会見内容の違いでは、2018年9月に行われた安倍政権と第1次トランプ政権の日米通商協議後の相違が有名だ。この会見後日本政府は、日米間の新たな通商協議である「日米物品貿易協定(TAG)」が行われたと発表した。安倍首相が「これまで(の自由貿易協定=FTA)と全く異なる」と表現したように、日本側だけの報道を見ていると、新たな取り組みが行われたと思われた。しかし、米国サイドは「TAG」などという言葉を一切使用せず、米国側の声明では「Agree to Negotiate a Free Trade Agreement」と従来のFTAを使用した。前回も今回も日本は選挙などのイベントが迫っていることもあり、会見内容に相違が出た可能性もある。今後の展開には注目したい。
<国内>
○10:30 ◎ 内田眞一日銀副総裁、あいさつ
<海外>
○09:30 ☆ 10-12月期豪国内総生産(GDP、予想:前期比0.5%/前年比1.2%)
○10:45 ◎ 2月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:50.7)
○11:00 ☆ トランプ米大統領、米上下両院合同会議で施政方針演説
○16:30 ◎ 2月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%)
○16:45 ◇ 1月仏鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○17:50 ◎ 2月仏サービス部門PMI改定値(予想:44.5)
○17:55 ◎ 2月独サービス部門PMI改定値(予想:52.2)
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:50.7)
○18:30 ◎ 2月英サービス部門PMI改定値(予想:51.1)
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比1.4%)
○19:00 ◇ 1-3月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 2月ADP全米雇用報告(予想:14.0万人)
○22:30 ◇ 10-12月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比0.7%)
○23:30 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、グリーン英中銀MPC委員、講演
○23:45 ◎ 2月米サービス部門PMI改定値(予想:49.7)
○23:45 ◎ 2月米総?⑰MI改定値
○24:00 ☆ 2月米ISM非製造業指数(予想:52.6)
○24:00 ◎ 1月米製造業新規受注(予想:前月比1.6%)
○6日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○6日01:00 ◎ 1月ロシア失業率(予想:2.3%)
○6日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○中国全国人民代表大会(全人代)開幕(北京)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
今晩はもみ合いか。昨日はトランプ米大統領が中国との貿易交渉に、より穏健な姿勢で臨む用意があるとし、現在145%の対中関税が大幅に下がることを示唆したことなどで、米中貿易戦争の激化懸念が後退し、主要3指数がそろって大幅2日続伸した。ダウ平均は一時1189ドル高まで上昇し、419.59ドル高(+1.07%)で。S&P500も一時3.44%高まで上昇後、1.67%高で終了し、ナスダック総合は4.48%高まで上昇後、2.50%高で終了した。週初来ではダウ平均が1.19%高、S&P500が1.76%高、ナスダック総合が2.59%高と3指数がそろって反発ペースとなった。引け後の動きでは予想を上回る第1四半期決算を発表したものの、通期見通しを据え置いたインテルが時間外で約7%下落し、2025年と2026年の業績見通しを取り下げたサウスウェスト航空が時間外で2%超下落した。
今晩の取引では昨日まで2日続伸したことや、貿易問題で新たな材料待ちの展開となることが予想され、上値の重い展開か。新規失業保険申請件数、3月中古住宅販売件数などの経済指標や寄り前に発表されるメルク、ペプシコ、プロクター&ギャンブルなどの決算発表をにらんでもみ合う展開となりそうだ。
今晩の米経済指標は新規失業保険申請件数、3月中古住宅販売件数のほか、3月耐久財受注、3月シカゴ連銀全米活動指数、4月カンザスシティー連銀製造業活動指数など。企業決算は寄り前にユニオン・パシフィック、フリーポート・マクモラン、メルク、ペプシコ、ブリストルマイヤーズ、プロクター&ギャンブル、ダウ、ハズブロ、引け後にアルファベット、インテル、ギリアド・サイエンシズなどが発表予定。
モルガン・スタンレーは最新リポートで、米中の関税摩擦が大幅に緩和されれば、中国のハイテク、消費、ヘルスケア分野にとって強い追い風となり、特にオフショア市場がオンショアのA株市場を上回るパフォーマンスを示す可能性があるとの見通しを示した。ただ、米中交渉のハードルが高く、根本的な利益相反が存在することから、戦略的にはバランスの取れたポートフォリオを維持すべきだとしている。『AAストックス』が24日伝えた。
モルスタは、トランプ米大統領が対中関税の大幅な引き下げを示唆し、ベッセント財務長官も関税緊張の緩和を予測したことに言及。これを受け、市場心理は改善傾向にあるとの見方を示した。仮に関税戦争が緩和すれば、米国に上場する中国企業の上場廃止リスクといった非関税分野の懸念も後退し、中国市場全体のリスクプレミアムとバリュエーションの改善につながる可能性があるとした。
こうした前提のもと、モルスタは大型テクノロジー・インターネット企業、デフレ圧力からの回復が見込まれる消費財、緊張緩和の恩恵を受けるヘルスケアの各セクターが最も恩恵を受けやすいと分析。一方で、現在のところ効果的な米中間対話が行われているという確たる証拠はなく、関税戦争の緩和に向けた具体的な前提条件も不透明なままだと指摘した。米国は引き続き国内産業保護や投資促進を優先しており、貿易合意は依然として困難との長期的見方を崩していない。
こうした状況を踏まえ、モルガン・スタンレーは投資家に対し、短期的には忍耐強く、バランスの取れた投資戦略を推奨。具体的には、オフショア市場では質の高い大型インターネット株、オンショアのA株市場では優良な消費財株を保有しつつ、ポートフォリオの一部にディフェンシブな銘柄を組み入れることを提案している。
モルスタは、今後の注目点として、中国政府の公式反応、実務レベルの協議の進展、既存関税の一時停止の有無、さらには米国預託証券(ADR)廃止や投資制限、技術輸出禁止といった非関税措置の動向を挙げ、投資判断の材料とすべきだとした。
トランプ米政権が中国で生産された一部自動車部品に対する関税の緩和を検討しているようだ。関税に関する決定を撤回するのではなく、一部の免除となるもよう。『信報』が24日、外電を引用して伝えた。
トランプ政権は遅くとも5月3日までに自動車部品に対する25%の関税を発動すると発表しているが、米国の複数の自動車業界団体はコストの増加などを避けるため、関税措置の撤回を求めていた。
日経平均株価は続伸。前日終値からマド開けスタートとなるも伸び悩む展開となった。ただ、3日ぶりの陰線を形成したが、25日移動平均線(35009円 4/24)を上回って終えた。
RSI(9日)は前日の53.2%→72.9%(4/24)に上昇。短期的な見方に大きな変化はない。直近高値更新が続いており、4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。4/3の下落で形成したマドを埋め戻し、次の心理的節目36000円にトライできるかどうか。25日移動平均線は依然として下向きが続いており、上方向には伸び悩む動きにつながりやすい。
上値メドは、4/2安値(35426円)、心理的節目の36000円、50日移動平均線(36485円 同)、3/28安値(36864円)、心理的節目の37000円などがある。下値メドは、10日移動平均線(34327円 同)、心理的節目の34000円、4/16安値(33658円)、心理的節目の33000円、心理的節目の32000円、4/9安値(31258円)などがある。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.123%、応札倍率(カバー)が2.55倍となった。
(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.78円(24日15時時点比横ばい)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.33円(△0.47円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1369ドル(△0.0033ドル)
FTSE100種総合株価指数:8407.44(前営業日比△4.26)
ドイツ株式指数(DAX):22064.51(△102.54)
10年物英国債利回り:4.500%(▲0.052%)
10年物独国債利回り:2.448%(▲0.049%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月仏消費者信頼感指数
92 92
4月独Ifo企業景況感指数
86.9 86.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。中国政府が「中国と米国の間では、経済や貿易に関する交渉はまったく行われていない」と表明すると、米中間の貿易交渉を巡る不透明感が意識されて欧州株相場が下落。リスク回避の円買い・ドル売りが先行した。NY市場に入り、3月米中古住宅販売件数が年率換算で402万件と予想の413万件を下回ったことが分かると、一時142.28円と日通し安値を付けた。
ただ、安く始まったダウ平均が上げに転じるなど、米国株相場が底堅く推移すると買い戻しが優勢に。トランプ米大統領が「我々は中国と会談している」「中国と今朝会談した」と明らかにすると、株価が一段高となりドル円にも買いが入った。2時30分前には一時142.83円付近まで持ち直した。
・オセアニア通貨は堅調。トランプ米大統領が「米中協議を実施した」と発言すると米中貿易摩擦を巡る懸念が後退し、ダウ平均が一時460ドル超上昇。リスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に買いが入った。豪ドル米ドルは0.6409米ドル、NZドル米ドルは0.5996米ドルまで上げたほか、豪ドル円は91.40円、NZドル円は85.51円と日通し高値を更新した。
・ユーロドルは伸び悩み。中国政府が「関税などに関する米国との交渉は実施されていない」「米国が問題を解決したいのであれば、一方的な対中関税を完全に撤回すべきだ」と主張したことを受けて全般ドル売りが先行。4月独Ifo企業景況感指数が86.9と予想の85.2を上回ったことも相場の支援材料となり、一時1.1395ドルと日通し高値を更新した。
ただ、節目の1.1400ドルや前日の高値1.1440ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。0時30分過ぎには1.1348ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は底堅い動き。独経済指標の上振れをきっかけに買いが先行すると一時162.39円まで値を上げたものの、22時前には161.87円付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた日通し安値161.85円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧州株の持ち直しや米国株の上昇も買いを促し、2時30分前には162.40円と日通し高値を付けた。
・ロンドン株式相場は小幅ながら9日続伸。足もとで相場上昇が続いたあとだけに、短期的な過熱感から利益確定目的の売りが先行した。ただ、米中貿易摩擦懸念の後退で投資家心理が改善しており、売り一巡後は買い戻しが優勢に。引けにかけて持ち直した。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、ロールス・ロイス・ホールディングスやBAEシステムズなど資本財サービス株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続伸。米中の貿易摩擦を巡る懸念は和らいだものの、関税交渉には時間がかかるとの慎重な見方から売りが出た。もっとも、引けにかけては買い戻しが優勢となり、上げに転じた。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(7.08%高)やアディダス(2.52%高)、シーメンス(2.11%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。景気動向次第では欧州中央銀行(ECB)が追加の利下げに動くとの見方から、独国債が買われた。なお、レーン・フィンランド中銀総裁は「ECBは大幅な利下げの可能性を排除すべきでない」と述べたほか、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は「年内にさらなる利下げが行われる可能性」などと話した。
