日銀総裁 植田和男最終更新 2025/08/05 11:441.名無しさんHUnqVがんばれ2024/07/31 04:10:55233コメント欄へ移動すべて|最新の50件184.名無しさんW4Xas米政府も注目の日銀会合 「通貨安誘導」印象回避なるか2025/05/01 09:47 日経速報ニュース 日銀は1日まで金融政策決定会合を開く。米関税政策の先行き不透明感などから政策金利の据え置きが確実視されている。焦点は今後の政策スタンスだ。過去の円安傾向をたびたび問題視してきたトランプ米政権は日銀の政策運営が通貨安を加速させないかをいままで以上に注視してくるだろう――。外国為替市場ではそんな緊張感が漂っている。 欧米ヘッジファンドなどの投機筋は、ベッセント米財務長官が4月28日に放ったあるコメントを驚きをもって受け止めた。それは「(最近のユーロ高・ドル安を受けて)ユーロの押し下げを目的とした欧州中央銀行(ECB)の利下げがあり得る」というものだ。 主要7カ国(G7)は通常、金融政策と通貨政策を露骨に結びつけることはしない。ところがトランプ米大統領はG7内でも、金利を引き下げたり金利水準を低く抑えたりしている国の通貨が安くなる状況を「通貨安誘導」とみなして嫌う傾向が強い。欧米ファンドの間では「ECBを巡るベッセント氏の発言は、いまだに極めて金利水準の低い日本をけん制したようにもみえる」との声が出ている。 1日は赤沢亮正経済財政・再生相がベッセント氏やグリア米通商代表部(USTR)代表と2回目の関税協議に臨む見込みだ。日銀会合の結果や植田和男総裁の記者会見での発言内容が利上げ継続に慎重な「ハト派」の印象を与え、円安での反応を呼び込むとどうなるか。4月の日米財務相会談では回避できた円安批判が現実のものになりかねない。 足元では米政府が関税にかかわる過激な主張を封印しているため、投資家のリスク回避姿勢を背景にした米株安やドル安の圧力は弱まっている。ただ、米政策の不確実性がドルに偏りすぎていた資産配分の修正を促す構図自体はまだ続いているとみられる。 金融仲介業者(ブローカー)のオクタで金融市場アナリストを務めるカー・ヨン・アン氏は「貿易戦争には米国を含めて勝者はないと皆が気づいており、米国に大規模な投資をしている市場参加者は為替差損回避(ヘッジ)の戦略に傾いている」と分析。基軸通貨としてのドルの根源的な価値は保たれるとしながらも、「しばらくは米利下げ観測などにも後押しされてドル安が進む」と予想していた。 米ゴールドマン・サックスは「過去に過大評価されたドル相場の調整局面は続く」との見方を維持している。なかでも円買い・ドル売りは引き続き有効なヘッジ手段だとし、「円相場は今後1年の間の意外に早い段階で1ドル=135円程度まで上がるかもしれない」と想定する。日銀の「ハト派」化は円高の障害にはならないとも付け加えた。 トランプ氏は米連邦準備理事会(FRB)に早期の利下げを繰り返し求めており、最近の米経済指標も濃淡はあるものの金利引き下げの必要性を示唆している。仮に日銀が追加利上げに慎重な構えをとれば、米政権の不満の矛先は日銀にも向かいかねない。円高・ドル安シナリオの勢いは依然として保たれているようだ。2025/05/01 10:45:56185.名無しさんW4Xas日銀2%目標の実現時期が後ずれ、米関税の影響で-金融政策は維持https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-05-01/SVI90DT1UM0W00?srnd=cojp-v2基調物価は25-27年度の見通し期間後半には2%目標と整合的水準に政策金利0.5%程度、見通し実現なら利上げで緩和度合い調整を継続日本銀行は1日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めた。トランプ関税を受けて高まる世界経済の不確実性を踏まえ、2%の物価安定目標の実現時期を従来の想定よりも先送りした。 政策金利の無担保コール翌日物金利を0.5%程度に据え置くことを全員一致で決定。日銀の経済・物価見通しが実現していけば、利上げで金融緩和度合いを調整する方針は維持した。ブルームバーグが4月16-22日に実施したエコノミスト調査では、今回会合での追加利上げ予想はゼロだった。 新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、基調的な物価上昇率が物価安定目標とおおむね整合的な水準で推移する時期について、2025-27年度の「見通し期間後半」と記述。見通し期間が24-26年度だった前回の1月リポートで「見通し期間後半」とした目標実現時期は後ずれした。 トランプ関税が世界・日本経済を下押すことが確実視される中、日銀が経済・物価への影響と今後の金融政策運営についてどのような見解を示すかが焦点となっていた。物価目標の実現時期の後ずれによって、市場が想定する追加利上げの時期やペースも再考を迫られる。植田和男総裁の午後の記者会見に注目が集まっている。 会合結果の発表後、東京外国為替市場の円相場は一時ニューヨーク終値比0.3%安の143円48銭まで下落した。物価目標の実現時期を後ろ倒ししたことで、円を売る動きが強まっている。 今後の金融政策運営では、実質金利が極めて低い水準にあるとの従来の認識を踏襲。経済・物価の見通しが実現していけば、それに応じて政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整していく姿勢を堅持した。物価安定目標の持続的・安定的実現の観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく方針も維持した。2025/05/01 12:18:36186.名無しさんW4Xas日銀、見通し下方修正で「ハト派」・農中総研の南氏 利上げ残り1回のみ2025/05/01 13:17 日経速報ニュース 南武志・農林中金総合研究所理事研究員 日銀が1日公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2025年度と26年度の経済・物価の見通しを下方修正したのは、金融引き締めに消極的な「ハト派」の印象を受ける。トランプ米政権の関税政策の影響を慎重に見極めたいとの姿勢が強いのだろう。 今後も政策金利を引き上げる方針を示したものの、今回の利上げ局面ではできたとしても残り1回にとどまるだろう。追加利上げのタイミングは消費者物価指数(CPI)の上昇率が2%台を維持するとみられる今年9月から10月になると予想している。 生鮮食品を除くCPI上昇率は26年度が前年度比1.7%と前回1月時点(2.0%)から大きく下方修正し、新たに示した27年度は同1.9%となった。米景気減速を背景に原油価格が下落し、外国為替市場での円高・ドル安進行を見込んでいると考えられる。 トランプ米政権の関税政策で輸出企業の業績に影響が出れば定着しつつあった賃上げ機運に水を差し、基調的な物価上昇にも影響が及ぶ可能性がある。新たに27年度分の見通しを公表したにもかかわらず、物価目標の達成時期は「見通し期間後半」とこれまでの表現を維持しており、25年度後2025/05/01 14:40:35187.名無しさんW4Xas日銀の超スローペース利上げ、トランプ貿易交渉の「アキレス腱」にhttps://www.asahi.com/articles/AST510NYQT51ULFA031M.html?iref=comtop_7_05 トランプ関税に端を発した日米貿易交渉が進んでいる。交渉の水面下で、場合によっては日本銀行の金融政策が俎上(そじょう)にのぼるかもしれない。 日本銀行は1日、金融政策決定会合(年8回開催、メンバーは総裁以下9人)を開き、現行の金融政策を維持することを決めた。政策金利(翌日物金利)0.5%を維持する。日銀、追加利上げ見送り トランプ関税で経済・物価見通しも下方修正 この金利は実質的に、主要先進国で最も緩和的な水準だ。その緩和的すぎる金融政策が、今後の日米貿易交渉で、日本にとって「アキレス腱(けん)」になる可能性がある。2025/05/01 16:09:59188.名無しさんrlxK9つまりガンダムに例えたらどういう事?2025/05/01 23:15:40189.名無しさんnqkrz円相場146円接近、「ハト派」日銀が導く円安 リスク選好回復と共鳴2025/05/02 13:27 日経速報ニュース 外国為替市場で円安が進んでいる。2日の東京市場では一時1ドル=145円90銭台と4月10日以来、3週間ぶりの安値をつけた。日銀が追加利上げに慎重な「ハト派」のスタンスに転じたほか、米景気や関税政策に対する過度な懸念が後退し、投資家が運用リスクをとる姿勢を回復させたことで過去に積み上げられた投機的な円の買い持ち高があぶり出されている。 「日銀効果」はドル以外の通貨に対する円の下落によくあらわれている。対ユーロでは1ユーロ=164円57銭近辺と2024年12月末以来4カ月ぶりの円安・ユーロ高水準をつけた。円とユーロは4月のドル安局面でともに大きく買われ、調整時にも似たような動きをしていたが、日銀の金融政策決定会合を経て円が一気に取り残されたことになる。 市場参加者を驚かせたのは「日銀が金融政策に対し、極めて慎重な姿勢を示した」(岡三証券の武部力也シニアストラテジスト)点だ。日銀は1日まで開いた決定会合で政策金利を据え置いた。あわせて公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、25年度や26年度の実質国内総生産(GDP)や生鮮食品を除いた消費者物価指数(CPI)の上昇率を下方修正。経済・物価見通しのリスクバランスは「25年度と26年度は下振れリスクが大きい」と警戒感をみせる。 植田和男総裁は記者会見で、基調的な物価上昇率が2%の物価目標と整合的な水準に達する時期について「やや後ずれしている」との認識を示し、「不確実性の高さ」を強調した。日銀が早期利上げについて事実上の「ギブアップ宣言」をしたとの受け止めから、円に売りが膨らんだ。 そこに米中貿易摩擦の緩和期待が円安要因として加わった。2日午前、中国商務省が米国との通商協議の可能性を検討しているとの趣旨の談話を発表したと米ブルームバーグ通信など複数のメディアが伝えた。 円が前回1ドル=145円90銭台をつけた4月10日は米中間で関税を巡る応酬が激しくなっていたころだ。この日は米中摩擦への不安を背景に市場全体にリスク回避ムードが広がり、早朝の東京市場で147円台だった円はニューヨーク市場では144円ちょうど前後まで急伸した。当時とほぼ逆の動きを2日はしており、それをアシストしたのが日銀の政策スタンスだったわけだ。 4月の円には投機的な買い持ち高が膨らんでおり、巻き戻しの余地は大きいとみられる。4月に比べると米景気の減速懸念もいったんは和らいでいる。 米サプライマネジメント協会(ISM)が1日に発表した4月の製造業景況感指数は市場予想を上回った。2日発表の4月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が13万3000人増と前月(22万8000人増)を下回る市場予想が出ているが、市場では「悪い数字には備えが済んでいる」(国内銀行の為替担当者)との声がある。 日本では6日まで連休となる。国内輸出企業が休みの前にどの程度の規模で指し値の円買い注文を入れてくるかは相場動向を占ううえでの焦点の1つだ。ただ現時点では、円を押し上げるような円買いの意欲は今のところ高まっていないようだ。 3月の日銀の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業(輸出企業)の25年度の想定為替レートが1ドル=147円35銭だった。りそな銀行の中里信介クライアントマネージャーは「もし想定レート付近まで円安が進むようだと、いったんは円買いのフローが出るのではないか」と話す。 市場参加者の関心事は来週の米金融政策イベントに移っている。7日まで開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では据え置きがほぼ確実視されているが、市場からの信頼が厚いベッセント米財務長官は1日、米2年債利回りの水準が米政策金利の水準を下回っていることに触れたうえで「利下げを促すシグナルを送っている」と述べた。政治的な圧力は依然として強い。 だが米連邦準備理事会(FRB)が利下げを再開するにしても、データ分析にはある程度の時間がかかるだろう。先が見通せるまではじわりと円安が進むかもしれない。2025/05/02 14:55:16190.名無しさんLddun長期金利、1.390%に上昇 4月10日以来の高さ2025/05/12 09:09 日経速報ニュース2025/05/12 09:10:54191.名無しさんbLvHU長期金利なんだよ、愚か者―― 関税緩和が開くパンドラの箱(永井洋一)2025/05/13 06:29 日経速報ニュース 「経済なんだよ、愚か者」。1992年の米大統領選でビル・クリントン元大統領が掲げたスローガンだが、12日の米国の金融・株式市場が発するメッセージを代弁すれば次のようになるだろう。長期金利なんだよ、愚か者――。 関税を巡る米中のデタント(緊張緩和)をきっかけに12日の米株式相場は急反発した。トランプ米大統領が相互関税を発表した4月2日以降の約1カ月半の間に米S&P500種株価指数は12%下落し、その後、それ以上上昇するという乱高下を演じている。「関税強化=売り、関税引き下げ=買い」という単純な構図だ。 一方、米国債市場はやや複雑だ。金融仲介のタレットプレボンによれば、10年物国債の利回り(長期金利)は4月2日の4.13%から5月12日は4.47%に0.34%、30年物国債(超長期金利)は4.62%から4.9%に0.28%それぞれ急上昇(国債価格は急落)した。 最初は関税強化による物価高騰が金利上昇(国債売り)を招くというシナリオだったが、12日は景気悪化懸念が後退し、金利が上昇したという解説に変わった。変わらないのは「局面がどうであれ、金利は上昇する(国債は売られる)」ということだ。 トランプ発言でジェットコースターのように動く株式相場と違い、国債が発する一貫したメッセージは極めて重要だ。 かねてトランプ氏とベッセント米財務長官は長期金利を重視するといってきた。連邦政府の債務残高が法定上限を突破し、史上初のデフォルト(債務不履行)が迫るなど財政は火の車だからだ。トランプ減税の延長をひかえ、貴重な財源であるはずの関税を引き下げては、国債増発以外に手はなくなる。財政危機というパンドラの箱が開かれる。 12日の米株高と米長期金利の上昇は、景気見通しの改善を映した結果とばかりは言えない。財政危機を見越した投資家による国債から株式への資金シフトも少なくないはずだ。 ゴルディロックス(株高・国債高のぬるま湯経済)シナリオは遠のいた。残るのは政府から民間への所得移転によるインフレ加速(株高・金利上昇)か、米国売り(株安・ドル安・金利上昇)のどちらかだ。 これから市場参加者は末永く、長期および超長期国債の増発懸念と付き合わなければならなくなる。そうした懸念の大きさは30年物国債の利回りが過去最高に迫る日本も同じか、あるいは米国以上だろう。 /home/member/news/202505/ucljpg_bec9bff8dbc7aa8d9e8f9641f8623fb6.jpg?format=raw2025/05/13 06:42:18192.名無しさんAhCOj「米国次第で追加利上げも」 日銀4~5月会合意見 路線維持を強調2025/05/14 日本経済新聞 朝刊 日銀が13日公表した4月30日~5月1日の金融政策決定会合の主な意見で「実質金利は大幅なマイナスで、利上げしていく方針は不変」との指摘を紹介した。「米国の政策転換次第で追加的な利上げを行う」との見解も盛り込み、利上げ路線の維持をアピールしているように映る。 日銀はこの会合で「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)をまとめた。2026年度までの経済成長率は米関税政策の影響で鈍化し、消費者物価も伸び悩む一方、2027年度に向けて経済・物価ともに回復するシナリオを示した。 ある政策委員は「過度な悲観に陥ることなく、自由度を高めた柔軟かつ機動的な金融政策運営が求められる」と指摘。「米国の政策転換次第で追加的な利上げを行う」という選択肢も示した。 「物価安定目標の実現に向けて最も重要なのは企業の賃金・価格設定行動と、企業や家計の予想インフレ率がどうなるか。以前の賃金・物価が上がりにくい状況に戻っていくリスクは小さい」と論じた委員もいた。 13日の参院財政金融委員会で答弁した内田真一副総裁も「実質金利が極めて低い」と語った。経済・物価が見通しに沿って推移すれば、「経済・物価情勢の改善に応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と説明した。 BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「展望リポートは(利上げに消極的な)ハト派なトーンだったが、主な意見は全体としてニュートラルな印象だ」と受け止めた。2025/05/14 07:10:30193.名無しさんAhCOj日銀利上げ予想「1%」が射程内 米中緩和で織り込み回復2025/05/14 13:01 日経速報ニュース 金融市場で日銀の追加利上げ予想が勢いを取り戻している。米中両政府が関税引き下げで合意し、世界経済の先行き不透明感が和らいでいるためだ。固定金利と変動金利を一定の期間交換する金利スワップ市場は、政策金利の最終到達点(ターミナルレート)が1%に達するとの見方を織り込みつつある。 /home/member/news/202505/ucljpg_7c4ac281c8f4da4bf9aa148724050621.jpg?format=raw 米中両国の対立が激しくなればなるほど、企業が設備投資を見送ったり消費が低迷したりすると身構えられていた。ただ両政府が12日に相互に課した関税を115%ずつ引き下げると合意したと発表。貿易摩擦が落ち着くとして、金融資本市場では景気の先行きを巡る過度な悲観が後退している。 日銀の利上げ期待にも変化が出ている。翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む2年後から1年間の政策金利予想を映すものとして「2年先・1年」のフォワード金利がある。ターミナルレートの織り込み度合いを確認するのにウオッチしている市場参加者が多い。 日銀が経済・物価の見通し実現の確度が高まれば利上げする姿勢を示すなか、「2年先・1年」金利は3月後半に一時1.2%台に達していた。だがトランプ米大統領が4月2日に相互関税を打ち出し、利上げ期待が一気に?がれて4月14日には0.6%台後半まで低下した。その後も低迷していたものの、12日の米中合意を手掛かりに織り込みが回復。13日時点では前日比0.08%高い約0.93%となった。相互関税で?落した分の半分を取り戻し、節目の「1%」が再び射程に入った。 もっとも、市場の利上げ期待が関税前に戻るには時間がかかるとの声がある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは「『2年先・1年』金利がここから上昇するには、まず0.75%への利上げが現実味を帯びる必要がある」とみる。「日銀は相互関税の影響を受ける国内の製造業を中心に、賃上げのモメンタム(勢い)が鈍らないかどうかを注視したいはず」(鶴田氏)として、次の利上げすら慎重に判断せざるを得ないとの読み筋だ。 野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利ストラテジストは「米中合意は日銀に前向きな判断を促すものだ」と指摘する。日銀が6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で企業の価格転嫁のスタンスや設備投資計画に変化がないことを確認できれば、7月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で物価の下振れリスクが和らいだと評価したうえで「展望リポートを公表する10月の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るのが最短のシナリオだ」(岩下氏)という。利上げ期待がさらに高まるには追加の手掛かりが必要といえそうだ。2025/05/14 14:35:13194.名無しさんAhCOj期待インフレ率、2カ月ぶり高水準 日銀利上げの「心の支え」2025/05/14 16:18 日経速報ニュース 市場の期待インフレ率を示す指標、ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が再び上昇している。足元で1.5%台後半と、約2カ月ぶり高水準にある。日銀の追加利上げ観測を強める材料となるか、市場の注目が集まる。 BEIは一般の国債利回りから物価連動債の利回りを差し引いて求め、売買する投資家の物価予想を反映する。3月には過去10年間で最高の水準に達していたが、米関税政策の不透明感が高まった4月中旬に急落していた。 上昇のきっかけになったのも、やはり米関税政策の修正だ。米中の関税協議に進展がみられ、貿易摩擦の激化は避けられるとの見方が広がる。景気後退への警戒が薄れ、物価に影響しやすい原油相場が反発。対ドルの円相場も約1カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけ、物価上昇観測が強まった。 各国の中央銀行は金融政策を決める際にBEIを参考としている。東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは「マーケットの物価上昇期待を日々の動きとして見て取れる指標はBEIに限られる。次の利上げのタイミングを計る上で日銀にとっても、BEIの上昇は『心の支え』になる」と話した。2025/05/14 16:23:11195.名無しさんqNcxm日銀の内田副総裁、金融政策「現在の緩和的環境の維持で経済をサポート」 参院予算委2025/05/19 10:57 日経速報ニュース 日銀の内田真一副総裁は19日、参院予算委員会に出席した。海外経済の不確実性が増していることなどを念頭に、今後の金融政策の運営について「現在の緩和的な環境の維持で経済をサポートしていく」と述べた。足元の物価動向については「コメを含めた食料品価格の上昇などコストプッシュ要因がある」との認識を示した。そのうえで基調的な物価上昇率が目標とする2%に高まり、経済や物価が順調に改善していけば「政策金利を引き上げていく」方針を語った。 公明党の秋野公造氏の質問に答えた。2025/05/19 11:47:08196.名無しさんc5Uqu長期金利、一段と上昇 1.530%2025/05/21 13:03 日経速報ニュース2025/05/21 13:49:16197.