そしてそのトークを締めくくるや否や、名盤「POWERSLAVE」からの大作“Rime Of The Ancient Mariner”がフィンランドの夏の空に轟き渡る。ステージ上も客席も、まさに“神がかっている”ような熱気に包まれた。しかし、話をそこまで飛ばしてしまう前に、“Rime Of The Ancient Mariner”の前には既に様々な出来事がこの特別な夜の中で繰り広げられていたのだ。
ご存じのとおり、1975年にロンドン東部で結成されたこの伝説的なブリティッシュ・ヘヴィ・メタル・バンドは、現在『RUN FOR YOUR LIVES』というワールド・ツアーの真っ最中だ。このツアーは、バンドの“黄金期中の黄金期”──1980年代──を祝うことを目的としている。ツアー前には、1980年のデビュー・アルバム「IRON MAIDEN」から1992年の「FEAR OF THE DARK」までの楽曲をセットリストに組み込むと発表されていたが、90年代の曲は1曲のみで、実質的には完全に80年代を祝う内容となっている。しかし、それが悪いわけでは全くない!
これはトラディショナルなメタル/ハード・ロックの復興に熱意を注ぐ英国のメタル・インディーズ“Silver Lining Music”(SAXONやDIAMOND HEADらが所属)の企画によるMETALLICAのデビュー・アルバム「KILL 'EM ALL」へのトリビュート・アルバム「NO LIFE 'TIL LEATHER - A TRIBUTE TO METALLICA'S KILL 'EM ALL」(11月14日リリース予定:海外)に収録される音源で、THE ALMIGHTYも自らのルーツへのオマージュと今後への決意表明の意思を込めて1991年以来初めてのオリジナル・メンバーによるスタジオ入りにこの機会に臨んだとのこと。
リッキー・ウォリック(vo, g)「“The Four Horsemen”は1991年以来初めてオリジナル・メンバーでスタジオに戻ったきっかけになった。この機会が巡ってきたとき、迷う余地はなかった。METALLICAは俺たちに大きな影響を与えた存在だから。長いことスタジオから離れていたのでちょっと緊張したが1日半で総てを仕上げた。THE ALMIGHTYに望まれるパワーと情熱を注ぎ込んだ強力な出来になったと思う。大音量で聴いてくれ!」
アルバム「NO LIFE 'TIL LEATHER - A TRIBUTE TO METALLICA'S KILL 'EM ALL」はMETALLICAの1983年発表デビュー・アルバム「KILL 'EM ALL」の全曲を新旧のメタル/ハード・ロック・アーティストがカヴァーする企画。多彩な顔ぶれのなかにもともとMETALLICAに影響を与えた元NWOBHM世代のバンドたちによるMETALLICAカヴァーがいくつも含まれているのが面白い。
NO LIFE 'TIL LEATHER 〈NEW ALBUM〉 VA 「NO LIFE 'TIL LEATHER - A TRIBUTE TO METALLICA'S KILL 'EM ALL」 Silver Lining Music 2025年11月14日発売(海外) 01. Hit The Lights (TAILGUNNER) 02. The Four Horsemen (THE ALMIGHTY) 03. Motorbreath (SOEN) 04. Jump In The Fire (TYGERS OF PAN TANG) 05. (Anesthesia) - Pulling Teeth (DAVID ELLEFSON) 06. Whiplash (MOTORHEAD) 07. Phantom Lord (SAXON) 08. No Remorse (DIAMOND HEAD) 09. Seek & Destroy (TESTAMENT) 10. Metal Militia (RAVEN)
2025年8月27日リリース SWORD LORDS RECORD SLR-0001 ¥3,300(税込)
<収録曲> 1. Over ture 2. Let There Be Light 3. The Watcher 4. Maverick 5. You're The One Who Pretends 6. Gone Are The Days 7. Make My Stand 8. Natural Born Steel 9. Unfolds The Way 10. Endless Smile '90年代初頭から長きにわたって真性メタルを貫く、北海道のMAVERICK。約13年ぶりのリリース作品となる「COLLECTION FOR THE AFFECTION」は、彼らがアルバム・デビュー前に制作した3本のデモ音源をコンパイルした初期音源集だ。収録曲はいずれも入手困難だっただけに、ファンにとっては嬉しいところ…なのだが、首魁である堀田勝彦(vo)が難病と闘うためのクラウドファンディングから生まれたという、複雑な経緯を持った作品でもある。不屈の闘志で病に立ち向かう堀田を応援するためにも、ぜひ下記のリンクからクラウドファンディングをチェックしてもらいたい。メタル界の強力プレイヤーたちからの応援メッセージも届いている。
BABYMETAL★7435
https://talk.jp/boards/morningcoffee/1754959645
https://pbs.twimg.com/media/Gy6xRqtaUAAAm6D.jpg
https://pbs.twimg.com/media/Gy6xQ0baUAA5gww.jpg
@shuuemurajp
【情報解禁】
ブランドアンバサダーを務めるYOASOBIが出演する新ムービーが公開!