24日の日経平均は続伸。終値は170円高の35039円。米国株の大幅高と円安進行を好感して、300円超上昇して始まった。前場では一段の上値追いには慎重姿勢が見られた一方、大きな失速もなく、35100円~35200円台で動意薄の展開が続いた。
後場に入ると失速感が強くなった。外需が強く内需が弱いという構図であったが、弱い方の売られ度合いが大きく、プライムでは値下がりに転じる銘柄が増加。終盤には上げ幅を2桁に縮める場面もあった。ただ、35000円より下で推移する時間は短く、終値でも35000円は上回った。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1400億円。業種別ではその他製品、非鉄金属、保険などが上昇した一方、陸運、食料品、不動産などが下落した。株主優待の内容を変更し、新たに新米などを贈呈品としたビューティカダンホールディングス<3041.T>が後場に買いを集めてストップ高。半面、今期の減収減益・減配計画を提示したトーメンデバイス<2737.T>が後場に大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり605/値下がり985。「スイッチ2」の抽選販売に会社の想定を上回る応募があった任天堂が5.6%高。東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体株に強い買いが入った。米ボーイングが決算で大きく上昇したことを手がかりに、大阪チタニウム、東邦チタニウム、東レが大幅上昇。前期の利益見通しを引き上げたレノバが急伸した。今期の見通しを非開示としたファナックは、上値は重かったものの、自己株取得など株主還元強化策が好感されて上昇した。
半面、円安進行で潮目の変化が意識されたか、神戸物産、パルGHD、良品計画など、4月に入ってからの円高局面で買われていた小売株の多くが大幅安。東京メトロやJR東日本など鉄道株も大きく下げる銘柄が多かった。NTT、KDDI、SBなど通信株が軟調。今期の大幅営業減益計画が失望を誘ったKOAが急落した。
本日、グロース市場に新規上場したLIFE CREATEは、初値は公開価格を小幅に上回った。終値は初値を下回り、公開価格と同値となった。
日経平均は3桁の上昇。ただ、プライムでは値下がり銘柄の方が多かった。前場では値上がり銘柄の方が多かっただけに、後場にセンチメントが悪化している。外需買い、内需売りの地合いであったが、東京時間ではどちらかというとドル円は円高に振れていた。その割には内需株の多くが叩き売られており、次第に外需の強さよりも内需の弱さがクローズアップされた。為替が動けば物色に変化が出るのは当然としても、外需を買えるかどうか半信半疑の状況で、それまで動きが良かった内需が大きく崩れてしまうと、デイトレーダー以外の投資家は株式に資金を振り向けづらくなる。
ベッセント米財務長官と加藤財務相が米国時間24日に会談を行う予定で、そこでの議論の内容があすの日本株市場にも大きな影響を及ぼす可能性がある。きょうの動きを見ると内需から外需へのシフトが進みそうではあるが、それにはもう一段の円安が必要となるだろう。外需が買われても、きょうのように内需が嫌われてしまうと、指数は上がりづらくなる。ようやく35000円台を回復した程度であるだけに、今は内需か外需かではなく、どちらも大崩れすることなく水準を切り上げてほしい局面だ。
(24日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.63円(前営業日比▲0.82円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.41円(△0.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1390ドル(△0.0074ドル)
ダウ工業株30種平均:40093.40ドル(△486.83ドル)
ナスダック総合株価指数:17166.04(△457.99)
10年物米国債利回り:4.31%(▲0.07%)
WTI原油先物6月限:1バレル=62.79ドル(△0.52ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3348.6ドル(△54.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月米耐久財受注額
(前月比) 9.2% 0.9%・改
輸送用機器を除く
(前月比) 0.0% 0.7%
前週分の米新規失業保険申請件数
22.2万件 21.6万件・改
3月米中古住宅販売件数
(前月比) ▲5.9% 4.4%・改
(年率換算件数)402万件 427万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。3月米中古住宅販売件数が年率換算で402万件と予想の413万件を下回ったことが分かると一時142.28円と日通し安値を付けた。
ただ、一目均衡表転換線が位置する142.10円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。安く始まったダウ平均が上げに転じるなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。トランプ米大統領が「我々は中国と会談している」と明らかにすると、米株価が一段高となりドル円にも買いが集まった。2時30分前には一時142.83円付近まで下値を切り上げた。
なお、日本時間夕刻には中国政府が「中国と米国の間では、経済や貿易に関する交渉はまったく行われていない」と表明していた。
・オセアニア通貨は堅調だった。米中貿易摩擦の緩和期待を背景にダウ平均が一時550ドル超上昇すると、リスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に買いが入った。豪ドル米ドルは0.6413米ドル、NZドル米ドルは0.6001米ドルまで上げたほか、豪ドル円は91.46円、NZドル円は85.60円と日通し高値を更新した。
・ユーロドルは3日ぶりに反発。0時30分過ぎには1.1348ドル付近まで下押ししたものの、引けにかけては強含んだ。米国株相場の上昇を受けて、対オセアニア通貨中心にドル安が進んだ影響を受けた。4時30分過ぎには一時1.1398ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は小幅ながら続伸。22時前に一時161.87円付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値161.85円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米国株の上昇も買いを促し、5時過ぎには162.50円と日通し高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。米中間の貿易交渉を巡る不透明感が意識されて売りが先行したものの、すぐに持ち直した。トランプ米大統領が「我々は中国と会談している」と明らかにすると、米政権の対中姿勢緩和を期待した買いが強まった。指数は一時550ドル超上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。米中貿易摩擦の緩和期待を背景に、米株とともに米国債にも買いが入った。
・原油先物相場は反発。前日の反動で買い戻しが先行した。また、米中貿易摩擦の緩和期待が相場の支えとなった。ただ、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の増産懸念で上値は限られた。
・金先物相場は反発。前日に持ち高調整の売りが大きく進んだ反動で買いが優勢となった。もっとも、トランプ関税に伴う世界情勢の不安や世界的な低金利状態が継続するとの見方で金の先高観は根強く、押し目には買いが入りやすい。
24日06:48 トランプ米大統領
「中国への関税は今後2-3週間に設定」
「関税がいつ引き下げられるかは中国次第」
「中国と取引なければそれはそれでOK」
「パウエルFRB議長は間違い犯したと思っている」
25日01:29
「ウクライナとロシアの合意巡り、自分の中に期限ある」
「期限後は異なる態度を取ることになるだろう」
「我々は中国と会談している」
「(中国との貿易協議)今朝会談した」
24日11:16 林官房長官
「赤沢経済再生相の訪米は調整中、現時点では決まっていない」
「為替については日米財務相間で緊密に議論していく」
「為替は日米財務相会談の調整がつけば議論する予定」
24日12:07 加藤財務相
「現地時間24日に日米財務相会談」
「為替相場は市場によって決まるもの」
「為替の過度な変動は経済・金融に悪影響を与える」
24日16:12 中国外務省
「中国と米国はまだ関税について協議していない。必要であれば関税戦争も辞さない」
「いかなる協議であっても尊重が条件」
「米国が対話を望むなら、脅しをやめるべき」
「米国による関税の津波はWTO規則に違反している」
24日17:43 レーン・フィンランド中央銀行総裁
「欧州中央銀行(ECB)は、大幅な利下げの可能性を排除すべきでない」
「経済的なリスクが顕在化しつつある」
24日21:00 レーンECB専務理事兼主任エコノミスト
「金融政策を前もって確約することはできない」
「ユーロ高とエネルギー価格の低下がディスインフレ要因」
「0.25%の金利変更は、欧州中央銀行(ECB)にとっての基準ではない」
24日21:40 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「トランプ関税による不確実性が、企業の投資を停滞させている」
「5月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ検討は時期尚早」
「6月FOMCでは、データ次第で利下げの可能性」
「7月までに関税の影響が明確に現れる可能性は低い」
「今年後半には関税の影響が明確になるだろう」
「関税によって失業率が急速に上昇する可能性がある」
「関税の物価への影響は一時的になると強く確信」
「FRBは政策決定にあたりデータを注視」
「データ重視は政策対応の遅れにつながるリスクをもたらす」
24日23:23 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「利下げは関税の確実性が増すまで待つべき」
「利下げについては概ね合意があったものの、一部で意見の相違があった」
「年内にさらなる利下げが行われる可能性」
「物価と金利の動向については様々なシナリオが考えられるものの、当面は下向き」
25日00:26 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「英経済にリセッションは迫っていない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 4月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比3.2%)
<海外>
○08:01 ◇ 4月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲22)
○15:00 ◎ 3月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.4%/前年比1.8%)
○15:00 ◎ 3月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.4%/前年比2.2%)
○15:45 ◇ 4月仏企業景況感指数(予想:96)
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:21.00%で据え置き)
○21:30 ◎ 2月カナダ小売売上高(予想:前月比▲0.4%/自動車を除く前月比▲0.4%)
○23:00 ◎ 4月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:50.8)
○23:15 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○オーストラリア、ニュージーランド(アンザックデー)、休場
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季会合と関連イベント(ワシントン、26日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 35560 +530 (+1.51%)
