいだけに、押し目買いは期待しづらい。決算発表銘柄の反応も、買われる銘柄の上げが限定的となり、売られる銘柄の下げが大きくなる可能性がある。CME225先物は4万円近辺からのスタートを示唆している。大きく水準を切り下げて始まりそうな分、安値は早い時間につけるとみるが、売りが一巡しても戻りは緩慢となるだろう。日経平均の予想レンジは39000-40300円。
日経225先物は11時30分時点、前日比750円安の4万0110円(-1.83%)前後で推移。寄り付きは3万9870円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万円)を下回る形から、売りが先行して始まった。現物の寄り付き時に3万9740円まで売られる場面もみられたが、ナイトセッションでつけた安値(3万9730円)は割り込まず、下げ止まりをみせている。売り一巡後は自律反発狙いのロングが入る形で4万円を回復。4万円を挟んでの保ち合いを継続するなか、終盤にかけて4万0130円まで下げ幅を縮めてきた。
日経225先物は4万円での攻防をみせるなか、終盤にかけてのリバウンドにより、25日移動平均線(4万0200円)を試す動きが意識されてきた。25日線接近では戻り待ち狙いのショートの圧力が強まりそうだが、同線を捉えてくるようだと短期筋のショートカバーを誘う形で下落幅を縮めそうである。反対に突破できないと終盤にかけては持ち高調整によるロングを解消する動きが警戒されやすく、再び4万円での攻防で落ち着く可能性はあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.79倍に低下した。75日線(13.79倍)を割り込み、一時13.77倍に低下した。ボリンジャーバンドのバンドが拡大傾向にあるなかで、下へのトレンドが強まってきている。-3σ(13.77倍)に沿った形での低下であり、NTショートに振れやすいだろう。
中国政府は8日から国債や政策金融機関債の利子収入への課税(6%の付加価値税適用)を発表し、1990年代以来の税制優遇を撤廃する。対象は発行残高の約7割を占め、市場では投資コスト増や、既存債・新発債の利回り格差拡大への懸念が広がっている。税収基盤拡大の狙いだが、国内債券市場の投資家心理が一段と悪化する恐れも指摘されている。
本日のロンドン為替市場では、ユーロ圏では主だった要人発言や経済指標の発表は予定されていない中、ユーロドルは前週末の米雇用統計ショックの影響を見極めることになるか。
前週末は7月米雇用統計を始め弱めの指標結果が相次いだこと加え、クーグラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事の突然の辞任をきっかけとして米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性に対する不透明感が漂ったことも合わさり、ドル売り・米長期金利低下が進んだ。本日は急速に進んだドル安に対する調整が先行しているものの、大元のドル売り材料に変化がない以上、足元のドル安トレンドが早期に転換する公算は小さいと見る。時間外の米長期金利の動きにも注目しつつ、欧州市場でもドル売りの動きが続くか、見極めることなろう。
テクニカル面でも、前週のユーロドルは日足・一目均衡表の雲の下限を割り込むも一時的となると、前週末には雲の上限を突破して転換線を上抜けており、下げ一服のチャート形状となっている。前週末に上伸を阻んだ基準線は本日1.1611ドルに位置しており、同水準を上抜けると先月28日に割り込んでから一度も回復していない節目の1.17ドルを視野に入れた上値模索も想定される。
なお、トルコでは7月消費者物価指数(CPI)が発表予定。市場予想は前年比34.10%と、21年後半以来の低い伸びとなる見通し。インフレに苦しむトルコ経済にとっての伸び鈍化は好材料であり、高止まりしているドル/リラ相場に影響が出るようならば対円相場を動かす場面もあるだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.1611ドル。超えると心理的節目の1.1700ドル
・トルコリラ円:90日移動平均線3.70円
想定レンジ下限
・ユーロドル:心理的節目の1.1500ドル。割り込むと日足・一目均衡表の転換線1.1427ドル。
・トルコリラ円:ピボット・サポート2の3.56円
先週末はまさにNFPショック。ヘッドラインの7月NFPこそ、7.3万人と予想の10.4万人を下回るといった特別な反応を必要としない数字でしたが、5月の144,000人から19,000人、6月の147,000人から14,000人への、見たことがない大幅な下方修正を目の当たりにした市場は、一気にドル売りで反応。2カ月で258,000人ですから、何ともかんともと言った状況。米10年債利回りが4.4060%から4.2002%まで急低下。7月米ISM製造業景気指数も予想を大幅に下回ったことから一時147.50円まで急落。一旦は148.23円まで買戻されたものの、今度は7月FOMCを欠席していたクーグラーFRB理事が8日付で辞任の意向を表明したほか、トランプ米大統領が雇用統計を集計している米労働統計局(BLS)の局長を解任する暴挙に出ると、再び147.30円まで値を下げて週末の取引を終えています。
週明けのアジア市場では、東京勢の取引が始まると同時にSLを付ける動きとなると147.06円まで売り込まれる場面もみられましたが、その後は本邦実需の買いが断続的に持ち込まれたほか、米長期金利が上昇。寄付きから950円近い急落となった日経平均が40000円台を回復して下げ幅を半減させる動きとなるにつれて147.91円まで買戻されているといったところです。 いずれにしても、ドル円はNFPショックからの落ち着きどころを探る動きとなっていますが、早朝のSL以外では実需の買いが目立っているわけで、一目転換線の148.39円付近を意識した動きとなっています。
