「政治屋は次の選挙を考え、政治家は次の時代のことを考える」 (A politician thinks of the next election and a statesman thinks of the next generation.) この警句に拠れば、2026年の中間選挙のことを考えているバイデン第46代米大統領は「政治屋」であり、グリーンランド割譲とパナマ運河奪還で次世代のことを考えているトランプ第47代米大統領は「政治家」なのだろうか。
■国防生産法(Defense Production Act of 1950) アメリカ合衆国で1950年の朝鮮戦争への対応策として制定された連邦法であり、緊急時に政府が産業界を直接的に統制できる権限を付与する。
■「1988年包括通商競争力法」(The Omnibus Trade and Competitiveness Act of 1988) 1988年8月、貿易赤字の削減を目ざして成立した米国の通商法であり、国内産業の保護、外国の不公正な貿易政策への対応など、米国産業の競争力を回復させるための措置を包括的に盛り込んでいる。巨額の1)経常黒字と、2)対米貿易黒字を計上している貿易相手国が、3)対外収支の実効的は調整を回避もしくは不公平な輸出競争力を得るという政策意図に基づいて為替操作しているか否かを問う法律。 2015年法との違いは、1)経常黒字と2)対米貿易黒字の定量基準がないものの、3)為替操作の意図を重視した点にある。
1.第2次トランプ米政権のアジェンダ トランプ米大統領は、Make America Great Again(MAGA)、すなわち、アメリカ合衆国を再び偉大な国にすることを標榜している。 すなわち、米国の対外貿易赤字を削減するために、トランプ関税を打ち出している。 米国の歳出を削減するために、米政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)による指揮の下、北大西洋条約機構(NATO)への支出削減、世界保健機関(WHO)からの離脱、国際開発局(USAID)の撤廃、を推し進めている。 さらに、過去の債務に対する負担を軽減するため、債務スワップを目論んでいるらしい。 債務負担を軽減するには、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策は、低金利政策となり、財務省の通貨制作は、ドル安政策となる。 例えば、日本は米国債を1兆600億ドル(※2024年12月時点)保有しているが、この米国債を永久債に交換された場合、ほぼ永久に米国へ貸したお金は返ってこないことになる。
石破茂首相は1日付で2025年の年頭所感を発表。自民、公明両党の連立政権を基盤に「他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、真摯に謙虚に、国民の安心と安全を守るべく取り組んでいく」とした。
<国内>
○年始で休場
<海外>
○09:00 ◎ 10-12月期シンガポール国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比▲0.4%)
○10:45 ◎ 12月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:51.7)
○16:00 ◇ 12月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○16:00 ◇ 12月トルコ製造業PMI
○17:30 ◇ 12月スイス製造業PMI(予想:48.3)
○17:50 ◎ 12月仏製造業PMI改定値(予想:41.9)
○17:55 ◎ 12月独製造業PMI改定値(予想:42.5)
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.2)
○18:30 ◎ 12月英製造業PMI改定値(予想:47.3)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数(2週分)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.2万件/189.0万人)
○23:45 ◎ 12月米製造業PMI改定値(予想:48.3)
○24:00 ◇ 11月米建設支出(予想:前月比0.3%)
○24:00 ◇ 12月メキシコ製造業PMI
○3日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○ニュージーランド、ロシア(新年休暇)、スイス(聖ベルヒトルトの日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.58%台まで上昇したことで、欧州市場序盤の安値156.02円から157.55円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の上昇やロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いなどで1.0344ドルまで下落した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、日米金融政策への思惑から底堅い展開が予想されるものの、2019年のお正月のフラッシュクラッシュの再現には警戒しておきたい。
警戒すべき材料としては、1月1日に適用停止が期限切れとなった米国の債務上限に関する悲観的な報道、トランプ次期米大統領による新年の突発的な発言(ドル高円安牽制?)、日銀の追加利上げに関する報道などが挙げられる。
2019年1月3日のお正月、ドル円は108.88円付近で始まった後、高値108.92円から安値104.87円まで4.05円急落した。流動性が低下していた環境下で、ストップロスへの強引な売り仕掛けが背景にあった模様だが、2020年から昨年のお正月には観測されなかったことで、異例の事態だった。
【高値】 【安値】
・2020年1月2-3日:108.87円 107.84円
・2021年1月4日: 103.32円 102.71円
・2022年1月3日: 115.37円 114.95円
・2023年1月2-3日:131.40円 129.52円
・2024年1月2-3日:143.73円 140.82円
また、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に関しては、流動性が枯渇しているため円安抑制効果は大きいと思われるが、昨年12月の本邦通貨当局の牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっていたことで、可能性は低いと思われる。
神田前財務官は、ボラティリティー抑制を介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では159円台後半にある。
昨年は植田日銀総裁が追加利上げの条件として、第2次トランプ米政権の経済政策や春闘での賃上げの状況などでの「ワンノッチ(1段階)」という新たな用語を挙げたことで、追加利上げ観測の後退により、ドル円は158円台まで上昇した。
しかし、12月の日銀金融政策決定会合での主な意見では、植田日銀総裁の見解に同調している委員は、内田日銀副総裁らしき執行部の人物が確認されるだけだったことで、1月23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は昨年末の段階では40%台まで上昇している。
今月は、1月14日に氷見野日銀副総裁が神奈川県金融経済懇談会で講演や記者会見を予定しており、日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの憶測が台頭している。
10時45分に発表される12月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.7と予想されている。昨年末に発表された12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1で、好不況の分かれ目である50を3カ月連続で上回っており、予想通りならば、リスク選好要因となる。
大晦日のドル円は、アジア時間から米長期金利の低下を受けて戻り売りが先行。12月23日の安値156.14円を下抜けて一時156.02円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は米長期金利が一転上昇。米10年債利回りが4.58%台まで上昇幅をひろげるなか、NY時間に入ってからはLDN16時(日本時間翌1時)のフィキシングに向けて月末、年末絡みのドル買いがまとめて持ち込まれると一時157.55円まで買戻されました。引けにかけては157.30円を挟んだもみ合いとなって2024年の取引を終えています。
12月31日の取引といえば、引け際の動きがそのまま新年最初の1月2日の取引につながっていくことが多く、そういった意味では、下押しのレベルを確認した後、一転して大幅に買戻しとなっている動きに意味があるわけで、一目転換線や12月20日の安値155.96円付近を下値の目処として意識しつつ、買戻しの方向性を見極めていくことになりそうです。
いずれにしても、ドル円は引き続き本邦勢不在のなか、米長期金利の動向に敏感に反応しながらの動きが続いています。
「今後の利下げについては段階的なアプローチが依然として正しいと考えている。経済の先行き不透明感が高まっているため、今後1年間の利下げの時期と規模の約束はできない」(ベイリーBOE総裁)
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
MPCの9名の委員の棲み分けは、タカ派3名、中立派3名、ハト派3名に分類できる。
【MPC】 【8月1日】【9月18日】【11月7日】【12月19日】
■ハト派
・ベイリーBOE総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75%
・ラムスデンBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.50%
・ディングラMPC委員: 5.00% 4.75% 4.75% 4.50%
■中立派
・ロンバルデリBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75%
・ブリーデンBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75%
・テイラーMPC委員: 5.00% 4.75% 4.50%
■タカ派
・マンMPC委員: 5.25% 5.00% 5.00% 4.75%
・ピルMPC委員: 5.25% 5.00% 4.75% 4.75%
・グリーンMPC委員: 5.25% 5.00% 4.75% 4.75%
2.2024年8月1日MPC(5対4)
イングランド銀行は、政策金利を5.25%から5.00%に引き下げた。
利下げに賛成した5人は「インフレが持続するリスクの緩和に一定の進展があった」との考えだった。ただ、このうちの一部委員にとってインフレの根強さは「まだ決定的には解消されていない」ため、今回の決定は「微妙なバランス」に基づくものだったという。
利下げに反対した4人は、基調的なインフレが予想より根強く、成長率も予想以上であることを理由に挙げた。
3. 2024年9月18日MPC(8対1)
政策金利を5.00%に据え置いた。ディングラMPC委員が4.75%への追加利下げを主張した。
4. 2024年11月7日MPC(8対1)
政策金利を4.75%に引き下げた。マンMPC委員が5.00%での据え置きを主張した。
声明では、金融緩和の加速を示唆することは控え、政府の予算案(700億ポンド規模の歳出を計画)がインフレ率を最大で0.5ポイント押し上げて、25年7-9月にインフレ率が2.8%に達すると推計した。ベイリーBOE総裁は、予算はBOEの利下げパスに大きな影響を与えないだろう、と述べた。また、「インフレ率はBOEが利下げした際の予想より低い。サービスインフレは依然として目標と一致していない」などとも述べている。
5. 2024年12月19日MPC(6対3)
政策金利を4.75%に据え置いた。議事要旨では、弱い成長シグナルと根強い国内物価上昇圧力を挙げ、両方向のインフレリスクを指摘した。
第4四半期の成長率予測は11月時点の+0.3%成長からゼロ成長に引き下げられ、スタグフレーションへの警戒感が示された。短期金融市場が織り込む2025年の3回目の0.25ポイント利下げの確率は上昇した。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、12月の仏・独・ユーロ圏の製造業PMI改定値、ポンドドルも同月の英製造業PMI改定値に注目する展開となる。
12月の仏・独・ユーロ圏・英の製造業PMI改定値は、速報値の景況感の分岐点50を下回る水準が予想されており、景況感のさらなる悪化が警戒されている現状では、下方修正というネガティブサプライズに警戒しておきたい。
また、昨日付けで、ロシアの国営ガス会社ガスプロムがウクライナを経由したロシア産天然ガスの欧州向け供給を停止したことで、欧州のエネルギー安全保障の懸念が強まっている。
今後の欧州の景況感悪化やエネルギー価格の上昇要因となることが警戒されるため、ユーロの上値を抑える要因となる。
ラガルドECB総裁は、昨日、「欧州中央銀行(ECB)は2025年に2%のインフレ目標を達成に期待」とハト派的な見解を述べていたが、本日も、ECB高官の突発的な発言には警戒しておきたい。
地政学リスクに関しては、1月20日のトランプ次期米大統領の就任に向けて、ウクライナ戦争、中東(イスラエル、シリア、イラン)の紛争の新たな展開を見極めて行くことになるため、突発的なヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0401ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:163.68円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2644ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:198.96円(2024/12/30高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0240ドル(2022/11/22安値)
・ユーロ円:161.87円(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンドドル:1.2476ドル(2024/12/20安値)
・ポンド円:195.31円(200日移動平均線)
中国の習近平国家主席は31日に開かれた全国政治協商会議(政協)の新年茶話会で、2024年の国内総生産(GDP)成長率が5%前後となり、24年の経済・社会発展の主要な目標任務を順調に達成するとの見通しを明らかにした。『明報』が31日、中国本土メディアを引用して伝えた。
習主席は、25年は改革の全面深化や対外開放の拡大を進めるほか、より積極的にマクロ政策を実施し、経済成長を目指すとした。また、国民の生活水準を向上させ、社会の調和と安定を維持するとしている。
本日17時30分に予定されていた12月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表は、明日3日に延期されました。
年明けのニューヨーク為替市場では、米長期金利の方向性や株価動向を睨みながらの取引か。米経済指標は、前週分の失業保険データや改定値ではあるが12月製造業購買担当者景気指数(PMI)などが発表される。また、米国の債務上限の適用停止が1日で期限切れとなっており、関連報道にも注意しておきたい。
米10年債利回りは昨年末、4.57%をやや下回った水準で大引けした。昨年は4月後半に4.73%台まで上昇したところから、金利先安観が強まると一転して低下基調に。夏の終わり頃には3.60%割れまで低下した。しかしながらその後、堅調な米景気やインフレの下げ渋りを背景に年末にかけて4.60%超えまで切り返している。
今後もインフレデータを見極めながら、米金利は上下するのだろう。ただ、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを急がない姿勢を示しており、金利上昇バイアスは維持されたままと見る。くわえて米財務省が、今月半ばにも債務は上限に達するとの見方を示していることも、米債売り圧力の高まりに繋がりそうだ。
年明け、時間外の米株先物は買い戻しが先行。米株式相場のアノマリーで、年内最終5営業日と新年の2営業日は上昇確率が高い(サンタクロース・ラリー)というものがある。もっとも昨年末にかけては、主要3指数はマイナスに沈んだ。今日と明日は、年末からの反動買いがどの程度まで続くか見定める展開か。
なお、前週分の米新規失業保険申請件数は前回からやや悪化が見込まれている。12月米製造業PMI改定値は速報値から横ばいの48.3予想だが、速報値自体が予想より1ポイント以上悪い内容だった。
想定レンジ上限
・ドル円、本日高値157.78円。超えると、近くはあるが昨年12月26日高値158.08円が次のポイント。
想定レンジ下限
・ドル円、12月20日安値155.96円。割り込むと節目155.00円が目標値。
(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.56円(2日15時時点比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.74円(▲1.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0265ドル(▲0.0098ドル)
FTSE100種総合株価指数:8260.09(前営業日比△87.07)
ドイツ株式指数(DAX):20024.66(△115.52)
10年物英国債利回り:4.595%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.379%(△0.012%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月英ネーションワイド住宅価格
前月比 0.7% 1.2%
12月仏製造業PMI改定値
41.9 41.9
12月独製造業PMI改定値
42.5 42.5
12月ユーロ圏製造業PMI改定値
45.1 45.2
12月英製造業PMI改定値
47.0 47.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは安い。年明け初日の取引で市場参加者が少ない中、ポンドドルの下落につれたユーロ売り・ドル買いが先行。重要なサポートとして意識されていた昨年11月22日の安値1.0335ドルを下抜けると目先のストップロスを断続的に巻き込んで下げ足を速めた。
NYの取引時間帯に入ると、米長期金利が上昇に転じたことに伴うユーロ売り・ドル買いが進行。市場では「年始で取引参加者が減り、流動性が低下する中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
・ポンドドルは軟調だった。12月英製造業PMI改定値が予想を下回ったことが伝わるとポンド売り・ドル買いが先行。全般ドル買いが進んだ影響も受けて、1時過ぎには一時1.2353ドルと昨年4月以来の安値を更新した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.53と22年11月以来の高値を付けた。
・ドル円は底堅い動き。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.51%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。日本時間夕刻に一時156.44円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、底堅く推移した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことを受けて、米10年債利回りが4.59%台まで上昇すると全般ドル買いが活発化。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも相場を押し上げ、一時157.85円と日通し高値を更新した。
・ユーロ円は下落。ユーロドルの下落につれた売りが出ると一時160.91円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は続伸。外国為替市場でポンド安が進むと、ポンド安の恩恵を受けやすい銘柄などに買いが集まった。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は反発。本日の中国株相場が下落した影響を受けて売りが出たものの、終盤持ち直した。エアバス(3.72%高)やRWE(2.53%高)、ハノーバー再保険(2.40%高)などが買われ、相場を下支えした。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.50円(前営業日比△0.30円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.71円(▲1.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0265ドル(▲0.0089ドル)
ダウ工業株30種平均:42392.27ドル(▲151.95ドル)
ナスダック総合株価指数:19280.79(▲30.00)
10年物米国債利回り:4.56%(▲0.01%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.13ドル(△1.41ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2669.0ドル(△28.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲12.6% ▲10.7%
前週分の米新規失業保険申請件数
21.1万件 22.0万件・改
12月米製造業PMI改定値
49.4 48.3
11月米建設支出
(前月比) 0.0% 0.5%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると全般ドル買いが先行。市場では「年始で取引参加者が減り、流動性が低下する中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
欧州時間に重要なサポートとして意識されていた昨年11月22日の安値1.0335ドルを下抜けたことで、テクニカル的にも売りが出やすい地合いとなった。
・ドル円は続伸。米経済指標が米景気の底堅さを示したとの受け止めから、全般ドル買いが先行。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも相場の押し上げ要因となり、一時157.85円と日通し高値を更新した。その後の下押しも157.47円付近にとどまった。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.53と22年11月以来の高値を付けた。
・ユーロ円は4日続落。ユーロドルの下落につれた売りが出ると、1時過ぎに一時160.91円と日通し安値を更新した。ただ、ドル円の上昇につれた買いが入ると161.96円付近まで下げ渋る場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことを受けて買い先行で始まったものの、買いが一巡すると次第に弱含んだ。「中国での新型スマートフォンを値下げする」と明らかにしたアップルが軟調に推移したことなどが投資家心理を冷やした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら5日続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは小反発。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると売りが先行したものの、終盤買い戻しが優勢になると持ち直した。市場では「年末年始で市場参加者が少なく、方向感に乏しかった」との声が聞かれた。
・原油先物相場は4日続伸。中国経済に対する先行き不安が和らいだことを背景に買いが入った。
・金先物相場は続伸。地政学的リスクを背景に買いが入った。トランプ次期米大統領の就任式を20日に控え、同政権が打ち出す政策への警戒感もまた、上昇を後押しした。
3日03:43 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「欧州中銀(ECB)の政策金利は秋までに2%に達する公算」
※時間は日本時間
<国内>
○年始で休場
<海外>
○16:00 ◎ 12月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月1.60%/前年比45.20%)
○17:30 ◇ 12月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:48.3)
○17:55 ◎ 12月独雇用統計(予想:失業率6.2%/失業者数変化1.50万人)
○18:30 ◇ 11月英消費者信用残高(予想:12億ポンド)
○18:30 ◇ 11月英マネーサプライM4
○21:00 ◇ 11月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.70%)
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:48.4)
○4日01:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、あいさつ
○4日01:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○ロシア(新年休暇)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日のドル円は、日本時間夕刻に一時156.44円と日通し安値を更新したが、米10年債利回りが4.59%台まで上昇すると全般ドル買いが活発化。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも相場を押し上げ、157.85円まで強含んだ。ユーロドルもロンドン・フィキシングでのドル買いにより、一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
本日のアジア時間でドル円は、引き続き東京市場が休場となることでトレンドを作るほどの値動きを期待するのは難しいが、欧州通貨に対してのドル買いが対円のサポート要因になりそうだ。
年初は東京が不在ということもあるが、欧州通貨(ユーロ、ポンド)が市場を先導するかたちになっている。ドル円は昨年12月の日米金融政策決定会合で、日銀の利上げが市場予想より遅くなる可能性が高まったことや、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースの鈍化もしくは利下げ終了の思惑があり、下落局面ではドル買い・円売りを仕掛けたい市場参加者が依然として多い。一方で、昨年7月に行われた円買い介入の水準に接近していることや、1月20日から就任する第2次トランプ政権では、トランプ氏がドル高・円安に対して兼ねてから懸念を表明していることで、上値も積極的に買い上げるような地合いにもなりにくく、円売り・円買い両要因が絡まり一方的な動きにはなりにくくなってきている。
円相場は本邦勢参入後に発表されるインフレ指標や、植田日銀総裁が前回の政策決定会合後の質疑応答で応えていた輸入物価指数の結果を見極めるだけでなく、今後の春闘に向けた賃上げ率などを確かめながらの取引になりそうだ。
欧州通貨が主導権を握っているだけでなく、本日はオセアニアやアジア圏からは主だった経済指標の発表が予定されていないことも値動きを抑制するだろう。ただ、その中でも目を向けておかなければならないのは中国市場の動き。本日は同国からも経済指標の発表予定はないが、年末年始は人民元相場の動きが他通貨へ影響を大きく与えている。昨日ドル円が156円半ば割れまで下落したときも先導をしたのがドルCNH(人民元)だったが、買い戻しも同様だった。中国人民銀行の人民元取引・基準値が市場予想よりもドル安・元高に設定されたことで元が買われたものの、年末年始に発表された市場予想より弱い経済指標(製造業PMI)の影響で株や元が売り戻された。本日も人民元の基準値や中国株の動向には目を向けておきたい。
ドイツ経済研究所(IW)の調査によると、ドイツの産業団体の多くが2025年の経済見通しに悲観的だという。49団体中31団体が現状を昨年より悪いと評価し、20団体が来年の生産減少を予想。高いエネルギー・労働・原材料コストや過剰な官僚主義が企業の国際競争力を低下させていいるほか、不確実な世界情勢が輸出を妨げ、国内の政治的混乱が投資を抑制している。半数の団体が来年の雇用削減を予想しており、特に鉄鋼、機械工学、建設業での雇用減少が懸念されている。IWのミヒャエル・ヒューター所長は「2025年もドイツ経済は回復しない」と述べている。
一部通信社が報じたところによると、米国防総省が日本に対し推定36億4000万ドル相当の先進中距離空対空ミサイルおよび関連機器の潜在的な売却を承認したという。国防総省の声明によれば、この売却の主契約者はRTX社。なお、この売却は外国軍事販売(FMS)プログラムの一環であり、最終的な契約締結までにはさらなる手続きが必要となる。
韓国では弾劾された尹錫悦大統領の逮捕に向けて約2700人の警察官が動員されている。昨年12月3日の戒厳令宣言を受けての逮捕命令だが、大統領警護室が逮捕状執行を許可するかは不透明。一方、崔代行大統領は市場安定化措置の迅速かつ大胆な実施を指示しており、政治的混乱による経済への影響を最小限に抑える姿勢を示している。
英タイムズ紙が報じたところによると、リーブス英財務相は公共部門労働者にインフレ率を上回る賃上げを行う場合、最前線のサービスの削減を検討する必要があると閣僚に警告したという。財務省は厳しい姿勢を取っており、閣僚らに追加資金は提供せず、独立した給与審査機関がより大きな賃上げを勧告した場合は、既存の予算内で賄わなければならないと伝えたとのこと。
イスラエルの交渉団がカタールに向かい、ハマスとの停戦協議を行う予定であり、トランプ次期米大統領の就任前に合意を目指していると一部通信社が伝えた。ただ、仲介努力は難航しており、双方が新たな条件を持ち出していると非難し合い、交渉を複雑化させているとのこと。両者の立場の隔たりは大きく、停戦実現の見通しは不透明な状況が続いている。
「辰巳天井」と言われる2025年最初の取引は、ドル全面高となったわけですが、欧州時間に12月英製造業PMI改定値が予想を下回る弱い数字となったことをきっかけにポンドドルが急落。
年末の取引で1.0344ドルまで下落して、目先の重要なサポートレベルとして意識されていた11月22日の安値1.0335ドル手前で下げ止まっていたユーロドルも一気に下値を試す展開に。NY時間に入ってLDN16時(日本時間翌1時)のフィキシングでは年末に続いてまとまったドル買いが持ち込まれると一時1.0226ドルまで売り込まれることになりました。ポンドドルは一時1.2353ドルまで200ポイントの急落を演じています。
ユーロドルは約2年間続いたレンジ相場をしっかりと下抜けてきたわけで、方向性としてはパリティを目指す動きとなっていくのかもしれません。
いずれにしても、ドル円は、昨年18-19日のFOMC、BOJを受けて急騰した後、翌日の安値155.96円から12月26日の高値158.08円のレンジ内でのもみ合いが続いている状況。年末年始休暇中となっている本邦勢不在の中にあっては、相場の主役とはなり得ず、基本的には値固めをしているといったところです。目先は一目転換線が位置する157.05円やNY時間安値の156.64円付近を意識しつつ、米長期金利の動向を見極めながらの動きが続いていきそうです。
植田日銀総裁は、かつて、1993年から2022年までの間に低金利のために家計や企業が手にできなかった「逸失金利収入」は総額600兆円に上ると述べた。
また、1989年に導入された消費税の合計(1989年~2024年)は、約530兆円規模になるらしい。
すなわち、「失われた30年」とは、低金利政策により国民の得べかりし利息(約600兆円)と国民からの消費税(約530兆円)という約1100兆円の喪失なのかもしれない。
江戸時代の身分階級「士農工商」の2番目の農民は、「五公五民」で、半分を年貢として領主に、残り半分が自分達の取り分だったらしい。
令和の時代もほぼ「五公五民」らしいが、市民革命を起こせなかった民族的な性分なのからか従順と納め続けている。
重税に喘いでいたアメリカ国民は、英国を打倒し、独立を勝ち取った。
重税に喘いでいたフランス国民は、王制を打倒し、共和制を確立した。
1.アメリカ独立戦争(1775年)
1775年、アメリカ国民は、課税を強化する英国本国に対して「代表無くして課税なし」との旗印の下で叛旗を翻して独立を勝ち取った。
しかし、1791年、独立戦争で多大な軍費を要した米国政府は、財源確保にウィスキーに目を付けたため、「ウィスキー税反乱」が勃発した。
農民達は、ケンタッキーやテネシー州に逃れ、そこでトウモロコシを原料とするウィスキー「バーボン」(由来:フランスのブルボン家)を造り出した。
2.フランス革命(1789年)
18世紀後半のフランスは、度重なる戦争への出費や宮廷の浪費により、国家財政は危機的な状況に陥っていた。当時のフランス社会は、厳しい身分制度によって3段階に分断されていた。
第一身分(聖職者)と第二身分(貴族)は特権を享受し、税金の免除などの恩恵を受けていた。一方、人口の大部分を占めていた第三身分(平民:農民や都市労働者)は、重税を課せられ、過酷な労働条件と低賃金により、経済的負担に苦しんでいた。
3.ガソリン暫定課税
「ガソリン税」(揮発油税と地方揮発油税の総称)は、1リットルあたり計53.8円(本則税率=28.7円+暫定税率=25.1円)となっている。暫定税率は、50年前の1974年度から暫定措置として適用されているが、2028年頃に漸く撤廃されることになった。
「暫定」とは、正式に決まるまで仮の措置としてひとまず決めることを意味する言葉である。「暫」は「しばらく」という意味であり、「定」は「物事を決めて変えない」という意味である。なので、50年間というのは、「暫定」という言葉に相応しくない期間といえる。
仮にガソリン1リットルの価格を100円として計算すると以下の通りとなる。
・ガソリン本体:100円
・ガソリン税:53.8円
・石油石炭税:2.8円
【小計】:156.6円
・消費税(10%):15.6円(二重課税)
【合計】:172.2円
すなわち、ガソリンスタンドで1リットル172円で給油した場合、72円が税金となる。
ワシントン・ポスト紙の報道によると、バイデン米大統領が日本製鉄によるUSスチールの買収提案を阻止する方針であることが明らかになった。この決定は、米国の重要産業を保護し、国家安全保障上の懸念に対応するためのものと見られている。
本日のユーロ圏からは、経済指標はドイツから12月の雇用統計が発表される。また、要人の予定ではレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストの講演が控えている。
ドイツの雇用統計は市場予想(予想:失業率6.2%/失業者数変化1.50万人)よりよほど大きくかい離しない場合以外は市場の反応は限られるだろう。また、センチメントとしてはユーロ売りに反応がしやすいことで、ポジティブサプライズよりもネガティブサプライズの方が敏感に反応すると思われる。
レーンECB専務理事は米サンフランシスコで「地政学の分断」についての講演が行われる予定。ただ、これまでレーン氏は「米通商政策などを巡る不確実性が高い中、政策は会合ごとに決定」と発言をしていることもあり、市場に今後の金融政策についてのヒントとなる発言を期待するのは難しそうだ。
欧州からは市場を動意づけるにはインパクトに欠けるものしかないが、昨日は昨年12月に複数回トライをしたが跳ね返された11月22日の安値1.0335ドルを割り込み、2年2カ月ぶりの水準となる1.0226ドルまで下げ幅を広げた。よって、ユーロ売りのトレンドは継続される可能性が高く、昨日は辛うじて割り込めなかった2022年11月21日安値1.0223ドル、同月11日安値1.0163ドルなどを割り込んだ場合には、パリティ(1ユーロ=1ドル)まで支持水準がなくなることでダウンサイドリスクには要警戒となりそうだ。
なお、NY入り後には12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数や、連日大きく振幅しているロンドンフィキシングが注目される。
・想定レンジ上限
ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0342ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル: 2022年11月11日安値1.0163ドル。
中国当局は企業投資と消費拡大を促進するため、2025年に超長期国債による資金調達を大幅に増やす方針だ。
国家発展改革委員会(発改委)当局者は本日の会見で、消費者が中古車や家電製品を下取りに出して新しい製品を割引価格で購入できる耐久財向け補助金プログラムや、企業の大規模な設備更新を補助するプログラムなど、新たな取り組みに特別国債発行による調達資金を充てると明らかにした。また、世帯を対象に、携帯電話、タブレットPC、スマートウオッチ・ブレスレットの3種類のデジタル製品購入にも補助金を提供する。
発改委は先月、25年の超長期特別国債発行による1兆元の資金を全て割り当てたと発表した。また、中国当局が25年に3兆元相当の特別国債を発行することで合意したとも報じられた。
本日これまでのドル円は157.57円を頭に伸び悩むも下押しは157.04円にとどめ157円前半で底堅い動き。昨年12月26日に158.08円、同30日に158.07円と158円超え水準では日本当局の介入警戒感もくすぶり上値が抑えられ、年明けは157円後半で伸び悩んでいるが、ドル高の地合いは変わらずドル円の下値は堅い。
1月20日にトランプ氏の米大統領就任式を控え、トランプ大統領の経済政策と連邦準備制度理事会(FRB)による利下げペースが今後鈍化するとの見方が引き続きドルの支えとなり、ドル円は上方向への警戒感が続く。市場では最近のドルの動きが第一次トランプ政権時と酷似しているとの声が聞かれている。トランプ氏が昨年11月に大統領選で勝利して以来、ドルは他の通貨に対して3%以上値上がりしており、前回勝利した2016年と同様の軌道をたどっている。
本日のNY市場では12月米ISM製造業景況指数の発表が予定されている。予想では11月と同水準の48.4が見込まれており、結果次第では米長期金利とともにドルが動意づく可能性がある。今のところ、米国がほかの国と比べて経済状況が好調であることもドルの支えとなっている。また、年末年始で連日ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んで値動きが大きくなっており、同時間帯の動きにも注意したい。
・想定レンジ上限
ドル円、昨年12月26日高値158.08円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、昨日の安値156.44円が下値めど。
モルガン・スタンレーは最新リポートで、2024年12月の中国主要都市の中古住宅価格について、予想通りに政策効果の弱まりで3カ月ぶりに前月に比べ下落したと指摘した。物件の投入ペースや季節要因を考慮すると、25年1-3月期の住宅販売に下押し圧力がかかる可能性があるとした。『AAストックス』が3日伝えた。
モルスタは、中古物件が価格面で競争力があるほか、新築物件の発売規模が土地譲渡の減少にともない持続的に縮小していることから、中古物件の販売は新築物件を上回ると予想。住宅販売の先行きについては、すでに打ち出された一連の政策の実行状況などに左右されるとの見方を示した。個別銘柄に関しては、ディフェンシブ性が高いことを理由に華潤置地(01109)、華潤万象生活(01209)、中国海外発展(00688)、越秀地産(00123)などの国有企業を選好した。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.16円(3日15時時点比▲0.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.85円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0298ドル(△0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:8223.98(前営業日比▲36.11)
ドイツ株式指数(DAX):19906.08(▲118.58)
10年物英国債利回り:4.593%(▲0.002%)
10年物独国債利回り:2.425%(△0.046%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)
48.4 48.5
12月独雇用統計
失業率 6.1% 6.1%
失業者数変化 1.00万人 0.60万人・改
11月英消費者信用残高
9億ポンド 10億ポンド・改
11月英マネーサプライM4
(前月比) 0.0% ▲0.2%・改
(前年比) 2.9% 3.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは買い戻しが目立った。前日に一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新したあとだけに、持ち高調整目的のユーロ買い・ドル売りが入った。年始で取引参加者が減り、流動性が低下する中、週末を控えたポジション調整目的の買いも入り、2時30分過ぎには一時1.0306ドルと日通し高値を更新した。
本日発表の12月米ISM製造業景況指数が49.3と予想の48.4を上回ったことを受けて一時1.0273ドル付近まで下押しする場面もあったが、反応は一時的だった。
・ドル円は頭が重かった。米経済指標が米景気の底堅さを示したとの受け止めから、米長期金利が上昇すると円売り・ドル買いが先行し一時157.49円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値157.57円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは2日に一時109.53と22年11月以来の高値を更新するなど、足もとではドル高が進行。週末を控えたポジション調整目的の売りも出やすく、2時30分前には一時156.88円と日通し安値を更新した。
バーキン米リッチモンド連銀総裁はこの日、「2025年の米経済見通しはポジティブ、成長には上振れリスク」「抑制的な金利の長期化が望ましい」などと述べたと伝わったが、相場の反応は限られた。なお、バーキン氏は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。
・ユーロ円は小幅高。24時過ぎには一時162.08円と本日高値を付けた。ユーロドルの上昇につれた買いが入った半面、ドル円の下落につれた売りが出たため、じり高の展開となった。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。しばらくはもみ合いの展開が続いていたものの、終盤売りが優勢となった。市場では「中国の景気不安が根強い中、売りが出やすかった」との声が聞かれた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は反落。中国の景気懸念を背景に欧州株全般に売りが出た。個別ではBASF(2.51%安)やBMW(2.15%安)、バイエル(2.05%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.26円(前営業日比▲0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.08円(△0.37円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0308ドル(△0.0043ドル)
ダウ工業株30種平均:42732.13ドル(△339.86ドル)
ナスダック総合株価指数:19621.68(△340.89)
10年物米国債利回り:4.60%(△0.04%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.96ドル(△0.83ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2654.7ドル(▲14.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米ISM製造業景況指数
49.3 48.4
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日ぶりに反発。12月米ISM製造業景況指数が49.3と予想の48.4を上回ったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが先行。0時30分過ぎに一時1.0273ドル付近まで値を下げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.0256ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。前日に1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新したあとだけに、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。6時過ぎには一時1.0310ドルと日通し高値を付けた。
・ドル円は3日ぶりに反落。米経済指標が米景気の底堅さを示したとの受け止めから、米長期金利が上昇すると円売り・ドル買いが先行し一時157.49円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値157.57円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは2日に一時109.53と22年11月以来の高値を更新するなど、足もとではドル高が進行。週末を控えたポジション調整目的の売りも出やすく、2時30分前には一時156.88円と日通し安値を更新した。
ただ、ドル売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。引けにかけては157.38円付近まで下げ渋っている。
・ユーロ円は5日ぶりに反発。年始で取引参加者が少なく商いが低調だったため、しばらくは大きな方向感が出なかった。ただ、引けにかけては強含み、6時過ぎには一時162.21円と日通し高値を更新した。ユーロドルの上昇や米国株高が相場を下支えした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに自律反発狙いの買いが入った。12月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことも投資家心理の改善につながり、買い戻しを誘った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。12月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことで債券を売る動きが広がった。
・原油先物相場は5日続伸。米東部を中心に冷え込みが予想されているほか、中国政府による追加の景気刺激策への期待もあり、強含む展開。一時、昨年10月以来となる74.35ドルまで上昇した。
・金先物相場は3日ぶりに反落。前日まで上昇したことを背景に利益確定の売りが優勢となった。米長期金利が上昇したことで、金利のつかない金の投資魅力が薄れたことも重しとなった。
日経新聞が報じたところによると、「日本製鉄は米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、米政府を相手取り訴訟を提起する方針を固めた」ようだ。バイデン米大統領が買収計画に対する中止命令を決めた手続きの適正さなどを争う構えだという。
トランプ次期米大統領が支持を表明した米共和党のマイク・ジョンソン氏の米下院議長続投が決まった。
3日08:19 ジョンソン米下院議長
「明日までには議長が決まると思う」
「議長選挙で1票の反対票があるかもしれないが、1回の投票で議長職を獲得できると考えている」
3日09:24 中国人民銀行(PBOC)
「2025年の適切な時期に金利を引き下げる可能性が高い」
「金利調整の役割を重視し、融資成長の量的目標から離れる」
3日14:42 トランプ次期米大統領
「関税はアメリカを再び豊かにするだろう」
「我が国は世界中の笑いものになっている」
「これが開かれた国境と弱く、無能で、事実上存在しない指導力の結果だ」
「司法省、FBIそして民主党の州・地方検察官は無能」
4日01:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「かつて行っていたほどの金融引き締めは必要ない」
「インフレ率は2%の目標に近づいているが、まだやるべきことは多い」
「インフレ面ではリスクが高まっているが、成長には上振れ余地がある」
「基本的に経済見通しはポジティブ」
「抑制的な金利の長期化が望ましい」
「労働市場は健全で正常な水準」
「コアインフレの見通しについては引き続き楽観的」
※時間は日本時間
6日
○東京証券取引所などが大発会
7日
○08:50 ◇ 12月マネタリーベース
8日
○14:00 ◇ 12月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
9日
○08:30 ◇ 11月毎月勤労統計(現金給与総額)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース、2週分)
○14:00 ◇ 日銀地域経済報告(さくらレポート)
10日
○08:30 ◇ 11月家計調査(消費支出)
○08:50 ◇ 12月外貨準備高
○14:00 ◇ 11月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
6日
○10:45 ◎ 12月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
○16:30 ◇ 11月スイス小売売上高
○17:50 ◎ 12月仏サービス部門PMI改定値
○17:55 ◎ 12月独サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI改定値
○22:00 ◎ 12月独消費者物価指数(CPI)速報値
○23:30 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI改定値
○23:45 ◎ 12月米総?⑰MI改定値
○24:00 ◎ 11月米製造業新規受注
○7日03:00 ◎ 12月ブラジル貿易収支
○ロシア(新年休暇)、ポーランド(三博士の日)、スウェーデン(公現祭)、休場
7日
○09:01 ◇ 12月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◎ 11月豪住宅建設許可件数
○16:30 ◎ 12月スイスCPI
○16:45 ◇ 12月仏CPI速報値
○18:30 ◎ 12月英建設業PMI
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア速報値
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏失業率
○22:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30 ◇ 11月カナダ貿易収支
○22:30 ◎ 11月米貿易収支
○24:00 ◇ 12月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数
○24:00 ◎ 11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○8日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○ロシア(新年休暇)、休場
○09:30 ◎ 11月豪CPI
○16:00 ◎ 11月独小売売上高
○16:00 ◎ 11月独製造業新規受注
○16:00 ◎ 12月スウェーデンCPI
○16:45 ◇ 12月仏消費者信頼感指数
○16:45 ◇ 11月仏貿易収支
○16:45 ◇ 11月仏経常収支
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏経済信頼感指数
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 12月ADP全米雇用報告
○9日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○9日02:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○9日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日分)
○9日05:00 ◇ 11月米消費者信用残高
○ロシア(新年休暇)、休場
9日
○09:30 ◇ 11月豪貿易収支
○09:30 ◎ 11月豪小売売上高
○10:30 ◎ 12月中国CPI
○10:30 ◎ 12月中国PPI
○16:00 ◎ 11月独鉱工業生産
○16:00 ◇ 11月独貿易収支
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏小売売上高
○21:00 ◎ 11月ブラジル小売売上高
○21:00 ◎ 12月メキシコCPI
○21:30 ◇ 12月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○24:00 ◇ 11月米卸売売上高
○10日01:00 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○10日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○10日03:30 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○米株式市場は国民追悼の日で休場、債券市場は短縮取引
10日
○15:45 ◇ 12月スイス失業率(季節調整前)
○16:00 ◇ 11月トルコ失業率
○16:00 ◇ 11月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ 12月ノルウェーCPI
○16:45 ◇ 11月仏鉱工業生産
○16:45 ◇ 11月仏消費支出
○19:30 ◎ 11月インド鉱工業生産
○21:00 ◎ 12月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○21:00 ◇ 11月メキシコ鉱工業生産
○22:30 ☆ 12月カナダ雇用統計
○22:30 ◇ 11月カナダ住宅建設許可件数
○22:30 ☆ 12月米雇用統計
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
<国内>
○東京証券取引所などが大発会
<海外>
○10:45 ◎ 12月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.4)
○15:30 ◇ 11月スイス小売売上高
○17:50 ◎ 12月仏サービス部門PMI改定値(予想:48.2)
○17:55 ◎ 12月独サービス部門PMI改定値(予想:51.0)
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○22:00 ◎ 12月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比2.4%)
○23:15 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI改定値(予想:58.5)
○23:45 ◎ 12月米総?⑰MI改定値
○24:00 ◎ 11月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.3%)
○7日03:00 ◎ 12月ブラジル貿易収支(予想:42.00億ドルの黒字)
○ロシア(新年休暇)、ポーランド(三博士の日)、スウェーデン(公現祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を上回った12月米ISM製造業景況指数を受けた米長期金利の上昇に連れて157.49円付近まで上昇。しかしその後、週末を控えたポジション調整の売りで156.88円まで反落した。ユーロドルは12月米ISM製造業景況指数を受けて1.0273ドル付近まで下落後、1.0310ドルまで反発した。ユーロ円は162.21円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米金融政策への思惑から底堅い展開が予想されるものの、本邦通貨当局による円安抑制措置には引き続き警戒しておきたい。
2025年のドル円相場は、米連邦準備理事会(FRB)のターミナルレート(利下げの最終到達点)と日銀のターミナルレート(利上げの最終到達点)という日米金融政策を軸に、第2次トランプ米政権の財政、通商、外交政策が絡んでいく展開となる。
参考までに、第1次トランプ米政権(2017年~2020年)のドル円相場(高値118.60円・安値102.88円)は、2016年12月のトランプ・ラリーの高値(118.66円)を超えることはなかった。
本日は大発会での日経平均株価の動向を眺めながら、本邦通貨当局による円安牽制発言、日銀の金融政策に関する報道や発言、そして、トランプ次期米大統領による債務上限やドル高・人民元安、円安への突発的な発言などに警戒していくことになる。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に関しては、昨年12月の本邦通貨当局の円安牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっており、「断固たる措置」といった円買い介入を示唆するタイミング、為替水準を見極めることになる。なお神田前財務官は、ボラティリティー抑制を円買い介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では160.20円台にある。
日銀の追加利上げの時期は、植田日銀総裁が追加利上げを見送った理由として、第2次トランプ米政権の経済政策や春闘での賃上げのモメンタムを確認するため、もうワンノッチ(1段階)の情報を待ちたい、と述べたことで、3月以降に先送りされた感がある。しかし、12月の日銀金融政策決定会合での主な意見では、植田日銀総裁の見解に同調している委員は、内田日銀副総裁らしき執行部の見解が確認されるだけだったことで、23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は40%台まで上昇している。
今月は、14日に予定されている氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での講演や記者会見で、日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの憶測が高まっており、昨年12月同様に事前の報道に注目していくことになる。
28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策は、20日のトランプ次期米大統領の就任前後に予想されている大統領令などを見極める意味で、政策金利の据え置きが見込まれており、ドル買い要因となっている。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39610 -380 (-0.95%)
TOPIX先物 2768.5 -18.0 (-0.64%)
シカゴ日経平均先物 39595 -395
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。NYダウは5営業日ぶり、S&P500、ナスダックは6営業日ぶりに反発した。短期的に売られ過ぎとの見方から、自律反発を期待した買いが優勢だった。2024年12月の米ISM製造業景況感指数(PMI)が49.3に上昇し、市場予想を上回ったほか、リッチモンド連銀のバーキン総裁が、米経済について楽観的な見解を示したことが材料視された。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、JPモルガン・チェース<JPM>が買われた。一方、ボーイング<BA>やナイキ<NKE>、アップル<AAPL>は下げた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、ヘルスケア機器・サービス、銀行、不動産が上昇した半面、家庭用品・パーソナル用品、電気通信サービスの2セクターが下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比395円安の3万9595円だった。12月30日の取引終了後の日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円安の3万9930円で始まり、その後は3万9990円と日中比変わらず水準まで戻す場面もみられた。だが、買い一巡後は下へのバイアスが強まり、3万9300円を下回った。終盤にかけて3万9680円まで下げ幅を縮めたが、祝日取引では3万9300円を挟んだ狭いレンジでの推移を継続し、一時3万9220円まで下げ幅を広げる場面もみられた。米国市場の取引開始後に持ち直し3万9500円を回復すると、その後も下げ幅を縮め、3万9610円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まることが見込まれる。3日の米国市場では主要な株価指数が上昇したものの、自律反発の域は脱しておらず、市場の反応は限られそうで、大発会での好スタートは期待しづらいところである。
日経225先物は一時3万9220円まで売られたが、25日移動平均線(3万9200円)水準まで下げており、調整一巡感が意識されやすい水準まで調整している。12月27日に4万0460円まで上昇し、ボリンジャーバンドの+3σ(4万0580円)水準に接近したことで過熱感が警戒されていたこともあり、中心値(25日)までの調整を経て、仕切り直しが意識されそうだ。
+1σが3万9700円辺りに位置しており、まずはオプション権利行使価格の3万9250円から3万9750円のレンジを想定する。なお、節目の3万9500円および+1σ水準での底堅さが意識される局面では、3万9500円から4万円のレンジに移行することになりそうだ。
3日の米VIX指数は16.13だった。年末の米株安の中で緩やかに上昇する形だったが、75日線(17.21)を割り込み、200日線(16.11)にタッチする場面もみられた。米連邦公開市場(FOMC)後の急伸以降は低下をみせ、ボトム圏での推移を継続していることもあり、リスク回避の姿勢は強まっていないだろう。
12月30日のNT倍率は先物中心限月で14.35倍に上昇した。75日線(14.35倍)に上値を抑えられる形から、一時14.29倍に低下する場面もみられた。ただ、その後は25日線(14.25倍)が支持線として機能しており、75日線水準で終えている。米国市場ではエヌビディアが4%超える上昇だったことから、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の底堅さが期待されやすく、75日線を突破する局面ではNTロングに振れそうだ。
週明けのオセアニア市場では、ドル円は先週末の安値156.88円を下抜けて一時156.83円まで値を下げる場面もみられましたが、年末年始休暇を終え、実質的な今年最初の取引となる東京勢が参入するやいなや、予想通り実需勢の買いが断続的に持ち込まれることになりました。仲値にかけては、先週末高値の157.57円を上抜けて一時157.83円まで値を上げています。
その後は2日の年初来高値157.85円が目先の目処として意識されたほか、豊洲市場の初セリで一番マグロがキロ75万円と昨年の48万円を大幅に上回る高値となったことに調子付いたのか、休場中に一時39225円まで急落していた日経平均先物が一時40000円台を回復したものの、再び元の鞘に戻る動きとなると157.49円まで下押し。ただ、米10年債利回りが4.63%台まで大幅な上昇となっていることもあり、下押しも限定的といったところです。
いずれにしても、ユーロドルの急落から始まった2025年の為替市場は、本邦勢の本格復帰を受けて、再びドル円に焦点が集められているわけですが、「一番マグロの値付けが、キロ当たり10万円を上回った場合は日経平均が上昇する」といったアノマリーもあるなか、出遅れ感の強い日経平均とともに、戻り高値を試す方向性を確認する巳年が始まっています。
一部報道が伝えたところによると、カナダのトルドー首相は今週中にも自由党党首を辞任する見込みだという。
「歴史は同じようには繰り返さないが、韻を踏む」(マーク・トウェイン)
1.ドル円高値8年サイクル
ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけている。
2025年は、2024年7月の高値161.95円から2032年の高値175円に向けた調整局面を予想する。
・1974年:306.90円
・1982年:278.50円
・1990年:160.35円 (※消費税3.0% 1989年)
・1998年:147.64円 (※消費税5.0% 1997年)
・2007年:124.14円 (2006年から1年ずれ)
・2015年:125.86円 (※消費税8.0% 2014年)
・2024年:161.95円 (※消費税10.0% 2019年)
2.エリオット波動
第4波動の「三角保ち合い」を形成すると予想する。
・第1波動:75.32円-125.86円(+50.54円)
・第2波動:125.86円-101.19円(▲24.67円)※第1次トランプ米政権(2017年~20年)
・第3波動:101.19円~161.95円(+60.76円)
・第4波動:161.95円~126円 ※第2次トランプ米政権(2025年~28年):
・第5波動:126円~175.50円
3.太陽黒点とドル円相場
太陽黒点は、約11年周期で極大期・極小期を繰り返しているが、ドル円の8年サイクルに対応している。
第25太陽活動周期の極大期が2024年10月だったことで、7月の高値161.95円が当面の高値だったことが想定できる。
【太陽活動周期】 【極大期】⇒ピークアウト 【極小期】⇒ボトムアウト
・20期(1964-76)1968年+3年=1971年 360.00円 1976年+2年=78年 175.50円
・21期(1976-86)1979年+3年=1982年 278.50円 1986年+2年=88年 120.25円
・22期(1986-96)1989年+1年=1990年 160.35円 1996年-1年=95年 79.75円
・23期(1996-08)2000年-2年=1998年 147.64円 2008年+3年=11年 75.32円
・24期(2008-19)2014年+1年=2015年 125.86円 2019年+1年=20年 101.19円
※第1次トランプ米政権(2017年~20年)
・25期(2020-31)2024年10月=2024年 161.95円
※第2次トランプ米政権(2025年~28年)
4. 第2次トランプ米政権(2025年~2028年)
第1次トランプ米政権(2017年~20年)のドル円相場(高値118.00円~安値102.88円)は、2016年12月のトランプ・ラリーの高値(118.66円)を超えることはなかった。
第2次トランプ米政権(2025年~28年)のドル円相場は、2024年12月のトランプ
日経225先物は11時30分時点、前日比620円安の3万9370円(-1.55%)前後で推移。寄り付きは3万9660円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9595円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。日経平均株価が小幅ながら反発して始まるなか、日経225先物は現物の寄り付き直後には一時4万0010円まで買われ、プラス圏を回復する場面もみられた。ただし、買い一巡後は急速に軟化し、終盤にかけては3万9360円まで下げ幅を広げた。
ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立った。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]やTDK <6762.T> [東証P]、KDDI <9433.T> [東証P]などの下げが重荷となった。東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が6割超を占めており、手掛けづらくさせた。
日経225先物は4万0010円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σ(4万0190円)が意識されたが、早い段階で+1σ(3万9690円)を割り込んだことで、ロング解消の動きに向かわせたようだ。ロングの整理は一巡したとみられるが、25日移動平均線(3万9190円)辺りが意識されやすく、まずは底堅さを見極める必要があるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。一時14.25倍まで下げる場面もみられ、200日線(14.25倍)水準まで低下。足もとでは同線が支持線として意識されていたこともあり、後場はNTショートを巻き戻す形でのリバランスの動きを意識しておきたい。
本日のロンドン為替市場では、欧州のエネルギー価格動向や改定値ではあるが独仏ユーロ圏の12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の結果を見定めながらの取引か。ニューヨーク勢の参入後の欧州午後には、独インフレ指標も発表される。
ロシア国営企業ガスプロムは1日、ウクライナ経由で欧州への天然ガス輸出の停止を発表。これを受けて、2日に取引が再開された「オランダTTF天然ガス先物(欧州の天然ガス価格の指標)」2月限は、1メガワット時あたり50.2ユーロを超えて終えた。下落していた先月半ばから比べると、20%以上も上昇した水準だ。
もっとも、既に欧州連合(EU)はロシア産天然ガスへの依存度を引き下げているためか、先週末3日にTTF天然ガス先物は49.62ユーロ付近まで下落して終えた。ウクライナがガスプロムとの契約を更新しない方針を以前から決めていたこと、今後ロシアは別ルートで欧州に天然ガス輸出を続ける見込みということも、警戒感を過度に高めていない要因だろう。
とはいえ、これから冬が本格化する中でエネルギー需給の逼迫懸念は残る。原油先物も年末年始にかけて堅調に推移しており、エネルギー価格が高止まりするようだと欧州インフレの上昇圧力に繋がるだろう。そうなった場合、ユーロ圏金利の先安観の後退から通貨ユーロが支えられる局面があるかもしれない。しかし景況感の悪化も避けられないため、持ち高調整以外では積極的な上値追いも難しそうだ。
12月サービス部門PMIは、速報値では仏独ユーロ圏とも総じて予想以上の結果だった。特に、ドイツとユーロ圏が景況判断の境目50もしっかり超えてきている。12月の好調さを改定値で確認できれば、ユーロ相場にとって目先の支持要因とされるか。ただし改定値のため、速報値から大きく離れた場合のみユーロ相場の動意を高めることになるだろう。
なお、日本時間22時に発表される12月独消費者物価指数(CPI)速報値は、前年比2.4%上昇が市場予想の中心値。見込み通りであれば、3カ月連続の加速となる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0342ドル。超えると同・基準線1.0428ドルが意識される。
想定レンジ下限
・ユーロドル、2日につけた2022年11月以来の安値1.0226ドル。
(6日15時時点)
ドル円:1ドル=157.78円(前営業日NY終値比△0.52円)
ユーロ円:1ユーロ=162.65円(△0.57円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0309ドル(△0.0001ドル)
日経平均株価:39307.05円(前営業日比▲587.49円)
東証株価指数(TOPIX):2756.38(▲28.54)
債券先物3月物:141.59円(▲0.31円)
新発10年物国債利回り:1.125%(△0.035)
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。東京早朝から買いが先行すると、時間外の米長期金利の上昇もあり157.83円まで上昇。大発会後の日経平均が下げに転じると157.50円前後まで下押すも、売り一巡後は157.80円前後までじりじりと値を上げた。ただ、新発10年物国債の利回りが2011年7月以来の1.12%台まで上昇したこともあり、本日高値を前に伸び悩んだ。なお、植田日銀総裁からは「今年は賃金物価バランスよく成長するよう期待」などの発言が伝わっている。
・ユーロ円は伸び悩み。ドル円の上昇に連れてじり高で推移する中で162.81円まで値を上げるも、日足一目均衡表の転換線162.91円が目先の抵抗として意識されると伸び悩んだ。
・ユーロドルは小動き。手掛かり材料に乏しい中、主に1.03ドル台前半での狭いもみ合いが続いた。
・カナダドルは上昇。一部報道が「トルドー加首相が今週中にも与党・自由党の党首を辞任する見込み」と伝えた。昨年から辞任は時間の問題とされていた中、市場はカナダドル買いで反応。カナダドル円は109.66円まで上昇した
・日経平均株価は続落。小高く始まるも早々にマイナスに転じると、下げ幅を拡大。ファーストリテイリングやトヨタなどが下げを先導したほか、米政府が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に対する中止命令を出したことも重しとなり、下げ幅は一時600円超に達した。
・債券先物相場は反落。前週末の米国債券相場が下落した流れを引き継いだほか、週内に入札を控えて需給の緩みを警戒した売りも出た。なお、新発10年物国債利回りは日銀の早期利上げ観測がくすぶる中で2011年7月以来となる1.12%台まで上昇した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
オーストリアで極右排除の連立協議が決裂 極右政権誕生に近づく
昨年9月の総選挙で極右政党・自由党が第一党となったオーストリアでは、極右を除く3党による連立協議が行われてきたが、年明け直後に決裂。連立協議を率いてきたネーハーマー首相が首相並びに中道右派の国民党党首の辞任を発表。国民党の後継党首は自由党が主導する連立協議に応じる姿勢を示しており、オーストリアでも極右政権が誕生する可能性が高まった。新たな連立協議が不調に終わった場合も、選挙後の世論調査で自由党が4割近くまで支持を伸ばしている。再選挙となった場合、自由党が更に議席を上積みし、同党抜きの連立は益々困難になりつつある。
大阪3月限
日経225先物 39340 -650 (-1.62%)
TOPIX先物 2760.0 -26.5 (-0.95%)
日経225先物(3月限)は前日比650円安の3万9340円で取引を終了。寄り付きは3万9660円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9595円)にサヤ寄せする形で売り先行で始まった。日経平均株価が小幅ながら反発して始まるなか、日経225先物は現物の寄り付き直後には一時4万0010円まで買われ、プラス圏を回復する場面もみられた。
だが、買い一巡後は急速に軟化し、前場終盤にかけて3万9360円まで下げ幅を広げ、後場中盤には3万9230円まで売られた。売り一巡後は終盤にかけて3万9230円~3万9380円辺りでのレンジ推移が続いた。
日経225先物は4万0010円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σ(4万0190円)が意識されたが、早い段階で+1σ(3万9690円)を割り込んだことで、ロング解消の動きに向かわせたようだ。後場に入り3万9230円まで売られたが、祝日取引でつけた安値(3万9220円)は割り込まず、25日移動平均線(3万9190円)辺りが支持線として意識され、終盤にかけて若干ながらショートカバーを誘う形だったのだろう。
3日の米国市場がエヌビディア<NVDA>などハイテク主導で上昇した流れを受け、アドバンテスト <6857.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]といった指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立った。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]やリクルートホールディングス <6098.T> [東証P]、TDK <6762.T> [東証P]、KDDI <9433.T> [東証P]の下げが重荷となった。
東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が7割超を占めたが、セクターでは海運や鉱業、石油・石炭製品、銀行が上昇した。少額投資非課税制度(NISA)に伴う資金が高配当の銘柄に向かったことが窺える。
NT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.24倍まで下げる場面もみられ、200日線(14.25倍)を下回る場面もあった。足もとでは同線が支持線として意識されていたこともあり、その後はNTショートが強まる流れは一服したが、200日線を割れからNTショートに振れやすくなる可能性がありそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が3万3412枚、ソシエテジェネラル証券が2万4939枚、JPモルガン証券が6986枚、日産証券が6699枚、サスケハナ・ホンコンが5426枚、SBI証券が4329枚、モルガンMUFG証券が2502枚、バークレイズ証券が2466枚、ビーオブエー証券が1928枚、ゴールドマン証券が1656枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万4701枚、ソシエテジェネラル証券が2万8670枚、日産証券が9589枚、ゴールドマン証券が8210枚、JPモルガン証券が8093枚、バークレイズ証券が7220枚、モルガンMUFG証券が4735枚、みずほ証券が2550枚、ビーオブエー証券が2365枚、BNPパリバ証券が1693枚だった。
今週のNY市場は12月雇用統計などの経済指標に注目。先週は週末金曜日に主要3指数がそろって上昇したものの、週間ではダウ平均が0.60%安、S&P500が0.48%安、ナスダック総合が0.51%安とそろって反落した。例年株価上昇確率が高いサンタクロース・ラリー(年末最終の5営業日と新年の2営業日)は、ダウ平均が0.41%安、S&P500が0.53%安、ナスダック総合が0.72%安となり、今回は失敗に終わった。ただ、2024年年間ではダウ平均が12.88%高、S&P500が23.31%高、ナスダック総合が28.64%高とそろって大幅に2年続伸となった。
今週は9日木曜日がジミー・カーター元大統領の追悼行事で株式市場が休場で、4日間の短縮取引となる。年末年始のサンタクロース・ラリーは下落となったが、新年の2営業日ではダウ平均が0.44%高、S&P500が1.03%高、ナスダック総合が1.61%高とそろって上昇スタートとなった。1月や2025年のパフォーマンスを占う意味で今週の株価の行方が注目されるが、米連邦準備理事会(FRB)による今年の利下げ見通しを巡り12月雇用統計などの労働統計が焦点となりそうだ、金曜日に発表される12月雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が16万人増と11月分の22.7万人増から鈍化が見込まれており、失業率は11月の4.2%から横ばいが見込まれている。市場では2025年に2回(0.50%)の利下げが予想されているが、NFPが予想を上回る増加となれば利下げ期待の後退が相場の重しとなることが懸念材料となる。このほかの経済指標は、11月耐久財受注改定値、11月製造業新規受注、12月ISM非製造業PMI、11月JOLTS求人件数、12月ADP民間部門雇用者数など。
今晩の米経済指標・イベントは12月サービス業PMI確定値、11月製造業新規受注など。企業決算は引け後にメトラートーレドが発表予定。
米ワシントンポスト紙が「トランプ次期大統領が、重要な輸入品に一律の関税導入を検討している」と報じている。
カナダのトルドー首相が自由党党首を辞任する意向を表明すると一部メディアが伝えた。ただし、新党首選出まで留任するという。
カナダのトルドー首相は3月24日まで議会の閉会を要請したと一部メディアが伝えた。これにより、政府は不信任案を避けることができ、自由党が新しい党首を選出するための時間に充てるという。
日経平均株価は大幅続落。大納会からの売りが継続する格好となり、25日移動平均線(39169円 1/6)付近まで下げ幅を拡大する場面があった。終値ベースでは10日移動平均線(39297円 同)まで戻したが、直近2日間で大きな揺り戻しが生じる格好となった。
RSI(9日)は前日の59.2%→53.4%(1/6)に低下。50%超を維持する状態であり、あすは上昇しやすいタイミングとなる。このまま、25日移動平均線や基準線(39099円 同)などを下回ると、11/28安値(37801円)と12/19安値(38355円)をつないで延長した支持線まで下落余地が拡大する公算が大きい。
まずは、あすの転換線(39376円 同)の上昇を追い風に、5日移動平均線(39636円 同)上を回復できるかが、12/27までの上昇モメンタム回復のカギとなる。
上値メドは、5日移動平均線や心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円などが考えられる。下値メドは、25日移動平均線や心理的節目の39000円、75日移動平均線(38738円 同)、100日移動平均線(38350円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)などがある。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.332%、応札倍率(カバー)が2.62倍となった。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.50円(6日15時時点比▲0.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.61円(△0.96円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0387ドル(△0.0078ドル)
FTSE100種総合株価指数:8249.66(前営業日比△25.68)
ドイツ株式指数(DAX):20216.19(△310.11)
10年物英国債利回り:4.610%(△0.017%)
10年物独国債利回り:2.447%(△0.022%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月スイス小売売上高 (前年同月比)
0.8% 1.5%・改
12月仏サービス部門PMI改定値
49.3 48.2
12月独サービス部門PMI改定値
51.2 51.0
12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
51.6 51.4
12月英サービス部門PMI改定値
51.1 51.4
12月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.4% ▲0.2%
(前年比) 2.6% 2.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。円安・ドル高が進んだ東京市場の流れを引き継ぐと、欧州勢参入後も円売り・ドル買いが進行。20時過ぎに一時157.96円と日通し高値を付けた。ただ、昨年12月30日の高値158.07円や12月26日の高値158.08円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
米ワシントン・ポスト紙が「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」と報じると、米金利上昇圧力が従来予想よりも限定的にとどまるとの見方が浮上。全般ドル売りが優勢となり、22時30分前に一時156.24円と日通し安値を付けた。
もっとも、トランプ氏が「ワシントン・ポストの記事は正確ではない」「自分の関税政策を後退させることはしない」と発言すると一転ドルを買い戻す動きが優勢に。3時過ぎには157.67円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは伸び悩み。12月仏・独・ユーロ圏サービス部門PMI改定値が予想を上回るとユーロ買い・ドル売りが先行。ワシントン・ポストの報道をきっかけに全般ドル売りが活発化すると一時1.0437ドルと日通し高値を付けた。ただ、トランプ氏が当該記事を否定すると一転ドル買いが優勢となり、23時30分前には1.0355ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は強含み。ユーロドルの上昇をきっかけに円売り・ユーロ買いが優勢になると、20時30分過ぎに一時164.02円と日通し高値を付けた。23時30分前には162.61円付近まで下押しする場面もあったが、2時前には163.84円付近まで再び強含んだ。
・ロンドン株式相場は反発。続落して始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。米国株相場の上昇などが相場を下支えした。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが買われたほか、アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。米ワシントン・ポスト紙が「トランプ次期大統領は重要な輸入品のみに一律の関税導入を検討」と報じたことが好感されて、独株にも買いが入った。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(7.34%高)やザルトリウス(5.93%高)、ダイムラー・トラック・ホールディング(5.79%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落した。米債安につれた。
大発会1月6日の日経平均は大幅続落。終値は587円安の39307円。東京市場が休場の間の米国株は軟調となったが、これを受けても寄り付きは小幅なプラス。しかし、すぐに下げに転じると、場中は下値模索が続いた。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>が弱かったほか、トヨタ<7203.T>など昨年末の動きが良かった銘柄に大きく下げるものが散見された。前場のうちに下げ幅を500円超に広げ、後場には600円超下げる場面もあった。終盤にかけては売り一巡感から下げ渋ったものの、安値圏で2025年初日の取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4800億円。業種別では海運、鉱業、石油・石炭などが上昇した一方、輸送用機器、小売、サービスなどが下落した。500株以上保有の株主に対する優待を手厚くすることを発表した東海染工<3577.T>が後場急騰。ストップ高まで買われる場面もあった。半面、3Q累計は増収増益もポジティブサプライズに乏しいと受け止められたハイデイ日高<7611.T>が後場マイナス転換から下げ幅を広げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり357/値下がり1243。3日の米国でエヌビディアが強く買われたことから、アドバンテストやディスコなど半導体株が上昇。野村マイクロがストップ高まで買われたほか、オルガノが3%超上昇するなど、超純水関連に強い動きが見られた。自動車株は濃淡あったが、スズキやホンダは大幅高。決算が好感されたあみやき亭が急伸した。
一方、トヨタが4.3%安となったほか、三菱自動車や日野自動車など自動車株の一角が嫌われた。IHIや川崎重工など防衛関連が大幅安。今週決算発表を控えているファーストリテイリングが4.2%安と派手に下げた。昨年末に急騰したDeNAが一転急落。リクルートHD、ソニーG、キーエンスなどグロース系の銘柄が強めに売られた。
2025年の大発会は大幅安。昨年の大納会同様、外部環境がアゲインストの割には高く始まり、寄った後に改めての売りに押された。下に値幅は出たが売買代金上位銘柄を見るとプラスの銘柄も結構多く、リスクオフに傾斜したような雰囲気はない。終値は39307円。4万円は遠のいたが、安値(39232円)でも25日線(39169円、6日時点、以下同じ)は割り込んでおらず、テクニカルの節目は意識された。39000円を割り込んだとしてもその下には75日線(38738円)が控えており、悲観に傾く局面ではない。きょう弱かった銘柄は直近では強く買われていたものも多かっただけに、あすは反転攻勢の展開に期待したい。
一部通信社が報じたところによると、「バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)は同職を退任する」もよう。
6日11:26 植田日銀総裁
「昨年の日本経済、賃金・物価の好循環続いた」
「今年も金融緩和度合い調整するタイミングは今後の経済金融物価情勢次第、様々なリスクに留意必要」
「データその他の情報を精緻に分析、経済物価見通し作成している」
「経済物価見通し、月末の展望リポートで政策判断基本材料にする」
「今年は賃金物価バランスよく成長するよう期待」
6日23:00 トランプ次期米大統領
「中国の習近平主席とはおそらく非常に上手くやっていけるだろう」
「バイデン大統領の石油掘削禁止令を即座に解除する」
「ワシントン・ポスト紙の記事は正確ではない」
「関税政策は縮小しない」
6日23:15 クック米連邦準備理事会(FRB)理事
「時間をかけて中立的な水準まで利下げすることが適切になるだろう」
「インフレと雇用に関するリスクはほぼバランスが取れている」
「FRBはより慎重に利下げを進めることができる」
「労働市場はより均衡が取れており、インフレの要因ではない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月マネタリーベース
<海外>
○09:01 ◇ 12月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比▲0.2%)
○09:30 ◎ 11月豪住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.0%)
○16:30 ◎ 12月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○16:45 ◇ 12月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比1.4%)
○18:30 ◎ 12月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:54.4)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.4%)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.7%)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏失業率(予想:6.3%)
○22:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30 ◇ 11月カナダ貿易収支(予想:9.0億カナダドルの赤字)
○22:30 ◎ 11月米貿易収支(予想:780億ドルの赤字)
○24:00 ◇ 12月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00 ◎ 11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:770.0万件)
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:53.3)
○8日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○ロシア(新年休暇)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.62円(前営業日比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.77円(△1.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0390ドル(△0.0082ドル)
ダウ工業株30種平均:42706.56ドル(▲25.57ドル)
ナスダック総合株価指数:19864.98(△243.30)
10年物米国債利回り:4.63%(△0.03%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.56ドル(▲0.40ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2647.4ドル(▲7.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米サービス部門PMI改定値
56.8 58.5
12月米総?⑰MI改定値
55.4 56.6
11月米製造業新規受注
(前月比) ▲0.4% 0.5%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米ワシントン・ポスト紙が「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」と報じると、米物価上昇圧力が想定よりも限定的にとどまるとの見方が浮上。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢になると、22時30分前に一時156.24円と日通し安値を付けた。
ただ、トランプ氏が「ワシントン・ポストの記事は正確ではない」「自分の関税政策を後退させることはしない」と発言すると一転ドルを買い戻す動きが優勢に。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、3時過ぎに157.67円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは続伸。欧州時間発表の12月仏・独・ユーロ圏サービス部門PMI改定値が予想を上回ったことを受けてユーロ買い・ドル売りが進行。ワシントン・ポストの報道をきっかけに全般ドル売りが活発化すると一時1.0437ドルと日通し高値を付けた。
ただ、トランプ氏が当該記事を否定するとドル買い戻しが優勢となり、23時30分前に1.0355ドル付近まで下押しした。そのあとは1.03ドル台後半で値動きが細った。
・ユーロ円も続伸。ユーロドルの上昇をきっかけに円売り・ユーロ買いが優勢になると、20時30分過ぎに一時164.02円と日通し高値を更新。23時30分前には162.61円付近まで下押しする場面もあったが、2時前には163.84円付近まで再び強含んだ。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反落。一時380ドル超上昇する場面もあったが、「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道をトランプ氏が否定すると、米長期金利が上昇。株式の相対的な割高感が意識されて、売りが優勢となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。半導体株やメタ・プラットフォームズが買われ、相場の押し上げ要因となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道をトランプ氏が否定すると一転売りが優勢となった。3年債入札が「やや低調」と受け止められたことも相場の重し。
・原油先物相場は6日ぶりに反落。欧米での寒波を受けて暖房需要への期待から天然ガス先物が急伸したことにつれて75ドル手前まで上昇した。ただ、トランプ米次期大統領の発言でドル買い戻しが進むと、ドル建て商品の割安感が薄れ一転下落した。
・金先物相場は続落。「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道をトランプ氏自身が否定したことでドルの買い戻しが進むと、ドル建てで取引される金の割高感が意識された。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39670 +330 (+0.83%)
TOPIX先物 2774.5 +14.5 (+0.52%)
シカゴ日経平均先物 39675 +335
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。台湾の鴻海精密工業が発表した2024年10-12月期の売上高(速報値)は、人工知能(AI)向けのサーバーが寄与し過去最高となった。これが材料視され、エヌビディア<NVDA>が一時5%を超す上昇となったほか、マイクロン・テクノロジー<MU>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など半導体株が買われ、投資家心理を明るくさせた。
ただし、「トランプ次期米大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道を、トランプ氏が否定すると米長期金利が上昇。これが相場の重荷となり、一時380ドルほど上昇していたNYダウは軟化し、その後は一進一退の展開が続いた。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、ウォルマート<WMT>、ゴールドマン・サックス<GS>が買われた。半面、ハネウェル・インターナショナル<HON>、ベライゾン<VZ>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、セールスフォース<CRM>が軟調。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比335円高の3万9675円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万9360円で始まり、直後につけた3万9340円を安値にロング優勢となり、3万9670円まで買われた。買い一巡後は3万9460円まで軟化したが、米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万9850円まで上げ幅を広げた。終盤にかけてロング解消の動きがみられたものの、3万9600円辺りでの底堅さが意識され、3万9670円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。鴻海精密工業については前日の時点で織り込まれているが、米半導体株への物色に波及したことで、改めて材料視されやすいだろう。そのため、指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]など、値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開が期待される。
昨日の日経225先物は朝方に4万円を回復した後は下へのバイアスが強まり、一時3万9230円まで下げる場面もみられた。ただし、上向きで推移する25日移動平均線が支持線として意識されており、同線割れを狙ったショートは手控えられそうである。ナイトセッションではボリンジャーバンドの+1σ(3万9700円)を捉えており、レンジとしてはオプション権利行使価格の3万9375円から3万9875円での推移だった。
+1σ水準では強弱感が対立する可能性はあるものの、同線を挟んだ推移のなかで+2σ(4万0160円)が次第に意識されてきそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万9625円から4万0125円のレンジを想定し、押し目狙いのロング対応となろう。
6日の米VIX指数は16.04(3日は16.13)に低下した。一時15.71まで下げており、25日線(15.87)を下回っている。トランプ氏の関税政策に注目が集まるなか楽観は禁物だろうが、米半導体株主導の上昇により、リスク選好に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.24倍まで下げ、200日線(14.25倍)を下回る場面もあった。足もとでは同線が支持線として意識されていたこともあり、その後はNTショートの動きは一服した。200日線を明確に割り込んでくるとNTショートに振れやすくなる可能性はあるが、米半導体株が買われるなかで、本日のところは同線を支持線にNTショートを巻き戻す動きが優勢になろう。
6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ワシントン・ポスト紙報道「関税適用対象を重要輸入品に絞る計画」で156.24円まで下落後、トランプ氏による否定発言で157.67円付近まで反発した。ユーロドルは12月仏・独・ユーロ圏サービス部門PMI改定値が予想を上回ったことやワシントン・ポスト紙報道を受けて一時1.0437ドルまで上昇した。ユーロ円も164.02円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今月末の日米金融政策決定会合での現状維持観測から底堅い展開が予想されるものの、トランプ次期米大統領のドル高牽制や本邦通貨当局による円安牽制発言には引き続き警戒しておきたい。
昨日のドル円は、ワシントン・ポスト紙の報道「トランプ次期大統領の側近らが、関税の対象を重要な輸入品のみに絞ることを検討」を受けて156.24円まで下落する局面があった。
トランプ関税の範囲が狭まれば物価上昇圧力も弱まるとの思惑から、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを進めやすくなるとの見方が広がった。
しかし、トランプ氏が「ワシントン・ポストの記事は間違いだ」と、自身のソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に投稿したことで、157円台半ばまで戻して推移している。
日本製鉄がバイデン米大統領によるUSスチール買収禁止に対して提訴したが、買収計画に反対してきたトランプ氏の日本企業による対米投資や買収などに関する見解、そして現状のドル高・円安水準に対する牽制発言が出る可能性などには引き続き警戒しておきたい。
昨日のドル円は157.96円まで上昇したものの、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感や日銀の追加利上げ観測を受けた日本の中長期債利回りの上昇などから上値が抑えられた。
植田日銀総裁は、昨日、賀詞交歓会で挨拶し、経済・物価情勢の改善が続けば政策金利を引き上げる金融調節を行う方針を示した上で、調整のタイミングは「今後の経済・金融・物価情勢次第で、さまざまなリスク要因を注視する必要がある」との認識を示した。
すなわち、12月の日銀金融政策決定会合の後の会見と同様に、第2次トランプ米政権の関税政策や春闘での賃上げのモメンタムという「ワンノッチの情報」を見極めるスタンスが示された。
しかし、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ確率は46%へ上昇しており、新発10年物国債の利回りも2011年7月以来となる1.125%台まで上昇していることで、ドル円の158円台乗せを阻んでいる。
日銀関連では、9日の日銀支店長会議・地域経済報告での賃上げ動向や14日の氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での講演を注目することになる。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に関しては、昨年12月の本邦通貨当局の円安牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっており、今後は「断固たる措置」といった円買い介入を示唆するタイミング、為替水準を見極めることになる。
神田前財務官は、ボラティリティー抑制を円買い介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では160円台前半に控えている。
日経225先物は11時30分時点、前日比940円高の4万0280円(+2.38%)前後で推移。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9675円)を上回る形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9630円まで軟化した後はロングの勢いが強まり、中盤にかけて4万円の大台を回復。ショートカバーを交えた強い基調のなか、終盤にかけて一時4万0300円まで上げ幅を広げた。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)水準から始まり、いったんは同水準に抑えられる形となった。ただし、早い段階で+1σを明確に上放れてきたことでロングの勢いが強まったほか、ショートカバーを誘う形になったようだ。4万円回復後は+2σ(4万0250円)を意識したトレンドとなり、同水準を上回っている。
一気に+2σ水準まで上昇したことで、短期的には過熱感が警戒されやすいところではある。ただし、同水準での底堅さがみられるようだと、ショートカバーを交えた一段の上昇となる可能性もあるため、過熱感からのショートは避けておきたい。
米国市場の流れを引き継ぐ形から、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立っており、2社で日経平均株価を約420円押し上げている。
日経平均型優位のなか、NT倍率は先物中心限月で14.40倍に上昇した。14.30倍で始まり、ほどなくして25日移動平均線(14.32倍)および75日線(14.36倍)を突破。NTショートを巻き戻す形でのリバランスの動きが強まっている。
昨日の海外市場では、ワシントンポスト(WP)紙の記事を巡って上下に振らされる展開となったわけですが、ドル円は年末年始から続くレンジ内での取引を繰返したに過ぎず、結果としては「いい買い場を与えたに過ぎない」相場となったといったところ。156.24円まで売り込まれた後は、トランプ次期米大統領がWP紙の関税政策を巡る報道を自身のSNSで否定すると一気に買戻される展開に。米10年債利回りの4.6422%への上抜けとともに157.67円まで買戻されてNY市場を終えることになりました。
行って来いに終わったNY市場後のアジアでは、朝方から本邦実需の買いが断続的に観測されると上値を試す展開。昨日高値の157.96円や目先の戻り目処として意識されていた12月26日の高値158.08円を上抜けると一時158.42円まで値を上げました。加藤財務相がお決まりの円安牽制発言を行ったものの、しっかりとした実需の買いが出ているなかにあっては、下押しの買い場を提供するだけの動きとなっています。
いずれにしても、本日は「本邦勢の買いがかなり出ている」わけで、「証券筋の買いなどが目立つことから、新NISA絡みの買いが出ている」模様。日経平均の4桁近い急騰もまたしかり。新年を迎えて、新NISAへの資金流入は「増えることはあっても減ることはない」状況が続くなか、しっかりとした実需の買い需要に裏付けられたドル円の買いであり、かつ、日経平均の買いであるわけで、円安が進むことが何が何でも「投機的な動き」と決めつけている当局の認識とは、全く違う質の相場が展開されています。
米国防総省は6日、中国インターネットサービス大手のテンセント(00700)など5社を中国人民解放軍と協力関係にあるとみなす「中国軍事企業」リストに追加すると明らかにした。7日付の官報によると、テンセントのほかに車載電池大手の寧徳時代新能源科技(300750)、半導体メモリー大手の長キン儲存科技(CXMT)、上海移遠通信技術(603236)、ドローンメーカーのオーテル・ロボティクスが新たに指定され、リスト収載企業は計134社となった。
「中国軍事企業」リストは、2020年6月に華為科技(ファーウェイ)など20社が指定されて以降、米国防総省が国防権限法に基づいて毎年更新している。
香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』によると、「中国軍事企業」指定は輸出規制や制裁措置とは異なり、法的な影響はないが、指定された企業の評判が傷つき、収載企業に制裁を科すよう米財務省に求める圧力が高まる可能性があるという。
6日の米店頭市場でテンセントのADR(米預託証券)は前日比7.82%下落した。
「経済・物価情勢の改善が続くならば、日銀としてはそれに応じて政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整する方針」(植田日銀総裁:2025年1月6日賀詞交歓会)
1.「ワンノッチ」(2024年12月19日)※ハト派
2024年12月19日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は、追加利上げの見送りを決めた理由として、「日本経済に大きな影響を与える可能性がある米国のトランプ次期政権の追加関税策の中身に関する情報、来年の春闘に向けた賃上げのモメンタムを確認するために、『もうワンノッチ(1段階)』情報を待ちたい」と述べた。
「ノッチ(notch)」とは、金融市場では、国債の格付けで「AAからAA+に、1ノッチ引き上げた」などと表現する。
2.「時間的余裕は不要」(2024年10月31日)※タカ派
2024年7月31日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は、「政策判断に時間的余裕がある」との表現が「不要になるのではないかと考え、今日も使っていない」と述べ、金融政策の見極めに必要な時間や利上げのタイミングには予断を持っていない、と発言した。
ドル円は、10月28日に153.88円まで上昇して、7月31日の植田ショックの時の高値に面合わせしていたが、11月1日には151.79円まで下落した。
植田日銀総裁は、10月のG20会議の後の記者会見、9月の日銀金融政策決定会合の後の記者会見、そして、石破首相との初会談の後に、「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」と述べ、追加利上げの時期を先送りしていた。
3.「0.5%は壁ではない」(2024年7月31日)※タカ派
2024年7月31日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べた。
そして、「経済・物価情勢が見通しに沿って推移すれば、引き続き金利を上げていく」とタカ派宣言をした。
ドル円は、7月31日の高値153.88円から8月5日の安値141.70円まで下落した。
日経平均株価は、8月5日に、31156.12円まで下落(▲4451円)し、過去最大の下落幅を記録した。
4.「チャレンジング」(2023年12月7日)※タカ派
2023年12月7日の参議院財政金融委員会で、今後の金融政策の運営について抱負を問われた植田日銀総裁は「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っているので、情報管理の問題もきちんと徹底しつつ、丁寧な説明、適切な政策運営に努めていきたい」と答えた。市場は、「チャレンジング」という言葉が、金融引締めを示唆するものだと解釈し、ドル円は141円台へ下落、8日の日経平均株価は前日比550円45銭安の3万2307円86銭で引けた。
しかし、植田日銀総裁は、チャレンジング発言は、「仕事の取り組み姿勢一般についての議員の質問への回答であり、2年目も一段と気を引き締めて職務に取り組む意思を示したもの」と説明した。
本日のロンドン為替市場でユーロやスイスフランは、インフレ動向に注目しながらの取引となりそうだ。また、昨年7月以来の高値を更新したドル円の方向性も目を向けておきたい。なお昨日は、仏・独・ユーロ圏の12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値の上方修正をきっかけにユーロ買いが強まった。
本日はまず、12月スイス消費者物価指数(CPI)が発表される。前月比予想が-0.1%と低調なまま、前年比も+1%を割り込んだ水準で鈍化が見込まれている。今年最初のスイス中銀(SNB)金融政策決定会合は3月であり、それまでに次の一手を考える時間はまだある。とはいえディスインフレ基調の強まりを確認となれば、スイス利下げペースの速まりが意識され、スイスフランは買いづらいだろう。
ユーロ圏からはまず、フランスの12月CPIが発表予定。こちらは前月比が前回マイナスからプラス回復が見込まれ、前年比は+1%台ではあるが加速予想。その後にユーロ圏の同月消費者物価指数(HICP)が明らかになるため、仏インフレへの反応は限定的か。12月HICPは前年比が+2.4%と前回から0.2ポイント上回るというのが市場の見立てだ。
ユーロ圏インフレが予想通りであれば3カ月連続の加速となり、水準としても7月以来の高い値だ。米国で保護主義色が強いトランプ政権が誕生すると、欧州インフレも先行き不透明感が強まると当局者は懸念している。欧州金利先安観の後退との思惑がインフレ指数確認後に広まってくるかもしれない。
ところで、欧州の天然ガス価格の指標とされる「オランダTTF天然ガス先物」の期先限月は昨日、前日比5%弱低下して終えた。ロシア国営企業ガスプロムがウクライナ経由での天然ガス輸出を停止したが、足もとでは需給ひっ迫への懸念は後退しつつあるもよう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、昨年12月30日高値1.0458ドル
・ドルスイスフラン、昨年5月24日高値0.9158フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、昨日安値1.0295ドル
・ドルスイスフラン、昨年12月24日安値0.8983フラン
(7日15時時点)
ドル円:1ドル=157.86円(前営業日NY終値比△0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=164.12円(△0.35円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0396ドル(△0.0006ドル)
日経平均株価:40083.30円(前営業日比△776.25円)
東証株価指数(TOPIX):2786.57(△30.19)
債券先物3月物:141.60円(△0.01円)
新発10年物国債利回り:1.125%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月マネタリーベース
前年同月比 ▲1.0% ▲0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は行って来いの展開。日経平均の大幅反発を支えにリスク志向が高まると、前日高値157.96円を上抜き昨年7月以来となる158.42円まで上値を伸ばした。ただ、その後は本邦長期金利の上昇や加藤財務相の円安けん制発言などを受けて売りが優勢となると、15時過ぎに157.60円台まで下押す場面も見られた。
・ユーロ円は伸び悩み。本邦株高を受けて円安の流れとなる中で164.40円まで上昇するも、その後は加藤財務相の円安けん制発言などを受けて円が買い戻されると164.00円台まで押し戻された。
・ユーロドルは小高い。1.0380ドル割れの水準での底堅さを確認すると、その後は時間外の米10年債利回りの低下をながめて1.0404ドルまで小幅高となった。
・日経平均株価は大幅反発。米ハイテク株高を好感して高く始まり、その後も上げ幅を拡大。東京エレクトロンやアドバンテストが相場をけん引する形となり、4万円の大台を回復。上げ幅は一時900円を超える場面が見られた。午後に入るとやや伸び悩むも、4万円の大台は維持して取引を終えた。
・債券先物相場は反発。朝方は前日の米国債券相場が下落した影響を受けて売りが先行。新発10年物国債利回りは1.135%と約13年半ぶりの高水準をつけた。しかし、午後に行われた新発10年債入札が強い結果となり、債券需要の引き締まり観測を背景に買いが集まると上昇に転じた。時間外の米長期金利の上昇が一服していることも支えとなった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国景気は当局の内需喚起策に「おんぶに抱っこ」の様相を強める
内需喚起策は一時的に家計消費を押し上げる一方、雇用回復の遅れは持続力の足かせとなろう
足下の中国経済は当局への政策支援への依存を強めている。当局は内需喚起を目的とする買い替え促進のほか、金融緩和や財政出動を通じた取り組みを強化する姿勢をみせている。他方、米トランプ次期政権の発足など外需を取り巻く環境は厳しさを増すなか、内需喚起策を受けて企業マインドは改善するも雇用なき生産拡大の動きが確認されるなど不透明感はくすぶる。また、金融緩和観測が人民元安を招くなど副作用も顕在化しており、金融政策は先行きも当局の動きに対して疑心暗鬼を強める展開が続くであろう。
当局の政策支援を追い風に製造業の企業マインドは底入れしてきたものの、12月は政府統計(50.1)も民間統計(50.5)もともに下落するなど、早くも底入れの一服感が確認されている。外需への懸念に加え、雇用回復も遅れるなかで内需にも不透明感がくすぶるなど、先行きの持続力に疑問がくすぶる。他方、非製造業PMI(52.2)と大きく底入れしており、建設業、サービス業ともに改善している。ただし、内需の回復は道半ばである上、外需に懸念がくすぶるほか、雇用の回復も遅れるなど、内需の持続力には不透明感が大きい。金融市場は先行きも当局の政策対応に期待を寄せる一方、人口規模の大きさはその対応の難しさを引き起こすなかで対応のハードルは極めて高く、その動きに一喜一憂させられる展開が続くことに要注意である。
大阪3月限
日経225先物 40000 +660 (+1.67%)
TOPIX先物 2781.0 +21.0 (+0.76%)
日経225先物(3月限)は前日比660円高の4万円で取引を終了。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9675円)を上回る形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万9630円を安値にロングの勢いが強まり、前場中盤にかけて4万円の大台を回復。ショートカバーを交えた強い基調のなか、前場終盤にかけて一時4万0300円まで上げ幅を広げた。
ランチタイムで4万0320円まで上昇し、その後は利益確定に伴うロング解消により、4万0100円まで上げ幅を縮めた。後場中盤に再びロングが強まり4万0310円をつけたが、日中高値を更新できなかったことで、終盤にかけては4万0050円から4万0150円辺りでの推移が目立った。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9730円)水準を明確に上放れてきたことでロングの勢いが強まったほか、ショートカバーを誘う形となった。4万円回復後は+2σ(4万0200円)を意識したトレンドとなり、同水準を上回った。
一気に+2σ水準まで上昇したことで、短期的には過熱感が警戒されやすいところであった。後場中盤以降は同水準を下回っての推移となったが、昨年10月以降は+2σ到達でいったんは達成感が意識されていた。
積極的な上値追いのロングは限られるとみられ、目先的には4万円固めを見極めつつ、オプション権利行使価格の3万9750円から4万0250円辺りのレンジを想定しておきたい。4万円水準で強弱感が対立する可能性はあるが、底堅さがみられるようだとショートカバーを交えた一段の上昇も考えられるため、過熱感からのショートは避けておきたい。
米国市場の流れを引き継ぐ形から、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立っており、日経平均型優位となった。これによりNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。14.30倍で始まり、ほどなくして25日移動平均線(14.32倍)および75日線(14.36倍)を突破。NTショートを巻き戻す形でリバランスの動きが強まり、一時14.42倍まで上昇した。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万6247枚、ソシエテジェネラル証券が2万1777枚、JPモルガン証券が6318枚、サスケハナ・ホンコンが3926枚、日産証券が3843枚、バークレイズ証券が2768枚、SBI証券が2294枚、野村証券が1950枚、ゴールドマン証券が1825枚、ビーオブエー証券が1708枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3866枚、ソシエテジェネラル証券が2万0954枚、バークレイズ証券が5974枚、日産証券が4185枚、JPモルガン証券が3611枚、モルガンMUFG証券が3157枚、ゴールドマン証券が2706枚、BNPパリバ証券が1835枚、野村証券が1827枚、ビーオブエー証券が1534枚だった。
本日、米国で複数の指標発表が予定されている。ドル円はそれらを確認しつつ、米国景気の先行きのほか、10日の12月米雇用統計への期待値に影響を及ぼすかを見てゆくことになるか。
まずは12月米ISM非製造業景況指数に市場の関心が集まりそうだ。市場予想は53.3と、前月(52.1)のほか、好不況の分岐点とされる50を上回る見通し。ISMについては雇用指標にも注目であり、前月(51.5)や分岐点の50を上回るかが焦点となろう。また、ISMと同時刻には11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数も発表予定。市場予想は770.0万件と前回(774.4万件)をわずかに下回る見通し。直後の市場はこれらを総合的に捉えて上下することが予想される。その後は雇用指標を通じ、12月米雇用統計に対する期待と懸念のどちらが意識されるか注目したい。
また、NY序盤にはバーキン米リッチモンド連銀総裁の発言機会が予定されている。同氏は市場ではややタカ派とみられている。なお、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権はないためインパクトは薄いかもしれないものの、金利や経済への見通しへの言及があるか確認しておきたい。
他方、ユーロドルは2日に2022年11月以来の安値となる1.0226ドルの安値をつけた後は持ち直す動きが続いている。昨日高値1.0437ドルや昨年12月30日高値1.0458ドルを上抜くようだと、1.05ドルの大台を意識した動きも想定される。12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は市場予想通り前月から伸びが加速したものの、直後の市場の反応は限定的であった。こちらも、米指標を受けたドルの動きがカギとなりそうだ。
そのほか、昨日の欧州からNY市場を動かしたトランプ次期米大統領に関する発言には引き続き注意したい。また、本日東京市場で本邦金融当局者から円安けん制発言が相次いでおり、こちらへの警戒も怠らないようにしたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円
・ユーロドルは、心理的節目の1.0500ドル
想定レンジ下限
・ドル円は6日安値156.24円
・ユーロドルは、日足・一目均衡表の転換線1.0342ド
今晩はもみ合いか。昨日は台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)の好決算を受けてエヌビディアなどの半導体株が軒並み高となったことや、トランプ次期政権が導入する関税が予想より小さいものになるとの報道が支援となった一方、米10年債利回りが一時4.644%まで上昇したことが上値の重しとなった。ダウ平均は383ドル高まで上昇後、25.57ドル安(-0.06%)と小幅に反落して終了した一方、S&P500が0.55%高、ナスダック総合が1.24%高とともに2日続伸した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の16.13ポイントから16.04ポイントに低下と、センチメントはやや改善した。
今晩は半導体株を中心に好業績が期待されるAI関連株の堅調持続が期待されるものの、年内の利下げ見通しを巡る不透明感や足もとでの米10年債利回りの上昇が引き続き上値の圧迫要因となることが予想されるほか、9日木曜日がジミー・カーター元大統領の追悼行事で株式市場が休場となることや、週末金曜日に米12月雇用統計の発表を控えていることで、様子見姿勢も強まりそうだ。寄り後に発表される12月ISM非製造業PMIや11月JOLTS求人件数などの経済指標をにらんで狭いレンジでもみ合う展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月ISM非製造業PMI、11月JOLTS求人件数のほか、11月貿易収支、米10年債入札など。企業決算は引け後にメトラートーレドが発表予定。
日経平均株価は大幅反発。上昇に転じた転換線(39550円 1/7)を意識したスタートとなり、上値を伸ばす展開となった。直近高値を前にやや伸び悩んだが、4万円台を回復して取引を終えた。
RSI(9日)は前日の53.4%→67.2%(1/7)に上昇。50%超を維持する状態であり、あすも上昇しやすいタイミングとなる。5日移動平均線(39826円 同)上を回復しており、12/27までの上昇モメンタムは継続。5日移動平均線の上昇が続く中、12/27高値(40398円)を超える連続陽線を形成できるかがあすの焦点となる。
上値メドは、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円、7/11安値(42102円)、7/11高値(42426円)などが考えられる。下値メドは、5日移動平均線や心理的節目の39500円、25日移動平均線(39247円 同)、心理的節目の39000円、75日移動平均線(38781円 同)、100日移動平均線(38400円 同)などがある。
トランプ米次期大統領は新たなデータセンター建設に200億ドルの投資を発表すると関係者筋の話として米メディアが報じた。この発表は、最近の大手テクノロジー企業によるデータセンター投資の流れに沿ったものだという。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.680%、応札倍率(カバー)が2.53倍となった。
(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.69円(7日15時時点比▲0.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.48円(▲0.64円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0367ドル(▲0.0029ドル)
FTSE100種総合株価指数:8245.28(前営業日比▲4.38)
ドイツ株式指数(DAX):20340.57(△124.38)
10年物英国債利回り:4.683%(△0.073%)
10年物独国債利回り:2.483%(△0.036%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比 ▲0.1% ▲0.1%
12月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.2% ▲0.1%
(前年比) 1.3% 1.3%
12月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
53.3 55.2
12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.4% 2.2%
12月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.7% 2.7%
11月ユーロ圏失業率
6.3% 6.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは上値が重かった。欧州債利回りの上昇などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。18時過ぎに一時1.0434ドルと日通し高値を更新した。ただ、12月仏消費者物価指数(CPI)速報値が前月比0.2%上昇と予想の0.3%上昇を下回ったことが分かると伸び悩んだ。
NYの取引時間帯に入り、12月米ISM非製造業景況指数が54.1と予想の53.3を上回ったほか、11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が809.8万件と予想の770.0万件よりも強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化。2時30分前には一時1.0354ドルと日通し安値を更新した。
なお、この日発表の12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.4%上昇と市場予想通りの結果となった。11月ユーロ圏失業率も6.3%と市場予想に一致した。
・ドル円は戻りが鈍い。対ユーロなどでドル売りが先行すると、円に対してもドル売りが進行。18時過ぎに一時157.38円と本日安値を更新した。ただ、この日発表の米経済指標が良好だったことが伝わると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6972%前後と昨年4月26日以来の高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、24時過ぎに一時158.42円とアジア時間に付けた昨年7月以来の高値に面合わせした。
もっとも、同水準の上抜けに失敗すると一転下落した。トランプ次期米大統領が「金利は高すぎる」と発言したことも嫌気されて、1時30分過ぎには157.63円付近まで下押しした。
・ユーロ円は頭が重かった。20時前に一時164.55円と日通し高値を付けたものの、昨年12月30日の高値164.90円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ドル円の失速やユーロドルの下落につれた売りが出ると一時163.39円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は小反落。12月英建設業PMIが予想を下回ったことなどが相場の重しとなったものの、引けにかけては下げ渋った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株が買われた。
・フランクフルト株式相場は続伸。米次期政権による関税強化への過度な警戒感が後退する中、ダイムラー・トラック・ホールディング(4.45%高)やザルトリウス(3.99%高)、バイヤスドルフ(3.25%高)などが買われ、相場を下支えした。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
7日の日経平均は3日ぶりに大幅反発。終値は776円高の40083円。前日の米国市場において、エヌビディアが大幅高となるなどハイテク株が買われた。これを受けて日経平均も上昇して始まり、前場は上げ幅を拡大。半導体株の上昇が指数をけん引し、一時1000円高に迫る場面があった。後場に入ると利益確定売りにより上げ幅を縮小したものの、4万円の大台は維持し、前日の下落分(587円安)を取り戻して終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆9000億円。騰落銘柄数は値上がり815/値下がり761となった。業種別では、電気機器、サービス業、銀行などが上昇した一方、海運、鉄鋼、電気・ガスなどが下落した。
売買代金上位では、東京エレクやディスコ、アドバンテストなど主力の半導体関連が総じて大幅高となったほか、メガバンクや自動車など時価総額が大きい主力大型株も相場上昇をけん引した。一方、海運3社が軟調、IHIは大幅に続落した。
プライム市場の値上がり率上位では、給湯器大手パロマの持ち株会社が公開買い付け(TOB)を実施すると発表した富士通ゼネラルが20%を超える上昇率となったほか、通期営業損益の上方修正と増配を発表したアステリアが急騰。DICとの経営統合検討が伝わった太陽HDが昨年来高値を更新した。採算悪化の事業売却検討と報じられた京セラが上値を伸ばした。
一方、値下がり率上位では、GMOインターネットに売りが続いたほか、株式の売り出しを発表したアズワンが急落。直近上昇したレノバやイーレックスなど再エネ関連が売りに押された。
あすの東京市場も堅調か。米国の主要指数や物色の動向などに依存する相場展開が予想される。きょうはSOX指数(米半導体株指数)が大幅高となったことや、半導体大手エヌビディアに対する期待再開が値がさ半導体関連への買いの刺激材料となった。しかし、SOX指数は上ヒゲで終えており目先の反落が予想され、あすの半導体関連への対応は選別物色が必要だろう。
為替や米長期金利が落ち着いていれば、銀行や自動車株などへ継続した資金流入が予想され、きょうの日経平均型優位とは逆にTOPIX型優位のイメージが描けそうだ。足元で相対的に戻りが鈍いダウ平均が出直りをみせれば、素材や商社といった景気敏感セクターなども幅広に注目されそうだ。
一方、7日の業種別騰落をみると、電気機器やサービス、銀行、精密機器、証券、機械、輸送用機器など指数ウェイトが高いセクターが上昇率上位に並んだ。海外年金など大口投資家による年初の資金が入っている可能性も考えられる。
いずれにしても、日経平均は昨年9月につけた戻り高値(38829円)以降でもみ合い基調にあるが、その上限付近での滞留時間が相対的に長くなりつつあり、昨年7月につけた史上最高値に向けていつ騰勢を強めても不思議ではないといえよう。
7日11:07 加藤財務相
「足元では一方的、急激な動きみられると認識」
「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移すること重要」
「投機的な動向含め為替市場の動向を憂慮、行き過ぎた動きに対しては適切に対応」
7日12:11 赤沢再生相
「為替市場の動向はじめ金融市場の動きに注視している」
7日15:40 経団連会長
「2025年は日本がデフレマインドから完全に脱却できるかの分水嶺の年」
7日23:52 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「消費者債務は2000年代の警戒すべきレベルには全く近づいていない」
「さらなる価格圧力がある場合、金利をより厳しくする必要がある」
「FRBは2%のインフレ目標に強くコミットしている」
8日01:32 トランプ次期米大統領
「金利は高すぎる」
※時間は日本時間
<国内>
○14:00 ◇ 12月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:36.6)
<海外>
○09:30 ◎ 11月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.2%)
○16:00 ◎ 11月独小売売上高(予想:前月比0.5%/前年比2.5%)
○16:00 ◎ 11月独製造業新規受注(予想:前月比横ばい/前年同月比3.0%)
○16:00 ◎ 12月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比1.0%)
◎ コア指数(予想:前月比0.4%/前年比1.7%)
○16:45 ◇ 12月仏消費者信頼感指数(予想:89)
○16:45 ◇ 11月仏貿易収支
○16:45 ◇ 11月仏経常収支
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:95.6)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲14.5)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.5%/前年比▲1.3%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:15 ☆ 12月ADP全米雇用報告(予想:14.0万人)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.8万件/186.7万人)
○24:00 ◇ 11月米卸売売上高(予想:前月比横ばい)
○9日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○9日02:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○9日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日分)
○9日05:00 ◇ 11月米消費者信用残高(予想:105.0億ドル)
○ロシア(新年休暇)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=158.05円(前営業日比△0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.42円(▲0.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0340ドル(▲0.0050ドル)
ダウ工業株30種平均:42528.36ドル(▲178.20ドル)
ナスダック総合株価指数:19489.68(▲375.30)
10年物米国債利回り:4.68%(△0.05%)
WTI原油先物2月限:1バレル=74.25ドル(△0.69ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2665.4ドル(△18.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米貿易収支
782億ドルの赤字 736億ドルの赤字・改
11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
809.8万件 783.9万件・改
12月米ISM非製造業指数
54.1 52.1
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは3日ぶりに反落。12月米ISM非製造業景況指数が54.1と予想の53.3を上回ったほか、11月米JOLTS求人件数が809.8万件と予想の770.0万件よりも強い内容だったことが分かると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6972%前後と昨年4月26日以来の高水準を記録。米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化し、取引終了間際に一時1.0340ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円は続伸。日本時間夕刻に一時157.38円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。この日発表の米経済指標が良好だったことが伝わると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが優勢となり、24時過ぎに一時158.42円とアジア時間に付けた昨年7月以来の高値に面合わせした。
ただ、同水準の上抜けに失敗すると失速。トランプ次期米大統領が「金利は高すぎる」と発言したことも嫌気されて、3時30分前には一時157.59円付近まで伸び悩む場面があった。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。20時前に一時164.55円と日通し高値を付けたものの、昨年12月30日の高値164.90円がレジスタンスとして意識されると一転下落した。ドル円の伸び悩みやユーロドルの下落につれた売りが出ると一時163.21円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。買い先行で始まったものの、米半導体大手エヌビディアの失速で投資家心理が悪化すると下げに転じた。米長期金利が約8カ月ぶりの高水準を更新すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが加速した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落。米金利上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが集まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。12月米ISM非製造業景況指数や11月米JOLTS求人件数が予想を上回ると売りが優勢となった。利回りは一時4.6972%前後と昨年4月26日以来の高水準を付けた。10年債入札が「低調」と受け止められたことも相場の重し。
・原油先物相場は反発。「バイデン米政権がロシアへの制裁強化措置として、ロシア産原油を輸送するタンカーへの制裁発動を検討している」との報道が伝わると、需給悪化懸念から原油買いが優勢となった。
・金先物相場は3日ぶりに反発。中国人民銀行(PBOC)が発表した金保有量が2カ月連続で増加したことを受けて買いが強まり、一時2680ドル手前まで上昇した。もっとも、良好な米経済指標を受けて米長期金利が上昇したため、金利を生まない金の重しとなった。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39730 -270 (-0.67%)
TOPIX先物 2770.5 -10.5 (-0.37%)
シカゴ日経平均先物 39735 -265
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2024年12月の米ISM非製造業総合景況指数が54.1と市場予想を上回ったほか、11月の米雇用動態調査(JOLTS)は非農業部門の求人件数が809万8000件と予想以上だった。インフレ懸念が高まるなかで米長期金利は昨年5月以来の水準に上昇。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの観測が重荷となった。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディア<NVDA>の下げが目立ったほか、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、セールスフォース<CRM>が下落。一方で、メルク<MRK>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、シェブロン<CVX>、ボーイング<BA>、3M<MMM>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比265円安の3万9735円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの4万円で始まり、同水準での底堅さがみられるなか、米国市場の取引開始後に4万0210円まで買われた。ただし、米国市場が下落した影響で軟化し、中盤には下落に転じた。さらに終盤にかけてショート優勢となり、一時3万9650円まで下げ幅を広げ、3万9730円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まることが見込まれる。前日にセンチメントを明るくさせたエヌビディアが高値更新後に売られ、下落率は6%を超えた。指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]など、日経平均株価を牽引していた値がさハイテク株は売りが先行する形となり、日経平均型の重荷になりそうだ。
ただし、日経225先物は前日の上昇で一時ボリンジャーバンドの+2σ(4万0210円)を上回ったこともあり、短期的には過熱感が警戒されるところである。ナイトセッションでも同水準に上値を抑えられた形であり、過熱を冷ましたいところだろう。+1σ(3万9760円)水準まで調整していることから、節目の3万9500円から+1σ水準での底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万0250円のレンジを想定する。+1σ水準での底堅さが意識されてくると、再び+2σを窺う展開がありそうだが、その場面ではいったんポジションをニュートラルに近づけておきたい。
7日の米VIX指数は17.82(6日は16.04)に上昇した。一時15.79まで下げており、200日移動平均線(16.15)、25日線(16.04)を下回る場面もあった。ただし、その後の切り返しで両線を突破したほか、75日線(17.23)を上回って終えている。ボトム圏での推移ではあるが、米半導体株の下落の影響もあり、市場心理をやや神経質にさせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。14.30倍で始まり、ほどなくして25日線(14.32倍)と75日線(14.36倍)を突破。NTショートを巻き戻す形でリバランスが強まり、一時14.42倍まで上昇した。本日はNTロングのリバランスが意識されやすく、75日線、25日線辺りで落ち着くかを見極めたい。
7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、良好な米経済指標を受けて米10年債利回りが上昇したことで158.42円とアジア時間の高値に面合わせした。トランプ次期米大統領の発言「金利は高すぎる」で一時157.59円付近まで伸び悩む場面もあったが、一巡後は158円台を回復した。ユーロドルは米長期金利の上昇で1.0340ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期債利回りの上昇を背景に堅調推移が予想される。ただし、トランプ次期米大統領のドル高牽制発言や本邦通貨当局による円安抑制発言、円買い介入の可能性には引き続き警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は昨日「金利は高すぎる」と発言したが、今後はドル高・円安を牽制する発言に警戒しておきたい。トランプ氏は、昨年4月にドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べていた。
また、トランプ氏は日本製鉄によるUSスチールの買収に反対してきており、「関税の引き上げによってはるかに儲かり、価値のある会社になるというのに、誰がUSスチールを売りたいと思うだろうか」と述べ、製造業保護のための関税引き上げを強調していた。
昨日のドル円は、新NISA絡みの円売りで158円台に乗せた模様だが、加藤財務相が「投機的な動向含め為替市場の動向を憂慮、行き過ぎた動きに対しては適切に対応」と牽制したことなどで上値は抑えられた。しかし、円買い介入を予告する「断固たる措置」という牽制発言ではなかったため158円付近で高止まりしている。
植田日銀総裁が、第2次トランプ米政権の関税政策や春闘での賃上げのモメンタムという「ワンノッチの情報」を見極めるスタンスを示したことで、今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げはない、との見立てから円売りが進んでいる。しかし、OIS市場が示す追加利上げ確率は47%へ上昇し、新発10年物国債の利回りも一時1.135%まで上昇したことで、債券市場が発している追加利上げへの警戒シグナルには注目しておきたい。
投機筋のポジションを示唆するIMM通貨先物の投機部門取組の昨年12月31日時点(※NY市場終値157.20円)の円の持ち高は、8443枚のネット円売り持ちに過ぎず、現状のドル高・円安が投機筋ではなく実需主導であることが示されている。
ちなみに、昨年4月23日時点では179919枚、7月2日時点では184223枚となっており、それぞれ、4月29日と5月1日、7月11日と12日に、本邦通貨当局による投機的な円売りを抑えるという名目でのドル売り・円買い介入(※覆面介入)が断行されている。
2024年4月、5月、7月の円買い介入は以下の通りとなっており、介入の警戒ゾーンに入りつつある。
■4月29日:5兆9185億円(介入時間帯:日本時間14時頃 東京市場は昭和の日で休場)
・IMMネット円売り持ち高:179919枚(※4/23)
・ドル円:高値160.17円から安値154.54円まで5.63円下落
■5月1日:3兆8700億円(介入時間帯:日本時間午前5時頃)
・IMMネット円売り持ち高:179919枚(※4/23)
・ドル円:高値157.99円から安値153.04円まで4.95円下落
■7月11日:3兆1678億円(介入時間帯:日本時間午後21時半頃)
・IMMネット円売り持ち高:7/2=184223枚、7/9=182033枚
・ドル円:高値161.76円から安値157.44円まで4.32円下落
■7月12日:2兆3670億円(介入時間帯:日本時間午後22時頃)
・IMMネット円売り持ち高:7/2=184223枚、7/9=182033枚
・ドル円:高値159.45円から安値157.38円まで2.07円下落
9時30分に発表される11月豪消費者物価指数(CPI)は前年比+2.2%と予想されており、10月の同比+2.1%からの上昇が見込まれている。10月のコアCPIは同比+2.4%で9月の同比+2.7%から伸び率が鈍化していたものの、豪準備銀行(RBA)が注視するコアインフレ率(トリム平均値)は同比+3.5%で、9月の+3.2%から上昇していた。RBAのインフレ目標2~3%からの乖離が拡大したことで、利下げのハードルが上がっていた。
今年5月に豪連邦議会選挙が予定されており、それまではRBAは利下げに踏み切らないとの見方もあるため、ブロックRBA総裁の発言などを注視していきたい。
昨日のドル円は、アジア時間に新NISA絡みの買いや実需勢の買いが断続的に観測されたことから一時158.42円まで値を上げたものの、その後は利食い売りなどに押されて上値を切り下げる展開。ユーロドルの上昇などにつれて一時157.38円まで値を下げました。その後は米長期金利の上昇につれて次第に下値を切り上げる動きとなるなか、NY時間に入って12月米ISM非製造業指数や11月米JOLTS求人件数が予想を大幅に上回る強い数字となると、米10年債利回りが4.6972%まで急伸。ドル円も再び158.42円とアジア時間の高値に面合わせしました。
その後は、トランプ次期米大統領が「金利が高すぎる」と発言すると一転して157.59円まで売り込まれたものの、米10年債入札が不調に終わり米金利が上昇幅を維持したことから引けにかけては158.10円まで買戻されてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、見えているものといえば、唯一、本邦実需の買い。早朝と仲値時にまとまった買いが観測された以外は、米国が明日、カーター元大統領追悼で休場となることもあってか、海外勢の動きもかなり限定的。158.00円を挟んだ様子見の動きが続いています。
いずれにしても、米長期金利が再び上値をトライする動きとなっているなか、Fedwatchでは既に「年内1回の利下げが出来るかどうか」の状況となっているわけで、昨年最後のFOMCでパウエルFRB議長が利下げ第1フレーズの終了宣言をした意味が市場に浸透してきているといえます。年始の取引で下抜けして急落したユーロドルはポジション調整を終え、再び下値を試す動きとなってきていますが、ドル円もまた、確固たる実需の買いに支えられながら、同じ方向性に向かっているところです。
日経225先物は11時30分時点、前日比50円安の3万9950円(-0.12%)前後で推移。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9735円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。中盤にかけて3万9710円まで下げ、その後は3万9710円~3万9840円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れると、一時3万9970円まで下落幅を縮めた。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)水準から始まり、いったんは上値を抑えられる形となった。ただし、中盤以降は同水準での底堅さがみられるなか、終盤にかけて短期筋のショートカバーを誘う形になったようだ。後場も+1σを上回っての推移が継続するようだと、ショートカバーを交えたリバウンドが意識されそうである。
米国市場の流れを受けて、指数インパクトの大きい値がさハイテク株は売りが先行したものの、下げは限定的であり、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ディスコ <6146.T> [東証P]などの切り返しにより、日経平均株価を下支えする格好となった。これにより、NT倍率は先物中心限月で14.41倍に上昇した。14.34倍に低下して始まったが、寄り付きを安値にNTロングの動きに向かわせた。
2025年1月6日、国際政治学者のイアン・ブレマー氏が率いる米調査会社ユーラシア・グループが、2025年の世界の「10大リスク」を発表した。
1位に、国際秩序を主導する国家がない「Gゼロ」の進行で、世界の分裂は深まり、危機に陥りやすくなると指摘した。2位に米国のトランプ次期政権が挙げられ、トランプ氏が反対意見を威嚇などで封じ込め、自分に近い企業家らを優遇すれば法の支配が弱体化すると警告した。3位に米中の対立激化で、米国が中国製品に高関税を課すなどした場合、経済の混乱と危機のリスクが世界に広がる可能性に言及した。
■1位:Gゼロの勝利(The G-Zero wins)
・国際秩序を主導する国家がなく、世界は一層不安定化
・1930年代や冷戦初期の状況
■2位:トランプ支配(Rule of Don)
・トランプ米大統領の支配力強化で権力へのチェック機能が低下し、法の支配が弱体化
■3位:米中決裂(US-China breakdown)
・最重要地政学関係の米中のデカップリングにより経済の混乱と危機のリスクが高まる
■4位:トランプノミクス2(Trumponomics)
・トランプノミクス2は成長促進を目論むが、インフレ率が上昇し、成長は減速する懸念
■5位:ならず者国家のロシア(Russi still ROGUE)
・米国主導の世界秩序を弱体化し、欧州連合(EU)諸国を威嚇
■6位:追い詰められたイラン(Iran on the ropes)
・イスラエルとの対立が激化する可能性、弱体化するイラン
■7位:世界経済への負の押し付け(Beggar thy world)
・米中の貿易戦争や米金融政策の影響が世界に悪影響
■8位:制御不能のAI(AI unbound)
・AIの能力向上と規制緩和が進み、事故や暴走の恐れを高める
■9位:統治なき領域の拡大(ungoverned spaces)
・ならず者国家や非国家主体の影響拡大
■10位:米国とメキシコの対立(Mexican standoff)
・メキシコの成長とインフレに悪影響
本日のロンドン為替市場では複数の経済指標がユーロ圏内から発表されるものの、結局は欧州午後に発表される米労働指標がユーロドルの方向性を決めることになりそうだ。他、スウェーデンからは序盤に12月インフレ指数が発表予定。
ユーロ圏内の経済指標を確認しておくと、ドイツから11月の小売売上高と製造業新規受注、フランスからは12月消費者信頼感指数や11月貿易や経常収支。このなかでは、前回を下回る見込みのドイツ指標の前年比が、どの程度まで下振れるかがポイントとなりそうだ。
その後にユーロ圏の12月経済・消費者信頼感指数と11月卸売物価指数(PPI)が発表予定。こちらは、11月PPIの前回から持ち直し度合いは気にかけておくべきか。なお昨日発表された12月HICP速報値は前年比総合で加速したものの予想通りであり、発表前まで上昇していたユーロドルは結果確認後に失速した。
欧州午後(NY序盤)には、12月米雇用統計の前哨戦とされる同月ADP全米雇用報告が明らかに。またその後、週間の失業保険データも発表される。結果を受けた米金利動向に注視したい。
12月スウェーデン消費者物価指数(CPI)については、前年比で前回まで3カ月連続1.6%だったところから1.0%まで減速予想。見込み通りであれば、4年ぶりの低水準を記録することになる。
スウェーデン中銀は昨年5月に金融緩和に転じ、5回の利下げで政策金利を4%から2.50%に引き下げている。前回12月会合の声明や中銀総裁の会見では、早急な追加利下げには慎重な姿勢が示された。ただし、ディスインフレ基調が強まる様相となれば、昨年の利下げ効果を見守る余裕もなくなってくるだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、6日高値1.0437ドル
・スウェーデン・クローナ円、昨年12月30日高値14.39円
想定レンジ下限
・ユーロドル、6日安値1.0295ドル
・クローナ円、日足一目均衡表・雲の上限13.99円
ドル円:1ドル=158.17円(前営業日NY終値比△0.12円)
ユーロ円:1ユーロ=163.78円(△0.36円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0355ドル(△0.0015ドル)
日経平均株価:39981.06円(前営業日比▲102.24円)
東証株価指数(TOPIX):2770.00(▲16.57)
債券先物3月物:141.23円(▲0.37円)
新発10年物国債利回り:1.175%(△0.035%)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
<国内>
12月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
36.2 36.4
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。8時過ぎに158.24円まで上昇するも、根強い本邦の円買い介入警戒感のほか、本邦新発10年物国債利回りが約13年半ぶりとなる水準に上昇したことなどから157.91円まで失速。ただ、売り一巡後は日経平均が下げ幅を縮小して一時プラス圏を回復したことが追い風となり、15時前に158.27円まで上昇して日通し高値を更新したが一時的。その後は158.00円台までやや売られた。
・ユーロ円も伸び悩み。ユーロドルがじり高となる中、日経平均の下げ幅縮小をながめて163.81円まで上昇。ただ、その後はドル円の下げが重しとなり15時過ぎに163.60円台まで押し戻された。
・ユーロドルは小高い。時間外の米10年債利回りの低下をながめてじり高で推移すると、15時過ぎに1.0358ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は反落。前日の米株安の流れを引き継いで安く始まるも、売り一巡後は下値の堅さが意識されて徐々に買い戻しが優勢となり、後場で一時プラス圏を回復する場面も見られた。もっとも買いの勢いは続かず、その後はマイナス圏で取引を終えた。
・債券先物相場は反落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継ぐと、一時141円17銭まで下値を広げた。なお、新発10年物国債利回りは1.175%と2011年7月以来の高水準をつけたほか、新発5年物国債利回りも0.815%と2009年6月以来の水準まで上昇する場面があった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
足下の物価はRBAの2月利下げ判断の「決定打」となるか
インフレ加速もコアインフレ鈍化、経済指標は好悪混在が続き、豪ドル相場はこう着状態が続くと予想
足下のオーストラリア経済は頭打ちの動きが確認されるなか、RBA(準備銀行)は先月の定例会合で金利据え置きを決定する一方、政策スタンスをハト派方向に傾斜させる動きをみせた。結果、足下の豪ドル相場は国際金融市場における米ドル高の再燃も相まって上値が抑えられる一方、日本円に対しては米ドル/円相場に引っ張られる動きが続く。その後に公表された経済指標は好悪双方の材料が混在するなか、11月のインフレ率は前年比+2.3%とわずかに加速する一方、コアインフレ率は同+3.2%と鈍化するなど対照的な動きをみせる。また、RBAが重視する物価変動の大きい財と観光を除いたベースも前年比+2.8%と加速している。RBAは来月18日に次回会合を予定しているが、現時点で確定的な利下げを示唆する材料は乏しいと判断できるなか、当面の豪ドル相場はこう着した動きをみせる可能性が高まっていると見込まれる。
大阪3月限
日経225先物 39960 -40 (-0.10%)
TOPIX先物 2765.5 -15.5 (-0.55%)
日経225先物(3月限)は前日比40円安の3万9960円で取引を終了。寄り付きは3万9790円とシカゴ日経平均先物清算値(3万9735円)にサヤ寄せする形で売り先行で始まった。前場中盤にかけて3万9710円まで下げ、その後は3万9710円~3万9840円辺りで保ち合いを継続。前場終盤にかけてレンジを上放れると、ランチタイムで4万円の大台を回復。後場の取引中盤にかけて一時4万0130円まで買われ、プラスに転じる場面もみられた。終盤にかけては3万9960円~4万0070円辺りでの推移となった。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)水準から始まり、いったんは上値を抑えられる形となった。ただし、前場中盤以降は同水準での底堅さがみられるなか、短期筋のショートカバーを誘う形になったようだ。一時4万0130円まで上昇した後は4万円を挟んで膠着が続いたが、+1σを上回る推移によってショートを仕掛けづらくさせていた。
エヌビディア<NVDA>の急落など米国市場の流れを受けて、指数インパクトの大きい値がさハイテク株は売りが先行したものの下げは限定的であり、アドバンテスト <6857.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ディスコ <6146.T> [東証P]などの切り返しにより、日経平均株価を下支えする格好となった。また、小幅ではあるがグローベックスの主要な米株先物がプラス圏で推移していたことで、米国市場の反発期待なども押し目買いに向かわせたようだ。
日経225先物は結局のところ+1σと+2σによるレンジ推移だった。バンドは収斂してきており、一段と膠着感が強まりやすいだろう。ただし、中心値(25日)は上向きで推移し、-1σ、-2σなども切り上がる形で収斂していることから、下値を切り上げるトレンドのなかで煮詰まり感も意識されやすいだろう。
米国では9日はカーター元大統領の服喪で休場になる。10日には12月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられやすいだろ。そのため、オプション権利行使価格では4万円を中心とした上下の権利行使価格となる3万9750円から4万0250円でのレンジが続きそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.44倍に上昇した。14.34倍に低下して始まったが、寄り付きを安値にNTロングの動きに向かわせた。前場中盤には75日移動平均線(14.36倍)を明確に上抜け、後場には一時14.45倍を付けており、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回る場面もみられた。8日の米国市場で半導体株がリバウンドをみせてくると、本日の流れが継続する形でNTロングによるスプレッド狙いの動きが強まろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4357枚、ソシエテジェネラル証券が1万2461枚、サスケハナ・ホンコンが3714枚、日産証券が2520枚、JPモルガン証券が2101枚、バークレイズ証券が2013枚、ゴールドマン証券が1370枚、シティグループ証券が1281枚、モルガンMUFG証券が1163枚、SBI証券が1029枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万5553枚、ソシエテジェネラル証券が1万4474枚、バークレイズ証券が4622枚、JPモルガン証券が3588枚、ゴールドマン証券が3233枚、モルガンMUFG証券が3131枚、日産証券が2909枚、ビーオブエー証券が1558枚、SMBC証券が799枚、ドイツ証券が680枚だった。
本日、米国で複数の指標発表が予定されている。10日の12月米雇用統計が近づく中、ドル円は雇用関連の指標を中心に結果を確認する展開となるか。
経済指標について、まずは22時15分の12月ADP雇用統計に市場の関心が集まりそうだ。市場予想は14.0万人と前月(14.6万人)を小幅に下回る見通し。また、ADPの15分後には新規失業保険申請件数も控えており、市場予想は21.8万件(前週:21.1万件)となっている。ドル円は直後は予想比での強弱に呼応した上下が見込まれるが、その後は雇用指標を通じて12月米雇用統計に対する期待と懸念のどちらが意識されるか注目したい。
また、NY序盤にはウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の発言機会が予定されている。同氏はややタカ派と見られている。直近では昨年12月2日に「12月の利下げ支持に傾いている」「金融政策は十分に制限的であり、12月の利下げでも、必要に応じて後に利下げペースを緩める余地は十分にある」などと発言していた。金利や経済への見通しへの言及があるか、政策スタンスに変更はないか確認しておきたい。
NY午後には、昨年12月17-18日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表予定。この時、政策金利は0.25%引き下げられたが、同時に公表されたFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、2025年末時点の中央値が上方修正され、利下げ回数が2回と前回9月の見通しから半減したほか、パウエル米FRB議長が会見で「今回の利下げ決定はぎりぎりの判断だった」などと発言したことから、市場では「タカ派的な利下げ」と解されドル買いで反応した。経済や金利の見通しについてどのような内容が示されるか気になるところだ。
そのほか引き続き、トランプ次期米大統領に関する発言や、本邦金融当局者からの円安けん制発言に対する警戒も怠らないようにしたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円。超えると心理的節目の159.00円
・ユーロドルは、日足・一目均衡表の基準線1.0428ドル
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.22円。割れると6日安値156.24円
・ユーロドルは、2日安値1.0226ドル。
今晩は様子見か。昨日は2月ISM非製造業PMIなどの経済指標が予想を上回る強い結果となり米10年債利回りが一時4.699%と昨年4月26日以来の水準まで上昇したことが重しとなったほか、エヌビディアが上場来高値を更新後に大きく反落し、メタ・プラットフォームズなどその他のメガ・キャップにも売りが波及した。ハイテク株主体のナスダック総合は1.89%安と3日ぶりに大幅反落し、S&P500も1.11%安と3日ぶりに反落。ダウ平均は朝方に224ドル高まで上昇したものの、178.2ドル安(-0.42%)と2日続落して終了した。
今晩は前日にハイテク株を中心に大きく下落したことで押し目買いが期待されるものの、翌日がジミー・カーター元大統領の追悼行事で株式市場が休場となることや、週末金曜日に米12月雇用統計の発表を控えていることで、様子見姿勢も強まりそうだ。経済指標では雇用統計の前哨戦となるADP民間部門雇用者数が注目される。12月ADP民間部門雇用者数の市場予想は13万人増と11月分の14.6万人増から減少が見込まれているが、予想以上に増加すれば、年内の利下げ期待の後退が相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月ADP民間部門雇用者数のほか、新規失業保険申請件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、米30年債入札など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反落。上昇基調にある転換線(39622円 1/8)付近まで下げ幅を拡大する場面があったが、終値ベースでは5日移動平均線(39909円 同)上を維持する動きとなった。
RSI(9日)は前日の67.2%→67.3%(1/8)へ横ばい。50%超を維持する状況の中、あすは上昇のハードルが高くなる。一方、5日移動平均線上を保っており、12/27までの上昇モメンタムは継続。引き続き、12/27高値(40398円)を超える連続陽線を形成できるかが焦点となる。
上値メドは、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円、7/11安値(42102円)、7/11高値(42426円)などが考えられる。
下値メドは、心理的節目の39500円、25日移動平均線(39312円 同)、心理的節目の39000円、75日移動平均線(38827円 同)、100日移動平均線(38451円 同)などがある。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.913%、応札倍率(カバー)が2.52倍となった。
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.39円(8日15時時点比△0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.23円(▲0.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0305ドル(▲0.0050ドル)
FTSE100種総合株価指数:8251.03(前営業日比△5.75)
ドイツ株式指数(DAX):20329.94(▲10.63)
10年物英国債利回り:4.796%(△0.113%)
10年物独国債利回り:2.549%(△0.066%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月独小売売上高
(前月比) ▲0.6% ▲0.3%・改
(前年比) 2.3% 5.1%・改
11月独製造業新規受注
(前月比) ▲5.4% ▲1.5%
(前年比) ▲1.7% 5.7%
12月仏消費者信頼感指数
89 90
11月仏貿易収支
70.85億ユーロの赤字 75.20億ユーロの赤字・改
11月仏経常収支
17億ユーロの赤字 19億ユーロの赤字・改
12月ユーロ圏消費者信頼感指数
(確定値) ▲14.1 ▲14.5
12月ユーロ圏経済信頼感指数
93.7 95.6・改
11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 1.6% 0.4%
(前年比) ▲1.2% ▲3.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。11月独小売売上高や11月独製造業新規受注が予想より弱い内容だったことが分かると、欧州経済への懸念が強まりユーロ売り・ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.7280%前後と昨年4月25日以来の高水準を記録したこともドル買いを促し、20時30分過ぎに一時1.0273ドルと日通し安値を更新した。
ただ、2日に付けた約2年2カ月ぶりの安値1.0226ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「見通しが予想通りであれば、さらなる利下げが適切だ」との見解を示したほか、12月ADP全米雇用報告が予想より弱い内容となったこともユーロ買い・ドル売りにつながった。
・ドル円は強含み。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行すると、20時30分過ぎに一時158.55円と昨年7月17日以来の高値を付けた。ただ、ウォラーFRB理事が追加利下げは適切との考えを示すと、全般ドル買いが一服した。予想を下回るADP全米雇用報告も相場の重しとなり、一時158.15円付近まで伸び悩んだ。
もっとも、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったこともあり、下押しも限定的だった。
・ユーロ円は頭が重かった。アジア時間に一時163.81円と本日高値を付けたものの、そのあとは徐々に弱含む展開。22時過ぎに一時162.84円と本日安値を更新した。売りが一巡すると163.31円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限られた。ユーロドルにつれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は小反発。欧米の長期金利の上昇が投資家心理の重しとなったものの、下げた場面では押し目買いなどが入ったため上げに転じた。もっとも、週末の12月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、大きな方向感は出なかった。BAEシステムズやレレックスなど資本財サービス株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反落。欧米の長期金利の上昇が投資家心理の重しとなったものの、週末の12月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売買は手控えられた。個別ではシーメンス・エナジー(5.96%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(3.68%安)、ブレンターク(3.10%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
8日の日経平均は反落。終値は102円安の39981円。米国で長期金利が上昇してナスダックが弱かったことを嫌気して、200円超下げて始まった。ただ、エヌビディアの大幅安を受けても半導体株の動きが良く、序盤に300円超下げたところで売りは一巡。前引けにかけて値を戻し、13時近辺ではプラス圏に浮上した。値下がり銘柄が多くプラスは定着しなかったものの、以降は小安い水準で底堅く推移。クロージング・オークションに入った時点では4万円を上回っていたが、大引けにかけての動きがやや弱く、終値では4万円を下回った。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4600億円。業種別では海運、精密機器、非鉄金属などが上昇した一方、保険、その他金融、証券・商品先物などが下落した。半導体株の多くが買われる中、アドバンテスト<6857.T>が3%を超える上昇。節目の1万円を上回り、上場来高値を更新した。半面、直近で騰勢を強めていた野村マイクロ・サイエンス<6254.T>は、序盤では強く買われる場面もあったが終盤にかけて値を崩し、5%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり389/値下がり1217。半導体株が軒並み強く、ディスコ、レーザーテック、TOWAが大幅上昇。キオクシアHDが12.3%高と値を飛ばした。半導体以外の主力どころでは、楽天Gや日本郵船などの動きが良かった。月次が好感されたジンズHDが急伸。証券会社が投資判断を引き上げためぶきFGが買いを集めており、地銀株全般に資金が向かった。
一方、防衛関連が弱く、IHIが3%を超える下落。地銀株が買われた一方で、東京海上、MS&AD、SOMPOの損保大手3社がそろって大きく売られた。売り出しを発表した丹青社が6%安。月次が失望材料となったアダストリアやインターメスティックが急落した。
日経平均は反落。ただ、米国動向から逆風が予想された半導体株は、きのうに続いて強い動きを見せた。見切り売りは昨年のうちにある程度出尽くし、年が変わったことで需給に変化が出てきた可能性がある。東京エレクトロンは安値圏のもみ合いを脱したように見えるし、アドバンテストに至っては上場来高値を更新してきた。米長期金利の上昇には注意を払う必要があるが、半導体株が下がりづらくなるのであれば、日本株の下値不安は大きく後退する。指数は大崩れを回避し、4万円付近で取引を終えた。昨年12月27日以降、5営業日中4営業日で場中には4万円を上回っているだけに、あすは4万円より上で値を固める展開に期待したい。
8日16:31 赤沢経済再生相
「いよいよ物価目標を達成しつつある」
「物価が2%に収束しつつあり、これに負けない賃上げ可能」
8日22:03 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「さらなる利下げが適切になるだろう」
「利下げのペースはインフレの進展と雇用市場の状況に依存する」
「雇用市場が近い将来劇的に弱まるという兆候はない」
「見通しが予想通りであれば、2025年の利下げを支持する」
「米財政赤字も長期金利を押し上げている可能性」
「関税がどうなるかについては大きな不確実性がある」
「短期的には、関税がインフレに大きな影響を与えるとは思わない」
「現在の金利は制限的だが、景気後退を引き起こすほどには厳しくない」
9日02:45 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「インフレに対する勝利は崩れていない」
「12月のインフレ上昇は予想されていた」
9日04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日分)
「多くの当局者は今後数四半期で慎重なアプローチが必要だと認識」
「一部当局者は12月に金利を据え置くことがメリットと認識」
「決定は微妙に均衡と過半数が認識」
「当局者は時間の経過とともに中立金利に向かうと予想」
「労働市場の冷え込みに対する懸念は和らいだ」
「スタッフはトランプ氏の貿易政策により2025年にインフレが高止まりすると見ている」
「貿易政策によりインフレデータが読みにくくなる可能性」
「当局者はトランプ氏の貿易・移民計画によりインフレの進展が鈍化すると予想」
「ほぼすべての当局者がインフレの上振れリスクが高まったと認識」
「当局者は労働市場の緩やかな緩和をみており、急激な悪化の兆候はないと認識」
「多くの当局者は利下げのペースを緩めたいと認識」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 11月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.7%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース、2週分)
○14:00 ◇ 日銀地域経済報告(さくらレポート)
<海外>
○09:30 ◎ 11月豪小売売上高(予想:前月比1.0%)
○09:30 ◇ 11月豪貿易収支(予想:57.50億豪ドルの黒字)
○10:30 ◎ 12月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比0.1%)
○10:30 ◎ 12月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲2.4%)
○16:00 ◎ 11月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年同月比▲4.5%)
○16:00 ◇ 11月独貿易収支(予想:148億ユーロの黒字)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.4%/前年比1.7%)
○21:00 ◎ 11月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比4.3%)
○21:00 ◎ 12月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.28%)
○21:30 ◇ 12月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○23:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:05 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○10日01:00 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○10日02:45 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○10日03:30 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○10日03:35 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○米株式市場は国民追悼の日で休場、債券市場は短縮取引
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=158.35円(前営業日比△0.30円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.40円(▲0.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0318ドル(▲0.0022ドル)
ダウ工業株30種平均:42635.20ドル(△106.84ドル)
ナスダック総合株価指数:19478.88(▲10.80)
10年物米国債利回り:4.69%(△0.01%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.32ドル(▲0.93ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2672.4ドル(△7.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲3.7% ▲12.6%
12月ADP全米雇用報告
12.2万人 14.6万人
前週分の米新規失業保険申請件数
20.1万件 21.1万件
11月米卸売売上高
(前月比) 0.6% ▲0.3%・改
11月米消費者信用残高
▲74.9億ドル 173.2億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。欧州時間発表の独経済指標が予想より弱い内容だったことでユーロ圏経済への懸念が高まる中、ユーロ売り・ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.7280%前後と昨年4月25日以来の高水準を記録したこともドル買いを促し、20時30分過ぎに一時1.0273ドルと日通し安値を更新した。
ただ、2日に付けた約2年2カ月ぶりの安値1.0226ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「見通しが予想通りであれば、さらなる利下げが適切だ」との見解を示したほか、12月ADP全米雇用報告が予想より弱い内容となったこともユーロ買い・ドル売りにつながり、4時30分前には1.0324ドル付近まで下値を切り上げた。
・ドル円は3日続伸。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行すると、20時30分過ぎに一時158.55円と昨年7月17日以来の高値を付けた。ただ、ウォラーFRB理事が追加利下げは適切との考えを示すと伸び悩んだ。予想を下回るADP全米雇用報告も相場の重しとなり、一時158.15円付近まで上げ幅を縮める場面があった。
もっとも、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったこともあり、下押しは限定的だった。4時過ぎには158.52円付近まで持ち直している。
なお、FRBが公表した12月17日-18日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「多くの当局者は今後数四半期で慎重なアプローチが必要だと認識」「ほぼすべての当局者がインフレの上振れリスクが高まったと認識」との見解が示された。
・ユーロ円は小幅ながら続落。22時過ぎに一時162.84円と本日安値を更新したものの、4時30分前には163.51円付近まで下げ渋った。ユーロドルにつれた動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。ただ、この日発表された米雇用指標が強弱入り混じる内容だったこともあり、大きな方向感は出なかった。「週末の12月米雇用統計を前に様子見ムードが広がっている」との声も聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。トランプ次期米政権による関税強化でインフレが再燃するとの懸念から売りが先行。利回りは一時4.7280%前後と昨年4月25日以来の高水準を付けた。ただ、30年債入札が「好調」と受け止められると買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。
・原油先物相場は反落。EIA週間在庫統計でガソリン在庫が大幅に増加したことが嫌気され、売りが優勢となった。
・金先物相場は続伸。12月ADP全米雇用報告が予想より弱い内容となったことで上昇していた米長期金利が一転低下。金利を生まない資産である金の買い需要が高まった。
8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが一時4.7280%まで上昇したことで158.55円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の上昇を受けて1.0273ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期債利回りの上昇を背景に堅調推移が予想される中、11月の実質賃金や日銀支店長会議での賃上げ動向などを見極めて行く展開が予想される。
昨日は、トランプ次期米大統領が導入を目指す関税に法的根拠を与えるため、国家経済緊急事態の宣言を検討しているという報道を受けて、米長期債利回りが上昇したことで、ドルは全面高の展開となっている。
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、トランプ次期政権下で政策が変わる可能性を考慮して、仮定としての予測が盛り込まれたことが明らかになり、ドット・プロット(金利予測分布図)での今年の利下げ見通しが2回に減った背景が説明されている。
植田日銀総裁は、12月の日銀金融政策決定会合の後の会見で、第2次トランプ米政権の関税政策や春闘での賃上げのモメンタムという「ワンノッチの情報」を見極めるスタンスを示していた。
今年の日米金融政策は、第2次トランプ米政権での経済政策を見極めるスタンスとなっており、現状のドル高トレンドが続く公算が高いことになる。
ドル高に歯止めをかける要因として、トランプ次期米大統領のドル高牽制発言や本邦通貨当局による円買い介入の可能性には引き続き警戒しておきたい。
本日は、8時30分の11月毎月勤労統計で実質賃金を確認し、日銀支店長会議で賃上げの動向を見極めることになる。10月の実質賃金は前年比-0.4%、9月は同比-0.4%、8月は同比-0.8%だった。
9時30分に発表される11月豪小売売上高は前月比+1.0%と予想されており、10月の同比+0.6%に続き、4カ月連続の増加が見込まれている。昨日発表された豪11月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.3%と予想の+2.2%を上回ったものの、豪準備銀行(RBA)が注視しているコアインフレ率(トリム平均値)は同比+3.2%となり、10月の+3.5%から低下していた。しかし、今年5月に豪連邦議会選挙が予定されており、それまではRBAは利下げに踏み切らないとの見方があり、堅調な小売売上高が利下げ時期の先送り要因となるのかもしれない。
10時30分に発表される12月中国CPIは前年比+0.1%と予想されており、11月の同比+0.2%から鈍化が見込まれ、12月中国生産者物価指数(PPI)は同比-2.4%と予想されており、11月の同比-2.5%からの上昇が見込まれている。第2次トランプ米政権による対中関税引き上げが見込まれる中、中国経済のディスインフレ化が強まる可能性に警戒しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39950 -10 (-0.02%)
TOPIX先物 2768.5 +3.0 (+0.10%)
シカゴ日経平均先物 39935 -25
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。トランプ次期大統領が新たな関税プログラムを導入するため、国家非常事態宣言を検討していると米CNNが報じた。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨ではトランプ次期政権の政策が物価上昇につながる可能性を踏まえ、インフレリスクが増したとの見方が明らかになった。これを受けて米長期金利が一時、昨年4月以来の水準に上昇したことが重荷となった。その後、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が講演で、さらなる利下げが適切になるとの考えを示したことが伝わると、過度な警戒感が後退する形となり、相場を下支えした。
NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ウォルマート<WMT>、コカ・コーラ<KO>、3M<MMM>、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>が買われた。半面、エヌビディア<NVDA>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、ウォルト・ディズニー<DIS>、ナイキ<NKE>、メルク<MRK>などの下げが目立った。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比25円安の3万9935円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万9960円で始まり、その後4万0060円まで買われた。買い一巡後は軟化すると、米国市場の取引開始直後には一時3万9720円まで売られる場面もみられた。ただし、終盤にかけて下落幅を縮め、3万9950円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることが見込まれる。米国で9日はカーター元大統領の服喪で休場になるため、海外勢のフローは限られるとみられる。休場明けの10日には12月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられやすいだろう。
大きなトレンドは出にくく、引き続きボリンジャーバンドの+1σ(3万9800円)と+2σ(4万0210円)辺りのレンジが意識されやすいところである。昨日はエヌビディアの急落の影響は限定的で、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が昨年来高値を更新した。利食いは入りやすいとみられるが、他の半導体株についてもリバウンド基調を継続するなか、日経平均型を下支えすることが期待される。
日経225先物は4万円での攻防になりそうだが、+1σ水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格では3万9750円から4万0250円のレンジを想定する。ただし、4万円での底堅さがみられる局面では+2σ水準が意識されるだろうが、参加者が限られるなか、その場面ではいったんポジションをニュートラルに近づけておきたい。
8日の米VIX指数は17.70(7日は17.82)に低下した。一時19.50まで上昇したが、その後は75日移動平均線(17.25)に接近する形だった。トランプ次期政権の関税リスクが警戒されるものの、ボトム圏での推移を継続しており、ややリスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.44倍に上昇した。14.34倍に低下して始まり、寄り付きを安値にNTロングの動きが強まった。一時14.45倍を付けており、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回る場面もみられた。いったんは達成感によりNTロングを巻き戻す動きもありそうだが、底堅さが意識されてくると、方向性としては昨年10月半ばの14.70倍辺りを意識したNTロングの動きが強まる可能性がありそうだ。
昨日のドル円は、欧州時間に一時157.93円まで値を下げる場面もみられましたが、米10年債利回りが4.7280%まで上昇幅を広げるなか7日の高値158.42円を上抜けて一時158.55円まで値を上げました。その後はウォラーFRB理事の利下げ発言や12月ADP全米雇用報告が予想を下回る弱い数字となると158.15円まで下押ししたものの、米新規失業保険申請件数が予想よりもかなり強い結果だったこともあり、158.52円まで再び買い戻されるといった動き。全般158.40円を挟んだもみ合いに終始してNY市場を終えています。
カーター元大統領追悼の日で米国が臨時休場となっている9日のアジア市場では、仲値に向けた本邦実需の買いが一巡した後は157.99円まで下押し。目先のポジション調整の域を出ない動きとなっているといったところです。