名無しさんyVpd4日銀審議委員に増氏起用で参院が同意、元三菱商事常務-中村氏の後任伊藤純夫、照喜納明美2025年5月21日 10:09 JST米関税受け産業界出身者の知見に期待、金融政策議論の変化にも注目三菱商事では財務・経理部門で経営手腕、現日本公認会計士協会理事参院は21日の本会議で、日本銀行審議委員に元三菱商事代表取締役常務の増一行氏を充てる国会同意人事案を賛成多数で可決した。近く開かれる衆院本会議でも同意を得られる見通し。内閣の任命を経て7月1日に就任する予定だ。 日立製作所出身の中村豊明審議委員の後任で、任期は5年間。1982年に東大法学部を卒業し、三菱商事に入社。執行役員・主計部長などを経て、2016年に代表取締役・常務執行役員に就任し、最高財務責任者を務めた。現在は日本公認会計士協会理事で、東京芸術大学監事の肩書も持つ。総合商社出身は同社副社長だった亀崎英敏元審議委員(07年から12年)以来となる。 増氏は三菱商事で財務・経理部門を中心に担当。ブルームバーグが入手した政府の国会提出資料によると、企業会計基準委員会委員や国際財務報告基準財団(IFRS)の評議員を務めるなど、国内外の財務情報の開示基準の策定にも大きく貢献したという。政府は4月10日に増氏起用の人事案を衆参両院に提示した。 日銀は植田和男総裁の下で金融政策の正常化を進めている。ただ、トランプ米政権の関税政策に伴う先行き不確実性の高まりを踏まえ、利上げ路線は様子見状態にある。2%の物価安定目標の実現に向けて、米関税を受けた企業行動に注目が集まる中、総合商社出身の増氏の知見に期待がかかる。 審議委員は、日銀の最高意思決定機関である正副総裁を含めて9人で構成する政策委員会のメンバーで、金融政策運営を決める投票権を持つ。中村委員は、昨年3月のマイナス金利解除など大規模緩和からの転換や、その後の2回の利上げに対して反対票を投じてきた。増氏に代わることで政策委員会内の議論の変化も注目される。2025/05/22 06:13:43198.名無しさんoi7mzコラム:日銀追加利上げ、10-12月期はハードルが高い理由=上野泰也氏上野泰也 みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト2025年5月21日午後 5:07 GMT+91日前更新[東京 21日] - 日銀の追加利上げは「サスペンド」状態にある。25年春闘の賃上げ率など国内要因は追い風だが、「トランプ関税」にまつわるリスクの見極めが必要で、様子見となっている。金融市場関係者はしばしば、カレンダー要因に着目して思考を展開する。1年のうちで何月に株価の上昇率・下落率が最も高いか、為替が最も円高に動きやすいのは何月か、といった具合である。そうした思考パターンを日銀の利上げにあてはめると、どうなるか。2000年以降に実施された日銀の利上げは、以下の6回である。2025/05/23 03:38:50199.名無しさんZ9lgc海外からみた日本国債「金利上昇で魅力増す」モルガン・スタンレーのホーンバック氏2025/05/27 07:31 日経速報ニュース 日米の債券市場では今月、長期や超長期債利回りの上昇(価格の下落)圧力が強まった。ともに背景にあるのは財政問題への不安で、それを助長しているのが相場の変動率(ボラティリティー)の高まりだ。超長期債は4月にかけて海外勢の買い越しが目立っており、その反動への警戒感もある。 海外では日本の国債(JGB)相場の先行きをどう見ているのだろうか。米モルガン・スタンレーでマクロ戦略部門のグローバル・ヘッドを務めるマシュー・ホーンバック氏=写真=は「海外投資家は利回りが上昇基調のJGBに運用機会を見いだしている」と話す。日銀が2026年度まで利上げに動かないとの見方や、米連邦準備理事会(FRB)が26年までに大幅な利下げに動くと予想されることから日本の国債利回りも上がりにくいと想定しているという。 /home/member/news/202505/ucljpg_79ac1cddf5785f2e9cddf6394636ee58.jpg?format=raw ――日本の長期金利は前週に一時1.570%と3月以来の高水準をつけました。超長期の30年や40年債利回りは過去最高の水準になるなど、需給の緩みが強く意識されています。 「ドルを保有し、運用する海外投資家はデリバティブ(金融派生商品)市場で円を安く調達できる。低コストで調達した円で、利回りが上昇したJGBを買うメリットは大きい。現在主に超長期ゾーンで起きている需給の構造的な緩みは依然として続くものの(円を安く借りられる信用力をもつ)中長期目線の海外投資家はJGB投資に価値を見いだしている」 「米関税政策の影響で日銀が当面利上げできないとの見方や、(米利下げなどによる)米国などの債券利回りの低下を日本の長期金利が織り込むようになれば、債券価格の上昇に伴う利益(キャピタルゲイン)も期待できる。26年の6月までに日本の10年物国債利回りは0.9%まで低下する余地があるとみている」 ――金利低下のプロセスをもう少し詳しく教えてください。 「日米で中央銀行の金融政策の方針が大きく変わることが背景だ。米関税政策は米国を含む世界の経済成長を鈍化させる。FRBは26年中に7回利下げをすると予想する。米関税による米国内のインフレは沈静化する一方、世界の景気減速の影響が強まる。世界の債券市場で金利の低下がみられるはずで、その流れが日本の長期金利にも及ぶと想定している」 「FRBの大幅な利下げにより、外国為替市場では円相場が1ドル=140円を上回り、(26年の)年央までに130円ちょうどをつけることもあり得る。円高・ドル安進行で輸入物価の上昇が緩やかになれば、日銀が政策金利を急いで引き上げる必要はなくなる。おそらく、26年度も利上げはないのではないか。政策金利が現行の0.5%に長くとどまるとの見方が広まるにつれ、長期金利は0.9%程度まで低下するだろう」 ――7月の参院選に向けて減税の議論が増え、超長期債に悪影響を及ぼしています。日本の経済政策についてはどう受け止めていますか。 「消費税減税は今後、幅広い年限で利回りの上昇圧力になる。国債の増発による需給の悪化やいわゆる『リスクプレミアム』の上乗せ幅の拡大によって超長期金利は押し上げられる。長期金利にも波及しそうだ」 【略歴】Matthew Hornbach(マシュー・ホーンバック)氏 2000年に米モルガン・スタンレーに入社。同年から東京で国債のトレーダーを務め、現在はマクロ戦略部門のグローバル・ヘッドを務める。2025/05/27 08:24:38200.名無しさんlOlCv日鉄の買収劇、円安効果「3?4円」 関税交渉の追加ドル買い思惑も2025/05/27 19:02 日経速報ニュース 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を巡り、外国為替市場では買収による円売り・ドル買いの思惑が浮上している。これまでに明らかになった買収費用と追加の対米投資額は合計280億ドル(4兆円)規模。日鉄が巨額の費用を市場で調達するとなれば、為替介入に匹敵する規模になるとの見方が浮上している。 「円ドル相場への影響はどれくらいか」。トランプ米大統領が23日に自身のSNSで日鉄による買収承認を示唆してから、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストのもとには顧客からのこんな問い合わせが相次ぐ。 植野氏の試算によれば、今回の日鉄の買収計画は3?4円程度のドル高要因になりうるという。2012年10月、ソフトバンクが米携帯大手スプリント・ネクステルを買収する方向で協議中と伝わり、円が大きく下落したこともある。 現在進行中の日米通商協議による円安論も根強い。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「関税の引き下げに向け日本が対米投資を増やしたり米国の農産品を買ったりすれば、ドル買い需要につながる」とし、実需の円安圧力を示唆していた。2025/05/28 04:13:32201.名無しさんlOlCv植田日銀総裁、超長期金利上昇が中期の金利の及ぶ可能性に留意伊藤純夫2025年5月28日 9:24 JST日本銀行の植田和男総裁は28日、超長期金利の上昇について、中期の金利の及ぶ可能性に留意していきたいとの見解を示した。衆院財務金融委員会で答弁した。 植田総裁は、超長期金利の上昇を注意してみていきたいとした上で、経済への影響は超長期金利より中期・短期の変動の影響が大きいと述べた。2025/05/28 09:30:20202.名無しさんlOlCv債券11時 長期金利、1.495%に上昇 40年入札控えた売りで2025/05/28 11:28 日経速報ニュース 28日午前の国内債券市場で、長期金利が上昇(債券価格が下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.020%高い1.495%で推移している。財務省が国債発行計画を見直せば超長期債の需給不安が解消に向かうとして前日に金利が大きく下がっており、長期債は利益確定の売りに押された。40年物国債入札の結果を見極めたいとして持ち高調整の売りも出た。 財務省は6月20日に開く国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー、PD)会合を踏まえ、超長期債の発行額を減らすとの観測が浮上している。発行計画の見直しで金利上昇に歯止めがかかるとして前日には超長期債を中心に利回りが急低下しており、28日は持ち高調整の動きが広がりやすかった。 財務省は28日、40年物国債の入札を実施する。これまでよりも年限が1年延び、新発18回債として発行する。昨年末に決めた2025年度の国債発行計画に基づき、発行予定額は今回から5000億円程度とし、前回3月までよりも2000億円減らす。発行計画の見直し観測で金利上昇が一服していることで、市場では投資家からの一定の需要が確認できる「無難」な結果になるとの予想がある。 もっとも、生命保険会社による規制対応の買いが一巡したことで超長期債は買い手不足が深刻となっている。7月の参院選に向けて拡張的な財政政策が打ち出されれば国債増発につながるとの懸念も根強く残っており、入札では警戒感もくすぶる。流通市場では、きょうまで新発となる40年17回債の利回りが前日比0.025%高い3.320%で推移している。 幅広い年限で新発債には売りが優勢だ。中期債では新発2年物国債の利回りが前日比0.015%高い0.745%と4月3日以来およそ2カ月ぶりの高水準をつけた。超長期債では新発20年債利回りが同0.045%高い2.385%で推移している。 債券先物相場は反落し、中心限月の6月物は前日比42銭安の139円03銭で午前の取引を終えた。 短期金融市場では、無担保コール翌日物金利(TONA)が横ばい圏で推移している。0.469?0.477%で取引され、加重平均金利は前日の日銀公表値(0.476%)とほぼ同じ水準となっているもようだ。2025/05/28 11:42:16203.名無しさんjUJVe中尾武彦・元財務官 長期金利じわり上昇、日銀の金融政策を先読み-Podcast2025/06/02 05:00 日経速報ニュース 元財務官・元アジア開発銀行(ADB)総裁の中尾武彦氏はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「NIKKEI切り抜きニュース」に出演した。日米欧で金利上昇が進む背景を分析し、日銀による金融政策の課題や展望を解説した。日本の成長力を高める産業政策についても持論を述べた。なかお・たけひこ=元財務官、国際経済戦略センター理事長。財務省国際局長、財務官、アジア開発銀行総裁などを歴任。中尾氏のインタビューをポッドキャストでお聞きいただけます。 インタビューでは日米関税交渉、日本の財政、プラザ合意の教訓、愛読書などについても聞きました。次の番組サイトでインタビューの全容を配信しています。2025/06/02 06:04:33204.名無しさんZx8C4円相場、植田総裁講演で142円超えも・SBILMの鈴木氏2025/06/03 09:38 日経速報ニュース 鈴木亮・SBIリクイディティ・マーケット(SBILM)専務 3日の外国為替市場で円相場は1ドル=142?143円で推移しそうだ。142円台前半の水準をしばらく超えられずにおり、ここに円売り・ドル買い注文が多く集まっているはずだ。節目の142円を上回ると損失覚悟の円買い・ドル売りが入る可能性がある。円高・ドル安が加速するかどうかは、きょう夕方に控える日銀の植田和男総裁の講演が重要になるとみている。 日銀は5月に開いた金融政策決定会合の結果と同時に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、成長率や物価の見通しを下方修正していたが、その後に米中が関税引き下げで合意するなど関税を巡る環境は少なからず改善している。足元では米中の貿易摩擦への懸念が再燃しているものの、米中がいったん合意したこと自体は市場にとって安心材料になっている。植田総裁は、前週に日銀本店で開いた国際コンファランスで利上げ継続方針を示しており、その発言内容と同様、きょうの講演でも利上げ継続姿勢を示せば円相場の支えとなりそうだ。 ユーロは対ドルで約1カ月ぶりの高値を更新した。ドルの売り圧力が強いことの表れだとみている。欧州中央銀行(ECB)は今週の理事会で7会合連続の利下げを決めることが確実視されている。市場は利下げをすでに織り込んでおり、ユーロ相場への影響はそこまで大きいものにはならないだろう。2025/06/03 09:41:45205.名無しさんZx8C4日銀総裁「(日銀の)財務への配慮のために必要な政策遂行が妨げられることはない」2025/06/03 11:57 日経速報ニュース 日銀の植田和男総裁は3日、参院財政金融委員会に出席した。「(日銀の)財務への配慮のために必要な政策の遂行が妨げられたり、変わった政策をしたりすることはない」と述べ、金融政策は「あくまで物価安定のために行っている」と強調した。 日本維新の会の藤巻健史氏の質問に答えた。価格変動リスクが相対的に高い上場投資信託(ETF)を日銀が保有しているのは、中央銀行としての信用を損なわないかとの問いに対しては、植田総裁は「第一義的には物価安定目標を達成することを通じて信用を確保していく」と述べた。ETFの保有は「物価安定目標の実現を果たすために必要な政策を行った結果」であると説明した。2025/06/03 12:17:35206.名無しさんcdPOs日銀、正常化の姿勢崩さず 6月会合で市場点検 植田氏、国債買い入れ減「適切との声」2025/06/04 日本経済新聞 朝刊 日銀の植田和男総裁は3日の講演で、金融正常化を進める考えを改めて示した。国債の買い入れについて「市場参加者からは2026年4月以降も買い入れ額を減らしていくことが適切との声が多く聞かれた」と述べた。日銀は6月の金融政策決定会合で市場の状況を点検したうえで買い入れ方針を示す。 都内で開かれた内外情勢調査会で講演した。利上げについても「(一時的な要因を除いた)基調的な物価上昇率が2%に向けて高まっていく姿が実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げる」と表明した。 米国の関税政策に伴う不確実性の高まりによって日本経済は「下押し圧力を受けつつも持ちこたえ、賃金と物価が緩やかに上昇していくというメカニズムも途切れることはないと見込んでいる」と強調した。 日銀は16~17日に開く金融政策決定会合で国債の買い入れ額を減らす計画について議論する。24年7月に26年3月までの買い入れ減額計画を定めた際、26年4月以降の買い入れ方針を25年6月の会合で検討し、結果を示すと決めた。 自由な金利の形成を市場に委ねる狙いがある。26年3月にかけて月間の買い入れ額を4半期ごとに4000億円程度ずつ減らしている。5.7兆円だった減額開始前の購入額は25年6月に4.1兆円、26年1~3月に3兆円にまで圧縮する。購入は続けているものの償還額の方が大きく、保有国債は徐々に減る。 日銀は5月20~21日に市場参加者から意見を聞いた。植田総裁は講演で「これまでのところ買い入れの減額は、市場の機能度回復という所期の効果を発揮している。26年3月までの現在の減額計画の修正を求める声は限られているようだ」と指摘した。 日銀が保有する長期国債の残高は異次元緩和を解除した24年3月末時点でおよそ580兆円で、市場全体に占める国債の保有割合(国庫短期証券を除く時価ベース)は53%にのぼった。長期金利の過度な低下や国債の売買が円滑にできないといった弊害が生じている。 植田総裁は日銀の国債保有残高がなお多額との認識を持つ。「市場の機能度を一段と高める努力を続けていくことが重要との認識も、多くの市場参加者に共有されていたように思う」と発言し、日銀による国債市場への影響力を今後も下げていくべきだとの考えを示唆した。 26年4月以降の買い入れ方針について、一定期間の計画を示す考えも示した。「春先以降の価格変動の経験も踏まえ、引き続き、柔軟性を確保する仕組みが必要との意見が多かったように思う」と言及し、金利急騰時に機動的に国債を買い入れる今の仕組みを維持する可能性も示した。 6月会合の焦点は26年4月以降の減額ペースだ。植田総裁は講演で「具体的な減額ペースについてはさまざまな意見があった」と説明した。市場参加者からは「月の買い入れ額を1兆~2兆円程度まで減らすべきだ」との意見もある。現行の減額ペースを続けるべきだとの意見も複数あった。 日銀はこれまでの減額の経験を踏まえつつ、市場参加者の意見も参考にしながら次回の決定会合で判断していく構えだ。 講演後には償還までの期間が10年を超える超長期債を中心に金利が急騰していることについて問われ、植田総裁は「市場動向については引き続きよく注意してみていく」との言及にとどめた。 超長期の国債市場では買い手が集まりにくくなっている。日銀はこれまで静観を続けているが、市場参加者からは日銀による超長期国債の買い入れ増額などを望む声も出ている。日銀が計画に柔軟さをどこまで持たせるかという論点は残る。2025/06/04 06:07:57207.名無しさんszmPh日銀、保有株売却完了が秒読みに ETFの扱いは別途検討-編集委員 清水功哉2025/06/06 05:00 日経速報ニュース 日銀にとって、歴史的な政策の出口作業完了が秒読み段階に入ってきた。かつて金融システム安定策の一環として銀行から買い取った株式の処分が、早ければ今月、遅くとも来月には終わりそうなのだ。その後の焦点は別途購入した上場投資信託(ETF)の扱いに移るが、日銀は保有株式の売却とは直接リンクさせずに検討するとしている。 ■早ければ今月、遅くとも来月に完了の可能性 5月末で約136億円――。日銀がこのほど公表した株式の保有残高(簿価)である。ここ数年は簿価ベースで月間100億円程度処分するケースが多く、150億円を超えた月もあった。株価の混乱がなければ似たようなペースが維持できそうで、遅くとも7月までに残高がゼロなりうるとの見方の根拠になっている。 日銀が銀行から株式を買う異例の政策に踏み切ったのは2002年だった。日本の銀行が不良債権処理に苦しんでいた時期で、銀行経営を株価下落の悪影響から遮断するのが目的だった。いったん04年に終えたあと、09?10年にも買い取った。 中央銀行が民間企業の株式を買う――。日銀の歴史上、異例の行動に世間は驚いた。日銀が損失を被り、円の信認を傷付けるリスクも心配されたが、結果として起きたことは逆だった。株価回復に伴いかなりの利益を生んだのだ。現行の出口政策が始まる直前の16年3月末時点で、保有株式の簿価約1兆3000億円に対して、時価は約2兆6000億円。含み益は1兆円を軽く超えていた。 ■「企業の自社株買いも追い風に」 16年4月開始の売却は、当初は26年3月までの10年計画だった。前倒しで終わりそうになっているのは、「企業の自社株買いも追い風になったため」(日銀筋)という。 株の売却が市場混乱の要因にならなかった背景には、日銀が別途巨額のETF購入(10年開始)を実施していた点があるとされたが、そのETF購入も24年春に終了を決定。日銀はネット(正味)で株の売り手になっているが、株式市場の大きな混乱の原因になったという話はあまり聞かない。 こうした状況を受け、株式と同程度(売却開始当初の時価を前提にすると、年約2800億円のペース)の売却をETFでも始める可能性が取り沙汰されてきた。株式売却からETFの出口政策へとリレーする構想だ。 日銀の保有ETF(25年5月末)は簿価約37兆円、時価約74兆円(ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏の推計)と規模が大きい。時価で年約2800億円ずつの売却だと、期間は200年を大きく超えてしまう計算だが、ETFを手放す姿勢自体に意味があるともいえた。 ただ、日銀の植田和男総裁は最近、ETF処分は「時間をかけて検討する状態」と語った。「株式の売却とETFの処分は別のもの」(日銀筋)という。 ■参院選後の政治情勢にも配慮必要 政界にETFをめぐって単なる市場での売却ではないアイデアがある点も、日銀は考慮しているようだ。これまで一部野党から、ETFを政府に移管し分配金収入などを政策に活用する案も出てきた。7月の参院選の結果次第で連立政権の枠組み変更(一部野党の与党化)の可能性もあり、日銀はすぐに売却を始めにくい面もありそうだ。 もっとも、処分開始に時間がかかるなら巨額ETF保有がもたらす企業統治(コーポレートガバナンス)面の副作用への対応が必要になるとの声も日銀OBの間にある。日銀が持つETFは東証プライム市場の時価総額の約7%に相当する。 ETF売却はいずれ始まるのか、そう簡単には始まらないのか。前者ならそれはいつか、後者なら企業統治面の副作用にどう対応するのか。保有株式の売却完了とともに、ETFの扱いへの関心が一段と強まるだろう。【関連記事】・変動金利住宅ローン、7月の「マイナス金利消滅」に要注意・日銀襲う「ナイトの不確実性」 利上げ継続も時期は視界不良2025/06/06 20:33:17208.名無しさんUlM5310年債利回り、1.455%に上昇 コール翌日物0.477%(9日)2025/06/09 18:09 日経速報ニュース 9日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは上昇(価格は下落)した。前週末比0.005%高い1.455%で取引を終えた。5月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回り、前週末に米長期金利が上昇。国内債には売りが優勢となったものの、超長期債の需給不安が和らぐとの期待感が高く長期金利の上昇幅は限られた。 短期金融市場の無担保コール翌日物金利(加重平均、速報)は横ばいだった。前週末と同水準の0.477%だった。2025/06/09 18:49:15209.名無しさんBtqmi債券11時 長期金利、1.465%に上昇 与党の現金給付案で売り2025/06/10 11:42 日経速報ニュース 931文字印刷 10日午前の国内債券市場で、長期金利は上昇(債券価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.010%高い1.465%をつけた。