TOPIX先物 2625.5 +35.0 (+1.35%)
シカゴ日経平均先物 35570 +540
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
24日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米中間の貿易交渉を巡る不透明感から売りが先行したが、トランプ米大統領は「24日に両国の政府関係者が会合を持った」と明らかにすると、米中対立の緩和を期待した買いが強まった。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事やクリーブランド連銀のハマック総裁が利下げに踏み切る可能性について言及したことも材料視された。半導体株の上げが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の上昇率は5%を超えた。
S&P500業種別指数は、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、自動車・同部品が上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコ、保険が下げた。NYダウ構成銘柄では、セールスフォース<CRM>、キャタピラー<CAT>、エヌビディア<NVDA>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が買われた半面、IBM<IBM>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、コカ・コーラ<KO>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比540円高の3万5570円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比90円安の3万4940円で始まり、3万4790円まで売られた後に切り返し、3万5000円~3万5130円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まり、3万5670円まで買われる場面もみられた。終盤にかけても高値圏での推移を続け、3万5560円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションの開始直後に3万4790円まで下げる場面もみられたが早い段階で切り返しており、25日移動平均線(3万4900円)が支持線として意識されやすく、ボリンジャーバンドの+1σ(3万6560円)とのレンジ推移になりそうだ。週足のボリンジャーバンドでは-1σ(3万4920円)を明確に上抜けてきたことで、中心値となる13週線(3万6750円)とのレンジに入る。
米国市場ではIBMは決算内容が嫌気されて下落したが、エヌビディアなど半導体株の上昇が目立ったことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引することになろう。オプション権利行使価格の3万5250円から3万6250円でのレンジを想定。
トランプ大統領の発言に対して中国政府は否定するなど、米中貿易交渉の進展には不透明な部分が多い。そのため買い一巡後は膠着感が強まる可能性はある。ここ数日は朝高後に上げ幅を縮める動きが続いていることもあり、手掛けづらさはありそうだ。決算発表が本格化するほか、ゴールデンウイークに入ることで積極的なロングは手控えられやすい一方で、ショート筋においてはポジションをニュートラルに近づける形でのカバーが強まりそうである。
加藤勝信財務大臣は、ベッセント米財務長官と会談を行った。「為替レートは市場で決定される」「過度な変動は経済に悪影響を与える」との認識を再確認したと伝えられている。赤沢亮正経済再生担当相は30日から3日間の日程で訪米し、2回目の担当閣僚協議に臨む方針であるため、買い一巡後に弱含む局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
24日の米VIX指数は26.47(23日は28.45)に低下した。一時29.66まで上昇する場面もみられたが、その後は25日線(29.08)に上値を抑えられる形となった。トランプ大統領の発言に振らされやすい状況で楽観は禁物であるが、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.52倍に上昇。一時13.48倍まで低下した後に切り返す形だった。ただし、25日線(13.54倍)が抵抗線として意識されている状況であるため、NTショートの巻き戻しを狙った動きは限られていた。本日は米ハイテク株主導の上昇のなかでNTショートを巻き戻す動きがありそうだが、25日線に抑えられるかを見極めたいところである。
昨日の海外市場でドル円は、3月米中古住宅販売件数が年率換算で402万件と予想の413万件を下回ったことが分かると一時142.28円と日通し安値を付けた。ただ、米株価が一段高となり142.83円付近まで下値を切り上げた。ユーロドルは、1.1348ドル付近まで下押ししたものの、NY引けにかけては1.1398ドルまで強含んだ。
本日の東京時間でドル円は、前日レンジを踏襲しながら神経質な動きにはなりそうだが、上値は限定的と予想する。今週に入り、トランプ政権が米トリプル安を回避したいため、中国への関税交渉に前向きだ。政権の期待通りにダウ平均やナスダック総合は3日続伸し、株安には一定の歯止めがかかった。ただ、ドルの買い戻しは徐々に効果が弱まってきていることで、本日もドルの上値は限られるのではないか。
日本時間早朝まで行われていた日米財務相会談では、時間的な制約もあり予想通り表面的な話し合いで終わったようで、加藤財務相の会見での反応は限られた。加藤財務相は「米国からは為替に関して目標やそれに対する枠組みの話は全くなかった」と述べたが、ベッセント米財務長官と「為替に関して緊密かつ建設的な議論で一致」と会見で表明した。ただし、やり取りの中身や具体的なコメントを控えるとしている。
この「建設的な議論」が具体的にどのような内容であったかが、今後の注目点になるだろう。日米会談の前に行われた米韓会談では、為替の件は今後2国間で協議する旨の発表があったことを考えると、米国が円だけではなくアジア通貨安全般について懸念していると考えられる。
財務相会談が終わり、市場の注目は2回目の日米関税交渉に移る。赤沢経済再生相は4月30日に出発し、翌1日にベッセント米財務長官達と協議を行う。ただ、前回の交渉で自らのことを(トランプ米大統領と比較し)「格下の格下」と発言する赤沢氏が主導の下で、大きな進展を期待するのは難しいという声が多い。
今週に入りトランプ政権が中国に対する税率を引き下げることを示唆するなど、弱気の姿勢を見せている。そのため、日本政府が早急に通商問題解消をするよりも時間をかけて交渉する方が優位に立てるとの認識を持てば、来週の協議も進展を期待できないかもしれない。なお、トランプ米大統領は中国との会談をもったとしているが、中国側は交渉は一切行われていないと発表するなど、米国側の焦りが出ているようだ。
本日発表される経済指標では、国内の消費者物価指数(CPI)の前哨戦となる、4月の東京都区部CPIに注目。米国の相互関税の影響が出てくるのが年後半ということで、4月のインフレ率で市場が大きく反応することは難しいだろうが、来週行われる日銀政策決定会合の声明などに影響を与えることが予想されるため、注意深く見ておく必要はありそうだ。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は486ドル高の40093ドルで取引を終えた。下落して始まったものの、すぐにプラス転換すると上げ幅を広げる展開。エヌビディアやアマゾンなど主力グロース株が上昇をけん引した。ドル円は足元142円70銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて540円高の35570円、ドル建てが630円高の35660円で取引を終えた。
米国株が力強い上昇となり、投資家の不安心理を示すVIX指数は3日連続で低下している。CME225も大幅高スタートを示唆しており、日本株にも買いが入ると予想する。加藤財務相とベッセント米財務長官の会談では、為替に関する議論がなかったことが伝わっている。続報が届けば内容次第で指数が大きく動く可能性はあるが、ドル円の波乱要素が低下したことはポジティブ。外需銘柄には資金が向かいやすい。楽観ムードが醸成され、場中は下げづらく上げやすい地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは35400円-35800円。
IMF・世界銀行の春季年次総会にあわせてG20財務大臣・中央銀行総裁会議も毎年開催されることから、世界中の金融当局者が一堂に会しているなか、日米財務相会談が執り行われたわけですが、その結果は言わずもがな。G7やG20でのコミットメントに沿った会談になることは明らかだったはずで、両国の財務相が為替について議論を交わすのも当たり前の流れ。今朝方の加藤財務相のコメントも、聞くまでもない、既知のオールドニュースでしかなかったといったところです。
市場の反応も、当然のようにサプライズ的な動きとはなっておらず、ドル円はGW前の週末ゴトー日という需給関係のタイト感から、本邦実需の買いが断続的に観測されるなか143.11円まで買い戻されることになっています。その後の下押しも142.83円までとNY時間の高値に面合わせしたにとどまると、再び下値を切り上げています。既に一昨日のNYクローズで一目転換線を完全に上抜けてきているわけで、市場では目先ショートカバーが先行する動きとなっています。
いずれにしても、今回の日米貿易交渉から日米財務相会談までに台頭した「為替議論」騒動は、大手米銀や地上波キー局の報道も含めて、最後の最後まで根拠なきイリュージョンを煽るかたちとなったといったところ。視聴率獲得や大衆迎合の策としては大成功を収める結果に終わっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比510円高の3万5540円(+1.45%)前後で推移。寄り付きは3万5590円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万5570円)にサヤ寄せする形で、買い先行から始まり、3万5680円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただし、買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の動きも入るなかで3万5430円まで上げ幅を縮め、終盤にかけては3万5500円~3万5550円辺りでの保ち合いを継続。
日経225先物は買い一巡後にやや上げ幅を縮めているが、3万5500円辺りでの底堅さがみられており、ショートを仕掛けづらくさせている。25日移動平均線(3万4900円)とボリンジャーバンドの+1σ(3万6560円)とのレンジ推移を継続するなか、下値を切り上げてくることで+1σ水準を目先のターゲットとしたトレンド形成が期待されてきそうだ。
東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が日経平均型を牽引しているが、買い一巡後は上げ幅を縮めていることで積極的なロングは限られよう。ただし、ショートカバーが入りやすい状況のなかでは、押し目狙いのロング対応に向かわせるだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.55倍に上昇。一時13.57倍まで上昇する場面もみられたが、その後は25日線(13.54倍)を挟んでの推移をみせている。同線を明確に上抜けてこないと、NTショートを巻き戻す動きは強まりにくいと考えられる。
本日のロンドン為替市場では、序盤に発表の3月英小売売上高に暫くポンドは上下させられるか。総合/除く自動車ともに前月比がマイナス予想であり、こちらの結果が注視される。低下幅をもし広げるようであれば、昨日ベイリー英中銀(BOE)総裁は否定していたものの、「英経済のリセッション」が再び意識され始めるだろう。
今週のポンドドルは買い先行も、昨年9月下旬に頭を抑えられた1.34ドル前半で伸び悩むと一時1.32ドル前半まで失速する場面があった。昨日はユーロポンドのポンド高推移を受けて反発したものの、本日の東京時間は再び上値を切り下げている。
ポンドドルが今月前半に売り込まれた1.27ドル手前から、切り返した今週高値までのレンジの半値は1.3060ドル台とまだ距離はある。しかしながら、トランプ米大統領の政策に対する過度な警戒感の後退から「ドル売りが一服」のなか、英国発の材料が弱いとなればポンド安ドル高に傾きやすくなるもしれない。