9月5日(金)全国発売の「アンリミテッド ケア ツヤ ドロップ」で光を纏い、今日という新しいステージへ。
自信を宿すプロの発光美肌で、YOASOBIが解き放つ内なる輝きをご覧ください。
https://www.shuuemura.jp/unlimited-foundation.html
https://video.twimg.com/amplify_video/1958702099249995776/vid/avc1/1080x1214/KDfV1bS94TwzJRxl.mp4?tag=16
タイガースのタリック・スクーバル、アストロズのハンター・ブラウンによるエース同士のマッチアップが実現した。両投手とも期待を裏切らない好投を見せ、相手打線を零封。2人の降板後も試合は無得点のまま進み、延長10回にタイガースが押し出し四球で唯一の得点を入れ、1-0で接戦を制した。
ア・リーグを代表する2人の好投手の投げ合い。昨季サイ・ヤング賞を受賞した28歳のスクーバルは今季11勝3敗、防御率2.42をマーク。一方の26歳のブラウンも、10勝5敗、防御率2.45と素晴らしい成績を残していた。ともに選出されたオールスター・ゲームでは2人のロッカーは隣同士、互いに実力を認め合うライバルだ。
スクーバルは二回まで打者6人で抑えたが、三回に2死一、二塁のピンチを招く。しかし、内角ギリギリのシンカーで見逃し三振に打ち取って無失点。続く四回には2死一塁からライト線に二塁打を浴びたものの、ライトからセカンドの中継プレーで本塁に突入した一塁走者を刺し、無失点で切り抜けた。
しかし、ピンチを招いた中盤以降、スクーバルはアストロズ打線を全く寄せ付けなかった。五回から七回までは打者9人をパーフェクト。五回の3者連続を含む6三振で打ち取った。7回無失点、3安打、10三振、2四球の快投で防御率2.32とし、依然リーグ1位。三振数でも2位を上回り、今季のMLBで初めて200三振に到達した。
一方のブラウンも劣らない好投を披露。デトロイト出身のブラウンは、5安打3四球を与えて度々ピンチを背負ったが、6三振で要所を締めた。終わってみれば6回無失点で降板し、防御率はスクーバルに次いでリーグ2位の2.36に改善させた。
至高の投げ合いは両者無失点のまま決着が付かず、試合はブルペン勝負に。それでも両軍のリリーフ陣は失点を与えず、延長戦に突入した。タイガースは九回から登板していたウィル・ベストが延長10回のアストロズの攻撃を3人で終わらせると、その裏に満塁のチャンスを演出。グレイバー・トーレスが辛抱強く四球を勝ち取り、押し出しでサヨナラ勝利を挙げた。
ア・リーグ中地区3位、ワイルドカード5位のロイヤルズが5連勝を挙げ、ア・リーグのワイルドカード争いに急浮上した。先発のセス・ルーゴが七回途中2失点の好投でチームを牽引すると、打ってはボビー・ウィットJr.の通算100号弾などで5点を記録。ワイルドカード6位のレンジャーズを5-2で下し、ガーディアンズを抜いて同4位に浮上し、同3位のマリナーズまで2.5ゲーム差に迫った。
先発のルーゴは8月のこれまでの3先発では防御率10.66と低迷。この日も初回にコリー・シーガーに先制弾を浴びる幸先の悪い立ち上がりだったが、それ以降は本来の姿を取り戻した。持ち前のコマンド(制球)を発揮し、打たれた安打はシーガーへの先制弾、そして四回にジョク・ピーダーソンに浴びたソロを含む3本のみ。七回の先頭打者打席を12球をかけて三振に抑えたところで降板した。6回1/3を2失点に抑え、登板過多になっていたブルペン陣を助ける好投だった。
ルーゴの好投に応えるべく、打線も奮起。レンジャーズ先発の好投手メリル・ケリーに対し、ビニー・パスカンティーノとマイク・ヤストレムスキーがそれぞれ2戦連続の本塁打を放ち、2-2と同点に。そして七回、レンジャーズのブルペン陣を攻め、無死満塁からジョナサン・インディアが押し出し死球で勝ち越し。八回にはウィットJr.が特大の18号2ランを放ち、リードを5-2に広げた。
25歳のウィットJr.はこの本塁打で、ロイヤルズ史上最年少で通算100本塁打に到達。さらにMLBでも史上4人しかいない最初の4シーズンで通算100本塁打、通算100盗塁を両方達成するという快挙を成し遂げた。ウィットJr.以前の達成者はバリー・ボンズ、ダリル・ストロベリー、フリオ・ロドリゲス(マリナーズ)といずれもスター選手揃いだ。
ロイヤルズはそのまま5-2でレンジャーズから逃げ切り。借金を返済するどころか、5連勝で一気に貯金4、ポストシーズン進出圏内まで手が届く位置に急浮上した。
ワイルドカード2位のレッドソックスは3連敗、同3位のマリナーズは4連敗、そしてそのマリナーズと西地区の首位を1.5ゲーム差で争うアストロズも3連敗と、ポストシーズン進出圏内にいる球団は軒並み息切れしかけている。その隙を逃さずロイヤルズは一気に肉薄しており、昨季のような逆転でのポストシーズン進出劇の再現を目指す。
大谷翔平が、二刀流として完全復活したのは、誰の目にも明らかだ。投手・大谷は以前にも増して凄みを増している。直近2試合で8回1/3を投げ15三振、今季ここまで23回1/3で32三振と好調だが、2025年の大谷は、以前とは『違う投手』でもある。エンゼルス時代とは大きく異なる「ドジャースの投手・大谷を」特徴づける3つのポイントを見ていこう。(データは8月20日以前)。
1) 平均球速の向上