自民、公明両党が物価高対策として現金給付を参院選公約に盛り込むとの報道を受け、長期債に売りが優勢となった。一方、財務省が超長期の既発債を買い入れ消却するとの観測は超長期債相場の支えとなっている。 時事通信は10日午前、「自民、公明両党は、物価高対策で現金などの給付を参院選の公約に盛り込む方針で一致した」と伝えた。現金給付について、税収の上振れ分を活用し、赤字国債を発行しない範囲であれば実施は可能だという指摘はある。だが、将来の財政悪化につながるとの懸念から長期債には売りが優勢となった。 ロイター通信は9日夕、2025年度国債発行計画の見直しに関し、超長期国債の新規発行分の減額に加えて「過去に発行した低利率の超長期国債を買入消却する案が浮上している」と報じた。買い入れ消却が実施されれば、超長期債の需給の緩みが解消されるとの見方は超長期債相場の支えとなっている。 加藤勝信財務相は10日午前の閣議後記者会見で、国債需給の悪化に関し「まずは国債保有者の大半を占める国内での保有をこれまで以上に促進していく」との考えを示した。海外投資家なども念頭に「全体的に言えば日銀の国債買い入れ減額が進む中で、幅広く国債を保有して頂く方を広げていくことが基本だ」とも説明した。市場の反応は限られている。 超長期債の利回りは低下した。新発30年債利回りは前日比0.010%低い2.880%、20年債は0.015%低い2.345%をつけた。新発5年債は0.015%高い1.035%、新発2年債は横ばいの0.775%で推移している。 債券先物相場は続落し、中心限月の6月物は前日比4銭安の139円13銭で午前の取引を終えた。朝方は13銭高の139円30銭まで上昇したが、次第に売りに押された。 短期金融市場では、無担保コール翌日物金利(TONA)が横ばい圏で推移している。0.47%台後半で推移し、加重平均金利は前日の日銀公表値(0.477%)とほぼ同水準となっているもようだ。2025/06/10 12:48:27210.名無しさんmVqv4日銀、2026年春から国債買い入れ減額幅圧縮へ 四半期ごと2000億円案2025/06/14 17:00 日経速報ニュース 日銀は2026年4月から国債買い入れの減額ペースを緩める検討に入った。四半期ごとに買い入れ額を4000億円ずつ減らしてきたが、同2000億円程度と減額幅を半分に縮める案が浮上している。保有国債を減らして市場での自由な金利形成を促す一方、金利急騰などの混乱が起きないよう配慮する。 関係者間で調整に入った。16?17日に開く金融政策決定会合で議論する。現在0.5%とする政策金利は据え置く見通しだ。 26年3月までの国債買い入れの現行計画は維持する見通しで、さらに26年4月以降の減額計画を決める。日銀内には四半期ごとの減額幅を現状の4000億円から2000億円程度に圧縮する案が浮上しており、過半の政策委員が支持するとみられる。 日銀は24年8月に国債買い入れの減額を始め、事実上の量的引き締め(QT)局面に入った。同年7月時点で月額5.7兆円だった買い入れ額は26年1月に2.9兆円に減る。26年4月から四半期につき2000億円ずつ減額した場合、27年1月以降の買い入れ額は月額2.1兆円程度になる方向だ。 日銀は13年から異次元緩和を始め、量的緩和(QE)の一環で大量の国債を買い入れた。16年9月に導入した長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)でも長期金利を低く抑えるため国債を購入してきた。 24年3月に異次元緩和を解除し、国債買い入れを金融政策の手段から外した。同年8月からは買い入れを減らし、過去に買い入れた国債が満期を迎えて償還となることで保有国債の削減も進めている。 24年12月末時点で国債発行残高の52%となる約560兆円を日銀が保有する。QTのペースが緩やかなことから日銀内には「保有残高が多すぎる」との声がある。 4月以降に超長期債の利回りが急上昇し、市場では需給悪化懸念が強まった。市場では日銀の買い入れ減額が金利上昇の一因になっているとの見方もある。日銀は保有残高の削減を継続しつつ、減額のペースを調整することで市場への配慮を示す考えだ。【関連記事】・国債残高の過半保有「池の鯨」日銀の悩み 緩和出口か市場に配慮か・日銀、国債買い入れ減額を継続へ 26年4月以降・日銀の26年度国債買い入れ、会合結果を元理事と解説 17日生配信2025/06/14 20:54:06211.名無しさんMEwJo日銀が来年4月から国債購入減額を圧縮、毎四半期2000億円-政策維持伊藤純夫2025年6月17日 12:31 JST 更新日時 2025年6月17日 12:41 JST日本銀行は17日の金融政策決定会合で、2026年4月から国債買い入れの減額幅を圧縮することを決めた。金融政策は据え置いた。 来年4月以降の新たな国債買い入れの減額計画によると、毎四半期の減額幅を現在の計画の4000億円程度ずつから2000億円程度ずつとする。27年1-3月期の月間の国債買い入れ額は2兆円程度となる。来年6月の決定会合で中間評価を行う。田村直樹審議委員は反対した。 長期金利が急激に上昇する場合は、買い入れ額の増額など機動的にオペで対応し、必要な場合は計画の見直しがあり得るとする方針は維持した。月間買い入れ予定額を昨年7月の5.7兆円程度から毎四半期4000億円程度ずつ減らし、来年1-3月に2.9兆円程度とする現行計画も据え置いた。Bank of Japan Governor Kazuo Ueda News Conference After Rate Decision日本銀行本店Photographer: Toru Hanai/Bloomberg 会合では金融政策運営とともに、昨年7月に決めた現行の国債買い入れ減額計画の中間評価と来年4月以降の買い入れ方針を議論。市場予想におおむね沿った決定となった。日銀は来春以降も購入規模の縮小を進めていく中で、国債市場が不安定化する可能性に配慮した形だ。 ブルームバーグが3-10日に実施したエコノミスト調査によると、来年4月以降は減額ペースが鈍化するとの予想が65%を占め、減額幅は2000億円が最多の40%、次いで3000億円が25%となっていた。55%が新計画の終了後の月間買い入れ額が2兆円程度になると回答していた。金融政策 金融政策運営は、政策金利である無担保コール翌日物金利が0.5%程度で推移するように促す金融市場調節方針を据え置くことを全員一致で決定した。エコノミスト調査では、トランプ米政権の関税政策の影響を見極める必要があるとし、全員が政策維持を予想していた。 日銀が金融政策を据え置くのは3会合連続。前回の5月1日の会合以降に米中関税協議の合意など前向きな動きも見られたものの、引き続き関税を含むトランプ政権の政策の不透明感は強い。中東情勢の緊迫化も世界経済のリスクを高めており、植田和男総裁の記者会見での発言内容に注目が集まっている。 カナダを訪問中の石破茂首相は16日午後(現地時間)、トランプ米大統領と首脳会談を行った。日本側は今回の会談での合意を模索していたが、双方の溝は埋まらず、協議継続を確認するにとどまった。2025/06/17 13:25:56212.名無しさんMEwJo債券12時50分 長期金利、1.465%に上昇幅拡大 7?9月の日銀オペ方針で2025/06/17 13:10 日経速報ニュース 17日午後の国内債券市場で、長期金利が上昇幅を広げている。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.020%高い(価格は安い)1.465%をつけた。午前は1.450%で推移していた。日銀は17日まで開いた金融政策決定会合で2026年4月以降に国債買い入れの減額ペースを緩めると決定。今年7?9月の国債買い入れオペ(公開市場操作)では中長期ゾーンの購入を減らすと明らかにし、長期債に売りが増えた。 日銀は17日、政策金利を現行の0.5%程度で維持すると決めた。国債買い入れの減額ペースについては26年1?3月までは四半期ごとに4000億円程度、26年4?6月以降は同2000億円程度にすると発表し、市場予想に沿った結果となった。 もっとも、あわせて公表した国債買い入れオペの運営方針では25年7?9月は残存期間「1年超3年以下」と「3年超5年以下」「5年超10年以下」で月間購入額を計4000億円を減らし、超長期ゾーンは維持した。市場では「超長期と比べ中長期債の需給は緩みやすくなる」(国内証券のストラテジスト)と受け止められ、長期金利の上昇圧力となった。 流通市場では中期債にも売りが増えている。新発5年物国債の利回りは前日比0.010%高い1.025%をつける場面があった。債券先物は売られ、中心限月である9月物は138円69銭と前日から24銭下落する場面があった。 短期金融市場では、現金担保付き債券貸借(レポ)金利が低下した。日本証券業協会がまとめた東京レポ・レートで、翌営業日に始まる翌日物(トムネ)金利は前日比0.002%低い0.483%だった。2025/06/17 13:27:37213.名無しさんNVPP3債券11時 長期金利、1.445%に低下 中東緊迫、米金利低下で2025/06/18 11:20 日経速報ニュース 18日午前の国内債券市場で、長期金利は低下(債券価格は上昇)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.030%低い1.445%をつけた。中東情勢が緊迫していることへの警戒感から前日の米国債相場が上昇し、国内債に買いが及んだ。米経済指標が米景気の減速も意識させ、債券相場の支援材料となった。 17日に米長期金利の指標となる10年物国債利回りが低下した。トランプ米大統領が同日、SNSでイスラエルと軍事衝突しているイランに無条件降伏を要求した。米軍によるイラン核施設への攻撃を検討しているとの米メディアの報道もある。17日発表の5月の米小売売上高が前月比で市場予想以上に落ち込んだのもあり、相対的に安全な資産とされる米国債に買いが波及した。 日銀は17日まで開いた金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定した。会合後に記者会見に臨んだ植田和男総裁は、今後の利上げ判断に関して「(実績値を示す)ハードデータが今後どうなっていくかをみたい」などと述べ、通商政策を巡る先行きの不透明感も強調した。市場では、日銀が金融引き締めに消極的だとの受け止めが広がり、金利の押し下げ圧力につながった。 新発2年債利回りは前日比0.015%低い0.735%、新発5年債は同0.015%低い0.995%、新発20年債は同0.015%低い2.385%をつけた。 債券先物相場は反発し、中心限月の9月物は前日比33銭高の139円00銭で午前の取引を終えた。 短期金融市場では、無担保コール翌日物金利(TONA)が横ばい圏となっている。0.47%台後半で推移し、加重平均金利は前日の日銀公表値(0.477%)とほぼ同水準になっているようだ。 〔日経QUICKニュース(NQN)〕2025/06/18 12:22:26214.名無しさんWy4Yr日銀要旨、物価目標の達成時期「従来から1年程度、後ずれ」 複数の委員2025/06/20 10:24 日経速報ニュース 日銀は20日、4月30日?5月1日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。複数の委員は、中心的な見通しのもとでは「基調的な物価上昇率が『物価安定の目標』とおおむね整合的な水準で推移するようになる時期は、従来の見通しから1年程度、後ずれする」との見方を示した。 ある委員は、各国の通商政策の結果「サプライチェーンが混乱するようなことがあれば一時的には物価を押し上げる可能性があるが、混乱が長引けば企業収益や賃金への下押し要因として働き、基調的な物価上昇率を押し下げる要因として作用する可能性がある」との見解を示した。 これに関連し、一人の委員は先行きの賃上げ気運を維持していくためには「本年の冬季賞与や来年の賃上げに向けて、企業経営者がどのようなメッセージを打ち出していくかが重要なポイントになる」と指摘した。 一人の委員は、関税の賦課は短期的な価格ショックと考えることもでき「長期的には実質的な効果を持たないとの理論上の結論はありうる」として、現時点では「やや長い目でみれば、関税政策とその不確実性が基調的な物価上昇率や潜在成長率に影響を与えるとはみていない」との認識を示した。2025/06/20 10:40:57215.名無しさん4zvgb日銀の田村委員、タカ派姿勢崩さず 利上げ「果断に対応すべき場面ある」2025/06/25 12:15 日経速報ニュース 日銀の田村直樹審議委員が、金融引き締めに積極的な「タカ派」姿勢を崩していない。25日に福島県金融経済懇談会で挨拶し、物価上振れリスクが高まった場合は「不確実性が高い状況にあっても、果断に対応すべき場面もあり得る」と述べた。米関税政策を巡る不透明感が強い中でも、金融政策の正常化に踏み込むべき時はあると踏み込んだ。 田村氏は今回の懇談会で、2%の物価安定目標は「実現時期が前倒しとなる可能性も十分にある」と説明した。日銀は基調的な物価上昇率について、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」の見通し期間後半に物価目標とおおむね整合的な水準で推移するとの見方を示している。田村氏は「物価の上振れリスクにも留意する必要がある」と指摘。その上で「経済・物価情勢の改善に応じて早すぎず遅すぎず、適時適切に政策金利を引き上げる」のが基本的な考え方だとした。 日銀の政策正常化への歩みに影を落としているのが米関税政策だ。日本と米国との関税交渉は決着していない。米相互関税の上乗せ部分の適用停止期限である7月9日が迫るなかで交渉がどこまで進むかが焦点だが、東京海上アセットマネジメントの海老原慎司チーフ債券ストラテジスト兼グローバル金利運用グループリーダーは「不透明感が増している」と指摘する。 4月時点の展望レポートは、米関税政策について一定の前提を置いた上で、1月時点の経済・物価見通しが下方修正された。田村氏は関税政策についてリーマン・ショックやコロナ禍といったレベルでの「大きなショックにつながるとは見込んでいない」とした上で「景気の『減速』という範疇(はんちゅう)で持ちこたえられるというのがベースシナリオ」との認識を示した。関税政策の先行きや影響は見通しづらいものの「企業の賃金・価格設定行動が、賃金・物価が上がりにくかった以前の状況に戻っていくリスクは小さい」という。 総務省が20日発表した5月の全国消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除く総合が前年同月比3.7%と市場予想(3.6%)を上回り、上昇率が2年4カ月ぶりの高さとなった。田村氏はCPIについて「4月、5月のデータは想定よりも上振れている」と評価し、企業や家計の予想物価上昇率は「すでに2%程度に達していると捉えている」として一段と上振れないか「注意が必要」だとも指摘した。 田村氏はかねて「少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げる」のが必要との考えを示しており、前回2月の長野県での懇談会では1%程度までの利上げが必要な時期を「25年度後半」としていた。今回はこうした言及はなかったものの、市場でささやかれる政策金利「0.5%の壁」との言説に対し「0.5%に壁があるとは感じていない」と明言した。状況次第で利上げを積極的に進めるべきだとの考えに変わりはないようだ。2025/06/25 12:47:28216.名無しさん4zvgb日銀の田村委員、政策金利「1%を念頭に適時かつ段階的に引き上げ」 記者会見2025/06/25 14:56 日経速報ニュース 日銀の田村直樹審議委員は25日、福島県金融経済懇談会後に記者会見を開いた。中立金利は「最低でも1%程度だろう」との見方を改めて示した上で、今後の金融政策運営について「1%を念頭において、物価目標の実現確度の高まりに応じて適時かつ段階的に短期金利を引き上げ、経済物価の反応を点検しながら運営する」ことが重要と述べた。現在の実質金利は「大きなマイナス」で「緩和的な金融環境のまま」との見方も示した。 日銀の国債保有残高の水準については「可能な限り早く正常化すべきだ」と話した。田村氏は17日まで開いた金融政策決定会合で、月間の国債買い入れ予定額を巡り2026年4?6月期以降は毎四半期2000億円程度ずつ減額するとの計画に反対票を投じていた。 この点について、日銀と基本的な考え方が異なるわけではないとした上で「少しでも早く(国債保有を減らす)か、市場の安定に配慮するかの総合的な判断の違いだ」と述べた。2025/06/25 15:08:13217.名無しさんHhlj4始まった1.5兆円の「隠れQT」 長期金利の上昇圧力に2025/07/03 18:01 日経速報ニュース 日銀が市中からマネーを引き揚げる「量的引き締め(QT)」を実質的に強め始めた。7月から市場参加者に貸し出していた国債を要望に応じて買い取らせる。通常のQTとは別に、市中から資金を吸収する「隠れQT」で、最大1兆5000億円と規模が大きい。市場に出回る長期国債が増え、長期金利には上昇圧力となる可能性がある。 2日夕に日銀が公表した「当座預金増減要因」で「隠れQT」の開始が判明した。日銀は、市場取引を円滑にするために「国債補完供給」という制度で市場参加者に国債を貸し出している。この項目で、日銀が事前に公表した予測値と2日夕に示した速報値に1900億円のずれが生じた。国債を借りた証券会社などがそのまま返さずに買い取ったことを意味する。 日銀は6月の金融政策決定会合で市場参加者が国債を買い取る「減額措置」の利用促進を決めた。長期金利を一定の水準以下に抑え込むイールドカーブ・コントロール(YCC)で買い占めた国債に関しては、各銘柄の市場残高が1.5兆円に達するまでは要求に応じて原則として売却する。開始日は7月1日の国債補完供給からとしており、初日に買い取りを要望する市場参加者が現れた。 日銀はこの措置の狙いについて「国債市場の流動性を改善する」と説明する。日銀はYCCで大量の国債を吸い上げ、市場は国債不足となった。不足を解消するため貸し出してきた経緯があり、流動性確保のために買い取ってもらう。野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利ストラテジストは「市場の取引が活発化することで、長期金利がフェアバリューを探りやすくなる」とみる。 一方で、QTを加速する「副作用」も持つ。 QTは日銀が保有する国債を減らすことを意味する。日銀が国債を買い入れると、購入代金が民間金融機関の当座預金に積み上がり市場にマネーを供給する。反対に、買い入れた国債を償還や売却によって減らすと、その分のお金を市場から日銀が吸い上げることになり、金融引き締めの効果が出る。 日銀はQTにおいて現在、四半期に4000億円ずつ国債の購入量を減らしている。国債の買い入れによる保有額増加と、満期を迎えた国債が償還される分の差し引きで保有量を徐々に落とす。 7月に始まった市場関係者の国債買い取りでは、満期を迎える前の国債でも日銀の保有を減らせると言う点で、より積極的な措置になる。モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一マクロストラテジストは「事実上の売りオペ(公開市場操作)に等しい」と指摘する。 6月末時点で日銀が保有する国債を見ると、売却の対象となるのは2021?23年に発行された10年債の6銘柄となる。各銘柄の市場残高が1.5兆円に達するまで日銀が保有国債を売却する場合、計1兆4800億円の国債売却枠が存在する計算になる。 日銀は売却上限を月2000億円としている。既に7月の売却枠はほぼ全て利用されたもようだ。少なくとも年内は日銀の国債買い入れ減額に2000億円の実質的な「売りオペ」が保有国債の減少圧力として加わる格好になる。 市場では長期金利を含めた10年ゾーンの金利上昇圧力として意識される。このゾーンはYCCの元で過度に金利が低く抑え込まれ、イールドカーブもゆがんでいる。このゆがみが是正されればイールドカーブ全体の変動が落ち着き、特に3月以降に動揺が目立った超長期債の買いやすさにつながる可能性もある。 YCCの下では一部の銘柄で日銀が発行額以上の金額を買い占めるなど、金利上昇圧力に対抗して異例の規模で国債を買い支えた。1.5兆円の「隠れQT」は正常化を進める日銀が避けては通れないYCCの「後始末」と言える。 (佐伯遼)【関連記事】・量的引き締め(QT)とは 中銀の保有資産圧縮・20年債は月2000億円減額 超長期債発行、異例の期中見直し・いま必要な経済対策とは、食品の消費減税は非効率な手法 小峰隆夫氏・日銀審議委員に増一行氏就任 利上げ判断は「米関税の動向見たい」2025/07/04 09:05:34218.名無しさんHhlj4日銀高田委員、関税の影響「警戒を維持」 米経済の動向注視2025/07/04 日本経済新聞 朝刊 日銀の高田創審議委員は3日の記者会見で、米国の関税政策を巡り「大きな影響が起きているということではないが、警戒モードは現段階では残っている」と述べた。利上げを継続する姿勢を強調したものの、当面は様子見期間になるとの認識も示した。 米国経済に関し、関税に加えて減税や規制緩和といった成長にプラスになる政策の動向も注視する考えだ。米国次第で金融政策の様子見の期間の長さが変わってくるためだ。「関税が到来するという見込みに対して5月に経済・物価の見通しを引き下げた。想定が変わればおのずと見通しも変わってくる」と説明した。 年内に利上げする可能性があるか問われ、「可能性はあるのかもしれないし、ないのかもしれない」と話した。一方で今の段階で関税に伴う不透明感がすぐに晴れる状況ではないとの見方も示した。 同日、津市で開いた金融経済懇談会で講演した。講演では日銀が掲げる2%の物価安定目標の実現が「目前に迫りつつある」と主張した。もっとも、経済の不確実性は残っていることから、会見では目標達成について「投資計画など企業の行動を踏まえて判断しなければならない。いましばらく見極めが必要だ」と語った。2025/07/04 09:07:20219.名無しさんHhlj4遠い異次元緩和の後始末(大機小機)2025/07/04 日本経済新聞 朝刊 先月の金融政策決定会合において、日銀は来年度から毎月の長期国債買い入れ額を四半期ごとに2千億円ずつ減らしていくことを決定した。従来は四半期ごとに4千億円の減額だったから、減額ペースのスローダウンである。この結果、日銀が保有する国債の減少ペースも遅くなる。 周知のように、黒田東彦総裁時代の異次元緩和で国債大量購入を進めた結果、国債発行残高の過半を日銀が持つに至った。その後、物価上昇率が日銀の目標2%を超えて、金融政策の正常化が進められる中、日銀の保有国債圧縮が昨年から始まっていたが、その勢いを少し緩めようという決定である。 背後には、今年の春に30年物などの超長期国債の利回りが急上昇するという事件があった。その一因として、日銀の過剰な国債保有によって市場の厚みが失われ、国債の値動きが荒くなった可能性が指摘されている。 