また、BLS局長解任についても、トランプ米大統領が対米貿易赤字国のブラジルに対してあり得ない50%関税を賦課したのと同様に、その理由が「俺に対する腹いせに数字を操作しているから」といった、これもまたあり得ない理由によるもの。更には、クーグラーFRB理事辞任についても、数日中に入れ替わりの理事、つまり、次期FRB議長含みの理事を指名することを表明していますが、米議会が9月2日まで戻ってこないことから、実質的にすぐにその影響力を発揮することも出来ないといった状況。
BLS局長の首がすげかえられ、仮に強い米雇用統計が出てきたとしても、今度はFRBの利下げ先送りの理由にもされてしまうといったジレンマ。とにもかくにも、めちゃくちゃな事態となっています。
ドル円:1ドル=147.77円(前営業日NY終値比△0.37円)
ユーロ円:1ユーロ=170.98円(△0.19円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1570ドル(▲0.0017ドル)
日経平均株価:40290.70円(前営業日比▲508.90円)
東証株価指数(TOPIX):2916.20(▲32.45)
債券先物9月物:138.55円(△0.47円)
新発10年物国債利回り:1.505%(▲0.045%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月マネタリーベース
前年同月比 ▲3.9% ▲3.5%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。前週末に大きく下げた後とあって、市場では「買い遅れていた本邦実需勢からの買いが断続的に観測された」との指摘があった。寄り付き直後に急落した日経平均株価が徐々に下げ幅を縮めたほか、時間外の米長期金利が上昇した影響もあり、一時147.91円まで値を上げた。
・ユーロ円も強含み。ドル円と同じく本邦勢の参入後に下値を切り上げる展開となり、171.15円まで上昇する場面があった。
・ユーロドルはもみ合い。円絡みの取引が中心となったこともあり、1.15ドル台後半での方向感を欠いた動きとなった。
・日経平均株価は続落。米雇用統計を受けて景気の不透明感が意識され、前週末の米国株式相場が大幅安となった流れを引き継いだ。外国為替市場で円高が進行したことも相場の重しとなり、指数は一時950円近く下落。節目の4万円を下回る場面も見られたが、下値では押し目買いも入ったため、その後は徐々に下げ幅を縮小した。
・債券先物相場は6日続伸。前週末に米国債券相場が大きく上昇し、週明けの国内債券相場にも買いが波及した。一時139円05銭まで上昇する場面があった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、米7月雇用統計を受けてリポートしている。非農業部門雇用者数の7月の+7.3万人という水準と5・6月の大幅下方改定は、パウエルFRB議長からすれば「堅調」という評価を覆す「予期せぬ弱さ」になったと三菱UFJMSでは指摘。これらは議長がFOMC後にくり返し言及した労働市場の明白な下方リスクの現実化で、9月利下げに道を開くものと考えている。
「低調な7月の米雇用統計は、共和党と私の評判を落とすために不正に操作された」
(トランプ米大統領)
1.米非農業部門雇用者数の大幅下方修正の理由
トランプ米大統領は、米国雇用統計で雇用者の伸びがこの3カ月に大きく減速(月平均+3.5万人)したことで、バイデン政権が任命した米労働省労働統計局(BLS)のマッケンターファー局長を解任するように当局者らに指示した。
BLSは雇用統計調査に当たり企業を対象に3カ月かけてデータを収集して完全な全体像を把握している。速報値段階で70%程度、改定値段階で90%程度、確報値段階で100%の回答率となる。しかし、速報値段階での調査に回答する企業の割合は、いろいろな規制への対応により減少傾向にあり、調査人員の削減などにより、最近では回収率が60%を下回ることが繰り返されている。
2.米7月雇用統計
2025年7月の米国の失業率は4.2%(※4.2479%)となり、就業者が26.0万人減だったものの、失業者数が22.1万人増だったことで、6月の4.1%(※4.117%)から上昇した。
非農業部門雇用者数(NFP)は、前月比+7.3万人の増加となり、6月は速報値の+14.7万人から+1.4万人へ下方修正(▲13.3万人)され、5月は改定値の+14.4万人から+1.9万人へ下方修正(▲12.5万人)されたことから、合計で25.8万人の下方修正となった。過去3カ月間の雇用者数の伸びは月平均+3.5万人と、前年同期の+12.3万人から大きく減少した。
7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを主張していたボウマンFRB副議長とウォラーFRB理事は、雇用情勢への懸念の高まりを理由に挙げている。
政府効率化省(DOGE)が連邦政府職員の削減を進めていた中、連邦政府の雇用者数は1.2万人減となり、1-7月で8.4万人減少した。
「フェドウオッチ」によると、9月FOMCでの利下げ確率(▲0.25%)が上昇し、10月と12月と3回の利下げで、12月時点でのFF金利は3.50-75%と見込まれている。
2021年の非農業部門雇用者数は723.3万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.3万人の増加だった。2022年平均は+38.0万人、2023年平均は+21.6万人、2024年平均は+16.8万人、2025年平均は+8.5万人と減少傾向が続いている。