これまでも速球派だったが、今季はさらに別次元で、肘の大手術から復帰したばかりとは思えない球速をマーク。フォーシームの平均球速は自己最速の98.2マイル(約158キロ)。2023年の96.8マイル(約155.7キロ)、2022年の97.3マイル(約156.6キロ)も超える。先発投手の中で今季トップ5に入る。
2025年 4シーム平均球速ランキング(100球以上)
1位:ジェイコブ・ミジオロウスキー:99.3マイル(159.7キロ)
1位:ハンター・グリーン:99.3マイル(159.7キロ)
3位:ジョー・ボイル:98.8マイル(159.0キロ)
4位:チェイス・バーンズ:98.4マイル(158.5キロ)
5位:大谷翔平:98.2マイル(158.2キロ)
5位:ポール・スキーンズ:98.2マイル(158.2キロ)
ドジャースでは球速帯も安定しており、98マイル以上が63%、99マイル以上が31%、100マイル以上が10%。過去どのシーズンよりも倍近い頻度で高球速をマークしている。6月28日ロイヤルズ戦では自己最速の101.7マイルを計測。直近の登板では、100.7マイルで元同僚のマイク・トラウトを空振り三振に仕留めた。
2018年にトミー・ジョン手術を受けた後のエンゼルス復帰時とは全く異なる。手術前は平均96.7マイル、2020年復帰時は93.8マイルに落ち込み、完全復活までに3シーズンを要した。
しかし2025年の大谷は、投球フォームをフルワインドアップに変えたこともあり、復帰直後から速球が高威力で炸裂している。速球使用率は今季 45% に上昇し、スピンレートもキャリア最高の 2,435 rpm を記録。これらの要素が三振量産につながっている。
大谷のメジャーデビュー当初、武器はスプリットだった。2018年ルーキーイヤーは、スプリットで59打席中35三振、被打率.036と圧倒的な威力を誇った。
2021年にはスプリットで138打席中78三振、被打率.086。使用率は約20%だった。しかし復帰後は、使用率は4%未満で、左打者にのみ投じている。右打者にはほとんど投げず、かつてのような「絶対的な決め球」ではなくなった。
理由の一つは制球難。2023年以降、スプリットのコマンドが安定せず、今季もばらつきが大きい。また、球質自体も変化している。従来は縦落ち中心だったが、今季は横変化が顕著で、平均14インチ以上のアームサイド変化を記録。キャリア最多の横変化量となり、リリース角度が2023年の41度から35度に下がった影響とみられる。
左打者には外に逃げる球として有効だが、右打者には逆にバットの軌道に入りやすいため、使用が制限されていると考えられる。
3)新たな決め球・高速スライダー
スプリットの代わりに台頭しているのがスライダーだ。ここで言うのはスイーパーではなく、伝統的な高速スライダー。2022年終盤から投げ始めた球種で、今季は使用率11%に増加。すでに10三振を記録し、速球やスイーパーと並ぶ武器になっている。
スイーパーも健在だが、左打者相手には高速スライダーがより有効で、決め球としての役割を担っている。
平均87.6マイル(約141キロ)で、深い縦変化もあり、通常のスライダーより約2インチ多く落ちる。空振り率は驚異の57%で、スプリットを上回る大谷の『空振りNo.1球種』になった。
大谷のシーズン別 最高空振り率の球種
2018年:スプリット 56%
2021年:スプリット 49%
2022年:スプリット 50%
2023年:スプリット 44%
2025年:スライダー 57%
大谷の投手としての最大の特長は、瞬時に適応し、新しい威力球を追加できること。以前はカットやシンカーで、それが今季は新たな高速スライダーの台頭によって、まったく別次元の投手に進化している。
ヤンキースは新人キャム・シュリットラー(24)が六回までパーフェクトの快投を見せたが、ブルペン陣がレイズ打線に捕まり、試合は3-3のまま延長戦に突入。延長十回にジャンカルロ・スタントンが代打決勝2ランを放ち、ヤンキースが勝利した。連勝は4に伸び、ア・リーグのワイルドカード1位を堅持。東地区首位のブルージェイズとのゲーム差も4に縮まった。
【動画】 ヤンキースの大型新人シュリットラーが六回までパーフェクト投球
シュリットラーはストライク先行の投球で凡打の山を築いた。2m近い長身から平均97.7マイル(約157.2キロ)のフォーシームを投げ下ろし、9つのゴロアウトを量産。六回まで1人の走者も許さない快投を見せた。
しかし七回、先頭のチャンドラー・シンプソンに安打を浴び、パーフェクトが途切れ、さらに2四球を与えてピンチを招いたが、2三振で2死までこぎ着けると、ブルペン陣に託してマウンドを降りた。
ヤンキースの2番手ルーク・ウィーバーは7回2死満塁のピンチを三振で切り抜けたものの、続投した八回にソロ本塁打を被弾。さらに続く九回を任されたデービッド・ベドナーは2死一、二塁から同点タイムリー二塁打を浴び、試合を3-3の振り出しに戻してしまった。
快投していたシュリットラーの勝ちを消してしまったが、今度は前日に9本塁打を放った打線が本領を発揮。この日もトレント・グリシャムがマルチ本塁打、オースティン・ウェルズが16号ソロを放ち、本塁打攻勢を見せた。そして同点に追いつかれた延長十回には、代打ジャンカルロ・スタントンの15号2ランで勝ち越し、ウェルズも連日のマルチ本塁打となる17号ソロでダメ押しした。