この問題にどう対処するかの答えは簡単ではない。国債の値崩れを防ぐことを重視するなら、日銀の国債買い入れを増やせばいい。しかし、そうすると日銀の国債保有残高はなかなか減らず、市場の流動性不足が長引いてしまう。今回の日銀の決定は長い目でみた副作用の解消よりも、目先の相場の安定を選んだことを意味する。 日銀の決定に続き、財務省は今年度の国債発行について、超長期債の発行を減らして短期債の発行を増やす見直しを行った。実は、日銀が長期金利を抑制している時期に、財務省は将来の金利負担を減らすため超長期債の発行を大幅に増やしていた。 今でも、これから長期金利が上昇すると考えるならば、超長期債を多めに発行するのは合理的である。しかし、財務省もやはり目先の相場安定を重視したのだろう。 昨年末に公表された「多角的レビュー」で、日銀は大規模金融緩和について「現時点では経済に対してプラスの影響」と評価しつつも「今後、マイナスの影響が大きくなる可能性」を指摘した。国債市場の流動性不足はまさにマイナスの影響が顕在化しつつあることを示している。 いまだ方針すら何も示されていない上場投資信託(ETF)の処理なども考えると、異次元緩和の後始末は前途遼遠(りょうえん)と言わざるを得ない。(希)2025/07/04 09:09:05220.名無しさんnbHbL債券12時50分 長期金利、一段と低下 20年入札「無難」で2025/07/10 13:21 日経速報ニュース 10日午後の国内債券市場で、長期金利が一段と低下(債券価格が上昇)した。指標となる新発10年物国債利回りは午後に前日比0.020%低い1.485%をつけた。午前は1.495%で推移していた。投資家の需要が集まらないと警戒されていた20年物国債入札を「無難」に終えたのを受け、安心感から長期債にも買いが増えている。 財務省が10日実施した20年債(新発193回)入札では、最低落札価格が100円05銭と日経QUICKニュースがまとめた市場予想の範囲(100円00?15銭)にとどまった。小さいほど好調な入札とされる落札価格の平均と最低の差(テール)は18銭と1月以来の小ささとなった。今回から発行額が2000億円減り「需給が改善するとの期待感があった」(国内証券の債券ストラテジスト)といい、市場では「無難」な結果と評価された。 債券先物相場は小幅ながら上昇に転じている。中心限月である9月物は前日比1銭高の138円70銭で午後の取引を始めた。20年債入札の結果が明らかになると138円81銭まで買われ、この日の高値をつける場面があった。 短期金融市場では、現金担保付き債券貸借(レポ)金利が上昇した。日本証券業協会がまとめた東京レポ・レートで、翌営業日に始まる翌日物(トムネ)金利は前日比0.002%高い0.491%だった。2025/07/10 13:48:07221.名無しさんeuHCP長期金利、1.525%に上昇 5月29日以来の高さ2025/07/14 08:49 日経速報ニュース2025/07/14 09:03:21222.名無しさんExmi8長期金利、1.595%に上昇 08年10月以来の高水準2025/07/15 09:04 日経速報ニュース2025/07/15 09:08:14223.名無しさんExmi8債券寄り付き 長期金利、1.595%に上昇 16年9カ月ぶり高水準2025/07/15 09:21 日経速報ニュース 15日朝方の国内債券市場で、長期金利が大幅に上昇(債券価格が下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは一時、前日比0.020%高い1.595%と2008年10月以来およそ16年9カ月ぶりの高水準をつけた。米インフレ再加速への警戒感から14日に米長期金利が上昇(債券価格は下落)し、国内債券にも売りが出た。20日投開票の参院選をめぐり、日本の拡張的な財政政策が意識されていることも引き続き相場を下押ししている。 米関税政策をめぐり、トランプ米大統領が交渉中の各国に対し強硬的な姿勢で臨むことが意識されている。14日にはロシアに対して「ウクライナとの停戦合意が50日以内に達成されなければ非常に厳しい関税を課す」と述べ、ロシアの貿易相手国に100%の「2次関税」をかける構えを示した。高関税が米国のインフレにつながるとして米連邦準備理事会(FRB)の利下げが遠のくとの見方が広がった。 参院選で与党が過半数を割り込めば、拡張的な財政政策がとられるとの懸念もくすぶっており、債券相場の重荷となっている。 債券先物相場は軟調だ。中心限月の9月物は前日比1銭安の138円05銭で寄り付き、その後137円91銭まで下げ幅を広げた。短期金融市場では無担保コール翌日物金利(TONA)先物が下落している。大阪取引所では中心限月である9月物が前日の清算値と比べて0.0050安い99.4425をつけた。2025/07/15 09:25:22224.名無しさんExmi8長期金利約17年ぶり高さ 日銀の年内利上げ観測高まる・東海東京の佐野氏2025/07/15 10:11 日経速報ニュース 佐野一彦・東海東京証券チーフ債券ストラテジスト 長期金利が大幅に上昇した背景には日銀の年内追加利上げ観測が再び高まってきたことがある。変動金利を無担保コール翌日物(TONA)として固定金利と交換する翌日物金利スワップ(OIS)市場から算出できる年内の利上げ確率は足元で5?6割へじわりと上がってきている。 日銀が今月30?31日に開く金融政策決定会合の結果とあわせて公表する7月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、物価見通しを上方修正するとの観測が高まっている。足元の円安進行もあり、現時点では9月会合での利上げを予想している。 参院選をめぐり、与党が過半数を割り込めば消費減税など拡張的な財政政策がとられるとの思惑も市場で高まっている。参院選を前に投資家が金利リスクをとることに慎重になり、買いが手控えられていることに加え、財政拡大は景気と物価上昇率のいずれも押し上げるとの見方もあるようだ。新発10年物国債利回りは一時1.595%と2008年10月以来の高さをつけたこともあり、いったんは持ち高調整目的の買いなどが入り、上昇は一服するだろう。2025/07/15 10:50:45225.名無しさんExmi8日銀は最速で10月にも利上げ、今月会合で物価見通し上げ-早川元理事https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-07-14/SZD5TODWX2PS00?srnd=cojp-v22025/07/15 11:03:17226.名無しさん1eiUj長期金利、17年ぶり高水準 ローン・社債利払い重く 「与党議席減」市場は警戒 円下落、一時149円台2025/07/16 日本経済新聞 朝刊 15日の金融・資本市場で日本国債や円が売られた。長期金利(総合2面きょうのことば)はリーマン・ショック直後以来の高水準をつけた。参院選後の政策運営の見通しにくさや財政悪化への懸念が強まった。 長期金利の上昇(債券価格の下落)は住宅ローン金利の上昇や国債・社債利払いの増加を通し、家計や政府・企業の負担が膨らむ要因となる。 長期金利の指標である新発10年物国債利回りは15日、一時前日比0.02%高い1.595%まで上昇した。2008年10月以来、17年ぶりの高水準をつけた。 15日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで一時、4月3日以来約3カ月ぶりに1ドル=149円台まで下げた。 20日投開票の参院選は終盤に入った。序盤に比べ、自民党は野党との接戦区が増えており、議席数を減らすのではとの警戒が浮上している。岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは「選挙後に(与野党で)どういう連携が図られていくのか見通せず、投資家は警戒せざるを得ない」と分析する。 15日は財政リスクをより反映しやすい超長期債も売られた。新発30年債利回りは一時前日比0.03%高い3.200%と、発行以来の最高を更新した。20年債利回りも一時0.04%高い2.650%と、1999年11月以来の高水準をつけた。 参院選を巡っては、与野党が物価高対策として給付金や消費税減税を主張し競い合う。財政拡張的な政策が目立ち、財政悪化への懸念が現実味を帯びつつある。 政策運営の不透明感が高まる中で、投資家は積極的な債券買いに動きづらい。SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは「国内勢と比べ相対的に格下げリスクに敏感な海外勢が過剰に反応する可能性がある」と指摘。長期金利は1.7%程度まで上昇する余地があるとみる。 長期金利の上昇は政府の利払い費の膨張だけでなく、家計や企業の負担も増やす。固定型の住宅ローン金利は長期金利を指標にする。 長期金利の上昇基調が7月下旬まで続いた場合、メガバンクやインターネット銀行の固定金利は8月に上昇する見込みだ。3500万円を35年固定金利で借りるケースでは金利1.8%が2%になると、総返済額が150万円程度増える。 企業の資金調達コストも押し上げられそうだ。社債の利率は、発行時の国債利回りを基準に決める。東日本高速道路(NEXCO東日本)が7月に発行した10年物社債の表面利率は1.77%。24年7月に発行した10年物に比べ0.58%高くなった。発行体が金利負担の膨張を避けるために設備投資などを抑えれば、景気の下押し要因となる。 円安は幅広い通貨に対しても進んでいる。15日の東京市場で、通貨の実力を総合評価する日経通貨インデックス(2020年=100)の円は74.2と、2月13日以来の円安水準を付けた。対ユーロでも1ユーロ=172円台後半と24年7月以来の円安水準を更新した。 日本株も上値が重い。三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは「選挙後の政治の不安定化と財政赤字拡大による国債の格下げリスクを見据え、円売り、株売りを伴うトリプル安に向けた素地が整いつつあるようにみえる」と話す。2025/07/16 06:08:20227.名無しさん1eiUj債券12時50分 長期金利、1.595%まで一段と上昇 財政拡張懸念で2025/07/16 13:15 日経速報ニュース 16日午後の国内債券市場で、長期金利が一段と上昇(価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.010%高い1.595%をつけた。午前につけた1.590%から小幅ながら上昇幅を広げた。参院選を巡り、与野党による財政拡張的な政策の主張が目立っている。財政が悪化するとの見方から国内債が売られやすくなっている。 米金利の上昇も国内債の売りにつながっている。前日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の伸びが加速した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げが遠のいたとの見方や米国の関税政策がさらにインフレを加速させるとの思惑もあり、前日の米長期金利が上昇した。金利水準は日本時間16日の取引でも高止まりしており、国内の債券売りに波及している。 現物債では、新発5年物国債の利回りは前日比0.015%高い1.095%と4月上旬以来の高水準で推移している。 半面、このところ利回り上昇が目立っていた超長期債には割安感からの買いがまとまった規模で入った。新発30年債は同0.050%低い3.135%、新発40年債は同0.110%低い3.400%をつけた。 先物相場は軟調だ。中心限月である9月物は前日比17銭安の137円75銭で午後の取引を始めた。 短期金融市場では、現金担保付き債券貸借(レポ)金利が低下した。日本証券業協会がまとめた東京レポ・レートで、翌営業日に始まる翌日物(トムネ)金利は前日比0.003%低い0.486%だった。2025/07/16 13:27:58228.名無しさん3Zxko日銀利上げ「10月か1月」予想が優勢 7月は現状維持-日銀ウオッチャー調査(1)2025/07/24 16:05 日経速報ニュース 日銀は30?31日に金融政策決定会合を開く。日経QUICKニュース社が金融政策を分析する「日銀ウオッチャー」を対象に18?23日に実施したアンケートによると、回答した全28人が政策の「現状維持」を決めるとの予想で一致した。 トランプ米大統領は22日、日本と関税交渉で合意したと発表した。8月1日に発動される相互関税の税率は予定された25%から15%に引き下げられた。想定より妥結が早く、税率も低いと受け止められ、投資家の運用リスクを取る姿勢は強まっている。 もっとも、日米合意が7月会合での利上げ判断につながるとの見方は乏しい。野村証券の森田京平チーフエコノミストは「関税がもたらす日本経済・物価への影響、参院選後の政権および連立与党の枠組み、給付金や消費税減税など財政政策の展開など、重層的な不確実性に直面している」として、日銀は金利を据え置くと予想する。 ■次の利上げ 日米合意で前倒しも 次の利上げ時期を聞いたところ、「26年1月」までに利上げがあるとの予想は計25人と、回答全体の約9割を占めた。そのうち年内の追加利上げを見込むウオッチャーは15人で、「25年10月」が9人と多かった。みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは「サービス価格の『期初の値上げ』や賃金動向を、全国規模で確認できる日銀支店長会議が開催され、さらにその結果を展望リポート(経済・物価情勢の展望)に反映できる『10月会合』が追加利上げを検討しやすいタイミングだ」と指摘する。 「26年1月」は10人が予想した。年内の追加利上げが難しい理由として「(米関税が8月から適用されるなら)実体経済への影響確認には最低でも数カ月を要する」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジスト)との声があった。「日本の政局運営など、不確実性の高い状況がしばらく続くため、年内の利上げは難しい」(楽天証券経済研究所の愛宕伸康所長兼チーフエコノミスト)など、政治情勢の先行きに不透明感が強まるなかで日銀は慎重に判断せざるを得ないとの意見が聞かれた。 日米交渉の合意を受け、追加利上げの予想を前倒しするウオッチャーもいた。バークレイズ証券の馬場直彦チーフ・エコノミストは「26年1月」から「25年10月」に、大和証券の山本賢治チーフエコノミストらは「26年1月」から「25年12月」に見直した。2025/07/24 21:46:57229.名無しさんEJD3N日銀の利上げ到達点 予想「1%以上」が8割-日銀ウオッチャー調査(2)2025/07/25 04:30 日経速報ニュース 日経QUICKニュース社が金融政策を分析する「日銀ウオッチャー」を対象にこのほど実施したアンケートでは、今回の利上げ局面でのターミナルレート(政策金利の最終到達点)が「1%」になるとの予想が、有効回答を寄せた26人中10人で最多だった。次いで「1.5%」との予想が6人で、回答者の8割が政策金利が1%に到達すると見込んだ。 到達点を「1%」と回答したSMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、米国の関税で企業の生産拠点が日本国内から海外に移転するなどして「日本経済のフロンティアを減じるリスクが生じている」として、関税の問題が生じる前に比べて「ターミナルレートが幾分切り下がる可能性は高い」と指摘する。 JPモルガン証券の藤田亜矢子チーフエコノミストは「景気サイクルが続く限り、日本のインフレは高止まりを続ける」と評価。利上げの到達点は1.5%としつつも「景気サイクルが長期化すれば2%程度までの利上げも十分に想定しうる」とみる。一方、「グローバル・リセッションが訪れるため、0.75%以上の利上げは難しい」(東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト)との声もあった。 ■与党敗北の参院選、日銀への影響有無の見方分かれる 20日投開票の参院選では、自民、公明両党が非改選議席を合わせて過半数を確保できなかった。2024年10月の衆院選、25年6月の東京都議選に続く敗北となり、石破茂首相の退陣は不可避だとの観測がある。 ウオッチャーに参院選の結果が日銀の金融政策運営に影響するかを聞いたところ、「影響する」と答えたのは28人中14人だった。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎・主席研究員は「与党の過半数割れは利上げを妨げる直接的な要因ではない」としたうえで、野党からの歳出拡大圧力や減税要求を受けて長期金利が上昇すれば、「(政策運営の)かじ取りが難しくなる」とみる。クレディ・アグリコル証券の会田卓司チーフエコノミストは「(石破首相が退陣すれば)積極財政に加えて、高圧経済の方針が加わり、日銀の利上げペースに後ずれの影響が及ぶ」と語る。 一方、「影響しない」も14人だった。UBS証券の足立正道チーフエコノミストは、政局の動きには注意を要するとしつつも「すぐに政権交代や連立見直しが進むとはみておらず、金融政策への圧力が高まることはない」と予想する。みずほリサーチ&テクノロジーズの井上淳上席主任エコノミストは「日銀は景気動向を見極めるため様子見を継続する」として、選挙結果は政策に影響しないとした。 日銀は31日に「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。日銀ウオッチャーに実質国内総生産(GDP)成長率や消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)の予想を尋ねた。25年度のGDP成長率の予想は24の有効回答のうち、「プラス0.4%」と「プラス0.5%」がそれぞれ7人と多かった。25年度のコアCPIは「2.5%上昇」が8人で最多だった。CPIについては「食料価格の高止まりが長引いていることもあり、日銀は25年度と26年度の物価見通しを上方修正するだろう」(農林中金総合研究所の南武志・理事研究員)との見方があった。2025/07/25 06:10:28230.名無しさんsvDij日銀、年内利上げの可能性も 関税交渉妥結で不確実性後退https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/S6MZP4GCMBJJNPBLLWKSJVKTVQ-2025-07-25/2025/07/27 08:00:09231.名無しさんqBnZo長期金利、1.565%に小幅上昇 米金利高で2025/07/29 09:58 日経速報ニュース 29日午前の国内債券市場で長期金利が小幅に上昇(債券価格が下落)した。指標となる新発10年物国債利回りは前日比0.005%高い1.565%をつけた。米国と欧州連合(EU)の貿易交渉合意で投資家心理が改善し、相対的な安全資産とされる米国債が売られて28日の米長期金利が上昇し、国内債にも売りが波及した。日銀の金融政策決定会合を30?31日に控え、持ち高調整の買いは相場の支えになっている。2025/07/29 10:04:40232.名無しさんAHyeg日銀が25-27年度物価見通し引き上げ、リスクを中立に修正-政策維持伊藤純夫2025年7月31日 11:58 JST 更新日時 2025年7月31日 12:32 JST日米関税合意は「前向きな動き」、不確実性は高い状況が続いている2%物価目標達成時期は変わらず、見通し実現なら利上げで緩和調整日本銀行は31日の金融政策決定会合で現状維持を決めた。最新の経済・物価見通しでは、2025年度から27年度までの消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の上昇率を引き上げ、リスクバランスも中立に修正した。 政策金利の無担保コール翌日物金利が0.5%程度で推移するよう促す金融市場調節方針を据え置くことを全員一致で決定した。1日に就任した増一行審議委員が初めて参加した。政策維持は4会合連続。ブルームバーグが16-22日に実施した調査では、今会合で追加利上げを予想するエコノミストはいなかった。 経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、25年度のコアCPI見通しを2.7%上昇と、5月に公表した展望リポートの2.2%上昇から上方修正した。26年度と27年度も、それぞれ1.8%、2.0%に引き上げた。実質国内総生産(GDP)見通しは25年度を0.6%増に上方修正した。 物価見通しのリスクは「おおむね上下にバランスしている」に修正した。従来は25年度と26年度は「下振れリスクの方が大きい」としていた。経済見通しは、25、26年度について「下振れリスクの方が大きい」との評価を変えなかった。 トランプ米政権の関税政策を巡り、日本への関税率が自動車・同部品を含め15%で合意したことなどを受け、経済・物価見通しとリスクバランス、物価目標実現シナリオの変化が注目されていた。今回の結果は、市場の早期利上げ観測を高める可能性がある。 展望リポートでは、米関税政策を巡って日米間の交渉が合意に至るなど「前向きな動きが見られている」と評価。各国の通商政策などの今後の展開やその影響を巡る不確実性は「高い状況が続いている」とし、従来の「極めて」との文言を削除した。 日銀の会合結果発表後、東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=148円59銭まで上昇幅を拡大する場面があった。発表直前は148円80銭台で推移していた。 25-27年度までの見通し期間後半には、消費者物価の基調的な上昇率が「物価安定の目標とおおむね整合的な水準で推移する」とのシナリオを維持した。政策運営については、見通しが実現していけば、「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」方針を改めて示した。2025/07/31 13:07:09233.名無しさんpIBkJ通商問題が穏当推移なら「利上げ再開」と複数委員=日銀6月会合要旨[東京 5日 ロイター] - 日銀が6月16―17日に開いた金融政策決定会合では、利上げの再開を意識した発言が多くの委員から出ていたことが明らかになった。複数の委員が、堅調な賃金や若干上振れ気味の物価を念頭に置けば「通商問題が穏当なかたちで推移する見通しになってくれば、現在の様子見モードから脱却し、利上げプロセスの再開を考えることになる」との見方を示していた。国債買い入れ額の着地点やバランスシートの望ましい規模感を巡る議論も展開されていた。日銀が5日、決定会合の議事要旨を公表した。日銀は6月の決定会合で、全員一致で政策金利の据え置きを決めた もっと見る 。決定会合では、不確実性の高さを踏まえれば当面は利上げを休止する局面だが「米国の政策動向によって、再び利上げ局面へ回帰する柔軟かつ機動的な対応も求められる」(1人の委員)といった声も出された。ある委員は、インフレが想定対比上振れて推移する中で「たとえ不確実性が高い状況にあっても、金融緩和度合いの調整を果断に進めるべき局面もあり得る」と述べた。こうした意見に対して、別のある委員は、経済の先行き不確実性は非常に高く、下方リスクの厚い状況が続いていると指摘。「企業業績や日米通商交渉の方向性が見えてくるのはまだ先であり、政策金利は当面、現状の水準を維持することが適当」と述べた。経済を巡り、複数の委員が、不確実性は依然として高いものの「米国の関税政策に伴う経済の減速圧力は、前回会合時点で想定していたほど強くない可能性がある」との見方を示した。物価については、何人かの委員がコメなどの食料品価格の上昇を主因に前回展望リポートの見通しに比べて「強めの動きとなっている」と指摘した。<保有国債の減少早く進め、「相応規模の量的緩和の余地を」との声>決定会合では、国債買い入れの減額計画が議論された。2026年3月までの計画を維持した上で、26年度は市場安定への配慮から減額幅を四半期当たり2000億円に鈍化させることを賛成多数で決めた。田村直樹審議委員は、26年4月以降も四半期4000億円の減額ペースを維持すべきと主張し、反対票を投じた。議事要旨によれば、田村委員と見られる委員は、長期金利の形成は市場と市場参加者に委ねるべきであり「可能な限り早く、日銀の国債保有残高の水準を正常化することが必要」と述べた。国債保有残高を早めに減らすことで「市場機能に悪影響を与えない範囲で、相応のインパクトがある規模の量的緩和(QE)を実施し得る余地を確保しておくことも重要だ」とも主張していた。<国債の月間買い入れ額、着地点で意見分かれる>日銀は来年6月に再び中間評価を行う。月間買い入れ額の着地点に加え、バランスシートの望ましい規模感が議論の焦点になるとみられる。月間買い入れ額の着地点については、意見の違いが見られた。1人の委員は「市場の安定性を確保する観点から、ある程度の額の国債買い入れは続けていくべきだ」と述べた。ある委員は、今後、例えば月間の国債買い入れ額が1兆円程度にまで減少すれば、日銀の国債買い入れが市場で話題になることもなくなるとして「買い入れ額をゼロにすることに強くこだわる必要はないのではないか」と主張した。これに対して、別の1人の委員は「国債買い入れ額はゼロまで段階的に減額していくことが望ましい」と話した。バランスシートの規模を巡って、ある委員は、将来的に超過準備はある程度減少するにせよ、発行銀行券の残高と合わせると、長期国債を含めそれらに見合う「相応の規模の資産が必要になる」との見解を示した。これに対し、別のある委員は「国債の買い入れだけではなく、中長期の資金を市場に供給することも検討すべきだ」と主張した。この委員を含む何人かの委員は、中央銀行のバランスシートは資産・負債の両面から日本の金融経済に影響を及ぼし得るため「最適なバランスシートの規模や構成については、今後、多面的に検討していく必要がある」と述べた。決定会合では、政府側の出席者が会議の一時中断を申し出た。議長を務める植田和男総裁はこれを承諾し、17日午前11時58分に中断、午後0時7分に再開した。財務省の出席者は国債買い入れの減額について「債券市場の安定等に十分に配慮し、必要があれば状況に応じた柔軟な対応をすることを含め、適切に行われることを期待する」と発言した。2025/08/05 11:44:22