いずれにしても、今夜は米株式市場は休場ですが、米債券市場は短縮取引。ただ、参加者はかなり減少することが予想されているわけで、明日の米雇用統計を控えての調整が続いていくことになりそうです。
米10年債利回りは昨年4月25日の高値4.7351%がポイント。ドル円は昨年7月の介入後の戻り高値である7月16日の高値158.86円が意識されています。下値は欧州時間安値の157.93円や昨日安値の157.91円、更には7日の安値157.38円や一目転換線の位置する157.29円を目先の目処としつつ、市場のセンチメントとしては、158円台で取引されていることに対するレベル的な違和感が次第に払拭されつつあります。
日経225先物は11時30分時点、前日比260円安の3万9700円(-0.65%)前後で推移。寄り付きは3万9840円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9935円)を下回る形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9930円まで戻したがプラス圏は回復できず、戻りの鈍さから中盤にかけて下へのバイアスが強まり、一時3万9600円まで売られる場面もみられた。終盤にかけて下げ渋る動きから、3万9650円~3万9700円辺りでの推移を継続。
アドバンテスト <6857.T> [東証P]が高値更新後に下落に転じており、センチメントを冷ます形になった。また、9日の米国市場が休場になるため海外勢のフローは限られていると考えられ、持ち高調整とみられるロング解消の動きが優勢となったようである。日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)を割り込んできたが、節目の3万9500円接近ではショートカバーも入りやすいと考えられ、ここからは押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.44倍と横ばいで推移している。小動きではあるが一時14.46倍を付けており、方向性としてはNTロングでのスプレッド狙いになろう。
トランプ第47代米大統領が率いる共和党は、ホワイトハウスと上下両院を支配する「トリプルレッド」となっているものの、下院では219議席対215議席という僅差での多数派となっているため、薄紅色になりかけている。
2024年12月のつなぎ予算案では、トランプ次期米大統領が提案した債務上限の撤廃、停止に対して、約30名の共和党議員が反対を表明した。
2025年1月の下院議長選挙では、2名の共和党議員が説得されて賛成した。
第2次トランプ米政権が目論む関税、減税、国境管理強化などの政策を推進する上で、一部の共和党の保守強硬派が抵抗する姿勢を見せており、トランプ氏の議会への影響力が懸念されている。
1.つなぎ予算(2024年12月20日)
2024年12月17日、議会下院の共和党と民主党の指導部は1500ページ以上に及ぶ「つなぎ予算案」を取りまとめ、予算の期限となっている12月20日までの成立を目指すことで合意していた。
しかし、トランプ次期政権で政府支出の削減を図る組織を率いることになった実業家のマスク氏と起業家のラマスワミ氏が反対し、トランプ次期大統領も連邦政府の借り入れを制限する債務上限の撤廃や停止措置を主張したことで共和党と民主党の合意は破棄され、21日未明に、大きく簡素化された予算案が可決された。
12月19日、下院は、つなぎ予算法案の修正案を、賛成174票、反対235票、棄権1票で否決した。財政緊縮派の共和党議員30名が反対した。
12月20日、下院は、債務上限条項を削除したつなぎ予算法案の再修正案を、賛成366票、反対34票の賛成多数で可決した。
12月21日、上院も賛成85票、反対11票で可決し、議会可決後に、バイデン米大統領が署名して成立したことで、政府閉鎖は回避された。
2. 米連邦議会下院議長選挙(2025年1月3日)
米連邦議会下院は新議会初日の1月3日に議長選を実施し、共和党のジョンソン議長が再選された。ジョンソン氏は必要最小限の218票(435議席の過半数)で続投が決定した。
ジョンソン氏は当初、共和党議員の間での分裂により、続投に必要な票数(218票)を確保できない見通しだったが、交渉の末に2人の共和党議員が支持に転じた。
ジョンソン米下院議長は、第1次トランプ政権下の2017年に導入された減税措置の延長や、規制緩和の実施などを確約した。
3.債務上限
2025年1月1日に債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示している。
米国政府が新たな借り入れができずにデフォルト(債務不履行)に陥ることを防ぐには、昨年12月のつなぎ予算案に、トランプ次期米大統領が盛り込もうとした上限の引き上げか効力停止が必要となる。
トランプ次期米大統領は「デフォルトが起これば、世界恐慌が始まった1929年のようになるかもしれない」と警告しているが、共和党の保守強硬派が大幅な歳出削減を求めており、早期解決は困難な情勢となっている。
本日のロンドン為替市場では、英長期債の動向次第でポンドの不安定さが続くことになりそうだ。昨日は英長期債に売り圧力が強まり、同10年債利回りは一時2008年の金融危機以来の4.80%超えまで上昇した。30年債利回りに至っては、1998年以来となる5.38%台まで上昇する場面があった。英債券売りが嫌気されてポンドも下落し、対ドルでは昨年4月以来の1.23ドル前半まで下げ幅を広げている。
昨年10月末にスターマー英首相率いる労働党政権が予算案を発表し、大型増税とともに過去最高に近い借入れ計画が明らかにされた。英政府の財政拡大方針を受けた需給の緩みが懸念され、英長期債市場は地合いの弱さ(金利は上昇)が続いている。
それに加えて昨日は、トランプ米次期大統領が「全世界一律の輸入関税の導入」を検討しているとの一部報道から、世界的にインフレ警戒感が高まった。これは結果的に、ドルに資金を向かわせることになったようだ。
英長期債の重しとなった政府予算案だが、通常3月に公表される春季財政報告まで新たな発表は予定されていない。そういったなか昨日はリーブス英財務相が財政規律の順守を訴えたが、このまま借入コストが上昇してしまうと更なる増税や支出計画の削減につながるとの懸念も出始めた。いずれにせよ、今のところポンドにとってポジティブな材料は少ないようだ。
経済指標では、欧州序盤に11月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年比-4.5%)が発表予定。昨日は同月製造業新規受注が予想以上に悪い結果となり、ユーロの上値を抑えた。本日も下振れの可能性は念頭に入れておきたい。
想定レンジ上限
・ポンドドル、昨日高値1.2494ドル
・ユーロドル、21日移動平均線1.0392ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、昨年4月22日安値1.2300ドルを割り込むと2023年11月17日週安値1.2211ポンド
・ユーロドル、2日安値1.0226ドル
日銀は1月の地域経済報告(さくらレポート)を公表。各地域の景気の総括判断は、一部に弱めの動きもみられるが、すべての地域で、景気は「緩やかに回復」、「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」としている、との見解を示した。
また、全国9地域のうち、北陸と東北の2地域の景気判断を引き上げ。残りは据え置いた。
(9日15時時点)
ドル円:1ドル=158.05円(前営業日NY終値比▲0.30円)
ユーロ円:1ユーロ=162.91円(▲0.49円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0306ドル(▲0.0012ドル)
日経平均株価:39605.09円(前営業日比▲375.97円)
東証株価指数(TOPIX):2735.92(▲34.08)
債券先物3月物:141.31円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.170%(▲0.005)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 3.0% 2.2%・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
3318億円の処分超 2286億円の処分超
対内株式
740億円の処分超 5627億円の取得超
対外対内証券売買契約等の状況(前々週)
対外中長期債
2286億円の処分超 9180億円の処分超・改
対内株式
5627億円の取得超 1兆235億円億円の処分超・改
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。日経平均の軟調推移が重しとなってじり安で推移すると、13時過ぎに157.76円まで下落。しかし、日銀の1月地域経済報告(さくらレポート)で2025年の賃金設定に関して慎重な姿勢などが報告されたことが伝わると、158.20円前後まで買い戻された。
・ユーロ円は下げ渋り。本邦株安をながめて軟調推移となる中、162.63円まで下押し。その後はドル円の切り返しにつれて163円台までやや値を戻した。
・ユーロドルは弱含み。円主体の動きとなる中で12時過ぎに1.0321ドルまで値を上げるも、ドル円の買い戻しの影響もあって上値は限定的だった。15時過ぎに1.0297ドルまで下押した。
・日経平均株価は続落。前日の米国株は主要3指数がまちまちとなるも、ナスダック安を嫌気して売りが先行。後場に入ると下げ幅が600円近くに拡大した。ただ、その後は日銀の1月地域経済報告(さくらレポート)の内容を受け、利上げに慎重な姿勢が継続するとの見方から、やや下げ幅を縮小した。
・債券先物相場は反発。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが先行。ただ、新発10年物国債利回りが2011年5月以来の高水準となる1.185%まで上昇したこともあり、売り一巡後は利回り水準の高さに着目した買い戻しが優勢となった。この日行われた30年債入札が「好調」な結果となると、141円35銭まで上昇する場面も見られた。
米通商代表部(USTR)は現地時間8日、知的財産権侵害・偽造品の温床である「悪名高い市場」の2024年改訂版リストを公表した。前年まで収載されていたテンセント(00700)のSNSアプリ「微信(ウィーチャット)」は除外された。
24年改定版には、重大な商標偽造や著作権侵害が通報された世界37のオンライン市場を掲載。うち中国のオンライン市場では、百度(09888)傘下の「百度網盤(バイドゥ・ワンパン)」、敦煌網集団の「敦煌網(DHゲート)」、抖音集団の「抖音商城(ドウインモール)」、ピン多多(PDD)の「ピン多多(ピンドゥオドゥオ)」、アリババ集団(09988)傘下の「淘宝網(タオバオ)」が収載されている。
USTRは中国について、引き続き世界最大の偽造品の供給源となっており、中国からの偽造品・海賊版は、香港に積み替えられた商品と合わせて、23年に米税関・国境警備局(CBP)が押収した偽造品・海賊版の価値(メーカー希望小売価格で測定)の84%、総量の90%を占めたと指摘。中国国内ではコロナ禍による行動制限が撤廃された後、実店舗で客足と偽造品の販売が復活したとしている。
テンセントの前場終値は前日比1.63%高の375.20HKドル。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国経済にとっても「デフレ脱却」の道のりは長いものになりそうだ
金融市場では緩和観測で人民元安に拍車、当局は人民元を「どこまで容認できるか」の問いに直面
足下の中国経済は、当局による内需喚起に向けた政策支援や米トランプ次期政権を見据えた輸出駆け込みの動きに下支えされている。政策支援の動きを追い風に企業マインドは底入れしているが、製造業で早くも息切れしているほか、サービス業は好調を維持するも雇用調整圧力を強める動きをみせる。よって、内需喚起策により足下の家計消費は押し上げられているが、不動産不況や雇用不安がくすぶるなかで持続力に不透明感は残り、需要の先食いに留まるとともに、先行きはその反動が出る可能性が懸念される。
内需喚起策を受けて足下の家計消費は押し上げられているが、12月の消費者物価は前年比+0.1%と一段と鈍化している。他方、コアインフレ率は前年比+0.4%とわずかに加速しているが、幅広く財、サービスの両面で物価に下押し圧力が掛かるなどディスインフレ圧力の根強さがうかがえる。川上の生産者物価も調達価格(前年比▲2.3%)、出荷価格(同▲2.3%)とともにマイナス基調が続き、前月比も下落するなどディスインフレ圧力は根強い。先行きも川上段階から川下段階にかけてディスインフレ圧力が掛かる展開が続くと見込まれ、当面は物価上昇圧力が高まる状況は想定しにくく、デフレ脱却の道のりは長いと捉えられる。
国際金融市場では米トランプ次期政権の政策運営を警戒して米長期金利は高止まりする一方、中国の長期金利は一段の金融緩和期待を反映して下振れしている。両国の金利差拡大を受けて人民元安が進むなか、先行きは資金逃避やキャリー取引などが人民元安に拍車が掛かることも考えられる。当局にとっては、今後は人民元安を「どこまで容認できるか」という難しい問いに答える必要性が高まっていると判断できる。
SMBC日興証券では、日本銀行が試算した需給ギャップが2024年7-9月期時点で-0.5%となったことを受けてリポートしている。4-6月期の-0.6%から0.1%pt改善したが、18四半期連続のマイナスとなった。SMBC日興では、7-9月期の需給ギャップはマイナス圏に位置し、かつ前期からの改善が鈍いと指摘。このことは政府と日銀の共同声明に掲げられている「デフレ脱却」を考える上で望ましくないと捉えており、政府はデフレ脱却宣言を当面行わないと予想している。
大阪3月限
日経225先物 39560 -400 (-1.00%)
TOPIX先物 2737.0 -28.5 (-1.03%)
日経225先物(3月限)は前日比400円安の3万9560円で取引を終了。寄り付きは3万9840円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9935円)を下回り、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9930円まで戻したがプラス圏は回復できず、戻りの鈍さから前場中盤にかけて下へのバイアスが強まり、3万9600円まで売られた。前場終盤にかけては下げ渋り、3万9650円~3万9700円辺りでの推移を継続。
ただし、ランチタイムでこのレンジを下抜けると、後場に入りショートが強まり、一時3万9380円まで下げ幅を広げた。支持線として意識されていた25日移動平均線(3万9380円)まで下げたことで、終盤にかけては下げ渋る動きとなり、節目の3万9500円は上回って終えた。
アドバンテスト <6857.T> [東証P]が朝方に高値を更新した後に下落に転じており、センチメントを冷ます形になった。一方で、直近で大きく売られたファーストリテイリング <9983.T> [東証P]や中外製薬 <4519.T> [東証P]がしっかりだった。また、強い動きが目立っていたメガバンクなども利益確定の売りに押されており、持ち高調整に伴うリバランスが中心だったとみられる。
9日の米国市場は休場のため、引き続き積極的な売買が限られるほか、休場明けの10日は12月の米雇用統計の発表を控えていることから、ポジションは傾けにくいだろう。そのため、ショートも仕掛けづらく、引けにかけては日中の動きに対するリバランスが強まりやすいとみておきたい。
日経225先物は25日線までの調整を経て、同線を支持線とした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。一方で、上値はボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)を早期に回復できるかを見極めたい。バンドが収斂しするなか、+1σを回復できずに25日線を下回ってくるようだと、-1σ(3万9080円)、-2σ(3万8730円)辺りへのバイアスが強まる可能性が警戒されてくる。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.45倍に上昇した。小動きではあるが一時14.48倍を付けており、昨年12月17日に付けた戻り高値14.44倍を上回っての推移が目立った。全体の方向性はつかみづらく、ヘッジ対応を考慮した形としてNTロングに振れやすくなりそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9573枚、ソシエテジェネラル証券が1万4789枚、サスケハナ・ホンコンが3905枚、JPモルガン証券が2962枚、バークレイズ証券が2397枚、SBI証券が2318枚、ゴールドマン証券が2004枚、ビーオブエー証券が1234枚、モルガンMUFG証券が1230枚、日産証券が1114枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1298枚、ソシエテジェネラル証券が1万7309枚、バークレイズ証券が6127枚、モルガンMUFG証券が3785枚、JPモルガン証券が3009枚、ゴールドマン証券が2620枚、ビーオブエー証券が1649枚、野村証券が1630枚、みずほ証券が1168枚、シティグループ証券が773枚だった。
本日、米国はカーター元大統領死去に伴い、株式市場が休場となるほか、債券市場は短縮取引となっているなど、市場参加者の減少が見込まれる。そうした中、NY市場では経済指標の発表や要人発言が予定されており、これらに注意を払う必要がありそうだ。
経済指標について、12月米チャレンジャー人員削減数が発表予定。前回は前年比+26.8%であった。直近で発表された主な雇用関連の指標を振り返ると、11月雇用動態調査(JOLTS)求人件数は予想より強い結果となったが、12月ADP雇用統計は予想より弱い結果となるなど、強弱まちまちとなっている。直後の市場は前回比での強弱に呼応した上下が見込まれるが、本日は市場参加者が少ない分、振幅が大きくなる恐れがある点には注意したい。
また、本日は複数の要人発言が予定されている。いずれもタカ派的ではあるが、その中でも今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での投票権を有するコリンズ米ボストン連銀総裁やシュミッド米カンザスシティー連銀総裁の講演は気になるところ。そのほか、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事の講演も予定されている。金融当局者の発言を通して、経済や金利見通しについて言及があれば材料視されるだろう。
他方、英国ではブリーデン英中銀(BOE)副総裁の講演も予定されている。昨日の英10年債利回りは2008年以来、30年債は1998年以来となる水準まで上昇(価格は下落)したほか、本日も英国債売りが継続するのではないかとの不安感からポンド売りが強まる場面が見られた。背景には、トランプ米大統領就任後にインフレ加速と財政赤字拡大が見込まれる中で米長期金利が上昇し、これに反応して英国債利回りも上昇していることが挙げられる。また、英国内の事情では、2024年秋に示された予算案を踏まえて国債の増発懸念がくすぶっていることなども債券相場の重しとなっている。こうした中、金融政策や金利見通しについて言及があるか、気になるところである。
そのほか引き続き、トランプ次期米大統領に関する発言や、本邦金融当局者からの円安けん制発言に対する警戒も怠らないようにしたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円
・ポンド円は、21日移動平均線196.15円
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.29円
・ポンド円は、昨年12月13日安値192.86円
今晩はジミー・カーター元大統領の国民追悼の日でNY株式市場が休場となります。今晩の米経済指標は12月チャレンジャー企業人員削減数。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反落。上昇基調にある25日移動平均線(39368円 1/9)付近まで下げ幅を拡大する場面があったが、終値ベースでは10日移動平均線(39604円 同)を意識して下ヒゲ陰線を形成した。
RSI(9日)は前日の67.3%→56.1%(1/9)へ低下。50%超を維持する状況の中、あすは上昇しやすいタイミングとなる。5日移動平均線(39774円 同)の下向きが気になるところだが、短期的な見方に大きな変化はない。1/7のパターンのように前日の25日移動平均線までの調整から反転上昇となるかが注目ポイントとなる。
上値メドは、心理的節目の40000円や12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円、7/11安値(42102円)などが考えられる。
下値メドは、25日移動平均線、心理的節目の39000円、75日移動平均線(38872円 同)、100日移動平均線(38497円 同)などがある。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.10円(9日15時時点比△0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.80円(▲0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0297ドル(▲0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:8319.69(前営業日比△68.66)
ドイツ株式指数(DAX):20317.10(▲12.84)
10年物英国債利回り:4.811%(△0.015%)
10年物独国債利回り:2.567%(△0.018%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月独鉱工業生産
(前月比) 1.5% ▲0.4%・改
(前年比) ▲2.8% ▲4.2%・改
11月独貿易収支
197億ユーロの黒字 134億ユーロの黒字
11月ユーロ圏小売売上高
(前月比) 0.1% ▲0.3%・改
(前年比) 1.2% 2.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ポンドは軟調だった。英財政や景気に対する投資家の懸念が高まる中、英国債相場が大幅に下落(利回りは上昇)。英10年債利回りは一時4.921%前後と2008年以来約17年ぶりの高水準を記録した。ポンドにも売りが出やすい地合いとなり、ポンドドルは一時1.2239ドルと2023年11月以来の安値を付けた。また、ユーロポンドは昨年11月以来となる0.8407ポンド、ポンド円は昨年12月13日以来となる193.49円までポンド売りが進んだ。
ただ、そのあとは英長期金利の上昇にひとまず一服感が出たこともあって、ポンド売りの勢いは後退した。
・ドル円は下値が堅かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.64%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。23時前に一時157.58円と日通し安値を付けた。
ただ、7日の安値157.38円や一目均衡表転換線が位置する157.29円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。3時過ぎには158.15円付近まで持ち直した。
なお、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は「米連邦準備理事会(FRB)はデータ依存であり、軽率に行動すべきではない」「現時点での小休止は適切だ」などと述べたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するコリンズ米ボストン連銀総裁は「現在の見通しでは、利下げには段階的かつ忍耐強いアプローチが必要」との見解を示した。
・ユーロドルはもみ合い。ポンドドルの下落につれた売りが出ると一時1.0284ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0273ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが進んだ。22時30分過ぎには一時1.0319ドル付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.0321ドルが目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
本日はカーター元米大統領の国葬で米株式市場が休場、米債券市場が短縮取引となるため、市場参加者が減少。積極的な売買が手控えられた面もあったようだ。
・ユーロ円は下げ渋り。21時30分過ぎに一時162.38円と本日安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は続伸。英財政悪化への懸念から英国債相場が大幅に下落(金利は上昇)すると英株にも売りが出たものの、すぐに持ち直した。外国為替市場でポンド安が進むと、時価総額が大きい多国籍企業を中心に買いが入った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、アストラゼネカなど医薬品株が値上がりした。BPやシェルなどエネルギー株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら続落。欧米長期金利の上昇に警戒感が出ているものの、金利上昇にひとまず一服感が出たこともあって、相場は大きな方向感が出なかった。米株式市場がカーター元米大統領の国葬で休場となる中、積極的な売買が手控えられた面もあったようだ。
・欧州債券相場は下落。英国の中長期的な財政悪化への懸念や米金利の上昇傾向などを背景に英国債に売りが出た。
9日の日経平均は大幅続落。終値は375円安の39605円。8日の米国株はまちまちかつ小動きとなったが、ナスダック安が嫌気されて下落スタート。開始早々に下げ幅を3桁に広げると、しばらく下値模索が続いた。ここ数日の動きが良かった半導体株も含めて、幅広い銘柄が売りに押された。600円近く下げて39300円台に入ったところで売りは一巡し、13時以降は値を戻した。安値(39385円)からは200円以上水準を切り上げたものの、300円を超える下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3200億円。業種別ではプラスはその他製品、医薬品、不動産の3業種のみ。一方、海運、卸売、保険などの下げが大きかった。伊藤忠<8001.T>との業務提携を発表したくふうカンパニーホールディングス<4376.T>が急騰。半面、12月の米国の既存店総売上が前年割れとなったラウンドワン<4680.T>が後場に入って大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり332/値下がり1277。主力どころでは任天堂、楽天G、サンリオなどが逆行高。決算発表を前にファーストリテイリングがプラスで終えた。証券会社が目標株価を引き上げたアシックスが大幅高。決算が好感されたワールド、ハニーズHD、ウエルシアHDが買いを集めた。
一方、売買代金上位の常連銘柄の多くが弱く、中でもレーザーテックやフジクラが大幅安。日本郵船など海運大手3社がそろって大きな下げとなったほか、業種ではマツダや日産自動車など自動車株も軒並み安となった。業績関連では1Q決算が失望を誘ったマニーやサイゼリヤが急落した。
日経平均は大幅続落。大型株が下げを主導するさえない1日となった。ただ、安値は39385円で、地合いが悪い中でも25日線(39368円、9日時点)付近では押し目買いが入った。本日の米国はジミー・カーター元大統領の国民追悼の日により株式市場が休場で、債券市場は短縮取引となる。海外からの材料は乏しくなるが、SQ日、米12月雇用統計の発表前、三連休前で、様々な思惑が入り交じりやすい1日となる。ファーストリテイリング<9983.T>の決算も消化する。きょうの大幅安で過熱感が削がれてあすは買いが入るのではないかとみているが、ドル円の値動きが荒くなった場合などは、米雇用統計を前にリスク回避姿勢が強まる可能性もある。下に振れた場合には25日線がサポートとして機能するかどうかに注意を払っておきたい。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
「トランプ2.0」を前に厳しい状況に直面する新興国経済
資金流出に直面するなかで通貨防衛を迫られる動き、今後は「体力勝負」の様相を呈する可能性も
足下の国際金融市場では米トランプ次期政権の政策運営を警戒して米ドル高圧力が強まる動きがみられる。ここ数年の米ドル高に際して、多くの新興国は資金流出を抑えるべく金融引き締めを迫られたが、米FRBの利下げで米ドル高は一服するなど状況は大きく変化した。アジア新興国では利下げに動く流れのほか、新興国景気に対する見方が変化する動きもみられた。しかし、米大統領選でのトランプ氏勝利を受けて米ドル高が再燃しており、政策運営の懸念も相俟って新興国からの資金流出が加速している。異常気象による食料インフレ懸念に加え、新興国のなかには自国通貨安に伴う輸入インフレを警戒して金融緩和を躊躇うほか、為替介入など通貨防衛を迫られる動きもみられる。新興国には通貨防衛の原資である外貨準備高が潤沢でない国も少なくなく、事態が長期化するなかで「体力勝負」に追い込まれる懸念も高まっている。
9日13:38 チポローネECB専務理事
「欧州中央銀行(ECB)はインフレリスクにのみ焦点を当てるのではなく、ユーロ圏経済が潜在成長を達成できるよう支援すべき」
9日15:47 日銀大阪支店長
「新卒採用への影響を踏まえて、早い時期から賃上げ方針を打ち出す大企業の動きがはっきりしてきた」
「中小企業も賃上げの必要性の認識それなりに浸透してきている」
「今年の賃上げ、昨年上回るかどうかは別として、しっかりとした数字になるのではないか」
「為替はどんどん円安に進んでいるわけではないことを好感する企業もある」
「全体として為替の安定を要望する声が引き続き多い」
「為替は将来の金融政策を織り込むので我々の行動で動く、適切な対応が必要」
「輸入物価は落ち着いている、物価加速懸念が高まっているわけではない」
9日16:40 堂野日銀名古屋支店長
「為替の過度な変動は良くない」
「一部企業で昨年並み、あるいはそれ以上の賃上げを今年実施するとの声聞かれる」
9日23:46 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「FRBの金利目標の長期的な道筋は不明確」
「不確実性の中で、FRBが少し立ち止まるのは適切」
「FRBはデータ依存であり、軽率に行動すべきではない」
「インフレをピークから低下させることに成功している」
「全体的な消費者支出の多くは高い所得に依存している」
「高い不確実性の中で、FRBはデータ依存であるべき」
「2%インフレ目標への回帰には予想以上に時間がかかっている」
10日00:09 コリンズ米ボストン連銀総裁
「現在の見通しでは、利下げには段階的かつ忍耐強いアプローチが必要」
「12月FOMCで利下げを支持したが、ぎりぎりの判断だった」
「現在の見通しは12月の予測と一致」
「経済は全体的に良好な状態にあるが、不確実性は顕著」
「2%のインフレ率に向けて段階的かつ不均一な軌道をたどっている」
10日03:37 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「さらなる利下げは段階的かつデータに基づいて行うべき」
「金利政策は長期的に必要な水準に近い可能性がある」
「FRBは二つの責務の達成にかなり近い」
「インフレは目標に向かっており、成長は勢いを増している」
「雇用市場は弱まっているが依然として健全」
「成長と雇用の見通しに楽観的」
「インフレ圧力は引き続き緩和すると楽観的」
10日03:40 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事
「選挙後の抑制された需要がインフレリスクをもたらす可能性がある」
「インフレへの懸念が10年物米国債利回りの上昇を部分的に説明している可能性がある」
「インフレは高止まりしており、上振れリスクがある」
「政策調整には慎重かつ段階的なアプローチを好む」
「次期政権の将来の政策を予断すべきではない」
「現在の政策スタンスは、他者が考えるほど制限的ではないかもしれない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 11月家計調査(消費支出、予想:前年比▲0.9%)
○08:50 ◇ 12月外貨準備高
○14:00 ◇ 11月景気動向指数速報値(予想:先行107.2/一致115.3)
<海外>
○15:45 ◇ 12月スイス失業率(季節調整前、予想:2.8%)
○16:00 ◇ 11月トルコ失業率
○16:00 ◇ 11月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ 12月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比2.5%)
○16:45 ◇ 11月仏鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
○16:45 ◇ 11月仏消費支出(予想:前月比0.2%)
○19:30 ◎ 11月インド鉱工業生産(予想:前年同月比4.1%)
○21:00 ◎ 12月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.88%)
○21:00 ◇ 11月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比横ばい)
○22:30 ◇ 11月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比1.4%)
○22:30 ☆ 12月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.50万人/失業率6.9%)
○22:30 ☆ 12月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化16.0万人/失業率4.2%/平均時給、前月比0.3%/前年比4.0%)
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:73.8)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39550 -10 (-0.02%)
TOPIX先物 2738.0 +1.0 (+0.03%)
シカゴ日経平均先物 39550 -10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、カーター元米大統領の服喪の日のため休場。米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は、根強いインフレリスクにより追加利下げに慎重な見解を示した。また、米ボストン連銀のコリンズ総裁は利下げペースが想定よりも遅くなると述べたほか、米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は利下げを継続するものの、利下げペースについてはデータ次第になるとの考えを示した。
トランプ次期米政権による関税政策などによる不確実性のほか、10日には12月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見姿勢に向かわせよう。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比10円安の3万9550円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比80円安の3万9480円で始まり、直後に3万9610円とプラスに転じる場面もみられたが買いは続かず、中盤にかけて3万9420円まで売られた。終盤にかけては3万9460円~3万9560円辺りと、日中の終値近辺での膠着が続き、3万9550円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることが見込まれる。海外勢のフローが限られるとみられるほか、12月の米雇用統計の結果を見極めたいことから、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。また、米当局者による発言によって追加利下げペースの鈍化観測が高まっていることも手掛けづらくさせよう。
前日の日経225先物は一時3万9380円まで売られたが、同水準に位置する25日移動平均線(3万9380円)が支持線として機能する形となった。ナイトセッションにおいても薄商いながら同線(3万9420円)がサポートとして意識されていた。足もとでは昨年12月27日につけた4万0460円をピークに上値を切り下げる一方で、下値は上向きで推移する25日線が支持線として機能している。
ボリンジャーバンドでは前日の下げで+1σ(3万9770円)を割り込んだ。バンドが収れんするなかで中心値(25日)を割り込んでくるようだと、-1σ(3万9080円)が射程に入ってくる可能性はある。まずは25日線水準での底堅さを見極めつつ、+1σ水準を早期に回復できるかが注目される。そのため、オプション権利行使価格3万9000円から3万9800円辺りでのレンジを想定する。
9日の米VIX指数は18.07(8日は17.70)に上昇した。小動きではあるが75日線(17.29)を上回っての推移だった。ボトム圏での推移ではあるものの、米雇用統計の結果待ちのなかでは、やや神経質にさせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.45倍に上昇した。一時14.48倍を付けており、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回っての推移が目立った。全体の方向性がつかみづらいなかではあるものの、ヘッジ対応を考慮した形としては、NTロングに振れやすくなりそうである。
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.64%台まで低下した局面で157.58円まで下落した後、同利回りが4.69%台まで戻したことで158.16円付近まで下げ渋った。ユーロドルは1.0319ドル付近から1.0291ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米12月雇用統計を控えて動きづらい展開が予想される。
昨日発表された日本の11月の実質賃金は4カ月連続のマイナスだったものの、基本給に相当する所定内給与は32年ぶりの高い伸びとなった。また、日銀支店長会議での賃上げに関する報告では、全体としては継続的な賃上げが必要との認識が幅広い業種・規模の企業に浸透してきているものの、2025年の賃金設定に関して慎重な姿勢が示された。
植田日銀総裁は、春闘に向けた賃上げのモメンタムを確認するために、「もうワンノッチ(1段階)情報を待ちたい」と述べていたが、「ワンノッチ」は満たされなかった。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ確率は47%となっている。
米12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+16.0万人と予想されており、11月の同比+22.7万人からの増加幅の減少が見込まれており、失業率は4.2%で11月と変わらずと予想されている。12月の米国の雇用関連市場は、ISM製造業、非製造業雇用指数、ADP全米雇用報告などは、11月に比べて悪化していたことで、市場予想は整合的だと思われる。
12月の米雇用統計の数字が予想から大幅に外れていない限り、20日のトランプ次期米大統領の就任式に向けて、現在の米金利上昇やドル高基調には変化はないと思われる。しかし、米国の雇用統計に関する懸念材料としては、2月7日に公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値が、昨夏の速報値(81万8000人の下方修正)からさらなる下方修正が警戒されていることが挙げられる。
また、今後はパウエルFRB議長やウォラーFRB理事が言及している「市場ベースインフレ(Market-Based Gauge)」にも注視せざるを得ない状況となっている。このインフレ指標は昨年の5月からずっと前年同月比2.4%の上昇率付近でほぼ変わらないらしく、今年の追加利下げ継続を支持している。
日米の金融政策に関する今月の日程は以下の通りとなる。
14日:氷見野日銀副総裁講演
20日:トランプ次期米大統領就任
23-24日:日銀金融政策決定会合(利上げ確率 47%)
28-29日:米連邦公開市場委員会(FOMC)(据え置き確率 93%)
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に関しては、過去の介入実施時間帯から、本日の金曜日のニューヨーク市場や来週月曜日の東京市場休場に警戒しておきたい。
昨日は米株式市場が休場となった一方、コモディティと米債券市場は短縮取引といったイレギュラーなスケジュールのなか、ドル円は米長期金利の動向に左右される方向感のない動きに終始しました。ギルトの急落を受けたポンドドルの下落が主役。ただ、それも欧州時間のみで、結局、NY時間に入ってからは買戻しの動きとなったといったところ。
ドル円は米金利の低下につれて157.58円まで下押しした後、米10年債利回りが高値まで値を上げるなかで158.16円までショートカバーが入りNY市場を終えています。3連休前の週末のゴトー日でもあるアジア市場では、158.00円を挟んだ極めて狭いレンジでの取引。見えているものと言えば、今週連日観測されている本邦実需の買いのみ。今夜の米雇用統計を控えて様子見の動きが続いています。
いずれにしても、ドル買いの方向性を模索しているなか、ドル円は下値をしっかりと固めているところ。引き続き一目転換線を意識しつつ戻り高値を探っていくことになりそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比180円安の3万9380円(-0.45%)前後で推移。寄り付きは3万9390円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9550円)を下回る形から、売り先行で始まった。その後は3万9250円~3万9400円辺りでの推移が続くなか、中盤にかけてレンジを下回り、一時3万9160円まで下げ幅を広げる場面もみられた。売り一巡後はショートカバーとみられる動きから下落幅を縮めており、終盤にかけては寄り付き水準での推移となった。
1月限の株価指数先物オプションSQ(特別清算指数)値は3万9343.19円だった。日経平均株価は寄り付き直後にSQ値を下回ったことで、短期的なショートを誘う形になったようである。ただし、市場参加者が限られるなか、中盤以降はショートカバーが優勢となった。日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万9070円)と25日移動平均線(3万9420円)辺りでの推移だが、前場の段階でカバーは一巡したと考えられ、後場はSQ値辺りで強弱感が対立しそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍に低下した。14.43倍で始まり一時14.37倍まで下げる場面もみられたが、75日線(14.36倍)が支持線として機能する形から、寄り付き水準まで戻している。方向性としてはNTロングでのスプレッド狙いのスタンスを継続しておきたい。
「デフレ脱却を最優先に実現する」(石破首相:所信表明演説)
1.日本とカリフォルニアの国内総生産(GDP)
日本の面積は37.6万平方キロ、人口は約1.2億人、カリフォルニアは40.3万平方キロ、人口は約4000万人となっている。
1989年末、日経平均株価が38957円まで上昇して当時の史上最高値を記録していたバブル期には、皇居の傍の敷地は、米国のカリフォルニア州全体より高い価格で取引されていた。
そして山手線内の不動産価格は、米国全体の不動産価格を上回っていた。
2024年、日経平均株価が42426円まで上昇して史上最高値を更新した年、日本の名目国内総生産(GDP)607兆円がカリフォルニアのGDP635兆円を下回った。
2.幕末の通貨問題
幕末の日米和親条約では、日本の貨幣と海外の貨幣の交換比率(金銀交換比率)に誤解があったため、日本から大量の金(※50万両?)が流出した。
幕末の日本の金銀比価は1対4.65程度だったが、海外では1対15.3程度だった。
外国為替市場でのドル円相場に例えると、東京(江戸)市場では1ドル(金)=46円(銀)だと仮定すれば、香港市場では1ドル=153円となる。
そこで、東京市場で、ドルを46円で買い、香港市場で153円で売れば、約3倍の儲けとなる。
米国の初代駐日公使のハリスや英国の初代総領事のオールコックは、暴利を貪りながら、マルコ・ポーロが紹介していた「黄金の国ジパング」を実感した。
3.令和の円安問題
日本銀行は、円高・デフレ(物価が趨勢的に下落する現象)からの脱却するため、政府とのアコードを締結して、量的金融緩和政策により、紙幣を大量に印刷して、円の価値を2011年の70円台から2024年には160円台まで暴落させた。
円の価値が下がるということは、物の価値が上がるということになり、政府・日銀の目論見通りに、円安・インフレ(物価が趨勢的に上昇する現象)となっている。
ミクロ的には、円安により日本の対外資産が増大することで、プラスに見えるが、マクロ的には、円安により日本国民が保有する円資産価値はマイナスとなる。
対内的には、1キロ150円程度で買えていた卵の値段が300円程度まで上昇し、キャベツが一玉100円台から600-700円付近まで上昇し、対外的には、1リットル100円前半で買えていたガソリンの値段が100円台後半まで上昇することになる。
江戸幕府の通貨担当者は、金銀の交換レートに無頓着だったが、令和の政権中枢の通貨担当者も、外国為替レートに無頓着のままのようである。
レーニンは、「資本主義を破壊する最善の方法は、通貨を堕落させることだ」と述べていた。
本日のロンドン為替市場でも、英長期債の動向を眺めながらポンド中心の取引となりそうだ。昨日も英債相場は売りが先行し、10年債利回りは2008年以来の4.90%超え、30年債利回りが1998年以来の5.4%台で上昇力を強めた。英長期債の投げ売りを嫌気し、ポンドドルも2023年11月以来の安値となる1.2239ドルまで下げ足を速めた。
もっともパニック的な英債売りが一巡すると、長期債利回りの上げ幅を縮小とともにポンドドルも下値を切り上げてはいる。とはいえ、スターマー英政権が昨年示した財政拡大方針に変わりなく、英債需給の緩みへの懸念は燻ったまま。そこに加え、トランプ次期米大統領が実施しようとしている関税強化などの政策は世界的にインフレ圧力を強め、もともと軟調だった英債券が打撃を受けやすい状況だ。
昨日は英財務省高官が議会で、債券市場は引き続き秩序ある形で機能していると言及。英債への需要はなお強いと相場の火消しに努めていた。本日も英政府関係者から市場を落ち着かせようとする発言が出てくるだろう。もし、その内容が薄く弱いものだと、英長期債売りからのポンド下落が再燃してしまうかもしれない。
ユーロドルはポンドドルに追随する形だろう。ただし欧州市場で取引が活発なユーロポンドの動向にも左右されることも予想され、意外と難しい値動きとなるかもしれない。ユーロ圏の指標は11月フランスの鉱工業生産と消費支出と相場インパクトは強くない。下値バイアスは残りながらも、結局は12月米雇用統計待ちとされてしまうか。
ところでドイツでは、2月23日に連邦議会の総選挙が行われる。そういったなか昨日、米実業家イーロン・マスク氏が、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル共同党首と対談を行った。その場で同党支持を表明したマスク氏の影響がどの程度なのか、今後の支持率調査が注目される。
想定レンジ上限
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.2408ドル
・ユーロドル、21日移動平均線1.0383ドル
・ユーロポンド、200日移動平均線0.8429ポンド
想定レンジ下限
・ポンドドル、昨日安値1.2239ドルを割り込むと2023年10月27日週安値1.2070ドルが徐々に意識される
・ユーロドル、2日安値1.0226ドル
・ユーロポンド、日足一目均衡表・基準線0.8315ポンド
ドル円:1ドル=158.41円(前営業日NY終値比△0.27円)
ユーロ円:1ユーロ=162.94円(△0.07円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0285ドル(▲0.0015ドル)
日経平均株価:39190.4円(前営業日比▲414.69円)
東証株価指数(TOPIX):2714.12(▲21.8)
債券先物3月物:141.06円(▲0.25円)
新発10年物国債利回り:1.195%(△0.025)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月家計調査(消費支出)
前年同月比 ▲0.4% ▲1.3%
12月外貨準備高
1兆2307億ドル 1兆2390億ドル
11月景気動向指数速報値
先行指数 107.0 109.1
一致指数 115.3 116.8
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。日経平均が大幅安で始まったほか、時間外の米10年債利回りが低下したことも重しとなり、157.94円まで下押し。もっとも今晩の12月米雇用統計待ちムードも強く、158円割れの水準での底堅さを確認すると、日経平均の下げ一服や米長期金利が上昇に転じたこともあり、158.43円まで切り返した。
・ユーロ円は伸び悩み。本邦株安をながめて162.62円まで下押し後、ドル円の上昇に連れて163.12円まで買い戻し。もっとも、その後はユーロドルが弱含んだことで伸び悩んだ。
・ユーロドルは弱含み。1.03ドルを挟んだもみ合いが続いていたが、米長期金利が上昇に転じたことをながめ、1.0282ドルまで下押した。
・日経平均株価は3日続落。小幅安で始まった後、決算を発表したファーストリテイリングが下げた影響を受け、下げ幅が一時440円近くに達する場面が見られた。12月米雇用統計を前に手仕舞い売りが出たことも重しとなったもよう。
・債券先物相場は反落。米金利の根強い先高観が意識される中、国債債市場に下落圧力が掛かると、141円05銭まで下げ足を速めた。背景には、円安進行による輸入物価上昇が日銀の追加利上げを後押しするとの見方があるようだ。新発10年物国債の利回りは一時1.195%と2011年5月以来の高水準を付けた。
大阪3月限
日経225先物 39250 -310 (-0.78%)
TOPIX先物 2720.0 -17.0 (-0.62%)
日経225先物(3月限)は前日比310円安の3万9250円で取引を終了。寄り付きは3万9390円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9550円)を下回り、売り先行で始まった。その後は3万9250円~3万9400円辺りでの推移が続くなか、前場中盤にかけてレンジを下回り、一時3万9160円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
ただ、売り一巡後はショートカバーとみられる買いが入り、前場終盤にかけて寄り付き水準での推移となった。ランチタイムで再び弱含み、後場に入ると3万9180円まで売られ、終盤にかけては3万9200円~3万9300円辺りのボトム圏での推移が続いた。
1月限の株価指数先物オプションSQ(特別清算指数)値は3万9343.19円だった。日経平均株価が寄り付き直後にSQ値を下回ったことで、短期的なショートを誘う形になったようである。また、前日の取引終了後に2025年8月期第1四半期決算を発表したファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が急落し、日経平均株価を1社で300円超押し下げる形となったことで、売り一巡後のリバウンドが限られた。
日経225先物は25日移動平均線(3万9410円)を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ(3万9070円)に接近する場面もみられた。市場参加者が限られるなかで、リバウンド狙いのロングも入れにくい需給状況だった。まずは早期に25日線を回復することができるかを見極めたいところだろう。
25日線が抵抗として意識されてくるようだと、-1σに接近するとともに、節目の3万9000円割れが射程に入ってくることで、下へのバイアスが強まる展開が警戒されそうだ。もっとも、13週線(3万8960円)が支持線として機能する展開も想定されるため、節目の3万9000円に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍に低下した。14.43倍で始まり一時14.37倍まで下げる場面もみられたが、75日線(14.36倍)が支持線として機能する形から、寄り付き水準まで戻している。アドバンテスト <6857.T> [東証P]の強さが目立つなか、方向性としてはNTロングでのスプレッド狙いのスタンスを継続しておきたい。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9927枚、ソシエテジェネラル証券が1万5970枚、サスケハナ・ホンコンが3325枚、JPモルガン証券が2428枚、日産証券が2322枚、バークレイズ証券が2248枚、モルガンMUFG証券が2179枚、野村証券が1613枚、SBI証券が1073枚、楽天証券が965枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9688枚、ソシエテジェネラル証券が1万4119枚、バークレイズ証券が5310枚、モルガンMUFG証券が3576枚、JPモルガン証券が3228枚、日産証券が3055枚、ゴールドマン証券が2134枚、みずほ証券が1942枚、ビーオブエー証券が1271枚、野村証券が826枚だった。
本日、市場の関心はNY序盤に発表される12月米雇用統計に集まっている。市場予想は失業率が4.2%と前月並みだが、非農業部門雇用者数は前月比16.0万人増と前月の(ハリケーン襲来の反動やストライキの終了で上振れた)22.7万人増を下回るなど、労働市場の緩やかな減速が続く見通しである。平均時給は前月比+0.3%/前年比+4.0%(11月:+0.4%/+4.0%)となっている。
市場ではトランプ次期米大統領就任でインフレが加速するとの見方が強まる中、昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)のドットチャートでは2025年末時点の中央値が上方修正され、利下げ回数が2回と前回9月の見通しから半減した。こうした中、雇用が減少しても小幅にとどまる場合は利下げ観測を高めるには至らず、直後はドル売りで反応しても一時的となることも考えられる。他方、平均時給の上昇はインフレ加速が想起されやすいため、こちらの数値も忘れずに確認したい。
もっとも、今回に限ると、市場の関心がトランプ米次期大統領の政策を見極めたいとのムードが強いほか、2月7日公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値が、夏の速報値(81万8000人の下方修正)からさらなる下方修正が警戒されていることもあり、事前予想から大きく乖離しないと、発表直後の動きが一服すると落ち着いた展開となることもあり得る。
なお、雇用統計後の24時には、1月ミシガン大学消費者態度指数・速報値が発表予定。ヘッドラインは73.8と前月から小幅低下の見通し。また、期待インフレは、前回は1年先が2.8%、5-10年先は3.0%だった。ヘッドラインと共に期待インフレに変化があるか気になるところだ。
他方、カナダでも12月雇用統計が発表される。市場予想は失業率が6.9%、新規雇用者数も2.50万人増と前月(6.8%、5.05万人増)と比べて弱めとなっている。米雇用統計と同時刻の発表のため、直後はドルの影響を受けつつ、指標結果に反応した動きとなるか。
想定レンジ上限
・ドル円は、本日高値158.45円。超えると昨年7月16日高値158.86円
・カナダドル円は、7日高値110.47円
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.29円。割り込むと6日安値の156.24円
・カナダドル円は、一目均衡表の雲上限108.36円
今晩は様子見か。昨日はジミー・カーター元大統領の国民追悼の日でNY株式市場が休場だったが、週初からの3日間ではダウ平均が0.23%安、S&P500が0.41%安、ナスダック総合が0.73%安とそろって2週続落ペースとなった。トランプ次期政権の輸入関税引き上げ策などによるインフレ持続見通しを背景に米10年債利回りが4月以来となる4.7%台まで上昇したことが重しとなった。
今晩は週末の取引となるが、先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される12月雇用統計が焦点となりそうだ。月末28-29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)は、CMEのフェドウォッチ・ツールによる0.25%の利下げ確率が7%と、政策金利の据え置きが確実視されているものの、年内2回(0.50%)の利下げ確率は53%となっている。12月雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数(NFP)が16.0万人増と11月分の22.7万人増から減少が見込まれ、失業率は4.2%と11月から横ばいが予想されている。NFPなどが予想を上回る強い結果となれば、利下げ期待の後退や、米10年債利回りの上昇が株式相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月雇用統計のほか、1月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値など。企業決算は寄り前にコンステレーション・ブランズ、ウォルグリーン、デルタ航空が発表予定。
■各社予想 12月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +15.0万人
第一生命経済研究所 +18.2万人
ドイツ証券 +15.0万人
バークレイズ・キャピタル +15.0万人
BNPパリバ +16.5万人
HSBC +15.5万人
モルガン・スタンレー +15.0万人
市場コンセンサス +16.0万人
前回 +22.7万人
■各社予想 12月米失業率
JPモルガン 4.2%
第一生命経済研究所 4.3%
ドイツ証券 4.3%
バークレイズ・キャピタル 4.2%
BNPパリバ 4.2%
HSBC 4.2%
モルガン・スタンレー 4.3%
市場コンセンサス 4.2%
前回 4.2%
■各社予想 12月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.3%
バークレイズ・キャピタル +0.3%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.3%
モルガン・スタンレー +0.3%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.4%
■各社予想 12月米平均時給(前年比)
JPモルガン +4.0%
第一生命経済研究所 +4.0%
バークレイズ・キャピタル +4.0%
BNPパリバ +4.0%
HSBC +4.0%
モルガン・スタンレー +4.0%
市場コンセンサス +4.0%
前回 +4.0%
日経平均株価は続落。上昇基調にある25日移動平均線(39395円 1/10)を下回り、一目均衡表の基準線(39178円 同)まで下げる陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の56.1%→51.9%(1/10)へ低下。50%超を維持する状況の中、短期的な見方に大きな変化はない。ただ、終値ベースで1/6安値(39307円)を下回ったことで、12/27高値からの二段下げのパターンとなった。39000円割れを推移している75日移動平均線(38909円 同)までの下落余地は想定しておきたい。25日移動平均線を下回ったが、来週初の基準線の上昇にポジティブに反応できるかが目先の焦点となる。
上値メドは、10日移動平均線(39607円 同)、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の39000円、75日移動平均線、100日移動平均線(38527円 同)、12/19安値(38355円)、心理的節目の38000円などがある。
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.67円(10日15時時点比▲0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.52円(▲1.42円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0244ドル(▲0.0041ドル)
FTSE100種総合株価指数:8248.49(前営業日比▲71.20)
ドイツ株式指数(DAX):20214.79(▲102.31)
10年物英国債利回り:4.838%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.595%(△0.028%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイス失業率
2.8% 2.6%
11月仏鉱工業生産
(前月比) 0.2% ▲0.3%・改
11月仏消費支出
(前月比) 0.3% ▲0.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。12月米雇用統計の発表を控えてしばらくは1.03ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、指標結果が伝わると下落した。米労働省が発表した12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比25.6万人増と予想の16.0万人増を大幅に上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%より強い結果に。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止の論拠を裏付ける内容」との受け止めから、米長期金利が急伸し、全般ドル買いが活発化した。2日に付けた直近安値の1.0226ドルを下抜けると一時1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.7860%前後と23年11月以来の高水準を記録した。
・ドル円は乱高下。「日銀は23-24日に開く金融政策決定会合で、変動が大きい生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価(コアコアCPI)の見通しを上方修正する公算」との一部報道をきっかけに円買い・ドル売りが先行。18時過ぎに一時157.63円まで下落した。ただ、良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。
もっとも、米長期金利の上昇が一服するとドル円の上値は重くなった。米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、0時30分前に一時157.23円と日通し安値を更新した。ユーロ円などクロス円の下落につれた売りも出た。
・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時163.19円と日通し高値を付けたものの、前日の高値163.43円が目先レジスタンスとして意識されると失速。NY市場に入り、ダウ平均が一時750ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが加速した。24時過ぎには一時161.21円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たほか、米国株相場の下落につれた売りが出た。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が売られたほか、ユニリーバやディアジオなど生活必需品株が値下がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株は買われた。
・フランクフルト株式相場は3日続落。12月米雇用統計の発表を前にしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、終盤弱含んだ。米国株相場の大幅下落を受けて独株にも売りが波及した。個別ではザランド(5.39%安)やシーメンス・エナジー(4.62%安)、エーオン(4.52%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.73円(前営業日比▲0.41円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.59円(▲1.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0244ドル(▲0.0056ドル)
ダウ工業株30種平均:41938.45ドル(▲696.75ドル)
ナスダック総合株価指数:19161.63(▲317.25)
10年物米国債利回り:4.76%(△0.07%)
WTI原油先物2月限:1バレル=76.57ドル(△2.65ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2715.0ドル(△24.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米雇用統計
失業率 4.1% 4.2%
非農業部門雇用者数変化
25.6万人 21.2万人・改
平均時給
(前月比) 0.3% 0.4%
(前年比) 3.9% 4.0%
1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
73.2 74.0
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日続落。米労働省が発表した12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比25.6万人増と予想の16.0万人増を大幅に上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%より強い結果となった。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止の論拠を裏付ける内容」との受け止めから、米長期金利が急伸し、全般ドル買いが活発化した。2日に付けた直近安値の1.0226ドルを下抜けると一時1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。売りが一巡すると1.0278ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.7860%前後と23年11月以来の高水準を記録した。
・ドル円は続落。良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。
ただ、米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、0時30分前には一時157.23円と日通し安値を更新した。ユーロ円などクロス円の下落につれた売りも出た。
・ユーロ円は4日続落。ダウ平均が一時750ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。1時30分過ぎには一時161.21円と日通し安値を更新した。
・カナダドル円は上値が重かった。カナダ統計局が発表した12月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が9.09万人増と予想の2.50万人増を上回り、失業率が6.7%と予想の6.9%より強い内容だったことが分かると買いが先行。22時30分過ぎに一時110.19円と日通し高値を付けた。ただ、米国株安に伴うリスク回避の円買いが優勢になると、1時30分過ぎに一時本日安値となる109.15円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。12月米雇用統計が予想を上回るとFRBによる利下げペースが鈍化するとの観測が改めて強まり、米長期金利が急上昇。株式の相対的な割高感が意識されて売りが膨らんだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落。米金利上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが集まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。12月米雇用統計が予想を上回ったことが分かると、FRBによる利下げペースが鈍化するとの観測が改めて強まり売りが優勢となった。利回りは一時4.7860%前後と2023年11月以来の高水準を付けた。米ミシガン大学が公表した1月米消費者調査で期待インフレ率が予想を上回ったことも債券売りを誘った。
・原油先物相場は続伸。米政府がロシア石油大手のガスプロムネフチとスルグトネフテガスを新たに経済制裁の対象としたと発表したことを受けてエネルギー供給混乱への警戒感から買いが優勢に。昨年10月上旬以来、約3カ月ぶりの高値を付けた。
・金先物相場は4日続伸。米国株が大きく下落したことで安全資産とされる金需要の高まりが意識された。
10日09:56 赤沢再生相
「日銀とも密接連携、機動的な政策運営姿勢は変わっていない」
10日16:50 廖中国財務副大臣
「2025年には、強さ、効率性、タイミングの面でより積極的な財政政策が期待できる」
「財政支出を加速する」
「中国の財政政策には豊富な政策余地と手段がある」
「中国は債務と財政赤字を増やす余地が比較的大きい」
10日19:53 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「追加利下げに一層の注意が必要」
11日00:21 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「関税が一時的な物価ショックか持続的なものかを判断することが重要」
「現在の予想通りなら、12-18カ月後には金利はかなり低下する可能性」
「条件が安定し、インフレの上昇がなく、完全雇用が維持されれば、金利は下がるべき」
「雇用市場は完全雇用で安定しており、過熱の兆候はない」
※時間は日本時間
13日
○成人の日の祝日で休場
14日
○08:50 ◎ 11月国際収支速報
○10:30 ◎ 氷見野良三日銀副総裁、あいさつ
○14:00 ◇ 12月景気ウオッチャー調査
15日
○08:50 ◇ 12月マネーストックM2
16日
○08:50 ◇ 12月企業物価指数
17日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
13日
○06:45 ◎ 11月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○未定 ◎ 12月中国貿易収支
○12:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 11月トルコ経常収支
○17:00 ◇ 12月スイスSECO消費者信頼感指数
○19:30 ◎ 12月インド消費者物価指数(CPI)
○14日04:00 ◎ 12月米月次財政収支
14日
○08:30 ◇ 1月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○17:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○24:00 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
○15日01:00 ◎ 12月ロシアCPI
○15日05:05 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
15日
○16:00 ◎ 12月英CPI
○16:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○16:45 ◇ 12月仏CPI改定値
○17:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:35 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏鉱工業生産
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 11月カナダ製造業出荷
○22:30 ◇ 11月カナダ卸売売上高
○22:30 ◎ 1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○22:30 ☆ 12月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○23:20 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
○16日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○16日02:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○16日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○09:01 ◇ 12月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○09:30 ◎ 12月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表
○16:00 ◎ 12月独CPI改定値
○16:00 ☆ 11月英国内総生産(GDP)
○16:00 ◎ 11月英鉱工業生産/製造業生産高
○16:00 ◇ 11月英商品貿易収支/英貿易収支
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏貿易収支
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)
○22:15 ◇ 12月カナダ住宅着工件数
○22:30 ☆ 12月米小売売上高
○22:30 ◇ 12月米輸入物価指数
○22:30 ◎ 1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◇ 11月米企業在庫
○24:00 ◎ 1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
17日
○11:00 ☆ 10-12月期中国GDP
○11:00 ◎ 12月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 12月中国小売売上高
○16:00 ◎ 12月英小売売上高
○18:00 ◇ 11月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア改定値
○22:30 ◇ 11月対カナダ証券投資
○22:30 ◎ 12月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○23:15 ◎ 12月米鉱工業生産指数
◇ 設備稼働率
○18日06:00 ◎ 11月対米証券投資動向
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、雇用統計で労働環境のひっ迫に改善の兆しが見られるか見極め
◆豪ドル、物価は月末の10-12月期CPIの結果待ち
◆ZAR、SARBの利下げ余地が拡大したとの思惑広がる
予想レンジ
豪ドル円 94.00-99.00円
南ア・ランド円 8.00-8.50円
1月13日週の展望
豪ドルは神経質な動きとなりそうだ。今週に公表された11月消費者物価指数(CPI)は前年比で市場予想をわずかに上回ったものの、変動の激しい項目を除外したトリム平均は前回から鈍化。市場では豪準備銀行(RBA)理事会が次回会合(2月17-18日)で利下げに動くとの思惑も広がりつつあるが、次回の理事会までにはまだ物価統計の公表が控えているため、豪利下げ期待を手掛かりにした売りの流れが強まるかは不透明だろう。ブロックRBA総裁が「RBAは月次データよりも四半期データをより注意深く監視している」と述べていることもあり、29日公表の10-12月期CPI(同日には12月CPIも発表予定)の結果を待ちたいところだ。
来週は豪州から14日に1月ウエストパック消費者信頼感指数、16日に12月雇用統計が発表予定。特に注目となるのが雇用統計であり、RBAは以前から労働市場がひっ迫している影響から賃金上昇によるインフレ圧力が高まることを強く警戒している。11月雇用統計では新規雇用者数および失業率がいずれも市場予想より強い結果となったことで豪ドル買いの反応が見られたが、今回の雇用統計で労働環境のひっ迫に改善の兆しが見られるか確認しておきたい。
また、来週は米国でも12月CPIの発表が控えている。米国ではトランプ次期政権の関税政策によるインフレ再燃リスクが高まっており、それに伴って米10年債利回りが昨年4月以来の水準まで上昇している。CPIの結果次第では米金利およびドル相場が振らされる可能性もありそうだ。豪ドルも対ドルを中心に影響を受けることが予想されるため注意が必要となるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重い展開が予想される。来週も南アフリカからは特段のイベント・経済指標の発表などは予定されておらず、ドル相場などの外部要因に振らされることになるだろう。南アでは燃料価格の下落に加えて、警戒されていた食料品価格の上昇が想定よりも穏やかであったことから、市場では南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)の利下げ余地が拡大したとの思惑が広がっている。米国の利下げ観測が後退していることで米・南ア間の金利差縮小が一段と進むとの見方から、対ドルを中心にZAR売り圧力が強まることもありそうだ。また、高止まりしているドル円に関しても徐々にではあるが高値警戒感や介入警戒感が意識されつつあり、来週以降のZAR円などクロス円全般の重しとなる可能性にも注意しておきたい。
1月6日週の回顧
豪ドルは伸び悩み。週初の6日はトランプ次期米大統領の関税政策を巡って対ドルを中心に上下する場面があったものの、その後は米長期金利の上昇に伴って次第に上値が重くなった。対ドルでの売りが波及する格好となり、豪ドル円も99円台前半から97円台後半まで押し戻された。
ZARも週初こそ買いが入る場面があったものの、米金利の上昇とともに対ドルで売りに押され、昨年6月以来の安値を更新。ZAR円も8.4円台を中心とするレンジ内の推移ではあったが、上値の重さが目立った。
◆ポンド、英長期債の動向次第で不安定に
◆ポンド、CPIや鉱工業生産など重要指標に注目
◆加ドル、トルドー首相の後継争いで動意付くことも
予想レンジ
ポンド円 191.50-197.50円
加ドル円 108.00-112.00円
1月13日週の展望
英国からは週半ば以降に消費者物価指数(CPI)や国内総生産(GDP)、鉱工業生産や小売売上高など重要な経済指標が発表される。それまでは、今週ポンド売りのきっかけとされた英長期債の動向を見極めながらの取引となりそうだ。今週、英10年債利回りは2008年の金融危機以来の水準、30年債利回りは1998年以来の水準まで大幅に上昇した。
英長期債の急落(金利は上昇)は、スターマー英首相率いる労働党政権が昨年10月末に発表した予算案がきっかけだ。大型増税とともに過去最高に近い借入れ計画が明らかになり、英政府の財政拡大の方針を受けた債券需給の緩みが懸念され続けている。リーブス財務相は財政規律の順守を訴えたが、借入コストの上昇は更なる増税や支出計画の削減に繋がると危惧する声も高まってきた。経済成長のブレーキになり兼ねない悪い金利上昇の流れを、今のところ英政府には止める術が無いと市場では認識されている。ポンドの戻りも限られた幅となりそうだ。
経済指標では、15日に12月英インフレ指標が発表予定。今年最初の英中銀金融政策委員会(MPC)の結果発表は2月6日であり、今回のCPIはMPCの重要な判断材料になるだろう。前回のCPIは前年比2.6%と2カ月連続の加速、約8カ月ぶりの高水準だった。足もとで、市場は今年8回開催されるMPCで「0.25%の利下げは2回のみ実施」を見込んでいる。英長期金利が大幅に上昇しているなか、インフレの内容次第では利下げペースの更なる減速が取り沙汰されるかもしれない。
その他、16日発表の11月GDPは3カ月ぶりにプラス成長となるか、同月鉱工業生産も低空飛行から浮上できるかがポイント。12月小売売上高ではクリスマス商戦の結果が明らかとなる。
カナダからは12月住宅着工などの経済指標が複数発表されるが、インパクトはどれも強くない。そのため週前半は最新の労働データを受けた動きが持ち越されそうだ。前回11月分が新型コロナ禍を除き8年弱ぶりの高水準だった失業率への市場の反応が長引いてもおかしくない。
また、今後カナダの新首相誕生に向けた動きも加ドル相場の動意に繋がる可能性はある。トルドー加首相は6日、首相と与党・自由党の党首辞任を発表した。カナダ議会が3月下旬まで休会され、その間に自由党は次の首相に就く新党首の選出を進める。有力候補が掲げる経済・財政政策は金融市場にとってもちろん注視すべきことであるが、今回はまもなく就任するトランプ米大統領と渡り合える力量があるかも見据えるべき重要なポイントだろう。
1月6日週の回顧
ポンドは対円で週前半に円安の流れに沿って198円前半まで大幅に上昇も、週半ば以降は上値が重く193円半ばまで下落した。対ドルでは1.25ドル後半を頭に1.2230ドル台まで反落。英長期債の下落圧力が強まり、ポンド売りにも繋がった。
加ドルは対円で108円後半から一時110円半ばまで買われた。対ドルでも1.44加ドル半ばから1.4290加ドル台まで加ドル高に振れる場面があった。トルドー首相の辞任で新たなリーダー選出への期待感が支えとなった。
◆ドル円、トランプ米政権の関税政策巡る報道に引き続き警戒
◆CPIや小売売上高など米重要指標が目白押し
◆ユーロドル、欧州景気悪化懸念から軟調な動き
予想レンジ
ドル円 156.00-162.00円
ユーロドル 1.0000-1.0450ドル
1月13日週の展望
ドル円は、トランプ次期米大統領による関税政策に対する思惑や米重要指標の発表を受けた長期金利の動向に大きく左右されそうだ。
トランプ米政権発足が20日に迫るなか、今週も関税政策に関する報道がドルや米金利相場を動意づかせた。6日には米ワシントン・ポスト紙が「次期政権は、インフレを再燃させる懸念もあるため、関税引き上げの対象を、国家安全保障などに影響する重要分野に限定する計画を検討」と報じたためドルが下落したが、トランプ氏がすぐにこの報道を否定。8日には「同盟国にも敵対する国にも一律に関税を課すために、国際緊急経済権限法=IEEPAを使うことを検討」と伝わったため、米10年債利回りは一時4.72%台と昨年4月以来の高水準を付けた。ただ、IEEPAに関しては政権移行チームの間でもさまざまな手段が模索されており、最終決定ではないとされている。引き続きトランプ関税を巡る思惑がドル相場を左右するだろう。
また、来週は14日に12月卸売物価指数(PPI)、15日に12月消費者物価指数(CPI)、16日に12月小売売上高、17日に12月鉱工業生産など重要指標が目白押しとなっている。トランプ政権による関税政策によりインフレが続くとの警戒感は根強いほか、米連邦準備理事会(FRB)高官からも利下げに慎重な発言が相次ぐなか、強い指標結果に対する反応が大きくなりそうだ。現時点で、今年の米利下げ回数は1-2回に留まるとの見方だが、引き締め政策へ転換する可能性も考慮しておきたい。
ユーロドルは、ドイツを中心に欧州の景気悪化懸念が高まるなかで軟調な動きが続きそうだ。今週発表された11月独小売売上高は年末商戦の効果なく低調な結果となったほか、11月独製造業新規受注も民間航空機および部品の大幅減を受けて悪化。欧州経済の先行きに対する警戒感が一段と広がっている。また、英財政悪化懸念からポンドが大きく売られており、ユーロもつれ安となる可能性がある。チャート上でも、ユーロドルは約2年間続いたレンジを下抜け、目立った下値目処はパリティ(1ユーロ=1ドル)までないような状況。仕掛け的な売りも出やすいだろう。
1月6日週の回顧
ドル円は下値が堅い。第2次トランプ米政権の関税政策を巡る報道を受けて週明けには一時156.24円まで急落したが、トランプ氏が報道否定すると反発。米長期金利の上昇も支えに8日には一時158.55円と昨年7月17日以来の高値を付けた。
ユーロドルは上値が重い。週前半はドル安が進んだことで一時1.0437ドルまで買戻されたものの、欧州の景気悪化懸念から買いは続かなかった。米金利上昇も嫌気され一時1.0273ドルまで下押しした。
10日の日経平均は大幅に3日続落。終値は414円安の39190円。米株市場が休場で寄り付きは小幅な下落にとどまったが、すぐに下げ幅を3桁に拡大。決算を発表したファーストリテイリング<9983.T>が派手に売られたことから、その影響を大きく受けた。10時近辺では下げ幅を400円超に拡大。前引けにかけていったん値を戻したものの、後場に入ると売り直され、安値圏で取引を終えた。TOPIXは安値引け。一方、グロース250指数は売りが先行したものの早々にプラス圏に浮上しており、終値でもプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆2800億円。業種別ではその他製品、金属製品、精密機器などが上昇した一方、海運、輸送用機器、医薬品などが下落した。MBOに関して、米アポロ社の出資検討観測が報じられたセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>が後場急伸。半面、決算を材料に売られたファーストリテイリングは6.5%安で終え、1銘柄で日経平均株価を約301円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり438/値下がり1132。主力どころではアドバンテストが5%を超える上昇と、動きの良さが目立った。野村マイクロやカバーが商いを伴って急伸。決算が好感されたイートアンドHDや明光ネットワークが大幅高となり、上方修正を発表した久光製薬が15.1%高と値を飛ばした。
一方、トヨタ、三井住友、日立などが軟調。前日大幅安となった日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社が連日で売りに押された。インフルエンザ治療薬「タミフル」の供給調整を始めたとの観測が報じられた中外製薬が3%を超える下落。イオンモールやイオンFSなどイオン系の銘柄が決算を材料に大きく売られた。
日経平均は大幅に3日続落。ファーストリテイリングの大幅安で説明のつく下げではあるが、プライムでは値下がり銘柄が多く、他の銘柄をアグレッシブに買いに行く動きは限られた。
来週は米国で決算発表が出始める。先陣を切るのはシティグループ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスなど金融株。2024年の米国株は、通年でダウ平均がプラス12.9%、S&P500がプラス23.3%、ナスダックがプラス28.6%と、3指数がいずれも良好なパフォーマンスとなった。2025年も米国株がさらに上を試せるかを探る意味でも、決算に対する反応は注目される。反応が良ければ、米国株の上昇基調継続に対する期待が高まる。一方、好決算でも株価の反応が案外であったり、失望決算が相次ぐようだと、高値警戒感が意識される。来週はこれらの決算を消化しながら、日本でも銀行株や保険株など金融株の注目度が高まるだろう。
【来週の見通し】
上値の重い展開か。月曜が休場で立ち合いは4日。翌週20日に米国でトランプ氏の大統領就任式が予定されており、就任式が近づくにつれて身構える動きになっていくと思われる。国内はやや材料難。米国では決算発表がスタートするほか、12月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高など注目の経済指標がいくつか出てくる。そのため、米国要因に振らされる場面が多くなるだろう。米指標がインフレへの警戒を和らげる内容となれば、米国株には追い風となる。ただし、その場合には米長期金利が低下して為替は円高(ドル安)に振れる可能性が高い。逆にインフレへの警戒が高まって円安(ドル高)が進むケースでは、介入に対する警戒が浮上してくる。色々と気を揉む要素が多く、日本株は買い手控えムードの強い地合いが続くと予想する。
<国内>
○成人の日の祝日で休場
<海外>
○06:45 ◎ 11月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○未定 ◎ 12月中国貿易収支(予想:998億ドルの黒字)
○12:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 11月トルコ経常収支(予想:31.0億ドルの赤字)
○17:00 ◇ 12月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲37.8)
○19:30 ◎ 12月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.30%)
○14日04:00 ◎ 12月米月次財政収支
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末のドル円は、良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。ただ、米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、日通し安値となる157.23円まで売り込まれた。ユーロドルは雇用統計後に、1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。
本日のアジア市場でドル円は、東京市場が成人の日で休場のため流動性の悪化が想定される。そのため振幅が激しくなるだろうが、上値は限られるか。
先週の12月米雇用統計後は、ドル円の上値の重さを確認した形となった。雇用統計の結果を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ停止観測が燻り、米金利の上昇による株安がドル円の重しに。また、英国を中心に欧州圏も財政不安が懸念されていることで、欧州通貨も買いにくい状況だ。消去法的に、ドル以外の通貨では円が買われやすくなっている。
本邦国内要因でも、日銀が利上げの地ならし記事を流しているとの憶測も円買いに傾きやすいだろう。一部通信社が先週、日銀関係者筋の話として「コメ価格上昇と円安を踏まえ物価見通しの引き上げを検討」「日銀がコアコアCPIの見通しを上方修正する公算」などと報じた。また、本日付の日経新聞電子版でも日銀が「長引くコメの価格高騰に神経をとがらせている」などと報じている。
ただし、今週は日銀から2つの注目イベントがあるため、それを確かめるまでは一方向に動きにくいか。1つ目は、明日14日には氷見野良三日銀副総裁が横浜市で金融経済懇談会に出席し、同日午後に記者会見を行うこと。2つ目は、16日に日銀が12月の企業物価指数が発表し、注目の輸入物価指数も公表されることだ。これらで、今月末の金融政策決定会合の方向性を探ることになり、それまでは手控えムードになるかもしれない。
ドル円以外では、市場を先導している欧州通貨が引き続き今週も大きな値動きとなりそうだ。もっとも、アジア時間ではトレンドを作るほどの値動きを期待するのは難しく、欧州入りを待つ展開になるだろう。
なお、アジア時間では中国の貿易収支が発表される。指標結果や中国人民銀行の人民元取引・基準値などにも目を向けたい。今年の年初はCNH(人民元)の対ドルの動きが市場を先導していた。東京休場で円相場の動きが鈍る可能性は高く、本日は人民元の動向が再び注目されるかもしれない。
先週末の海外市場では、極めて強い米雇用統計を受けて全般ドル買いで反応したわけですが、ドル円はかなり不安定な上下を繰り返すことになりました。
欧州時間には一部で「日銀がコアコアCPIの見通しを上方修正する可能性がある」と報じられたことから157.63円まで下落。9日の安値157.58円が目先の目処として意識されるとその後は再び下値を切り上げる展開に。
NY時間に入って12月米雇用統計が予想を大幅に上回る強い数字となると米10年債利回りが一気に4.7860%まで急騰。つれるかたちで158.87円まで買い上げられました。ただ、その後は「強すぎた」米雇用指標を受けてダウ平均が750ドルを超える急落となったほか、日経平均先物も一時38600円台まで大幅な下落となるなか、リスクオフから157.23円まで下落。引けにかけては157.99円まで買戻されて慌ただしい値動きとなった週末の取引を終えています。
いずれにしても、ドル円は、昨年7月11日、12日の介入後の戻り高値として意識されていた7月16日の高値158.86円付近が目先の目処として意識されていたからこそ、「利食い売り」が出やすかったともいえ、短期的な達成感もあったのも事実。ただ、あくまでも利食いであって、ドル高に対する方向性に変化はなく、引き続き値固めをしながらの動きといったところです。目先は一目転換線が位置する157.56円や先週末安値の157.23円が意識されています。
週明けのロンドン為替市場では、先週末のニューヨーク市場で強まった米金利上昇を背景としたリスク回避の動きが継続するか見極めながらの取引。週明けアジアの株式市場も総じて弱く始まり、時間外のCME日経平均先物も先週末安値を割り込んで下げ幅を広げた。アジア朝に強含む場面もあったクロス円は再び水準を切り下げている。
まずは、時間外の米10年債利回りがどのように始まるかがポイント。10日に発表された12月米雇用統計が想定以上に強かったことを受け、米・中長期金利は上昇力を強めた。そういったなか、今週半ばには同月消費者物価指数(CPI)が発表予定。市場が警戒しているのは、先週末に急速に広まった「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止観測」を後押しする結果がでること。インフレ動向を確認するまでは米金利の上昇基調は継続され、ドルの欧州通貨に対する強含みに繋がりそうだ。
米債券が売られると(利回りは上昇)、より影響を受けやすいのが英長期債。先週は、英政府の財政拡張方針を受けた需給の緩みが懸念され、英長期債売りが一気に進んだ。英債価格の下落が重しとなったポンドは、週明けも地合い弱いまま対円や対ドルで先週末安値を割り込んでいる。「労働党政権は財政をコントロールできず」との思惑が広がれば、ポンドの下値余地が更に広まってもおかしくはない。
またエネルギー価格の動向にも注意しておきたい。10日の原油先物相場は急騰し、週明け時間外でも買い優勢。バイデン米政権は先週末、ロシアの石油業界に対して新たな制裁を発表した。制裁対象となる石油タンカーの数が倍に増える見通しとなり、供給混乱への警戒感が高まっている。エネルギー価格上昇から想定外のインフレ上昇は、欧州景気にとって好ましいものではないだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0326ドル
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、2022年11月11日安値1.0163ドル
・ポンドドル、2023年10月26日安値1.2070ドル
2024年12月の米国の失業率は4.085%(※四捨五入4.1%)となり、11月の4.231%(※四捨五入4.2%)から低下した。就労者数は47.8万人増となり、11月の35.5万人減から増加した。
非農業部門雇用者数は、前月比+25.6万人の増加となり、11月は速報値の+22.7万人から+21.2万人へ下方修正(▲1.5万人)され、10月は改定値の+3.6万人から+4.3万人へ上方修正(+0.7万人)されたことから、合計で8000人の下方修正となった。
12月の雇用統計は、バイデン米大統領に失業率とインフレ率の低下という有終の美を飾らせたが、第2次トランプ米政権での関税や減税などの不確実性が企業の採用活動を抑制する可能性には要警戒となる。
また、2月7日に公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値が、昨夏の速報値(81万8000人の下方修正)からさらなる下方修正が警戒されている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、1月28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのFF金利誘導目標4.25-50%の据え置きはほぼ確実視され、2025年全体の利下げ見通しも1回(4.00-25%)に減っている。
2021年の非農業部門雇用者数は724.5万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.4万人の増加だった。2022年の月平均は37.7万人の増加、2023年平均は25.1万人の増加、2024年平均は20.3万人の増加となった。
1.家計調査(Household survey):失業率を算出(※6万世帯)
12月の失業率は4.085%(※四捨五入4.1%)となり、11月の4.231%(※四捨五入4.2%)から低下した。労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.5%となり、恒久的な失業者が減少(▲23.5万人)し、就業者数が47.8万人増加したことも示された。
失業者数は688.6万人となり、11月の712.1万人から23.5万人減少したものの、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億6854万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約392万人上回っている。
・不完全雇用率(U6):7.5%(11月7.7%、10月7.7%、9月7.7%:2020年5月21.1%)
(フルタイム雇用を望みながらパートタイム職に就いている労働者を含む広義の失業率)
・労働参加率:62.5%(11月62.5%、10月62.5%、9月62.7%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):155.1万人(11月165.4万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:6.1%(11月6.4%、10月5.7%、9月5.7%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率は景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向)
2.事業所調査(Establishment survey):非農業部門雇用者数(Non-Farm Payroll)(※12.2万の会社・政府機関)
12月の非農業部門雇用者数は、前月比+25.6万人の増加となり、48カ月連続での雇用拡大となった。平均時給は前月比+0.3%の35.69ドルとなり、11月の+0.4%を下回り、前年同月比は+3.9%となり、11月の+4.0%を下回った。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比+0.4%で、11月の+0.5%を下回り、前年比は+5.0%となり4カ月ぶりの低い伸びとなった。
3. サーム・ルール( Sahm Rule)=0.40%
FRBの元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱したもので、失業率の「3ヵ月移動平均」と「過去1年間の最低水準」の差が0.5%以上上昇した場合、1年以内にリセッション(景気後退)入りするとの説であり、過去50年間のリセッションで有効だった。12月は0.40%となり、11月と10月の0.43%、9月の0.50%、8月の0.57%、7月の0.53%から低下傾向にあり、リセッションへの警戒感が後退した。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月財政赤字を見極める展開が予想される。
先週末のダウ平均は696ドル下落し、米10年債利回りは4.78%台まで上昇し、ドル円はリスク回避の円買いで157円台まで反落した。本日も、同様な株安、債券安、ドル安・円高の流れが続くのか否かに注目しておきたい。
また、今年1月1日に米国の債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示している。
米国政府が新たな借り入れができずにデフォルト(債務不履行)に陥ることを防ぐには、昨年12月のつなぎ予算案に、トランプ次期米大統領が盛り込もうとした上限の引き上げか効力停止が必要となる。
しかし、共和党の保守強硬派の反対で上限引き上げや効力停止の案は退けられており、20日のトランプ次期米大統領の就任式の後で、債務上限問題が復活することになる。
トランプ次期米大統領は「デフォルトが起これば、世界恐慌が始まった1929年のようになるかもしれない」と警告しているが、共和党の保守強硬派が大幅な歳出削減を求めており、早期解決は困難な情勢となっている。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の赤字(10月・11月)は6242.13億ドルとなり、コロナ禍の時期を上回り、同期間としては過去最高を記録した。
本日発表される12月の財政赤字次第では、同期間としては過去最高を記録する可能性があることで、トランプ関税や減税による財政赤字の拡大懸念が高まることになる。
また、米国債の利回り上昇により、2024年度の連邦政府の公的債務利子が1.2兆ドルとなっていた。発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、158.87円(1/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、156.24円(1/6安値)
今週のNY市場は物価指標と決算発表に注目。先週はダウ平均が1.86%安、S&P500が1.94%安、ナスダック総合が2.34%安と3指数がそろって2週続落した。12月ISM非製造業PMIなどの経済指標が予想を上回る強い結果となったことや、トランプ次期政権の輸入関税引き上げ方針を背景としたインフレ高進見通しを背景に米10年債利回りが上昇したことが重しとなる中、週末金曜日に発表された12月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく上回ったことや失業率が予想に反して改善したことで、年内の利下げ期待が後退したことや、米10年債利回りが一段と上昇し、2023年11月以来となる4.763%に上昇したことが相場の重しとなった。金利上昇の影響をより大きく受ける小型株指数のラッセル2000は3.49%安と3週ぶりの大幅反落となった。利下げ見通しを巡ってはCMEのフェドウォッチ・ツールの1月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は97%となり、3月FOMCでの金利据え置き確率も1週間前の52%から78%に上昇した。
今週は利下げ見通しを巡り12月生産者物価指数(PPI)や12月消費者物価指数(CPI)などの物価指標に注目が集まるほか、JPモルガン・チェースなどの大手金融機関を皮切りに発表がスタートする第4四半期決算に注目が集まる。水曜日に発表される12月CPIは前月比+0.3%と11月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.8%と11月の+2.7%から上昇が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%と11月の+0.3%から減速が見込まれているが、前年比では+3.3%と11月から横ばいが見込まれている。火曜日発表の12月PPIは前年比+3.4%と11月の+3.0%から伸びの加速が見込まれ、前月比では+0.3%と11月の+0.4%から鈍化が予想されている。CPIなどが予想を上回る伸びとなれば利下げ期待の一段の後退が相場の重しとなりそうだ。このほかの経済指標は新規失業保険申請件数、12月小売売上高(以上、木曜日)、12月建設許可件数、12月住宅着工件数、12月鉱工業生産(以上、金曜日)など。決算発表は水曜日にJPモルガン・チェース、ブラックロック、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、木曜日にユナイテッドヘルス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、金曜日にSLB, ステート・ストリート、リージョンズ・ファイナンシャルが発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは12月雇用傾向指数、12月財政収支など。主要な企業の決算発表はなし。
HSBCグローバルリサーチでアジア担当チーフエコノミストを務めるフレデリック・ニューマン氏はこのほど、日本を除いたアジア地域の経済成長率が2025年は4.4%となり、24年の4.6%から鈍化するとの見方を示した。成長の中心は東アジアから東南アジアや南アジアにシフトするとした。うち、中国の経済成長率は4.5%になると予想。米国の関税引き上げや世界的な需要低下を背景に輸出が低迷するとみており、中国政府がさらに多くの景気対策を打ち出したとしても、成長は鈍化すると予想した。『明報』が13日伝えた。
ニューマン氏は、アジア地域では向こう1年にわたって米ドル高や関税リスクが経済成長を下押しすると予想した。ただ、タイやシンガポール、フィリピン、マレーシア、インドネシア、日本など、国内消費支出に支えられている経済体は粘り強さが期待できるとした。
今週の日経225先物は、米国市場の動向を睨みながらショート優勢の展開が警戒されやすくなりそうだ。10日の米国市場では主要な株価指数が下落し、NYダウは昨年11月以来の水準まで下げた。注目された12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25万6000人増と市場予想(16万5000人増程度)を上回り、失業率は4.1%(前月は4.2%)に低下したことで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が強まった。
また、1月の米ミシガン大学消費者信頼感指数で、1年先のインフレ期待が3.3%、5-10年先のインフレ期待も3.3%と予想を上回る伸びとなり、インフレ高止まりの懸念が強まった。1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が後退したほか、次回3月の会合についても政策金利の据え置き観測が高まっている。
NYダウは昨年11月の米大統領選前の水準まで下げており、トランプ次期政権の政策期待により上昇した分を帳消しにした。仕切り直しが意識される一方で、来週20日の大統領就任式を控えて、就任直後に発表されるトランプ関税に市場の関心が集まりやすい。東京市場でも積極的なロングは手控えられ、戻りの鈍さが意識される局面ではショートに振れやすくなりそうだ。
先週の日経225先物は7日に一時4万0320円まで買われたものの、その後は3日続落し週末には3万9160円まで売られ、3万9250円で日中取引を終了。10日の取引終了後のナイトセッションでは3万8770円で終えており、一時3万8630円まで下げ幅を広げる場面もみられている。
これにより75日移動平均線(3万8940円)を明確に割り込み、200日線(3万8530円)が射程に入ってきた。週明けの日経225先物は200日線を捉える形で、ギャップダウンで始まることが警戒される。週間形状では13週線(3万8940円)を割り込んでおり、足もとで支持線として機能している52週線(3万8370円)を試す展開がありそうだ。
また、ボリンジャーバンドでは‐2σ(3万8670円)を下回ったことで、‐3σ(3万8300円)が射程に入ってきている。売られ過ぎが意識されるものの、収斂していたバンドが拡大に転じることで、瞬間的に下へのバイアスが強まる可能性がある。-2σ水準では押し目狙いのタイミングになるが、イレギュラー的な下落には警戒が必要だろう。パラボリックのSAR値は200日線水準に位置しているため、陰転シグナルが発生する可能性もある。
そのほか、一目均衡表ではナイトセッションで雲上限まで下げてきた。週半ばには3万8800円辺りに位置する雲がねじれを起こす。先行スパンがクロスするタイミングでは雲が薄くなるためトレンドが出やすく、同水準を明確に下放れる局面ではショートの勢いが強まる可能性があるだろう。
そのほか、7日に米国ロサンゼルスで発生した山火事は鎮火のめどがたたず、1万棟以上が消失し、被害総額は日本円で20兆円を超えるとの見方が伝えられている。経済への影響が警戒されることも、積極的な売買を手控えさせよう。
そのため、200日線や-3σの水準では、いったん押し目狙いのロングを意識しつつも、ポジションを積み増す動きは限られそうであり、ヘッジを考慮しての対応に向かわせそうである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.43倍と週間では上昇した。全体としては不安定な相場展開ながら、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が最高値を更新するなど、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が日経平均型を支えた。
週明けは下へのバイアスが強まる影響を受けることになろうが、前週には9日に一時14.48倍まで切り上がり、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回ってきている。方向性としては上向きのトレンドであり、弱含む局面ではNTロングでのスプレッドを狙ったポジションを組成するタイミングになりそうだ。
10日の米VIX指数は19.54に上昇した。前週は25日、200日線水準を支持線とした上昇により75日線を突破。同線から上放れる形状となった。一時20.31と20.00を上回る場面もみられており、市場心理をやや神経質にさせそうである。
12月第5週(12月30日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は2185億円(12月第4週は9381億円の買い越し)だった。なお、現物は657億円の売り越し(同4956億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は1528億円の売り越し(同4425億円の買い越し)。個人は現物と先物の合算で1315億円の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で313億円となり、2週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、13日に中国12月貿易収支、14日に11月国際収支、12月景気ウォッチャー調査、米国12月生産者物価指数、15日に米国12月消費者物価指数、米国1月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、16日に12月国内企業物価、米国12月小売売上高、米国12月輸出入物価指数、17日に中国12月小売売上高、中国10-12月期GDP、中国12月鉱工業生産指数、中国1-12月固定資産投資、米国12月住宅着工件数、米国12月鉱工業生産指数などが予定されている。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.32円(13日15時時点比▲0.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.75円(▲0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0218ドル(▲0.0001ドル)
FTSE100種総合株価指数:8224.19(前営業日比▲24.30)
ドイツ株式指数(DAX):20132.85(▲81.94)
10年物英国債利回り:4.885%(△0.047%)
10年物独国債利回り:2.613%(△0.018%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイスSECO消費者信頼感指数
▲30.3 ▲37.2
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。欧州株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行。22時30分前に一時156.92円と日通し安値を付けた。時間外のダウ先物やシカゴ日経平均先物の下落も相場の重しとなった。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、157.79円付近まで下げ幅を縮めた。前週末に発表された12月米雇用統計が予想を上回ったことで、週明けのNY市場でも米利下げ観測の後退を背景に円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けたことも相場を下支えした。
市場では「ドル高に対する方向性に変化はなく、値固めをしながらの動きとなっている」との声が聞かれた。
・ユーロドルは下げ渋り。米国経済の強さを踏まえて、米連邦準備理事会(FRB)による年内の追加利下げ観測が後退する中、ユーロ売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。市場では「米国とユーロ圏の経済の強さや金融政策の差を意識したユーロ売り・ドル買いが出た」との声も聞かれ、18時30分前には一時1.0178ドルと22年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
ただ、売り一巡後はショートカバーがやや優勢となり、22時30分過ぎに一時1.0221ドル付近まで持ち直した。もっとも、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。
・ユーロ円は下げ渋り。ユーロドルの下落につれた売りが出ると一時160.04円と昨年12月19日以来の安値を付けたものの、同日安値159.86円や12月18日の安値159.82円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ドル円の持ち直しにつれた買いも入り、1時30分過ぎには160.98円付近まで下げ渋った。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。米利下げ観測の後退を背景に前週末の米国株が大幅に下落すると英株にも売りが波及した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は4日続落。本日のアジア市場では上海や香港など主要な株式相場が下落。米株価指数先物も下げ、投資家がリスク回避の姿勢を強めると株売りが広がった。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(2.15%安)やアディダス(2.05%安)、ボノビア(1.70%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
日本時間4:00に発表される予定だった12月米財政収支は日本時間15日04:00に変更された。
中国の税関総署が13日に発表した2024年12月の米ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比10.7%増となった。市場予想(7.3%増)から上振れし、前月の6.7%増から加速した。一方、輸入は1.0%増で、市場予想(1.5%減)を上回り、前月の3.9%減からプラス成長に転じた。貿易黒字は1048億4000万米ドルで市場予想の998億米ドルを上回った。
人民元建てでは、輸出が10.9%増、輸入が1.3%増。前月実績はそれぞれ5.8%増、4.7%減だった。貿易黒字は7529億1000万元。
中国汽車工業協会(CAAM)はこのほど、2024年の自動車生産台数が前年比3.7%増の3128万2000台、販売台数が同4.5%増の3143万6000台だったと発表した。生産台数、販売台数ともに前年に続いて3000万の大台を超え、過去最高を記録した。『経済通』が13日伝えた。
新エネルギー車(純電気車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)の新車販売台数は35.5%増の1286万6000台。自動車販売台数全体の40.9%を占め、比率は前年から9.3ポイント拡大した。
12月の新車販売台数は前年同月比10.5%増の348万9000台だった。前月比では5.2%増えた。新エネルギー車の新車販売台数は前年同月比34%増の159万6000台に上り、自動車販売台数全体の45.8%を占めた。
ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は12月に3.0%と前回と同じとなった。また、3年後のインフレ期待は3.0%と前回の2.6%から上昇した一方、5年後のインフレ期待は2.7%と前回の2.9%から低下した。
13日10:17 中国人民銀行
「クロスボーダー融資のマクロプルーデンシャル調整パラメータを1.5から1.75に引き上げる」
「人民元レートは合理的でバランスの取れた水準を維持」
13日11:14 潘功勝・中国人民銀行(PBOC)総裁
「十分な流動性を維持するために、金利と 預金準備率(RRR)ツールを活用する」
「中国は財政赤字を拡大する計画を再確認した」
「中国は今後も世界経済の原動力であり続けるだろう」
「政策の焦点は投資と消費に移るべき」
「中国の経済発展には課題が残っている」
「国民の消費需要の喚起に重点が置かれる」
「香港金融当局が外貨基金を使ってオフショア人民元市場を補充することを支持する」
13日16:21 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「インフレ率は想定通りに低下している」
「政策金利の方向性は明らか」
「ディスインフレは明白」
「利下げ幅やペースはデータ次第」
「ECBの利下げは、FRBの金融政策とは無関係に行うべき」
「利下げを継続することは理にかなっている」
13日17:47 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「市場の欧州中央銀行(ECB)の利下げ見通しは正しい」
「ECBは利下げを加速させることはない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 11月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前2兆6911億円の黒字/季節調整済2兆5781億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:346億円の赤字)
○10:30 ◎ 氷見野良三日銀副総裁、あいさつ
○14:00 ◇ 12月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数49.5/先行き判断指数49.9)
<海外>
○08:30 ◇ 1月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:35 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:35 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○17:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米PPI(予想:前月比0.3%/前年比3.4%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.8%)
○24:00 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
○15日04:00 ◎ 12月米月次財政収支(予想:800億ドルの赤字)
○15日05:05 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.48円(前営業日比▲0.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.32円(▲0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0245ドル(△0.0001ドル)
ダウ工業株30種平均:42297.12ドル(△358.67ドル)
ナスダック総合株価指数:19088.10(▲73.53)
10年物米国債利回り:4.78%(△0.02%)
WTI原油先物2月限:1バレル=78.82ドル(△2.25ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2678.6ドル(▲36.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら3日続落。時間外のダウ先物やシカゴ日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行。22時30分前に一時156.92円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、5時前には157.82円付近まで持ち直した。前週末に発表された12月米雇用統計が予想を上回ったことで、週明けのNY市場でも米利下げ観測の後退を背景に円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けたことも相場の支援材料。
市場では「ドル高に対する方向性に変化はなく、値固めをしながらの動きとなっている」との声が聞かれた。
・ユーロドルはほぼ横ばい。前週末の米雇用統計を受けて米利下げ観測が一段と後退する中、ユーロ売り・ドル買いが出た。欧州市場序盤には一時1.0178ドルと22年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。市場では「米国とユーロ圏の経済の強さや金融政策の差を意識したユーロ売り・ドル買いが出やすい」との声も聞かれた。
ただ、売り一巡後はショートカバーが優勢となり、取引終了間際には1.0247ドル付近まで持ち直した。
・ユーロ円は5日続落。日本時間夕刻に一時160.04円と昨年12月19日以来の安値を付けたものの、同日安値159.86円や12月18日の安値159.82円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ドル円の下げ渋りやユーロドルの持ち直しにつれた買いが入り、取引終了間際には161.37円付近まで下値を切り上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。前週末に昨年11月上旬以来の安値を更新したあとだけに、短期的な戻りを期待した買いが入った。キャタピラーやアムジェンなどが上げたほか、ユナイテッドヘルス・グループが堅調に推移し1銘柄でダウ平均を131ドル程度押し上げた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落。米長期金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。前週末の米雇用統計を受けて米利下げ観測が一段と後退する中、この日も売りが続いた。利回りは一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は3日続伸。米国がロシアに対して追加制裁を発表し、原油の供給混乱への懸念が高まったことが買いを後押した。米政府はロシア石油大手のガスプロムネフチとスルグトネフテガスを新たに経済制裁の対象にし、関連の取引業者や保険会社、タンカーも対象に含めた。
・金先物相場は5日ぶりに反落。米10年債利回りが2023年11月以来の高水準となる4.80%台まで上昇し、金利を生まない金は売りに押された。
昨日のドル円は、時間外のダウ先物やシカゴ日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行し、一時156.92円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、米10年債利回りが一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けたことも相場の支援材料になり157.82円付近まで持ち直した。ユーロドルは、欧州市場序盤には一時1.0178ドルと22年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
本日の東京時間では、東京仲値までにかけては、前日の米金利上昇や値ごろ感からのドル買いが優勢になりそうだ。しかし、先週の米雇用統計後から米長期金利が上昇過程を辿っているが、対円でのドル買いは限定的になっている。英国を中心に欧州圏も財政不安が懸念されていることで欧州通貨も買いにくい状況であり、消去法的にドル以外の通貨では円が買われやすくなっていることや、日銀の利上げ観測が燻っていることは引き続きドル円の上値を抑えそうだ。
本日の東京市場で最も注目されるのは、氷見野良三日銀副総裁の講演になる。氷見野副総裁は横浜市で金融経済懇談会に出席し、午後に記者会見を行う予定になっている。
昨年末の12月25日に日本経済団体連合会審議員会(経団連)で植田日銀総裁が講演を行って以後は、日銀関係者からは市場を動意づけるような発言はほぼ無かった。この間に、本邦から日銀の利上げを促す発言や報道は複数伝わっている。先週末9日の日銀支店長会議では「相応の数の企業が賃上げに前向き」などと春闘を前にして、賃上げを確認できているとの認識を示した。
また、翌10日に日銀の事情に詳しい複数の関係者からの話として、コメを中心とした食料品価格の上振れが主因で「今月開く金融政策決定会合では、コアコアCPIについて、2024年度と25年度の見通しが上方修正となる公算が大きい」と報じられている。市場ではインフレ圧力の警戒を示唆し、賃上げが確認できているとの認識を市場に示し、利上げへの地ならしを行っているとの声もある。
欧米長期金利の上昇の影響もあるとはいえ、先週は新発10年物国債の利回りは2011年5月以来の水準まで上昇した。この状況下で氷見野副総裁がどのような発言をするかが円相場の最大の注目になるだろう。なお、氷見野副総裁は昨年7月の利上げ後の8月の会見では、「経済・物価の見通しが実現する確度が高まっていく、ということであれば、金融緩和の度合いを調整していく、というのが基本的な姿勢」と発言。また、10月には「明らかに実質金利はかなり低い水準にある」「来年の賃金動向に関する情報などが重要」などと発言している。
一方で、利上げに対して否定的なのは、先週9日には11月毎月勤労統計で発表された実質賃金は4カ月連続でマイナス(10月は横ばいから-0.4%に下方修正)になった。過去最大の26カ月連続のマイナスから抜け出せたのが、昨年の6、7月の僅か2カ月であったことで、賃上げにも関わらず実質賃金が減少しているという現状は変わらないことだ。
円以外では、昨日ユーロドルが2022年11月以来、ポンドドルは2023年11月以来の水準まで弱含んだ。ロサンゼルスの火災が欧州の保険大手に約10億ユーロの損失をもたらす可能性があると報じられるなど、欧州圏のネガティブな報道が多いこともあり、ユーロドルはパリティを目指すという声が依然として強い。アジア時間での動意は限られるだろうが、欧州入り後の動きには引き続き警戒したい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38770 -480 (-1.22%)
TOPIX先物 2697.5 -22.5 (-0.82%)
シカゴ日経平均先物 38705 -545
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。米長期金利の上昇が重荷となる場面もみられた。ただし、NYダウは前週末に700ドル近く下落し、昨年11月の米大統領選前の水準まで下げた。トランプ次期米大統領の政策期待により上昇した分を帳消にした後で、自律反発狙いの買いが優勢となった。
NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、アムジェン<AMGN>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、メルク<MRK>など薬品・医療関連株の上昇が目立ったほか、アナリストによる格上げが観測されたキャタピラー<CAT>が買われた。半面、バイデン米政権が人工知能(AI)向け半導体輸出で新規制を発表したことが懸念され、エヌビディア<NVDA>、マイクロソフト<MSFT>、IBM<IBM>、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>などハイテク株の弱さが目立った。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比545円安の3万8705円だった。10日の取引終了後の日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円高の3万9280円で始まり、直後につけた3万9330円を高値に軟化し、3万9000円~3万9290円辺りのレンジでの推移を継続。10日の米国市場の開始直後にレンジを下抜け、一時3万8630円まで売られた。終盤にかけて下げ幅を縮め、3万8770円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになろう。注目された12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25万6000人増と、市場予想(16万5000人増程度)を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が強まった。14日に12月の卸売物価指数(PPI)、15日には12月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、手掛けづらくさせよう。
13日のNYダウは自律反発をみせたものの、シカゴ先物は一時3万8135円まで売られる場面もみられた。売り一巡後の戻りの鈍さが意識されてくると、下へのバイアスが強まる可能性がありそうだ。
日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-1σ(3万9030円)と75日移動平均線(3万8940円)を割り込んだことで節目の3万9000円が抵抗線になるだろう。一方で下値は-2σ(3万8670円)、200日線(3万8530円)が射程に入ってきたが、シカゴ先物の安値にサヤ寄せする動きをみせてくると、いずれも割り込んでくるほか、-3σ(3万8300円)を下回ってくる可能性もある。積極的なロングは手控えられやすく、まずは売り一巡後の底堅さを見極めたいところだろう。
また、来週20日に米大統領就任式を控えて、就任直後に発表されるトランプ関税に関心が集まりやすい。東京市場でも慎重姿勢が強まりやすいため、短期的なショート対応に向かわせそうである。ただし、昨年8月の急落以降は-2σ水準が支持線として機能しており、同水準を割り込んで200日線に接近する局面では、イレギュラー的な動きとして、いったんはリバウンドを想定した押し目狙いのロングでの対応に向かわせよう。
13日の米VIX指数は19.19(10日は19.54)に低下した。前週は25日、200日線水準を支持線とした上昇により75日線を突破。同線から上放れる形状となった。終値では20.00を下回ったものの、一時22.04まで上昇する場面もみられており、市場心理はやや神経質に傾きそうである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.43倍(前日は14.45倍)に低下した。本日は下へのバイアスが強まる影響を受けることになろうが、前週には9日に一時14.48倍まで切り上がり、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回ってきている。75日線(14.36倍)、25日線(14.34倍)辺りで底堅さがみられると、NTロングでのスプレッド狙いを組成するタイミングになりそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比750円安の3万8500円(-1.91%)前後で推移。寄り付きは3万8800円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8705円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。その後、3万9070円まで下げ幅を縮め、75日移動平均線(3万8930円)を回復する場面もみられた。ただし、自律反発を狙ったロングは続かず、再び75日線を割り込んでくると下へのバイアスが強まった。終盤にかけて200日線(3万8520円)を割り込み、一時3万8330円まで下落幅を広げた。
日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ(3万8600円)および200日線を割り込んだことで、売られ過ぎが意識され、自律反発をみせてくる可能性はあるだろう。ただし、-2σ水準を早期に回復できないとショートカバーの動きは期待しづらく、戻り待ち狙いのショート優勢の需給が続きそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。14.39倍で始まり一時14.41倍をつける場面もみられたが、その後は75日線(14.37倍)、25日線(14.35倍)を下回ってきた。25日線辺りで下げ渋るようだと、リバランスの流れからNTロングのポジションを組成する動きが意識されてきそうだ。
本邦勢不在となった週明けのドル円は、株価の下落につれて戻り売り。日経平均先物が一時38135円まで急落となるなか156.92円まで値を下げる場面もみられましたが、NY時間に入って米10年債利回りが4.8026%まで上昇すると157.82円まで買戻されて取引を終えています。アジア時間に入ってからは、一部でトランプ関税について報じられたことから157.12円まで下押したものの、3連休明けの本邦実需勢の買いが断続的に観測されると157.58円まで買戻されました。
仲値後には、注目の氷見野日銀副総裁による神奈川県金融経済懇談会での挨拶の原稿が公表されるや否や、157.19円まで急落。そしてその直後に158.02円まで急伸といった乱高下。157.42円まで下押しした後、157.75円まで再び買戻しと、米系短期勢に「遊ばれている」ような値動きを繰返しています。
いずれにしても、日経平均は昨日安値付近まで深い下押し。目先の下値の目処を確認しているといったところですが、米長期金利が上方向をトライしている以上、ドル円も引き続き下値を固めていくことになりそうです。目先では、昨日安値の156.92円付近、終値ベースでは一目転換線の位置する157.56円付近が意識されています。
本日のロンドン為替市場で欧州通貨は、対ドルでの調整幅を見定める展開となりそうだ。欧州発の重要指標の発表はないものの、複数の金融当局者講演にも目を向けておきたい。
昨日のユーロドルは先週の地合いの弱さを素直に引き継ぎ、欧州前半には2022年11月以来の安値圏となる1.0170ドル台まで売り込まれた。ポンドドルも1.2100ドルと2023年11月1日安値に迫った。もっとも、先週から下げが続いていたこともあり、ニューヨーク時間にはショートカバーが優勢となっている。
ただしユーロドルやポンドドルの反発は、あくまでも調整の域をでないのではないか。米金利先安観が急速に後退していることが要因の1つ。本日の12月米卸売物価指数(PPI)や明日の消費者物価指数(CPI)でインフレ加速が確認されるとの見方が高まりつつあり、ドルは売りづらくなるのではないか。
一方ユーロ圏では、足もとでインフレは下げ渋っているものの欧州中央銀行(ECB)の利下げペースに大きな変化はないとの見方が今のところ優勢。ECBチーフエコノミストでもあるレーン専務理事が昨日、「ディスインフレは明白」と述べ、「利下げを継続することは理にかなっている」との考えを示した。同理事は本日も講演が予定されている。
ポンドについては、英債券への売り圧力が依然として重しとなるか。英10年債利回りは昨日、上昇幅を縮めたとはいえ、引け水準は4.88%台と終値としては2008年以来の高い水準だ。明日発表される12月英インフレ指標を控え、債券相場が不安定な動きとなれば、ポンドの上値は追いづらいだろう。
なお先週末のニュースになるが、リーブス英財務相が訪中し、英中貿易や投資の拡大などに合意したことが報じられている。保護主義色を強めるトランプ米次期政権への対応とも言えるが、政権誕生後にトランプ氏が難癖をつけてくる可能性は十分あるだろう。
他、欧州当局者の講演は、ホルツマン・オーストリア中銀総裁とブリーデン英中銀(BOE)副総裁が欧州前半に予定されている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、9日高値1.0321ドル
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、2022年11月11日安値1.0163ドル
・ポンドドル、昨日安値1.2100ドル
ドル円:1ドル=157.57円(前営業日NY終値比△0.09円)
ユーロ円:1ユーロ=161.44円(△0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0245ドル(横ばい)
日経平均株価:38474.30円(前営業日比▲716.10円)
東証株価指数(TOPIX):2682.58(▲31.54)
債券先物3月物:140.66円(▲0.40円)
新発10年物国債利回り:1.240%(△0.045%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
3兆3525億円の黒字 2兆4569億円の黒字
経常収支(季節調整済)
3兆334億円の黒字 2兆4088億円の黒字
貿易収支
979億円の黒字 1557億円の赤字
12月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 49.9 49.4
先行き判断指数 48.8 49.4
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は乱高下。「トランプ関税についてはまだ検討も承認もされていない」との一部報道が朝方に伝わると一時157.12円まで値を下げた。その後は3連休明けの本邦勢が買いで参入すると下げ渋り、157円台半ばまで持ち直した。氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での挨拶の原稿が公表が公表されると瞬間的に157.19円付近まで下げた後に158.02円まで急反発。ただ、158円台での滞空時間も短く、その後は157円台半ばを中心とした動きとなった。
なお、氷見野日銀副総裁は「来週の会合で利上げを行うかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」「政策変更のタイミングの判断は難しく、かつ重要だ」と述べた。
・ユーロ円も一進一退。日銀副総裁の原稿公表直後に161.11-161.87円の間で上下に激しく動き、その後は161円台半ばで落ち着きを見せている。
・ユーロドルは伸び悩み。トランプ関税への警戒感後退から朝方に買いが強まり、一時1.0277ドルまで上昇した。ただ、一段と買い上げるだけの材料には乏しく、一巡すると1.02ドル台半ばまで上値を切り下げている。
・日経平均株価は4日続落。米政権がAI向け先端半導体を巡る輸出規制見直し案を発表したことを受けて東京エレクトロンなど半導体関連株が軒並み下落した。日銀の利上げ観測も重しとなり、下げ幅は900円に迫る場面があった。
・債券先物相場は続落。日銀の早期利上げ観測が意識されると債券売りが優勢となった。市場では「氷見野日銀副総裁の講演内容は1月利上げの可能性を残すものだった」との指摘があった。
「2024年のインフレは住宅サービスや非市場サービスといった、帰属価格の上昇が主な要因だった。これらは直接測定されるのではなく推計値であり、すべての財とサービスにおける需給バランスを判断する指標としては信頼性が低いと考えている」(ウォラーFRB理事)
1.米連邦準備理事会(FRB)の「長期目標及び政策方針」:PCE価格指数
2012年1月25日のFOMCの終了後に発表された声明文「長期目標及び政策方針(Longer-run Goals and Policy Strategy)」において、「個人消費支出(PCE)価格指数」に基づく年間2%のインフレ率が、長期的に見て連邦準備理事会(FRB)の責務に最も一致した水準だと判断している、と発表した。
FRBが、価格変動が激しいエネルギーと食品を除いた「コア指数」ではなく「総合指数」としたのは、短期的な物価動向を見るにはコア指数が良いが、長期的には総合指数が適切と判断したものと思われる。また、「消費者物価指数(CPI)」を採用しなかった理由は、上方バイアスが生じる傾向にあるからだとされる。
2. 市場ベースPCE価格指数(Market-Based Gauge)
ハト派のウォラーFRB理事は、1月8日の講演で、代替指標である「市場ベースのインフレ」を注視する意義を説明した。ウォラーFRB理事は、インフレの沈静化が継続すると考えており、今年の追加利下げを支持している。
このインフレ指標は、データ収集のプロセスで直接的に価格を測定できず、代わりに推定値を採用せざるを得ないさまざまなサービスが除外されている。
2024年10月と11月の個人消費支出(PCE)コア価格指数は、前年同月比で2.8%上昇していた。一方、市場ベースの指標は5月から11月まで、前年同月比2.4%の上昇率付近でほぼ変わらない。
さらに、ウォラーFRB理事はトランプ関税による物価上昇圧力に関して、「関税がインフレに顕著な、または持続的な影響を与えることはないと私はみており、その予想通りであれば、適切な金融政策に関する私の見解に影響する可能性は低いだろう」と述べている。
■市場ベースPCEから除外される主なカテゴリー
・ギャンブル
・支払いを伴わない金融サービス
・ポートフォリオ管理および投資助言サービス
・生命保険
・医療ケアおよび入院
・自動車その他輸送保険のネット額
・海外旅行保険
大阪3月限
日経225先物 38500 -750 (-1.91%)
TOPIX先物 2683.0 -37.0 (-1.36%)
日経225先物(3月限)は前日比750円安の3万8500円で取引を終了。寄り付きは3万8800円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8705円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。その後、3万9070円まで下げ幅を縮め、75日移動平均線(3万8930円)を回復する場面もみられた。ただし、自律反発を狙ったロングは続かず、再び75日線を割り込むと下へのバイアスが強まった。
前場終盤にかけて200日線(3万8520円)を割り込み、3万8330円まで下落。ランチタイムで3万8560円と同線を回復する場面もみられたがカバーの動きは限られ、後場の取引開始後ほどなくして一時3万8310円まで下げ幅を広げた。終盤にかけて下げ渋る動きをみせたものの、200日線を下回って終えた。
日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ(3万8600円)および200日線を割り込んだことで、売られ過ぎが意識されやすいところであり、自律反発をみせてくる可能性はある。ただし、-2σ水準を早期に回復できないと、戻り待ち狙いのショート優勢の需給が続きそうである。
また、パラボリックが200日線近辺で推移していたSAR値にタッチしたことで、陰転シグナルを発生させた。一目均衡表では雲上限を割り込み、遅行スパンは実線を下回り、下方シグナルを発生させてきた。週後半には雲が3万8800円処でねじれを起こすため、雲を割り込んでくる可能性がある。テクニカルシグナルが軒並み悪化傾向をみせてきており、ショートに振れやすいだろう。
一方で、200日線水準での底堅さから75日線や-1σ水準で推移する3万9000円を回復してくるようだと、調整一巡から短期的にはショートカバーを交えてのリバウンドが意識されてきそうだ。
14日の米国市場では12月の卸売物価指数(PPI)の発表が予定されている。足もとで予想を上回る経済指標の発表が相次いでおり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースは鈍化するとの見方が根強い。PPIの結果次第では15日発表の12月の消費者物価指数(CPI)待ちのセンチメントになりそうだが、結果判明を前にカバーの動きも入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.41倍をつける場面もみられたが、その後は75日線(14.37倍)、25日線(14.35倍)を下回ってきた。25日線辺りで下げ渋る動きをみせてくるようだと、リバランスからNTロングのポジションを組成する動きも入りそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万9646枚、ソシエテジェネラル証券が2万2614枚、サスケハナ・ホンコンが5070枚、JPモルガン証券が3663枚、バークレイズ証券が3363枚、モルガンMUFG証券が3101枚、SBI証券が2772枚、日産証券が1977枚、野村証券が1718枚、ビーオブエー証券が1613枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万8585枚、ソシエテジェネラル証券が2万3194枚、JPモルガン証券が6743枚、バークレイズ証券が6071枚、モルガンMUFG証券が4499枚、ゴールドマン証券が3154枚、ビーオブエー証券が2238枚、日産証券が1600枚、野村証券が1371枚、みずほ証券が1234枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月卸売物価指数(PPI)と財政赤字を見極める展開が予想される。
12月米PPIの予想は前月比+0.3%で11月の同比+0.4%から低下、前年比は+3.4%で、11月の同比+3.0%からの上昇が見込まれている。食品とエネルギーを除くコア指数の予想は前月比+0.3%で11月の同比+0.2%からの上昇、前年比は+3.8%で11月の同比+3.4%からの上昇が見込まれている。
明日発表される米12月の消費者物価指数(CPI)と合わせて、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策を見極めて行くことになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、今月末のFOMCでは据え置きが確実視されており、今年の利下げは1回(※FF金利誘導目標4.00-25%)と予想されている。
本日は、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言機会があることで、年内1回の利下げを見込んでいる市場予想への見解にも注目しておきたい。
参考までに、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ確率は61%まで上昇しており、新発10年物国債の利回りも1.25%まで上昇していることで、ドル円の上値を抑える要因となっている。
また、今年1月1日に米国の債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示している。
米国政府が新たな借り入れができずにデフォルト(債務不履行)に陥ることを防ぐには、昨年12月のつなぎ予算案に、トランプ次期米大統領が盛り込もうとした上限の引き上げか効力停止が必要となる。
しかし、共和党の保守強硬派の反対で上限引き上げや効力停止の案は退けられており、20日のトランプ次期米大統領の就任式の後で、債務上限問題が復活することになる。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の赤字(10月・11月)は6242.13億ドルとなり、コロナ禍の時期を上回り、同期間としては過去最高を記録した。
本日発表される12月の財政赤字(予想は800億ドルの赤字)次第では、同期間としては過去最高を記録する可能性があることで、トランプ関税や減税による財政赤字の拡大懸念が高まることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、158.87円(1/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、156.24円(1/6安値)
カタール外務省のアル・アンサリ報道官はガザ停戦交渉について「特別な種類の楽観」を表明した。最大の課題は乗り越えたものの、交渉は未だ終わっていないと強調。細部の問題で全体のプロセスが崩れる可能性があるため、合意に至るまでは慎重な姿勢を維持しているという。
今晩は物価指標に注目。昨日は昨年に大きく上昇したハイテク株から景気敏感株などへの資金シフトが強まり、ダウ平均が358.67ドル高(+0.86%)、S&P500が0.16%高と、ともに反発した一方、ハイテク株主体のナスダック総合は0.38%安と4日続落とした。先週末の強い雇用統計を受けて利下げ期待の後退が続き、米10年債利回りが2023年11月以来の高水準となる4.80%台まで上昇したことも重しとなった。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される12月生産者物価指数(PPI)に注目が集まる。先週末の12月雇用統計を受けて年内の利下げ期待が大きく後退し、CMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での年内2回(0.50%)の利下げ確率は1週間前の33%から10%に大きく低下した。今晩発表される12月PPIも予想を上回る強い上昇となれば、利下げ期待の一段の後退や米10年債利回りの上昇が引き続き株式相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月PPIのほか、12月NFIB中小企業楽観度指数など。主要な企業の決算発表はなし。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
メキシコが「トランプ2.0」を念頭にした新たな経済計画を公表
USMCAの維持を念頭に中国輸入の抑制を目指す方針も、米トランプ次期政権の動きに左右される
メキシコは、米トランプ次期大統領が同国からのすべての輸入品に25%の追加関税を課す方針を示したことを機に「トリプル安」に直面している。トランプ氏の姿勢は同国が中国製品の対米輸出の「裏口」になっているとの認識が影響している。こうしたなか、メキシコ政府は今月から中国の大手電子商取引(EC)企業を念頭にした関税措置に動くとともに、シェインバウム大統領は13日に新たな経済計画を公表した。一連の計画ではUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の維持を念頭にした中国からの輸入抑制に加え、経済安全保障の強化のほか、2030年を念頭に世界トップ10入りを目指すとしている。他方、中銀は先月の定例会合で4会合連続の利下げに動き、景気下支えに向けて一段の利下げを志向する考えをみせる一方、米ドル高圧力がくすぶるなかでペソ安の加速を招く可能性もくすぶる。当面のメキシコ経済は米トランプ次期政権の一挙一動に揺さぶられる展開が続くであろう。
日経平均株価は大幅に4日続落。マドを開ける弱気スタートとなり、下値模索の展開となった。上昇基調にある75日移動平均線(38927円 1/14)や、200日移動平均線(38696円 同)なども下回り、一時は一目均衡表の雲下限(38192円 同)に迫る場面があった。
RSI(9日)は前日の51.9%→42.7%(1/14)へ低下。50%水準を下回り、あすも低下が続きやすいタイミングとなる。12/27高値からの二段下げの下値模索が続いているが、昨年11月後半で下げ渋った心理的節目の38000円前後を意識して下げ止まるかが焦点となる。
上値メドは、75日移動平均線、10日移動平均線(39551円 同)、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.13円(14日15時時点比△0.56円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.68円(△1.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0288ドル(△0.0043ドル)
FTSE100種総合株価指数:8201.54(前営業日比▲22.65)
ドイツ株式指数(DAX):20271.33(△138.48)
10年物英国債利回り:4.889%(△0.004%)
10年物独国債利回り:2.652%(△0.039%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。21時過ぎに一時158.13円まで上げたものの、米労働省が発表した12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともにドル売りが進行。一時157.44円付近まで値を下げた。
ただ、米長期金利が上昇に転じると再び強含む展開に。市場では「トランプ次期米大統領の就任を20日に控える中、同氏が掲げる関税政策などがインフレ再燃を招くとの警戒感は根強い」との声も聞かれた。3時前には一時158.20円と日通し高値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を記録した。
・ユーロドルはじり高。21時過ぎに一時1.0240ドル付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.0239ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米PPIの下振れを受けてユーロ買い・ドル売りが強まると、一時1.0304ドルと日通し高値を更新した。もっとも、一目均衡表転換線が位置する1.0308ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
・ユーロ円は堅調。ドル円の底堅い動きやユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると一時162.73円と本日高値を付けた。
・ロンドン株式相場は3日続落。米長期金利の高止まりを受けて投資家心理が悪化する中、指数は小幅に下落した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、ユニリーバやディアジオなど生活必需品株が値下がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われ、相場を下支えした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反発。「トランプ次期政権は輸入品に対する一律関税の段階的導入を検討」との一部報道が好感されて、欧州株全般に買いが入った。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いも入った。個別ではドイツ銀行(3.35%高)やシーメンス・エナジー(3.27%高)、コメルツ銀行(2.15%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
14日の日経平均は大幅に4日続落。終値は716円安の38474円。東京市場が休場の間、米国では12月雇用統計が強い内容となったことで、長期金利が上昇。10日の米国株は大幅安となった。週明け13日はダウ平均とS&P500は上昇したが、米国の利下げに対する期待が後退する中、3桁下落スタート。米金利の上昇を嫌気して半導体株が軒並み大幅安となった。
39000円近辺でいったん下げ渋ったものの、握力がなくなったかのように崩れ始め、9時台半ば辺りからは売りが売りを呼ぶ展開。序盤では半導体株以外には買いも入り、TOPIXは一時プラス圏に浮上したが、地合いが悪化する中で値下がりに転じる銘柄が増加した。800円超下げて38300円台に入ったところで売り圧力が和らぎ、13時辺りからは値動きが落ち着いたが、戻りは鈍く安値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5500億円。業種別では鉱業、保険、石油・石炭などが上昇した一方、電気機器、機械、ガラス・土石などが下落した。1Qが大幅な増収増益となったエヌ・ピー・シー<6255.T>が買いを集めてストップ高。半面、弱い半導体株の中でも下げが大きかったアドバンテスト<6857.T>が9.2%安となり、1銘柄で日経平均株価を約251円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり262/値下がり1343。IHI、任天堂、東京海上などが逆行高。上方修正と増配を発表した良品計画が4%超上昇した。上期が大幅な増益となったコスモス薬品が急伸。3Q決算が好感されたPRTIMESが2割近い上昇となり、プライムの値上がり率トップとなった。
一方、アドバンテスト以外にも、東京エレクトロン、ディスコ、レーザーテックなど半導体株の多くが大幅安。ソフトバンクGやファーストリテイリングなど指数寄与度の大きい銘柄も弱かった。米長期金利が上昇しても三菱UFJや三井住友など銀行株が軟調。フジクラ、古河電工、サンリオなど、昨年市場からの評価が高まった銘柄に値幅を伴った下げとなるものが多かった。
日経平均は大幅安。半導体株が下げを主導した。2025年に入ってからきょう14日までの6営業日では、決算や月次などの材料があったものを除いては半導体株くらいしか強い動きが見られていない。それだけに、半導体株が簡単に崩れてしまうと資金の振り向け先がなくなってくる。米国の長期金利上昇は国内金融株の買い材料にはならなかったし、リスク回避ムードが強まる中では新興銘柄も手がけづらい。20日の米大統領就任式を通過するまでは、指数の不安定な動きが続きそうだ。
米国では本日、12月の生産者物価指数(PPI)が発表される。あす15日には消費者物価指数(CPI)が発表となるだけに、PPIが強かった場合、CPIに対する警戒も高まる。PPIが弱く米国の長期金利が低下したとしても、それだけではCPIに対する警戒は拭えないであろうから、あすの日本株には腰の入った買いは期待できない。上昇した場合でも、高くなれば戻り売りが出てくるだろう。日経平均のきょうの終値は38474円。安値は38305円で26週線(38351円、14日時点)近辺では切り返しているだけに、38500円近辺で下値が固くなってくるかに注目しておきたい。
14日10:34 氷見野日銀副総裁
「政策運営にあたっては、タイミングの判断が難しくかつ重要」
「経済をマイナスのショックが襲っているような状態や、デフレ的な様々な諸要因が強固に残っている状態では、実質金利がマイナスになるということは必要でもあり、決して不正常でもないが、ショックやデフレ的な諸要因が解消された状態であれば、実質金利がはっきりとマイナスの状態がずっと続く、というのは、普通の姿とはいえないのではないかと思う」
「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比は、輸入物価急上昇の影響から4%にまで至ったが、その後は徐々に落ち着いてきている」
「来年度・再来年度については2%程度に着地するというのをメインシナリオ」
「今後も政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」
「国内での注目点の一つは、2025 年度の賃上げの見通し」
「海外での注目点の一つは、米国の新政権の政策と、それが米国経済・世界経済・日本経済に与える影響」
「多くの中央銀行のコミュニケーションでは、『それぞれの決定会合の時点までに手に入ったデータの全体像をよく見て、会合ごとに判断していく』という姿勢が基本線」
「金融政策の今後について考え、予測するうえで役に立つように、基本的な考え方や、経済の現状についての見方について発信することは極めて大切」
「毎回の金融政策決定会合の結論について、事前に市場に完全に織り込んでもらえるようにコミュニケーションをとるべきだ、ということにはならない」
「経済の動向よりも日銀の言いぶりの変化ばかりに市場の注目が集まることになりかねず、それも決して望ましいことではない」
14日14:14
「輸入物価は前月比ではかなり高い伸び、影響をよく見ていく」
「(1月会合の利上げ判断で)特定の項目でチェックリストのようには考えていない」
「(米大統領就任式と利上げ判断で)一対一で結論結びつける考えはない」
「賃上げは注目点だが、経済・物価の全体を評価した上で利上げの判断をしてゆく」
「春闘の動向をどこまで見て判断するかは来週の決定会合で議論」
「見通しに進んでいく確度は徐々に高まっている」
「トランプ演説や消費者物価などをみて議論し、判断する」
「適切なタイミングが来たら遅れずにやることが大切」
「円安による輸入物価の上昇、影響をよく見ていく必要がある」
「賃上げは去年に比べて前向きなものが多い」
「実質賃金のマイナスが続いているのは残念」
14日12:14 赤沢再生相
「政府と日銀は良く連携が取れている」
「金融政策の具体的手法は日銀に任せている」
「景気循環対応型の政策調整を強化する」
「金利と預金準備率(RRR)を活用し、流動性を十分に保つ」
「人民元を合理的な均衡水準で基本的に安定させる」
「経済と市場に基づいて政策調整を最適化する」
14日16:37 中国人民銀行(PBOC)貨幣政策局の鄒瀾局長
「9月以降、経済に対する市場の期待は改善した」
「長期国債の変動性は大きくなる可能性がある」
「国債投資は完全にリスクフリーではない」
「需給不均衡の悪化を避けるため債券購入を停止した」
14日17:29 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「2025年半ばまでには金融政策が景気抑制的な領域を脱するだろう」
「ユーロ圏ではディスインフレが順調に侵攻している」
「今後の金融政策の方向性は明確」
14日18:30 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「コアインフレ率の高止まりなどの問題を踏まえると、ECBが過度に急激な利下げを実施することは不可能」
「次回の金利決定はその時点で入手可能なデータに左右される」
15日02:16 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「金利政策は長期的に必要な水準に近い可能性」
「FRBは二つの責務の達成にかなり近い」
「雇用市場は弱まっているが、依然として健全」
「成長と雇用の見通しについては楽観的」
「インフレ圧力は引き続き緩和すると楽観的」
「新政権の政策の影響には、かなりのタイムラグがあるだろう」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月マネーストックM2
<海外>
○12:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○16:00 ◇ 12月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ◎ 12月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比2.6%)
○16:00 ◎ 12月英CPIコア指数(予想:前年比3.4%)
○16:00 ◇ 12月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.7%/前年比3.8%)
○16:45 ◇ 12月仏CPI改定値(予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
○17:00 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○17:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:35 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年比▲1.9%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 11月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.5%)
○22:30 ◇ 11月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.7%)
○22:30 ◎ 1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:3.0)
○22:30 ☆ 12月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.9%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.3%)
○23:20 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
○16日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○16日01:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○16日01:00 ◎ 12月ロシアCPI(予想:前月比1.6%)
○16日02:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○16日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.96円(前営業日比△0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.83円(△1.51円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0308ドル(△0.0063ドル)
ダウ工業株30種平均:42518.28ドル(△221.16ドル)
ナスダック総合株価指数:19044.39(▲43.71)
10年物米国債利回り:4.79%(△0.01%)
WTI原油先物2月限:1バレル=77.50ドル(▲1.32ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2682.3ドル(△3.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.2% 0.4%
(前年比) 3.3% 3.0%
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) 0.0% 0.2%
(前年比) 3.5% 3.5%・改
12月米財政収支
867億ドルの赤字 3668億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反発。米労働省が発表した12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。一時157.44円付近まで値を下げた。
ただ、米長期金利が上昇に転じるとじりじりと下値を切り上げた。市場では「トランプ次期米大統領の就任を20日に控える中、同氏が掲げる関税政策などがインフレ再燃を招くとの警戒感は根強い」との声も聞かれ、3時前には一時158.20円と日通し高値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を記録した。
・ユーロドルは上昇。21時過ぎに一時1.0240ドル付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.0239ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米PPIの下振れを受けてユーロ買い・ドル売りが強まると、一時1.0309ドルと日通し高値を更新した。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するシュミッド米カンザスシティー連銀総裁は「FRBは二つの責務の達成にかなり近い」「成長と雇用の見通しについては楽観的」「インフレ圧力は引き続き緩和すると楽観的」などと述べたが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は6日ぶりに反発。ドル円の底堅い動きやユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると一時162.86円と本日高値を付けた。ダウ平均や日経平均先物の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いも出た。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。12月米PPIが予想を下回り、インフレに対する過度な懸念が和らぐと買いが優勢となった。ただ、米長期金利が上昇したうえ、明日の12月米CPIの発表を前に上値は限られた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落。米長期金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。12月米PPIが予想を下回ると買いが先行したものの、明日15日に発表される12月米CPIの内容を確認したいとの雰囲気も強く、買い一巡後は再び売りが優勢となった。利回りは一時4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を付ける場面があった。
・原油先物相場は4日ぶりに反落。前日に約5カ月ぶりの高値水準まで上昇したこともあり、利食い売りが優勢となった。15日に12月米CPIの発表を控えていることも相場の重しとなった。
・金先物相場は小反発。ドルが対ユーロで下落し、ドル建ての金は割安感から買いが優勢となった。ただ、米長期金利の上昇傾向が続いており、金利を生まない金に売り圧力も強く上値は限られた。
昨日の海外市場でドル円は、12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。一時157.44円付近まで値を下げた。ただ、米長期金利が上昇に転じると158.20円まで強含んだ。ユーロドルは、米PPIの下振れを受けてユーロ買い・ドル売りが強まると、一時1.0309ドルと日通し高値を更新した。
本日の東京時間では、5・10日(ゴトー日)ということもあり、東京仲値の値決めにかけてはドル買いが予想されるものの、本日の米英インフレ指標発表や20日のトランプ氏の大統領就任を控え、値幅を伴う動きを期待するのは難しいか。また、依然として今月末の日銀金融政策決定会合での利上げや、タカ派姿勢を示す可能性があることも円買い圧力になりそうだ。
昨日の氷見野日銀副総裁の発言内容が伝わると、ドル円は荒い値動きをしたが、内容は大きくは円買い・円売りのどちらを促すようなものではなかった。ただ、賃上げに関しては春闘の結果が出るのは、まだ2カ月先になるにも関わらず「去年に比べて前向きなものが多い」と発言するなど、3月まで待たずに利上げに舵を切る可能性があることを匂わせていた。
また、明日発表される12月企業物価指数の中で注目される輸入物価指数について、11月速報値は1.5%の上昇と10月の改定値2.9%より低下していたにも関わらず、「かなり高い伸び」「円安による輸入物価の上昇、影響をよく見ていく必要」と述べていた。輸入物価に関してのこの発言は、すでに副総裁が12月の結果を知っていることを受けて発言したものか、それとも10・11月がプラスだったことで高い伸びとしたのかが気になるところだが、輸入物価上昇や円安の流れを阻止するためにも、早期の利上げの可能性もあり、ドル円の上値を抑える要因にもなるだろう。
昨日発表された米国の12月卸売物価指数(PPI)はヘッドライン、コア指数ともに市場予想よりも下振れた。米長期金利は一時的に低下したものの、その後は上昇に転じ4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を記録した。米金利の上昇がドル円の一定の支えにはなるだろうが、本邦長期金利も昨日は13年9カ月ぶりの水準まで上がったことを考えると、金利面では綱引き状態となっていることで、ドル円の上げ幅は限られるだろう。
更に、欧州各国や一部新興国が利下げに動こうとしていることもあり、欧州通貨や新興国通貨に対してのドル買いの流れの方が強い。また、欧州債も売られてはいる(利回りは上昇している)が、米国のようなインフレ低下に歯止めがかかったのではなく、財政不安による債券売りの様相が強いことで、逆に通貨安に動きやすい。その中で、本日はPPIよりも注目度が高い消費者物価指数(CPI)が英国と米国から発表されることで、この結果を見るまでは市場参加者が大きくリスクを持つのが難しく、アジア時間での値動きを抑制することになりそうだ。
くわえて、20日に予定されているトランプ氏の大統領就任を控え、徐々に市場が様々なリスクを持ちにくくなっている。昨日もトランプ氏はSNS(TruthSocial)で就任日に海外歳入庁(External Revenue Service)を創設し、「関税、および海外からもたらされるすべての歳入を徴収する」方針を示した。現状では米債市場ではインフレ再燃による金利が上昇し、その影響で為替市場ではドル買いになっている。しかし、本日の日経新聞で山崎達雄元財務官が、トランプ氏がドル高を懸念していることを改めて述べているように、通商政策に一番力を入れているトランプ氏が就任直後にドル高についてけん制するリスクもあり、債券市場と為替市場の動きが今後は変わる可能性なども念頭に入れておく必要もありそうだ。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38710 +210 (+0.54%)
TOPIX先物 2696.0 +13.0 (+0.48%)
シカゴ日経平均先物 38725 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。2024年12月の米卸売物価指数(PPI)が前月比0.2%上昇と、市場予想(0.4%上昇)を下回り、インフレに対する過度な懸念が和らいだ。米長期金利が低下する場面では、主力株の一角に買い戻しの動きがみられた。ただし、15日には12月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの懸念は根強く、ナスダック指数は5日続落した。
NYダウ構成銘柄ではキャタピラー<CAT>、3M<MMM>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、セールスフォース<CRM>が買われた。半面、エヌビディア<NVDA>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ボーイング<BA>、メルク<MRK>、アムジェン<AMGN>、アップル<AAPL>が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比225円高の3万8725円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比40円高の3万8540円で始まり、直後に3万8710円まで買われた後は軟化し、米国市場の開始直前には3万8470円と下落に転じる場面もみられた。ただし、下値の堅さが意識され、その後は3万8500円~3万8700円辺りでのレンジ推移を継続。終盤にかけて一時3万8820円まで買われる場面もあり、3万8710円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。米PPIが予想を下回ったことで、前日の大幅な下げに対するリバランスの動きが入りそうである。日経225先物はナイトセッションで200日移動平均線(3万8520円)辺りでの底堅さがみられるなか、ショートカバーを誘う形になりそうである。
ボリンジャーバンドの-2σ(3万8550円)も200日線水準に位置しており、3万8500円処では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。一方で、上値は75日線(3万8950円)、-1σ(3万8960円)が抵抗線として意識され、節目の3万9000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。ただし、前日の大幅な下落でショートが積み上がっているとみられ、米CPIの結果を控えてポジションをニュートラルに近づける形でのカバーが意識されやすい。
そのため、スキャルピング中心のトレードになるが、下値の堅さがみられる局面では、ロング対応になろう。オプション権利行使価格では若干のイレギュラーを考慮して3万8375円から3万9125円のレンジを想定する。
14日の米VIX指数は18.71(13日は19.19)に低下した。75日線(17.41)を上回っているが、終日20.00を下回っての推移だったこともあり、ややリスク選好に向かわせショートカバーを誘う形になりやすいだろう。
前日のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.41倍をつける場面もみられたが、その後は75日線(14.37倍)、25日線(14.35倍)を下回ってきた。エヌビディアなど米ハイテク株の弱い値動きから本日も低下しやすいだろうが、25日線辺りで下げ渋る動きをみせてくると、リバランスの流れからNTロングのポジションを組成する動きも入りそうだ。
聯合ニュースによると「韓国捜査当局が尹大統領を拘束した」と報じている。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円高の3万8620円(+0.31%)前後で推移。寄り付きは3万8760円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8725円)を上回る形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万8810円を高値に軟化し、中盤にかけて一時3万8410円と下落に転じる場面もみられた。ただし、売り一巡後は終盤にかけて持ち直し、プラス圏を回復。200日移動平均線(3万8520円)、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8530円)を上回って推移している。
日経225先物は買い一巡後にショートの動きが強まり、一時3万8410円まで売られ、ナイトセッションでつけた安値(3万8470円)を割り込んだものの、その後はプラス圏を回復した。指数インパクトの大きいところではアドバンテスト <6857.T> [東証P]が弱い値動きだが、一方で、ファナック <6954.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が買われ、日経平均型を牽引する形となった。
NT倍率は先物中心限月で14.30倍に低下した。14.36倍で始まり、一時14.27倍をつける場面もみられた。東証プライムの騰落銘柄は値上がり数が6割を占めているほか、セクターでは医薬品、建設、石油石炭、ガラス土石を除く29業種が上昇しており、相対的にTOPIX型優位の状況である。
昨日のドル円は、狭いレンジ内での取引となりました。東京時間に氷見野日銀副総裁の挨拶原稿を巡って乱高下した後、欧州時間に入ってからはもみ合いが続くなか157.30円まで下押す場面もみられましたが、米長期金利が上昇するにつれて158.13円まで買い戻されました。NY時間に入ってからは、12月米PPIが予想を下回る弱い数字となると米金利の低下とともに157.44円まで下押ししたものの、米10年債利回りが一転して4.8069%まで再び上昇すると158.20円まで戻り高値を更新。引けにかけては157.87円まで下押ししてNY市場を終えています。
そして、本日のアジア時間は、今夜の米CPIを控えて「ほとんど何もやっていない」相場となっているわけで、見えているものと言えば「本邦実需の買いが出ている程度」となっているといったところです。
いずれにしても、ドル円は一目転換線の位置する157.56円やNY時間安値の157.44円付近を意識した動き。米長期金利や日経平均の動向を睨みつつポジション調整中心の展開となっていますが、来週正式に誕生するトランプ米政権の方向性を確認しないことには、「なかなか手が出せない」状況となりつつあるともいえ、神経質な動きが続いていくのかもしれません。
本日のロンドン為替市場は、序盤に発表される12月英インフレ指標にまず注目。消費者物価指数(CPI)は前年比総合が前回から横ばいの2.6%予想、コアが3.4%と前回から0.1ポイントの減速が見込まれている。また、英中銀が金融政策を決定するうえで重要視しているサービス価格のインフレ率は前回の前年比5.0%上昇から下振れ予想だ。
次回の英中銀金融政策委員会(MPC)の結果公表は2月6日であり、今回のCPIは政策決定に向けた重要なデータだ。英長期金利の急騰も影響され、足もとの短期金融市場では英MPCの利下げペース鈍化を見込み始めた。今のところ、年前半の4会合で0.25%利下げ1回を織り込でいるものの、夏から年末までの4会合については利下げ見通しがそれほど高まっていない。
英長期債への売り圧力は昨日も強まったままであり、同10年債利回りは4.89%近くと再び2008年以来の高い水準で終えた。長期債市場が不安定なままでは、英中銀が金融政策で取り得る選択肢も狭まってしまうだろう。ここ最近の動きを見ると、英金利の上昇はポンド買いに繋がるどころか、英債価格の更なる下落を連想させてポンドの重しとなっている。もし12月英CPIの上振れとなった場合でもポンドの上昇は限定的かもしれない。
ユーロは対ポンドの動きに対ドルもしばらくつれる形か。ユーロポンドは昨日、0.8420ポンド台に位置していた200日移動平均線を上抜けて、約4カ月ぶりの高値0.8451ポンドまで上げ幅を広げた。買い一巡後も同線の上では推移している。本日0.8427ポンド付近に位置する200日線で下値固めができるか注目したい。
なおユーロ圏からは本日、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁などが講演予定。基本的にはディスインフレや現状の利下げスタンスの確認に留まりそうだ。
想定レンジ上限
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0359ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、13日安値1.2100ドル
・ユーロドル、昨日安値1.0239ドル
ドル円:1ドル=157.31円(前営業日NY終値比▲0.65円)
ユーロ円:1ユーロ=161.92円(▲0.91円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0293ドル(▲0.0015ドル)
日経平均株価:38444.58円(前営業日比▲29.72円)
東証株価指数(TOPIX):2690.81(△8.23)
債券先物3月物:140.59円(▲0.07円)
新発10年物国債利回り:1.250%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月マネーストックM2
前年同月比 1.3% 1.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。しばらくは158円を挟んだもみ合いが続いていたが、午後に入って植田日銀総裁が「来週の会合で利上げなど行うか判断する」と発言すると早期利上げ観測から本邦長期金利の上昇とともに円買いが活発化。一時157.20円まで売り込まれた。
・ユーロ円は軟調。上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたことで162円台後半から半ばへじり安の展開となっていたところに日銀総裁の発言が伝わると売りが優勢に。一時161.89円まで下げ足を速めた。
・ユーロドルは小安い。昨日の海外市場で上昇した反動が出たほか、ユーロ円の下げにつれた面もあり1.0292ドルまで下押しした。
・日経平均株価は5日続落。前日までの下落に対する自律反発的な買いが先行し、指数は300円超上昇した。ただ、日銀の早期利上げ観測が高まったほか、米国による対中半導体規制強化に対する警戒感から一転して売りが強まった。
・債券先物相場は3日続落。夜間取引で小幅高となった流れを引き継ぎ買いが先行すると一時140.79円まで上昇した。ただ、植田日銀総裁の発言を受けて来週会合での利上げ観測が高まり、一転して債券売りが活発化した。
「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」(アラン『幸福論』)
1.バーナンキ第14代FRB議長の楽観と悲観
2008年1月、バーナンキ第14代FRB議長は、「FRBは、現在、米国経済がリセッションに陥るとは想定していない」との楽観的な見解を示した。
しかし、米国経済は2007年12月にリセッションに陥っており、2008年9月にはリーマンショック(グローバル金融危機GFC:Global Financial Crisis)に襲われた。
2008年12月、バーナンキFRB議長は、「我々は当初、サブプライム危機が収まると言っていたが、それは間違いだった。住宅問題と金融システム全般の因果関係は、非常に複雑で予測が難しい」と述べた。
2018年9月13日、バーナンキFRB議長は、10年前の2008年の金融危機に際して、事前のミスとして、大きな破壊力を持った危機の到来を予測できなかったこと、事後のミスとして、それがどれほど大きな経済的ダメージをもたらすか過小評価していたことを認めた。
2. バーナンキ第14代FRB議長の楽観
2025年1月、バーナンキ第14代FRB議長は、「財政面でのメリットが何であれ、トランプ氏の政策はインフレ率への影響という点ではおそらく控えめなものになる」と述べ、トランプノミクス2.0の関税拡大や減税、移民抑制といった政策が、懸念されているほどインフレを招かないのではないか、という楽観的な見解を示した。信じていいのだろうか。
■トランプ減税(「減税・雇用法」※2025年末に失効、残業代や社会保障給付に対する免税)
バーナンキ氏は、期限切れとなる減税措置の大部分は維持されると予想されていたと指摘している。さらに政府債務が増大している中で、追加減税を実施する議会の意欲は限られる可能性がある、とも述べた。
■トランプ関税(対中関税60%、それ以外の全輸入品に対する一律10%関税)
バーナンキ氏は「大統領が交渉目的で一時的に導入するだけなのか、恒久的に維持するのか分からないため、予測は非常に難しい。政治的リスクなど極めて異例な状況がない限り、インフレの軌道を劇的に変えるとは思えない」
■移民抑制(「合法・不法を問わない移民流入の抑制」)
※接客業や建設業における人手不足の深刻化を招くとの見方
バーナンキ氏は「賃金を押し上げる可能性がある一方で、製品やサービスを購入する人が減り、物価上昇圧力の緩和につながる可能性もある」との見方を示した。
大和証券のデイリーマーケットリポートでは、IMFが1月17日に発表する世界経済見通しに注目している。昨年末に事業規模39兆円の補正予算が成立したこと、IMFには経済官僚が出向していることなどから、日本の成長率見通しは引き上げとなる可能性
が高いとみている。IMFが日本の見通しを変更すると、それに沿って2カ月間程度海外投資家がポジションを変更する傾向が強いとのこと。見通し引き上げとなれば、来週から3月一杯まで外国人買いが開始されることが期待できると大和では考えている。
大阪3月限
日経225先物 38390 -110 (-0.28%)
TOPIX先物 2690.5 +7.5 (+0.27%)
日経225先物(3月限)は前日比110円安の3万8390円で取引を終了。寄り付きは3万8760円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8725円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万8810円を高値に軟化し、前場中盤にかけて3万8410円と下落に転じる場面もみられた。売り一巡後は前場終盤にかけて持ち直し、プラス圏を回復。その後は200日移動平均線(3万8520円)、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8530円)を上回って推移した。ただし、後場中盤辺りに同水準を下抜けると一時3万8320円まで売られる場面もあった。
指数インパクトの大きいところではアドバンテスト <6857.T> [東証P]が終日軟調な値動きだったほか、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が後場に入り下げに転じたことが重荷になった。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ファナック <6954.T> [東証P]が買われ、日経平均型を下支えした。
米国は台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>や韓国サムスン電子、インテル<INTC>などに対し、対中規制の強化を要請するもようと、米メディアが報じた。これが後場中盤辺りからのショートにつながったようである。現時点でグローベックスの主要な米株価指数先物は小動きで推移しており反応はみられないが、エヌビディア<NVDA>など半導体株の動向が注目されよう。
日経225先物は結局のところ、買い一巡後は200日線と-2σに上値を抑えられる形だった。特にボリンジャーバンドのバンドが拡大しており、下向きで推移する-2σに沿った調整から3万8000円割れを狙ったショートの動きが強まりやすい。米国では2024年12月の消費者物価指数(CPI)の発表が控えており、前日の12月の卸売物価指数(PPI)同様、過度なインフレリスクを和らげる内容となれば安心感につながるだろうが、戻り待ち狙いのショートを警戒しておきたい。
週間形状では52週線(3万8370円)および26週線(38260円)辺りで推移している。リバウンドに入りやすいタイミングである半面、週末の終値で両線を割り込んでくると、下へのバイアスが強まりやすくなりそうだ。週足の-1σ(3万8200円)を下回ってくる局面では、-2σ(3万7500円)を射程に入れたショートが強まろう。
NT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。14.36倍で始まったが、その後25日線(14.35倍)を割り込み、下へのバイアスが強まる形だった。200日線(14.24倍)水準が支持線として意識されているが、同水準を明確に割り込んでくると、NTショートによるスプレッド狙いの動きが強まりそうである。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8683枚、ソシエテジェネラル証券が1万4326枚、サスケハナ・ホンコンが2535枚、ゴールドマン証券が2475枚、バークレイズ証券が2404枚、JPモルガン証券が1834枚、モルガンMUFG証券が1651枚、野村証券が1626枚、日産証券が1436枚、楽天証券が1092枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8861枚、ソシエテジェネラル証券が1万5578枚、バークレイズ証券が4560枚、JPモルガン証券が3857枚、モルガンMUFG証券が2814枚、ゴールドマン証券が2486枚、ビーオブエー証券が1238枚、日産証券が1105枚、みずほ証券が843枚、シティグループ証券が841枚だった。
NYタイムは、注目の12月米消費者物価指数(CPI)を受けた神経質な振れが想定される。市場ではヘッドラインの数値について、前月比+0.3%(前回11月+0.3%)、前年比+2.9%(同+2.7%)、インフレ指標として米連邦準備理事会(FRB)が注視するコア指数が前月比+0.2%(同+0.3%)、前年比+3.3%(同+3.3%)と、前回比で横ばいや強弱が交錯した見方の難しい状態。まずは予想比での強弱に反応しやすいとみる。
昨日の海外市場でドル円は、予想を下回った12月米卸売物価指数(PPI)をにらんだ米長期金利低下を受け、円買い・ドル売りが先行した。一時157.44円前後へ下押し。ただ、米長期金利が上昇に転じたことでドル円も持ち直した。
本日はPPI以上に注目される消費者物価指数(CPI)の発表とあって、反応はより明確になると思うが、ドル円は本日東京タイム午後から強まった下落を踏まえると、強い結果を受けた巻き戻しの反発が強まる可能性も視野に入れて臨みたい。
ただ、弱い結果を受けて下値を探る展開となった際に、6日安値156.24円や、12月31日安値156.02円といった、ここ最近下げ渋ったポイント付近の動意には注意したい。下抜けてテクニカル要因を背景とした売りが加速するリスクがある。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、157.83円前後で戻りを抑えそうな5日移動平均線付近。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、12月31日安値156.02円。※下抜けた際の下落加速には注意。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国当局が旗を振る内需喚起策は持続的なものとなるか?