■家計調査:失業率を算出(※5.5万世帯)
7月の失業率は4.2%(※4.2479%)となり、6月の4.1%(※4.117%)から上昇した。労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.2%と、3カ月連続低下した結果、22年11月以来の水準に落ち込んだ。トランプ米大統領の移民排除政策が労働市場から外国生まれの労働者を締め出し、労働参加率を押し下げると同時に失業率の上昇を抑えている。経済の雇用創出能力の尺度とされる就業率は59.6%となり、5月、6月の59.7%から低下し、2021年12月以来の低水準に落ち込んだ。
失業者数は723.6万人となり、6月の701.5万人から22.1万人増加しており、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億7034万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約576万人上回っている。
・不完全雇用率(U6):7.9%(6月7.7%、5月7.8%、4月7.8%:2020年5月21.1%)
(フルタイム雇用を望みながらパートタイム職に就いている労働者を含む広義の失業率)
・労働参加率:62.2%(6月62.3%、5月62.4%、4月62.6%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):182.6万人(6月164.7万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:7.2%(6月6.8%、5月6.3%、4月6.2%、3月6.0%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率は景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向)
■事業所調査:非農業部門雇用者数(※12.2万の会社・政府機関)
7月の非農業部門雇用者数は、前月比+7.3万人の増加となり、55カ月連続での雇用拡大となった。民間就労者数は前月比+8.3万人と6月の+3.0万人から増加した。平均時給は前月比+0.3%で、6月の+0.2%から上昇し、前年同月比は+3.9%となり、6月の3.8%から上昇した。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は、前月比+0.7%、前年比+5.3%だったが、不法移民の労働力人口の減少や採用抑制に伴う賃金上乗せなどが影響したと思われる。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
OPECプラス有志8ヶ国、自主減産を当初予定から1年前倒しで解消
9月も大幅増産で日量220万バレルの自主減産は解消へ、ロシア産原油の供給懸念もくすぶる
主要産油国の枠組みであるOPECプラスの有志8ヶ国(サウジアラビア、ロシア、イラク、アラブ首長国連邦、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)は、3日に開催したオンライン会合で昨年から続けてきた日量220万バレルの自主減産を当初より1年前倒しで9月に解消することで合意した。背景には、原油市場の安定や在庫が低水準で推移していること、そして、OPECプラスの市場シェアの低下懸念がある。一方、トランプ米政権はロシアへの制裁強化を示唆しており、ロシア産原油の供給減が懸念される。OPECプラス全体としては協調減産を2026年末まで継続する方針だが、今後は自主減産の見直しが議論される可能性もある。当面の原油価格はOPECプラスの増産圧力とロシアの供給不安の綱引きのなかで、底堅い推移が続くと予想される。
大阪9月限
日経225先物 40320 -540 (-1.32%)
TOPIX先物 2920.5 -32.0 (-1.08%)
日経225先物(9月限)は前日比540円安の4万0320円で取引を終了。寄り付きは3万9870円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万円)を下回る形から、売りが先行して始まった。現物の寄り付き時に3万9740円まで売られる場面もみられたが、ナイトセッションでつけた安値(3万9730円)は割り込まず、下げ止まりをみせている。売り一巡後は自律反発狙いのロングが入る形で4万円を回復すると、4万円を挟んで保ち合い、前場終盤にかけて4万0100円水準まで下げ幅を縮めた。
後場に入りリバウンドの動きが強まり、25日移動平均線(4万0210円)を突破し、4万0300円を回復。その後は4万0150円~4万0220円辺りで25日線を挟んだ攻防が続き、終盤にかけて同線を明確に上抜き、引け間際には4万0330円まで下げ幅を縮めている。
7月の米雇用統計が市場予想を下回り、さらに5月、6月の非農業部門の雇用者数の増加幅を大幅に下方修正したことで、トランプ政権の通商政策が米労働市場や世界景気に与える影響への懸念が広がった。日経225先物はナイトセッションで4万円の大台を割り込んで終えたことで朝方はインデックスに絡んだ売りが膨らんだが、前場は4万円処の攻防となり、後場は25日線での推移から同線を上回って終えた。大幅に続落したものの、売り一巡後は底堅さがみられたことで冷静な動きだった。