ほか、南ア・ランドの動きに本日は注目。ゴドンワナ南ア財務相は昨日、これまで実施するとしてきた「付加価値税(VAT)の引き上げ」を撤回した。同財務相の判断は、ラマポーザ大統領率いる第1党アフリカ民族会議(ANC)の譲歩ということでもある。これにより、VAT増税に強く反対していた第2党・民主同盟(DA)の国民統一政府(GNU)離脱は回避できるもよう。連立政権の崩壊は防がれ、目先の政治安定には繋がるかもしれない。
しかしながら、750億ランドの予算不足という現実問題から南ア政府は逃げることはできない。財政危機への対応策(VATを0.5%引き上げて15.5%に)を講じないとなれば、海外投資家の南アフリカに対する不信感が高まってしまいそうだ。予算不足を補う新たな対策が打ち出されなければ、通貨ランドの印象は悪くなってしまうだろう。
想定レンジ上限
・ポンドドル、22日高値1.3424ドル
・ランド円、23・24日高値7.70円
想定レンジ下限
・ポンドドル、23日安値1.3234ドル
・ランド円、21・22日安値7.49円
ドル円:1ドル=143.62円(前営業日NY終値比△0.99円)
ユーロ円:1ユーロ=162.75円(△0.34円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1331ドル(▲0.0059ドル)
日経平均株価:35705.74円(前営業日比△666.59円)
東証株価指数(TOPIX):2628.03(△35.47)
債券先物6月物:140.43円(▲0.26円)
新発10年物国債利回り:1.330%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年比 3.4% 2.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は買い優勢。日米財務相会談後、加藤財務相が「米国から為替水準や目標に関する言及は全くなかった」と発言し、円安是正の議論がなかったことが分かると買いが先行。週末前の5・10日(ゴトー日)に絡んだ買いが観測されたほか、午後には「中国は米製品に対する報復関税について、一部輸入品の適用除外を検討」との一部報道が伝わると買いが加速。一時143.85円まで買い上げられた。
・ユーロ円は強含み。円安是正議論や米中対立への警戒感がいずれも後退したことで円売りが活発化。日本株の上昇とともにユーロ円は一時163.00円まで値を上げた。
・ユーロドルは弱含み。ドル円の大幅上昇に伴ってユーロ売り・ドル買いが進行。一時1.1316ドルと昨日安値に面合わせした。
・日経平均株価は3日続伸。昨日の米株高を好感した買いが入ったほか、外国為替市場での円安・ドル高も自動車関連株の買いにつながった。米中対立緩和期待も重なって指数は一時800円高近くまで上げ幅を広げた。
・債券先物相場は反落。東京都区部CPIが予想より強かったことで日銀の利上げ観測から売りが先行。日本株高で安全資産とされる債券需要も低下したため、総じて軟調に推移した。
ドナルド・トゥスク政権下のポーランドがEUの制裁と資金凍結を招いた前政権下の司法制度改革を是正するための法案をEUの法律専門家に提出した。大統領選挙を控え、この改革は司法の独立性回復、EUの懸念解消、そして3億2000万ユーロ以上の凍結資金の回復を目指すものとなる。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
冷え切った米中関係は「雪解け」を迎えることができるか
関係改善に向けた兆しは世界経済の悪化懸念を和らげるも、大幅改善への過大な期待は難しい
米トランプ政権の関税政策を巡る不透明感が世界経済や国際金融市場を揺さぶる展開が続く。なかでも、米中摩擦の激化は金融市場の混乱や実体経済への悪影響が懸念されている。その後、米国は一部の中国からの輸入品への相互関税適用除外や中国に対する関税引き下げを示唆するなど、対中姿勢を軟化させる動きをみせる。他方、中国は強硬な姿勢を維持する一方、一部の米国からの報復関税の除外を検討するなど関係改善の兆しもうかがえる。市場では米中協議が進展することへの期待が高まっているが、米トランプ政権の政策意図や米中間の根本的な対立構造は深刻化している。米中間の緊張緩和は世界経済の悪化懸念を和らげることは期待される一方、大幅な関係改善への過大な期待は禁物と捉えられる。
「従順であれ」(パウエルFRB議長の信条)
米国大統領が任命したFRB議長、上院によって承認された任期14年の理事を罷免するには、米連邦準備理事会(FRB)を設立した1913年の「連邦準備法(Federal Reserve Act)」10節2項に基づいて、「正当な理由(for cause)」が必要となっている。これは長い間、政策上の「意見の相違」ではなく「職務怠慢、不正行為」を意味すると考えられてきた。すなわち、米大統領の金利引き下げ要請を聞き入れないというだけでは、クビに出来ない。
1.「Mr Ordinary(ミスター凡庸)」から「Mr Too late(ミスターのろま)」へ
経済学博士号を持たず、マクロ経済に関する専門知識はほとんどなかったパウエル第16代FRB議長は、FRB理事として米連邦公開市場委員会(FOMC)での決定に一度も反対したことのないことで、「ミスター凡庸(Mr Ordinary)」と揶揄されていた。
2018年、トランプ第45代米大統領は、同じ1946年に生まれ、同じ地区で生まれ育った民主党寄りのイエレン第15代FRB議長が利上げ路線を邁進していたため、共和党寄りのパウエル第16代FRB議長を任命した。
マクロ経済の素人であるパウエルFRB議長は、2021年にインフレ率が9%台まで上昇している時に「インフレは一時的」であると主張して利上げを拒み、2025年にインフレ率が2%台まで低下している時に「トランプ関税は一時的」と主張している。
2.過去の判例と現在の訴訟
■パウエルFRB議長の3つの役職と任期
・米連邦準備理事会(FRB)議長:2026年5月
・FRB理事:2028年1月
・米連邦公開市場委員会(FOMC)議長
■過去の判例(1935年)
米連邦最高裁判所は、米国大統領には理由なく独立機関の指導者を解任する権限はない、と判断している。
■現在の訴訟
現在、米連邦最高裁判所では、トランプ大統領解任した2つの独立機関(全米労働関係委員会とメリットシステム保護委員会)の高官が復職を求めており、「1935年判例」に違反しているとして訴訟が行なわれている。
1935年判例が踏襲された場合、パウエルFRB議長は2026年5月までの任期を全うできることになる。しかし、トランプ色に染まった最高裁が、解任を合憲とした場合、パウエルFRB議長の任期満了の可能性が低下することになる。
大阪6月限
日経225先物 35780 +750 (+2.14%)
TOPIX先物 2636.0 +45.5 (+1.75%)
日経225先物(6月限)は前日比750円高の3万5780円で取引を終了。寄り付きは3万5590円とシカゴ日経平均先物清算値(3万5570円)にサヤ寄せする形で買い先行で始まり、3万5680円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は利益確定に伴うロングの解消も入るなかで前場中盤に3万5430円まで上げ幅を縮め、前場終盤にかけては3万5500円~3万5550円辺りで保ち合いを継続。
だが、午後の取引に入ると上へのバイアスが強まり、現物の取引開始後ほどなくして3万5870円まで買われた。後場中盤以降は持ち高調整の動きから上げ幅を縮めたものの、3万5650円~3万5780円辺りでの推移が続いた。
買い一巡後は週末要因もあって3万5500円辺りで膠着感が強まるとみられていたが、「中国政府は米国への報復関税を巡り、米国からの一部輸入品を対象から除外することを検討している」との米メディア報道をきっかけにショートカバーが強まった。さらに、中国メディアは半導体関連製品の一部を追加関税の対象外とする準備を進めているとの報道が伝わったことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の買い戻しに向かわせた。
今後、米国と中国が交渉のテーブルに着くことができれば、アルゴリズム発動のトリガーとなる可能性もあるため、ショートを仕掛けづらくさせよう。取引終了後に2025年3月期決算を発表したアドバンテスト <6857.T> [東証P]は、2026年3月期の見通しが市場コンセンサスを下回った。しかし、1900万株(発行済み株式数の2.6%)、700億円を上限とする自社株買いを発表しており、これが評価されるようだと、売り込まれていた半導体株の買い戻しによって日経平均型を牽引する形となろう。
日経225先物は3万5000円水準を固めつつ、25日移動平均線が位置する3万6440円が目先のターゲットになりそうだ。週足では13週線が位置する3万6480円が射程に入る。
NT倍率は先物中心限月で13.57倍に上昇し、一時13.60倍まで切り上がる場面もみられた。前場は13.52倍まで下げており、25日線(13.54倍)を挟んでの推移をみせていたが、同線を上回ってきた。アドバンテストの動向次第では、NTショートを巻き戻す動きが強まる可能性がありそうだ。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7395枚、ソシエテジェネラル証券が1万3729枚、サスケハナ・ホンコンが4714枚、バークレイズ証券が4059枚、野村証券が2413枚、日産証券が1740枚、モルガンMUFG証券が1340枚、SBI証券が1165枚、ゴールドマン証券が985枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万5216枚、ソシエテジェネラル証券が2万2818枚、バークレイズ証券が6640枚、JPモルガン証券が6055枚、ゴールドマン証券が4542枚、モルガンMUFG証券が3572枚、サスケハナ・ホンコンが2972枚、ビーオブエー証券が2830枚、みずほ証券が1604枚、UBS証券が1313枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、4月米消費者態度指数確報値で、関税スタグフレーションへの警戒感がさらに高まっているのか否かを見極めつつ、トランプ米大統領やベッセント米財務長官による円相場への見解に警戒する展開が予想される。
米消費者態度指数の4月速報値は、約3年ぶりの低水準となる50.8に落ち込み、インフレ期待は短期・長期共に数十年ぶりの高水準に急上昇し、関税スタグフレーションへの警戒感が高まった。1年先のインフレ期待は6.7%で、3月の5.0%から上昇、5-10年先のインフレ期待は4.4%で、3月の4.1%から上昇していた。
確報値では、さらなる警戒感が示されるのか否かに注目しておきたい。
日米財務相会談では、為替レートは市場において決定されること、過度の変動や行き過ぎた動きは経済・金融の安定に悪影響を与えることなどについての認識が再確認され、為替に関しては、引き続き緊密かつ建設的に協議を続けていくことで一致した、と報じられている。
そして、ベッセント米財務長官が加藤財務相に対して、為替の水準や目標、円安是正策などを提示しなかtったとのことで、ドル円は週末の買い戻しが優勢な展開となっている。
本日は、トランプ米大統領やベッセント米財務長官による円相場への見解、そして来週予定されている第2回日米貿易交渉への展望などに警戒しておきたい。
IMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円のネット買い持ちポジションは、15日の時点で171,855枚(前週比+24,788枚)と過去最大を更新していた。ドル円が155円付近で円の売り持ちから買い持ちに転換し、152円付近で過去最大規模となっていたが、相場観として、トランプ米政権による日米貿易不均衡是正に向けたドル安・円高圧力(※プラザ合意IIとしてのマールアラーゴ合意)を期待していたのではないだろうか。
ドル円は22日に140円を割り込んだが、シカゴ筋のネット買い持ちポジションの数字にも注目しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、144.31円(4/14高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、142.28円(4/24安値)
UBS証券では、日銀が5月1日に公表する四半期展望リポートに関して、2025年度のGDPや2026年度のCPIは米国の関税ショックを受けて若干の下方修正が見込まれるものの、その程度は小さいと予想している。重要な点として、UBSでは2027年度の実質GDP成長率見通しが潜在成長率の0.7%を上回る1%、CPIが2%になると予想していることを挙げている。これは、次の政策が利下げではなく利上げであることを示唆する。また、今回のリポートでは高い不確実性を強調することが見込まれるとコメント。不確実性の高さを強調することは、裏を返せば政策の柔軟性の維持が目的にあるとUBSでは考えている
大和証券のデイリーマーケットリポートでは、大型連休中の時間リスクについてコメントしている。トランプ氏からは何が発信されるか分からない。それでも大和では、大型連休中の時間リスクは報われる可能性が高いと考えている。その理由として、