資産デフレが債務拡大余地を狭めるリスク、人民元安懸念が政策の手足を縛る可能性にも要留意
中国経済においては、不動産不況に若年層を中心とする雇用回復の遅れが内需の重石になるとともに、景気の足かせとなってきた。こうしたなか、当局は内需喚起への取り組みを強化させており、耐久消費財の買い替え促進や大規模設備更新を追い風に企業マインドも改善する動きがみられる。しかし、企業マインドは改善するも雇用調整圧力がくすぶるなかで根強いディスインフレ圧力がくすぶる展開が続く。当局は今後も内需喚起の動きを強化する姿勢をみせるが、不動産市況の底がみえないなど資産デフレ圧力がくすぶるなかで家計債務の拡大余地が狭められる懸念はくすぶる。さらに、企業債務はすでに底入れするなかで政策支援を追い風に上振れすれば過剰債務の懸念が再燃するリスクもある。金融市場では当局が一段の金融緩和に動くとの観測がある一方、米中金利差拡大を理由に人民元安が進んでいる。人民元安が習近平指導部の思惑に反する懸念もあり、内需喚起策の持続力には不透明感がくすぶるのが実情であろう。
今晩は12月消費者物価指数(CPI)と大手銀の決算発表に注目。昨日は12月生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことが好感され、ダウ平均が221.16ドル高(+0.52%)、S&P500が0.11%高とともに2日続伸した。ただ、メタやエヌビディアなどハイテク株の一角に利益確定売りが続き、ナスダック総合は0.23%安と5日続落した。利下げを巡ってはCMEのフェドウォッチ・ツールの1月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は97%と引き続き据え置きが確実視され、3月FOMCでの据え置き確率も前日からほぼ変わらずの80%となった。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される12月消費者物価指数(CPI)に注目が集まるほか、発表がスタートする大手金融機関の第4四半期決算が焦点となりそうだ。12月CPIは前月比+0.3%と11月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.9%と11月の+2.7%から上昇が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%と11月の+0.3%から鈍化が見込まれ、前年比では+3.3%と横ばいが予想されている。CPIが予想以上の上昇となれば、利下げ期待の一段の後退が相場の重しとなりそうだ。決算発表では寄り前に発表されるJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックスなどの決算発表やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは12月CPIのほか、MBA住宅ローン申請指数、1月NY連銀製造業業況指数など。決算発表は寄り前にJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・ニューヨークメロン、ブラックロックなどが発表予定。
SMBC日興証券では、2025年1月の日銀金融政策決定会合について考察している。1月の追加利上げは可能ではあるものの、ビハインド・ザ・カーブ(中央銀行の対応の遅れ)に陥るリスクが限られる環境下、内外の政策動向と国内の賃金動向に関して追加的な情報を得られる3月会合まで日銀は判断を保留するとSMBC日興では見込んでいる。1月会合における追加利上げの可能性を40%、次の3月会合における追加利上げの可能性を60%と想定している。
日経平均株価は5日続落。買い優勢のスタートとなったが、200日移動平均線(38684円 1/15)や一目均衡表の雲上限(38728円 同)に上値を抑えられ失速する格好となった。前日の陰線の下方水準に並ぶ陰線を形成し、100日移動平均線(38564円 同)を上回れずに取引を終えた。
RSI(9日)は前日の42.7%→36.3%(1/15)へ低下。あすも低下が続きやすいが、一目均衡表では雲のネジレが発生するタイミングでもあり急反転がみられるかどうか。12/27高値からの二段下げの下値模索が続く中、きょうはマドを開けた状態で連続陰線を形成しており、強い下振れにも警戒したい。昨年11月後半で下げ渋った心理的節目の38000円前後を意識して下げ止まるかが焦点となる。
一目均衡表では遅行スパンが当時の株価水準を下回る逆転の弱気局面入りを示唆。リバウンド局面でも下向きに変化している10日移動平均線(39482円 同)や25日移動平均線(39331円 同)などに上値を抑えられる局面が続く公算が大きい。
上値メドは、200日移動平均線や75日移動平均線(38937円 同)、25日移動平均線、10日移動平均線(39482円 同)、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.54円(15日15時時点比▲0.77円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.02円(▲0.90円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0286ドル(▲0.0007ドル)
FTSE100種総合株価指数:8301.13(前営業日比△99.59)
ドイツ株式指数(DAX):20574.68(△303.35)
10年物英国債利回り:4.731%(▲0.158%)
10年物独国債利回り:2.560%(▲0.092%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) 0.1% 0.0%
12月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.3% 0.1%
(前年比) 2.5% 2.6%
CPIコア指数
(前年比) 3.2% 3.5%
12月英小売物価指数(RPI)
(前月比) 0.3% 0.1%
(前年比) 3.5% 3.6%
12月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.2% 0.2%
(前年同月比) 1.3% 1.3%
11月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) 0.2% 0.2%・改
(前年比) ▲1.9% ▲1.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは上値が重かった。米重要指標の発表を控えてしばらくは1.0300ドルを挟んだ狭いレンジでのもみ合いが続いていた。ただ、NYの取引時間帯に入り、12月米消費者物価指数(CPI)が前年比2.9%上昇と市場予想通りの結果となり、エネルギーと食品を除くコア指数が前年比3.2%上昇と予想の3.3%上昇を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。22時30分過ぎに一時1.0354ドルと日通し高値を更新した。
ただ、一目均衡表基準線が位置する1.0359ドルがレジスタンスとして働くと失速した。対欧州通貨中心にドル買い戻しが進んだ流れに沿って一時1.0260ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円は下げ渋り。米労働省が発表した12月米CPIが概ね市場予想通りの結果となったほか、1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ると米長期金利が大幅に低下。全般ドル売りが優勢となり、23時30分前に一時155.95円と昨年12月19日以来の安値を付けた。
市場では「米インフレ再加速への懸念がいったん後退した」との受け止めから、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.63%台まで急低下した。
ただ、売りが一巡するとじりじりと下値を切り上げた。対欧州通貨中心にドルの買い戻しが進んだ流れに沿って、1時30分過ぎには156.74円付近まで持ち直した。
・ポンド円は軟調だった。12月英CPIが前月比0.3%/前年比2.5%と予想の前月比0.4%/前年比2.6%を下回ったうえ、コア指数が前年比3.2%と予想の3.4%を下回ると、英長期金利の大幅低下とともにポンド売りが広がった。1時30分過ぎには一時191.10円と日通し安値を付けた。ポンドドルも一時1.2163ドルまで売られる場面があった。
なお、テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員は「生産のさらなる弱体化と急速なディスインフレのリスクを認識」「リスクバランスの変化に対する保険の必要性」「リスクは下振れ方向に偏っている」「予防的に金利を引き下げることは理にかなっている」と述べたほか、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は「英中銀当局者は今後1年で5-6回の利下げが必要になると警告している」と報じた。
・ユーロ円は下落。ドル円の下落につれたほか、ユーロドルの失速に伴う売りが出て一時160.80円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに反発。12月英CPIが予想を下回ると、英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑から英長期金利が低下。投資家心理が改善し、株買いが優勢となった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。英国や米国の長期金利が低下すると独長期金利も低下し、投資家心理が改善。株を買う動きが広がった。個別ではバイエル(5.75%高)やボノビア(4.43%高)、ブレンターク(4.39%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。英CPIの下振れを受けて英国債が買われた。
15日の日経平均は5日続落。終値は29円安の38444円。14日の米国では、弱めの米12月生産者物価指数が米国のインフレに対する警戒を和らげ、ダウ平均とS&P500が上昇。これを好感して、200円超上昇して始まった。
開始直後には上げ幅を300円超に拡大。しかし、ナスダック安を嫌気してアドバンテスト<6857.T>やレーザーテック<6920.T>など半導体株が弱く、失速してマイナス転換。いったん切り返して前場は3桁の上昇で終えたものの、後場に入ると売り直された。アドバンテストの下値模索が続いたことや、ドル円が円高に振れたことなどが警戒材料となった。円高に関しては植田日銀総裁の発言から早期の追加利上げが意識されたとの見方があった。ただ、3桁下落となったところでは下げ渋り、大引けにかけては値を戻した。プライムでは値上がり銘柄の方が多く、TOPIXはプラスで終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆8700億円。業種別では銀行、その他製品、水産・農林などが上昇した一方、医薬品、卸売、建設などが下落した。上方修正や増配を発表した古野電気<6814.T>が急騰。半面、ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884.T>は通期の利益見通し引き上げが好感されず、15.6%安と大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり864/値下がり705。売買代金上位ではIHIや任天堂が大幅上昇。証券会社のリポートを手がかりに、ファナックやキーエンスなどFA関連に強い動きが見られた。日銀の早期利上げ期待から、三菱UFJや三井住友など銀行株が全般堅調。SHIFTが商いを伴って急騰したほか、ベイカレントがストップ高となるなど、決算が好感された銘柄に買いが殺到した。
一方、アドバンテストやレーザーテックなど半導体株の一角が大幅安。レーザーテックは昨年来安値を更新した。フジクラや三菱重工が軟調。決算を材料にディップ、タマホーム、エスプールなどが急落した。着地が計画を下振れたマネーフォワードがストップ安。下方修正と減配を発表したロゴスHDや、公募・売り出しを発表したSpeeeは、場中に値が付かすストップ安比例配分となった。
日経平均は5日続落。3桁上昇スタートからマイナス圏に沈んでおり、印象の悪い下げとなった。序盤では全面高となる場面もあったが、きのうに続いて半導体株が弱く、全体のセンチメントが悪化した。
午後に円高が進んだことも日本株には逆風となった。市場ではきのうの氷見野日銀副総裁の講演やきょうの植田日銀総裁の発言を受けて、1月会合で利上げがあるかもしれないとの見方が強まりつつある。1月の日銀会合は23日~24日で、米国の大統領就任式(20日)の直後かつ、FOMC(28日~29日)より前に開催される。このタイミングで利上げを実施すると市場が混乱しそうだが、可能性はゼロではないどころか結構ある。そうなると日銀会合を通過するまでは、金融株以外には手を出しづらくなる。
本日の米国では12月の消費者物価指数(CPI)や金融株の決算が注目される。前日の生産者物価指数(PPI)はインフレに対する過度な警戒を和らげる材料となったが、CPIはどうか。ただ、CPIが弱めであったとしても、今のFRBは雇用のデータを重視しているだけに、1月に利下げを行うとの期待はそれほど高まらないかもしれない。日銀が利上げをしそう、FRBは利下げを見送りそうとなると、余計に日本株は買いづらくなる。日経平均に関しては、ここからもう一段下げるかどうかはともかく、来週までは不安定な値動きが続くとみておいた方が良い。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.47円(前営業日比▲1.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.99円(▲1.84円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0289ドル(▲0.0019ドル)
ダウ工業株30種平均:43221.55ドル(△703.27ドル)
ナスダック総合株価指数:19511.23(△466.84)
10年物米国債利回り:4.65%(▲0.14%)
WTI原油先物2月限:1バレル=80.04ドル(△2.54ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2717.8ドル(△35.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米労働省が発表した12月米消費者物価指数(CPI)は前年比2.9%上昇と市場予想通りの結果となったものの、エネルギーと食品を除くコア指数は前年比3.2%上昇と予想の3.3%上昇を下回った。市場では「米インフレ再加速への懸念がいったん後退した」との受け止めから、米長期金利が大幅に低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.95円と昨年12月19日以来の安値を付けた。
米長期金利の指標となる米10年債利回りは指標発表前の4.76%台から4.63%台まで急低下した。
ただ、売りが一巡すると下げ渋った。対欧州通貨中心にドルの買い戻しが進んだ流れに沿って、1時30分過ぎには156.74円付近まで下値を切り上げた。
なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動は全ての地区で小幅から緩やかなペースで拡大した」と総括。「2025年の見通しについては楽観的な見方が悲観的な見方を上回ったものの、一部の地区は移民や関税政策の変更が経済に悪影響を及ぼす可能性があると懸念を示した」と指摘した。
・ユーロドルは小反落。米CPIコア指数が予想を下回ったほか、1月米NY連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ると米長期金利が急低下。全般ドル売りが活発化し、22時30分過ぎに一時1.0354ドルと日通し高値を更新した。
ただ、一目均衡表基準線が位置する1.0359ドルがレジスタンスとして働くと失速した。対欧州通貨中心にドル買い戻しが進んだ流れに沿って一時1.0260ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は反落。ドル円の下落につれたあとは、ユーロドルの失速に伴う売りが出て一時160.80円と日通し安値を更新した。
植田和男日銀総裁は本日アジア時間に「来週の金融政策決定会合で利上げを行うかどうかについて議論し、判断する」などと発言。日銀による追加利上げ観測の高まりを背景に円買いが入りやすい面もあったようだ。
ポンド円は一時191.10円、NZドル円は87.77円、カナダドル円は108.91円、スイスフラン円は171.35円、メキシコペソ円は7.62円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。12月米CPIでエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ると、インフレに対する過度な懸念が緩和し株買いが広がった。「イスラエルとハマスが停戦合意」との報道で、中東の地政学リスクへの警戒感が後退したことも投資家心理の改善につながった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反発。米長期金利の大幅低下で高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが集まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに大幅反発。12月米CPIでエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ると、インフレ再加速への懸念が後退し買いが広がった。
・原油先物相場は反発。注目の12月米CPIは前年比+2.9%と予想通りの結果となるも、同コアはやや市場予想を下回る+3.2%となり、ドル売り・米長期金利の低下で反応し、ドル建ての原油は買いが優勢となった。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫統計で、原油在庫は予想以上の取り崩しとなった一方で、ガソリンとディスティレート(留出油)在庫は予想を上回る積み増しと強弱まちまちの結果となり、一時売り買いが交錯する場面が見られた。
・金先物相場は続伸。12月米CPIのコアが前年比で予想を下回ったことを受けて米長期金利が急低下し、金利を生まない金は買いが優勢となった。
一部通信社が報じたところによると、「イスラエルとハマスが停戦で合意した」ようだ。
一部報道が関係者筋の話として伝えたところによると、カナダは米製品に対する1500億カナダドルの関税を発動する準備があるという。
15日12:25 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「金融緩和の効果が表れるまでにはしばらく時間がかかる」
「基本的にまだ景気回復モードにある」
15日13:25 植田日銀総裁
「金融政策、経済・物価の情勢の改善が続けば政策金利を引き上げ緩和度合いを調整」
「来週の会合で利上げなど行うか判断」
15日14:54 加藤財務相
「金融政策そのものは日銀が判断」
「緊密な連携踏まえ、デフレ脱却に向け適切な金融政策運営を期待」
「今後の会合でどう議論されるかは注視」
「足元の為替は急激な動きがみられる」
「(為替について)行き過ぎた動きには適切に対応」
15日17:27 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「ディスインフレーションのプロセスは順調に進んでいる」
「経済成長に対するリスクは依然として下振れ方向」
「今後のデータが我々のベースラインシナリオを裏付ける場合、さらなる利下げが予想される」
「高い不確実性のため、金利設定には慎重さが求められる」
「引き締めの緩和を継続すると予想」
「国内のインフレは低下しているが、依然として高水準」
「最新のデータは経済が勢いを失っていることを示唆」
15日17:56 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「利下げは経済の資金調達を後押し」
「金利が夏までに2%に達するのは理にかなっている」
「我々はインフレとの戦いにほぼ勝利した」
「不確実性が非常に高い環境下では金融政策はデータに左右される」
「政府の政策見通しが不確実性の主な要因」
「金融政策は経済見通しに対して適切な位置にある」
「需給バランスの改善により利下げが可能になった」
「バランスシートの縮小は順調に進んでいる」
「今年の成長率は2%に落ち着くと予想」
「失業率は4%~4.25%で推移すると予想」
「インフレ期待は安定している」
「FRBは入手したデータを分析するのに時間をかけることが可能」
「米国経済は再び底堅さを示している」
16日01:26 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「インフレ率は目標の2%に向かって低下している」
「物価上昇圧力は引き続き緩和」
「雇用市場は安定しているようだ」
16日01:37 テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「生産のさらなる弱体化と急速なディスインフレのリスクを認識」
「リスクバランスの変化に対する保険の必要性」
「リスクは下振れ方向に偏っている」
「予防的に金利を引き下げることは理にかなっている」
「金利を正常に戻す時期」
「政策金利は依然として中立水準をはるかに上回っている」
16日02:52 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレは引き続き進展すると見ている」
「多くの不確実性が残っている」
「2025年はソフトランディングできると楽観的」
16日04:05 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「米経済活動は全ての地区で僅かから緩やかに拡大した」
「エネルギー活動はまちまち」
「2025年の見通しについては楽観的な見方が悲観的な見方を上回った」
「ただ、いくつかの地区は移民政策や関税政策の変更が経済に悪影響を及ぼす可能性があると懸念を示した」
「雇用は全体的に上昇し、6地区がわずかな増加を報告し、6地区が横ばいと報告」
「ほとんどの地区で賃金の伸びは緩やかなペースで加速したものの、賃金圧力が緩和したとの報告もあった」
「物価は全体として緩やかに上昇し、伸び率は横ばいから緩やかな範囲だった」
「物価は2025年も上昇し続けると予想しており、関税の引き上げが価格上昇に寄与する可能性があることを指摘する地区もあった」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月企業物価指数(予想:前月比0.4%/前年比3.8%)
<海外>
○09:01 ◇ 12月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:27)
○09:30 ◎ 12月豪雇用統計(予想:失業率4.0%/新規雇用者数1.50万人)
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:2.75%に引き下げ)
○16:00 ◎ 12月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比2.6%)
○16:00 ☆ 11月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○16:00 ◎ 11月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%/前年比▲1.0%)
○16:00 ◎ 11月英製造業生産高(予想:前月比横ばい)
○16:00 ◇ 11月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:179.00億ポンドの赤字/36.00億ポンドの赤字)
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前85億ユーロの黒字/季節調整済115億ユーロの黒字)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)
○22:15 ◇ 12月カナダ住宅着工件数(予想:24.50万件)
○22:30 ☆ 12月米小売売上高(予想:前月比0.6%/自動車を除く前月比0.4%)
○22:30 ◇ 12月米輸入物価指数(予想:前月比0.1%)
○22:30 ◎ 1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲5.0)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.0万件/187.1万人)
○24:00 ◇ 11月米企業在庫(予想:前月比0.1%)
○24:00 ◎ 1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:45)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、12月の米消費者物価指数(CPI)コア指数が市場予想を下回ると、一時155.95円と昨年12月19日以来の安値を付けた。米10年債利回りは指標発表前の4.76%台から4.63%台まで急低下した。ユーロドルは米CPI発表後1.0354ドルまで買われたが、その後1.0260ドルまで弱含んだ。
本日の東京時間でドル円は上値が重いか。ここ最近の市場の動きをみると、米金利が上昇する局面では欧州やオセアニア通貨に対してドル買いは進むものの、円に対してのドル買いの反応は鈍かった。むしろ、米金利上昇による株売りに反応し、ドル円は上値が重くなった。逆に昨日は米金利の低下で、ドル円は下げ幅を広げたものの、米株の上昇にもかかわらずクロス円を含め上値が重くなった。米金利の動向に欧州通貨等は連れるものの円の反応が鈍く、トレンドとして円買い意欲が強いということが現時点では明確だ。
円買い意欲が強いのは、来週に予定されている日銀金融政策決定会合での利上げ観測が高まっていることが主要因。12月の日銀会合後に発表された本邦の経済指標は、会合翌日の20日に発表された11月全国CPIコアが前年比で予想を僅かに上回り2.7%(予想2.6%)となったが、27日発表の12月東京都区部CPIは前年比で予想より下回り2.4%(予想2.5%)だった。今月9日発表の11月賃金指数は4カ月連続でマイナスになるなど、インフレの高進が確認されたわけではない。
しかしながら、大企業を中心に賃上げを示唆する声が高まっていることで、12月の政策決定会合時ではハト派と捉えられる発言をしていた植田日銀総裁は、昨日は「金融政策、経済・物価の情勢の改善が続けば政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整」とタカ派と捉える見解を示した。このことで、早ければ来週利上げの可能性の思惑が高まっている。
米国が利下げ停止に傾いていることで、対ドルでの円買いは限られているが、欧州通貨はディスインフレや財政不安などもあり買えず、新興国通貨もインフレ抑制や株安もあり買うことができない状況で、消去法的にも円は買われやすく、クロス円の売りも重しにドル円は軟調な動きになりそうだ。
そういった中で本日は注目されるのが、本邦12月企業物価指数。特にこの中で明らかになる輸入物価指数を確かめることになる。輸入物価指数に関しては円安が進行していることもあり、この数年は注目度が増している。
12月の日銀会合後の質疑応答で植田日銀総裁が、「オントラックにもかかわらず利上げをしなかったことで円安が進行したことへの評価」を記者から質問されると、「輸入物価の対前年比でみると、割と落ち着いているという状況であることも考慮に入れた」と回答。また、ほかの記者から「10月末時点と比べても3円ほど円安に振れているように、円安が物価上振れをもたらすリスクというのは10月時点と比べて高まっている」ことへの見方についても、為替の影響が日本の物価やインフレ率に影響を与えていることは認識しているとしたが、現時点では「対前年比でみた輸入物価の上昇率が落ち着いている」と2度にわたって、12月時点での円安水準については許容範囲内と捉えられる発言を繰り返した。
くわえて、今月9日に日銀大阪支店長は「輸入物価は落ち着いている、物価加速懸念が高まっているわけではない」と発言。一方で、一昨日氷見野日銀副総裁は、輸入物価指数が11月速報値は+1.5%と10月の改定値+2.9%より低下していたにも関わらず、「かなり高い伸び」「円安による輸入物価の上昇、影響をよく見ていく必要」と述べ、植田総裁や大阪支店長と真逆の意見を述べた。副総裁の発言が今日発表される結果を既に認識してのものだったのか、それとも10・11月がプラスだったことで高い伸びとしたのかが気になるところだが、今回の発表で明らかになる。仮に輸入物価が上昇していた場合には、インフレや円安の流れを阻止するためにも、1月の利上げの可能性が更に高まり、ドル円の上値を抑える要因にもなるだろう。
円以外では豪州の12月の雇用統計に注目。11月の豪雇用統計は失業率、新規雇用者数がともに市場予想よりも強い結果になった。しかし、昨年の12月9-10日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会では「インフレの上振れリスクは緩和。CPIは持続的に目標に戻ると確信」とハト派的な見解が示された。12月の雇用統計で11月に続き労働市場のひっ迫が確認されれば、賃金上昇によるインフレ圧力の高まりにより、RBAのスタンスが再び変わる可能性があるかもしれない。一方で、雇用情勢が悪化した場合は、RBAの早期の利下げ予想が高まることになるだろう。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38780 +390 (+1.01%)
TOPIX先物 2706.0 +15.5 (+0.57%)
シカゴ日経平均先物 38755 +365
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2024年12月の米消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.2%上昇と前月(0.3%上昇)から伸びが鈍化し、市場予想(0.3%上昇)を下回った。前日の米卸売物価指数(PPI)同様、過度なインフレリスクを和らげる内容だったことが材料視された。また、米銀大手の決算が本格化するなか、市場予想を大幅に上回る増収増益だったゴールドマン・サックス<GS>が6%を超える上昇となったほか、JPモルガン・チェース<JPM>、ウェルズ・ファーゴ<WFC>、シティグループ<C>が買われ、センチメントを明るくさせた。
NYダウ構成銘柄ではゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースのほか、アメックス<AXP>、ホームデポ<HD>、エヌビディア<NVDA>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が上昇。一方で、セールスフォース<CRM>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が軟調だった。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比365円高の3万8755円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円安の3万8330円で始まり、3万8230円まで売られた後はリバウンドによりプラスに転じると、米国市場の開始直前には3万8760円まで買われた。買い一巡後は3万8560円~3万8760円辺りのレンジで推移。終盤にかけてレンジを上抜け、一時3万8840円まで買われる場面もみられ、3万8780円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ日経平均先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。米CPIが予想を下回ったことで、リバランスの動きが入りそうである。日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-2σ(3万8430円)および200日移動平均線(3万8510円)を上回って終えており、-1σ(3万8880円)や75日線(3万8960円)が意識されやすいだろう。
米国で決算発表が本格化するなか、米銀大手4社はいずれも良好な内容だった。また、足もとで調整が続いていたエヌビディアの反発は、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。そのほか、イスラエルとイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザでの戦闘停止で合意し、地政学リスクへの警戒感が後退したことも安心感につながりそうである。
もっとも、来週20日のトランプ次期米大統領の就任式を控えて、就任直後に発表されるトランプ関税に関心が集まりやすい。節目の3万9000円に接近する局面では、戻り待ち狙いのショートに警戒しておきたいところである。そのため、買い一巡後は押し目狙いのロング対応とし、-1σや75日線辺りでは早めの利益確定に向かわせよう。
‐1σや75日線をクリアし、3万9000円を明確に上回ってくる局面ではショーカバーが強まりやすく、25日線が位置する3万9330円辺りをターゲットとしたロング対応になりそうである。そのため、オプション権利行使価格の3万8625円から3万9125円のレンジを想定する。
15日の米VIX指数は16.12(14日は18.71)に低下した。一時19.66に上昇する場面もみられたが、その後の下げで75日線(17.41)、25日線(17.11)、200日線(16.24)を一気に下回ってきた。リスク選好が強まり、ショートカバーを誘う形になりやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。14.36倍で始まったが、その後25日線(14.35倍)を割り込み、下へのバイアスが強まる形だった。200日線(14.24倍)水準が支持線として意識され、いったんはNTショートを巻き戻す動きもありそうだが、米銀の決算を受けたメガバンクの動向次第ではTOPIX型優位となる可能性もありそうだ。200日線を明確に割り込んでくると、NTショートによるスプレッド狙いの動きが強まりそうである。
昨日のNY市場では、米CPIでコアが予想を下回ったほか、スーパーコアも前月から低下傾向であることが分かると、米10年債利回りが16bp近い急低下。ドル円も157.09円の戻り高値から155.95円まで売り込まれることになりました。ただ、その後はユーロドルなど欧州通貨が対ドルで売られるにつれて156.74円まで買戻されるなど、米指標を受けた動きとしてはほぼほぼフラットな状況となってNY市場を終えました。
アジア時間に入ると、次期米財務長官の指名が予定されているスコットベッセント氏のコメントなどに反応して156.52円まで値を上げる場面もみられましたが、仲値後には戻り売り。米系短期勢を中心に昨日安値の155.95円を下抜けると一気にSLを巻き込むかたちで下げ足を速めたといったところです。一部で「日銀は米新政権の影響が限定的であれば来週の会合で利上げする公算が大」と報じられると155.21円まで売り込まれることになりました。その後は155.78円まで買戻されています。
いずれにしても、市場では「またかよ」との声。先月は「利上げ」を織込んでいた市場は会合まで約1週間前になって「利上げなし」との認識に変更を余儀なくされる展開。そして、今月は逆に「早くても利上げは3月以降」と織込んでいた市場は、またまた1週間前になって「利上げ」との認識を余儀なくされることになっているわけで、しかも、「米政権の影響を見極める」ことが、事実上、20日のトランプ米大統領の就任演説だけで判断出来るとの、「いくらなんでも酷いこじつけ」の様を目の当たりにしています。
ただ、株式市場も「かなり耐性が出来つつある」のか、目立った下げにもつながっていないなか、ドル円についても週足の一目雲上限の155.44円や日足の一目基準線の155.34円が意識されて下げ止まっている状況。昨日からの売りで急速に利上げを織込んだ市場としては、目先の下値を確認したようなかたちとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比200円高の3万8590円(+0.52%)前後で推移。寄り付きは3万8810円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8755円)を上回る形から、買い先行で始まった。中盤にかけて3万8940円まで買われた後は軟化し、終盤にかけては一時3万8480円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
日経225先物は寄り付き後に3万8940円まで買われ、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8860円)を上回ったものの、75日移動平均線(3万8950円)を捉えることはできなかった。同線が上値抵抗線として意識されるなか、利益確定に伴うロング解消に向かわせたようだ。その後3万8480円まで上げ幅を縮めたが、200日線(3万8510円)近辺で下げ渋る形となった。想定された範囲での値動きであり、200日線での底堅さがみられるようだと、再度75日線を意識したロングに向かわせる可能性はあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.32倍に上昇した。14.32倍で始まり、一時14.36倍をつける場面もみられた。ただし、75日線(14.36倍)を上抜けることができず、寄り付き水準での推移となった。
本日のロンドン為替市場も、序盤に英国で複数発表される重要な経済指標を見定めながらポンド中心の値動きか。指標は11月国内総生産(GDP)や同月鉱工業生産と製造業生産高、貿易収支などが発表予定。
昨日の12月英消費者物価指数(CPI)は総合・コアとも予想より伸び率が低下した。くわえて、英中銀が重要視しているとされるサービス価格のインフレ率も前年比4.4%と前回から0.6ポイントも減速。結果を受けて英利下げ余地が広がったとの思惑からポンド売りが先行したものの、1.21ドル台では下げ渋った。
インフレ指標の1時間後にオープンした英債市場では、中・長期債が大きく反発(利回りは低下)。市場で高まっていた懸念「長期金利の急騰による借入コスト増でリーブス英財務相の財政計画が破綻」が一旦後退し、こちらがポンドの支えとなったもよう。
もっとも、ニューヨーク時間で米長期金利の急低下を背景としたドル売りポンド買いも、1.23ドル台乗せから失速。英労働党政権による財政拡大に何ら変わりなく、英長期債への買い戻しは先週から売られ過ぎた分の調整との見方が優勢のようだ。
本日の英11月のGDP(前月比)は3カ月ぶりにプラス回復が期待されている、鉱工業生産も前月比は上昇見込みだ。一方、同生産の前年比ではマイナス幅の拡大が予想され、この辺りを市場がどのように判断するかがポンドの方向性を決めるか。さえない結果となれば、テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員が昨日言及した「予防的な利下げ」が現実味を帯びてくるだろう。
他、欧州午後に12月12日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨が公表される。今月30日の理事会に向けて、ECBメンバーから追加利下げを示唆する発言が目立っており、議事要旨がハト派に傾いたとしても驚きではない。タカ派な意見がどの程度まであったかを確認することになりそうだ。
想定レンジ上限
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
・ユーロドル、8日高値1.0358ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、14日安値1.2140ドルを割り込むと13日安値1.2100ドル
・ユーロドル、14日安値1.0239ドルを割り込むと13日安値1.0178ドル
ドル円:1ドル=156.11円(前営業日NY終値比▲0.36円)
ユーロ円:1ユーロ=160.52円(▲0.47円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0282ドル(▲0.0007ドル)
日経平均株価:38572.60円(前営業日比△128.02円)
東証株価指数(TOPIX):2688.31(▲2.50)
債券先物3月物:141.06円(△0.47円)
新発10年物国債利回り:1.200%(▲0.050%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月企業物価指数
前月比 0.3% 0.3%
前年同月比 3.8% 3.8%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は不安定な動き。次期米財務長官の指名が予定されているベッセント氏が「ドルが世界の準備通貨であり続けるようにする必要がある」と発言したことを受けて買いが先行し、一時156.52円まで上げたが、上値は限られた。「日銀は来週の会合で米新政権の影響が限定的なら利上げの公算大」との一部報道が伝わると一転して売りが優勢となり、目先のストップロスを巻き込みながら一時155.21円まで売り込まれた。一方、急ピッチで下げた反動から一巡後はショートカバーが強まり156円台を回復した。
・ユーロ円も不安定な動き。総じてドル円と同様の展開となり、朝方に161.09円まで上昇した後は日銀の利上げに関する報道を受けて159.75円まで一転下落。ただ、一巡すると160.70円台まで反発した。
・ユーロドルは小動き。円絡みの取引が中心となったため方向感はなく、総じて1.02ドル台後半でのもみ合いとなった。
・日経平均株価は反発。昨日の米国株が上昇した流れを引き継ぐ形で一時400円超上昇した。その後は日銀の利上げ観測から一転して下げに転じる場面も見られるなど不安定な動きとなった。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。昨日の米国債券相場が上昇した影響から買いが先行。20年債入札が好調な内容だったことも買いを誘った。
リーブス英財務相は11月の経済成長率が予想を下回る0.1%にとどまったことを受け、経済成長を加速させる決意を表明した。リーブス氏は「さらに迅速に経済成長を促進する」と述べ、規制当局に対して成長促進のための追加措置を求める意向を示した。
「米国債の投資環境は、国債の供給過剰と、景気刺激策によるインフレという2つの危険に直面している」(国際決済銀行BIS)
1. 2025会計年度(24年10月-25年9月)財政赤字:7109.44億ドル
米財務省は、2025会計年度(24年10月~25年9月)の12月の財政収支が、給付金の支払い時期のずれにより867.32億ドルの赤字だったと発表した。2023年12月は1293.54億ドルの赤字だったことで、赤字幅は426.22億ドル減少した。
歳出は3%減の5411.46億ドル、歳入は6%増の4544.15億ドルだった。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の財政赤字は7109.44億ドルと、第1四半期としては過去最高を記録した。
歳入は1兆829.39億ドル、歳出は1兆7938.84億ドルとなった。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、2024年度の連邦政府の公的債務利子が累計で初めて1兆ドルを超え、1.2兆ドルとなった。
発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
【財政赤字と対GDP比】
・2020会計年度(19年10月~20年9月):3兆1319億ドル(対GDP比15.0%)
※過去最大
・2021会計年度(20年10月~21年9月):2兆7721.79億ドル(対GDP比12.4%)
※過去2番目
・2022会計年度(21年10月~22年9月):1兆3754.81億ドル
・2023会計年度(22年10月~23年9月):1兆6952.40億ドル(対GDP比6.2%)
・2024会計年度(23年10月-24年9月):1兆8328.16億ドル(対GDP比6.4%)
2.2024年12月末債務残高:36兆2186億ドル(※米国債:29兆ドル)
米国の2024年12月末時点での債務残高は36.2186兆ドルで、2024年第3四半期国内総生産(GDP)29.37兆ドルの約123%となっている。
第2次トランプ米政権の誕生により、関税の引き上げ(中国60%、その他10-20%)や減税(所得税・法人税)、大規模な財政出動への警戒感から、「債券自警団(bond vigilantes)」は、米10年債利回り5%を目指して米国債売りを続けている。
格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆していた。
格付け会社フィッチは「トランプ次期米大統領の就任で共和党が政権と議会多数派を握る構図となっても、連邦債務上限を巡る議論が早期に解決する可能性は低い」との見方を示した。
第1次トランプ米政権の財政赤字は、約8兆ドル拡大していた。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、第2次トランプ米政権では、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとのことである。25年末に期限を迎える減税策の恒久化が5兆3500億ドル、残業代への課税撤廃は2兆ドルの財政悪化が見込まれている。全ての輸入品に10%、中国に60%の関税を課す方針では、2兆7千億ドルの税収増となる。
シティグループは最新リポートで、ハンセン指数の2025年6月末時点と12月末時点の目標値を当初の26000ポイント、28000ポイントから21000ポイント、22000ポイントにそれぞれ引き下げた。ハンセン指数構成銘柄の25年EPS伸び率を5.1%増に引き下げたことを反映させた。ただ、バリュエーションは割安な水準にあり、ハンセン指数構成銘柄の予想PERが8.8倍、予想PBRが1倍にとどまっていると指摘した。『信報』が16日伝えた。
シティは、中国当局が経済の安定成長を図っているが、外部の関税と内部の景気刺激策が鍵を握ると指摘した。米国による追加関税は25年4-6月期から段階的に実施され、中国の輸出を6%、国内総生産(GDP)を1%押し下げると予想。一方、3月の「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)では5つの支援材料が打ち出される可能があるとした。具体的には、◇国内消費の促進◇過剰生産能力の抑制◇新製品開発の加速と深化◇構造的な国有企業改革◇観光業の促進に向けた政策緩和――を挙げた。また、25年に0.5ポイントの利下げが実施されるとの見方を示した。
投資戦略として、高成長株と高配当株の両方に投資する「バーベル戦略」を勧めた。香港上場株のトップピックにはテンセント(00700)、トリップ・ドットコム(09961)、小米集団(01810)、ASMPT(00522)、BYD(01211)、AIAグループ(01299)、海爾智家(06690)を選定。また、中国の金融緩和で高配当のA株が国内の投資家に選好される可能性があるとして、招商銀行(600036)と中国平安保険(601318)をA株のトップピックに加えた。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月小売売上高や新規失業保険申請件数などを見極める展開が予想される。
米12月小売売上高は前月比+0.6%と予想されており、11月の同比+0.7%からの低下が見込まれている。大幅な低下とならない限り、市場への影響は限定的だと思われる。
また、新規失業保険申請件数は、1月の雇用統計の調査対象週(1月12日週)の前週の数字だが、雇用情勢を見極める意味から注目しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、今月末のFOMCでは据え置きが確実視されており、今年の利下げは1回(※FF金利誘導目標4.00-25%)と予想されていることで、ドルの下値を限定的にしている。
一方で、23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は、14日の氷見野日銀副総裁や15日の植田日銀総裁の発言、本日の報道「日銀が来週会合で利上げの公算大」を受けて80%台まで上昇しており、ドル円の上値を抑える要因となっている。
また、今年1月1日に米国の債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示しており、20日のトランプ次期米大統領の就任式の後に債務上限問題が復活する可能性には警戒しておきたい。
2025会計年度(24年10月-25年9月)の第1四半期(10月・11月・12月)の財政赤字は過去最高の7109.44億ドルまで拡大しており、第2次トランプ米政権での関税や減税による財政赤字の拡大懸念は、米国債の格下げなどに繋がることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、157.74円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、155.21円(1/16東京市場の安値)
今晩は経済指標と決算発表に注目。昨日は12月消費者物価指数(CPI)が前月比と前年比で前月から鈍化したことや、大手金融機関の決算が予想を上回ったことが好感され主要3指数が大幅に上昇。ダウ平均が703.27ドル高(+1.65%)、S&P500が1.83%高とともに3日続伸し、ハイテク株主体のナスダック総合は2.45%高と6日ぶりに大幅反発した。一日の上昇率は3指数がそろって11月6日以来の大きさとなった。米債利回りは大きく低下。前日に一時、2023年11月以来となる4.809%まで上昇した米10年債利回りは4.655%で終了し、前日比で0.133%低下した。CMEのフェドウォッチ・ツールの3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は前日の23%から28%に上昇した。
今晩の取引ではインフレ高進への警戒感の緩和を背景に底堅い展開が期待されるが、足もとの景気や雇用動向を巡り寄り前に発表される12月小売売上高や週間新規失業保険申請件数などの経済指標や、ユナイテッドヘルス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーの決算発表が焦点となりそうだ。また、午前中にはトランプ次期大統領が次期米財務長官に指名したベッセント氏の上院銀行委員会での公聴会も予定され、関税など巡るベッセント氏の発言にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、12月小売売上高のほか、12月輸入物価、1月フィラデルフィア連銀業況指数、1月NAHB住宅市場指数など。決算発表は寄り前にユナイテッドヘルス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、USバンコープ、M&Tバンク、引け後にJBハント・トランスポートなどが発表予定。
みずほ証券では米国の長期金利に関して、ここからの上昇は限定的と考えている。24年12月のFOMCにおける参加者の政策金利長期見通しは3.00%である一方、長期金利と連動性がある市場の3年先政策金利予想は足元4.29%と、現状の政策金利上限である4.50%からあと1回程度の利下げを織り込んだ水準にある。市場の利下げペースの鈍化観測はやや行き過ぎの可能性もあるとみずほでは指摘。FRBの利下げペース鈍化観測の巻き戻しに加えて、トランプ政権の政策の先行き不透明感の緩和により、米長期金利は25年春頃にかけて緩やかにピークアウトすると予想している。
日経平均株価は反発。買い優勢のスタートから上値を伸ばす場面があったが、75日移動平均線(38945円 1/16)や一目均衡表の雲上限(38954円 同)に上値を抑えられ失速する格好となった。一方、5日連続の陰線を形成したが、100日移動平均線(38569円 同)上を回復して終えた。
RSI(9日)は前日の36.3%→25.7%(1/16)へ低下。あすは上昇しやすいタイミングとなる。下向きの5日移動平均線(38857円 同)が上値を抑える可能性は高いが、次は75日移動平均線上を回復できるかが焦点となる。12/27高値からの二段下げの下値模索が続く中、マドを開けた状態で陰線が続いており、強い下振れにも警戒したい。昨年11月後半で下げ渋った心理的節目の38000円前後を意識して下げ止まるかが焦点となる。
一目均衡表では遅行スパンが当時の株価水準を下回る逆転の弱気局面入りを示唆。リバウンド局面でも下向きに変化している10日移動平均線(39383円 同)や25日移動平均線(39298円 同)などに上値を抑えられる局面が続く公算が大きい。
上値メドは、75日移動平均線、25日移動平均線、10日移動平均線、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
中国通信社の財聯社は16日、事情を知る複数の関係者の話として、自動車などの分野を対象とする新たな購入補助制度の実施細則が17日に公表されると報じた。商務部市場運行・消費促進司の李剛司長は15日、「中国経済の質の高い発展の成果」を主題に国務院新聞弁公室が開く記者会見で、商務部が2025年に拡充する自動車、家電、家具、電動自転車や、携帯端末などのデジタル製品の新たな購入補助制度の実施細則を今週中に相次いで公表すると述べていた。
(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.26円(16日15時時点比▲0.85円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.87円(▲0.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0296ドル(△0.0014ドル)
FTSE100種総合株価指数:8391.90(前営業日比△90.77)
ドイツ株式指数(DAX):20655.39(△80.71)
10年物英国債利回り:4.679%(▲0.052%)
10年物独国債利回り:2.547%(▲0.013%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.5% 0.4%
(前年同月比) 2.6% 2.6%
11月英国内総生産(GDP)
(前月比) 0.1% ▲0.1%
11月英鉱工業生産
(前月比) ▲0.4% ▲0.6%
(前年同月比) ▲1.8% ▲1.1%・改
11月ユーロ圏貿易収支
(季調済)129億ユーロの黒字 70億ユーロの黒字・改
(季調前)164億ユーロの黒字 68億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)で「データはディスインフレの順調なプロセスを示す」「一部の委員が0.50%の利下げ協議を要請」「中期的なインフレは下方リスクが高い」との見解が示されると、ユーロ売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時1.0261ドルと日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値1.0260ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「3月利下げの可能性が排除されるとは考えていない」「インフレの動向次第では今年最大3-4回の利下げがあり得る」などと発言すると、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化した。2時30分前には一時1.0315ドルと日通し高値を更新した。
・ドル円は頭が重かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.68%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時156.35円付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値156.52円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。ウォラーFRB理事が「インフレ抑制傾向が続く場合、早期利下げの可能性がある」との考えを示すと米10年債利回りが4.59%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.11円と昨年12月19日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
なお、この日発表の12月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となった一方、1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想を大幅に上回るなど、強弱入り混じる結果となった。
・ポンドドルは持ち直した。前日の12月英消費者物価指数(CPI)の下振れに続き、本日発表の11月英国内総生産(GDP)や11月英鉱工業生産なども予想より弱い内容となった。英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑からポンド売り・ドル買いが進んだ。22時30分過ぎに一時1.2175ドルまで値を下げた。
ただ、NYの取引時間帯に入ると全般ドル安が進んだ流れに沿って1.2260ドルの本日高値まで値を上げた。
・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時160.89円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値161.09円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。3時前には159.83円付近まで売られ、アジア時間に付けた日通し安値159.75円に迫った。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は続伸し、昨年5月以来の高値で取引を終えた。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が上昇したことで投資家心理が上向き、買いが優勢となった。レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が上昇したことで買いが先行。台湾積体電路製造(TSMC)の好決算を受けて、投資家心理が改善したことも相場の支援材料。個別ではザランド(8.57%高)やラインメタル(4.51%高)、ハノーバー再保険(2.51%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
16日の日経平均は6日ぶり反発。終値は128円高の38572円。米国株の大幅高を受けて、寄り付きから200円を超える上昇。9時台半ばには鋭角的に水準を切り上げ、上げ幅を400円超に広げた。38900円台までで買いは一巡し、以降は値を消す流れがしばらく続いた。14時台後半にTSMCの決算が伝わった辺りで半導体株が売られたことから、瞬間的にマイナス圏に沈む場面もあった。しかし、その後に多くの半導体株の動きが良くなってきたことから、3桁の上昇で取引を終えた。TOPIXやグロース250指数も日経平均同様に買い先行から失速したが、これらはプラスを維持できず小幅に下落した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1300億円。業種別では証券・商品先物、石油・石炭、サービスなどが上昇した一方、海運、空運、輸送用機器などが下落した。今期の大幅営業増益計画が好感された津田駒工業<6217.T>が後場急伸。半面、今期の減収・最終赤字計画が嫌気されたトゥエンティーフォーセブン<7074.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり610/値下がり968。東京エレクトロンやSCREENなど半導体株の一角が終盤に強く買われて大幅上昇。古河電工が7.7%高と目を見張る動きとなった。円高進行を手がかりに、恩恵が大きいと見られているニトリHDや神戸物産が急伸。自動車株の多くが円高で嫌われる中、エンジン認証の不正問題で米当局との和解が伝わった日野自動車は9%を超える上昇となった。
一方、円高が逆風となったトヨタや日産自動車が大幅安。商船三井など海運大手3社がそろって大きく下落した。海外での株式売り出しを発表した村田製作所が4.5%安。マネーフォワードなど前日のストップ安銘柄が一段と売り込まれており、Speeeが連日のストップ安。ロゴスHDは連日のストップ安比例配分となった。
日経平均は6日ぶりに反発。ただ、米国株にかなり助けられた上昇で、ローソク足では5日連続で陰線を形成した。一時500円近く上昇したにもかかわらずプライムでは値下がり銘柄の方が多く、久々の上昇を好感できるような1日ではなかった。
米国では本日、12月の小売売上高が発表される。小売指標に関しては、強ければ米国経済の好調を示唆する材料として米国株の上昇要因となる公算が大きい。ただ、週明けの20日にはトランプ氏の大統領就任式が行われる。23日~24日の日銀会合における利上げ観測もくすぶる中、あすの日本株は積極的な買い手が不在になると思われる。きょうの日経平均の終値は38572円。26週線が38355円(16日時点)に位置しており、これより上で週を終えることができるかに注目したい。
16日09:51 ベッセント次期米財務長官
「ドルが世界の準備通貨であり続けるようにする必要がある」
17日01:56
「ロシア石油大手に対する制裁を支持する」
16日12:30 植田日銀総裁
「展望リポートのもと来週会合で利上げを行うか議論する」
「今年も経済物価情勢の改善続くなら、金融緩和を調整する」
「調整をどう進めるかは経済・物価・金融情勢次第」
「昨年の日本経済、好循環強まり物価目標の持続的実現に向けて着実に進んだ」
「米新政権を巡る状況や春季交渉は重要なポイント」
16日16:36 林官房長官
「今後の利上げ含め金融政策の具体的な手法は日銀に委ねている」
16日21:30 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)
「インフレの基本的な見通しが今後数カ月から数四半期にわたって確認された場合、政策の制限性を段階的に緩和することが適切」
「インフレ見通しには依然として多くの上振れリスクと下振れリスクがあるため、ディスインフレ過程の最終段階で警戒を緩めるべきではない」
「現在の不確実性と、インフレーション動向の進展を妨げる可能性のある多くの要因の存在を考慮すると、慎重なアプローチが依然として必要」
「一部のメンバーは0.50%利下げの可能性について議論する余地があり、そのような可能性についてより多くの検討を支持」
17日00:17 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「今週発表されたCPIデータは非常に良好」
「3月利下げの可能性が排除され得るとは考えていない」
17日03:51 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「労働市場が安定しつつあることに安心」
「失業率が悪化していることにあまり懸念はない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○11:00 ☆ 10-12月期中国国内総生産(GDP、予想:前期比1.6%/前年同期比5.0%)
○11:00 ◎ 12月中国鉱工業生産(予想:前年比5.4%)
○11:00 ◎ 12月中国小売売上高(予想:前年比3.5%)
○16:00 ◎ 12月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.4%/前年比4.2%)
○16:00 ◎ 12月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.1%/前年比3.6%)
○18:00 ◇ 11月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○19:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.4%)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.7%)
○19:30 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:30 ◇ 11月対カナダ証券投資
○22:30 ◎ 12月米住宅着工件数(予想:132.5万件、前月比2.9%)
◎ 建設許可件数(予想:146.0万件、前月比▲2.2%)
○23:15 ◎ 12月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
◇ 設備稼働率(予想:77.0%)
○18日06:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○18日06:00 ◎ 11月対米証券投資動向
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.16円(前営業日比▲1.31円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.85円(▲1.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0301ドル(△0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:43153.13ドル(▲68.42ドル)
ナスダック総合株価指数:19338.29(▲172.94)
10年物米国債利回り:4.61%(▲0.04%)
WTI原油先物2月限:1バレル=78.68ドル(▲1.36ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2750.9ドル(△33.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米小売売上高
(前月比) 0.4% 0.8%・改
(除く自動車) 0.4% 0.2%
12月米輸入物価指数
(前月比) 0.1% 0.1%
1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
44.3 ▲10.9・改
前週分の米新規失業保険申請件数
21.7万件 20.3万件・改
11月米企業在庫
(前月比) 0.1% 0.0%・改
1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
47 46
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.68%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時156.35円付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値156.52円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「3月利下げの可能性が排除されるとは考えていない」「インフレの動向次第では今年最大3-4回の利下げがあり得る」などと発言すると、米10年債利回りが4.58%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.10円と昨年12月19日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
本日アジア時間には「日銀は来週の金融政策決定会合でトランプ次期米政権の影響が限定的なら利上げの公算大」との一部報道が伝わった。日銀による追加利上げ観測の高まりを背景に円買いが入りやすい面もあった。
・ユーロドルは小反発。欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0261ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0260ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ウォラーFRB理事が「インフレ抑制傾向が続く場合、早期利下げの可能性がある」との考えを示すと、米長期金利の低下とともにドル売りがさらに強まった。2時30分前には一時1.0315ドルと日通し高値を更新した。
なお、この日発表の12月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となった一方、1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想を大幅に上回るなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロ円は続落。日銀による追加利上げへの思惑から円買い・ユーロ売りが進行。取引終了間際には一時159.77円付近まで値を下げ、アジア時間に付けた日通し安値159.75円に迫った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いた後だけに、短期的な過熱感が意識されて小幅ながら売りが出た。もっとも、本日発表の米経済指標が強弱入り混じる内容となったため、相場は方向感が出なかった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。前日に大幅上昇した反動で売りが優勢となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。ウォラーFRB理事のハト派的な発言をきっかけに、米早期利下げ観測が高まると債券買いが優勢となった。
・原油先物相場は反落。前日に約5カ月ぶりの高い水準となる80ドル台を回復したこともあり、この日は新規材料が乏しいなか利食い売りが優勢となった。
・金先物相場は3日続伸。ウォラーFRB理事の発言を受けて米早期利下げ思惑が再燃し、米長期金利が低下したことを受けて、金利を生まない金は買いが優勢となった。
昨日の海外市場でドル円は、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.68%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行し156.35円付近まで値を上げた。ただ、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事のハト派発言が伝わると、米10年債利回りが4.58%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.10円と昨年12月19日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。ユーロドルは、米長期金利の低下とともに1.0315ドルまで強含んだ。
本日の東京時間でドル円は、上値が重いだろう。昨日の東京時間で一部通信社が「米新政権の影響が限定的であれば、来週の日銀会合で利上げの可能性が高い」と報じたことで、155.21円まで急落。その後は1円以上買い戻しが入り「セリングクライマックスを確認できた」との声もあった。しかしながら、再び欧米時間に入ると上値が抑えられ、NY時間には米金利の低下とともに155.10円まで下値を広げている。
米金利の低下では欧州通貨や新興国通貨に対するドル売りは限定的だったことを見れば、円が買える通貨として際立っているとも言え、あらためて円買いの地合いの強さ(ドル円の地合いの弱さ)を示している。
本日も本邦実需勢が水準的にドル円を買う場面もあるだろうが、依然としてドル円を買っておけばよいという妄信的な動きを繰り返している投資家もいることで、下落時は再びドル売り・円買いになる局面もありそうだ。
ただ、今週に入り本邦2年債などは16年ぶりの水準まで利回りが上昇するなど、市場ではすでに23-24日に行われる日銀金融政策決定会合での利上げを織り込みつつある。これまでのように観測報道だけでは、市場が大きく動意づくことが徐々に減ってきそうだ。
ここから気を付けたいのは政策決定会合に参加しているメンバーが再び発言することか。他国の中央銀行では会合の投票権を有するメンバーは、1週間程度のブラックアウト期間(金融政策等に関する発言をしてはいけない期間)があるものの、日銀は2営業日前からブラックアウト期間が始まることで、来週21日までは様々な報道が流れる可能性もあるだろう。
本日は本邦からは対外対内証券売買契約等の状況以外は、市場を動意づけるような経済指標の発表は予定されていない。ただ、中国からは10-12月期中国国内総生産(GDP)や12月鉱工業生産、同月小売売上高が発表される。市場の材料が乏しいときは人民元(CNH)の動きが他のドル相場にも影響を与えることもあることで、注目しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38330 -340 (-0.87%)
TOPIX先物 2670.5 -26.5 (-0.98%)
シカゴ日経平均先物 38335 -335
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2024年12月の米小売売上高は前月比0.4%増だった。幅広い分野で消費者の支出は伸びたが、市場予想(0.6%増程度)には届かなかった。また、先週の米新規失業保険申請件数は前週比1万4000件増の21万7000件となり、予想(21万件程度)を上回った。NYダウは前日までの3日間で1200ドル超上昇していたこともあり、短期的な過熱感が意識され、利益確定の売りが出やすかった。
四半期決算で売上高が市場予想に届かなかったユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が6%を超える下落となったほか、中国でiPhone販売が苦戦していると伝わったアップル<AAPL>が売られ、NYダウの重荷となった。
そのほかのNYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、ウォルト・ディズニー<DIS>が軟調。半面、キャタピラー<CAT>、ゴールドマン・サックス<GS>、IBM<IBM>、ボーイング<BA>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比335円安の3万8335円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比110円高の3万8780円で始まったが、寄り付きを高値に軟化し、ほどなくして下落に転じた。売り一巡後は3万8550円~3万8650円辺りで推移。米国市場の取引開始後にレンジを下放れ、3万8330円とナイトセッションの安値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになろう。予想を上回る決算を発表した台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>は3%超の上昇とはなったが、1月6日につけた高値は更新できなかった。買い一巡後は利益確定の売りに押されたほか、半導体SOX指数も小幅な上昇にとどまっているため、前日の引け間際に急伸した東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など半導体株には利食いが入りやすいだろう。
日経225先物はナイトセッションで再び200日移動平均線(3万8500円)を割り込んでいる。ボリンジャーバンドでは下向きで推移する-2σ(3万8320円)と-1σ(3万9800円)での推移であり、調整トレンドは継続している。-2σを下回る局面においては短期的に売られ過ぎが意識されやすく、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだが、ロングポジションを積極的に積み増す動きは期待しづらい。来週20日の大統領就任式を控えているなか、就任直後に発表されるトランプ関税に対する警戒もあって、スキャルピング中心になりそうだ。
また、週間形状では26週(3万8260円)、52週線(3万8370円)辺りでの攻防をみせている。両線は足もとで支持線として機能していることもあり、終値で明確に割り込んでくるようだと、ショート優勢の流れになりやすく、週足の-1σ(3万8200円)や節目の3万8000円割れを狙った動きが意識されそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8125円から3万8875円でのレンジを想定する。
16日の米VIX指数は16.60(15日は16.12)に上昇した。一時15.64に低下する場面もみられたが、その後の上昇で75日線(16.26)を上回って終えた。ただし、75日線を挟んでの小幅な値動きだったこともあり、前日の大幅な低下に対する反動といったところだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.33倍に上昇した。14.32倍で始まり、一時14.36倍をつける場面もみられた。ただし、75日線(14.36倍)を上抜けることができず、その後は寄り付き水準での推移となった。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株には利食いが入りやすいと考えられ、ややNTショートが優勢になりそうだ。
昨日のドル円は、欧州時間はアジア勢のショートカバーが先行。米長期金利の上昇も手伝って一時156.35円まで買戻される場面もみられましたが、NY時間に入ってウォラーFRB理事が「3月利下げの可能性が排除されたとは考えていない。インフレが一段と鈍化した場合、年3‐4回の利下げも可能」などとハト派的な発言を行うと米10年債利回りが4.5861%まで低下。つれるかたちで155.10円まで売り込まれました。その後は155.51円まで買戻されたものの、戻りも限定的となってNY市場を終えています。
週末のアジア市場では、仲値にかけて本邦実需の買いが観測されると155.49円まで値を上げる場面もみられましたが、その後は日経平均が下げ幅をひろげるなか昨日安値を下抜けて下落。一時154.98円まで値を下げました。ただ、昨日同様にフォローする動きも少なく、結局155.46円付近まで買戻されているといったところです。
いずれにしても、ドル円は、昨年12月19日に日米の金融政策の方向性を確認したことで急騰。そして、今週に入ってからは、その認識に対する時間軸の修正とともに、目先のポジション調整が急速に行われているわけで、トランプ米大統領の就任というビッグイベントを前に、振り出しに戻されたかたちとなっています。
ただ、時間軸の調整が、日本サイドでは、植田日銀総裁の明らかに稚拙なコミュニケーション手段による市場からの絶望的な不信感が改めて増幅されてはいるものの、昨日から既に織込み済み。米国サイドでは、1人のFOMCメンバーの極端にハト派的な発言に対して、来週の3連休を前に一時的に過剰反応しているだけ。年初からの方向性に何ら変化はありません。
日経225先物は11時30分時点、前日比480円安の3万8190円(-1.24%)前後で推移。寄り付きは3万8430円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8335円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万8510円まで下げ幅を縮めたが、同水準に位置する200日移動平均線(3万8500円)に上値を抑えられる形となり、その後は下へのバイアスが強まった。3万8090円まで売られた後は、中盤にかけて3万8300円辺りまで戻す場面もみられたが、終盤にかけて売り直され、一時3万8070円まで下落幅を広げた。
日経225先物は200日線に上値を抑えられる形で下げ幅を広げ、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8290円)を下回っての推移となった。テクニカル面では売られ過ぎが意識されるものの、バンドが下向きで推移していることもあり、バンドに沿った調整のなかでは、押し目狙いのロングも入れづらいところである。ただし、3万8000円割れを狙ったショートの動きもあったとみられるが、同水準を割り込まなかったことで、ショートも仕掛けにくくさせよう。底堅さが意識されてくるようだと、ショーカバーを誘う流れもありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。一時14.39倍まで上昇し、75日線(14.34倍)を上回る場面もみられたが、その後は寄り付き水準での推移となった。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの発言を確認しながら直近レンジを広げられるかに注目。経済指標は、12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)の発表があるものの、改定値のため相場インパクトは弱そうだ。
昨日は12月ECB理事会の議事要旨を受けたユーロ売りで、一時1.0260ドル台まで下落した。金利低下余地を示唆する内容が着目されたもよう。もっとも、前日15日安値には届かずに切り返すと1.03ドル台を回復。13日に2022年11月以来の1.01ドル後半まで下落した後は、下値を切り上げる展開となっている。
0.25%の利下げが決定された前回ECB理事会では、「データはディスインフレの順調なプロセスを示す」「中期的なインフレは下方リスクが高い」など、このところ複数のECBメンバーが述べているような意見が出たもよう。また、0.50%利下げの協議を要請した委員もいたようだ。
ただ、ハト派的見解は既に織り込まれており、ユーロ売り圧力はそれほど強まらず。そうなると今度は、タカ派がどの程度までタカ派的かを確認することになる。そういった意味で、本日のナーゲル独連銀総裁の講演内容には注目したい。ナーゲル氏と同じくタカ派として知られるホルツマン・オーストリア中銀総裁は今週前半、ECBは過度な利下げは出来ないと述べていた。
独連銀総裁の態度次第では、ユーロドルは直近レンジ(1.02ドル半ばから1.03ドル半ば)を突破するかもしれない。下値をトライした後なだけに、1.0350ドル台に位置する日足一目均衡表・基準線や8日高値を超えてくるとショートの巻き戻しが進みそうだ。
ほか、序盤には12月英小売売上高が発表される。昨日の11月英GDP(前月比)でプラス圏を回復したものの、市場予想には届かず。同月鉱工業生産はさえない結果だった。15日の12月英インフレも鈍化しており、本日の小売売上高が弱いようだと再びポンドの下値警戒感が高まるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、8日高値1.0358ドルを超えると6日高値1.0437ドル
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、14日安値1.0239ドル
・ポンドドル、14日安値1.2140ドル
ドル円:1ドル=155.56円(前営業日NY終値比△0.40円)
ユーロ円:1ユーロ=160.12円(△0.27円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0293ドル(▲0.0008ドル)
日経平均株価:38451.46円(前営業日比▲121.14円)
東証株価指数(TOPIX):2679.42(▲8.89)
債券先物3月物:141.00円(▲0.06円)
新発10年物国債利回り:1.200%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
7567億円の取得超 3323億円の処分超・改
対内株式
3133億円の取得超 740億円の処分超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。朝方は本邦実需勢の買いが観測されて155.49円まで上げたものの、日経平均株価の下落を受けて一転して売りが強まり、昨日安値の155.10円を下抜けて154.98円まで値を下げた。ただ、155円割れでは押し目買い意欲が強く、一巡後はショートカバーが優勢に。株価が下げ幅を縮めたことも支えに155.70円まで反発した。
・ユーロ円も下値が堅い。総じてドル円につれた展開となり、一時159.73円まで下落した後は買い戻しの流れとなり160.20円まで切り返した。
・ユーロドルは小安い。ドル円の買い戻しが強まった影響からユーロ売り・ドル買いが散見され、一時1.0285ドルまで下押しした。
・日経平均株価は反落。昨日の米国株安を嫌気したほか、週明けにトランプ政権が誕生することも警戒感の高まりに繋がり、指数は一時500円超下落した。ただ、一巡後は押し目買いが強まるなど下値は堅かった。
・債券先物相場は反落。昨日の米債券相場が上昇した流れを引き継いで141.27円まで買いが先行。ただ、来週会合で日銀が利上げするとの期待感が根強いなかで一巡後は一転して売りが優勢となった。
中国の2024年第4四半期のGDP成長率は5.4%と、予想を大きく上回った。これにより、2024年通年の成長率は5.0%となり、政府目標を達成。2023年9月以降の一連の景気刺激策が効果を発揮し、経済回復を後押しした。しかし、来週就任予定のトランプ次期米大統領が中国製品に高関税を課す方針を示しており、中国政府は今後も経済支援策を継続する姿勢を示している。外部環境の不確実性が高まる中、中国経済の持続的な成長が注目されている。
ハンガリーのオルバン首相は17日、国営ラジオにて「EUはロシアに対する制裁を撤廃する時が来ている」と発言した。オルバン首相はロシアへの制裁に批判的な立場を長年取っており、EUの対ウクライナ支援策も度々阻止してきた。
「国家安全保障と世界の自由のために、米国はグリーンランドの所有権と支配権が絶対に必要だと思っている」(トランプ次期米大統領)
19世紀後半、ローズヴェルト第26代米大統領は、「大きな棍棒を携え、穏やかに話す(speak softly and carry a big stick)」という「棍棒外交」を繰り広げた。
21世紀前半、トランプ第47代米大統領も「棍棒外交」を打ち出しつつある。
1. マンハッタン島=24ドル
1626年、オランダ人が現在のニューヨーク市の中心街があるマンハッタン島(約59.1平方キロ)を、一握りのビーズと24ドル相当の現金と引き換えに先住民から買い取った。
その目的は、マンハッタン島に生息していたビーバーの毛皮だったらしい。
現在の通貨価値は約1兆ドル(=160兆円@160円)とのことで、史上最大のバーゲンとして知られている。
ちなみに、アインシュタインが「人類最大の発明」と見なす複利計算では、マンハッタンの先住民が24ドルを約400年間、年率7%で複利運用していたら、現在約10兆ドルになっているらしい。
2.アラスカ=720万ドル
1867年、アメリカはロシアから720万ドルでアラスカを買った。
現在の通貨価値では、約1億6200万ドル(=約2590億円@160円)とのことである。
当時、アメリカ国民は「巨大な保冷庫を購入した」と非難したが、1896年に金鉱が発見され、1957年には大規模な油田が発見されたことで、1959年にアラスカ州となる。
3. グリーンランド
1946年、トルーマン第33代米大統領がグリーンランドを1億ドル相当の金(現在価値約15億ドル=約2400億円@160円)で購入したいと提案したが拒否された。
2025年、トランプ第47代米大統領は、グリーンランドの購入を提案している。
グリーンランドのキールセン首相は、「グリーンランドは売り出し中ではないが、アメリカを含め、他国との貿易、協力にはオープンだ」と述べている。
4.カナダ
2024年11月、トランプ次期米大統領は、フロリダ州でカナダのトルドー首相と会談した際、カナダに対する関税でカナダ経済が疲弊するのであれば、「カナダがアメリカの51番目の州になるべきだ」などと述べたらしい。
「多くのカナダ人は、カナダがアメリカの51番目の州になるのを望んでいる。そうなれば、税金を大幅に節約でき、軍事的保護も得られる。素晴らしいアイデアだと思う。51番目の州だ!!!」と述べている。
日本経済新聞が伝えたところによると、日銀が23-24日に開く金融政策決定会合で、政策を決める9人の政策委員の過半が追加利上げを支持する見通しであることが、複数の関係者への取材で分かった。20日に就任するトランプ次期米大統領の発信や、その後の国内外の市場の反応などを見極めたうえで最終判断するという。
大阪3月限
日経225先物 38470 -200 (-0.51%)
TOPIX先物 2684.5 -12.5 (-0.46%)
日経225先物(3月限)は前日比200円安の3万8470円で取引を終了。寄り付きは3万8430円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8335円)にサヤ寄せする形から売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万8510円まで下げ幅を縮めたが、同水準に位置する200日移動平均線(3万8500円)に上値を抑えられ、その後は下へのバイアスが強まり、前場終盤にかけて一時3万8070円まで下落幅を広げた。
その後は3万8150円~3万8250円辺りで下げ渋りをみせ、後場に入ってレンジを上抜け、終盤にかけては持ち高調整とみられるショートカバーも入り、寄り付き水準を上回って終えた。
日経225先物は200日線に上値を抑えられる形で下げ幅を広げ、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8340円)を下回る場面もみられたが、テクニカル面では売られ過ぎが意識され、終値では-2σ水準を回復した。200日線水準まで下げ渋る動きとなったが、同線が抵抗線として機能する可能性もあるため、慎重姿勢は崩せない。
また、ボリンジャーバンドのバンドが下向きで推移するなかで、-1σは3万8820円辺りで推移している。75日線(3万8970円)なども抵抗線となることで、節目の3万9000円回復へのハードルが高まってきている。3万8000円目前までの調整で、いったんはボトム形成が意識されてくる可能性があるが、再び-2σを割り込む局面では3万8000円割れからイレギュラー的に-3σ(3万7740円)辺りがターゲットになりそうである。
週間形状では52週線(3万8370円)、-1σ(3万8220円)を上回って終えており、これまでの支持線をキープした形である。ボトム形成が意識されるようだと、スキャルピング中心ながらも、13週線(3万8920円)辺りへのリバウンドを想定したロングが入りやすい面はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。一時14.39倍まで上昇し、75日線(14.34倍)を上回る場面もみられたが、その後は寄り付き水準での推移となった。75日線が抵抗として機能することで、200日線が位置する14.24倍辺りまでの低下を想定したNTショートに振れやすいだろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7029枚、ソシエテジェネラル証券が1万4641枚、サスケハナ・ホンコンが3574枚、ゴールドマン証券が1809枚、SBI証券が1692枚、ドイツ証券が1690枚、バークレイズ証券が1638枚、JPモルガン証券が1523枚、ビーオブエー証券が1517枚、モルガンMUFG証券が1292枚、日産証券が1174枚、楽天証券が1218枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2729枚、ソシエテジェネラル証券が1万9107枚、バークレイズ証券が5785枚、モルガンMUFG証券が3653枚、ゴールドマン証券が3637枚、JPモルガン証券が3217枚、みずほ証券が2837枚、野村証券が1741枚、ビーオブエー証券が1446枚、UBS証券が1105枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月米住宅着工件数、建設許可件数、鉱工業生産指数、設備稼働率などを見極める展開が予想される。
12月米住宅着工件数の予想は132.5万件、前月比+2.9%、建設許可件数の予想は146.0万件、前月比▲2.2%、鉱工業生産指数の予想は前月比+0.3%、設備稼働率の予想は77.0%となっている。
また、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、今月末のFOMCでは据え置きが確実視されており、今年の利下げは1回(※FF金利誘導目標4.00-25%)と予想されていることで、ドルの下げを緩慢にしている。
本日発表される米国12月の経済指標が予想の範囲内であれば、利下げの見通しに変化はなく、来週20日のトランプ次期米大統領の就任式を迎えることになる。
一方で、23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は、14日の氷見野日銀副総裁や15日の植田日銀総裁の発言、そして16日の利上げ観測報道などを受けて80%台まで上昇しており、ドル売り・円買いに拍車をかけてきた。
ブラックアウト期間入りの前に、日米の金融当局者からの発言や観測報道にも警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、156.99円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、154.44円(2024/12/19安値)
今晩は底堅い展開か。昨日は前日までダウ平均とS&P500が3日続伸したことや、個別悪材料でアップルとテスラが大きく下落したことでナスダック総合の0.89%安を筆頭に主要3指数がそろって下落した。ただ、S&P500採用の503銘柄は376銘柄が上昇し、下落は124銘柄にとどまった。セクター別でもIT、コミュニケーション、一般消費財の3セクターが下落した一方、公益の2.58%高を筆頭に不動産、資本財、素材など8セクターが上昇した。週初来ではダウ平均が2.90%高、S&P500が1.89%高、ナスダック総合が0.92%高とそろって3週ぶりの反発ペースとなった。
今晩は好調な企業決算や利下げ期待を背景に底堅い展開か。今週からスタートした大手金融機関の第4四半期決算発表は総じて市場予想を上回る強い決算が続いている。今週発表された米12月生産者物価指数(PPI)と米12月消費者物価指数(CPI)がやや鈍化したことや、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が早期利下げの可能性を示唆したことで、利下げ期待も再び高まった。週末の取引となるが、決算発表や利下げ期待を背景に底堅い展開が期待できそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月建設許可件数、12月住宅着工件数、12月鉱工業生産など。決算発表は寄り前にSLB、ステート・ストリート、リージョンズ・ファイナンシャルなどなどが発表予定。
日経平均株価は反落。前日までの並んだ陰線から下振れる展開となり、一時は心理的節目の
38000円に迫る場面があった。一方、後場は次第に下げ幅を縮小する動きとなり、日足ローソク足は下ヒゲの長い陰線十字足を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の25.7%→27.8%(1/17)へ上昇。週明けも上昇しやすいタイミングとなる。12/27高値からの下値模索が続く中、マドを開けた状態で陰線が続いており、一段の強い下振れに警戒したい。昨年11月後半で下げ渋った心理的節目の38000円前後を意識して下げ止まるかが焦点となる。
きょうの「十字足」が反転上昇への分岐のシグナルとなるかが注目される。下向きに変化している10日移動平均線(39200円 同)や25日移動平均線(39272円 同)などに上値を抑えられる可能性は高いが、早期に75日移動平均線(38953円 同)上への回復が昨年10月以降のもみ合い相場継続を確認できる最初の関門となる。
上値メドは、75日移動平均線、25日移動平均線、心理的節目の39500円や40000円、12/27高値(40398円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.25円(17日15時時点比△0.69円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.64円(△0.52円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0280ドル(▲0.0013ドル)
FTSE100種総合株価指数:8505.22(前営業日比△113.32)
ドイツ株式指数(DAX):20903.39(△248.00)
10年物英国債利回り:4.660%(▲0.019%)
10年物独国債利回り:2.535%(▲0.012%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) ▲0.3% 0.1%・改
(前年比) 3.6% 0.0%・改
12月英小売売上高(自動車燃料除く)
(前月比) ▲0.6% 0.1%・改
(前年比) 2.9% ▲0.5%・改
11月ユーロ圏経常収支(季調済)
270億ユーロの黒字 302億ユーロの黒字・改
12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 2.4% 2.4%
12月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.7% 2.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。「日銀は来週23-24日に開く金融政策決定会合で、追加利上げを検討」との報道や「日銀金融政策決定会合で、9人の政策委員の過半が追加利上げを支持する見通し」との観測報道が伝わると円買い・ドル売りが入ったものの、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は一時的となった。英FTSE100や独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移したことも相場を下支えした。
NYの取引時間帯に入ると、12月米住宅着工/建設許可件数や12月米鉱工業生産が予想より強い内容だったことが伝わり、円売り・ドル買いが進行。一時は4.56%台まで低下していた米10年債利回りが上昇に転じたことも相場の支援材料となり、一時156.37円と日通し高値を更新した。
・ユーロドルは方向感に乏しい展開だった。良好な米経済指標が相次いだことでユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0265ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0261ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。欧州株相場の上昇に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.0330ドルと日通し高値を更新した。
ただ、15日の高値1.0354ドルや一目均衡表基準線が位置する1.0356ドルがレジスタンスとして働くと再び上値が重くなった。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、3時前には1.0279ドル付近まで押し戻された。
・ポンドドルは頭が重かった。今週発表の12月英消費者物価指数(CPI)や11月英国内総生産(GDP)に加え、本日発表の12月英小売売上高が低調な内容となったことを受けてポンド売りが優勢となった。前日の安値1.2175ドルを下抜けて一時1.2161ドルまで下げ足を速めた。
・ユーロ円は強含み。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、欧米株高に伴う円売り・ユーロ買いが出ると一時本日高値となる161.01円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。本日発表の10-12月期中国国内総生産(GDP)が前年比で予想を上回ると、中国景気への懸念が後退し、投資家心理が上向いた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は4日続伸し、史上最高値を更新した。本日発表された中国経済指標を受けて、中国景気への不安が和らぐと株買いが優勢となった。個別ではシーメンス・エナジー(3.06%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(3.02%高)、シーメンス(2.92%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。低調な英経済指標を受けて英国債が上昇すると、独国債にも買いが波及した。
(17日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.30円(前営業日比△1.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.56円(△0.71円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0273ドル(▲0.0028ドル)
ダウ工業株30種平均:43487.83ドル(△334.70ドル)
ナスダック総合株価指数:19630.20(△291.91)
10年物米国債利回り:4.63%(△0.02%)
WTI原油先物2月限:1バレル=77.88ドル(▲0.80ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2748.7ドル(▲2.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米住宅着工件数
149.9万件 129.4万件・改
建設許可件数
148.3万件 149.3万件
12月米鉱工業生産
(前月比) 0.9% 0.2%・改
設備稼働率 77.6% 77.0%・改
11月対米証券投資動向
短期債を含む 1599億ドル 2018億ドル・改
短期債を除く 790億ドル 1591億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。本日発表の中国経済指標が良好な結果となり同国景気への懸念が和らいだほか、国際通貨基金(IMF)が今年の米成長率を上方修正したことが好感されて、ダウ平均が一時500ドル超上昇。投資家のリスク志向が改善し、円売り・ドル買いが優勢となった。
12月米住宅着工/建設許可件数や12月米鉱工業生産が予想より強い内容だったことも相場の支援材料となり、2時前には一時156.37円と日通し高値を更新した。
なお、欧州の取引時間帯には「日銀は来週23-24日に開く金融政策決定会合で、追加利上げを検討」「政策委員の過半が追加利上げを支持する見通し」との観測報道が伝わったものの、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は限定的だった。
・ユーロドルは反落。良好な米経済指標が相次いだことでユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0265ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0261ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。英独株価指数が史上最高値を更新するなど、欧州株相場が底堅く推移したこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0330ドルと日通し高値を付けた。
ただ、15日の高値1.0354ドルや一目均衡表基準線が位置する1.0356ドルがレジスタンスとして働くと再び上値が重くなった。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、6時30分前には1.0269ドル付近まで押し戻された。
もっとも、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。米国市場は明日から3連休に入るほか、20日にはトランプ氏が大統領に就任する。市場では「様子見ムードが強く積極的な商いは手控えられた」との声が聞かれた。
・ユーロ円は3日ぶりに反発。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、欧米株高に伴う円売り・ユーロ買いが出ると一時本日高値となる161.01円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。中国景気への懸念が和らいだほか、IMFが2025年の米成長率を上方修正したことを受けて、投資家心理が上向いた。この日発表の米経済指標が予想より強い内容となったことも相場の支援材料となり、指数は一時500ドル超上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。3連休となる週末を前にポジション調整目的の買いが先行したものの、本日発表の米経済指標が予想より強い内容だったことが分かると一転売りが優勢となり下げに転じた。
・原油先物相場は続落。週末のこの日は新規材料が乏しく値動きは限られたが、やや売りが優勢となった。イスラエルとイスラム組織ハマス間での停戦合意が発効される可能性が高まり、中東情勢を巡る警戒感が薄れ、相場に過度な供給不安が後退していることが上値を重くした。ただ、中国の経済指標の良好な結果を受けてエネルギー大国の需要拡大期待もくすぶり、下押しは限られた。
・金先物相場は4日ぶり小反落。本日発表の中国の経済指標が良好な結果となり、中国の景気鈍化への懸念が緩んだことや、欧米株の堅調な動きを眺めながら投資家のリスクオフ姿勢が後退し、逃避資産の金はやや売りに押された。
一部通信社が報じたところによると、「トランプ次期米大統領と習近平・中国国家主席が電話会談を行った」ようだ。
国際通貨基金(IMF)はこの日公表した世界経済見通しで、2025年の世界経済の成長率予測を3.3%に上方修正した。米国の成長率を2.7%に引き上げた一方、ユーロ圏は1.0%に下方修正した。
17日11:09 加藤財務相
「金利は市場において決められるもの」
17日15:22 日銀関係筋
「日銀、0.5%への利上げなら、緩和度合い調整、の方針維持」
「日銀、米新政権発足後の市場波乱なければ来週会合で利上げの公算」
17日19:21 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「次回のECB理事会では金融政策の緩和を継続すべきだ」
「利下げは段階的に、データに基づいて行われるべきだ」
17日19:35 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「金融政策は適度に引き締め的な状態」
「FRBは今後の利下げを検討する際に非常に慎重」
「12月時点で経済は予想以上に強かった」
「インフレは依然として問題」
17日20:07 ナーゲル独連銀総裁
「インフレは依然高水準、不確実性は強い」
「欧州中央銀行(ECB)は利下げを急ぐべきではない」
17日21:01 テイラーMPC委員
「最近のデータは悲観的な内容となっている」
17日23:07 エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事
「急激な金利引き下げはサービスインフレを上昇させる可能性」
「長期間の高金利維持は目標を下回るリスク」
※時間は日本時間
20日
○08:50 ◎ 11月機械受注
○13:30 ◇ 11月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 11月設備稼働率
○13:30 ◇ 11月第三次産業活動指数
23日
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○08:50 ◎ 12月貿易統計(通関ベース)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
24日
○08:30 ☆ 12月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 12月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合(終了後、決定内容発表)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(1月、基本的見解)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
20日
○16:00 ◇ 12月独生産者物価指数(PPI)
○16:30 ◇ 12月スイス生産者輸入価格
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏建設支出
○23:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○23:30 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○トランプ氏が米大統領就任
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)(スイス・ダボス、24日まで)
○米国(キング牧師誕生日)、休場
21日
○16:00 ◎ 12月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 9-11月英失業率(ILO方式)
○17:30 ◎ 12月香港消費者物価指数(CPI)
○19:00 ◎ 1月独ZEW景況感指数
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏ZEW景況感指数
○20:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 12月カナダCPI
22日
○06:45 ◎ 10-12月期ニュージーランド(NZ)CPI
○17:00 ◎ 12月南アフリカCPI
○18:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:30 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○20:00 ◇ 11月南アフリカ小売売上高
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 12月カナダ鉱工業製品価格
○22:30 ◇ 12月カナダ原料価格指数
○24:00 ◎ 12月米景気先行指標総合指数
○23日00:05 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23日03:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○14:00 ◎ 12月シンガポールCPI
○16:45 ◇ 1月仏企業景況感指数
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表
○22:30 ◎ 11月カナダ小売売上高
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◎ 1月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○24日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
24日
○09:01 ◇ 1月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○17:15 ◎ 1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○17:15 ◎ 1月仏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ 1月独製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 1月独サービス部門PMI速報値
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏製造業PMI速報値
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○18:30 ◎ 1月英製造業PMI速報値
○18:30 ◎ 1月英サービス部門PMI速報値
○19:00 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○20:00 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○23:45 ◎ 1月米製造業PMI速報値
○23:45 ◎ 1月米サービス部門PMI速報値
○23:45 ◎ 1月米総?⑰MI速報値
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
○24:00 ◎ 12月米中古住宅販売件数
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、日米の金融・政治イベント次第で荒い値動きとなる可能性
◆NZドル、10-12月期CPIに注目
◆ZAR、12月CPIでインフレ鈍化傾向を確認
予想レンジ
豪ドル円 94.00-99.00円
南ア・ランド円 7.90-8.40円
1月20日週の展望
豪ドルは荒い値動きに警戒が必要となるだろう。来週は豪州から特段のイベントや経済指標の発表が予定されておらず、基本的には米ドルや円相場など外部要因に振らされる見込み。
20日には米国でトランプ大統領が就任する。トランプ氏は以前から就任初日に「中国やメキシコ、カナダなどに対して関税を課す」と宣言しており、宣言通りに関税が発表されると米国のインフレリスク再燃が意識され、再び米ドル買いが強まる可能性もあるだろう。豪州はトランプ氏から関税対象として名指しされたわけではないが、豪ドルも対ドルを中心に影響を受けることになりそうだ。また、中国などの経済に対する先行き不安が高まることでリスクに敏感な豪ドルが売りに押されるシナリオにも警戒しておきたいところ。株価・金利動向などをにらみながら、市場全般のリスク選好度合いに気を配っておきたい。
その他では23-24日に控えている日銀の金融政策決定会合にも注目。今週は植田日銀総裁が「来週の会合で利上げなど行うか判断」との見解を示したことを受けて、日銀の早期利上げ観測を意識した円買いが強まる場面も見られた。実際に利上げに踏み切るかは不透明だが、会合直前まで豪ドル円なども含めた円相場は思惑的な動きに振らされそうだ。
隣国のニュージーランド(NZ)では22日公表の10-12月期消費者物価指数(CPI)に注目。前回(7-9月期)は前年比2.2%となり、約3年半ぶりにNZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)のインフレ目標である1-3%の範囲内に収まった。すでにRBNZは次回(2月19日)の金融政策決定会合でも追加利下げを実施する方針を示唆しているが、今回のCPIでインフレ鈍化がさらに進んだ場合はNZの金利先安観も一段と高まるだろう。対米金利差拡大への思惑が広がることになればNZドルにとっても重しとなりそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む動きを予想している。基本的には米ドルなど外部要因次第の展開となりそうだが、来週は22日に12月CPIや11月小売売上高の発表が予定されている。南アCPIは2カ月連続で南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)のインフレ目標(3-6%)下限を下回っており、今回もインフレの鈍化傾向が継続するか確認しておきたい。なお、SARBの次回(1月30日)金融政策決定委員会(MPC)では0.25%の追加利下げが実施されるとの予想が優勢となっている。
1月13日週の回顧
豪ドルは対ドルでは前週までの反動から買いが進んだ。豪ドル円もつれて98円手前まで下値を切り上げる場面が見られたが、日銀の追加利上げ観測が高まった週央以降は売りに押される展開となり、96円台前半まで反落した。
ZARも対ドルでは強含んだものの、対円では週末にかけて伸び悩む動きとなり、ZAR円は8.20-30円台を中心とする値幅内で上下した。
◆対円では日銀会合への思惑で不安定
◆ポンド、債券市場を警戒しつつ英賃金動向を見極め
◆加ドル、米新政権の誕生や12月CPIに注目
予想レンジ
ポンド円 188.00-194.00円
加ドル円 106.50-110.50円
1月20日週の展望
来週のポンドや加ドルの対円動向で重要視すべきは、やはり日銀金融政策決定会合だろう。今週は日銀の氷見野副総裁と植田総裁が、相次いで利上げを示唆する発言をした。一部メディアも複数の関係者の話として「利上げ決定の公算大」と報じ、円高が加速する場面もあった。日銀会合の結果発表は24日であり、それまでは様々な思惑で円相場は不安定になりそうだ。もっとも英国やカナダの材料もあるため、週半ばまではそれらも見定める必要がある。
英国では21日に雇用データが発表され、その中でも9-11月の週平均賃金を見極めたい。前回8-10月のボーナスを除く分は前年比5.2%と再び上向き始めた。結果次第では、15日の12月消費者物価指数(CPI)を受けて再び浮上した英金利先安観が後退してしまうかもしれない。12月CPIは総じて市場予想を下回り、英中銀が注視するサービス価格インフレ率も前年比4.4%と前回から0.6ポイントも減速した。中銀による今年の0.25%利下げは1回までと予想を縮小してきた市場だったが、インフレ結果を受けて引き下げ回数を2回まで織り込んできた。
英債券市場の動きも依然として注意深く見ていく必要がある。英政府の財政拡大方針を危惧した長期債売りが今週も先行。英10年債利回りは2008年以来の高水準を再び記録した。借入コスト増により、リーブス財務相の財政計画が破綻するとの懸念も一時高まった。米債の買戻しも支えに週後半は英債も回復しつつあるが、暫くは需給の緩みへの警戒感は燻ったままだろう。
カナダからは21日に12月CPIが発表予定。前回11月分は前月比で横ばい、前年比では1.9%と共に市場予想を下回った。インフレ減速は経済軟化によるとされ、物価圧力の低下継続が見込まれていたが、12月の雇用統計を経て風向きが変わりつつあるもよう。新規雇用者数は予想や前回値を大きく上回り、失業率も改善した。カナダの金利先安観は若干後退しており、市場では今年前半4回の中銀会合での2回目の0.25%利下げの可能性が低下している。
カナダにとって目先で警戒すべきは、やはり、米国で新政権が始動することだろう。20日就任するトランプ米大統領がこれまで訴えていた関税強化をどのような形で実行するかに注目が集まる。特に、カナダ産石油の輸出先はほぼ全量が米国向けであるため、原油が枠組みの中に入るかがポイント。一方、カナダ政府は、報復関税の対象とする1500億加ドル相当の米国製品のリストを作成したもよう。米加関係が悪化した場合、経済規模から加ドル安要因となりそうだ。
1月13日週の回顧
ポンドは英長期債への警戒感から売りが先行し、対円では190円手前、対ドルで1.21ドルまで下落した。一巡後は反動から対円で193円台、対ドルでも1.23ドル台まで回復。ただ日銀の早期利上げ観測から対円では189円後半まで売り込まれ、対ドルも1.21ドル台後半まで緩んだ。
加ドルは対円で110円前半を戻り高値に107円後半まで弱含み。日銀会合への思惑で円高に振れやすかった。対ドルでは1.44加ドル半ばから1.43加ドル付近まで加ドル高に傾いた。
◆ドル円、日銀正副総裁発言で利上げ観測急速に高まる
◆20日には第2次トランプ米政権が誕生
◆ユーロドル、欧州重要指標の結果次第では下値トライ
予想レンジ
ドル円 153.00-160.00円
ユーロドル 1.0000-1.0450ドル
1月20日週の展望
ドル円は、日銀の金融政策決定会合を巡って荒い値動きが想定される。昨年12月18-19日に行われた前回会合では植田日銀総裁が記者会見で「来年の春闘に向けた賃上げのモメンタム、そしてトランプ次期米政権の追加関税策の中身について、もう少し情報を待ちたい」と述べたことから、市場では利上げ時期は早くても3月か4月になるとの思惑が広がっていた。ただ、今年に入って氷見野日銀副総裁や植田日銀総裁が相次いで「利上げをするかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」と発言したことで来週22-23日の会合で利上げに踏み切る可能性が一気に高まった。また、一部通信社からも「日銀は来週の会合で米新政権の影響が限定的なら利上げの公算大」と伝わり、利上げ確率は8割以上まで上がっている。
ただ、トランプ米政権が20日に誕生してわずか数日で影響を見極めることが出来るのか、そして春闘に関する情報は12月時点から変わっていない点を考慮すると、今回利上げに踏み切る根拠が薄いように感じられる。10日にドル円は一時158.87円と昨年7月12日以来の高値を付けるなど、足元で続く円安・ドル高が利上げの背景だとするならば、今後積極的に利上げを続けることは難しく、海外勢を中心に仕掛け的な円売りが持ち込まれる可能性も否定できない。利上げが実施された場合、植田日銀総裁の定例記者会見に市場の注目が一段と集まることになるだろう。
来週は重要な米指標がないほか、ブラックアウト期間に入るため、米連邦準備理事会(FRB)高官からの発言は期待できない。注目は20日のトランプ米政権の発足だろう。就任後にトランプ米大統領から懸念される関税政策について具体的な発言が出るかどうかが焦点となっている。
ユーロドルは、トランプ米政権発足による影響などから上値の重い展開が続きそうだ。また、独を中心に欧州の景気先行きに対する警戒感が根強く、21日には1月独・ユーロ圏ZEW景況感調査、24日に欧州各国の1月購買担当者景気指数(PMI)速報値の発表が予定されているため、結果次第ではユーロが一段と下落する可能性もあるだろう。
1月13日週の回顧
ドル円は上値が重い。しばらくは157.50円を挟んだもみ合いが続いた後、14日のNY市場では米長期金利の上昇を支えに一時158.20円まで値を上げた。ただ、植田日銀総裁の発言をきっかけに売りが優勢に。弱い12月米コアCPIや日銀の利上げ観測報道、更にはウォラーFRB理事のハト派発言も売りを後押しすると一時155.10円まで売り込まれた。
ユーロドルは方向感がない。週明けから仕掛け的な売りが持ち込まれ一時1.0178ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新。その後はショートカバーから1.0354ドルまで反発したが、戻りは限られている。
17日の日経平均は反落。終値は121円安の38451円。米国株安を受けて、寄り付きから3桁の下落。主力大型株が弱く幅広い銘柄が売られる中、下値を模索する動きがしばらく続いた。10時台後半には下げ幅を500円超に拡大。ただ、節目の38000円に接近したところでは、これを割り込むことなく下げ渋った。
前引けにかけて幾分戻すと、後場は前場とは雰囲気が変わって、じわじわと下げ幅を縮める展開。下振れ懸念が後退し、プラス転換する銘柄や業種も増加した。前場の下げの度合いが大きく3桁の下落となったものの、38400円台まで戻して後場の高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆9400億円。業種別では証券・商品先物、鉄鋼、石油・石炭などが上昇した一方、その他製品、保険、輸送用機器などが下落した。証券会社が目標株価を引き上げたネクセラファーマ<4565.T>が急伸。半面、主要株主から保有全株式を売却する予定との報告を受けたことを公表したアストロスケールホールディングス<186A.T>がストップ安となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり688/値下がり890。キーエンスや古河電工が強めの上昇。防衛関連のIHIや川崎重工がプラスを確保した。証券会社が投資判断を引き上げたオークマが4.8%高。株主優待の導入を発表したラクーンHDが急騰した。メタプラネット、リミックスポイント、フィスコなど暗号資産関連の銘柄に非常に強い動きが見られた。
一方、「Nintendo Switch 2」に関するリリースが材料出尽くしと受け止められた任天堂が4.3%安。ゲーム関連ではDeNAの弱さも目立った。米長期金利の低下が嫌気され、三菱UFJ、みずほFG、東京海上、第一生命など金融株が全般軟調。中期経営計画が失望を誘った東京建物が大幅安となった。
日経平均は反落。寄り付きが38454円で終値が121円安の38451円。前場では下を試しに行ったが、後場には場中に下げた分を取り戻した。売られっぱなしで終わらなかったことは評価できる。ただ、あともう少し戻していれば陽線を形成できていたし、3桁下落と2桁下落では印象も変わるだけに、物足りなさもある。
足元の日本株の弱さに関しては、米国の新政権よりも日銀に対する警戒の方が大きいと思われる。来週、日銀会合の結果を確認するのは金曜24日の午後で、植田総裁の会見は消化できない。そのため、来週も今週同様に不安定な地合いが続くとみておいた方が良い。ただ、23日にはディスコやニデックが3Q決算を発表予定で、1月最終週からは決算発表も増えてくる。米国と日銀に対する不透明感は来週にある程度払しょくされ、その先は個別物色の活況が見込まれる。ここからの押し目は冷静に拾っておきたい。
【来週の見通し】
軟調か。20日の米大統領就任式と23日~24日の日銀金融政策決定会合が注目イベント。トランプ氏の大統領就任が市場の混乱を招かなければ、日銀は利上げに踏み切る可能性が高いとみられている。そのため、米国株が新大統領を歓迎して強い動きになったとしても、日本株への好影響は限られるだろう。利上げ見送りとなるケースでは、トランプ第2次政権に対する警戒からグローバル株式市場が崩れることになると思われる。利上げの有無に関しては結果発表前に織り込みが進むと思われるが、どちらのケースでも発表前には日本株に買いを入れづらく、週間では下落を予想する。
今週の日経225先物は、1月20日のトランプ米大統領就任直後に発表されるとみられる関税策への警戒感が高まりやすいほか、23~24日開催の日銀の金融政策決定会合に関心が集まることで、ボラティリティの高まる相場展開が見込まれる。
前週の日経225先物は、14日に750円安と大幅な下げにより75日移動平均線、200日線を一気に割り込んだ。その後は200日線を挟んだ攻防が続き、3万8950円辺りに位置する75日線が抵抗線として機能するなか、17日には200日線(3万8500円)を下抜け、一時3万8070円まで売られた。節目の3万8000円に接近してきたことで、いったんはボトム形成が意識される半面、下へのバイアスが強まりやすい水準でもあろう。
17日の米国市場では主要な株価指数が上昇し、週間での上昇率はNYダウが3%を超え、S&P500、ナスダックは2%を超えた。NYダウは13日に一時4万1844ドルまで売られ、昨年11月の安値水準まで下げた。大統領選でのトランプ氏勝利を受けたトランプトレードによる上昇分を帳消しにしたことで、リバランスの買いが入ったとみられる。今後、トランプ政権による規制緩和や景気支援策への期待から、米国株は再動意をみせてくる可能性がある。
同様に日経平均株価も昨年11月以来の水準まで下げていることもあり、仕切り直しのタイミングとなる可能性がある。17日の米国市場の上昇を受け、日経225先物はナイトセッションで上昇しており、日中比360円高の3万8830円で終えた。
ナイトセッションで200日線を上回り、75日線に接近してきたことで、週初は75日線と節目の3万9000円を捉えられるかが注目される。20日の米国市場はキング牧師の生誕祭で休場となるため、海外勢のフローは限られるだろう。直近の調整によりポジションはややショートに傾いていると考えられ、米大統領就任式を前にニュートラルに近づける形でのカバーの動きが意識されやすい。海外勢のフローが限られ薄商いとなるなか、週明けはややロング対応に向かわせそうだ。
週間形状についても26週・52週線が支持線として機能する形でのリバウンドにより、13週線(3万8980円)に接近している。前週は一時支持線を割り込む場面もみられたが、終値としては両線を上回って終えていたこともあり、支持線として意識されてリバウンド狙いの動きが入りやすいところだ。
また、ボリンジャーバンドでは日足の-1σと-2σによるレンジ推移を継続しているが、前週は幾度となく-2σを下回る場面が目立った。バンドは下向きで推移していたこともあり、-2σに沿った調整によって売られ過ぎのシグナルを見極めにくくさせていた。ただし、ナイトセッションの上昇で-1σを捉えてきたことで、同バンド突破を狙った動きが期待される。週足のボリンジャーバンドは、-1σをサポートに中心値(13週)に接近してきた。
一目均衡表では前週の下げで雲上限を割り込み、週後半にはトレンドの出やすい雲のねじれの局面で、明確に雲を下放れる形状となった。遅行スパンが実線を割り込んだことで下方シグナルを発生。雲下限が概ね3万9000円辺りでの推移を継続することで、ここでも節目の3万9000円辺りが抵抗線として意識されて強弱感が対立しやすいだろう。
ただし、雲のねじれ局面のため雲の厚みは薄く、雲突破のハードルはそれほど高くはない。また、多くのテクニカルポイントで節目の3万9000円辺りが転換点となることで、同水準を突破してくる局面では、慎重姿勢にあった向きのロングの動きが強まる可能性がある。
そのほか、足もとでは日銀の金融政策決定会合で追加利上げを実施するとの観測が高まっていた。長期金利の上昇により、為替市場ではドル・円が1ドル=155円台と円高・ドル安に振れていたことで、追加利上げについては相当織り込んでいると考えられる。利上げ実施で波乱の場面もありそうだが、アク抜け的な動きに向かわせよう。
しかしながら、米国市場はトランプ政権への期待から上昇が期待される一方で、国内では米国の関税政策や人工知能(AI)向け半導体規制の影響を見極めたいとして、市場反応が限られる可能性がある。日経225先物は3万9000円辺りでの上値の重さが強く意識されてくるようだと、再び200日線や-2σ水準までの下げは十分考えられる。26週・52週線を割り込んでくると、-2σが位置する3万7690円辺りへのバイアスが強まる可能性には注意しておきたい。
まずは、オプション権利行使価格の3万8375円から3万9125円辺りのレンジを想定。ブレイク局面では上は3万9500円、下は3万7500円辺りを想定する。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.33倍だった。週初の低下で75日線を割り込み、15日には一時14.26倍まで低下し、200日線水準に接近する場面もあった。週後半にはリバランスにより75日線水準まで戻す形だった。指数インパクトの大きい値がさハイテク株に対する慎重姿勢が崩せないなか、ややNTショートが優勢になりそうだ。
1月第1週(1月6日-10日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の売り越しであり、売り越し額は4875億円(12月第5週は2178億円の売り越し)だった。なお、現物は3435億円の買い越し(同657億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しであり、先物は8311億円の売り越し(同1521億円の売り越し)と2週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で8175億円の買い越しと2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で6847億円の売り越しとなり、4週ぶりに売り越した。
主要スケジュールでは、20日に11月機械受注、米大統領就任式、世界経済フォーラム・ダボス会議(~24日)、22日に米国12月コンファレンス・ボード景気先行指数、23日に12月貿易統計、24日に日銀金融政策決定会合(終了後に政策金利を発表)、12月全国消費者物価指数、植田和男日銀総裁が記者会見、米国1月製造業PMIなどが予定されている。
なお、決算では米国で21日にネットフリックス<NFLX>、国内では23日にディスコ <6146.T> [東証P]、ニデック <6594.T> [東証P]が発表を控えている。
<国内>
○08:50 ◎ 11月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比▲0.8%/前年比4.2%)
○13:30 ◇ 11月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 11月設備稼働率
○13:30 ◇ 11月第三次産業活動指数(予想:前月比0.1%)
<海外>
○16:00 ◇ 12月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.3%)
○16:30 ◇ 12月スイス生産者輸入価格
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏建設支出
○23:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○23:30 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○トランプ氏が米大統領就任
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)(スイス・ダボス、24日まで)
○米国(キング牧師誕生日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、12月米住宅着工/建設許可件数や12月米鉱工業生産が予想より強い内容だったこと、ダウ平均が一時500ドル超高になったこと、米10年債利回りが4.63%台へ上昇したことなどで、156.37円まで強含んだ。ユーロドルは良好な米経済指標を受けて1.0265ドルまで下落後、英独株価指数が史上最高値を更新したことで1.0330ドルまで反発したものの、引けにかけて1.0269ドル付近まで押し戻された。
本日の東京外国為替市場のドル円は、ニューヨーク市場がキング牧師誕生日のため休場となり、トランプ米大統領の就任式が開催されるため動きづらい展開が予想される。
14日に氷見野良三日銀副総裁は、23、24両日に開く金融政策決定会合について「焦点は利上げするかどうかだ。政策委員の間でよく議論して適切に判断する」と述べ、20日に就任するトランプ米大統領の演説内容などを見極めて結論を出す考えを明らかにした。
15日に植田日銀総裁は「来週の金融政策決定会合で米新政権の政策や春闘の賃金動向などを精査し、追加利上げを行うかどうか判断する」と述べた。
すなわち、本日のトランプ米大統領の就任演説が想定外の内容でない限り、今週末の日銀金融政策決定会合では0.50%への追加利上げの可能性が高いことになるため、ドル円の上値を抑える要因となっている。
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ確率は80%台となっている。
トランプ米大統領の就任演説や大統領令に関しては、これまでのトランプ氏の発言などから、トランプ関税、減税、移民送還、そして外交政策(ウクライナ、中東、グリーンランド、パナマ運河)などが想定される。
リスクシナリオとして、第1次トランプ米政権と同様に、金融緩和とドル安指向を改めて明言した場合には、要警戒となる。
第1次トランプ米政権で指名され、次期FRB議長候補のウォラーFRB理事は、先日、「関税引き上げにより物価上昇圧力の可能性が高まる」としながらも、「物価上昇圧力の持続的な上昇は引き起こさないとし、FRBは予想よりも早くより速いペースで利下げする可能性が高まる」、とのトランプ次期米大統領の要望に沿った見方を示した。
目先のトランプ次期政権にとっての懸念材料は、債務上限の引き上げ、あるいは効力の再停止に関する議会の判断となる。
先週末17日にイエレン米財務長官は、連邦債務の法定上限突破を回避するため、21日から会計上の特別措置を始めると発表し、債務上限の引き上げか一時停止を議会に要請した。
トランプ次期政権下では、共和党がホワイトハウスと上下両院を支配しているため、債務上限問題はこれまでのように難航する懸案にはならないと予想されているが、昨年末には、共和党の保守強硬派が債務上限の引き上げ、停止に難色を示したことで警戒しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38830 +360 (+0.93%)
TOPIX先物 2698.5 +14.0 (+0.52%)
シカゴ日経平均先物 38795 +325
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
17日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2024年12月の米住宅着工件数が前月比で15.8%増の年率換算149万9000戸となり、市場予想を上回ったほか、12月の米鉱工業生産も前月比0.9%増と予想を上回る伸びだった。また、国際通貨基金(IMF)は、25年の米成長率を2.7%と、昨年10月公表した予測(2.2%)から上方修正した。米経済は底堅さをみせているとの見方から、ハイテク株を中心に買いが広がった。
NYダウ構成銘柄ではアマゾン・ドット・コム<AMZN>やマイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>、エヌビディア<NVDA>、キャタピラー<CAT>、シェブロン<CVX>、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、セールスフォース<CRM>が買われた。一方で、メルク<MRK>やトラベラーズ<TRV>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>がさえない。S&P500業種別指数では半導体・同製造装置、自動車・同部品、小売が上昇した半面、医薬品・バイオテクノロジー、運輸、保険が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比325円高の3万8795円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万8470円で始まり、3万8550円~3万8600円辺りでの保ち合いを経て、米国市場の取引開始後には一時3万8920円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は終盤にかけてやや上げ幅を縮め、3万8830円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日経225先物は寄り付き後に下落する場面もみられたが、その後プラス圏を回復し、200日移動平均線(3万8500円)水準での底固めを経て、75日線(3万8970円)に接近する場面がみられた。
ナイトセッションの流れから、75日線と節目の3万9000円を捉えられるかが注目される。20日の米国市場はキング牧師の生誕祭で休場となるため、海外勢のフローは限られる。大きなトレンドは出にくいと考えられるが、直近の調整によりポジションはややショートに傾いていると考えられ、20日の米大統領就任式を前にニュートラルに近づける形でのカバーの動きが意識されやすい。
トランプ氏の大統領就任後の政権動向が注目されている。TikTokは18日、米連邦法による禁止措置を受け、米国内のサービスを停止。しかし、19日にトランプ氏が自身のSNS上で就任直後に禁止期限を90日間延長する可能性をツイートしており、一部でTikTokが再開されたと報じられている。米国ではトランプ政権による規制緩和や景気支援策への期待が高まる一方で、関税策への警戒感が高まりやすい。そのため、カバーは意識されるものの、積極的にロングを積み増す動きは期待しづらいところである。
日経225先物はナイトセッションの上昇でボリンジャーバンドの-1σを捉えてきたことで、同バンドを明確に上抜けてくるかが注目される。また、週足は-1σをサポートに中心値(13週)に接近してきており、トレンド転換が期待されそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジを想定し、-1σ突破から75日線辺りでの底堅さがみられる局面では、権利行使価格の3万8875円から3万9250円辺りのレンジに移行しよう。一方で、200日線に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
17日の米VIX指数は15.97(前日は16.60)に低下した。先週は13日につけた22.04を戻り高値に調整が強まり、週半ばに25日、75日線を割り込み200日線水準まで下げた。その後は200日線水準での攻防となり、週末の終値では同線を下回って終えているため、リスク選好に傾きそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいだった。一時14.39倍まで上昇し、75日線(14.36倍)を上回る場面もみられたが、その後は低下する形となった。75日線が抵抗として意識されやすいが、米国ではハイテク株主導で買われたこともあり、ややNTロングに向かいそうである。ただし、トランプ政権の関税政策の影響が警戒されるなか、75日線水準での攻防が続くようだと、ややNTショートが優勢になりそうだ。
中国の全国銀行間同業折借中心が20日に発表した2025年1月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は、1年物を3.10%で据え置き、5年物も3.60%で据え置いた。
「政治屋は次の選挙を考え、政治家は次の時代のことを考える」
(A politician thinks of the next election and a statesman thinks of the next generation.)