また、先週末に一時ストップ安まで急落した東京エレクトロン<8035.T>[東証P]は一段安で始まったが、その後は下落幅を縮め、小幅ながらプラス圏を回復して終えた。同様に大きく売られたソシオネクスト<6526.T>[東証P]やHOYA<7741.T>[東証P]などがリバウンドをみせたことも、安心感につながろう。
日経225先物はボリンジャーバンドの-1σに接近した後の切り返しで、中心値である25日線を上回ってきた。同線が支持線として機能するようだと、いったんは調整一巡の見方に向かわせることで、+1σ(4万0890円)とのレンジに移行する可能性がありそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万0125円から4万0875円のレンジを想定。押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.80倍に低下した。75日線(13.79倍)を割り込み、一時13.77倍に低下した。ボリンジャーバンドが拡大傾向にあるなかで、下向きで推移する-3σ(13.78倍)に沿った形での低下をみせている。ただし、後場は75日線水準での推移が続くなかで同線を上回って終えている。トレンドは下向きながら、いったんNTショートを巻き戻す動きが入りやすいと考えられる。
手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5653枚、ソシエテジェネラル証券が1万6786枚、サスケハナ・ホンコンが3296枚、モルガンMUFG証券が3176枚、SBI証券が2865枚、バークレイズ証券が2720枚、JPモルガン証券が2698枚、ゴールドマン証券が1645枚、日産証券が1368枚だった。
TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万5647枚、ソシエテジェネラル証券が2万4111枚、バークレイズ証券が5984枚、JPモルガン証券が4750枚、モルガンMUFG証券が4574枚、ゴールドマン証券が4453枚、ドイツ証券が4097枚、ビーオブエー証券が1546枚、みずほ証券が1451枚、シティグループ証券が1033枚だった。
週明けのダウ先物、時間外の米長期金利が上昇したことも支えに、先週末に急落したドル円は買戻しが入っており、欧州勢参入後は148円台を回復した。ただ、米早期利下げ思惑の台頭で大きな反発は期待できないか。
先週、注目の日米金融政策イベントはドル高・円安で反応し、ドル円は約4カ月ぶりの150円大台復帰を果たした。最近方向感に欠けていたドル円が短期的に上方向へのトレンドが形成したと思いきや、週末は予想比下振れの米雇用統計を受けて急落した。日米ともに金融政策見通しに不確実性が大きく、ドル円は再び方向感を探る動きに戻している。
本日のNYタイムで予定されている経済指標は6月米製造業新規受注程度と手掛かりは限定的。トランプ米大統領の言動に引き続き注目。先週末の米雇用統計の結果を発表した後、トランプ氏は米労働省労働統計局(BLS)のエリカ・マッケンターファー局長を解任した。雇用統計ではこの3カ月に雇用者の伸びが大きく減速したことが示された。雇用統計の結果は利下げを強める材料ではあるが、トランプ氏にとってご自身の政策を否定する結果とも言えるので決してうれしいことではないのだ。トランプ氏は、8日付で辞任した米連邦準備制度理事会(FRB)のクーグラー理事の後任と、BLSの新局長今後数日以内に指名する方針を明らかにした。今回指名されるFRB理事が来年5月に任期満了となるパウエル議長の後任に就任する可能性もある。
・想定レンジ上限
ドル円、日足一目均衡表・転換線148.39円や5日移動平均線148.82円近辺が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値147.06円が下値めど。
今週のNY市場は関税問題と第2四半期決算発表に注目。先週はダウ平均が1313.34ドル安(-2.92%)と反落し、S&P500が2.36%安、ナスダック総合が2.17%安とともに3週ぶりに反落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で9月利下げ期待が後退したものの、マイクロソフトやメタ・プラットフォームズが好決算を発表したことで木曜日まで高安まちまちで推移したが、金曜日に発表された米7月雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回り、過去2カ月分の大幅に下方修正されたことに加え、7月ISM製造業購買担当者景気指数(PMI)も改善予想に反して悪化したことで関税による景気悪化懸念が強まった。トランプ米大統領が関税を回避するために積み替えられた製品には40%の関税を上乗せするとしたことで、関税問題も再び懸念材料となった。一方、金曜の経済指標の悪化で利下げ期待は再び強まった。CMEのフェドウォッチ・ツールの9月利下げ確率は木曜日の38%から金曜日に90%に上昇した。
今週は重要な経済イベントは少ないものの、中国などとの貿易交渉の行方に引き続き注目が集まるほか、高水準の発表が続く企業の第2四半期決算発表が焦点となりそうだ。中国との貿易交渉では、EVからデータセンターまで広範な産業で必要不可欠なレア・アースの輸出問題などがポイントで交渉の行方が注目される。第2四半期決算発表はハイテクのパランティア・テクノロジーズ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のほか、資本財のキャタピラー、消費関連のマクドナルド、ウォルト・ディズニーなどS&P500の約130銘柄が発表予定で、決算結果やガイダンスに注目が集まる。
今晩の米経済指標・イベントは、6月耐久財受注改定値、6月製造業新規受注など。企業決算は寄り前にタイソン・フーズ、引け後にサイモン・プロパティー、パランティア・テクノロジーズなどが発表予定。