(1)日銀会合ではトランプ政策に対する様子見姿勢が打ち出される可能性が高く、市場が荒れればFOMCでハト派発言が期待できること、
(2)連休前後の決算発表に期待が持てること
(3)米国の自動車各社の4月販売動向から米国の消費の強さが確認できるとみること、
(4)5月3日にはバークシャーハサウェイの株主総会があり、バフェット氏の日本株推しの発信もありうること
―という4点を挙げている。
一部報道が関係者筋の話として報じたところによると、中国は関税から一部の米製品の適用除外を検討しているという。
今晩はハイテク株を中心に堅調か。昨日は貿易問題の進展期待を背景にメガキャップを中心に買い戻しの動きが続き、主要3指数がそろって上昇。ダウ平均が486.83ドル高(+1.23%)、S&P500が2.03%高、ナスダック総合が2.74%高と、主要3指数がそろって大幅に3日続伸した。週初来ではダウ平均が2.43%高、S&P500が3.83%高、ナスダック総合が5.40%高とそろって大幅反発ペースとなった。引き後の動きでは、弱い第2四半期見通しが嫌気されたインテルが時間外で5%超下落した一方、アルファベットは売上高と利益が予想を上回ったほか、巨額自社株買い枠設定も好感され、株価は時間外で約5%上昇した。
週末の取引となる今晩は週初からの大幅高で利益確定売りが上値の重しとなることが予想されるものの、好決算を発表したアルファベットの大幅高が見込まれることや、週末の貿易問題の進展期待などを背景に、ハイテク株を中心に底堅い展開が期待できそうだ。
今晩の米経済指標は4月ミシガン大消費者信頼感指数確報値、同1年先・1年先期期待インフレ率確報値など。企業決算は寄り前にエーオン、チャーター・コミュニケーション、SLB、アッヴィなどが発表予定。(執筆:4月25日、14:00)
商務部は24-25日、2025年全国貿易摩擦対策会議を北京市で開いた。会議では、習近平指導部の新時代の社会主義思想を指針とし、共産党第20回全国代表大会および第20期第2回・第3回中央委員会の精神を全面的に貫徹。全国商務工作会議の方針を踏まえ、2024年以降の貿易摩擦対応の取り組みを総括するとともに、2025年の重点施策について協議した。
会議には商務部のエン東副部長が出席。エン氏は、現在中国が直面する貿易摩擦は「高強度の段階」に入っており、困難や挑戦に直面するなかでも自信と冷静さを保ち、戦略的に対応すべきだと強調。危機の中に新たなチャンスを見いだし、変化の中で新たな局面を切り開く必要があると訴えた。
そのうえで、政治の立場の強化、システム的な視点の堅持、最悪の事態を想定した思考の強化を求め、貿易リスクの防止と解消に注力することで、貿易の質の高い発展に貢献すべきだとした。
会議には、国務院の関連部門や全国の省・自治区・直轄市・新疆生産建設兵団の商務主管部門、主要業界の業界団体、関連研究機関の代表が出席した。
日経平均株価は3日続伸。買い優勢スタートから上値を伸ばす展開となり、後場も水準を切り上げて堅調に推移した。4/3の下落で形成したマドを埋め戻して終えた。
RSI(9日)は前日の72.9%→75.0%(4/25)に上昇。短期的な見方に大きな変化はない。直近高値更新が続いており、4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。心理的節目36000円や3/11安値(35987円)のフシに接近した。次は50日移動平均線(36420円 4/25)や3/31の下落で形成したマド埋め(36864円 同)がターゲットになる。
一方、25日移動平均線(34930円 同)は依然として下向きが続いており、上方向には伸び悩む動きにつながりやすいほか、36000円の心理的節目を前に揺り戻しの調整シナリオも想定できる。
上値メドは、心理的節目の36000円、50日移動平均線、3/28安値(36864円)、心理的節目の37000円などがある。下値メドは、25日移動平均線や10日移動平均線(34539円 同)、心理的節目の34000円、4/16安値(33658円)、心理的節目の33000円などがある。
(25日終値:26日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.52円(25日15時時点比▲0.10円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.29円(△0.54円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1376ドル(△0.0045ドル)
FTSE100種総合株価指数:8415.25(前営業日比△7.81)
ドイツ株式指数(DAX):22242.45(△177.94)
10年物英国債利回り:4.479%(▲0.021%)
10年物独国債利回り:2.469%(△0.021%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) 0.4% 0.7%・改
(前年比) 2.6% 1.8%・改
3月英小売売上高(自動車燃料除く)
(前月比) 0.5% 0.7%・改
(前年比) 3.3% 1.8%・改
4月仏企業景況感指数
96 97
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。日米財務相会談で円安是正に関する議論がなかったことや米中貿易摩擦の緩和期待から円売り・ドル買いが先行した。NY時間発表の4月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が52.2と予想の50.8を上回ったことも相場の支援材料となり、一時144.03円と14日以来の高値を付けた。
ただ、144円台での滞空時間は短かった。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たほか、米長期金利の低下に伴うドル売りが出ると一時143.45円付近まで下押しした。トランプ米大統領が「対中関税は何らかの譲歩がない限り引き下げない」「再度、関税を一時停止することはないだろう」と述べたことも相場の重し。
なお、中国政府はこの日、「中国と米国は関税に関する協議や交渉を行っていない」「米国は協議に関し国民をミスリードすべきではない」と表明した一方、トランプ米大統領は「中国の習近平国家主席から電話があった」と主張した。
・ユーロドルは強含み。しばらくは1.13ドル台半ばでのもみ合いの展開が続いていたが、NY市場に入ると一時1.1389ドル付近まで値を上げた。米長期金利の低下に伴うドル売りが出たほか、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測された。
ただ、本日早朝に付けた日通し高値1.1394ドルや前日の高値1.1398ドルが目先レジスタンスとして意識されると若干伸び悩んだ。
・ユーロ円は底堅い。しばらくは162円台後半でのもみ合いが続いていたが、NY市場に入ると買いが強まった。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いのフローが入り一時163.76円と日通し高値を付けた。
・ロンドン株式相場は小幅ながら10日続伸。米中貿易戦争激化への懸念が和らぎ、買いが入った。ただ、足もとで相場上昇が続いたあとだけに、短期的な過熱感から利益確定目的の売りが出ると伸び悩んだ。ロールス・ロイス・ホールディングスやBAEシステムズなど資本財サービス株が買われた半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られた。
・フランクフルト株式相場は4日続伸。米中貿易摩擦の緩和期待から前日の米国株相場や本日のアジア株相場が上昇すると、欧州株にも買いが波及した。個別ではMTUエアロ・エンジンズ(4.64%高)やブレンターク(4.49%高)、ハイデルベルク・マテリアルズ(3.78%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
米ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙が報じたところによると、「トランプ米大統領は貿易交渉の効率化に向けた関税ロードマップを発表する」ようだ。米当局は段階的な相互貿易交渉の枠組み案を策定しているという。
(25日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.67円(前営業日比△1.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.30円(△0.89円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1365ドル(▲0.0025ドル)
ダウ工業株30種平均:40113.50ドル(△20.10ドル)
ナスダック総合株価指数:17382.94(△216.90)
10年物米国債利回り:4.23%(▲0.08%)
WTI原油先物6月限:1バレル=63.02ドル(△0.23ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3298.4ドル(▲50.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
52.2 50.8
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。日本時間早朝に「日米財務相会談では為替目標について協議されなかった」と伝わったことで、円安是正を巡る思惑が後退し円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。「中国は米製品に対する報復関税について、一部輸入品の適用除外を検討」との報道や、トランプ米大統領が「中国の習近平国家主席から電話があった」と明らかにしたことを受けて、米中貿易摩擦の緩和期待が高まったことも円売り・ドル買いを誘った。23時発表の4月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が52.2と予想の50.8を上回ったことが分かると、一時144.03円と14日以来の高値を付けた。
ただ、144円台での滞空時間は短かった。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たほか、米長期金利の低下に伴うドル売りが出ると一時143.45円付近まで下押しした。トランプ米大統領が「対中関税は何らかの譲歩がない限り引き下げない」「再度、関税を一時停止することはないだろう」と述べたことも相場の重し。
なお、中国政府はこの日、「中国と米国は関税に関する協議や交渉を行っていない」「米国は協議に関し国民をミスリードすべきではない」と表明した。
・ユーロドルは反落。アジア時間に一時1.1316ドルまで売られた影響が残った。ただ、NY市場に入ると米長期金利の低下に伴うドル売りが出て下げ渋った。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると一時1.1389ドル付近まで下値を切り上げた。
もっとも、本日早朝に付けた日通し高値1.1394ドルや前日の高値1.1398ドルが目先レジスタンスとして意識されたため、戻りも限定的だった。
・ユーロ円は3日続伸。しばらくは162円台後半でのもみ合いが続いていたが、NY市場に入ると買いが強まった。ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると一時163.76円と日通し高値を付けた。ただ、引けにかけては163.15円付近まで伸び悩んだ。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸。足もとで相場上昇が続いたあとだけに週末を控えたポジション調整目的の売りが先行すると、一時370ドル超下落した。ただ、米中貿易摩擦への過度な警戒感が和らぐ中、徐々に買いが優勢になると上げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日続伸。米グーグルの持ち株会社アルファベットの四半期決算が予想を上回り、投資家に買い安心感をもたらした。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続伸。米中貿易摩擦の緩和期待の高まり米インフレ懸念を和らげた。米ミシガン大学が公表した4月米消費者調査(確報値)で1年先の期待インフレ率が予想を下回ったことも買いを誘った。
・原油先物相場は続伸。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の増産懸念や、中国が前日にトランプ米大統領が「米中が協議した」との発言を否定したことも嫌気され、売りが先行した。ただ、その後は安値拾いの買いや週末を前にした持ち高調整の買い戻しが優勢となり、小幅上昇して取引を終えた。
・金先物相場は反落。米中の貿易摩擦への過度な懸念が緩み、金融市場全般にリスクオフ姿勢が後退しており、逃避資産とされる金に売りが入った。