この警句に拠れば、2026年の中間選挙のことを考えているバイデン第46代米大統領は「政治屋」であり、グリーンランド割譲とパナマ運河奪還で次世代のことを考えているトランプ第47代米大統領は「政治家」なのだろうか。
■国防生産法(Defense Production Act of 1950)
アメリカ合衆国で1950年の朝鮮戦争への対応策として制定された連邦法であり、緊急時に政府が産業界を直接的に統制できる権限を付与する。
■バイデン米大統領(2025年1月3日)
バイデン米大統領は、1月3日、日本製鉄(※粗鋼生産世界4位)によるかつての世界最大の鉄鋼メーカーUSスチール(※世界24位)の約150億ドル規模の買収(※世界3位の鉄鋼メーカー誕生)を国家安全保障上の懸念(※国防生産法)を理由に禁止命令を出した。
米大統領や政権関係者が国家安全保障を理由に特定の行動を正当化する場合、国家安全保障を自分たちが望むように定義することができるらしい。
「鉄は国家なり」を体現していた20世紀半ばの覇権国米国と20世紀後半の覇権国日本の諍いは、21世紀の覇権国である中国(上位10社中6社)を利することになるのかもしれない。
■トランプ次期大統領
・2024年12月2日「かつて偉大で強力だったUSスチールが外国の企業、今回の場合は日本製鉄に買収されることに全面的に反対する」
・1月6日「関税の引き上げによって、はるかに儲かり、価値のある会社になるというのに、誰がUSスチールを売りたいと思うだろうか」
■日本製鉄とUSスチールの共同声明⇒米国政府を提訴
「決定はバイデン大統領の政治的な思惑のためになされたものであり、アメリカの憲法上の適正手続きや対米外国投資委員会を規律する法令に明らかに違反している。日本製鉄とUSスチールは、法的権利を守るためにあらゆる措置を追求する」
■USスチールのデビッド・ブリットCEO
「バイデン大統領のきょうの行動は恥ずべきもので、腐敗している。彼は経済・国家安全保障上の重要な同盟国である日本を侮辱し、アメリカの競争力を危険にさらした。事実を知るためにわれわれと会うことさえ拒否しながら、これらの決定を行った」
■ゴンカルベス・クリーブランド・クリフス最高経営責任者(CEO)
世界25位(※2023年当時)の米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスは、2023年8月、24位のUSスチールに73億ドルで買収を提案したが、USスチール側は独占禁止法上の懸念などを理由に拒否した。
ゴンカルベスCEOは、2024年3月以降、少なくとも9回の投資家向け電話会議で、バイデン米大統領が日鉄によるUSスチール買収を阻止すると断言していた。
「中国は悪だ。邪悪で恐ろしい。しかし、日本のほうがひどい、断然ひどい。日本は邪悪だ。日本が製鉄を含め、中国にたくさんのことを教えた。中国の鉄鋼メーカー宝鋼集団は、日本製鉄によってつくられた」
■対米外国投資委員会(CFIUS)
イエレン米財務長官は、CFIUSは買収の詳細を精査し、買収を認めれば米国内の鉄鋼生産が減少し、国家安全保障上のリスクがある、とバイデン米大統領に報告した、と述べた。
バイデン米大統領は、認知症の疑いがあり、日本製鉄を中国の企業と勘違いしているのではないか、との疑惑があったが、CFIUSの報告書に基づいた判断だったらしい。
■ベッセント米次期財務長官
「日本製鉄によるUSスチールの買収計画について審査は終了しているが、再申請されれば通常どおり審査を実施する」
日経225先物は11時30分時点、前日比470円高の3万8940円(+1.22%)前後で推移。寄り付きは3万8770円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8795円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。直後につけた3万8680円を安値にロング優勢の流れとなり、一時3万9050円まで上げ幅を広げる場面もみられた。買い一巡後は終盤にかけてやや上げ幅を縮めているが、75日移動平均線水準で推移。
日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万8810円)を突破したことでショートカバーを誘う形となり、その後75日線(3万8970円)突破でリバウンド基調が強まり、節目の3万9000円を回復した。回復後は利益確定に伴うロング解消とみられる動きから上げ幅を縮めているが、ショートも入りにくいなか、75日線近辺での底堅さがみられている。後場は終盤にかけて持ち高調整の流れになりそうだが、75日線水準での推移が続くようだと、ショーカバーを誘う展開もあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。上昇して始まったが、75日線(14.37倍)に上値を抑えられる格好だった。変わらずの水準まで低下しており、短期的には改めてNTロングが入る可能性はありそうだ。
先週末のドル円は、米国の3連休を前にして、というよりは、トランプ米大統領の就任を前にして目先のポジション調整が先行することになりました。アジア時間に154.98円まで値を下げた後とあって、その後は米長期金利の上昇につれて156.37円まで買戻し。欧州時間に日銀ネタが予想通り報じられたものの、「既に完全に織込んでいる」市場にとっては、全く材料視されることなく、「単なる下押しの動き」を作っただけに終わったといったところ。
そして、米国がキング牧師の祝日で休場となっている週明けのアジア市場では、朝方から本邦実需の買いが観測されると先週末高値の156.37円や16日の高値156.52円を上抜けて一時156.58円まで値を上げたものの、仲値にかけては輸出の売りが観測されたこともあり、155.76円まで下押ししています。目先はNY時間の安値155.56円や欧州時間の安値155.41円がサポートレベルとして意識されています。
いずれにしても、本日は完全なトランプ待ちであることは確か。予定通りであれば、深夜の2時前後から始まる就任演説に注目が集まっているわけですが、ただ、2度目の就任である上、既にある程度の政策に対する方向性は見えているなか、前回のような「全く何が起きるのか見当が付かない」状況ではないのも事実です。
むしろ、現状では、植田日銀総裁が何をしゃべるのかといった、いわゆる、UEDAリスクの方が高い状況。「トランプ米政権の市場に及ぼす影響を見極める」ことが「就任演説を聞くだけ」の判断という、市場の不信感を最高潮に自らが引き上げる悪手を打ったほか、前回の会見で、利上げするには「もうワンノッチ欲しい」との見解を表明しておきながら、そのワンノッチも何もない中での突然の変更は、既に市場とのコミュニケーションの修復に絶望感しか存在していないような状況に陥っているわけで、ドル円のボラティリティを不必要に引き上げるだけの効果となっているといえます。
本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、ニューヨーク市場がキング牧師誕生日のため休場となり、トランプ米大統領の就任式が開催されるため動きづらい展開が予想される。
本日は、16時に12月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比+0.3%)、19時に11月ユーロ圏建設支出が発表され、23時にはブイチッチ・クロアチア中銀総裁、23時30分にはホルツマン・オーストリア中銀総裁の講演が予定されている。
両者ともこれまで、性急な利下げには否定的な見解を示しており、本日も同様のややタカ派的な見解が予想される。
第2次トランプ米政権では、英国や欧州に対するトランプ関税の引き上げや北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対する防衛費を国内総生産(GDP)比5%相当とすべきとの要請により、ユーロやポンドへの売り圧力が強まることが警戒されている。
さらに、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(BOE)は、景況感悪化懸念から追加利下げの可能性が高まりつつあることも、売り要因となっている。
また、ロシアの国営ガス会社ガスプロムがウクライナを経由したロシア産天然ガスの欧州向け供給を停止したことで、欧州のエネルギー安全保障の懸念が強まっている。
今後の欧州の景況感悪化やエネルギー価格の上昇要因となることが警戒されるため、ユーロ売り要因となる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0356ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:161.09円(1/16高値)
・ポンドドル:1.2297ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:192.95円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0239ドル(1/14安値)
・ユーロ円:159.73円(1/17安値)
・ポンドドル:1.2100ドル(1/13安値)
・ポンド円:189.34円(1/17安値)
ドル円:1ドル=156.06円(前営業日NY終値比▲0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=160.78円(△0.22円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0302ドル(△0.0029ドル)
日経平均株価:38902.50円(前営業日比△451.04円)
東証株価指数(TOPIX):2711.27(△31.85)
債券先物3月物:141.07円(△0.07円)
新発10年物国債利回り:1.190%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月機械受注(船舶・電力除く民需)
前月比 3.4% 2.1%
前年同月比 10.3% 5.6%
11月鉱工業生産・確報値
前月比 ▲2.2% ▲2.3%
前年同月比 ▲2.7% ▲2.8%
11月設備稼働率
前月比 ▲1.9% 2.6%
11月第三次産業活動指数
前月比 ▲0.3% 0.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小安い。朝方には前週末高値の156.37円を上抜けて、一時156.58円まで上値を伸ばす場面もあったが、その後は次第に上値が重くなった。市場では「5・10日(ゴトー日)の仲値に向けてドルが余剰になった」との指摘もあり、13時前には155.71円まで下押し。もっとも、その後は再び156円台を回復するなど積極的に下値を探る動きにもならなかった。
・ユーロドルは小高い。一時1.0266ドルまで下落する場面があったものの、前週末安値の1.0265ドルが目先のサポートとして意識されると1.0307ドルまで切り返した。
・ユーロ円はもみ合い。160円台半ばを挟んだ水準で上下したが、総じて方向感は乏しかった。
・日経平均株価は反発。前週末の米国株式相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行した。週明けの中国・香港株が底堅く推移していることも相場を下支え。半導体関連株を中心に上値を伸ばし、指数は一時580円超高まで上昇する場面も見られた。
・債券先物相場は反発。トランプ米大統領の就任式や23-24日の日銀金融政策決定会合を控えて、いったん持ち高を調整する買い戻しが入った。
武者リサーチでは、2025年に特に注目されるのは日本株式と考えている。1ドル=150円台の円安が定着してデフレ完全脱却が見えてきたことで、長期で低落してきた日本の潜在成長率が上昇に転じる可能性が高いと考えている。5%近い高い賃上げの継続により消費が上向くとも指摘しており、設備投資とマンションブーム、ホテルブームで建設業が久々に活況を呈しているとのこと。中国に見切りをつけた企業の日本回帰や、海外企業の対日投資がTSMC熊本やラピダス千歳の先端半導体工場建設に続いて本格化していくと武者リサーチでは予想。日経平均は25%高の5万円が視野に入ってくると思われるとコメントしている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、全米小売業協会(NRF)が発表した2024年の年末商戦期の米小売売上高が、前年比4%増の9941億ドルとなったことに注目している。NRFが事前に提示していた同2.5~3.5%増との予想を上回った。複合的な要因から今回は2023年の伸び率(同3.9%増)を下回るとみられていたが、結果的には過去最大の売上高を記録したとのこと。2月には米上場の小売企業の多くが第4四半期および通期決算を発表する予定となっているが、年末商戦の販売動向の発表は小売企業の決算を見通す上でのヒントになると東海東京では考えている。
大阪3月限
日経225先物 38910 +440 (+1.14%)
TOPIX先物 2715 +30.5 (+1.13%)
日経225先物(3月限)は前日比440円高の3万8910円で取引を終了。寄り付きは3万8770円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8795円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。直後につけた3万8680円を安値にロング優勢となり、前場終盤にかけては一時3万9050円まで上げ幅を広げた。買い一巡後はやや上げ幅を縮め、現物の後場取引開始時には3万8830円まで軟化した。後場は3万8850円~3万8950円での保ち合いを継続。
日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万8800円)を突破したことでショートカバーを誘う形となり、その後75日移動平均線(3万8970円)突破でリバウンド基調が強まり、節目の3万9000円を回復した。買い一巡後は上げ幅を縮めているが、ショートも入りにくいなか、75日線を下回っての推移とはなったが、同水準近辺での底堅さがみられている。
また、-1σ突破後は同水準を上回って推移したことで、これまでの下向きで推移する-2σと-1σによるレンジを上抜けてきた。一目均衡表では雲のねじれの局面(3万8810円)で雲を上回ってきており、上向きで推移する雲上限に沿ったトレンド形成をみせてくるかが注目されよう。一方で、今後、雲下限は緩やかながら3万9000円水準まで上昇してくるため、雲下限を下回ってくると、強い抵抗となる可能性がありそうだ。
まずは-1σを明確に上抜けてくるかを見極めたいところであり、-1σ突破から中心値(25日)の3万9290円辺りが射程に入ってくる。そのため、-1σ水準を中心としたオプション権利行使価格の3万8375円から3万9375円のレンジを想定しておきたい。
20日の米国市場はキング牧師の生誕祭で休場となるため、明日も海外勢のフローは限られるだろう。また、日本時間の21日未明にトランプ氏が米大統領に就任する。就任直後にも多くの大統領令に署名するとみられており、その内容を見極めたいとするムードから積極的な売買は手控えられそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。上昇して始まったが、75日線(14.37倍)に上値を抑えられる格好だった。その後は前日比変わらずの水準まで低下しており、結局はトレンドの出にくい状況だった。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7028枚、ソシエテジェネラル証券が1万4266枚、サスケハナ・ホンコンが3122枚、日産証券が2599枚、ゴールドマン証券が2341枚、モルガンMUFG証券が1997枚、SBI証券が1835枚、バークレイズ証券が1714枚、JPモルガン証券が1604枚、ビーオブエー証券が1008枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万6598枚、ソシエテジェネラル証券が1万3999枚、日産証券が4556枚、JPモルガン証券が3388枚、バークレイズ証券が3058枚、モルガンMUFG証券が2829枚、BNPパリバ証券が2779枚、ゴールドマン証券が2393枚、ビーオブエー証券が1610枚、SBI証券が1469枚だった。
本日これまでのドル円は156円を挟んで上下しやや神経質な動きもみられたが、徐々にトランプ氏の米大統領就任式待ちムードが強まり、いったん156円前半で動きが落ち着き方向感は限定的。
本日のNY市場はキング牧師誕生日で株式・債券市場は休場となるが、米大統領就任式に注目が集まっている。トランプ氏は2期目の米大統領就任式の前に「4年間にわたる米国の衰退に幕が引かれ、米国の強さと繁栄、尊厳と誇りの新たな1日が始まる」と宣言している。また、就任後数時間以内に100本近い大統領令に署名すると明言し、「かつてなく積極的かつ抜本的な国境回復の取り組み」を示した。
トランプ氏の第2次米政権下での関税やインフレを促す政策を巡る思惑でドルロングポジションの拡大が続いた。ドルのロングポジションが大きく膨らんでおり、トランプ氏が大統領就任後の数週間に想定されたほど積極的な関税措置を打ち出さなかった場合、ポジション巻き戻しが警戒される。
また、今週23-24日の日銀金融政策決定会合で利上げに踏み切ると市場はすでに8割以上織り込んでいるが、日銀はトランプ氏の大統領就任演説の内容や、金融市場の反応を見極めようとしている。トランプ氏が就任早々から積極的に動き回り、金融市場に波乱を与えるようであれば、日銀会合の政策決定にも影響を与えることになる。
・想定レンジ上限
ドル円、日足一目均衡表・転換線156.93円や15日高値158.08円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、先週末17日の安値154.98円や昨年12月18日安値153.34円が下値めど。
今週のNY市場はトランプ氏の政策と決算発表に注目。先週はダウ平均が3.69%高、S&P500が2.91%高、ナスダック総合が2.45%高と主要3指数がそろって3週ぶりに反発。今年初めての上昇となった。発表された12月生産者物価指数(PPI)と12月消費者物価指数(CPI)が予想を下回る伸びにとどまり、年内の利下げ期待が再び高まり、米10年債利回りも低下に転じたことが追い風となったほか、大手金融機関の第4四半期決算が総じて良好な結果となったこともセンチメントの改善につながった。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の19.54ポイントから15.97ポイントへと12月27日以来の水準に低下した。
今週は月曜日がキング牧師生誕記念日の祝日で休場となるが、月曜日にトランプ大統領の就任式が予定され、相次いで打ち出すと予想される大統領令が注目されるほか、発表が本格化する第4四半期決算が焦点となりそうだ。決算発表はS&P500採用の約40銘柄が発表予定で、3M、ネットフリックス、ユナイテッド・エアラインズ、トラベラーズ、ジョンソン&ジョンソン(J&J)、プロクター&ギャンブル(P&G)、ハリバートン、GEエアロスペース、テキサス・インスツルメンツ、アメリカン・エキスプレス、ベライゾン・コミュニケーションなどの決算やガイダンスに注目が集まる。経済指標は12月景気先行指数、新規失業保険申請件数、1月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、12月中古住宅販売件数などが発表予定。
今晩はキング牧師誕生日の祝日のためNY株式市場が休場となります。主要な米経済指標や決算発表はなし。明朝の株式市場に関するニュース等は休信となります。
FOXニュースが報じたところによると、「トランプ氏は国境の壁建設の再開を指示する」もよう。
米ウォールストリートジャーナル紙が報じたところによると、「トランプ氏は貿易ビジョンを示すものの、新たな関税はまだ課さない見通し」だという。
日経平均株価は大幅反発。先週末に形成した下ヒゲの長い陰線十字足からマドを開けて上昇し、上値を伸ばす展開となった。1/14の陰線高値(39054円)や10日移動平均線(39101円 1/20)、一目均衡表の雲上限(38954円 同)などを意識して伸び悩んだが、7日ぶりの陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の27.8%→43.5%(1/20)へ上昇。あすは上昇継続のハードルが高くなる。12/27高値からの下値模索が続いたが、マドを開けた状態で陽線で終えており、5日移動平均線(38569円 同)の上向きへの変化などがあすの株価を押し上げるかが注目される。
下向きに変化している10日移動平均線(39101円 同)や25日移動平均線(39262円 同)などに上値を抑えられる可能性は高いが、早期に75日移動平均線(38952円 同)上への回復や、1/14の下げで形成したマドを埋め戻せるかが、昨年10月以降のもみ合い相場継続を確認できる最初の関門となる。
上値メドは、25日移動平均線、心理的節目の39500円や40000円、12/27高値(40398円)などが考えられる。下値メドは、100日移動平均線(38588円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)などがある。
(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.82円(20日15時時点比▲0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.82円(△1.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0385ドル(△0.0083ドル)
FTSE100種総合株価指数:8520.54(前営業日比△15.32)
ドイツ株式指数(DAX):20990.31(△86.92)
10年物英国債利回り:4.659%(▲0.001%)
10年物独国債利回り:2.526%(▲0.009%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月独生産者物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.1% 0.5%
12月スイス生産者輸入価格
(前月比) 0.0% ▲0.6%
11月ユーロ圏建設支出
(前月比) 1.2% 0.8%・改
(前年比) 1.4% 0.0%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。欧州勢が参入するとじり高の展開となり、20時過ぎに一時156.46円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値156.58円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。米ウォールストリートジャーナル紙(WSJ)が「米大統領に就任するトランプ氏は米国への輸入品に対する新たな関税について、本日の発動は見送る見通し」と報じると、米インフレ再加速への懸念が和らぎ全般ドル売りが優勢となった。23時30分過ぎには一時155.42円と日通し安値を更新した。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.95まで低下した。
・ユーロドルは上昇。米国がキング牧師誕生日で休場となる中、しばらくは1.03ドル台前半でのもみ合いが続いた。ただ、WSJの報道を受けて投資家の過度な警戒感が和らぐとともに、関税引き上げを見込んで積み上がっていたドル買いポジションを解消する動きが出ると一時1.0430ドルと日通し高値を更新した。
ただ、今月6日と7日に上値を抑えられた1.0430ドル台が本日もレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
・ユーロ円は底堅い動き。英独株価指数が史上最高値を更新したほか、ダウ先物が上昇すると投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが優勢となった。24時30分前には一時本日高値となる162.31円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は4日続伸し、史上最高値を更新した。前週発表の英経済指標が低調となったことで、英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑から買いが優勢となった。ただ、短期的な過熱感から利益確定目的の売りなどが出ると伸び悩んだ。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われた半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られた。
・フランクフルト株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。米大統領に就任するトランプ氏が打ち出す政策への警戒感は根強いものの、アジア株相場の上昇が投資家心理を支え株買いを促した。時間外のダウ先物の上昇なども相場の支援材料。個別ではコメルツ銀行(3.02%高)やダイムラー・トラック・ホールディング(2.86%高)、BMW(2.80%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
20日の日経平均は大幅反発。終値は451円高の38902円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1290/値下がり304。円高一服が好感されたか、トヨタ、SUBARU、スズキ<7269.T>など自動車株が大幅上昇。米国でエヌビディアなど半導体株が強かったことから、SCREEN、レーザーテック、アドバンテストなどに資金が向かった。観測報道から日銀の1月利上げの可能性が高まる中、三菱UFJやみずほFGなど銀行株が全般堅調。フジメディア、日テレ、TBSなど、足元で強烈に売り込まれていたテレビ局株に押し目買いが入った。
一方、東京エレクトロンやディスコなど半導体株には逆行安となるものも散見された。川崎汽船など海運大手3社がそろって下落。NY原油の下落を受けてINPEXが売りに押された。大幅な下方修正が嫌気されたヨロズが6%を超える下落となった。
日経平均は大幅反発。39000円の節目を超えたところで分かりやすく上値が重くなったものの、7日ぶりに陽線を形成した。451円高(38902円)と値幅も出たことで、底割れに対する懸念もやや後退した。
本日の米国では大統領就任式が行われるが、株式市場はキング牧師生誕日により休場。新大統領のトランプ氏は就任早々から大量の大統領令に署名するとみられており、あすの東京市場はニュースのヘッドラインなどに神経質となりそう。ただ、17日の米国株が就任式を前に大幅高となったことは、新大統領に対する過度な不安を和らげる。国内も1月日銀会合での利上げの可能性が高まる中で、幅広い銘柄に買いが入った。きょうの上げ分を全て消失するほどの下げにならなければ、大統領就任イベントは無難に消化したと考えられる。あすはきょう上回った5日線(38569円、20日時点)を割り込むことなく推移できるかに注目しておきたい。
ドナルド・トランプ氏はこの日、第47代米大統領に就任した。
<国内>
特になし
<海外>
○16:00 ◎ 12月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 9-11月英失業率(ILO方式、予想:4.4%)
○17:30 ◎ 12月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.5%)
○19:00 ◎ 1月独ZEW景況感指数(予想:15.3)
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏ZEW景況感指数
○20:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 12月カナダCPI(予想:前月比▲0.4%/前年比1.9%)
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、24日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
20日07:57 トランプ氏
「バイデン政権の大統領令は全て撤回される」
21日02:27
「インフレ阻止やコスト低下を閣僚に指示する」
「外国に関税や税金を課す」
「EV販売の義務付けを撤廃する」
「国民を守るため貿易システムを見直す」
「国家エネルギーの非常事態を宣言する」
「パナマ運河を取り戻す」
20日15:22 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「1月の利下げは規定の結論ではない」
「CPIが上昇している時に金利を引き下げると、信頼性が損なわれる」
20日22:54 プーチン露大統領
「新たな米政権との対話に前向き」
「我々はロシアの利益のために戦う」
「ウクライナの永続的な平和を望む」
20日23:56 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「インフレを巡るリスクは均衡している」
「現在のECB政策スタンスには満足」
「データは概ねECB予測と一致している」
「為替市場の動きに注目している」
21日02:33 ホワイトハウス
「トランプ大統領はパリ協定から離脱する意向」
※時間は日本時間
20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、第2次トランプ米政権での関税引き上げの先送りを受けて155.42円まで下落した。ユーロドルは1.0434ドルまで上昇した。ユーロ円は英独株価指数が史上最高値を更新したことで162.31円まで上昇後、161.54円付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領が就任演説や大統領令で関税発動を見送ったことを受けたドル全面安の流れが継続することが予想される。
第2次トランプ米政権では、まず、中国、カナダ、メキシコに対する関税を発動して貿易戦争を仕掛ける前に貿易関係を検証し、今後数週間または数カ月の関税発動に向けた準備を進める可能性が示された。
トランプ米大統領は、外国からの関税を徴収する新機関「外国歳入庁」を設立して、「他の国を豊かにするために米国民に課税するのではなく、米国民を豊かにするために外国に関税と税金を課す」と述べており、通商協議が不調に終わった場合は、関税を引き上げて貿易戦争に踏み切る可能性を残している。
しかし、第2次トランプ米政権の通商政策が、警戒されていたような強硬路線ではなく、通商交渉による穏健路線となる可能性が示されたことで、23-24日の日銀金融政策決定会合では0.50%への追加利上げの可能性が高まっている。
先週、氷見野日銀副総裁と植田日銀総裁は、23-24日の日銀金融政策決定会合について、トランプ次期米大統領の演説内容、政策などを見極めて、追加利上げを行うかどうか判断する、と述べていた。
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ確率は80%台となっている。
目先の第2次トランプ米政権にとっての懸念材料は、債務上限の引き上げ、あるいは効力の再停止に関する議会の判断となる。イエレン前米財務長官は、連邦債務の法定上限突破を回避するため、21日から会計上の特別措置を始めると発表し、債務上限の引き上げか一時停止を議会に要請していた。
昨年末の「つなぎ予算」の協議の際に、共和党の保守強硬派が、トランプ次期米大統領の債務上限の引き上げ、停止要請を拒否していたことで警戒感が高まっている。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38960 +50 (+0.12%)
TOPIX先物 2715.5 +0.5 (+0.01%)
シカゴ日経平均先物 38965 +55
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
20日の米国市場はキング牧師の生誕祭で休場。トランプ氏が第47代米大統領に就任し、「米国第一主義」を積極的に推進していくと述べた。トランプ氏は大統領令の第1弾として、メキシコ国境を巡り国家非常事態宣言を直ちに発令する方針を示した。また、複数の海外メディアは、就任初日に新たな関税の発動は見送ると報じており、為替市場では円相場が1ドル=155円台半ばと、円高に振れて推移している。20日の欧州市場はドイツDAX指数が5日続伸、英FTSE100指数は4日続伸だった。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比55円高の3万8965円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比10円高の3万8920円で始まり、その後はショート優勢のなかで3万8770円まで売られる場面もみられた。ただし、売り一巡後は中盤にかけてショートカバーを誘う形からプラス圏を回復すると、一時3万9100円まで買われた。終盤にかけて軟化したが、3万8960円とプラス圏をキープしてナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや買い先行で始まることになろう。トランプ氏が就任初日に新たな関税を見送るとの報道を受け、懸念が和らぐ形となった。日経225先物はナイトセッションで寄り付き後に下落する場面もみられたが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)水準が支持線として意識され、その後は75日移動平均線(3万8960円)を挟んでの推移となった。
75日線と節目の3万9000円処では強弱感が対立しやすいものの、これまでの下向きで推移する-2σ(3万8290円)と-1σによるレンジを上抜けてきたことで、リバウンドを意識した押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、-1σと中心値(25日)が位置する3万9270円とのレンジに移行するとみられ、オプション権利行使価格の3万8750円から3万9250円のレンジを想定する。
また、週間形状では13週線(3万8990円)が抵抗線として意識されそうだが、同線を上回ってくると、+1σ(3万9640円)とのレンジに移行する可能性がありそうだ。まずは強弱感が対立する節目の3万9000円を明確に上抜けてくるかを見極めたい。
本日は米国休場の影響により、海外勢のフローは限られるとみられる。ただし、祝日明けの米国市場はトランプ氏の米大統領就任を受け、政策を期待した相場展開となるため、ショートは避けておきたいところである。グローベックスの米株先物の動向を睨んでの展開となるが、米株先物が強い値動きをみせてくるようだと、ロングの勢いが強まる展開もあるだろう。
20日の米VIX指数は15.81(17日は15.97)に低下した。上昇して始まり、一時16.59をつけたが、その後は200日線(16.26)を挟んだ推移となった。終値では同線を下回って終えているため、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。上昇して始まったが、75日線(14.37倍)水準に上値を抑えられる格好だった。その後は前日比変わらずの水準まで低下しており、結局はトレンドの出にくい状況だった。本日は指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引する展開が期待されるため、ややNTロングでのスプレッド狙いに向かわせよう。
日経225先物は11時30分時点、前日比70円高の3万8980円(+0.17%)前後で推移。寄り付きは3万9080円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8965円)を上回り、節目の3万9000円を回復して始まった。現物の寄り付き直後には3万9250円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は急速に軟化して下げに転じ、中盤には一時3万8640円まで下げ幅を広げたが、売り一巡後は終盤にかけて持ち直しており、75日移動平均線水準で推移。
トランプ米大統領が掲げる新たな関税について、就任初日の発動を見送る見通しとの海外メディアの報道を手掛かりに、ロング優勢で始まった。節目の3万9000円を上回って始まったことでショートカバーを誘い込み、一時25日線(3万9270円)に迫る場面もみられた。その後は、トランプ大統領がメキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課すことを検討しているとの報道をきっかけにロング解消の動きに向かわせた。一時ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)を下回ったものの、売り一巡後は終盤にかけて持ち直しており、75日線が位置する3万8960円水準での底堅い値動きを継続している。
NT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.31倍に低下する場面もみられたが、その後は75日線(14.36倍)水準での推移となった。同線を明確に上抜くまでは、NTロングでのスプレッドは狙いにくい。
昨日の海外市場では、トランプ米大統領の就任演説を前にしてWSJが「貿易のビジョンを示すものの、本日の関税発動はない」と報じると一気にドル売りで反応。ユーロドルが急伸したほか、オージーやカナダドルなどが急騰。ドル全面安という動きとなりました。ドル円は156.46円の戻り高値から155.42円まで下落。演説中に関税について言及した場面では156.05円まで買戻されたものの、戻りも限定的。155.50円まで下押ししてNY市場を終えました。
そして、アジア市場に入ってからは、米長期金利が大幅に低下して始まったことから昨日安値の155.42円や17日の安値154.98円を下抜けて一時154.91円まで売り込まれましたが、就任式を終えたトランプ米大統領が、執務室で大統領令にサインしながらの記者団との対話のなかで「カナダとメキシコには2月1日から25%の関税をかけると思う」と発言。今度は一転してドル急騰となると、ドル円は一時156.23円まで買い上げられました。ただ、その後は再びクロス円の売りが加速。再び154.78円まで値を下げるなど、荒い値動きを繰返しています。
いずれにしても、「第1次トランプ政権に比べればやさしい相場」ではあるものの、初日からボラティリティを伴った動きとなっているわけで、新たな相場のリズムをつかんでいくことが重要となっていきそうです。
「金利はかなり高すぎる」(トランプ次期米大統領:2025年1月8日)
トランプ氏は、不動産業で財を成したことで、安い金利とドル安を好んでいる。
第1次トランプ米政権(2017年~2020年)では、トランプ第45代米大統領は、金利安・ドル安を志向していた。第2次トランプ米政権(2025年~2028年)でも、トランプ第47代米大統領は、関税引き上げや減税などの財政拡張的政策を打ち出しつつも、金利安・ドル安を志向する可能性が高いと思われる。
パウエル第16代FRB議長の任期は、2026年5月までだが、第1次トランプ米政権下で指名された2人のFRB理事、ウォラーFRB理事とボウマンFRB理事のハト派路線に注目しておきたい。
1.レーガン第40代米大統領 対 ボルカー第12代FRB議長
レーガン第40代米大統領は、金利引き下げ要請を無視し続けるFRBに、4人の刺客FRB理事(マーティン理事、シーガー理事、エンジェル理事、ジョンソン理事)を送り込み、FRB理事7名中、「4人組」の刺客が誕生した。
1986年2月、ダラス地区連銀とサンフランシスコ地区連銀が、公定歩合を0.5%引き下げるように要請した。7名のFRB理事による投票の結果、4対3で利下げが決定され、FRB議長の金利据え置きの要望が投票で否決されたことで「4人組の反乱」と言われた。
ボルカー第12代FRB議長は「あなた方は、何でも自分達のやりたいようにやればいい。ただし、私抜きでだ」と言い放ち、黄色い罫紙に辞表を殴り書きしてベーカー米財務長官に手渡した。
ニューヨーク株式市場は、カリスマFRB議長の辞任後の10月に「ブラックマンデー」に襲われ、リセッション(景気後退)(1990年7月-1991年3月)に陥った。
2.トランプ第47代米大統領 対 パウエル第16代FRB議長
■ウォラーFRB理事(ハト派)
2025年1月8日、トランプ次期米大統領が「金利はかなり高すぎる」と金融緩和路線の継続を要請した。
同日、ウォラーFRB理事は、「インフレ率は2025年も引き続き低下し、不確実なペースではあるもののFRBは追加利下げが可能になるはずだ」との見解を示した。
また、第2次トランプ米政権での関税引き上げにより「インフレに対する新たな上昇圧力の源泉が出現する可能性が高まる」としながらも、物価上昇圧力の持続的な上昇は引き起こさないとし、「適切な金融政策に関する私の見解に影響を与える可能性は低い」と述べた。
■ボウマンFRB理事(タカ派)
2025年1月9日、ボウマンFRB理事は、利下げについて「最終段階」との認識を示した。インフレ率が高止まりするリスクに強い懸念を示し、高金利政策の維持を訴えた。
ボウマンFRB理事は、2024年9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.5%の利下げ決定に19年ぶりとなる反対票を投じた。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、1月独ZEW景況感指数やユーロ圏ZEW景況感指数を見極めつつ、当面の欧米貿易戦争を回避できた債券・株式市場の動向に注目する展開が予想される。
しかし、トランプ米大統領が「メキシコとカナダに25%の関税を課すことを検討中」と発言していることで、欧州や英国に対するトランプ関税に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
1月の独ZEW景況感指数の予想は15.3で、12月の15.7からの悪化が見込まれているが、予想外に悪化していた場合は、欧州中央銀行(ECB)による追加利下げ観測が高まることで、ユーロの上値を抑える要因となる。
ポンドドルは、12月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)や9-11月英失業率(ILO方式、予想:4.4%)を見極めつつ、当面の英米貿易戦争を回避できた債券・株式市場の動向に注目する展開が予想される。
英国の雇用情勢が悪化していた場合、イングランド銀行(BOE)の追加利下げ観測が高まることで、ポンドの上値を抑える要因となる。
また、第2次トランプ米政権では、英国や欧州に対する北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対する防衛費を国内総生産(GDP)比5%相当とすべきと要請しており、ユーロやポンドへの売り圧力は残されている。
さらに、第2次トランプ米政権によるウクライナ戦争への対応、ウクライナへの軍事支援継続か打ち切りか、などに関連するヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0520ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:163.81円(1/8高値)
・ポンドドル:1.2415ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:193.20円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0306ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:160.32円(1/20安値)
・ポンドドル:1.2234ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:189.89円(1/20安値)
大阪3月限
日経225先物 38960 +50 (+0.12%)
TOPIX先物 2710.5 -4.5 (-0.16%)
日経225先物(3月限)は前日比50円高の3万8960円で取引を終了。寄り付きは3万9080円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8965円)を上回り、節目の3万9000円を回復して始まった。現物の寄り付き直後には3万9250円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は急速に軟化し、前場中盤には一時3万8640円まで下げ幅を広げたが、売り一巡後は前場終盤にかけて持ち直し、75日移動平均線水準で推移。後場は現物の取引開始直後に3万9050円をつけた後は、3万8900円から3万9050円辺りでの保ち合いが続いた。
トランプ米大統領が掲げる新たな関税について、就任初日の発動を見送る見通しとの海外メディアの報道を手掛かりに、ロング優勢で始まった。節目の3万9000円を上回って始まったことでショートカバーを誘い込み、一時25日線(3万9270円)に迫る場面もみられた。その後は、トランプ大統領がメキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課すことを検討しているとの報道をきっかけにロング解消の動きに向かわせた。
もっとも、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)を一時下回ったものの、売り一巡後は前場終盤にかけて持ち直しており、その後は75日線を挟んでの保ち合いが続いた。東証プライム市場の売買高は15億3800万株にとどまっており、米国市場が休場だったため海外勢のフローは限られた。スキャルピング中心のトレードのなかで、振れやすい状況だったとみられる。
グローベックスの主要な米株先物は小幅ながらプラス圏で推移している。祝日明けの米国市場ではトランプ大統領就任を材料視した動きが見込まれる。今後の関税政策の行方やトランプ氏の発言によってボラティリティの高い相場展開になりそうだが、調整が強まる局面では押し目狙いのロングでの対応とみておきたい。
また、今後は日銀の金融政策決定会合に関心が集まりやすい。追加利上げを決めるとの観測が高まる状況のなか、決定会合前には持ち高調整に伴うリバランスの動きが意識される。弱含む局面ではイベント通過後のアク抜け的な動きを想定した押し目を狙いたいところである。
日経225先物は75日線が支持線として機能するようだと、25日線を目先的なターゲットとしたロングが入りやすいとみられる。また、週間形状では13週線(3万9000円)を突破してくるようだと、方向性としては4万円を意識したトレンド形成が期待されてくるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.32倍に低下する場面もみられたが、その後は75日線(14.36倍)水準での推移となった。同線を明確に上抜くまでは、NTロングでのスプレッドは狙いにくい。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0531枚、ソシエテジェネラル証券が1万7021枚、サスケハナ・ホンコンが4136枚、SBI証券が3373枚、JPモルガン証券が2532枚、日産証券が2142枚、バークレイズ証券が1900枚、ゴールドマン証券が1399枚、モルガンMUFG証券が1286枚、楽天証券が1248枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8798枚、ソシエテジェネラル証券が1万3233枚、バークレイズ証券が3494枚、JPモルガン証券が3023枚、モルガンMUFG証券が2653枚、ゴールドマン証券が2076枚、日産証券が1514枚、野村証券が1216枚、ビーオブエー証券が1129枚、シティグループ証券が916枚だった。
ドル円:1ドル=155.32円(前営業日NY終値比▲0.30円)
ユーロ円:1ユーロ=161.20円(▲0.89円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0379ドル(▲0.0037ドル)
日経平均株価:39027.98円(前営業日比△125.48円)
東証株価指数(TOPIX):2713.50(△2.23)
債券先物3月物:141.15円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.185%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は荒い値動き。朝方から売りに押されて154.91円まで下押す場面があったものの、トランプ米大統領が「メキシコとカナダに25%の関税を課すことを検討中。2月1日に施行すると思う」との見解を示すと、米10年債利回りが4.57%台まで上昇したことに伴い、156.23円まで買い戻しが入った。ただ、米金利の上昇は続かず、10年債利回りが4.52%台まで低下したため、その後は一転して154.78円まで下押し。午後に入ると米金利の低下一服に伴って155円台半ばまで下値を切り上げるなど、米金利動向をにらみながら荒く上下した。
・ユーロドルは弱含み。トランプ米大統領の意向が伝わり、米金利が上昇した場面では1.0353ドルまで売りに押された。その後は米金利が低下したことに伴って1.0400ドル付近まで買い戻しが入ったが、戻りは鈍かった。
・ユーロ円は軟調。ドル円の下落やユーロドルの戻りの鈍い動きにつれて円買い・ユーロ売りが進んだ。日銀の利上げ観測も引き続き相場の重しとなり、一時160.96円まで下落する場面が見られた。
・日経平均株価は続伸。トランプ米大統領が就任初日に関税発動を見送ったことで自動車株などを中心に買いが入り、寄り付き後に一時330円超上昇する場面があったものの、その後はすぐに上値が重くなった。トランプ米大統領が「カナダとメキシコへの関税を検討」との見解を示すと、一転して250円超安まで下押し。ただ、上下に振れた後は様子見ムードが強まり、再びプラス圏に浮上した。
・債券先物相場は続伸。トランプ米大統領が就任初日の関税発動を見送り、休場明けの時間外取引で米長期金利が低下したことを受けた買いが入った。もっとも、トランプ米大統領の「カナダとメキシコへの関税を検討している」との発言が伝わると、上げ幅を縮小した。
トランプ米新政権の関税に絡んで東京市場でもドル円が乱高下するなど、足もとではトランプ米大統領の発言に一喜一憂する相場展開が続きそうだ。
トランプ米大統領が就任初日での関税導入を見送り、全般ドル高に調整が入ったが、2月からメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課すことを検討していると報じられ警戒感が再燃している。もっともトランプ米大統領は「アメリカ・ファースト」を強調しており、関税を課すと方針に変わりはないだろう。ただ、中国などの譲歩を引き出す狙いで時間的な猶予を与えて交渉する可能性はある。関税引き上げをめぐり、特定の国を指定するのか一律に引き上げる方針なのか、一気にかけるのかそれとも段階的に引き上げるのか、また関税の目的はディールの手段なのかそれとも貿易赤字の削減のためなのかなど不透明な部分も多く、トランプ米大統領の発言に金融相場全体が神経質な動きになるトランプ劇場が始まったのである。
本日のNY市場では注目の経済指標の発表は予定されておらず、ドル円は祝日明けの米株・米長期金利の動向を睨んだ動きが見込まれる。時間外の米長期金利は大幅低下したが、インフレ懸念は払しょくされず金利の低下も一服し、ドル円の買い戻しが期待されるが、日銀が23-24日会合で利上げに踏み切るとの見方が引き続き上値を圧迫しそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円、日足一目均衡表・転換線156.83円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値154.78円が下値めど。
東海東京インテリジェンス・ラボでは米国株に関するリポートの中で、米長期金利の動向には引き続き警戒が必要とコメント。(1)いまだ堅調な米国経済、(2)トランプ新政権の政策を巡る不透明感、(3)米財政赤字のさらなる拡大への懸念―などから、足元の米金利上昇は複数の要因が絡み合った、かなり「根深い」ものになっていると指摘している。ただし、仮に金利低下の追い風が吹かないとしても、高めの経済成長と低インフレ、企業収益の拡大が継続するのであれば、米株市場の上昇基調は今後も維持されると東海東京では考えている。
関係者筋の話として一部報道が伝えたところによると、政府は3月25日に任期を迎える安達誠司日銀審議委員の後任人事案を28日にも提示する見込みだという。
今晩はもみ合いか。昨日はキング牧師誕生日の祝日のためNY市場が休場。先週は物価指標の鈍化を受けて年内の利下げ期待が再び高まったことや、大手金融機関の第4四半期決算が総じて良好な結果となったことで主要3指数がそろって3週ぶりに反発。ダウ平均が3.69%高、S&P500が2.91%高、ナスダック総合が2.45%高と軒並み大幅高となった。
今晩はもみ合いか。昨日は休場だったが、トランプ氏が第47代大統領に就任し、多数の大統領令に署名したほか、不法移民対策として南部国境の緊急事態を宣言した。関税に関してメキシコとカナダに25%関税を2月1日発動することを示唆したが、交渉の余地も残された。今後はトランプ政権が打ち出す具体的な政策に一喜一憂する展開が予想され、今晩の取引でも政策にらみの神経質な展開となりそうだ。
今晩は主要な米経済指標の発表はなし。決算発表は寄り前にD.R.ホートン、プロロジス、キーコープ、3M、チャールズ・シュワブ、引け後にネットフリックス、ユナイテッド・エアラインズなどが発表予定。
日経平均株価は続伸。下向きの25日移動平均線(39248円 1/21)に上値を抑えられ、失速する格好となった。一時は38700円を割り込む場面もあったが、上向きに転じた5日移動平均線(38679円 同)付近をサポートに下げ幅を縮小。終値ベースでは75日移動平均線(38942円 同)上を回復した。
RSI(9日)は前日の43.5%→28.5%(1/21)へ低下。75日移動平均線上を回復したほか、1/14の下げで形成したマドを埋め戻した。上向きに転じた5日移動平均線が押し上げ要因となり、25日移動平均線上を回復できるかがポイントになる。
上値メドは、心理的節目の39500円や40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などが考えられる。下値メドは、75日移動平均線、100日移動平均線(38599円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.57円(21日15時時点比△0.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.12円(△0.92円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0421ドル(△0.0042ドル)
FTSE100種総合株価指数:8548.29(前営業日比△27.75)
ドイツ株式指数(DAX):21042.00(△51.69)
10年物英国債利回り:4.590%(▲0.069%)
10年物独国債利回り:2.510%(▲0.016%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月英雇用統計
失業率 4.6% 4.6%
失業保険申請件数
0.07万件 ▲2.51万件・改
9-11月英失業率
(ILO方式) 4.4% 4.3%
1月独ZEW景況感指数
10.3 15.7
1月ユーロ圏ZEW景況感指数
18.0 17.0
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。「トランプ米大統領がカナダとメキシコに25%の関税を検討している」と伝わったのをきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。18時30分過ぎに一時1.0342ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。英独株価指数が史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移するとリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.0430ドル付近まで値を上げた。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが観測された」との声も聞かれた。
ナーゲル独連銀総裁はこの日、「ECBが来週利下げする可能性は十分にある」「ECBはデータに基づいて決定を下す」などと述べたが、相場の反応は限られた。
・ドル円は戻りが鈍かった。対ユーロなどでドル買いが先行するとドル円にも買いが入り、20時30分前には156.05円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値156.23円が目先レジスタンスとして意識されると次第に上値が重くなった。ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが観測されると一時155.25円付近まで下押しした。
なお、「日銀は23-24日に開く金融政策決定会合で、政策金利の追加引き上げを決める方向」との報道が伝わったが、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は限定的だった。
・ユーロ円は堅調。しばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、欧米株価の上昇を背景にリスク志向の円売り・ユーロ買いが出ると一時162.18円まで値を上げ、日通し高値を更新した。
・ロンドン株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ったことから、買いが優勢となった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われたほか、ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が値上がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株は売られた。
・フランクフルト株式相場は6日続伸し、史上最高値を更新した。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ると、関税を巡る過度な警戒が薄れ、買いが広がった。個別ではシーメンス・エナジー(3.31%高)やシーメンス・ヘルシニアーズ(3.22%高)、ラインメタル(1.88%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
21日の日経平均は続伸。終値は125円高の39027円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり940/値下がり615。ディスコやレーザーテックなど半導体株の一角が大幅上昇。任天堂、DeNA、コロプラなどゲーム株や、ANYCOLOR、カバーなどVチューバー関連にしっかりとした動きが見られた。3Q速報値で足元の業績好調が確認できた極東証券が急伸した。
一方、防衛大手の川崎重工、三菱重工、IHIがそろって大きめの下落。メタプラネット、セレス、リミックスポイントなど暗号資産関連の多くが値幅を伴った下げとなった。トランプ大統領が化石燃料の開発拡大に意欲を示していることから原油の需給は緩むとの見方が強まり、INPEX、石油資源開発、ENEOSなどが売りに押された。
日経平均は続伸。前場は振れ幅が大きくなったが、後場に入ると値動きが落ち着いた。トランプ新大統領に不安がないわけではないが、ある程度過激な発言が出てくることへの心構えもできていたことから、下げたところでは押し目買いが入った。終値(39027円)ではきっちり節目の39000円を上回っている。マウントを取ってディールを好むトランプ流の政治手法は経験済みではあるだけに、きょうのようにニュースでいったん下に反応しても、リスクオフには至らないといった場面がこの先は増えてくるかもしれない。
1月の日銀会合では利上げが濃厚とみられている。本日の日経平均がプラスで終えたことで、その確度は一段と高まった。きょうの国内金融株は弱い部類に入る銘柄が多く、利上げを意識した動きは限られた。織り込みが完全に進んだのかどうか、あすの日本株の動きは注目される。金融株だけが強く他が嫌われるようだと、ここから結果発表までは買い手不在に陥りやすい。一方、金融株以外に買われる銘柄が多いようなら、1月会合は波乱なく通過できるとの期待が高まる。特に、国内金利の上昇が逆風となる不動産株やREIT指数の動向を注視しておきたい。
(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.52円(前営業日比▲0.10円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.14円(△0.05円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0428ドル(△0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:44025.81ドル(△537.98ドル)
ナスダック総合株価指数:19756.78(△126.58)
10年物米国債利回り:4.57%(▲0.06%)
WTI原油先物2月限:1バレル=75.89ドル(▲1.99ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2759.2ドル(△10.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは小幅ながら続伸。アジア時間に「トランプ米大統領はカナダとメキシコに25%の関税を検討」と伝わったことを受けて、欧州市場まではユーロ売り・ドル買いの流れが続いた。18時30分過ぎには一時1.0342ドルと日通し安値を付けた。
ただ、NY市場に入ると買い戻しが優勢に。英独株価指数が史上最高値を更新し、ダウ平均が一時560ドル超上昇するなど、欧米株相場が堅調に推移するとリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入った。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0435ドルとアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。
・ドル円は小幅続落。対ユーロなどでドル買いが先行するとドル円にも買いが入り、20時30分前には156.05円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値156.23円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが観測されると一時155.25円付近まで下押しした。
なお、「日銀は23-24日に開く金融政策決定会合で、政策金利の追加引き上げを決める方向」との報道が伝わったが、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は限定的だった。
・ユーロ円は小幅に3日続伸。アジア市場では一時160.96円まで売られたものの、欧米市場に入ると買い戻しが優勢となり上げに転じた。欧米株価の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢になると、一時162.23円と本日高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ると、関税を巡る過度な警戒が薄れ、買いが広がった。「トランプ氏はAIインフラに巨額投資する方針を発表する見通し」との報道を受けて、半導体株への買いが目立った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸。米長期金利の低下で高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ると、関税の引き上げに伴う物価上昇への警戒がひとまず後退し買いが広がった。
・原油先物相場は大幅に3日続落。イスラエルとイスラム組織ハマス間での停戦が発動を受けて、中東の地政学リスク低下から供給懸念が後退。また、米国のトランプ新大統領がエネルギーに関する国家非常事態を宣言し、規制を撤廃して同国の石油やガス生産を最大化する計画を打ち出した。これらが売り圧力に繋がり、一時75ドル半ばまで下値を広げた。
・金先物相場は反発。時間外につけた2715ドル台を下値に切り返すと、先週高値を超えて2762ドルまで上げ幅を広げた。米長期金利の低下が金利を生まない金にとって支えとなり、為替のドル安もドル建て金に割安感を生じさせて買いに繋がった。
21日11:04 加藤財務相
「米政策の世界経済・日本経済への影響が貿易・金融などのルートでどう生じてくるのか高い関心もって注視」
「日銀において適切な金融政策運営なされると期待している。具体的な内容は日銀に委ねられている」
21日12:44 三村財務官
「足元の為替の動き、私の立場ではコメントしない」
「実質賃金がどうなっていくかがポイント」
「中銀の金融政策についてはコメント控える」
「今週の決定会合、日銀の独立性の中での判断になる」
「企業の設備投資は悪くない、実質消費は弱い」
21日18:39 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「インフレについては警戒しているが心配はしていない」
「将来的には大幅な利下げも排除しない」
「ECBは各会合で行動するというコンセンサスが妥当」
「中立金利を下回る可能性は今のところ問題ではない」
「利下げペースが安定すれば利下げの規模は拡大しない」
21日22:44 ナーゲル独連銀総裁
「ECBは2025年半ばに2%の目標を達成する道を進んでいる」
「消費と投資のさらなる安定が必要」
「貿易戦争では誰もが損をする」
「ECBが来週利下げする可能性は十分にある」
「ECBはデータに基づいて決定を下す」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○06:45 ◎ 10-12月期ニュージーランド(NZ)消費者物価指数(CPI、予想:前期比0.5%/前年比2.1%)
○17:00 ◎ 12月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比3.2%)
○18:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:30 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○20:00 ◇ 11月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比5.5%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 12月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.6%)
○22:30 ◇ 12月カナダ原料価格指数(予想:前月比0.5%)
○24:00 ◎ 12月米景気先行指標総合指数(予想:前月比横ばい)
○23日00:05 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23日03:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○23日03:30 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、24日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りで155.25円付近まで下押ししたものの下値は限定的だった。ユーロドルは欧米株価指数の上昇やロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いなどで1.0435ドルまで上昇し、アジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。ユーロ円は欧米株価の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢になり162.23円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、23-24日の日銀金融政策決定会合での追加利上げ観測が上値を抑える中、トランプ米大統領による突発的な発言に警戒していく展開が予想される。
第2次トランプ米政権でのトランプ関税は、メキシコとカナダに対しては25%の引き上げが2月1日から実施されることが検討されている模様だが、中国に対しては、まず通商交渉が行われ、合意に達しない場合に関税の引き上げとなる模様で、当面の米中貿易戦争は回避された。また、これまでの所、欧州に対する関税引き上げも打ち出されていない。
しかし、トランプ米大統領は、明日ダボス会議に参加予定となっており、発言内容次第では市場を混乱させ日銀の利上げ見送り(※円売り要因)になる可能性もあることで、利上げ決定までは円を買い進めにくい状況となっている。
今週の注目ポイントは、23-24日の日銀金融政策決定会合での追加利上げの有無だが、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す追加利上げ確率は90%台に上昇している。そして、「日銀金融政策決定会合で、政策金利の追加引き上げを決める方向」との観測報道が相次いでいることから、利上げはほぼ確実視されている。
24日には通常国会が召集され、25年度予算案が国会に提出されるため、予算案成立の前の利上げは避けられるのではないかとの見方があるものの、これまでの政府と日銀の関係者の発言は、利上げを既定路線化している。
・14日:氷見野日銀副総裁「23、24両日に開く金融政策決定会合の焦点は利上げするかどうかだ。政策委員の間でよく議論して適切に判断する。20日に就任するトランプ次期米大統領の演説内容などを見極めて結論を出す」
赤沢経済再生相(氷見野日銀副総裁の発言に対して)「日銀の利上げ検討と政府がデフレ脱却を目指すことに矛盾することはない」
・15日:植田日銀総裁
「来週の金融政策決定会合で米新政権の政策や春闘の賃金動向などを精査し、追加利上げを行うかどうか判断する」
・16日:林官房長官(植田日銀総裁の発言に対して)「今後の利上げを含め、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべき」
・17日:加藤財務相「賃金と物価が上がり、金利が動くというのが経済の本来の姿」
・21日:三村財務官「今週の決定会合、日銀の独立性の中での判断になる」
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39270 +310 (+0.79%)
TOPIX先物 2733.5 +23.0 (+0.84%)
シカゴ日経平均先物 39275 +315
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
21日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領は就任初日にメキシコとカナダからの輸入品に関税を課す考えを示したが、世界一率の関税発動に踏み込まなかったほか、中国に対する即時引き上げも見送ったことが買い安心感につながった。また、トランプ氏がソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、オープンAI、オラクル<ORCL>の3社が主導する米国のAIインフラに巨額投資する方針を発表する見通しだと報じられた。これを受けて、エヌビディア<NVDA>など半導体株の上げが目立った。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、決算が市場予想を上回った3M<MMM>が上昇。アマゾン・ドット・コム<AMZN>、シスコシステムズ<CSCO>、ナイキ<NKE>、キャタピラー<CAT>、ウォルマート<WMT>が買われた。半面、アナリストが投資判断を引き下げたアップル<AAPL>が売られたほか、マイクロソフト<MSFT>、IBM<IBM>、メルク<MRK>、シェブロン<CVX>は下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比315円高の3万9275円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比60円高の3万9020円で始まり、3万9140円まで買われた。買い一巡後は軟化し、米国市場の取引開始後に一時3万8960円と日中比変わらずの水準まで軟化する場面もみられた。ただし、終盤にかけてロング優勢の流れが強まり、3万9270円まで買われ、ナイトセッションの高値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日経225先物はナイトセッションで75日移動平均線(3万8980円)を上回って始まり、25日線(3万9270円)を捉えてきた。軟化する場面では75日線が支持線として意識される形で切り返しており、ショートカバーを誘い込みやすいだろう。
買い一巡後は25日線水準で強弱感が対立しやすいとみられるが、ボリンジャーバンドの-1σと中心値(25日)でのレンジに移行するなか、レンジ上限を突破する動きをみせてくるようだと、カバーの動きが一段と強まりやすい。25日線が支持線として意識されてくると、節目の3万9500円や+1σ(3万9750円)辺りが射程に入ってくる。
また、トランプ氏が米国のAIインフラに巨額投資する方針との報道を受け、ソフトバンクグループはADR(米預託証券)で3%近く上昇しており、日経平均型を牽引する形になりそうだ。アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の上昇も期待されるため、ロング対応に向かわせよう。
まずはオプション権利行使価格の3万9250円を中心とした上下の権利行使価格3万9000円から3万9500円のレンジを想定。25日線水準を上回っての推移が続くようだと、3万9250円から3万9750円のレンジに移行する展開が期待される。
21日の米VIX指数は15.06(20日は15.81)に低下した。16.29と上昇して始まったが、同水準に位置する200日線が抵抗線として意識された。一時14.93と15.00を下回る場面もみられており、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.32倍に低下する場面もみられたが、その後は75日線(14.36倍)水準での推移となった。ソフトバンクグループなど指数インパクトの大きい値がさ株の上昇が見込まれるなか、NTロングでのスプレッド狙いの動きが入りやすいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比610円高の3万9570円(+1.56%)前後で推移。寄り付きは3万9350円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9275円)を上回って始まった。開始直後につけた3万9320円を安値にロングの勢いが強まり、中盤にかけて節目の3万9500円に乗せると、終盤には一時3万9650円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は25日移動平均線(3万9280円)を上回って始まり、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)に接近してきた。節目の3万9500円回復後も強い基調を継続しているため、ショートカバーが入りやすい需給状況である。短期的には過熱感が意識されやすいほか、13週線(3万9710円)接近で利食いに伴うロング解消の動きも入りやすいだろう。ただし、同水準を明確に上抜けてくると、4万円を意識した上へのバイアスが強まると考えられ、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.44倍に上昇した。75日線(14.36倍)を上回って始まり、一時14.47倍まで上げてきた。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の上昇率が9%を超えたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などが日経平均型を牽引している。1月9日につけた戻り高値(14.48倍)接近でいったんはNTロングを巻き戻す動きはありそうだが、軟化する場面ではNTロングの組成に向かわせそうだ。
「2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」
(植田日銀総裁:2024年7月31日)
日本銀行は、ゼロ金利を導入した以降の25年間で2回利上げしたが、その後に世界景気が後退し、時期尚早の利上げとの批判を浴びた。
2000年8月の利上げ(ゼロ⇒0.25%)の後は、米国発のITバブルが崩壊した。
2006年7月の利上げ(ゼロ⇒0.25%⇒0.50%)の後は、米国発の住宅バブルが崩壊した。
2024年3月に開始された3回目の利上げは、0.50%の壁を打ち破れるのだろうか。
1.2000年8月11日:速水第28代日銀総裁(反対2名の利上げ)
2000年8月11日の日銀金融政策決定会合で、速水第28代日銀総裁は、政府の議決延期請求を否決して、無担保コールレート(オーバーナイト物)を、ゼロ金利から0.25%へ引き上げた。
速水第28代日銀総裁は「成長率が著しく高まることは期待しがたいと思うが、少なくとも日本経済はデフレ懸念の払拭が展望できる情勢に至ったと判断する」「政策判断としてどれでいくか決定するのは、日銀法第3条で認められた我々の自主性である」と述べた。
しかし、2001年にITバブルが崩壊したことで、2001年2月にゼロ金利に回帰し、3月には量的金融緩和政策に踏み切った。
植田日銀審議委員は、「まだ大きな水準の需給ギャップが存在している可能性がある」と述べて反対していた。
2.2006年7月14日:福井第29代日銀総裁(全員一致の利上げ)
2006年7月14日の日銀金融政策決定会合で、福井第29代日銀総裁は、無担保コールレートを、ゼロ金利から0.25%へ引き上げ、翌年2月には0.50%へ引き上げた。
しかし、2007年にサブプライム危機により、利下げを余儀なくされた。
福井総裁は「超低金利が長く続くリスクということをやはり念頭に置きながら、今後しっかり物を考えていく必要がある」と述べていた。
3.2024年3月19日:植田第32代日銀総裁
2024年3月19日の日銀金融政策決定会合で、植田第32代日銀総裁は、2024年春闘での賃上げの状況を受けて、マイナス金利を解除し、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を撤廃した。
そして、植田日銀総裁は、マイナス金利解除後の新たな短期金利の調整方針の呼び方を問われたのに対して、「特にそれを『ゼロ金利政策』と呼ぼうとは考えていない」と答えた。
2024年7月31日の日銀金融政策決定会合で、政策金利(無担保コール翌日物金利)が、これまでの「0-0.1%程度」から、「0.25%程度」に引き上げられた。
植田日銀総裁は、「前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べ、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示した。
2025年1月24日の日銀金融政策決定会合では、0.25%の追加利上げが決定され、0.5%の壁に到達する可能性が高まっている。
・氷見野日銀副総裁(1月14日)「23、24両日に開く金融政策決定会合の焦点は利上げするかどうかだ。政策委員の間でよく議論して適切に判断する」
・植田日銀総裁(1月15日)
「来週の金融政策決定会合で米新政権の政策や春闘の賃金動向などを精査し、追加利上げを行うかどうか判断する」
トランプ相場が始まったばかりですが、昨日は東京時間にトランプ米大統領がカナダとメキシコへの25%関税を言及したことでドル円は156.23円まで急伸。その後はクロス円の売りなどにつれて154.78円まで値を下げたものの、欧州時間に入ってからは米長期金利が低下幅を縮めるにつれて156.05円まで買戻されることになりました。NY市場に入ってからは155.25円まで下押したものの、その後は155.50円を挟んだもみ合いに終始したといったところです。
そして、本日のアジア市場では、再びトランプ米大統領が「中国への10%関税」に言及。ドル円は155.83円まで買われた後、155.36円まで下押ししたものの、その後は155.96円まで買戻されています。
昨日もお伝えしたように、ドル円には新たなリズムが生まれてきているわけで、トランプ米大統領の発言を起点に、その後は米長期金利や実需勢のフローに左右される、ある意味「予見可能な値動き」となっているようにみえます。
いずれにしても、目先はNY時間の高値156.05円や昨日高値の156.23円が戻りの目処。20日の高値156.58円や一目転換線が位置する156.83円も意識されています。
ダウ平均から一時5000ポイント近く大幅に引き離された日経平均も、年始からの長期資金などによるリバランスにもそろそろ目処がつくころ。40000円という心理的節目への抵抗感も相まって、出遅れ感ばかりが目立っていますが、日銀の利上げが既成事実化するなかでもプライスの下方硬直性が高まってきているわけで、水準訂正の動きに繋がっていくような気がしています。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、明日ダボス会議に参加予定のトランプ米大統領が「EU製品も関税の対象となる」と述べたことで、上値が重い展開が予想される。
トランプ米大統領が「欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して防衛費を国内総生産(GDP)比5%まで引き上げるべき、さらに、EU製品も関税の対象となる」と述べたことで、ユーロの上値を重くしている。
さらに、プーチン露大統領に対しては、ウクライナを巡る協議に応じなければ、制裁強化を警告しており、今後も関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
本日のダボス会議では、ビルロワドガロー仏中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、ナーゲル独連銀総裁らの講演が予定されており、欧米貿易戦争に向けた欧州中央銀行(ECB)の追加利下げへの見解に要注目となる。
昨日は、ハト派のビルロワドガロー仏中銀総裁が「将来的には大幅な利下げも排除しない」、タカ派のナーゲル独連銀総裁も「ECBが来週利下げする可能性は十分にある」とハト派的な見解を述べていた。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0491ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:163.81円(1/8高値)
・ポンドドル:1.2412ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:193.26円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0307ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:161.44円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.2230ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:190.48円(1/21安値)
ドル円:1ドル=155.83円(前営業日NY終値比△0.31円)
ユーロ円:1ユーロ=162.30円(△0.16円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0415ドル(▲0.0013ドル)
日経平均株価:39646.25円(前営業日比△618.27円)
東証株価指数(TOPIX):2737.19(△23.69)
債券先物3月物:141.02円(▲0.13円)
新発10年物国債利回り:1.195%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は小高い。神経質に上下を繰り返したものの、次第に下値が堅くなった。日経平均株価が大幅高となったことも相場の支えとなり、13時前には155.96円まで上昇。なお、アジア時間にはトランプ米大統が「対中10%関税について協議している」と述べたが、相場への影響は一時的だった。
・ユーロドルは小安い。トランプ米大統領が「欧州連合(EU)は関税の対象になる」との見解を示したことで1.0393ドルまで下押す場面があったものの、売りの勢いは長続きしなかった。その後は1.0410ドル台を中心とする狭いレンジ内でのもみ合いが続いた。
・ユーロ円は小高い。日本株高を支えに底堅く推移し、昨日高値の162.23円を上抜けて一時162.39円まで値を上げた。
・日経平均株価は大幅に3日続伸。昨日の米国株式相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行した。人工知能(AI)向けの巨額投資を発表したソフトバンクなどが相場をけん引。半導体関連株の上昇も目立つなか、指数は一時660円超高まで上値を伸ばした。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。寄り付き後に141円22銭まで上昇する場面があったものの、その後は次第に上値が重くなった。日銀が今週末の会合で利上げを実施するとの見方が重しとなっているほか、本日の国債買い入れオペで需給の緩みが意識されたことも売り材料視された。
米CNBCは21日、トランプ米大統領が中国に10%の追加関税をかけることを政権内で検討しており、早ければ2月1日に施行する見通しを明らかにしたと伝えた。トランプ氏は21日夜、ホワイトハウスで記者団に対し「中国が合成麻薬フェンタニルをカナダとメキシコに送っているという事実に基づき、10%の関税を課すことを話し合っている」「おそらく2月1日がめどになるだろう」と語った。
トランプ氏は20日、カナダとメキシコがフェンタニルと不法移民を米国に流入させていると主張し、2月1日にも両国からの輸入品に25%の関税をかける考えを示した。
東海東京インテリジェンス・ラボでは為替に関するリポートの中で、シカゴ投機筋のドル円の先物ポジションが昨年末にネット円売りに転じて以降、徐々に円売りを積み増していると指摘している。ただ、財務省が昨年介入した時期に比べるとシカゴ筋の円売りが積み上がっているわけではなく、「投機的な円売り」を円買い介入の大義名分には使えないと考えている。ドル円が仮に160円を超えても円買い介入は難しいとみており、円売り余力が拡大した投機筋が円キャリー取引を活発化させれば、ドル円の160円台定着が視野に入っても不思議ではないとコメントしている。
大阪3月限
日経225先物 39580 +620 (+1.59%)
TOPIX先物 2736.5 +26.0 (+0.95%)
日経225先物(3月限)は前日比620円高の3万9580円で取引を終了。寄り付きは3万9350円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9275円)を上回って始まった。開始直後につけた3万9320円を安値にロングの勢いが強まり、前場中盤にかけて節目の3万9500円に乗せると、前場終盤には3万9650円まで上げ幅を広げた。短期過熱感が意識されやすいなか、ランチタイムでは利食いに伴うロング解消の動きもあった。
ただし、節目の3万9500円処では押し目待ち狙いのロングが入り、後場中盤辺りまでは3万9500円~3万9650円辺りのレンジで推移。その後、レンジを上抜ける形から一時3万9700円まで買われた。終盤にかけて持ち高調整とみられる動きにより軟化したが、節目の3万9500円を上回って終えている。
日経225先物は25日移動平均線(3万9280円)を上回って始まり、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)に接近してきた。節目の3万9500円回復後も強い基調を継続したことで押し目待ち狙いのロングのほか、ショートカバーが入りやすい需給状況だった。短期的には過熱感が意識され、13週線(3万9710円)水準では上値を抑えられたものの、抵抗線を捉えたことで利食いが入りやすいところだった。
13週線を週末の終値で上回るようだと、同線と+1σ(4万0370円)によるレンジに移行することが期待される。4万円回復では利食いも警戒されるが、上へのバイアスが強まりやすいと考えられるためショートは避けておきたい。また、日足ベースの+1σをクリアしてくると、+2σ(4万0240円)が意識されてくる。4万円を回復する局面では、達成感はそれほど高まらず、昨年12月27日につけた戻り高値(4万0460円)をターゲットとしたロングに向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.46倍に上昇した。75日線(14.36倍)を上回って始まり、一時14.48倍まで上げてきた。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の上昇率が10%を超えたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などが日経平均型を牽引した。これにより、1月9日につけた戻り高値(14.48倍)にタッチした。値がさハイテク株の強い基調が続く可能性があるなか、昨年11月6日の戻り高値(14.59倍)を狙ったNTロングでの対応が有効になりそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7567枚、ソシエテジェネラル証券が1万5367枚、サスケハナ・ホンコンが3438枚、JPモルガン証券が2807枚、バークレイズ証券が1875枚、野村証券が1733枚、ビーオブエー証券が1531枚、ドイツ証券が1345枚、ゴールドマン証券が1261枚、日産証券が1216枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7611枚、ソシエテジェネラル証券が1万3957枚、バークレイズ証券が4867枚、JPモルガン証券が3166枚、ゴールドマン証券が3092枚、ビーオブエー証券が1314枚、大和証券が879枚、シティグループ証券が829枚、UBS証券が767枚だった。
欧州タイムに入り、ドル円は一時156円台を回復するも昨日同様に大台で定着できず売りに押された。ただ、押し戻しは155円半ばにとどめ底堅い動き。
本日のNY市場で、発表予定の米経済指標は12月景気先行指標総合指数程度と注目材料は乏しい。基本は米長期金利や米株の動向を眺めながらの動きとなるも、トランプ米政権の関税方針をめぐり追加発表が出される可能性があるなど、引き続きトランプ関連のヘッドラインに注目する相場展開が見込まれる。トランプ米大統領の関税強化観測を支えに、ドル円は底堅い動きが予想される。現時点ではメキシコとカナダに25%関税を課す計画が明らかになっているほか、中国に10%の追加関税をかけることを検討していると報じられた。
20日のトランプ氏の米大統領就任式前後から全般ドル高に調整が入り、ドル円も156円半ばで上値を抑えられ伸び悩んでいるが、先高への警戒感は払しょくされていない。一方で明日からの日銀金融政策決定会合を控え利上げはほとんど織り込まれ、利上げ観測がここからドル円の下押し材料にはなりにくいものの、戻り局面では引き続き売りも入りやすいか。
・想定レンジ上限
ドル円、21日の高値156.23円や日足一目均衡表・転換線156.83円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値155.36円や21日安値154.78円が下値めど。
今晩は堅調持続か。昨日はトランプ政権の関税政策が当初警戒されたほど厳しいものではないとの見方から安心感が広がった。スリーエムなどの決算発表が総じて良好だったことも追い風となった。ダウ平均は537.98ドル高(+1.24%)の44025.81ドルで終了し、12月11日以来の44000ドル台回復となった。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.88%高、0.64%高で終了し、主要3指数がそろって2営業日続伸した。引け後の動きでは、ネットフリックスが時間外で14%高と急伸。予想を上回る決算や有料会員数が3億人を突破したこと、2025年の売上高見通しを引き上げたことが好感された。ユナイテッド・エアラインズも決算が予想を上回り、時間外で3%超上昇。オラクルはオープンAIやソフトバンク・グループなどと共同でAIインフラに5000億ドル以上を投資するとの発表が好感され時間外で4%超上昇した。
今晩は引き続き堅調か。トランプ政権が中国にも10%の追加関税を検討すると発表するなど関税によるインフレ高進が懸念されるものの、関税が当初恐れられたほど過激なものでないことが引き続き安心感につながることが期待されるほか、ネットフリックスやオラクルなどの大幅高が見込まれることも追い風となりそうだ。決算発表は寄り前にトラベラーズ、ジョンソン&ジョンソン(J&J)、GEベルノバ、プロクター&ギャンブル(P&G)、ハリバートンなどが発表予定で、決算やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、12月景気先行指数、米20年債入札など。決算発表は寄り前にラス・ベガス・サンズ、トラベラーズ、ジョンソン&ジョンソン(J&J)、GEベルノバ、プロクター&ギャンブル(P&G)、ハリバートン、引け後にキンダーモーガン、クラウン・キャッスルなどが発表予定。
日経平均株価は3日続伸。前日からマドを開けて上振れスタートとなり、上値を伸ばす展開となった。途中、大きくだれることなく、39500円を超えたことでショートカバーが下値を支える格好となった。
RSI(9日)は前日の28.5%→44.3%(1/22)へ上昇。あす以降は短期的に上昇しやすいタイミングに入る。きょうはほぼ高値引けの陽線を形成し、25日移動平均線(39259円 1/22)を上回って終えた。戻り待ちの売りが強くなる水準ではあるが、4万円台回復が試される。
上値メドは、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などが考えられる。下値メドは、25日移動平均線や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38613円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)などがある。
米財務省によると、20年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.900%、応札倍率(カバー)が2.75倍となった。
(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.62円(22日15時時点比△0.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.15円(△0.85円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0417ドル(△0.0002ドル)
FTSE100種総合株価指数:8545.13(前営業日比▲3.16)
ドイツ株式指数(DAX):21254.27(△212.27)
10年物英国債利回り:4.633%(△0.043%)
10年物独国債利回り:2.530%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。日本時間夕刻に一時155.55円まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値155.36円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。
NYの取引時間帯に入り、米10年債利回りが上昇に転じると円売り・ドル買いが活発化。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円売り・ドル買いのフローが観測された」との声も聞かれた。米国株相場の上昇に伴うリスク・オンの円売りも出ると一時156.71円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは頭が重かった。19時30分過ぎに一時1.0457ドルと昨年12月30日以来の高値を付けたものの、一目均衡表雲の下限が位置する1.0490ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、一時1.0412ドル付近まで下押しした。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「2025年のうちにインフレが目標に達すると確信」と述べたほか、エスクリバ・スペイン中銀総裁は「来週30日のECB定例理事会では0.25%の利下げが有力なシナリオ」などと話した。
・ユーロ円は堅調。独株式指数は連日で史上最高値を更新したほか、米株式市場ではS&P500種株価指数が取引時間中の最高値を更新。投資家がリスク選好姿勢を強め円売り・ユーロ買いが出た。2時30分過ぎには一時163.22円と本日高値を付けた。
ユーロ円以外のクロス円も底堅く推移した。ポンド円は一時193.01円、豪ドル円は98.34円、NZドル円は88.80円、カナダドル円は109.08円、スイスフラン円は172.77円、メキシコペソ円は7.65円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は6日ぶりに小反落。前日の米株高や本日の日本株高を受けて買いが先行したものの、中盤以降は売りに押され、下げに転じた。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出やすかった。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が売られたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は7日続伸し、史上最高値を更新した。前日の米株高や本日の日本株高を受けて、独株にも買いが波及した。個別では決算内容が好感されたアディダス(6.04%高)の上昇が目立ったほか、シーメンス・エナジー(6.53%高)やミュンヘン再保険(4.15%高)などが買われた。
・欧州債券相場は下落。
22日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は618円高の39646円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1046/値下がり514。トランプ米大統領がAI開発に巨額の投資を行うと表明。発表の際に孫正義氏が同席していたことから、ソフトバンクGに買いが殺到した。フジクラ、古河電工、住友電工など電線株が軒並み急騰。ディスコ以外にもSCREENやアドバンテストなど半導体関連には買われる銘柄が多かったほか、主力どころでは日立や任天堂の動きが良かった。米ファンドが2度目の書簡を送ったとの観測が報じられたフジメディアにガバナンス改革を期待した買いが入った。
一方、IHIや川崎重工など防衛関連が軟調。日銀の1月利上げが確実視される中でも、三菱UFJや三井住友などメガバンクは売りに押された。一方で、東京建物、積水ハウス、大和ハウスなど不動産・住宅の一角が売られており、日銀の利上げを警戒しているような動きも散見された。証券会社が投資判断を引き下げたFPパートナーが6%を超える下落となった。
売買代金トップのディスコ<6146.T>が11.9%高、2位のフジクラ<5803.T>が14.8%高、3位のソフトバンクG<9984.T>が10.6%高と、上位3銘柄がそろって2桁の上昇率。動きが良いから商いが活発になり、そのことがさらなる買いを呼び込むという好循環が発生した。2025年に入って日本株全体に気迷いムードが漂っていたような雰囲気もあっただけに、注目度の高い銘柄の多くが跳ねたことはポジティブ。2024年の大躍進銘柄でありながらきのうまではさえない動きが続いたフジクラは、きょうの大幅高で上場来高値を更新している。
きょうの日経平均が大きく上昇したこと、その中で銀行株は買われる部類に入っていなかったことなどを見ると、1月の日銀の利上げに関しては完全に織り込みが進んだとみて良さそう。あす下げたとしても、きょうの反動と冷静に受け止められるだろう。そもそもきょうは全面高ではなく、短期的に過熱感があるのは一握りの銘柄にとどまっている。あすはニデック<6594.T>やディスコが決算発表を予定しており、来週からは決算発表銘柄の数も増えてくる。ここからは弱材料には一定の耐性を示し、下がりづらく上げやすい地合いが醸成される公算が大きい。
CNBCが報じたところによると、「トランプ米大統領は23日11時(日本時間24日1時)に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でオンライン演説を行う」ようだ。
22日07:57 トランプ米大統領
「ウクライナを巡る協議なければ、ロシアへの制裁強化の可能性」
「カナダとメキシコへの関税は、USMCAとは無関係」
「対中10%関税について協議している」
「NATOの欧州メンバーは、GDP比5%の防衛費を負担すべき」
「習中国国家主席との会談では関税の話はあまりしなかった」
「望むならいつでもプーチン露大統領と会う」
22日14:56 神田前財務官
「過度な動きやファンダメンタルズから乖離なら是正が必要」
22日15:57 クノット・オランダ中銀総裁
「景気回復が進めば、刺激策に踏み切る必要があるとは考えていない」
「来週の追加利下げにほとんど障害はない」
「貿易政策による新たな成長下振れリスク、インフレについてはそれほど明確ではない」
22日15:58 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「金利は2025年末までに2%に近づくはず」
22日17:25 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「2025年のうちにインフレが目標に達すると確信」
「ディスインフレの進展は続いている」
「今年のユーロ圏の成長には下振れリスクがある」
「米国からのインフレ輸出についてはあまり心配していない」
「ECBの金利の方向性は明確、ペースについてはデータ次第」
22日18:46 エスクリバ・スペイン中銀総裁
「来週は0.25%の利下げが有力なシナリオ」
「ECBは予測を確認するために確かなデータを待つ必要がある」
22日18:48 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「ECBの金利、夏に2%前後になっているのが妥当」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 12月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前530億円の赤字、季節調整済5260億円の赤字)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ◇ 1月月例経済報告
○日銀金融政策決定会合(1日目)
<海外>
○14:00 ◎ 12月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比1.5%)
○16:45 ◇ 1月仏企業景況感指数(予想:94)
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○19:30 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:45.00%に引き下げ)
○22:30 ◎ 11月カナダ小売売上高(予想:前月比0.2%/自動車を除く前月比0.1%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/186.2万人)
○24:00 ◎ 1月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.2)
○24日01:00 ◎ トランプ米大統領、ダボス会議でオンライン演説
○24日02:00 ◇ EIA週間在庫統計
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、24日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.53円(前営業日比△1.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.93円(△0.79円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0409ドル(▲0.0019ドル)
ダウ工業株30種平均:44156.73ドル(△130.92ドル)
ナスダック総合株価指数:20009.34(△252.56)
10年物米国債利回り:4.61%(△0.04%)
WTI原油先物3月限:1バレル=75.44ドル(▲0.39ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2770.9ドル(△11.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 0.1% 33.3%
12月米景気先行指標総合指数
(前月比) ▲0.1% 0.4%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。米10年債利回りが上昇に転じたことなどをきっかけに円売り・ドル買いが先行。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円売り・ドル買いのフローも観測されると、本日高値となる156.71円まで値を上げた。「マーケットは23-24日の日銀金融政策決定会合での追加利上げをほぼ織り込んでいる」との声が聞かれる中、米国株相場の上昇を好感したリスク・オンの円売りも出た。
・ユーロドルは3日ぶりに小反落。欧州市場序盤には一時1.0457ドルと昨年12月30日以来の高値を付ける場面もあったが、一目均衡表雲の下限が位置する1.0491ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、一時1.0408ドル付近まで下押しした。
もっとも、NY午後に入ると1.04ドル台前半での狭いレンジ取引に終始した。米長期金利の上昇が重しとなる一方、ユーロ円のユーロ高推移が相場を下支えした。
・ユーロ円は4日続伸。独DAXが連日で史上最高値を更新したほか、米株式市場ではS&P500種株価指数が取引時間中の最高値を更新。投資家がリスク選好姿勢を強め円売り・ユーロ買いが出た。2時30分過ぎには一時163.22円と本日高値を付けた。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時193.01円、豪ドル円は98.34円、NZドル円は88.80円、カナダドル円は109.08円、スイスフラン円は172.80円、メキシコペソ円は7.65円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、昨年12月10日以来の高値となった。「トランプ米政権による関税強化策は懸念されたほど過激ではない」との見方が広がる中、新政権による経済促進策への期待感が買いを誘った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続伸。前日引け後に発表された決算内容が好感されて、ネットフリックスが一時15%近く急騰した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。トランプ米政権の政策でインフレ圧力が高まるとの見方が根強い中、売りが優勢となった。なお、20年債入札が「堅調」だったと伝わると買い戻しが入る場面もあったが、戻りは限定的だった。
・原油先物相場は4日続落。前日の大幅下落の反動から買戻しが先行するも、76ドル半ばでは頭を抑えられた。トランプ米大統領は原油増産の方針を示しており、今後は需給が緩むとの見方が相場の重しとなっている。売りが再び強まると、75.30ドル割れまで下値を広げた。
・金先物相場は続伸。為替でドルが対ユーロなどで弱含むと、割安感が生じたドル建て金は2774ドル台まで買われた。その後にドル安は一服するも、金の下値は限定された。トランプ米政権の政策でインフレ圧力が高まるとの見方は根強く、インフレヘッジとして金に資金が向かったとの声も聞かれた。
22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが上昇し、ロンドン・フィキシングに絡んだ円売り・ドル買いなどで156.71円まで上昇した。ユーロドルは欧州市場序盤の高値1.0457ドルから、米長期金利の上昇を受けて1.0408ドル付近まで下押しした。ユーロ円は独DAXが連日で史上最高値を更新したことなどで一時163.22円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合での追加利上げをほぼ織り込みつつある中、トランプ米大統領のインタビューやダボス会議での演説への警戒感から動きづらい展開が予想される。
トランプ米大統領は、本日の日本時間の午前中に米国メディアとのインタビューの放映が予定されており、日本時間24日の1時からは世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でオンライン演説を行う予定、と報じられている。英国や欧州に対するトランプ関税、ウクライナ戦争や中東紛争に対する方針などが語られると思われるものの、サプライズには警戒しておきたい。
第2次トランプ米政権のトランプ関税に関しては、中国に10%、カナダとメキシコに25%、欧州連合(EU)へも関税が検討されていると報じられており、米国の物価上昇圧力への警戒感がドル買い材料となっている。
8時50分に発表される12月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前530億円の赤字、季節調整済5260億円の赤字)では、本邦実需筋の円売り圧力を確認することになる。
2024年1-11月の貿易赤字は5.46兆円、また、1-12月の投資信託を通じた家計の円売り(新NISA少額投資非課税制度)は11.5兆円となっており、合計で約17兆円の円売りだった。
2024年の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入は、合計で15兆3233億円となっている。円売りサイドには、本邦機関投資家の外債投資や本邦企業の海外直接投資、買収案件、さらに投機筋の円売りも加わるため、ドル円の下値を限定的にしている。
日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁や氷見野日銀副総裁による利上げ示唆発言、そして複数の利上げ観測報道などから、追加利上げはほぼ確実視されている。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す追加利上げ確率は90%台に上昇している。
また昨日は、神田内閣官房参与(前財務官)が「過度な動きやファンダメンタルズから乖離なら是正が必要」と述べていた。
21日には三村財務官が、今後の為替相場の基調について、トランプ氏の打ち出す政策や発信次第との認識を示していた。そして、為替のコミットメントは、第1次トランプ政権時のG7合意「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得る」が続いているとも述べていた。
第1次トランプ政権は、米国の貿易赤字削減のために関税引き上げとドル安を志向してきたが、第2次トランプ政権では、関税引き上げは打ち出されているものの、明確なドル安政策はこれまでのところ表明されていないが、今後の警戒材料となるのかもしれない。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39810 +230 (+0.58%)
TOPIX先物 2745.5 +9.0 (+0.32%)
シカゴ日経平均先物 39805 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
22日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領が21日にソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、オープンAI、オラクル<ORCL>の3社が主導する米国のAIインフラに巨額投資する方針を発表したことを受け、引き続きハイテク株への物色が活発になった。
オラクルが7%近く上昇したほか、計画への参画が伝えられたエヌビディア<NVDA>やマイクロソフト<MSFT>が買われた。また、技術面で連携するアーム・ホールディングス<ARM>の上昇率は15%を超えるなど、半導体株への買いが目立っていた。そのほか、予想を上回る決算を発表したネットフリックス<NFLX>が10%近く上昇したこともセンチメントを明るくさせた。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディアやマイクロソフトのほか、トラベラーズ<TRV>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、セールスフォース<CRM>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、ホームデポ<HD>が軟調。
シカゴ先物(3月限)清算値は、大阪比225円高の3万9805円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万9580円始まり、3万9500円まで売られた後はロング優勢の展開となった。米国市場の取引開始後に3万9800円に乗せると、中盤にかけて一時3万9940円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は3万9850円を挟んだ保ち合いを継続し、3万9810円でナイトセッションの高値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日経225先物は前日の日中取引で25日移動平均線(3万9270円)を突破し、ボリンジャーバンドの-1σ(3万9770円)に接近していたが、ナイトセッションで+1σを上回ってきた。同水準では利益確定に伴うロング解消の動きが入りやすいだろうが、ショートは控えておきたい。
+1σ水準での底堅さがみられるようだと、4万円の大台のほか+2σ(4万0260円)がターゲットとして意識されてくるため、ショートカバーを誘う形になりそうだ。週間形状でも+1σ(3万9740円)を突破してきた。週末の終値で同水準を上回ってくると、+2σ(4万0420円)が射程に入るため、4万円乗せは通過点になるとみられ、調整の局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。パラボリックはSAR値をタッチしたことで、陽転シグナルが発生。
そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万円のレンジを想定。+1σ水準での底堅さがみられる局面では、3万9750円から4万0250円にレンジが移行することになりそうだ。
また、市場の関心は23~24日に開かれる日銀の金融政策決定会合となる。政策金利を現行の0.25%程度から0.5%程度に引き上げるとの見方がコンセンサスであり、市場は利上げを織り込んでいると考えられる。そのため、イベント通過後のアク抜けを意識した物色意欲は強いだろう。
22日の米VIX指数は15.10(21日は15.06)と小幅に上昇した。一時14.59まで低下した後に反発する形だった。引き続き昨年12月24日につけた直近安値(14.27)が意識されており、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.46倍に上昇した。75日線(14.36倍)を上回って始まり、一時14.48倍まで上げ、1月9日につけた戻り高値(14.48倍)にタッチした。ソフトバンクグループの上昇率が10%を超えたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などが日経平均型を牽引。本日も値がさハイテク株の強い基調が続く可能性があり、昨年11月6日の戻り高値(14.59倍)を狙ったNTロングでのスプレッド狙いが有効になりそうである。
ラクソンNZ首相は23日、外国投資規制緩和を発表した。これは経済成長と雇用創出を目指す政府戦略の一環であり、2024年第3四半期に予想以上の景気後退に陥った同国は、国際資本を呼び込むため、海外投資法の改正を2025年末までに実施する予定。新たな方針では、投資家が取引を正当化する必要がなくなり、より柔軟な投資環境が整備される。
WSJ紙によると、トランプ米大統領が銃器・薬物取締官に強制送還権限を与えたことが覚書で明らかになった。この覚書では、連邦捜査局(FBI)の捜査官がすでに移民逮捕権限を持っていることも強調されている。
日経225先物は11時30分時点、前日比240円高の3万9820円(+0.60%)前後で推移。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9805円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には3万9900円まで買われたが、ナイトセッションでつけた高値(3万9940円)を捉えられず、中盤にかけて3万9680円まで軟化する場面もみられた。ただし、積極的にショートを仕掛ける動きはなく、その後はボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)を上回っての推移を継続している。
日経225先物は買い一巡後に利食いとみられる動きもあったが、前場中盤以降は+1σを上回っての推移をみせており、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は買い一巡後に利食いに押される場面もみられたが、押し目買い意欲の強さから上げ幅を広げている。グローベックスの主要な米株先物は小幅ながらマイナス圏で推移。日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとして積極的なロングは手控えられそうだが、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍に上昇した。一時14.53倍まで上げており、昨年11月6日につけた14.59倍が意識されてきた。東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が下げに転じたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]は上げ幅を縮めており、NTロングを巻き戻す動きも入りやすいだろう。ただし、ソフトバンクグループの強い基調が続くなかでは、方向性としてNTロングに振れやすいと考えられる。
昨日のトランプ相場は、アジア時間早朝にトランプ米大統領が中国への10%関税に言及したことから始まったわけですが、ドル円は発言を受けて155.83円まで値を上げた後は155.36円まで下押し。日経平均が大幅な上昇となると156.11円まで買戻されたものの、欧州時間に入って米長期金利が低下するにつれて155.55円まで下押ししました。NY時間に入ってからは米10年債利回りが一転して4.6150%まで上昇すると20日の高値156.58円を上抜けて一時156.71円まで値を上げました。米20年債入札がかなり好調な結果に終わり米長期金利が上昇幅を縮めると156.45円まで下押ししてNY市場を終えています。
そして、本日のアジア市場。11時から放送が始まっているFOXニュースでのインタビューまでは156.50円を挟んだ狭いレンジでのもみ合い。これまでのところ、相場を動意付けるような発言は聞かれていません。
いずれにしても、本日は翌1時にもトランプ米大統領のダボス会議でのオンライン演説が予定されているわけで、その間は米長期金利や株価動向などを見極めながらの動きとなっていきそうです。目先では、いよいよ一目転換線を意識する動きとなってきており、50日移動平均線でサポートされたもみ合い相場の上抜けをトライしているところです。
「一匹の妖怪がヨーロッパを徘徊している。極右という名の妖怪が」
2025年1月、米国では第2次トランプ米政権が発足した。
イタリアでは、第2次世界大戦後のネオ・ファシズムの流れをくむ極右政党「イタリアの同胞」率いるジョルジャ・メローニ首相が君臨している。
フランスでは、マリーヌ・ル・ペン氏が率いる極右政党「国民連合(RN)」が躍進している。
ドイツでは、2月23日の総選挙で躍進が見込まれている極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持率を伸ばしている。
イギリスでは、強硬右派ポピュリスト政党「改革英国」の支持率が労働党に1ポイント差に迫っている。
1. イーロン・マスク氏の内政干渉
ソーシャルメディア「X」のオーナーで米富豪、そして第2次トランプ米政権の大統領顧問でもあるイーロン・マスク氏が、欧州各国の右翼政党に接近して、内政干渉的な発言を繰り返している。
マスク氏はショルツ独首相を「無能なばか」と呼び、辞任を求めている。
ショルツ独首相は「冷静でいなければならない。煽り行為にえさを与えてはいけない」と述べた。
マクロン仏大統領は、「10年前に、世界最大級のソーシャルネットワークのオーナーが、新しい国際的な反動運動を支持し、ドイツなどの選挙に直接介入すると言われたなら、誰が信じただろう」と述べた。
ノルウェーのヨーナス=ガール・ストーレ首相は、「ソーシャルネットワークへのアクセスで大きな影響力をもち、ものすごい経済力を持つ人物が、他国の内政にこれほど直接的に関与していることを憂慮している」と述べた。
2.スターマー英首相 対 ファラージ氏+マスク氏
マスク氏は、「6年間、検察トップを務めた時に、英国の国家的レイプに加担したスターマー氏は辞任せよ」と述べ、イギリスで過去に起きた集団的な児童性的搾取事件について、スターマー英首相を攻撃している。
スターマー英首相は「嘘や偽情報をできるだけ広く拡散しようとする人たちは、被害者のことはどうでもよく、自分のことしか考えていない」と反撃した。
また、最近の世論調査では、強硬右派ポピュリスト政党「リフォームUK(改革英国党)」の支持率が与党の労働党に1ポイント差まで肉薄している。
英国経済は、物価上昇と景気後退が同時進行するスタグフレーションの症状を呈しつつあり、政党支持率では労働党26%、改革英国党25%、保守党22%、自由民主党14%、緑の党8%となっている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、今夜24日1時に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で予定されているトランプ米大統領のオンライン演説に警戒せざるを得ない展開となる。
トランプ米大統領は、欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して防衛費を国内総生産(GDP)比5%まで引き上げるべき、そして、EU製品も関税の対象となる、と述べていた。さらに、プーチン露大統領に対しては、ウクライナを巡る協議に応じなければ、制裁強化を警告している。
関税などの貿易政策は「アメリカ第一の貿易政策」と題する大統領覚書に示されている。
2月1日からメキシコとカナダには25%、中国には10%の追加関税が示されたが、欧州や英国には具体的な数字が示されていないことで、注目しておきたい。
本日のダボス会議の演説では、これまでの発言や大統領令などが繰り返されると思われるものの、英国と欧州に対する貿易戦争、パリ合意やWHOからの離脱の延長線としてのNATO離脱の警告、欧州の極右政党との連携の呼び掛けなど、過激な発言には警戒しておきたい。
第2次トランプ米政権の大統領顧問でもあるイーロン・マスク氏は、先週まで、欧州各国の右翼政党に接近して、内政干渉的な発言を繰り返しており、欧州各国の政権与党からの反発を招いている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0476ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:163.81円(1/8高値)
・ポンドドル:1.2384ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:193.95円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0318ドル(日足一目均衡表・転換線=基準線)
・ユーロ円:161.44円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.2238ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:191.19円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=156.70円(前営業日NY終値比△0.17円)
ユーロ円:1ユーロ=163.05円(△0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0405ドル(▲0.0004ドル)
日経平均株価:39958.87円(前営業日比△312.62円)
東証株価指数(TOPIX):2751.74(△14.55)
債券先物3月物:140.93円(▲0.09円)
新発10年物国債利回り:1.205%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月貿易統計(通関ベース)
季節調整前 1309億円の黒字 1103億円の赤字・改
季節調整済 330億円の赤字 3887億円の赤字・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
8193億円の取得超 7587億円の取得超・改
対内株式
661億円の処分超 2591億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。朝方こそ持ち高調整目的の売りが先行したものの、10時過ぎに156.29円の安値をつけた後は次第に下値を切り上げる展開となった。日経平均株価の上昇を背景に投資家のリスク志向改善を意識した買いが進み、昨日高値の156.71円を上抜けて一時156.75円まで値を上げた。
・ユーロ円も下値が堅い。日本株高を支えにした円売りの流れに沿って、朝方につけた162.73円の安値から163.13円まで買い戻しが入った。
・ユーロドルはもみ合い。前日終値の1.0409ドルを挟んだ水準でのもみ合いとなった。11時過ぎには1.0397ドルまで下押す場面があったものの、昨日安値の1.0393ドル手前では下げ止まった。
・日経平均株価は4日続伸。人工知能(AI)向けの巨額投資を発表したソフトバンクなどハイテク株の上昇がこの日も相場をけん引した。節目の4万円手前では利益確定目的の売りに押される場面もあったが、後場に入ると取引時間中としては8日以来の大台超えを達成した。
・債券先物相場は続落。日銀金融政策決定会合の結果公表を明日に控えて持ち高調整目的の売買が交錯し、前日終値を挟んだ水準でのやや方向感を欠いた動きとなった。
ハンガリーの経済シンクタンクGKIの調査によると、1月のビジネス信頼感指数は-13.9に低下し、パンデミック時以来の低水準となった。小売業とサービス業の見通し悪化が主な要因である。この結果は、オルバン首相の内閣が2025年の経済の急回復を期待しているのとは対照的。政府は2025年の経済成長率を3.4%と予測しているが、欧州委員会は1.8%、GKIは2.5%と予測している。GKIのエコノミスト、レイモンド・ペッツ氏は、ビジネス信頼感指数が四半期経済成長の良い予測指標であると指摘し、第1四半期の経済は引き続き弱さを示す可能性が高いと述べた。
消費者センチメントも1月に悪化し、ハンガリー国民は今後12カ月の財政見通しと経済全体の見通しについてより悲観的になっている。政府は賃金と年金の引き上げ、家族向け税還付の増加、中小企業への資本注入、住宅刺激策などによる経済回復を期待しているが、現時点では中小企業は見通しの大幅な改善を見込んでいない。
大和総研では、日銀が1月会合で政策金利を0.50%に引き上げるとの見方が広まっていることを受けて、利上げが家計と企業に与える影響について考察している。政策金利が0.25%から0.50%に引き上げられると、家計全体では純利息収入が0.2兆円程度増加すると試算。ただし、恩恵は高齢世帯に偏り、住宅ローンを多く抱えている30~40代の世帯では、年収対比で見た純利払い負担が他の世代と比較して大きくなるとみている。企業全体では、純利息収入は0.7兆円程度減少すると試算。製造業よりも非製造業、大企業よりも中小企業で、経常利益対比で見た純利払い負担の増加幅が大きくなるとみている。利払い費に加えて人件費の増加という側面からも、中小企業を取り巻く環境は今後一段と厳しくなる可能性があると大和総研では指摘している。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、世界的な債券利回りの上昇が続いていることに警鐘を鳴らしている。欧米などでのインフレによる「下げ渋り」、独・仏・韓国などの政治的混乱、多くの国が直面している政府債務・財政赤字の拡大―などを巡る懸念の高まりが背景にあるとみている。米長期金利の上昇がグローバル株式市場の調整を引き起こすケースは繰り返し確認されていると東海東京では指摘。昨年9月の米利下げ開始以降の米長期金利上昇にもかかわらずグローバル株式市場は株高が一服した程度にとどまっているが、このことは米金利がもう一段高した場合、株価調整につながる可能性が高いことを示唆しているとみられるとコメントしている。
政府は23日、1月の月例経済報告を公表。景気の基調判断を「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」と6カ月連続で据え置いた。個別項目では倒産件数について判断を上方修正した。
大阪3月限
日経225先物 39890 +310 (+0.78%)
TOPIX先物 2751.0 +14.5 (+0.52%)
日経225先物(3月限)は前日比310円高の3万9890円で取引を終了。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9805円)にサヤ寄せする形で買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には3万9900円まで買われたが、ナイトセッションでつけた高値(3万9940円)を捉えられず、前場中盤にかけて3万9680円まで軟化する場面もみられた。ただし、積極的にショートを仕掛ける動きはなく、前場終盤には再び3万9900円まで買われ、ランチタイムでは3万9800円~3万9900円辺りでの推移となった。
現物の後場取引開始後に保ち合いレンジを上抜け、後場中盤には4万円の大台を回復。いったんは達成感からロング解消も意識されたが、底堅さがみられるなかでショートカバーを誘う形となり、終盤に4万0040円まで買われる場面もあった。引けにかけては持ち高調整により上げ幅を縮めたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)を上回って終えた。
日経225先物は買い一巡後に利食いとみられる動きもあったが、前場中盤以降は+1σを上回っての推移をみせた。引けにかけてやや弱含みとなったが、4万円の大台回復で利食いが入りやすいほか、日銀の金融政策決定会合の結果を明日に控えて、持ち高調整の動きもあったと考えられる。
グローベックスの主要な株価指数先物は、小幅ながらマイナス圏で推移している。米国ではハイテク株主導の上昇が強まるなか、前日のナスダックは1カ月ぶりに2万ポイント台を回復した。利食いが入りやすい半面、12月半ばにつけた最高値に接近しており、一段とトレンドが強まる可能性もある。目先的には利食いを意識しつつも、先高期待は強そうだ。
米ハイテク株次第の面はありそうだが、本日も指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が日経平均株価を牽引した。人工知能(AI)の成長期待でハイテク株への物色が継続するとみられ、日経平均型優位の展開が期待される。
また、日経225先物は週足の+1σが3万9740円辺りで推移しているが、週末の終値で同水準を上回ってくるようだと、+2σ(4万0430円)とのレンジに移行する可能性もあり、弱含む局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍に上昇した。一時14.54倍まで上げており、昨年11月6日につけた14.59倍が意識されてきた。また、11月高値を突破してくるようだと、10月15日につけた14.70倍が射程に入ってくる。日経平均株価の4万円回復でNTロングを巻き戻す動きも想定されるが、方向性としてNTロングに振れやすいと考えられる。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5724枚、ソシエテジェネラル証券が1万4103枚、サスケハナ・ホンコンが2856枚、バークレイズ証券が2608枚、JPモルガン証券が2199枚、野村証券が1878枚、日産証券が1481枚、ドイツ証券が1468枚、モルガンMUFG証券が1241枚、ゴールドマン証券が1031枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万4554枚、ソシエテジェネラル証券が1万2682枚、JPモルガン証券が4611枚、バークレイズ証券が4512枚、モルガンMUFG証券が2443枚、ゴールドマン証券が1999枚、ビーオブエー証券が1944枚、日産証券が1237枚、みずほ証券が792枚、野村証券が528枚だった。
トランプ氏が20日に第47代米大統領に就任して以降、市場は米大統領の発言と共に米国の政策に注目が集まっている。そうした中、本日深夜にダボス会議でトランプ米大統領が演説する予定となっている。
演説のテーマが明らかになっていないため、発言内容を予想するのは困難であるものの、市場が気にしているものの一つは、関税を始めとした経済政策だろう。21日にトランプ米大統領が「メキシコとカナダに25%の関税を課すことを検討中。2月1日に施行すると思う」との見解を示すと、米10年債利回りが4.57%台まで上昇すると共にドル円は1円超上昇した。施行予定日まで1週間ほどあるが、関税に関する発言には引き続き注意したい。発言内容について、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ流のディール外交の一環なのかを見極める必要はあるだろう。そのほか経済政策についても発言があれば材料視されるかもしれない。
また、経済イベントでは、新規失業保険申請件数やEIA週間在庫統計が発表される。市場の関心が米大統領の発言に移っている以上、雇用やコモディティへの反応は鈍いかもしれないが結果は確認しておきたい。
他方、明日に日銀金融政策決定会合の結果公表を控えていることもあり、不意の日銀観測報道には注意が必要だろう。
テクニカル面では、157円台は昨年12月下旬から半月以上にわたり何度も往来したレベルであり、15日に付けた直近高値158.08円まで主だった目標値が見当たらない。そのため、節目の157円に乗せると一気に158円台を視野に入れた動きとなる恐れがある点には注意したい。反対に下押す場合は節目の156円が近い、22日実体部の1/2押し水準(156.03円)がサポートになるかがポイントになろう。
想定レンジ上限
・ドル円は、心理的節目の157.00円。超えると15日高値158.08円
想定レンジ下限
・ドル円は、前述の1/2押し水準の156.03円。割り込むと22日安値155.36円
今晩は高値もみ合いか。昨日はAIインフラへの巨額投資計画を受けてオラクルやエヌビディア、マイクロソフトなどが大幅高となったほか、好決算を発表したネットフリックスも急伸したことでハイテク株の上昇が相場をけん引した。S&P500は一時0.85%高まで上昇し、1カ月半ぶりに取引時間中の史上最高値を更新。終値では0.61%高と3日続伸し、最高値に肉薄して終了した。ダウ平均とナスダック総合もそれぞれ0.30%高、1.28%高とともに3日続伸し、最高値更新が射程圏に入った。
今晩は高値もみ合いか。S&P500が前日に取引時間中の史上最高値を更新したことで、利益確定の動きが上値圧迫要因となることが予想されるが、トランプ政権による減税や規制緩和期待が引き続き支援となることが期待されるほか、第4四半期決算発表が総じて良好で、先行きの業績向上期待も相場の追い風となりそうだ。トランプ政権の政策を巡っては、今晩から始まる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でトランプ米大統領のオンライン演説が予定され、発言内容に要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはダボス会議でのトランプ米大統領のオンライン演説のほか、新規失業保険申請件数、1月カンザスシティー連銀製造業活動指数など。決算発表は寄り前にユニオン・パシフィック、GEエアロペース、マコーミック、引け後にインテューイティブ・サージカル、CSX、テキサス・インスツルメンツなどが発表予定。
日経平均株価は4日続伸。買い先行から上値を伸ばす展開となり、一時は4万円を回復する場面があった。一方、年初の高値を前にして伸び悩む時間帯が多く、大引けでは4万円を維持できなかった。
RSI(9日)は前日の44.3%→56.0%(1/23)へ上昇。あすも上昇しやすいタイミングとなる。きょうも高値圏で終える陽線を形成し、12/27高値(40398円)が視野に入ってきた。目先的には5日移動平均線(39197円 1/23)まで下押す動きも想定されるが、12/27高値超えが試される局面だ。
上値メドは、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、心理的節目の41500円や42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、心理的節目の39500円、25日移動平均線(39264円 同)や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38629円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
23日の日経平均は大幅に4日続伸。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり639/値下がり936と、日経平均は大きく上昇したものの値下がり銘柄は多かった。ナスダックの強い上昇や傘下アームの急騰を手がかりに、ソフトバンクGが連日の大幅上昇。フジクラや住友電工など電線株もきのうに続いて買いを集めた。三菱重工が人気化して8%を超える上昇。株主還元強化を発表したハイデイ日高が値を飛ばした。決算発表を前にニデックが3%を超える上昇となった。
一方、米エヌビディアの大幅高を受けても半導体株はさえない動きのものが多く、ディスコが決算発表を前に2%を超える下落。レーザーテックの弱さも目立った。本日から日銀金融政策決定会合が開催されているが、三井住友のほか地銀株の多くが軟調。リスクオン相場の中でディフェンシブ系の業種が嫌われており、東電HDや北海道電力など電力株が軒並み安となった。
日経平均は大幅高。前場ではやや値動きが不安定となったが、後場に入ると強い基調が続き、一時節目の4万円を上回った。動きの良い大型株がけん引しており、下落銘柄は多かったが、薄く広く買われるよりも濃淡がついた方が物色意欲は刺激される。この先は決算を材料に大きく動く銘柄も増えてくると思われる。個別の活況が日本株を下支えする展開が期待できる。
あすは日銀会合の結果が発表される。追加利上げに関しては織り込みが進んでいると思われるが、利上げをするなら植田総裁の会見を見定めたいだけに、「織り込み済み=上昇」とは限らない。ただ、今週の日経平均が木曜まで4日続伸かつ、4営業日で1500円近い上昇と非常に強かっただけに、下に振れても利益確定売りの一環にすぎないと捉えられるだろう。警戒ムードが高まることなく日銀イベントが買い材料となる場合には、昨年12月27日の取引時間中につけた40398円を上回ることができるかに注目したい。
(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.91円(23日15時時点比▲0.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.70円(▲0.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0435ドル(△0.0030ドル)
FTSE100種総合株価指数:8565.20(前営業日比△20.07)
ドイツ株式指数(DAX):21411.53(△157.26)
10年物英国債利回り:4.636%(△0.003%)
10年物独国債利回り:2.550%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月仏企業景況感指数
95 94
1月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値) ▲14.2 ▲14.5
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。トランプ米大統領のダボス会議での演説や23-24日の日銀金融政策決定会合への関心が高まる中、しばらくは緩慢な値動きが続いた。
NYの取引時間帯に入ると、前週分の米新規失業保険申請件数が22.3万件と予想の22.0万件よりも若干弱い内容となったことが分かり、円買い・ドル売りが先行。トランプ米大統領が「すぐに金利を下げるよう要請するつもりだ。そして世界中で金利は下がるべきだ」と述べ、米連邦準備理事会(FRB)に利下げを求める考えを示すと全般ドル売りが活発化し、2時前に一時155.87円と日通し安値を更新した。
なお、市場では「FRBは来週28-29日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で、4会合ぶりに利下げを見送る」との見方が優勢だ。
・ユーロドルは強含み。トランプ米大統領の演説を控える中、新規材料にも乏しく、しばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いた。
トランプ米大統領がダボス会議でのオンライン演説で欧州との貿易関係に言及すると1.0373ドルまで売られる場面もあったが、その後FRBに利下げを求める考えを示すと一転上昇。3時前には一時1.0438ドルと日通し高値を更新した。ただ、前日の高値1.0457ドルを上抜けるほどの勢いはなかった。
・ユーロ円はじり安。ドル円の下落につれた売りが出ると一時162.20円と日通し安値を付けたが、ユーロドルの上昇につれた買いが相場を下支えしたため、下落のスピードは緩やかだった。
・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは底堅い動き。対ドルでは一時10万6850ドル前後まで上昇したほか、対円では1638万円台まで買われる場面があった。トランプ米大統領が「米国はAIと仮想通貨の世界の中心地になるだろう」と述べたことが好感された。
・ロンドン株式相場は反発。続落して始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、セグロやユナイト・グループなど不動産株が値上がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られた。
・フランクフルト株式相場は8日続伸し、史上最高値を更新した。ダボス会議にオンラインで参加するトランプ米大統領の講演内容への関心が高い中、しばらくはもみ合いの展開が続いていたが終盤強含んだ。個別ではシーメンス・エナジー(6.64%高)やザランド(5.24%高)、フレゼニウス・メディカル・ケア(4.84%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。
23日17:11 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「金利は中立水準へと向かい、インフレも安定していくと予想」
24日01:13 トランプ米大統領
「減税措置について、上下両院が可決する見通し」
「石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを要請する」
「金利引き下げを要請する」
「ウクライナ戦争終結に向けてプーチン露大統領と近いうちに会談」
「フェアな米中関係を築く必要がある」
「ロシアと中国の非核化を望む」
「ウクライナは戦争終結に向け合意の用意ある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 12月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比3.0%)
○08:30 ☆ 12月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比2.4%)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表(予想:0.50%に引き上げ)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(1月、基本的見解)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
<海外>
○09:00 ◎ シンガポール金融通貨庁(MAS)、金融政策発表
○09:01 ◇ 1月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲18)
○17:15 ◎ 1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:42.3)
○17:15 ◎ 1月仏サービス部門PMI速報値(予想:49.3)
○17:30 ◎ 1月独製造業PMI速報値(予想:42.7)
○17:30 ◎ 1月独サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:45.3)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.5)
○18:30 ◎ 1月英製造業PMI速報値(予想:47.0)
○18:30 ◎ 1月英サービス部門PMI速報値(予想:50.9)
○19:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○20:00 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○23:45 ◎ 1月米製造業PMI速報値(予想:49.7)
○23:45 ◎ 1月米サービス部門PMI速報値(予想:56.5)
○23:45 ◎ 1月米総?⑰MI速報値(予想:55.6)
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:73.2)
○24:00 ◎ 12月米中古住宅販売件数(予想:前月比1.2%/年率換算420万件)
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、最終日)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(23日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.05円(前営業日比▲0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.54円(▲0.39円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0415ドル(△0.0006ドル)
ダウ工業株30種平均:44565.07ドル(△408.34ドル)
ナスダック総合株価指数:20053.68(△44.34)
10年物米国債利回り:4.64%(△0.03%)
WTI原油先物3月限:1バレル=74.62ドル(▲0.82ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2765.0ドル(▲5.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数
22.3万件 21.7万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。前週分の米新規失業保険申請件数が22.3万件と予想の22.0万件よりも若干弱い内容となったことが分かると、円買い・ドル売りが先行。トランプ米大統領がダボス会議でのオンライン演説で「すぐに金利を下げるよう要請するつもりだ。そして世界中で金利は下がるべきだ」と述べ、米連邦準備理事会(FRB)に利下げを求める考えを示すと全般ドル売りが活発化した。5時前には一時155.75円と日通し安値を更新した。
なお、市場では「FRBは来週28-29日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で、4会合ぶりに利下げを見送る」との見方が優勢となっている。
・ユーロドルは小反発。新規材料に乏しい中、しばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、トランプ米大統領が演説で欧州との貿易関係に言及すると1.0373ドルまで売られた。
ただ、そのあとはFRBに利下げを求める考えを示したことから一転上昇。3時前には一時1.0438ドルと日通し高値を付けた。もっとも、米長期金利が上昇基調を維持したため、前日の高値1.0457ドルを上抜けるほどの勢いはなかった。
・ユーロ円は5日ぶりに反落。ドル円の下落につれた売りが出ると一時162.20円と日通し安値を付けた。ただ、ユーロドルの上昇につれた買いが相場を下支えしたため、下落のスピードは緩やかだった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、昨年12月6日以来の高値となった。トランプ米大統領のダボス会議での発言を好感した買いが優勢となった。なお、多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は史上最高値を更新した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日続伸し、昨年12月17日以来の高値で取引を終えた。しばらくはマイナス圏での推移が続いていたが、終盤上げに転じた。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米国株相場の上昇を受けて相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。トランプ米政権の政策でインフレ圧力が高まるとの見方も根強く、相場の重しとなった面もあった。
・原油先物相場は5日続落。76ドル付近を上値に伸び悩んでいたところで、トランプ米大統領の発言をきっかけに75ドル割れまで急落。ダボス会議のオンライン演説で大統領は「サウジアラビアと石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを要請する」と述べた。一時74.40ドル割れまで下げ幅を広げ、その後の戻りも限られた。
・金先物相場は3日ぶりに反落。高値圏で伸び悩むなか、米長期金利が上昇したことで金利の付かない金の投資妙味が薄れて売りが先行。一時2745ドル手前まで下落した。もっとも、為替でドルが弱含むと割安感が生じたドル建て金に買い戻しが入り、下げ幅を縮小して終えた。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39920 +30 (+0.07%)
TOPIX先物 2757.0 +6.0 (+0.21%)
シカゴ日経平均先物 39920 +30
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
23日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。「米国第一主義」を掲げるトランプ米大統領は、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)にオンラインで出席し、外国製品に関税を課す一方、米国で製造する企業の法人税率を15%に引き下げる考えを示すなどの発言が材料視された。足もとでハイテク株への物色が強まっていたが、景気敏感株やディフェンシブ株の一角に買いが広がった。主要な株価指数は4日続伸となり、S&P500指数は昨年12月6日以来の最高値を更新した。
NYダウ構成銘柄では、キャタピラー<CAT>やボーイング<BA>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ウォルト・ディズニー<DIS>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ゴールドマンサックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>などが買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比30円高の3万9920円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万9860円で始まり、一時3万9710円まで下げ幅を広げる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後に持ち直し、終盤にかけて緩やかなリバウンドをみせる形となり、3万9920円とプラス圏を回復してナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることになろう。日経225先物は前日の日中取引でボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)を突破しており、ナイトセッションでは利益確定に伴うロング解消の動きが入る場面もみられたが、概ね同水準を上回っての推移が目立った。
日経225先物は前日までの4営業日で1400円超上昇しているほか、一時4万円を回復したこともあり、いったんは達成感が意識されやすいところではある。ただし、+1σ水準での底堅さがみられる局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。+1σを上回っての推移が続くようだと、+2σ(4万0320円)とのレンジに移行することで、4万円が通過点になるだろう。
また、週足の+1σ(3万9760円)も上回ってきた。終値で同水準を上回ってくることで+2σ(4万0450円)とのレンジが意識されやすくなると考えられ、ショートは控えておきたい。
本日は日銀の金融政策決定会合の結果判明待ちのなかで午前中は膠着感が強まりやすいだろうが、政策金利を現行の0.25%程度から0.5%程度に引き上げるとの見方がコンセンサスであり、市場は利上げを織り込んでいる状況である。結果判明後はイベント通過に伴うアク抜けからロングの動きが強まる可能性がありそうだ。
23日の米VIX指数は15.02(22日は15.10)に低下した。小動きであるが、一時14.59まで低下する場面もみられた。引き続き昨年12月24日につけた直近安値(14.27)が意識されており、リスク選好に傾きやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.50倍に上昇した。一時14.54倍まで上げており、昨年11月6日につけた14.59倍が意識されてきた。また、11月高値を突破してくるようだと、10月15日の14.70倍が射程に入ってくる。本日のところは日銀会合通過後のリバランスが意識されやすく、NTロングを巻き戻す動きが優勢になると考えられる。
23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、前週分の米新規失業保険申請件数が若干弱い内容となり、トランプ米大統領がダボス会議で「すぐに金利を下げるよう要請するつもりだ」と述べたことで155.75円まで下落した。ユーロドルは、トランプ米大統領が欧州との貿易関係に言及したことで1.0373ドルまで売られた後、利下げ要請発言を受けて1.0438ドルまで上昇。ユーロ円は162.20円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、ほぼ確実視されている日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げを確認した後は、15時30分からの植田日銀総裁のターミナルレート(利上げの最終到達点)への言及などに注目することになる。
日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁や氷見野日銀副総裁による利上げ示唆発言、そして複数の利上げ観測報道などから、追加利上げ(+0.25%⇒0.50%)はほぼ確実視されており、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す追加利上げ確率は95%前後に上昇している。
利上げが見送られる可能性としては、本日通常国会が召集され、25年度予算案が提出されるため、予算案成立の前の利上げは避けられるのではないかとの見方、そして植田日銀総裁が言及していた賃上げ動向の全容が不透明であることなどが挙げられる。
もし、予想外に利上げ見送りとなった場合、ドル円は157-158円台に向けて上昇することが予想されるため、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。
21日には三村財務官が、為替のコミットメントは、第1次トランプ政権時のG7合意「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得る」が続いていると述べており、過度な変動と見なされる可能性には警戒しておきたい。
予想通りに0.25%の利上げが決定されて0.50%に引き上げられた場合、植田日銀総裁の会見に注目することになる。植田日銀総裁は昨年7月31日の会見で、「前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べ、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示していた。
また、トランプ米大統領は、関税などの貿易政策を「アメリカ第一の貿易政策」と題する大統領覚書に示し、関税を徴収する「外国歳入庁」の設立を表明し、関係閣僚に貿易赤字の原因究明、不公正な貿易慣行や為替操作の究明、既存の貿易協定の見直しなどを指示している。
昨日は「金利の即時引き下げを要求する。パウエルFRB議長と適切な時期に話す」と述べており、今後は、貿易赤字増大の要因となるドル高を抑制する発言には引き続き警戒しておきたい。
シンガポール金融通貨庁(MAS)は24日、政策バンドの傾斜を小幅に引き下げたと発表した。なお、通貨政策バンドの中央値と変動幅は据え置いた。
昨日の海外市場では、アジア時間にトランプ米大統領のFOXニュースでのインタビューが肩透かしに終わったこともあってか、市場の注目がよりダボス会議でのビデオ演説に集まっていたわけで、「すぐに金利を下げるように要請するつもりだ」との発言を受けてドル売りで反応。ドル円は一時155.75円まで値を下げました。ただ、前日のNY時間の安値155.72円手前で下げ止まるといった中途半端な反応に終わると、引けにかけては156.07円まで買戻されてNY市場を終えています。
米10年債利回りは欧州時間こそ4.5927%まで低下する場面もみられましたが、米新規失業保険申請件数が予想よりも弱い数字となったにもかかわらず、そして、トランプ米大統領の演説にもかかわらず、4.6619%まで上昇したわけで、為替市場での中途半端な反応だけが目立ったといったところ。アジア時間に入ってからは日経平均が40000円台を再び回復していることもあり156.38円まで買戻されています。
いずれにしても、本日の最大のリスクは、UEDAリスクでしかなく、既に日銀金融政策決定会合の利上げは材料ではないなか、コミュニケーション障害を起こしている総裁と市場との断絶が引き起こすボラティリティは覚悟する必要があって、ただ、トランプ米大統領に昨日、「世界中で金利は下がるべきだ」と言われてしまった以上、かなりハト派的な内容となっても不思議ではなく、予見不可能な総裁会見を前にして、リスクの方向性としては明らかです。
日経225先物は11時30分時点、前日比350円高の4万0240円(+0.87%)前後で推移。寄り付きは3万9870円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9920円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。寄り付き直後につけた3万9860円を安値にロング優勢の相場展開となり、中盤にかけて4万0190円まで買われた。買い一巡後に3万9980円と4万円を割り込む場面もみられたが、終盤にかけて再びロングが強まる形から、一時4万0260円まで上げ幅を広げた。
日銀の金融政策決定会合の結果待ちのなかであったが、政策金利を現行の0.25%程度から0.5%程度に引き上げるとの見方は織り込まれており、早い段階で結果判明後のアク抜けを想定した動きが強まったようだ。4万円に乗せた後も達成感につながらなかったことで、ショートカバーの動きが強まったと考えられる。これによりボリンジャーバンドの+2σ(4万0370円)に接近してきた。+2σを捉えてくるようだと、過熱感が警戒されやすいだろうが、バンドが拡大傾向をみせてきているなか、ショートは避けておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍と横ばいで推移している。14.47倍と低下して始まったが、その後の切り返しで一時14.55倍まで上げてきた。連日で日経平均型を牽引していたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は上昇一服ながらも底堅い値動きをみせているほか、本日はファーストリテイリング<9983.T>[東証P]が牽引している。
「『関税』は、最も美しい言葉」(Tariff Is ‘the Most Beautiful Word’)
(トランプ米大統領:関税マン)
1. 「アメリカ第一の貿易政策」(America First Trade Policy)
トランプ米大統領は、米国の産業の優位性や安全保障を強化し、労働者や経営者の利益を確保するための貿易政策を「アメリカ第一の貿易政策」と題する大統領覚書に示した。
「不公正かつ不均衡な貿易への対処」「中国との経済と通商関係」「経済安全保障に関する追加事項」の3つの観点から、関係省庁に貿易赤字の原因究明を指示した。
■トランプ関税
・メキシコとカナダ:25%の追加関税(米国・メキシコ・カナダ協定)
・中国:10%の追加関税
・欧州連合(EU)
2.為替報告書
■「2015年貿易円滑化・貿易執行法」(Trade Facilitation and Trade Enforcement Act of 2015)
2015年に、外国政府の為替政策に対する監視体制を強化するために成立した通商法である。米国財務省は、2016年から、「2015年貿易円滑化・貿易執行法」に依って、為替操作国認定のための数値基準を設定し、為替操作国に対する報復措置としての行動計画の策定等を義務付けた。
為替操作国の認定を行うに当たり、3つの基準を満たした場合は、「為替操作国」と認定し、2つに抵触した場合、「監視対象国リスト」に認定している。
【為替操作国・監視対象国の判断基準】
1)財の対米貿易黒字:150億ドル以上
2)経常黒字額:対国内総生産(GDP)比3%以上
3)過去12カ月の外貨購入(介入):対GDP比2%以上
■「1988年包括通商競争力法」(The Omnibus Trade and Competitiveness Act of 1988)
1988年8月、貿易赤字の削減を目ざして成立した米国の通商法であり、国内産業の保護、外国の不公正な貿易政策への対応など、米国産業の競争力を回復させるための措置を包括的に盛り込んでいる。巨額の1)経常黒字と、2)対米貿易黒字を計上している貿易相手国が、3)対外収支の実効的は調整を回避もしくは不公平な輸出競争力を得るという政策意図に基づいて為替操作しているか否かを問う法律。
2015年法との違いは、1)経常黒字と2)対米貿易黒字の定量基準がないものの、3)為替操作の意図を重視した点にある。
日銀は24日発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2024年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しを+2.7%(10月は+2.5%)、25年度を+2.4%(10月は+1.9%)、26年度を+2.0%(10月は+1.9%)とした。
また、2024年度の実質国内総生産(GDP)見通しを+0.5%(10月は+0.6%)、25年度を+1.1%(10月は+1.1%)、26年度を+1.0%(10月は+1.0%)とした。
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(賛成8反対1)。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.5%程度で推移するよう促す。
2.上記の金融市場調節方針の変更に伴い、以下のとおり、各種制度の適用利率の変更を決定した(賛成8反対1)。
(1)補完当座預金制度の適用利率
補完当座預金制度の適用利率(日本銀行当座預金<所要準備額相当部分を除く>への付利金利)については、0.5%とする。
(2)基準貸付利率
補完貸付制度については、その適用金利である基準貸付利率を0.75%とする。
3.貸出増加支援資金供給について、予定通り2025年6月末をもって新規の貸付けを終了する。なお、本資金供給を円滑に終了する観点から、経過措置として、7月以降、2025年中は、満期到来額の半分を上限として、貸付期間1年の借り換えを認めることとした(全員一致)。
4.わが国の経済・物価は、これまで「展望レポート」で示してきた見通しに概ね沿って推移しており、先行き、見通しが実現していく確度は高まってきている。すなわち、わが国経済は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。賃金面では、企業収益が改善傾向を続け、人手不足感が高まるもと、本年の春季労使交渉において、昨年に続きしっかりとした賃上げを実施するといった声が多く聞かれている。物価面をみると、賃金の上昇が続くもとで、人件費や物流費等の上昇を販売価格に反映する動きが広がってきており、基調的な物価上昇率は、2%の「物価安定の目標」に向けて徐々に高まってきている。こうしたもと、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、このところの為替円安等に伴う輸入物価の上振れもあって、2024年度が2%台後半となったあと、2025年度も2%台半ばとなる見通しである。この間、海外経済は緩やかな成長経路をたどっており、様々な不確実性は意識されているものの、国際金融資本市場は全体として落ち着いている。
こうした状況を踏まえ、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断した。政策金利の変更後も、実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持されるため、引き続き経済活動をしっかりとサポートしていくと考えている。
5.今後の金融政策運営については、先行きの経済・物価・金融情勢次第であるが、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、今回の「展望レポート」で示した経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。
(日銀HPより抜粋)
【基本的見解】
●先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。
●物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、2024年度に2%台後半、2025年度に2%台半ばとなったあと、2026年度は概ね2%程度となると予想される。既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁家の影響が減衰する一方、消費者物価の基調的な上昇率は、人手不足感が高まるもと、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。なお、2025年度にかけては、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対して、米価格が高水準で推移すると見込まれることや政府による施策の反動が生じることが押し上げ方向で作用すると考えられる。
●前回の見通しと比べると、成長率については概ね不変である。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については、2024年度と2025年度が、米価格の上昇に加え、このところの為替円安等に伴う輸入物価の上振れもあって、上振れている。
●リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。
●リスクバランスをみると、経済の見通しについては概ね上下にバランスしている。物価の見通しについては、2024年度と2025年度は上振れリスクの方が大きい。
(日銀HPより抜粋)
本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、1月の独仏英ユーロ圏の製造業・サービス業PMI速報値を見極めつつ、ラガルドECB総裁やチポローネECB専務理事の講演に注目することになる。
ドル円に関しては、15時30分からの植田日銀総裁の会見に注目することになるが、リスクシナリオは、ハト派的な見解の場合のドル高・円安、そして、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性などとなる。
神田前財務官によるドル売り・円買い介入第一弾は、2022年9月22日に、黒田前日銀総裁によるハト派発言を受けたドル高・円安の局面だった。
1月の独仏英ユーロ圏の製造業・サービス業PMI速報値では、今年の英国や欧州は、米国との貿易戦争による物価上昇圧力、景況感悪化が警戒されているため、予想を上回る良好な数字に対する反応は限定的だと思われ、リスクシナリオは予想を下回るネガティブサプライズの場合となる。
ラガルドECB総裁やチポローネECB専務理事は、来週の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げを示唆してきていることで、ハト派的な見解が予想される中、ターミナルレート(利下げの最終到達点)への言及にも注目しておきたい。
トランプ米大統領が、米連邦準備理事会(FRB)に対して金利引き下げを要求する、と述べ、同様に、世界中で金利が引き下げられるべきだ、と述べたことに対する見解にも注目しておきたい。
また、スワップ金利が織り込んでいる今年のECBの金利見通しは、0.25%の利下げ4回となっていることへの見解にも注目しておきたい。
本日は、トランプ米大統領が、中国への関税を避けたい、と述べており、欧州や英国への関税に関するヘッドラインにも注目しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0469ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:163.81円(1/8高値)
・ポンドドル:1.2494ドル(1/8高値)
・ポンド円:193.95円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0348ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:161.48円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2258ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:191.19円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=155.35円(前営業日NY終値比▲0.70円)
ユーロ円:1ユーロ=162.36円(▲0.18円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0451ドル(△0.0036ドル)
日経平均株価:39931.98円(前営業日比▲26.89円)
東証株価指数(TOPIX):2751.04(▲0.70)
債券先物3月物:140.67円(▲0.26円)
新発10年物国債利回り:1.225%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 3.0% 2.7%
12月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
前年同月比 2.4% 2.4%
日銀金融政策決定会合(日銀金融市場調節目標)
0.50%に引き上げ 0.25%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。朝方から底堅い動きとなり、日銀が市場予想通りに0.50%への利上げを決めた直後には156.41円まで上昇する場面も見られた。ただ、同時に公表された日銀展望レポートで物価見通しが引き上げられ、日銀が今後も利上げを続ける姿勢を示したとの見方が広がると一転して売りに押される展開となり、一時155.01円まで反落した。
・ユーロ円も上値が重い。ドル円と同様に日銀に金融政策発表後は荒い値動きとなった。発表直後に163.26円まで上昇したものの、その後は全般に円買いが強まった流れに沿って161.92円まで失速した。
・ユーロドルは強含み。トランプ米大統領が「中国に対して関税を使わざるを得ない状況は避けたい」と発言したことを受けてドル売りが強まるなか、一時1.0458ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は5営業日ぶりに小幅反落。日銀の金融政策公表後は節目の4万円を挟んだ水準で神経質に上下したが、次第に前日終値付近で相場も落ち着いた。引け後の植田日銀総裁の会見を見極めたいとの思惑が広がり、積極的な売買は手控えられた格好だ。
・債券先物相場は3日続落。しばらくは前日終値付近での方向感を欠いた動きとなっていたが、日銀の金融政策公表後は下押し圧力が高まった。日銀の追加利上げ姿勢が確認されたことが重しとなり、一時140円59銭まで下押しした。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、中国の2024年10-12月期GDPを受けてリポートしている。10-12月期の実質GDP成長率は前年比+5.4%。7-9月期の同4.6%から0.8pt伸び率が拡大した。ただ、この期間の押し上げに寄与した不動産・卸小売・機械製造業などの業種は政策効果が大きく、0.8pt中0.5pt程度は政策効果と三菱UFJMSでは試算している。今回の結果を踏まえて2025年の実質GDP成長率予想を+4.0%から+4.4%に修正しているが、10-12月がやや出来すぎの印象で目先は反動もありそうとコメントしている。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
トルコ中銀は2会合連続の利下げ、「引き締め度合い」が政策のカギに
当面は実質金利をみながら調整幅を決定の模様、リラ相場はじり安局面が続く可能性に要注意
トルコ中銀は23日の定例会合で2会合連続の利下げに動き、政策金利を45%とする決定を行った。同行は先月の定例会合で現行の経済チームの下で初の利下げに動いたが、緩和姿勢を強めている。経済チームの下で財政、金融政策の両面で引き締め姿勢を強めた結果、インフレは鈍化して実質金利はプラスに転じ、景気も頭打ちしている。よって、中銀は物価安定を図る一方で景気に配慮すべく緩和姿勢を強めていると捉えられる。ただし、先行きの政策運営に当たって中銀はインフレ鈍化を促すべく引き締め度合いを調整する考えを示しており、当面は実質金利のプラス幅をみつつ利下げ幅を決定すると見込まれる。他方、米トランプ政権の政策運営に加え、隣国シリア情勢を理由にリラ相場はじり安の動きが続くなか、円に対してはドル/円相場の動きが重石になる展開をみせており、当面は上値が抑えられる可能性に要注意と言える。
第一生命経済研究所では、28日~29日に開催される1月FOMCでFRBは政策金利を据え置くと予想している。声明文における景気・物価認識は概ね前回内容を踏襲する可能性が高いとみており、経済は雇用を含めて堅調で、インフレ率は減速しつつも高止まりしているとの判断を示すと見込んでいる。先行きの利下げペースを巡っては、パウエル議長は引き続きデータに基づき判断する姿勢を示す可能性が高いとコメント。トランプ新政権による関税・移民政策が金融政策に与える影響に関して、具体的な言及があるかどうかを注目点に挙げている。
大阪3月限
日経225先物 39940 +50 (+0.12%)
TOPIX先物 2750.0 -1.0 (-0.03%)
日経225先物(3月限)は前日比50円高の3万9940円で取引を終了。寄り付きは3万9870円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9920円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。前場中盤にかけて4万0190円まで買われ、買い一巡後に3万9980円と4万円を割り込む場面もみられたが、前場終盤にかけて再びロングが強まる形から上へのバイアスが強まり、日銀の金融政策決定会合の結果が判明したランチタイムで一時4万0410円まで上げ幅を広げた。
買い一巡後はロングを解消する流れから軟化し、後場中盤には3万9800円と下落に転じる場面もみられた。ただし、終盤にかけては3万9850円から4万0040円辺りでの保ち合いを継続し、プラス圏で終えた。
前場は日銀の金融政策決定会合の結果待ちのなかであったが、政策金利を現行の0.25%程度から0.5%程度に引き上げるとのコンセンサスのなか、先回り的にアク抜けを想定した動きが強まったようだ。金融政策決定会合では市場の予想通り、政策金利の誘導目標を0.5%に引き上げた。前場終盤には4万0250円辺りまで上昇していたが、結果判明を受けてロングが集中し、ランチタイム終盤に4万0410円をつける形だった。
短期的にロングが集中したほか、この上昇場面でボリンジャーバンドの+2σ(4万0320円)を上回ったことで、短期的な過熱感が意識された。これまでも+2σ突破後はいったん調整が入っていたこともあり、結果的には後場はロング解消が優勢となったようだ。また、取引終了後には日銀・植田和男総裁の会見を控えており、タカ派的な発言への警戒もあって、持ち高調整に向かわせたようである。
もっとも調整基調とはなったものの、4万円近辺での底堅さがみられていた。トランプ米大統領は先週の中国の習近平国家主席との電話会談は友好的で、貿易合意は可能との見解を示したと報じられたことも売り込みにくくした。+1σ(3万9810円)で下げ渋る動きをみせており、+1σと+2σとのレンジ推移となった。
いったんは過熱を冷ます形での調整はありそうだが、バンドは上向きで推移していることもあり、ショートは避けておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.52倍に上昇した。14.47倍で始まり、14.45倍まで低下する場面もあったが、その後の切り返しで一時14.54倍まで上げた。連日で日経平均型を牽引していたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は上昇一服とはなったが、方向性としては昨年10月14日の14.70倍を意識したNTロングに向かわせよう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万3027枚、ソシエテジェネラル証券が1万7338枚、日産証券が3725枚、サスケハナ・ホンコンが3620枚、ゴールドマン証券が3519枚、JPモルガン証券が3211枚、バークレイズ証券が2895枚、モルガンMUFG証券が2363枚、野村証券が2088枚、楽天証券が1482枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1916枚、ソシエテジェネラル証券が1万7853枚、バークレイズ証券が5198枚、JPモルガン証券が4544枚、モルガンMUFG証券が3896枚、日産証券が3841枚、ゴールドマン証券が2130枚、野村証券が1928枚、シティグループ証券が1221枚、みずほ証券が1161枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、日銀会合を受けた神経質な動きが一服する中、トランプ米大統領の発言に注意しつつ、週末を念頭に米指標を確認する展開となるか。
経済イベントでは、1月の製造業やサービス業の購買担当者景気指数(PMI)・速報値が発表予定。市場予想は製造業が49.7と前月より小幅上昇が見込まれており、好不況の分岐点とされる50を上回れるかがポイント。なお、サービス業は56.5と前月より小幅低下が見込まれている。また、同指標の発表直後に1月ミシガン大学消費者態度指数・確報値や12月中古住宅販売件数も予定されているが、前者は確報値、後者は市場の関心が住宅市場には集まっていない点を考慮すると、市場予想から大きく乖離しない限り材料視されにくいかもしれない。
本日はトランプ米大統領の発言機会は予定されてはいないものの、今週20日の大統領就任でトランプ劇場の第2幕が開いた直後ということもあり、ひとたび発言が伝われば神経質に反応する余地がある点には引き続き注意したい。
なお、本日は週末ということで、ロンドンフィキシング(日本時間25時)終了後は動意が徐々に鈍くなることも想定される。
テクニカル面では、日銀会合後の下押しが154.85円までと、21日安値154.78円を前に下げ渋っており、再び下げた場合は同水準がサポートになるかがポイント。割れると昨年12月19日安値154.44円に向けた一段安もあり得る。上サイドは下落直後で目標値が少ない中、まずは節目の156円に注目。明確に超えると日足・一目均衡表の基準線156.83円が見えてくるか。
想定レンジ上限
・ドル円は、心理的節目の156.00円。超えると日足・一目均衡表の基準線156.83円
想定レンジ下限
・ドル円は21日安値154.78円。割り込むと昨年12月19日安値154.44円
今晩は上値の重い展開か。昨日はトランプ米大統領がダボス会議にオンライン参加し、米国の政策金利が直ちに引き下げられるべきだ、サウジアラビアに原油価格の引き下げを要求するなどと発言したことが株式相場の追い風となった。S&P500は0.53%高と4日続伸。前日に続いて取引時間中の史上最高値を更新し、終値でも12月6日以来の最高値更新となった。ダウ平均も408.34ドル高(+0.92%)と4日続伸し、最高値まで1.0%に接近。ハイテク株主体のナスダック総合は0.22%高と4日続伸し、最高値まで0.60安で終了した。週初来ではダウ平均が2.48%高。S&P500が2.04%高、ナスダック総合が2.16%高とそろって2週続伸ペースとなった。
今晩は減税や規制緩和などのトランプ政権の政策期待が引き続き相場の支援となることが期待されるものの、週末の取引となることや、S&P500が最高値を更新し、ダウ平均とナスダック総合も最高値接近で上値の重い展開か。足もとで米10年債利回りも再び上昇傾向にあり、経済指標などを受けた米10年債利回りの動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは1月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、12月中古住宅販売件数、1月ミシガン大消費者信頼感指数確報値など。決算発表は寄り前にネクステラ・エナジー、アメリカン・エキスプレス、ベライゾンなどが発表予定。
賢い人に質問です
日本株先物が妙に強いのですが、何か出ましたか? ダウナスSPが垂れてきても踏ん張っています
日経平均株価は小反落。4万円超えのスタートから上値を伸ばす展開となったが、後場は年初の高値を前にして上げ幅を縮小した。下値は限定的だったものの、3日ぶりの陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の56.0%→64.6%(1/24)へ上昇。来週初も上昇しやすいタイミングとなり、前日からの見方に大きな変化はない。目先的には5日移動平均線(39493円 1/24)まで下押す動きも想定されるが、12/27高値(40398円)超えが焦点となる。
上値メドは、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、心理的節目の41500円や42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、心理的節目の39500円、25日移動平均線(39282円 同)や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38648円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.74円(24日15時時点比△0.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.70円(△1.34円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0510ドル(△0.0059ドル)
FTSE100種総合株価指数:8502.35(前営業日比▲62.85)
ドイツ株式指数(DAX):21394.93(▲16.60)
10年物英国債利回り:4.629%(▲0.007%)
10年物独国債利回り:2.569%(△0.019%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
45.3 41.9
1月仏サービス部門PMI速報値
48.9 49.3
1月独製造業PMI速報値
44.1 42.5
1月独サービス部門PMI速報値
52.5 51.2
1月ユーロ圏製造業PMI速報値
46.1 45.1
1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
51.4 51.6
1月英製造業PMI速報値
48.2 47.0
1月英サービス部門PMI速報値
51.2 51.1
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。日銀の利上げ決定を受けてアジア市場では154.85円まで下落したものの、欧州市場では一転円売りが優勢となった。植田和男日銀総裁が金融政策決定会合後の記者会見で「利上げのペースやタイミングは予断を持っていない」とし、「今回の利上げの影響がどのように出てくるかを確かめつつ、今後の進め方を決めたい」と述べたことを受けた。22時過ぎには一時156.57円と日通し高値を更新した。
ただ、前日の高値156.75円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。一時は4.65%台まで上昇した米10年債利回りが4.60%台まで低下したことも相場の重しとなり、155.52円付近まで下押しした。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローが観測された」との声も聞かれた。
・ユーロドルは強含み。仏・独・ユーロ圏の1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことを材料にユーロ買い・ドル売りが進行。日本時間夕刻に一時1.0515ドルまで値を上げた。NY市場序盤には1.0464ドル付近まで下押ししたものの、そのあとは再び強含む展開に。米長期金利が低下に転じたことなどが相場を支援材料となり、2時30分前には1.0521ドルと昨年12月17日以来の高値を更新した。
・ユーロ円はしっかり。アジア市場では日銀の利上げ決定を受けて161.92円まで売られたものの、欧米市場に入ると底堅く推移した。ドル円の上昇につれた買いが入ったあとはユーロドルの上昇につれた買いが入った。24時前には一時164.08円と7日以来の高値を付けた。
・ポンドは堅調だった。ポンドドルは一時1.2502ドル、ポンド円は194.60円まで値を上げたほか、ユーロポンドは0.8411ポンドまで下落した。1月英製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことを受けた。
・ロンドン株式相場は反落。続伸して始まったものの、買い一巡後は売りが優勢となり、下げに転じた。指数は史上最高値圏にあるため、利益確定目的の売りや週末を控えたポジション調整目的の売りが出やすかった。BPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は9日ぶりに小反落。前日までに8日続伸し、史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。ただ、押し目を拾いたい向きは多く、下値は限定的だった。個別ではMTUエアロ・エンジンズ(6.52%安)やボノビア(2.22%安)、ドイツテレコム(2.17%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
(24日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.00円(前営業日比▲0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.68円(△1.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0497ドル(△0.0082ドル)