日経平均株価は大幅続落。大きなマドを開けてのスタートとなり、下落幅を拡大する場面があった。一方、4万円割れでは買い戻しが優勢で、後場は下げ幅を縮小。25日移動平均線(40215円 8/4)上を維持して終えた。
RSI(9日)は前日の62.4%→55.8%(8/4)に低下。昨年7/11に形成したマド埋め(42102円)水準を意識して調整が入る格好となっているが、25日移動平均線や7月安値(39288円)などを維持しながら上昇基調を保てるかが焦点となる。一方、7月安値を割り込むと下落余地は拡大する公算が大きい。5月中旬~6月中旬にかけて形成したもみ合い上限の38500円前後までは想定する必要があろう。
上値メドは、10日移動平均線(40871円 同)、7/31高値(41151円)、7/24安値(41554円)、7/24高値(42065円)、昨年7/11安値(42102円)、昨年7/11高値(42426円)などがある。下値メドは、心理的節目の4万円、7/14安値(39288円)、心理的節目の39000円、6/18高値(38885円)、38500円前後、200日移動平均線(38272円 同)などがある。
(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.96円(4日15時時点比▲0.81円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=170.08円(▲0.90円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1573ドル(△0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:9128.30(前営業日比△59.72)
ドイツ株式指数(DAX):23757.69(△331.72)
10年物英国債利回り:4.509%(▲0.019%)
10年物独国債利回り:2.624%(▲0.055%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比 0.0% 0.2%
7月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)
48.8 49.6
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。欧州株相場や時間外のダウ先物が上昇すると、投資家のリスク志向改善を意識した円売り・ドル買いが先行。東京午前につけた147.91円を上抜けて一時148.09円まで上値を伸ばした。
ただ、日足一目均衡表転換線が位置する148.39円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。前週末に発表された7月米雇用統計の弱さを受けて米早期利下げ観測が高まる中、次第にドルが売られる展開となった。23時30分前には一時146.87円と日通し安値を更新した。
その後、一目均衡表基準線146.80円がサポートとして意識されると下げ渋ったものの、戻りは限定的だった。
・ユーロドルはもみ合い。対円などでドル買いが進んだ影響を受けてユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.1550ドルと日通し安値を付けたものの、米長期金利が低下に転じるとユーロ買い・ドル売りが出た。新規材料が乏しく、米金利の動向を睨みながらの動きが続いた。欧州時間の高値は1.1588ドルで値幅は0.0038ドル程度だった。
・ユーロ円は上値が重かった。日本時間夕刻に一時171.16円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。前週末の安値170.29円を下抜けて3時前には一時170.05円まで値を下げた。ドル円につれた動きとなった。
ユーロ円以外のクロス円も売りが目立った。ポンド円は一時195.19円、豪ドル円は94.97円、NZドル円は86.75円、カナダドル円は106.67円、スイスフラン円は181.89円まで値を下げた。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。前週末まで続落していた反動で、押し目買いなどが入った。米国株の反発も相場を下支えした。ロイズ・バンキング・グループやバークレイズなど金融株が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。前週末まで続落していた反動で、押し目買いなどが優勢となった。個別ではコメルツ銀行(5.03%高)やシムライズ(3.53%高)、ラインメタル(3.37%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米金利の先高観が後退する中、欧州債にも買いが入った。
4日の日経平均は大幅続落。終値は508円安の40290円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり473/値下がり1096。1Q決算が好感された任天堂が、場中に上げ幅を広げて5.1%高。半導体株は濃淡あったが、ソシオネクストが大きく上昇したほか、SCREENや東京エレクトロンが売りをこなしてプラスで終えた。三井不動産や三菱地所など不動産株は、米長期金利の低下が支援材料となって全般堅調。大規模な自己株取得を発表したコカコーラBJHや、上方修正を発表した大塚商会が急騰した。