2025/05/01 09:47 日経速報ニュース
日銀は1日まで金融政策決定会合を開く。米関税政策の先行き不透明感などから政策金利の据え置きが確実視されている。
焦点は今後の政策スタンスだ。過去の円安傾向をたびたび問題視してきたトランプ米政権は日銀の政策運営が通貨安を加速
させないかをいままで以上に注視してくるだろう――。外国為替市場ではそんな緊張感が漂っている。
欧米ヘッジファンドなどの投機筋は、ベッセント米財務長官が4月28日に放ったあるコメントを驚きをもって受け止めた。それは
「(最近のユーロ高・ドル安を受けて)ユーロの押し下げを目的とした欧州中央銀行(ECB)の利下げがあり得る」というものだ。
主要7カ国(G7)は通常、金融政策と通貨政策を露骨に結びつけることはしない。ところがトランプ米大統領はG7内でも、
金利を引き下げたり金利水準を低く抑えたりしている国の通貨が安くなる状況を「通貨安誘導」とみなして嫌う傾向が強い。
欧米ファンドの間では「ECBを巡るベッセント氏の発言は、いまだに極めて金利水準の低い日本をけん制したようにもみえる」
との声が出ている。
1日は赤沢亮正経済財政・再生相がベッセント氏やグリア米通商代表部(USTR)代表と2回目の関税協議に臨む見込みだ。
日銀会合の結果や植田和男総裁の記者会見での発言内容が利上げ継続に慎重な「ハト派」の印象を与え、円安での反応を
呼び込むとどうなるか。4月の日米財務相会談では回避できた円安批判が現実のものになりかねない。
足元では米政府が関税にかかわる過激な主張を封印しているため、投資家のリスク回避姿勢を背景にした米株安やドル安
の圧力は弱まっている。ただ、米政策の不確実性がドルに偏りすぎていた資産配分の修正を促す構図自体はまだ続いてい
るとみられる。
金融仲介業者(ブローカー)のオクタで金融市場アナリストを務めるカー・ヨン・アン氏は「貿易戦争には米国を含めて勝者は
ないと皆が気づいており、米国に大規模な投資をしている市場参加者は為替差損回避(ヘッジ)の戦略に傾いている」と分析。
基軸通貨としてのドルの根源的な価値は保たれるとしながらも、「しばらくは米利下げ観測などにも後押しされてドル安が進む」
と予想していた。
米ゴールドマン・サックスは「過去に過大評価されたドル相場の調整局面は続く」との見方を維持している。なかでも円買い・
ドル売りは引き続き有効なヘッジ手段だとし、「円相場は今後1年の間の意外に早い段階で1ドル=135円程度まで上がるか
もしれない」と想定する。日銀の「ハト派」化は円高の障害にはならないとも付け加えた。
トランプ氏は米連邦準備理事会(FRB)に早期の利下げを繰り返し求めており、最近の米経済指標も濃淡はあるものの
金利引き下げの必要性を示唆している。仮に日銀が追加利上げに慎重な構えをとれば、米政権の不満の矛先は日銀にも
向かいかねない。円高・ドル安シナリオの勢いは依然として保たれているようだ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-05-01/SVI90DT1UM0W00?srnd=cojp-v2
基調物価は25-27年度の見通し期間後半には2%目標と整合的水準に
政策金利0.5%程度、見通し実現なら利上げで緩和度合い調整を継続
日本銀行は1日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めた。トランプ関税を受けて高まる世界経済の不確実性を踏まえ、
2%の物価安定目標の実現時期を従来の想定よりも先送りした。
政策金利の無担保コール翌日物金利を0.5%程度に据え置くことを全員一致で決定。日銀の経済・物価見通しが実現していけば
、利上げで金融緩和度合いを調整する方針は維持した。ブルームバーグが4月16-22日に実施したエコノミスト調査では、今回会合
での追加利上げ予想はゼロだった。
新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、基調的な物価上昇率が物価安定目標とおおむね整合的な水準で推移する時期
について、2025-27年度の「見通し期間後半」と記述。見通し期間が24-26年度だった前回の1月リポートで「見通し期間後半」とした
目標実現時期は後ずれした。
トランプ関税が世界・日本経済を下押すことが確実視される中、日銀が経済・物価への影響と今後の金融政策運営についてどのよう
な見解を示すかが焦点となっていた。物価目標の実現時期の後ずれによって、市場が想定する追加利上げの時期やペースも再考を迫
られる。植田和男総裁の午後の記者会見に注目が集まっている。
会合結果の発表後、東京外国為替市場の円相場は一時ニューヨーク終値比0.3%安の143円48銭まで下落した。物価目標の実現
時期を後ろ倒ししたことで、円を売る動きが強まっている。
今後の金融政策運営では、実質金利が極めて低い水準にあるとの従来の認識を踏襲。経済・物価の見通しが実現していけば、
それに応じて政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整していく姿勢を堅持した。物価安定目標の持続的・安定的実現の観点から、
経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく方針も維持した。
2025/05/01 13:17 日経速報ニュース
南武志・農林中金総合研究所理事研究員 日銀が1日公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2025年度と26年度の経済
・物価の見通しを下方修正したのは、金融引き締めに消極的な「ハト派」の印象を受ける。トランプ米政権の関税政策の影響を慎重に見極
めたいとの姿勢が強いのだろう。
今後も政策金利を引き上げる方針を示したものの、今回の利上げ局面ではできたとしても残り1回にとどまるだろう。追加利上げのタイミ
ングは消費者物価指数(CPI)の上昇率が2%台を維持するとみられる今年9月から10月になると予想している。
生鮮食品を除くCPI上昇率は26年度が前年度比1.7%と前回1月時点(2.0%)から大きく下方修正し、新たに示した27年度は同1.9%と
なった。米景気減速を背景に原油価格が下落し、外国為替市場での円高・ドル安進行を見込んでいると考えられる。
トランプ米政権の関税政策で輸出企業の業績に影響が出れば定着しつつあった賃上げ機運に水を差し、基調的な物価上昇にも影響が
及ぶ可能性がある。新たに27年度分の見通しを公表したにもかかわらず、物価目標の達成時期は「見通し期間後半」とこれまでの表
現を維持しており、25年度後
https://www.asahi.com/articles/AST510NYQT51ULFA031M.html?iref=comtop_7_05
トランプ関税に端を発した日米貿易交渉が進んでいる。交渉の水面下で、場合によっては日本銀行の金融政策が俎上(そじょう)に
のぼるかもしれない。
日本銀行は1日、金融政策決定会合(年8回開催、メンバーは総裁以下9人)を開き、現行の金融政策を維持することを決めた。政策
金利(翌日物金利)0.5%を維持する。
日銀、追加利上げ見送り トランプ関税で経済・物価見通しも下方修正
この金利は実質的に、主要先進国で最も緩和的な水準だ。その緩和的すぎる金融政策が、今後の日米貿易交渉で、日本にとって
「アキレス腱(けん)」になる可能性がある。
どういう事?
2025/05/02 13:27 日経速報ニュース
外国為替市場で円安が進んでいる。2日の東京市場では一時1ドル=145円90銭台と4月10日以来、3週間ぶりの安値をつけた。
日銀が追加利上げに慎重な「ハト派」のスタンスに転じたほか、米景気や関税政策に対する過度な懸念が後退し、投資家が運用
リスクをとる姿勢を回復させたことで過去に積み上げられた投機的な円の買い持ち高があぶり出されている。
「日銀効果」はドル以外の通貨に対する円の下落によくあらわれている。対ユーロでは1ユーロ=164円57銭近辺と2024年12月末
以来4カ月ぶりの円安・ユーロ高水準をつけた。円とユーロは4月のドル安局面でともに大きく買われ、調整時にも似たような動きをし
ていたが、日銀の金融政策決定会合を経て円が一気に取り残されたことになる。
市場参加者を驚かせたのは「日銀が金融政策に対し、極めて慎重な姿勢を示した」(岡三証券の武部力也シニアストラテジスト)点だ。
日銀は1日まで開いた決定会合で政策金利を据え置いた。あわせて公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、25年度
や26年度の実質国内総生産(GDP)や生鮮食品を除いた消費者物価指数(CPI)の上昇率を下方修正。経済・物価見通しのリスク
バランスは「25年度と26年度は下振れリスクが大きい」と警戒感をみせる。
植田和男総裁は記者会見で、基調的な物価上昇率が2%の物価目標と整合的な水準に達する時期について「やや後ずれしている」
との認識を示し、「不確実性の高さ」を強調した。日銀が早期利上げについて事実上の「ギブアップ宣言」をしたとの受け止めから、円
に売りが膨らんだ。
そこに米中貿易摩擦の緩和期待が円安要因として加わった。2日午前、中国商務省が米国との通商協議の可能性を検討していると
の趣旨の談話を発表したと米ブルームバーグ通信など複数のメディアが伝えた。
円が前回1ドル=145円90銭台をつけた4月10日は米中間で関税を巡る応酬が激しくなっていたころだ。この日は米中摩擦への不安
を背景に市場全体にリスク回避ムードが広がり、早朝の東京市場で147円台だった円はニューヨーク市場では144円ちょうど前後まで
急伸した。当時とほぼ逆の動きを2日はしており、それをアシストしたのが日銀の政策スタンスだったわけだ。
4月の円には投機的な買い持ち高が膨らんでおり、巻き戻しの余地は大きいとみられる。4月に比べると米景気の減速懸念もいった
んは和らいでいる。
米サプライマネジメント協会(ISM)が1日に発表した4月の製造業景況感指数は市場予想を上回った。2日発表の4月の米雇用統
計では、非農業部門の雇用者数が13万3000人増と前月(22万8000人増)を下回る市場予想が出ているが、市場では「悪い数字には
備えが済んでいる」(国内銀行の為替担当者)との声がある。
日本では6日まで連休となる。国内輸出企業が休みの前にどの程度の規模で指し値の円買い注文を入れてくるかは相場動向を占う
うえでの焦点の1つだ。ただ現時点では、円を押し上げるような円買いの意欲は今のところ高まっていないようだ。
3月の日銀の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業(輸出企業)の25年度の想定為替レートが1ドル=147円35銭
だった。りそな銀行の中里信介クライアントマネージャーは「もし想定レート付近まで円安が進むようだと、いったんは円買いのフロー
が出るのではないか」と話す。
市場参加者の関心事は来週の米金融政策イベントに移っている。7日まで開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では据え
置きがほぼ確実視されているが、市場からの信頼が厚いベッセント米財務長官は1日、米2年債利回りの水準が米政策金利の水準
を下回っていることに触れたうえで「利下げを促すシグナルを送っている」と述べた。政治的な圧力は依然として強い。
だが米連邦準備理事会(FRB)が利下げを再開するにしても、データ分析にはある程度の時間がかかるだろう。先が見通せるまで
はじわりと円安が進むかもしれない。
2025/05/12 09:09 日経速報ニュース
2025/05/13 06:29 日経速報ニュース
「経済なんだよ、愚か者」。1992年の米大統領選でビル・クリントン元大統領が掲げたスローガンだが、12日の米国の金融・株式市場
が発するメッセージを代弁すれば次のようになるだろう。長期金利なんだよ、愚か者――。
関税を巡る米中のデタント(緊張緩和)をきっかけに12日の米株式相場は急反発した。トランプ米大統領が相互関税を発表した4月2日
以降の約1カ月半の間に米S&P500種株価指数は12%下落し、その後、それ以上上昇するという乱高下を演じている。「関税強化=売り
、関税引き下げ=買い」という単純な構図だ。
一方、米国債市場はやや複雑だ。金融仲介のタレットプレボンによれば、10年物国債の利回り(長期金利)は4月2日の4.13%から5月
12日は4.47%に0.34%、30年物国債(超長期金利)は4.62%から4.9%に0.28%それぞれ急上昇(国債価格は急落)した。
最初は関税強化による物価高騰が金利上昇(国債売り)を招くというシナリオだったが、12日は景気悪化懸念が後退し、金利が上昇
したという解説に変わった。変わらないのは「局面がどうであれ、金利は上昇する(国債は売られる)」ということだ。
トランプ発言でジェットコースターのように動く株式相場と違い、国債が発する一貫したメッセージは極めて重要だ。
かねてトランプ氏とベッセント米財務長官は長期金利を重視するといってきた。連邦政府の債務残高が法定上限を突破し、史上初の
デフォルト(債務不履行)が迫るなど財政は火の車だからだ。トランプ減税の延長をひかえ、貴重な財源であるはずの関税を引き下げては、
国債増発以外に手はなくなる。財政危機というパンドラの箱が開かれる。
12日の米株高と米長期金利の上昇は、景気見通しの改善を映した結果とばかりは言えない。財政危機を見越した投資家による国債か
ら株式への資金シフトも少なくないはずだ。
ゴルディロックス(株高・国債高のぬるま湯経済)シナリオは遠のいた。残るのは政府から民間への所得移転によるインフレ加速(株高・
金利上昇)か、米国売り(株安・ドル安・金利上昇)のどちらかだ。
これから市場参加者は末永く、長期および超長期国債の増発懸念と付き合わなければならなくなる。そうした懸念の大きさは30年物
国債の利回りが過去最高に迫る日本も同じか、あるいは米国以上だろう。
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2025/05/14 日本経済新聞 朝刊
日銀が13日公表した4月30日~5月1日の金融政策決定会合の主な意見で「実質金利は大幅なマイナスで、利上げしてい
く方針は不変」との指摘を紹介した。「米国の政策転換次第で追加的な利上げを行う」との見解も盛り込み、利上げ路線の維持
をアピールしているように映る。
日銀はこの会合で「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)をまとめた。2026年度までの経済成長率は米関税政策の影響
で鈍化し、消費者物価も伸び悩む一方、2027年度に向けて経済・物価ともに回復するシナリオを示した。
ある政策委員は「過度な悲観に陥ることなく、自由度を高めた柔軟かつ機動的な金融政策運営が求められる」と指摘。「米国
の政策転換次第で追加的な利上げを行う」という選択肢も示した。
「物価安定目標の実現に向けて最も重要なのは企業の賃金・価格設定行動と、企業や家計の予想インフレ率がどうなるか。
以前の賃金・物価が上がりにくい状況に戻っていくリスクは小さい」と論じた委員もいた。
13日の参院財政金融委員会で答弁した内田真一副総裁も「実質金利が極めて低い」と語った。経済・物価が見通しに沿って
推移すれば、「経済・物価情勢の改善に応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と説明した。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「展望リポートは(利上げに消極的な)ハト派なトーンだったが、主な意見は
全体としてニュートラルな印象だ」と受け止めた。
2025/05/14 13:01 日経速報ニュース
金融市場で日銀の追加利上げ予想が勢いを取り戻している。米中両政府が関税引き下げで合意し、世界経済の先行き不透明感が
和らいでいるためだ。固定金利と変動金利を一定の期間交換する金利スワップ市場は、政策金利の最終到達点(ターミナルレート)が
1%に達するとの見方を織り込みつつある。
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米中両国の対立が激しくなればなるほど、企業が設備投資を見送ったり消費が低迷したりすると身構えられていた。ただ両政府が12日
に相互に課した関税を115%ずつ引き下げると合意したと発表。貿易摩擦が落ち着くとして、金融資本市場では景気の先行きを巡る過度
な悲観が後退している。
日銀の利上げ期待にも変化が出ている。翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む2年後から1年間の政策金利予想を映すものとして
「2年先・1年」のフォワード金利がある。ターミナルレートの織り込み度合いを確認するのにウオッチしている市場参加者が多い。
日銀が経済・物価の見通し実現の確度が高まれば利上げする姿勢を示すなか、「2年先・1年」金利は3月後半に一時1.2%台に達し
ていた。だがトランプ米大統領が4月2日に相互関税を打ち出し、利上げ期待が一気に?がれて4月14日には0.6%台後半まで低下した。
その後も低迷していたものの、12日の米中合意を手掛かりに織り込みが回復。13日時点では前日比0.08%高い約0.93%となった。相互
関税で?落した分の半分を取り戻し、節目の「1%」が再び射程に入った。
もっとも、市場の利上げ期待が関税前に戻るには時間がかかるとの声がある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券
ストラテジストは「『2年先・1年』金利がここから上昇するには、まず0.75%への利上げが現実味を帯びる必要がある」とみる。「日銀は相互
関税の影響を受ける国内の製造業を中心に、賃上げのモメンタム(勢い)が鈍らないかどうかを注視したいはず」(鶴田氏)として、次の利上げ
すら慎重に判断せざるを得ないとの読み筋だ。
野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利ストラテジストは「米中合意は日銀に前向きな判断を促すものだ」と指摘する。日銀が6月の全国
企業短期経済観測調査(短観)で企業の価格転嫁のスタンスや設備投資計画に変化がないことを確認できれば、7月の「経済・物価情勢の
展望(展望リポート)」で物価の下振れリスクが和らいだと評価したうえで「展望リポートを公表する10月の金融政策決定会合で追加利上げに
踏み切るのが最短のシナリオだ」(岩下氏)という。利上げ期待がさらに高まるには追加の手掛かりが必要といえそうだ。
2025/05/14 16:18 日経速報ニュース
市場の期待インフレ率を示す指標、ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が再び上昇している。足元で1.5%台後半と、約2カ月ぶり高水準
にある。日銀の追加利上げ観測を強める材料となるか、市場の注目が集まる。
BEIは一般の国債利回りから物価連動債の利回りを差し引いて求め、売買する投資家の物価予想を反映する。3月には過去10年間で最
高の水準に達していたが、米関税政策の不透明感が高まった4月中旬に急落していた。
上昇のきっかけになったのも、やはり米関税政策の修正だ。米中の関税協議に進展がみられ、貿易摩擦の激化は避けられるとの見方が
広がる。景気後退への警戒が薄れ、物価に影響しやすい原油相場が反発。対ドルの円相場も約1カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけ、物価
上昇観測が強まった。