ダウ工業株30種平均:44424.25ドル(▲140.82ドル)
ナスダック総合株価指数:19954.30(▲99.38)
10年物米国債利回り:4.62%(▲0.02%)
WTI原油先物3月限:1バレル=74.66ドル(△0.04ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2778.9ドル(△13.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月米製造業PMI速報値
50.1 49.4
1月米サービス部門PMI速報値
52.8 56.8
1月米総?⑰MI速報値
52.4 55.4
1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
71.1 73.2
12月米中古住宅販売件数
(前月比) 2.2% 4.8%
(年率換算件数)424万件 415万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら続落。日銀の利上げ決定を受けてアジア時間に一時154.85円まで売られた影響が残った。
ただ、欧米市場に入ると一転買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。植田和男日銀総裁は金融政策決定会合後の会見で「利上げのペースやタイミングは予断を持っていない」「今回の利上げの影響がどのように出てくるかを確かめつつ、今後の進め方を決めたい」などと発言。市場では「日銀がしばらくは様子見に移る」との見方が広がり、円売りを促した。22時過ぎには一時156.57円と日通し高値を更新した。
もっとも、前日の高値156.75円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。一時は4.65%台まで上昇した米10年債利回りが4.60%台まで低下したことも相場の重しとなり、2時30分前には155.52円付近まで下押しした。市場関係者からは「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローが観測された」との声も聞かれた。
・ユーロドルは続伸。欧州時間に発表された仏・独・ユーロ圏の1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことを手掛かりに、NY市場でもユーロ買い・ドル売りが入った。米長期金利が低下に転じたことなども相場を支援材料となり、2時30分前には1.0521ドルと昨年12月17日以来の高値を更新した。
なお、NY時間発表の1月米製造業PMI速報値や12月米中古住宅販売件数は予想を上回った一方、1月米サービス部門PMI速報値や1月米ミシガン大学消費者態度指数確報値は予想を下回るなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロ円は反発。アジア市場では日銀の利上げ決定を受けて161.92円まで売られたものの、欧米市場に入ると底堅く推移した。ドル円の上昇につれた買いが入ったあとはユーロドルの上昇につれた買いが入り、24時前には一時164.08円と7日以来の高値を付けた。その後の下押しも163.50円付近にとどまった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反落。来週28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に持ち高調整目的の売りが優勢となった。「マイクロソフトやテスラ、アップルなど、米主要企業の決算発表を前にポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も5日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。来週28-29日のFOMCを前に持ち高調整目的の買いが優勢となった。
・原油先物相場は小幅ながら6日ぶりに反発した。為替のドル安・欧州通貨高を受け、割安感が生じたドル建て原油先物は買い戻しが先行。もっとも、トランプ米大統領が石油輸出国機構(OPEC)に改めて価格引き下げを求めた発言が伝わると、再び売り圧力が強まった。ただ74ドル手前では下げ渋り、週引けにかけてはやや持ち直した。
・金先物相場は反発。ドル売り圧力が対欧州通貨を中心に強まると、ドル建て金は割安感から買いが入りやすかった。米経済指標はまちまちな内容だったものの、弱い結果が着目された場面では2794ドル台まで上げ足を速めた。しかしながら、節目2800ドルを攻めるほど上昇力は強まらず、週末を控えた持ち高調整の売りも出て上げ幅を縮小して終えた。
24日05:38 トランプ米大統領
「AIに関する行政措置に署名する」
「パウエルFRB議長と適切な時期に話す」
24日11:17
「中国の習主席との会話は順調だった」
「中国に対して関税を使わざるを得ない状況は避けたい」
「ウクライナ戦争が終わらなければ、ロシアに大規模な関税や制裁を課す」
「北朝鮮の金総書記に接触するつもり」
24日12:26 日本銀行声明
「物価目標実現の観点から緩和度合いの調整適切と判断」
「見通し実現通りなら引き続き金利引き上げ」
「先行き、見通しが実現していく確度高まってきている」
24日15:41 植田日銀総裁
「今年の春闘、しっかりとした賃上げの実施が見込まれる」
「輸入物価、前年比でみれば引き続き抑制されている」
「トランプ米大統領が就任したが金融資本市場は落ち着いている」
「利上げ後も実質金利は大幅マイナス、緩和環境は維持される」
「今回の利上げ、市場金利上昇を通して経済に影響を及ぼす」
「今後の利上げ、経済・物価・金融情勢次第で予断は持っていない」
「基礎的物価上昇率、見通しに沿って緩やかに上昇という範囲に留まっている」
「深刻なビハインドザカーブにあるとは見ていない」
「今回の利上げの影響については詳しく検討したい」
「物価見通しの上方修正は今年半ばまで、その後は落ち着く」
「トランプ関税や各国の報復措置の影響、現時点では不確実性が高い」
「極めて緩和度合いが強い状況を長く続けると、インフレ率が急上昇する」
「基調的な物価、データで分かる部分もあるがわからない部分もある」
「中立金利、まだ相応の距離がある」
「(今後の利上げについて)段階的に動いてゆくのが適切な対応」
「0.5%の政策金利、中立金利の幅から距離がある」
「米政権発足で市場の混乱なし、ここで動かない理由はないと判断」
「基調的な物価、26年度のどこかで物価目標と整合的な水準に収束してゆく」
「24・25年度の物価見通しの上方修正、第2ではなくある種の第1の力」
「コアコアの上方修正、オントラックから上方にずれている」
「コストプッシュの物価上昇、期待インフレ率を上げてしまう可能性」
「推計の中立金利は1-2.5%に分布、0.5%からは距離がある」
「ETFの扱いはもう少し時間をいただきたい、なかなか難しい問題」
「1月の氷見野副総裁講演はデータに応じて政策変更を議論する基本線をリマインドした」
「人口減少の中立金利への影響、リアルタイムではわからない」
「物価は今年後半にかけて低下、それに応じて実質賃金はプラスになってゆく」
「デフレに戻る確率はゼロではないが非常に低い」
「展望リポートで潜在成長率を引き下げた理由は人手不足」
「潜在成長率、修正幅小さく中立金利への影響はごくわずか」
「追加利上げに当たっては成長率より基礎的な物価が26年度後半にかけてどうなってゆくかを見て判断」
※時間は日本時間
27日
○14:00 ◇ 11月景気動向指数改定値
28日
○08:50 ◇ 12月企業向けサービス価格指数
29日
○08:50 ☆ 12月18-19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
○14:00 ◇ 1月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
30日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○15:10頃 ◎ 氷見野良三日銀副総裁、講演
31日
○08:30 ◎ 12月完全失業率
○08:30 ◎ 12月有効求人倍率
○08:30 ◎ 1月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
○08:50 ◎ 12月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 12月商業販売統計速報(小売業販売額)
○14:00 ◇ 12月新設住宅着工戸数
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
27日
○10:30 ◎ 1月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○18:00 ◎ 1月独Ifo企業景況感指数
○21:00 ◇ 12月メキシコ貿易収支
○24:00 ☆ 12月米新築住宅販売件数
○28日01:30 ◎ 米財務省、2年債入札
○28日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○オーストラリア(オーストラリア・デー)、休場
28日
○09:30 ◇ 12月豪NAB企業景況感指数
○16:45 ◇ 1月仏消費者信頼感指数
○18:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米耐久財受注額
○23:00 ◇ 11月米住宅価格指数
○23:00 ◎ 11月米ケース・シラー住宅価格指数
○24:00 ◎ 1月米消費者信頼感指数
○24:00 ◎ 1月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○29日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○韓国、中国(旧正月)、休場
29日
○09:30 ◎ 10-12月期豪消費者物価(CPI)
○09:30 ◎ 12月豪CPI
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 12月米卸売在庫
○23:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表
○30日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○30日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
○30日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○30日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表
○香港、シンガポール、韓国、中国(旧正月)、休場
○06:45 ◎ 12月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○09:00 ◇ 1月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 10-12月期豪輸入物価指数
○15:30 ◎ 10-12月期仏国内総生産(GDP)速報値
○15:30 ◇ 12月仏消費支出
○16:00 ◇ 12月独輸入物価指数
○17:00 ◇ 1月スイスKOF景気先行指数
○18:00 ☆ 10-12月期独GDP速報値
○18:30 ◇ 12月英消費者信用残高
○18:30 ◇ 12月英マネーサプライM4
○18:30 ◇ 12月南アフリカ卸売物価指数(PPI)
○19:00 ☆ 10-12月期ユーロ圏GDP速報値
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏経済信頼感指数
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○21:00 ◎ 10-12月期メキシコGDP速報値
○22:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表
○22:30 ☆ 10-12月期米GDP速報値
◎ 米個人消費/コアPCE速報値
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○未定 ☆ 南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表
○24:00 ◎ 12月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
○香港、シンガポール、韓国、中国(旧正月)、休場
31日
○09:30 ◎ 10-12月期豪PPI
○10:45 ◎ 1月Caixin中国製造業PMI
○16:00 ◎ 12月独小売売上高
○16:00 ◇ 1月英ネーションワイド住宅価格指数
○16:00 ◇ 12月トルコ貿易収支
○16:30 ◇ 12月スイス小売売上高
○16:45 ◇ 1月仏CPI速報値
○16:45 ◇ 12月仏PPI
○17:55 ◎ 1月独雇用統計
○21:00 ◎ 12月南アフリカ貿易収支
○22:00 ◎ 1月独CPI速報値
○22:30 ☆ 11月カナダGDP
○22:30 ◇ 10-12月期米単位労働コスト・速報値
○22:30 ◎ 12月米個人消費支出(PCE)
◎ 12月米個人所得
☆ 12月米PCEデフレーター
☆ 12月米PCEコアデフレーター
○23:45 ◎ 1月米シカゴ購買部協会景気指数
○香港、中国(旧正月)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、CPIに注目
◆ZAR、利下げ予想もSARB総裁の見解に注目
◆ZAR、利下げサイクルが減速するとの指摘も
予想レンジ
豪ドル円 95.00-100.00円
南ア・ランド円 8.20-8.70円
1月27日週の展望
豪ドルは神経質な動きとなりそうだ。来週の注目は29日に予定されている10-12月期消費者物価指数(CPI)および12月CPI。2月17-18日に年内最初の金融政策決定理事会を控える豪準備銀行(RBA)にとってインフレ動向を確認する最後の機会となり、市場の注目もその分集まっている。
2月のRBA理事会については豪州主要金融機関内でも一部で0.25%の利下げを予想する向きも現れており、明確な予想のコンセンサスは出来上がっていない状況。CPIの結果次第ではRBAの金融政策に対する思惑が、利下げもしくは据え置きへと一気に傾く可能性もあり、豪ドル相場に大きな影響を与えることになりそうだ。
なお、その他では28日に12月NAB企業景況感指数、30日に10-12月期輸入物価指数、31日には10-12月期卸売物価指数(PPI)などの発表も控えている。物価統計の発表が相次ぐが、いずれもCPIと比較すると豪ドル相場への影響は限られそうだ。
隣国のニュージーランド(NZ)では今週発表された10-12月期消費者物価指数(CPI)が前年比2.2%の上昇となり、2四半期連続でNZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)のインフレ目標である1-3%の範囲内に収まった。金利先物市場ではRBNZの次回(2月19日)金融政策決定会合で0.50%の大幅利下げを90%程度織り込んでおり、年内に1.00%を超える利下げが実施されると見込まれている。足もとの為替相場はトランプ米大統領の発言や米国の関税政策をにらみながらの動きとなっているが、再び各国の金融政策に市場の目線が向かえばNZの金利先安観はNZドルにとって重しとなるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)も金融政策を巡って神経質に上下する展開となりそうだ。来週は30日に南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)の金融政策決定委員会(MPC)が予定されている。市場では0.25%の追加利下げが実施されるとの予想で固まりつつあるが、先行きについては不透明感が増したとの見方が広がっているようだ。トランプ米大統領の政策によってZAR安が強まるとの思惑から、SARBのインフレ見通しに対するリスクが高まったとして、「今年の利下げサイクルは減速するだろう」との声も聞かれ始めた。来週のSARB会合ではこうしたトランプリスクに関して、クガニャゴSARB総裁の見解を確認する必要があるだろう。
1月20日週の回顧
豪ドルは強含みで推移。20日のトランプ米大統領就任後は上下に振れる場面があったものの、懸念されていた就任初日の関税発動が見送られたことから全般にドル安が進み、豪ドルも対ドルで強含んだ。豪ドル円もつれて堅調に推移。日米株価指数の上昇などを手掛かりに投資家のリスク志向改善を意識した買いも入った。
ZARも対ドル・対円でともに強含み。日銀の利上げが市場でほぼ織り込まれたこともあり、今週は日銀の金融政策を巡る円買い圧力も後退した。
◆ポンド、日米の金融政策に振らされる展開
◆加ドル、カナダ中銀は追加利下げへ
◆加ドル、トランプ関税への警戒感が重し
予想レンジ
ポンド円 189.50-195.50円
加ドル円 106.50-110.50円
1月27日週の展望
来週は英国発の重要イベントは予定されていない。そのため、ポンドは対円では週末を跨ぐことになるものの「日銀会合の結果や植田日銀総裁の会見内容を受けた動き」が継続しそうだ。春以降の日銀の政策スタンスを見据えて円相場が動意付くようであれば、ポンド円も素直に歩調を合わせるだろう。対ドルでは、29日(日本時間30日未明)の米金融イベントに振らされる展開だろう。米政策金利は据え置きが確実視されており、ポイントは声明内容やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が定例会見で何を話すか。トランプ新政権の政策がインフレにどのような影響を与えるかは依然として不透明のため、今後も米金融当局の判断は難しくなるだろう。
英金融政策に目を向けると、「2月の英中銀会合で0.25%利下げ」を織り込む動きが急速に進んでいる。今月半ばに発表された12月のインフレ指標が伸び悩んだほか、その後の経済データも低調だったことがその要因。今週発表された9-11月の週平均賃金は前年比5%台で加速したものの、2023年後半に賃金が低下したことによるベース効果とされている。短・中期の英金利先安観が進むようだと、目先はポンドの上値を追いづらくなるかもしれない。
加ドルは本邦金融イベントの影響が週を持ち越してどの程度続くかを見極めながら、29日のカナダ中銀(BOC)の政策金利発表を待つことになる。市場予想は現行3.25%から0.25ポイントの引き下げ。見込み通りであれば、昨年6月から6会合連続の利下げとなり、金利水準も2022年夏以来の低いレベルとなる。足もとでは、インフレ鈍化基調が続き(12月カナダ消費者物価指数は前年比1.8%)、経済指標もさえないものが目立つため、市場はBOCのハト派姿勢は継続との見立てだ。そういった中、マックレムBOC総裁がどのような見解を示すかが注目される。
金融政策以上に加ドルに影響を与えそうなのが、トランプ関税の行方だろう。今週、加ドルが大きく上下に振れたきっかけは米国の関税強化に関する報道だった。「トランプ米大統領の就任初日には、新たな関税はまだ課されない」と報じられて加ドル買い。その後、「米大統領はカナダとメキシコからの輸入品に最大25%の関税を検討」と伝わると加ドルは急落した。関税は2月1日までに発動が計画されているもよう。これに対しトルドー加首相は、「不公平な関税には断固とした対応を取る」と表明。貿易を巡り米加関係が悪化するようなら、パワーバランスから鑑みると加ドルにとって分が悪いだろう。
1月20日週の回顧
ポンド円はリスクオンの流れに沿って189円後半から193円付近まで上昇した。英長期債への売り圧力が緩んだことも支えに、ポンドドルは1.21ドル半ばから1.23ドル後半まで買戻された。
加ドルは対円では109円超えから107円前半まで急落後、再び109円台回復と荒い値動き。対ドルでは1.42加ドル半ばから1.45加ドル前半の中で乱高下したが、徐々に1.43加ドル台に収束した。トランプ関税に関するニュースで一喜一憂する展開だった。
◆ドル円、米大統領発言に振らされる展開
◆FOMCは据え置き予想、注目はFRB議長の記者会見
◆ユーロドル、4会合連続での利下げ予想
予想レンジ
ドル円 154.00-159.00円
ユーロドル 1.0150-1.0600ドル
1月27日週の展望
ドル円は、トランプ米大統領の発言に振らされる展開が続きそうだ。20日から第2次トランプ米政権が始まり、カナダとメキシコへの25%関税発動を示唆したことでドル高が進んだ一方で、スイスで開催中の世界経済フォーラムでは「すぐに金利を下げるよう要請するつもり」と述べ、ドル売りが強まった。市場は米大統領の発言に対して敏感になっており、来週も一喜一憂することになるだろう。また、24日の植田日銀総裁の会見を受けて今後の金融政策の方向性が明らかになれば、来週もその流れが継続しそうだ。
28-29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが見込まれている。トランプ米政権誕生後、初の会合であり、関税強化など新たな政策を受けてインフレ上振れへの懸念が高まるなか、今回は慎重な判断が下されるだろう。特に政策の中で警戒されているのが不法移民の強制送還。約1100万人に上る不法移民を大量に送還することで建設業の停滞や食品価格の上昇などを招く恐れがあり、経済的な打撃も考慮すると先行き不透明感は一段と高まっている。8日に公表されたFOMC議事要旨でも「強制送還などの政策に伴い、インフレ見通しが上振れする可能性が高まったと分析」と明記されていることからも米当局は注視していることは明らか。パウエル米連邦準備理事会(FRB)が記者会見でどのような見解を示すかが注目される。
来週はFOMC以外にも28日に12月耐久財受注や1月消費者信頼感指数、30日に10-12月期国内総生産(GDP)速報値、31日に1月PCEコアデフレータの発表が予定されている。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表を睨んで神経質な展開が想定される。30日の理事会では4会合連続での利下げが予想されているが、注目されるのはラガルドECB総裁の会見。トランプ米政権の関税政策が欧州経済に与える影響は不確実であり、インフレ・経済見通しと金融緩和のペースを見極める非常に難しい金融政策を強いられることになるだろう。なお、市場では年内4回の利下げが見込まれているが、ECBの中でタカ派とされるクノットオランダ中銀総裁も、目先1月と3月の利下げには前向きな姿勢を示している。
1月20日週の回顧
ドル円は一進一退。米大統領就任式での関税発動発表が見送られたことで売りが強まり、21日には一時154.78円まで下落する場面があったが、155円割れでは押し目買い意欲が強く反発。その後は欧米株高でリスクオンの円売りが進んだことで156.75円まで切り返した。一方、トランプ米大統領の利下げ要請発言で155円台後半まで一時反落した。
ユーロドルは底堅い。週明けから買いが先行すると、その後も株高を支えに強い地合いを続け一時1.0457ドルと昨年12月30日以来の高値を付けた。
24日の日経平均は5日ぶり反落。終値は26円安の39931円。米国株高を受けて3桁上昇スタート。前場では幅広い銘柄に買いが入り、上げ幅を200円超に広げた。後場が始まる直前に日銀は金融政策を発表。大方の予想通り、0.25%から0.50%への追加利上げが決定された。織り込み済みの内容でもあったことから、後場のスタート直後には上げ幅を300円超に広げる場面もあった。
しかし、結果発表直後に上下に振れたドル円が次第に円高に傾斜したことから、楽観ムードが急速に冷え込んだ。13時台半ばにはマイナス転換。下げ幅を3桁に広げたところでは切り返して再度プラス圏に浮上したが、戻した後は買いが続かず、小幅な下落かつ、4万円を下回って取引を終えた。グロース250指数は前場で大きく水準を切り上げると、後場は失速することなく高値もみ合いが続き、2.6%高と大幅な上昇となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5000億円。業種別ではその他製品、海運、証券・商品先物などが上昇した一方、輸送用機器、石油・石炭、ガラス・土石などが下落した。証券会社の新規カバレッジが入った任天堂<7974.T>が大幅上昇。半面、3Q累計で減益着地となったカイノス<4556.T>が、後場マイナス転換から下げ幅を広げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1044/値下がり516。売買代金上位ではフジメディアや三菱重工が大幅上昇。大型株に手がけづらさがあった中、リミックスポイント、フィスコ、メタプラネットなど暗号資産関連が人気化した。月次データが好感されたGENDAが急騰。1:5の株式分割を発表したグロービングが終値で大台の1万円を上回った。
一方、3Q決算発表の先陣を切ったディスコとニデックがともに大幅安。米国で半導体株が弱かったことから、東京エレクトロン、SCREEN、ソシオネクストなどが売りに押された。ソフトバンクGやソニーGなどグロース系の銘柄がやや大きめの下落。後場に為替が円高に振れたことから自動車株が軒並み安となっており、「ホンダ・日産連合」への合流を見送るとの観測が報じられた三菱自動車が6.9%安となった。
日経平均は小幅安。前場と後場で雰囲気は変わったが、日銀会合の結果発表前に大幅高となった前場が楽観的すぎたとみるべきだろう。マイナス圏に沈んだ後に大崩れすることなく値を戻しており、押し目を待っていた投資家が多かったことがうかがえる。
今週は新大統領に就任したトランプ氏の言動が注目を集めたが、グローバルマーケットはポジティブな材料には強く反応し、ネガティブな材料には耐性を示した。米国では23日にS&P500が史上最高値を更新。ダウ平均も2万ポイント台を回復して史上最高値に接近している。好発進できたことでトランプ氏の「良い側面」がクローズアップされ、リスクを取りやすい地合いがしばらく続く可能性がある。
【来週の見通し】
堅調か。イベントは28日~29日のFOMCが注目されるが、今回は利下げ見送りが濃厚とみられている。トランプ新大統領から利下げを催促する発言が出てきている点は悩ましいが、織り込みも進んでおり波乱は少ないだろう。日米で決算発表が多く、個別物色が盛り上がる時期に入ってくる。米大統領就任式を大きな波乱なく通過したことで、投資家はリスクを取りやすくなっている。中国が春節休場に入ることでインバウンド需要増への期待が高まりやすいことも日本株にはフォローの流れ。ある程度のボラティリティを許容しながら、好材料に強く反応して水準を切り上げると予想する。
【今週を振り返る】
大幅高となった。日経平均は20日から23日まで4日続伸。値幅の出る日も多く、この4営業日で1500円近く上昇した。トランプ氏が第47代のアメリカ大統領に就任したが、就任式前の米国株に強い動きが見られたこと、市場で警戒された関税発動が就任初日では見送られたこと、トランプ新大統領がAI開発に巨額の投資を実施すると表明したことなどから、リスク選好ムードが高まった。日銀金融政策決定会合では、0.25%から0.50%への利上げが決定された。事前に十分すぎるほど織り込みは進んでいたが、結果を消化した24日は前場に大幅高、後場にマイナス転換と動きが荒くなった。木曜までの貯金が大きく、週間では4桁の上昇。日経平均は週間では約1480円の上昇となり、週足では4週ぶりに陽線を形成した。
今週の日経225先物は短期的な過熱感を警戒しつつも、押し目待ち狙いのロングが入りやすい需給状況のなかで、ロング優勢の相場展開が見込まれる。
前週の日経225先物は5日続伸で上昇幅は1470円に達し、週末には一時4万0410円まで買われる場面もみられた。さらに24日の取引終了後のナイトセッションでは4万0610円まで上昇し、4万0480円で終えた。トランプ大統領が就任後にソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]などと巨額のAI(人工知能)インフラ投資を発表し、同社のほか指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が日経平均型を牽引した。
また、日銀は1月24日まで開いた金融政策決定会合で、予想通り政策金利を0.25%程度から0.5%程度に引き上げる追加の利上げを決定した。今回の利上げは織り込まれていたこともあり、昨年7月のような市場の混乱はなく、結果判明直後の反応で日経225先物は4万0410円まで買われた。その後は持ち高調整の動きにより4万円を割り込んで終えたが、イベント通過後のアク抜けを想定した先回り的なロングが入っていたと考えられ、植田和男総裁の会見内容を見極めたいこともあって、利食いに伴うロング解消が入りやすかった。
植田総裁は会合後の記者会見で、経済・物価の改善が続く見通しであれば追加利上げを検討する考えを示した。ただし、タカ派的な印象はなく、利上げペースについては毎回会合で各種データを基に判断していくと説明している。日経225先物はナイトセッションで4万円を回復して始まり、その後もロング優勢で強い上昇となり、昨年12月27日につけた戻り高値4万0460円を突破している。
ボリンジャーバンドでは前週後半に+1σを突破し、+2σを捉える場面もみられた。ただし、ナイトセッションで4万0460円まで切り上がってきた+2σを上回ってきており、短期的には過熱感が警戒されやすい一方で、バンドに沿った上昇が意識される。+2σ水準での攻防が意識されるなか、目先的なピークを想定したショートが入る場面も予想される一方、週足の+2σ(4万0710円)水準を捉えてくる可能性がある。また、ピーク形成につながる可能性もあるが、日足の+3σ(4万1020円)および週足の+3σ(4万1440円)が射程に入ってきそうた。
そのため、+2σ水準で強弱感が対立しやすく、いったん調整をみせてくる可能性はあるが、+1σ(3万9900円)が支持線として意識されるため、オプション権利行使価格の4万から4万1000円のレンジを想定。+2σ水準での底堅さがみられる局面では、ピーク感につながりそうだが、+3σ水準へのバイアスを強めることになる。調整局面では押し目狙いのロング対応とし、積極的なショートは控えておきたい。
今週は28~29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、金利を据え置くとの見方がコンセンサスである。今回は今後の政策金利見通しが公表される会合ではないが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見などから金融政策を巡る見方が相場の変動要因となる。ただし、トランプ氏は先週、FRBに金利引き下げを求め、自身の方が金融政策をよく理解していると主張。利下げが実施されるようだと、トランプ氏の発言に対して一段と市場は敏感に反応することになるだろう。
また、今週から決算発表が本格化する。先週は決算を発表したニデック <6594.T> [東証P]、ディスコ <6146.T> [東証P]が売られ、不透明感が高まっている。これから本格化する決算発表が振るわなければ、株価が下押しするリスクを気に留めておく必要があるだろう。
24日の米VIX指数は14.85に低下し、終値では昨年12月26日以来の15.00を下回ってきた。12月24日につけた14.27を捉えてくると、下へのバイアスが強まる可能性がある。抵抗線に変わった200日移動平均線から下放れるなか、リスク選好に向かわせそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.52倍となり、前週末の14.33倍から上昇基調が強まった。ソフトバンクグループなど日経平均型優位の流れのなか、NTロングによるスプレッド狙いの動きが優勢となった。日銀会合の前後には景気敏感株を物色する場面もみられ、日経平均型を牽引していたソフトバンクグループは上昇一服とはなったが、トレンドは変わらず、方向性としては昨年10月14日の14.70倍を意識したNTロングに向かわせやすいだろう。
1月第2週(1月14日-17日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続の売り越しであり、売り越し額は9729億円(1月第1週は4875億円の売り越し)だった。なお、現物は46億円の売り越し(同3435億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は9682億円の売り越し(同8311億円の売り越し)と3週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で5403億円の買い越しと3週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1607億円の買い越しとなり、2週ぶりに買い越した。
主要スケジュールでは、27日に中国1月製造業PMI、米国12月新築住宅販売件数、28日に12月企業向けサービス価格指数、米国11月S&Pケースシラー住宅価格、米国1月コンファレンスボード消費者信頼感指数、29日に日銀金融政策決定会合議事要旨(12月18・19日開催分)、FOMC終了後に政策金利発表、パウエルFRB議長記者会見、30日にECB(欧州中央銀行)政策金利、米国10-12月期GDP、ラガルドECB総裁記者会見、31日に1月東京都区部消費者物価指数、12月完全失業率、12月鉱工業生産、米国12月個人所得、米国12月個人消費支出などが予定されている。
また、決算を発表では米国でラムリサーチ<LRCX>、マイクロソフト<MSFT>、メタ・プラットフォームズ<META>、テスラ<TSLA>、アップル<AAPL>、インテル<INTC>。国内ではファナック <6954.T> [東証P]、日東電工 <6988.T> [東証P]、信越化学工業 <4063.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]、商船三井 <9104.T> [東証P]などが注目されよう。
トランプ米大統領はコロンビアからの輸入品に対して即時25%の関税を課し、1週間以内に50%に引き上げることを発表した。コロンビアが米軍機による移民強制送還便の受け入れを拒否したことを受けた措置。
<国内>
○14:00 ◇ 11月景気動向指数改定値
<海外>
○10:30 ◎ 1月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.1)
○18:00 ◎ 1月独Ifo企業景況感指数(予想:84.7)
○21:00 ◇ 12月メキシコ貿易収支(予想:34.90億ドルの黒字)
○24:00 ☆ 12月米新築住宅販売件数(予想:前月比5.4%/67.0万件)
○28日01:30 ◎ 米財務省、2年債入札
○28日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○オーストラリア(オーストラリア・デー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
コロンビアのペトロ大統領はトランプ大統領の発表した措置への報復として米国からの輸入品に50%の関税を課す可能性を示唆したと一部通信社が伝えた
24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、市場で「日銀がしばらくは様子見に移る」との見方が広がり円売りを促されると、一時156.57円と日通し高値を更新した。もっとも、前日高値156.75円がレジスタンスとして意識されたほか、一時は4.65%台まで上昇した米10年債利回りが4.60%台まで低下したことも相場の重しとなり、155.52円付近まで下押しした。ユーロドルは欧州時間に発表された仏・独・ユーロ圏の1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことを手掛かりにNY市場でもユーロ買い・ドル売りが入った。米長期金利が低下に転じたことなども相場を支援材料となり1.0521ドルと昨年12月17日以来の高値を更新した。
本日は、前週末の日銀の利上げに対する株式市場の動きを確認しながらの展開になるか。日銀は0.25%の利上げを行い、声明でインフレ見通しを引き上げた。一方、植田日銀総裁は会見で「今回の利上げの影響がどのように出てくるかを確かめつつ、今後の進め方を決めたい」などと発言したことで、日銀の早期追加利上げ期待をけん制した格好となっている。
前週末の日経平均先物は海外市場で堅調地合いを維持しており、日銀の早期追加利上げ期待の後退を背景に東京市場でも株高の流れが続くようならば、ドル円を押し上げる可能性がある。ただ、前週末の米国株は今週から始まる米企業決算などを前に調整安となっており、こちらがより意識されるようならば上値が重くなることも考えられる。
市場関係者が最も注目する今週のイベントは28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)であり、日銀イベント通過後の反応が一服するとFOMCを見極めたいと手控えムードが広がる展開も想定される。
他方、トランプ米大統領が20日に就任してトランプ劇場の第2幕が開いた直後であることを考えると、当面は関税政策を始めとして大統領の政策内容に神経質な展開が予想される点には注意したい。
そのほか、中国では1月製造業PMIが発表予定。市場予想は前月並みの50.1と、3カ月連続で好不況の分岐点である50を超える見通しとなっている。結果に注目したい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 40480 +540 (+1.35%)
TOPIX先物 2783.0 +33.0 (+1.20%)
シカゴ日経平均先物 40480 +540
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
24日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ政権への政策期待からNYダウが4日間で1400ドル超上昇したほか、S&P500指数は約1カ月半ぶりに最高値を更新していたこともあり、主力株の一角に利益確定の売りが出た。28~29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるほか、マイクロソフト<MSFT>、メタ・プラットフォームズ<META>、テスラ<TSLA>、アップル<AAPL>などの決算発表を翌週に控えて、持ち高調整の売りが出た。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>の下げが目立ったほか、マイクロソフト、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ボーイング<BA>が下落。一方で、キャタピラー<CAT>、ウォルト・ディズニー<DIS>、ウォルマート<WMT>が買われた。S&P500業種別指数は、メディア、公益事業、電気通信サービスが上昇した半面、半導体・同製造装置、自動車・同部品、エネルギーが下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比540円高の4万0480円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比100円高の4万0040円始まり、寄り付き後は軟化し一時3万9890円と下落に転じる場面もみられた。ただし、売り一巡後はロング優勢となり、米国市場の取引開始直後には4万0610円まで買われた。終盤にかけては4万0440円~4万0610円辺りでのレンジ推移となり、4万0480円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日経225先物は週末の日中取引で4万0410円まで買われた後は持ち高調整の動きが優勢となり、3万0940円で終えていた。ただし、ナイトセッションで4万円を回復して始まり、その後もロング優勢のなかで昨年12月27日につけた戻り高値4万0460円を突破している。
ボリンジャーバンドでは前週後半に+1σを突破し、+2σを捉える場面もみられたが、ナイトセッションで+2σ(4万0460円)を突破している。短期的には過熱感が警戒され、ピークを想定したショートが入る場面も予想される一方で、バンドに沿った上昇が期待されやすく、同水準での攻防が意識されそうである。
いったん調整をみせてくる可能性はあるが、押し目狙いのロング対応とみておきたい。+2σ水準での底堅さがみられるようだと、日足の+3σ(4万1020円)および週足の+3σ(4万1440円)が射程に入ってきそうだ。+1σ(3万9900円)が支持線として意識されるため、オプション権利行使価格の4万円から4万1000円のレンジを想定。
24日の米VIX指数は14.85(23日は15.02)に低下し、終値では昨年12月26日以来の15.00を下回ってきた。12月24日につけた14.27を捉えてくると、下へのバイアスが強まる可能性がある。抵抗線に変わった200日移動平均線から下放れるなか、リスク選好に傾きそうだ。
また、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.52倍(前日は14.50倍)に上昇した。前週末の14.33倍から上昇基調が強まっており、方向性としては昨年10月14日の14.70倍を意識したNTロングに向かわせやすい。今週は米国で大型テック株の決算が予定されており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が方向性を決めそうである。
ニュージーランド(NZ)政府は27日、デジタルノマド(ITを活用し国内外を旅しながら働く人)や遠隔労働者向けのビザ規制を緩和する計画を発表した。この新しい政策は、グローバルな労働環境の変化に対応し、国際的な人材を惹きつけることを目的としている。
リーブス英財務相は31日の演説で、企業年金制度から数百億ポンドの資金を解放し、経済成長を促進する計画を発表する予定だとスカイニュースが伝えた。政府筋によると、確定給付型(DB)年金制度から600億ポンド以上、最大で1000億ポンドの余剰金が解放されそうとのこと。
この「余剰金解放」計画は、今後数カ月以内に発表される年金制度法案に含まれる可能性がある。この動きは、労働党政権下で加速している幅広い年金改革の一環であり、地方政府年金制度の統合や確定拠出型(DC)制度の改革も含まれている。英財務相はこの改革によって「企業やインフラへの投資を促進し、退職後の貯蓄を増やし、英国全体の経済成長を促進する」ことを目指している。
先週末の海外市場では、欧州時間にトランプ米大統領の就任演説だけで米新政権の市場への影響を確認するという神業をやってのけた植田日銀総裁が、利上げ後の定例記者会見において「全くはっきりとしない、歯切れの悪い」見解を表明。「利上げのペースやタイミングは予断を持っていない。今回の利上げの影響を確かめつつ今後の進め方を決めたい」とのこと。ドル円は一気にショートカバーの動きに。一時156.57円まで買戻されました。米10年債利回りが4.6031%まで低下に転じたことから155.52円まで下押ししたものの、引けにかけては156.02円まで買戻されて週末の取引を終えています。
週明けのアジア市場では、早朝からトランプ米大統領がコロンビアへの関税を表明したことを受けて、クロス円が下落。ドル円は155.57円まで値を下げたあと155.85円まで買戻される場面もみられましたが、先週末の海外市場で40600円台まで上抜けた状態となっていた日経平均が一転して高値から1000円近い急落となると155.29円まで下押すといった状況。
ただ、株価の下落が中国のAI企業の超低コスト製品を囃した米国株先物の下落を受けてのものであるわけで、中国ネタにいつまでも付き合っていくわけにもいかず、ドル円自身の動きとしては方向感なく推移しているといったところ。いずれにしても、今週はFOMCを控えているなか、再びトランプ相場が続いていく状況。引き続き神経質な動きとなっていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比210円安の3万9730円(-0.52%)前後で推移。寄り付きは4万0290円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0480円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。寄り付き直後につけた4万0360円を高値にロング解消の動きが強まり、中盤にかけて4万円の大台を割り込み、下落に転じた。その後も終盤にかけて下げ幅を広げ、一時3万9680円まで売られる場面もみられた。
週末の米国市場でエヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が売られたほか、時間外でグローベックスのナスダック100先物の下落率が1%を超えるなか、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への持ち高調整の動きが強まった。また、中国の新興企業が開発した生成AIの新モデル「DeepSeek」が、米テック企業の脅威になる可能性との一部報道を受けて、ショートも入ったとみられる。日経225先物はボリンジャーバンドの+2σを上回ったことで過熱感が警戒されていたとはいえ、+1σ(3万9830円)を下回ったことでショートが入りやすい。
NT倍率は先物中心限月で14.35倍に急低下し、25日・75日移動平均線が位置する14.36~14.37倍辺りを割り込んできた。両線が位置する水準ではリバランスも入りやすいと考えられるが、抵抗線として機能してくるようだと、200日線が位置する14.23倍辺りが意識されてきそうだ。
本日のロンドン市場では、ユーロドルは日足・一目均衡表の雲の下限を意識した動きか。前週末は約1カ月ぶりに一時1.05ドル台に乗せたほか、昨年10月に雲の下限を割り込んで以降初めて雲の下限を上抜いて引けた。もし雲の上限も上抜くと三役好転が点灯するが、本日時点で上限は1.0645ドルとやや遠く、上抜けは容易ではないだろう。目先はむしろ雲の下限(本日は1.0462ドル)レベルで下値を固めて上昇基調を維持できるか注目したい。
経済イベントは、独で1月IFO企業景況感指数が予定されている。市場予想は84.7と前月並みと見られている。前週末は欧州時間に発表された仏・独・ユーロ圏の1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことを手掛かりにユーロが買われると、その勢いがNY市場に入っても続いた。もし予想比で上回れば、前週末に続いてユーロが買われることも考えられる。ただ、指数自体は2カ月連続で前月を下回っており、予想よりも弱い場合はユーロドルが利益確定売りに押されることもあり得る。
また、警戒が必要なのは、トランプ米大統領の政策だろう。トランプ米大統領がコロンビアに関税を課すことを発表し、早朝からリスク回避の動きが先行する場面が見られた。トランプ大統領が「アメリカ・ファースト」を掲げる中、関税を始めとして政治・経済面での対立を招く政策が発表されるとドル買いが強まる事が予想され、結果ユーロドルの上値を重くすることも想定される。
想定レンジ上限
・ユーロドル:24日高値1.0521ドル。超えると昨年12月10日高値1.0568ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル:24日安値1.0412ドル。割り込むと日足・一目均衡表の基準線1.0350ドル。
ドル円:1ドル=156.06円(前営業日NY終値比△0.06円)
ユーロ円:1ユーロ=163.28円(▲0.40円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0463ドル(▲0.0034ドル)
日経平均株価:39565.80円(前営業日比▲366.18円)
東証株価指数(TOPIX):2758.07(△7.03)
債券先物3月物:140.89円(△0.22円)
新発10年物国債利回り:1.215%(▲0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月景気動向指数改定値
先行指数 107.5 107.0
一致指数 115.4 115.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。トランプ米大統領がコロンビアからの輸入品に対して25%の関税を課すと表明し、コロンビア側も報復関税の可能性を示すと、貿易戦争への懸念からリスクオフの動きが先行した。10時過ぎには一時155.29円まで下押し。もっとも、その後は次第に買い戻しが入った。午後に入るとコロンビアが米国から送還された不法移民の受け入れに同意したことを受け、米ホワイトハウスが「コロンビアに対する関税をいったん保留する」と発表。投資家のリスク回避の動きが巻き戻される格好となり、15時過ぎには156.25円まで反発した。
・ユーロ円も下値が堅い。米関税政策を巡るリスクオフの流れに沿って162.61円まで下押す場面があったものの、その後はドル円と同様に下値を切り上げる展開となり、163円台半ばまで買い戻しが入った。
・ユーロドルは弱含み。対人民元や対円などでドル高が進んだことに伴い、1.0456ドルまで弱含んだ。
・日経平均株価は続落。前週末の米国市場でハイテク株の下げが目立った流れを引き継ぐ格好となり、週明けの東京市場でも半導体関連株を中心に売りが進んだ。トランプ米大統領の関税関連発言も投資家心理を冷やし、指数は一時410円超安まで下押しした。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。日経平均株価の下落を手掛かりに、安全資産とされる債券需要が高まった。また、この日実施された流動性供給入札で需給の引き締まりが意識されたことも買いを誘った。
メキシコ中銀は金融政策プログラム報告書で、2025年初頭の会合でより速いペースでの金融緩和を検討する可能性を示唆した。中銀は政策金利が制限的すぎる可能性があると指摘しつつも、インフレは目標範囲を上回っていると述べている。
しかし、インフレリスクは依然として上向きであるとも警告している。特に、トランプ米大統領による関税脅威などの貿易紛争がディスインフレーション過程を妨げる可能性を認識。2月の会合では0.5%の利下げが予想されているが、国際情勢の改善次第では全会一致の決定となる可能性もあります。ただし、ヒース副総裁は慎重な姿勢を求めている。
「名目中立金利は日銀の分析では1-2.5%に分布している。0.5%への利上げ後もまだ相応の距離がある」(植田日銀総裁:2025年1月24日)
『あれからぼくたちは日銀を信じてこれたかなぁ
「0.5%の壁」のむこうには「楽しい日本」がもう待っているのかなぁ』
日本銀行は、ゼロ金利を導入した以降の25年間で3回利上げしたが、2回は世界景気が後退し、時期尚早の利上げとの批判を浴びた。
2000年8月の利上げ(ゼロ⇒0.25%)の後は、米国発のITバブルが崩壊した。
2006年7月の利上げ(ゼロ⇒0.25%⇒0.50%)の後は、米国発の住宅バブルが崩壊した。
2024年3月に開始された3回目の利上げ(ゼロ⇒0.25%⇒0.50%)は、デフレから脱却できるのだろうか。
1.2000年8月11日:速水第28代日銀総裁(反対2名の利上げ)
2000年8月11日の日銀金融政策決定会合で、速水日銀総裁は、政府の議決延期請求を否決して、無担保コールレートを、ゼロ金利から0.25%へ引き上げた。
速水日銀総裁は「成長率が著しく高まることは期待しがたいと思うが、少なくとも日本経済はデフレ懸念の払拭が展望できる情勢に至ったと判断する」「政策判断としてどれでいくか決定するのは、日銀法第3条で認められた我々の自主性である」と述べた。
しかし、2001年にITバブルが崩壊したことで、2001年2月にゼロ金利に回帰し、3月には量的金融緩和政策に踏み切った。
植田日銀審議委員は、「まだ大きな水準の需給ギャップが存在している可能性がある」と述べて反対していた。
2.2006年7月14日:福井第29代日銀総裁(全員一致の利上げ)
2006年7月14日の日銀金融政策決定会合で、福井日銀総裁は、無担保コールレートを、ゼロ金利から0.25%へ引き上げ、翌年2月には0.50%へ引き上げた。
しかし、2007年にサブプライム危機により、利下げを余儀なくされた。
福井日銀総裁は「超低金利が長く続くリスクということをやはり念頭に置きながら、今後しっかり物を考えていく必要がある」と述べていた。
3.2024年3月19日:植田第32代日銀総裁
2024年3月19日の日銀金融政策決定会合で、植田日銀総裁は、マイナス金利を解除し、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を撤廃した。
2024年7月31日の日銀金融政策決定会合で、政策金利(無担保コール翌日物金利)が、これまでの「0-0.1%程度」から「0.25%程度」に引き上げられた。
植田日銀総裁は、「前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べ、中立金利の下限である1.0%を意識した見通しを示した。
2025年1月24日の日銀金融政策決定会合で、0.25%の追加利上げが決定され、0.5%へ引き上げられた。
植田日銀総裁は、今後の緩和度合いの調整のペースやタイミングは「経済・物価・金融情勢次第で予断は持っていない」とし、毎回会合で各種データ・情報などを基に適切に政策判断していくと説明した。そして、名目中立金利は日銀の分析では1-2.5%に分布していると言及し、0.5%への利上げ後も「まだ相応の距離がある」と述べて、政策正常化に意欲を示した。
大阪3月限
日経225先物 39480 -460 (-1.15%)
TOPIX先物 2751.5 +1.5 (+0.05%)
日経225先物(3月限)は前日比460円安の3万9480円で取引を終了。寄り付きは4万0290円と、シカゴ日経平均先物先物清算値(4万0480円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。寄り付き直後につけた4万0360円を高値にロング解消の動きが強まり、前場中盤にかけて4万円の大台を割り込み、下落に転じた。その後も前場終盤にかけて下げ幅を広げ、3万9680円まで売られた。売り一巡後は下げ渋りをみせ、後場中盤までは3万9680円~3万9860円辺りでのレンジ推移を継続。ただし、終盤にかけてレンジを切り下げ、3万9480円と本日の安値で取引を終えた。
週末の米国市場でエヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が売られたほか、時間外でグローベックスのナスダック100先物がマイナス圏で推移するなか、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への持ち高調整の動きが強まった。
また、中国の新興企業が開発した生成AIの新モデル「DeepSeek」が、米テック企業の脅威になる可能性との一部報道を受けて、ショートも入ったとみられる。日経225先物は24日取引終了後のナイトセッションでボリンジャーバンドの+2σを上抜け、昨年12月27日につけた戻り高値4万0460円を突破したことで利食いが入りやすいところではあった。ただし、その後の下げで支持線として意識されていた+1σ(3万9830円)を割り込んだことで、ショートの動きが強まった。
本日はアドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の3社で日経平均株価を530円あまり押し下げた。東証プライムの騰落銘柄は値上がり数が1280と全体の78%を占めており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が日経平均型の重荷になった。週明けの米国市場でハイテク株の弱い値動きが継続するようだと、下へのバイアスが強まることになりそうである。
なお、グローベックスのナスダック100先物は現在、2.7%超下げており、この影響から日経225先物はナイトセッションで一時3万9230円まで売られる場面もみられた。25日移動平均線(3万9300円)を明確に下放れてくるようだと、75日線が位置する3万9050円が射程に入る。さらに、同水準を割り込むと、-1σ(3万8790円)辺りがターゲットになりそうだ。一気にシグナルが悪化する可能性があり、米国市場の動向が注目されよう。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に急低下し、25日、75日線が位置する14.36~14.37倍辺りを割り込んだ。両線が抵抗線として機能してくるようだと、200日線が位置する14.23倍辺りを想定したNTショートでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5641枚、ソシエテジェネラル証券が2万2210枚、サスケハナ・ホンコンが4750枚、日産証券が4280枚、SBI証券が4214枚、モルガンMUFG証券が3589枚、ゴールドマン証券が3220枚、JPモルガン証券が2833枚、バークレイズ証券が2799枚、野村証券が2012枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1154枚、ソシエテジェネラル証券が1万8140枚、日産証券が5197枚、バークレイズ証券が4815枚、ゴールドマン証券が3709枚、JPモルガン証券が3682枚、モルガンMUFG証券が2166枚、ビーオブエー証券が1753枚、みずほ証券が1080枚、野村証券が1080枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領による突発的な発言に依然として警戒しながらの取引か。
週明けアジア市場では、トランプ米大統領がコロンビアに対する輸入関税を25%に引き上げると表明し、コロンビアも報復関税を打ち出したことでリスク回避の円買いが先行。その後、米ホワイトハウスが「コロンビアに対する関税をいったん保留する」と発表し、リスク回避の巻き戻しに振れる場面もあった。ただし、欧州時間に入ると株安を背景とした円買いが再燃している。
また、先週のダボス会議では、トランプ米大統領は「中東諸国への原油価格の値下げ要求が通れば、米連邦準備理事会(FRB)にただちに利下げを要求する」と表明していた。以前にはパウエルFRB議長と「適切な時期」に話すつもりだとも述べていた。
今週28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FF金利誘導目標4.25-50%の据え置きはほぼ確実視されている。しかあしながら、石油輸出国機構(OPEC)が原油価格の引き下げ要請を受け入れた場合は、3月FOMCでの利下げ再開の可能性もあることで、ドル円の上値を抑える要因となる。
第1次トランプ米政権で指名され、次期FRB議長の候補でもあるウォラーFRB 理事は、先日「インフレの良好な数字が続けば、今年の前半に利下げがなされるのが妥当と考えるだろう。3月利下げの可能性も完全には排除しない」と述べていた。今週のFOMCではウォラーFRB 理事が利下げに票を投じるのか否か、そして、パウエルFRB議長の記者会見でのトランプ米大統領発言に対する見解などに要注目となる。
なお、経済指標は12月米新築住宅販売件数が発表予定。市場予想は前月比+5.4%と伸び率は前回をやや下回る見込み。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、156.43円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.17円(日足一目均衡表・雲の下限)
今週のNY市場はメガキャップの決算発表と金融政策に注目。先週はダウ平均が2.15%高、S&P500が1.74%高、ナスダック総合が1.65%高とそろって2週続伸した。20日に米大統領に就任したトランプ氏の関税政策が警戒されたほど厳しいものではないとの見方が安心感につながったほか、オラクルやオープンAI、ソフトバンク・グループが共同でAIインフラに5000億ドル以上を投資する計画を発表したことが株式相場の追い風となったほか、ダボス会議にオンライン参加したトランプ米大統領が、米国の政策金利が直ちに引き下げられるべきだ、サウジアラビアなどの産油国に原油価格の引き下げを要求するなどと発言したことも相場の後押し要因となった。S&P500は22日から24日まで3日連続で取引時間中の史上最高値を更新し、終値でも1カ月半ぶりに過去最高値を更新した。
今週はメガキャップの決算発表と金融政策に注目が集まる。S&P500の時価総額の約40%を占めるマグニフィセント・セブンの内、水曜日にメタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、テスラが、木曜日にアップルが決算を発表する。相場をけん引するメガキャップの決算やガイダンスが強い結果となれば、最高値圏で推移する米国株のさらなる上昇期待が高まりそうだ。金融政策を巡っては水曜日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)に要注目となる。今会合では政策金利の据え置きが見込まれているものの、トランプ大統領が利下げの必要性に言及しており、結果や会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見が注目される。このほか、木曜日に10-12月期GDP速報値、金曜日に12月個人消費支出(PCE)価格指数が発表予定で、足もとの景気動向やインフレ動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは2月シカゴ連銀全米活動指数、12月新築住宅販売件数など。企業決算は寄り前にスーパー・マイクロ・コンピューター、AT&T、引け後にニューコア、ブラウン・アンド・ブラウンなどが発表予定。
日経平均株価は続落。4万円超えのスタートとなったが、早々に買い優勢は一巡して下押す局面に変わった。4万円割れでは押し目買いもみられたが、後場は下げ幅を拡大して一段安となった。
RSI(9日)は前日の64.6%→75.0%(1/27)へ上昇。あすも上昇しやすいタイミングとなり、前日からの見方に大きな変化はない。目先的な5日移動平均線(39626円 1/27)付近までの下押しは想定内の動きである。
短期的には、5日移動平均線上でのもみ合いから、12/27高値(40398円)超えにつながるかどうかに注目。5日移動平均線を明確に下回るケースでは、1/27安値~1/24高値までの上昇幅に対する半値押し(39167円)前後までの調整にとどまれば上目線継続となる。
上値メドは、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、心理的節目の41500円や42000円などがある。下値メドは、心理的節目の39500円、25日移動平均線(39287円 同)や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38660円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
米財務省によると、2年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.211%、応札倍率(カバー)が2.66倍となった。
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.330%、応札倍率(カバー)が2.40倍となった。
(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.29円(27日15時時点比▲1.77円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.83円(▲1.45円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0488ドル(△0.0025ドル)
FTSE100種総合株価指数:8503.71(前営業日比△1.36)
ドイツ株式指数(DAX):21282.18(▲112.75)
10年物英国債利回り:4.585%(▲0.044%)
10年物独国債利回り:2.531%(▲0.038%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月独Ifo企業景況感指数
85.1 84.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は売り先行後、下げ渋り。中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の最新AIモデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、ハイテク株中心に米株価指数先物が急落。ダウ先物は600ドル近く下げたほか、ナスダック100先物は5%超の大幅安となった。投資家がリスク回避姿勢を強めると円買い・ドル売りが優勢となり、20時30分過ぎに一時153.72円と昨年12月18日以来の安値を付けた。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.49%台まで低下したことも相場の重し。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米10年債利回りが4.56%台まで低下幅を縮めたほか、大幅安で始まったダウ平均が上げに転じたことなどが相場を下支えした。0時30分過ぎには154.68円付近まで下値を切り上げた。
・ユーロドルは伸び悩み。米長期金利の大幅低下をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行。22時過ぎに一時1.0533ドルと昨年12月17日以来の高値を付けた。ただ、米長期金利が低下幅を縮めると次第に上値が重くなった。2時過ぎには1.0485ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は下げ渋り。米株価指数先物の急落などを背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが先行すると一時161.55円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に下値を切り上げた。ドル円の下げ渋りや現物のダウ平均の持ち直しなどが相場を下支えした。
・ロンドン株式相場は小反発。米株価指数先物の下落を受けて続落して始まったものの、終盤持ち直した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われ、相場を下支えした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られ、相場の重しとなった。
・フランクフルト株式相場は続落。中国の新興企業が開発した生成AIへの警戒感が高まる中、米株価指数先物が大幅に下落すると独株にも売りが波及した。シーメンス・エナジー(19.95%安)が急落したことも相場の押し下げ要因。シーメンス(3.38%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(1.88%安)なども売られた。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
27日の日経平均は大幅続落。終値は366円安の39565円。米国株安を受けても3桁上昇スタート。24日引け後の植田日銀総裁会見を無難に消化したとの見方から、幅広い銘柄に買いが入った。序盤では上げ幅を300円超に広げて40200円台に乗せた。
しかし、半導体株が弱く、開始早々に上値が重くなった。半導体株に関しては、24日の米国でエヌビディアなどが大きく下げたことが嫌気されたが、これに加えて中国スタートアップ企業DeepSeek(ディープシーク)の開発するAIが米国テック企業に脅威になるとの見方が出てきたことで、半導体株だけでなく電線株も強烈に売り込まれた。指数はほどなくマイナス圏に沈むと、前場は200円を超える下落となった。
半導体株と電線株を除いては買われる銘柄が多かったものの、弱い銘柄の下げの度合いが大きく、後場に入ると一時下げ幅を400円超に拡大。39500円台まで水準を切り下げ、安値圏で取引を終えた。前場ではプラス圏をキープしていたグロース250指数も後終盤に崩れてマイナス転換。一方、TOPIXは終日プラス圏をキープした。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4600億円。業種別では不動産、ゴム製品、陸運などが上昇した一方、非鉄金属、電気機器、機械などが下落した。引け後に改めての記者会見を実施予定のフジ・メディア・ホールディングス<4676.T>が大幅上昇。半面、フジクラ<5803.T>と古河電気工業<5801.T>が2桁の下落率となるなど電線株が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1280/値下がり324。日経平均は大幅安となったものの、値上がり銘柄はかなり多かった。三菱UFJ、三井住友、みずほFGのメガバンク3行がそろって上昇。IHIや川崎重工など防衛関連の一角に資金が向かった。KDDI、NTT、SB、楽天Gなど通信関連が全般堅調。決算速報値が好感された岩井コスモHDが急騰した。
一方、アドバンテストが8.6%安、東京エレクトロンが4.9%安と半導体株の一角が急落。直近で米国のAI巨額投資を材料に買われたソフトバンクGも8.3%安と急落しており、この3銘柄で日経平均を500円以上押し下げた。日立やリクルートなどグロース系の銘柄が軟調。ファナックが決算発表を前に警戒売りに押された。新株予約権の発行が嫌気されたタスキHDは場中に値が付かずストップ安比例配分となった。
日経平均は大幅安。プライムでは1000を超える銘柄が上昇したにもかかわらず、366円安(39565円)とかなりいびつな動きとなった。きょうの半導体株や電線株が「DeepSeek」というワードに過敏に反応しすぎただけであれば、本日の米国株が下げたとしても弱材料を先取りしているため、あすは反転が見込まれる。一方、これらがあすも強く売られるようだと、「生成AI」というテーマに対するリスクが強く意識される。半導体株や電線株は今の日本株市場の中でかなり存在感が高まっているだけに、影響を注視する必要がある。
きょうの値上がり銘柄が多かったところを見ると、半導体株や電線株を買いづらくなったとしても、この先の日本株が総崩れする可能性は低い。ただ、日経平均はまたしても4万円に乗せた後の買いが続かなかった。足元では38000円~4万円レベルのレンジ相場が継続しており、半導体株が嫌われ続けた場合には、いったんレンジ下限に向けて下を試しに行くかもしれない。その場合は指数との連動性がそれほど高くない銘柄や、直近の株高局面で流れに乗り切れていなかった銘柄など、地味目のジャンルが相対的に選好されやすくなるだろう。
<国内>
○08:50 ◇ 12月企業向けサービス価格指数(予想:前年比3.2%)
<海外>
○09:30 ◇ 12月豪NAB企業景況感指数
○16:45 ◇ 1月仏消費者信頼感指数(予想:90)
○18:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米耐久財受注額(予想:前月比0.6%/輸送用機器を除く前月比0.4%)
○23:00 ◇ 11月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○23:00 ◎ 11月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.3%)
○23:30 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、パネルディスカッションに参加
○24:00 ◎ 1月米消費者信頼感指数(予想:105.6)
○24:00 ◎ 1月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲12)
○29日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○韓国、中国(旧正月)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
27日12:16 米ホワイトハウス
「コロンビアが米国から送還された不法移民の受け入れに同意」
「コロンビアに対する関税は保留」
27日17:22 ラガルドECB総裁
「中央銀行の独立性が、世界各地で疑問に晒されている」
「中銀の独立性が失われれば、経済は不安定化する恐れ」
※時間は日本時間
(27日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.51円(前営業日比▲1.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.12円(▲1.56円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0492ドル(▲0.0005ドル)
ダウ工業株30種平均:44713.58ドル(△289.33ドル)
ナスダック総合株価指数:19341.84(▲612.46)
10年物米国債利回り:4.53%(▲0.09%)
WTI原油先物3月限:1バレル=73.17ドル(▲1.49ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2738.4ドル(▲40.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米新築住宅販売件数
(前月比) 3.6% 9.6%・改
(件数) 69.8万件 67.4万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の最新AIモデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、ハイテク株中心に米株価指数先物が急落するとリスク回避の円買い・ドル売りが優勢となった。20時30分過ぎには一時153.72円と昨年12月18日以来の安値を付けた。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.49%台まで低下したことも相場の重し。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米10年債利回りが4.56%台まで低下幅を縮めたほか、大幅安で始まったダウ平均が上げに転じたことなどが相場を下支えした。4時30分過ぎには154.72円付近まで下値を切り上げた。
・ユーロドルは3日ぶりに小反落。欧州時間発表の1月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことなどを受けてユーロ買い・ドル売りが先行。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、22時過ぎに一時1.0533ドルと昨年12月17日以来の高値を付けた。
ただ、米長期金利が低下幅を縮めると次第に上値が重くなった。4時過ぎには1.0479ドル付近まで押し戻された。
・ユーロ円は反落。米株価指数先物の急落などを背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが入り、欧州時間には一時161.55円まで値を下げた。ただ、NY市場に入るとドル円の下げ渋りや現物のダウ平均の持ち直しなどを手掛かりに買い戻しが入り、下げ幅を縮めた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。中国の新興企業DeepSeekの最新AIモデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、半導体関連やAI関連株に売りが先行。指数は一時400ドル近く下落した。ただ、ディフェンシブ株や消費関連株に買いが入ると上げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。中国のAI台頭が警戒されて米ハイテク株が急落すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。
・原油先物相場は反落。先週末は小反発で引けたが、依然として上値の重さは変わらず一時2ドル超下げた。ナスダック総合が大幅安になっていることで、原油市場もネガティブなセンチメントが続いた。また、トランプ米大統領が来週のOPEC+の会合で増産圧力を加えているが、OPEC+は現在の供給政策を維持する見込みと一部通信社が報じている。
・金先物相場は反落。米株指数先物が軟調な動きをみせドル安が進むと、ドルで取引される金先物は割安感から買われる場面があった。しかしながら、今週の米連邦公開市場委員(FOMC)では利下げは回避され金利据え置きが濃厚なこともあり、金利のつかない金先物は徐々に上値が抑えられると引けにかけては下げ幅を広げた。
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の最新AIモデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、ハイテク株中心に米株価指数先物が急落するとリスク回避の円買い・ドル売りが優勢となり、一時153.72円と昨年12月18日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後は米10年債利回りが低下幅を縮めたほか、大幅安で始まったダウ平均が上げに転じたことなどが相場を下支えすると、154.72円付近まで下値を切り上げた。ユーロドルは欧州時間発表の1月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことなどを受けて一時1.0533ドルと昨年12月17日以来の高値を付けたが、米長期金利が低下幅を縮めると次第に上値が重くなり1.0479ドル付近まで押し戻された。
昨日は、中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の競争力に対する懸念から、半導体株を中心として急落。日本株のみならず欧米株も下落してリスク回避ムードが強まった。このショック的な動きの影響が本日の株式市場に残るようならば、引き続き株価動向に神経質な展開が見込まれる。株安局面ではドル円やクロス円に下落圧力が掛かりやすいだろう。
本日のアジア市場は、中国や台湾、韓国などが休場となるのをはじめ、シンガポールや香港が短縮取引となるなど、市場参加者の減少により流動性の低下が懸念される中、一度動き出すと荒っぽい動きとなる恐れがある点には注意したい。
ただ、こうした動きが落ち着きを見せるようならば、本日から明日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に積極的な売買が手控えられる展開もあり得る。
また、本日は日銀が14時に「12月の全国消費者物価指数(CPI)の基調的なインフレ率を捕捉するための指標」を公表予定。同月のコア指数は前年比+3.0%と1年4カ月ぶりに3%台に乗せている。植田日銀総裁は24日の会見で「今後も日銀の経済・物価見通しが実現していけば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことに変わりはない」と発言している。前回発表された11月の数値(刈込平均値:+1.7%、加重平均値:+0.9%、最頻値:+1.1)と比べ、上昇の幅や日銀が目標としている物価水準の2%にどの程度近づいたか確認しておきたい。
そのほか、昨日午前の相場変動要因となったトランプ米大統領による政策への警戒は緩めないようにしたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39050 -430 (-1.08%)
TOPIX先物 2738.0 -13.5 (-0.49%)
シカゴ日経平均先物 39060 -420
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
27日の米国市場はNYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。中国の新興企業が開発した生成AIの新モデル「DeepSeek」が米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、エヌビディア<NVDA>が昨年10月以来の水準に急落するなど、半導体関連やAI関連株に売りが先行。NYダウは一時400ドル近く下げる場面もみられたが、その後ディフェンシブ株や消費関連株の一角に買いが入り、上昇に転じた。ナスダック指数の下落率は3%を超え、半導体SOX指数も9%超の下落となった。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほか、シスコシステムズ<CSCO>、マイクロソフト<MSFT>、キャタピラー<CAT>が下落。半面、アップル<AAPL>、セールスフォース<CRM>、トラベラーズ<TRV>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比420円安の3万9060円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比70円安の3万9410円で始まり、一時3万8660円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は下げ渋り、米国市場の取引開始後は3万8890円から3万9190円辺りで保ち合い、3万9050円でナイトセッションの取引を終えた。
昨夕の時点でグローベックスのナスダック100先物は3%あまり下落して推移していたため、米国市場の下落の影響は織り込まれているだろう。ただし、直近のリバウンド局面で相場を牽引していた半導体株やAI関連株の急落によってセンチメントは冷まされ、しばらくはエヌビディア睨みの展開を余儀なくされそうである。
日経225先物はナイトセッションで25日移動平均線(3万9290円)、75日線(3万9040円)を下抜け、一時ボリンジャーバンドの-1σ(3万8770円)を割り込んだ。売り一巡後は下げ幅を縮め、75日線水準で終えている。同線辺りでの攻防となるなか、戻りの鈍さが意識される局面では、-1σを狙ったショートが強まりやすいだろう。-1σを再び割り込んでくるようだと、200日線(3万8490円)が射程に入ってくる。
一方で、前日の+2σ(4万0320円)突破から一気に-1σまで下げたことで値幅調整は一巡した形である。9%近く下落したアドバンテス <6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が下げ止まりをみせてくると、日経225先物は75日線を支持線として25日線辺りまでのリバウンドが意識されてきそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格となる3万8625円から3万9375円のレンジを想定する。昨日は東証プライムの8割近い銘柄が上昇したものの、アドバンテス、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の3銘柄で日経平均株価を530円あまり下押していた。この3社が弱い値動きをみせると、先物市場ではショートを仕掛けてくる動きが強まる半面、リバウンド局面ではショートカバーに向かわせよう。
27日の米VIX指数は17.90(24日は14.85)に上昇した。一時22.51まで切り上がり、1月13日につけた直近の戻り高値22.01を上回る場面もみられた。25日、75日、200日線を一気に上抜けており、慎重姿勢が強まりそうだ。ただし、日中の安値圏で終えていることもあり、パニック的な動きからは落ち着きをみせていた。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に急低下し、25日、75日線が位置する14.36~14.37倍辺りを割り込んだ。両線が抵抗線として機能してくると、200日線が位置する14.23倍辺りを想定したNTショートでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。ただし、為替市場では円高に振れて推移していることで輸出関連株などは手掛けづらくさせる。ハイテク株次第ではあるが、前日の大幅な低下に対するリバランスの動きも想定しておきたいところだろう。
FT紙が報じたところによると、ベッセント次期米財務長官が就任後に段階的な関税引き上げを計画しているという。米国への輸入品に対する新たな普遍的関税を2.5%から開始し、毎月同じ割合で段階的に引き上げ、最終的に最大20%まで引き上げる可能性があるとのこと。
政府は28日、安達日銀審議委員の後任として早稲田大学政治経済学術院教授の小枝淳子氏を候補とすることを明らかにした。
日経225先物は11時30分時点、前日比140円安の3万9340円(-0.35%)前後で推移。寄り付きは3万9100円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9060円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。中盤にかけて3万8890円まで下げた後はリバウンドをみせており、終盤にかけて一時3万9380円まで下落幅を縮めている。
日経225先物は75日移動平均線(3万9050円)を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)に接近する場面もみられたが、-1σを割り込まなかったこともあり、ショートカバーを誘う形になった。アドバンテスト<6857.T>[東証P]の下げが目立つものの、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]は下げ幅を縮めていることも、カバーに向かわせているようだ。終盤にかけて25日線(3万9290円)を上回るなか、後場は同線での攻防が意識されよう。
NT倍率は先物中心限月で14.18倍に急低下した。一時14.15倍まで下げており、昨年12月上旬以来の水準である。値がさハイテク株の弱さが目立つ一方で、東証プライムの値上がり数は7割を超えており、TOPIX型優位の状況である。
昨日は久しぶりのドル円を中心としたリスクオフ相場となりました。東京午後から欧州勢入り際にかけてはトランプ米大統領によるコロンビアに対する極端な関税賦課が流石に保留となったことから、リスクオフの巻き戻し。一時156.25円まで買戻される場面もみられましたが、アジア時間で既に先週末の日経平均先物のクローズからは900円以上の急落となっていた日経平均が欧州勢が参入してくると先物で更に下げ幅をひろげる展開に。その後は38655円まで大幅な下落。ダウ先物は600ドル近い下落となったほか、ナスダック先物においては何と5%を超える暴落。米10年債利回りも一時4.4960%まで低下するといった典型的なリスクオフ相場を演出することになりました。
アジア時間での日経平均の下落では飽き足らず、欧州勢が一気に下値を攻める動きとなったわけですが、当の本人のNY勢は逆に買戻しといった皮肉な展開に。全般、リスクオフの巻き戻しの動きとなると、ドル円は引けにかけて一時154.72円まで買戻されています。
このリスクオフ。中国のスタートアップのDeepSeekがたったの560万ドルのコストでChatGPTと同性能の最新AIモデルを発表したことがきっかけ。オープンソースなどを利用した上で、大手ハイテク企業に比べて10分の1程度のコストでAIを構築出来ることが注目されると、「バカ高いNVIDIAのチップも必要なくなるのではないか」といった憶測が台頭したといったところ。それにしても、日経平均やドル円がその全てのリスクオフの受け皿になったという、これまでにも何度も見てきた光景を久しぶりに目の当たりにすることになりました。
いずれにしても、ドル円は一目雲上限というかなり重要なサポートレベル付近で下げ止まったほか、本日の日経平均も38886.05円を安値に、昨日の先物での安値手前で下げ止まって買戻されている状況。米長期金利も上昇しているとあって、昨日かなり突っ込んで売り込んでしまった向きが「まだまだショートカバーしきれていない」なかにあって、一目転換線をしっかりと上抜けてきているわけで、「かなりきれいなかたち」での買戻しが続いています。
中国ネタにしては、想定よりも多少長続きしたリスクオフではありましたが、ドル円にとっては、恐らく、かかるネタが自らの方向性を変えるような威力を持っているわけではなく、チャート的にもポジション的にも拾い場を与えただけの結果に終わったのかもしれません。
UBS証券では日銀に関して、1月の会合では政策金利が0.25%から0.5%に引き上げられたが、次回は7月に0.75%に引き上げられると予想している。最終的には1.25%までの利上げを見込んでおり、7月の後は今年12月と2026年7月に25bpの利上げを予想している。UBSの見立てでは、多くの日本の投資家は2%のインフレ目標の真の達成はまだ想像しにくいという保守的な見方を共有しているとのこと。ただし、2026年以降にさらなる円安が進行するリスクや、日本経済が正常化していく可能性があることから、1.25%のターミナルレートを設定。これは、UBSの予想する中立金利(1%プラスマイナス50bp)の範囲内とコメントしている。
大和証券では、中国のAI新興DeepSeekの登場によって米国の大手テック株がパニック的な売りに見舞われ、米長期金利が低下した動きについて考察している。米国経済の強さという根本を覆す話ではないとみているものの、リスク資産の高バリュエーション、国債金利の低バリュエーションに修正が始まるきっかけとなる可能性はゼロではないと指摘。相場の流れというのはこういう話から変わりうることもあるため、少し注意しておいた方がよいとコメントしている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ米大統領が発表した政策を見極めつつ、米長期金利や株価動向をながめながら方向感を探る展開となるか。
本日はトランプ米大統領やベッセント米財務長官から相次いで関税に関する発言が出ており、これらに反応してドル買いの流れとなる中でユーロドルは一時1.0425ドルまで下落。関税でインフレ再燃が想起されると時間外の米10年債利回りは4.56%目前まで上昇している。欧州市場でも引き続き材料視されるか、米長期金利の動きに注目したい。
また、日経平均は39000円を割る場面も見られたが一時的となり、その後は下げ幅を縮小して午前の取引を終えた。今のところ、昨日の欧米市場のようなパニック的な動きにはなっていない。ユーロ円を始めとしてクロス円にとって株式動向は無視できないところ。株安のきっかけとなった中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の最新AIモデルについての続報がなければ、材料消化で欧州株も徐々に落ち着きを取り戻すことも考えられる。東京午前でのドル円の上昇によりクロス円もそれなりに巻き戻されており、欧州株が落ち着けば一段と買い戻されても不思議ではない。
経済指標は、1月仏消費者信頼感指数が発表予定。市場予想は90と前月の89をわずかに上回る見通し。相場へのインパクトは高くないものの、前週末の仏1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値に続いて予想を上回れるか見ておきたい。
要人発言では、ビルロワドガロー仏中銀総裁やチポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事の発言機会が予定されているものの、30日のECB理事会を前にすでにクワイエット期間(いわゆるブラックアウト期間)に入っていることから、金融政策に関する発言は期待しづらいだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル: 27日高値1.0533ドル
・ユーロ円:27日高値163.75円
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル
・ユーロ円:朝方に付けた本日安値161.58円
ドル円:1ドル=155.70円(前営業日NY終値比△1.19円)
ユーロ円:1ユーロ=162.49円(△0.37円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0436ドル(▲0.0056ドル)
日経平均株価:39016.87円(前営業日比▲548.93円)
東証株価指数(TOPIX):2756.90(▲1.17)
債券先物3月物:141.18円(△0.29円)
新発10年物国債利回り:1.195%(▲0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月企業向けサービス価格指数
前年同月比 2.9% 3.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。一部報道で「ベッセント米財務長官は段階的な関税引き上げを計画し、最終的に最大20%まで引き上げる可能性がある」と伝わったほか、トランプ米大統領が「半導体や鉄鋼、アルミなどその他産業への関税を適用する」「2.5%を大幅に上回る一律関税を望む」などの見解を示すと、関税政策による米金利の先高観が強まった。為替市場では全般ドル買いが強まり、一時155.95円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルはさえない。ドル買いの流れに沿って朝方から売りに押される展開となり、一時1.0425ドルまで下押しした。
・ユーロ円は下値が堅い。ユーロドルや日本株の下落につれて円買い・ユーロ売りが進み、一時161.58円まで下押す場面があったものの、その後はドル円の上昇につれて162.68円まで反発した。
・日経平均株価は3日続落。前日の米ハイテク株安を受けて、この日の東京市場でも半導体関連株が売りに押された。指数は一時680円近く下落。半導体関連株などからの資金シフトの受け皿となった割安株には買いが入ったものの、後場に入っても戻りの鈍い状態が続いた。
・債券先物相場は続伸。日経平均株価が連日で下落し、安全資産しての債券需要が強まった。また、この日実施された国債買い入れオペで需給の引き締まりが意識されたことも買い材料視された。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国景気は「政策効果」と「息切れ」を繰り返す展開が続くか
企業マインドは早くも「息切れ」の様相、景気は政策支援と息切れが交互に続く推移が見込まれる
ここ数年の中国景気は不動産不況に加え、若年層を中心とする雇用回復の遅れが内需の重石となるなかで外需への依存を強める展開が続いた。しかし、米トランプ政権は関税賦課を通じた圧力を強めるなか、昨年後半以降に当局は内需喚起による景気下支えに動いている。結果、昨年末にかけての景気は内需喚起の動きと米トランプ政権発足前の外需駆け込みの動きが景気底入れを促した。しかし、一連の内需喚起策は需要の先喰いに留まる可能性が高く、先行きはその息切れが景気の足かせとなる懸念はくすぶる。
こうした懸念を反映して1月の製造業PMIは49.1と2ヶ月ぶりに50を下回っている。非製造業PMIも50.2に低下しており、建設業、サービス業ともに底入れの動きに一服感が出ている。足下の生産活動で減産の動きがみられるほか、先行きも内・外需双方に下押し圧力が掛かる動きもみられる。さらに、雇用調整圧力がくすぶる上、ディスインフレ圧力が意識されるなど、幅広く企業を取り巻く環境は厳しさを増している。よって、昨年末にかけての中国景気は底入れの動きを強めたものの、早くも急ブレーキが掛かっている。
昨年以降の中国金融市場では一連の内需喚起策を期待して本土株が底入れしたが、その後は「物足りなさ」が意識されるなかで上値が抑えられる展開が続く。当局による一段の政策強化は人民元安を招く可能性がある一方、習近平指導部が人民元安を警戒する向きもくすぶるなか、政策対応は「小出し」の展開が続く可能性が高い。よって、中国景気は政策対応と息切れを交互に繰り返す展開が続く可能性が考えられる。
大阪3月限
日経225先物 39070 -410 (-1.03%)
TOPIX先物 2759.0 +7.5 (+0.27%)
日経225先物(3月限)は前日比410円安の3万9070円で取引を終了。寄り付きは3万9100円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9060円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。前場中盤にかけて3万8890円まで下げた後はリバウンドをみせ、前場終盤に一時3万9380円まで下落幅を縮めた。
ただし、売り一巡後の戻りで上回った25日移動平均線(3万9290円)をキープすることはできず、現物の後場の取引開始後には再び下へのバイアスが強まり、3万8900円と前場につけた安値水準に接近。終盤にかけてショートカバーが入る形で下げ幅を縮め、辛うじて75日線(3万9040円)を上回って終えた。
日経225先物は前場中盤にかけて75日線を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)に接近する場面もみられた。-1σを割り込まなかったこともあり、その後は前場終盤にかけてショートカバーを誘う形になった。ただし、アドバンテスト<6857.T>[東証P]の下げが目立つなか、前場終盤にかけてやや持ち直す動きをみせていたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が後場に入り再び売り直され、先物に仕掛け的なショートを誘う格好だった。
中国の新興企業が開発した生成AIの新モデル「DeepSeek」が米国企業の優位性を脅かすとの懸念から、前日の米国市場ではエヌビディア<NVDA>が急落しており、同社の底入れを見極める必要があるだろう。DeepSeekショックで日経平均株価は2日間で900円超の下落となった。ただし、前日同様、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンの3銘柄で日経平均株価を510円超下押している。一方で、東証プライムの騰落銘柄は値上がり数が全体の7割近くを占めており、冷静にリバランスを進めている。
しばらくはハイテク株の影響を大きく受けやすいと考えられ、日経225先物は75日線を割り込んでくるようだと、200日線(3万8480円)辺りが射程に入ってくるだろう。同線を下回る局面ではショートが強まりやすく、-2σ(3万8250円)水準までの調整は想定しておきたいところだ。反対に75日線水準が支持線として機能すると、25日線突破から+1σ(3万9800円)辺りへのリバウンドが期待される。値がさハイテク株の一角の影響が大きい分、懸念要因が和らぐ局面では戻りの強さが意識されるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.16倍に急低下した。一時14.12倍まで下げており、昨年12月2日以来の水準である。値がさハイテク株の弱さが目立つ状況ではTOPIX型優位の流れが続くと考えられるが、本日はボリンジャーバンドの-3σまで下げてきた。バンドに沿った低下となる可能性はあるものの、NTショートの巻き戻しを狙ったNTロングでのポジションが入りやすい水準と考えられる。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万7606枚、ソシエテジェネラル証券が2万1362枚、サスケハナ・ホンコンが6156枚、SBI証券が4895枚、モルガンMUFG証券が4563枚、JPモルガン証券が3302枚、ゴールドマン証券が3104枚、バークレイズ証券が2202枚、野村証券が2187枚、日産証券が2099枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1895枚、ソシエテジェネラル証券が1万6402枚、バークレイズ証券が5251枚、JPモルガン証券が4617枚、ゴールドマン証券が3670枚、モルガンMUFG証券が3377枚、ビーオブエー証券が2061枚、ドイツ証券が1539枚、SBI証券が1163枚、三菱UFJ証券が785枚だった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
関税による脅しは成功も、中国との関係深化が一段と進む可能性、米中摩擦の新たな舞台となるか
米トランプ大統領は「タリフマン」を自称し、政権公約実現へ関税賦課を材料に相手国にディールを仕掛ける動きをみせる。不法移民対策を理由に、トランプ氏は26日に南米コロンビアへの追加関税や制裁に動く方針を示し、直後にはコロンビアのペトロ大統領が報復を示唆する動きをみせた。しかし、経済への深刻な悪影響が懸念されるなか、ペトロ氏が不法移民の輸送受け入れに同意し、米政府は関税と制裁の発動を見送った。結果、トランプ氏による関税を用いた脅しは成功したと捉えられる。他方、一連の対応は「米国の裏庭」と称されるも、ここ数年反米左派政権が広がりをみせる中南米諸国で米国からのさらなる離反を招く可能性がある。また、ここ数年は中国が中南米諸国での影響力を拡大させており、米国からの離反も追い風に関係深化が進むことも考えられる。中南米が米中摩擦の新たな舞台となる可能性に要注意と言える。
「基調的な物価上昇率は見通しに沿って緩やかに上昇し続けている。基調的な物価上昇率も2%に収束していく可能性が高まったとみた。それが利上げの最大の理由だ」
(植田日銀総裁:2025年1月24日)
1月28日、2%の物価安定目標の実現を目指す日銀が公表した12月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」は、7月、8月、9月、10月、11月に続いて6カ月連続して2%に届かなかった。
12月の上昇品目の比率は75.7%と、11月の75.5%を上回り、下落品目は19.0%で、11月の19.3%を下回った。
1. 基調的なインフレ率を捕捉するための指標
物価動向の分析にあたっては、現実に観測される「消費者物価」の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率(「コア指標」)が利用されている。
生鮮食品を除いた「コアCPI」や生鮮食品およびエネルギーを除いたコアコアCPIの他に、様々なコア指標を総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握できると思われる。
日本銀行調査統計局では、毎月の全国消費者物価指数の公表に合わせて、上昇・下落品目比率、刈込平均値、最頻値、加重中央値を試算し、原則として、全国消費者物価指数の公表日の2営業日後の14時を目途に公表している。
2.12月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(※コア3指標)
■刈り込み平均値:前年比+1.9%
・2カ月連続で前月を上回った(11月+1.7%、10月+1.5%、9月+1.7%、8月+1.8%、7月+1.8%、6月+2.1%、5月+2.1%、4月+1.8%、3月+2.2%、2月+2.3%、1月+2.6%)
・価格変動が大きい上下10%の品目を異常値として機械的に除き算出する
■加重中央値:前年比+1.0%
・2カ月連続で前月を上回った(11月+0.9%、10月+0.8%、9月+0.8%、8月+0.7%、7月+1.1%、6月+1.4%、5月+1.3%、4月+1.1%、3月+1.3%、2月+1.4%、1月+1.9%)
・価格上昇率の高い順にウエートを累積して50%付近にある価格変化率
■最頻値:前年比+1.1%
・2022年9月以来の低水準で横ばい(11月+1.1%、10月+1.3%、9月+1.4%、8月+1.3%、7月+1.5%、6月+1.6%、5月+1.5%、4月+1.6%、3月+1.9%、2月+2.0%、1月+2.3%)
・品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率
3.12月の消費者物価指数(CPI)
■消費者物価指数(CPI):+3.6%(11月+2.9%、10月+2.3%、9月+2.5%、8月+3.0%、7月+2.8%、6月+2.8%、5月+2.8%、4月+2.5%、3月+2.7%、2月+2.8%、1月+2.2%)
■コアCPI(生鮮食品を除く):+3.0%(11月+2.7%、10月+2.3%、9月+2.4%、8月+2.8%、7月+2.7%、6月+2.6%、5月+2.5%、4月+2.2%、3月+2.6%、2月+2.8%、1月+2.0%)
■コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーを除く):+2.4%(11月+2.4%、10月+2.3%、9月+2.1%、8月+2.0%、7月+1.9%、6月+2.2%、5月+2.1%、4月+2.4%、3月+2.9%、2月+3.2%、1月+3.5%)
12月のコアCPIは、政府による電気・ガス代補助金を10月使用分で終了したことで上昇した。政府は12月と1月にガソリン補助を縮小させ、レギュラーガソリン価格は12月に1リットル175円程度が180円程度、1月には185円程度に上昇することが予想されており、CPIを0.05%程度ずつ押し上げる見込みとなっている。
本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領による突発的な発言に警戒しながら、米国の経済指標を見極めつつ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の初日を迎えることになる。
本日の東京市場のドル円は、トランプ米大統領による関税発言で、154円台から155円台後半まで上昇しており、今後も警戒せざるを得ない状況が続くことになる。
また、引き続き中国発の人工知能(AI)企業「ディープシーク(DeepSeek、深度求索)」によるナスダック市場への影響には警戒しておきたい。
本日は、12月米耐久財受注額、11月米住宅価格指数、11月米ケース・シラー住宅価格指数、1月米消費者信頼感指数、1月米リッチモンド連銀製造業景気指数などが発表されるが、本日からのFOMCに直接的な影響を及ぼすことはないものの、米国の景況感を確認することになる。
本日からのFOMCでは、FF金利誘導目標4.25-50%の据え置きはほぼ確実視されているが、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、今年の利下げは2回(※FF金利誘導目標:3.75-4.00%)と予想されている。
また、先週のダボス会議では、トランプ米大統領は「中東諸国への原油価格の値下げ要求が通れば、米連邦準備理事会(FRB)にただちに利下げを要求する」と表明していた。
以前にはパウエルFRB議長と「適切な時期」に話すつもりだとも述べていた。
第1次トランプ米政権で指名され、次期FRB議長の候補でもあるウォラーFRB理事は、先日「インフレの良好な数字が続けば、今年の前半に利下げがなされるのが妥当と考えるだろう。3月利下げの可能性も完全には排除しない」と述べていた。
本日からのFOMCではウォラーFRB理事が利下げに票を投じるのか否か、そして、パウエルFRB議長の記者会見でのトランプ米大統領発言に対する見解などに要注目となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、156.30円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、154.08円(日足一目均衡表・雲の上限)
今晩はもみ合いか。昨日は中国のスタートアップ企業ディープシーク(DeepSeek)が低コストの大規模AIを構築したとのニュースを受けてエヌビディアなどのAIインフラ株が売られ、ハイテク株主体のナスダック総合が3.07%安と急落し、12月18日以来の下落率を記録した。S&P500も1.46%安となり、ともに大幅に2日続落した一方、ディフェンシブ株への資金シフトが追い風となりダウ平均が289.33ドル高(+0.65%)と反発した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の14.85ポイントから17.90ポイントに上昇するなど、センチメントは大きく悪化した。
今晩の取引では前日のハイテク株の急落の反動高が期待されるものの、ディープシークのAIの性能やエヌビディアなど米国のAI関連株への影響を見極める展開が予想され、神経質な展開となりそうだ。発表が本格化した企業の第4四半期決算は、寄り前にゼネラル・モーターズ(GM)、ボーイングなどが発表予定で、決算やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは12月耐久財受注、1月消費者信頼感指数など。決算発表は寄り前にゼネラル・モーターズ(GM)、ボーイング、RTX、引け後にF5ネットワークス、ボストン・プロパティーズなどが発表予定。
日経平均株価は3日続落。マド開けを伴う下方スタートから下げ幅を拡大する展開となった。25日移動平均線(39273円 1/28)や10日移動平均線(39151円 同)を下回り、後場を通じても軟調な動きが続いた。
RSI(9日)は前日の75.0%→60.6%(1/28)へ低下。昨年10月以降のもみ合い期間中と同様、直近高値からの下げがきつい。一目均衡表の雲下限(38984円 同)を意識して終えているが、1/27安値~1/24高値までの上昇幅に対する半値押し(39167円)前後で下げ止まれるかが、目先の焦点となる。
上値メドは、心理的節目の39500円や40000円、1/24高値(40279円)、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、100日移動平均線(38667円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.457%、応札倍率(カバー)が2.64倍となった。
(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.60円(28日15時時点比▲0.10円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.26円(▲0.23円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0428ドル(▲0.0008ドル)
FTSE100種総合株価指数:8533.87(前営業日比△30.16)
ドイツ株式指数(DAX):21430.58(△148.40)
10年物英国債利回り:4.614%(△0.029%)
10年物独国債利回り:2.565%(△0.034%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月仏消費者信頼感指数
92 89
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.54%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。24時前に一時155.05円付近まで値を下げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値154.49円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。トランプ米政権による関税引き上げへの警戒感が根強い中、米10年債利回りが4.57%台まで上昇したこともドル買い戻しを誘った。1時過ぎには155.76円付近まで持ち直した。
なお、1月米消費者信頼感指数は予想を下回った一方、1月米リッチモンド連銀製造業指数は予想を上回るなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロドルはもみ合い。欧米の金融イベントを控える中、様子見ムードが強く大きな方向感は出なかった。ロンドン時間の安値は1.0414ドル、高値は1.0444ドルで値幅は0.0030ドル程度だった。
なお、欧州中央銀行(ECB)は30日の定例理事会で利下げを決めるとの予想が多い一方、米連邦準備理事会(FRB)は28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で4会合ぶりに利下げを見送るとの見方が優勢だ。
・ユーロ円は下値が堅かった。日本時間夕刻に一時162.70円と本日高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げ、24時前には161.76円付近まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値161.58円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。0時30分前には162.45円付近まで下げ渋った。前日に急落した米ナスダック指数が反発すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ユーロ買いを誘った面もあった。
・ロンドン株式相場は続伸。前日に急落した米ナスダック指数先物が反発したことで、投資家心理が改善し買いが優勢となった。ただ、明日29日のFOMC結果公表を前に、様子見ムードも強かった。コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが買われたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。前日に急落した米ナスダック指数の先物が反発すると投資家心理が改善し、独株にも買いが波及した。個別では好決算を公表したザルトリウスが11.47%の大幅高となったほか、シーメンス・エナジー(7.53%高)やドイツテレコム(3.22%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
28日の日経平均は大幅に3日続落。終値は548円安の39016円。ナスダックの大幅安を受けて、寄り付きから3桁の下落。米国でエヌビディアが急落したことから、半導体株や電線株などAI関連銘柄が前日に続いて強烈に売り込まれた。序盤に600円超下げて38800円台に突入したところで押し目買いが入り、いったん39300円近辺まで値を戻した。しかし、後場に入ると改めて売り直される展開。39000円は上回ったものの、500円を超える下落で取引を終えた。TOPIXはプラス圏とマイナス圏を行き来したが、小幅なマイナスで終了。グロース250指数が強く、小幅安スタートから早々にプラス転換して上げ幅を拡大。1%を超える上昇で高値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆0400億円。業種別ではその他製品、銀行、不動産などが上昇した一方、非鉄金属、ガラス・土石、電気機器などが下落した。3Q累計では減益も市場の期待は上回り、決算と併せて増配も発表したLITALICO<7366.T>がストップ高。半面、アドバンテスト<6857.T>が11.1%安と急落し、1銘柄で日経平均を約269円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1093/値下がり511。きょうも日経平均が大きく下げる中で値上がり銘柄は多かった。上方修正を発表した日立建機が3.4%高。国内では利上げ基調が続く中、メガバンクの三井住友とみずほFGが昨年来高値を更新し、三菱UFJは上場来高値を更新した。一方で米国では長期金利が大きく低下しており、これを手がかりに三井不動産や住友不動産など不動産株に資金が向かった。任天堂やソニーGなどゲーム株の一角が大幅上昇。中国の春節休場が意識されたか、OLC、富士急行、エアトリなどレジャー関連が物色された。
一方、AIへの高い期待がはく落する中、ナスダックの大幅安や傘下アームの急落などを嫌気してソフトバンクGが5%を超える下落。フジクラや東京エレクトロンなど電線株や半導体株が前日に続いて軒並み安となった。本日は電力向けのガスタービンなどを手がけている三菱重工もAI関連との見方が強まり急落。売買代金上位銘柄の手がけづらさが強く意識された。
日経平均は連日の大幅安。きのうの続きといったような動きで、売買代金上位銘柄の多くが派手に下げた一方、プライム全体では値上がり銘柄が多かった。指数はさえないが、注目度の高い銘柄から資金が離散した結果、物色の裾野は広がっている。半導体株や電線株はAIに対する過度な警戒が和らいだ際には強烈な買い戻しが期待できそうでもあり、リスクオフというほどの弱さはなかった。
あすの引け後にはアドバンテストが3Q決算を発表予定。今年に入って10日に10430円まで上昇して上場来高値を更新した銘柄が、直近の下げで8100円台まで水準を切り下げている。決算発表を前にリスク回避で一段安となるのか、それとも決算期待から見直し買いが入るのか。あすの値動きは大きく注目される。強く買われるようなら他の半導体株や電線株を刺激する可能性もある。日経平均は取引時間中に39000円を割り込む場面があり、4万円は遠のいた。ただ、終値(39016円)は75日線(39029円、28日時点)に近い。この辺りで下げ止まることができれば、基調が上向く展開も期待できる。
28日08:10 トランプ米大統領
「減税によって低税率を維持することを目指す」
「予算プロセスに固執しないよう努める」
「減税について議会と協力する意向」
「米国で製造するなら税率を15%に引き下げる計画」
「半導体産業への関税導入を近く実施」
「鉄鋼とアルミ、銅にも関税を適用する」
「企業に対し、関税を避けるため米国内に工場建設を促す」
「法人税のさらなる引き下げを実施」
「関税の水準は念頭にあるがまだ設定していない」
「2.5%よりはるかに大きな関税を望んでいる」
28日09:49 赤沢経済再生相
「利上げが経済に与える影響を注視する」
「中国景気・米政策・景気下振れリスクに十分注意」
「実質金利は大幅なマイナスであり緩和的金融環境は維持されている」
28日15:04 櫻井眞・元日銀審議委員
「経済回復に伴い6月か7月の利上げを予想」
29日03:55 レビット米ホワイトハウス報道官
「カナダとメキシコへの関税発動の2月1日の期限は変更しない」
「大統領はすでに国境に関してカナダとメキシコに何を望むかについて声明を出している」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 12月18-19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
○14:00 ◇ 1月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:36.5)
<海外>
○09:30 ◎ 12月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.5%)
○09:30 ◎ 10-12月期豪CPI(予想:前期比0.3%/前年同期比2.5%)
○16:00 ◇ 2月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲20.0)
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:2.25%に引き下げ)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 12月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.60%)
○22:30 ◇ 12月米卸売在庫(予想:前月比0.2%)
○23:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:3.00%に引き下げ)
○30日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○30日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:4.25-4.50%で据え置き)
○30日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○30日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:13.25%に引き上げ)
○香港、シンガポール、韓国、中国(旧正月)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.54円(前営業日比△1.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.24円(△0.12円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0430ドル(▲0.0062ドル)
ダウ工業株30種平均:44850.35ドル(△136.77ドル)
ナスダック総合株価指数:19733.59(△391.76)
10年物米国債利回り:4.53%(横ばい)
WTI原油先物3月限:1バレル=73.77ドル(△0.60ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2767.5ドル(△29.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米耐久財受注額
(前月比) ▲2.2% ▲2.0%・改
輸送用機器を除く
(前月比) 0.3% ▲0.2%
11月米住宅価格指数
(前月比) 0.3% 0.5%・改
11月米ケース・シラー住宅価格指数
(前年比) 4.3% 4.2%
1月米消費者信頼感指数
104.1 109.5・改
1月米リッチモンド連銀製造業景気指数
▲4 ▲10
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反発。24時前に一時155.05円付近まで下押しする場面もあったが、アジア時間に付けた日通し安値154.49円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。前日に急落した米ナスダック指数が反発すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いを誘った面もあった。1時過ぎには155.76円付近まで持ち直した。
もっとも、NY午後に入ると155円台半ばで値動きが鈍った。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に様子見ムードも強く、大きな方向感は出なかったようだ。
なお、1月米消費者信頼感指数は予想を下回った一方、1月米リッチモンド連銀製造業指数は予想を上回るなど、この日発表の米経済指標は強弱入り混じる結果となった。
・ユーロドルは続落。NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。欧米の金融イベントを控える中、様子見ムードが強く大きな方向感は出なかった。NY時間の安値は1.0414ドル、高値は1.0440ドルで値幅は0.0026ドル程度だった。
なお、欧州中央銀行(ECB)は30日の定例理事会で利下げを決めるとの予想が多い一方、米連邦準備理事会(FRB)は28-29日のFOMCで4会合ぶりに利下げを見送るとの見方が優勢だ。
・ユーロ円は小反発。24時前に一時161.76円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値161.58円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。0時30分前には162.45円付近まで持ち直した。NY午後に入ると、162円台前半で次第に値動きが細った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。中国のAI台頭が警戒されて前日に急落したエヌビディアが反発したほか、ハイテク株が幅広く買われ相場を下支えした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発。メタ・プラットフォームズが買われたほか、前日急落したブロードコムが反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。明日のFOMC結果公表を前に様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。
・原油先物相場は反発。リビアの石油港で、「石油の積み出し作業が地元の抗議活動で妨げられている」との報道が伝わると、供給不安懸念が高まり買いが優勢になった。ドルが堅調に推移すると、ドルで取引される原油先物は割高感で一時弱含む場面もあったが、下落局面では買いが入り反発して引けた。
・金先物相場は反発。昨日大幅に反落したこともあり、明日発表のFOMCの結果を前に買い戻しが優勢になった。米経済の不透明感とインフレ懸念の高まりにより下押した水準では買いが入りやすかった。
28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一時155.05円付近まで下押しする場面もあったが、アジア時間に付けた日通し安値154.49円がサポートとして意識されると155.76円付近まで持ち直した。前日に急落した米ナスダック指数が反発すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いを誘った面もあった。もっとも、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に様子見ムードも強く、155円台半ばで値動きが鈍った。ユーロドルはNY市場に限れば1.04ドル台前半の狭いレンジでのもみ合いに終始。欧米の金融イベントを控える中、様子見ムードが強く大きな方向感は出なかった。
本日は、NY時間の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に、今週から神経質な動きとなっている株や米長期金利をながめながらの展開となるか。
昨日の欧米市場では株価が上昇しており、週初からの中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の競争力に対する懸念を背景とする株安によるリスク回避の動きが一服している。本日も引き続き株式市場の動きに注目したい。株式市場が徐々に落ち着きを取り戻すようならば、市場の関心はFOMCに移ることが予想され、ドル円相場に様子見ムードが漂う展開も想定される。
また、昨日はレビット米ホワイトハウス報道官が「カナダとメキシコへの関税発動の2月1日の期限は変更しない」と発言している。昨日の米長期金利はFOMC前ということで様子見ムードが漂い小動きとなったが、米大統領の政策内容次第で神経質な展開は続くことが予想される。それを受けて米長期金利が動きを見せるようならば、ドル円相場にも影響を及ぼしそうだ。
ただ、本日は通貨の受け渡しが月末日となるスポット末日ということもあり、仲値公示などのタイミングでは通常以上に神経質な動きとなる恐れがある点には注意したい。そのほか、日銀・金融政策決定会合議事要旨(昨年12月18・19日分)も公表予定となっている。
他方、オーストラリアでは10-12月期と12月の消費者物価指数(CPI)が発表予定。豪中銀は四半期CPIのコアインフレ率(トリム平均値)に注目しており、市場予想は前年比+3.3%と前回の+3.5%より小幅低下の見通し。RBAのインフレ目標(2-3%)に一段と近づく場合は来月18日のRBA理事会での利下げも意識されるだけに注意が必要だろう。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39410 +340 (+0.87%)
TOPIX先物 2770.0 +18.0 (+0.65%)
シカゴ日経平均先物 39410 +340
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
28日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。中国の新興企業ディープシークが開発した生成AIの新モデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から前日に急落したエヌビディア<NVDA>が反発したことで、ブロードコム<AVGO>やマーベル・テクノロジー<MRVL>など他のハイテク株に見直し買いが入った。また、先進的なAIチップの中国企業への販売が制限されるなかで、ディープシークの主張には不明な点があることも、前日のパニック的な売りは行き過ぎとの見方につながった。
半面、トランプ大統領が半導体や医薬品、鉄鋼製品などの関税を引き上げると表明するなど、トランプ政権による関税政策に対する警戒感が上値を抑える場面もみられた。関税引き上げによる他国との貿易摩擦や消費への影響などが懸念された。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほか、AI開発コストの低下による恩恵が期待されてセールスフォース<CRM>、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>が買われた。一方で、キャタピラー<CAT>、ホームデポ<HD>、ハネウェル・インターナショナル<HON>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>が軟調。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比340円高の3万9410円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比100円高の3万9170円始まり、その後は3万9070円~3万9250円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後に軟化し、一時3万8940円と下落に転じる場面もみられた。ただし、売り一巡後はリバウンド基調が強まり、終盤に3万9430円まで買われ、3万9410円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは75日移動平均線(3万9050円)を上回って始まり、同線を割り込む場面もみられたが、その後の切り返しによって25日線(3万9300円)を上回って終えた。前日の下落局面(ナイトセッションを含む)でボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)を割り込んだことで値幅調整としては一巡感が意識されており、自律反発が期待される。
エヌビディアの反発が安心感につながるなか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が日経平均型を牽引することになりそうだ。同社はきょう決算発表を控えていることもあり、ショートカバーを強めてくるようだと、センチメントを明るくさせる可能性がある。ハイテク株のリバウンド基調が強まる局面では、ショートカバーを誘う動きに向かわせよう。
日経225先物は25日線水準での攻防が見込まれ、同線での底堅さが意識されてくるようだと、+1σ(3万9810円)が射程に入ってくる。一方で、戻りの鈍さが警戒されたとしても、75日線水準では押し目待ち狙いのロング対応とみておきたい。そのため、オプション権利行使価格の3万9125円から3万9875円のレンジを想定する。
28日の米VIX指数は16.41(27日は17.90)に低下した。一時18.39まで切り上がる場面もみられたが、その後は低下傾向となり、75日線(16.85)、25日線(16.65)を割り込み、200日線(16.18)に接近してきた。パニック的な動きが落ち着きをみせてくるなか、リスク選好が強まりやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.16倍(前日は14.34倍)に急低下した。一時14.12倍まで下げており、昨年12月2日以来の水準まで低下。値がさハイテク株の弱さが目立つなか、連日でTOPIX型優位の状況だった。本日はハイテク株の買い戻しが意識されて、NTショートを巻き戻す動きが先行しよう。ただし、200日線(14.23倍)辺りで抑えられるようだと、NTショートに傾きやすくなりそうだ。
29日の香港株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月3日から再開される。
29日の中国株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月5日から再開される。
昨日の海外市場では、DeepSeekショックも一日の動揺で終わり、ナスダックは2%を超える大幅な上昇。ドル円はFOMCを控えていることもあってか、米長期金利の動向に左右されながらも全般大人しい動きに終始しました。欧州時間に155.98円まで値を上げたものの、その後は米長期金利が上昇幅を消す動きとなると155.05円まで下押し。その後は株価が回復するにつれて155.76円まで買戻されるといった方向感のない展開となりました。引けにかけては155.60円を挟んだもみ合いに終始しています。
アジア時間に入ってからも、香港、シンガポールが休場。スポ末とあって仲値に向けて本邦実需の買いが断続的に観測されるとNY時間の高値を上抜けて一時155.79円まで値を上げたものの、その後は155.48円まで下押すなど、「全くやる気のない展開」が続いているといったところです。
いずれにしても、今夜はFOMC。ただ、市場では「完全なノーイベントとなる可能性が高い」との声も聞かれているわけで、DeepSeekショック、一部では米国が旧ソ連に人類初の人工衛星打ち上げで先を越されたことにあやかって、スプートニクモメントなる呼び声も出てはいるものの、トランプ米大統領はイーロンマスクに宇宙ステーションに取り残されている宇宙飛行士を迎えにいくように指示するなか、市場では突然のリスクオフからの自浄的回復を進めているところです。
日経225先物は11時30分時点、前日比180円高の3万9250円(+0.46%)前後で推移。寄り付きは3万9410円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9410円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には3万9460円まで買われたが、買い一巡後は25日移動平均線(3万9290円)辺りでの攻防となった。中盤にかけて同線を下抜け、一時3万9140円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、下値は75日線(3万9040円)が支持線として意識され、終盤にかけて下げ渋る動きから25日線近辺での推移をみせている。
エヌビディア<NVDA>の反発を受け、直近で日経平均株価を押し下げていたアドバンテスト<6857.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の動向が注目されるなか、買い一巡後はいずれも軟化しており、リバウンド機運が高まりづらい。日経225先物は底堅さが意識されるものの、25日線辺りが抵抗になりつつあるため、リバウンド狙いのロングも限られよう。
NT倍率は先物中心限月で14.12倍に低下した。14.20倍と反発して始まり、一時14.22倍をつける場面もみられたが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、テクニカル面からドル円について考察している。日足一目均衡表による現状分析に基づくと、ドル円は昨年9月以降のドル高・円安トレンドが1月27日時点で継続中。しかし、売りシグナル3つのうち既に2つが点灯しており、トレンドは辛うじて維持できている状態で正念場を迎えているとのこと。三菱UFJMSでは、一目均衡表の「雲」を割り込むと三役逆転で短期的に円高が進むリスクがあるとみており、その際は150円割れの可能性もあると指摘している。
本日のロンドン市場でのユーロドルは、本日から明日にかけて予定されている米・欧での金融政策発表を前に様子見ムードが漂いやすいと見る。
現時点での市場予想は、米は金利据え置き、欧は0.25%利下げとなっている。通常であれば声明で今後の金融政策の方向性が注目されるが、今回は20日にトランプ米大統領が就任した直後であり、声明で米大統領就任による経済への影響についてどのような見解を示すかも、注目点の一つとなっている。それらを見定めようとする動きが強まるようだと、商いが手控えられれやすくなると見る。そうなると、ユーロドルは東京市場に続き1.04ドル台前半でビッグイベント待ちとなる事もありえる。
また、主だった経済イベントは2月独GFK消費者信頼感調査くらいと少なめ。インパクトは小さく、相場への影響は限られそう。欧州金融当局者の発言も特に予定されておらず、手掛かり材料難の様相となっている。
他方、スウェーデン中銀(リスクバンク)が政策金利を発表予定。市場予想は0.25%引き下げて2.25%にすると見られている。もし引き下げられると5回連続となる。昨年12月の理事会の声明で「2025年前半にもう一度金利が引き下げられる可能性」との見方が示される中、8日の12月消費者物価指数(CPI)・前年比がヘッドライン・コア共に予想を下回る伸びに留まったことも、利下げ観測を後押しした模様。声明では今後の金融政策の方向性のほか、トランプ米大統領就任による影響などについても言及があるか気になるところだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル:27日高値1.0533ドル
・スウェーデン・クローナ円:200日移動平均線14.34円
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル
・スウェーデン・クローナ円:日足一目均衡表・雲の上限14.00円
ドル円:1ドル=155.01円(前営業日NY終値比▲0.53円)
ユーロ円:1ユーロ=161.85円(▲0.39円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0441ドル(△0.0011ドル)
日経平均株価:39414.78円(前営業日比△397.91円)
東証株価指数(TOPIX):2775.59(△18.69)
債券先物3月物:141.15円(▲0.03円)
新発10年物国債利回り:1.190%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。仲値前後で155.79円まで上昇する場面があったものの、昨日高値の155.98円手前では上値の重さが意識された。豪ドル円など一部クロス円の下げにつれたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控える中で持ち高調整売りなども進み、一時155.00円まで下押しした。
・豪ドル円は弱含み。10-12月期豪消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る結果となり、豪準備銀行(RBA)が次回(2月17-18日)会合で利下げに動くとの思惑が意識された。昨日安値の96.84円を下抜けて、一時96.80円まで下押しした。
・ユーロ円は上値が重い。10時過ぎに162.49円まで上昇したが、一巡後はドル円や他のクロス円の下げにつれて161.83円まで押し戻された。
・ユーロドルは小高い。狭い値幅内での動きとなったが、対円などでドル売りが進んだ影響もあり、1.0444ドルまでやや買いが入った。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反発。前日の米国株式市場でハイテク株を中心に買い戻しが入り、この日の東京市場でも買いが先行した。寄り付き後には一時430円超高まで上昇。ただ、半導体関連株への買いが続かなかったこともあり、その後はやや伸び悩む場面も見られた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。日経平均株価の上昇で安全資産とされる債券需要が弱まった一方、時間外の米長期金利低下を受けた買いが入り、前日終値を挟んだ水準でやや方向感を欠いた。
「ウクライナにおける危機は、ドナルド・トランプ氏が当時米大統領の職に就いていれば防げた可能性がある」(プーチン露大統領)
1月26日、ウクライナの『Strana』紙が、トランプ米大統領が100日間で「ウクライナ戦争を終結させるとする計画」(100 Day Ukraine Peace Plan)を検討している、と報じた。
ウクライナ大統領府は、100日間の和平計画は、現実には存在しない、と否定した。
トランプ米大統領の野望は、ノーベル平和賞だと言われている。
2025年1月、トランプ米大統領は、イスラエルとイスラム組織ハマスが6週間、停戦することなどで合意したことについて、尽力したと報じられている。
そして、ウクライナ戦争の終結案を作成中、だとも報じられている。
プーチン露大統領は、新たに米国の大統領に就任したトランプ氏と紛争について話し合う用意があると述べている。
■「ウクライナ戦争を終結させるための100日計画」
・1月下旬-2月上旬:トランプ米大統領とプーチン大統領が電話会談を行う
・2月-3月:プーチン露大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領が会談する
・4月20日の復活祭まで:停戦を宣言
・5月9日まで:合意された戦争終結の条件に関する宣言を発表
ウクライナ軍はロシア領のクルスクから撤退し、国連の国際平和会議(IPC)が戦争終結のための両国の仲介作業を開始する。ウクライナ政府には戒厳令の延長や動員を行わないよう要請する。
・ウクライナのNATO加盟を禁じ、中立を宣言すること
・2030年までにウクライナがEUの一員となること
・EUが戦後の復興を支援すること
・ウクライナは自国の軍隊の規模を維持し、アメリカから軍事支援を受け続けることができる
・ロシアによる占領地を奪還しようとする軍事的・外交的試みを放棄し、占領地に対するロシア連邦の主権を公式に承認する
・西側の対ロ制裁は、終戦協定の遵守状況によっては3年以内に解除される可能性
・ロシアの石油・ガスのEUへの輸出制限は解除される代わりに特別関税を課し、その収入はウクライナの復興に充てられる
大阪3月限
日経225先物 39590 +520 (+1.33%)
TOPIX先物 2779.5 +20.5 (+0.74%)
日経225先物(3月限)は前日比520円高の3万9590円で取引を終了。寄り付きは3万9410円とシカゴ日経平均先物清算値(3万9410円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万9460円まで買われたが、買い一巡後は25日移動平均線(3万9300円)辺りでの攻防となった。前場中盤にかけて同線を下抜け、一時3万9140円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
ただし、下へのバイアスは強まらず、前場終盤にかけては25日線近辺での推移となった。ランチタイムで軟化し、現物の後場開始直後に再び3万9140円まで上げ幅を縮小したものの、底堅さが意識されてショートカバーを誘う格好となり、終盤に上げ幅を広げ、3万9590円と日中の高値で取引を終えた。
米国市場でのエヌビディア<NVDA>の反発を受け、直近で日経平均株価を押し下げていたアドバンテスト<6857.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の動向が注目されたが、買い一巡後はいずれも軟化したことで、前場の段階ではリバウンド機運が高まりづらい状況だった。
だが、後場終盤にオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング<ASML>の予想を上回る決算が伝わったことをきっかけに、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンが再びリバウンド基調を強めた。これを受けて先物市場でショートカバーを誘った形だろう。
日経225先物は節目の3万9500円を回復してきた。同水準では強弱感が対立しやすいとみられるが、25日線辺りが支持線として機能すると、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9830円)とのレンジ推移になりそうだ。節目の3万9500円から25日線辺りでは押し目狙いのロング対応とし、3万9500円が支持線として意識されてくる局面では、+1σを目先のターゲットとしたロングが強まりそうだ。
なお、アドバンテストは引け後に、2025年3月期の業績予想を上方修正した。生成AI半導体向けの試験装置の需要が拡大し、関連製品や保守サービスも伸びたことで、営業利益を従来予想の1650億円から2260億円に引き上げた。PTS(私設取引システム)では6%を超える上昇で推移しており、ADR(米預託証券)でも強い基調が続くようだと、ナイトセッションでロングに傾きやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。反発して始まったが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で一時14.11倍まで下げるなど、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせた。ただし、後場終盤にかけて値がさハイテク株が買い戻されたことで、一気にNTショートを巻き戻す動きが強まった。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5674枚、ソシエテジェネラル証券が1万3089枚、SBI証券が4083枚、サスケハナ・ホンコンが3462枚、バークレイズ証券が2343枚、JPモルガン証券が1459枚、野村証券が1408枚、日産証券が1378枚、ゴールドマン証券が1301枚、モルガンMUFG証券が1237枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7342枚、ソシエテジェネラル証券が1万2378枚、バークレイズ証券が5066枚、JPモルガン証券が3230枚、モルガンMUFG証券が1923枚、ゴールドマン証券が1443枚、ビーオブエー証券が985枚、野村証券が849枚、みずほ証券が691枚、SBI証券が556枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領による突発的な発言に警戒しながらの取引は依然として変わらず。ただ最も重要なイベントは、明朝の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見。その前、ニューヨーク前半のカナダ中銀会合にも目を向けておきたい。
FOMCでは、FF金利誘導目標4.25-50%の据え置きはほぼ確実視されている。ポイントは、昨年12月のドット・プロット(金利予測分布図)やCME「フェドウオッチ」が示す今年の利下げ2回(※FF金利誘導目標3.75-4.00%)への言及となる。また、2022年半ばに開始した量的金融引締政策(QT、バランスシート圧縮)の終了時期が示されるのか否かも、市場参加者は気にかけているようだ。
先週のダボス会議でトランプ米大統領は「石油輸出国機構(OPEC)に引き下げを要請する」と述べ、「要求が通れば、FRBにただちに利下げを要請する」と表明。対内的にもエネルギー政策の転換を宣言し、原油と天然ガスの採掘の促進(ドリル・ベイビー・ドリル)とアピールしている。明朝のパウエルFRB議長の記者会見では、トランプ大統領の意図通りに原油価格が下落した場合、その利下げの余地に関する見解に気を付けておきたい。
なお、第1次トランプ米政権で指名され、次期FRB議長の候補でもあるウォラーFRB理事は、先日「インフレの良好な数字が続けば、今年の前半に利下げがなされるのが妥当と考えるだろう。3月利下げの可能性も完全には排除しない」と述べていた。FOMCでは、ウォラーFRB理事が利下げに票を投じるのか否かにも確認が必要だろう。
カナダ中銀(BOC)会合については、現行3.25%の政策金利を3.00%に引き下げ決定が大方の見立て。予想通りであれば、6会合連続の引き下げとなる。カナダでは、足もとのインフレが再び鈍化し、さえない経済データも目立ってきた。くわえて、トランプ関税がまもなく発動する可能性が高まっており、カナダ経済の先行き不透明感が深まっている。そういったなか、マックレムBOC総裁がどのような見解を示すか注目される。
想定レンジ上限
・ドル円の上値目処(めど)、156.30円(日足一目均衡表・基準線)
・ドル/カナダドル(CAD)、21日高値1.4516CAD
想定レンジ下限
・ドル円の下値目処(めど)は、154.24円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ドル/カナダドル、20日安値1.4261CAD
SMBC日興証券では、日本政府が3月に任期満了となる安達誠司日銀審議委員の後任に小枝淳子氏を充てる人事案を国会に提示したことを受けてリポートしている。小枝氏は過去の論考において金利上昇の必要性を指摘しているとのこと。ハト派の安達委員から中間派の小枝氏の交替が実現すれば、政策委員構成においてハト派色が薄れると指摘している。一方、安達審議委員の過去の投票行動まで踏まえれば、実質的に大きな差異は生じない可能性が高いともコメント。政策委員におけるスタンスの重心の変化を考える上では、ハト派色が最も濃く6月30日に任期切れを迎える中村委員の後任こそ重要とSMBC日興では考えている。
SMBC日興証券では、中国の1月製造業PMIを受けてリポートしている。1月は49.1と昨年12月の50.1から急低下した。過去のデータからは春節前の1月に製造業PMIは低下することが多いとのこと。2025年1月は春節前の月にも関わらず、主要産業の稼働率の低下幅はそれほど大きくない印象を受けたとSMBC日興ではコメントしている。ただし、受注の減速幅は大きいと指摘。特に新規輸出受注指数は46.4と、昨年12月の48.3からさらに低下した。輸出の先行指標である韓国の輸出額や港湾の貨物量もやや弱く、関税環境が不透明な中、消費や投資の刺激策がさらに重要になるとSMBC日興では考えている。
今晩は金融政策に注目。昨日はディープシーク・ショックで前日に急落したエヌビディアなどが大きく反発し、ナスダック総合が2.03%高と大幅反発した。S&P500も0.92%高と反発し、ダウ平均は136.77ドル高(+0.31%)と2日続伸した。週初からの2日間ではダウ平均が0.96%高となった一方、S&P500が0.55%安、ナスダック総合が1.11%安となった。センチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の17.90ポイントから16.41ポイントに低下した。
今晩の取引では先行きの金融政策の見通しを巡り取引時間午後に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる。今会合ではCMEのフェドウォッチ・ツールの利下げ確率がほぼ0%と、政策金利の据え置きが確実視されているが、先行きの利下げ見通しを巡り会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見が注目される。トランプ米大統領は就任後のダボス会議で政策金利は直ちに引き下げられるべきだと発言しており、パウエルFRB議長の記者会見が利下げに前向きなハト派的な内容となるか否かが焦点となりそうだ。決算発表は引け後にメタ、IBM、マイクロソフト、テスラのマグニフィセント・セブンの一角が発表予定で、引け後の動きにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC結果公表、パウエルFRB議長記者会見のほか、MBA住宅ローン申請指数、12月卸売在庫速報値など。決算発表は寄り前にスターバックス、TモバイルUS、ノーフォーク・サザン、引け後にメタ、IBM、マイクロソフト、テスラ、IBM、ウエスタン・デジタルなどが発表予定。
日経平均株価は反発。10日移動平均線(39248円 1/29)や25日移動平均線(39286円 同)上を回復する陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の60.6%→64.1%(1/28)へ上昇。あすも上昇しやすいタイミングとなる。前日からの見方に大きな変化はないが、一目均衡表の雲上限(39231円 同)の上を回復しており、1/27安値~1/24高値までの上昇幅に対する半値押し(39167円)前後で下げ止まった状態を維持できるかが重要。あすは一目均衡表の転換線(39167円 同)が上向くことで、株価に好影響を与えるかが注目される。
上値メドは、心理的節目の39500円や40000円、1/24高値(40279円)、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、100日移動平均線(38677円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.05円(29日15時時点比△0.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.58円(▲0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0421ドル(▲0.0020ドル)
FTSE100種総合株価指数:8557.81(前営業日比△23.94)
ドイツ株式指数(DAX):21637.53(△206.95)
10年物英国債利回り:4.621%(△0.007%)
10年物独国債利回り:2.583%(△0.018%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲22.4 ▲21.4・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは下げ渋り。2月独消費者信頼感指数(Gfk調査)が予想を下回るとユーロ売り・ドル買いが先行。ドイツ政府が今年の成長率予測を1.1%から0.3%に下方修正したことも相場の重し。欧州中央銀行(ECB)が明日30日の定例理事会で利下げを決めるとの観測もユーロ売り・ドル買いを促し、22時30分前に一時1.0383ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり1.0429ドル付近まで下げ渋った。本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前にポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。
・ドル円は小幅安。本日のFOMC結果公表を前に様子見ムードが強く、しばらくは大きな方向感が出なかった。ただ、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに向けて円買い・ドル売りのフローが観測されると一時154.94円と日通し安値を付けた。FOMC結果公表を前にポジション調整目的のドル売りも出た。
・ユーロ円は22時30分過ぎに一時161.31円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.82円付近まで下げ渋った。ユーロドルにつれた動きとなった。
・米ドルカナダドルは伸び悩み。カナダ中銀(BOC)による利下げ観測を背景に全般カナダドル売りが先行すると、23時過ぎに一時1.4472カナダドルまで値を上げたものの、買い一巡後は徐々に売りが優勢となり、1.4404カナダドル付近まで下押しした。
なお、BOCはこの日、政策金利を現行の3.25%から0.25%引き下げて3.00%にすることを決めたと発表。市場の予想通りとなった。声明では「米新政権による貿易関税の脅威により、通常よりも不確実性にさらされている」「経済は徐々に強まり、インフレは目標近辺で推移すると予想される」「しかし、広範囲にわたる大規模な関税が課された場合、カナダ経済の回復力が試されることになる」と指摘し、トランプ政権の通商に関する具体策がより明確になるまでは、金融政策のさらなる調整は行わない可能性を示唆した。
・ロンドン株式相場は3日続伸。FOMC結果公表を控えて様子見ムードが漂う中、小幅ながら上昇した。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米国株相場や本日の日本株相場の上昇を受けて、独株にも買いが波及した。個別ではダイムラー・トラック・ホールディング(7.57%高)やシーメンス・エナジー(4.93%高)、ドイツテレコム(4.65%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。
29日の日経平均は4日ぶり大幅反発。終値は397円高の39414円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり856/値下がり742。フジメディアが商いを伴って7%を超える上昇。ソニーGが上場来高値を更新した。直近で売り込まれた半導体・電線では、アドバンテストのほか、古河電工やSCREENの動きが良かった。3Q決算が好感された東光高岳が急伸。ジオコードがリリースを材料にストップ高まで買い進まれた。
一方、主力どころではIHIや任天堂が軟調。ローム、太陽誘電、京セラなどハイテク株の一角が売りに押された。日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社がそろって下落。3Q決算が失望を誘った日清製粉Gが大幅安となった。
日経平均は大幅高。序盤と終盤の動きが良く、大きく水準を切り上げた。寄った後に高く始まった半導体株や電線株が失速したが、そこで指数が大崩れしなかったことで、下値不安が大きく後退した。後場に一段高が見られたことで、終値(39414円)では25日線(39286円、29日時点)を上回った。
本日は米国でFOMCの結果が公表される。今回は政策金利の据え置きが濃厚で、その織り込みも進んでいる。注目はパウエルFRB議長の会見となるが、直前でエヌビディアなど半導体が急落しているだけに、マーケットを不安にさせるような発言は控えるだろう。引け後にはマイクロソフト、テスラ、メタなどが決算を発表予定で、あすの東京市場ではこれらの時間外の反応を消化することになる。国内では本日引け後にアドバンテストが上方修正や増配を発表している。
FOMCを波乱なく消化し、米主力グロース株の時間外の反応が強ければ、投資家のセンチメントは一気に強気に傾くと思われる。一方、FOMCが米国株の売り材料になってしまった場合や、米主力グロース株の時間外の反応が著しく悪かった場合には、リスク回避ムードが強まる展開も想定される。各種材料からは大型グロース株の動向が大きく注目される。あすは日経平均が改めて4万円より上を試しにいけるかどうかの分岐点となるかもしれない。
29日15:12 石破首相
「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」
「デフレ脱却に向けた歩み着実に進んでいる、日銀と認識の相違ない」
「昨年来の日銀政策変更、賃金と物価の好循環などの広がりが背景」
29日16:43 加藤財務相
「ベッセント米財務長官と為替について緊密に協議することを確認した」
「地政学な諸課題についても議論した」
29日23:50 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「理事会は政策金利を0.25%引き下げ、バランスシートの正常化を完了し、量的引き締めを終了する計画を発表」
「3月初めに資産購入を再開する。バランスシートが安定し、その後経済成長にあわせて緩やかに増加するよう徐々に開始する」
「急速に変化する政策環境、特に米新政権による貿易関税の脅威により、通常よりも不確実性にさらされている」
「世界経済は今後2年間で約3%の成長を続けると見込む」
「米国の成長率は、主に消費の伸びにより上方修正された」
「米国の債券利回りは、力強い成長とより持続的なインフレにより上昇」
「カナダの利回りはわずかに低下している」
「カナダドルは、主に貿易の不確実性と米ドルの全般的な強さを反映して、米ドルに対して大幅に下落」
「カナダでは、過去の金利引き下げが経済を押し上げ始めている」
「労働市場は依然として軟調で、12月の失業率は6.7%である」
「雇用の伸びは、1年以上労働力の伸びに遅れをとった後、ここ数カ月で強まっている」
「GDPは2025年に強まると予測している」
「CPIインフレ率は2%近くで推移している」
「CPIインフレ率が今後2年間で2%の目標付近になると予測」
「米国の関税の脅威を除けば、見通しに関する上振れリスクと下振れリスクは十分にバランスが取れている」
「本日発表された見通しでは、経済は徐々に回復し、インフレは目標に近い水準にとどまると見込まれている」
「しかし、広範囲かつ大幅な関税が課された場合、カナダ経済の回復力が試されることになる」
「我々は動向を注意深く見守り、カナダの経済活動、インフレ、金融政策への影響を評価していく」
「国民の物価安定を維持することに尽力する」
30日01:04 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「関税の脅威がなければ、インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡」
「これまでのカナダドルの下落は貿易の不確実性によるところが大きい」
「カナダドルの下落は何らかの影響を及ぼし始めるだろう」
「関税の脅威が我々の決定に重くのしかかったことは間違いない」
30日01:16 ラトニック米商務長官候補
「関税は公平性を生み出すために利用できる 」
「一律関税の方が望ましい」
※時間は日本時間
2025/01/30 05:26
30日04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「最近の指標は、経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示している」
「失業率はここ数カ月、低水準で安定しており、労働市場の状況は引き続き堅調」
「インフレ率はやや高止まりしている」
「委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す」
「委員会は、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクがほぼ均衡していると判断」
「経済の見通しは不確実で、委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視している」
「目標を支援するため、委員会はFF金利の目標誘導レンジを4.25-4.50%で据え置くことを決定した」
「FF金利の目標誘導レンジに対する追加調整の程度と時期を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」
「委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける」
「委員会は雇用最大化を支援し、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する」
「もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」
「委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の金融政策決定は全会一致」
30日04:36 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「経済は全体的に堅調」
「インフレ率は2%の目標に近づいたが、依然としてやや高い」
「失業率は4.1%で低水準を維持」
「政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」
「インフレへのリスク、雇用目標はほぼ均衡」
「FRBは金融政策のフレームワーク見直しの議論を開始」
「FRBは夏の終わりまでに見直しを終える予定」
「インフレ目標は見直しの焦点にはならない」
「政策見直し後もFRBの2%インフレ目標は維持される」
「金利についてトランプ大統領と連絡を取っていない」
「金利に関するトランプ大統領の発言についてコメントを控える」
「FRBの政策は適切」
「労働市場は実に幅広く安定している」
「さらなる金利変更を検討するにはインフレの実質的な進展、または労働市場の弱さを確認する必要がある」
「インフレに関する文章を短縮することを選択しただけ」
「インフレに関する文言はシグナルを送るためのものではない」
「移民、関税、財政政策で何が起こるか分からない」
「FOMCはどのような政策が施行されるか見守っている」
「現状よりかなり多くのことが分かるまで行動しない」
「FRBは12カ月間のインフレの進展を確認する必要がある」
「政策金利は中立水準を有意に上回ると言える」
「追加利下げはインフレ2%達成を待つ必要ない」
「現在の資産価格は高水準にあると多くの指標が示している」
※時間は日本時間
日米両政府は2月7日に米ワシントンで石破茂首相とトランプ大統領が初めて会談する方向で最終調整に入ったと朝日新聞が伝えた。
(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.22円(前営業日比▲0.32円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.76円(▲0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0421ドル(▲0.0009ドル)
ダウ工業株30種平均:44713.52ドル(▲136.83ドル)
ナスダック総合株価指数:19632.32(▲101.27)
10年物米国債利回り:4.53%(横ばい)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.62ドル(▲1.15ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2769.8ドル(△2.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲2.0% 0.1%
12月米卸売在庫
(前月比) ▲0.5% ▲0.1%・改
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
4.25-4.50%で据え置き 4.25-4.50%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前にポジション調整目的の売りが先行。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローが観測されると一時154.94円と日通し安値を付けた。
米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利を4.25-4.50%で据え置くことを決めたと発表。声明では、労働市場についての認識を「概して緩みつつある」から「堅調」に修正。インフレに関しては前回と同様に「幾分高止まりしている」としたものの、「2%の目標に向けて進展してきた」との表現を削除した。FRBが今後の利下げに慎重な姿勢を示したとの受け止めから、米長期金利の上昇とともにドル買いが入ると155.61円付近まで値を上げる場面があった。
ただ、パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で、インフレに関する文言削除について「特に何かを示唆するものではない」と説明すると再び上値が重くなった。なお、パウエル氏は「経済が堅調であるため、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」とし、「追加利下げにはさらなるデータが必要だとの見方は変わっていない」と話した。
・ユーロドルは小幅ながら3日続落。欧州中央銀行(ECB)が明日30日の定例理事会で利下げを決めるとの観測を背景にユーロ売り・ドル買いが進行。22時30分前に一時1.0383ドルと日通し安値を付けた。
売り一巡後は買い戻しが優勢となり1.0429ドル付近まで下げ渋ったものの、大きな方向感は出ず。FOMCの結果やパウエルFRB議長の発言後も売買が交錯し、相場はもみ合いとなった。
・ユーロ円は反落。22時30分過ぎに一時161.31円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.84円付近まで下げ渋った。ユーロドルと似た動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。FRBがFOMC声明で「今後の利下げに慎重な姿勢を示した」との受け止めが広がると株売りが優勢となった。指数は一時270ドル超下落する場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落。「トランプ米政権はエヌビディアの中国販売抑制の厳格化を協議」との一部報道が伝わると、ハイテク株に売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。FOMC結果公表後は売りが優勢となったものの、売り一巡後は一転買い戻しが入り持ち直した。
・原油先物相場は反落。リビアの石油港での抗議活動が協議後に解決したことを受けて、供給不安懸念が弱まったことで売りが先行した。また、米加墨の通商摩擦で、カナダやメキシコからの原油輸入に大幅な関税をかけると、米国の精製品の価格が上昇する可能性が高く、貿易戦争が世界経済の成長に打撃を与える可能性が高いため、エネルギー需要が落ち込む可能性があることも売り要因となっている。なお、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫はまちまちな結果だったことで、市場の反応は限られた。
・金先物相場は続伸。米経済の不透明感が支えとなり続伸して引けた。もっとも、FOMCの結果発表や、そのあとのパウエルFRB議長の会見を待つ展開になり、限られた値幅での取引となった。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39270 -320 (-0.80%)
TOPIX先物 2765.0 -14.5 (-0.52%)
シカゴ日経平均先物 39270 -320
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
29日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定した。声明文で今後の利下げに慎重な姿勢を示し、市場はタカ派的と受け止めた。FOMCの結果公表後には米長期金利が上昇する場面もみられ、NYダウの下げ幅は一時200ドルを超えた。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>の下げが目立った。トランプ政権が同社の中国向け販売の規制強化を検討すると報じられたほか、中国のアリババ<BABA>がディープシークを超える新しいAIモデル「Qwen2.5-Max」を発表したことも警戒されたようだ。
そのほか、セールスフォース<CRM>、ホームデポ<HD>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、ボーイング<BA>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>が下落。一方で、IBM<IBM>、ナイキ<NKE>、アップル<AAPL>、キャタピラー<CAT>が上昇した。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比320円安の3万9270円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万9560円始まり、直後につけた3万9610円を高値に、3万9450円~3万9550円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後に下へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万9130円まで下げ幅を広げる場面もみられた。ただし、終盤にかけて下げ幅を縮めており、3万9270円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。FRBはFOMCで政策金利を据え置き、声明文で利下げペースが鈍化するとの見方が広がったが、予想の範囲内と考えられ、影響は限られよう。ただし、エヌビディアの下落が指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となる。
また、取引終了後に決算を発表したマイクロソフトが時間外取引で下落していることも神経質にさせそうだ。一方で、ラムリサーチ<LRCX>は決算評価から時間外で6%を超える上昇をみせているほか、国内では前日の大引け後に決算を発表したアドバンテスト<6857.T>[東証P]がADR(米預託証券)で4%近く上昇しており、東京市場の反応に注目が集まろう。
日経225先物は25日移動平均線(3万9310円)をキープできなかったものの、75日線(3万9050円)が支持線として意識されており、本日も25日線辺りでの攻防になりそうだ。ディープシークによるパニック的な売りは落ち着いたとみられ、短期的なショートから75日線に接近する局面では押し目狙いのロング対応としたい。
そのため、オプション権利行使価格では3万9125円から3万9625円のレンジを想定する。売り一巡後に25日線回復から底堅さをみせてくる局面では、ロングを強めてくる可能性がありそうだ。
29日の米VIX指数は16.56(28日は16.41)に上昇した。一時18.08まで切り上がる場面もみられたが、その後は低下傾向となり、200日線(16.18)が支持線として機能したものの、75日線(16.81)、25日線(16.64)を下回って終えた。FOMC通過によるアク抜けも意識されてくると考えられ、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。反発して始まり、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で一時14.11倍まで下げるなど、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせた。ただし、ASMLホールディング<ASML>の予想を上回る決算が伝わると、後場終盤にかけて値がさハイテク株が買い戻され、一気にNTショートを巻き戻す動きが強まった。本日はアドバンテスの反応次第の面はあるが、引き続き200日線辺りが抵抗になるようだと、NTショートに振れやすいだろう。
29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んで一時154.94円まで下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通り政策金利は4.25-4.50%で据え置かれた。声明でFRBが今後の利下げに慎重な姿勢を示したとの受け止めから、米長期金利の上昇とともに155.61円付近まで上昇。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見で、インフレに関する文言削除について「特に何かを示唆するものではない」と説明すると再び上値が重くなった。ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)が明日30日の理事会で利下げを決めるとの観測を背景に1.0383ドルまで下落。売り一巡後は買い戻しが優勢となり1.0429ドル付近まで戻すなど、大きな方向感は出なかった。
本日の東京市場でのドル円は、日米の金融イベントを通過したこともあり、米長期金利や株式市場の反応を見ながら方向感を探る展開が見込まれる。
昨日のFOMC声明は「今後の利下げに慎重な姿勢を示した」との受け止めが広がったことで、米国株の主要3指数はそろって反落する展開となった。米株安が東京市場でも意識されるようならば、クロス円主導でドル円の上値を重くする可能性がある。
また、米10年債利回りは声明を受けて上昇する場面が見られたが、上昇が一服すると押し戻されるなど方向感が定まらなかった。ただ、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループの「フェドウオッチ」が示す次回3月の金利据え置き観測は8割と前日の7割弱から上昇しており、早期利下げ観測は一段と後退している。このことを背景として米長期金利が上昇する場面では、ドル円を押し上げることも考えられる。
15時10分頃からになるが、氷見野日銀副総裁の講演が予定されている。前週末に日銀会合を消化したほか、28日に日銀が発表した12月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標では、「刈込平均値」が+1.9%、「加重中央値」も+1.0%といずれも2カ月連続で前月を上回った。インフレ見通しを始め金融政策への言及があれば材料視されるかもしれない。
そのほか引き続き注意が必要なのは、トランプ米政権の政策だろう。昨日はトランプ政権当局者が「エヌビディアの中国販売抑制の厳格化を協議」との報道が伝わると、エヌビディア株とナスダック総合が一時急落し、クロス円も下押す場面が見られた。トランプ氏が「アメリカ・ファースト」を掲げている以上、関税を始めとした政策を受けて神経質な展開を迫られることには備えておきたい。
30日の香港株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月3日から再開される。
30日の中国株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月5日から再開される。
SMBC日興証券では、1月のFOMCを受けてリポートしている。FRBは金融政策運営を据え置いたが、当然の様子見とSMBC日興では捉えている。今後に関しては金融政策スタンスの調整を急ぐ必要はなく、3月会合で追加利下げに至る可能性は極めて低いとみている。ただし、インフレ率の低下を実績として確認した後にFRBは追加利下げに動くと予想。トランプ政権の経済政策がはらむ不確実性は高いとしながらも、基本シナリオとして4-6月期と7-9月期、10-12月期に25bpが1回ずつ、合計75bpの利下げをFRBが2025年に講じると見込んでいる。
ワシントンDCのレーガン・ナショナル空港(DCA)付近で航空機事故が発生したとの一部報道が伝わっている。商業用ジェット機がヘリコプターと衝突した模様で事故機はポトマック川に墜落したとされているが、詳細はまだ確認されていないとのこと。なお、民間航空局が離着陸を停止させる措置を行っているとも報じられている。
日経225先物は11時30分時点、前日比100円安の3万9490円(-0.25%)前後で推移。寄り付きは3万9260円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9270円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。現物の寄り付き直後には3万9210円まで売られたがナイトセッションでつけた安値(3万9130円)は下回らず、底堅さが意識された。中盤にかけて25日移動平均線(3万9320円)を上回っての推移が続くなか、終盤に一時3万9520円まで下げ幅を縮めている。
エヌビディア<NVDA>の下落の影響が警戒されていたが、アドバンテスト<6857.T>[東証P]が決算評価から買われたほか、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]もプラス圏での推移となったことで、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせた。節目の3万9500円では強弱感が対立しやすいとみられるが、25日線を支持線としたボリンジャーバンドの+1σ(3万9830円)とのレンジが意識されてくる可能性もあり、積極的にショートに傾けるのは控えておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。一時14.22倍をつける場面もみられたが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせている。
昨日の海外市場では、市場の予想通り、FOMCはほぼ無風で終わったわけですが、市場が敢えて意識したことといえば、声明文から「インフレは2%の目標に向けて進展している」との文言が削除された点。声明文では通常、第一段落において経済情勢についての見解がまとめられているわけですが、インフレについての言及はかかる文言を削除した上で「インフレ率はやや高止まりしている」だけの表現となりました。
ドル円は一時155.61円まで買われたものの、その後にパウエルFRB議長が定例記者会見で「草稿上の変更であって見通し変更のシグナルを送る意図はない」ことを表明すると戻り売りといった反応。また、3月利下げは議論しているのか?との質問に対しては「広い意味での委員会の認識では政策調整を急ぐ必要はない」と答えています。
いずれにしても、想定内の動きではありますが、インフレに対する文言の削減は、変更のシグナルではないとはいえ、明らかに当局からのメッセージであって、それはまさに、「しばらくは変更を検討する必要がない」ということ。日銀とのコミュニケーションに絶望感を抱く市場にとっては、何とも安堵感を与える結果となりました。
そして、ゴトー日の東京市場では、香港、シンガポールが休場とあって流動性に問題を抱えるなか、本邦輸出の売りが目立つ動き。昨日安値の154.94円を下抜けたことから、目先は短期筋のSLも巻き込むかたちで下げ足を速め一時154.29円まで値を下げるなど、「意外と値幅を作る動き」となっていますが、月末絡みのフローが一巡した後は、一目雲上限が位置する154.49円付近を意識する動きとなっていきそうです。
トランプ米政権は、半導体大手エヌビディアの中国向け販売に追加的な規制の導入を検討しているもようだ。ただ、検討は初期段階にあるという。『AAストックス』が30日伝えた。
関係者によると、エヌビディアが現行規制に準拠して中国向けに設計した半導体「H20」にも規制を拡大する可能性がある。「H20」は人工知能(AI)ソフトウエアやサービスの開発、運用に使用できる。現時点では規制対象になっていない。
東海東京インテリジェンス・ラボではユーロ相場についてリポート。ユーロは対ドルで一時1ユーロ=1.0170ドル台まで下落後に1.05ドル台まで反発し、足元は1.04ドル台で推移。一方、対円では概ね1ユーロ=160~164円台でレンジ取引を形成しているとのこと。「DeepSeek」ショックを受けた米金利低下に伴うドル安により、ユーロはいったんパリティ(1ユーロ=1ドル)割れを免れた格好。ただし戻りは鈍く、パリティ割れの可能性は依然くすぶっていると東海東京ではコメントしている。
本日は欧州で多数の経済イベントが予定されているが、その中で最も注目されるのは、欧州中銀(ECB)理事会だろう。
今回のECB理事会について、市場予想は政策金利を0.25%引き下げて2.90%にすると見られている。金利先物市場では今年末のECBの政策金利について、0.25%の利下げが今回を除いて約3回織り込まれる水準となる中、声明やラガルドECB総裁会見でどのような見通しが示されるか注目したい。
また、ラガルドECB総裁は前回の会見でインフレ抑制について、中期的には2%の物価目標に向けて順調に進んでいるとの見方を示した。今回も緩和的な金融政策の継続を示唆することがあれば、当面の金利据え置き観測が浮上している米国との金融政策の方向性の違いが、ユーロドルの重しとなる事も考えられる。
ただし、前回の声明で「特定の金利経路を事前にコミットしない」としたように、今後の金融政策についての言質を与えないことも考えられる。そのほかトランプ米大統領が就任したことで、関税や政策を通した欧州経済への影響についての言及があるかも気になる。
ECB理事会の前に、仏・独・ユーロ圏で10-12月期国内総生産(GDP)速報値の発表も予定されている。今回はECB理事会の陰に隠れてしまいがちだが、ユーロ圏の景況感を推し量る上で結果は確認しておきたいところ。市場予想は前期比で仏が±0.0%、独は-0.1%、ユーロ圏は+0.1%と、いずれも6-9月期からの減速が見込まれている。
他方、南アフリカでも金融政策の発表を控えている。市場予想は政策金利を0.25%引き下げて7.50%にすると見られている。同国の消費者物価指数は、12月こそ+3.0%となったが、10・11月と南ア準備銀行(SARB)の目標レンジ(3-6%)を下回っていた。今後の金融政策の行方について言及があれば材料視されそうだ。そのほか、トランプ政権の政策による南ア経済への影響について言及があるか気になるところだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル:ピボット・レジスタンス2の1.0477ドル。超えると27日高値1.0533ドル
・ランド円:日足一目均衡表・雲の下限8.45円
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル。割り込むと14日安値1.0239ドル
・ランド円:27日安値8.22円
ドル円:1ドル=154.48円(前営業日NY終値比▲0.74円)
ユーロ円:1ユーロ=161.00円(▲0.76円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0422ドル(△0.0001ドル)
日経平均株価:39513.97円(前営業日比△99.19円)
東証株価指数(TOPIX):2781.93(△6.34)
債券先物3月物:141.01円(▲0.14円)
新発10年物国債利回り:1.210%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1780億円の取得超 8184億円の所得超・改
対内株式
7530億円の取得超 690億円の処分超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。アジア時間を通じて目立った手掛かり材料はなかったものの、月末絡みのフロー主体の動きで売りに押された。昨日安値の154.94円を下抜けると下げ足を速め、一時154.29円まで下押し。その後は154.70円台まで買い戻しが入ったが、戻りは限られた。
なお、氷見野日銀副総裁からは「経済・物価見通し実現していけば、それに応じて金融緩和の度合い調整」「0.5%への利上げ後も実質金利は大幅なマイナス、緩和的な環境は維持される」などの見解が伝わった。
・ユーロ円も弱含み。全般に円買いが進んだ流れに沿って11時30分過ぎに160.84円まで下落し、その後もドル円と同様に戻りは限られた。
・ユーロドルは小動き。15時30分過ぎに1.0411ドルまで下落したものの、ここまでは1.04ドル台前半での狭いレンジ内推移が続いている。
・日経平均株価は続伸。前日の米国株式市場でハイテク株が下落した流れを引き継いで売り先行となったが、一巡後は半導体関連株が持ち直したことを手掛かりに下げ幅を縮小した。株価指数先物への買いが観測されたこともあって指数はプラス圏に浮上。一方で、上値では戻り待ちの売りや利益確定目的の売りに頭を押さえられた。
・債券先物相場は続落。米金利の先高観から日本国債も売りが強まった。日銀の年内利上げ観測が高まっていることも相場の重しとなった。
香港金融管理局(HKMA)は30日、米連邦準備制度理事会(FRB)の動きに合わせて、基準金利を4.75%に据え置いた。基本的に香港ドルが米ドルにペッグ制で連動しているため、香港の金融政策は米国に追随する。HKMAは今後の金利動向について不確実性を指摘し、当面は高水準が続く可能性を示唆。米国では、インフレと雇用データが適切な水準に達するまで金利引き下げを急がない方針が示された。
HKMAは香港の金融・通貨市場が引き続き安定していると述べ、市民に対して不動産購入やローン契約時の金利リスク管理を呼びかけている。トランプ政権の政策影響が不透明な中、米国と香港の金融政策は当面様子見の状態が続くと予想される。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ブラジル中銀、ガリポロ体制下の初会合も大幅利上げで「タカ派」堅持
次回会合でも同程度(100bp)の利上げに含み、タカ派堅持の一方でレアル相場には不安要因が残る
ブラジル中銀は28~29日の定例会合で4会合連続の利上げを決定した。利上げ幅は2会合連続で100bpと大幅となり、政策金利は13.25%と1年5ヶ月ぶりの水準となる。中銀の金融引き締めや商品高の一巡を受けて、一時18年ぶりの水準に高進したインフレは頭打ちし、中銀は一昨年以降利下げに動いてきた。しかし、利下げによる景気回復や異常気象を受けて昨年後半以降のインフレは再び加速し、足下では中銀目標を上回る推移が続く。さらに、ルラ政権の財政運営への懸念が折からの米ドル高も相俟ってレアル相場の調整を加速させるなど、輸入インフレ懸念もくすぶる。こうしたなかで今月総裁に就任したガリポロ氏もタカ派姿勢を強めており、次回会合でも同程度(100bp)の利上げに含みを持たせる考えをみせる。足下のレアル相場は米ドル高の一服を受けて底打ちしており、実質金利の高さも投資妙味に繋がる一方、ルラ政権の財政運営に対する不透明感がくすぶることを勘案すれば、当面は一進一退の展開をみせる可能性がある。
「私は政策金利について、その決定を主に任されている人物よりはるかによく理解しているのは確かだ。パウエルFRB議長はインフレ問題解決に失敗した」(トランプ米大統領)
1月29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、インフレ率が目標に向けて「進展(progress)」しているとの文言が削除され、パウエルFRB議長が「利下げ急ぐ必要ない」と述べたことで、タカ派的な据え置きとなった。
1. FOMCの金融緩和(2024年~)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2024年9月:4.75%~5.00%(第1次利下げ)▲0.50% +2.5% +2.5%
・2024年11月:4.50%~4.75%(第2次利下げ)▲0.25% +2.4% +2.1%
・2024年12月:4.25%~4.50%(第3次利下げ)▲0.25% +2.7% +2.3%
・2025年1月:4.25%~4.50%(据え置き)
2.FOMCの金融引締め(2022年~2023年)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2023年11月;5.25%~5.50%(据え置き)
・2023年09月:5.25%~5.50%(据え置き) +3.7% +3.4%
・2023年07月:5.25%~5.50%(第11次利上げ) +3.2% +3.3%
・2023年06月:5.00%~5.25%(据え置き) +3.0% +3.0%
・2023年05月:5.00%~5.25%(第10次利上げ) +4.0% +3.8%
・2023年03月:4.75%~5.00%(第9次利上げ) +5.0% +4.2%
・2023年02月:4.50%~4.75%(第8次利上げ) +6.0% +5.0%
・2022年12月:4.25%~4.50%(第7次利上げ) +6.5% +5.3%
・2022年11月:3.75%~4.00%(第6次利上げ) +7.1% +5.5%
・2022年09月:3.00%~3.25%(第5次利上げ) +8.2% +6.2%