一方、米長期金利の低下を嫌気して、三菱UFJやみずほなど銀行株が大幅安。ディスコやアドバンテストなど半導体株の一角が弱かった。トヨタ、SUBARU、三菱自動車など自動車株が円高進行を受けて全般軟調。ファーストリテイリングが3%近い下落となり、1銘柄で日経平均を約112円押し下げた。TDK、ヤマハ、カシオなどが決算を材料に大幅安。1Qが最終減益となった日東紡がストップ安まで売り込まれた。
日経平均は大幅安。ただ、開始直後に安値をつけた後は持ち直しており、場中にリスクオフムードが高まるような動きにはならなかった。売買代金上位銘柄には寄り付きからは水準を切り上げているものが多く、下値は冷静に拾われている。
8月1日の米国では長期金利が急低下する中でもナスダックの下げが大きくなったが、一般的には、長期金利の低下はグロース株の支援材料となる。本日の東京市場では、前週末に急落した東京エレクトロンがプラスで終えた。米雇用統計の反応がイレギュラーで、今後、それが修正されるのであれば、国内では本日嫌われた金融株や自動車株に見直し買いが入りやすくなる。米国株、為替、長期金利などに振り回されたとしても、どこかには資金が向かう要素がある。日経平均は終値(40290円)では4万円を大きく上回り、25日線(40215円、4日時点、以下同じ)も上回った。しっかり耐性は示しただけに、反転攻勢の展開に期待したい。
(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.09円(前営業日比▲0.31円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=170.20円(▲0.59円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1571ドル(▲0.0016ドル)
ダウ工業株30種平均:44173.64ドル(△585.06ドル)
ナスダック総合株価指数:21053.58(△403.45)
10年物米国債利回り:4.19%(▲0.03%)
WTI原油先物9月限:1バレル=66.29ドル(▲1.04ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=3426.4ドル(△26.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
6月米製造業新規受注
(前月比) ▲4.8% 8.3%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。欧州市場では一時148.09円まで値を上げたものの、日足一目均衡表転換線が位置する148.39円がレジスタンスとして意識されると失速した。前週末に発表された7月米雇用統計の弱さを受けて米早期利下げ観測が高まる中、次第にドル売りが優勢となり、23時30分前には一時146.87円と日通し安値を更新した。その後、一目均衡表基準線146.80円がサポートとして意識されると147.35円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率は1日の80.3%から93.9%に上昇した。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。新規材料に乏しい中、米金利動向を睨みながらの狭いレンジ内での値動きに終始した。NY時間の安値は1.1557ドル、高値は1.1588ドルで値幅は0.0031ドル程度だった。
・ユーロ円は続落。欧州市場序盤に一時171.16円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。前週末の安値170.29円を下抜けて4時前に一時169.91円まで値を下げた。ドル円につれた動きとなった。
ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時195.04円、豪ドル円は94.91円、NZドル円は86.67円、カナダドル円は106.59円、スイスフラン円は181.79円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日ぶりに反発。前週末まで5日続落していた反動で、押し目買いなどが入った。米労働市場の軟化で米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げを実施するとの見方が強まっていることも相場の支援材料。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。米労働市場の軟化でFRBが9月に利下げを実施するとの見方が強まる中、債券買いが優勢となった。
・原油先物相場は3日続落。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国は、9月の増産を決めた。6カ月連続の増産となる今回の決定で、これまでの自主減産分が解消されることになった。供給過剰への懸念で売りが先行した原油先物は、一時65ドル半ばまで下げ幅を広げる場面があった。
・金先物相場は続伸。時間外では利益確定売りに押されたが、NY勢の本格参入後は再び買いが優勢となった。米長期金利が低下し、金利が付かない資産・金の相対的な投資妙味を上昇させた。一時3440ドルに迫る場面があった。
スイス政府は4日、スイスからの輸入品に対して39%の関税を課すと発表した米政府に対し、「現時点で対抗措置は何も検討してない」との見解を示した。また、米国に対してより魅力的な貿易上の提案を行う用意があるという。
4日05:39 トランプ米大統領
「(クーグラーFRB理事辞任)パウエル議長との不一致だと理解」
「クーグラー氏の後任はおそらく数日以内に発表する」