各国の中央銀行は金融政策を決める際にBEIを参考としている。東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは「マーケットの物価
上昇期待を日々の動きとして見て取れる指標はBEIに限られる。次の利上げのタイミングを計る上で日銀にとっても、BEIの上昇は『心の支
え』になる」と話した。
2025/05/19 10:57 日経速報ニュース
日銀の内田真一副総裁は19日、参院予算委員会に出席した。海外経済の不確実性が増していることなどを念頭に、
今後の金融政策の運営について「現在の緩和的な環境の維持で経済をサポートしていく」と述べた。足元の物価動向
については「コメを含めた食料品価格の上昇などコストプッシュ要因がある」との認識を示した。そのうえで基調的な
物価上昇率が目標とする2%に高まり、経済や物価が順調に改善していけば「政策金利を引き上げていく」方針を語った。
公明党の秋野公造氏の質問に答えた。
2025/05/21 13:03 日経速報ニュース
伊藤純夫、照喜納明美
2025年5月21日 10:09 JST
米関税受け産業界出身者の知見に期待、金融政策議論の変化にも注目
三菱商事では財務・経理部門で経営手腕、現日本公認会計士協会理事
参院は21日の本会議で、日本銀行審議委員に元三菱商事代表取締役常務の増一行氏を充てる国会同意人事案を賛成多数で可決した。
近く開かれる衆院本会議でも同意を得られる見通し。内閣の任命を経て7月1日に就任する予定だ。
日立製作所出身の中村豊明審議委員の後任で、任期は5年間。1982年に東大法学部を卒業し、三菱商事に入社。執行役員・主計部長
などを経て、2016年に代表取締役・常務執行役員に就任し、最高財務責任者を務めた。現在は日本公認会計士協会理事で、東京芸術大学
監事の肩書も持つ。総合商社出身は同社副社長だった亀崎英敏元審議委員(07年から12年)以来となる。
増氏は三菱商事で財務・経理部門を中心に担当。ブルームバーグが入手した政府の国会提出資料によると、企業会計基準委員会委員
や国際財務報告基準財団(IFRS)の評議員を務めるなど、国内外の財務情報の開示基準の策定にも大きく貢献したという。政府は4月10日
に増氏起用の人事案を衆参両院に提示した。
日銀は植田和男総裁の下で金融政策の正常化を進めている。ただ、トランプ米政権の関税政策に伴う先行き不確実性の高まりを踏まえ、
利上げ路線は様子見状態にある。2%の物価安定目標の実現に向けて、米関税を受けた企業行動に注目が集まる中、総合商社出身の
増氏の知見に期待がかかる。
審議委員は、日銀の最高意思決定機関である正副総裁を含めて9人で構成する政策委員会のメンバーで、金融政策運営を決める投票
権を持つ。中村委員は、昨年3月のマイナス金利解除など大規模緩和からの転換や、その後の2回の利上げに対して反対票を投じてきた。
増氏に代わることで政策委員会内の議論の変化も注目される。
上野泰也 みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
2025年5月21日午後 5:07 GMT+91日前更新
[東京 21日] - 日銀の追加利上げは「サスペンド」状態にある。25年春闘の賃上げ率など国内要因は追い風だが、「トランプ関税」に
まつわるリスクの見極めが必要で、様子見となっている。
金融市場関係者はしばしば、カレンダー要因に着目して思考を展開する。1年のうちで何月に株価の上昇率・下落率が最も高いか、為替
が最も円高に動きやすいのは何月か、といった具合である。そうした思考パターンを日銀の利上げにあてはめると、どうなるか。
2000年以降に実施された日銀の利上げは、以下の6回である。
2025/05/27 07:31 日経速報ニュース
日米の債券市場では今月、長期や超長期債利回りの上昇(価格の下落)圧力が強まった。ともに背景にあるのは財政問題へ
の不安で、それを助長しているのが相場の変動率(ボラティリティー)の高まりだ。超長期債は4月にかけて海外勢の買い越しが
目立っており、その反動への警戒感もある。
海外では日本の国債(JGB)相場の先行きをどう見ているのだろうか。米モルガン・スタンレーでマクロ戦略部門のグローバル
・ヘッドを務めるマシュー・ホーンバック氏=写真=は「海外投資家は利回りが上昇基調のJGBに運用機会を見いだしている」と
話す。日銀が2026年度まで利上げに動かないとの見方や、米連邦準備理事会(FRB)が26年までに大幅な利下げに動くと予想
されることから日本の国債利回りも上がりにくいと想定しているという。
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――日本の長期金利は前週に一時1.570%と3月以来の高水準をつけました。超長期の30年や40年債利回りは過去最高の
水準になるなど、需給の緩みが強く意識されています。
「ドルを保有し、運用する海外投資家はデリバティブ(金融派生商品)市場で円を安く調達できる。低コストで調達した円で、利回り
が上昇したJGBを買うメリットは大きい。現在主に超長期ゾーンで起きている需給の構造的な緩みは依然として続くものの(円を
安く借りられる信用力をもつ)中長期目線の海外投資家はJGB投資に価値を見いだしている」
「米関税政策の影響で日銀が当面利上げできないとの見方や、(米利下げなどによる)米国などの債券利回りの低下を日本の
長期金利が織り込むようになれば、債券価格の上昇に伴う利益(キャピタルゲイン)も期待できる。26年の6月までに日本の10年
物国債利回りは0.9%まで低下する余地があるとみている」
――金利低下のプロセスをもう少し詳しく教えてください。
「日米で中央銀行の金融政策の方針が大きく変わることが背景だ。米関税政策は米国を含む世界の経済成長を鈍化させる。
FRBは26年中に7回利下げをすると予想する。米関税による米国内のインフレは沈静化する一方、世界の景気減速の影響が強
まる。世界の債券市場で金利の低下がみられるはずで、その流れが日本の長期金利にも及ぶと想定している」
「FRBの大幅な利下げにより、外国為替市場では円相場が1ドル=140円を上回り、(26年の)年央までに130円ちょうどを
つけることもあり得る。円高・ドル安進行で輸入物価の上昇が緩やかになれば、日銀が政策金利を急いで引き上げる必要は
なくなる。おそらく、26年度も利上げはないのではないか。政策金利が現行の0.5%に長くとどまるとの見方が広まるにつれ、
長期金利は0.9%程度まで低下するだろう」
――7月の参院選に向けて減税の議論が増え、超長期債に悪影響を及ぼしています。日本の経済政策についてはどう受け
止めていますか。
「消費税減税は今後、幅広い年限で利回りの上昇圧力になる。国債の増発による需給の悪化やいわゆる『リスクプレミアム』
の上乗せ幅の拡大によって超長期金利は押し上げられる。長期金利にも波及しそうだ」
【略歴】Matthew Hornbach(マシュー・ホーンバック)氏 2000年に米モルガン・スタンレーに入社。同年から東京で国債の
トレーダーを務め、現在はマクロ戦略部門のグローバル・ヘッドを務める。
2025/05/27 19:02 日経速報ニュース
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を巡り、外国為替市場では買収による円売り・ドル買いの思惑が浮上している。これまで
に明らかになった買収費用と追加の対米投資額は合計280億ドル(4兆円)規模。日鉄が巨額の費用を市場で調達するとなれば、為替介入
に匹敵する規模になるとの見方が浮上している。
「円ドル相場への影響はどれくらいか」。トランプ米大統領が23日に自身のSNSで日鉄による買収承認を示唆してから、三菱UFJモルガン・
スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストのもとには顧客からのこんな問い合わせが相次ぐ。
植野氏の試算によれば、今回の日鉄の買収計画は3?4円程度のドル高要因になりうるという。2012年10月、ソフトバンクが米携帯大手
スプリント・ネクステルを買収する方向で協議中と伝わり、円が大きく下落したこともある。
現在進行中の日米通商協議による円安論も根強い。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「関税
の引き下げに向け日本が対米投資を増やしたり米国の農産品を買ったりすれば、ドル買い需要につながる」とし、実需の円安圧力を示唆し
ていた。
伊藤純夫
2025年5月28日 9:24 JST
日本銀行の植田和男総裁は28日、超長期金利の上昇について、中期の金利の及ぶ可能性に留意していきたいとの見解を示した。
衆院財務金融委員会で答弁した。
植田総裁は、超長期金利の上昇を注意してみていきたいとした上で、経済への影響は超長期金利より中期・短期の変動の影響
が大きいと述べた。
2025/05/28 11:28 日経速報ニュース
28日午前の国内債券市場で、長期金利が上昇(債券価格が下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.020%高い
1.495%で推移している。財務省が国債発行計画を見直せば超長期債の需給不安が解消に向かうとして前日に金利が大きく下がって
おり、長期債は利益確定の売りに押された。40年物国債入札の結果を見極めたいとして持ち高調整の売りも出た。
財務省は6月20日に開く国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー、PD)会合を踏まえ、超長期債の発行額を減らすとの観測が
浮上している。発行計画の見直しで金利上昇に歯止めがかかるとして前日には超長期債を中心に利回りが急低下しており、28日は持
ち高調整の動きが広がりやすかった。
財務省は28日、40年物国債の入札を実施する。これまでよりも年限が1年延び、新発18回債として発行する。昨年末に決めた2025年
度の国債発行計画に基づき、発行予定額は今回から5000億円程度とし、前回3月までよりも2000億円減らす。発行計画の見直し観測
で金利上昇が一服していることで、市場では投資家からの一定の需要が確認できる「無難」な結果になるとの予想がある。
もっとも、生命保険会社による規制対応の買いが一巡したことで超長期債は買い手不足が深刻となっている。7月の参院選に向けて
拡張的な財政政策が打ち出されれば国債増発につながるとの懸念も根強く残っており、入札では警戒感もくすぶる。流通市場では、
きょうまで新発となる40年17回債の利回りが前日比0.025%高い3.320%で推移している。
幅広い年限で新発債には売りが優勢だ。中期債では新発2年物国債の利回りが前日比0.015%高い0.745%と4月3日以来およそ
2カ月ぶりの高水準をつけた。超長期債では新発20年債利回りが同0.045%高い2.385%で推移している。
債券先物相場は反落し、中心限月の6月物は前日比42銭安の139円03銭で午前の取引を終えた。
短期金融市場では、無担保コール翌日物金利(TONA)が横ばい圏で推移している。0.469?0.477%で取引され、加重平均金利は
前日の日銀公表値(0.476%)とほぼ同じ水準となっているもようだ。
2025/06/02 05:00 日経速報ニュース
元財務官・元アジア開発銀行(ADB)総裁の中尾武彦氏はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「NIKKEI切り抜きニュース」に出演した。
日米欧で金利上昇が進む背景を分析し、日銀による金融政策の課題や展望を解説した。日本の成長力を高める産業政策についても
持論を述べた。
なかお・たけひこ=元財務官、国際経済戦略センター理事長。財務省国際局長、財務官、アジア開発銀行総裁などを歴任。中尾氏の
インタビューをポッドキャストでお聞きいただけます。
インタビューでは日米関税交渉、日本の財政、プラザ合意の教訓、愛読書などについても聞きました。次の番組サイトでインタビュー
の全容を配信しています。
2025/06/03 09:38 日経速報ニュース
鈴木亮・SBIリクイディティ・マーケット(SBILM)専務 3日の外国為替市場で円相場は1ドル=142?143円で推移しそうだ。
142円台前半の水準をしばらく超えられずにおり、ここに円売り・ドル買い注文が多く集まっているはずだ。節目の142円を上回ると
損失覚悟の円買い・ドル売りが入る可能性がある。円高・ドル安が加速するかどうかは、きょう夕方に控える日銀の植田和男総裁
の講演が重要になるとみている。
日銀は5月に開いた金融政策決定会合の結果と同時に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、成長率や物価の見通し
を下方修正していたが、その後に米中が関税引き下げで合意するなど関税を巡る環境は少なからず改善している。足元では米中の
貿易摩擦への懸念が再燃しているものの、米中がいったん合意したこと自体は市場にとって安心材料になっている。植田総裁は、
前週に日銀本店で開いた国際コンファランスで利上げ継続方針を示しており、その発言内容と同様、きょうの講演でも利上げ継続
姿勢を示せば円相場の支えとなりそうだ。
ユーロは対ドルで約1カ月ぶりの高値を更新した。ドルの売り圧力が強いことの表れだとみている。欧州中央銀行(ECB)は今週
の理事会で7会合連続の利下げを決めることが確実視されている。市場は利下げをすでに織り込んでおり、ユーロ相場への影響は
そこまで大きいものにはならないだろう。
2025/06/03 11:57 日経速報ニュース
日銀の植田和男総裁は3日、参院財政金融委員会に出席した。「(日銀の)財務への配慮のために必要な政策の遂行が妨げられたり、
変わった政策をしたりすることはない」と述べ、金融政策は「あくまで物価安定のために行っている」と強調した。
日本維新の会の藤巻健史氏の質問に答えた。価格変動リスクが相対的に高い上場投資信託(ETF)を日銀が保有しているのは、中央
銀行としての信用を損なわないかとの問いに対しては、植田総裁は「第一義的には物価安定目標を達成することを通じて信用を確保して
いく」と述べた。ETFの保有は「物価安定目標の実現を果たすために必要な政策を行った結果」であると説明した。
2025/06/04 日本経済新聞 朝刊
日銀の植田和男総裁は3日の講演で、金融正常化を進める考えを改めて示した。国債の買い入れについて「市場参加者からは2026年
4月以降も買い入れ額を減らしていくことが適切との声が多く聞かれた」と述べた。日銀は6月の金融政策決定会合で市場の状況を点検した
うえで買い入れ方針を示す。
都内で開かれた内外情勢調査会で講演した。利上げについても「(一時的な要因を除いた)基調的な物価上昇率が2%に向けて高まって
いく姿が実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げる」と表明した。
米国の関税政策に伴う不確実性の高まりによって日本経済は「下押し圧力を受けつつも持ちこたえ、賃金と物価が緩やかに上昇していく
というメカニズムも途切れることはないと見込んでいる」と強調した。
日銀は16~17日に開く金融政策決定会合で国債の買い入れ額を減らす計画について議論する。24年7月に26年3月までの買い入れ
減額計画を定めた際、26年4月以降の買い入れ方針を25年6月の会合で検討し、結果を示すと決めた。
自由な金利の形成を市場に委ねる狙いがある。26年3月にかけて月間の買い入れ額を4半期ごとに4000億円程度ずつ減らしている。
5.7兆円だった減額開始前の購入額は25年6月に4.1兆円、26年1~3月に3兆円にまで圧縮する。購入は続けているものの償還額の
方が大きく、保有国債は徐々に減る。
日銀は5月20~21日に市場参加者から意見を聞いた。植田総裁は講演で「これまでのところ買い入れの減額は、市場の機能度回復と
いう所期の効果を発揮している。26年3月までの現在の減額計画の修正を求める声は限られているようだ」と指摘した。
日銀が保有する長期国債の残高は異次元緩和を解除した24年3月末時点でおよそ580兆円で、市場全体に占める国債の保有割合(
国庫短期証券を除く時価ベース)は53%にのぼった。長期金利の過度な低下や国債の売買が円滑にできないといった弊害が生じている。
植田総裁は日銀の国債保有残高がなお多額との認識を持つ。「市場の機能度を一段と高める努力を続けていくことが重要との認識も、多
くの市場参加者に共有されていたように思う」と発言し、日銀による国債市場への影響力を今後も下げていくべきだとの考えを示唆した。
26年4月以降の買い入れ方針について、一定期間の計画を示す考えも示した。「春先以降の価格変動の経験も踏まえ、引き続き、柔軟
性を確保する仕組みが必要との意見が多かったように思う」と言及し、金利急騰時に機動的に国債を買い入れる今の仕組みを維持する
可能性も示した。
6月会合の焦点は26年4月以降の減額ペースだ。植田総裁は講演で「具体的な減額ペースについてはさまざまな意見があった」と説明
した。市場参加者からは「月の買い入れ額を1兆~2兆円程度まで減らすべきだ」との意見もある。現行の減額ペースを続けるべきだとの
意見も複数あった。
日銀はこれまでの減額の経験を踏まえつつ、市場参加者の意見も参考にしながら次回の決定会合で判断していく構えだ。
講演後には償還までの期間が10年を超える超長期債を中心に金利が急騰していることについて問われ、植田総裁は「市場動向について
は引き続きよく注意してみていく」との言及にとどめた。
超長期の国債市場では買い手が集まりにくくなっている。日銀はこれまで静観を続けているが、市場参加者からは日銀による超長期国債
の買い入れ増額などを望む声も出ている。日銀が計画に柔軟さをどこまで持たせるかという論点は残る。
2025/06/06 05:00 日経速報ニュース
日銀にとって、歴史的な政策の出口作業完了が秒読み段階に入ってきた。かつて金融システム安定策の一環として銀行から買い取った
株式の処分が、早ければ今月、遅くとも来月には終わりそうなのだ。その後の焦点は別途購入した上場投資信託(ETF)の扱いに移るが、
日銀は保有株式の売却とは直接リンクさせずに検討するとしている。
■早ければ今月、遅くとも来月に完了の可能性
5月末で約136億円――。日銀がこのほど公表した株式の保有残高(簿価)である。ここ数年は簿価ベースで月間100億円程度処分する
ケースが多く、150億円を超えた月もあった。株価の混乱がなければ似たようなペースが維持できそうで、遅くとも7月までに残高がゼロ
なりうるとの見方の根拠になっている。
日銀が銀行から株式を買う異例の政策に踏み切ったのは2002年だった。日本の銀行が不良債権処理に苦しんでいた時期で、銀行経営
を株価下落の悪影響から遮断するのが目的だった。いったん04年に終えたあと、09?10年にも買い取った。
中央銀行が民間企業の株式を買う――。日銀の歴史上、異例の行動に世間は驚いた。日銀が損失を被り、円の信認を傷付けるリスクも
心配されたが、結果として起きたことは逆だった。株価回復に伴いかなりの利益を生んだのだ。現行の出口政策が始まる直前の16年3月
末時点で、保有株式の簿価約1兆3000億円に対して、時価は約2兆6000億円。含み益は1兆円を軽く超えていた。
■「企業の自社株買いも追い風に」
16年4月開始の売却は、当初は26年3月までの10年計画だった。前倒しで終わりそうになっているのは、「企業の自社株買いも追い風
になったため」(日銀筋)という。
株の売却が市場混乱の要因にならなかった背景には、日銀が別途巨額のETF購入(10年開始)を実施していた点があるとされたが、
そのETF購入も24年春に終了を決定。日銀はネット(正味)で株の売り手になっているが、株式市場の大きな混乱の原因になったという
話はあまり聞かない。
こうした状況を受け、株式と同程度(売却開始当初の時価を前提にすると、年約2800億円のペース)の売却をETFでも始める可能性が
取り沙汰されてきた。株式売却からETFの出口政策へとリレーする構想だ。
日銀の保有ETF(25年5月末)は簿価約37兆円、時価約74兆円(ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏の推計)と規模が大きい。時価で
年約2800億円ずつの売却だと、期間は200年を大きく超えてしまう計算だが、ETFを手放す姿勢自体に意味があるともいえた。
ただ、日銀の植田和男総裁は最近、ETF処分は「時間をかけて検討する状態」と語った。「株式の売却とETFの処分は別のもの」(日
銀筋)という。
■参院選後の政治情勢にも配慮必要
政界にETFをめぐって単なる市場での売却ではないアイデアがある点も、日銀は考慮しているようだ。これまで一部野党から、ETFを
政府に移管し分配金収入などを政策に活用する案も出てきた。7月の参院選の結果次第で連立政権の枠組み変更(一部野党の与党
化)の可能性もあり、日銀はすぐに売却を始めにくい面もありそうだ。
もっとも、処分開始に時間がかかるなら巨額ETF保有がもたらす企業統治(コーポレートガバナンス)面の副作用への対応が必要になる
との声も日銀OBの間にある。日銀が持つETFは東証プライム市場の時価総額の約7%に相当する。
ETF売却はいずれ始まるのか、そう簡単には始まらないのか。前者ならそれはいつか、後者なら企業統治面の副作用にどう対応する
のか。保有株式の売却完了とともに、ETFの扱いへの関心が一段と強まるだろう。
【関連記事】
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2025/06/09 18:09 日経速報ニュース
9日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは上昇(価格は下落)した。前週末比0.005%高い1.455%
で取引を終えた。5月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回り、前週末に米長期金利が上昇。国内債には売りが優勢
となったものの、超長期債の需給不安が和らぐとの期待感が高く長期金利の上昇幅は限られた。
短期金融市場の無担保コール翌日物金利(加重平均、速報)は横ばいだった。前週末と同水準の0.477%だった。
2025/06/10 11:42 日経速報ニュース 931文字
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10日午前の国内債券市場で、長期金利は上昇(債券価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.010%高い
1.465%をつけた。自民、公明両党が物価高対策として現金給付を参院選公約に盛り込むとの報道を受け、長期債に売りが優勢となった。
一方、財務省が超長期の既発債を買い入れ消却するとの観測は超長期債相場の支えとなっている。
時事通信は10日午前、「自民、公明両党は、物価高対策で現金などの給付を参院選の公約に盛り込む方針で一致した」と伝えた。