ドジャースの大谷翔平(31)がロッキーズ戦に「1番・投手」でスタメン出場。4回で9安打、5失点と苦戦し、今季初黒星を喫した。ドジャースはロッキーズとの4連戦を1勝2敗で折り返し、シリーズ勝ち越しの可能性が消滅。地区2位パドレスとの差が1ゲームとなった。
打者有利で知られる敵地クアーズフィールドで初登板となった大谷は、まず打者として登場。試合の初球を捉え、ライト線へ二塁打を放った。ドジャースは死球でチャンスを拡大したが、ロッキーズ先発のタナー・ゴードンが併殺に打ち取って無失点でしのいだ。
「投手・大谷」は初回、スイーパーで見逃し三振を奪うなど三者凡退の立ち上がり。しかし二回、2安打で1死一、二塁のピンチを招き、ブレントン・ドイルにタイムリー二塁打を浴びる。犠牲フライも打たれ、2点を先制された。
三回は三者凡退に抑えたが、四回に乱調。無死1塁からレフト線へ二塁打を浴びると、守備の乱れもあって3点目を失った。そして続く打者の打球は右足の付け根に直撃し、打球が転々とする間に4点目が入った。大谷は続投したが、5点目のタイムリーも浴び、四回だけで6安打3失点と苦戦した。
一方のロッキーズは先発のゴードンが6回1失点と試合を作り、ドジャース打線の反撃を防いだ。八回にもハンター・グッドマンのタイムリー二塁打で追加点を入れ、8-3で完勝を挙げた。
「投手・大谷」は今季ワーストの4回9安打5失点。クアーズフィールドは打球が飛びやすく、投手が投げるボールの変化が鈍ることで知られており、その洗礼を浴びた。防御率4.61に悪化している。
一方の「打者・大谷」は2打数1安打1四球だった。5点差がついた八回には代打を送られて退いた。今季の打撃成績は打率.285、OPS1.018となっている。
2位パドレスとの天王山をスイープ(3連勝)し、勢いに乗りたいドジャースだったが、地区最下位のロッキーズに1勝2敗と足踏み。シリーズ負け越しを避けたい第4戦は、大谷の休養日と公言されており、打線の大黒柱抜きで挑まなければならない。先発にはクレイトン・カーショウが予定されている。
カブスが4-3でブルワーズを下し、3連勝。直接対決5連戦に3勝1敗で勝ち越しを確定させた。カブス打線はブルワーズ先発のジェイコブ・ミジオロウスキーのわずかな隙を逃さず、三回に3点を奪って逆転。先発のコリン・レイ以下、投手陣も奮闘し、1点差の接戦を制した。鈴木誠也は4打数1安打だった。
カブス先発のレイは二回に制球を乱し、内野ゴロの間に1点を失った。カブス打線も三回、7-9番の下位打線が怪物新人ミジオロウスキーから3四球を選び、1番のマイケル・ブッシュに満塁のチャンスをお膳立て。ブッシュはミジオロウスキーの快速球を左中間へのタイムリー二塁打とし、その間に3人の走者が全て生還し、3-1と一振りで試合をひっくり返した。
リードをもらったレイは走者を背負いながらも粘り強い投球を展開。しかし、六回2死二塁のピンチを招き、左打者のトゥラングを迎えるところで左腕シールバーに交代した。トゥラングは初球を捉え、あっさりとライト前へタイムリー安打を放ち、試合は1点差となる。
カブスは1点リードのまま迎えた八回、マット・ショウが11号ソロを放ち、大きな追加点をもたらした。ショウは三回にミジオロウスキーから11球を擁したバトルを制して四球を選んで得点、六回にはバント処理で好守を見せ、そして本塁打と八面六臂の活躍だった。
カブスは最終回に2死満塁のピンチを招きながら、なんとか4-3でブルワーズを振り切って勝利。これでカブスは3連勝を挙げ、首位ブルワーズとの差を6に縮めた。
さらにこの日の勝利で、カブスはブルワーズに対するタイブレーカーを持つことが確定。カブスはブルワーズに対して直接対決で7勝5敗と勝ち越しており、今季の直接対決における勝ち越しが決まった。これにより、両チームが同勝率で並んだ場合、タイブレーカーを持つカブスが上回ることになる。
鈴木は「3番・DH」でスタメン出場し、4打数1安打。今季の打撃成績は打率.247、OPS.808となっている。
ペトコパークにやってきて本塁打を打とうとするなら、ライトフェンスからは少なくとも何メートルか遠くへ飛ばしたほうがいい。そうでなければ、フェルナンド・タティスJr.がそれを捕ってしまうだろう。
プラチナグラブ賞に輝いたこともあるタティスJr.はジャイアンツ戦の初回、ラファエル・デバースの大飛球に完ぺきな跳躍を見せ、見事にホームランキャッチ。このスーパープレーはパドレスのこの日の圧勝をお膳立てした。
ギャビン・シーツが2本塁打、マニー・マチャドとライアン・オハーンも本塁打を放ち、打線は8得点と爆発。投げてはトレードデッドラインで新加入のJP・シアーズが6回1失点と好投し、8勝目をマークした。首位ドジャースが敗れたため、2位パドレスはゲーム差を再び1に縮め、今週末に控えるペトコパークでのドジャースとの直接対決に向け、調子を上げている。
タティスJr.がホームランキャッチに成功したのは直近2ヵ月で3度目。前回メッツ戦でマーク・ビエントスからフェンスをよじ登るように本塁打を奪ったのとは異なり、今回はデバースの打球がスタンドに飛び込もうかという完ぺきなタイミングで空中へ舞い上がり、捕球した。タティスJr.は捕球するとフェンス手前に倒れ込み、しばらくの間、グラブの中にボールを握ったまま、気取らない様子で座っていた。彼がボールをグラブに収め、内野へ送球した瞬間、ペトコパークは大歓声に包まれた。デバースはただ笑うしかなかった。