「関税収入からアメリカ人に配当金または資金の分配がある可能性がある」
4日23:54
「インドが支払う関税を大幅に引き上げる」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 6月16-17日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
<海外>
○10:45 ◎ 7月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:50.4)
○15:45 ◇ 6月仏鉱工業生産(予想:前月比0.6%)
○16:50 ◎ 7月仏サービス部門PMI改定値(予想:49.7)
○16:55 ◎ 7月独サービス部門PMI改定値(予想:50.1)
○17:00 ◎ 7月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.2)
○17:30 ◎ 7月英サービス部門PMI改定値(予想:51.2)
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.8%/前年比0.6%)
○21:30 ◇ 6月カナダ貿易収支(予想:63.0億カナダドルの赤字)
○21:30 ◎ 6月米貿易収支(予想:613億ドルの赤字)
○22:45 ◎ 7月米サービス部門PMI改定値(予想:55.2)
○22:45 ◎ 7月米総?⑰MI改定値(予想:54.6)
○23:00 ☆ 7月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:51.5)
○6日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、欧州市場では148.09円まで値を上げたものの、前週末に発表された7月米雇用統計の弱さを受けて米早期利下げ観測が高まる中、次第にドル売りが優勢となり一時146.87円と日通し安値を更新した。ユーロドルは新規材料に乏しい中、米金利動向を睨みながらの狭いレンジ内(1.15ドル半ばから後半の間)での値動きに終始した。
本日の東京時間でのドル円は、国内外からはイベントが少ないものの、先週末の雇用統計のダブルショック(大幅な下方修正と局長解任)で、引き続きドルの上値が限られるか。
本日は中国から7月のCaixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表されるものの、市場への影響は限定的となるだろう。市場の注目は、先週発表された米雇用統計について米連邦準備理事会(FRB)関係者がどの程度、FRBの2大責務(物価の安定と雇用の最大化)のうちに雇用を重視する方向に傾くのかが注目される。しかし、アジア時間では発言が伝わる時間帯ではないことで相場の主導権が米国市場入り後になりやすそうだ。また、米政権による新たな人事(FRB理事と労働省労働統計局・Bureau of Labor Statistics=BLS局長)についての報道なども、市場を動意づける要因になるので警戒したい。
人事指名の1つ目は8日に辞任するクーグラーFRB理事の後任。昨日トランプ大統領は数日以内に候補を発表すると述べている。FRB理事は任期が14年もあることで、今後の米金融政策に大きな影響を与えることになる。すでに7名の理事のうち2名(ボウマンFRB副議長とウォラーFRB理事)はハト派だが、今回の後任もハト派理事が指名されることは確実で、これでFRB理事は3名がハト派になる見込み。来年5月にFRB議長の任期が満了するパウエルFRB議長が、議長退任とともに理事職も辞すれば過半数がハト派になる可能性が高まる。
2つ目は週末に解任されたマッケンターファーBLS局長の後任人事。ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は「大統領は自分の部下をそこに置きたい」と主張しているように、政策立案や経済のさまざまな側面の指標として利用されている統計が政治化される可能性がある。ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン氏は、今後は統計局の数値を信じることができなくなると批判しているように、今後はBLSが発表する経済指標は透明性と信頼性を失いそうだ。BLSは雇用統計だけでなく、消費者物価指数(CPI)も発表することで、雇用指数は良好でもCPIは低下する結果になり、FRBに一層の利下げ圧力をかけることになりそうだ。なお、個人消費支出(PCE)は商務省経済分析局(Bureau of Economic Analysis=BEA)が発表することで、CPIとPCEの結果にかい離が生じる可能性も出てきそうだ。
なお、ブルームバーグの5日付の記事(インタビューは1日)で、三菱UFJフィナンシャル・グループの亀澤社長が、日銀が9月か10月の金融政策決定会合で次の利上げを決める可能性が「十分にある」との見解を示したと報じている。海外投資家が、このような記事で円買いを仕掛けることもあり注意しておきたい。
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 40610 +290 (+0.71%)
TOPIX先物 2939.5 +19.0 (+0.65%)
シカゴ日経平均先物 40585 +265
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