現金給付について、税収の上振れ分を活用し、赤字国債を発行しない範囲であれば実施は可能だという指摘はある。だが、将来の
財政悪化につながるとの懸念から長期債には売りが優勢となった。
ロイター通信は9日夕、2025年度国債発行計画の見直しに関し、超長期国債の新規発行分の減額に加えて「過去に発行した低利率
の超長期国債を買入消却する案が浮上している」と報じた。買い入れ消却が実施されれば、超長期債の需給の緩みが解消されるとの
見方は超長期債相場の支えとなっている。
加藤勝信財務相は10日午前の閣議後記者会見で、国債需給の悪化に関し「まずは国債保有者の大半を占める国内での保有をこれ
まで以上に促進していく」との考えを示した。海外投資家なども念頭に「全体的に言えば日銀の国債買い入れ減額が進む中で、幅広
く国債を保有して頂く方を広げていくことが基本だ」とも説明した。市場の反応は限られている。
超長期債の利回りは低下した。新発30年債利回りは前日比0.010%低い2.880%、20年債は0.015%低い2.345%をつけた。新発5年
債は0.015%高い1.035%、新発2年債は横ばいの0.775%で推移している。
債券先物相場は続落し、中心限月の6月物は前日比4銭安の139円13銭で午前の取引を終えた。朝方は13銭高の139円30銭まで
上昇したが、次第に売りに押された。
短期金融市場では、無担保コール翌日物金利(TONA)が横ばい圏で推移している。0.47%台後半で推移し、加重平均金利は前日
の日銀公表値(0.477%)とほぼ同水準となっているもようだ。
2025/06/14 17:00 日経速報ニュース
日銀は2026年4月から国債買い入れの減額ペースを緩める検討に入った。四半期ごとに買い入れ額を4000億円ずつ減らしてきたが
、同2000億円程度と減額幅を半分に縮める案が浮上している。保有国債を減らして市場での自由な金利形成を促す一方、金利急騰
などの混乱が起きないよう配慮する。
関係者間で調整に入った。16?17日に開く金融政策決定会合で議論する。現在0.5%とする政策金利は据え置く見通しだ。
26年3月までの国債買い入れの現行計画は維持する見通しで、さらに26年4月以降の減額計画を決める。日銀内には四半期ごとの
減額幅を現状の4000億円から2000億円程度に圧縮する案が浮上しており、過半の政策委員が支持するとみられる。
日銀は24年8月に国債買い入れの減額を始め、事実上の量的引き締め(QT)局面に入った。同年7月時点で月額5.7兆円だった買い
入れ額は26年1月に2.9兆円に減る。26年4月から四半期につき2000億円ずつ減額した場合、27年1月以降の買い入れ額は月額2.1兆
円程度になる方向だ。
日銀は13年から異次元緩和を始め、量的緩和(QE)の一環で大量の国債を買い入れた。16年9月に導入した長短金利操作(イール
ドカーブ・コントロール、YCC)でも長期金利を低く抑えるため国債を購入してきた。
24年3月に異次元緩和を解除し、国債買い入れを金融政策の手段から外した。同年8月からは買い入れを減らし、過去に買い入れた
国債が満期を迎えて償還となることで保有国債の削減も進めている。
24年12月末時点で国債発行残高の52%となる約560兆円を日銀が保有する。QTのペースが緩やかなことから日銀内には「保有残高
が多すぎる」との声がある。
4月以降に超長期債の利回りが急上昇し、市場では需給悪化懸念が強まった。市場では日銀の買い入れ減額が金利上昇の一因に
なっているとの見方もある。日銀は保有残高の削減を継続しつつ、減額のペースを調整することで市場への配慮を示す考えだ。
【関連記事】
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・日銀、国債買い入れ減額を継続へ 26年4月以降
・日銀の26年度国債買い入れ、会合結果を元理事と解説 17日生配信
伊藤純夫
2025年6月17日 12:31 JST 更新日時 2025年6月17日 12:41 JST
日本銀行は17日の金融政策決定会合で、2026年4月から国債買い入れの減額幅を圧縮することを決めた。金融政策は据え置いた。
来年4月以降の新たな国債買い入れの減額計画によると、毎四半期の減額幅を現在の計画の4000億円程度ずつから2000億円程度
ずつとする。27年1-3月期の月間の国債買い入れ額は2兆円程度となる。来年6月の決定会合で中間評価を行う。田村直樹審議委員は
反対した。
長期金利が急激に上昇する場合は、買い入れ額の増額など機動的にオペで対応し、必要な場合は計画の見直しがあり得るとする方
針は維持した。月間買い入れ予定額を昨年7月の5.7兆円程度から毎四半期4000億円程度ずつ減らし、来年1-3月に2.9兆円程度と
する現行計画も据え置いた。
Bank of Japan Governor Kazuo Ueda News Conference After Rate Decision
日本銀行本店Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
会合では金融政策運営とともに、昨年7月に決めた現行の国債買い入れ減額計画の中間評価と来年4月以降の買い入れ方針を議論。
市場予想におおむね沿った決定となった。日銀は来春以降も購入規模の縮小を進めていく中で、国債市場が不安定化する可能性に配慮
した形だ。
ブルームバーグが3-10日に実施したエコノミスト調査によると、来年4月以降は減額ペースが鈍化するとの予想が65%を占め、減額幅
は2000億円が最多の40%、次いで3000億円が25%となっていた。55%が新計画の終了後の月間買い入れ額が2兆円程度になると回答
していた。
金融政策
金融政策運営は、政策金利である無担保コール翌日物金利が0.5%程度で推移するように促す金融市場調節方針を据え置くことを全員
一致で決定した。エコノミスト調査では、トランプ米政権の関税政策の影響を見極める必要があるとし、全員が政策維持を予想していた。
日銀が金融政策を据え置くのは3会合連続。前回の5月1日の会合以降に米中関税協議の合意など前向きな動きも見られたものの、
引き続き関税を含むトランプ政権の政策の不透明感は強い。中東情勢の緊迫化も世界経済のリスクを高めており、植田和男総裁の記者
会見での発言内容に注目が集まっている。
カナダを訪問中の石破茂首相は16日午後(現地時間)、トランプ米大統領と首脳会談を行った。日本側は今回の会談での合意を模索
していたが、双方の溝は埋まらず、協議継続を確認するにとどまった。
2025/06/17 13:10 日経速報ニュース
17日午後の国内債券市場で、長期金利が上昇幅を広げている。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.020%高い(価格は
安い)1.465%をつけた。午前は1.450%で推移していた。日銀は17日まで開いた金融政策決定会合で2026年4月以降に国債買い入れ
の減額ペースを緩めると決定。今年7?9月の国債買い入れオペ(公開市場操作)では中長期ゾーンの購入を減らすと明らかにし、長期
債に売りが増えた。
日銀は17日、政策金利を現行の0.5%程度で維持すると決めた。国債買い入れの減額ペースについては26年1?3月までは四半期ご
とに4000億円程度、26年4?6月以降は同2000億円程度にすると発表し、市場予想に沿った結果となった。
もっとも、あわせて公表した国債買い入れオペの運営方針では25年7?9月は残存期間「1年超3年以下」と「3年超5年以下」「5年超
10年以下」で月間購入額を計4000億円を減らし、超長期ゾーンは維持した。市場では「超長期と比べ中長期債の需給は緩みやすくなる」
(国内証券のストラテジスト)と受け止められ、長期金利の上昇圧力となった。
流通市場では中期債にも売りが増えている。新発5年物国債の利回りは前日比0.010%高い1.025%をつける場面があった。債券先物
は売られ、中心限月である9月物は138円69銭と前日から24銭下落する場面があった。
短期金融市場では、現金担保付き債券貸借(レポ)金利が低下した。日本証券業協会がまとめた東京レポ・レートで、翌営業日に始まる
翌日物(トムネ)金利は前日比0.002%低い0.483%だった。
2025/06/18 11:20 日経速報ニュース
18日午前の国内債券市場で、長期金利は低下(債券価格は上昇)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.030%低い
1.445%をつけた。中東情勢が緊迫していることへの警戒感から前日の米国債相場が上昇し、国内債に買いが及んだ。米経済指標が
米景気の減速も意識させ、債券相場の支援材料となった。
17日に米長期金利の指標となる10年物国債利回りが低下した。トランプ米大統領が同日、SNSでイスラエルと軍事衝突しているイラ
ンに無条件降伏を要求した。米軍によるイラン核施設への攻撃を検討しているとの米メディアの報道もある。17日発表の5月の米小売売
上高が前月比で市場予想以上に落ち込んだのもあり、相対的に安全な資産とされる米国債に買いが波及した。
日銀は17日まで開いた金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定した。会合後に記者会見に臨んだ植田和男総裁は、今後
の利上げ判断に関して「(実績値を示す)ハードデータが今後どうなっていくかをみたい」などと述べ、通商政策を巡る先行きの不透明感
も強調した。市場では、日銀が金融引き締めに消極的だとの受け止めが広がり、金利の押し下げ圧力につながった。
新発2年債利回りは前日比0.015%低い0.735%、新発5年債は同0.015%低い0.995%、新発20年債は同0.015%低い2.385%をつけた。
債券先物相場は反発し、中心限月の9月物は前日比33銭高の139円00銭で午前の取引を終えた。
短期金融市場では、無担保コール翌日物金利(TONA)が横ばい圏となっている。0.47%台後半で推移し、加重平均金利は前日の
日銀公表値(0.477%)とほぼ同水準になっているようだ。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
2025/06/20 10:24 日経速報ニュース
日銀は20日、4月30日?5月1日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。複数の委員は、中心的な見通しのもとでは
「基調的な物価上昇率が『物価安定の目標』とおおむね整合的な水準で推移するようになる時期は、従来の見通しから1年程度、後
ずれする」との見方を示した。
ある委員は、各国の通商政策の結果「サプライチェーンが混乱するようなことがあれば一時的には物価を押し上げる可能性があるが
、混乱が長引けば企業収益や賃金への下押し要因として働き、基調的な物価上昇率を押し下げる要因として作用する可能性がある」
との見解を示した。
これに関連し、一人の委員は先行きの賃上げ気運を維持していくためには「本年の冬季賞与や来年の賃上げに向けて、企業経営者
がどのようなメッセージを打ち出していくかが重要なポイントになる」と指摘した。
一人の委員は、関税の賦課は短期的な価格ショックと考えることもでき「長期的には実質的な効果を持たないとの理論上の結論は
ありうる」として、現時点では「やや長い目でみれば、関税政策とその不確実性が基調的な物価上昇率や潜在成長率に影響を与え
るとはみていない」との認識を示した。
2025/06/25 12:15 日経速報ニュース
日銀の田村直樹審議委員が、金融引き締めに積極的な「タカ派」姿勢を崩していない。25日に福島県金融経済懇談会で挨拶し、
物価上振れリスクが高まった場合は「不確実性が高い状況にあっても、果断に対応すべき場面もあり得る」と述べた。米関税政策
を巡る不透明感が強い中でも、金融政策の正常化に踏み込むべき時はあると踏み込んだ。
田村氏は今回の懇談会で、2%の物価安定目標は「実現時期が前倒しとなる可能性も十分にある」と説明した。日銀は基調的な
物価上昇率について、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」の見通し期間後半に物価目標とおおむね整合的な水準で推移する
との見方を示している。田村氏は「物価の上振れリスクにも留意する必要がある」と指摘。その上で「経済・物価情勢の改善に応じて
早すぎず遅すぎず、適時適切に政策金利を引き上げる」のが基本的な考え方だとした。
日銀の政策正常化への歩みに影を落としているのが米関税政策だ。日本と米国との関税交渉は決着していない。米相互関税の
上乗せ部分の適用停止期限である7月9日が迫るなかで交渉がどこまで進むかが焦点だが、東京海上アセットマネジメントの海老原
慎司チーフ債券ストラテジスト兼グローバル金利運用グループリーダーは「不透明感が増している」と指摘する。
4月時点の展望レポートは、米関税政策について一定の前提を置いた上で、1月時点の経済・物価見通しが下方修正された。
田村氏は関税政策についてリーマン・ショックやコロナ禍といったレベルでの「大きなショックにつながるとは見込んでいない」とした
上で「景気の『減速』という範疇(はんちゅう)で持ちこたえられるというのがベースシナリオ」との認識を示した。関税政策の先行きや
影響は見通しづらいものの「企業の賃金・価格設定行動が、賃金・物価が上がりにくかった以前の状況に戻っていくリスクは小さい」という。
総務省が20日発表した5月の全国消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除く総合が前年同月比3.7%と市場予想(3.6%)を上回り、
上昇率が2年4カ月ぶりの高さとなった。田村氏はCPIについて「4月、5月のデータは想定よりも上振れている」と評価し、企業や
家計の予想物価上昇率は「すでに2%程度に達していると捉えている」として一段と上振れないか「注意が必要」だとも指摘した。
田村氏はかねて「少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げる」のが必要との考えを示しており、前回2月の長野県での懇談会
では1%程度までの利上げが必要な時期を「25年度後半」としていた。今回はこうした言及はなかったものの、市場でささやかれる
政策金利「0.5%の壁」との言説に対し「0.5%に壁があるとは感じていない」と明言した。状況次第で利上げを積極的に進めるべきだ
との考えに変わりはないようだ。
2025/06/25 14:56 日経速報ニュース
日銀の田村直樹審議委員は25日、福島県金融経済懇談会後に記者会見を開いた。中立金利は「最低でも1%程度だろう」との
見方を改めて示した上で、今後の金融政策運営について「1%を念頭において、物価目標の実現確度の高まりに応じて適時かつ
段階的に短期金利を引き上げ、経済物価の反応を点検しながら運営する」ことが重要と述べた。現在の実質金利は「大きなマイ
ナス」で「緩和的な金融環境のまま」との見方も示した。
日銀の国債保有残高の水準については「可能な限り早く正常化すべきだ」と話した。田村氏は17日まで開いた金融政策決定
会合で、月間の国債買い入れ予定額を巡り2026年4?6月期以降は毎四半期2000億円程度ずつ減額するとの計画に反対票
を投じていた。 この点について、日銀と基本的な考え方が異なるわけではないとした上で「少しでも早く(国債保有を減らす)か、
市場の安定に配慮するかの総合的な判断の違いだ」と述べた。
2025/07/03 18:01 日経速報ニュース
日銀が市中からマネーを引き揚げる「量的引き締め(QT)」を実質的に強め始めた。7月から市場参加者に貸し出していた国債を要望に
応じて買い取らせる。通常のQTとは別に、市中から資金を吸収する「隠れQT」で、最大1兆5000億円と規模が大きい。市場に出回る長期
国債が増え、長期金利には上昇圧力となる可能性がある。
2日夕に日銀が公表した「当座預金増減要因」で「隠れQT」の開始が判明した。日銀は、市場取引を円滑にするために「国債補完供給」
という制度で市場参加者に国債を貸し出している。この項目で、日銀が事前に公表した予測値と2日夕に示した速報値に1900億円のずれ
が生じた。国債を借りた証券会社などがそのまま返さずに買い取ったことを意味する。
日銀は6月の金融政策決定会合で市場参加者が国債を買い取る「減額措置」の利用促進を決めた。長期金利を一定の水準以下に抑え
込むイールドカーブ・コントロール(YCC)で買い占めた国債に関しては、各銘柄の市場残高が1.5兆円に達するまでは要求に応じて原則とし
て売却する。開始日は7月1日の国債補完供給からとしており、初日に買い取りを要望する市場参加者が現れた。
日銀はこの措置の狙いについて「国債市場の流動性を改善する」と説明する。日銀はYCCで大量の国債を吸い上げ、市場は国債不足と
なった。不足を解消するため貸し出してきた経緯があり、流動性確保のために買い取ってもらう。野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利
ストラテジストは「市場の取引が活発化することで、長期金利がフェアバリューを探りやすくなる」とみる。
一方で、QTを加速する「副作用」も持つ。
QTは日銀が保有する国債を減らすことを意味する。日銀が国債を買い入れると、購入代金が民間金融機関の当座預金に積み上がり市場
にマネーを供給する。反対に、買い入れた国債を償還や売却によって減らすと、その分のお金を市場から日銀が吸い上げることになり、金融
引き締めの効果が出る。
日銀はQTにおいて現在、四半期に4000億円ずつ国債の購入量を減らしている。国債の買い入れによる保有額増加と、満期を迎えた国債
が償還される分の差し引きで保有量を徐々に落とす。
7月に始まった市場関係者の国債買い取りでは、満期を迎える前の国債でも日銀の保有を減らせると言う点で、より積極的な措置になる。
モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一マクロストラテジストは「事実上の売りオペ(公開市場操作)に等しい」と指摘する。
6月末時点で日銀が保有する国債を見ると、売却の対象となるのは2021?23年に発行された10年債の6銘柄となる。各銘柄の市場残高が
1.5兆円に達するまで日銀が保有国債を売却する場合、計1兆4800億円の国債売却枠が存在する計算になる。
日銀は売却上限を月2000億円としている。既に7月の売却枠はほぼ全て利用されたもようだ。少なくとも年内は日銀の国債買い入れ減額に
2000億円の実質的な「売りオペ」が保有国債の減少圧力として加わる格好になる。
市場では長期金利を含めた10年ゾーンの金利上昇圧力として意識される。このゾーンはYCCの元で過度に金利が低く抑え込まれ、イールド
カーブもゆがんでいる。このゆがみが是正されればイールドカーブ全体の変動が落ち着き、特に3月以降に動揺が目立った超長期債の買いや
すさにつながる可能性もある。
YCCの下では一部の銘柄で日銀が発行額以上の金額を買い占めるなど、金利上昇圧力に対抗して異例の規模で国債を買い支えた。1.5兆
円の「隠れQT」は正常化を進める日銀が避けては通れないYCCの「後始末」と言える。
(佐伯遼)
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・20年債は月2000億円減額 超長期債発行、異例の期中見直し
・いま必要な経済対策とは、食品の消費減税は非効率な手法 小峰隆夫氏
・日銀審議委員に増一行氏就任 利上げ判断は「米関税の動向見たい」
2025/07/04 日本経済新聞 朝刊
日銀の高田創審議委員は3日の記者会見で、米国の関税政策を巡り「大きな影響が起きているということではないが、警戒モードは
現段階では残っている」と述べた。利上げを継続する姿勢を強調したものの、当面は様子見期間になるとの認識も示した。
米国経済に関し、関税に加えて減税や規制緩和といった成長にプラスになる政策の動向も注視する考えだ。米国次第で金融政策の
様子見の期間の長さが変わってくるためだ。「関税が到来するという見込みに対して5月に経済・物価の見通しを引き下げた。想定が
変わればおのずと見通しも変わってくる」と説明した。
年内に利上げする可能性があるか問われ、「可能性はあるのかもしれないし、ないのかもしれない」と話した。一方で今の段階で関税
に伴う不透明感がすぐに晴れる状況ではないとの見方も示した。
同日、津市で開いた金融経済懇談会で講演した。講演では日銀が掲げる2%の物価安定目標の実現が「目前に迫りつつある」と主張
した。もっとも、経済の不確実性は残っていることから、会見では目標達成について「投資計画など企業の行動を踏まえて判断しなければ
ならない。いましばらく見極めが必要だ」と語った。
2025/07/04 日本経済新聞 朝刊
先月の金融政策決定会合において、日銀は来年度から毎月の長期国債買い入れ額を四半期ごとに2千億円ずつ減らしていくことを
決定した。従来は四半期ごとに4千億円の減額だったから、減額ペースのスローダウンである。この結果、日銀が保有する国債の減少
ペースも遅くなる。
周知のように、黒田東彦総裁時代の異次元緩和で国債大量購入を進めた結果、国債発行残高の過半を日銀が持つに至った。その後、
物価上昇率が日銀の目標2%を超えて、金融政策の正常化が進められる中、日銀の保有国債圧縮が昨年から始まっていたが、その
勢いを少し緩めようという決定である。
背後には、今年の春に30年物などの超長期国債の利回りが急上昇するという事件があった。その一因として、日銀の過剰な国債保有
によって市場の厚みが失われ、国債の値動きが荒くなった可能性が指摘されている。
この問題にどう対処するかの答えは簡単ではない。国債の値崩れを防ぐことを重視するなら、日銀の国債買い入れを増やせばいい
。しかし、そうすると日銀の国債保有残高はなかなか減らず、市場の流動性不足が長引いてしまう。今回の日銀の決定は長い目でみた
副作用の解消よりも、目先の相場の安定を選んだことを意味する。
日銀の決定に続き、財務省は今年度の国債発行について、超長期債の発行を減らして短期債の発行を増やす見直しを行った。実は、
日銀が長期金利を抑制している時期に、財務省は将来の金利負担を減らすため超長期債の発行を大幅に増やしていた。
今でも、これから長期金利が上昇すると考えるならば、超長期債を多めに発行するのは合理的である。しかし、財務省もやはり目先の
相場安定を重視したのだろう。
昨年末に公表された「多角的レビュー」で、日銀は大規模金融緩和について「現時点では経済に対してプラスの影響」と評価しつつも「
今後、マイナスの影響が大きくなる可能性」を指摘した。国債市場の流動性不足はまさにマイナスの影響が顕在化しつつあることを示して
いる。
いまだ方針すら何も示されていない上場投資信託(ETF)の処理なども考えると、異次元緩和の後始末は前途遼遠(りょうえん)と言わ
ざるを得ない。(希)
2025/07/10 13:21 日経速報ニュース
10日午後の国内債券市場で、長期金利が一段と低下(債券価格が上昇)した。指標となる新発10年物国債利回りは午後に