・2022年07月:2.25%~2.50%(第4次利上げ) +8.5% +6.4%
・2022年06月:1.50%~1.75%(第3次利上げ) +9.1% +6.8%
・2022年05月:0.75%~1.00%(第2次利上げ) +8.6% +6.3%
・2022年03月:0.25%~0.50%(第1次利上げ) +8.5% +6.6%
3. FOMC声明:程度とタイミング(extent and timing)
「雇用とインフレの目標達成に対するリスクはほぼ均衡していると判断している」
「FF金利誘導目標レンジに対する追加的調整の程度とタイミングを検討する上で、今後入手するデータや変化する見通し、リスクのバランスを慎重に見極める」
■インフレに関する表現:2%の目標に向けて「進展progress」したとの文言は削除
・1月「インフレは幾分高止まりしている」
・12月「インフレは委員会が目指す2%の目標に向けて進展を示したが、依然として幾分高い水準にある」
■労働市場に関する表現
・1月「失業率はここ数カ月低水準で安定しており、労働市場の状況は堅調を維持している」
・12月「労働市場の状況はおおむね緩和してきた。失業率は上昇したが低いままだ」
4.パウエルFRB議長:利下げ急ぐ必要ない
「金融政策スタンスが景気を抑制する度合いは以前より大幅に弱まっており、経済は強さを維持していることから、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」
「委員会はどのような政策が実施されるかを見守る姿勢だ。そうした政策が経済にどのような影響を及ぼすのかについて、妥当と考えられる評価を下す前に、政策自体が明瞭になるのを待つ必要がある」
「声明ではインフレに関する部分を短くすると決めただけだ。シグナルを送ることを意図したわけではない」
「金融政策は有意に景気抑制的だが、非常に抑制的というわけではない」
「経済活動を促進も抑制もしない中立金利水準を政策金利は有意に上回っている」
「制約的な政策を過度に早急に、もしくは過度に大幅に緩和すれば、インフレを巡る進展が妨げられる可能性がある」
大阪3月限
日経225先物 39420 -170 (-0.42%)
TOPIX先物 2778.0 -1.5 (-0.05%)
日経225先物(3月限)は前日比170円安の3万9420円で取引を終了。寄り付きは3万9260円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9270円)にサヤ寄せする形で売りが先行した。現物の寄り付き直後には3万9210円まで売られたが、ナイトセッションでつけた安値(3万9130円)は下回らず、底堅さが意識された。前場中盤にかけて25日移動平均線(3万9320円)を上回って推移し、前場終盤には3万9520円まで下げ幅を縮めた。
ランチタイムでもリバウンド基調をみせ、現物の後場寄り付き後ほどなくして一時3万9610円とプラスに転じる局面もみられた。ただし、積極的なロングの動きは限られ、後場中盤に3万9400円まで下げると、終盤にかけては3万9400円~3万9500円辺りでの保ち合いが続いた。
エヌビディア<NVDA>が下落した影響が警戒されたが、アドバンテスト<6857.T>[東証P]が決算評価から買われたほか、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]もプラス圏で推移したことで、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせた。買い一巡後は軟化する場面もみられたが、前場終盤にはソフトバンクグループ<9984.T>が「オープンAIに250億ドルを投資する方向で調整」と報じられるなかで、グローベックスのナスダック100先物が一段高となる場面があった。これをきっかけに、ランチタイムでロングが強まったようだ。
日経225先物は、売り一巡後は25日線を上回って推移し、ショートを仕掛けづらくさせた。また、上値追いのロングは限られたものの、一時プラス圏を回復するなかで、25日線とボリンジャーバンドの+1σ(3万9830円)によるレンジが意識されてきた。週間形状では+2σ(4万0460円)が抵抗線として機能している一方で、下値は13週線(3万9170円)が支持線となろう。
節目の3万9500円水準での底堅さがみられてくるようだと、ややロングに傾き、ショートカバーを誘う形になりそうだ。オプション権利行使価格では3万9500円を中心とした上下の権利行使価格である3万9375円から3万9875円のレンジを想定。
NT倍率は先物中心限月で14.19倍に低下した。一時14.22倍をつける場面もみられたが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせている。ただし、昨年11月以来の14.15倍を下回る局面ではリバランスとみられる動きが入っており、NTロングへの転換も意識しておきたいところである。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3252枚、ソシエテジェネラル証券が1万1576枚、サスケハナ・ホンコンが2758枚、JPモルガン証券が2614枚、SBI証券が1968枚、日産証券が1456枚、バークレイズ証券が1410枚、ゴールドマン証券が1291枚、楽天証券が921枚、モルガンMUFG証券が637枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万4569枚、ソシエテジェネラル証券が1万1733枚、バークレイズ証券が4871枚、JPモルガン証券が2873枚、モルガンMUFG証券が2298枚、ゴールドマン証券が2224枚、ビーオブエー証券が1491枚、野村証券が1201枚、日産証券が729枚、みずほ証券が691枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領による米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的据え置きへの見解に警戒しながら、新規失業保険申請件数や米10-12月期国内総生産(GDP)速報値などに注目することになる。
タカ派的据え置きとなったFOMC声明やパウエルFRB議長の会見を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の利下げは、6月(0.25%利下げ=4.00-25%)と12月(0.25%利下げ=3.75-4.00%)が優勢となっている。
また、先週のダボス会議では、トランプ米大統領は「中東諸国への原油価格の値下げ要求が通れば、FRBにただちに利下げを要求する」と表明し、パウエルFRB議長とは「適切な時期」に話すつもりだとも述べていた。トランプ米大統領は、昨日「FRBはインフレ問題解決に失敗した」と批判していたが、今後も利下げを要請する発言などに警戒しておきたい。
前週分の新規失業保険申請件数の予想は22.0万件で前回発表値22.3万件からの減少が見込まれ、前週分の失業保険継続受給者数の予想は189.0万人で前回発表値189.9万人からの減少が見込まれている。米1月の雇用統計の調査対象週(1月12日)の雇用情勢の改善は、プラス材料となるものの、2月7日には、大幅な下方修正が警戒されている年次ベンチマーク改定の確定値も予定されており、雇用情勢に関しては予断を許さない状況が続くことになる。
10-12月期米国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.6%と予想されており、前期の同比+3.1%からの減速が見込まれている。
米国経済の減速基調が続いた場合、トランプ米大統領からの利下げ圧力が強まることになり、ネガティブサプライズには警戒しておきたい。
ニューヨーク序盤の欧州中央銀行(ECB)理事会による政策金利発表は、0.25%の引き下げが予想されている。こちらは市場は織り込み済みであり、ラガルドECB総裁による今後の利下げへの言及に注目することになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、156.30円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.37円(日足一目均衡表・雲の下限)
今晩は底堅い展開か。昨日は時価総額上位でダウ平均採用銘柄でもあるエヌビディアが4%超下落したことで主要3指数がそろって下落。午後に結果が公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通りに政策金利が据え置かれ、声明文やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見で利下げに慎重な姿勢が示されたことも重しとなった。CMEのフェドウォッチ・ツールの3月FOMCでの0.25%の利下げ確率は前日の31%から17%に低下し、金利据え置き確率は83%に上昇した。ダウ平均は136.83ドル安(-0.31%)と3日ぶりに反落し、S&P500とナスダック総合はそれぞれ0.47%安、0.51%安とともに反落して終了した。
引け後の動きでは2025年の業績向上期待を背景にテスラが時間外で4%超上昇し、売上高と利益が市場予想を上回ったメタ・プラットフォームズも時間外で2%超上昇した。一方、マイクロソフトは売上高と利益が市場予想を上回ったが、クラウド事業の売上高が予想に届かず、時間外で4%超下落した。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しの後退が引き続き上値の重しとなることが見込まれるものの、前日に3指数がそろって下落した反動や、ディープシーク・ショックへの過度な警戒感が和らいだこと、メタ・プラットフォームズやテスラの上昇が期待されることで底堅い展開か。引け後にはアップル、来週にはアマゾン・ドット・コムの決算発表も予定され、メガキャップの好決算期待も高まりそうだ。経済指標では10-12月期GDP速報値や新規失業保険申請件数が発表予定で足もとの景気動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは10-12月期GDP速報値、同個人消費速報値、新規失業保険申請件数、12月中古住宅販売仮契約指数など。決算発表は寄り前にキャタピラー、アルトリア・グループ、シャーウィン・ウィリアムズ、ノースロップ・グラマン、ユナイテッド・パーセル・サービズ(UPS)、サウスウェスト航空、引け後にアップル、ビザなどが発表予定。
日経平均株価は続伸。下向きの5日移動平均線(39488円 1/30)に戻りを抑えられる格好となったが、終値では同線を若干上回り、2日連続の陽線を形成した。
RSI(9日)は前日の64.1%→68.0%(1/30)へ上昇。あすは上昇継続のハードルは高くなるが、前日からの見方に大きな変化はない。1/27安値~1/24高値までの上昇幅に対する半値押し(39167円)前後で下げ止まった状態を維持できるかが重要。あすも5日移動平均線の下向きが続く可能性は高いが、1/28の大幅安で形成したマドを埋め戻しており、連続陽線で続伸できるかが注目される。
上値メドは、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、25日移動平均線(39314円 同)や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38686円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
(30日終値:31日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.29円(30日15時時点比▲0.19円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.73円(▲0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0417ドル(▲0.0005ドル)
FTSE100種総合株価指数:8646.88(前営業日比△89.07)
ドイツ株式指数(DAX):21727.20(△89.67)
10年物英国債利回り:4.560%(▲0.061%)
10年物独国債利回り:2.519%(▲0.064%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10-12月期仏国内総生産(GDP)速報値
(前期比) ▲0.1% 0.4%
10-12月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整済)
(前期比) ▲0.2% 0.1%
(前年同期比) ▲0.2% ▲0.3%
10-12月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整前)
(前年同期比) ▲0.4% 0.1%・改
10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値
(前期比) 0.0% 0.4%
(前年比) 0.9% 0.9%
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
2.90%に引き下げ 3.15%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは下げ渋り。仏・独・ユーロ圏の10-12月期国内総生産(GDP)速報値が予想を下回ったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが先行。欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果公表を前にポジション調整目的の売りも優勢になると一時1.0390ドルと日通し安値を付けた。
ただ、前日の安値1.0383ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。市場では「月末が近づく中、ユーロ買いのフローが観測された」との声も聞かれ、23時過ぎに1.0467ドルと日通し高値を更新した。
ECBはこの日、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明では「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」「理事会は特定の金利経路を事前にコミットしない」と表明した。ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「インフレ目標への持続的な回帰に向けた指標が進展」「2025年のうちにインフレ率2%の達成に自信」と述べたこともユーロ買い戻しにつながった。
もっとも、ラガルド総裁が「利下げを止める議論は時期尚早」と述べ、利下げ継続を示唆するとユーロ買いの勢いは弱まった。2時30分前には1.0410ドル付近まで押し戻された。
・ドル円も下げ渋り。しばらくは154円台半ばでのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると売りが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで低下したことも相場の重しとなり、0時30分前に一時153.79円と日通し安値を付けた。
ただ、米10年債利回りが4.53%台まで低下幅を縮めるとドル円にも買い戻しが入った。2時前には154.48円付近まで下げ渋った。
なお、米商務省が発表した10-12月期米GDP速報値は年率換算で前期比2.3%増と予想の2.6%増を下回った一方、米経済活動の3分の2超を占める個人消費は4.2%増と予想の3.2%増を上回り、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数は2.5%上昇と市場予想と一致した。また、米労働省が発表した前週分の米新規失業保険申請件数は20.7万件と予想の22.0万件より強い内容となった。
・ユーロ円は下値が堅かった。仏・独・ユーロ圏のGDPが予想より弱い内容となったことを受け円買い・ユーロ売りが先行。22時30分前に一時160.24円と本日安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.09円まで下値を切り上げた。ユーロドルにつれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は4日続伸し、史上最高値を更新した。本日の日本株相場の上昇などを受けて投資家心理が改善すると英株にも買いが入った。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。ECBが本日開いた定例理事会で市場予想通り0.25%の利下げを決めたことが好感された。個別ではシーメンス・エナジー(4.04%高)やボノビア(3.13%高)、ブレンターク(3.04%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
30日の日経平均は続伸。終値は99円高の39513円。米国株安を嫌気して、寄り付きは3桁の下落。開始早々に下げ止まり、売り一巡後は水準を切り上げたが、場中の値動きは方向感に欠けた。前場のうちにプラス圏に浮上し、後場のスタート直後には上を試しにいったが、39600円台に乗せたところで急失速。ただ、マイナス圏に沈むと改めての買いが入り、14時以降はプラス圏での小動きが続いた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4900億円。業種別ではゴム製品、その他製品、空運などが上昇した一方、精密機器、その他金融、不動産などが下落した。上方修正を発表したノジマ<7419.T>が後場急騰。半面、3Q累計が減収減益となったバルカー<7995.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1093/値下がり492。上方修正や増配を発表したアドバンテストが3.2%高。東京エレクトロンやディスコなど他の半導体株にも好影響が波及した。任天堂やDeNAなどゲーム株の動きが良く、決算が評価されたカプコンが買いを集めた。フジHDが全市場の売買代金3位となる大商いで大幅高。野村マイクロがリリースを材料に急伸した。
一方、三井住友は3Qの大幅最終増益が好感されず下落。ソフトバンクG、ソニーG、リクルートなどグロース株の一角が軟調となった。キーエンス、ファナック、安川電機などFA関連がやや大きめの下落。直近で派手に上昇していたレナサイエンスが大幅高スタートから急落してストップ安と乱高下した。
日経平均は続伸。米国株安を受けても上昇したという点では強かったが、動きが良くなりかけると値を崩すなど、つかみどころのない1日であった。決算を発表して上昇したアドバンテストも、下げて始まったり高くなったところで戻り売りに押されたりと、強気一辺倒ではなかった。
米国では本日引け後にアップルやインテルが決算を発表予定。アップルの時間外の反応は国内電子部品株の刺激材料となる。欧州ではECB理事会が開催される。利下げがあるとみられており、その織り込みも進んでいるが、欧州株や為替に大きな動きがあれば、米国を経由して日本株にも影響が及ぶ可能性がある。国内では決算発表が本格化してくる。中国ディープシークの影響がまだ読み切れないだけに、米国株、特にナスダックにしっかりとした動きが見られるかどうかが、投資家のリスク許容度を大きく左右しそう。ナスダックがパッとしない場合は、大型グロース株からはいったん距離を置いた方が良いかもしれない。
一部通信社が報じたところによると、「欧州中央銀行(ECB)関係者は3月にさらなる利下げがあると予想している」ようだ。その後はより幅広く、より深い議論が予想され、4月に利下げ休止が示唆される可能性があるという。
30日08:43 ジョリー・カナダ外相
「関税協議について慎重で楽観的」
30日15:15 氷見野・日銀副総裁
「経済・物価見通し実現していけば、それに応じて金融緩和の度合い調整」
「実質金利のある世界には距離がある」
「0.5%への利上げ後も実質金利は大幅なマイナス、緩和的な環境は維持される」
「今後もプラス成長続けることは可能ではないか」
「実質金利マイナスがずっと続くことはないという議論、日本についても成り立つ」
「ショックやデフレ的諸要因が解消された状態なら、実質金利がはっきりマイナスの状態が続くのは普通の姿とは言えない」
30日22:19 欧州中央銀行(ECB)声明
「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」
「インフレはスタッフの予測とほぼ一致した推移を継続。今年中に理事会の中期目標である 2%に戻る見込み」
「インフレは依然として高いままだが、これは主に特定のセクターの賃金と物価が過去のインフレの急上昇にかなり遅れて適応しているため」
「しかしながら、賃金の伸びは予想通り緩やかになっており、インフレへの影響を部分的に緩和している」
「最近の金利引き下げにより、企業や家計の新規借り入れコストは徐々に低下している」
「経済は依然として逆風に直面しているが、実質所得の増加と引き締め的な金融政策の影響が徐々に薄れつつあることから、時間の経過とともに需要が回復するだろう」
「理事会はインフレが中期目標の2%で持続的に安定することを確実にする決意」
「理事会は、データに依存し、会合ごとに適切な金融政策スタンスを決定するアプローチを採用」
「理事会の金利決定は入手する経済・金融データ、基調的なインフレの動向、金融政策の波及の強さを考慮したインフレ見通しの評価に基づいて行われる」
「理事会は、特定の金利経路を事前にコミットしない」
30日22:23 南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)声明
「第4四半期は経済成長の回復が見込まれる」
「インフレ率は2025年前半まで目標レンジの下半分にとどまるだろう」
「インフレ見通しに対するリスクは上方」
「貿易戦争シナリオは世界的なインフレと金利の上昇を示す」
30日22:56 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「経済は短期的に低迷が続く見通し」
「労働市場は依然として堅調」
「回復の条件は整っている」
「具体的な構造的措置を講じる必要がある」
「サービスインフレは高止まり」
「インフレ率の上昇は予想通り」
「賃金圧力は引き続き緩和される見込み」
「インフレ率は2%の目標で落ち着くだろう」
「経済見通しに対するリスクは下振れ方向」
「大半の長期的な物価指標は引き続き2%前後」
「関税は世界経済を弱める可能性がある」
「賃金上昇、利益上昇はインフレ上昇リスク」
「地政学、気候もインフレ上昇リスク」
「世界の貿易摩擦はインフレ見通しを不確実にする」
「利下げをどこで止めるかの議論は時期尚早」
「次の措置は今後のデータ次第」
「0.50%の利下げは全く議論されなかった」
「2025年のうちにインフレ率2%の達成に自信」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 12月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 12月有効求人倍率(予想:1.25倍)
○08:30 ◎ 1月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比2.5%)
○08:50 ◎ 12月鉱工業生産速報(予想:前月比0.3%/前年比▲2.2%)
○08:50 ◇ 12月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比3.2%)
○14:00 ◇ 12月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲3.9%)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○09:30 ◎ 10-12月期豪卸売物価指数(PPI)
○16:00 ◎ 12月独小売売上高(予想:前月比横ばい/前年比2.6%)
○16:00 ◇ 1月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○16:00 ◇ 12月トルコ貿易収支(予想:88.0億ドルの赤字)
○16:30 ◇ 12月スイス小売売上高
○16:45 ◇ 1月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比横ばい/前年比1.5%)
○16:45 ◇ 12月仏PPI
○17:55 ◎ 1月独雇用統計(予想:失業率6.2%/失業者数変化1.40万人)
○21:00 ◎ 12月南アフリカ貿易収支(予想:304億ランドの黒字)
○22:00 ◎ 1月独CPI速報値(予想:前月比0.1%/前年比2.6%)
○22:30 ☆ 11月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.1%/前年比1.6%)
○22:30 ◎ 12月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.5%)
◎ 12月米個人所得(予想:前月比0.4%)
☆ 12月米PCEデフレーター(予想:前年比2.6%)
☆ 12月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比2.8%)
○22:30 ◇ 10-12月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比0.9%)
○22:30 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○23:45 ◎ 1月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:40.0)
○香港、中国(旧正月)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.29円(前営業日比▲0.93円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.32円(▲1.44円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0391ドル(▲0.0030ドル)
ダウ工業株30種平均:44882.13ドル(△168.61ドル)
ナスダック総合株価指数:19681.75(△49.43)
10年物米国債利回り:4.51%(▲0.02%)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.73ドル(△0.11ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2845.2ドル(△51.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10-12月期米国内総生産(GDP)速報値
(前期比年率) 2.3% 3.1%
個人消費速報値
(前期比年率) 4.2% 3.7%
コアPCE速報値
(前期比年率) 2.5% 2.2%
前週分の米新規失業保険申請件数
20.7万件 22.3万件
12月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
(前月比) ▲5.5% 1.6%・改
(前年比) ▲2.9% 4.9%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日続落。欧州時間発表の10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行。欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果公表を前にポジション調整目的の売りも出ると一時1.0390ドルまで値を下げた。
ただ、前日の安値1.0383ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。市場では「月末が近づく中、ユーロ買いのフローが観測された」との声も聞かれ、23時過ぎには1.0467ドルと日通し高値を更新した。
ECBはこの日、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明では「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」「理事会は特定の金利経路を事前にコミットしない」と表明した。ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「インフレ目標への持続的な回帰に向けた指標が進展」「2025年のうちにインフレ率2%の達成に自信」と述べたこともユーロ買い戻しにつながった。
もっとも、ラガルド総裁が「利下げを止める議論は時期尚早」と述べ、利下げ継続を示唆するとユーロ買いの勢いは弱まった。その後、トランプ米大統領が合成麻薬フェンタニルを含む複数の理由を挙げて、「カナダとメキシコに25%の関税措置を発動する」と再表明すると、米インフレ再加速への懸念が高まりドル買いが活発化。5時30分過ぎに一時1.0386ドルと日通し安値を更新した。
・トランプ米大統領の関税を巡る発言をきっかけに、米ドルカナダドルは一時1.4595カナダドル、ドルメキシコペソは20.7582ペソまで急伸した。
・ドル円は続落。もっとも、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。0時30分前に一時153.79円と日通し安値を付けた。ただ、米10年債利回りが4.53%台まで低下幅を縮めるとドル円にも買い戻しが入り、4時前には154.50円付近まで下げ渋った。
5時30分前には154.00円まで下押ししたものの、トランプ米大統領が「2月1日にカナダとメキシコに25%の関税賦課」と改めて表明したことで154.46円付近まで強含んだ。
・ユーロ円も続落。22時30分前に一時160.24円まで下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.09円まで下値を切り上げた。もっとも、引けにかけては160.21円の本日安値まで押し戻された。ユーロドルにつれた動きとなった。
・ブラジルレアルは買い戻しが優勢。対ドルでは一時1ドル=5.8480レアルまでドル安・レアル高が進んだ。ブラジル中銀は29日、市場予想通り政策金利を1.00%引き上げて13.25%にすることを決めたと発表。声明では「次回の会合でも同規模の調整を実施することが見込まれる」と再利上げの必要性を示唆した。これを受けて、市場ではレアル買いの動きが広がった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。決算内容が嫌気されたマイクロソフトなどが売られるとダウ平均は続落して始まったものの、決算内容が好感されたIBMが大幅に上昇すると投資家心理が改善し、指数は上げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発。メタ・プラットフォームズやテスラが決算発表や説明会の内容を材料に買われた。
・米国債券相場で長期ゾーンは上昇。この日発表の米経済指標が強弱入り混じる結果となったため、相場は方向感が出なかった。
・原油先物相場は反発。先週の米国の天然ガスの減少量が、過去4番目に大きい3億2100万立方フィートとなったことで、一時73ドル半ばまで上昇する場面があった。もっとも、トランプ米大統領がカナダとメキシコに対して関税引き上げるとされている期限の2月1日が近づいていることで、今後の3カ国の通商政策の行方を確かめるまでは動きにくく、徐々に値動きは鈍った。なお、カナダは1日当たり米国の消費量の約20%を供給、メキシコもカナダに続き米国への供給量が多い。
・金先物相場は3日続伸。昨年10月につけた最高値を上抜け、3日続伸した。ドル売りが優勢になると、ドルで取引される金先物が割安感になったこと、ECBが市場予想通りとはいえ利下げを実行したことで金利のつかない金先物へ買いが集まった。また、依然としてトランプ政権による世界経済への懸念が拭いされないことで、避難通貨としても買われた面もあった。
30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は153.79円と日通し安値を付けたが、米10年債利回りが4.53%台まで低下幅を縮めると154.50円付近まで下げ渋った。その後154.00円まで下押ししたものの、トランプ米大統領が「2月1日にカナダとメキシコに25%の関税賦課」と改めて表明したことで154.46円付近まで強含んだ。ユーロドルはラガルド欧州中銀(ECB)総裁が理事会後の会見で「インフレ目標への持続的な回帰に向けた指標が進展」などと述べたことなどから1.0467ドルまで上昇して日通し高値を更新するも、同総裁が利下げ継続を示唆するとユーロ買いの勢いは弱まった。トランプ米大統領の関税に関する発言を受けて米インフレ再加速への懸念が高まりドル買いが活発化すると、1.0386ドルと日通し安値を更新した。
本日は本邦で多数の経済指標の発表を控えているが、その中で最も注目が集まりそうなのが、全国消費者物価指数(CPI)の先行指標とされる、1月東京都区部CPIだろう。市場予想はコアが前年比+2.5%と12月の+2.4%よりわずかに伸びが加速する見通し。予想よりも伸びが加速する結果となれば、日銀の早期利上げ期待が浮上して円が買われる展開もあり得る。結果と共に、本邦株式市場や長期金利の反応にも注目したい。
午後には植田日銀総裁が衆院予算委員会に出席し、立憲民主党の階猛委員の質問に答える予定となっている。自身のX(旧ツイッター)によると、円安物価高対策などについて質疑をするとのことである。昨日の氷見野副総裁の講演内容は想定されたほどタカ派的ではなかったことからドル円を押し上げる場面も見られた。答弁次第では相場に影響を与えることも考えられる。
また、本日は月末日につき、仲値公示やロンドンフィキシング(日本時間25時)などのタイミングでの実需主導の動きには注意が必要だろう。
そのほか、米大統領が発言している「2月1日にカナダとメキシコに25%の関税賦課」の期限が迫る中、引き続き関連報道には目を配らせておきたい。
他方、オーストラリアでは10-12月期四半期卸売物価指数(PPI)も発表予定。前回7-9月期は前期比+1.0%、前年比+3.9%であった。29日に発表された10-12月期消費者物価指数(CPI)の前年比が予想や前回を下回る伸びに留まっただけに、こちらの結果も気になるところである。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39580 +160 (+0.40%)
TOPIX先物 2789.5 +11.5 (+0.41%)
シカゴ日経平均先物 39585 +165
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
30日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2024年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.3%増と、市場予想を下回ったが、個人消費は4.2%増加と大幅な伸びとなった。米連邦準備理事会(FRB)が今後の利下げに慎重になるデータと受け止められた。また、トランプ大統領は、2月1日にカナダとメキシコに対して25%の関税を課す考えを改めて示したとの報道も相場の重荷となった。ただし、決算発表が本格化するなかで、主要企業の予想を上回る決算を好感した買いが指数を押し上げる形となった。
NYダウ構成銘柄では、2024年10~12月期決算で一株利益が予想を上回ったIBM<IBM>が13%近く上昇。そのほか、ボーイング<BA>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ウォルマート<WMT>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ハネウェル・インターナショナル<HON>が買われた。一方で、マイクロソフト<MSFT>、キャタピラー<CAT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、セールスフォース<CRM>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>が軟調。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比165円高の3万9585円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円高の3万9480円始まり、その後は軟化し下落に転じると、米国市場の取引開始後には3万9350円まで下げる場面もみられた。ただし、売り一巡後はロングが強まる形で切り返しており、終盤にかけて一時3万9710円まで買われる場面もみられた。終了間際に軟化し、3万9580円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。日経225先物は3万9350円まで下げる場面もみられたが、同水準で推移する25日移動平均線(3万9350円)が支持線として機能する形での切り返しとなった。3万9710円まで買われた後は上げ幅を縮めたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9850円)を射程に入れた押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。
また、米国ではIBMのほか、決算を発表したメタプラットフォームズ<META>、テスラ<TSLA>が買われている。30日の取引終了後に予想を上回る決算を発表したインテル<INTC>が時間外取引で上昇。決算が予想を上回ったアップル<AAPL>は時間外で一時下落したがその後は上昇に転じている。指数インパクトの大きい値がさ株においては決算を手掛かりに先物主導で仕掛けてくる動きが入りやすいため、日米の主要企業の決算に振らされやすい状況になりそうだ。
前日には決算評価からアドバンテスト<6857.T>[東証P]は3%を超える上昇をみせた。ディープシークショックによる、半導体・AI関連銘柄への売りが落ち着くなか、ショートカバーを誘う展開が期待されてくる。そのため、日経225先物は25日線を支持線とした押し目狙いのロング対応としつつも、下限レンジを切り上げる形で、節目の3万9500円から+1σでのレンジが意識されやすいだろう。また、+1σを捉えてくる局面では、ショートカバーを強めてくると考えられ、4万円が射程に入ってくるとみておきたい。
30日の米VIX指数は15.84(29日は16.56)に低下した。小動きではあったが、200日線(16.18)を下回っての推移が目立っていた。27日に22.51まで急伸した調整が順調に進んでいることから、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.19倍に低下した。一時14.22倍をつける場面もみられたが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせた。ただし、昨年11月以来の14.15倍を下回る局面ではリバランスとみられる動きが入っている。週末要因もあって、NTロングへの転換も意識しておきたいところである。
31日の香港株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月3日から再開される。
31日の中国株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月5日から再開される。
英国の企業信頼感は1月にさらに低下し、5カ月連続の下落となった。これは10月に発表された250億ポンドの増税の影響を受けたものだ。ロイズ銀行のビジネスバロメーターは2ポイント下落して37%となり、1年ぶりの低水準を記録した。
しかし、リーブス英財務相は今週、ヒースロー空港の拡張やその他の開発プロジェクトへの支持を表明し、企業のモラル向上を図ったほか、企業の取引見通しを示す指標が改善したことから、経済減速に対処する企業の自信が高まっていることが示唆された。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円高の3万9540円(+0.30%)前後で推移。寄り付きは3万9630円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9585円)を上回る形で、買いが先行して始まった。ただし、ナイトセッションでつけた高値(3万9710円)を捉えることはできず、寄り付き直後につけた3万9660円を高値に軟化し、中盤にかけて一時3万9450円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、下へのバイアスは強まらず、その後は節目の3万9500円を支持線とした底堅い値動きを継続している。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]は買い一巡後に下落に転じたものの、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が日経平均型を牽引している。日経225先物は中盤にかけて軟化したが、韓国サムスン電子が2024年12月期の事業別業績を発表した後に2%を超える下落となったことで、短期的なショートに向かわせた形だろう。ただし、週前半の下げに対するリバランスの動きのなか、3万9500円を上回っての推移が続くようだと、ショートカバーを誘う流れが強まる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.21倍に上昇した。一時14.25倍をつける場面もみられたが、その後は200日移動平均線(14.23倍)を下回って推移している。リバランスの動きが目立つなか、再び200日線を上回ってくるようだと、NTショートを巻き戻す動きに向かわせよう。
昨日のドル円は、欧州時間は154.50円を挟んだもみ合い。NY勢が入ってくると米10年債利回りが一時4.4841%まで低下するにつれて153.79円まで値を下げました。米10年債利回りが4.5345%まで一転上昇すると154.50円まで買戻されたものの、その後は再び154.00円まで下押し。引けにかけてはトランプ米大統領がかねてから表明していたカナダとメキシコへの2月1日からの25%関税について今夜中にも発表されることがわかると154.46円まで再び買戻されたものの、反応も限定的となってNY市場を終えています。
月末のアジア市場では、香港が休場とあって投機筋の動きは限定的。月末絡みのフローで「ふらふらしているだけ」の相場展開といったところです。本邦実需の買いを受けて154.50円まで値を上げた後は153.92円まで下押し。その後は154.00円を挟んだ方向感のない動きが続いています。
いずれにしても、トランプ相場が続いているなか、トランプ米大統領の発言を起点に値動きを考えていくことになっていますが、本日もカナダやメキシコへの関税の他に、「BRICSがドルを代替しようとするならば100%関税」との極端な発言も見受けられています。ドル円は目先、一目雲を意識した展開となっていきそうです。
本日はユーロ圏で複数の指標発表が予定されているものの、昨日欧州中銀(ECB)理事会を通過した直後ということもあり、大きな動き出しは期待しづらいと見る。一通り発表された後は、NY時間に控えている12月米PCEデフレーターの発表を待つ展開か。
経済指標では、独で12月の小売売上高や雇用統計、仏で12月卸売物価指数(PPI)など、複数予定されている。また、1月消費者物価指数(CPI)速報値が仏・独で発表予定となっており、市場予想は前年比で仏が+1.5%と前月の+1.3%から伸び加速、独は+2.6%で前月並みとなっている。ECB理事会直後のため反応は限られそうだが、来月1日のユーロ圏12月消費者物価指数(HICP)を前に結果を確認しておきたい。
要人発言については、NY午前にビルロワドガロー仏中銀総裁の発言機会が予定されている。市場ではハト派とみなされる同氏であるが、ECB理事会直後ということもあり、今後の金利や経済見通しについて発言があれば材料視されるかもしれない。
また、本日は月末日につき、ロンドンフィキシング(日本時間25時)に絡んで実需主導の動きとなる恐れがある点には注意したい。
トランプ米大統領が就任以降、関税を始めとして「アメリカ・ファースト」の姿勢を示す中で大統領の政策に市場が振り回される展開が続いている。今のところ隣国のカナダやメキシコ、BRICs諸国が主な標的となるも、ユーロ圏も大統領就任前にNATO加盟国の防衛費用の負担増加を求められており、今後ユーロ圏に対してさらなる注文を付けてくる可能性は低くはないだろう。しばらくの間、関連報道に左右される展開となりやすい点は押さえておきたい。
テクニカル面では、ユーロドルは27日に高値1.0533ドルをつけた後は上値が重く、昨日は日足・一目均衡表の転換線を割り込んで終えた。目先は基準線1.0356ドルを明確に下抜けると20日以来となる1.03ドル割れに向けて流れが傾くことも予想される。仮に切り返しても昨日に続き雲の下限1.0461ドルは抵抗として意識されやすいだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル:5日移動平均線1.0425ドル。超えると日足・一目均衡表の雲の下限1.0461ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル。割り込むと20日安値1.0266ドル
ドル円:1ドル=154.71円(前営業日NY終値比△0.42円)
ユーロ円:1ユーロ=160.73円(△0.41円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0389ドル(▲0.0002ドル)
日経平均株価:39572.49円(前営業日比△58.52円)
東証株価指数(TOPIX):2788.66(△6.73)
債券先物3月物:140.67円(▲0.34円)
新発10年物国債利回り:1.245%(△0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月完全失業率
2.4% 2.5%
12月有効求人倍率
1.25 1.25倍
1月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.5% 2.4%
12月鉱工業生産・速報値
前月比 0.3% ▲2.2%
前年同月比 ▲1.1% ▲2.7%
12月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 3.7% 2.8%
12月新設住宅着工戸数
前年同月比 ▲2.5% ▲1.8%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。トランプ米政権の関税政策に対する警戒感などからリスク回避の売りに押され、一時153.92円まで値を下げた。もっとも、昨日安値の153.79円手前で下値の堅さを確認すると、その後は下値を切り上げる展開に。時間外の米10年債利回りが4.54%台まで上昇したことも相場を支え、15時過ぎには154.94円まで切り返した。
なお、トランプ米大統領は「BRICSがドルにとって代わる可能性はない」「BRICSがドルを代替しようとするなら100%の関税を課す」などと述べた。
・ユーロ円も下値が堅い。東京午前に159.92円まで弱含んだものの、その後はドル円の買い戻しにつれて160.94円まで反発。午後の日本株が底堅く推移したことなども買い材料視された。
・ユーロドルは小動き。前日終値を挟んだ水準でのもみ合いに終始し、相場は方向感を欠いた。
・日経平均株価は3日続伸。前日の米国株式市場でハイテク株の上昇が目立ったこともあり、この日の東京市場でも半導体関連株の一角に買いが入った。週末を控えた利益確定売りに押されて一時マイナス圏に転じる場面もあったが、総じて底堅く推移した。
・債券先物相場は3日続落。日銀の利上げ継続姿勢が相場の重しとなったほか、時間外の米10年債利回りが上昇したことを受けた売りも出た。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
ECBは中立金利の上限に接近 利下げの最終到達点はトランプ関税が左右
欧州中央銀行(ECB)は1月の理事会で25bpの追加利下げを決定。下限の政策金利は2.75%とラガルド総裁が想定する1.75~2.25%の中立金利の上限まで50bpのところにある。声明文では今回の利下げ後も政策金利が引き締め的な水準にあると説明しており、3月の追加利下げは既定路線。このまま25bp刻みの利下げを続ければ、4月には中立金利の上限に到達。先行きの利下げ継続の有無や利下げの最終到達点について、向こう数回の理事会で何らかの見解表明が必要となる。インフレ率の2%への持続的な復帰と緩やかな景気拡大を想定するECBの中心予想は、米トランプ政権による関税引き上げがあれば軌道修正を余儀なくされる。トランプ関税の発動有無が今後の利下げパスにも影響しそうだ。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
メキシコ経済は「トランプ2.0」を前にブレーキ、視界不良状態が続く
実体経済に深刻な悪影響の懸念も、政策対応は困難さが増すなど政権はいよいよ「荒波」に直面
メキシコは、米トランプ政権による追加関税賦課を警戒して金融市場で通貨ペソ、株式、債券に売り圧力が掛かる状況に直面する。なお、トリプル安の動きは昨年の大統領選、議会選直後から進んでおり、米トランプ政権がその動きに拍車を掛けている。同国経済は米国経済との連動性が強く、米国景気の堅調さが景気を下支えすると期待されたが、昨年10-12月の実質GDP成長率は前期比年率▲2.19%とブレーキが掛かっていることが確認された。足下のインフレは頭打ちしており、中銀も利下げに動いているが、実質金利は依然高水準で推移するなど金融市場は引き締まっている。他方、金融市場はトリプル安に直面するなかで中銀は難しい対応を迫られる局面が続く。シェインバウム政権は新たな経済計画を公表し、トランプ関税への備えをみせるが、その行方は不透明であり、仮に実施されれば実体経済に深刻な悪影響が出ることは必至と見込まれる。政府は今年の経済成長率見通しを+2~3%とするが、極めて楽観に過ぎるとみられるなか、発足から丸4ヶ月を迎えるシェインバウム政権にいよいよ「荒波」が直撃する可能性が高まっている。
「次回3月6日の理事会でさらなる利下げを行い、中銀預金金利を2.5%にする合意が得られた」(政策担当者)
2025年1月30日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、予想通りに中銀預金金利の0.25%の利下げが全会一で決定された。
2024年10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は、前期比変わらず、ドイツとフランスはマイナス成長に転落した。
1.欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化(※中銀預金金利)
■2025年1月30日: 2.75%(第5次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.15%(3.40%)▲0.25%
・リファイナンス金利:2.90%(3.15%)▲0.25%
・中銀預金金利 :2.75%(3.00%)▲0.25%
■2024年12月12日: 3.00%(第4次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.40%(3.65%)▲0.25%
・リファイナンス金利:3.15%(3.40%)▲0.25%
・中銀預金金利 :3.00%(3.25%)▲0.25%
■2024年10月17日: 3.25%(第3次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.65%(3.90%)▲0.25%
・リファイナンス金利:3.40%(3.65%)▲0.25%
・中銀預金金利 :3.25%(3.50%)▲0.25%
■2024年9月12日: 3.50%(第2次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.90%(4.50%)▲0.60%
・リファイナンス金利:3.65%(4.25%)▲0.60%
・中銀預金金利 :3.50%(3.75%)▲0.25%
■2024年7月18日: 3.75%(据え置き)
■2024年6月6日:▲0.25%=3.75%(第1次利下げ)
■2024年4月11日:4.00%(据え置き)
■2024年3月7日:4.00%(据え置き)
■2024年1月25日:4.00%(据え置き)
■2023年12月14日:4.00%(据え置き)
■2023年10月26日:4.00%(据え置き)
■2023年9月14日:+0.25%=4.00%(第10次追加利上げ)
■2023年7月27日:+0.25%=3.75%(第9次追加利上げ)
■2023年6月15日:+0.25%=3.50%(第8次追加利上げ)
■2023年5月4日:+0.25%=3.25%(第7次追加利上げ)
■2023年3月16日:+0.50%=3.00%(第6次追加利上げ)
■2023年2月2日:+0.50%=2.50%(第5次追加利上げ)
■2022年12月15日:+0.50%=2.00%(第4次追加利上げ)
■2022年10月27日:+0.75%=1.50%(第3次追加利上げ)
■2022年9月8日:+0.75%=0.75%(第2次追加利上げ)
■2022年7月21日:+0.50%=ゼロ(第1次利上げ)
2.声明文
「特定の金利の道筋を事前に約束することはしない」
「現在の金融政策は依然として景気抑制的」(※追加利下げを示唆)
「ディスインフレプロセスは極めて順調に進行している」
3.ラガルドECB総裁
「インフレ率は、2025年を通してわれわれの目標に持続的に到達していくと確信している」
「経済成長に対するリスクは依然として下向きに傾いている」
「世界的な貿易摩擦の増大が輸出の抑制と世界経済の弱体化につながり、ユーロ圏の経済成長が押し下げられる可能性がある」
「貿易摩擦の増大でインフレ見通しが変化し、すでに低迷しているユーロ圏経済に対する一段の重しになる恐れがある」
大阪3月限
日経225先物 39630 +210 (+0.53%)
TOPIX先物 2791.0 +13.0 (+0.46%)
日経225先物(3月限)は前日比210円高の3万9630円で取引を終了。寄り付きは3万9630円と、シシカゴ日経平均先物清算値(3万9585円)を上回る形で買いが先行した。寄り付き直後につけた3万9660円を高値に軟化し、前場中盤にかけて3万9450円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、下へのバイアスは強まらず、その後は節目の3万9500円を支持線とした底堅い値動きを継続。
ランチタイムでリバウンドをみせ、3万9670円と朝方につけた高値を更新したが、中盤には3万9550円まで軟化。終盤にかけて再びロングの動きが強まり3万9680円と日中高値を更新したものの、ナイトセッションでつけた高値(3万9710円)には届かなかった。
アドバンテスト <6857.T> [東証P]は買い一巡後に下落に転じたものの、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が日経平均型を牽引している。また、日経225先物は前場中盤にかけて軟化したが、韓国サムスン電子が2024年12月期の事業別業績を発表した後に2%を超す下落となったことで、短期的なショートに向かわせた形だろう。ただし、ショートが強まる流れにはならなかった。
日経225先物は3万9500円処で底堅さがみられており、前場中盤に軟化する局面でも25日移動平均線(3万9350円)は割り込まず、同線とボリンジャーバンドの+1σ(3万9860円)によるレンジ内での推移だった。28日に3万8660円まで売られ、-1σ(3万8770円)を割り込んだ後は、下値切り上げのトレンドを継続している。
週間形状では+1σ(3万9830円)を上回って終えることはできなかったが、同水準を挟んだ3万9500円から4万円辺りでの推移が意識されそうだ。+1σを支持線に変えてくると、+2σ(4万0480円)が射程に入ってくる可能性がありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.19倍と横ばいだった。一時14.25倍をつける場面もみられたが、その後は200日線(14.23倍)を下回っての推移となった。東京エレクトロンが日経平均株価を牽引するなかでリバランスの動きが目立っていたが、アドバンテストがマイナス圏で推移したこともあり、NTショートを巻き戻す動きは限られた。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4820枚、ソシエテジェネラル証券が1万3277枚、サスケハナ・ホンコンが3788枚、日産証券が3000枚、バークレイズ証券が1613枚、ドイツ証券が1606枚、JPモルガン証券が1365枚、ゴールドマン証券が963枚、SBI証券が898枚、楽天証券が787枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8606枚、ソシエテジェネラル証券が1万4167枚、バークレイズ証券が6169枚、JPモルガン証券が5314枚、モルガンMUFG証券が3993枚、ゴールドマン証券が3160枚、日産証券が2169枚、ビーオブエー証券が1252枚、野村証券が838枚、大和証券が830枚だった。
本日のNY為替市場のドル円はまず、序盤に発表される12月米PCEデフレーターを見極める展開。もちろん、トランプ米大統領による突発的な発言への警戒は怠らないようにしたい。
米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的据え置きを受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ確率は、6月(※4.00-25%)が47%程度、12月(※3.75-4.00%)が33%程度となっている。
本日は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの12月分が発表されるが、予想は前年比+2.6%で、11月の同比+2.4%からの上昇が見込まれている。予想通りだった場合の利下げ確率の変化、そして米中長期債利回りの動向などに注目しておきたい。
また、先週のダボス会議では、トランプ米大統領は「中東諸国への原油価格の値下げ要求が通れば、FRBにただちに利下げを要求する」と表明し、パウエルFRB議長とは「適切な時期」に話すつもりだとも述べていた。トランプ米大統領による利下げを要請する発言、そしてドル相場に対する発言などには引き続き警戒しておきたい。
トランプ米大統領は、明日2月1日からカナダとメキシコに対して25%の関税を課す、さらにBRICS諸国が米ドルに代わる通貨を求めるなら100%の関税を課す、と表明している。これまでの為替市場の反応は、トランプ関税による米国の物価上昇圧力からドル買いだったが、現状は、米国の物価上昇や報復関税などによる景況感悪化懸念から、リスク回避の円買い要因になりつつある。
一方で、ベッセント米財務長官は、先日の米議会上院の公聴会で、ドル相場は関税引き上げによる貿易赤字の減少で上昇する可能性を指摘していた。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、155.98円(1/28高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.37円(日足一目均衡表・雲の下限)
今晩は底堅い展開か。
昨日は主要3指数がそろって反発した。前日引け後に決算を発表したテスラとメタ・プラットフォームズが上昇したことや、弱い経済指標を受けて米10年債利回りが一時4.48%台まで低下したことが株式相場の支援となった。ただ、トランプ米大統領がカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課す方針をあらためて表明したことが上値の重しとなった。ダウ平均は一時295ドル高まで上昇し、取引時間中の史上最高値に接近し、168.61ドル高(+0.38%)で終了。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.53%高、0.25%高で終了した。
引け後の動きでは、アップルが時間外で3%高。売上高と利益が予想を上回ったものの、iPhone販売が市場予想を下回ったことで一時、時間外で売りが優勢となった。しかし、その後は決算が評価されて買い直された。利益が予想を上回った半導体のインテルとKLAもともに時間外で3%超上昇した。
今晩の取引では大幅高が見込まれるアップルやインテルなどが相場をけん引する堅調な展開か。金融政策の見通しを巡っては、CMEのフェドウォッチ・ツールで3月米連邦公開市場委員会(FOMC)と5月FOMCでも政策金利の据え置きが予想され、6月FOMCでは67%の確率で0.25%の利下げが見込まれている。今晩は寄り前に12月個人消費支出(PCE)価格指数が発表予定で、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視するコアPCE価格指数に要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは12月個人所得・個人消費支出・個人消費支出(PCE)価格指数のほか、10-12月期雇用コスト指数、1月シカゴ地区購買部協会景気指数(PMI)など。決算発表は寄り前にエクソン・モービル、シェブロン、アッヴィ、引け後にクラウン・キャッスルなどが発表予定。
日経平均株価は3日続伸。寄り付き水準から上値を伸ばす場面があったが、下向きの5日移動平均線(39416円 1/31)が重荷となった。ただ、下値は上向きの10日移動平均線(39455円 同)に支えられ、ほぼ寄り引け同時の十字足となった。
RSI(9日)は前日の68.0%→63.1%(1/31)へ低下。週明けも上昇継続のハードルは高くなるが、前日からの見方に大きな変化はない。1/27安値~1/24高値までの上昇幅に対する半値押し(39167円)前後で下げ止まった状態を維持できるかが重要。一目均衡表の転換線(39461円 同)の上昇に加え、5日移動平均線が横ばいに変化する可能性がある中、上値を試せるかが焦点となる。一方、十字足が分岐を示唆している可能性もあり、1/24高値からの二段下げ目に入る展開も想定しておきたい。
上値メドは、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、25日移動平均線(39349円 同)や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38695円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
(31日終値:1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.76円(31日15時時点比△0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.26円(△0.53円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0420ドル(△0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:8673.96(前営業日比△27.08)
ドイツ株式指数(DAX):21732.05(△4.85)
10年物英国債利回り:4.538%(▲0.022%)
10年物独国債利回り:2.460%(▲0.059%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) ▲0.1% 0.2%
1月独雇用統計
失業率 6.2% 6.1%
失業者数変化 1.10万人 1.00万人
1月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) ▲0.2% 0.5%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは持ち直した。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は前日の定例理事会後の会見で「利下げ停止についての議論は時期尚早」と述べ、利下げ継続を示唆。ECBの利下げ継続観測を背景に、この日もユーロ売りが出やすい地合いとなった。また、トランプ米大統領は前日に「カナダとメキシコに25%の関税措置を発動する」と再表明しており、米インフレ再燃への警戒感とともにドル買いが入りやすかった。24時過ぎには一時1.0360ドルと日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されたほか、「米国の対カナダ・メキシコ関税は3月1日開始へ」との一部報道をきっかに一転ドル売りが優勢になった。2時過ぎには一時1.0434ドルと日通し高値を更新した。
・ドル円は売買が交錯し、もみ合いの展開となった。米国でのインフレ再燃や米関税政策への警戒感が高まる中、全般ドル買いが優勢になると22時30分過ぎに一時155.02円と日通し高値を更新した。ただ、一目均衡表転換線が位置する155.24円や前日の高値155.25円がレジスタンスとして働くと失速し、154.53円付近まで下押しした。
2時前には再び155円台まで上昇したものの、米国の対カナダ・メキシコ関税開始が1カ月先延ばしになる可能性が伝わると全般ドル売りが優勢に。2時30分前には154.67円付近まで押し戻された。
なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している12月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前月比0.2%/前年比2.8%と市場予想に一致。また、10-12月期米雇用コスト指数も前期比0.9%上昇と市場予想通りの結果となった。
・ユーロ円は底堅い動き。独各州の1月消費者物価指数(CPI)が前月からのインフレ鈍化傾向を示し、22時発表の1月独CPI速報値を前に思惑的なユーロ売りが先行すると、18時過ぎに160.18円付近まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値159.92円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢となり、22時30分前に161.01円付近まで持ち直した。
そのあとは160.21円付近まで下押しする場面もあったが、月末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いが入ると再び強含んだ。米国の対カナダ・メキシコ関税発動が1カ月先延ばしになるとの一部報道をきっかけにユーロドルが上昇するとユーロ円にも買いが波及。2時過ぎに一時161.50円の本日高値を更新した。
・ロンドン株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。時間外の米株価指数先物が上昇すると、英株にも買いが入った。ただ、週末を控えたポジション調整目的の売りも出たため、上値は限定的だった。BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が買われたほか、ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら4日続伸し、史上最高値を更新した。ECBの利下げ継続観測を背景に買いが先行したものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなり伸び悩んだ。週末を控えたポジション調整目的の売りなどが出た。個別ではシーメンス・エナジー(1.97%高)やインフィニオン・テクノロジーズ(1.97%高)、コメルツ銀行(1.72%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。ECBの利下げ継続観測を背景に買いが入った。
(31日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.19円(前営業日比△0.90円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.78円(△0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0362ドル(▲0.0029ドル)
ダウ工業株30種平均:44544.66ドル(▲337.47ドル)
ナスダック総合株価指数:19627.44(▲54.31)
10年物米国債利回り:4.54%(△0.03%)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.53ドル(▲0.20ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2835.0ドル(▲10.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米個人所得
(前月比) 0.4% 0.3%
12月米個人消費支出(PCE)
(前月比) 0.7% 0.4%
12月PCEデフレーター
(前年比) 2.6% 2.4%
12月PCEコアデフレーター
(前月比) 0.2% 0.1%
(前年比) 2.8% 2.8%
10-12月期米雇用コスト指数
(前期比) 0.9% 0.8%
1月米シカゴ購買部協会景気指数
39.5 36.9
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。米国でのインフレ再燃や米関税政策への警戒感が高まる中、全般ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時155.02円まで値を上げた。
ただ、一目均衡表転換線が位置する155.24円や前日の高値155.25円がレジスタンスとして働くと失速し、154.53円付近まで下押しした。2時前には再び155円台まで上昇したものの、「トランプ米大統領は2月1日の発動を警告していたカナダとメキシコに対する25%の関税措置を3月1日に延期する見通し」との一部報道が伝わると154.67円付近まで押し戻された。
もっとも、レビット米ホワイトハウス報道官が「カナダとメキシコに25%、中国に10%の追加関税を2月1日から課す」と改めて表明すると再びドル買いが優勢に。3時30分過ぎには155.22円と日通し高値を更新した。
・ユーロドルは5日続落。欧州中央銀行(ECB)の利下げ継続観測を背景にユーロ売り・ドル買いが先行すると、24時過ぎに一時1.0360ドルまで値を下げた。
ただ、月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると持ち直した。一部通信社が「米国の関税発動は3月1日になる見通し」と報じると全般ドル売りが活発化し、2時過ぎには1.0434ドルと日通し高値を更新した。
もっとも、レビット報道官が「カナダ・メキシコ・中国への関税は2月1日発動。延期の報道は誤り」と発言すると再びユーロ売り・ドル買いが優勢に。6時過ぎには一時1.0350ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は3日ぶりに反発。24時過ぎに160.21円付近まで下押しする場面もあったが、月末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いが入ると強含んだ。2時過ぎには一時161.50円と日通し高値を更新した。
・米ドルカナダドルは米政権による関税を巡る報道を受けて荒い値動きとなった。23時過ぎに1.4550カナダドルまで上げたものの、2時過ぎに1.4373カナダドルの本日安値まで下落。ただ、引けにかけては1.4559カナダドルの本日高値まで一転上昇した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。アップルやインテルなど、前日に発表された四半期決算が好感された銘柄中心に買いが先行するとダウ平均は続伸して始まった。ただ、米政権が2月からカナダやメキシコなどに対して新たな関税を課すと改めて伝わると、米経済やインフレへの影響を懸念した売りが優勢に。指数は一時370ドル超下落した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米政権による関税を巡る報道を受けて売買が交錯した。結局はレビット米ホワイトハウス報道官が「カナダとメキシコに25%、中国に10%の追加関税を2月1日から課す」と改めて発言したことで、終盤売りが優勢となった。
・原油先物相場は反落。本日もトランプ政権による関税策の報道に右往左往する展開になった。一部報道で「加墨への関税は3月1日から」と報じられると、原油価格は一時72ドルを割り込んだ。ただ、レビット米ホワイトハウス報道官が誤報であると会見で発し、「カナダとメキシコへの25%関税、中国には10%課税は2月1日からということに変更はない」ことに言及し、原油価格も小幅に上昇する場面もあった。しかし、結局は売りの流れが強かったことで、小幅ながら反落して引けた。
・金先物相場は4日ぶりに反落。一時昨日高値を上回り史上最高値を更新した。しかし、レビット米ホワイトハウス報道官が「加墨の関税発動が3月1日というのは誤報である」と会見で発し、「カナダとメキシコへの25%関税、中国には10%課税は2月1日からということに変更はない」と言及すると、米金利の上昇でドルが買われたことを嫌気し軟調に動き、4日ぶりに反落して引けた。なお、1カ月を通すとこの13年間で最も上昇した月になった。
一部通信社が関係者の話として報じたとこによると、「トランプ米大統領は3月1日からカナダとメキシコに関税を課す予定」だという。これまでは2月1日にカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税措置を発動すると表明していた。
ホワイトハウスで報道官が「3月1日からカナダとメキシコに関税を課す」というのは誤報で、2月1日からカナダ・メキシコ・中国に関税課す予定であることに改めて言及した。
31日05:44 トランプ米大統領
「フェンタニル巡り対カナダとメキシコ関税発表へ」
「カナダとメキシコに25%の関税賦課」
「BRICSがドルにとって代わる可能性はない」
「BRICSがドルを代替しようとするなら100%の関税を課す」
31日14:44 植田日銀総裁
「基調的な物価は2%をまだ下回っている」
「基調的物価2%に向けて徐々に高まるよう緩和環境を維持」
「コストプッシュによる物価上昇、国民に多大な負担と認識」
「為替レートを特定水準に誘導する政策はしていない」
「為替変動がインフレ率に様々な影響を与えることは十分認識」
「経済・物価見通しが実現していけば金利引き上げ緩和度合いを調整」
「見通し実現なら利上げで緩和調整の考え、市場に伝わっている」
「財政の健全性に留意しつつ適切な政策運営に努める」
31日19:21 ロンバール仏財務相
「予算協議は正しい方向に進んでいるが、不信任案可決の可能性残る」
31日19:55 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「インフレは2%に向かって一段と安定している」
「金融政策の方向性は明確」
「金利引き下げのペースと規模は各会合ごとに決定される」
31日20:49 マクルーフ・アイルランド中央銀行総裁
「政策金利の方向は決まっているが、前もってコミットはしない」
※時間は日本時間
2月3日
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(1月23-24日分)
4日
○08:50 ◇ 1月マネタリーベース
5日
○08:30 ◇ 12月毎月勤労統計(現金給与総額)
6日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◇ 田村直樹日銀審議委員、あいさつ
7日
○08:30 ◇ 12月家計調査(消費支出)
○08:50 ◇ 1月外貨準備高
○14:00 ◇ 12月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
2月3日
○09:30 ◎ 12月豪小売売上高
○09:30 ◎ 12月豪住宅建設許可件数
○10:45 ◎ 1月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00 ◇ 1月トルコ製造業PMI
○16:00 ◎ 1月トルコ消費者物価指数(CPI)
○17:30 ◎ 10-12月期香港域内総生産(GDP)速報値
○17:30 ◇ 1月スイス製造業PMI
○17:50 ◎ 1月仏製造業PMI改定値
○17:55 ◎ 1月独製造業PMI改定値
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏製造業PMI改定値
○18:30 ◎ 1月英製造業PMI改定値
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏HICPコア速報値
○23:45 ◎ 1月米製造業PMI改定値
○24:00 ◇ 12月米建設支出
○24:00 ☆ 1月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○4日02:30 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○中国(旧正月)、メキシコ(憲法記念日)、休場
4日
○06:45 ◎ 12月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○08:30 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、あいさつ
○24:00 ◎ 12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○24:00 ◎ 12月米製造業新規受注
○24:00 ◇ 1月メキシコ製造業PMI
○5日04:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○中国(旧正月)、休場
5日
○06:45 ◎ 10-12月期NZ失業率/就業者数増減
○10:45 ◎ 1月Caixin中国サービス部門PMI
○16:45 ◇ 12月仏鉱工業生産
○17:50 ◎ 1月仏サービス部門PMI改定値
○17:55 ◎ 1月独サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○18:30 ◎ 1月英サービス部門PMI改定値
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 1月ADP全米雇用報告
○22:30 ◇ 12月カナダ貿易収支
○22:30 ◎ 12月米貿易収支
○23:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、イベントに参加
○23:45 ◎ 1月米サービス部門PMI改定値
○23:45 ◎ 1月米総?⑰MI改定値
○24:00 ☆ 1月米ISM非製造業指数
○6日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○6日01:00 ◎ 12月ロシア失業率
○6日03:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○09:30 ◇ 12月豪貿易収支
○15:45 ◇ 1月スイス失業率(季節調整前)
○16:00 ◎ 12月独製造業新規受注
○16:00 ◎ 1月スウェーデンCPI
○16:30 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○18:30 ◎ 1月英建設業PMI
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏小売売上高
○21:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表
○21:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:30 ◇ 1月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◇ 10-12月期米非農業部門労働生産性・速報値
○22:30 ◇ 10-12月期米単位労働コスト・速報値
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◇ 1月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表
○ニュージーランド(ワイタンギ・デー)、休場
7日
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合
○16:00 ◎ 12月独鉱工業生産
○16:00 ◇ 12月独貿易収支
○16:45 ◇ 12月仏貿易収支
○16:45 ◇ 12月仏経常収支
○17:00 ◇ 1月スイスSECO消費者信頼感指数
○17:45 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○21:00 ◎ 1月メキシコCPI
○21:15 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30 ☆ 1月カナダ雇用統計
○22:30 ☆ 1月米雇用統計
○24:00 ◎ 2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
○24:00 ◇ 12月米卸売売上高
○8日03:00 ◎ 1月ブラジル貿易収支
○8日05:00 ◇ 12月米消費者信用残高
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、インフレ鈍化で利下げ観測高まる
◆豪ドル、米国との金利先安観の違いが重しに
◆ZAR、SARBは米関税政策によるインフレリスクを警戒
予想レンジ
豪ドル円 93.50-98.50円
南ア・ランド円 8.15-8.60円
2月3日週の展望
豪ドルは上値の重い動きとなりそうだ。今週発表された10-12月期消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%と前期の2.8%から鈍化。価格変動の大きい品目を除いたトリム平均も同様に前期の前年比3.6%から3.2%へと低下し、豪州のインフレ鈍化傾向が改めて確認された。
この結果を受けて豪州の主要銀行が利下げ予想時期を5月から2月へと前倒ししたほか、金利先物市場では豪準備銀行(RBA)の次回理事会(2月17-18日)における利下げを90%以上織り込んだ。また、年内で合計3-4回の利下げも織り込み始めており、豪金利の先安観が高まってきている。
一方、今週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では4会合ぶりに政策金利が据え置かれたほか、声明文でもインフレ再燃への警戒感が示されており、米国の金利先安観は後退しつつある。目先は豪米の金利先安観の違いが意識されることで豪ドルの上値は重くなるだろう。
もっとも、トランプ米大統領の言動には引き続き注意が必要だ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はFOMC後の会見で「大統領の発言について一切コメントするつもりはない」としたが、利下げを求める米大統領からの圧力が強まれば市場にも動揺が走り、米金利やドル相場などが振らされる可能性もありそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開が予想される。南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)は金融政策決定委員会(MPC)で市場予想通りに政策金利を7.75%から7.50%へと引き下げたものの、6人のメンバーのうち2人は金利据え置きを主張していたことが明らかになった。また、インフレ見通しに関しては「今年上半期を通じて目標レンジの下限に留まる可能性が高い」としながらも、MPCでは今後の世界的な貿易戦争の検討に時間を費やし、世界的なインフレ上昇とZAR安が進むことで、国内インフレの上昇と政策金利がベースラインの予測と比較して上昇するシナリオについても言及した。なお、このリスクシナリオではZARが対ドルで現在の18ZAR台から21ZAR付近までドル高・ZAR安が進むとしており、今後の米政権の関税政策次第でZARの下値余地が大きく拡大する可能性には警戒しておきたい。
1月27日週の回顧
豪ドルは軟調に推移。米ハイテク株の下落などで週初からリスク回避目的の売りが強まったほか、豪CPIの公表後にはRBAの利下げ観測を手掛かりにした売りも出た。豪ドル米ドルは一時0.62米ドル割れ、豪ドル円は95円台までそれぞれ上値を切り下げた。
ZARも週初はリスク回避の動きから対ドル・対円でともに売りが先行。もっとも、一巡後は下げ渋る動きとなった。南ア国民統一政府(GNU)内の対立に関して過度な懸念が後退したこともZARの買い戻しを誘ったようだ。
◆ポンド、英中銀は利下げ見込み MPC委員の投票行動がポイントに
◆加ドル、トランプ関税の影響に警戒
◆加ドル、追加利下げもガイダンスは撤回
予想レンジ
ポンド円 188.50-194.50円
加ドル円 104.50-108.50円
2月3日週の展望
ポンドは、2月6日にイングランド銀行(英中銀、BOE)が発表する政策金利や金融政策報告書に注目。市場は、英金融政策委員会(MPC)が現行4.75%の政策金利を4.50%に引き下げると見ている。予想通りであれば2会合ぶりの利下げとなり、2023年5月以来の金利水準となる。英国では、12月消費者物価指数(CPI)が総合・コアともに市場予想より鈍化し、サービス部門のインフレも減速基調。経済データも鉱工業生産や小売売上高などが予想から下振れているほか、雇用状況も悪化しつつある。そういったなかでの利下げは妥当と言えるだろう。
英金融イベントで留意すべき点は、MPC委員9人の投票行動。金利据え置きの前回12月の会合でも、ラムスデン副総裁とディングラ、テイラー両委員が0.25%の利下げを主張した。今回はこの3人に何人追随するかがポイントになる。一部通信社の調べでは、利下げ7人/据え置き2人と見る向きが多いもよう。このバランスが崩れた方にポンド相場は反応するのではないか。
今回、政策金利と同時に公表されるのが金融政策報告書。四半期に一度のレポートでは、インフレ見通しに注目が集まる。昨年11月の前回報告では、2025年半ばにかけて約2.75%まで上昇し、26年は目標2%よりも高めの水準で推移。その後27年末に1.8%まで低下するとの予想が示された。これは8月の従来予測よりもインフレ目標達成時期を1年後ろにずらした形だった。
加ドルは、米国の関税政策がやはり警戒すべき材料だ。米ホワイトハウスは今週、カナダとメキシコからの輸入品に関税を課す時期について、トランプ大統領が当初言及した2月1日で検討していると述べた。米商務長官候補がその後、2カ国が違法薬物対策を強化すれば関税回避の可能性を示唆したものの、加ドル買いは盛り上がらず。カナダ側も、関税が発動された場合の報復措置は「米国により大きな打撃となる製品に重点を置く」と完全に身構えている。トランプ米大統領の決定次第では、加ドル相場は週明けのオセアニア市場からかなり荒い値動きとなりそうだ。
なおカナダ中銀(BOC)は29日の会合で、市場予想通りに政策金利を0.25ポイント引き下げて3.00%とした。声明では「米新政権による貿易関税の脅威により、通常よりも不確実性に晒されている」とし、政策金利調整のガイダンスを撤回した。ただ、トランプ関税の影響を考慮しなくても、カナダ成長見通しは下方修正されており、その上で先行き不安定さが増すようだと加ドルの買いづらさは続いてしまうだろう。
1月27日週の回顧
ポンドは対円で週明け194.60円台から192円前半まで売り先行。米ハイテク株の大幅下落からリスク回避の動きが強まった。一旦下げ渋るも、週後半には191円前半まで下げ幅を広げた。対ドルでは1.25ドル前半から1.24ドル割れまで水準を下げた。
加ドルは対円では108円後半から105円後半、対ドルでは1.43加ドル前半から一時1.45加ドル後半まで加ドル安が進行。トランプ関税への警戒感が高まると加ドル売り圧力が強まった。
◆ドル円、雇用統計始め米重要指標に注目
◆ドル円、引き続き米関税政策の行方には警戒
◆ユーロドル、景気悪化懸念や追加利下げ観測から上値重い
予想レンジ
ドル円 152.50-157.00円
ユーロドル 1.0000-1.0500ドル
2月3日週の展望
ドル円は、米経済指標に一喜一憂する展開が想定される。日米金融イベントを通過したが、日銀・米連邦準備理事会(FRB)ともに今後の金融政策については慎重な姿勢を示しており、現時点では方向性をつかめないといった状況だ。日銀は23-24日の会合で0.50%への利上げを決定したものの、植田日銀総裁は記者会見で「利上げのペースや時期については予断を持たず、そのときの経済・物価情勢を慎重に見て判断」との見解を示した。また、FRBは28-29日のFOMCで利下げの休止を発表し、「インフレは2%の目標に向けて進展してきた」との文言を削除したことでタカ派的と見られたが、パウエルFRB議長が会見で「追加利下げにはさらなるデータが必要だとの見方は変わっていない」と述べた。今後の手掛かりを得られなかったことで市場では手詰まり感が出ているが、日米ともに共通するのは今後のデータ次第であるという点であり、目先の経済指標に対して敏感に反応しそうだ。
来週は2月に入って3日に1月ISM製造業景況指数、4日に12月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、5日に1月ADP雇用統計や1月ISM非製造業景況指数、6日には10-12月期四半期非農業部門労働生産性・速報値、7日は1月雇用統計が予定されている。
また、引き続き米政権の関税政策には注意したい。トランプ米大統領は、30日には予定通りカナダとメキシコに対して2月1日から関税を課す考えを改めて表明し、為替市場では一時ドル高が進んだ。週末に3国間の協議次第では撤回される可能性も残されているが、週明けのオセアニア市場の動きには警戒が必要だろう。
ユーロドルは、頭の重い展開が想定される。欧州中央銀行(ECB)は30日の定例理事会で4会合連続での利下げを決定し、声明では「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」との見解が示された。ただ、ラガルドECB総裁は記者会見で追加利下げの可能性を排除しなかった。同日発表の仏・独・ユーロ圏の10-12月期国内総生産(GDP)速報値がいずれも弱い内容となるなど、欧州の景気悪化懸念が一段と高まるなかでユーロ売りが再び強まる可能性はあるだろう。
1月27日週の回顧
ドル円は一進一退。中国の新興企業の最新AIモデルを巡ってハイテク株中心に米株価指数先物が急落すると一時153.72円と昨年12月18日以来の安値を付けた。ただ、米政権の関税政策に対する警戒感からドル買いが優勢になると一転して反発。一時155.98円まで切り返した。一方、週末にかけては月末絡みの売りも観測されて再び153.79円まで失速した。
ユーロドルは上値が重い。週明けこそ1.0533ドルまで上昇したが、米関税政策への懸念でドル高が加速すると1.0383ドルまで一転下落した。
31日の日経平均は3日続伸。終値は58円高の39572円。
今週はAIに対する警戒が高まったことを機に、売買代金上位銘柄とそれ以外が対象的な動きをすることが多かった。週間では日経平均が0.9%安となった一方、TOPIXは1.4%高とプラスで終えており、パフォーマンスには開きがあった。動きが良かったTOPIXはきょうの高値が2795.21pまであり、節目の2800pや昨年大納会の高値2811.71pに接近している。日経平均の方は節目の4万円まではもう少し距離がある上に、この近辺では戻り売りも出やすくなる。来週はTOPIXが直近の高値を上回ることができるかに注目しておきたい。
【来週の見通し】
一進一退か。2月相場に入り、週末7日には米国で1月雇用統計が発表される。注目の指標を前に、指数は方向感が定まらないと予想する。日本は決算発表ラッシュに突入し、東京エレクトロンなど指数寄与度の大きい銘柄の発表も予定されている。米国でもアルファベットやアマゾンなど注目度の高い銘柄が決算を発表予定で、日々の指数の振れ幅は大きくなる可能性がある。ただ、急騰する銘柄も急落する銘柄も多くなるであろうから、投資家のセンチメントは強気にも弱気にも傾きづらい。週間では水準が大きく変化しないと予想する。
【今週を振り返る】
軟調となった。中国新興企業DeepSeek(ディープシーク)の開発するAIが米国テック企業に脅威になるとの見方が浮上し、日経平均は27日、28日と連日で大幅安。半導体株や電線株が強烈に売り込まれた。27日の米国市場ではエヌビディアが1日で17%近い下落となった。そのエヌビディアが切り返したことから、29日は大幅上昇。30日は業績好調が確認できたアドバンテストに買いが入り、AI関連に対する過度な警戒は後退した。31日は方向感に欠ける動きとなったものの、プラスを確保。前半の下げが大きく、週間では下落した。日経平均は週間では約359円の下落となり、週足では陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、日銀金融政策決定会合の主な意見(1/23~24開催分)、1月新車販売台数、1月軽自動車販売台数(2/3)、1月マネタリーベース、10年国債入札(2/4)、12月毎月勤労統計調査(2/5)、1月都心オフィス空室率、30年国債入札(2/6)、12月家計調査、12月景気動向指数(2/7)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、中国1月財新製造業PMI、米1月ISM製造業景況指数(2/3)、米12月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、米12月製造業新規受注(2/4)、米1月ADP雇用統計、米12月貿易収支、米1月ISM非製造業景況指数(2/5)、イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表(2/6)、米1月雇用統計、米2月ミシガン大学消費者マインド指数、米12月消費者信用残高(2/7)などがある。
今週の日経225先物は、トランプ米政権の関税政策や米雇用統計などの重要な経済指標、さらには日米決算発表を睨んでの相場展開になりそうだ。1月31日の米国市場では、主要な株価指数が下落した。12月の米個人消費支出(PCE)では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているPCEコア指数が前月比0.2%上昇、前年比では2.8%上昇した。いずれも予想と一致し、追加利下げを後押しする内容と受け止められて、NYダウは一時12月4日につけた終値ベースの最高値(4万5014ドル)を上回る場面もみられた。
ただし、トランプ政権がカナダとメキシコに25%、中国には10%の関税を課すと改めて伝わるなか、関税発動は米国にも経済的な影響を及ぼす可能性があることが警戒されて、その後は売りが優勢となった。また、中国のディープシークが開発した低コスト・高性能の人工知能(AI)「DeepSeek」に対する警戒も燻り、エヌビディア<NVDA>は不安定な値動きを続けている。加えて、決算を受けて大きく買われたアップル<AAPL>がその後軟化し、下落に転じたことも市場心理を神経質にさせた。
今週もこうした要因に振られやすい状況が続きそうだ。日経225先物は1月31日の取引終了後のナイトセッションで、日中比270円安の3万9360円で終えた。ロング優勢で始まり、米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まると、一時3万9820円まで買われる場面もみられた。ただし、買い一巡後は終盤にかけてロング解消の動きが強まった。
なお、トランプ米大統領は2月1日、カナダとメキシコ、中国からの輸入品への関税賦課について大統領令に署名した。今後、対象国による対抗措置、さらにそれを受けた米国の報復措置が警戒されてくる可能性もあろう。関連する報道によっては、短期的にショートを仕掛けてくる動きがありそうだ。
また、米国の経済指標では、3日に1月ISM製造業景気指数、5日にADP雇用統計、ISM非製造業景気指数、7日に雇用統計などの発表が控える。これらの結果の見極めで慎重姿勢が強まる可能性もあるが、米連邦公開市場(FOMC)が通過したことで、市場に与える影響はそれほど大きくはないとみておきたい。
日経225先物は、25日移動平均線(3万9360円)水準が支持線として意識されやすい。同線を割り込んでくるようだと75日線(3万9060円)が意識されてくるが、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9375円処では押し目狙いのロング対応を想定する。一方、3万9820円まで買われ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9860円)に接近する場面もみられた。+1σを捉えてくると、4万円の大台のほか+2σ(4万0360円)とのレンジに移行する可能性があろう。その場合にはオプション権利行使価格の3万9375円から4万0375円での推移が意識されてくる。
また、週間形状では13週線(3万9170円)と+1σ(3万9820円)によるレンジである。13週線を上回って推移する局面では、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。半面、日足・週足いずれも同水準で推移する+1σを捉えてくるようだと、ショートカバーを誘うことになるだろう。
そのほか、決算発表が本格化するなか、積極的にポジションを傾けにくい需給状況であるが、先週はアドバンテスト <6857.T> [東証P]やNEC <6701.T> [東証P]、日立製作所 <6501.T> [東証P]などハイテク株の決算を受けた上昇によって、センチメントを明るくさせる場面もみられた。1月31日の大引け後に決算を発表したこところでは、アルプスアルパイン <6770.T> [東証P]、SCREENホールディングス <7735.T> [東証P]の決算が好感される可能性があろう。
ハイテク企業の良好な決算が目立っていることも、押し目狙いのロング対応に向かわせやすい。今週は東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が6日に2025年3月期第3四半期決算の発表を予定しており、市場の関心が集まることになるだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.19倍となり、前週末(1月24日)の14.52倍から低下している。これもディープシーク・ショックの影響が大きく、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが目立つ一方で、内需系などTOPIX型へのシフトが強まった影響である。週前半の低下で200日線(14.23倍)を割り込んでおり、その後は同線が抵抗線として意識されていた。昨年11月の直近安値水準まで低下したことで、いったんはリバランスが入りやすいとみられるが、まずは明確に200日線を上抜けてくるかを見極めたいところである。
1月第3週(1月20日-24日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりの買い越しであり、買い越し額は9300億円(1月第2週は9729億円の売り越し)だった。なお、現物は3911億円の買い越し(同46億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しであり、先物は5389億円の買い越し(同9682億円の売り越し)と4週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で7491億円の売り越しと4週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で3776億円の売り越しとなり、2週ぶりに売り越した。
主要スケジュールでは、3日に日銀金融政策決定会合の主な意見(1月23~24日分)、米国1月ISM製造業景気指数、4日に米国12月製造業新規受注、5日に12月毎月勤労統計、中国1月財新サービス業PMI、米国1月ADP雇用統計、米国12月貿易収支、米国1月ISM非製造業景気指数、6日にイングランド銀行(BOE)政策金利、7日に12月景気動向指数、米国1月雇用統計、米国2月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。
<国内>
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(1月23-24日分)
<海外>
○09:30 ◎ 12月豪小売売上高(予想:前月比▲0.7%)
○09:30 ◎ 12月豪住宅建設許可件数(予想:前月比1.0%)
○10:45 ◎ 1月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.5)
○16:00 ◎ 1月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月4.35%/前年比41.25%)
○16:00 ◇ 1月トルコ製造業PMI
○17:00 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、記者会見
○17:30 ◇ 1月スイス製造業PMI(予想:49.1)
○17:30 ◎ 10-12月期香港域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比なし/前年比2.7%)
○17:50 ◎ 1月仏製造業PMI改定値(予想:45.3)
○17:55 ◎ 1月独製造業PMI改定値(予想:44.1)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:46.1)
○18:30 ◎ 1月英製造業PMI改定値(予想:48.2)
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.4%)
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.6%)
○23:45 ◎ 1月米製造業PMI改定値(予想:50.1)
○24:00 ☆ 1月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:49.6)
○24:00 ◇ 12月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○4日02:30 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○中国(旧正月)、メキシコ(憲法記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39360 -270 (-0.68%)
TOPIX先物 2771.5 -19.5 (-0.69%)
シカゴ日経平均先物 39355 -275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
31日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2024年12月の米個人消費支出(PCE)統計では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているPCEコア指数は前月比0.2%上昇となり、予想と一致した。FRBの追加利下げを後押しする内容と受け止められ、NYダウは買いが先行して始まった。ただし、トランプ米政権がカナダとメキシコに25%、中国には10%の追加関税を課すと改めて伝わるなか、米経済やインフレへの影響を懸念した売りが優勢となり下げに転じた。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、シェブロン<CVX>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、ボーイング<BA>、トラベラーズ<TRV>の下げが目立った。S&P500業種別指数は自動車・同部品、メディア、小売が上昇した半面、耐久消費財・アパレル、エネルギー、半導体・同製造装置が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比275円安の3万9355円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万9650円で始まり、3万9720円まで買われた後に3万9550円まで売られたが、米国市場の取引開始後にリバウンド基調が強まり、中盤にかけて3万9820円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただし、終盤にかけて下へのバイアスが強まり下落に転じると、一時3万9340円まで下げ、3万9360円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時3万9820円まで買われ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9860円)に接近する場面もみられたが、終盤にかけてロング解消の動きが強まった。25日移動平均線(3万9360円)まで下げており、同線が支持線として機能するかを見極めたいところだろう。
米国市場ではトランプ政権による関税政策の警戒から売られており、対象国による対抗措置、さらにそれを受けた米国による報復措置の動きが警戒される可能性もある。これらに関連する報道によっては、短期的なショートを仕掛けてくる動きがありそうだ。
ただし、決算発表が本格化するなか、積極的にポジションを傾けにくい需給状況である。先週はアドバンテスト<6857.T>[東証P]の上方修正が材料視される場面がみられたほか、ハイテク企業には良好な決算が目立った。今週は指数インパクトの大きい東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が、6日に2025年3月期第3四半期決算の発表を予定しており、ショートを仕掛けづらくさせよう。
日経225先物は25日線水準での底堅さを見極めつつ、同線を割り込んでくると75日線が位置する3万9060円が意識されてくるが、このレンジでは押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。一方で、25日線水準での底堅さがみられる局面では、+1σとのレンジ推移が継続することになる。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9875円でのレンジを想定する。
31日の米VIX指数は16.43(30日は15.84)に上昇した。前日に割り込んだ200日線(16.19)を突破して終えており、一時75日線(16.71)、25日線(16.78)を上抜ける場面もあった。ただし、終値で20.00を上回ってくるまでは、過度なリスク警戒にはつながらないとみておきたい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.19倍と横ばいだった。一時14.25倍に上昇する場面もみられたが、ディープシークショックで割り込んだ200日線(14.23倍)水準では戻りの鈍さがみられている。昨年11月の直近安値水準まで低下したことで、いったんはリバランスが入りやすいとみられるが、まずは明確に200日線を上抜けてくるかを見極めたいところである。
31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米国でのインフレ再燃や米関税政策への警戒感から155.22円まで上昇した。ユーロドルは1.0350ドルまで下落した。ユーロ円は161.50円まで上昇した。米ドルカナダドルはトランプ関税が2月1日に発動されることで1.4559カナダドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している12月のPCEデフレーターが前年比+2.6%となり、11月の+2.4%、10月の+2.3%、9月の+2.1%から上昇基調にあることやトランプ関税の発動を受けて底堅い展開が予想される。
しかし、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ確率は、6月FOMCが46%台(-0.25%=4.00-25%)、12月FOMCが33%前後(-0.25%=3.75-4.00%)とほぼ変わらずとなっており、上値は限定的だと思われる。
トランプ関税がカナダとメキシコに対して発動されたが、トランプ米大統領は「欧州連合(EU)に対しても何らかの非常に重要な関税を賦課する意向」と述べている。
EUも報復関税を示唆しており、米国を軸にした貿易戦争が勃発しつつある。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。すなわち、貿易戦争はリスク回避要因となる可能性があることに警戒しておきたい。
今週は、7日に日米首脳会談が予定されている。これまでトランプ米大統領は、日本に対する関税やドル高・円安に関する言及はなかった。しかし、昨年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、同様の見解が示される可能性があることで、ドル円の上値は限定的だと思われる。
8時50分に発表される日銀金融政策決定会合における主な意見(1月23-24日分)では、ターミナルレート(利上げの最終到達点)が議論されたのか否かに注目したい。
9時30分に発表される12月豪小売売上高の予想は前月比▲0.7%となっている。先週発表された10-12月期豪消費者物価指数(CPI)は前年比+2.4%と前期の+2.8%から鈍化し、価格変動の大きい品目を除いたトリム平均も同様に前期の前年比+3.6%から+3.2%へと低下し、豪州のインフレ鈍化傾向が改めて確認された。
金利先物市場では17-18日に開催される豪準備銀行(RBA)理事会での利下げ確率が90%程度まで上昇しているが、小売売上高が予想通りに悪化していた場合、利下げ確率がさらに上昇すると思われる。
3日の中国株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月5日から再開される。
日経225先物は11時30分時点、前日比1050円安の3万8580円(-2.64%)前後で推移。寄り付きは3万8610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9355円)を大きく割り込み、ギャップダウンで始まった。現物の寄り付き時には3万8410円まで売られ、売り一巡後は中盤にかけて3万8870円まで下落幅を縮めた。ただし、急落によって需給状況は悪化しており、終盤にかけては3万8600円を挟んでの推移を継続している。
トランプ米大統領が1日にメキシコ、カナダ、中国への追加関税を課す大統領令に署名したことを受け、リスクオフの展開となった。これまで報道によって、ある程度は織り込まれていたとみられたが、ギャップダウンによってヘッジ対応のショートが強まったようだ。日経225先物は75日移動平均線(3万9050円)を一気に下抜け、一時200日線(3万8490円)を割り込む場面もあった。200日線を割り込み、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8270円)に接近したことで、やや下げ渋る動きをみせているが、再び200日線を割り込んでくるようだと、ショートの動きが強まりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍に低下した。一時14.23倍に上昇する場面もみられたが、200日線(14.23倍)に抑えられる形となった。その後は一時14.09倍まで低下しており、NTショート向かわせよう。
2月に入ってもトランプ相場が続いています。先週末も月末要因などのフローは主人公とはなれず、ひたすらトランプ関税に関する報道や言動に振らされることになったわけですが、一部で「カナダ、メキシコ、中国への関税は予定の2月1日より1カ月発動が延期される」と報じられるとドル売りで反応。ただ、ホワイトハウスがこの報道を否定して「予定通り」との見解を表明すると一転してドル買いが強まる展開となりました。
ドル円は154.67円まで下押しした後、ホワイトハウスの否定を受けて155.22円まで買戻されています。ユーロドルは1.0434ドルまで上昇した後、引けにかけては1.0350ドルの安値まで値を下げて週末の取引を終えました。カナダドルやメキシコペソはいわずもがなと言った乱高下となりました。
そして、週末にはトランプ米大統領が2月4日からの関税賦課に関する大統領令にサインすると、週明けのオセアニア市場から再び荒れた展開に。ドル円は一時155.79円まで急伸した後、クロス円の急落から154.67円まで下落。東京勢参入後は本邦実需の買いが断続的に観測されたほか、再びドル買いの流れとなるなか155.89円まで買戻されているといったところです。今後の関税賦課の可能性が強まっているユーロドルは1月13日の安値1.0178ドルを下抜けて一時1.0141ドルまで急落。新たに米国からの資金拠出の打ち切りが表明された南アランドも急落。カナダ円やメキシコペソ円も安値を更に更新したのは言うまでもありません。
いずれにしても、2月に入ってトランプ関税が本格的に始動。日経平均は海外勢のヘッジ売りが先行していることもあり、不必要に1100円を超える急落を演じているわけですが、こういった反応こそが米新政権の政策に対する市場の反応であって、日銀のトランプ政権発足直後の、しかも、日本でも石破首相の通常国会冒頭での施政方針演説当日という、最もタイミングの悪い不可解な利上げが悪い意味で際立ってしまっています。
ドル円は、先週末に一目雲を意識しつつ153円台後半で下値を固めたようなかたちとなっていますが、トランプ関税が基本的にはドル高の要因となるという方向性をしっかりと認識しておくことが重要となってきています。
2022年10月に亡くなった東京大学名誉教授の小宮隆太郎氏は、白川第30代日銀総裁や植田第32代日銀総裁の指導教官として知られているが、日銀の経済政策を批判してきた。
日銀は、2024年12月19日、1990年代後半から25年間にわたる金融緩和政策の効果と副作用をまとめた検証結果「多角的レビュー」を公表したが、非デフレ化には貢献したものの、想定ほど効果なし、と結論付けた。
植田日銀総裁は、2024年3月、異次元緩和の一環としてマイナス金利政策を撤廃し、短期金利を操作する普通の金融政策に回帰し、2025年1月には、政策金利を0.5%まで引き上げている。
1. 多角的レビュー
■非伝統的な異次元緩和政策の効果
・短期金利の操作による伝統的な政策手段に比べ不確実
・今後、採用を検討する際は、副作用を抑制しながら制度を設計していく必要がある
■政策運営への教訓
・景気悪化時に実質金利を引き下げることができるよう、小幅のプラスの物価上昇率を安定して実現していくことが重要
・利上げを進めて不況時に利下げできる余地を確保しておく必要性
■異次元緩和の効果
・実質GDP(国内総生産):+1.3~1.8%程度
・消費者物価(生鮮食品とエネルギー除く):+0.5~0.7%程度
■副作用
・国債増発や財政規律の緩みを招いたとの批判
・『財政ファイナンス』ではないと明確に示していくことが極めて重要
2. 2014年下半期(7~12月)の金融政策決定会合の議事録
2014年4月の消費税増税により物価目標実現が危ぶまれる事態を受けて、10月31日の日銀金融政策決定会合で、マネタリーベース(資金供給量)を80兆円(従来60兆~70兆円)へ拡大する追加緩和策が、賛成5対反対4で決定された。
■賛成:5
・岩田副総裁「経済・物価情勢の下方リスクに対応して追加緩和すべき時だ」
・中曽副総裁「国債の買い入れ額増でマネタリーベースの増加ペース拡大を提案」
・黒田総裁「デフレマインド転換が遅延するリスクを防ぎ、期待形成のモメンタムを維持」
・宮尾委員、白井委員
■反対:4:森本委員、石田委員、佐藤委員、木内委員
3.日銀審議委員の正常化
植田日銀総裁は、金融政策の正常化を進めているが、日銀審議委員の正常化も進みつつある。次期日銀審議委員候補の小枝早大教授は、金融やマクロ経済を専門とする経済学者であり、2024年4月の日経経済教室では「マイナス金利解除後の展望 財政の持続性確保が大前提」とのタイトルで、国債購入額を減らして、肥大化したバランスシートを縮小していくことが必要だと指摘していた。
2022年12月の経済教室では「超低金利脱却へ環境整えよ あるべき金融政策」とのタイトルで、超低金利によるマイナス面を指摘していた。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値を見極めつつ、欧米貿易戦争勃発の可能性に警戒していく展開となる。
1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値の予想は前年比+2.4%、ユーロ圏HICPコア速報値の予想は同比+2.6%となっている。
1月の欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利が0.25%引き下げられた後、3月理事会でも0.25%引き下げて、中立金利(1.75%~2.50%)の上限付近まで追加利下げすることが示唆されており、1月のユーロ圏HICPへの注目度は従来ほどではないのかもしれない。
トランプ米大統領は、先週、「欧州連合(EU)に対しても何らかの非常に重要な関税を賦課する意向」と述べ、EUサイドも報復関税を示唆したことで、欧米貿易戦争の様相を呈し始めている。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。
欧米貿易戦争は、米国とユーロ圏にとってマイナス要因となり、ECBに対して更なる利下げが求められるのかもしれない。
ユーロ圏の景況感悪化とECBによる追加利下げの思惑は、ユーロドルの2022年以来のパリティー(1ユーロ=1ドル)割れを射程に入れつつある。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0457ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:161.80円(1/30高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:0.9936ドル(2022/11/10安値)
・ユーロ円:156.99円(2024/12/4安値)
みずほ証券のテクニカルリポートでは、日経平均やTOPIXの1月の騰落率が欧米株を下回っていることに注目している。独DAX、ユーロストックス600、英FT100は史上最高値を更新していた。モメンタム重視の海外投資家の欧州株への関心は高く、出遅れが目立つ日本株への関心は低いとみている。2月は日米欧株とも下落に注意が必要とみずほでは指摘しているが、その中で日本株は欧米株に出遅れ、短期筋の売買が中心となる動きが続くと予想。買い戻し以外には積極的な買い手が不在となり、手じまい売りに押されやすくなると考えている。
ドル円:1ドル=155.57円(前営業日NY終値比△0.38円)
ユーロ円:1ユーロ=159.31円(▲1.47円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0240ドル(▲0.0122ドル)
日経平均株価:38520.09円(前営業日比▲1052.40円)
東証株価指数(TOPIX):2720.39(▲68.27)
債券先物3月物:140.75円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.245%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は荒い値動き。トランプ米大統領が1日にカナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の追加関税を課す大統領令に署名したことを受け、米インフレ再燃リスクを意識したドル買いが先行した。週明けの早朝取引では一時155.79円まで上昇。その後はクロス円が全面安となった影響から154.67円まで押し戻されたが、本邦勢の参入後は再び買い戻しが入り、155.89円まで反発した。
・ユーロ円は売りが優勢。トランプ米大統領がカナダやメキシコ、中国に追加関税を発動したことを受けて、当該国の通貨を中心にクロス円が軒並み安となるなか、ユーロ円も一時158.00円まで下押しした。一巡後は159.70円台まで買い戻しが入る場面も見られたが、週明け早朝からの下げ幅を取り戻すには至っていない。
なお、カナダドル円は一時104.92円、メキシコペソ円は7.29円まで大幅に下落した。両国はそれぞれトランプ関税に対して対抗措置を講じる方針を表明している。
・ユーロドルは軟調。トランプ関税によるドル高の流れに沿ったほか、関税対象が欧州へと向けられる懸念もあり、週明けの早朝取引では2022年11月以来の安値となる1.0141ドルまで値を下げた。その後の戻りも1.02ドル台後半までにとどまった。
・日経平均株価は4営業日ぶりに大幅反落。トランプ関税による世界経済への影響が懸念され、幅広い銘柄が売りに押された。特に関税の影響を受けやすいとされる自動車株などの下げが目立ち、指数は約1週間ぶりに節目の3万9000円を下回り、下げ幅は1100円を超える場面も見られた。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。日銀の利上げ継続姿勢などを材料に売り先行で始まったが、寄り付きでの売り一巡後は買い戻しが優勢となった。トランプ米政権の関税政策による貿易紛争への懸念から週初の日本株が大幅安となり、安全資産としての債券需要が意識されると、相場はプラス圏に浮上した。
大阪3月限
日経225先物 38600 -1030 (-2.59%)
TOPIX先物 2730.5 -60.5 (-2.16%)
日経225先物(3月限)は前日比1030円安の3万8600円で取引を終了。寄り付きは3万8610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9355円)を大きく割り込み、ギャップダウンで始まった。現物の寄り付き時には3万8410円まで売られ、売り一巡後は前場中盤にかけて3万8870円まで下げ幅を縮めた。だが、急落によって需給状況は悪化し、前場終盤には3万8600円を挟んでの推移が続くなか、ランチタイムで一時3万8380円まで下げ幅を広げた。後場は3万8380円から3万8600円辺りでのボトム圏での推移が続いた。
トランプ米大統領が1日にメキシコ、カナダ、中国への追加関税を課す大統領令に署名したことを受け、リスクオフの展開となった。これまでの報道によって、ある程度は織り込まれていたとみられたが、ギャップダウンによってヘッジ対応のショートが強まったようだ。日経225先物は75日移動平均線(3万9050円)を一気に下抜け、一時3万8380円まで下げており、200日線(3万8490円)を割り込む場面もあった。
ただし、200日線を割り込み、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8270円)に接近したことで、急ピッチの下げに対する売られ過ぎが意識されやすい。また、1月半ばと昨年12月半ばの調整局面では200日線辺りで目先底を形成したこともあり、押し目待ち狙いのロングやショートカバーも入りやすい水準だろう。
まずは200日線水準での底堅さを見極めたいところであり、週明けの米国市場の動向が注目される。グローベックスの主要な株価指数先物は、NYダウ先物が570ドル安、ナスダック100先物は370ptほど下落して推移している。週明けの弱い値動きはある程度織り込まれているため、下げが限定的だった場合には、本日の大幅下落によっていったんはリバウンドが意識されやすい。
また、東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が9割近くを占め、売買高は24億株超と昨年12月20日(27億株超)以来の水準に膨らんだ。一気に持ち高を圧縮したほか、ギャップダウンからの一段安でヘッジ対応の動きが強まったとみられる。200日線水準でのボトム意識が高まるようだと、ショートカバーによるリバウンドが強まる可能性がある。
一方で、米国市場の下げが強まる局面では、需給が一段と悪化する可能性がある。ボリンジャーバンドの-2σを割り込んでくると、瞬間的に-3σ(3万7720円)辺りが射程に入ってきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下した。一時14.23倍に上昇する場面もみられたが、200日線(14.23倍)に抑えられる形となった。その後は一時14.09倍まで低下し、昨年9月以来の水準をつけた。同月の安値13.93倍が意識されやすく、NTショート向かわせよう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万4159枚、ソシエテジェネラル証券が2万5666枚、サスケハナ・ホンコンが7896枚、JPモルガン証券が6368枚、SBI証券が4525枚、バークレイズ証券が4199枚、日産証券が4060枚、モルガンMUFG証券が2656枚、ゴールドマン証券が2490枚、野村証券が2362枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が4万1154枚、ソシエテジェネラル証券が3万0428枚、バークレイズ証券が9701枚、JPモルガン証券が8518枚、モルガンMUFG証券が5771枚、ゴールドマン証券が5116枚、みずほ証券が5051枚、ビーオブエー証券が3422枚、BNPパリバ証券が2459枚、野村証券が2207枚だった。
本日のNY時間のドル円は、引き続きトランプ政権の動向を見定めて、他通貨の動きや株価に連れて動くことになりそうだ。
本日は早朝からトランプ政権による、カナダとメキシコへの追加関税発動で、米インフレ高進による米金利上昇・ドル高が市場を先導した。時間外の米長期金利は、その後アジア時間には低下したものの、ドルの売り戻しへの反応は限定的となった。
追加関税はカナダとメキシコへの影響は大きいものの、市場では米国市場への悪影響は必至と捉え、米株先物市場が大幅安で反応している。ポピュリストなトランプ米大統領であることで、米株安などを懸念して、関税発動を4日から再び延期する言い訳を探す可能性もあり、再びSNSなどでの関税策についての発表の有無には注目したい。
なお、第1次トランプ政権とは違い、他国が米国依存型の経済から徐々に抜け出そうとする傾向にあることで、トランプ政権の圧力をかければかけるほど、脱米国の動きが加速するリスクもある。このことの無視して圧力をかけ続けた場合には、米国のインフレ圧力が増し、米経済が袋小路に陥るリスクにも警戒していきたい。
市場の注目は追加関税が決定したカナダ、メキシコ、今後の課税強化が予想される中国、ユーロ圏などの通貨に集まっている。円に関して言えば、米国のインフレ懸念が高まればドル買いに反応する反面、株価の下落による円買いが重なることで、他通貨と比較して値動きは限定的になるか。
なお、本日米国からの経済指標は1月米製造業PMI改定値、1月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数、12月米建設支出などが発表される。ISM製造業景気指数は通常は市場の反応が敏感になる経済指標だが、先週は米連邦公開市場委員(FOMC)翌日に発表された、12月のPCEデフレーターなどへの市場の反応が限られたように、市場の目がトランプ政権の通商政策に目が移っていることで、ISMも通常よりは反応は限られるかもしれない。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、日足一目均衡表・基準線156.30円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、先週末31日NY時間での安値154.53円。
今週のNY市場は関税問題や決算発表、雇用統計などの経済指標に注目。先週はダウ平均が120.41ドル高(+0.27%)と3週続伸した一方、S&P500は1.00%安、ナスダック総合が1.64%安とともに3週ぶりに反落した。中国のスタートアップ企業ディープシーク(DeepSeek)が低コストの大規模AIを構築したとのニュースを受けて週明け月曜日にエヌビディアなどのAIインフラ株や関連の電力会社株が急落し、ナスダック総合が3%安でスタートしたほか、水曜日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が据え置かれ、声明文が利下げに消極的なややタカ派的内容と受けとめられたことも相場の重しとなった。ただ、好決算を発表したIBM、アップルが大幅高となったほか、ナイキ、アムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの上昇も追い風となりダウ平均は週間で上昇を維持した。週末の動きではトランプ大統領がカナダ、メキシコ、中国に追加関税をかける大統領令に署名し、関税発動が正式に決定された。
今週はトランプ関税による貿易摩擦や輸入物価上昇が相場の重しとなることが懸念されるほか、発表が集中する第4四半期決算や、雇用統計などの経済指標が焦点となりそうだ。決算発表はS&P500採用の120社以上が発表予定でアルファベット、アマゾンなどのメガキャップのほか、ウォルト・ディズニー、ペプシコ、モンデリーズ、チポトレ・メキシカン・グリルなどの決算やガイダンスが注目される。経済指標では週末金曜日に1月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)が発表されるほか、1月ISM製造業・非製造業PMI、12月JOLTS 求人件数、1月ADP民間部門雇用者数、2月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値などにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは1月S&Pグローバル製造業PMI確定値、12月建設支出、1月ISM製造業PMIなど。企業決算は寄り前にマクドナルド、タイソン・フーズ、引け後にパランティア・テクノロジーズなどが発表予定。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
フランスは再び内閣不信任投票へ 政治安定と財政悪化のトレードオフ
2025年予算の早期成立を目指すフランスのバイル首相は1日、議会採決を迂回する特別な立法手続きを用いる方針を固めた。極左政党が内閣不信任案を提出する方針で、不信任案が通れば、バルニエ前首相と同様に退陣に追い込まれる。バイル首相は、政権発足直後の内閣不信任案で投票を棄権した社会党に協力を求めるが、同党は移民を巡る最近の首相の発言で態度を硬化しており、不信任投票の行方は予断を許さない。
今回の不信任案を乗り切った場合も、年金改革の見直し協議が大きな関門となる。バイル首相は社会党の協力の見返りに、マクロン大統領の年金改革の見直し是非を関係者が協議する場を設けることを約束。首相は財政悪化につながらない形の年金改革の見直しに応じる構えを示唆しているが、社会党の要求する年金支給開始年齢の引き上げ撤回は巨額の財政悪化につながる。
年後半に入ると議会の前倒し解散が解禁されるが、左派会派を離脱した社会党は、別の左派勢に対立候補を立てられる恐れがあり、早期の議会選挙を望んでいない。予算案や年金改革の見直しで何らかの譲歩が得られれば、消極的な形にせよ政権を支持するインセンティブがある。このことは、フランスの政治安定につながる一方、財政再建が計画通りに進まない可能性を高める。
日経平均株価は急反落。大きなマドを開けて大幅安で寄り付いた後も下値模索が続いた。終値ベースで200日移動平均線(38635円 2/3)を下回る長い陰線を形成した。
RSI(9日)は前日の63.1%→42.7%(2/3)へ低下。あすも低下が続きやすいタイミングとなる。1/28安値(38886円)を下回ったことで、1/24高値(40279円)からの二段下げ目に入った。先週末のほぼ寄り引け同時の「十字足」が分岐を示していたことになり、短期的には1月安値を保った状態で反転上昇につながるかが焦点となる。
上値メドは、75日移動平均線(39030円 同)、25日移動平均線(39323円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.65円(3日15時時点比▲0.92円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.96円(▲0.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0279ドル(△0.0039ドル)
FTSE100種総合株価指数:8583.56(前営業日比▲90.40)
ドイツ株式指数(DAX):21428.24(▲303.81)
10年物英国債利回り:4.487%(▲0.051%)
10年物独国債利回り:2.385%(▲0.075%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月スイス製造業PMI
47.5 47.0・改
1月仏製造業PMI改定値
45.0 45.3
1月独製造業PMI改定値
45.0 44.1
1月ユーロ圏製造業PMI改定値
46.6 46.1
1月英製造業PMI改定値
48.3 48.2
1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.5% 2.4%
1月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.7% 2.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは持ち直した。トランプ政権によるカナダ、メキシコ、中国に対する関税や、各国の報復関税など対抗措置による貿易戦争激化への懸念を背景に、アジア市場では一時1.0141ドルと2022年11月以来の安値を付けた。
ただ、欧米市場に入ると下げ渋る展開に。急ピッチで下落した反動でショートカバーが先行。メキシコのシェインバウム大統領が「同国に対して米国が表明した25%の関税の発動が1カ月延期される」と明らかにすると、トランプ関税による貿易戦争激化への懸念が和らぎユーロ買い・ドル売りがさらに進んだ。0時30分過ぎには一時1.0335ドルと日通し高値を更新した。
・メキシコペソは買い戻しが優勢。ドルペソは一時20.4070ペソ、ペソ円は7.58円までペソ高に振れた。トランプ米政権によるメキシコへの関税が1カ月延期になったことが分かるとペソ買いで反応した。
・ドル円は下げ渋り。トランプ米政権による関税発動が世界経済に悪影響を与えるとの懸念が高まると、欧米株価が下落。リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となり、0時30分前に一時154.02円と日通し安値を更新した。
ただ、前週末の安値153.92円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米政府による対メキシコ関税が1カ月先送りになったことが伝わると、株価の下げ渋りとともにドル円にも買い戻しが入り、154.86円付近まで下げ幅を縮めた。
なお、この日発表の1月米ISM製造業景況指数は50.9と予想の49.6を上回り、12月米建設支出は前月比0.5%増と予想の0.2%増より強い内容となった。
・ユーロ円は底堅い動き。0時30分前に一時157.97円と昨年12月9日以来の安値を付けたものの、米国の対メキシコ関税延期をきっかけに買い戻しが強まると159.81円付近まで急速に値を戻した。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し高値159.98円を上抜けることは出来なかった。
・ロンドン株式相場は6日ぶりに反落。トランプ米政権による中国やカナダなどへの追加関税が世界経済に影響を及ぼすとの懸念から、本日のアジア株式相場が軟調に推移。英株にも売りが波及した。HSBCやバークレイズなど金融株が売られたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反落。トランプ米政権による関税発動が世界経済に悪影響を与えるとの懸念が高まると、独株にも売りが広がった。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではフォルクスワーゲン(4.10%安)やシーメンス・エナジー(4.08%安)、BASF(3.81%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。トランプ米政権の関税政策に不透明感が強い中、相対的に安全な資産とされる独国債が買われた。
2月に入り3日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は1052円安の38520円。トランプ大統領が1日にカナダなどに関税を課す大統領令に署名したことが嫌気され、600円超下落して始まった。トヨタ<7203.T>など自動車株が下げを先導して全面安の展開。1100円超下げて38500円を割り込んだところでいったん切り返したが、10時台半ば辺りからは改めての売りに押された。後場は前場同様に38500円より下では下げ渋ったものの、安値圏でのもみ合いが継続。4桁の下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆5600億円。大きな動きが出てきたことで商いも膨らんだ。業種別ではプラスは情報・通信1業種のみで、海運や空運の下げが相対的に軽微となった。一方、輸送用機器、精密機器、パルプ・紙などが大幅な下落となった。上方修正や増配を発表したコナミグループ<9766.T>が急騰。半面、下方修正を発表したエンプラス<6961.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり154/値下がり1470。トヨタが5.0%安、ホンダが7.2%安、マツダが7.5%安と自動車株が軒並み大幅安。デンソーが8.3%安と部品関連も厳しい下げとなった。ファーストリテイリング、キーエンス、ディスコなど値がさ株が全般軟調。「バッドトランプ」が意識される中、メタプラネットやリミックスポイントなど暗号資産関連が値を崩した。決算失望銘柄は派手に売られており、下方修正を発表したソシオネクストや日本ハムが急落。SMSは場中に値が付かずストップ安比例配分となった。
全面安となる中で好決算を発表した銘柄には資金が集中しており、今期最終黒字を達成できる見込みとなった住友ファーマがストップ高。上方修正を発表した明電舎が急騰した。フジHDが人気化して14.4%高。全体では「トランプリスク」が警戒される中でもソフトバンクGがプラスで終えたほか、SBやKDDIなど通信株の一角が逆行高となった。
本日は名証ネクスト市場にバルコスが新規上場。初値は公開価格をわずかに上回ったが、終値は初値や公開価格を下回った。
2月初日の日経平均は大幅安。大幅ギャップダウンで始まり、場中も下げ幅を広げた。目先は上でも下でも振れ幅が大きくなる可能性がある。きょうの安値は38401円。昨年後半以降は38000円~40000円レベルでのレンジ相場が続いており、38000円辺りまでで売りが一巡するかどうかが焦点となる。1月後半に4万円乗せを達成した後は失速しているだけに、きょうの下げはレンジ下限に向けての動きに勢いがついただけとも考えられる。ただし、きょうレベルの下げが間を置かず続いて38000円を明確に割り込んでしまうと底抜けに対する警戒が高まる。週初からなすすべなく4桁の下落となったが、あすは仮に下げたとしても下値で買いが入るかどうかに注意を払っておきたい。
SMBC日興証券では、1月の東京都区部コアCPI(生鮮食品を除くCPI)が前年同月比+2.5%となったことを受けて、2月21日公表予定の1月の全国コアCPIを同+3.2%と予想している。今年前半は家計の実感と基調的なインフレの差は大きいままとみているが、その後は輸入物価の押し上げが減衰することで、コアCPIは内生的なインフレ率に近い水準になってくるとSMBC日興では予想。2025年末のコアCPIは前年比+1.4%程度まで減速すると予想している。
3日08:50 日銀金融政策決定会合における主な意見(1月23-24日分)
「『物価安定の目標』の持続的・安定的な実現という観点から、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切である」
「利上げ後も、実質金利は大幅なマイナスであり、経済・物価がオントラックであれば、それに応じて、引き続き利上げをしていくことで、そのマイナス幅を縮小していく必要がある」
「今後、過度な緩和継続期待の醸成による円安進行や金融の過熱を避ける観点から、金融緩和度合いの調整を行うことも必要である」
「昨年前半までのような急激な円安の進行は決して望ましいものではない。一方で、円安是正が過度に進むといった逆のリスクにも相応に注意が必要と考える」
「上下双方向のリスクがかなり大きいことを考えると、利上げのペースやターミナル・レートを示唆することには極めて慎重であるべきである」
3日17:00 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「ECB、追加利下げの可能性はある」
「トランプ関税は懸念材料」
4日00:29 シェインバウム・メキシコ大統領
「関税は1カ月先送り」
「トランプ米大統領と良い会話、一定の合意に至る」
4日00:49 トランプ米大統領
「メキシコへの関税の1カ月先送りを確認」
「メキシコとの交渉はこの1カ月の間で行われる」
4日03:04
「まだメキシコと関税巡り合意していない」
「中国と恐らく今後24時間のうちに話すだろう」
4日01:15 コリンズ米ボストン連銀総裁
「大規模な関税は物価水準を押し上げ、二次的な影響を及ぼす可能性」
「米国経済は総じて好調だと見ている」
「労働市場は好調で、完全雇用に近い」
「金利を再度引き下げる緊急性はない」
4日01:31 カナダ政府高官
「メキシコのような関税延期、カナダは楽観視していない」
4日02:52 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「現在、不確実性は大幅に拡大している」
「FRBは依然としてインフレに重点を置いている」
「インフレは引き続き低下するとの見通し」
「雇用市場は引き続き堅調であるとの見通し」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 1月マネタリーベース
<海外>
○06:45 ◎ 12月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○08:30 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、あいさつ
○22:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○24:00 ◎ 12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:800.0万件)
○24:00 ◎ 12月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.7%)
○24:00 ◇ 1月メキシコ製造業PMI
○5日01:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○5日04:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○中国(旧正月)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.73円(前営業日比▲0.46円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.06円(▲0.72円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0344ドル(▲0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:44421.91ドル(▲122.75ドル)
ナスダック総合株価指数:19391.96(▲235.48)
10年物米国債利回り:4.56%(△0.02%)
WTI原油先物3月限:1バレル=73.16ドル(△0.63ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2857.1ドル(△22.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月米製造業PMI改定値
51.2 50.1
1月米ISM製造業景況指数
50.9 49.2・改
12月米建設支出
(前月比) 0.5% 0.2%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは6日続落。トランプ米政権によるカナダ、メキシコ、中国に対する関税や、各国の報復関税など対抗措置による貿易戦争激化への懸念を背景に、アジア市場では一時1.0141ドルと2022年11月以来の安値を付けた。
ただ、NY市場に入ると急ピッチで下落した反動でショートカバーが進んだ。シェインバウム・メキシコ大統領が「同国に対して米国が表明した25%の関税の発動が1カ月延期される」と明らかにしたほか、トルドー・カナダ首相が「米国の関税は少なくとも30日間停止」と発言すると、トランプ関税による貿易戦争激化への懸念が和らぎユーロ買い・ドル売りが広がった。取引終了間際には一時1.0350ドルと日通し高値を更新した。
なお、米政権の対メキシコ・カナダ関税延期を受けて、メキシコペソとカナダドルは急伸。ドルペソは一時20.3078ペソ、ペソ円は7.62円までペソ高に振れたほか、米ドルカナダドルは一時1.4390カナダドル、カナダドル円は107.51円までカナダドル高に振れた。
・ドル円は反落。トランプ米政権による関税発動が米経済や企業収益に悪影響を与えるとの懸念が高まると、ダウ平均が一時660ドル超下落。リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となり、0時30分前には一時154.02円と日通し安値を更新した。
ただ、前週末の安値153.92円が目先サポートとして意識されると下げ渋る展開に。米政府による対メキシコ関税が1カ月先送りになったことが伝わると、株価の下げ渋りとともにドル円にも買い戻しが入り、155.01円付近まで下げ幅を縮めた。
なお、この日発表の1月米ISM製造業景況指数は50.9と予想の49.6を上回り、12月米建設支出は前月比0.5%増と予想の0.2%増より強い内容となった。
・ユーロ円も反落。0時30分前に一時157.97円と昨年12月9日以来の安値を付けたものの、米国の対メキシコ・カナダ関税延期をきっかけに買い戻しが強まると、週明け早朝取引で付けた159.98円を上抜けて一時160.15円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。トランプ米政権による関税発動が米経済や企業収益に悪影響を与えるとの懸念が高まると、ダウ平均は一時660ドル超下落した。ただ、メキシコに対する関税発動が1カ月延期されることが伝わると買い戻しが優勢となり、上げに転じる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。トランプ米政権による関税発動が米経済に悪影響を与えるとの懸念が高まると、相対的に安全資産とされる米国債には買いが先行した。ただ、メキシコやカナダに対する関税発動が1カ月延期されることが伝わると一転売りが優勢となり下げに転じた。
・原油先物相場は反発。トランプ政権によるカナダ、メキシコ、中国に対する輸入関税が世界経済に悪影響を及ぼし、原油などエネルギー関連品目を含む現物の流通を停滞させるとの見方が買いを先行させた。ただ、産油国の1つでもあるメキシコのシェインバウム大統領による「関税は1カ月先送り」「トランプ米大統領と良い会話、一定の合意に至る」などの発言が伝わると安心感が広がり、原油買い圧力が緩和。上昇幅を縮小した。
・金先物相場は反発。トランプ政権によるカナダ、メキシコ、中国に対する関税や、各国の報復関税など対抗措置による貿易戦争激化への懸念を受け、リスク回避資産である金を買う動きが先行。2870ドル台まで高値を更新した。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38900 +300 (+0.77%)
TOPIX先物 2742.5 +12.0 (+0.43%)
シカゴ日経平均先物 38895 +295
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ米大統領は2月1日、カナダとメキシコ、中国からの輸入品への関税の賦課に関する大統領命令に署名した。関税発動が米経済や企業収益に与える悪影響が懸念されて、NYダウは一時650ドル超下落する場面もみられた。ただし、トランプ大統領とメキシコのシェインバウム大統領が会談を行い、関税発動を1カ月先送りすることで合意したと伝わると、上昇に転じる場面もみられた。経済指標では1月の米ISM製造業景況指数が50.9に上昇し、2022年10月以来となる景気の拡大と縮小の分かれ目である50を上回った。
NYダウ構成銘柄では、アップル<AAPL>、エヌビディア<NVDA>、3M<MMM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、キャタピラー<CAT>、ゴールドマンサックス<GS>の下げが目立った。一方で、IBM<IBM>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ウォルマート<WMT>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比295円高の3万8895円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円高の3万8630円始まり、その後はショート優勢となりマイナス圏での推移が続くなか、米国市場の取引開始直後に3万8460円まで売られた。ただし、売り一巡後は急速に切り返しプラスに転じると、一時3万9150円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は終盤にかけて3万8800円から3万9100円辺りでの推移となり、3万8900円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、自律反発が意識されそうである。ナイトセッションで一時3万3万8460円まで売られたが、200日移動平均線(3万8490円)水準を支持線として切り返す形となった。75日線(3万9040円)水準では抵抗線として強弱感が対立する可能性はあるものの、同水準を捉えてくる局面では25日線(3万9320円)が射程に入ってきそうだ。
また、トランプ大統領はカナダのトルドー首相と関税実施を30日遅らせることで合意したほか、中国の習近平国家主席と数日中に関税措置などを巡り会談を行う可能性があると報じられている。期待感が高まる中で押し目待ち狙いのロングが強まりやすく、ショートカバーを誘う形になろう。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9500円のレンジを想定する。25日線を明確に上回ってくるようだと、前日の下落分を吸収してくる展開も意識されてくるだろう。
一方で75日線水準での攻防が続くようだとショートが積み上がる可能性はありそうだが、ボリンジャーバンドの-1σが位置する3万8790円辺りでの押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
3日の米VIX指数は18.62(31日は16.43)に上昇した。75日線(16.70)、25日線(16.88)を上抜けた。一時20.42まで上昇した後に低下しているため、終値で20.00を上回ってくるまでは、過度なリスク警戒にはつながらないとみておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下した。一時14.23倍に上昇する場面もみられたが、200日線(14.23倍)に抑えられる形となった。その後は一時14.09倍まで低下しており、昨年9月以来の水準をつけた。同月の安値13.93倍が意識されやすく、方向性としてはNTショートに向かわせよう。ただし、自律反発の可能性があるなか、200日線水準へのリバランスはありそうだ。
3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一時154.02円まで下落した。トランプ関税が米経済や企業収益に悪影響を与えるとの懸念が高まり、ダウ平均が一時660ドル超下落し、リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となった。その後、米政府による対メキシコ関税が1カ月先送りになったことや株価の下げ渋りとともに155.01円付近まで下げ幅を縮めた。ユーロドルは米政権の対メキシコ・カナダ関税延期を受けて1.0350ドルまで上昇した。ユーロ円は157.97円まで下落した後、160.15円まで反発した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領によるトランプ関税に関する発言を見極めながらの相場展開が予想される。
昨日は、トランプ米政権の対メキシコ・カナダに対する関税延期が報じられ、メキシコとカナダは国境に1万人の警備隊を配置することで合意した。
今回のカナダとメキシコへの関税発動の先送り決定は、トランプ米大統領が関税をあくまで交渉の材料と考えており、米国経済への痛みを伴うトランプ関税には消極的との見方を強めるものとなっている。
トランプ米大統領は、中国に対する10%の追加関税をさらに引き上げる可能性があると警告し、24時間以内に中国と協議する可能性があると述べたが、協議内容次第では、関税先送りの可能性があることで、関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
トランプ関税による相場への影響は、ベッセント米財務長官は「貿易赤字が減少することでドル高要因」と述べているが、米国のコストや株価下落懸念によるリスク回避要因とも捉えられる。第1次トランプ米政権(2017年~2020年)のドル円は、2017年1月の高値118.60円が全期間中の高値となっていた。ドル・人民元(オフショア)は、米中貿易不均衡の是正により、最終年の2020年5月に7.1965元まで上昇していた。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。米国の2024年10-12月期の国内総生産(GDP)は29.7兆ドルだったので、コストは5300億ドル程度となる。
トランプ関税の負担者は米国の消費者だが、トランプ政権の高官は、ドルが上昇すれば、輸出国が負担することになるとのことである。
7日予定されている日米首脳会談では、日本に対するトランプ関税の有無、ドル高・円安への牽制などに要注目となる。昨年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、トランプ氏は「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べていた。
米国の貿易赤字は以下の通りとなっている。
【日本】 【中国】 【カナダ】 【メキシコ】
トランプ関税: 10% 25% 25%
2024年1-11月:625億ドル 2704億ドル 549億ドル 1572億ドル
2023年:715億ドル 2791億ドル 642億ドル 1524億ドル
2022年:677億ドル 3821億ドル 781億ドル 1278億ドル
【第1次トランプ米政権】
2020年: 3079億ドル
2019年: 3426億ドル
2018年: 4182億ドル
2017年: 3751億ドル
4日の中国株式市場は春節(旧正月)の連休につき本日まで休場。取引は明日5日から再開される。
日経225先物は11時30分時点、前日比560円高の3万9160円(+1.45%)前後で推移。寄り付きは3万9280円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8895円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き時には3万9310円まで上げ幅を広げる場面もみられ、買い一巡後は中盤にかけて3万9070円まで軟化した。中盤以降は3万9100円を挟んでの底堅い値動きを継続している。
トランプ政権がカナダとメキシコへの関税の発動を1カ月延期することを決めたと報じられるなか、関税による世界経済への影響に対する警戒感が和らぐ形となった。日経225先物は75日移動平均線(3万9040円)を上回って始まり、その後25日線(3万9330円)に接近する場面もみられた。同線が抵抗となる形でその後は軟化したが、75日線を上回っての推移によってショートを仕掛けづらくさせよう。同線がサポートとして機能するようだと、再び25日線水準を捉えてくる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.19倍に上昇した。自律反発の流れとなるなか、NTショートを巻き戻す動きが入ったようである。ただし、14.22倍と上昇して始まったものの、寄り付きを高値にその後は低下しており、200日線(14.22倍)に抑えられる形となった。
昨日の海外市場では、引き続きトランプ関税を巡る動きに左右されることになりました。アジアでは日経平均が4桁の急落を演じるなか、ドル円は意外と値持ちがよかったものの、欧州時間に入って、欧州株やダウ先物が大幅な下落となるとリスクオフを強める展開に。NY時間に入って米10年債利回りが4.4601%まで急低下する場面では154.02円まで売り込まれたわけですが、1月下旬に既に154円割れの底堅さを痛いほど経験している市場にとっては、メキシコのシェインバウム大統領が「トランプ米大統領とはよい会話が出来た。関税は1カ月先送りされる」と発言すると一気に買戻しの動きに。155.00円まで値を戻してNY市場を終えています。
そして、引け間際にはカナダのトルドー首相が同じくトランプ米大統領と会談して、関税の1カ月先送りを表明。そのままアジア時間に突入すると155.41円まで値を上げたといったところです。ランチタイムには155.05円まで下押ししたものの、下値も限定的となっています。
いずれにしても、ドル円は終値ベースで一目転換線が位置する155.24円が意識されているほか、HFなどが重要視している50日MAの155.02円付近がポイント。日経平均の買い戻しを見ても明らかですが、週明け最初のマーケットとなった東京の、ある意味、ライブ時間帯としての避けようがない試練とはなったものの、昨日からの行き過ぎた、そして必要以上に行われてしまった海外勢によるヘッジを外す動きが今も続いています。
「私は政策金利について、その決定を主に任されている人物よりはるかによく理解しているのは確かだ」(トランプ第47代米大統領)
1.トランプ第45代米大統領 対 パウエル第16代FRB議長
トランプ第45代米大統領は、同じ1946年にニューヨークの隣接地区で生まれ育ったイエレン第15代FRB議長(民主党員)を、異例の1期限りで続投を見送り、「ミスター平凡」と揶揄されていたパウエル第16代FRB議長(共和党員)を任命した。FRB理事としてFOMCで反対したことがなかったことが任命の理由だと思われるが、意に反して利上げ路線を踏襲したことで、トランプ米大統領の逆鱗に触れて、衝突を繰り返していた。
トランプ米大統領は、パウエルFRB議長が7回も追加利上げを継続したことで、利上げ停止の圧力をかけ、議長が利上げ停止を決定した後は、利下げ圧力をかけ続けている。そして、7名のFRB理事の内、オバマ第44代米大統領が指名したブレイナードFRB理事以外の6名を自身の指名で固めようとしたが、ウォラーFRB理事とボウマンFRB理事の2名に留まり失敗した。
2. トランプ第47代米大統領 対 パウエル第16代FRB議長
パウエル第16代FRB議長の任期は、2026年5月までだが、ウォラーFRB理事は、第17代FRB議長の候補となっている。
昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドット・プロット(金利予測分布図)では、2025年のFF金利誘導目標は2回の利下げ(0.25%x2=▲0.50%)が示されており、年末のFF金利は3.75-00%と見込まれている。
トランプ米大統領は「金利はかなり高すぎる」と金融緩和路線の継続を要請し、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)では、「原油価格が下落している今、金利の即時引き下げを要求する」と述べた。
ウォラーFRB理事は、「インフレ率は2025年も引き続き低下し、不確実なペースではあるもののFRBは追加利下げが可能になるはずだ」との見解を示した。
また、第2次トランプ米政権での関税引き上げにより「インフレに対する新たな上昇圧力の源泉が出現する可能性が高まる」としながらも、物価上昇圧力の持続的な上昇は引き起こさないとし、「適切な金融政策に関する私の見解に影響を与える可能性は低い」と述べた。
原油価格に関しては、対外的には、「石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを要請する」と述べ、対内的には、エネルギー政策の転換を宣言して、原油と天然ガスの採掘の促進(ドリル・ベイビー・ドリル(石油を掘りまくれ))とアピールしている。
しかし、トランプ関税政策は、国内物価を押し上げることになり、移民政策は、労働者不足や賃金上昇によりインフレ圧力を高め、減税策も、企業収益や家計の可処分所得を押し上げることで消費支出を積極化して物価の上昇に寄与することになる。
本日のロンドン為替市場でも、トランプ・リスクの強弱を探りながらの取引か。昨日ニューヨーク午後からリスク回避の巻き戻す動きが見られたものの、先行き不透明感は漂ったままだ。欧州午後(NY早朝)、米大統領の起きがけに気が変わるかもしれず、暫くはトランプ発言に振り回される相場が続きそうだ。
昨日は「米国のメキシコとカナダに対する25%関税」を巡る動きや、「南アフリカへの資金援助を全面停止」とのトランプ大統領の表明に相場は右往左往させられた。週明けユーロドルは下サイドに窓を開けて始まり、一時は先週引け水準から200ポイント以上も下落。2022年11月以来の安値1.0141ドルをつけた。しかしながら、メキシコとカナダへの関税延期が報じられると、先週末の安値水準1.03ドル半ばまで切り返している。
欧州連合(EU)に対してもトランプ大統領は、新たな関税を課すことを強調。具体的な税率や時期などは明らかにされていないものの、米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)内で関税の掛け合いに発展しそうな状況のなかで、EUが次なる標的にされても致し方ないか。いずれにせよ、米大統領が取り憑かれたように他国・地域に圧力をかける姿勢が落ち着くのはまだ先だろう。
なおトランプ米大統領は中国にも10%の追加関税を課すことを表明しているが、中国の出方次第では回避される可能性も残されているもよう。米中トップ会談が実施されるとの報道もあり、経済規模で世界1位と2位の両国がもし歩み寄るようであれば、リスクセンチメントも大きく改善することになりそうだ。
本日はユーロ圏から重要な経済指標は予定されていない。金融当局者の講演は、欧州午後にビルロワドガロー仏中銀総裁が予定されている程度。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0444ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、3日レンジの半値1.0246ドル
米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)は3日、中国政府はトランプ米政権による追加の関税引き上げとハイテク規制の導入を未然に防ぐため、米政府への初期提案を準備していると報じた。トランプ大統領は1日に中国とカナダ、メキシコに追加関税を課す大統領令に署名したが、4日の発動前にカナダとメキシコについて1カ月延期することで合意。3日にはホワイトハウスで記者団に対し「おそらく24時間以内に中国と話をすることになる」と述べている。
WSJは米中の消息筋の話として、中国が用意している提示は、2020年1月に合意したものの未だに達成できていない貿易協議への回帰を主軸としており、中国との交渉戦略を巡って米政府内の議論がいっそう激化する見通しだとした。
トランプ米政権は4日、中国が合成麻薬「フェンタニル」の原料の取り締まりをしていないとして、同国からの輸入品に10%の追加関税を課す。しかし、両国政府とも全面的な貿易戦争に踏み込む構えは見せていない。中国の習近平国家主席は国内景気が低迷するなか、トランプ大統領との交渉に前向きとされている。一方、トランプ氏は以前に公言していたような中国に対する高率の追加関税を一気には導入しないことで、対話の余地を示したようだ。
事情に詳しい関係者によれば、中国側は今回の10%関税をトランプ氏流の交渉戦術と受け止め、当初の動きは中国指導部が容認できない「最大限の圧力」ではないとみている。ただ、トランプ氏は関税率を最高で60%まで引き上げると表明していた。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、2023、24年とグローバル市場ではハイテク主導での株高が続いてきたが、足元ではハイテク株に高値警戒感や「生成AI相場」の継続を巡る不透明感などが広がっていると指摘。こうした状況下、先進国の中で相対的な安定感を発揮し得るのが欧州株と考えている。欧州株市場全体を反映するストックス・ヨーロッパ600指数の「情報技術(ハイテク)」セクターの構成比率は、全体の7.8%とかなり低い水準にあるとのこと。相対的に「ハイテク株波乱」の相場に強く、かつ欧州では利下げ継続が期待できるだけに、25年は欧州株の再評価がさらに進む可能性もあると東海東京では考えている。
ドル円:1ドル=155.25円(前営業日NY終値比△0.52円)
ユーロ円:1ユーロ=159.79円(▲0.27円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0293ドル(▲0.0051ドル)
日経平均株価:38798.37円(前営業日比△278.28円)
東証株価指数(TOPIX):2738.02(△17.63)
債券先物3月物:140.45円(▲0.30円)
新発10年物国債利回り:1.270%(△0.025)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月マネタリーベース
前年同月比 ▲2.5% ▲1.0%
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。昨日のNY引け間際に米国によるカナダへの関税が30日間停止されると伝わり、貿易戦争激化への懸念が後退すると、日経平均が上げ幅を拡大する中で155.41円まで上昇。その後、トランプ米政権による中国からの輸入品に課す10%追加関税が予定通り発動されると、貿易戦争の激化懸念からリスク回避ムードが強まり、155.80円台まで下押し。もっとも朝方の安値を割り込めずに下げ渋ると、15時過ぎに155.30円台に切り返した。
・ユーロ円は売りが一服。ドル円が上昇したほか、日経平均の上げ幅拡大もあり、一時160.48円まで上昇。その後、米政権が中国への追加関税を発動したことでリスク回避の流れとなる中で159.19円まで下落したが、香港株や日経平均が下げ渋ったこともあり、159.90円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは弱含み。朝方に前日高値に並ぶ1.0350ドルまで上昇するも、買いの勢いは強まらず。その後はドル円でドル買いが強まった影響を受けたほか、米中の2大国による貿易戦争への懸念からリスク回避ムードとなる中で1.0272ドルまで下落。売り一巡後は1.0290ドル台まで持ち直している。
・日経平均株価は上昇幅を縮小。トランプ大統領が関税発動を延期する方針を示したことでリスクオンの流れとなる中、高く始まると上げ幅は一時670円超となった。しかし、対中関税の発動が伝わると上げ幅を縮小する動きとなるも、その後は下げ渋る動きとなった。
・債券先物相場は反落。トランプ関税を巡る過度な警戒感が和らぎ、リスク回避の動きが和らぐ中で日経平均が上げ幅を拡大したことで、安全資産とされる債券は売り優勢となった。植田日銀総裁が「現在はデフレではなくインフレの状態にある」などと発言したことを受け、日銀の追加利上げが想起されたことも重しとなったもよう。新発10年物国債利回りは一時1.270%と、2011年4月以来の水準に上昇した。
中国の国務院関税税則委員会は4日、米国原産の輸入品の一部に追加関税を課すと発表した。10日に発動する。税率は石炭や液化天然ガス(LNG)など8品目が15%、原油、農業機械、大排気量の自動車、ピックアップトラックなど72品目が10%。
同委員会は、米政府がフェンタニル問題などを理由に中国からの輸入品に10%の追加関税を課すと発表したと指摘。「米国側の一方的な関税措置は世界貿易機関(WTO)ルールに違反している。米国自身の問題の解決に無益なだけでなく、中国と米国の正常な事業・貿易の協力を破壊する」と批判した。
米ホワイトハウスは、トランプ米大統領が今週中にも中国の習近平国家主席と会談する見通しを明らかにした。ロイター通信によると、レビット報道官は3日、会談が「数日以内に行われる予定だ」と述べた。トランプ氏は1月20日の就任前に習氏と電話協議しているが、就任後では初会談となる。
トランプ氏は1日、メキシコ、カナダ、中国からの輸入品に対して追加関税を課す大統領令に署名した。発動時刻は米東部時間4日午前0時1分(日本時間午後2時1分)。メキシコとカナダとは3日に発動の1カ月延期で合意したが、中国については予定通りに追加関税を発動した。
大統領令に基づいて中国からの輸入品に課す追加関税率は10%で、トランプ氏が大統領選挙の運動期間中に公言していた60%より低い。ただ、トランプ氏は大統領令を「最初の一手」と位置づけ、税率をさらに引き上げる可能性を3日に示唆した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、中国における春節休暇(1月28日~2月4日)の時期にあたり、インバウンド関連に注目が集まっていると指摘している。訪日外客数は24年12月に単月で過去最高を記録し、24年合計でも過去最多を記録した。また、1月7日にNYタイムズが発表した「2025年に行くべき52カ所」には、日本からは富山市と大阪市がランクインしたとのこと。 三菱UFJMSでは、今後のインバウンド消費は地方も含めた盛り上がりに期待できるとみており、関連銘柄として阪急百貨店を運営するH2Oリテイル<8242.T>などに注目している。
みずほ証券では、1月の米ISM製造業指数を受けてリポートしている。1月は50.9となり、景況感の改善・悪化の分かれ目となる50を27カ月ぶりに上回った。みずほでは1月は良好な結果であったと捉えている。新規受注が5カ月連続、生産指数が3カ月連続で上昇しており、継続的な需要の回復とそれに伴う生産活動の底入れが確認される内容であったと指摘。指数は昨年11月からはっきりとした改善基調をみせており、大統領選挙通過後の不透明感払しょくにより、保留されていた投資計画が動き始めた可能性があると考えている。
大阪3月限
日経225先物 38770 +170 (+0.44%)
TOPIX先物 2736.0 +5.5 (+0.20%)
日経225先物(3月限)は前日比170円高の3万8770円で取引を終了。寄り付きは3万9280円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8895円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き時には3万9310円まで上げ幅を広げる場面もあり、買い一巡後は前場中盤に3万9070円まで軟化したが、前場終盤にかけては3万9100円処で底堅い値動きを継続していた。
ただし、ランチタイムで弱含むと、現物の後場開始直後には節目の3万9000円を割り込み、75日移動平均線(3万9050円)を下抜けた。後場中盤にはトランプ政権が予定通り中国に対し関税を発動したことがトリガーとなり、一気に3万8580円まで売られ、一時下落に転じる場面もみられた。200日線(3万8490円)が支持線として意識されるなかで持ち直すと、終盤にかけては3万8800円を挟んでの推移が続いた。
トランプ政権がカナダとメキシコへの関税の発動を1カ月延期することを決めたと報じられるなか、世界経済への影響に対する警戒感が和らぐ形で買い先行で始まった。日経225先物は75日線を上回って始まり、25日線(3万9330円)に接近する場面もみられた。同線が抵抗となる形でその後は軟化したが、中国への関税発動も延期されるとの期待感もあり、75日線近辺での底堅さが意識されていた。
関税発効は日本時間で2月4日午後2時1分からだった。予定通りに関税を発動したことがトリガーとなった。日経225先物は3万8960円辺りから5分ほどで一気に3万8580円まで下押しており、一時下落に転じた。もっとも、トランプ大統領は中国の習近平国家主席と数日中に会談を行う可能性があると報じられており、中国とのディールを成立させられるかが注目される。
日経225先物はトランプ政権の関税政策に振らされやすい状況が続きそうだが、まずは200日線と25日線でのレンジが意識されやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9375円辺りでの推移になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.17倍に上昇した。自律反発の流れとなるなか、NTショートを巻き戻す動きが入ったようである。ただし、14.22倍と上昇して始まったものの、寄り付きを高値にその後は低下し、200日線(14.22倍)に抑えられる形となった。一時14.13倍と前日と同水準まで軟化する場面もみられるなど、方向性としてはNTショートでのスプレッド狙いに振れやすいだろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万3222枚、ソシエテジェネラル証券が1万7103枚、サスケハナ・ホンコンが6136枚、SBI証券が3636枚、バークレイズ証券が3157枚、JPモルガン証券が3113枚、モルガンMUFG証券が2094枚、ゴールドマン証券が1734枚、楽天証券が1405枚、野村証券が1208枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券2万8216枚、ソシエテジェネラル証券が2万0825枚、バークレイズ証券が6538枚、JPモルガン証券が5395枚、ゴールドマン証券が3874枚、BNPパリバ証券が1684枚、ビーオブエー証券が1609枚、ドイツ証券が1572枚、シティグループ証券が1026枚だった。
本日のNY時間のドル円は、155円台を挟んで方向感がなさそうだ。市場の注目が、通商問題でトランプ米大統領に標的にされている国の通貨に目が向いている。ドル円は通商摩擦悪化による米金利上昇のドル買いと、金利高を嫌気した株安による円買いに挟まれて、方向感が当面は出にくいだろう。
4日発動予定だったカナダとメキシコに対する25%の関税発動は、案の定発動が延期された。延期された理由は複数あるだろうが、関税強化を打ち出すと米株が大幅に売られ、米長期金利も上昇するなど、トランプ米大統領が求めているような結果が導き出せないことが大きな要因。更に第1次トランプ政権時はトランプ米大統領の脅し(ブラフ)が、多くの国に有効に使われたが、隣国(カナダ、メキシコ)ですら対抗策を打ち、脅しの効果が薄くなっている。トルドー・カナダ首相は、「カナダはフェンタニル担当の長官を任命する」という新たな約束をしたことで、トランプ米大統領にも一定の花を持たせたが、そもそも通商問題と全く関係のないフェンタニルを絡ませた交渉自体、トランプ米大統領に一定の成果を持たせる(関税強化を行わない逃げ道を作る)ためとの話も出ている。米国のエネルギー政策を見ても、原油輸入の6割をカナダ、1割をメキシコが担っていることを考えると、米国と両国との関係悪化が進んだ場合は、米国にも大きな痛手しか返ってこない。
本日も自己に注目が集まることを求めているトランプ米大統領が、欧州圏や中国に対して通商問題で過激な発言を発するかもしれない。ただ、本日は週末の米雇用統計の発表の前哨戦となる、12月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数の結果にも注目したい。市場予想では800.0万件の求人件数という予想になっている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、日足一目均衡表・基準線156.30円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、昨日安値154.02円。
今晩は神経質な展開か。昨日はカナダ、メキシコなどに対するトランプ関税の発動表明を受けて急落したが、その後メキシコへの関税発動を1カ月間猶予すると発表したことで下落幅を縮小して終了した。ダウ平均は一時665ドル安まで下落後、122.75ドル安(-0.28%)で終了し、S&P500も1.93%安まで下落後、0.76%安で終了。ナスダック総合は2.48%安まで下落後、1.20%安で終了した。引け後にはカナダに対する関税発動も30日間延期された。アジア時間では米政権が中国からの輸入品に対する10%の追加関税を予定通りに発動し、中国は米国からの輸入品の一部について2月10日から15%の関税を課すと発表した。
今晩の取引ではメキシコ、カナダへの関税発動の延期が追い風となることが期待されるものの、米中間の関税問題が上値の圧迫要因となりそうだ。トランプ政権の関税は取引の材料とみられているものの、実際に追加の対中関税が発動されたことでセンチメントの悪化が予想される。経済指標では週末発表の1月雇用統計が最大の焦点となるが、今晩も12月耐久財受注改定値、12月製造業新規受注、12月JOLTS求人件数などが発表予定で、指標結果を受けた利下げ見通しや米10年債利回りの動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは12月耐久財受注改定値、12月製造業新規受注、12月JOLTS求人件数など。決算発表はS&P500採用の40銘柄強が発表予定で、寄り前のメルク、ペプシコ、フォックス、ファイザー、エスティ・ローダー、引け後のAMD、アルファベット、サイモン・プロパティーなどが注目される。(執筆:2月4日、14:00)
3日のNY株式相場は続落。トランプ米大統領が週末にメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を、中国からの輸入品に10%の追加関税を課すと発表したことで世界的景気悪化懸念や米国内の物価上昇懸念で急落したが、メキシコに対する関税発動を1カ月停止するとしたことで過度な警戒感が後退し下落幅を縮小した。ダウ平均は下落してスタート後、665ドル安まで下げ幅を拡大したが、関税発動停止のニュースを受けて一時49ドル高まで反発し、122.75ドル安(-0.28%)で終了。S&P500も1.93%安まで下落後、0.76%安で終了し、ナスダック総合は2.48%安まで下落後、1.20%安で終了。主要3指数はそろって2日続落したが、下落幅を縮小して終了した。S&P500の11セクターは生活必需品、公益、エネルギーなど5セクターが上昇し、IT、一般消費財、資本財、金融など6セクターが下落。メキシコの主要銘柄で構成されるiシェアーズMSCIメキシコETFは2.49%高で終了した。
メキシコ、カナダなどへのトランプ関税表明を受けて急落したが、メキシコが米国への移民防止対策のために1万人規模の軍隊を派遣するなどの合意を受けてメキシコへの関税発動が延期されたことで、トランプ関税は取引のためのツールと改めて受け止められた。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の16.43ポイントから一時20.42ポイントまで上昇したが、18.62ポイントで終了した。
引け後の動きでは、カナダに対する関税発動も30日間延期されると報じられた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
メキシコ・シェインバウム政権、土壇場で「トランプ関税」延期を勝取る
最悪の事態は回避も、実体経済の弱さやトランプ関税の脅威がペソ相場の足かせとなる展開は続くか
米トランプ大統領は「関税男」を自称し、関税を材料に外交面で「ディール」を仕掛ける動きをみせる。就任直後から政権公約実現へ関税賦課を辞さない動きをみせるなか、不法移民と合成麻薬対策を目的にカナダとメキシコ、中国に追加関税を課すことを決定した。なお、メキシコ経済は米国経済と密接な関係があり、仮に関税合戦となれば実体経済に深刻な悪影響が出ることは避けられない。他方、シェインバウム政権はトランプ政権発足前からトランプ氏の懸念に対応して先回りする対応をみせてきた。また、シェインバウム氏はトランプ氏と電話協議を行い、発動直前に1ヶ月延期を勝取った。仮に関税が発動されればメキシコ経済は景気後退局面入りが確実となる上、景気の深刻な下振れが懸念されたため、猶予が得られた格好だ。しかし、今回の対応は一時的なものに留まるほか、今後も引き続きトランプ関税の脅威に晒される懸念は残る。よって、当面のペソ相場も実体経済の弱さも含め、不透明な展開が続く可能性に留意する必要がある。
日経平均株価は反発。前日陰線の高値を超えるスタートとなったが、5日移動平均線(39163円 2/4)や一目均衡表の基準線(39226円 同)を上値で意識して買いが一巡した。後場は急速に上げ幅を縮小する場面があったが、若干持ち直して200日移動平均線(38631円 同)上を回復して終えた。
RSI(9日)は前日の42.7%→36.5%(2/4)へ低下。あすも低下が続きやすいタイミングとなり、きょうの動きだけで前日から大きな変化はない。1/28安値(38886円)を下回ったことで、1/24高値(40279円)からの二段下げ目に入っている。短期的には1月安値を保った状態で1/31高値(39681円)を超えられるかが焦点となる。
上値メドは、75日移動平均線(39020円 同)、25日移動平均線(39314円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
「トランプ2.0」でも南アフリカの土地政策にふたたび関心か
今回は「マスク氏」の存在が政策に影響の可能性も、ランド相場の新たなリスク要因となるか
米トランプ大統領は「関税男」を自称し、外交政策を巡って関税賦課を材料に取引を持ち掛ける動きをみせる。こうしたなか、突如SNSで南アフリカの土地政策を巡る懸念を理由にすべての資金援助を停止する考えを明らかにした。なお、トランプ氏が同国の土地政策に関心を抱くのは2度目であり、第1次政権の際にも調査を指示した経緯がある。ただし、今回は同国にルーツを持つマスク氏が政権内に居るため、何らかの政策に具現化する可能性も考えられる。南ア政府は米政府に理解を求める考えを示す一方、近年は中国と接近する動きをみせるなかで米中摩擦の動きが「飛び火」する可能性もくすぶる。また、米トランプ政権の関税政策をきっかけに金融市場に不透明感が強まるなか、両国関係が悪化すればランド相場が調整の動きを強めるなど、金融政策の手足を縛る懸念もある。当面は具体的な動きに注意を払う必要があろう。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
OPECプラス、4月からの有志国による段階的増産で合意
米トランプ大統領が求める大幅増産には距離、価格と存在感の維持を図るべく漸進的な増産に舵へ
主要産油国の枠組であるOPECプラスは、3日に開催した合同閣僚監視委員会(JMMC)において、4月以降に有志国8ヶ国による自主減産を段階的に縮小する方針で合意した。昨年末の閣僚会合では原油価格の低迷が続くなか、有志国の自主減産を3ヶ月延長するとともに、枠組全体としての協調減産を1年間延長することで強いメッセージを打ち出した。他方、その後は米トランプ大統領が原油価格の下落へOPECプラスに増産を求める考えを示していた。JMMCではトランプ氏の増産要求についても協議がなされた模様だが、価格維持の一方で存在感低下を避けるべく減産縮小のタイミングを探るなか、昨年末に合意した4月からの有志国による自主減産の段階的縮小の方針を維持した格好である。その意味では、米トランプ政権とOPECプラスの間に「温度差」があることは間違いないと捉えられる。なお、当面は米トランプ政権の通商政策の行方に加え、需給の緩みが意識されやすい時期も重なり、原油相場は上値の重い展開が続こう。
(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.27円(4日15時時点比▲0.98円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.07円(△0.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0376ドル(△0.0083ドル)
FTSE100種総合株価指数:8570.77(前営業日比▲12.79)
ドイツ株式指数(DAX):21505.70(△77.46)
10年物英国債利回り:4.522%(△0.035%)
10年物独国債利回り:2.396%(△0.011%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行すると、17時30分前に一時155.52円と日通し高値を付けたものの、前日の高値155.89円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
NYの取引時間帯に入ると、12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や12月米製造業新規受注が予想より弱い内容となり、全般ドル売りが活発化。米長期金利が低下に転じたことも相場の重しとなり、3時前に154.25円と日通し安値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.94まで低下した。
・ユーロドルは底堅い動き。アジア市場では一時1.0272ドルまで値を下げたものの、欧米市場では底堅く推移した。前日には米政権の対メキシコ・カナダ関税の発動がひとまず延期された。投資家のリスク回避の動きに一服感が出て、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。NY市場では米長期金利の低下に加え、低調な米雇用指標を受けて全般ドル売りが加速。2時前に一時1.0387ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円も底堅い動き。アジア時間に一時159.19円まで売り込まれたあとは買い戻しが優勢となり、23時30分前に160.70円と日通し高値を付けた。そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。トランプ米政権が中国からの輸入品に対する追加関税を発動すると、中国当局も米国産の一部製品に対して報復関税を課すと表明。米中貿易摩擦の激化懸念から売りが優勢となった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、コンパス・グループなど一般消費財サービスが値下がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。米中貿易摩擦の激化懸念から売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。本日の米国株相場の上昇などが投資家心理の改善につながった。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(10.37%高)やSAP(1.58%高)、ブレンターク(1.53%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。
4日の日経平均は反発。終値は278円高の38798円。トランプ政権がメキシコとカナダへの関税発動を延期すると伝わったことから、500円超上昇して始まった。すぐに上げ幅を600円超に広げたが、39200円近辺では上値が重くなった。前場では39000円より上での推移が続いたが、後場に入ると失速。14時近辺では米国の中国に対する10%の追加関税が予定通り発動されたと伝わったことで、急速に値を消す場面もあった。ただ、上げ幅を2桁に縮めたところでは間を置かず盛り返しており、終盤にかけては200円程度高い水準で値動きが落ち着いた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆8900億円。業種別では非鉄金属、繊維、電気機器などが上昇した一方、空運、水産・農林、石油・石炭などが下落した。上方修正や増配を発表したSANKYO<6417.T>が後場急伸。半面、ちゅうぎんフィナンシャルグループ<5832.T>は3Q決算が物足りないと受け止められ、後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり858/値下がり721。米国の関税リスクがやや後退したことから、トヨタやマツダなど前日売り込まれた自動車関連に見直し買いが入った。メタプラネット、リミックスポイント、セレスなど暗号資産関連も前日大幅安の反動で急伸。上方修正を発表した住友電工が後場に入って跳ねており、同業の古河電工やフジクラが連れ高した。3Qの業績好調が確認できた寿スピリッツが上場来高値を更新。通期の利益見通しを引き上げたメンバーズがストップ高となった。
一方、下方修正を発表した三菱自動車は、自動車関連が買われる中でも14.7%安と派手に下げた。三菱重工は前場では大きく上昇していたが、後場に3Q決算を消化してマイナス圏に沈んだ。値がさのキーエンスやファーストリテイリングがきのうに続いて大きめの下落。前日ストップ安で場中に値が付かなかったバリューコマースは、きょうも売りが続いて連日のストップ安となった。
日経平均は反発したものの、高く始まった後の上値は重かった。前引けは620円高で大引けは278円高。前日の1052円安に対する戻りが6割と3割では印象も大きく変わる。きのうの大幅安で売りが出尽くしたと判断するのは早計だ。まだ不安定な動きが続きそうで、きのう3日の安値38401円を下回ることなく推移できるかが目先の注目点となる。下回った場合には押し目買いは38000円近辺まで待った方が良い。