25日06:23 加藤財務相
「ベッセント米財務長官と二国間協議を行った」
「米国の関税措置は極めて遺憾、見直し強く申し入れた」
「為替レートは市場で決定されることなど日米で再確認」
「為替の過度な動きは経済に悪影響との認識も日米で再確認」
「為替について日米で緊密かつ建設的に協議続けていくことで一致」
「米国から為替水準や目標に関する言及は全くなかった」
25日06:28 植田日銀総裁
「世界経済、足もとで不確実性が高まっている」
「情勢見極め適切な政策運営に努めていくことが重要と指摘」
「(米関税)各国の話持ち帰って精査、日本経済の見方構築へ」
25日07:01 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「不確実性の高まりによって企業がレイオフを実施するのではないかと懸念」
「まだレイオフの兆候は見られていない」
「貿易摩擦が解決すれば不確実性は軽減されるだろうが、楽観的すぎるかもしれない」
25日09:46 赤沢経済再生相
「(加藤・ベッセント会談で)為替について従来の基本的認識を確認できたと報告受けている」
「(関税対策パッケージで)必要に応じて予備費活用はありうるが、補正予算検討の事実はない」
「5月毎月勤労統計から総?④PIによる実質賃金を公表予定」
25日16:18 中国外務省報道官
「(米国製品の一部に対する関税免除について)詳細については把握していない」
「中国と米国は関税に関する協議や交渉を行っていない」
25日16:26 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「たとえ関税が引き下げられても経済には傷跡が残るだろう」
「今後の政策対応については完全にオープン」
25日17:10 シュレーゲルSNB(スイス国立銀行)総裁
「貿易政策をめぐる状況は、スイスを含むすべての国にとって大きな不確実性」
「スイス経済の減速も排除できない」
「物価の安定は貿易政策に起因する不確実性を防ぐことはできないが、それでも非常に重要」
「貿易政策は世界経済の分断をもたらす可能性」
「主な手段は金利だが、為替介入によって金融環境に影響を与えることもできる」
「中国の習近平国家主席から電話があった」
「大統領職に権力を集中させているわけではない」
「国ごとに公正な関税を設定する」
「富裕層への増税という考えを支持」
「今後3-4週間で貿易合意がまとまる見込み」
「3期目の大統領選出馬については言及を避ける」
「イラン大統領または最高指導者との会談に前向き」
「カナダからは何も必要ない」
26日02:40
「中国が何らかの譲歩をしない限り関税は撤廃しない」
「中国を開放すれば大きな勝利となるだろう」
「マーケットは関税に適応しつつある」
「再度、関税を一時停止することはないだろう」
25日23:35 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「英経済の弱さは需要によるものか供給によるものかはっきりしない」
「需給ギャップは拡大しており、インフレ率は目標水準に戻る見通し」
26日03:13 欧州連合(EU)欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(通商政策担当)
「EUは関税問題に関して米国と相互に合意できる解決策に到達する意向」
「ウクライナへの継続的な支援が必要」
※時間は日本時間
29日
○昭和の日で休場
30日
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○08:50 ◎ 3月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 3月商業販売統計速報(小売業販売額)
○14:00 ◇ 3月新設住宅着工戸数
○14:00 ◇ 2月景気動向指数改定値
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
5月1日
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合(終了後、決定内容発表)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(4月、基本的見解)
○14:00 ◇ 4月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
2日
○08:30 ◎ 3月完全失業率
○08:30 ◎ 3月有効求人倍率
○08:50 ◇ 4月マネタリーベース
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
28日
○21:00 ◇ 3月メキシコ貿易収支
○21:00 ◇ 3月メキシコ失業率
○22:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、イベントに参加
○カナダ総選挙
○南アフリカ(自由の日の振替休日)、休場
29日
○15:00 ◇ 5月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
○16:00 ◇ 3月トルコ失業率
○18:00 ◎ 4月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○18:00 ◎ 4月ユーロ圏経済信頼感指数
○21:00 ◎ 3月南アフリカ貿易収支
○21:30 ◇ 3月米卸売在庫
○22:00 ◇ 2月米住宅価格指数
○22:00 ◎ 2月米ケース・シラー住宅価格指数
○23:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○23:00 ◎ 3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○23:00 ◎ 4月米消費者信頼感指数
○10:00 ◇ 4月ANZ企業信頼感
○10:30 ◎ 1-3月期豪消費者物価(CPI)
○10:30 ◎ 3月豪CPI
○10:30 ◎ 4月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○10:45 ◎ 4月Caixin中国製造業PMI
○14:30 ◎ 1-3月期仏国内総生産(GDP)速報値
○14:30 ◇ 3月仏消費支出
○15:45 ◇ 4月仏CPI速報値
○15:45 ◇ 4月仏卸売物価指数(PPI)
○16:00 ◇ 4月スイスKOF景気先行指数
○16:00 ◇ 3月トルコ貿易収支
○16:55 ◎ 4月独雇用統計
○17:00 ☆ 1-3月期独GDP速報値
○18:00 ☆ 1-3月期ユーロ圏GDP速報値
○20:00 ◎ ロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁、講演
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 4月独CPI速報値
○21:00 ◎ 1-3月期メキシコGDP速報値
○21:15 ☆ 4月ADP全米雇用報告
○21:30 ☆ 2月カナダGDP
○21:30 ☆ 1-3月期米雇用コスト指数
○21:30 ☆ 1-3月期米GDP速報値
◎ 米個人消費/コアPCE速報値
○22:45 ◎ 4月米シカゴ購買部協会景気指数
○23:00 ◎ 3月米個人消費支出(PCE)
◎ 3月米個人所得
☆ 3月米PCEデフレーター
☆ 3月米PCEコアデフレーター
○23:00 ◎ 3月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○1日01:00 ◎ 3月ロシア失業率
5月1日
○10:30 ◇ 1-3月期豪輸入物価指数
○10:30 ◇ 3月豪貿易収支
○15:30 ◇ 3月スイス小売売上高
○17:30 ◇ 3月英消費者信用残高
○17:30 ◇ 3月英マネーサプライM4
○17:30 ◎ 4月英製造業PMI改定値
○20:30 ◇ 4月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:45 ◎ 4月米製造業PMI改定値
○23:00 ◇ 3月米建設支出
○23:00 ☆ 4月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○英地方選
○中国(労働節)、香港、シンガポール、韓国、スイス、フランス、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、ポーランド、ロシア、トルコ、南アフリカ、ブラジル、メキシコ(レーバーデー)、休場
○07:45 ◎ 3月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○10:30 ◎ 1-3月期豪PPI
○10:30 ◎ 3月豪小売売上高
○16:00 ◇ 4月トルコ製造業PMI
○16:30 ◇ 4月スイス製造業PMI
○16:50 ◎ 4月仏製造業PMI改定値
○16:55 ◎ 4月独製造業PMI改定値
○17:00 ◎ 4月ユーロ圏製造業PMI改定値
○17:30 ◎ 1-3月期香港GDP速報値
○18:00 ☆ 4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○18:00 ☆ 4月ユーロ圏HICPコア速報値
○18:00 ◎ 3月ユーロ圏失業率
○21:30 ☆ 4月米雇用統計
○23:00 ◎ 3月米製造業新規受注
○24:00 ◇ 4月メキシコ製造業PMI
○中国(労働節)、ロシア(振替休日)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、重要指標発表予定も関税相場は変わらず
◆豪ドル、週末の総選挙には警戒
◆ZAR、VAT引き上げ撤回で予算再編成などの政治的混迷が重し
予想レンジ
豪ドル円 88.00-93.00円
南ア・ランド円 7.30-7.80円
4月28日週の展望
豪ドルは、リスク許容度に敏感なため、来週も関税に関する報道で上下を繰り返すことになる。今週に入り、トランプ米大統領は「対中関税は大幅に下がるだろう」と発言し、中国との関税合戦を回避する姿勢を見せた。ただ、市場ではこの発言を完全に織込んではいない。対中赤字解消や、米国への製造業回帰を目論んでいる米政府にとって、対中政策を弱腰の姿勢で臨むことは考えにくい。仮に、対中政策で甘い対応を取った場合には、他国との交渉にも影響を与えることにもなり、今回の発言はあくまでも大幅に売られた米株や米債に対しての対策と受け止める市場参加者が多いようだ。これまでも、トランプ大統領は対立軸を作ることで、支持率を獲得する方法を繰り返してきている。バイデン政権という国内の対立軸への批判が賞味期限切れとなりつつある中で、中国という対立軸を失うことは難しい。リスク回避的な動きが継続されれば、豪ドルは特に対円では重くなりそうだ。
来週は豪州国内では、30日に3月消費者物価指数(CPI)と1-3月期CPI、5月1日に3月貿易収支、5月2日に3月小売売上高、1-3月期小売売上高、1-3月期卸売物価指数(PPI)など、通常であれば注目度が高い経済指標の発表が相次ぐ。ただ、豪州だけでなく世界中が米国の相互関税の影響により、今後のインフレ動向が不透明であり、第1四半期のインフレ指標等で反応するのは難しいかもしれない。また、週末の5月3日には豪州の総選挙が行われる。直近の市場調査では与党・労働党が僅差ながらリードしている。ただ、接戦になり、いずれの政党も単独で政権樹立ができなければ、少数政党との連立が求められることになる。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が限定的となりそうだ。ここ最近は、国内要因よりも国外要因で左右する相場展開が続いてきた。ただ来週は、ゴドンワナ南ア財務相が5月1日に予定されていた付加価値税(VAT)引き上げを突如撤回したことで、南アの予算問題と財務相の責任問題が注目される。予算はVATの引き上げ撤回により、これまで予定されていた支出の調整が不可避。国民統一政府(GNU)は対応に追われることになるだろう。VAT引き上げ撤回で民主同盟(DA)の連立離脱は回避される見通しだが、GNU内の予算再考で政治的混乱が続くだろう。なお、来週の経済指標では、29日に貿易収支、30日に3月月次財政収支が発表される予定。
4月21日週の回顧
豪ドルは対ドルではほぼ横ばい、対円では小幅高。豪ドル円は週前半にドル円の下げに連れて90円を割り込んだ。ただ、トランプ政権が対中関税の引き下げを示唆したほか、「パウエルFRB議長を解任する計画がない」と発表し、米トリプル安回避のための発言が伝わると買い戻された。ZARは堅調。米国の中国への圧力緩和により、リスク選好の動きがZARを支えた。3月のCPIは2020年6月のコロナウイルス・パンデミック以来となる水準まで低下したが、市場の反応は限られた。また24日にはVAT引き上げが撤回された。
◆ポンド、米関税の影響が比較的に低く底堅く推移