打撃面では浮き沈みはあるものの、タティスJr.は素晴らしい守備を続けている。守備指標「OAA」では+10を稼ぎ、メジャーのライトの中でトップに立っている。2023年、外野手として初のフルシーズンを終えた彼は、右翼手としてプラチナグラブ賞を受賞した。今季もプラチナグラブ賞を獲得できるかは分からないが、少なくとも2度目のゴールドグラブ賞は間違いない。
この日は守備でチームを勢い付けただけではなく、打撃でもリードオフとして切り込み隊長の役目を果たした。初回に先頭打者として二塁打を放つと、その後のオハーンのタイムリーで先制のホームを踏んだ。これで勢いづいたパドレスは4本塁打の猛攻でジャイアンツを寄せ付けなかった。
ドジャースは敵地クアーズフィールドで行われたロッキーズ4連戦の最終戦に9-5で勝利。4連戦を2勝2敗で終えた。なお、前日の試合に登板し、今季初黒星を喫した大谷翔平は予定通りに休養日で出場しなかった。
8月の終わりが近づく中、ドジャースはナショナル・リーグ西地区の優勝争いを繰り広げるライバル、パドレスとの直接対決が迫っている。22日(同23日)からは敵地ペトコパークでの3連戦がスタート。レギュラーシーズンでは今季最後の直接対決となる。
パドレスがドジャースから単独首位の座を奪ったあと、先週の直接対決3連戦ではドジャースがパドレスをスイープ。しばらくの間、平凡な成績が続いていたドジャースは勢いづいたように見えたが、最下位ロッキーズとの4連戦で見せた不安定な戦いぶりが今後に不安を抱かせている。
パドレスとの直接対決3連戦で姿を見せるのは、どちらのドジャースなのだろうか。メジャー最低勝率のチームを相手に、大谷の登板試合での敗北を含む2敗を喫し、打線がほとんど振るわなかったドジャースか。それとも2試合合計で20得点を挙げ、自慢の攻撃力を発揮したドジャースか。
ドジャースは後者であることを願っているはずだ。デンバーを離れて西海岸に戻る飛行機に乗る前、ドジャース打線は息を吹き返した。大谷が欠場する中、初回にフレディ・フリーマンの16号2ランで先制。飛距離451フィート(約137メートル)の一発がセンターのフェンスを越えていった。
二回にはミゲル・ロハスの見事なスクイズ(記録はバント安打)とウィル・スミスの押し出し死球で2点を追加。4-1とリードを広げた。
三回にアレックス・コールがタイムリーを放つと、四回にもマイケル・コンフォートの犠牲フライとアレックス・フリーランドのタイムリー二塁打で2得点。五回にはアンディ・パヘスに21号ソロが飛び出し、八回にスミスがダメ押しのタイムリーを放って9-5でロッキーズに勝利した。
マウンド上では、先発のクレイトン・カーショウが再び力強いピッチングを披露。「打者天国」と呼ばれるクアーズフィールドで5回2/3を投げ、6安打3失点、3三振、1四球と先発の役割を果たして8勝目を手にした。8月は4試合に先発して4勝0敗、防御率1.90と素晴らしい活躍を続けている。
ドジャースタジアムでスイープ負けを喫したパドレスは、17日(同18日)にロサンゼルスを離れ、本拠地ペトコパークに戻って傷をいやした。スイープ負けを喫した時点で首位ドジャースとは2ゲーム差。22日(同23日)からは再び首位攻防3連戦が予定されている。
パドレスをスイープしたあと、ドジャースは敵地コロラドに乗り込み、最下位のロッキーズと4試合を戦った。両チームの戦力差を考えれば、ドジャースが4連勝してもおかしくない状況だったが、2勝2敗という結果に。一方、パドレスはジャイアンツ4連戦の最終戦に8-4で勝利し、4連戦を3勝1敗の勝ち越しで終えた。
この結果、首位ドジャースと2位パドレスは1ゲーム差に。22日(同23日)からレギュラーシーズン最後の直接対決となる3連戦がパドレスの本拠地ペトコパークで行われる。
トレードによる補強を経て大幅な戦力アップに成功したパドレスの打線は、ジャイアンツ4連戦の最終戦でも好調を維持した。2-2の同点で迎えた五回に一挙6点を勝ち越し。前日に続いて8得点を挙げ、スイープ負けを喫した先週末から見事に盛り返した。
パドレスのマイク・シルト監督は「私は長い間、球界に身を置いている。長くいればいるほど、チームの戦いには浮き沈みがあるということがわかるんだ」と語る。
今季のパドレスはこうした浮き沈みを乗り越えてきた。7月3日時点では首位とのゲーム差が9まで拡大。しかし、徐々に差を縮め、先週のドジャース3連戦を迎えた時点では単独首位に立っていた。
大事な首位攻防3連戦でスイープ負けを喫するという挫折を味わったものの、パドレスは再び立ち直った。本拠地でのジャイアンツ4連戦に3勝1敗で勝ち越し。ドジャースがロッキーズを相手に2敗を喫したため、ゲーム差は1つ縮まった。
「野球というゲームは難しく、挑戦的で、ボールは思い通りには転がらないものだ」とシルト監督。「このチームについて、私が素晴らしいと思うのは、常に競争力を発揮してくれるということだ」と何度挫折を味わっても粘り強く戦い続ける選手たちを称えた。
11安打8得点を記録したパドレス打線において、1番フェルナンド・タティスJr.、2番ルイス・アライズ、3番マニー・マチャド、7番ラモン・ローレアーノがいずれもマルチ安打を記録。三回に2点を先制したものの、四回にすぐさま追いつき、五回に一挙6点を勝ち越した。大きかったのは主砲マチャドの2点タイムリー二塁打。リードを4点に広げる一打となり、ジャイアンツ先発のジャスティン・バーランダーをノックアウトした。