あすはトヨタが3Q決算を発表予定。きのう3日には「トランプリスク」の象徴的な業種として自動車関連が軒並み安となっており、きょうは下方修正を発表した三菱自動車が2桁の下落率となった。トヨタの決算が失望材料となった場合には、自動車関連はバリュエーション面で割安感があっても手を出しづらくなる。業界の雄から悪い流れを食い止めるリリースが出てくることに期待したい。
中国の在米大使館報道官は4日、米国がフェンタニル問題を理由に中国製品への10%の追加関税を課したことに対し、強い不満と断固とした反対を表明。その上で中国による米国への対抗措置の正当性を主張した。『AAストックス』の報道によると、報道官の発言の要旨は次の通り。
中国は関連する法律や国際法の基本原則に基づき、必要な対抗措置を講じた。その対応は完全に正当かつ合理的なものだ。また、中国は世界貿易機関(WTO)への提訴を通じ、自国の合法的権益を断固として守る。
中国は世界で最も厳格かつ徹底した麻薬対策を実施している国の一つであり、フェンタニル問題は米国側の課題だ。本来、人道的立場から米国の対策を支援しており、2019年には米国の要請に応じ、フェンタニル類物質を包括的に規制することを発表した。これは世界で初めての試みであり、近年では、両国は麻薬取り締まり分野で実務協力を進め、物質規制、情報共有、個別案件の協力、オンライン広告の監視、薬物検査技術の交流、多国間協力などで具体的な進展を遂げた。
米国は自国のフェンタニル問題を客観的かつ理性的に対処すべきであり、中国の善意を評価し、関税を武器にした威圧的な対応をやめるべきだ。米国の一方的な関税引き上げは、WTOルールに著しく違反しており、典型的な単独主義と貿易保護主義の行為だ。これにより中米経済貿易協力の基盤が損なわれ、将来的な麻薬取り締まり協力にも影響を及ぼす。
中国側は、米国に対し誤った対応を改め、中米間の麻薬取り締まり協力の貴重な成果を維持し、両国関係の安定・健全かつ持続可能な発展を促進するよう強く求める。
一部通信社が報じたところによると、「本日4日に米中首脳会談は実施されない」ようだ。
4日06:39 トルドー・カナダ首相
「米国の関税は30日間先送り」
「約1万人の兵士が国境を警備する」
4日08:52 赤沢経済再生相
「今後とも物価動向に細心の注意を払う」
「物価動向を注視し、物価高対策の進捗管理を内閣府で始める」
4日11:53 植田日銀総裁
「消費者物価総合が安定的に2%に行くことを目指している」
「現在はデフレではなくインフレの状態にある」
4日14:20 中国財務省
「トランプ米政権の10%追加関税に対抗するため関税を課す」
「米国への新たな関税は10日に発行」
「米国産石炭とLNGに15%の関税課す」
「米国の原油や農機具、一部自動車に10%の追加関税」
5日04:19 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「経済は非常に好調」
「不確実性はあるものの、経済は引き続き勢いを増している」
「FRBはデータや政策変更をじっくり検討できる」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 12月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比3.7%)
<海外>
○06:45 ◎ 10-12月期ニュージーランド(NZ)失業率(予想:5.1%)
◎ 就業者数増減(予想:前期比▲0.2%/前年比▲0.9%)
○09:30 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○10:45 ◎ 1月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:52.4)
○16:45 ◇ 12月仏鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%)
○17:50 ◎ 1月仏サービス部門PMI改定値(予想:48.9)
○17:55 ◎ 1月独サービス部門PMI改定値(予想:52.5)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○18:30 ◎ 1月英サービス部門PMI改定値(予想:51.2)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比▲0.1%)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 1月ADP全米雇用報告(予想:15.0万人)
○22:30 ◇ 12月カナダ貿易収支(予想:7.5億カナダドルの黒字)
○22:30 ◎ 12月米貿易収支(予想:966億ドルの赤字)
○23:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、イベントに参加
○23:45 ◎ 1月米サービス部門PMI改定値(予想:52.9)
○23:45 ◎ 1月米総?⑰MI改定値(予想:52.5)
○24:00 ☆ 1月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:54.3)
○6日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○6日01:00 ◎ 12月ロシア失業率(予想:2.4%)
○6日04:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○6日05:00 ◎ ボウマンFRB理事、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.34円(前営業日比▲0.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.20円(△0.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0379ドル(△0.0035ドル)
ダウ工業株30種平均:44556.04ドル(△134.13ドル)
ナスダック総合株価指数:19654.02(△262.06)
10年物米国債利回り:4.51%(▲0.04%)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.70ドル(▲0.46ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2875.8ドル(△18.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
760.0万件 815.6万件・改
12月米製造業新規受注
(前月比) ▲0.9% ▲0.8%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。欧州市場では一時155.52円まで上昇する場面もあったが、前日の高値155.89円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
NY市場に入ると、12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や12月米製造業新規受注が予想より弱い内容となったことが分かり、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。3時30分前に一時154.17円と日通し安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.92まで低下した。
・ユーロドルは7日ぶりに反発。前日にはトランプ米政権の対メキシコ・カナダ関税の発動がひとまず延期された。投資家のリスク回避の動きに一服感が出て、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。米長期金利の低下に加え、低調な米雇用指標を受けて全般ドル売りが優勢になると、6時過ぎに一時1.0388ドルと日通し高値を更新した。
なお、本日4日には「トランプ米大統領と習近平中国国家主席による電話会談が行われる予定」と伝わっていたが、結局米中首脳電話会談は実施されない見通しとなった。
・ユーロ円は小反発。アジア時間に一時159.19円まで売り込まれたあとは買い戻しが優勢となり、23時30分前に160.70円と日通し高値を付けた。そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。エヌビディアやアマゾン・ドット・コム、アップルなど、主力ハイテク株が買われたことで、投資家心理が改善。相場の押し上げ要因となった。半面、米中貿易摩擦の激化への懸念から、ダウ平均は下げる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。低調な米経済指標を受けて債券買いが優勢となった。
・原油先物相場は反落。産油国でもあるメキシコ・カナダから米国への輸入品に対する関税発動が取りあえず1カ月延期されたことが売り先行要因となった。昨年末12月31日以来の安値70.67ドルまで一時下落した。しかし中国に対する追加関税は発動され、中国も報復関税を課すと表明。貿易戦争激化が現物の流通を阻害するとの見方から買い戻しが入り、下落幅を縮小した。
・金先物相場は続伸。トランプ政権による輸入品への関税のうち、メキシコ・カナダへの関税発動は1カ月延期となった。しかし中国への追加関税は現地東部時間4日午前0時1分に発動。中国が対抗措置として報復関税を課すと表明して状況が緊迫するなか、リスク回避資産として金を買う動きが進み、2853ドル台まで高値を更新した。
4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利の低下とともに154.17円まで下落した。12月米JOLTS求人件数や同月米製造業新規受注が予想より弱い内容となったことを受けた動き。ユーロドルは低調な米雇用指標を受けて全般ドル売りが優勢になると、1.0388ドルと日通し高値を更新した。
本日の東京市場では、ドル円は株価動向や日米の長期金利をながめて方向感を模索する展開か。
前日の弱い米雇用指標を受けて米長期金利が低下した一方、米株は主要3指数そろって上昇した。東京市場では株価や金利の動きに左右される展開が見込まれるものの、注意したいのはドル円の立ち位置。今月に入り2日連続で156円を前に頭が重く、昨日は154.34円付近で引けた。先月下旬から下値支持となっている153.70円台が近いため、株安や米長期金利低下などの局面では下値が意識されやすいと見る。本日はゴトー(5・10)日であり、東京仲値の値決めにかけても気が抜けなさそうだ。
なお、昨日米国は中国に対する追加関税を発動したほか、中国も報復関税を発表した。米中貿易摩擦の激化懸念からリスクオフとなる場面が見られるも、ドル円は売り一巡後は日通し高値を更新する場面もあった。これまでのところ、トランプ政権による関税などの交渉について、カナダやメキシコ、中国などが対象となっていたが、材料としては一服感が漂っている。そうした中で新たな貿易戦争を予感させる材料が出た場合は、市場が過敏に反応する展開も想定される。引き続き関連報道への警戒は怠らないようにしたい。
経済指標は、12月毎月勤労統計調査が発表予定。11月の実質賃金は確報値で前年比+0.5%と速報値(-0.3%)から上方修正されて4カ月ぶりのプラスとなった。先月24日に日銀が利上げを行った直後であるほか、市場の関心がトランプ米大統領の関税を始めとする政策に集まる中では、指標に対する反応は限定的となりそうだが、賃上げの動向を見るうえで押さえておきたい。
昨日は、植田日銀総裁が衆院予算委員会で「デフレではなくインフレの状態にある」などと述べた。一方、石破首相は「日本経済はデフレの状況にはないが、脱却できていない。今インフレと決めつけることはしない」などと発言しており、政府と日銀の日本経済に対する認識の違いが見られた。デフレ脱却が明確となれば日銀の追加利上げが意識されやすくなるため、引き続き発言内容には注意したい。
他方、中国では1月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。市場予想は52.4と前月の52.2をわずかに上回る見通しとなっている。本日は春節明けで上海株の取引が再開されることもあり、こちらの動向も留意したい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39110 +340 (+0.87%)
TOPIX先物 2756.0 +20.0 (+0.73%)
シカゴ日経平均先物 39110 +340
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
4日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米政権は4日から中国に対して10%の追加関税を発動。中国政府はこれに対抗し10日から米国に追加関税を課すと発表した。米中貿易戦争の再燃が警戒されて、NYダウは一時100ドル近く下げる場面もみられた。ただし、決算発表が本格化するなか、パランティア・テクノロジーズ<PLTR>が急伸し、センチメントを明るくさせた。人工知能(AI)サービスの需要拡大を追い風に、2024年10-12月期決算や収益見通しが市場予想を上回ったことが好感され、株価は24%近く上昇した。
他のハイテク株にも買いが広がり、NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>、セールスフォース<CRM>、IBM<IBM>が買われた。
また、12月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数が760万件と、市場予想を下回った。週末に発表される1月米雇用統計に対する上振れ懸念が和らいだほか、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ休止が長期化するとの見方も後退し、買いにつながった。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比340円高の3万9110円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比50円高の3万8820円始まり、その後は軟化し3万8700円と下落に転じる場面もみられた。ただし、売り一巡後はリバウンド基調を継続し、米国市場の取引開始後に節目の3万9000円を回復。中盤にかけて3万9130円まで上げ幅を広げた。終盤にかけては3万9000円~3万9100円辺りで保ち合い、3万9110円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは開始直後に3万8700円まで売られたが、その後はボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)を上回って推移し、同水準が支持線として意識される形となった。その後のリバウンドで75日移動平均線(3万9030円)を上回ってきており、同線が支持線として機能するかを見極めたいところであろう。
75日線水準での底堅さがみられるようだと、前日に上値を抑えられていた25日線(3万9310円)突破を試してくる可能性がありそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心に、上下の権利行使価格である3万8625円から3万9375円辺りのレンジを想定する。3万9000円での攻防から軟化する局面では、-1σ水準を支持線とした押し目狙いのロング対応としたい。
4日の米VIX指数は17.21(3日は18.62)に低下した。一時16.78まで下がり、25日線(16.87)を下回る場面もみられた。米中貿易摩擦の悪化懸念から楽観視はできないものの、再びボトム圏に接近してきたことで、ややリスク選好に向かわせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.17倍に上昇した。自律反発の流れとなるなか、NTショートを巻き戻す動きが入り、14.22倍と上昇して始まった。ただし、寄り付きを高値にその後は低下しており、200日線(14.22倍)に抑えられる形となった。一時14.13倍と前日比変わらずの水準まで軟化する場面もみられており、200日線を明確に突破してくるまでは、NTショートでのスプレッド狙いに振れやすいだろう。
昨日の海外市場では、トランプ関税に振り回されるなかにあって、久し振りに米指標に素直に反応したといったところ。12月米JOLTS求人件数や12月米製造業新規受注が予想を大幅に下回る弱い数字となったことを受けて米10年債利回りが4.5957%から4.5065%まで急低下。ドル全般に売られる展開となると一時154.17円まで値を下げました。
アジア時間に入ってからは、ゴトー日ということもあり朝方こそ154.46円まで買戻される場面もみられましたが、12月毎月勤労統計が予想を上回る強い結果となったほか、赤沢経済再生担当相が「足元はインフレとの認識。植田日銀総裁と齟齬ない」と発言したことを受けて下落。1月27日の安値153.72円を下抜けると目先のSLを巻き込むかたちで下げ足を速め、一時153.47円まで売り込まれたといったところです。
いずれにしても、昨日の植田日銀総裁の国会での「日本はデフレではなくインフレ」とのかなり乱暴な発言に端を発した動きとはなっていますが、先週末の日銀会合後の記者会見からは「次の利上げは7月の展望レポートあたり」とのコンセンサスを形成しつつあった市場にとっては、もう毎会合のことではありますが、常にこういった常識的な判断が覆させられる結果が続いているわけで、その先を読むのなら、次のミスコミュニケーションは、当然、「追加利上げが早まる」との認識からの「やっぱりしばらく利上げは見送られる」とのコンセンサスへの回帰となるのかもしれません。
ドル円は目先、一目雲下限が位置する153.37円や200日MAの152.81円付近を意識しつつ、その場しのぎの対応で付き合っていくしかない状況となっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比80円安の3万8690円(-0.20%)前後で推移。寄り付きは3万9000円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9110円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。ただし、現物の寄り付き直後につけた3万9110円を高値に軟化し、中盤には支持線として意識された75日移動平均線(3万9020円)を割り込んだ。終盤にかけて下落に転じると、一時3万8680円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
日経225先物は3万9110円まで買われたが、ナイトセッションの終値水準であり、一段高でロングが強まる流れにはならなかった。一方で、朝方に突破した75日線をキープできず、持ち高調整に伴うロング解消に向かわせたようだ。また、為替市場ではドル円が1ドル=153円30銭台と円高に振れて推移していることも、ロング解消に向かわせたようだ。ただし、売り一巡後はボリンジャーバンドの-1σ(3万8750円)辺りでの底堅さがみられている。-1σを上回っての推移となるようだと、再び75日線辺りを捉えてくる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍に低下した。14.19倍と上昇して始まったが、その後は一時14.11倍まで下げる場面もみられた。抵抗線として意識されている200日線(14.22倍)から放れつつあり、NTショートに振れやすい状況である。
「トランプ関税が発動されれば、米国の貿易赤字が減少するためドル高要因となる」
(ベッセント米財務長官)
1. トランプ関税の負担者
ベッセント米財務長官は、「仮に10%の関税を発動した場合、ドルが4%上昇し、10%が消費者に転嫁されるわけではない」と述べていた。
また、トランプ政権の高官は、トランプ関税が発動された場合、当初は、米国の消費者の負担になるが、ドルが上昇することで、負担は輸出業者に転嫁される、と述べていた。
日米の通商取引とドル円相場に置き換えて検証してみたい。
ドル円が150円で10%の輸入関税が賦課された場合、1万ドル(@150円=150万円)の米国への輸出品は、11000ドルで販売されるが、10%分の1000ドルは米国の消費者が負担する。
ドル円が10%上昇して165円に上昇した場合も、1万ドルの米国への輸出品は、11000ドルで販売され、10%分の1000ドルは同じく米国の消費者が負担するはずだが、トランプ政権の高官は、ドル高になった場合は、日本の輸出業者が負担することになるらしい。
日本の輸出業者は、150円で採算が取れるため、10%の為替益を割引いて9100ドル(@165=150.15万円)で輸出し、米国の消費者は10%の関税を支払っても、10010ドルとなるため、輸出業者が負担しているようになる。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。米国の2024年10-12月期の国内総生産(GDP)は29.7兆ドルだったので、コストは5300億ドル程度となる。
2.米国の貿易赤字
第1次トランプ米政権(2017年~2020年)のドル・人民元(オフショア)は、米中貿易戦争により、最終年の2020年5月に7.1965元まで上昇していた。そして、ドル・人民元の上昇により、米国の輸入物価指数はマイナスに転じていた。
【日本】 【中国】 【カナダ】 【メキシコ】
トランプ関税: 10% 25% 25%
2024年1-11月:625億ドル 2704億ドル 549億ドル 1572億ドル
2023年:715億ドル 2791億ドル 642億ドル 1524億ドル
2022年:677億ドル 3821億ドル 781億ドル 1278億ドル
【第1次トランプ米政権】 【ドル・人民元(オフショア)】
2020年: 3079億ドル 6.5028
2019年: 3426億ドル 6.9617
2018年: 4182億ドル 6.8706
2017年: 3751億ドル 6.5143
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、昨日ニューヨーク市場からの流れが引き継がれて上値余地を試す展開か。ただ序盤は、東京朝から動意付いた円相場中心の値動きとなりそうだ。欧州午後(NY序盤)には1月米雇用統計の前哨戦とされる同月ADP全米雇用報告が発表され、結果を受けてレンジを広げる可能性もあるだろう。
東京朝に発表された日本の賃金統計が総じて強い結果となり、本邦金利の先高観が高まると為替は円買いが優勢となった。政府高官のインフレ認識発言もドル円やクロス円の重しとなったもよう。欧州中央銀行(ECB)が依然として利下げモードの中で日銀の追加利上げ観測がでると、ユーロ円はどうしても敏感に反応せざるを得ないようだ。
ただ、次の日銀金融政策決定会合までは1カ月以上あり、金利のみで一方的に相場が動くとも考えづらい。一巡後は、経済指標を見極めながら欧州通貨は上下することになりそうだ。
本日は改定値ではあるが、独・仏・ユーロ圏の1月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。独・ユーロ圏は速報値でしっかりと景況感判断の境目50を超えていた。そうなると注目は仏の結果。速報値では48.9と予想を下回るさえない結果だったが、これがもし上振れるようであれば、ユーロドルも上値を試しやすくなるかもしれない。
昨日のユーロドルは1.02ドル後半まで下落したところから切り返し、1.03ドル後半まで上昇して週明け3日にできたギャップを完全に埋めた。3日のロウソク足は長い下ヒゲを伴う陽線であり、単純ではあるが同日につけた2022年11月以来の安値1.0141ドルが暫く底となる可能性はある。ユーロ高ドル安には米長期金利の更なる低下は必要だろうが、目先は日足一目均衡表・雲を巡る攻防が注目される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0444ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、4日安値1.0272ドル
SMBC日興証券では、2024年12月の毎月勤労統計を受けてリポートしている。12月の名目賃金は、本系列で前年比+4.8%、共通事業所系列で同+5.2%の大幅上昇を記録した。冬季賞与増加の効果が表れたとSMBC日興では捉えており、経済活動正常化や価格転嫁による収益改善のほか、人手不足に対応した待遇改善も賞与増につながっているとみている。実質賃金は小幅ながら2カ月連続でプラスとなった。SMBC日興では、先行きの実質賃金は前年比ゼロ近傍で推移し、プラスとマイナスを行ったり来たりすると予想している。
ドル円:1ドル=153.43円(前営業日NY終値比▲0.91円)
ユーロ円:1ユーロ=159.22円(▲0.98円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0377ドル(▲0.0002ドル)
日経平均株価:38831.48円(前営業日比△33.11円)
東証株価指数(TOPIX):2745.41(△7.39)
債券先物3月物:140.37円(▲0.08円)
新発10年物国債利回り:1.285%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 4.8% 3.9%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は売り優勢。朝方に154.46円まで値を上げたものの、12月の毎月勤労統計(現金給与総額、前年比)や実質賃金がいずれも予想より強い結果となったことで、日銀の早期利上げ観測から一転して売られる展開に。赤沢経済再生相が「足もとはインフレの状態という認識、植田総裁と齟齬ない」と発言すると売りに拍車がかかり、目先のサポートとして意識されていた1月27日安値の153.72円を下抜けるとストップロスを誘発。一時153.10円と昨年12月13日以来の安値を付けた。
・ユーロ円も売り優勢。良好な本邦賃金の伸びを受けて日銀の早期利上げ観測が高まると円が全面高に。一時158.94円まで値を下げた。その後はユーロドルが上昇した影響もあり159.30円台まで下げ渋っている。
・ユーロドルは強含み。1.0380ドル前後でのもみ合いが続いていたが、トランプ政権の関税政策に対する過度な警戒感がいったん和らぐ中で15時過ぎからドル売りに傾くと一時1.0394ドルまで上昇している。
・日経平均株価は小幅に続伸。前日の米ハイテク株高の流れを引き継いで朝方には300円超上昇した。トヨタなど決算が良好だったことも支えとなった。ただ、外国為替市場での円高を受けて一転して売りが強まると下げに転じる場面もあった。
・債券先物相場は続落。良好な毎月勤労統計で日銀の利上げ観測が高まり140.15円まで下落する場面があった。ただ、一巡後は押し目買いから140.40円まで反発した。
シティグループは最新リポートで、トランプ米大統領が就任した後の米中関係について、当初の想定より良いスタートとなったとの見方を示した一方、トランプ氏が2月1日に中国からの輸入品の10%の追加関税を課す大統領令に署名したことに言及。同追加関税措置が発動した4日に中国は一連の対抗措置を発表し、総額140億米ドルの米国からの輸入品に対する報復関税や、レアメタルの輸出規制、米企業2社の「信頼できない企業リスト」への掲載、米グーグルに対する独占禁止報違法の調査が含まれていると指摘した。『AAストックス』が5日伝えた。
シティは、今回の追加関税を巡る米中の協議が今後の試金石になるとの見方を示した。米国による10%の追加関税と中国の対抗措置がともに先送りになり、米中が違法薬物などの問題での協力に合意した場合、貿易交渉は新たな扉が開くと予想。一方、逆の結果となった場合は米中対立がエスカレートするとみている。
また、米国による10%の追加関税は輸出伸び率を1.9ポイント、国内総生産(GDP)成長率を0.3ポイントそれぞれ押し下げるとの試算を示した。
みずほ証券では原油市場の見通しについて考察している。トランプ大統領はOPECに対して原油価格の引き下げを要求。OPECプラスは自主減産を4月以降に段階的に縮小する計画を2月の合同委員会で確認した。中東産油国の財政健全化には高い価格が望ましく、相応の見返りがない限り、OPECが原油価格の引き下げ要求に応える可能性は低いとみずほでは考えている。また、これらの点を踏まえて25年の原油価格の予想レンジを、年前半が1バレル=65ドル~85ドル、後半が同60ドル~80ドルとしている。
大阪3月限
日経225先物 38740 -30 (-0.07%)
TOPIX先物 2740.5 +4.5 (+0.16%)
日経225先物(3月限)は前日比30円安の3万8740円で取引を終了。寄り付きは3万9000円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9110円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。だが、現物の寄り付き直後につけた3万9110円を高値に軟化し、前場中盤には支持線として意識された75日移動平均線(3万9020円)を割り込んだ。前場終盤に下落に転じると、一時3万8680円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
ランチタイムでは3万8750円~3万8800円辺りで推移し、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8750円)水準での底堅さが意識されて、後場中盤にかけてはショートカバーにより3万8910円まで戻した。ただし、75日線水準を意識したリバウンドには向かわず、終盤にかけては再び-1σ水準での攻防となった。
日経225先物は3万9110円まで買われたが、ナイトセッションの終値水準であり、一段高でロングが強まる流れにはならなかった。一方で、朝方に突破した75日線をキープできず、持ち高調整に伴うロング解消に向かわせたようだ。また、為替市場で1ドル=153円前半と円高に振れて推移したことも、前場終盤にかけてのロング解消につながったようだ。ただし、積極的にショートを仕掛けてくる流れにはならず、-1σが支持線として機能している。
日中では3万9000円を回復する場面もみられたが、昨日同様、結局は日中の安値圏で終えており、週初の急落に対する自律反発狙いのロングも入りにくい状況である。-1σや200日線(3万8490円)が支持線として意識されるなか、押し目狙いのロング対応による自律反発のタイミングを見極めたいところであろう。
明日は指数インパクトの大きい、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の決算発表が予定されている。短期的にはショートが積み上がっているとみられ、決算発表を前にリバランスの動きをみせてくるかが注目されそうだ。足もとでは日米ともにハイテク企業の良好な決算が目立っており、思惑も高まりやすい。
NT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下した。14.19倍と上昇して始まったが、その後は一時14.11倍まで下げる場面もみられた。抵抗線として意識されている200日線(14.22倍)から放れつつあり、昨年9月以来の14.00倍割れの可能性もありそうだ。200日線を明確に上抜けてくるまでは、NTショートに振れやすい状況だろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5354枚、ソシエテジェネラル証券が1万4242枚、サスケハナ・ホンコンが4410枚、SBI証券が3590枚、JPモルガン証券が2059枚、バークレイズ証券が1834枚、モルガンMUFG証券が1652枚、日産証券が1132枚、ゴールドマン証券が812枚、楽天証券が765枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券2万4724枚、ソシエテジェネラル証券が1万7526枚、バークレイズ証券が6326枚、JPモルガン証券が5109枚、ゴールドマン証券が4310枚、モルガンMUFG証券が3205枚、ビーオブエー証券が2515枚、SBI証券が1621枚、日産証券が1025枚、UBS証券が900枚だった。
本日、東京タイムで円買いが先行し、欧州タイムに入ってはドル売りが見られ、ドル円は152.60円台まで大きく値を下げた。トランプ関税への過度な警戒感が緩みドル買いが一服するなか、日銀の追加利上げ観測の高まりが円買いを後押し、ドル円は下方向への動きが警戒される。
ドル円はこれまで大きく値を下げており、調整の買い戻しが入る可能性はあるものの、米経済指標の結果次第では一段と下値を広げそうだ。本日は1月ADP雇用統計や1月米ISM非製造業景況指数などの発表が予定されている。昨日は12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や12月米製造業新規受注が予想比下振れし、ドル売りが見られた。雇用データのさえない結果が続けば、週末に発表予定の1月雇用統計への警戒感が高まりそうだ。
トランプ米大統領の突発的な発言で関税懸念が再燃したとしても、同材料にはドル高だけではなく、リスク回避の円買いに傾きやすくなっており、日銀の追加利上げ観測を背景にドル円は上値の重い動きが続きそうだ。12月の毎月勤労統計(現金給与総額、前年比)や実質賃金がいずれも予想より強い結果となったことや赤沢経済再生相が植田日銀総裁の「足元はインフレ状態」との認識に同調する発言をし、日銀が利上げを継続するとの見方が強まっている。
・想定レンジ上限
ドル円、90日移動平均線153.73円や本日これまでの高値154.46円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、昨年12月13日安値152.46円や同12日安値151.81円が下値めど。
今晩は軟調な展開か。昨日は主要3指数がそろって3日ぶりに反発した。トランプ政権が中国に対する追加関税を発動し、中国も報復関税を発表したことでトランプ関税問題が引き続き懸念されたものの、カナダへの関税発動が30日間延期されたことや、米10年債利回りが低下したこと、好決算を発表したパランティア・テクノロジーズが24%高と急伸したことなどで、ハイテク株を中心に買いが強まった。引け後の動きでは10-12月期の利益が市場予想を上回ったものの、売上高やクラウド収入が市場予想に届かなかったアルファベットが時間外で7%超下落した。
今晩の取引では時価総額上位のアルファベットの大幅安が予想されることで、ハイテク株を中心に軟調な展開か。ただ、昨日の取引では弱い経済指標を受けた米10年債利回りの低下が一定の支援となっており、今晩発表される1月ADP民間部門雇用者数や1月ISM非製造業PMIなどを受けた米債利回りの動向にも要注目となる。決算発表では寄り前にウォルト・ディズニーやウーバー・テクノロジーズなどが発表予定で、決算結果やガイダンスにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは1月ADP民間部門雇用者数、1月ISM非製造業PMIのほか、1月S&Pグローバル総合・サービス業PMI確定値、12月貿易収支、EIA週間原油在庫など。決算発表はS&P500採用の約40銘柄が発表予定で、寄り前にウォルト・ディズニー、ウーバー・テクノロジーズ、ボストン・サイエンティフィック、引け後にクアルコム、フォード、アフラック、スカイワークス・ソリューションズなどが発表予定。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
RBNZによる「大幅利下げ」を後押ししそうな雇用悪化の動き
当面のNZドル相場は金融政策の方向性が影響する形で上値の重い展開が続くと見込まれる
このところのニュージーランド経済は内・外需双方に下押し圧力が掛かる形でリセッションに陥っている。他方、商品高の一巡に加えて景気低迷の動きも重なる形でインフレは鈍化し、昨年後半は中銀(RBNZ)が定めるインフレ目標の域内で推移している。RBNZは昨年8月にコロナ禍後初の利下げに舵を切り、その後も断続、且つ大幅利下げに動くなどハト派姿勢を強めている。利下げにも拘らず足下の不動産価格は底這いで推移するなど物価上昇圧力が高まりにくい動きをみせているほか、雇用を取り巻く環境も悪化の度合いを強めている様子が確認されている。よって、RBNZが今月19日に開催予定の次回会合でも「大幅利下げ」に動く余地は拡大していると予想される。当面は金融政策の方向性の違いがNZドルの対米ドル相場の重石となる展開が見込まれるとともに、日本円に対しても同様に上値が抑えられる局面が続く可能性があろう。
日経平均株価は続伸。買い優勢から上値を試す場面もあったが、下向きの5日移動平均線(39047円 2/5)や75日移動平均線(39005円 同)に戻りを抑えられる格好となった。3日間で横並びの連続陰線となり、昨年12/27高値から下落した後の1/14から形成した3日連続陰線とほぼ同水準で同じ現象が生じた。
RSI(9日)は前日の36.5%→30.3%(2/5)へ低下。あす以降は幾分上昇しやすいタイミングに入る。前日から大きな変化はない。1/28安値(38886円)を下回ったことで、1/24高値(40279円)からの二段下げ目にある。足元は若干戻す格好になっているが、1月安値を保った状態で1/31高値(39681円)を超えられるかが焦点となる。
上値メドは、75日移動平均線、25日移動平均線(39312円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(38628円 同)、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.29円(5日15時時点比▲1.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.68円(▲0.54円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0419ドル(△0.0042ドル)
FTSE100種総合株価指数:8623.29(前営業日比△52.52)
ドイツ株式指数(DAX):21585.93(△80.23)
10年物英国債利回り:4.437%(▲0.085%)
10年物独国債利回り:2.366%(▲0.030%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月仏鉱工業生産
(前月比) ▲0.4% 0.1%・改
1月仏サービス部門PMI改定値
48.2 48.9
1月独サービス部門PMI改定値
52.5 52.5
1月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
51.3 51.4
1月英サービス部門PMI改定値
50.8 51.2
12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.4% 1.7%・改
(前年比) 0.0% ▲1.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。日銀の追加利上げ観測を背景に円買い・ドル売りが先行。19時30分過ぎに一時152.55円まで値を下げた。NYの取引時間帯に入り、1月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が18.3万人増と予想の15.0万人増を上回ったことが分かると、153.21円付近まで下げ渋る場面もあったが、買い戻しが一巡すると再び上値が重くなった。1月米ISM非製造業指数が52.8と予想の54.3を下回ったことが伝わると全般ドル売りが活発化し、一時152.12円と昨年12月12日以来の安値を更新した。
・ユーロドルは底堅い動き。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.4081%前後と昨年12月18日以来の低水準を付けるとユーロ買い・ドル売りが優勢となった。米ISM非製造業指数が予想を下回ったこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0442ドルと日通し高値を更新した。
レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが「ディスインフレの過程は順調に進んでいる」としながらも、「インフレに新たな上振れリスク発生の可能性」「インフレの減速は予想以上に時間がかかる恐れ」と述べたこともユーロ買いを誘ったようだ。
・ユーロ円は頭が重かった。23時過ぎに一時159.60円付近まで上げたものの、戻りは限定的だった。0時30分過ぎには一時158.50円と本日安値を付けている。東京時間に発表された12月毎月勤労統計を受けて、日銀の追加利上げ観測が高まったことも相場の重し。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。トランプ米政権の関税政策への懸念が相場の重しとなった半面、自律反発狙いの買いが入った。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。トランプ米政権の関税政策への懸念から反落して始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。個別ではボノビア(3.46%高)やインフィニオン・テクノロジーズ(2.91%高)、シーメンス・エナジー(2.55%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
5日の日経平均は続伸。終値は33円高の38831円。米国株高を受けて3桁上昇スタートとなり、序盤では上げ幅を300円超に広げた。しかし、39100円台で頭打ちとなって9時台半ば以降は失速。マイナス圏に沈んで前引け間際には下げ幅を3桁に広げた。後場はプラス圏とマイナス圏を行き来する展開。前場で売りは一巡したものの、プラス転換して上げ幅を広げると上値が重くなった。引けまで方向感が定まらなかったが、終値ではプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆7800億円。業種別では海運、その他製品、輸送用機器などが上昇した一方、医薬品、空運、陸運などが下落した。上方修正を発表したトヨタ<7203.T>が後場に買われて3.1%高。発表直後には下げる場面もあったが、切り返して上げ幅を広げた。半面、3Q累計で減益となったコムチュア<3844.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり940/値下がり645。ホンダが商いを伴って8.2%高。日産自動車との経営統合が破談になるとの観測が好材料と捉えられており、後場には日産が基本合意書を撤回するとの観測が出てきて一段高となった。通期の売上高見通しを引き下げたものの、事業再編への期待が高まったパナソニックが13.7%高。上方修正、期末配当見通しの大幅引き上げ、自己株取得を発表したバンナムHDが13.7%高と、リリースが好感された銘柄が急伸した。海運大手の日本郵船、川崎汽船が好決算を発表して大幅高となった。
一方、日産自動車は統合破談観測を受けては買われていたが、合意書撤回観測を受けて後場に急落。その後、売買停止となった。ディスコ、レーザーテック、アドバンテストなど半導体株が軟調。3Q大幅増益の三菱UFJは買われる場面もあったが下落で終えた。横河電機やBIPROGYが決算を受けて大幅安。3Q累計で減収減益となったイビデンがストップ安となった。
グロース市場に技術承継機構が新規上場。高い初値をつけた後も買いが続き、ストップ高で終えた。
日経平均は乱高下してほぼ横ばいで終了。ただ、高寄り失速となったことで、ローソク足では陰線を形成した。きのうときょうは序盤はかなり強かったものの、買いの勢いが続かなかった。また、両日ともわかりやすく39000円を超えると上値が重くなった。あすは引け後に東京エレクトロンが決算を発表予定。日経平均への影響が大きい銘柄だけに、全体では発表を前に様子見姿勢が強まりそう。きょうの終値(38831円)近辺に52週線(38775円)や26週線(38724円)などテクニカルの節目が位置しているだけに、これらを意識した動きが見られるかに注目したい。
トランプ米大統領が2月1日に署名した中国からの輸入品に10%の追加関税を課す大統領令は4日に発効した。同大統領令には非課税基準額(デミニミス)ルールの適用停止も盛り込まれている。米国ではこれまで、輸入申告額が800米ドル以下の少額貨物の輸入に対して、関税支払いなどが免除されるデミニミス・ルールが設けられているが、今回の追加関税の対象品目は同ルールが適用されないことになった。安価の商品を関税なしで米国の消費者に直接出荷する中国系のEC業者にとって打撃になる可能性があると指摘されている。『香港経済日報』など複数のメディアが5日伝えた。
米郵便公社(USPS)は現地時間の4日、同日から中国本土と香港からの郵便小包の受け取りを一時停止すると発表した。モーニングスターの譚綺コウ・シニアアナリストは、米郵便公社が新しい税制規定に適応し、処理するのに時間を要するため、中国からの荷物の受け取りを再開するには時間がかかると指摘した。
米国税関国境保護局(CBP)のデータによると、過去10年間に米国に輸入され、少額貨物の関税免除を申請した小包の量が急増し、15年の約1億3900万件から24年には13億6000万件以上に増えた。米議会は23年に発表した報告で、輸入される「少額貨物」のほぼ半分が中国からのものであり、PDDホールディングス(PDD)傘下の「Temu」とファッション通販のSHEIN(シーイン)だけで30%を占めていると指摘した。
5日09:31 トランプ米大統領
「現在、ウクライナやロシアと建設的な協議を行っている」
「今後、イスラエルとガザ、サウジアラビアを訪問する予定」
5日20:24
「イランが平和的に成長し繁栄することを可能にする、検証可能な核平和協定を強く望む」
「イランの成功を望むが、核兵器は持たせない」
5日09:37 赤沢経済再生相
「足もとはインフレの状態という認識、植田総裁と齟齬ない」
5日09:38 ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「政策スタンスの変更を急ぐ必要はない」
「中期的に漸進的な利下げを引き続き想定している」
5日12:43 正木日銀企画局長
「基調的な物価上昇率は2%の目標に向かって徐々に高まっている」
「物価高のかなりの部分はコストプッシュ要因であり、先行きは和らぐ」
5日20:31 ルラ・ブラジル大統領
「BRICSは米ドルに代わる通貨で貿易について議論する権利」
「米国も世界を必要としており、ブラジルやメキシコを必要としている」
「もちろんブラジルは税金に関して米国に対して互恵主義を適用する」
「米国は世界から孤立しつつある。我々には調和が必要だ」
5日21:06 スターマー英首相
「EUとの貿易障壁を撤廃する決意」
5日22:09 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「関税の影響を知るのは難しい」
「トランプ政権の政策の多くは経済の不確実性を高めている」
「今年は依然として利下げに傾いている」
「米国経済の過熱の兆候は見られない」
「依然として政策金利はやや制限的だと考えている」
5日23:05 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「インフレに新たな上振れリスク発生の可能性」
「インフレの減速は予想以上に時間がかかる恐れ
6日05:00 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレは低下し、2%の目標に近づいている」
「インフレが上昇したり、進展が停滞したりした場合、FRBはそれが過熱によるものか関税によるものかを見極める必要がある」
「インフレの原因を区別することは、FRBがいつ行動すべきか、あるいは行動すべきかどうかを決定する上で重要になる」
※時間は日本時間
本日予定されていた12月ロシア失業率の発表は7日25時(8日午前1時)に延期となった。
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◇ 田村直樹日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○09:30 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○09:30 ◇ 12月豪貿易収支(予想:70.00億豪ドルの黒字)
○15:45 ◇ 1月スイス失業率(季節調整前、予想:2.9%)
○16:00 ◎ 12月独製造業新規受注(予想:前月比2.0%/前年同月比▲10.5%)
○16:00 ◎ 1月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.6%/前年比0.5%)
◎ コア指数(予想:前月比▲0.2%/前年比1.6%)
○18:30 ◎ 1月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:53.5)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.1%/前年比1.9%)
○21:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:4.50%に引き下げ)
○21:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:30 ◇ 1月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◇ 10-12月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比1.4%)
○22:30 ◇ 10-12月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比3.4%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.3万件/187.4万人)
○24:00 ◇ 1月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日01:15 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○7日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表(予想:9.50%に引き下げ)
○7日04:30 ◎ ウォラーFRB理事、講演
○7日05:30 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○7日06:05 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○ニュージーランド(ワイタンギ・デー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.61円(前営業日比▲1.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.75円(▲1.45円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0403ドル(△0.0024ドル)
ダウ工業株30種平均:44873.28ドル(△317.24ドル)
ナスダック総合株価指数:19692.33(△38.31)
10年物米国債利回り:4.41%(▲0.10%)
WTI原油先物3月限:1バレル=71.03ドル(▲1.67ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2893.0ドル(△17.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 2.2% ▲2.0%
1月ADP全米雇用報告
18.3万人 17.6万人・改
12月米貿易収支
984億ドルの赤字 789億ドルの赤字・改
1月米サービス部門PMI改定値
52.9 52.8
1月米総?⑰MI改定値
52.7 52.4
1月米ISM非製造業指数
52.8 54.0・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。1月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が18.3万人増と予想の15.0万人増を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが先行。23時過ぎに一時153.21円付近まで下げ渋った。
ただ、1月米ISM非製造業指数が52.8と予想の54.3を下回ると全般ドル売りが優勢に。1時前には一時152.12円と昨年12月12日以来の安値を更新した。東京時間発表の12月毎月勤労統計の結果を受けて、「日銀の追加利上げの時期が早まる」との観測が高まったことも引き続き相場の重しとなった。
・ユーロドルは続伸。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.4001%前後と昨年12月18日以来の低水準を付けるとユーロ買い・ドル売りが進行。米ISM非製造業指数の下振れもユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0442ドルと日通し高値を更新した。レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが「ディスインフレの過程は順調に進んでいる」としながらも、「インフレに新たな上振れリスク発生の可能性」「インフレの減速は予想以上に時間がかかる恐れ」と述べたこともユーロ買いを誘ったもよう。
ただ、一目均衡表雲の下限が位置する1.0444ドルや1月30日の高値1.0467ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
・ユーロ円は反落。23時過ぎに一時159.60円付近まで上げたものの、戻りは鈍かった。ドル円の下落につれた売りが出ると一時158.50円と本日安値を付けた。日銀の追加利上げ観測を背景に円買いが入りやすい面もあった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。米長期金利が低下すると株式の相対的な割高感が薄れ、主力株に買いが集まった。決算内容が好感されたアムジェンが堅調に推移し1銘柄でダウ平均を123ドル程度押し上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら続伸。指数は一進一退で推移した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。1月米ISM非製造業指数が予想を下回ったことを受けて、買いが優勢となった。利回りは一時4.4001%前後と昨年12月18日以来の低水準を付けた。
・原油先物相場は続落。トランプ関税や中国による世界貿易機関(WTO)への米国提訴など、貿易戦争激化が経済活動の停滞を招き、エネルギー需要の低迷につながるとの見方が重し。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(1/31時点)で原油在庫が+866.4万バレル(前週 +346.3万バレル)と積み増し継続となったことも圧迫要因となり、一時71ドル割れへ下押した。
・金先物相場は3日続伸。米10年債利回りが昨年12月18日以来の低水準4.40%台まで低下。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味改善につながり買いを支援した。米金利低下にともなうドル安もドル建て金相場の割安感を意識させ、買いを促す要因となった。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38960 +220 (+0.56%)
TOPIX先物 2755.0 +14.5 (+0.52%)
シカゴ日経平均先物 38955 +215
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。1月のISM非製造業景況感指数は52.8と前月(54.0)から低下し、市場の予想も下回った。新規受注は昨年6月以来の低水準となり、米経済の減速を示す内容として米長期金利が低下したことが株式の買いにつながった。また、1月のADP雇用統計で非農業部門の雇用者数が予想を上回る伸びとなったことも材料視された。
もっとも、NYダウは下落幅が一時200ドルを超える場面もあった。決算発表が本格化するなか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>は、データセンター部門の売上高が市場予想に届かなかったことが嫌気され6%超下落。2024年10-12月期決算で売上高が予想を下回ったアルファベット<GOOG>も7%近く下落した。一方で、予想を上回る決算を発表したアムジェン<AMGN>が6%超上昇し、指数を押し上げた。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、ボーイング<BA>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、セールスフォース<CRM>が買われた。半面、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ナイキ<NKE>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、メルク<MRK>が軟調。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比215円高の3万8955円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円高の3万8770円始まり、その後は軟化し3万8640円と下落に転じる場面もみられた。売り一巡後はリバウンドを継続し、米国市場の取引開始直前に3万8880円まで買われた後に急落し、一時3万8570円まで売られた。ただし、終盤にかけて再びリバウンドが強まり、3万8960円とナイトセッションの高値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。日経225先物はナイトセッションで3万8570円まで売られたが、200日移動平均線(3万8490円)が支持線として意識される形から切り返した。ただし、75日線(3万9020円)が抵抗となりそうであり、まずは同線を突破してくるかを見極めたいところだろう。75日線をクリアしてくるようだと、25日線(3万9280円)が射程に入ってくる。
また、ボリンジャーバンドの-1σが3万8730円辺りで推移しており、同水準での底堅さがみられるようだと、ややロング優勢の流れになろう。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格である3万8750円から3万9250円のレンジを想定する。-1σを割り込み、200日線に接近する局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
5日の米VIX指数は15.77(4日は17.21)に低下した。一時17.75まで上昇する場面もみられたが、その後の下げにより25日線(16.81)、75日線(16.65)、200日線(16.22)を下回ってきた。米中貿易摩擦の悪化懸念から楽観視はできないものの、各支持線を割り込んできたことで、リスク選好に向かわせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下した。14.19倍と上昇して始まったが、その後は一時14.11倍まで下げる場面もみられた。抵抗線として意識されている200日線(14.22倍)から放れつつあり、方向性としては昨年9月以来の14.00倍割れの可能性もありそうだ。ただし、円相場が1ドル=152円半ばで推移しており、輸出関連株への物色を手掛けづらくさせる。半面、エヌビディアは5%を超える上昇だったこともあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になるため、ややNTショートを巻き戻す動きがありそうだ。
5日のニューヨーク外国為替市場でドル円はまず、1月ADP全米雇用報告が予想を上回ったことから一時153.21円付近まで下げ渋り。しかし、1月米ISM非製造業指数が予想を下回ると152.12円と昨年12月12日以来の安値を更新した。ユーロドルは米10年債利回りが4.40%付近まで低下したほか、米ISM非製造業指数の下振れもユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0442ドルと日通し高値を更新した。
本日の東京市場では、ドル円は田村日銀審議委員の発言機会に注意しつつも、下値が意識されやすい展開となるか。
一昨日に植田日銀総裁が「デフレではなくインフレの状態にある」と発言したほか、昨日は赤沢経済再生相が「足もとはインフレの状態という認識、植田総裁と齟齬ない」と述べた。一連の発言を受け、政府によるデフレ脱却宣言と共に日銀の早期利上げが意識され、円が買われている。そうした中、本日の田村日銀審議委員の発言内容には否応なく注目が集まる。
田村委員は、今年1月の日銀会合で利上げに賛成し、昨年12月には委員の中で唯一利上げを提案(反対多数で否決)するなど、市場ではタカ派的とみなされている。市場の予想通りタカ派的な内容となれば、昨日一時1.295%と2011年4月以来の水準に上昇した新発10年物国債利回りにさらなる上昇圧力が掛かると共に、円買い圧力が一段と強まるだろう。
しかし、ドル円は今月に入り高値から4円近く下落している点を踏まえると、高まった日銀の早期利上げ期待を鎮めるような内容だと買い戻しを誘うこともあり得る。市場が不安定になっているだけに、発言内容には神経質な展開となることも考えられる。
テクニカル面でも、ドル円は日足一目均衡表で三役陰転が点灯したほか、前週からわずかに低下傾向となっている200日移動平均線(本日は152.80円付近)を下抜いている。このため、下押す材料に反応しやすい地合いとなっている点には注意したい。
また、今月のドル円の下落要因として、12月雇用動態調査(JOLTS)求人件数や1月ISM非製造業景況指数など弱めの結果が相次いだことによるドル売りの面も見逃せない。米10年債利回りが昨年12月以来の水準に低下していることを踏まえると、円売り局面でも上値抑制要因となるかもしれない。
昨日はややタカ派とされる米リッチモンド連銀のバーキン総裁が「今年は依然として利下げに傾いている」「米国経済の過熱の兆候は見られない」などと発言したほか、ハト派とされる米シカゴ連銀のグールズビー総裁からは「インフレは低下し、2%の目標に近づいている」との発言が伝わっている。アジア時間には中立派とされるジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)理事の講演が予定されており、金融政策に関する発言があれば材料視されるかもしれない。
そのほか、材料としては一服感があるが、トランプ政権の関税を始めとした政策には引き続き気を付けたいところだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比140円高の3万8880円(+0.36%)前後で推移。寄り付きは3万8940円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8955円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。中盤にかけて上げ幅を広げており、一時3万9190円まで買われた。ただし、買い一巡後は終盤にかけて軟化し、3万8840円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
日経225先物は中盤にかけての上昇で75日移動平均線(3万9020円)を上回ったものの、同水準をキープできす、終盤にかけてロング解消に向かわせたようだ。ただし、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8730円)に接近する局面では底堅さがみられており、ショートを仕掛けづらくさせている。-1σ水準が支持線として機能するようだと、後場は75日線突破からショートカバーを誘う可能性もありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.13倍と、前日比横ばいで推移している。一時14.11倍まで下げる場面もみられたが、円高が重荷となる形で輸出株が売られており、NTショートにも振れにくい状況である。
昨日のドル円は、東京時間から続く日銀の早期利上げ観測が戻り売りを誘う展開。欧州時間に入っても米長期金利の低下も手伝い一時152.55円まで値を下げました。NY時間に入ってからは1月ADP全米雇用報告が予想を上回る強い数字となると153.21円まで買い戻されたものの、1月米ISM非製造業指数が予想を下回る弱い結果となったことを受けて米長期金利の急低下とともに再び下値を試す動きに。一時152.12円まで売り込まれました。ただ、引けにかけては152.77円まで買い戻されています。
アジア時間に入ってからも高値が152.75円までと、明らかに200日MAが位置する152.80円を意識した戻り売り。日銀の田村審議委員が長野県での金融経済懇談会で「中立金利は1%程度と考えており、2025年度後半までには少なくとも短期金利を1%程度まで引き上げておく必要がある」との見解を表明すると、米系短期筋を中心に一時151.82円まで売り込まれることになりました。ただ、その後はすぐにも152.28円まで買い戻されているといったところです。
いずれにしても、本日の売り仕掛けは、東京勢にとっては「かなりタカ派である田村審議員の発言」としてある意味予想通りではあったものの、「そんなことは関係なく、ヘッドラインに敏感に反応している」一部米系短期筋にとっては、当然の仕掛けだったわけで、ただ、内情を認識すればするほど、ショートカバーに繋がっていくというもの。しかも、安値の151.82円は週足の一目雲上限にちょうど面合わせしたとあって、これまでのところはきれいに下げ止まっています。
昨日は、ベッセント米財務長官がFOXビジネスでのインタビューで「トランプ米大統領も私も借入コストの引き下げに重点を置いている。FRBの短期の政策金利ではなく、米10年債利回りを意識している。FRBに利下げを求めてはいない」とのこと。トランプ米政権の関税政策ではない、金融政策に対する姿勢を垣間見ることが出来ています。
本日のロンドン為替市場では、日本時間21時に英中銀(BOE)が公表する金融政策委員会(MPC)の結果内容がメインイベント。政策金利について市場は、現行4.75%から4.50%に引き下げを予想している。英金融イベントまでは、本邦金利への思惑で円相場中心の値動きとなりそうだ。
本日午前に長野県金融経済懇談会で講演した田村日銀審議委員は、「適切なタイミングで利上げを実施し、物価安定を維持する」との見解を示した。具体的な利上げ時期や幅について、「2025年度後半には少なくとも1%程度」と自身が考える中立金利水準を示した。早期追加利上げに前向きと捉えた市場は、まず円買いで反応した。
もっとも田村委員の発言を受けたドル円やクロス円の下落は長続きせず、一巡後は水準を戻す動きに。タカ派の日銀審議委員が自らのスタンスに沿った見解を示したことは、市場にとってサプライズではないのだろう。本邦金利の先高観は強まったままだが、底打ち感が広がるようであれば、欧州前半は巻き戻しに注意したい。
英中銀の政策金利については、英国のインフレ動向や雇用状況からして市場の見込み通りとなりそうだ。注目はMPC委員9人の投票行動。金利据え置きの前回12月の会合でも、ラムスデン副総裁とディングラ、テイラー両委員が0.25%の利下げを主張した。
今回の会合では、前述した3人に何人追随するかがポイントになる。直近のアナリスト調査では、利下げ8人/据え置き1人との見方が優勢。先週と比較すると、据え置きと見られていた委員1人が利下げに移ったことになる。8対1や7対2を想定内とし、バランスが崩れた方にポンド相場は反応するのではないか。
想定レンジ上限
・ユーロ円、本日高値158.86円を超えるとピボット・レジスタンス1の159.87円
・ポンドドル、90日移動平均線1.2669ドル
想定レンジ下限
・ユーロ円、本日安値157.92円を下抜けると昨年12月4日安値156.99円
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.2338ドル
ドル円:1ドル=152.42円(前営業日NY終値比▲0.19円)
ユーロ円:1ユーロ=158.30円(▲0.45円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0386ドル(▲0.0017ドル)
日経平均株価:39066.53円(前営業日比△235.05円)
東証株価指数(TOPIX):2752.20(△6.79)
債券先物3月物:140.51円(△0.14円)
新発10年物国債利回り:1.260%(▲0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆4584億円の処分超 1931億円の取得超・改
対内株式
3152億円の処分超 7527億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は方向感がない。朝方に152.75円まで値を上げたものの、田村日銀審議委員が中立金利について「最低でも1%程度」との見解を示し、物価目標を達成するために「2025年度後半には少なくとも1%程度まで短期金利引き上げが必要」と述べると、日銀の早期利上げ観測から売りが優勢に。昨日安値の152.12円を下抜けて151.82円と昨年12月12日以来の安値を付けた。ただ、152円割れで下値の堅さを確認すると、一巡後はショートカバーが入り152円台半ばまで反発している。
・ユーロ円は弱含み。田村委員のタカ派的な発言を受けて円高が進むと157.92円まで売り込まれた。その後はドル円が反発したため158.40円台まで下げ幅を縮めたが、ユーロドルが下げた影響などからドル円ほどの戻りは見られなかった。
・ユーロドルは小安い。1.04ドル台での頭の重さが意識されたほか、時間外で小幅ながら米10年債利回りが上昇したことも重しとなり、一時1.0385ドルまで値を下げた。
・日経平均株価は3日続伸。昨日の米国株高の流れを引き継いだほか、アジア株が総じて上昇したことも追い風となった。日銀の利上げ観測から伸び悩む場面もあったが、下値は堅かった。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。田村委員の発言で日銀の早期利上げ観測が高まると一時140.36円まで下落した。ただ、午後に実施された30年債入札が強い結果だったことで買い戻しが強まると140.53円まで反発した。
東海東京インテリジェンス・ラボでは2025年のドル円に関して、トランプ大統領による政策発動の不確実性から、警戒感が高まりやすいとみられる1-3月期が1年を通じて最も円高に振れやすい期間と見込んでいる。ある程度は事前の織り込みが進んでいるとみており、この先、グローバル経済が大きく悪化するような政策が発動されなければ、ドル円は150円台を維持する可能性が高いと考えている。トランプ政権の関税発動などが想定内に収まれば、市場の警戒感が和らぐことでドル円は再び上値を試す流れを予想している。
みずほ証券では、17日公表予定の2024年10-12月期の実質GDP1次速報を前期比+0.3%(前期比年率+1.4%)と予想している。3四半期連続のプラス成長になる見込み。プラス成長の主因には外需を挙げており、内需は軟調であったと予想。GDPデフレーターは前期比+0.9%と上昇率が前期から加速したと予想しており、これにより、名目GDPは前期比+1.3%と3四半期連続のプラス成長になったと予想している。
本日のNY時間のドル円は、米金利低下に伴うドル売りの流れを変えるのは難しいだろうが、ポジション調整の動きには要警戒となりそうだ。
連日、米長期金利の低下が重しになり、本日は東京市場で12月12日以来となる151.82円まで弱含んだ。市場参加者の多くがトランプラリーにより米金利上昇・ドル買いに動くという中長期的なビューがあることで、この数週間にわたっては買い場が来たと思い、買っては売り、買っては売り、の悪循環となるトレードを継続しているようだ。本日も昨年12月12日安値151.81円を辛うじて割り込まなかったことで、同水準を背にして買いで臨んでいる市場参加者が多く、米経済指標の結果次第では再びストップロス・ハンティングで下押しするリスクもあるだろう。
ただ、明日の米雇用統計を前に、木曜日は日柄的にポジション調整が入りやすいことには注意が必要になる。本日発表される複数の米雇用指標(1月企業の人員削減数、10-12月期非農業部門労働生産性・速報値、10-12月期単位労働コスト・速報値、前週分の新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数)の結果次第で、調整のドル買い戻し、12月12日割れのストップロスのドル売り、両サイドともつけに行くリスクがあることには注意をして取引したい。
また、本日から8日まで石破首相が米国を訪問し、ワシントンD.C.において、トランプ大統領との間で、初となる対面での日米首脳会談を実施する。林官房長官は「安全保障や経済などの諸課題について認識の共有を図り、一層の協力を確認し、日米同盟を更なる高みに引き上げていきたい」と述べているが、会談を前に観測記事などが出て、円相場に影響を与える可能性もあることで警戒をしておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、日足一目均衡表・雲下限153.37円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、昨年12月12日安値151.81円。
今晩は底堅い展開か。昨日は主要3指数がそろって2日続伸した。アルファベットが大きく下落したものの、市場がトランプ関税問題を織り込んだことや、米10年債利回りが低下したこと、エヌビディアが大幅高となったことが支援となった。引け後の動きではクアルコムとアーム・ホールディングスが予想を上回る決算を発表したものの、株価が時間外でそれぞれ4.60%安、6.29%安となり、フォードは弱い2025年見通しが嫌気され時間外で4.49%下落した。
今晩の取引では半導体株の下落などが重しとなることが予想されるものの、トランプ関税への警戒感が後退していることや、第4四半期決算が総じて良好なこと、足もとでの米10年債利回りの低下などを追い風に底堅い展開か。今週は週末金曜日に発表される1月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)が最大の注目点となるが、今晩も新規失業保険申請件数などが発表予定で、指標結果を受けた米10年債利回りの動向や利下げ見通しなどに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数のほか1月チャレンジャー企業人員削減数、10-12月期単位労働コスト速報値、同労働生産性速報値など。決算発表は寄り前にイーライ・リリー、ブリストルマイヤーズ、ハネウェル、タペストリー、ラルフ・ローレン、エア・プロダクツ&ケミカルズ、ヤム・ブランズ、引け後にアマゾン、エクスペディアなどが発表予定。
大阪3月限
日経225先物 39090 +350 (+0.90%)
TOPIX先物 2756.5 +16.0 (+0.58%)
日経225先物(3月限)は前日比350円高の3万9090円で取引を終了。寄り付きは3万8940円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8955円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。前場中盤にかけて上げ幅を広げ、一時3万9190円まで買われ、心理的な抵抗だった75日移動平均線(3万9020円)を上回った。ただし、日銀の田村審議委員の講演での発言をきっかけに、為替市場で一時1ドル=151円台と円高・ドル安が進んだことが重荷となった。前場終盤にかけて軟化し、3万8840円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
その後、円相場は1ドル=152円半ばでの推移と円高の動きが一服、後場はショートカバーを誘う形となった。ボリンジャーバンドの-1σ(3万8740円)が支持線として意識され、ショートは仕掛けづらく、終盤にかけてのリバウンドで再び75日線を上回った。
日経225先物は3日の急落で200日線(3万8490円)を一時割り込んだ後は、200日線と75日線辺りでの推移をみせている。自律反発の域は脱していないが、東証プライム市場の売買高は3日の24億8500万株をピークとしながら、その後も連日で21億株を上回っており、出来高をこなしながらリバウンドを継続している。
日経225先物は半値戻し水準であり、自律反発としては達成感も意識されてくるだろうが、75日線を支持線に変えて25日線を捉えてくるようだと、ショートカバーを強めてくる可能性がありそうだ。週末には米雇用統計の発表を控えて、ショートポジションをニュートラルに近づけておきたいところである。
また、石破茂首相は8日未明にワシントンでトランプ米大統領と首脳会談に臨む予定だ。信頼関係の構築を最優先課題に据えていると伝えられており、良好な関係をアピールすることができればマーケットにはプラスに作用するだろう。期待感はそれほど高まってはいないものの、ショートポジションにおいては、いったん圧縮する動きに向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.18倍に上昇した。一時14.11倍まで下げる場面もみられたが、後場に入りNTショートを巻き戻す動きとなったようである。ただし、200日線(14.22倍)が抵抗線として機能しているため、まずは同線を明確に上抜けてくるかを見極めたい。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万6122枚、ソシエテジェネラル証券が1万3056枚、サスケハナ・ホンコンが4083枚、SBI証券が2976枚、バークレイズ証券が2477枚、JPモルガン証券が2086枚、モルガンMUFG証券が1965枚、楽天証券が1677枚、日産証券が1062枚、三菱UFJeスマート証券が1030枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券1万7756枚、ソシエテジェネラル証券が1万5539枚、バークレイズ証券が5222枚、ゴールドマン証券が4676枚、JPモルガン証券が4166枚、モルガンMUFG証券が2547枚、ビーオブエー証券が1901枚、UBS証券が680枚、野村証券が608枚、BNPパリバ証券が596枚だった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ウクライナ侵攻から丸3年を前に、ロシア経済の立ち位置を再確認
戦争終結後の混乱は必至の一方、終結の道筋がみえないなかで火種は一段と深刻化する懸念も
ロシアによるウクライナ侵攻開始からまもなく丸3年が経過しようとしている。侵攻直後に欧米などはロシアへの制裁を強化したため、一旦はGDPが大きく下振れした。しかし、様々な「抜け穴」を通じてその影響を掻いくぐり、その後のGDPは底入れの動きを強めている。他方、経常黒字の縮小に加え、米ドル高も相俟ってルーブル相場は調整の動きを強めている上、貿易決済の複雑化も重なり輸入インフレ圧力は増幅されている。さらに、動員拡大に伴う労働力不足が賃金上昇を招き、インフレは加速して中銀目標から乖離しているが、中銀は昨年12月にプーチン氏の意向を忖度して利上げを休止させる難しい対応を迫られている。
戦争という不正義がもたらすGDP拡大を以って「景気回復」と評するかは議論を要するが、ロシア政府は今年度予算でも軍事費増大に傾斜しており、経済を支える観点から戦争を止められない可能性がある。戦争終結後には資源配分の歪さや人口減少よる潜在成長率の低下も相俟って深刻な混乱に陥る懸念がある一方、戦争終結の道筋がみえないなかで混乱の火種は一層と深刻化していくことが懸念される。
日経平均株価は3日続伸。5日ぶりの陽線を形成し、75日移動平均線(39004円 2/6)上を回復した。
RSI(9日)は前日の30.3%→35.9%(2/6)へ上昇。あすも上昇しやすいタイミングが続く。短期的な見方は前日から大きな変化はない。1/28安値(38886円)を下回ったことで、1/24高値(40279円)からの二段下げ目にある。足元は戻す格好になっているが、1月安値を保った状態で、1/31高値(39681円)を超えられるかが焦点となる。
上値メドは、25日移動平均線(39282円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、100日移動平均線(38759円 同)、200日移動平均線(38625円 同)、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)などがある。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.87円(6日15時時点比▲0.55円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.63円(▲0.67円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0379ドル(▲0.0007ドル)
FTSE100種総合株価指数:8727.28(前営業日比△103.99)
ドイツ株式指数(DAX):21902.42(△316.49)
10年物英国債利回り:4.485%(△0.048%)
10年物独国債利回り:2.379%(△0.013%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月スイス失業率
3.0% 2.8%
12月独製造業新規受注
(前月比) 6.9% ▲5.2%・改
(前年比) ▲6.3% ▲1.4%・改
1月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
48.1 53.3
12月ユーロ圏小売売上高
(前月比) ▲0.2% 0.0%・改
(前年比) 1.9% 1.6%・改
英中銀(BOE)、政策金利
4.50%に引き下げ 4.75%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。欧州勢参入後はショートカバーが優勢となり一時152.89円と日通し高値を付けたものの、買い戻しが一巡すると徐々に弱含んだ。前日の12月毎月勤労統計の結果や本日の田村直樹日銀審議委員の発言を受けて、「日銀の追加利上げの時期が早まる」との観測が高まる中、円買いが入りやすい地合いとなった。
NYの取引時間帯に入ると、10-12月期米非農業部門労働生産性速報値や10-12月期米単位労働コスト速報値、前週分の米新規失業保険申請件数が軒並み予想より弱い内容だったことが伝わり、全般ドル売りが活発化。東京時間に付けた151.82円を下抜けて一時151.66円と昨年12月11日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
・ポンドドルは下げ渋り。1月英建設業購買担当者景気指数(PMI)が予想を下回ったことで売りが先行。英中銀(BOE)が市場予想通り0.25%の利下げを決め、金融政策委員会(MPC)で投票権を持つ9人のうち2人が0.50%の利下げを主張したことが判明すると売りが加速し一時1.2361ドルまで値を下げた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり1.2450ドル付近まで下げ渋った。低調な米経済指標が相次いだことでポンド買い・ドル売りがじわりと強まった。
・ユーロドルはポンドドルの下落につれたユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0353ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は下げ渋った。低調な米経済指標が相次いだことでユーロ買い・ドル売りが小幅に入ると一時1.0387ドル付近まで下値を切り上げる場面があった。
・ユーロ円は軟調。日本時間夕刻に一時158.61円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値158.86円手前で失速。1時前には一時157.24円と昨年12月4日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。日銀の追加利上げ観測を背景に円買い・ユーロ売りが入りやすかった。
・ロンドン株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。BOEが2会合ぶりに利下げを実施したことが好感されて株買いが広がった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。前日の米国株相場や本日の日本株相場の上昇を受けて独株にも買いが集まった。個別ではBASF(7.24%高)やシーメンス・ヘルシニアーズ(5.27%高)、インフィニオン・テクノロジーズ(5.10%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
6日の日経平均は3日続伸。終値は235円高の39066円。米国株高を受けて上昇して始まり、開始早々に上げ幅を300円超に拡大。39100円台で上値が重くなってしばらく値を消す流れが続き、11時近辺では前日終値に接近した。ただ、マイナス入りは回避して盛り返すと、後場は改めての買いが入ってじり高基調が続いた。終値では節目の39000円を上回った。新興銘柄の動きが良く、グロース250指数は右肩上がりの基調が継続。2%を超える上昇となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5200億円。業種別では空運、その他製品、証券・商品先物などが上昇した一方、輸送用機器、銀行、卸売などが下落した。株主還元方針の変更とそれに伴う期末配当見通しの大幅引き上げを発表した東亜道路工業<1882.T>が、後場に一時ストップ高となるなど急騰。半面、3Q決算が市場の期待に届かなかった富士フイルムホールディングス<4901.T>が後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1192/値下がり394。フジHDが3Q決算を確認して大幅上昇。本決算を材料にルネサスが12.6%高と急騰した。決算発表にプラスアルファがあった銘柄が買われており、自己株取得を発表した日本電気硝子や創業100周年記念配の実施を発表した野村HDが大幅高。新興市場が活況となる中、アストロスケールなど宇宙関連が人気化した。前日に観測報道で急落して売買停止のまま終えた日産自動車は、きょうは一転強い買いが入り、7%を超える上昇となった。
一方、前日に観測報道で急伸したホンダはきょうは4%安。前日決算で買われたトヨタもきょうは2%安と大きく売られた。米国で長期金利が大きく低下したことが嫌気され、三菱UFJや三井住友など銀行株が下落。決算を受けてKDDI、伊藤忠、ダイキンが大幅安となった。3Q累計で最終減益となったJMDCが15.4%安と厳しい下げとなり、プライムの値下がり率トップとなった。
日経平均は3日続伸。序盤に大きく上げて失速するというのは4日や5日と似たパターンであったが、きょうは後場の動きが良くローソク足では陽線を形成した。値上がり銘柄も多く、終値(39066円)では心理的節目の39000円のほか、75日線(39004円、6日時点、以下同じ)や5日線(38957円)などテクニカルの節目も上回っている。センチメントの改善につながりそうな上昇であった。
米国ではあす1月雇用統計が発表される上に、ワシントンでトランプ大統領と石破首相の首脳会談が実施される予定。期待と不安が入り交じるイベントが2つあるだけに、あすの日本株はこれらを前に値動きが不安定となるかもしれない。特に為替動向には注意を要する。足元で米国の長期金利は低下傾向にあるが、日銀の早期追加利上げも意識されていることで、ドル円は円高(ドル安)に振れている。雇用統計が強ければ米国のインフレ長期化が警戒される。弱ければその警戒は後退するが、米長期金利が急低下した場合には円高に弾みがつく展開も想定される。トランプ大統領がドル高支持者ではないだけに、首脳会談を機にドル円に関して言及するようなことがあった際には、それも円高を呼び込む可能性がある。上述のイベントを前に円高が進んでしまうと、期待よりも不安の方が大きくなってしまう。日本株の流れが良くなりつつあるだけに、為替がその流れを止めないことを期待したい。
■各社予想 1月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +15.0万人
第一生命経済研究所 +16.2万人
ドイツ証券 +17.5万人
バークレイズ・キャピタル +17.5万人
BNPパリバ +17.0万人
HSBC +14.0万人
モルガン・スタンレー +14.0万人
市場コンセンサス +17.0万人
前回 +25.6万人
■各社予想 1月米失業率
JPモルガン 4.1%
第一生命経済研究所 4.1%
ドイツ証券 4.1%
バークレイズ・キャピタル 4.1%
BNPパリバ 4.1%
HSBC 4.2%
モルガン・スタンレー 4.1%
市場コンセンサス 4.1%
前回 4.1%
■各社予想 1月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.4%
バークレイズ・キャピタル +0.3%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.3%
モルガン・スタンレー +0.3%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.3%
■各社予想 1月米平均時給(前年比)
JPモルガン +3.7%
第一生命経済研究所 +3.8%
バークレイズ・キャピタル +3.7%
BNPパリバ +3.8%
HSBC +3.8%
モルガン・スタンレー +3.7%
市場コンセンサス +3.8%
前回 +3.9%
6日09:58 加藤財務相
「デフレ脱却と断ずるには至っていない」
「現状物価が上がっているという意味ではインフレ」
6日10:16 ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「影響の全体像がより明確になるまで、現在の引き締め的な政策水準を維持する方針」
「トランプ政権の政策巡る影響、総合的効果を検討する必要」
「100bp低下してもFEDレートは依然として引き締め的」
6日10:33 田村日銀審議委員
「物価安定の目標実現の確度が高まるにつれて、金融緩和の度合いを調整する方針」
「中立金利、最低でも1%程度とみている」
「2025年度後半には少なくとも1%程度まで短期金利引き上げておくことが、物価目標達成の上で必要」
「0.75%への利上げのタイミング、適切に判断していきたい」
「0.75%に利上げしても実質金利は大幅にマイナス、経済引き締める水準にはまだ距離」
「企業の価格転嫁や人手不足を背景とした賃金上昇が進み、物価の上振れリスクが高まっている」
「供給制約によるインフレリスクを抑えるため、適切なタイミングで利上げを実施し、物価安定を維持する」
「日本では長期にわたって低金利が続いたため、金利上昇への経済主体の反応を慎重に観察する」
「適時かつ段階的に短期金利を引き上げつつ、経済・物価の反応を丁寧に確認し、適切な短期金利の水準を探り必要」
6日14:13
「懇談会では金利よりも円安の方が大変といった声もあった」
「見通し通りであれば中立金利にもっていくことが先決」
「中立金利は1%と決め打ちしているわけではない」
「利上げのペースや一定水準を念頭に置く方が適時・段階的に調整が可能になる」
「物価上振れリスクはだんだん膨らんでいる」
「利上げペースで半年に1回などの予断は持っていない」
「利上げペースはデータ・情報次第」
「次の利上げ時期に予断を持っておらず特段考えていない」
「政策金利0.75%の壁は特に意識していない」
6日16:32 中国商務省
「中国は一方的ないじめ的措置に対して必ず必要な措置を講じ、断固として権利を守る」
「MPCは9対0で4.50%への引き下げを決定」
「1年後のCPIは+3.0%(前回は2.7%)」
「2年後のCPIは+2.3%(前回は2.2%)」
「3年後のCPIは+1.9%(前回は1.8%)」
「2025年GDP予測は+0.75%(前回は+1.50%)」
「2026年GDP予測は+1.50%(前回は+1.25%)」
「2027年GDP予測は+1.50%(前回は+1.25%)」
「インフレの持続性リスクを注視」
「2028年第1四半期までに政策金利は4%になる」
「ディングラ委員とマン委員が0.50%の大幅利下げを支持」
「最近の利下げ後も金融政策は明らかに制限的だが、制限の程度については見解が分かれる」
「段階的かつ慎重な利下げが必要」
「米国の関税を注視、保護主義の強化は世界経済にマイナスの影響」
6日21:56 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「スタグフレーションという言葉は使わない」
「ディスインフレの傾向が定着している」
7日01:17
「意見が割れたMPCの投票は意思表示のツールではない」
7日03:17 ベッセント米財務長官
「強いドル政策はトランプ政権下で堅持」
「強いドルは4つの意味を持つ。まずは信頼から始まる」
「パウエルFRB議長と建設的な会談を行った」
7日04:26 メキシコ中銀声明
「2026年第3四半期にインフレが3%目標に近づくと予想」
「利下げ幅を巡り4対1で意見が分かれた。1名が0.25%の利下げに投票」
「インフレ見通しにより大幅な利下げ」
「インフレ環境によりさらなる利下げが可能」
「米国の政策変更により不確実性が高まっている」
「0.50%のさらなる利下げの可能性」
7日04:30 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「雇用は完全雇用付近で落ち着いているようだ」
「インフレ進展が停滞しているように見えるのは、主にベース効果による」
「不確実性が増したことでFRBを取り巻く環境はより不透明になり、利下げペースを緩める理由となる」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 12月家計調査(消費支出、予想:前年比0.2%)
○08:50 ◇ 1月外貨準備高
○14:00 ◇ 12月景気動向指数速報値(予想:先行108.3/一致116.6)
<海外>
○07:00 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、ビデオあいさつ
○07:10 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合(予想:6.25%に引き下げ)
○16:00 ◎ 12月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.6%/前年同月比▲2.1%)
○16:00 ◇ 12月独貿易収支(予想:170億ユーロの黒字)
○16:45 ◇ 12月仏貿易収支
○16:45 ◇ 12月仏経常収支
○17:00 ◇ 1月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲30.5)
○17:45 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:00 ◎ 1月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.61%)
○21:15 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30 ☆ 1月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.50万人/失業率6.8%)
○22:30 ☆ 1月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化17.0万人/失業率4.1%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.8%)
○23:25 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○24:00 ◎ 2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:71.1)
○24:00 ◇ 12月米卸売売上高(予想:前月比0.5%)
○8日01:00 ◎ 12月ロシア失業率(予想:2.4%)
○8日02:00 ◎ クーグラーFRB理事、講演
○8日03:00 ◎ 1月ブラジル貿易収支(予想:30.15億ドルの黒字)
○8日05:00 ◇ 12月米消費者信用残高(予想:123.5億ドル)
○日米首脳会談(ワシントン)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.41円(前営業日比▲1.20円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.27円(▲1.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0383ドル(▲0.0020ドル)
ダウ工業株30種平均:44747.63ドル(▲125.65ドル)
ナスダック総合株価指数:19791.99(△99.66)
10年物米国債利回り:4.43%(△0.02%)
WTI原油先物3月限:1バレル=70.61ドル(▲0.42ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2876.7ドル(▲16.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
(前年比) ▲39.5% 11.4%
10-12月期米非農業部門労働生産性速報値
(前期比年率) 1.2% 2.3%・改
10-12月期米単位労働コスト・速報値
(前期比年率) 3.0% 0.5%・改
前週分の米新規失業保険申請件数
21.9万件 20.8万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日続落。10-12月期米非農業部門労働生産性速報値や10-12月期米単位労働コスト速報値、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが分かると全般ドル売りが先行。前日の12月毎月勤労統計の結果や本日の田村直樹日銀審議委員の発言を受けて、「日銀の追加利上げの時期が早まる」との観測が高まる中、円買いが入りやすい面もあり、4時30分過ぎには一時151.24円と昨年12月11日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
前日の赤沢経済再生相や本日の加藤財務相の発言を受けて、「日本政府要人からインフレを意識する発言が出たことで、日銀の利上げ継続は既定路線とみる市場参加者が増えたようだ」との指摘もあった。
・ユーロドルは3日ぶりに小反落。ポンドドルの下落につれたユーロ売り・ドル買いが先行すると、21時30分過ぎに一時1.0353ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は下げ渋った。低調な米経済指標が相次いだことでユーロ買い・ドル売りがじわりと強まると1.0396ドル付近まで下値を切り上げた。
・ユーロ円は続落。日銀の追加利上げ観測を背景に円買い・ユーロ売りが入ると、4時30分過ぎに一時157.04円と昨年12月4日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
・メキシコ中銀はこの日、市場予想通り政策金利を現行の10.00%から9.50%へ引き下げることを決めたと発表。声明では「インフレ環境によりさらなる利下げが可能」「0.50%のさらなる利下げの可能性」との見解が示された。今回の利下げは昨年3月に政策金利を過去最高の11.25%から引き下げ始めて以来、最大の利下げ幅。今後も同様の利下げを行う可能性が示唆されるとペソ売りで反応した。ドルペソは20.4164ペソから20.51ペソ台までペソ安に振れたほか、ペソ円は7.41円台から7.37円台まで下押しした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。明日7日の1月米雇用統計の発表を前にポジション調整目的の売りが出た。決算内容が嫌気されてハネウェル・インターナショナルが5%近く下げたことも相場の重しとなった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。明日7日の1月米雇用統計を前に様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。
・原油先物相場は小幅に3日続落。戻りを試す場面もあったが、米週間原油在庫の積み増し継続や、米中貿易摩擦による経済停滞がエネルギー需要の低迷につながるとの思惑が重しとなった。
・金先物相場は4日ぶりに反落。昨日4.40%付近と、昨年12月18日以来の低水準まで低下した米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.46%手前まで持ち直した。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味低下が意識され、金先物は2855ドルまで調整安が進む場面もあった。
6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一時151.24円と昨年12月11日以来の安値を更新。前週分の米新規失業保険申請件数などが予想より弱い内容となり、全般ドル売りが先行した。「日銀の追加利上げの時期が早まる」との観測が高まる中、円買いが入りやすい面もあった。ユーロドルはポンドドルの下落につれて1.0353ドルまで下落したものの、低調な米経済指標が相次いだことで1.0396ドル付近まで下値を切り上げた。
昨日のドル円は、200日移動平均線付近での上値の重さを確認すると下値を模索する動きとなった。本日の東京市場では、同線を明確に下抜けたことで下値が意識されやすい地合いの中、1月米雇用統計や日米首脳会談を前に株価や長期金利をながめながらの取引か。
足元のドル円は、円買いとドル売りの両輪により下げている状態である。円買いのきっかけは、4日に植田日銀総裁が「デフレではなくインフレの状態にある」と発言したことである。昨日は田村日銀審議委員からタカ派的な発言が伝わっており、日銀の早期利上げ期待が高まるとの見方と共に円買いが優勢となった。
本日は12月全世帯家計調査・消費支出の発表が予定されている。市場予想は前年比+0.2%と5カ月ぶりにプラスに転じると見られている。11月は同-0.4%であった。日銀の早期利上げ期待に影響を与えるかと共に、発表後の本邦の長期金利や株式市場の反応にも注目したい。
また、今晩の1月米雇用統計を前に、今週は弱い米指標が散見されることでドルが売られていることも見逃せない。昨日は弱い米指標が相次いだことを受けてドル売りが強まると、ドル円は151円台前半まで下値を広げた。こちらは米国要因のためこの流れを変えるのは容易ではなく、東京市場でもドル円の重しとなることが予想される。引き続き、米長期金利の動向にも目を配っておきたい。
そのほか、石破首相が就任後初となる、トランプ米大統領との日米首脳会談が予定されている。現時点では石破首相からは経済や安全保障問題などを話す意向が伝わっているものの、「アメリカ・ファースト」を掲げ、ディール外交を好むトランプ大統領が、日本に対し何かしら注文を付けてくることは想像に難くない。会談に関する観測記事などが出れば過敏に反応することも想定される。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38970 -120 (-0.30%)
TOPIX先物 2750.5 -6.0 (-0.21%)
シカゴ日経平均先物 38970 -120
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場はNYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。NYダウは買い先行で始まり、昨年12月につけた最高値に迫る場面もみられたが、その後は一転して利益確定の売りが優勢となった。7日には米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースを見極める上で重要な1月の米雇用統計の発表を控えていることも、様子見姿勢に向かわせた。また、決算発表が本格化するなか、ハネウェル・インターナショナル<HON>が決算を受けて5%超の下落となり、NYダウの重荷となった。
NYダウ構成銘柄ではハネウェルのほか、セールスフォース<CRM>、アムジェン<AMGN>、IBM<IBM>、ナイキ<NKE>が売られた。半面、エヌビディア<NVDA>が3日続伸となったほか、キャタピラー<CAT>、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、ボーイング<BA>が上昇。
なお、取引終了後に2024年10~12月期決算を発表したアマゾン・ドット・コム<AMZN>は、予想を上回ったものの、1~3月期の売上高見通しが予想に届かず、時間外取引では下落して推移している。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比120円安の3万8970円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円安の3万9070円始まり、一時3万9160円まで買われた。買い一巡後は軟化し、3万9000円~3万9100円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを下抜け、一時3万8830円まで売られる場面もみられた。引け間際に下げ幅を縮め、3万8970円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時3万9160円まで買われ、25日移動平均線(3万9230円)に接近する場面もみられたが、抵抗線として意識される形だった。その後の調整で75日線(3万9020円)をキープできなかったことから、持ち高調整に伴うロング解消に向かわせたようである。
ただし、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8720円)に接近する局面では底堅さも意識されており、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格である3万8750円から3万9250円でのレンジを想定する。
昨夕決算を発表した東京エレクトロン<8035.T>[東証P]は、サプライズはないがADR(米預託証券)で小幅に上昇したことは安心感につながる。また、米国ではエヌビディアが3日続伸でリバウンド基調をみせてきており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。
そのほか、石破茂首相は8日未明にワシントンでトランプ米大統領と首脳会談に臨む。信頼関係の構築を最優先課題に据えていると伝えられるなか、良好な関係をアピールすることができればマーケットにはプラスに作用するだろう。
そのため、ショートポジションを圧縮する動きが入りやすいと考えられ、下値の堅さが意識されそうだ。日経225先物は-1σに接近する局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。3万9000円辺りでの底堅さがみられるようだと、25日線突破を想定したロングが強まる展開もありそうだ。
6日の米VIX指数は15.50(5日は15.77)に低下した。一時16.15まで上昇する場面もみられたが、200日線(16.22)が抵抗線として機能する形だった。トランプ政権による関税政策などの不透明要因はあるものの、週初の急伸からの調整が進んでいることで、リスク選好に向かわせそうである。
昨日NT倍率は先物中心限月で14.18倍に上昇した。一時14.11倍まで下げる場面もみられたが、後場に入りNTショートを巻き戻す動きとなったようである。200日線(14.22倍)が抵抗線として機能しているため、同線を突破してくるようだとリバランスの動きが強まる可能性はある。まずは明確に上抜けてくるかを見極めたいところである。
昨日までの2日間のドル円の下落は、チャート的には、一目雲下限と200日MAといった重要なポイントを下抜けてきているわけですが、そのきっかけは5日の12月毎月勤労統計での極めて強い数字と6日の田村日銀審議委員の追加利上げ発言。更には、5日の赤沢経済再生担当相と6日の加藤財務相によるインフレ発言。週末のアジア市場でも、米系短期筋を中心として売り仕掛けが観測されると一時150.96円まで売り込まれることになりました。
市場では日銀とのコミュニケーション障害が足かせとなっているなか、あくまでも目先の材料でその場しのぎを余儀なくされているわけで、米系を中心とした日銀の早期追加利上げ観測の急浮上といったセンチメント先行の相場展開といったところ。ただ、日銀内では最もタカ派の審議委員の私見を日銀のメインシナリオとして突っ走っているあたり、今後のリスクの方向性としては明らかです。
いずれにしても、本日は明らかな米系短期筋による売り仕掛けからの151円割れでしたが、見えていたものと言えば、本邦実需勢のまとまった買い。フォローする動きがないのを確認すると一斉にショートカバーを余儀なくされているわけですが、今夜の米雇用統計や日米首脳会談といったイベントを前にして、改めて、これまでの植田日銀と市場との齟齬の遍歴を噛み締めているところです。
衆議院の議員運営委員会理事会は7日、小枝淳子氏の日銀審議委員起用案について14日に衆議院で採決を行う意向を示した。政府が先週に国会同意人事案を提示しており、小枝氏は3月25日に任期を終える安達誠司審議委員の後任となる。
日経225先物は11時30分時点、前日比190円安の3万8900円(-0.48%)前後で推移。寄り付きは3万8980円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8970円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万8760円まで下げ幅を広げたが、売り一巡後は中盤にかけて切り返し、一時3万9010円と節目の3万9000円を回復。ただし、75日移動平均線(3万9020円)を超えられず、終盤にかけては3万8900円近辺での推移となった。
日経225先物は寄り付き直後に3万8760円まで下げたが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8710円)に接近する局面では底堅さがみられた。もっとも、リバウンド局面では75日線が抵抗線として意識されているため、-1σと75日線での狭いレンジでの推移である。積極的なロングは入りづらいだろうが、底堅さがみられるなか、ショートカバーを誘う流れから75日線突破を試す展開も想定しておきたいところである。
NT倍率は先物中心限月で14.18倍と、前日比横ばいで推移している。一時14.20倍をつける場面もみられたが、200日線(14.22倍)が抵抗線として意識されており、スプレッド狙いの動きは限られている状況である。
本日のロンドン為替市場では、昨日に英中銀(BOE)が公表した金融政策をもう暫く消化しながら、欧州午後(ニューヨーク序盤)の1月米雇用統計を待つことになりそうだ。
英中銀は昨日、政策金利を市場予想通りに0.25%引き下げて4.50%とした。ただし、金融政策委員会(MPC)メンバー9人の投票行動は、決定された下げ幅に賛成が7人、残り2人は0.50%の利下げを主張していた。これを受けてポンドは売りの勢いを強めた。
大幅引き下げに手を挙げた一人はハト派として知られるディングラMPC委員であり、「さもありなん」と言ったところ。ただ、もう一人のマンMPC委員は昨年11月の利下げ決定時に唯一「据え置き」を訴えた委員だ。昨夏に英中銀が金利を引き下げたときも反対している。こちらは市場にとっては結構なサプライズと言えるだろう。
ただし金融政策の公表後にベイリーBOE総裁は、「意見が割れたMPCの投票は意思表示のツールではない」と述べ、追加利下げを早々と織り込もうとする市場をけん制。同総裁は市場参加者に対し、「議事要旨を注意深く読むように促したい」とも述べ、MPC内で様々な意見が出たことを指摘している。
政策金利と同時に明らかにされた金融政策報告書では、1年後のインフレは3.0%まで上昇と前回から0.3%引き上げている。そういったことも踏まえて、今後3年間で2回の追加利下げしか当局は想定していないようだ。
今回の英中銀MPCは結局タカ派的だったという見方もあり、今後の金融当局者の発言次第ではポンドショートの巻き戻しが進むかもしれない。そういった意味でも、本日の欧州昼過ぎに予定されている英中銀チーフエコノミストでもあるピルMPC委員の講演に注目したい。
想定レンジ上限
・ポンドドル、5日高値1.2550ドル
・ユーロドル、1月30日高値1.0467ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.2338ドル
・ユーロドル、4日安値1.0272ドル
ドル円:1ドル=151.72円(前営業日NY終値比△0.31円)
ユーロ円:1ユーロ=157.41円(△0.14円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0375ドル(▲0.0008ドル)
日経平均株価:38787.02円(前営業日比▲279.51円)
東証株価指数(TOPIX):2737.23(▲14.97)
債券先物3月物:140.05円(▲0.46円)
新発10年物国債利回り:1.300%(△0.040%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月家計調査(消費支出)
前年同月比 2.7% ▲0.4%
1月外貨準備高
1兆2406億ドル 1兆2307億ドル
12月景気動向指数速報値
先行指数 108.9 107.8・改
一致指数 116.8 115.4
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。朝方から売りが先行すると、日経平均株価が下落したことも売りを促し、昨日安値の151.24円を下抜けて150.96円まで値を下げ昨年12月10日以来の安値を付けた。ただ、151円割れでは押し目買いが観測され、一巡後は本日高値となる151.79円まで切り返した。
・ユーロ円も下値が堅い。総じてドル円と同様の展開となり朝方に156.76円まで下落した後はショートカバーが優勢となり157.59円まで反発している。
・ユーロドルは小幅安。総じて1.03ドル台後半でのもみ合いとなった。時間外の米10年債利回りが小幅ながら上昇したことで1.0373ドルまでやや売りに押されている。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反落。外国為替市場での円高・ドル安を受けて輸出関連銘柄に売りが広がった。決算発表を受けて値嵩株の東京エレクトロンが下落したことも指数の重しとなった。
・債券先物相場は反落。日銀の早期利上げ期待を背景に売りが優勢となった。一時140.05円まで下げ幅を拡大し、安値圏で取引を終えた。
一部報道が伝えたところによると、トランプ米大統領と石破首相の会談は日本時間8日1時35分から実施されるという。また、会談後の日本時間8日3時10分には記者会見が実施されると伝わっている。
大阪3月限
日経225先物 38840 -250 (-0.63%)
TOPIX先物 2741.5 -15.0 (-0.54%)
日経225先物(3月限)は前日比250円安の3万8840円で取引を終了。寄り付きは3万8980円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8970円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万8760円まで下げ幅を広げたが、売り一巡後は前場中盤にかけて切り返し、一時3万9010円と節目の3万9000円を回復。ただし、75日移動平均線(3万9020円)を超えられず、前場終盤にかけては3万8900円近辺での推移となった。後場に入っても3万8800円~3万8890円辺りでの推移が続いた。
日経225先物は寄り付き直後に3万8760円まで下げたが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8710円)に接近する局面では底堅さがみられた。もっとも、リバウンド局面では75日線が抵抗線として意識されているため、-1σと75日線による狭いレンジでの推移である。日米首脳会談の行方や1月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、狭いレンジの方向感がつかみづらい展開だった。
為替市場では、日銀が早期に追加利上げに踏み切るとの観測が強まったことで、円相場は1ドル=151円台と円高に振れて推移した。日米金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りが優勢となるなか、輸出関連株などの重荷となったようだ。
また、前日の大引け後に決算を発表した東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は売り先行で始まり、売り一巡後も日中の安値圏での推移が続いた。アドバンテスト <6857.T> [東証P]が買い一巡後は軟化したこともあって、先物市場でのリバウンド機運は高まらなかった。日経225先物は前場中盤にかけての価格レンジ内での推移が続いており、仕掛け的な売買も限られ、様子見姿勢が強かった。
一目均衡表では薄い雲であるが、雲下限での攻防をみせている。遅行スパンは実線を下回って推移しているため、テクニカル面では慎重スタンスに傾きそうだ。-1σと75日線とのレンジを継続しているが、75日線を突破したとしても、25日線が下向きで推移していることから、上値余地が限られてくる。来週が決算発表のピークを迎えることで機関投資家は積極的には動けず、短期的な売買に振られやすくなりそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。一時14.21倍をつける場面もみられたが、200日線(14.22倍)が抵抗線として意識されており、スプレッド狙いの動きは限られた。方向性としては昨年9月以来の14.00倍割れを想定したNTショートに向かいやすいだろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3212枚、ソシエテジェネラル証券が1万0371枚、サスケハナ・ホンコンが3135枚、SBI証券が2376枚、JPモルガン証券が1608枚、バークレイズ証券が1440枚、モルガンMUFG証券が1132枚、楽天証券が775枚、シティグループ証券が750枚、日産証券が670枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券1万9063枚、ソシエテジェネラル証券が1万4112枚、バークレイズ証券が6325枚、JPモルガン証券が4642枚、ゴールドマン証券が2919枚、モルガンMUFG証券が2901枚、ビーオブエー証券が2056枚、シティグループ証券が1876枚、野村証券が1419枚、SBI証券が1005枚だった。
大和証券では、足元で進む円高についてリポートしている。2月7日にドル円レートは一時1ドル=151円付近まで円高ドル安となったが、1月8日の158.4円から約1カ月で約7円も円高が進行したとのこと。大和では、この間の円高進行は日米5年物金利差縮小の影響が大きいと考えている。一方で、日本の家計の海外資産投資増による円安圧力を踏まえると、25年も24年と同様に日銀が利上げ、FRBが利下げを進める中でも円安が進行する可能性があることには留意したいとコメントしている。
大和証券では来週のスケジュールの中で、11日~12日の米上下両院の公聴会においてパウエルFRB議長が金融政策に関する半期に一度の証言を行うことに注目している。近年、7月以降に物価が加速することがあるのは、夏が引っ越しシーズンで事実上の家賃の改定期になるからと大和では指摘。今夏は家賃の引き上げが懸念されることから、7月頃の議会証言や8月下旬のジャクソンホール会議では、利下げ打ち止めが宣言される可能性があるとみている。足元のトランプ政策を受けてパウエル議長の判断が早まるケースもあり得るだけに、今回の証言には注目と大和ではコメントしている。
今週のドル円は昨日まで4日続落し、本日も一時151円割れと昨年12月10日以来の安値をつけている。週明けの3日の高値155.89円から5円近く下落しており、週末も続落して取引を終えるかどうかは1月米雇用統計の結果次第になりそうだ。
今週はトランプ米政権がメキシコ・カナダへの関税を延期し、関税への過度な警戒感が緩み、ドル高が一服。今週のトランプ米大統領はわりと大人しく、同氏の発言を材料視する動きは見られなかったが、米経済指標のさえない結果が目立ち、ドルの上値を重くした。
一方で、本邦の賃金上昇や、政府関係者が植田日銀総裁の「足元はインフレ状態」との認識に同調する発言をしたことを受けて日本政府が物価上昇を踏まえた日銀の利上げを容認するとの思惑が広がり、日銀の追加利上げ観測が急速に高まった。今週の米10年債利回りは週を通して低下気味だが、本邦新発10年物国債は一時1.3%と約13年10カ月ぶりの高水準となった。足もとでは日米金利差縮小を意識したドル売り・円買い圧力が強い。
4日の12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や昨日の新規失業保険申請件数などは、米労働市場を巡る先行き不透明感を示す内容となり、本日の米1月雇用統計が注目される。非農業部門雇用者数の予想は17.0万人増と前月の25.6万人増からの減少が見込まれ、同失業率は前月と同水準の4.1%、平均時給は前月比で前月と変わらずの+0.3%、前年比では前月の+3.9%から+3.8%に伸びがやや鈍化すると予想されている。トランプ米政権の政策をめぐる不確実性で米国連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通しにも不透明感が増している。市場では3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利の据え置き予想が8割超、利下げ予想が1割超となっているが、米雇用統計の結果が政策金利見通しに変化を与え、ドルが値幅を伴った動きになる可能性がある。
・想定レンジ上限
ドル円、昨日の高値152.89円が上値めど。超えると153円前半に位置する日足一目均衡表・雲の下限153.37円や同転換線153.47円が意識されそうだ。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値150.96円や心理的節目の150.00円が下値めど。
今晩は米1月雇用統計に注目。昨日はハネウェルやセールスフォースの大幅安が重しとなりダウ平均が125.65ドル安(-0.28%)と3日ぶりに反落した一方、S&P500が0.36%高、ナスダック総合も0.51%高とともに3日続伸した。週初来ではダウ平均が0.46%高と4週続伸ペースとなり、S&P500が0.71%高、ナスダック総合が0.84%高とともに反発ペースとなった。引け後の動きでは決算が予想を上回ったものの、弱い1-3月期売上高見通しを発表したアマゾンが時間外で4%超下落した。
今晩の取引ではアマゾンの下落が見込まれることでハイテク株を中心に上値の重い展開が予想されるが、先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される米1月雇用統計が焦点となりそうだ。1月雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が16.9万人増と12月分の25.6万人増から減少が見込まれ、失業率は12月から横ばいの4.1%が見込まれている。雇用統計が弱い結果となれば利下げ期待の高まりや米10年債利回りの低下が米株の支援となることが期待される一方、予想に反して強い結果となれば利下げ期待の後退が相場の重しとなりそうだ。雇用統計のほか、2月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値も発表予定で、期待インフレ率などにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは1月雇用統計、2月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値のほか、12月卸売在庫、12月消費者信用残高など。このほか、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事やクーグラーFRB理事の講演も予定されている。決算発表は寄り前にフォーティブ、キムコ・リアルティー、CBOEグローバル・マケッツが発表予定。
欧州中央銀行(ECB)は7日、発表した調査によるとユーロ圏の名目自然利子率は1.75-2.25%の範囲にある可能性があるという。ユーロ圏の場合、このような分析はインフレ見通し、根底にあるインフレ、および政策伝達に基づいていると述べている。なお、この範囲については「単なる目安と見なすべき」とも伝えている。
日経平均株価は反落。1/27高値(40255円)と1/31高値(39681円)をつないで延長した上値抵抗線に上値を抑えられる動きとなった。一目均衡表で下げに転じた転換線(39041円 2/7)や75日移動平均線(39002円 同)なども上値で意識されやすい水準だったとみられる。
RSI(9日)は前日の35.9%→36.9%(2/7)へ上昇。来週初も上昇しやすいタイミングが続く。短期的な見方は前日から大きな変化はない。1/28安値(38886円)を下回ったことで、1/24高値(40279円)からの二段下げ目にある。1月安値を保った状態で、1/31高値(39681円)を超えられるかが焦点となる。
一方、5日移動平均線(38800円 同)が上向きに変化する可能性が高いほか、転換線も横ばいに変化することで、強い反発につながるかが注目される。
上値メドは、75日移動平均線、25日移動平均線(39222円 同)、1/31安値(39458円)、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(38623円 同)、心理的節目の38500円、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)などがある。
(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.66円(7日15時時点比▲0.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.54円(▲0.87円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0321ドル(▲0.0054ドル)
FTSE100種総合株価指数:8700.53(前営業日比▲26.75)
ドイツ株式指数(DAX):21787.00(▲115.42)
10年物英国債利回り:4.476%(▲0.009%)
10年物独国債利回り:2.372%(▲0.007%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月独鉱工業生産
(前月比) ▲2.4% 1.3%・改
(前年比) ▲3.1% ▲2.8%
12月独貿易収支
207億ユーロの黒字 192億ユーロの黒字・改
12月仏貿易収支
39.05億ユーロの赤字 63.40億ユーロの赤字・改
12月仏経常収支
24億ユーロの黒字 12億ユーロの赤字・改
1月スイスSECO消費者信頼感指数
▲29.3 ▲30.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。米労働省が発表した1月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比14.3万人増と予想の17.0万人増を下回ったことが分かるとユーロ買い・ドル売りが先行。一時1.0409ドルと日通し高値を付けた。
ただ、同時に発表された失業率が4.0%と予想の4.1%より強い結果となり、平均時給が前月比0.5%上昇/前年比4.1%上昇と予想の前月比0.3%上昇/前年比3.8%上昇を上回ったことから、そのあとは徐々に上値が重くなった。
「トランプ米大統領は早ければ本日7日、相互関税(貿易相手国が米製品に課している関税と同率の関税を課す)計画を発表する」との一部報道が伝わると、米インフレ再燃への警戒感とともにドル買いが活発化。トランプ米大統領が「来週、相互関税を発表する」と発言すると、一時1.0306ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円は下げ渋り。1月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回ると一時151.35円付近まで売られたものの、失業率や平均時給が予想より強い内容だったこともありすぐに持ち直した。22時30分過ぎには一時152.42円と日通し高値を付けた。
ただ、200日移動平均線が位置する152.78円がレジスタンスとして意識されると再び上値が重くなった。欧米株価や日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買いが入ると一時150.93円と昨年12月10日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
もっとも、トランプ米大統領が「来週、相互関税を発表する」と発言すると、米インフレ再燃への警戒感とともにドル買いが入り151.85円付近まで下げ渋った。
・ユーロ円は軟調。日米株価指数の下落を背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが優勢になると、2時前に一時155.87円と昨年9月16日以来約5カ月ぶりの安値を付けた。なお、米株式市場でダウ平均は一時370ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比490円安の3万8350円まで下げた。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。トランプ米政権の関税政策への懸念が相場の重しとなった。週末を控えたポジション調整目的の売りも出た。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続き、前日には史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。トランプ米政権の関税政策への懸念も相場の重し。個別ではポルシェ(7.15%安)やRWE(2.35%安)、アディダス(2.27%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
メキシコ中銀、利下げペースを加速させるも不確定要因は山積
中銀は次回に同程度の利下げを見込むも米トランプ政権の出方次第、ペソ相場の行方も見通せず
メキシコ中銀は6日の定例会合で5会合連続の利下げに動くとともに、利下げ幅を50bpに拡大させるなど緩和ペースの加速を決定した。メキシコ経済を巡っては、米トランプ政権の追加関税の脅威に晒される一方、足下の景気は高金利政策の長期化も影響してブレーキが掛かる動きがみられる。トランプ関税の発動が一旦延期されたことを受けて、昨年来調整の動きを強めたペソ相場は落ち着きを取り戻している。なお、トランプ関税の脅威が払拭されてはおらず、先行きも経済やペソ相場に影響を与える懸念はくすぶる。こうした状況ながら、中銀は高金利が実体経済の足かせとなるなかで利下げペースの加速に舵を切ったほか、先行きも同程度の利下げに含みを持たせる考えをみせた。ただし、足下のインフレは頭打ちが続く一方、コアインフレは底打ちするなど変化の兆しが出ている。金融政策も米トランプ政権の一挙一動に左右されるほか、ペソ相場についても不確定要因が山積するなど見通しが立ちにくい展開が続くことは避けられない。
(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.41円(前営業日比横ばい)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.38円(▲0.89円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0328ドル(▲0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:44303.40ドル(▲444.23ドル)
ナスダック総合株価指数:19523.40(▲268.59)
10年物米国債利回り:4.49%(△0.06%)
WTI原油先物3月限:1バレル=71.00ドル(△0.39ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2887.6ドル(△10.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月米雇用統計
失業率 4.0% 4.1%
非農業部門雇用者数変化
14.3万人 30.7万人・改
平均時給
(前月比) 0.5% 0.3%
(前年比) 4.1% 4.1%・改
2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
67.8 71.1
12月米卸売売上高
(前月比) 1.0% 0.9%・改
12月米消費者信用残高
408.5億ドル ▲53.7億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。米労働省が発表した1月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比14.3万人増と予想の17.0万人増を下回ったことが分かるとユーロ買い・ドル売りが先行。一時1.0409ドルと日通し高値を付けた。
ただ、同時に発表された失業率が4.0%と予想の4.1%より強い結果となり、平均時給が前月比0.5%上昇/前年比4.1%上昇と予想の前月比0.3%上昇/前年比3.8%上昇を上回ったことから、そのあとは徐々に上値が重くなった。
「トランプ米大統領は早ければ本日7日、米国への輸入品に輸出国と同じ関税率を課す『相互関税』の導入計画を発表する」との一部報道が伝わると、米インフレ再燃への警戒感とともにドル買いが活発化。トランプ米大統領が石破茂首相との会談冒頭で「相互関税の導入計画を来週公表する予定だ」と発言すると、一時1.0306ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円は横ばい。1月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回ると一時151.35円付近まで売られたものの、失業率や平均時給が予想より強い内容だったことからすぐに持ち直した。22時30分過ぎには一時152.42円と日通し高値を付けた。
ただ、200日移動平均線が位置する152.78円がレジスタンスとして意識されると失速。米国株相場や日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買いが入ると一時150.93円と昨年12月10日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
もっとも、米相互関税を巡る報道や発言で米インフレ再燃への警戒からドル買いが入ると、151.85円付近まで値を戻す場面があった。
・ユーロ円は3日続落。日米株価指数の下落を背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが優勢になると、2時前に一時155.87円と昨年9月16日以来約5カ月ぶりの安値を付けた。
なお、米株式市場でダウ平均は一時460ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比490円安の3万8350円まで下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。1月米雇用統計で平均時給が予想を上回ったほか、米ミシガン大学が公表した2月米消費者調査で期待インフレ率が予想を上回ると、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げに慎重になるとの観測が強まり、株売りが広がった。トランプ米大統領が「相互関税の導入計画を来週公表する予定だ」と発言すると、関税によるインフレ圧力への懸念が改めて浮上。相場を押し下げた面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。1月米雇用統計で平均時給が予想を上回ったほか、米ミシガン大学が公表した2月米消費者調査で期待インフレ率が予想を上回ると、FRBによる早期追加利下げ観測が後退し、債券売りを誘った。米相互関税を巡る報道や発言で米インフレ再燃への警戒も高まった。
・原油先物相場は4日ぶりに小反発。中国への石油輸出を支援しているとしてイランのエネルギー関連企業に制裁が課されることになり、同国からの石油輸出が停滞するとの見方が下支えになった。ただ、方向感は明確ではなかった。
・金先物相場は反発。トランプ政権による相互関税に前向きな姿勢が世界貿易の停滞を招くとして、リスク回避資産とされる金を買う動きを後押しした。米株安もリスク回避資産の金購入を促す要因となった。
一部通信社が報じたところによると、「トランプ米大統領は早ければ金曜日にも相互関税を発動する計画」のようだ。
非農業部門雇用者数増減
2025/01 +14.3万人
2024/12 +30.7万人 (前月発表値 +25.6万人)
失業率
2025/01 4.0%
2024/12 4.1% (前月発表値 4.1%)
時間給(前月比)
2025/01 +0.5%
2024/12 +0.3% (前月発表値 +0.3%)
時間給(前年比)
2025/01 +4.1%
2024/12 +4.1% (前月発表値 +3.9%)
労働参加率
2025/01 62.6%
2024/12 62.5% (前月発表値 62.5%)
7日07:15 ローガン米ダラス連銀総裁
「2%のインフレは必ずしも金利引き下げを意味するわけではない」
「労働市場が悪化するならば利下げの公算が高まるだろう」
7日09:44 赤沢経済再生相
「経済学的にインフレの状態で日銀と齟齬はない」
「足もとCPIの上昇でインフレの状態だが、デフレに戻る見込みないとは言えず、デフレ脱却には至っていない」
「金融政策の具体的な手段は日銀に委ねられている」
7日10:35 国際通貨基金(IMF)
「日銀は今年追加利上げ実施の見通し、金利は2027年末までに中立水準に」
「日本の中立金利は1-2%」
「日銀の追加利上げ、内需上向かせるため段階的・柔軟であるべき」
「今年の日本の成長率は1.1%と予想、賃金の伸び継続が内需を下支え」
「日本経済の成長リスクは下向き」
7日16:35 カラハン・トルコ中銀総裁
「指標はディスインフレプロセスと一致」
「引き締め的な政策スタンスを継続」
「第4四半期のデータは活動の緩やかな回復を示している」
7日18:04 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミスト
「中立金利にあまり焦点を当てないほうが良い」
「2%のインフレ目標はかなり近い将来に達成される見込み」
「1月のサービス価格インフレは予想よりも軟調だった」
7日18:10 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「サービス価格のインフレが依然として最大の物価懸念」
「インフレ率は春から2%に向けて収束し始める見込み」
「金融政策には慎重なアプローチが必要」
「市場が見込む3回の利下げは理にかなっている」
「米国の追加関税も、直ちに50ベーシスポイントの利下げにはつながらない」
7日21:54 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「価格圧力を抑えるために、ある程度の制限的政策を維持する必要がある」
「金融緩和は段階的に行い、慎重になる必要がある」
「英国ではデフレーションプロセスが進行中、しかし、仕事が終わったとは言い切れない」
7日23:16 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「市場は中立金利が上昇しているというシグナルを受け止めている可能性」
「雇用統計で最も重要な数字は失業率の4.0%」
「経済は好調であり、インフレを目標まで戻す間、その状態を維持したい」
8日00:56 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「金利は据え置きとなる可能性」
「インフレが低下すれば、それに応じて政策金利を引き下げることが可能」
8日02:13 石破茂首相
「トヨタは米国への投資拡大を検討中」
8日02:17 トランプ米大統領
「対日貿易赤字を解消したい」
「USスチールに関して考えを変えてない」
「来週、相互関税を発表する」
「日本への関税は選択肢」
「相互関税については10日か11日に協議」
※時間は日本時間
10日
○08:50 ◎ 12月国際収支速報
○14:00 ◇ 1月景気ウオッチャー調査
11日
○建国記念の日の祝日で休場
12日
○08:50 ◇ 1月マネーストックM2
13日
○08:50 ◇ 1月企業物価指数
14日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
10日
○16:00 ◎ 1月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
○16:00 ◇ 12月トルコ失業率
○16:00 ◇ 12月トルコ鉱工業生産
11日
○08:30 ◇ 2月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○09:01 ◇ 1月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◇ 1月豪NAB企業景況感指数
○16:00 ◎ 10-12月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○17:45 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00 ◎ 1月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○21:00 ◇ 12月メキシコ鉱工業生産
○21:15 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○22:30 ◇ 12月カナダ住宅建設許可件数
○22:50 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○24:00 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、米上院銀行委員会で金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言
○12日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○12日05:30 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
12日
○19:30 ◎ 12月インド鉱工業生産
○19:30 ◎ 1月インドCPI
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ☆ 1月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○24:00 ◎ グリーン英中銀MPC委員、講演
○24:00 ☆ パウエルFRB議長、米下院金融サービス委員会で金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言
○13日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○13日02:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○13日02:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○13日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○13日04:00 ◎ 1月米月次財政収支
○09:01 ◇ 1月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○16:00 ◎ 1月独CPI改定値
○16:00 ☆ 12月英国内総生産(GDP)
○16:00 ☆ 10-12月期英GDP速報値
○16:00 ◎ 12月英鉱工業生産/製造業生産高
○16:00 ◇ 12月英商品貿易収支/英貿易収支
○16:30 ◎ 1月スイスCPI
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏鉱工業生産
○21:00 ◎ 12月ブラジル小売売上高
○22:30 ◎ 1月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○14日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
14日
○16:30 ◇ 1月スイス生産者輸入価格
○19:00 ☆ 10-12月期ユーロ圏GDP改定値
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表
○22:30 ◇ 12月カナダ製造業出荷
○22:30 ◇ 12月カナダ卸売売上高
○22:30 ☆ 1月米小売売上高
○22:30 ◇ 1月米輸入物価指数
○23:15 ◎ 1月米鉱工業生産指数
◇ 設備稼働率
○24:00 ◇ 12月米企業在庫
○15日01:00 ◎ 1月ロシアCPI
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、経済指標乏しく利下げ予想は変わらず
◆豪ドル、米中間の関税引き上げ合戦には警戒
◆ZAR、トランプ米政権の政治圧力が重しに
予想レンジ
豪ドル円 93.00-97.50円
南ア・ランド円 7.80-8.40円
2月10日週の展望
豪ドルは上値の重い動きになりそうだ。17-18日に豪準備銀行(RBA)理事会が行われるが、10-12月期消費者物価指数(CPI)が大幅に低下したことにより、すでに25ベーシスポイントの利下げは織り込まれている。来週は国内からの経済指標は、11日に2月ウエストパック消費者信頼感、1月NAB企業信頼感・景況感が発表され、13日にはメルボルン・インスティテュートが2月の期待インフレを発表する程度に留まる。どの指標もCPIほどのインパクトを与える可能性は低く、利下げ圧力を翻すのは難しいだろう。
国内の経済指標が乏しいことで、来週は豪州国内よりも引き続き米中間の関税引き上げ合戦を含めた国外要因が豪ドルを動意づけることになりそうだ。豪株指数のS&P/ASX200は今年に入り史上最高値を更新していたが、米中間の関税引き上げにより上値が重くなってきている。米国の対中関税引き上げが中国国内の景気を悪化させた場合、豪州の主要輸出商品である鉄鉱石や石炭、天然ガスなどの資源・エネルギーや、農産物の需要は縮小すると見られ、豪ドルの重しとなるだろう。中国への10%の追加関税はトランプ米大統領の当初公約(60%)と比較すると軽微となっているが、市場では追加関税や他の制裁が行われるかに注目が集まる。
なお、隣国ニュージーランドからは13日にNZ政府が6カ月毎のファイナンシャル・ステートメントを発表し、同日にはNZ準備銀行(RBNZ)が第1四半期の2年先インフレ予想を公表する。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が重くなるだろう。今週に入りトランプ米政権による南アに対する圧力が急激に増している。アパルトヘイト時に白人入植者が南アの土地を搾取していたが、それらの土地の再分配を行う法案について、トランプ米政権が「あからさまに人種差別的な所有権法」と非難した。また、南アの白人農民に対して「大量虐殺が行われている」という根拠に乏しい説も広め、今月末ヨハネスブルグで行われるG20に米国務長官は不参加としている。
更に、南アが台湾大使館を移転する決定を下したことについても、「南アは米国との関係を悪化させるためにあらゆる努力をしている」と米上院で非難されるなど、米国の圧力が強い。この問題を複雑化させているのは、国民統一政府(GNU)には白人支持層が多い第2党民主同盟(DA)が加わっていることだろう。DAがトランプ米政権の方針を支持することで、南アの政局がより混迷を深める可能性がある。これらの国内外の政治的な混迷は、当面ZARの上値の重しになりそうだ。
2月3日週の回顧
豪ドルは対ドルではトランプ関税を受けて週初に大きく売り込まれたものの、その後は買い戻された。対円では、本邦の早期利上げ観測が高まったことが抑えになった。ZARは対円では軟調な動き。トランプ米大統領が「南アへの今後の資金拠出を全て打ち切る方針」を発表したことがきっかけで週初はZAR売りが進んだ。対ドルでは米金利低下で買い戻されたが、対円では上値が重かった。
◆トランプ関税に振り回される相場続くも、徐々に免疫力つく可能性
◆ポンド、利下げペース加速の思惑で上値の重い動き
◆加ドル、関税見送りで売り小休止も交渉待ちで上値重い
予想レンジ
ポンド円 186.00-192.00円
加ドル円 104.00-108.00円
2月10日週の展望
相場全体でトランプ関税をめぐる神経質な動きが継続。トランプ米大統領は関税を交渉の駆け引きとして利用しているだけに、今後も関税方針は二転三転することが見込まれ不透明感が強い。関税の話題は今後数週間、数カ月間続く可能性はあるが、市場も徐々に免疫力を付けてきそうだ。
今週、イングランド銀行(英中銀、BOE)はメンバー全員が利下げを主張し、政策金利を4.50%に引き下げた。ただ、マン委員とディングラ委員は4.25%への大幅利下げを求めたことが判明。市場ではBOEが利下げペースを加速させるとの見方が強まっており、ポンドは上値の重い動きが見込まれる。英国内で来週は10-12月期GDPや12月鉱工業生産・製造業生産指数、貿易データの発表が予定されている。最近の英経済指標に景気の鈍化を示す内容が見られており、指標がさえない結果となれば追加利下げの思惑が更に高まりそうだ。今週発表の1月建設業PMIは48.1と約1年ぶりに景気判断の分岐点とされる50を割り込んだ。
トランプ関税の次のターゲットは欧州になりそうだが、トランプ米大統領は「EUへの関税は近いうちになる」と明言した一方で、英国への関税を約束することはせず、対英貿易関係には問題もあるが、「それは解決できると思う」と説明。スターマー英首相とは「非常にうまくやっている」と述べた。スターマー英政権は、トランプ米大統領を称賛し米国からの輸入を強調しながら、経済成長に苦しんでいるこの時期に関税を回避しようと奔走している。
加ドルは、関税警戒感を背景とした売りはいったん小休止するも、関税をめぐる不確実性が高く上値は重くなりそうだ。米政権は1日にカナダ製品に25%の関税を課すとし、カナダ政府も即座に報復措置を取ると発表したが、3日にトランプ米大統領は「カナダとの最終の経済協定が成立するかを見極めるために関税発動を1カ月延期する」と表明した。いったん冷却期間をもつことになるが、1カ月先の期限に向けて両国の今後の協議が注目される。
加国内では来週、12月住宅建設許可件数や12月卸売売上高・製造業出荷などの発表が予定されているが、結果が加ドルの方向感につながる可能性は低い。カナダ中銀(BOC)は1月会合で6会合連続の利下げに踏み切ったが、経済成長の低迷で次回3月会合での追加利下げの可能性がくすぶっている。関税をめぐる不確実性のなか、中銀は難しい舵取りを迫られている。
2月3日週の回顧
今週はトランプ米政権がメキシコ・カナダの関税を延期したことでドル高が一服。日銀の追加利上げ観測の高まりを背景に円買いが目立つ相場となった。
ポンドドルは1.25ドル半ばまで買い戻しが入ったが、1月英建設業PMIのさえない結果やBOEのハト派寄り利下げによるポンド売りで1.23ドル台まで失速。ポンド円は188円前半まで下落した。
加ドルは関税懸念が緩み、ドル/加ドルは週明けの1.47加ドル後半から1.42加ドル台まで加ドルの買い戻しが入ったが、加ドル円は円高を重しに108円近辺を頭に106円割れまで押し戻された。
◆ドル円、米1月CPIで低下傾向が続くかを見極め
◆ドル円、早期利上げ観測が台頭するなか、日銀内部からの発言や日米首脳会談に注目
◆ユーロドル、景気悪化懸念や追加利下げ観測から上値重い
予想レンジ
ドル円 149.50-154.50円
ユーロドル 1.0000-1.0500ドル
2月10日週の展望
ドル円は、来週の12日に予定されている米1月消費者物価指数(CPI)が12月の2.9%、11月の2.7%からの上昇基調を辿っているのか、それとも反落しているのかを見極めることになる。上昇基調を辿っていた場合は、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的据え置きが正しい判断だったことになり、3月FOMCでの利下げの可能性はほぼなくなるだろう。ただ、逆に反落していた場合は、トランプ米大統領からの利下げ圧力が強まる可能性に警戒が必要となる。
一方、日本の金融政策については、今週、田村日銀審議委員が「中立金利が1%程度ということを念頭に置きながら、物価目標の実現に向けた確度の高まりに応じて適時かつ段階的に短期金利を引き上げていく方針」と述べ、市場の早期利上げ観測が高まった。この見解に対する日銀内部からの発言には注意しておきたい。
トランプ関税に関しては、メキシコとカナダへの関税発動が3月まで先送りされたこともあり、当面は材料視されることはないと思われる。ただ、対中輸入関税の10%は発動され、中国側も報復関税で対抗しており、米中貿易戦争は小規模ながら始まっている。今後の両国の関税の動きを見極めることになりそうだ。
また、外交面では米国がガザ地区を管理する姿勢を示したことを受けて、米国に対するテロが頻発する可能性が出て来ており、リスクオフの動きには注意が必要だろう。更に、7日にはワシントンで日米首脳会談が開催される。日本に対する要求やトランプ米大統領の経済、金融、貿易関係などに対する見解にも注目している。なお、トランプ米大統領は、就任前の昨年4月、ドル円が約34年ぶりに154円台に乗せた局面では「米国の製造業にとって大惨事だ」と述べている。
ユーロドルは、仏・独・ユーロ圏の10-12月期国内総生産(GDP)速報値が弱い内容となり、3月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げが示唆された。上値が重い展開が予想される。来週は12月の数字ではあるもののユーロ圏鉱工業生産などでユーロ圏の景況感を確認することになる。
2月3日週の回顧
ドル円はトランプ米大統領がメキシコとカナダに対する輸入関税25%の大統領令に署名したことで週明け3日に155.89円まで上昇したものの、その後は弱い米指標を受けた米長期金利の低下や日銀の早期追加利上げ観測が急速に高まるなか150.96円まで売り込まれた。ユーロドルは米10年債利回りが4.40%台まで低下したことで1.0141ドルから1.0442ドルまで上昇したが、その後は1.03ドル台まで戻り売りに押された。
7日の日経平均は4日ぶり反落。終値は279円安の38787円。米国株はまちまちも、ダウ平均の下落や円高進行を嫌気して3桁下落スタート。東京エレクトロン<8035.T>が決算で大きく売られたこともあり、序盤では下げ幅を300円超に広げた。9時台半ばにドル円が円安に振れると、いったん鋭角的に値を戻した。ただ、下げ幅を2桁に縮めて39000円を上回ると売り直された。後場は200円程度安い水準でのもみ合いが長く続いたが、引けにかけてまとまった売りに押され、安値圏で取引を終えた。グロース250指数は序盤は下げる場面もあったが、早々にプラス転換した後は堅調に推移した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5700億円。業種別では鉄鋼、石油・石炭、海運などが上昇した一方、ガラス・土石、精密機器、不動産などが下落した。株主還元方針を変更し、期末配当見通しを大幅に引き上げたSUBARU<7270.T>が後場急騰。半面、通期見通しを下方修正したニコン<7731.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり751/値下がり827。前日決算を材料に跳ねたルネサスが連日で大幅上昇。メディア報道から鴻海による買収期待が高まった日産自動車が7%超上昇した。1Qが大幅増益となったF&LCが急騰。上期が大幅増益となったメルカリがストップ高まで買い進まれた。新興銘柄ではリベラウェアやブルーイノベーションがストップ高となるなど、ドローン関連が人気化した。
一方、3Q大幅増益を受けても東京エレクトロンが4%台の下落。1銘柄で日経平均を約106円押し下げた。IHIは通期見通しを上方修正したが、修正幅が物足りないとの見方から8%を超える下落。売買代金は全市場でトップとなった。AGCや日本板硝子などガラス関連が決算を受けて大幅安。下方修正を発表したTOWAが急落した。
本日、ホワイトハウスでトランプ大統領と石破首相による首脳会談が予定されている。日本と米国の関係は良好だが、トランプ氏はマウントを取って相手国から米国に有利な条件を引き出すことに長けており、日本も安心はできない。円満ムードを打ち出すことができれば、政権与党の支持率アップにもつながる。グローバルな観点でも、トランプ氏との関係が良好なら下振れリスクが相対的に小さいとの見方から、日本株の相対優位性が高まる展開が期待される。
一方で、良好な関係を築けていないとの印象を与えてしまった場合には、その逆となる。最初の会合ではそれほど踏み込んだ話にはならないだろうが、終わった後にトランプ氏がSNSなどで日本に対する愚痴的な事を発信するようだと、先々ではハードな要求が出てくることへの警戒が高まる。自民党内では「石破政権で今夏の参院選を戦うのは難しい」との見方が出てくる可能性がある。「トランプリスク」を小さくし、自身の求心力も高めることができるか、石破首相の手腕が問われる。
【来週の見通し】
上値が重いか。火曜11日が休場で立ち合いは4日。国内は引き続き決算発表が多く、ソフトバンクGやソニーGなどは中でも注目される。ただ、決算発表が金曜14日でほぼ一巡することから、週後半辺りからは先の市場エネルギー低下が意識されるだろう。米国では1月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が発表される。足元ではドル円が円高(ドル安)に振れることが多くなっており、これらの結果が米長期金利の低下を促した場合、円高に勢いがつく可能性がある。基本的には個別重視で方向感が定まらないとみるものの、為替に神経質となりやすい分、利益確定やリスク回避の売りが出やすい週になると予想する。
今週の日経225先物は、トランプ政権の関税政策を巡り不安定な展開が見込まれる。トランプ米大統領は7日、相互関税の導入計画を協議するための会合を10日ないし11日に開催すると報じられた。主要な貿易相手国との摩擦激化が警戒されて、7日の米国市場では主要な株価指数が下落した。
注目された1月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が14万3000人増と前月の30万7000人増から大幅に減少し、市場予想(17万人増程度)を下回った。一方で、失業率は4.0%と前月比横ばい予想(4.1%)から改善したほか、平均賃金は前月比+0.5%、前年比+4.1%となり、いずれも予想を上回る伸びだった。
同日発表された2月の米ミシガン大消費者信頼感指数は67.8と前月(71.1)から低下し7カ月ぶりの低水準となり、予想を下回る結果となった。しかし、1年先期待インフレ率は4.3%と前月の3.3%から上昇した。これらの結果を受けて米長期金利が上昇し、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げが後ずれするとの見方が広がった。
トランプ政権による相互関税の内容が焦点となるほか、経済指標では12日に米消費者物価指数(CPI)、13日には生産者物価指数(PPI)の発表が予定されている。これらの結果を見極めたいところであり、方向感をつかみづらくさせる。相互関税では自動車を対象とした関税が検討されていると伝えられている。
また、為替市場ではトランプ氏が日本に対する関税も選択肢の一つだと発言したことを受け、一時1ドル=150円台に突入した。先週は日銀の早期利上げ観測により円高基調を強めていたが、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が後退するなか、引き続き円高が株式市場の重荷となる可能性は高そうだ。
日経225先物は7日の取引終了後のナイトセッションで下落幅を広げており、一時3万8350円まで売られ、3万8370円とナイトセッションの安値圏で終えた。先週は200日移動平均線(3万8490円)での底堅さがみられ、75日線(3万9010円)を挟んでの推移だった。25日線(3万9160円)水準に接近する局面では上値を抑えられる形だったが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8640円)水準が支持線として意識されていた。
ナイトセッションで-1σのほか200日線を割り込んできたことで、-2σ(3万8130円)と節目の3万8000円が射程に入ってきた。1月17日につけた直近安値の3万8070円(ナイトセッションを含む)を下抜けてくるようだと、-3σ(3万7610円)が意識されるため、昨年11月28日につけた安値(3万7660円)へのバイアスが強まる展開は警戒しておきたい。
日経225先物は200日線水準での底堅さを見極めつつ、ボトムを探る動きになりそうだ。リバウンドをみせてきたとしても75日線や下向きで推移している25日線が抵抗線として機能し、戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。そのため、まずはオプション権利行使価格の3万8125円から3万8625円のレンジを想定する。
-1σをクリアしてくる局面では、権利行使価格の3万8625円から3万9125円のレンジに移行。一方で、-1σに上値を抑えられるようだと、-2σとのレンジから、節目の3万8000円割れが警戒されてくる。
7日の米VIX指数は16.54(6日は15.50)に上昇し、週間ではトランプ関税発表で急伸した反動から低下した。もっとも、前日までに割り込んだ200日線(16.22)を上回り、75日線(16.58)、25日線(16.73)を捉えてきた。直近のボトム圏からのリバウンドの範囲内ではあるが、トランプ政権の相互関税やCPI、PPIの結果次第では急伸するリスクがありそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。足もとでは200日線(14.22倍)に上値を抑えられており、14.10~14.22倍辺りのレンジ推移を継続している。ボトム圏での推移であるが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が不安定な状況であるため、NTロングでのスプレッド狙いの動きは入りづらい。一方で、円高によって輸出関連株も手掛けづらいが、内需系に資金が向かいやすく、ややNTショートに振れやすいだろう。
1月第4週(1月27日-31日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は4865億円(1月第3週は9300億円の買い越し)だった。なお、現物は3133億円の売り越し(同3911億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は1732億円の売り越し(同5389億円の買い越し)と2週ぶりの売り越し。個人は現物と先物の合算で2462億円の買い越しと2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で62億円の売り越しとなり、2週連続の売り越し。
主要スケジュールでは、10日に1月景気ウォッチャー調査、11日にパウエルFRB議長の上院銀行委員会証言、12日に米国1月消費者物価指数、パウエルFRB議長の下院金融サービス委員会証言、13日に1月国内企業物価、米国1月生産者物価指数、14日に米国1月小売売上高、米国1月鉱工業生産指数などが予定されている。
<国内>
○08:50 ◎ 12月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前1兆3742億円の黒字/季節調整済2兆7210億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:2277億円の黒字)
○14:00 ◇ 1月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数49.7/先行き判断指数49.0)
<海外>
○16:00 ◎ 1月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比2.2%)
○16:00 ◇ 12月トルコ失業率
○16:00 ◇ 12月トルコ鉱工業生産
○23:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、議会証言
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、1月米失業率が4.0%だったことで、152.42円まで上昇した後、米国株相場や日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買いで150.93円まで下落した、しかし、米相互関税による米インフレ再燃への警戒感から、151.85円付近まで値を戻した。ユーロドルは相互関税への警戒感から1.0409ドルから1.0306ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米政権による相互関税の内容を見極める展開が予想される。
先週末に発表された米1月雇用統計を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、追加利下げ(4.00-25%)の時期は6月米連邦公開市場委員会(FOMC)から7月FOMCへ先送りされた。そして、年内の利下げはこの1回だけと見込まれている。
今後は、トランプ米大統領による利下げ圧力に対してパウエルFRB議長がどこまで抵抗できるのかを見極めていくことになる。パウエルFRB議長は、11、12両日に行う半年に1度の議会証言で、1月FOMCでのタカ派金利据え置きスタンスの正当化を訴えると予想されている。
トランプ米大統領は、今週、米国への輸入品に輸出国と同じ関税率を課す『相互関税』の導入計画を発表する予定、と報じられている。さらに、トランプ米大統領は「鉄鋼・アルミへの25%関税を発表。鉄鋼・アルミ関税はすべての国が対象」と述べている。
世界貿易機関(WTO)のデータによると、米国の貿易加重平均関税率は約2.2%、中国は3.0%、メキシコは3.9%、カナダは3.4%、日本は1.9%となっている。
この相互関税と、カナダとメキシコへの1カ月先送りにされている25%の輸入関税との関係性や自動車関税の税率などの不確実性を確認していくことになる。
また、7日の日米首脳会談の前日に、ベッセント米財務長官が、貿易黒字国に対し為替レートや金利抑制がその要因となっている国もある、と発言していた。5日にはベッセント米財務長官と植田日銀総裁が電話会談をしていた。
すなわち、日本の貿易黒字の要因として、低金利による円安、という米財務省の「為替報告書」で何度か言及されてきたフレーズであり、今後もベッセント米財務長官の発言には警戒しておきたい。
トランプ米大統領は石破首相との会談後、対日貿易赤字を縮小させたいとし、実現しなければ関税も除外しないと警告していた。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38370 -470 (-1.21%)
TOPIX先物 2714.0 -27.5 (-1.00%)
シカゴ日経平均先物 38375 -465
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。1月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が14万3000人増と、市場予想(17万人増程度)を下回った。しかし、失業率が4.0%と前月比で横ばい予想(4.1%)から改善したほか、平均賃金は前月比+0.5%、前年同月比+4.1%となり、いずれも予想を上回る伸びだった。また、2月のミシガン大消費者信頼感指数は予想を下回る結果となったが、1年先期待インフレ率は4.3%と前月分の3.3%から上昇した。これにより、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げが後ずれするとの見方により米長期金利が上昇し、相場の重荷になった。
NYダウ構成銘柄では、2025年1-3月期の売上高見通しが市場予想に届かなかったことが嫌気されたアマゾン・ドット・コム<AMZN>が4%超の下落。そのほか、ナイキ<NKE>、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、セールスフォース<CRM>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、ハネウェル・インターナショナル<HON>の下げが目立った。S&P500業種別指数は運輸、消費者サービス、食品・飲料・タバコが上昇した一方で、小売、自動車・同部品、耐久消費財・アパレルが下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比465円安の3万8375円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円高の3万8870円で始まり、3万8820円~3万8940円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜け、一時3万8350円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は終盤にかけて3万8350円~3万8560円のレンジで推移し、3万8370円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで200日移動平均線(3万8490円)を割り込んでおり、早い段階で同線を回復できるかが注目される。同線が抵抗線として機能してくるようだと、1月17日につけた直近安値の3万8070円が射程に入ってくるだろう。
また、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8640円)を割り込んだことで、-2σ(3万8130円)とのレンジが意識されてくる。そのため、まずはオプション権利行使価格の3万8125円から3万8625円のレンジを想定する。-1σをクリアしてくる局面では、3万8625円から3万9125円のレンジに移行する一方で、-1σに上値を抑えられるようだと、-2σとのレンジにより節目の3万8000円割れが警戒されてきそうだ。
為替市場ではトランプ大統領が日本への関税も選択肢の一つだと発言したことを受け、一時1ドル=150円台に突入した。先週は日銀の早期利上げ観測で円高基調を強めていたが、引き続き円高傾向が重荷となる可能性が高そうだ。また、11日は建国記念の日で祝日となるため、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られ、スキャルピング中心のトレードになり、短期的な売買に振らされやすい。
7日の米VIX指数は16.54(6日は15.50)に上昇した。前日までの調整で割り込んだ200日線(16.22)を上回り、75日線(16.58)、25日(16.73)を捉えてきた。直近のボトム圏からのリバウンドであるが、トランプ大統領が相互関税の導入計画を協議するための会合を10日か11日に開催すると報じられており、内容次第では急伸するリスクはありそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.16倍(前日は14.18)に低下した。足もとでは200日線(14.22倍)に上値を抑えられており、14.10~14.22倍辺りのレンジ推移を継続している。ボトム圏での推移ではあるが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が不安定な状況であるため、NTロングでのスプレッド狙いの動きは入りづらい。
先週末の海外市場では、ドル円は1月米雇用統計とトランプ関税との2大イベントをこなして下値を確認することになりました。1月米NFPは14.3万人と予想の17.0万人を下回る弱い数字。米10年債利回りが4.3803%まで急低下すると同時に152.25円から151.35円までの下落。ただ、失業率が4.0%とかなり強い結果となったほか、平均時給も予想を上回る強い数字となったこともあり、一転して米10年債利回りが4.5129%まで13bpを超える急騰となるにつれて152.42円まで買戻されました。
その後は株価が下落幅をひろげるなかリスクオフの動きとなると150.93円とアジア時間の安値150.96円を下抜けて下落。トランプ米大統領が日米首脳会談の冒頭で「相互関税」について言及すると151.85円まで買戻されたものの、引けにかけては151.20円まで下押して週末の取引を終えています。何とも慌ただしい動きの繰返しだったわけですが、結果的には150円台での下値の堅さを確認したといったところです。
いずれにしても、トランプ関税などで不安定な状況が続くなか、市場ではファンド勢の足も速く、先週末公表された4日時点での投機筋の円ポジションは一転して円ロングに転換。日銀の早期追加利上げ観測が急浮上した5日と6日は更に円ロングが積み上げられていることは容易に想像することが出来るというもの。
そういったなかにあって、週足では一目雲でしっかりと下値をサポート。本邦実需の買いも依然として断続的に観測されている状況。日本製鉄のUSスチール買収についても、トランプ米大統領に「投資」として承認される可能性が高くなった今、更に実需の買いが目に見えて増えていく投資環境に変わりはないようです。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円安の3万8720円(-0.30%)前後で推移。寄り付きは3万8550円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8375円)にサヤ寄せする形から、売りが先行で始まった。寄り付き直後につけた3万8540円を安値にショートカバーとみられる動きが強まり、中盤にかけて一時3万8850円とプラス圏を回復する場面もみられた。ただし、上値追いのロングは限られているとみられ、終盤にかけて軟化しており、3万8720円~3万8760円辺りでの推移となった。
日経225先物は売りが先行したものの、200日移動平均線(3万8490円)を突破して始まり、その後も同線を上回っての推移を継続している。日米首脳会談を無難に通過したほか、円相場が1ドル=152円台とやや円高が一服していることで、ショートカバーを誘う形になったようだ。ただし、祝日を前に積極的な売買は限られているほか、トランプ大統領の相互関税の内容を見極めたいところであり、上値追いを慎重にさせている。ボリンジャーバンドの-1σ(3万8680円)を再び下回ってくるようだと、持ち高調整のショートが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.98倍に上昇した。一時14.20倍をつける場面もみられたが、200日線(14.22倍)が抵抗線として意識されており、スプレッド狙いの動きは限られている状況である。
2025年1月の米国の失業率は4.00%となり、12月の4.10%から低下した。
非農業部門雇用者数は、前月比+14.3万人の増加となり、12月は速報値の+25.6万人から+30.7万人へ上方修正(+5.1万人)され、11月は改定値の+21.2万人から+26.1万人へ上方修正(+4.9万人)されたことから、合計で10万人の上方修正となった。
また、年次ベンチマーク改定の確定値では、昨夏の速報値(81.8万人の下方修正)から58.9万人の下方修正となった。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、追加利下げ(4.00-25%)の時期は6月米連邦公開市場委員会(FOMC)から7月へ先送りされ、2025年全体の利下げ見通しも1回となっている。
2021年の非農業部門雇用者数は723.3万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.3万人の増加だった。2022年の月平均は38.0万人の増加、2023年平均は21.6万人の増加、2024年平均は16.6万人の増加となった。
1.家計調査(Household survey):失業率を算出(※6万世帯)
1月の失業率は4.00%となり、12月の4.10%から低下した。労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.6%だった。
失業者数は684.9万人となり、12月の688.6万人から3.7万人減少したものの、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億7074万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約616万人上回っている。
「病気が理由で働けない」人々は、厳冬・豪雪などを受け前月比299万人増の129.1万人、「悪天候が理由で働けない」人々は、厳冬・豪雪などを受け前月比47.9万人増の59.1万人だった。
・不完全雇用率(U6):7.5%(12月7.5%、11月7.7%、10月7.7%:2020年5月21.1%)
(フルタイム雇用を望みながらパートタイム職に就いている労働者を含む広義の失業率)
・労働参加率:62.6%(12月62.5%、11月62.5%、10月62.5%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):144.3万人(12月155.1万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:6.2%(12月6.1%、11月6.4%、10月5.7%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率は景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向)
2.事業所調査(Establishment survey):非農業部門雇用者数(Non-Farm Payroll)(※12.2万の会社・政府機関)
1月の非農業部門雇用者数は、前月比+14.3万人の増加となり、49カ月連続での雇用拡大となった。平均時給は前月比+0.5%の35.87ドルとなり、12月の+0.3%を上回り、前年同月比は+4.1%となり、12月の+4.1%と変わらずだった。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比+0.3%で、12月の+0.4%を下回り、前年比は+5.0%となり12月の4.6%を上回った。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ米大統領が発表予定の鉄鋼・アルミへの25%関税への警戒感、欧米貿易戦争勃発への警戒感から下値を探る展開が予想される。
トランプ米大統領は、今週、相互関税を発動すると報じられていたが、本日は、鉄鋼・アルミへの25%関税の発表を行うと報じられている。
トランプ米大統領は、先日、「欧州連合(EU)に対しても何らかの非常に重要な関税を賦課する意向」と述べ、EUサイドも報復関税を示唆していたことで、欧米貿易戦争が勃発する可能性が高まりつつある。
トランプ米大統領はかねてより、EUの自動車輸入関税10%が米国の2.5%よりはるかに高いとして不満を抱いており、自動車関税率にも要注目となる。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。
欧米貿易戦争は、米国とユーロ圏にとってマイナス要因となり、ECBに対して更なる追加利下げが求められるのかもしれない。
本日は、ラガルドECB総裁の欧州議会での証言が予定されており、トランプ関税を受けた追加利下げへの言及に注目しておきたい。
先日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、3月理事会で中立金利水準の上限である2.50%まで追加利下げを行うことが示唆されていた。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0385ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:158.01円(2/7高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0141ドル(2/3安値)
・ユーロ円:155.87円(2/7安値)
ドル円:1ドル=151.95円(前営業日NY終値比△0.54円)
ユーロ円:1ユーロ=156.76円(△0.38円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0316ドル(▲0.0012ドル)
日経平均株価:38801.17円(前営業日比△14.15円)
東証株価指数(TOPIX):2733.01(▲4.22)
債券先物3月物:140.02円(▲0.03円)
新発10年物国債利回り:1.315%(△0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
1兆773億円の黒字 3兆3525億円の黒字
経常収支(季節調整済)
2兆7316億円の黒字 3兆334億円の黒字
貿易収支
623億円の黒字 979億円の黒字
1月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 48.6 49.9
先行き判断指数 48.0 48.8
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロ円は買い戻し。トランプ米大統領がすべての国を対象にして「10日に鉄鋼・アルミへの25%関税を発表する」との報道が伝わると株安への警戒感から売りが先行し、一時155.61円まで値を下げた。ただ、下落して始まった日経平均株価がプラス圏を回復するなど、底堅い株価をながめて一巡後はショートカバーが優勢に。一時156.93円まで切り返す場面も見られた。
・ドル円は強含み。早朝はドル買いと円買いが交錯したため方向感がなかったが、株価持ち直しでクロス円に買い戻しがみられるとつれる形で買いが優勢となった。一時152.21円まで値を上げた。一方、先週末の米雇用統計後に付けた高値152.42円が目先のレジスタンスとして意識されると152円を割り込んでいる。
・ユーロドルは下値が堅い。トランプ関税に対する警戒感から朝方に一時1.0280ドルまで値を下げたが、一巡後はショートカバーの動きから1.0343ドルまで反発。一方、欧州勢の出方を見極めたいとして上値も限られている。
・日経平均株価は反発。米関税政策への懸念から安く始まり180円超下げた。ただ、その後は押し目買いが入りプラス圏を回復。好決算だった企業に買いが入り指数を支えた面もあった。
・債券先物相場は続落。日銀の早期利上げ観測を背景に新発10年物国債利回りが一時1.320%と2011年4月以来の水準に上昇したため139.91円まで下げる場面があった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国、春節後のインフレは再び下振れが避けられない模様
春節のズレで1月インフレ率は加速するも、2月以降はその反動や不動産市況の低迷が重石に
昨年後半の中国景気を巡っては、当局による内需喚起策の効果に加え、米トランプ政権の通商政策を警戒した外需駆け込みを反映して底入れした。しかし、不動産不況の余波が残る上、若年層を中心とする雇用回復の遅れも重なり、足下では息切れを示唆する動きがみられる。不動産需要喚起策を受けて一部で底打ちするも、全体としての市況は底がみえないなど、バランスシート調整圧力がくすぶる展開が続いている。
資産デフレの動きは中国経済がディスインフレから本格的なデフレに陥る懸念に繋がるなか、1月のインフレ率は前年比+0.5%と5ヶ月ぶりの伸びとなるなど底入れしている。ただし、これは今年の春節の時期のズレの影響に留意する必要があり、生活必需品や観光関連を除いた物価は伸び悩む展開が続いている。川上の生産者物価は調達価格も出荷価格もともに下落しており、川下の消費者段階にかけて物価上昇圧力が高まりにくい状況にある。2月のインフレ率は前年の反動による下振れが見込まれるなどディスインフレ基調が続くとともに、不動産市況の低迷によるデフレ圧力に晒される展開が続くと予想される。
大阪3月限
日経225先物 38760 -80 (-0.20%)
TOPIX先物 2729.5 -12.0 (-0.43%)
日経225先物(3月限)は前日比80円安の3万8760円で取引を終了。寄り付きは3万8550円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8375円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。寄り付き直後につけた3万8540円を安値にショートカバーとみられる動きが強まり、前場中盤にかけて3万8850円とプラス圏を回復する場面もみられた。
ただし、上値追いのロングは限られ、前場終盤にかけて軟化し、ランチタイムは3万8720円~3万8760円辺りでの推移となった。後場に入り再びリバウンドをみせ、中盤には3万8900円まで買われる場面もあったが、終盤にかけて持ち高調整の動きとなり、プラス圏はキープできなかった。
日経225先物は売りが先行したものの、200日移動平均線(3万8490円)を突破して始まり、その後も同線を上回っての推移を継続した。また、前場中盤以降はボリンジャーバンドの-1σ(3万8680円)を下回らなかったことで、底堅さが意識された。もっとも、一時3万8900円まで買われたものの、75日線(3万9010円)を捉えることはできず、狭いレンジ内での推移だった。
日米首脳会談を無難に通過したほか、1ドル=152円台とやや円高が一服していることで、ショートカバーを誘う場面もあったとみられる。ただし、祝日を前に積極的な売買は限られたほか、トランプ大統領の相互関税の内容を見極めたいところであり、上値追いを慎重にさせたようだ。
ボリンジャーバンドのバンドは下向きで推移しているため、早い段階で75日線のほか、25日線(3万9160円)を捉えてくるかが注目されそうだ。両線が抵抗線として機能するようだと、-1σに沿った形での調整が意識されて、戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況になりそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.20倍に上昇した。200日線(14.22倍)が抵抗線として意識されているが、本日の高値で終えている。直近のレンジ内での推移ではあるが、トランプ関税による影響が輸出関連株を手掛けづらくさせる半面、AI関連投資によるテック株物色が意識されやすいと考えられ、目先的には200日線突破からのNTロングでのスプレッド狙いを想定しておきたいところだろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5003枚、ソシエテジェネラル証券が1万1382枚、サスケハナ・ホンコンが3162枚、JPモルガン証券が2240枚、SBI証券が2119枚、日産証券が2001枚、モルガンMUFG証券が1746枚、バークレイズ証券が1462枚、三菱UFJeスマート証券が1023枚、楽天証券が931枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券1万3793枚、ソシエテジェネラル証券が9653枚、バークレイズ証券が4454枚、モルガンMUFG証券が2881枚、JPモルガン証券が2818枚、日産証券が1729枚、ゴールドマン証券が1647枚、ビーオブエー証券が819枚、BNPパリバ証券が673枚、ドイツ証券が617枚だった。
本日のニューヨーク為替市場では、米国発の重要な経済指標や金融当局者の発言も予定されていないなか、やはりトランプ米大統領の発言に右往左往させられることになるか。
週明けのオセアニア市場では、「米国に輸入される鉄鋼製品やアルミニウムに25%の追加関税を課すことを10日に表明」とのトランプ発言を嫌気してドル高・円高が先行。もっとも過度な警戒感が後退すると、リスク回避の巻き戻しが欧州序盤にかけて進んだ。確かに一旦は落ち着いた形となっているものの、トランプ大統領が他国に対する強硬な姿勢をこれまで以上に鮮明にするなか、追加関税を巡るリスクは付きまとうだろう。
なおニューヨーク勢の参入後、欧州からはラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の議会証言が予定されている。追加利下げの時期や程度を探るとともに、米大統領の保護主義的な動きに対する見解も注目される。警戒感や不透明感を強調するようだと、金利引き下げのペース鈍化への思惑が高まるかもしれない。
なお今週は明日11日、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米上院銀行委員会で金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言をする予定。また12日には、1月米消費者物価指数(CPI)が発表予定。重要イベントを控え、NY午後は徐々に様子見ムードが広がってしまいそうだ。
想定レンジ上限
・ドル円、3日高値152.89円
想定レンジ下限
・ドル円、本日安値151.16円
今週のNY市場は物価指標と決算発表に注目。
先週はダウ平均が0.54%安と4週ぶりに反落し、S&P500が0.24%安、ナスダック総合が0.53%安とともに2週続落した。前週末にトランプ米大統領がカナダ、メキシコに対する25%の関税を発表し、中国に対しても10%の追加関税を課すと発表したことで週明けのダウ平均が一時600ドル以上下落したものの、その後、カナダ、メキシコに対する関税発動を延期したことでプラス圏を回復した。