◆加ドル、米大統領がカナダ製自動車の関税引き上げを示唆
◆加ドル、28日のカナダ下院総選挙に注目
予想レンジ
ポンド円 187.50-193.00円
加ドル円 101.00-105.00円
4月28日週の展望
来週、英国内では注目の指標は予定されていない。ポンドは引き続き米関税関連のヘッドラインで上下するドルや円に左右される動きが見込まれる。関税相場の継続で市場のボラティリティは高いままだが、市場では「米国での混乱を背景にポンドは市場変動から利益を得る好位置にある」と言う声も聞かれている。ほかの国と比べて英国は米関税の影響が比較的に低いエクスポージャーであることが要因として取り上げられている。
米関税をめぐり、リーブス英財務相は「米国との貿易協定締結は急いでいない」とし、「食品基準で譲歩することはない」と明言した。米政権は英国に牛肉などの農産物の輸入規制緩和のほか、製品に対する関税やその他の非関税障壁の削減を求め、自動車関税を10%から2.5%に引き下げるように求めていると報じられた。米政権は英国からの輸入品に10%、自動車や鉄鋼などの主要分野に25%と一律関税を課しているが、英国が米国の要求を全て受け入れた場合に、この一律関税の引き下げや撤回を決めるかどうかは不透明だ。
来週、加国内では2月GDPの発表が予定されている。カナダ中銀(BOC)は先週の会合で「米国の関税措置の影響を見極めたい」とし、8会合ぶりに政策金利の据え置きを決定したが、「経済が大幅に悪化した場合は積極的な緩和策を取る準備ができている」とした。経済データが景気の悪化を示す内容となれば、次回の6月会合で利下げを再開するだけではなく0.50%と大幅利下げに踏み切る可能性もある。トランプ米大統領は今週、カナダ製自動車に対する25%の関税を引き上げる可能性に言及しており、関連のヘッドラインにも注目。
また、加ドルの動きに影響は限られると想定されるが、28日には下院の総選挙が予定されている。世論調査によると、野党保守党は年明けに支持率で与党自由党を20ポイントリードしていたが、最近では「対トランプ」で期待が高まる自由党に後れを取っている。関税政策などを巡ってトランプ米政権との関係が冷え込むなか、金融の専門家で国際派のカーニー首相の人気が高まっている。3月に首相に就任した後、最初の外遊先に英仏を選ぶなど対米依存の脱却に動く姿をアピール。米国依存を減らして経済を再構築する必要性を訴えている。「トランプ米大統領に対抗できる候補者選び」に有権者の関心が集まるなか、今週の世論調査では自由党の支持率が約44%、保守党が約36%と、自由党が343議席の過半数を獲得すると見込まれている。
4月21日週の回顧
今週はドル売りが一服。トランプ米大統領がパウエルFRB議長の解任を否定し、対中関税の引き下げを匂わせるなど強硬方針が軟化したことを受けて、米国の「トリプル安(株安・債券安・通貨安)」に巻き戻しが入った。ポンドドルは1.32ドル前半まで上値を切り下げ、ドル/加ドルは1.39加ドル台までドル高に振れた。対円ではドル円の切り返しと米株の上昇を支えに、ポンド円は190円台、加ドル円は103円台まで持ち直した。
◆ドル円、日銀金融政策決定会合や第2回日米貿易交渉に警戒
◆米1-3月期GDP速報値、3月PCEデフレーター、4月雇用統計などに注目
◆ユーロドル、欧米通商協議や4月ユーロ圏HICP速報値に注目
予想レンジ
ドル円 140.00-145.00円
ユーロドル 1.1100-1.1500ドル
4月28日週の展望
ドル円は、今週の日米財務相会談で為替目標への言及がなく、日米で緊密に協議することが確認されたことを受けて、30日から5月1日に予定されている日銀金融政策決定会合での金融政策に注目する展開となりそうだ。市場では、トランプ関税の不確実性が払拭されない状況では、追加利上げは見送られると見込まれている。ただ、今週米ワシントンで開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議で、ベッセント米財務長官が植田日銀総裁に対して非公式に利上げを要請した可能性もないとは言えず、追加利上げの可能性には警戒しておきたい。また、5月1日に予定されている第2回日米貿易交渉にも注目が集まる。
米国では、30日に1-3月期GDP速報値が発表される。市場では、前期比年率0.4%と予想されており、前期の2.4%からの減速が見込まれている。ただ、アトランタ連銀の予測モデル「GDPナウ」では、現在、-2.2%。マイナス成長に転落した場合は、関税によるスタグフレーションへの警戒感が高まることになるだろう。また、FRBがインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの3月分も公表されるが、前年比2.2%と予想されており、2月の2.5%からの伸び率鈍化が見込まれている。さらに、週末5月2日には4月の雇用統計が予定されているが、失業率予想は4.2%と3月と変わらずだが、非農業部門雇用者数は前月比12.3万人と3月の22.8万人からの増加幅減少が見込まれている。米国の物価や雇用情勢が予想通りだった場合、5月6-7日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、追加利下げ観測が高まりそうだ。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示す追加利下げ時期は、6月(4.00-25%)、9月(3.75-4.00%)、10月(3.50-75%)となっている。
ユーロドルは、難航している欧米通商協議の行方に注目だが、年内の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ回数が2回から3回と予想される中で、ユーロ圏4月の消費者物価指数(HICP)速報値を見極める展開となるだろう。ECBはこれまで中立金利水準を1.75-2.25%としており、既にこの上限に達しているが、当局は「概念的に重要だが政策決定には重要ではない」としている。
4月21日週の回顧
ドル円は、米中貿易戦争や日米財務相会談、FRB議長解任などへの警戒感から139.89円まで年初来安値を更新したが、ベッセント米財務長官が「為替目標は議論しない」との見解を示したほか、トランプ米大統領が対中関税の引下げを示唆。「FRB議長解任の意図はない」とも発言すると一時143.57円まで買い戻された。なお、日米財務相会談では、為替目標への言及はなく、過度な変動による経済への悪影響が再確認されるにとどまった。ユーロドルは、独政府が今年の成長見通しをゼロに下方修正したこともあり1.1573ドルから一時1.1308ドルまで値を下げている。
25日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は666円高の35705円。米国株高を好感して、寄り付きから300円を超える上昇。半導体株や電線株などグロース系の銘柄が上昇を先導し、高く始まった後も上げ幅を広げた。序盤に600円超上昇した後、いったん値動きが落ち着いたが、後場はスタートから水準を切り上げて始まると、上げ幅を800円近くに拡大。35800円台に乗せたところで買いが一巡して13時以降は上げ幅を縮めたものの、600円を超える上昇で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4000億円。業種別では非鉄金属、電気機器、その他製品などが上昇した一方、空運、食料品、不動産などが下落した。今期の増収増益・増配計画や自己株取得を発表した第一三共<4568.T>が後場急伸。半面、今期の減収減益・減配計画を発表したミスミグループ本社<9962.T>が後場に入って大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1067/値下がり510。アドバンテスト、ディスコ、レーザーテックなど半導体株が軒並み大幅高。フジクラや古河電工など電線株の動きも良かった。ニデックが12.5%高、富士通が4.8%高と、決算が好感された銘柄が買いを集めた。日産自動車は前期の最終赤字が従来計画から大きく拡大する見込みとなったが、業績悪化は織り込み済みで、悪材料出尽くしを期待した買いが入った。売れるネット広告社がリリースを材料にストップ高となった。
一方、DeNAやサンリオが軟調。リスクオンの地合いの中、森永乳業やヤクルトなど食品株は物色の蚊帳の外に置かれた。ホギメディカルが決算を材料に大幅安。日野自動車や愛三工業など前日の後場に決算で売られた銘柄に、一段安となるものが散見された。岩井コスモHDは株主還元方針を変更し、DOE(純資産配当率)指標の導入などを決定したが、25.3期まで採用していた年間配当の下限設定がなくなったことが嫌気されて、発表を受けた株価は急落した。
本日、札幌のアンビシャス市場に新規上場したエレベーターコミュニケーションズは、高い初値をつけた後、一時ストップ高まで駆け上がって急失速するなど、かなり荒い値動きとなった。終値は初値を小幅に上回った。
日経平均は後場に入って上げ幅を広げた。3日続伸する中でも23日と24日は上値が重かっただけに、きょうの動きは力強い。前日のように内需株が売り込まれなかったことから、目先は外需の上昇が一服したりドル円が円高に振れた場合には、内需が資金の受け皿になると見込まれる。外需も内需も買えるといった状況になってくれば、追い風の際には多くの銘柄が買われる日が増えてくるだろう。向かい風の際も外需か内需のどちらかには資金が向かうと思われる。この先は、一気に上を試せるかどうかは材料次第だが、下値に関しては堅くなると予想する。
【来週の見通し】
しっかりか。東京市場は火曜が休場で立ち合いは4日。翌週の月曜と火曜は休場となる。4月30日(水)~5月1日(木)の日程で日銀会合が開催され、金曜5月2日には米4月雇用統計の発表がある。そして、連日で注目度の高い企業の決算が出てくる。足元で米中関係改善期待が高まっていること、トランプ大統領がパウエルFRB議長の解任を否定したこと、これらを材料に日米株の動きが良くなっていること、決算を材料に個別物色の盛り上がりが期待できることなどから、基本的には強い基調が継続すると考える。世界情勢が不安定なタイミングで日銀が利上げを実施するハードルは高く、日銀会合は現状維持で日本株を下支えするイベントになるだろう。ただ、米雇用統計を確認する前に連休に入るスケジュールだけに、高くなれば利益確定やリスク回避の売りは出やすい局面。前半は堅調で、後半は上値が重くなると予想する。
今週の日経225先物は、ゴールデンウィークに入り積極的にポジションを傾ける動きは限られるが、ショートカバーが強まりやすく、リバウンドを意識したスタンスとなろう。
先週21日は18日の欧米市場がグッドフライデー(聖金曜日)の祝日で休場だった影響で海外投資家の資金流入が限られ、3営業日ぶりに反落したが、その後は4日続伸し25日には一時3万5870円まで上げ幅を広げた。今回のリバウンドで25日移動平均線(3万4910円)を明確に上抜けて、25日の取引終了後のナイトセッションでは3万6000円を突破し、3月下旬以来の水準を回復してきた。
これにより25日線とボリンジャーバンドの+1σ(3万6470円)とのレンジに移行したため、目先的には+1σの突破を狙った動きとなろう。同バンドを突破してくると75日線の3万7120円、200日線の3万7730円、+2σの3万8070円が意識されてくるとみられ、3月26日戻り高値3万7970円から4月7日安値3万0650円の下げを完全に埋めてくる可能性が高まる。
25日の米国市場では主要な株価指数が上昇した。米中対立への過度な懸念が和らぐなか、NYダウが前日までの3日間で1900ドルあまり上昇したこともあり、主力株の一角に利益確定の売りが出て下落に転じる場面もあった。ただし、エヌビディア<NVDA>が4%を超す上昇となったほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>やマイクロソフト<MSFT>などが買われた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料となりそうだ。
決算発表が本格化するなか、先週はファナック<6954.T>[東証P]の株価反応が投資家のセンチメントを明るくさせた。最終赤字拡大へ下方修正を行った日産自動車<7201.T>[東証P]も、構造改革への期待から株価が上昇した。また、25日の引け後に発表されたアドバンテスト<6857.T>[東証P]の決算は、2026年3月期の見通しが市場コンセンサスを下回ったが、同時に自社株買いを発表。PTS(私設取引)、ADR(米預託証券)では小動きながら、アク抜け感が強まるようだと、一段とセンチメントを明るくさせそうである。
30日に赤沢亮正経済財政再生相が訪米し、ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議が予定されている。前週行われた第1回目の協議では、両国の良好な関係が確認されていた。楽観はできないが、トランプ米大統領は25日、日本と非常によい関係にあり、合意はかなり近いと述べている。関税交渉の進展期待によりショートを仕掛けづらくせるとともに、押し目待ち狙いのロングが入りやすい。国内では30日~5月1日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。トランプ関税の影響を踏まえて利上げは見送られるとの見方が大勢であり、無難に通過することになるだろう。