アストロズがオールスター・ゲーム選出9度の実績を誇るベテラン救援右腕クレイグ・キンブレルとのメジャー契約に合意したことが明らかになった。MLB.comのマーク・フェインサンドが関係者から得た情報として伝えている。
なお、現時点ではアストロズからの公式発表は行われていない。
37歳のキンブレルにとって、メジャーに在籍するのは今季2度目となる。最初の機会は古巣ブレーブスでの登板。6月6日のジャイアンツ戦で登板し、1イニングを無失点に抑えたが、翌日にDFAとなり、そのまま退団した。
キンブレルはその後、マイナー契約でレンジャーズに加入。マイナー3Aで24試合に登板して21イニングを投げ、防御率3.86、28三振、被打率.158を記録した。
メジャー屈指のクローザーとして長年活躍してきたキンブレルは、最優秀救援投手のタイトルを4度獲得し、ブレーブス時代の2011年には新人王にも輝いている。また、2018年のレッドソックスではワールドシリーズ制覇も経験した。
16年間のキャリアで積み重ねた通算440セーブは歴代5位の大記録。通算838試合に登板して810回2/3を投げ、防御率2.59、1266三振、被打率.169という素晴らしい成績を残している。新天地アストロズで輝きを取り戻せるか注目だ。
クラブハウスのテレビにリトルリーグ・ワールドシリーズの試合が流れると、懐かしそうな表情を浮かべ、頬をゆるめた。
「テレビで放映されていると、ついつい見ちゃう。皆、がんばれ、って入れ込んじゃうんだ」
ドジャースの外野手、マイケル・コンフォートは、MLBでも数少ない「リトルリーグ・ワールドシリーズ」でのプレー経験を持つ一人で、「テレビに映るのも、多くの観客の前でプレーするのも初めてで、とても楽しかった」と振り返る。
多くの野球少年少女と同じように、11歳のコンフォート少年もメジャーリーガーに憧れ、「あの大舞台に立った瞬間に初めて、自分がメジャーリーガーになれるかもしれないと感じた」と振り返る。
それから21年。
努力を重ねた少年は、カレッジ・ワールドシリーズ、そしてMLBのワールドシリーズでもプレーした。勝利の喜びも敗北の悔しさも、野球を通じて味わった。
「もし11歳当時の自分にアドバイスできるなら、『努力を続け、夢を追い続けろ』と伝えたいな。失敗してもいいんだ。大切なのは、そこから学び、成長することだからね」
リトルリーグ・ワールドシリーズの予選を勝ち抜いたチームは、13日から本戦を戦っている。
コンフォートは2018年メッツ時代に、同大会に参加する子どもたちと交流し、MLBの「リトルリーグ・クラシック(同大会の開催地でメジャーリーガーがプレー)」では、思い出の地ウィリアムスポートでメジャーリーガーとしてプレーした。
コンフォートは当時を懐かしむと同時に、子どもたちを取り巻く環境の変化を懸念する。
「自分の時代はただの遊びだった。終わったら、試合のことを忘れることができた。でも今はSNSなどで情報が回ったりするし、親も加熱気味で、子どもたちへのプレッシャーが大きすぎるように思う」
いいプレーが褒められるだけではない。エラーなどもあっという間に拡散されることもある。
「今の子は、失敗を重く受け止めすぎる傾向があるように思う。野球は失敗のスポーツだし、ゲームなんだ。自分にもっと寛容になってもいいんだよ、って伝えたい」
メジャーリーガーも熱い視線を送るリトルリーグ・ワールドシリーズは、8月23日に準決勝、そして24日に決勝を迎える。
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Vic Rattlehead「40年以上にわたって私は沈黙に縛られてきた。しかし、終焉には私の言葉が必要だ。MEGADETHの次なるスタジオ・アルバムが最後の作品となることが確認された。鋼に鍛えられてきた40年のメタルは炎のなかで終わる。そして新たな世界が誕生するとき、グローバルなフェアウェル・ツアーを行なう。警告は届いた。サイバー・アーミーの諸君、準備を整えよ。声を上げ続けよ。耳を傾けよ。前線で会おう」
デイヴ・ムステイン「キャリアの終盤に差し掛かったミュージシャンは数多い。偶然か意図的かに関わらず、ほとんどの者は頂点で自分の意思で引退することはできない。今の私の状況はまさにそれ。世界中を飛び回って数百万人のファンを獲得してきたが、最もつらいのは彼らに別れを告げることだ。
アルバムを聴いてもらい、ツアーで会えるのを楽しみにしている。新しいアルバムをリリースする完璧なタイミング、世界ツアーを行う完璧なタイミングがあるなら、それがいまだと思う。また、これが私たちの最後のスタジオ・アルバムであることを伝える完璧なタイミングでもある。長年一緒に過ごした多くの友人たちに、グローバル・フェアウェル・ツアーで会えることを願ってる。
腹を立てないでくれ。悲しまないでくれ。私たちみなのために幸せでいてくれ。これからの数年間、一緒に祝ってくれ。私たちは一緒に本当に素晴らしいことを成し遂げた。こんなことはもう二度と起こらないだろう。私たちは音楽のスタイルを創り、革命を起こし、ギターの演奏方法を変え、世界を変えた。私が所属したバンドは世界に影響を与えた。みなに感謝している。ありがとう」
ALDIOUS
-Memories Of The Final Tour(仮)
ラスト・ツアーを完全取材!
ガールズ・メタルの伝説は死なない!!
この8月に行なわれた無期限活動休止前の東名阪ツアー『The Dominators Last Standing 2025』に密着!