4日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。NYダウは先週末まで5営業日続落で1300ドルあまり下げていたこともあり、主力株には値頃感から買いが入った。1日は7月の米雇用統計が市場予想を下回ったうえに、5月、6月分の大幅下方修正によって、トランプ政権の通商政策が米労働市場や世界景気に与える影響への懸念が広がったが、4日は雇用悪化を背景とした米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が買いに向かわせた。FRBの金融政策を予想する「フェドウオッチ」では、次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25%下げる確率が9割を超えた。
S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、メディア、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、ソフトウエア・サービスの上昇が目立った。一方で、エネルギー、小売の2セクターが下落した。NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、スリーエム<MMM>、ウォルト・ディズニー<DIS>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が買われた。半面、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、シェブロン<CVX>が軟調。
シカゴ日経平均先物清算値は大阪比265円高の4万0585円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の4万0360円で始まった。寄り付き直後に4万0450円まで買われた後は、4万0310円から4万0400円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後にレンジを上抜けると、終盤にかけてロング優勢の流れが続き4万0640円まで買われる場面もみられ、4万0610円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。前日の日経225先物は売り一巡後に下げ幅を縮め、25日移動平均線(4万0210円)を上回って終えた。ナイトセッションでも同線が支持線として機能する形であり、ボリンジャーバンドの+1σ(4万0900円)とのレンジが意識されやすいだろう。
4日の米国市場は大幅に反発し、エヌビディアなど半導体株の一角が買われたことで、大幅に調整している東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への見直し買いが強まるかが注目されそうだ。ハイテク株がリバウンドの動きを強めてくるようだと、先物市場でロングを誘うことになり、+1σに接近する場面もありそうだ。
一方で、9月のFOMCでの利下げ観測が強まったことで、為替市場では円相場が1ドル=146円台後半で推移している。足もとの急ピッチの円高によって日米金利差を狙ったポジションのリバランスが意識されやすい。また、日米ともに決算発表がピークを迎えている。米国ではパワー半導体を手掛けるオンセミコンダクター<ON>が、予想を下回る決算が嫌気されて15%超の急落となった。決算内容を見極めたいとするムードも強まりやすいだろう。
日経225先物は25日線と+1σを意識し、オプション権利行使価格の4万0375円から4万0875円のレンジを想定する。買い一巡後に利益確定に伴うロング解消が目立つ局面では25日線を支持線とした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。寄り付き後に強い基調が続いたとしても、+1σ接近では短期的には戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。
4日の米VIX指数は17.52(1日は20.38)に低下した。200日線(19.40)、75日線(19.14)を一気に割り込んでおり、先週末の上昇分をほぼ埋める形で下げている。今後は25日線(16.58)を明確に下回ってくるかを見極めたいところだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.80倍に低下した。75日線(13.79倍)を割り込み、一時13.77倍に低下した。ボリンジャーバンドが拡大傾向にあるなかで、下向きで推移する-3σ(13.78倍)に沿った形で低下をみせている。ただし、75日線水準での攻防のなかで、いったんNTショートを巻き戻す動きが入りやすいと考えられる。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は585ドル高の44173ドルで取引を終えた。前週末は弱い7月雇用統計を嫌気して大きく下げたが、週明けは一転して買い戻しが入る展開。1日の下げ分(542ドル安)を取り戻した。ドル円は足元146円90銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが265円高の40585円、ドル建てが305円高の40625円で取引を終えた。
米国株高を好感した買いが入ると予想する。ダウ平均が大きく上昇したことで、米国の景気減速懸念を理由にグローバルマーケットが混乱するリスクは大きく低下した。きのうの日経平均は500円を超える下落となったが、900円超下げたところからは値を戻しており、押し目では冷静に買いが入っていた。きのうで当面のボトムをつけたとの見方が強まり、高く始まった後もしっかりとした動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは40450-40800円。