日経225先物は、まずは+1σをターゲットとしたロング優勢の展開が期待される。29日の祝日を挟むうえ、週末からの4連休を控えて上値追いの動きは強まりにくいが、+1σ水準を回復したとしても戻り待ち狙いのショートは避けておきたい。レンジとしてはオプション権利行使価格の3万5500円から3万7000円辺りを想定する。
先週のNT倍率は先物中心限月で13.57倍(24日は13.52倍)に上昇し、前週比で変わらずだった。23日に13.46倍に低下する場面もみられたが、週末は「中国が米国から輸入する半導体製品の一部を報復関税の対象から除外した」との報道をきっかけにハイテク株が買われ、日経平均型が優勢となるなかで切り返した。25日線が支持線として機能してくるようだと、リバランスを想定したNTロングへの転換を意識しておきたい。
4月第3週(4月14日-18日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりの買い越しであり、買い越し額は3452億円(4月第2週は1958億円の売り越し)だった。なお、現物は1503億円の買い越し(同1582億円の買い越し)と3週連続の買い越しであり、先物は1948億円の買い越し(同3540億円の売り越し)と4週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で3441億円の売り越しと2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1670億円の買い越しとなり、2週連続の買い越し。
主要スケジュールでは、29日に米国4月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に3月鉱工業生産、中国4月製造業PMI、米国4月ADP雇用統計、米国1-3月期GDP、米国3月個人所得、米国3月個人消費支出、5月1日に日銀金融政策決定会合終了後に政策金利発表、日銀総裁記者会見、米国4月ISM製造業景気指数、赤澤経済再生担当大臣が米関税措置を巡る2回目の閣僚交渉(見通し)、2日に3月完全失業率、米国4月雇用統計などが予定されている。
<国内>
特になし
<海外>
○19:30 ◎ 3月インド鉱工業生産(予想:前年同月比3.3%)
○21:00 ◇ 3月メキシコ貿易収支(予想:28.00億ドルの黒字)
○21:00 ◇ 3月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.35%)
○22:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、イベントに参加
○22:00 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○カナダ総選挙
○南アフリカ(自由の日の振替休日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末の海外市場でドル円は、米中貿易摩擦の緩和期待が高まったことで円売り・ドル買いを誘い、一時144.03円と14日以来の高値を付けた。ただ、米長期金利の低下に伴うドル売りが出ると一時143.45円付近まで下押しした。トランプ米大統領が「対中関税は何らかの譲歩がない限り引き下げない」「再度、関税を一時停止することはないだろう」と述べたことも相場の重し。ユーロドルは、ロンドンフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると一時1.1389ドル付近まで下値を切り上げた。
本日の東京時間でドル円は、今週多く予定されているイベントを控えていることで動きにくく、先週末のレンジを踏襲することになりそうだ。特に30日には赤沢経済再生相が渡米して5月1日に2回目となる日米関税交渉が行われるほか、日銀政策決定会合も30-1日に行われることで、1日が非常に重要な日になる。
先週24日に行われた加藤財務相とベッセント米財務長官の会談後に加藤氏は「米国からは為替に関して目標やそれに対する枠組みの話は全くなかった」「具体的な為替レートについての話はなかったとした」と述べた。ただし、先週25日夜の読売新聞の報道によると、「ベッセント氏は『ドル安・円高が望ましい』と述べ、トランプ米大統領の意向に沿って為替水準への強い懸念を表明した模様だ」と報じている。これまでも重要な日米交渉後の会見で、両国の公表内容に大きな相違があった例は多く、加藤氏だけの話を鵜呑みにするのはリスクがあるか。
会見内容の違いでは、2018年9月に行われた安倍政権と第1次トランプ政権の日米通商協議後の相違が有名だ。この会見後日本政府は、日米間の新たな通商協議である「日米物品貿易協定(TAG)」が行われたと発表した。安倍首相が「これまで(の自由貿易協定=FTA)と全く異なる」と表現したように、日本側だけの報道を見ていると、新たな取り組みが行われたと思われた。しかし、米国サイドは「TAG」などという言葉を一切使用せず、米国側の声明では「Agree to Negotiate a Free Trade Agreement」と従来のFTAを使用した。前回も今回も日本は選挙などのイベントが迫っていることもあり、会見内容に相違が出た可能性もある。今後の展開には注目したい。
ドル売り・円買い圧力としては、日銀政策決定会合についても米国の圧力が日銀にかかっている可能性もあることも要因。ベッセント氏は先週「日本が先進7カ国(G7)の合意(=為替はファンダメンタルズを映し安定的に推移するべき)を尊重することを期待する」と述べているが、G7各国では為替(特に自国通貨安)を操作している形跡は直近ではない。しかしながら、トランプ政権は日本の低金利路線が為替操作と捉えている節もある。先週の植田日銀総裁が訪米時に、米国側から金利面での円安調整(日銀の金利引き上げ要望)があった可能性も否定できないことで、1日の日銀政策決定会合も注目される。なお、米連邦準備理事会(FRB)と違い、日銀は完全には独立性が確保されているわけではない。日銀法第4条で「金融政策が『政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない』」と記載されている。
一方、ドル買い・円売り圧力としては、先週からトランプ政権が対中関税圧力を弱めるなど、これまでの強気姿勢が影を潜めていることがあげられる。ここ最近の米トリプル安(債券安・株安・ドル安)の結果、大統領就任100日間(ハネムーン期間)終了が近づく中で、トランプ大統領の支持率は70年以上ぶりの低水準となった。トリプル安を避け、支持率を上げるために、関税に対する軌道修正があればドルの支えになる。ただ、先週は米政権が中国との交渉を進めているような報道が流れる一方で、中国が完全に否定するなど、遅々として進まない交渉の中で米政権からのフェイクニュースが流れる可能性がある。金融市場は仮にフェイクであろうとも、アルゴ取引を中心に反応してしまうことで、ボラタイルな動きを繰り返すことになりそうだ。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 36030 +250 (+0.69%)
TOPIX先物 2656.0 +20.0 (+0.75%)
シカゴ日経平均先物 36000 +220
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
25日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。主力株の一角に利益確定の売りが出たことでNYダウは370ドルあまり下落する場面もあった。ただし、米中対立への過度な懸念が和らぎ、エヌビディア<NVDA>が4%を超す上昇となったほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>やマイクロソフト<MSFT>などが買われ、NYダウを支える形になった。アルファベット<GOOG>の予想を上回る決算が好感されてハイテク株買いを後押ししており、ナスダック指数、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)の上昇率は1%を超えた。
S&P500業種別指数は、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアが上昇した一方、電気通信サービス、保険、運輸の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、エヌビディア、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトのほか、メルク<MRK>、IBM<IBM>、セールスフォース<CRM>が買われた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、ナイキ<NKE>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比220円高の3万6000円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比80円安の3万5700円で始まり、3万5480円まで売られた後に切り返し、米国市場の取引開始後にプラス圏を回復。終盤にかけて上へのバイアスが強まり、3万6070円まで買われる場面もみられ、3万6030円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションで3万6000円を突破し、3月下旬以来の水準を回復してきた。これにより25日移動平均線とボリンジャーバンドの+1σ(3万6470円)によるレンジに移行したため、目先的には+1σの突破を狙った動きになろう。週足のボリンジャーバンドでは先週の上昇で-1σを明確に上抜けてきたことで、中心値となる13週線(3万6510円)が意識される。
まずは+1σおよび13週線をターゲットとしたロング優勢の展開が期待されよう。祝日を前に積極的な上値追いは限られそうだが、押し目待ち狙いのロングが入りやすい。リバウンド基調が強まるなか、ショートカバーが一段と強まってくる可能性がある。そのため、オプション権利行使価格の3万5750円から3万6500円のレンジを想定。
トランプ米大統領の関税を巡る発言に振られやすい状況だが、30日に赤沢亮正経済再生担当相が訪米し、ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議が予定されている。関税交渉の進展期待によりショートを仕掛けづらくせるとともに、ポジションをニュートラルに近づけてくることでショートカバーが入りやすいと考えられる。
25日の米VIX指数は24.84(24日は26.47)に低下した。23日に25日線(28.82)を割り込み、その後も低下基調を継続した。4月3日から7日にかけての急伸前の水準まで下がってきた。20.00を上回っている状況であるが、目先的には75日線が位置する22.13辺りが意識されてくるため、リスク選好に向かわせよう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.57倍(24日は13.52倍)に上昇した。「中国が米国から輸入する半導体製品の一部を報復関税の対象から除外した」との報道をきっかけにハイテク株が買われ、日経平均型が優勢となるなかで切り返した形である。これにより25日線(13.54倍)を上回ってきたため、同線が支持線として機能してくると、リバランスを想定したNTロングへの転換が意識されそうだ。
東京市場は堅調か。先週末の米国株は上昇。ダウ平均は20ドル高の40113ドルで取引を終えた。マイナス圏で推移する時間が長かったが、終盤に戻してプラス圏に浮上。テスラやエヌビディアなど主力グロース株の動きが良く、ナスダックは概ね堅調に推移した。ドル円は足元143円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて220円高の36000円、ドル建てが325円高の36105円で取引を終えた。
米国株の上昇を好感した買いが入ると予想する。為替が円安気味で推移していることも、日本株には追い風となる。米国動向からはグロース株が上昇の先導役になると見込まれる。「トランプ・リスク」に対する過度な警戒が後退する中で決算発表を迎えることができたことから、日米株ともに足元の動きが良くなっている。東京市場はあすが休場のため買い一巡後は様子見となりそうだが、売りが手控えられることで場中もしっかりとした動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは35850円-36200円。
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