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シンコー・ミュージック・ムック
ALDIOUS
-Memories Of The Final Tour(仮)
A4判/96頁予定/予価1,980円(税込)/2025年10月21日発売予定
[CONFESSION 1] JAMES HETFIELD
当時使っていたスタジオには部屋が4つあって、そのうちの一室でヴォーカルが進行していた。別の部屋では曲作りの仕上げ、向こうでは誰かが編集やミックスの作業をしていて、こっちのエリアにはギターが用意されていて……という具合だった。その間にも別室ではまだ歌詞を書いていたかもしれない。ボブ・ロックが何日か現場を離れなければならなくなると、彼抜きで録音しないとならないのに、俺達ときたら誰も何をどうしたらいいのかわからない、みたいな状態だった。(笑)
そんなカオスな状況ではあったものの、俺達はむしろそのおかげで大きく成長することができた。「当時、そうした状況においてどうやって頭を整理して集中していたのか?」と問われても、俺達としては集中するも何も、それが正気の沙汰だと思える理由すらひとつもなかった。40以上もの曲を書きあげてはいても、ぼんやりと霞んだ大きな雲の中にいる感じだった。それが「LOAD」であり「RELOAD」の制作過程だったんだ。(笑)
場所はニューヨークだった。そこでの作業時は「よし、ここでミックスをやれば完了」となるはずだった。ただ、1996年のその段階で、それが個別の2枚のアルバムになるのか、2枚組アルバムになるのか、はたまた1枚の大作にまとめられることになるのか……そのあたりについてどう考えていたのかを俺は憶えていない。
「ほら、あそこだ、飛んでる……アルバトロスほど大きくはないけど、それに近いな……あ、また出てきた! まだフンは落としてないけど、もし落としたら、“鳥にフンをかけられた時にやっちゃいけないこと”ってのを教えるぜ……」
こんな風に話しながら、IRON MAIDENのフロントマン、ブルース・ディッキンソンは、ヘルシンキの『Olympic Stadium』を埋め尽くした約4万5,000人の観客を大爆笑させていた。実際、何羽かのカモメが野外スタジアムの上空をのんびりと旋回しており、ブルースにとっては次の曲紹介をちょっとした“天然の小道具”で盛り上げる絶好のチャンスとなった。
そしてそのトークを締めくくるや否や、名盤「POWERSLAVE」からの大作“Rime Of The Ancient Mariner”がフィンランドの夏の空に轟き渡る。ステージ上も客席も、まさに“神がかっている”ような熱気に包まれた。しかし、話をそこまで飛ばしてしまう前に、“Rime Of The Ancient Mariner”の前には既に様々な出来事がこの特別な夜の中で繰り広げられていたのだ。
ご存じのとおり、1975年にロンドン東部で結成されたこの伝説的なブリティッシュ・ヘヴィ・メタル・バンドは、現在『RUN FOR YOUR LIVES』というワールド・ツアーの真っ最中だ。このツアーは、バンドの“黄金期中の黄金期”──1980年代──を祝うことを目的としている。ツアー前には、1980年のデビュー・アルバム「IRON MAIDEN」から1992年の「FEAR OF THE DARK」までの楽曲をセットリストに組み込むと発表されていたが、90年代の曲は1曲のみで、実質的には完全に80年代を祝う内容となっている。しかし、それが悪いわけでは全くない!
ここでまず言っておきたいことがある。他の多くのヘヴィ・メタル界の同世代のレジェンド達と比べても、この結成50年を迎えるイギリスの巨人は、信じられないほど高いクオリティを今なお維持しているのだ。(90年代のブレイズ・ベイリー時代については議論の余地があるとしても、だ) MAIDENのライヴに行けば、徹底的に準備されたショウと、今も最高のコンディションを保ち続けるバンドの姿を目にすることができる。それは他の“結成50年クラス”のバンド総てに当てはまるわけではない。
比較として挙げておきたいのが、同じくイギリスの伝説、BLACK SABBATHだ。彼らはこの夏の初めに大々的な注目を浴びながら正式に活動を終えた。もちろんSABBATHはMAIDENよりもずっと早く──60年代後半に──結成されているが、MAIDENが今も世界中のスタジアムを熱狂させている一方で、SABBATHはずっと前からほぼ活動休止状態だった。(これは勿論健康上の理由が大きく影響しており、そればかりはどうにもならない) しかし MAIDENは──もしかしたら“運”のおかげもあって──今なお最強のライヴ・バンドの1つであり続けている。そしてその勢いは、まだまだ止まりそうにない。 話をヘルシンキの夜に戻そう。 UFOの伝説的ナンバー“Doctor Doctor”がPAから流れ始めると(これは長年MAIDENの登場テーマとして使われてきた)、ステージ・セットの保護カバーが外され、満員の観客からは歓声が爆発する。この瞬間に改めて痛感するのだ──MAIDENのファンは、間違いなく世界でも最も熱狂的なファンの部類に入ると。世界中の国旗を振りかざし、何時間も前から最前列で待ち続けた猛者達は、ショウが始まったその瞬間に、まるで別の次元へと突入したかのような表情になる。その幸せそうな顔を見れば、「これからとんでもないことが起きるんだ。そう、信じられないほど凄いことが!」と判るのだ。
2023年にオリジナル・メンバーで活動を再開し、2025年1月にはこの編成では初となる来日公演を敢行してファンの喝采を浴びたスコットランドの硬派爆音ハード・ロッカーTHE ALMIGHTYがついに新録音音源を発表した。
これはトラディショナルなメタル/ハード・ロックの復興に熱意を注ぐ英国のメタル・インディーズ“Silver Lining Music”(SAXONやDIAMOND HEADらが所属)の企画によるMETALLICAのデビュー・アルバム「KILL 'EM ALL」へのトリビュート・アルバム「NO LIFE 'TIL LEATHER - A TRIBUTE TO METALLICA'S KILL 'EM ALL」(11月14日リリース予定:海外)に収録される音源で、THE ALMIGHTYも自らのルーツへのオマージュと今後への決意表明の意思を込めて1991年以来初めてのオリジナル・メンバーによるスタジオ入りにこの機会に臨んだとのこと。