前日比0.020%低い1.485%をつけた。午前は1.495%で推移していた。投資家の需要が集まらないと警戒されていた20年物
国債入札を「無難」に終えたのを受け、安心感から長期債にも買いが増えている。
財務省が10日実施した20年債(新発193回)入札では、最低落札価格が100円05銭と日経QUICKニュースがまとめた市場
予想の範囲(100円00?15銭)にとどまった。小さいほど好調な入札とされる落札価格の平均と最低の差(テール)は18銭と
1月以来の小ささとなった。今回から発行額が2000億円減り「需給が改善するとの期待感があった」(国内証券の債券ストラ
テジスト)といい、市場では「無難」な結果と評価された。
債券先物相場は小幅ながら上昇に転じている。中心限月である9月物は前日比1銭高の138円70銭で午後の取引を始めた。
20年債入札の結果が明らかになると138円81銭まで買われ、この日の高値をつける場面があった。
短期金融市場では、現金担保付き債券貸借(レポ)金利が上昇した。日本証券業協会がまとめた東京レポ・レートで、翌営業
日に始まる翌日物(トムネ)金利は前日比0.002%高い0.491%だった。
2025/07/14 08:49 日経速報ニュース
2025/07/15 09:04 日経速報ニュース
2025/07/15 09:21 日経速報ニュース
15日朝方の国内債券市場で、長期金利が大幅に上昇(債券価格が下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは一時
、前日比0.020%高い1.595%と2008年10月以来およそ16年9カ月ぶりの高水準をつけた。米インフレ再加速への警戒感から
14日に米長期金利が上昇(債券価格は下落)し、国内債券にも売りが出た。20日投開票の参院選をめぐり、日本の拡張的な
財政政策が意識されていることも引き続き相場を下押ししている。
米関税政策をめぐり、トランプ米大統領が交渉中の各国に対し強硬的な姿勢で臨むことが意識されている。14日にはロシアに
対して「ウクライナとの停戦合意が50日以内に達成されなければ非常に厳しい関税を課す」と述べ、ロシアの貿易相手国に100%
の「2次関税」をかける構えを示した。高関税が米国のインフレにつながるとして米連邦準備理事会(FRB)の利下げが遠のくとの
見方が広がった。
参院選で与党が過半数を割り込めば、拡張的な財政政策がとられるとの懸念もくすぶっており、債券相場の重荷となっている。
債券先物相場は軟調だ。中心限月の9月物は前日比1銭安の138円05銭で寄り付き、その後137円91銭まで下げ幅を広げた。
短期金融市場では無担保コール翌日物金利(TONA)先物が下落している。大阪取引所では中心限月である9月物が前日の
清算値と比べて0.0050安い99.4425をつけた。
2025/07/15 10:11 日経速報ニュース
佐野一彦・東海東京証券チーフ債券ストラテジスト 長期金利が大幅に上昇した背景には日銀の年内追加利上げ観測が再び高まって
きたことがある。変動金利を無担保コール翌日物(TONA)として固定金利と交換する翌日物金利スワップ(OIS)市場から算出できる
年内の利上げ確率は足元で5?6割へじわりと上がってきている。
日銀が今月30?31日に開く金融政策決定会合の結果とあわせて公表する7月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、物価
見通しを上方修正するとの観測が高まっている。足元の円安進行もあり、現時点では9月会合での利上げを予想している。
参院選をめぐり、与党が過半数を割り込めば消費減税など拡張的な財政政策がとられるとの思惑も市場で高まっている。参院選を前
に投資家が金利リスクをとることに慎重になり、買いが手控えられていることに加え、財政拡大は景気と物価上昇率のいずれも押し
上げるとの見方もあるようだ。新発10年物国債利回りは一時1.595%と2008年10月以来の高さをつけたこともあり、いったんは持ち高
調整目的の買いなどが入り、上昇は一服するだろう。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-07-14/SZD5TODWX2PS00?srnd=cojp-v2
2025/07/16 日本経済新聞 朝刊
15日の金融・資本市場で日本国債や円が売られた。長期金利(総合2面きょうのことば)はリーマン・ショック直後以来の高水準をつけた。
参院選後の政策運営の見通しにくさや財政悪化への懸念が強まった。
長期金利の上昇(債券価格の下落)は住宅ローン金利の上昇や国債・社債利払いの増加を通し、家計や政府・企業の負担が膨らむ要因
となる。
長期金利の指標である新発10年物国債利回りは15日、一時前日比0.02%高い1.595%まで上昇した。2008年10月以来、17年
ぶりの高水準をつけた。
15日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで一時、4月3日以来約3カ月ぶりに1ドル=149円台まで下げた。
20日投開票の参院選は終盤に入った。序盤に比べ、自民党は野党との接戦区が増えており、議席数を減らすのではとの警戒が浮上し
ている。岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは「選挙後に(与野党で)どういう連携が図られていくのか見通せず、投資家は
警戒せざるを得ない」と分析する。
15日は財政リスクをより反映しやすい超長期債も売られた。新発30年債利回りは一時前日比0.03%高い3.200%と、発行以来の
最高を更新した。20年債利回りも一時0.04%高い2.650%と、1999年11月以来の高水準をつけた。
参院選を巡っては、与野党が物価高対策として給付金や消費税減税を主張し競い合う。財政拡張的な政策が目立ち、財政悪化への懸
念が現実味を帯びつつある。
政策運営の不透明感が高まる中で、投資家は積極的な債券買いに動きづらい。SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは「国内
勢と比べ相対的に格下げリスクに敏感な海外勢が過剰に反応する可能性がある」と指摘。長期金利は1.7%程度まで上昇する余地が
あるとみる。
長期金利の上昇は政府の利払い費の膨張だけでなく、家計や企業の負担も増やす。固定型の住宅ローン金利は長期金利を指標にする。
長期金利の上昇基調が7月下旬まで続いた場合、メガバンクやインターネット銀行の固定金利は8月に上昇する見込みだ。3500万円を
35年固定金利で借りるケースでは金利1.8%が2%になると、総返済額が150万円程度増える。
企業の資金調達コストも押し上げられそうだ。社債の利率は、発行時の国債利回りを基準に決める。東日本高速道路(NEXCO東日本)
が7月に発行した10年物社債の表面利率は1.77%。24年7月に発行した10年物に比べ0.58%高くなった。発行体が金利負担の
膨張を避けるために設備投資などを抑えれば、景気の下押し要因となる。
円安は幅広い通貨に対しても進んでいる。15日の東京市場で、通貨の実力を総合評価する日経通貨インデックス(2020年=100)の
円は74.2と、2月13日以来の円安水準を付けた。対ユーロでも1ユーロ=172円台後半と24年7月以来の円安水準を更新した。
日本株も上値が重い。三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは「選挙後の政治の不安定化と財政赤字拡大による国債の
格下げリスクを見据え、円売り、株売りを伴うトリプル安に向けた素地が整いつつあるようにみえる」と話す。
2025/07/16 13:15 日経速報ニュース
16日午後の国内債券市場で、長期金利が一段と上昇(価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.010%
高い1.595%をつけた。午前につけた1.590%から小幅ながら上昇幅を広げた。参院選を巡り、与野党による財政拡張的な政策の
主張が目立っている。財政が悪化するとの見方から国内債が売られやすくなっている。
米金利の上昇も国内債の売りにつながっている。前日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の伸びが加速
した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げが遠のいたとの見方や米国の関税政策がさらにインフレを加速させるとの思惑もあり、
前日の米長期金利が上昇した。金利水準は日本時間16日の取引でも高止まりしており、国内の債券売りに波及している。
現物債では、新発5年物国債の利回りは前日比0.015%高い1.095%と4月上旬以来の高水準で推移している。
半面、このところ利回り上昇が目立っていた超長期債には割安感からの買いがまとまった規模で入った。新発30年債は同0.050%
低い3.135%、新発40年債は同0.110%低い3.400%をつけた。
先物相場は軟調だ。中心限月である9月物は前日比17銭安の137円75銭で午後の取引を始めた。
短期金融市場では、現金担保付き債券貸借(レポ)金利が低下した。日本証券業協会がまとめた東京レポ・レートで、翌営業日に
始まる翌日物(トムネ)金利は前日比0.003%低い0.486%だった。
2025/07/24 16:05 日経速報ニュース
日銀は30?31日に金融政策決定会合を開く。日経QUICKニュース社が金融政策を分析する「日銀ウオッチャー」を対象に18?23日に
実施したアンケートによると、回答した全28人が政策の「現状維持」を決めるとの予想で一致した。
トランプ米大統領は22日、日本と関税交渉で合意したと発表した。8月1日に発動される相互関税の税率は予定された25%から15%
に引き下げられた。想定より妥結が早く、税率も低いと受け止められ、投資家の運用リスクを取る姿勢は強まっている。
もっとも、日米合意が7月会合での利上げ判断につながるとの見方は乏しい。野村証券の森田京平チーフエコノミストは「関税が
もたらす日本経済・物価への影響、参院選後の政権および連立与党の枠組み、給付金や消費税減税など財政政策の展開など、
重層的な不確実性に直面している」として、日銀は金利を据え置くと予想する。
■次の利上げ 日米合意で前倒しも
次の利上げ時期を聞いたところ、「26年1月」までに利上げがあるとの予想は計25人と、回答全体の約9割を占めた。そのうち年内
の追加利上げを見込むウオッチャーは15人で、「25年10月」が9人と多かった。みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは
「サービス価格の『期初の値上げ』や賃金動向を、全国規模で確認できる日銀支店長会議が開催され、さらにその結果を展望リポート
(経済・物価情勢の展望)に反映できる『10月会合』が追加利上げを検討しやすいタイミングだ」と指摘する。
「26年1月」は10人が予想した。年内の追加利上げが難しい理由として「(米関税が8月から適用されるなら)実体経済への影響確認
には最低でも数カ月を要する」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジスト)との声があった。「日本の政
局運営など、不確実性の高い状況がしばらく続くため、年内の利上げは難しい」(楽天証券経済研究所の愛宕伸康所長兼チーフエコ
ノミスト)など、政治情勢の先行きに不透明感が強まるなかで日銀は慎重に判断せざるを得ないとの意見が聞かれた。
日米交渉の合意を受け、追加利上げの予想を前倒しするウオッチャーもいた。バークレイズ証券の馬場直彦チーフ・エコノミストは
「26年1月」から「25年10月」に、大和証券の山本賢治チーフエコノミストらは「26年1月」から「25年12月」に見直した。
2025/07/25 04:30 日経速報ニュース
日経QUICKニュース社が金融政策を分析する「日銀ウオッチャー」を対象にこのほど実施したアンケートでは、今回の利上げ局面での
ターミナルレート(政策金利の最終到達点)が「1%」になるとの予想が、有効回答を寄せた26人中10人で最多だった。次いで「1.5%」と
の予想が6人で、回答者の8割が政策金利が1%に到達すると見込んだ。
到達点を「1%」と回答したSMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、米国の関税で企業の生産拠点が日本国内から
海外に移転するなどして「日本経済のフロンティアを減じるリスクが生じている」として、関税の問題が生じる前に比べて「ターミナルレート
が幾分切り下がる可能性は高い」と指摘する。
JPモルガン証券の藤田亜矢子チーフエコノミストは「景気サイクルが続く限り、日本のインフレは高止まりを続ける」と評価。利上げの
到達点は1.5%としつつも「景気サイクルが長期化すれば2%程度までの利上げも十分に想定しうる」とみる。一方、「グローバル・リ
セッションが訪れるため、0.75%以上の利上げは難しい」(東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト)との声もあった。
■与党敗北の参院選、日銀への影響有無の見方分かれる
20日投開票の参院選では、自民、公明両党が非改選議席を合わせて過半数を確保できなかった。2024年10月の衆院選、25年6月
の東京都議選に続く敗北となり、石破茂首相の退陣は不可避だとの観測がある。
ウオッチャーに参院選の結果が日銀の金融政策運営に影響するかを聞いたところ、「影響する」と答えたのは28人中14人だった。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎・主席研究員は「与党の過半数割れは利上げを妨げる直接的な要因ではない」と
したうえで、野党からの歳出拡大圧力や減税要求を受けて長期金利が上昇すれば、「(政策運営の)かじ取りが難しくなる」とみる。
クレディ・アグリコル証券の会田卓司チーフエコノミストは「(石破首相が退陣すれば)積極財政に加えて、高圧経済の方針が加わり、
日銀の利上げペースに後ずれの影響が及ぶ」と語る。
一方、「影響しない」も14人だった。UBS証券の足立正道チーフエコノミストは、政局の動きには注意を要するとしつつも「すぐに政権
交代や連立見直しが進むとはみておらず、金融政策への圧力が高まることはない」と予想する。みずほリサーチ&テクノロジーズの
井上淳上席主任エコノミストは「日銀は景気動向を見極めるため様子見を継続する」として、選挙結果は政策に影響しないとした。
日銀は31日に「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。日銀ウオッチャーに実質国内総生産(GDP)成長率や消費者
物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)の予想を尋ねた。25年度のGDP成長率の予想は24の有効回答のうち、「プラス0.4%」と
「プラス0.5%」がそれぞれ7人と多かった。25年度のコアCPIは「2.5%上昇」が8人で最多だった。CPIについては「食料価格の高止まり
が長引いていることもあり、日銀は25年度と26年度の物価見通しを上方修正するだろう」(農林中金総合研究所の南武志・理事研究員)と
の見方があった。
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/S6MZP4GCMBJJNPBLLWKSJVKTVQ-2025-07-25/
2025/07/29 09:58 日経速報ニュース
29日午前の国内債券市場で長期金利が小幅に上昇(債券価格が下落)した。指標となる新発10年物国債利回りは前日比0.005%
高い1.565%をつけた。米国と欧州連合(EU)の貿易交渉合意で投資家心理が改善し、相対的な安全資産とされる米国債が売られて
28日の米長期金利が上昇し、国内債にも売りが波及した。日銀の金融政策決定会合を30?31日に控え、持ち高調整の買いは相場
の支えになっている。
伊藤純夫
2025年7月31日 11:58 JST 更新日時 2025年7月31日 12:32 JST
日米関税合意は「前向きな動き」、不確実性は高い状況が続いている
2%物価目標達成時期は変わらず、見通し実現なら利上げで緩和調整
日本銀行は31日の金融政策決定会合で現状維持を決めた。最新の経済・物価見通しでは、2025年度から27年度までの消費者物価
(生鮮食品を除くコアCPI)の上昇率を引き上げ、リスクバランスも中立に修正した。
政策金利の無担保コール翌日物金利が0.5%程度で推移するよう促す金融市場調節方針を据え置くことを全員一致で決定した。
1日に就任した増一行審議委員が初めて参加した。政策維持は4会合連続。ブルームバーグが16-22日に実施した調査では、
今会合で追加利上げを予想するエコノミストはいなかった。
経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、25年度のコアCPI見通しを2.7%上昇と、5月に公表した展望リポートの2.2%上昇から
上方修正した。26年度と27年度も、それぞれ1.8%、2.0%に引き上げた。実質国内総生産(GDP)見通しは25年度を0.6%増
に上方修正した。
物価見通しのリスクは「おおむね上下にバランスしている」に修正した。従来は25年度と26年度は「下振れリスクの方が大きい」として
いた。経済見通しは、25、26年度について「下振れリスクの方が大きい」との評価を変えなかった。
トランプ米政権の関税政策を巡り、日本への関税率が自動車・同部品を含め15%で合意したことなどを受け、経済・物価見通しと
リスクバランス、物価目標実現シナリオの変化が注目されていた。今回の結果は、市場の早期利上げ観測を高める可能性がある。
展望リポートでは、米関税政策を巡って日米間の交渉が合意に至るなど「前向きな動きが見られている」と評価。各国の通商政策
などの今後の展開やその影響を巡る不確実性は「高い状況が続いている」とし、従来の「極めて」との文言を削除した。
日銀の会合結果発表後、東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=148円59銭まで上昇幅を拡大する場面があった。発表直前
は148円80銭台で推移していた。
25-27年度までの見通し期間後半には、消費者物価の基調的な上昇率が「物価安定の目標とおおむね整合的な水準で推移する」
とのシナリオを維持した。政策運営については、見通しが実現していけば、「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を
引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」方針を改めて示した。
[東京 5日 ロイター] - 日銀が6月16―17日に開いた金融政策決定会合では、利上げの再開を意識した発言が多くの委員
から出ていたことが明らかになった。複数の委員が、堅調な賃金や若干上振れ気味の物価を念頭に
置けば「通商問題が穏当なかたちで推移する見通しになってくれば、現在の様子見モードから脱却し、利上げプロセスの再開を
考えることになる」との見方を示していた。国債買い入れ額の着地点やバランスシートの望ましい規模感を巡る議論も展開されていた。
日銀が5日、決定会合の議事要旨を公表した。日銀は6月の決定会合で、全員一致で政策金利の据え置きを決めた もっと見る 。
決定会合では、不確実性の高さを踏まえれば当面は利上げを休止する局面だが「米国の政策動向によって、再び利上げ局面へ
回帰する柔軟かつ機動的な対応も求められる」(1人の委員)といった声も出された。ある委員は、インフレが想定対比上振れて
推移する中で「たとえ不確実性が高い状況にあっても、金融緩和度合いの調整を果断に進めるべき局面もあり得る」と述べた。
こうした意見に対して、別のある委員は、経済の先行き不確実性は非常に高く、下方リスクの厚い状況が続いていると指摘。「
企業業績や日米通商交渉の方向性が見えてくるのはまだ先であり、政策金利は当面、現状の水準を維持することが適当」と述べた。
経済を巡り、複数の委員が、不確実性は依然として高いものの「米国の関税政策に伴う経済の減速圧力は、前回会合時点
で想定していたほど強くない可能性がある」との見方を示した。物価については、何人かの委員がコメなどの食料品価格の
上昇を主因に前回展望リポートの見通しに比べて「強めの動きとなっている」と指摘した。
<保有国債の減少早く進め、「相応規模の量的緩和の余地を」との声>
決定会合では、国債買い入れの減額計画が議論された。2026年3月までの計画を維持した上で、26年度は市場安定への
配慮から減額幅を四半期当たり2000億円に鈍化させることを賛成多数で決めた。
田村直樹審議委員は、26年4月以降も四半期4000億円の減額ペースを維持すべきと主張し、反対票を投じた。議事要旨
によれば、田村委員と見られる委員は、長期金利の形成は市場と市場参加者に委ねるべきであり「可能な限り早く、日銀の
国債保有残高の水準を正常化することが必要」と述べた。国債保有残高を早めに減らすことで「市場機能に悪影響を与えない
範囲で、相応のインパクトがある規模の量的緩和(QE)を実施し得る余地を確保しておくことも重要だ」とも主張していた。
<国債の月間買い入れ額、着地点で意見分かれる>
日銀は来年6月に再び中間評価を行う。月間買い入れ額の着地点に加え、バランスシートの望ましい規模感が議論の焦点に
なるとみられる。
月間買い入れ額の着地点については、意見の違いが見られた。1人の委員は「市場の安定性を確保する観点から、ある程度
の額の国債買い入れは続けていくべきだ」と述べた。ある委員は、今後、例えば月間の国債買い入れ額が1兆円程度にまで
減少すれば、日銀の国債買い入れが市場で話題になることもなくなるとして「買い入れ額をゼロにすることに強くこだわる必要
はないのではないか」と主張した。
これに対して、別の1人の委員は「国債買い入れ額はゼロまで段階的に減額していくことが望ましい」と話した。
バランスシートの規模を巡って、ある委員は、将来的に超過準備はある程度減少するにせよ、発行銀行券の残高と合わせると、
長期国債を含めそれらに見合う「相応の規模の資産が必要になる」との見解を示した。これに対し、別のある委員は「国債の買い
入れだけではなく、中長期の資金を市場に供給することも検討すべきだ」と主張した。この委員を含む何人かの委員は、中央銀行
のバランスシートは資産・負債の両面から日本の金融経済に影響を及ぼし得るため「最適なバランスシートの規模や構成につい
ては、今後、多面的に検討していく必要がある」と述べた。
決定会合では、政府側の出席者が会議の一時中断を申し出た。議長を務める植田和男総裁はこれを承諾し、17日午前11時
58分に中断、午後0時7分に再開した。
財務省の出席者は国債買い入れの減額について「債券市場の安定等に十分に配慮し、必要があれば状況に応じた柔軟な
対応をすることを含め、適切に行われることを期待する」と発言した。