リッキー・ウォリック(vo, g)「“The Four Horsemen”は1991年以来初めてオリジナル・メンバーでスタジオに戻ったきっかけになった。この機会が巡ってきたとき、迷う余地はなかった。METALLICAは俺たちに大きな影響を与えた存在だから。長いことスタジオから離れていたのでちょっと緊張したが1日半で総てを仕上げた。THE ALMIGHTYに望まれるパワーと情熱を注ぎ込んだ強力な出来になったと思う。大音量で聴いてくれ!」
アルバム「NO LIFE 'TIL LEATHER - A TRIBUTE TO METALLICA'S KILL 'EM ALL」はMETALLICAの1983年発表デビュー・アルバム「KILL 'EM ALL」の全曲を新旧のメタル/ハード・ロック・アーティストがカヴァーする企画。多彩な顔ぶれのなかにもともとMETALLICAに影響を与えた元NWOBHM世代のバンドたちによるMETALLICAカヴァーがいくつも含まれているのが面白い。
NO LIFE 'TIL LEATHER
〈NEW ALBUM〉
VA
「NO LIFE 'TIL LEATHER - A TRIBUTE TO METALLICA'S KILL 'EM ALL」
Silver Lining Music
2025年11月14日発売(海外)
01. Hit The Lights (TAILGUNNER)
02. The Four Horsemen (THE ALMIGHTY)
03. Motorbreath (SOEN)
04. Jump In The Fire (TYGERS OF PAN TANG)
05. (Anesthesia) - Pulling Teeth (DAVID ELLEFSON)
06. Whiplash (MOTORHEAD)
07. Phantom Lord (SAXON)
08. No Remorse (DIAMOND HEAD)
09. Seek & Destroy (TESTAMENT)
10. Metal Militia (RAVEN)
ジャーマン・パワー/スラッシュ・メタル華やかなりし87年にその牙城たる“Noise Records”より技巧派スラッシュ・メタル・バンドとしてデビューを飾りながらその後積極的にさまざまなオルタナティヴ・テイストを取り入れて複雑怪奇な進化を遂げ、ダークなユーロ・スラッシュにアヴァンギャルド意識やいまで言う“マス・ロック(複雑系ロック)”的アプローチを持ち込んだスイス・チューリッヒ出身の尖鋭的トリオ、CORONER。商業的な成功を掴めぬまま96年に解散したのちも止むことのなかったカルト的支持の声に押されて2010年に再結成を果たし散発的にライヴ活動を続けてきた彼らが、ついに32年ぶりとなる新作アルバム「DISSONANCE THEORY」を発表する。
DISSONANCE THEORY
〈NEW ALBUM〉
CORONER
「DISSONANCE THEORY」(Amazon Mp3)
Century Media Records
2025年10月17日発売
01. Oxymoron
02. Consequence
03. Sacrificial Lamb
04. Cirsium Bound
05. Symmetry
06. The Law
07. Transparent Eye
08. Trinity
09. Renewal
10. Prolonging
“Century Media Records”から10月17日にリリース(海外)されるこのアルバムからの新曲“Renewal”のMVが先行公開されている。
かつて急速な進化が特徴で長くひとつのスタイルに留まることのなかった彼らが「リニューアル」と題した曲で鳴らす注目のサウンドは、96年解散前の最終形態だったエキセントリックなインダストリアル・メタルの一歩手前の段階を思わせるダークでエクストリームな突撃スラッシュ・メタル。冷たく突き放すようなインテレクチュアル・スラッシュの轟音を浴びながらニュー・アルバムの登場を待て!
MAVERICK
「COLLECTION FOR THE AFFECTION」
2025年8月27日リリース
SWORD LORDS RECORD SLR-0001
¥3,300(税込)
<収録曲>
1. Over ture
2. Let There Be Light
3. The Watcher
4. Maverick
5. You're The One Who Pretends
6. Gone Are The Days
7. Make My Stand
8. Natural Born Steel
9. Unfolds The Way
10. Endless Smile
'90年代初頭から長きにわたって真性メタルを貫く、北海道のMAVERICK。約13年ぶりのリリース作品となる「COLLECTION FOR THE AFFECTION」は、彼らがアルバム・デビュー前に制作した3本のデモ音源をコンパイルした初期音源集だ。収録曲はいずれも入手困難だっただけに、ファンにとっては嬉しいところ…なのだが、首魁である堀田勝彦(vo)が難病と闘うためのクラウドファンディングから生まれたという、複雑な経緯を持った作品でもある。不屈の闘志で病に立ち向かう堀田を応援するためにも、ぜひ下記のリンクからクラウドファンディングをチェックしてもらいたい。メタル界の強力プレイヤーたちからの応援メッセージも届いている。
通院している病院の待合室の大画面テレビでBABYMETALの「全米billboardアルバムチャート9位!」のニュースをやっていて(たぶんフジの「ノンストップ」)、待合室の大勢のじいちゃんばあちゃんたちが凝視してた。なので、本当に快挙…すごいことなのよ。
BABYMETALの快挙にもうメタル関係ない!メタルでは括れない!メタルを超えた存在!とかという記事を読むと、いまだに違和感を感じてしまう。伝えたいことはわかるけど…。むしろアーティスト名にMETALの5文字を背負い続けて、本人達も世界のメタルと真正面から向き合ってきた結果の快挙なんだけどな。
そりゃ出自はメタル×アイドルだし、レディーガガやレッチリのサポートもやったりグラストンベリーにも出場したけど、ここ10年のBABYMETALの主戦場は“世界のメタルシーンのど真ん中であり最先端”なのよ。お忘れなきよう。