しかし、金曜日にトランプ大統領が幅広い国に対して相互関税を課す方針を明らかにしたことや、注目された米1月雇用統計で失業率が改善し、平均賃金が予想以上に上昇するなどでインフレ懸念が再び強まったことで主要3指数がそろって下落して週の取引を終了した。
今週は高水準の発表が続く第4四半期決算が引き続き注目が集まるほか、年内の利下げ見通しを巡り米1月消費者物価指数(CPI)や米2月生産者物価指数(PPI)の物価指標が焦点となりそうだ。先週の経済指標を受けて年内の利下げ見通しが後退。CMEのフェドウォッチ・ツールの12月末での0.25%の利下げ確率は前週末の82%から80%に低下し、0.50%(2回)の利下げ確率は46%から43%に低下した。
水曜に発表される1月CPIは前年比+2.8%と12月分の+2.9%から鈍化が見込まれ、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIも前年比+3.1%と12月の+3.2%から低下が見込まれている。木曜日発表の1月PPIも前年比で+3.3%から+3.1%に低下が見込まれ、コアPPIも3.5%から3.2%に低下が見込まれている。CPIやPPIが予想通りの鈍化となれば、利下げ期待の高まりが米株の支援となりそうだ。
また、火曜日と水曜日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言も予定され、利下げを巡るFRB議長発言にも要注目となる。第4四半期決算はマクドナルド、コカ・コーラ、デュポン、スーパー・マイクロ、ギリアド・サイエンシズ、クラフト・ハインツ、CVSヘルス、シスコ・システムズ、アプライド・マテリアルズ、パロ・アルト・ネットワークスなどS&P500採用の約80銘柄が発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは1月雇用傾向指数など。企業決算は寄り前にマクドナルド、オン・セミコンダクター、ロックウェル・オートメーション、引け後にバーテックス・ファーマシューティカルズなどが発表予定。
大和証券ではドル円に関して、一目均衡表での三役逆転、200日線割れというドル安・円高のシグナルが点灯したと指摘している。先週円高に振れた大きな理由には、12月の毎月勤労統計で強めの賃金上昇が示され、日銀のさらなる利上げ懸念が市場で高まったことを挙げている。大和では今回の指標結果を受けて、25年春闘への注目度が一層増したと考えている。ドル円に関しては、いったんは12月につけた安値の1ドル=148.65ドルをメドに数週間かけながら下値を模索し、反発のタイミングを見計らうことになると予想している
BNPパリバの譚慧敏チーフストラテジストはこのほど、ハンセン指数は年内に23000ポイントを試す展開があるとし、3月に開かれる「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)の前後に可能性が高くなるとの見方を示した。『香港01』が10日伝えた。
譚氏は、中国の2025年国内総生産(GDP)成長率は4.5%に鈍化すると予想されるものの、両会では成長率目標が5%前後に設定されるとみられ、目標達成には利下げや適度に緩和的な金融政策の継続などを含め、一段の緩和が必要になると指摘。財政赤字率は4%とこれまでより高い水準に引き上げられるほか、消費刺激策も期待されるとした。
セクター別では、ソフトウエアやハードウエアを含むテクノロジーセクターを選好している。「DeepSeek(ディープシーク)」の登場を受けて市場では中国企業の潜在的能力に対する再評価が進んでおり、人工知能(AI)の応用もテクノロジー企業にプラスに働き、利益予想も上方修正が期待されるとした。また、市場の変動が予想されるなか、銀行株や通信株など高配当株も比較的好調なパフォーマンスが予想されるとした。
日経平均株価は小反発。軟調なスタートとなったが、200日移動平均線(38625円 2/10)付近を意識して下げ渋った。上向きに転じた5日移動平均線(38856円 同)を超えて終えることはできなかったが、2日ぶりに陽線を形成した。
RSI(9日)は前日の36.9%→45.5%(2/10)へ上昇。祝日明けは上昇のハードルが高くなるが、短期的な見方に大きな変化はない。1/28安値(38886円)を下回ったことで、1/24高値(40279円)からの二段下げ目にある。1月安値を保った状態で、1/31高値(39681円)を超えられるかが焦点となる。5日移動平均線が上向きに転じたことで、きょうは下げ渋る動きにつながったが、下振れリスクは残っている。
上値メドは、75日移動平均線(39000円 同)、25日移動平均線(39178円 同)、1/31安値(39458円)、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、200日移動平均線、心理的節目の38500円、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)などがある。
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.86円(10日15時時点比▲0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.61円(▲0.15円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0312ドル(▲0.0004ドル)
FTSE100種総合株価指数:8767.80(前営業日比△67.27)
ドイツ株式指数(DAX):21911.74(△124.74)
10年物英国債利回り:4.457%(▲0.019%)
10年物独国債利回り:2.362%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.2% ▲0.1%
(前年比) 2.3% 2.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。前週末に150.93円と昨年12月10日以来約2カ月ぶりの安値を付けたあとだけに、欧州勢参入後はショートカバーが先行。17時30分過ぎには一時152.54円と日通し高値を更新した。
ただ、200日移動平均線が位置する152.77円がレジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.45%台まで低下したことも相場の重しとなり、24時過ぎには151.57円付近まで下押しした。日銀の早期利上げ観測を背景とした円買いも入りやすかった。
・ユーロドルはもみ合い。今週予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言や1月米消費者物価指数(CPI)など、重要イベントを前に様子見ムードが強く相場は大きな方向感が出なかった。欧州時間の安値は1.0304ドル、高値は1.0336ドルで値幅は0.0032ドル程度だった。
・ユーロ円は上値が重かった。18時30分前に一時157.42円と本日高値を付けたものの、前週末の高値158.01円がレジスタンスとして働くと失速。「日銀の追加利上げの時期が早まる」との観測が高まる中、円買いが入りやすい面もあり一時156.29円付近まで下押しした。
・ロンドン株式相場は反発し、史上最高値を更新した。トランプ米政権の関税政策を巡る懸念から小幅に下げる場面もあったが、売り一巡後は徐々に買いが優勢となり上げに転じた。米ヘッジファンドのエリオット・インベストメント・マネジメントが株式を取得したと伝わった英石油大手BPが大幅に上昇し、相場の押し上げ要因となった。BP以外ではセグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株の上昇が目立った。
・フランクフルト株式相場は反発し、史上最高値を更新した。時間外の米株価指数先物の上昇などを手掛かりに買いが先行。現物の米国株の上昇も相場の支援材料となり、引けにかけて上げ幅を広げた。個別ではシーメンス・ヘルシニアーズ(2.03%高)やRWE(1.92%高)、ポルシェ(1.80%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
10日の日経平均は反発。終値は14円高の38801円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり812/値下がり778。スマホゲーム「ポケポケ」の業績貢献が確認できたDeNAや上方修正を発表した太陽誘電がストップ高。レオス・キャピタルワークスの大株主浮上が判明したフジHDが大幅高となり、レオスを傘下に持つSBIレオスひふみにも思惑買いが入った。川崎重工やIHIなど防衛関連の一角が商いを伴って大幅上昇。15時に上方修正と増配を発表したフジクラが発表後に一段高となり、7%を超える上昇で高値引けした。
一方、三菱重工は防衛株買いの流れに乗れず下落。米国では10年債利回りが大きく上昇したが、三菱UFJや三井住友など銀行株は下落銘柄が多かった。金利上昇が逆風となる不動産株は売られており、三菱地所は決算を受けて買いが先行したもののマイナス圏に沈んだ。3Q最終減益のシュッピンや通期の利益見通しを引き下げた不二製油が急落。タムロンは1:4の分割、株主還元方針の変更、自己株取得、中計の上方修正などを発表したものの、12.8%安と大きく崩れた。
日経平均は小幅高。序盤で下げていた際にも底堅さは感じられたが、しっかりプラスを確保した。石破首相とトランプ大統領との首脳会談が友好ムードであったことが、プラス転換に貢献したと考えられる。トランプ大統領は「相互関税」の導入に言及し、グローバルでは関税を材料にディールを進める姿勢を改めて示している。しかし、現時点では日本に対する風当たりはそれほど強くならないだろう。
足元でグロース250指数の動きが良くなっているが、中小型株が買われるようになってくると、大型株の手がけづらさが意識される場面でも日本株の中で資金が循環しやすくなる。この先、石破首相の評価が上がるようであれば、国策絡みで注目度が高まる銘柄も増えてくると思われる。新興銘柄は昨年は嫌われ続けただけに、深掘り余地は大きい。新興市場の活況が投資家のリスク許容度を高め、日本株全体にも好影響を及ぼす展開に期待したい。
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.00円(前営業日比△0.59円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.67円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0307ドル(▲0.0021ドル)
ダウ工業株30種平均:44470.41ドル(△167.01ドル)
ナスダック総合株価指数:19714.27(△190.87)
10年物米国債利回り:4.49%(横ばい)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.32ドル(△1.32ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2934.4ドル(△46.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は上昇。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.45%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。日銀の早期利上げ観測を背景とした円買いも入りやすく、24時過ぎには151.57円付近まで下押しした。
ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値151.16円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米10年債利回りが4.50%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、152.07円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは小幅ながら3日続落。ただ、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。今週予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言や1月米消費者物価指数(CPI)など、重要イベントを前に様子見ムードが強く狭い範囲内での推移にとどまった。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「インフレ率は今年中に2%の目標に戻る見込みだが、上下両サイドのリスクがある」「貿易摩擦によりユーロ圏のインフレ見通しはより不透明になる」などと述べたものの、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は4日ぶりに反発。欧州市場序盤に一時157.42円と本日高値を付けたものの、前週末の高値158.01円がレジスタンスとして働くと失速。「日銀の追加利上げの時期が早まる」との観測が高まる中、円買いが入りやすい面もあり一時156.29円付近まで下押しした。ただ、引けにかけては156.77円付近まで値を戻した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。トランプ米政権の関税政策を巡る懸念から小幅に下げる場面もあったが、決算内容が好感されたマクドナルドが堅調に推移し相場を下支えした。エヌビディアやアマゾン・ドット・コムなど、主力ハイテク株が買われたことも相場の支援材料。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。今週予定されているパウエルFRB議長の議会証言や1月米CPIなど、重要イベントを前に様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。
・原油先物相場は続伸。パレスチナ自治区ガザ停戦を巡って、イスラム組織ハマスとイスラエルの合意が決裂するとの懸念が浮上。中東の地政学リスクの高まりが相場の支えとなった。
・金先物相場は続伸し、3営業日ぶりに史上最高値を更新した。トランプ米大統領が週末に相互関税を近く発表・発効される方針を示したことを受け、貿易摩擦の激化に対する懸念から安全資産とされる金の需要が意識された。
ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は1月に3.0%と前回と同じとなった。また、3年後のインフレ期待も3.0%と前回から変わらず。一方、5年後のインフレ期待は3.0%と前回の2.7%から上昇した。
10日06:31 トランプ米大統領
「10日に鉄鋼・アルミへの25%関税を発表」
「鉄鋼・アルミ関税はすべての国が対象」
10日11:11 林官房長官
「(米国の鉄鋼・アルミ関税について)具体的な内容を精査して適切に対応する」
11日01:33 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレ見通しは貿易摩擦によってより不透明に」
「インフレは年内に2%に戻る」
「ECBは特定の金利経路を事前にコミットすることはない」
※時間は日本時間
<国内>
○建国記念の日の祝日で休場
<海外>
○08:30 ◇ 2月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○09:01 ◇ 1月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比1.0%)
○09:30 ◇ 1月豪NAB企業景況感指数
○16:00 ◎ 10-12月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○17:45 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00 ◎ 1月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.57%)
○21:00 ◇ 12月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲0.5%)
○21:15 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○22:30 ◇ 12月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比1.7%)
○22:50 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○24:00 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、米上院銀行委員会で金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言
○12日02:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○12日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○12日05:30 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○12日05:30 ◎ ボウマンFRB理事、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.45%台まで低下した局面では151.57円付近まで下押しした後、4.50%台まで上昇したことで152.07円付近まで持ち直した。ユーロドルは、今週予定されているパウエルFRB議長の議会証言や1月米消費者物価指数(CPI)などの重要イベントを前に狭い範囲内での推移にとどまった。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が建国記念の日の祝日で休場のため動きづらい展開が予想される中、トランプ関税やパウエルFRB議長の議会証言でのタカ派的な見解を見据えて底堅い展開が予想される。
トランプ米大統領は、先ほど、米国に輸入される全ての鉄鋼・アルミニウムへの25%の関税を賦課する大統領令に署名した、と報じられた。そして、米国時間の11日か12日に相互関税を発表して、ほぼ即時発効させる、と述べていた。また、トランプ米大統領はこれまで、欧州連合(EU)の自動車輸入関税10%が米国の2.5%よりはるかに高いとして不満を抱いていたことで、相互関税での自動車の税率には要注目となる。
トランプ関税は、米国の物価上昇要因となるため、ドル円は底堅く推移している。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことである。第1次トランプ米政権では、国家安全保障上の理由で鉄鋼輸入に25%、アルミ輸入に10%の関税が導入されていた。
今夜予定でされているパウエルFRB議長の米上院銀行委員会での金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言では、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的な据え置きの正当性を主張すると予想されていることも、ドル円を底堅く推移させている。
ドル円の上値を抑える要因としては、トランプ米大統領がパウエルFRB議長に対して利下げ圧力をかけていること、先週の日米首脳会談の後に対日貿易赤字を削減したい意向を示していたこと、そして、日銀の追加利上げ観測などが挙げられる。
本日も、トランプ米大統領による突発的な発言に警戒しながらの相場展開となる。
一部報道で、トランプ米大統領が鉄鋼とアルミに25%の関税賦課する大統領令に署名したと報じた。
建国記念日で東京市場が休場となっているアジア市場は、相変わらずトランプ関税が中心。トランプ米大統領は、鉄鋼・アルミへの25%関税に関する大統領令にサインしたほか、相互関税については2日以内に発表する予定となっている模様。また、金属全般への課税や半導体、車への課税も検討しているようで、今後もトランプ関税の影響を一つずつ見極めていくことになりそうです。
市場の反応も、かなり耐久性がついてきてはいますが、局面、局面での反応はともかく、方向性としては米金利高に伴うドル高という流れは変わっていないはず。ドル円はリスクオフ要因にもなることから、クロス円の売りで反応する場面も多々見受けられていますが、株価や米長期金利の動向を睨みながらの神経質な反応となっています。
いずれにしても、米10年債利回りは、先週末の米雇用統計後につけた4.3803%で一旦は下値を確認したようなかたち。ドル円も先週末からの売り仕掛けは150円台の下値の堅さを確認したわけで、昨日も先週末の米雇用統計直後の高値を一時上回るなど、下値を固めつつ戻りを試す動きとなっています。
先週末から、200日MAという大きなポイントを前にして上値も抑えられていますが、本日はパウエルFRB議長の半期に一度の議会証言に注目が集まっているわけで、それまでは一進一退の動きとなりそうな状況。NY時間の安値151.57円が下値の目処として意識されています。
おまえら久しぶり。
4年キツかった
今年2025年の第59回スーパーボウルでは、NFC王者フィラデルフィア・イーグルスがAFC王者のカンザスシティ・チーフスを40対22で破り、2度目の頂点に立った。
フィラデルフィア・イーグルスの優勝は、2025年のダウ平均の上昇を示唆しているが、2023年の初優勝の年も上昇していた。
1.『スーパーボウル指標』(Superbowl Indicator)
スーパーボウル指標とは、アメリカン・フットボールのスーパーボウルの覇者が、その年のニューヨーク株式市場の方向を決める、というアノマリーである。
NY株式市場は、スーパーボウルで、
・ナショナル・フットボール・カンファレンス(NFC)のチームが勝てば、上昇
・アメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)のチームが勝てば、下落
する傾向にあるというもので、58年間で41回当たっているので、的中率は約71%となっている。しかし、第33回までの的中率は85%だったが、2000-24年の25回の的中率は56%に低下している。
スーパーボウルは、1967年にNFLの優勝チームと、当時別に存在していたプロアメリカンフットボールリーグであるアメリカン・フットボール・リーグ(AFL)の優勝チームによる対抗戦として始まった。その後NFLとAFLは合併し、1971年からは旧NFLチームが主に所属するナショナル・カンファレンス(NFC)の代表と、旧AFLチームが主に所属するアメリカン・カンファレンス(AFC)の代表が対戦して、全米NO1を決定する試合形式となった。
今年2025年の第59回スーパーボウルでは、NFC王者フィラデルフィア・イーグルスがAFC王者のカンザスシティ・チーフスを40対22で破り、2度目の頂点に立った。
フィラデルフィア・イーグルスの優勝は、2025年のダウ平均の上昇を示唆しているが、2023年の初優勝の年も上昇していた。
2.的中率71%の理由
スーパーボウル指標が71%も的中している理由は簡単である。
1)NYダウは、58年間で42年上昇、16年下落しているので、上昇の確率は72%になる。
(※58年間、NY株が上昇する、と予想していた場合、72%当たっていたことになる)
2)上昇となる「NFC所属及びAFC所属の元NFLのチーム」は、32チーム中で20チームなので、62.5%が上昇要因となっている。すなわち、72%と62.5%の組み合わせで、71%の的中率に繋がっている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ米大統領が予告通りに鉄鋼・アルミへの25%関税賦課の大統領令に署名したことで、欧州への自動車関税への警戒感から下値を探る展開が予想される。
本日のメインイベントはパウエルFRB議長の議会証言だが、1月FOMCでのタカ派的な据え置きを正当化すると予想されていることも、ユーロドルの上値を重くしている。
トランプ米大統領は、本日、米国に輸入される全ての鉄鋼・アルミニウムへの25%の関税賦課の大統領令に署名し、3月4日に発動されると報じられている。
第1次トランプ米政権では、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課したが、カナダ、メキシコ、ブラジルなど一部の貿易相手国に無関税枠を認めた。そして、バイデン前大統領も無関税枠を英国、日本、欧州連合(EU)にも拡大していた。
しかし、今回の大統領令では、例外措置が撤回された。
この後、11日か12日に相互関税を発表し、貿易相手国が米製品に課しているのと同率の関税が賦課されることになる。
トランプ米大統領は、先日、「EUに対しても何らかの非常に重要な関税を賦課する意向」と述べ、EUサイドも報復関税を示唆していたことで、北大西洋条約機構(NATO)への拠出金増加などを絡めて、欧米貿易戦争が勃発する可能性が高まりつつある。
さらに、トランプ米大統領は今週、ゼレンスキー・ウクライナ大統領との会談を予定しており、イスラエルとハマスの軍事紛争をガザの占有という着地点のような難題を突き付ける可能性に警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0385ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:158.01円(2/7高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0141ドル(2/3安値)
・ユーロ円:155.61円(2/10安値)
フランス極右政党が議会選挙の第1回投票で首位と一部通信社が報じた。
本日のニューヨーク為替市場では、複数予定されている米金融当局者の発言を受けてドルが上下する展開か。そのなかでも最も注目されるのは、日本時間24時頃から始まる米上院銀行委員会におけるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の証言だろう。米金融トップが半期に一度に行う議会証言で、金融政策や経済情勢に関して突っ込んだ話が出てくるかもしれない。
先月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通りに政策金利の据え置きが決定された。その声明文では、インフレについて「2%の目標に向けて進展してきた」という部分を削除。パウエルFRB議長は「特に何かを示唆するものではない」としながらも、追加利下げは急がない姿勢を示した。
足もとの短期金融市場では、年内残り7回のFOMCで0.25%利下げが2回あるかどうか迷いが見られる。現状、トランプ関税によるインフレ圧力の高まりが懸念されているは確か。そういった中でパウエル議長が本日、トランプ政権の政策による先行き不透明感を強調するようであれば、利下げ織り込み度の低下からドルが強含む場面もありそうだ。
なおトランプ大統領は前回FOMCの後、銀行規制に関するFRBのアプローチを責め、パウエル議長がインフレ抑制でミスしたと批判した。FOMCの前に要求した金利引き下げについては、決定後は言及していない。この辺りについても、本日の米上院銀行委員会で質問されると思われ、パウエル氏がどのように答えるかが注目される。
他に本日は、ハマック米クリーブランド連銀総裁がNY序盤に講演し、終盤にはウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁やボウマンFRB理事も話す予定。またNY午後には米3年債の入札も行われる。
想定レンジ上限
・ドル円、6日高値152.89円
想定レンジ下限
・ドル円、7日安値150.93円
今晩はパウエルFRB議長議会証言に注目。
昨日は主要3指数がそろって反発した。トランプ米大統領が鉄鋼やアルミなどの輸入品に25%の関税を課すとしたものの、警戒感はそれほど強まらなかった。ダウ平均はマクドナルドの大幅高も追い風となり、167.01ドル高(+0.38%)で終了。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.67%高、0.98%高で終了した。センチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の16.54ポイントから15.81ポイントに低下した。
今晩の取引では、ハイテク株を中心に前日に大きく上昇したことで上値の重い展開が予想されるが、年内の利下げ見通しを巡り、米上院銀行委員会でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の証言が焦点となりそうだ。市場では年内1回の利下げが予想されているが、パウエルFRB議長の議会証言が利下げに消極的なタカ派的内容となれば、利下げ期待の一段の後退が相場の重しとなりそうだ。
また、足もとのインフレ動向を巡り、水曜日に1月消費者物価指数(CPI)、木曜日に1月生産者物価指数(PPI)の発表を控えていることも様子見姿勢を強めそうだ。
今晩の米経済指標・イベントはパウエルFRB議長議会証言のほか1月NFIB中小企業楽観度指数など。このほか、ボウマンFRB理事、ハマック米クリーブランド連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の講演なども予定されている。決算発表は寄り前にデュポン、ヒューマナ、コカ・コーラ、引け後にスーパー・マイクロ・コンピューターなどが発表予定。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.300%、応札倍率(カバー)が2.79倍となった。
(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.37円(11日15時時点比△0.42円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.63円(△1.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0345ドル(△0.0041ドル)
FTSE100種総合株価指数:8777.39(前営業日比△9.59)
ドイツ株式指数(DAX):22037.83(△126.09)
10年物英国債利回り:4.508%(△0.051%)
10年物独国債利回り:2.430%(△0.068%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10-12月期ノルウェー国内総生産(GDP)
(前期比) ▲0.6% ▲1.6%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルはしっかり。マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員が「将来も継続的な引き締めを支持」などと発言したことを受けてポンドドルが一時1.2427ドルまで上昇すると、ユーロドルにも買いが波及。英独株価指数が連日で史上最高値を更新する中、リスク・オンのユーロ買い・ドル売りも入りやすかった。
NYの取引時間帯に入っても、ユーロ買い・ドル売りの流れが継続し前日の高値1.0343ドルを上抜けると一時1.0351ドルまで上値を伸ばした。
なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会で「政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」「米経済は総じて好調」などと述べたが、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見とほぼ同じ内容だったことから、相場の反応は限られた。トランプ米政権の関税政策についても「貿易政策についてコメントすることはFRBの役割ではない」として言及を避けた。
・ドル円は下値が堅かった。欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長はこの日、トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入品に25%の関税を課すことを決定したことを受け、「EUとして断固とした相応の対抗措置を取る」と発言。世界経済の混乱や貿易戦争を引き起こすとの懸念から円買い・ドル売りが先行すると、17時30分過ぎに一時151.65円と日通し安値を付けた。
ただ、リスク回避の動きは長続きせず、前日のNY時間安値151.57円が下値の目処として意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.54%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、前日の高値152.54円を上抜けて一時152.60円まで値を上げた。
もっとも、200日移動平均線が位置する152.76円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。対欧州・オセアニア通貨中心にドル売りが進んだ影響も受けた。
・ユーロ円は底堅い動き。EUがトランプ米政権の鉄鋼・アルミ関税に対抗措置を講じる構えを示すとリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行し一時156.33円付近まで値を下げたが、東京時間に付けた日通し安値156.26円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢となった。英独株価指数が連日で史上最高値を更新する中、リスク・オンの円売り・ユーロ買いも出て一時157.80円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸し、史上最高値を更新した。原油先物相場の上昇を背景にシェルなどエネルギー株に買いが入ったほか、HSBCやバークレイズなど金融株の一角に買いが入った。半面、米国が鉄鋼・アルミニウム製品に対する25%の追加関税適用を決定したことを受けてアングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が売られ、相場の上値を抑えた。
・フランクフルト株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。トランプ米政権の関税政策を巡る懸念から小幅に下げる場面もあったが、引けにかけて強含んだ。パウエルFRB議長の米上院銀行委員会での議会証言が1月のFOMC後の記者会見の内容とほぼ同じ内容だったことから、買い安心感が広がった。
・欧州債券相場は下落。株高を受けた。
11日09:21 マン英MPC(金融政策委員会)委員
「英国のインフレの脅威は小さくなってきている」
「今後1年間で、物価が目標水準の2%に非常に近づくと予想」
「需要状況はこれまでよりもかなり弱くなっている」
11日17:54
「2%CPIに対する構造的な障害は、完全には消化されていない」
「主要金利は制限的な状態を維持する必要がある」
「英国の労働市場は、さらに緩和すると予想」
「長期均衡金利の推定範囲である3-3.5%の上限に近い」
「将来も継続的な引き締めを支持」
「0.5%の利下げを支持する決定は水準のシフトだ」
「関税の影響を評価するには時間がかかるだろう」
「私のアクティブな金利政策は利下げを意味するものではない」
「自身の前提が正しいことを確認する必要がある」
11日09:39 ウィリスNZ財務相
「米国とはバランスの取れた貿易関係を築いている」
11日11:29 トランプ米大統領
「鉄鋼・アルミ関税、オーストラリア免除を検討へ」
「豪州は米国が貿易黒字を計上している数少ない国の一つ」
11日15:00 カザークス・ラトビア中銀総裁
「米国と欧州連合(EU)が協議を重ねることで、関税問題は緩和できる」
11日17:18 欧州委員会のセフコビッチ委員(通商・経済安全保障・対外関係・透明性担当)
「EUは米国との交渉にオープン」
「EUは米国の関税に対して対抗措置を講じる」
「米国の関税に関する決定を深く遺憾に思う」
11日18:00 トルドー加首相
「米国のカナダ産鉄鋼・アルミニウムに対する関税は全く正当化されない」
「我々の対応は断固かつ明確であり、カナダの労働者のために立ち上がるだろう」
「容認できない関税の悪影響について、米国政府に強く訴えるつもり」
「BOEの金融政策は国内の状況だけでなく、国際的なリスクや経済動向を考慮する必要」
「現在の低成長は金融危機後の長期的な供給力低下に起因し、単純な金融政策の変更だけでは解決が難しい」
11日22:45 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「金利をしばらく据え置くのが適切だろう」
「金利に対する忍耐強いアプローチは、経済を評価する時間を与えるだろう」
「インフレに対するリスクは現在、上振れに傾いている」
「金融政策は現在、適度に抑制的」
「経済は好調で、雇用市場は堅調」
12日00:04 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「政策調整を急ぐ必要はない」
「政策はリスクや不確実性に対処するのに適切」
「米経済は総じて好調」
「経済が好調を維持し、インフレが2%に向かわなければ、政策をより長期間維持できる」
「労働市場が予想外に弱まるか、インフレが予想よりも急速に低下すれば緩和可能」
「大手銀行の資本水準はおおむね適正」
「長期金利が高い理由は金融政策と関係がない」
「景気後退ではない」
「インフレ対策をさらに進めたい」
「FRBは長期金利をコントロールできない」
「金利を引き下げれば、住宅ローン金利も下がるだろう。それがいつになるかは分からない」
「貿易政策についてコメントすることはFRBの役割ではない」
「大統領がFRB理事を解任することは法律で認められていない」
「中立金利の水準は従来より有意に上昇すると予想」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 1月マネーストックM2
<海外>
○19:00 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19:30 ◎ 12月インド鉱工業生産(予想:前年同月比3.9%)
○19:30 ◎ 1月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.60%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ☆ 1月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.9%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.1%)
○24:00 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○24:00 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、米下院金融サービス委員会で金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言
○13日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○13日02:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○13日02:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○13日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○13日04:00 ◎ 1月米月次財政収支(予想:955億ドルの赤字)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.49円(前営業日比△0.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.01円(△1.34円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0361ドル(△0.0054ドル)
ダウ工業株30種平均:44593.65ドル(△123.24ドル)
ナスダック総合株価指数:19643.86(▲70.41)
10年物米国債利回り:4.53%(△0.04%)
WTI原油先物3月限:1バレル=73.32ドル(△1.00ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2932.6ドル(▲1.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日ぶりに反発。マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員が「将来も継続的な引き締めを支持」などと発言したことを受けてポンドドルが一時1.2455ドルまで上昇すると、ユーロドルにも買いが波及。英独株価指数が連日で史上最高値を更新する中、リスク・オンのユーロ買い・ドル売りも入った。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日、米上院銀行委員会で「政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」「米経済は総じて好調」などと話し、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の定例記者会見とほぼ同じ見解を示した。トランプ米政権の関税政策については「貿易政策についてコメントすることはFRBの役割ではない」として言及を避けた。市場では「パウエル議長の議会証言前にドル買いが一定程度進んでいたため、ユーロやポンドに対してドル売りが優勢となった」との声も聞かれ、前日の高値1.0343ドルを上抜けると一時1.0381ドルまで上値を伸ばした。
・ドル円は続伸。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.54%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。前日の高値152.54円を上抜けて一時152.61円まで値を上げた。
ただ、200日移動平均線が位置する152.76円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服し、152円台半ばでのもみ合いに転じた。クロス円の上昇につれた買いが入った半面、対欧州・オセアニア通貨でドル売りが進んだ影響を受けたため、相場は方向感が出なかった。
・ユーロ円も続伸。英独株価指数が連日で史上最高値を更新する中、リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり一時158.19円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。トランプ米政権の関税政策を巡る懸念から売り先行で始まったものの、決算内容が好感されたコカ・コーラなど一部主力株に買いが入ると上げに転じた。「中国のアリババ集団と提携し、同国のスマートフォン向けに人工知能(AI)サービスを提供する」と伝わったアップルも買われ、相場を下支えした。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。テスラが6%超急落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入品に25%の関税を課すことを決定したことを受けて、インフレ再燃への警戒が高まった。パウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を改めて示したことも相場の重し。
・原油先物相場は3日続伸。中東を巡る地政学リスクが依然として相場を下支えしたほか、ロシアの1月生産量が石油輸出国機構(OPEC)プラスの割り当てを下回ったとの報道も供給懸念につながった。
・金先物相場は3日ぶりに小幅反落。前日に史上最高値を更新した後とあって利益確定目的の売りが出やすかった。一方で、トランプ米大統領の関税政策を巡る貿易紛争への懸念もあり、安全資産とされる金の需要が意識されたことから下値も限られた。
11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.54%台まで上昇したことで一時152.61円まで上昇した。ユーロドルは、一時1.0381ドルまで上値を伸ばした。ユーロ円は、英独株価指数が連日で史上最高値を更新する中、リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり一時158.19円まで値を上げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領による鉄鋼・アルミニウムへの25%の関税賦課やパウエルFRB議長の議会証言でのタカ派的な見解を受けて底堅い展開が予想される。
ドル円の攻防の分岐点としては、200日移動平均線が控える152.75円になっている。
トランプ米大統領が、昨日、米国に輸入される全ての鉄鋼・アルミニウムへの25%の関税賦課の大統領令に署名したことで、物価上昇圧力への警戒感からドル買い要因となっている。今後は、貿易相手国が米製品に課しているのと同率の関税が賦課される相互関税の詳細を見極めることになる。
パウエルFRB議長の上院銀行委員会での議会証言では、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的据え置きの時と同様の見解、すなわち、利下げを急ぐ必要はない、ことが再表明された。
本日は、米1月消費者物価指数(CPI)を確認した後、パウエルFRB議長の米下院金融サービス委員会での議会証言を待つことになる。
トランプ米大統領は、米国の通商政策面で公約の実現を打ち出しつつあるが、米連邦準備理事会(FRB)への利下げ圧力に関しては、パウエルFRB議長を屈服させることは困難だと思われる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、追加利下げ(-0.25%=4.00-25%)の時期は7月米連邦公開市場委員会(FOMC)のままであり、12月末時点を見据えても1回の利下げに留まっている。
ドル円の上値を抑える要因としては、日銀による中立金利水準1.0%に向けた追加利上げ観測、トランプ米大統領による対日貿易赤字を削減したい意向などが挙げられる。
ベッセント米財務長官は、日米首脳会談の前に、おそらく日本を念頭に置いた発言だと思われるが、貿易黒字国に対し為替レートや金利抑制がその要因となっている国もある、と述べていた。トランプ米政権による対日貿易赤字削減の具体策にも警戒しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39080 +320 (+0.82%)
TOPIX先物 2748.0 +18.5 (+0.67%)
シカゴ日経平均先物 39070 +310
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
11日の米国市場はNYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。トランプ米大統領は10日、鉄鋼やアルミニウム製品の輸入に対し25%の関税を課す大統領令に署名した。トランプ政権の関税政策を巡る懸念により売りが先行し、NYダウの下落幅は一時150ドルを超える場面もあった。また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が11日の米連邦議会上院での議会証言で、改めて政策金利の調整を急ぐ必要はないとの見解を示したことも重荷となった。ただし、2024年10-12月期決算が市場予想を上回ったコカ・コーラ<KO>が買われたほか、アリババ<BABA>と提携し、中国でAIサービスを提供すると報じられたアップル<AAPL>など主力株の一角に買いが入り、NYダウは上昇に転じた。
NYダウ構成銘柄では、コカ・コーラやアップルのほか、IBM<IBM>、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、シェブロン(CVX)が上昇。半面、エヌビディア<NVDA>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、セールスフォース<CRM>、マイクロソフト<MSFT>、シスコシステムズ<CSCO>が売られた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比310円高の3万9070円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円高の3万8820円で始まり、3万8760円と日中比変わらずの水準まで軟化する場面もみられた。ただし、11日の米国市場の取引開始後にリバウンド基調が強まり、節目の3万9000円を回復。終盤にかけて3万9080円まで上げ幅を広げ、ナイトセッションの高値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。為替市場で円相場は1ドル=152円台半ばと円高・ドル安の進行が一服したことも支えになりそうだ。日経225先物はナイトセッションと祝日取引ではボリンジャーバンドの-1σ(3万8670円)を上回って推移し、75日移動平均線(3万9020円)を上回って終えた。3万9000円処での底堅さがみられるようだと、25日線(3万9170円)を試す可能性があるだろう。
もっとも、トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウム製品の輸入に対し、25%の関税を課す大統領令に署名したほか、今後は自動車などへの関税引き上げを検討するとも明らかにしており、トランプ政権の関税政策を巡る不透明感が拭えないなかでは、積極的なロングは限られそうである。25日線水準では戻り待ち狙いのショートが入りやすいとみておきたい。
そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格である、3万8750円から3万9250円のレンジを想定。25日線水準での上値の重さが意識される局面では、-1σと75日線辺りでの推移になりそうだ。
11日の米VIX指数は16.02(10日は15.81)に上昇した。一時16.42まで上昇する場面もみられたが、75日線(16.48)、25日線(16.65)が抵抗となり、前日までの調整で割り込んだ200日線(16.24)を下回って終えている。トランプ政権の関税政策が警戒されるものの、過度なリスク回避姿勢は強まらないだろう。
10日のNT倍率は先物中心限月で14.20倍(7日は14.16倍)に上昇した。200日線(14.22倍)が抵抗線として意識されている状況は変わらない。ただし、トランプ関税の影響が輸出関連株を手掛けづらくさせる半面、AI関連投資によるテック株への物色が意識されやすく、目先的には200日線突破からのNTロングでのスプレッド狙いの動きを想定しておきたい。
昨日のドル円は、アジア時間から152.00円を挟んだもみ合いが続くなか、欧州時間に入ってEU高官から「米国への対応措置を取る」との発言が相次いだことからクロス円中心に下落。一時151.65円まで値を下げる場面も見られましたが、米10年債利回りが4.5454%まで上昇幅をひろげるにつれて次第に下値を切り上げる展開に。前日10日の高値152.54円を上抜けて一時152.60円まで値を上げました。その後の下押しも152.25円までにとどまると引けにかけては152.61円まで高値を更新してNY市場を終えています。
そして、休場明けとなった本日の東京市場ですが、依然として米系短期筋のショートカバーが先行。本邦実需の買いも断続的に観測されると昨日高値や200日MAが位置する152.75円、6日の高値152.89円、更には一目転換線の153.41円も上抜けて一時153.49円まで値を上げているといったところです。
市場では先週末にかけて「日銀のタカ派転向による早期追加利上げ観測」と言ったシナリオが台頭。先週末にもお伝えしたように、海外勢を中心とした「日銀の最もタカ派の私見」をメインシナリオに見立てた、表面的には仕掛けやすい材料とはなったものの、その一方でかなりのシナリオリスクを含んだネタでの短期勝負だったことも明らか。一目雲や200日MAの下抜けといったチャート的要因も重なった1週間は、今夜の米CPIを前にしたポジション調整によって、振り出しに戻されようとしています。
いずれにしても、昨日もパウエルFRB議長が米上院銀行委員会での半期に一度の議会証言で述べているように、米金融政策は一連の利下げフレーズが終わり、新たな調整フレーズに入っているわけで、金融調整、つまり、次の利下げを「まったく急ぐ必要がない」状況であることは明らか。日銀の金融調節については、これもこれまで何度もお伝えしているように、市場とのコミュニケーション障害を起こしている現状では、「だれもその先は確認のしようがない」のも明らか。決め打ちを伴う仕掛けが短命に終わるのも無理はありません。
ドル円は目先、確固たる本邦勢の実需に支えられながら、ポジションの偏りをただす動きとなっていますが、一目雲下限が位置する153.60円や今回の下落局面で大きくSLを誘発した1月27日の安値153.72円が戻りの目処として意識されています。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円高の3万8880円(+0.30%)前後で推移。寄り付きは3万9080円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9070円)にサヤ寄せする形から、買いが先行で始まった。ただし、寄り付き直後につけた3万9130円を高値に軟化し、中盤にかけて一時3万8830円まで上げ幅を縮める場面もみられた。終盤にかけて3万8970円まで買い直されたものの節目の3万9000円を捉えられず、3万8900円辺りでの推移となった。
日経225先物は買いが先行したものの、25日移動平均線(3万9160円)に上値を抑えられる形から軟化し、75日線(3万9010円)をキープできなかった。ただし、下値を積極的に売り込む流れともならず、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8660円)を上回って推移している。為替市場では円相場が1ドル=153円台半ばと円安に振れて推移しているが、トランプ関税への警戒からトヨタ自動車<7203.T>[東証P]など輸出関連株の一角が売られており、積極的なロングは限られているようだ。25日線突破を狙ったロングは期待しづらく、節目の3万9000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.27倍に上昇した。一時14.21倍と上昇して始まり、ほどなくして抵抗線として意識されていた200日線(14.22倍)を突破した。ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が日経平均型を牽引しており、抵抗線突破でNTショートを巻き戻す動きが強まった。
「対日貿易赤字を解消したい」(トランプ米大統領)
昨年秋に米財務省が公表した「為替報告書」では、日本は、対米貿易黒字額と経常黒字額の2条件合致により「監視対象リスト」に入っている。
そして、円安の要因としては、日本銀行の金融緩和策による日米金利差が挙げられていた。
1.ベッセント米財務長官
ベッセント米財務長官は、2月7日の日米首脳会談に先立ち、5日に植田日銀総裁との電話会談を行った。
そして、6日には、「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」と述べていた。
トランプ米大統領は、7日の石破首相との日米首脳会談の後、「対日貿易赤字を解消したい」と述べている。
一連のトランプ米政権の発言からは、対日貿易赤字を解消するために、ドル高・円安を抑えたい、そのためには、円安の要因でもある低金利を解消してほしい、という要請がくみ取れる。
バイデン政権のイエレン米財務長官は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入には、否定的だったが、トランプ政権のベッセント米財務長官は、日米貿易不均衡の是正に繋がる円買い介入には、肯定的なのかもしれない。
2.為替政策報告書
為替政策報告書は、米国との取引を通じて米国経済に害をなす可能性のある国を「監視リスト対象国」もしくは「為替操作国」に分類して、必要に応じて米議会に制裁措置を促している。
「米国にとって害をなす」とは、自国通貨安誘導によって対米貿易黒字を積み上げる国、競争力上、米国にとって脅威となる国がリストアップされてきている。
為替操作国の認定を行うに当たり、3つの基準を満たした場合は、「為替操作国」と認定し、2つに抵触した場合、「監視対象国リスト」に認定している。
【為替操作国・監視対象国の判断基準】
1)財の対米貿易黒字:150億ドル以上
2)経常黒字額:対国内総生産(GDP)比3%以上
3)過去12カ月の外貨購入(介入):対GDP比2%以上
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ米大統領による欧州への自動車関税への警戒感が高まる中、エルダーソンECB専務理事のターミナルレート(利下げの最終到達点)への言及に注目することになる。
トランプ米大統領が、鉄鋼とアルミニウム輸入への25%関税賦課を発表した後、ラガルドECB総裁は、欧州議会での証言で、「ユーロ圏におけるディスインフレのプロセスは順調に進行している。世界的な貿易摩擦の増大は、域内のインフレ見通しをより不確実にするだろう」と警戒感を示していた。
本日講演予定のエルダーソンECB専務理事は、先日、「ECBはまだ金利引き下げを終えていないが、今後の政策緩和の時期と規模は未確定」と述べていた。
先日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、複数の高官が3月理事会では、中立金利水準(1.75%~2.50%)の上限までの追加利下げを示唆しており、エルダーソンECB専務理事の見解に注目しておきたい。
ポンドドルは、タカ派のグリーンMPC委員の講演に注目しておきたい。
昨日は、タカ派からハト派に転向していたマン英中銀委員が、インフレ抑制に向けた引き締めの必要性を強調したことで、英中銀の3月利下げの期待を若干後退させて、ポンドドルの買い戻しに繋がった。
マン英中銀委員は、ハト派への転向と思われた0.5%の大幅利下げを主張したことに関しては、連続利下げを望んでいるとか3月にも同様の投票を行うという意味ではない、と釘を刺している。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0442ドル(2/5高値)
・ユーロ円:159.85円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.2515ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンド円:192.30円(日足一目均衡表・基準線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0292ドル(2/11安値)
・ユーロ円:155.61円(2/10安値)
・ポンドドル:1.2325ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:187.06円(2/7安値)
ドル円:1ドル=153.53円(前営業日NY終値比△1.04円)
ユーロ円:1ユーロ=159.04円(△1.03円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0358ドル(▲0.0003ドル)
日経平均株価:38963.70円(前営業日比△162.53円)
東証株価指数(TOPIX):2733.33(△0.33)
債券先物3月物:139.79円(▲0.23円)
新発10年物国債利回り:1.340%(△0.030%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月マネーストックM2
前年同月比 1.3% 1.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は買い優勢。特段円売りを促す材料はなかったが、今晩の1月米消費者物価指数(CPI)の発表を前に持ち高を調整する円売り・ドル買いが活発化した。休場明けの本邦実需勢から買いが観測されたこともあり、上値を試す展開に。一時153.73円まで買い上げられた。
なお、植田日銀総裁は衆院・財務金融委員会で「これまでのところ、こうした利上げの幅による政策決定は適切だった」「今後とも情勢をきちんと見極めて適切な金融政策を実行していきたい」などと述べたが、相場への影響は限られた。
・ユーロ円も買い優勢。東京序盤から円が独歩安となった流れに沿った。ユーロ円は一時159.31円まで上昇したほか、ポンド円は191.39円、豪ドル円は96.87円、カナダドル円は107.59円まで大きく値を上げた。
・ユーロドルは小動き。円絡みの取引が相場の中心となったため、ユーロドル自体は1.0360ドルを挟んでこう着している。
・日経平均株価は続伸。昨日のダウ平均が上昇した影響を受けて値嵩株の一角などに買いが入った。半面、トランプ政権による関税引き上げへの警戒感も根強く、下げに転じる場面もあった。
・債券先物相場は3日続落。昨日の米国債が売られた流れを引き継いで売りが先行。日銀の早期利上げ観測も相場の重しとなり、一時139.76円まで下値を広げた。
大阪3月限
日経225先物 39000 +240 (+0.61%)
TOPIX先物 2740.0 +10.5 (+0.38%)
日経225先物(3月限)は前日比240円高の3万9000円で取引を終了。寄り付きは3万9080円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9070円)にサヤ寄せする形から、買いが先行で始まった。寄り付き直後につけた3万9130円を高値に軟化し、前場中盤にかけて3万8830円まで上げ幅を縮めた。
前場終盤にかけて3万8970円まで買い直されたものの節目の3万9000円を捉えられず、ランチタイムで軟化し、現物の後場開始直後には3万8800円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、後場はショートカバーとみられる動きが優勢となり、終盤にかけて上げ幅を広げ、節目の3万9000円を回復した。
日経225先物は買いが先行したものの、25日移動平均線(3万9160円)に上値を抑えられる形から軟化し、75日線(3万9010円)をキープできなかった。ただし、下値を積極的に売り込む流れともならず、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8660円)を上回って推移。後場は終盤にかけての切り返しにより、75日線水準を捉える形だった。
為替市場では円相場が1ドル=153円台半ばと円安に振れて推移しているが、トランプ関税が警戒されてトヨタ自動車<7203.T>[東証P]など輸出関連株の一角が売られており、積極的なロングは限られていた。25日線突破を狙ったロングは期待しづらい状況であったが、大引け後に決算発表を控えていたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が日経平均型を牽引する形だった。
また、アドバンテスト<6857.T>[東証P]も引けにかけて上げ幅を広げたほか、ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]、フジクラ<5803.T>[東証P]、エムスリー<2413.T>[東証P]の5銘柄で日経平均株価を250円超押し上げる形だった。
この影響により、NT倍率は先物中心限月で14.23倍(10日は14.20倍)に上昇した。一時14.29倍まで切り上がる動きとなり、一時25日線(14.29倍)を捉える場面もみられた。同線に上値を抑えられる形から上げ幅を縮めたが、これまで上値を抑えられていた200日線(14.22倍)を上回ってきた。同線を明確に上抜けてくるようだと、NTショートを巻き戻す動きが強まることになろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4267枚、ソシエテジェネラル証券が1万0955枚、サスケハナ・ホンコンが3884枚、SBI証券が2514枚、JPモルガン証券が1991枚、バークレイズ証券が1607枚、野村証券が1164枚、日産証券が1096枚、モルガンMUFG証券が898枚、楽天証券が625枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券2万0471枚、ソシエテジェネラル証券が1万7240枚、バークレイズ証券が6502枚、モルガンMUFG証券が4334枚、JPモルガン証券が4163枚、ゴールドマン証券が3393枚、HSBC証券が2917枚、みずほ証券が1919枚、ビーオブエー証券が1894枚、UBS証券が1515枚だった。
植田日銀総裁が、衆議院財務金融委員会に本日出席するもよう。なお、総裁の答弁は10時5分過ぎになる予定。
UBS証券では、石破首相とトランプ米大統領の首脳会談に関して、日本にとって成果があったと評価。会談が成功したと受け止められていることから石破首相の支持率が低下する可能性は低く、むしろ上昇することも考えられるとコメントしている。石破政権は少数与党政府で、国会では25年度予算案を通過させる課題に直面している。UBSでは、7月の参院選までは政治面での不透明感が強く残るとしながらも、首脳会談の成功は少なくとも当面、石破首相にとって追い風になると考えている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、「トランプ政権下での相場は荒れやすい」といったイメージが強いが、この点についての検証を行っている。1995年から昨年までの「S&P500指数の前日比変化率の年間平均値」を見ると、「リーマンショック」や「コロナショック」といった10年に一度クラスのリスクイベント時には平均値が1%を超えていた。一方で、第1次トランプ政権時の4年間(2017~2020年)では、任期最終年こそ「コロナショック」の影響を受けたものの、それまでの3年間は総じて穏やかな相場であったとのこと。「トランプ大統領=ボラティリティ上昇」というのは直感的には受け入れやすいが、それが必ずしも正しくないことは認識しておきたいと東海東京ではコメントしている。
UBSは最新リポートで、中国本土系銀行セクターについて、ここ2週間に市場の関心が人工知能(AI)や大規模言語モデル「DeepSeek」に集まっていることから、投資マネーの移動で株価が振るわなかったと指摘した。ただ、トランプ米政権の貿易政策がもたらす不確実性などから、本土系銀行など高配当株がアウトパフォームする可能性があるとした。『AAストックス』が12日伝えた。
UBSは、10日までに本土系銀行株16銘柄が2024年12月本決算の業績速報を発表しており、24年10-12月期の経常収益と税引き後純利益が軒並み改善したと指摘。なかでも招商銀行(03968)、中信銀行(00998)、江蘇銀行(600919)の利益の改善がもっとも顕著だったと評価した。
個別では、中国建設銀行(00939)、中国工商銀行(01398)、中信銀行を選好。高い配当利回りや、合理的なバリュエーション、安定した財務パフォーマンスを理由に挙げた。強気相場では上昇余地が大きいとして招商銀行も有望視。また、地域銀行では重慶農村商業銀行(03618)を選好し、25年予想配当利回りが6.9%に達している上、バリュエーションが高くなく、ファンダメンタルズも改善が期待できるとした。UBSによる最新レーティングは次の通り。
※銘柄名、投資判断、目標株価(HKドル)
■招商銀行(03968)、買い、45.5
■中信銀行(00998)、買い、6.1
■中国建設銀行(00939)、買い、7.4
■中国銀行(03988)、買い、4.7
■重慶農村商業銀行(03618)、買い、5.05
本日のニューヨーク為替市場では、序盤に発表される1月米消費者物価指数(CPI)を受けた米金利の動きがまず注目される。その後にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、本日は米下院金融サービス委員会で証言予定。もっとも、昨日にも上院銀行委員会の公聴会で話しており、相場を驚かすような内容は出てこなさそうだ。それよりも、NY午後の米10年債入札結果でドル相場が動意付くことがあるかもしれない。
1月米CPIは前年比総合が2.9%上昇と前回から横ばい予想と、3カ月連続で加速した後に一服感がでそうだ。一方、前年比コアが3.1%上昇と前回から0.1ポイント鈍化が見込まれている。こちらは予想通りであれば、2021年春以来の低い伸び率となる。
次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月18-19日に開催予定。その約3週間前に1月PCEデフレーター、1週間ほど前には2月CPIと重要インフレ指標が発表される。昨日のパウエルFRB議長の発言でも、追加利下げを急ぐ必要なしが確認されており、本日の結果が政策スタンスに大きな影響を与えることはないだろう。
しかしながら、トランプ大統領の目指す政策がインフレ圧力を高めるとの見方が根強いなか、政策実行前のCPIが上振れるようだと市場はより敏感に反応しそうだ。今後のインフレ加速への警戒感から米金利先高観が強まるようだと、アジア時間に見られたドル買い円売りの動きが更に進むかもしれない。
ほか本日は、前述した米財務省による10年債入札やボスティック米アトランタ連銀総裁講演も予定されている。また、市場は免疫が徐々につきつつあるが、トランプ米大統領の金融・経済関連の発言には注意しておきたい。
想定レンジ上限
・ドル円、90日移動平均線153.93円を超えると21日移動平均線154.52円が次の目標値。
想定レンジ下限
・ドル円、200日移動平均線152.75円を下抜けても本日安値152.38円辺りで支えられるか。
今晩は米1月消費者物価指数(CPI)に注目。
昨日はトランプ大統領が鉄鋼やアルミに25%の関税を課すとしたことで貿易摩擦懸念が強まる中、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米上院銀行委員会で利下げを急ぐ必要がないと証言したことで米10年債利回りが上昇し、ハイテク株主体のナスダック総合は0.36%安と反落した。一方、ダウ平均はコカ・コーラやアップルの上昇を支援に123.24ドル高(+0.28%)と2日続伸し、S&P500も0.03%高とわずかながら2日続伸した。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される米1月消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。昨日のパウエルFRB議長発言を受けて利下げ期待がさらに後退し、CMEのフェドウォッチ・ツールの6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は1週間前の64%から49%に低下した。
今晩の1月CPIは前月比+0.3%と12月の+0.4%から鈍化が予想され、前年比では+2.9%と12月から横ばいが見込まれている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%と12月の+0.2%から上昇が予想されているが、前年比では+3.1%と12月の+3.2%から鈍化が見込まれている。1月CPIの伸びが鈍化を示す結果となれば年内の利下げ期待の高まりが米国株の追い風となることが期待される。
今晩の米経済指標・イベントは1月CPIのほか、MBA住宅ローン申請指数、パウエルFRB議長議会証言(下院金融サービス委員会)、EIA週間原油在庫、米10年債入札など。決算発表は寄り前にクラフト・ハインツ、CVSヘルス、バイオジェン、引け後にシスコ・システムズなどが発表予定。
日経平均株価は続伸。堅調なスタートとなったが、一目均衡表の雲下限(39055円 2/12)や転換線(39041円 同)などに上値を抑えられる格好となった。一方、買い一巡後は寄り付きで開けたマドを埋め戻す動きとなったが、下値買い意欲も強く5日移動平均線(38889円 同)上を回復して取引を終えた。
RSI(9日)は前日の45.5%→39.8%(2/12)へ低下。あすも上昇のハードルは高くなるが、短期的な見方に大きな変化はない。1/24高値(40279円)からの二段下げ目にあるが、もみ合いながら値固めが進行中。1月安値を保った状態で25日移動平均線(39164円 同)上を回復できれば、1/31高値(39681円)超えにつながる公算が大きい。
上値メドは、25日移動平均線、1/31安値(39458円)、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(38630円 同)、心理的節目の38500円、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)などがある。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.632%、応札倍率(カバー)が2.48倍となった。
(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.35円(12日15時時点比△0.82円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.92円(△1.88円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0426ドル(△0.0068ドル)
FTSE100種総合株価指数:8807.44(前営業日比△30.05)
ドイツ株式指数(DAX):22148.03(△110.20)
10年物英国債利回り:4.543%(△0.035%)
10年物独国債利回り:2.477%(△0.047%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は上昇した。米重要指標の発表を控えてしばらくは153円台半ばでのもみ合いが続いていたが、1月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.5%/前年比3.0%と予想の前月比0.3%/前年比2.9%を上回り、エネルギーと食品を除くコア指数も前月比0.4%/前年比3.3%と予想の前月比0.3%/前年比3.1%より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で「今日のデータはインフレ目標は近いが、まだ到達していないことを示している」「関税を理由に政策金利を変更せざるを得なくなる可能性も」などと述べたことも相場の支援材料となり、一時154.80円まで値を上げた。
ただ、買い一巡後は若干伸び悩んだ。米長期金利の上昇が一服した影響を受けたほか、市場では「一目均衡表基準線が位置する154.90円や節目の155.00円がレジスタンスとして意識されている」との声が聞かれた。
・ユーロドルは底堅い動き。1月米CPIの上振れをきっかけに全般ドル買いが先行すると一時1.0317ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0292ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。「欧州連合(EU)の貿易担当委員は米国と関税問題の解決を巡り協議する」との一部報道が伝わると、欧米貿易摩擦に対する過度な懸念が後退。全般ユーロ買いが加速した。
その後、トランプ米大統領が自身のSNSに「プーチン露大統領と本日、電話会談を実施し、ウクライナでの戦争を終結させるための協議を開始することで合意」「互いの国を訪問することを含め、非常に緊密に協力することで合意」と投稿すると、さらにユーロ買いが強まり一時1.0430ドルまで上値を伸ばした。
・ユーロ円は底堅い動き。しばらくは159円台前半でのもみ合いが続いていたが、米物価指標の上振れをきっかけにドル円が上昇するとユーロ円にも買いが波及した。そのあとは米関税を巡り、「EUが米国との交渉による解決策を模索している」と報じられたほか、「米露首脳はウクライナ停戦交渉開始で合意」と伝わり全般ユーロ買いが活発化。3時過ぎには160.97円と1月31日以来の高値を更新した。
・ロンドン株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。1月米CPIの上振れをきっかけに米株価指数先物が急落すると英株にも売りが出たものの、引けにかけては買い戻しが優勢となり上げに転じた。もっとも、指数は史上最高値圏での推移が続いていることから、利益確定目的の売りも出やすく上値は限定的だった。
・フランクフルト株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。米重要指標の発表を控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、1月米CPIの上振れをきっかけに米株価指数先物が急落すると独株にも売りが出た。ただ、引けにかけては買い戻しが優勢となり上げに転じた。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
12日の日経平均は続伸。終値は162円高の38963円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり851/値下がり743。古河電工や住友電工など電線株が買いを集めており、フジクラは全市場の売買代金トップとなる大商いで10%を超える上昇。決算を材料にSBが大幅高となり、決算発表前のソフトバンクGにも資金が向かった。指数が最高値を更新したスタンダード銘柄では、「継続企業の前提に関する注記」の記載解消が好感されたメタプラネットが急騰。三井物産と北米市場向け基板ECを新規開設すると発表したピーバンドットコムがストップ高となった。
一方、日産自動車が5%を超える下落。台湾鴻海が日産に対して買収ではなく提携の方向で検討していると伝わったことが売り材料となった。川崎重工やIHIなど防衛関連の一角が軟調。前日ストップ高のDeNAは買いが先行したものの、失速してマイナス圏に沈んだ。決算では前期計画未達のクラレや3Qが市場の期待に届かなかった大阪ソーダなど、化学セクターの銘柄が厳しい下げとなった。
日経平均は続伸。高く始まって失速したが、マイナス圏に沈んだところですぐに切り返しており、売りづらさは印象づけられた。グロース250指数はきょうで6日続伸、スタンダード指数は最高値を更新と、中小型株には引き続き流れが来ている。グロース250指数のきょうの高値は693.22pで、昨年7月の戻り高値697.56pに迫ってきた。同水準や節目の700pを早々に上回るようなら、そのことが新興銘柄の復活に対する期待を一段と高める材料にもなり得る。
本日、米国では1月の消費者物価指数(CPI)が発表される。足元では米国の10年債利回りが高値圏で推移している。日本の新興銘柄は足元では米金利上昇を気にするような動きを見せてはいないが、昨年は長期金利の動向に神経質になることも多かった。CPIが弱めの結果となって米金利が低下し、米国株の上昇を呼び込むというのが日本株には理想的な流れ。一方、CPIが強く米金利が上昇するようだと、日本のグロース株にも逆風となる。この際に大型グロースだけが嫌われるのであれば足元の地合いに変化はないだろうが、新興グロースが大きく下げるようだと日本株全体では手詰まり感が出てくる恐れがある。グロース250指数の強い基調が続くかどうか、あすの値動きが大きく注目される。
一部通信社が報じたところによると、「通商担当欧州委員は米国と関税問題の解決巡り協議する」ようだ。
一部通信社が報じたところによると、「トランプ米大統領とプーチン露大統領は本日、電話会談を実施し、ドルやエネルギー、ウクライナについて協議した」もよう。
一部通信社が報じたところによると、「トランプ米大統領とプーチン露大統領は本日、電話会談を実施し、ウクライナ停戦に向けて協議を開始することで合意した」もよう。
12日05:44 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「現在の政策スタンスはやや景気抑制的」
「2025年のインフレ率は2.5%前後、今後数年で2%へ」
12日22:00 トランプ米大統領
「金利は低下すべきだ」
13日00:18 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「ディスインフレのプロセスは概ね順調に進んでいる」
「金融引き締め策の解除には慎重かつ段階的なアプローチを維持するのが適切」
13日00:44 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「米政府効率化省(DOGE)とは連絡を取っていない」
「トランプ大統領に求められても辞任しない」
「金融政策のルールには非常に慎重になる」
「米国債の流動性には幾分か懸念を抱いている」
「バランスシートの縮小にはまだまだ時間がかかるだろう」
「経済は非常に強いが見通しは不透明」
「今日のデータはインフレ目標は近いが、まだ到達していないことを示している」
「関税を理由に政策金利を変更せざるを得なくなる可能性も」
「インフレのさらなる進展を確認したい」
「昨年はコアインフレの進展があまり見られなかった」
13日02:43 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「労働市場は驚くほど好調」
「最新のインフレ率は、依然として慎重な監視が必要であることを示唆」
「FRBは十分な情報が得られるまで行動しない」
「関税の議論には多くの変動要素がある。影響は最終的に詳細次第」
「経済が予想通りであれば、2026年初頭にインフレ率は2%」
「インフレ率が2%に達した後、FRBは中立金利を維持すると予想」
13日02:45 ナーゲル独連銀総裁
「中立金利に近づくほど段階的なアプローチがより適切になる」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 1月企業物価指数(予想:前月比0.3%/前年比4.0%)
<海外>
○07:05 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○09:01 ◇ 1月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:27)
○16:00 ◎ 1月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.2%/前年比2.3%)
○16:00 ☆ 12月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
○16:00 ☆ 10-12月期英GDP速報値(予想:前期比▲0.1%/前年比1.1%)
○16:00 ◎ 12月英鉱工業生産(予想:前月比0.2%/前年比▲2.1%)
○16:00 ◎ 12月月英製造業生産高(予想:前月比▲0.1%)
○16:00 ◇ 12月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:184.00億ポンドの赤字/40.00億ポンドの赤字)
○16:00 ◇ 12月トルコ経常収支(予想:40.0億ドルの赤字)
○16:30 ◎ 1月スイスCPI(予想:前月比▲0.1%)
○17:40 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.6%/前年比▲3.1%)
○21:00 ◎ 12月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比3.5%)
○22:30 ◎ 1月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比3.2%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.3%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/188.0万人)
○14日02:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○14日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.42円(前営業日比△1.93円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.33円(△2.32円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0383ドル(△0.0022ドル)
ダウ工業株30種平均:44368.56ドル(▲225.09ドル)
ナスダック総合株価指数:19649.95(△6.09)
10年物米国債利回り:4.62%(△0.09%)
WTI原油先物3月限:1バレル=71.37ドル(▲1.95ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2928.7ドル(▲3.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 2.3% 2.2%
1月米消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.5% 0.4%
(前年同月比) 3.0% 2.9%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比) 0.4% 0.2%
(前年同月比) 3.3% 3.2%
1月米財政収支
1286億ドルの赤字 867億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。米労働省が発表した1月米消費者物価指数(CPI)が総合・コア指数ともに予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で「今日のデータはインフレ目標は近いが、まだ到達していないことを示している」「関税を理由に政策金利を変更せざるを得なくなる可能性も」と述べたことも相場の支援材料となり、一時154.80円まで値を上げた。
ただ、買い一巡後は若干伸び悩んだ。米長期金利の上昇が一服した影響を受けたほか、市場では「一目均衡表基準線が位置する154.90円や節目の155.00円がレジスタンスとして意識された」との声が聞かれた。
・ユーロドルは小幅ながら続伸。1月米CPIの上振れをきっかけに全般ドル買いが先行すると一時1.0317ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0292ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。「欧州連合(EU)の貿易担当委員は米国と関税問題の解決を巡り協議する」との一部報道が伝わると、欧米貿易摩擦に対する過度な懸念が後退し、ユーロ買いが加速した。
その後、トランプ米大統領が自身のSNSに「プーチン露大統領と本日、電話会談を実施し、ウクライナでの戦争を終結させるための協議を開始することで合意」「互いの国を訪問することを含め、非常に緊密に協力することで合意」と投稿すると、ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぎ、一時1.0430ドルまで上値を伸ばした。
ただ、5日に付けた直近高値の1.0442ドルがレジスタンスとして意識されると1.0381ドル付近まで押し戻された。
・ユーロ円は大幅に3日続伸。米物価指標の上振れをきっかけにドル円が上昇するとユーロ円にも買いが波及。そのあとは米関税を巡り、「EUが米国との交渉による解決策を模索している」と報じられたほか、「米露首脳はウクライナ停戦交渉開始で合意」と伝わり全般ユーロ買いが活発化。3時過ぎには160.97円と1月31日以来の高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。1月米CPIが予想を上回ると、FRBが当面の間、政策金利を据え置くとの見方が拡大。米長期金利が急上昇し、株式の相対的な割高感が意識され売りが膨らんだ。ただ、そのあとは米関税を巡り、「EUが米国との交渉による解決策を模索している」と報じられたほか、「米露首脳はウクライナ停戦交渉開始で合意」と伝わり下げ渋った。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅続落。1月米CPIが予想を上回ると、FRBの追加利下げ観測が一段と後退し債券売りが広がった。
・原油先物相場は4日ぶりに反落。米原油在庫の大幅積み増しが相場の重しとなったほか、ウクライナ情勢を巡って停戦協議への期待が高まったことも供給懸念の後退を意識した売りにつながった。
・金先物相場は続落。1月米CPIが予想比上振れしたことで、米利下げ観測が後退。米長期金利が上昇すると、金利を生まない資産である金に売りが出た。一方で、トランプ米政権の関税政策を巡る懸念はくすぶっており、安全資産としての金需要が下値を支えた。
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、1月米消費者物価指数(CPI)が総合・コア指数ともに予想を上回ったことで、米長期金利の上昇とともに、154.80円まで上昇した。ユーロドルはウクライナ停戦合意への期待感から、1.0317ドルから1.0430ドルまで上昇した。ユーロ円も160.97円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ関税やウクライナ停戦合意期待による買い戻しの射程を見極める展開が予想される。
昨日のドル円は154.80円まで上昇しており、年初来の高値158.87円(1/10)から安値150.93円(2/7)までの下落幅の半値戻しである日足一目均衡表・基準線154.90円に迫っている。今後は、「半値戻しは全値戻し」という相場格言を念頭に155円台を回復するのか否かを見極めていくことになる。
8時50分に発表される1月企業物価指数(予想:前月比+0.3%/前年比+4.0%)では、輸入物価指数を確認しておきたい。昨年9月には前年比-2.6%だったが、12月の段階では同比+1.0%まで上昇しており、かつて植田日銀総裁が懸念を表明していた円安による輸入物価指数の高止まりという状況ではないものの、円相場水準に対応した現在位置の確認をしておきたい。
昨日発表された米1月消費者物価指数(CPI)の前月比+0.5%が2023年8月以来の大幅な伸び率だったことで、米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ時期がさらに後退している。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、追加利下げ(-0.25%=4.00-25%)の時期は10月FOMCまで先送りされており、12月末時点でのターミナルレート(利下げの最終到達点)はこの水準に留まっている。
一方で、日銀の追加利上げのターミナルレートは、先日のタカ派の田村日銀審議委員によると中立金利水準の1.0%程度となっており、年末時点の日米政策金利の格差は、3%程度となっている。
トランプ米大統領は、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、「金利は引き下げられるべきだ。それは今後の関税と歩調を合わせることになる」と利下げを要求した。しかし、パウエルFRB議長は、一切コメントしないと回答し、「政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」というこれまでの見解を繰り返している。
トランプ米大統領のトランプ関税がインフレ期待を押し上げており、ドル高が輸入物価を抑制する構図となっているため、第1次トランプ米政権でのドル安・金利低下の目論見からは乖離しつつある。
また、昨日は、トランプ米大統領がプーチン露大統領と電話会談し、ウクライナでの戦争を終結させるための協議を開始することで合意した、と報じられた。
欧州の地政学リスクの緩和に繋がることで、今後の関連ヘッドラインには注目しておきたい。
東京市場は堅調か。米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が下落した一方、ナスダックは上昇した。ダウ平均は225ドル安の44368ドルで取引を終えた。1月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、長期金利が上昇。米10年債利回りは4.6%を上回った。利下げ期待が後退する中、3指数とも序盤は弱かったが、売り一巡後は値を戻した。為替市場ではドル高・円安が一段と進行しており、ドル円は足元154円30銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて165円高の39165円、ドル建てが200円高の39200円で取引を終えた。
米国では3指数の中で長期金利上昇が最も逆風となりそうなナスダックがプラスで終えた。円安進行は日本の外需株には追い風となる。CME225先物は上振れスタートを示唆している。これらの点から、日本株はダウ平均やS&P500の下落をネガティブ視することなく、水準を切り上げると予想する。米金利上昇に対してナスダックが耐性を示したことから、新興銘柄にも引き続き資金が向かうと期待できる。売りを出しづらい地合いが醸成され、場中もしっかりとした動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは38900円-39400円。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39180 +180 (+0.46%)
TOPIX先物 2753.5 +13.5 (+0.49%)
シカゴ日経平均先物 39165 +165
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
12日の米国市場はNYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。1月の米消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除くコアCPIが前月比0.4%上昇、前年同月比では3.3%上昇と、いずれも市場予想を上回った。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待が遠のいたとの観測から米長期金利が上昇し、売り優勢の展開となり、NYダウの下落幅は一時500ドルに迫る場面もみられた。
ただし、トランプ米大統領がロシアのプーチン大統領と電話協議を行い、ウクライナ停戦交渉開始で合意と伝わり、下げ渋った。また、ジョンソン米下院議長が、トランプ政権は自動車や製薬業界などについて相互関税の免除を検討しているとの見方を示した報じられたことも、リスク回避姿勢をやや後退させた。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ホーム・デポ<HD>、キャタピラー<CAT>が下落。半面、ボーイング<BA>、ウォルマート<WMT>、コカ・コーラ<KO>、アップル<AAPL>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比165円高の3万9165円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比10円高の3万9010円で始まり、直後に3万8890円まで売られた後に切り返し、3万9050円まで買われた。米国市場の取引開始後にショート優勢となり、一時3万8760円まで売られる場面もみられた。ただし、売り一巡後はショートカバーを交えたリバウンド基調が強まり、終盤にかけて3万9220円まで買われ、3万9180円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。為替市場で1ドル=154円台半ばと円高・ドル安の進行が一服したことも支えになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで75日移動平均線(3万9030円)近辺から始まり、一時3万8760円まで下げる場面もみられたが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8660円)が支持線として意識された。その後の切り返しで25日線(3万9130円)を上回ってきており、ショートカバーを誘う動きが見込まれる。
また、25日線水準では強弱感が対立することになりそうだが、75日線が支持線として意識されるなか、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。下値は-1σがサポートとなるため、まずはオプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格である3万8750円から3万9250円のレンジを想定。75日線での底堅さから25日線を上回って推移するようだと、+1σ(3万9600円)が射程に入ってくると考えられ、3万9000円から3万9500円のレンジに移行するとみておきたい。
12日の米VIX指数は15.89(11日は16.02)に低下した。一時17.18まで上昇し、200日線(16.25)、75日線(16.43)、25日線(16.58)を上回る場面もあった。ただし、その後の低下でいずれの移動平均線も下回って終えている。トランプ政権による関税政策が警戒されるものの、ややリスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.23倍(10日は14.20倍)に上昇した。一時14.29倍まで切り上がり、25日線(14.29倍)を捉える場面もみられた。また、終値ではこれまで上値を抑えられていた200日線(14.22倍)を上回ってきたことで、NTショートを巻き戻す動きが強まる可能性はありそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比480円高の3万9480円(+1.23%)前後で推移。寄り付きは3万9190円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9165円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万9110円を安値にリバウンド基調が強まり、中盤にかけて3万9400円台を回復。買い一巡後は3万9350円~3万9450円辺りでの保ち合いを継続するなか、終盤にかけてレンジを上抜け、3万9500円を回復した。
日経225先物は25日移動平均線(3万9140円)を上回って始まり、同線を挟んだ値動きもみられたが、早い段階で明確に上放れてきたことで、ショートカバーを誘う流れとなった。ボリンジャーバンドの+1σ(3万9620円)が射程に入ってきたことで、ショートカバーを狙ったロングの動きも強まったようである。
指数インパクトの大きいファーストリテイリング<9983.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]が日経平均株価を牽引しており、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やリクルートホールディングス<6098.T>[東証P]の下落影響を吸収した。節目の3万9500円回復で目先的な達成感は意識されそうだが、+1σが射程に入るなかでショートは仕掛けづらいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に上昇した。200日線(14.22倍)が支持線として意識されるなか、25日線(14.29倍)に接近している。75日線(14.32倍)も射程に入ってきており、NTショートを巻き戻す動きが強まりやすい。
昨日のドル円は、東京時間から米系短期勢を中心としたショートカバーが中心となったわけですが、NY時間に入って1月米CPIが予想を大幅に上回る強い数字となると、一気に踏み上げ相場の様相となりました。米10年債利回りは公表直前にトランプ米大統領が「金利は低下すべき」との不用意な発言があっただけに、一時4.5151%まで低下した矢先の急騰。4.6576%と14bpを超える急激な上昇とともに、ドル円も一気に154.80円まで買い上げられることになりました。
また、昨日はトランプ米大統領がプーチン露大統領と1時間を超える電話会談。その後にウクライナのゼレンスキー大統領とも電話会談を行ったようで、戦争終結に向けた協議を開始することで合意に至りました。プーチン露大統領とはサウジアラビアで直接会談する予定。何とも矢継ぎ早の停戦への動きとなっています。
日経平均は、リスクオフ的な動きからこのところ戻りの鈍い動きが続いていたわけですが、本日は円安のトレンドに戻った為替市場と、戦争終結に向けたテールリスクの消滅がリスクオフを一身に引き受けてしまうマゾヒスト的日経平均にとっては、ようやくかかる呪縛から解き放たれる可能性が出てきたわけで、あとは、このままではやるやる詐欺となってしまうかもしれない恒久減税の実現があるのかどうか。唯一出遅れ感の強い日経平均のレンジ上抜けへと繋がっていく可能性に為替市場としても留意する必要があるのかもしれません。
いずれにしても、ドル円は一目基準線の154.90円が目先の戻り目処。50日MAが位置する155.34円や一目雲上限の155.62円が現実的なレジスタンスレベルとして意識されています。
「米国債の投資環境は、国債の供給過剰と、景気刺激策によるインフレという2つの危険に直面している」(国際決済銀行BIS)
1. 2025会計年度(24年10月-25年9月)財政赤字:8395.58億ドル
米財務省は、2025会計年度(24年10月~25年9月)の1月の財政収支が、1286.40億ドルの赤字だったと発表した。2024年1月は219.30億ドルの赤字だったことで、赤字幅は1067.10億ドル増加した。
歳出は28.6%増の6419.35億ドル、歳入は7.5%増の5132.94億ドルだった。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の財政赤字は8395.85億ドルと、第1四半期としては過去最高を記録した。
歳入は1兆5962.34億ドル、歳出は2兆4358.18億ドルとなった。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、2024年度の連邦政府の公的債務利子が累計で初めて1兆ドルを超え、1.2兆ドルとなった。
発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
【財政赤字と対GDP比】
・2020会計年度(19年10月~20年9月):3兆1319億ドル(対GDP比15.0%)
※過去最大
・2021会計年度(20年10月~21年9月):2兆7721.79億ドル(対GDP比12.4%)
※過去2番目
・2022会計年度(21年10月~22年9月):1兆3754.81億ドル
・2023会計年度(22年10月~23年9月):1兆6952.40億ドル(対GDP比6.2%)
・2024会計年度(23年10月-24年9月):1兆8328.16億ドル(対GDP比6.4%)
2.2025年1月末債務残高:36兆2186億ドル(※米国債:29兆ドル)
米国の2025年1月末時点での債務残高は36.2186兆ドルで、2024年第4四半期国内総生産(GDP)29.70兆ドルの約123%となっている。
第2次トランプ米政権の誕生により、関税の引き上げや減税(所得税・法人税)、大規模な財政出動への警戒感から、「債券自警団(bond vigilantes)」は、米10年債利回り5%を目指して米国債売りを続けている。
格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆していた。
格付け会社フィッチは「トランプ次期米大統領の就任で共和党が政権と議会多数派を握る構図となっても、連邦債務上限を巡る議論が早期に解決する可能性は低い」との見方を示した。
第1次トランプ米政権の財政赤字は、約8兆ドル拡大していた。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、第2次トランプ米政権では、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとのことである。25年末に期限を迎える減税策の恒久化が5兆3500億ドル、残業代への課税撤廃は2兆ドルの財政悪化が見込まれている。全ての輸入品に10%、中国に60%の関税を課す方針では、2兆7千億ドルの税収増となる。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、1月独消費者物価指数(CPI)改定値を見極めた後は、ウクライナ停戦合意の行方に注目していく展開となる。
ウクライナ停戦合意に関しては、トランプ米大統領とプーチン露大統領がサウジアラビアで首脳会談を行う予定、と報じられている。
1月26日、ウクライナの『Strana』紙が、トランプ米大統領が100日間で「ウクライナ戦争を終結させるとする計画」(100 Day' Ukraine Peace Plan)を検討している、と報じていた。
内容は以下の通りだが、ロシア寄りの停戦合意となっており、ウクライナや欧州からの反発が予想されるため、引き続き難航が懸念される。
・1月下旬-2月上旬:トランプ米大統領とプーチン大統領が電話会談を行う
・2月-3月:プーチン露大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領が会談する
・4月20日の復活祭までに停戦を宣言
・5月9日までに合意された戦争終結の条件に関する宣言を発表
ウクライナ軍はロシア領のクルスクから撤退し、国連の国際平和会議(IPC)が戦争終結のための両国の仲介作業を開始する。ウクライナ政府には戒厳令の延長や動員を行わないよう要請する。
・ウクライナのNATO加盟を禁じ、中立を宣言すること
・2030年までにウクライナがEUの一員となること
・EUが戦後の復興を支援すること
・ウクライナは自国の軍隊の規模を維持し、アメリカから軍事支援を受け続けることができる
・ロシアによる占領地を奪還しようとする軍事的・外交的試みを放棄し、占領地に対するロシア連邦の主権を公式に承認する
・西側の対ロ制裁は、終戦協定の遵守状況によっては3年以内に解除される可能性
・ロシアの石油・ガスのEUへの輸出制限は解除される代わりに特別関税を課し、その収入はウクライナの復興に充てられる
ポンドドルも、12月英国内総生産(GDP、予想:前月比+0.1%)や10-12月期英GDP速報値(予想:前期比-0.1%/前年比+1.1%)などを見極めた後は、ウクライナ情勢に注目することになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0442ドル(2/5高値)
・ユーロ円:161.44円(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンドドル:1.2550ドル(2/5高値)
・ポンド円:193.95円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0292ドル(2/11安値)
・ユーロ円:158.29円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2325ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:191.44円(日足一目均衡表・基準線)
ドル円:1ドル=154.18円(前営業日NY終値比▲0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=160.88円(△0.55円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0435ドル(△0.0052ドル)
日経平均株価:39461.47円(前営業日比△497.77円)
東証株価指数(TOPIX):2765.59(△32.26)
債券先物3月物:139.68円(▲0.11円)
新発10年物国債利回り:1.350%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月企業物価指数
前月比 4.2% 0.4%・改
前年同月比 0.3% 3.9%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは強含み。昨日のトランプ米大統領とプーチン露大統領の電話会談を受けてウクライナ戦争終結への期待感が高まり、東京市場でも買いが強まった。時間外の米10年債利回りが低下したことも支えとなり、昨日高値の1.0430ドルを上抜けて一時1.0440ドルまで上値を伸ばした。
・ユーロ円も強含み。ウクライナ戦争終結への期待感から日経平均株価が大幅高となり、リスクオンの円売りが活発化した。ユーロ円は一時161.19円まで上昇したほか、ポンド円は192.96円、スイスフラン円は169.45円まで値を上げた。
・ドル円は上値が重い。日本株高が支えとなったほか、本邦実需勢の買いも観測されて一時154.67円まで値を上げる場面があった。一方、昨日高値の154.80円が目先のレジスタンスとして意識されると伸び悩み。対ユーロ主導でドル売りが強まると153.96円まで売りに押された。
・日経平均株価は3日続伸。外国為替市場での円安・ドル高を受けて輸出関連銘柄に買いが集まったほか、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの後退も投資家心理の改善につながった。
・債券先物相場は4日続落。昨日の米国債が売られた影響を受けたほか、1月国内企業物価指数が予想より強い結果となり日銀の利上げ観測が高まったことも重しとなった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
オーストリアの連立協議は振り出しに戻る 極右政権誕生か、極右抜きで団結か?
昨年9月の国民議会で極右政党が勝利したオーストリアでは、極右抜きの連立協議が決裂した後、極右主導の連立協議が進められてきたが、これも12日に決裂した。議会選挙後の世論調査で更に支持を伸ばしている極右政党は再選挙の実施を求めている。主要政党は極右の更なる躍進を警戒し、極右抜きの連立協議の再開に傾いている。首相の任命権を持つ大統領の判断が待たれる。再選挙が回避されれば、極右政権の誕生はひとまず回避されるが、極右政党の更なる支持拡大につながる危険性も孕んでいる。
SMBC日興証券では、12日に日本工作機械工業会が公表した1月受注高速報を受けてリポートしている。受注高は全体が1161億円で、日本が320億円、海外が842億円。日本が3カ月連続、海外と全体が4カ月連続で前年比プラスとなった。SMBC日興では、全体として受注高は力強さに欠けるが、良く言えば安定していると評価できるとコメント。日本の受注高は展示会「JIMTOF」の効果を含めた数値で力強さに欠けると考えている。海外では中国で春節による減少影響があったと推測。欧州は弱含んでおり北米は比較的底堅い状況は前月から変化していないと推測している。
SMBC日興証券では1月の企業物価指数を受けてリポートしている。1月は前年比+4.2%となり、伸び率は12月の+3.9%から拡大。ウクライナ危機後の輸入物価高騰局面であった2023年6月以来の+4%台を記録した。足元では輸入物価の上昇が小幅にとどまっている割に、上昇率が大きいとSMBC日興では指摘。過去には輸入物価と企業物価指数がほぼ連動していたが、その関係が変容しているとのこと。SMBC日興では、人手不足によりバブル期以来約30年ぶりの賃上げが実現したことで、その分を転嫁する動きが生じているとみている。また、足元で目立つ「農林水産物」の高騰に関しては、高齢化などの影響も重なっていると考えている。
大阪3月限
日経225先物 39440 +440 (+1.12%)
TOPIX先物 2769.0 +29.0 (+1.05%)
日経225先物(3月限)は前日比440円高の3万9440円で取引を終了。寄り付きは3万9190円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9165円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万9110円を安値にリバウンドが強まり、前場中盤にかけて3万9400円台を回復。買い一巡後は3万9350円~3万9450円辺りで保ち合いを継続。前場終盤にかけてレンジを上抜け、3万9500円をつけた。
節目の3万9500円回復により、いったんは達成感が意識されやすい水準とみられたが、ランチタイムでも高値圏での推移を継続し、現物の後場開始時には3万9540円まで買われ、後場中盤には3万9600円まで上げ幅を広げる場面もみられた。これによりボリンジャーバンドの+1σ(3万9610円)に接近する形となり、終盤にかけては持ち高調整とみられるロング解消により上げ幅を縮める形になった。
日経225先物は25日移動平均線(3万9140円)を上回って始まり、同線を挟んだ値動きもみられたが、早い段階で明確に上放れてきたことやボリンジャーバンドの+1σ(3万9620円)が射程に入ってきたことで、ショートカバーを狙ったロングが強まったようである。
指数インパクトの大きいファーストリテイリング<9983.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]が日経平均株価を牽引したほか、トレンドマイクロ<4704.T>[東証P]がファンドによる買収観測でストップ高まで買われた。また、トランプ政権が自動車・製薬業界などについて相互関税の免除を検討していると伝わり、中外製薬<4519.T>[東証P]、第一三共<4568.T>[東証P]など薬品株の強さも目立っており、センチメントを明るくさせた。
一方で、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]やリクルートホールディングス<6098.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]は弱い値動きであったが、為替の円安を手掛かりにした先物主導での売買が中心だったようだ。ショートカバーを狙った短期的な売買の影響も大きかったと考えられ、反動安は警戒しておきたいところであるが、25日線、75日線を明確に上抜けてきたことで、ショートは仕掛けづらくなっただろう。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍と小幅に上昇した。200日線(14.22倍)が支持線として意識されるなか、25日線(14.29倍)を捉える場面もみられた。前日同様、同線に上値を抑えられる形状となったが、200日線接近ではNTロングを組成する動きが意識されやすいとみておきたい。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万6334枚、ソシエテジェネラル証券が1万3946枚、JPモルガン証券が4304枚、サスケハナ・ホンコンが3582枚、バークレイズ証券が1956枚、野村証券が1862枚、ゴールドマン証券が1614枚、SBI証券が1595枚、モルガンMUFG証券が1560枚、日産証券が1438枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券2万1507枚、ソシエテジェネラル証券が1万4672枚、バークレイズ証券が6508枚、JPモルガン証券が4777枚、モルガンMUFG証券が4324枚、ビーオブエー証券が2530枚、ゴールドマン証券が2519枚、UBS証券が924枚、野村証券が870枚、みずほ証券が852枚だった。
本日のニューヨーク為替市場でドル円は、昨日強まった金利先高観がどの程度まで保たれるか注視しながらの取引か。経済指標は序盤に1月米卸売物価指数(PPI)と週間の失業保険データが発表され、午後には米30年債の入札が予定されている。
昨日は、1月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことを受けて米・中長期金利が上昇。またパウエル米連邦準備理事会(FRB)は議会証言で、関税のために政策金利変更を余儀なくされる可能性について言及し、追加利下げの後ずれを市場に意識させた。
CPI発表後にドル円は日足一目均衡表・雲の中で上値を試し、154円後半まで大きく上げ幅を広げた。しかしながら、154.90円に位置する一目・基準線の手前では伸び悩んでいる。本日もアジア時間では昨日高値に届かず、米長期金利の上昇が一服すると154円割れまで失速する場面があった。
ここから昨日高値や基準線そして155円台を目指すには、やはり米金利上昇という後押しが必要だろう。そうなると1月米PPIの上振れや、強い新規失業保険件数が条件となる。逆に期待に届かない指標結果となれば、一目・雲の下限153.60円辺りが意識されそうだ。
なお昨日は、トランプ米大統領とプーチン露大統領が電話会談し、ウクライナ戦争の終結に向けた交渉開始で合意したことが報じられた。ただし、これまでのプーチン氏の行動を振り返ると、ウクライナに対して簡単に譲歩するとは到底思えない。地政学リスクの改善に繋がるかは、ゼレンスキ―・ウクライナ大統領次第か。単純にリスクオンとも考え難く、実際に欧州序盤にはユーロスイスフランは売り戻されている。
想定レンジ上限
ドル円、日足一目均衡表・基準線154.90円
想定レンジ下限
・ドル円、日足一目均衡表・雲の下限153.60円
今晩は米1月生産者物価指数(PPI)に注目。
昨日は米1月消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びとなり、インフレの長期化懸念や利下げ期待の後退が重しとなったが、主要3指数は高安まちまち。ダウ平均は一時489ドル安まで下落したが、225.09ドル安(-0.50%)で終了し、S&P500も1.08%安まで下落後、0.27%安で終了した。ハイテク株主体のナスダック総合は1.16%安まで下落したが、0.03%高とわずかながらプラス圏で終了した。後半戦を迎えた第4四半期決算発表がおおむね好調なことや、米政権が医薬品や自動車などに対する相互関税を免除することを検討しているとの報道もセンチメントの改善につながった。
今晩の利下げ見通しを巡り、引き続き物価指標に注目する展開か。昨日の米1月消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで利下げ期待が後退し、市場の一部では年内の利上げの可能性も意識された。今晩発表される1月生産者物価指数(PPI)の市場予想は前年比+3.2%と12月の+3.3%から鈍化が見込まれているが、前月比では+0.3%と12月の+0.2%から上昇が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPPIは前年比+3.3%と12月の+3.5%から鈍化が見込まれ、前月比では12月の0.0%から+0.3%に上昇が予想されている。昨日のCPI同様にPPIも予想比上振れとなれば、米10年債利回りの上昇や利下げ期待の後退が相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは1月PPIのほか、新規失業保険申請件数、米30年債入札など。決算発表は寄り前にモルソン・クアーズ、GEヘルスケア、ディア、引け後にアプライド・マテリアルズ、ダヴィータ、ウィン・リゾーツ、エアビーアンドビー、パロ・アルト・ネットワークスなどが発表予定。
日経平均株価は大幅続伸。堅調なスタートから一段高の展開となった。2/3の急落で形成したマド埋めで買いの勢いが一巡する場面があったが、大きくだれることなくしっかりで終えた。
RSI(9日)は前日の39.8%→48.9%(2/13)に上昇。きのうまでの値固めから上方に抜け出す動きとなった。1月安値を保った状態で25日移動平均線(39140円 同)上を回復したことで、1/31高値(39681円)超えにつながる公算が大きい。
上値メドは、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、25日移動平均線、心理的節目の39000円、100日移動平均線(38871円 同)、200日移動平均線(38637円 同)、心理的節目の38500円、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.748%、応札倍率(カバー)が2.33倍となった。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.16円(13日15時時点比▲1.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.68円(▲1.20円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0425ドル(▲0.0010ドル)
FTSE100種総合株価指数:8764.72(前営業日比▲42.72)
ドイツ株式指数(DAX):22612.02(△463.99)
10年物英国債利回り:4.490%(▲0.053%)
10年物独国債利回り:2.418%(▲0.059%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) ▲0.2% ▲0.2%
(前年同月比) 2.3% 2.3%
12月英国内総生産(GDP)
(前月比) 0.4% 0.1%
10-12月期英GDP速報値
(前期比) 0.1% 0.0%
(前年同期比) 1.4% 1.0%・改
12月英鉱工業生産
(前月比) 0.5% ▲0.5%・改
(前年同月比) ▲1.9% ▲2.0%・改
12月英製造業生産指数
(前月比) 0.7% ▲0.3%
12月英商品貿易収支
174.47億ポンドの赤字 189.00億ポンドの赤字・改
12月英貿易収支
28.16億ポンドの赤字 43.50億ポンドの赤字・改
12月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) ▲1.1% 0.4%・改
(前年比) ▲2.0% ▲1.8%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い。ロシアによるウクライナ侵略を巡って停戦交渉が始まる見通しとなり、地政学リスクが後退するとユーロ買い・ドル売りが進行。欧州勢参入後もしばらくは底堅い動きが続いた。
ただ、トランプ米大統領が自身のSNSに「今日は大事な日だ。相互関税!米国を再び偉大に!」と投稿すると、米関税政策などへの懸念が高まりユーロ売り・ドル買いで反応した。その後発表された1月米卸売物価指数(PPI)や前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容だったことが分かると、一時1.0376ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、売り一巡後は一転買い戻しが優勢となり上げに転じた。その後、トランプ米大統領は「相互関税に関する記者会見を13時(日本時間14日3時)に行う」と自らのSNSに再び投稿したものの、CNBCが米政府関係者の話として「トランプ氏が同日発表する関税は発効が今日ではなく数カ月先になる」と報じると、ユーロ買い・ドル売りが活発化。アジア時間の高値1.0440ドルを上抜けて一時1.0445ドルまで上値を伸ばした。
・ドル円は軟調。前日の1月米消費者物価指数(CPI)の上振れをきっかけに急伸した反動で、欧州勢参入後は利食い売りなどが優勢となった。NYの取引時間帯に入り、米経済指標が予想よりも強い内容だったことが分かると、一時154.01円付近まで下げ渋る場面もあったが、買い戻しが一巡すると再び弱含んだ。米長期金利が再び低下したことなどが相場の重しとなり、一時152.93円と日通し安値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは米PPI発表後に4.61%台まで上昇したものの、反応は一時的。3時前には4.52%台まで低下した。市場では「米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視する米個人消費支出(PCE)物価指数の構成要素となる部分が控えめの数字と受け止められ、前日急上昇していた米長期金利が低下した」との声が聞かれた。
・ユーロ円は頭が重かった。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが優勢となり、23時30分過ぎに一時159.32円と日通し安値を付けた。そのあとはユーロドルの上昇につれた買いが入り160.35円付近まで下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。地政学リスクの後退観測を背景に小高く始まったものの、米関税政策などへの懸念は根強く、買い一巡後は次第に売りが強まった。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。
・フランクフルト株式相場は大幅に4日続伸し、史上最高値を更新した。ロシアが侵略するウクライナでの戦争終結に向けた話し合いが進むとの期待から買いが広がった。「トランプ米大統領が本日発表する関税は、発効が今日ではなく数カ月先になる」との一部報道も好感されたようだ。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
13日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は497円高の39461円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1260/値下がり337。ファーストリテイリングが3%近い上昇。アドバンテスト、IHI、DeNAなどの動きが良かったほか、第一三共や東レなど直近で売られた銘柄に見直し買いが入った。安藤ハザマや奥村組など建設株が決算を受けて急伸。前期の着地、今期の見通しともに大幅営業増益となった三井海洋開発が後場に買いを集めてストップ高となった。
一方、ソフトバンクGやリクルートHDが決算を受けて大幅安。古河電工は上方修正や増配を発表したものの期待も相応に高かっただけに、買い先行から急失速して5%を超える下落となった。ニトリは決算が市場の期待に届かなかった上に円安進行もネガティブに作用して8%を超える下落。通期見通し据え置きが嫌気されたタカラトミーや下方修正を発表した日揮HDが2桁の下落率となった。
日経平均は大幅高。NISAの日(2月13日)日に買い意欲が刺激されたか、終値(39461円)で39000円を大きく上回った。12日の米国で長期金利が上昇したにもかかわらず金利に敏感なナスダックがプラスで終えたことから、日本株は米金利上昇に伴う円安(ドル高)の恩恵を存分に享受することができた。
きょうは出来すぎの感があり、目先は反動にも注意を払う必要がある。12日の米国株は長期金利の上昇に耐性を示したが、本日13日には1月生産者物価指数(PPI)、14日には1月小売売上高が発表される。これらがすべて強かった場合、米長期金利の上昇に勢いがつきすぎて、米国株が大きく崩れるリスクがある。逆に、小売売上高が著しく弱かった場合などは、粘着質なインフレの影響で米国の景気悪化に対する警戒が浮上する展開も想定される。米10年債利回りの絶対水準が高いことは、株式にとって決して良い環境ではない。
CNBCが報じたところによると、「トランプ関税は延期され、4月1日に開始される可能性がある」という。
ロシア大統領府は13日、「米露首脳会談の開催場所はまだ決まっていない」「ウクライナは和平交渉に参加する」と発表した。
トランプ米大統領は13日、相互関税の措置に署名した。
トランプ米大統領は13日、外国が米国製品にかけている関税と同水準まで米国の税率を引き上げる「相互関税」の導入を指示する大統領令に署名した。ドイツやインドなど米国より比較的高い関税をかけてる国や、日本のように規制など非関税障壁がある国を主な対象として想定。今後国ごとに調査したうえで個別の対応を取るという。
13日13:57 石破首相
「政府・日銀の共同声明、現時点で見直す予定ない」
13日23:12 トランプ米大統領
「相互関税に関する記者会見を13時(日本時間14日3時)に行う」
14日03:43
「相互関税に関する措置に間もなく署名する」
「VAT税は関税として扱われる」
「VAT税制度を採用している国を検討する」
「彼らは我々が彼らに課すよりもはるかに高い関税を課している」
「インドは他のどの国よりも関税が高い」
「自動車輸入に対するセクター別関税が近々導入される」
「自動車関税には免除措置を設けない」
「プーチン露大統領をG7の場に復帰させたい」
「USスチールが日本とディールを結ぶのは望まない」
14日04:03 ラトニック米商務長官
「相互関税計画は4月2日までに開始が可能」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○09:00 ◎ 10-12月期シンガポール国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.8%)
○16:00 ◇ 1月独卸売物価指数(WPI)
○16:30 ◇ 1月スイス生産者輸入価格
○19:00 ☆ 10-12月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比横ばい/前年比0.9%)
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:21.00%で据え置き)
○22:30 ◇ 12月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.7%)
○22:30 ◇ 12月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.2%)
○22:30 ☆ 1月米小売売上高(予想:前月比▲0.1%/自動車を除く前月比0.3%)
○22:30 ◇ 1月米輸入物価指数(予想:前月比0.4%)
○23:15 ◎ 1月米鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
◇ 設備稼働率(予想:77.7%)
○24:00 ◇ 12月米企業在庫(予想:前月比横ばい)
○15日01:00 ◎ 1月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.3%)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.80円(前営業日比▲1.62円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.90円(▲0.43円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0465ドル(△0.0082ドル)
ダウ工業株30種平均:44711.43ドル(△342.87ドル)
ナスダック総合株価指数:19945.64(△295.69)
10年物米国債利回り:4.53%(▲0.09%)
WTI原油先物3月限:1バレル=71.29ドル(▲0.08ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2945.4ドル(△16.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。1月米卸売物価指数(PPI)が予想よりも強い内容だったことが分かると全般ドル買いが先行し、一時154.01円付近まで値を戻す場面もあったが、買い一巡後は再び弱含んだ。米長期金利の低下などが相場の重し。市場では「米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視する米個人消費支出(PCE)物価指数の構成要素となる部分が控えめの数字と受け止められ、前日急上昇していた米長期金利が低下した」との声が聞かれた。
トランプ米大統領はこの日、外国が米国製品にかけている関税と同水準まで米国の税率を引き上げる「相互関税」の導入を指示する大統領令に署名。米政府高官は記者団に「戦略的な競争相手である中国であろうが、日本や欧州連合(EU)などの同盟国であろうが関係ない」と述べた。
ただ、今後は米通商代表部(USTR)や米商務省が国ごとに調査したうえで個別の対応を取るとしており、調査は4月1日までに終える見込み。発動までには猶予があり、交渉次第では関税が回避されるとの期待があるため、マーケットは株高・債券高(金利低下)・ドル安で反応。ドル円は6時前に一時152.70円と日通し安値を更新した。
・ユーロドルは3日続伸。1月米PPI発表直後に一時1.0376ドルまで値を下げたものの、トランプ米大統領の相互関税に関する記者会見を前に「トランプ氏が同日発表する関税は発効が今日ではなく数カ月先になる」との報道が伝わると一転買い戻しが優勢に。アジア時間の高値1.0440ドルを上抜けて一時1.0445ドルまで値を上げた。
その後、トランプ米大統領の記者会見が始まると一時1.0373ドルの本日安値まで急落する場面もあったが、すぐに持ち直した。米相互関税の即時発動が見送られたため、インフレや貿易摩擦を巡る過度な懸念が後退。米株高と米金利低下が進み、ドル売りにつながったようだ。取引終了間際には1.0467ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は4日ぶりに反落。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが優勢になると、3時30分過ぎに一時159.02円と日通し安値を付けたものの、ユーロドルの上昇につれた買いが入ると159.93円付近まで下げ渋った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。トランプ米大統領は本日、貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」の導入を指示する大統領令に署名した。ただ、関税の即時発動が見送られたため、インフレや貿易摩擦を巡る過度な懸念が後退し株買いにつながった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。米長期金利の低下で高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。1月米PPIは予想よりも強い内容となったものの、「FRBが重視する米PCE物価指数に反映される項目が控えめの数字だった」との見方から債券買いにつながった。トランプ米大統領が「相互関税」導入の大統領令に署名したことについては、関税の即時発動が見送られたため、インフレを巡る過度な懸念が後退。相場の支援材料となった。
・原油先物相場は小幅続落。ウクライナ停戦協議への期待からロシア産原油の供給が回復するとの思惑が広がり、時間外取引では一時70.22ドルまで下押し。もっとも、その後は外国為替市場でドル売りが進み、ドル建てで決済される原油の割安感を手掛かりにした買い戻しが入るとプラス圏を回復する場面も見られた。
・金先物相場は3日ぶりに反発し、史上最高値を更新した。米長期金利が前日の反動で低下すると、金利を生まない資産である金に買いが入った。また、トランプ米大統領が「相互関税」の導入を指示する大統領令に署名したことを受け、貿易戦争への懸念から安全資産としての金需要も意識された。
13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ米政権の「相互関税」が即時発動とはならず、調査次第では関税が回避されるとの期待感から、一時152.70円まで下落した。ユーロドルは、米相互関税の即時発動が見送られ、貿易摩擦を巡る過度な懸念が後退したことで、1.0467ドルまで上昇した。ユーロ円は159.02円まで下落後、ユーロドルの上昇につれた買いで159円台後半まで下げ渋った。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米政権が打ち出した「相互関税」が即時発動されなかったことで、200日移動平均線152.73円付近での上値が重い展開が予想される。
ドル円は154.80円まで上昇し、年初来の高値158.87円(1/10)から安値150.93円(2/7)までの下落幅の半値戻しである日足一目均衡表・基準線154.90円に迫っていた。しかし、昨日は、トランプ米政権の「相互関税」が即時発動されなかったことで、200日移動平均線付近まで反落している。
トランプ米大統領は昨日、米国の輸入品に関税を課している全ての国に対する「相互関税」を課すと発表した。しかしホワイトハウス当局者は、相互関税は各国の関税措置や貿易関係を精査した上で、数週間以内に発動される可能性があると述べている。4月1日を目安とする精査次第では、適用除外の可能性が残されているため、ドルの失速要因となった。
「半値戻しは全値戻し」の相場格言を念頭に、ドル円の売り買い要因を整理しておきたい。
ドル買い要因は以下の通りとなる。
・トランプ関税25%(鉄鋼&アルミニウム)の大統領令署名
・相互関税(※4/1の調査期限まで即時発動が回避されたことでドル買い圧力後退)
・米1月失業率が4.0%に低下、1月CPIやPPIが上昇。
・パウエルFRB議長が議会証言で「利下げを急ぐ必要はない」と改めて表明した。
さらに、「関税を含めたトランプ大統領の政策案が、景気見通しに一定の不確実性をもたらしている」とも述べ、インフレ抑制のための利上げの可能性を示唆した。
・「フェドウオッチ」での、追加利下げの時期は9月FOMCまで先送りされている。
ドル売り要因は以下の通りとなる。
・田村日銀審議委員発言「2025年度後半には、少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価目標達成のうえで必要」
・新発10年物国債の利回りが1.37%まで上昇。
・氷見野日銀副総裁が注視していた1月の輸入物価指数が前年比+2.3%へ上昇していた。
・日米首脳会談の後、トランプ米大統領が「対日貿易赤字を解消したい」意向を示した。
・日米首脳会談の前、ベッセント米財務長官が「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」と述べていた。
東京市場は小動きか。米国株は上昇。ダウ平均は342ドル高の44711ドルで取引を終えた。1月生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回ったが、10年債利回りは大きく低下。株式には資金が向かった。トランプ大統領が相互関税を導入する意向を示したものの、即時の発動は見送ったことも株買いを後押しした。米金利低下を受けてドル円は円高(ドル安)に振れており、足元では152円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて40円高の39480円、ドル建てが75円高の39515円で取引を終えた。
きのうの日経平均はまちまちの米国株を受けても円安を好感して大きく上昇した。きょうは円安に一服感が出てきたことから、米国株高による好影響は限られそう。一方で米長期金利の低下はグローバル株式市場にとって安心材料になることから、売りも手控えられるだろう。きのうは取引時間中に39500円を上回ったが、終値では下回った。強弱感が入り交じる中、節目近辺での一進一退が続くと予想する。日経平均の予想レンジは39350円-39650円。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39470 +30 (+0.07%)
TOPIX先物 2769.5 +0.5 (+0.01%)
シカゴ日経平均先物 39480 +40
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領は、「相互関税」に関する大統領令に署名した。ただ、関税の即時発動は見送られたほか、国ごとに調査したうえで個別の対応を取るとしている。交渉次第で関税が回避されるとの期待もあり、貿易摩擦への過度な懸念が後退した。また、1月の米卸売物価指数(PPI)は前月比の上昇率が0.4%と市場予想(0.3%程度)を上回った。一方、ヘルスケア関連など一部の項目が低下したことで、2月28日発表の1月の米個人消費支出(PCE)物価指数が大幅に上昇するとの懸念が後退した。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、シスコシステムズ<CSCO>、IBM<IBM>、セールスフォース<CRM>、アップル<AAPL>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>が堅調。半面、メルク<MRK>、ボーイング<BA>が値を下げた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比40円高の3万9480円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円安の3万9420円で始まり、3万9260円~3万9390円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上抜けて一時3万9500円まで買われた。買い一巡後は軟化し下落に転じる場面もみられたが、終盤にかけて買い戻されており、3万9470円とプラス圏を回復してナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。ただし、為替市場で円相場は1ドル=152円台後半と前日から円高に振れて推移しており、輸出関連株への物色を手控えさせそうである。また、日経225先物は前日の上昇で3万9600円まで買われる場面もみられ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9610円)まで上昇したことで、利食いが入りやすいだろう。
+1σは3万9570円に下がっており、同バンドが抵抗として意識されるようだと、前日の大幅な上昇に対する持ち高調整に向かわせやすい。一方で、米国ではエヌビディアやシスコシステムズなどハイテク株の上昇が目立っていたことで、指数インパクトの大きいアドバンテスト<6857.T>など値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開が期待される。そのため、下値の堅さは意識されやすく、押し目狙いのロング対応になろう。
オプション権利行使価格では、3万9250円から3万9500円でのレンジを想定する。押し目狙いのスタンスのなか、3万9500円辺りでの底堅さがみられる局面ではショートカバーを誘う形でのロングが強まる可能性がありそうだ。+1σを上抜けてくる局面においては、+2σが位置する4万円の大台が射程に入ってくる。
13日の米VIX指数は15.10(12日は15.89)に低下した。16.33まで上昇する場面もみられたが、200日移動平均線(16.26)、75日線(16.37)、25日線(16.46)が抵抗として意識されており、一時14.98まで下げる場面もみられた。引き続きトランプ政権による関税政策が警戒されるものの、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.24倍と小幅に上昇した。200日線(14.22倍)が支持線として意識されるなか、25日線(14.29倍)を捉える場面もみられた。同線に上値を抑えられる形状となったが、支持線近辺で終えていることもあり、NTロングを組成する動きが意識されやすいとみておきたい。
日経225先物は11時30分時点、前日比150円安の3万9290円(-0.38%)前後で推移。寄り付きは3万9470円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9480円)にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まった。その後3万9590円まで買われたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9550円)水準をキープできず、持ち高調整に伴うロング解消の動きとなった。また、日経平均株価はSQ値(3万9432.64円)を割り込んできたことで、ショートを仕掛ける動きも入ったと考えられ、中盤にかけて一時3万9200円まで売られる場面もみられた。ただし、25日移動平均線(3万9110円)接近では売り込みづらく、終盤にかけては下げ渋る動きになった。
日経225先物は+1σを捉えた後に軟化し、25日線に接近する形となったが、前日の大幅上昇に対する反動の範囲内であろう。前日に日経平均株価を牽引したファーストリテイリング<9983.T>[東証P]のほか、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角の下げが重荷となった。
一方で、ソニーグループ<6758.T>[東証P]など、決算を評価して買われている銘柄が散見されており、地合いは悪くない。週末要因から積極的なロングは限られそうだが、中盤にかけての下げでリバランスは一巡したと考えられ、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.18倍に低下した。一時14.26倍をつける場面もみられたが、その後の下げで200日線(14.22倍)を割り込んでおり、NTロングを巻き戻す動きが強まった。
昨日の海外市場では、ドル円は前日の急騰から一転して大幅な下落。米長期金利の急騰から急低下にしっかりとお付き合いすることになりました。東京時間に154.67円まで買戻されたものの、前日の高値154.80円を上抜け出来ずにポジション調整が進んでいたわけですが、米長期金利の低下につれて一時153.74円まで下押ししました。ここまでは、一目雲下限の位置する153.60円が意識されて下げ止まるといった割とわかりやすい動き。ただ、NY時間に入って1月米PPIが予想を大幅に上回る強い数字となると、発表直後こそ154.01円まで買戻されたものの、その後は米10年債利回りが一転して急低下。4.6138%から一気に4.5132%まで10bpの低下に見舞われました。
3時に発表されたトランプ米大統領による相互関税が、4月1日まで各国の調査を行うことが判明すると、即時発動とはならなかったことから米長期金利が低下幅をひろげたという要因も重なりましたが、実は昨日の米金利急低下の一番の理由は月末発表予定の1月米PCEについての見通しの変化にありました。
一昨日の米CPIや昨日の米PPIはともに予想を上回るかなり強い数字だったものの、PCEに反映されるPPIの構成要因である、金融とヘルスケアサービスの部門が「非常に弱い結果」だったことから、大手米金融機関がPCEの予想を一斉に下方修正。CPIのヘッドラインが4カ月連続で上昇している一方、コアPCEに関しては12月の2.8%から2.6%に低下するとの予想となったことが全て。債券市場では一気にポジション調整へと走ることになりました。
いずれにしても、非常にわかりにくい値動きとなってしまったわけですが、週末の東京市場では、200日MAを意識したもみ合い。152.45円まで再び値を下げたものの、週末のしかも、米国3連休前の実質ゴトー日とあって、実需勢の買いが断続的に観測されていることもあり、その後は一時153.00円台を回復しています。目先は、朝方上抜けに失敗した一目転換線の位置する153.23円や一目雲下限の153.76円が意識されています。
「インフレ率を目標の2%に戻すにはあと2回の利下げで十分」(タカ派的声明)
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
MPCの9名の委員の棲み分けは、タカ派2名、中立派3名、ハト派4名に分類できる。
【MPC】 【8月1日】【9月18日】【11月7日】【12月19日】【2月6日】
■ハト派
・ベイリーBOE総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75% 4.50%
・ラムスデンBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.50% 4.50%
・ディングラMPC委員: 5.00% 4.75% 4.75% 4.50% 4.25%
・マンMPC委員: 5.25% 5.00% 5.00% 4.75% 4.25%
■中立派
・ロンバルデリBOE副総裁:5.00% 5.00% 4.75% 4.75% 4.50%
・ブリーデンBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75% 4.50%
・テイラーMPC委員: 5.00% 4.75% 4.50% 4.50%
■タカ派
・ピルMPC委員: 5.25% 5.00% 4.75% 4.75% 4.50%
・グリーンMPC委員: 5.25% 5.00% 4.75% 4.75% 4.50%
2.2024年8月1日MPC(5対4)
イングランド銀行は、政策金利を5.25%から5.00%に引き下げた。
利下げに賛成した5人は「インフレが持続するリスクの緩和に一定の進展があった」との考えだった。
利下げに反対した4人は、基調的なインフレが予想より根強く、成長率も予想以上であることを理由に挙げた。
3. 2024年9月18日MPC(8対1)
政策金利を5.00%に据え置いた。ディングラMPC委員が4.75%への追加利下げを主張した。
4. 2024年11月7日MPC(8対1)
政策金利を4.75%に引き下げた。マンMPC委員が5.00%での据え置きを主張した。
声明では、金融緩和の加速を示唆することは控え、政府の予算案(700億ポンド規模の歳出を計画)がインフレ率を最大で0.5ポイント押し上げて、25年7-9月にインフレ率が2.8%に達すると推計した。ベイリーBOE総裁は、予算はBOEの利下げパスに大きな影響を与えないだろう、と述べた。また、「インフレ率はBOEが利下げした際の予想より低い。サービスインフレは依然として目標と一致していない」などとも述べている。
5. 2024年12月19日MPC(6対3)
政策金利を4.75%に据え置いた。議事要旨では、弱い成長シグナルと根強い国内物価上昇圧力を挙げ、両方向のインフレリスクを指摘した。
第4四半期の成長率予測は11月時点の+0.3%成長からゼロ成長に引き下げられ、スタグフレーションへの警戒感が示された。
6. 2025年2月6日MPC(7対2)
政策金利を4.50%に引き下げた。2名(マン委員&ディングラMPC委員)は4.25%への引き下げを主張した。タカ派寄りからハト派寄りへと見解を変えたマン委員は、その理由として、消費者が支出を抑える中で企業は価格引き上げに苦戦すると考えたからだと述べた。
今回の金融政策報告は、経済予測の前提となる金利軌道では向こう3年間に2回の追加利下げしか想定されず、今年についてはあと1回しか想定していないことで、タカ派的だった。
タカ派のグリーン委員は、利下げに慎重な姿勢で臨むべきだと主張した。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、10-12月期ユーロ圏GDP改定値を見極めた後は、ミュンヘン安全保障会議でのウクライナ停戦合意の行方に注目していくことになる。
10-12月期ユーロ圏GDP改定値では、速報値の前期比横ばいから、マイナス成長に転落するネガティブサプライズに警戒しておきたい。ユーロ圏のリセッション(景気後退)懸念が高まれば、3月欧州中央銀行(ECB)理事会での2.50%までの追加利下げに留まらず、さらなる追加利下げ観測が高まることで、ユーロドルの戻りを限定的にすることになる。
本日、ミュンヘン安全保障会議が開催されるが、トランプ米大統領は、米国とロシアの当局者がウクライナ停戦に関する協議を行い、ウクライナも招待されている、と述べた。
ユーロドルは、ウクライナ停戦合意への期待感から買い戻されており、本日のミュンヘンでの停戦協議の進展に注目しておきたい。
トランプ米大統領は、ゼレンスキー・ウクライナ大統領に対して、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は現実的ではなく、同国が全ての領土を取り戻す可能性は低いとの考えを示した。ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、「プーチン露大統領は信用できず、ウクライナには、米国による安全保障が必要だ」と訴えたとのことで、停戦合意が難航する可能性が警戒されている。
また、今後は、トランプ米政権の相互関税を巡り、欧州連合(EU)に対する調査の状況に関するヘッドラインにも注目していきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0533ドル(1/27高値)
・ユーロ円:161.19円(2/13高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0370ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:158.40円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=152.61円(前営業日NY終値比▲0.19円)
ユーロ円:1ユーロ=159.52円(▲0.38円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0452ドル(▲0.0013ドル)
日経平均株価:39149.43円(前営業日比▲312.04円)
東証株価指数(TOPIX):2759.21(▲6.38)
債券先物3月物:139.70円(△0.02円)
新発10年物国債利回り:1.350%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆7529億円の取得超 1兆4584億円の処分超
対内株式
3844億円の処分超 3152億円の処分超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。朝方に153.15円まで上昇したものの、赤沢経済再生相が「円安は実体経済に様々な影響。為替動向を十分注視している」などと発言すると失速。昨日安値の152.70円を下抜けて152.45円まで値を下げた。一巡後はショートカバーから153円付近まで持ち直す場面も見られたが、日経平均株価が軟調に推移したこともあり戻りは限定的だった。
・ユーロ円も頭が重い。総じてドル円と同様の展開となった。早朝に160.16円まで上昇したものの上値は重く、その後は159.43円まで売りに押される場面も見られた。
・ユーロドルは小動き。東京市場では目立ったフローは見られず1.04ドル台半ばでのもみ合いが続いた。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反落。外国為替市場での円高・ドル安を受けて輸出関連銘柄に売りが広がった。足元での相場上昇に対する持ち高調整の売りも出た。
・債券先物相場は5営業日ぶりに反発。昨日の米国債券相場が上昇した影響を受けた半面、5年債入札の結果が弱かったため上値も限られた。
中銀国際は最新リポートで、2025年末時点のハンセン指数目標値をこれまでの22000ポイントから25700ポイントに引き上げた。中国発の大規模言語モデル「DeepSeek」の成功で中国テック企業に対する信頼が改善し、香港に上場するテック企業の株価も上昇すると予想した。『AAストックス』が14日伝えた。
中銀国際は、DeepSeekは米国の規制に直面しつつも低コストで強力な大規模モデルを開発することに成功しており、中国のテック企業にとって重要な意義を持っていると指摘。DeepSeekの成功で投資家の中国のテック関連資産や投資への信頼が回復し、香港上場株が再評価されることは良い兆候であるとした。また、中国政府は不動産関連の政策を一段と緩和するとみており、最終的には経済の不確実性やその他のリスクを克服できるとの見方を示した。
SMBC日興証券では、ユーロ圏の12月鉱工業生産を受けてリポートしている。12月は前月比1.1%減。2カ月続いた増産を打ち消し、生産水準は2020年9月以来の低位に落ち込んだ。10-12月期の鉱工業生産は前期比年率2.1%減となり、7四半期連続で減少。消費財の生産持ち直しが続く一方で中間財や資本財の生産が振るわないとのこと。SMBC日興では、投資需要の低迷が反映されていると考えている。また、製造業PMIの生産、受注関連指数はそろって明確な中立水準割れが続いていることを指摘しており、財生産の回復はいまだ期待し難いとコメントしている。
大阪3月限
日経225先物 39110 -330 (-0.83%)
TOPIX先物 2753.5 -15.5 (-0.55%)
日経225先物(3月限)は前日比330円安の3万9110円で取引を終了。寄り付きは3万9470円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9480円)にサヤ寄せする形からやや買い先行で始まった。その後、3万9590円まで買われたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9550円)水準をキープできず、持ち高調整に伴うロング解消の動きとなった。また、日経平均株価がSQ値(3万9432.64円)を割り込んできたことで、ショートを仕掛ける動きも入ったとみられ、前場中盤にかけて3万9200円まで売られた。
前場終盤にかけてショートカバーが優勢となり、現物の後場開始直後に3万9320円まで下げ幅を縮める場面もみられた。ただし、リバウンド狙いのロングは強まらず、再びショート優勢となり、終盤にかけて下げ幅を広げ、25日移動平均線(3万9110円)まで売られた。
日経225先物は+1σを捉えた後に軟化し、25日線水準まで下げる形となった。前日の大幅上昇に対する反動の範囲内であり、25日線が支持線として機能するかが注目されよう。同線は下向きで推移しており、75日線(3万9060円)とのカイ離が縮小しているため、来週にもデッドクロス発生が意識されてきそうだ。両線を支持線としたリバウンドをみせられないと、再び3万8500円辺りで推移する200日線が意識されそうである。
一方で、トランプ大統領は「相互関税」の導入検討に署名したが、関税の即時発動は見送られたほか、国ごとに調査したうえで個別の対応を取るとしている。導入に向けた調査には時間を要し、交渉次第で関税が回避されるとの期待もあり、貿易摩擦への過度な懸念が後退した。また、ロシアとのウクライナ停戦に向けた動きなども期待され、ショートは仕掛けづらくなるだろう。
また、日経225先物は週間形状では上向きで推移する52週線が支持線として機能しており、3万9230円辺りにある13週線を上回って推移するようだと、リバウンド基調を強めてくる可能性もありそうだ。
そのほか、決算発表が一巡したことで、改めて業績面に着目した売買が入りやすいだろう。本日は指数インパクトの大きいファーストリテイリング<9983.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、アドバンテスト<6857.T>[東証P]の弱さが目立っていた。一方で、ソニーグループ<6758.T>[東証P]などで決算評価の動きも目立っており、地合いは悪くないとみられる。
NT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。一時14.26倍をつける場面もみられたが、その後の下げで200日線(14.22倍)を割り込んでおり、NTロングを巻き戻す動きが強まった。ただ、直近で25日線(14.28倍)を捉える動きをみせていたこともあり、週末要因に伴うリバランスであろう。再び200日線での底堅さがみられてくるようだと、NTロングに向かわせる可能性がありそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7469枚、ソシエテジェネラル証券が1万3608枚、サスケハナ・ホンコンが4329枚、SBI証券が2349枚、JPモルガン証券が2174枚、バークレイズ証券が1938枚、ドイツ証券が1849枚、モルガンMUFG証券が1575枚、日産証券が1332枚、ビーオブエー証券が996枚、野村証券が978枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券1万9912枚、ソシエテジェネラル証券が1万5773枚、バークレイズ証券が5609枚、モルガンMUFG証券が4286枚、JPモルガン証券が4001枚、ゴールドマン証券が2741枚、ビーオブエー証券が2685枚、日産証券が1440枚、野村証券が1218枚、広田証券が926枚だった。
本日のニューヨーク為替市場でもドル円は米金利動向を見極めながらの取引か。経済指標は1月米小売売上高や同月鉱工業生産がNY午前に発表予定。また、トランプ関税に絡んだ報道にも注意したい。
昨日のドル円は12日に急騰した分を大きく吐き出し、本日も欧州序盤に下値を探る展開となった。テクニカルでは日足一目均衡表・雲を下抜けて、他主要線の位置関係から売りシグナルとされる三役逆転が再び点灯。また、昨日は200日移動平均線を僅かに上回って引けたものの、本日152.73円付近に位置する同線の下で推移する時間も長くなりつつある。
トランプ米大統領は昨日、相互関税を導入する大統領令に署名し、同盟国であろうと例外は認めない意向を示した。これにより日本にも火の粉が及ぶ可能性がでてきたものの、調査に時間がかかるため、実際に関税が発動されるまでには数カ月の猶予があるもよう。
トランプ関税の悪影響について、市場は徐々に免疫力をつけてきていた。そういったなかでの昨日の報道で、関税強化によるインフレ警戒感が緩んでいる。米金利に低下余地が出てきており、そういった中で米指標が想定より弱いようだと市場は敏感に反応しそうだ。
NY序盤に発表の1月小売売上高(前月比)は、総合・自動車除くのどちらも前回から下振れ見込み。特に総合は0.1%低下まで弱まることが予想されており、こちらが下掘りするようだとセンチメントは悪化しそうだ。その後に発表の同月鉱工業生産(前月比)も予想0.3%上昇と、前回から0.6ポイントほど弱まると見られている。
想定レンジ上限
・ドル円、本日高値153.15円から日足一目均衡表・転換線153.23円が抵抗帯。
想定レンジ下限
・12日安値152.38円を抜けると、11日安値151.65円が次の下値めど。
今晩は底堅い展開か。
昨日は主要3指数がそろって上昇した。トランプ米大統領が相互関税の導入の意向を示したが、即時発効が見送られたことや、米1月生産者物価指数(PPI)の結果を受けて米10年債利回りが低下したことが支援となった。シスコ・システムズがエヌビディア製のAIチップを使用したシステムを出荷し、エヌビディアが3%超上昇したことも相場を押し上げた。主要3指数は週初来で、ダウ平均が408.03ドル高(+0.92%)と反発ペースとなり、S&P500が1.48%高、ナスダック総合が2.16%高ともに3週ぶりの反発ペースとなった。センチメントも改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の16.54ポイントから水曜日に一時17.18ポイントまで上昇したが、昨日は15.10ポイントで終了した。
今晩は週末の取引となるが、トランプ関税へ警戒感が和らいだことや、センチメントの改善を背景に底堅い展開か。足もとで米10年債利回りが再び低下傾向となったことも株式相場の追い風となりそうだ。今晩の経済指標は寄り前に1月小売売上高が発表予定で、12月分の前月比+0.4%から1月は前月比横ばいが見込まれている。自動車を除く小売売上高も前月比+0.3%と12月の+0.4%から低下が見込まれており、弱い小売売上高を受けて米10年債利回りが低下となれば、米株の支援となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは1月小売売上高のほか、1月輸入物価、1月鉱工業生産など。決算発表は寄り前にモデルナが発表予定。
日経平均株価は反落。弱めのスタートから下げ幅を広げる展開となった。前日の陽線に並ぶ陰線を形成し、2/3の急落で形成したマド埋めによる上げ一服の格好となった。
RSI(9日)は前日の48.9%→42.6%(2/14)に低下。週明けは上昇しやすいタイミングを迎える。きょうは下向きが続く25日移動平均線(39106円 2/14)付近までの揺り戻しの動きとなった。短期的には39000円前後を下値で意識しながら、25日移動平均線が下げ止まるまで値固めを維持できるかが一段高に向けたポイントになる。
上値メドは、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、100日移動平均線(38897円 同)、200日移動平均線(38647円 同)、心理的節目の38500円、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.29円(14日15時時点比▲0.32円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.01円(△0.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0507ドル(△0.0055ドル)
FTSE100種総合株価指数:8732.46(前営業日比▲32.26)
ドイツ株式指数(DAX):22513.42(▲98.60)
10年物英国債利回り:4.500%(△0.010%)
10年物独国債利回り:2.431%(△0.013%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) 0.9% 0.1%
1月スイス生産者輸入価格
(前月比) 0.1% 0.0%
10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.1% 0.0%
(前年比) 0.9% 0.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。アジア市場では一時153.15円まで上昇する場面があったが、一目均衡表転換線が位置する153.23円がレジスタンスとして働くと失速した。欧州市場に入り、しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、NYの取引時間帯に入り1月米小売売上高が予想を大きく下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化した。1時30分前には一時152.03円と日通し安値を付けた。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.44%台まで低下した。
・ユーロドルは底堅い動き。ウクライナ和平への期待や米関税を巡る懸念の後退を背景にユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。NY市場に入ると、米小売売上高の下振れを受けて全般ドル売りが優勢となり、24時前に一時1.0514ドルと1月27日以来の高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.57まで低下した。
・ユーロ円は160.00円を挟んだもみ合いに終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は続落。トランプ米政権が「相互関税」の即時発動を見送ったことで、通商問題への警戒感はひとまず後退したものの、今週は史上最高値を更新していただけに、週末を控えたポジション調整目的の売りが優勢となった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株の下げが目立った。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反落。米関税を巡る懸念はひとまず後退したものの、連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出やすかった。週末を控えたポジション調整目的の売りも出た。個別ではフレゼニウス・メディカル・ケア(5.21%安)やハノーバー再保険(2.61%安)、フレゼニウス(2.51%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.31円(前営業日比▲0.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.83円(▲0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0492ドル(△0.0027ドル)
ダウ工業株30種平均:44546.08ドル(▲165.35ドル)
ナスダック総合株価指数:20026.77(△81.13)
10年物米国債利回り:4.48%(▲0.05%)
WTI原油先物3月限:1バレル=70.74ドル(▲0.55ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2900.7ドル(▲44.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月米小売売上高
(前月比) ▲0.9% 0.7%・改
(除く自動車) ▲0.4% 0.7%・改
1月米輸入物価指数
(前月比) 0.3% 0.2%・改
1月米鉱工業生産
(前月比) 0.5% 1.0%・改
設備稼働率 77.8% 77.5%・改
12月米企業在庫
(前月比) ▲0.2% 0.1%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。米商務省が本日発表した1月米小売売上高は前月比0.9%減と市場予想の0.1%減を大幅に下回ったうえ、自動車を除いたベースでは0.4%減と予想の0.3%増に反して減少となった。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢となり、1時30分前に一時152.03円と日通し安値を付けた。市場では「米連邦準備理事会(FRB)による年内利下げ期待が維持され、米長期金利が低下。日米金利差縮小への思惑から円買い・ドル売り地合いが強まった」との声が聞かれた。
米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.44%台まで低下した。
・ユーロドルは4日続伸。ウクライナ和平への期待や米関税を巡る懸念の後退を背景にユーロ買い・ドル売りが入りやすい中、米小売売上高の下振れを受けて全般ドル売りが活発化。24時前に一時1.0514ドルと1月27日以来の高値を更新した。ただ、買い一巡後は徐々に値動きが鈍り、1.0500ドルを挟んだもみ合いに転じた。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.57まで低下した。
・ユーロ円は小幅ながら続落。ただ、NY市場に限れば、160.00円を挟んだもみ合いに終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。1月米小売売上高が予想を大幅に下回ると投資家心理が悪化し、売りが出た。3連休を前にポジション調整目的の売りが出たようだ。ただ、前日に米政権による「相互関税」の即時発動が見送られたため、インフレや貿易摩擦への過度な懸念が後退。相場は上昇する場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸。米長期金利の低下で高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。前日に米政権による「相互関税」の即時発動が見送られ、インフレを巡る過度な懸念が後退する中、この日発表の1月米小売売上高が予想を下回ると債券買いが広がった。
・原油先物相場は3日続落。ロシアとウクライナの和平合意への期待が供給懸念を和らげ、この日も相場を押し下げた。市場では停戦合意が実現して対ロシア制裁が解除されれば、世界のエネルギー供給が増加するとの思惑が広がっている。
・金先物相場は反落。前日に史上最高値を更新した後とあって、週末を前に持ち高調整や利益確定目的の売りが出やすかった。
14日08:40 トランプ米大統領
(モディ・インド首相との会談後)
「インドが関税引き下げを発表」
「欧州は資金面で重責を担っていない」
「我々は公平な競争条件を得る権利がある」
「我々は中国と非常に良好な関係を築けるだろう」
「ロシア、ウクライナとの交渉について言うのは時期尚早」
15日04:42
「自動車関税は4月2日頃に導入するだろう」
14日08:57 赤沢経済再生相
「円安は実体経済に様々な影響、為替動向を十分注視する」
「(相互関税について)措置の具体的な内容や影響を精査し適切に対応」
14日19:48 ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「米国および同盟国とのあらゆる協議に応じる用意がある」
「同盟国と立場を合わせた後、ロシアとの協議を行う」
「ロシアはベラルーシに最大15万人の兵士を配備する可能性」
「トランプ氏との話し合いは良好かつ前向きだった」
「プーチン大統領は平和を望んでいない」
14日20:50 ベッセント米財務長官
「イランの石油販売をトランプ政権初期のレベルに戻せば、イランは深刻な経済的苦境に陥るだろう」
「イランに対して最大限の経済的圧力をかけることができる」
「(ロシアへの制裁の可能性について尋ねられて) プーチンがどのように交渉のテーブルにつくかによる」
「他国が関税を下げない場合、関税は非常に大幅なものになる可能性」
※時間は日本時間
17日
○08:50 ☆ 10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値
○13:30 ◇ 12月第三次産業活動指数
○13:30 ◇ 12月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 12月設備稼働率
19日
○08:50 ◎ 12月機械受注
○08:50 ◎ 1月貿易統計(通関ベース)
○10:30 ◇ 高田創日銀審議委員、あいさつ
20日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
21日
○08:30 ☆ 1月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 1月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
17日
○19:00 ◇ 12月ユーロ圏貿易収支
○22:15 ◇ 1月カナダ住宅着工件数
○22:30 ◇ 12月対カナダ証券投資
○23:30 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○18日00:20 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○米国(プレジデンツデー)、カナダ(ファミリーデー)、休場
18日
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表
○16:00 ◎ 1月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 10-12月英失業率(ILO方式)
○16:45 ◇ 1月仏消費者物価指数(CPI)改定値
○18:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○18:30 ◎ 10-12月期南アフリカ失業率
○18:30 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○19:00 ◎ 2月独ZEW景況感指数
○19:00 ◎ 2月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:30 ◎ 1月カナダCPI
○22:30 ◎ 2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○23:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、イベントに参加
○24:00 ◎ 2月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
○19日00:20 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○19日06:00 ◎ 12月対米証券投資動向
19日
○06:45 ◎ 10-12月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○09:30 ◎ 10-12月期豪賃金指数
○10:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表
○11:00 ◎ オアRBNZ総裁、記者会見
○16:00 ◎ 1月英CPI
○16:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○17:00 ◎ 1月南アフリカCPI
○18:00 ◇ 12月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○20:00 ◇ 12月南アフリカ小売売上高
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◎ 1月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○20日03:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○20日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月28日-29日分)
○09:30 ◎ 1月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○16:00 ◇ 1月独生産者物価指数(PPI)
○17:30 ◎ 1月香港CPI
○19:00 ◇ 12月ユーロ圏建設支出
○22:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○22:30 ◇ 1月カナダ鉱工業製品価格
○22:30 ◇ 1月カナダ原料価格指数
○22:30 ◎ 2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:35 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、質疑応答
○24:00 ◎ 2月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○24:00 ◎ 1月米景気先行指標総合指数
○21日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○21日02:05 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
21日
○06:45 ◎ 1月NZ貿易収支
○09:01 ◇ 2月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○16:00 ◎ 1月英小売売上高
○16:45 ◇ 2月仏企業景況感指数
○17:15 ◎ 2月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○17:15 ◎ 2月仏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ 2月独製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 2月独サービス部門PMI速報値
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏製造業PMI速報値
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○18:30 ◎ 2月英製造業PMI速報値
○18:30 ◎ 2月英サービス部門PMI速報値
○21:00 ◎ 10-12月期メキシコ国内総生産(GDP)確定値
○22:30 ◎ 12月カナダ小売売上高
○23:30 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:45 ◎ 2月米製造業PMI速報値
○23:45 ◎ 2月米サービス部門PMI速報値
○23:45 ◎ 2月米総?⑰MI速報値
○24:00 ◎ 2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
○24:00 ◎ 1月米中古住宅販売件数
○22日02:45 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
23日
○ドイツ総選挙
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル・NZ、両国中銀は利下げ予想の中、声明文に注目
◆豪ドル、米関税賦課免除されれば下支えに
◆ZAR、トランプ米政権の政治圧力が重しに
予想レンジ
豪ドル円 95.00-98.50円
南ア・ランド円 7.80-8.40円
2月17日週の展望
豪ドルは神経質な動きになりそうだ。17-18日に豪準備銀行(RBA)理事会が行われるが、10-12月期消費者物価指数(CPI)が大幅に低下したことにより、25bp利下げし、政策金利を4.10%まで引き下げるとの予想が濃厚。注目は声明文で、前回は「合理的な時間枠内でインフレを持続的に目標に戻すことが理事会の最優先事項」としたが、ハト派寄りの内容を継続するかが注目される。また、発表翌日の19日には隣国のニュージーランド(NZ)でもNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC)が開かれる。NZは高失業率と低成長(GDPは7-9月期-1.0%)などが経済の重しとなっており、3会合連続で50bpの利下げ予想が優勢になっている。両国の金融政策の方向性に差異があれば豪ドル/NZドルが動意づくだろう。
また、RBA理事会通過後も、豪州国内からは19日には10-12月期賃金指数、20日に1月雇用統計が発表されるなど、注目イベントが目白押しだ。更に21日にはブロックRBA総裁をはじめ、ハウザーRBA副総裁、経済動向を担当しているハンターRBA総裁補佐、金融市場担当のケントRBA総裁補佐、金融システム担当のジョーンズRBA総裁補佐が揃って議会証言を行う。RBA理事会直後の議会証言となることで、今後の中銀の方向性を占う上でも注目度が増すだろう。
また、引き続きトランプ米大統領の関税措置にも注目。今週に入りトランプ米大統領は鉄鋼とアルミニウムに対する25%関税賦課を決定したが、現時点ではすべての国が対象になっている。ただ、長年にわたって米国は豪州に対して貿易黒字国でもあり、豪州が免税措置の対象となる可能性もある。豪州にとっては米中間の関税引き上げ合戦で、豪州の主要輸出商品の鉄鉱石や石炭、天然ガスなどの資源・エネルギーや、農産物の需要が縮小していることが景気の足かせとなっているが、米国の関税賦課から逃れられた場合には豪ドルは買戻されることになるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が重くなりそうだ。南アからは19日に1月のCPI、12月小売売上高が発表される。ただ、南アと米国の関係悪化が市場の注目となっているなかでは、よほど結果が予想とかい離しない限り影響は限られるだろう。南ア・米関係については、引き続きトランプ米政権が南アに対して内政干渉も問わない姿勢をとっている。アパルトヘイト政策撤廃前の価値基準を押し付けられようとしているが、南アとしても、決して米国の要求をのむことはできず、両国の関係改善の見通しが立たないことがZARの重しになる。なお、19日に予定されているゴドンワナ南ア財務相の2025年度国家予算演説には注目したい。
2月10日週の回顧
豪ドルは対ドルでは横ばい、対円では円安が進行したことで上昇した。ロシアとウクライナの停戦期待もありリスク選好の動きが豪ドル円を支えた。ZARも対ドルではほぼ横ばいだったが、対円では下落後に反転した。トランプ米大統領が関税賦課に署名すると、ランド円は一時年初来安値を更新した。ただ、その後はドル円の上昇で急反発した。
◆当面はトランプ関税関連のヘッドラインで神経質な相場が継続
◆ポンド、英雇用・物価データで利下げペースを見極め
◆加ドル、関税懸念が上値を圧迫するなか加CPIに注目
予想レンジ
ポンド円 188.00-194.00円
加ドル円 105.50-109.50円
2月17日週の展望
トランプ関税によって世界経済の先行きに不確実性が増しており、関連のヘッドラインで神経質な動きが続いているが、来週の英国内では1月雇用・物価データや2月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値などの注目指標の発表が予定されている。今週発表の10-12月期GDP速報値が前期比0.1%とマイナス予想から上振れし、前年比も1.4%と予想を上回った。
イングランド銀行(英中銀、BOE)は2月会合で0.25%の利下げを決定し、今後の金融政策を判断するためにトランプ関税の動向や英国内の経済指標を見極めることになる。2月会合ではインフレの上昇と経済成長の鈍化を予想したほか、経済予測の前提となる金利軌道では向こう3年間に2回の追加利下げしか想定されず、今年についてはあと1回しか想定していない。一方、短期金融市場では今年中にさらに3回の0.25%の利下げ予想が優勢である。BOEと市場の見方にはかなりのずれが生じているが、指標結果次第では見通しが変化する可能性もありそうだ。
BOEは昨年8月から金融政策の緩和に舵を切り2月会合で3回目の利下げと、インフレ退治の手を緩め経済を支えようとしているが、利下げは家計や政府の借り入れコストに反映されず実体経済への恩恵は少ないとの見方が強い。利下げ効果が薄い要因として、中銀の利下げが慎重で漸進的になっていることや、スターマー労働党新政権の拡張的な財政政策が取り上げられている。英政権の経済成長の実現と財政の立て直しが難しくなっており、BOEは今後大幅な利下げを強いられるリスクが残されている。
加ドルは関税交渉のヘッドラインに注目しつつ、1月消費者物価指数(CPI)や12月小売売上高などの指標結果を見極める動きとなる。1カ月先伸ばしとなっている関税の期限も近づいているが、トランプ米大統領は3月12日から鉄鋼とアルミニウムに対する25%関税を課すとし、主要供給国のカナダ、メキシコ、ブラジルなどへの適用除外措置と無関税枠を撤回した。米国が去年輸入した鉄鋼製品のうち、カナダからの製品は2割超と国別で最も多く、トルドー加首相は対抗措置をとると明言した。米国への財の輸出がカナダのGDPのほぼ2割を占めており、関税戦争が勃発すれば加経済はリセッション入りも懸念される。関税懸念が払しょくされない限り、加ドルは重い動きが続くと見込まれる。また、仮に関税合戦となれば、カナダ中銀(BOC)は利下げペースを加速させ、金融面からリセッション回避に向けた動きとなる可能性も出てくるだろう。
2月10日週の回顧
対円では先週大きく進んだ円買いの巻き戻しが優勢。日銀の追加利上げをネタとした動きが一巡したことやウクライナ停戦期待などによるリスクオフの後退にも後押しされ、ポンド円は193円近辺、加ドル円は108円前半まで切り返した。対ドルでは神経質な動きも、米長期金利の低下に伴ったドル売りで、ポンドドルは1.25ドル後半まで切り返し、ドル/加ドルは1.42加ドル割れまで加ドルの買い戻しが進んだ。
◆ドル円、1月CPIや対米貿易黒字を見極め
◆ドル円、FOMC議事要旨にも注目
◆ユーロドル、ウクライナ停戦合意を見極めつつ製造業・サービス業PMI速報値に注目
予想レンジ
ドル円 151.00-155.00円
ユーロドル 1.0200-1.0600ドル
2月17日週の展望
ドル円は、全国1月消費者物価指数(CPI)が12月の3.0%から上昇基調を辿っているのか否かを見極めることになる。CPIの先行指標となる東京都区部のコアCPIは、前年比2.5%と3カ月連続で伸びが拡大している。また、氷見野日銀副総裁が円安の影響として注目していた1月の輸入物価指数も前年比2.3%となり、12月の1.4%から上昇した。1月CPIが上昇基調を辿っていた場合は、日銀の0.75%への追加利上げ時期が前倒しされる可能性が高まるため、ドル円の上値が抑えられることになるだろう。また、1月の貿易収支では、本邦実需筋の動向を確認することになるが、トランプ米大統領が日米首脳会談の後に「対日貿易赤字を減らしたい」意向を示したこともあり、今後は対米貿易黒字の推移にも注目していきたい。
米国では、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月28‐29日開催分)が公表されるが、タカ派的な据え置きの背景や、年内の利下げ回数・利下げ幅に関する見解に注目することになるだろう。なお、直近のCMEがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、0.25%の追加利下げの時期は10月FOMCまで先送りされる可能性が示唆されている。トランプ米大統領は、「金利は引き下げられるべきだ。それは今後の関税と歩調を合わせることになる」と引き続き利下げを要求しているものの、パウエルFRB議長は半期に一度の議会証言で「関税を理由に政策金利を変更せざるを得なくなる可能性」に言及。利上げの可能性を示唆したことには注意したい。
ユーロドルは、欧州連合(EU)とトランプ米政権による関税を巡る協議の行方、ウクライナ停戦合意の行方などを見極めつつ、ユーロ圏2月の製造業・サービス業PMI速報値を確認することになる。ユーロ圏の景況感の悪化傾向が続いていた場合は、3月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下観測が高まることになりそうだ。また、23日に予定されているドイツ総選挙に向けて、極右政党である「ドイツのための選択肢」(AfD)が躍進する可能性が警戒されており、ドイツの政局混迷リスクにも警戒が必要だろう。
2月10日週の回顧
ドル円は、週明けから前週のショートカバーが先行。トランプ米大統領が鉄鋼とアルミに対する輸入関税25%の大統領令に署名。また、米1月CPIが予想を上回り、パウエルFRB議長が議会証言で「政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」というこれまでの見解を繰り返したことから米長期金利が急上昇となると154.80円まで買い戻された。ただ、米国による相互関税が即時発動されず、米長期金利が一転して急低下となると152円台半ばまで反落している。ユーロドルは、ウクライナ停戦合意への期待感が高まったこともあり、1.04ドル台半ばまで上昇した。
14日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は312円安の39149円。
日経平均は大幅安。後場に一段と崩れており、前日の大幅高は基調の変化を示唆するほどのものではなかったもよう。それでも、終値(39149円)では25日線(39106円、14日時点)や39000円を上回った。来週はこれらより上で値を固めることができるかが注目される。1月24日に40279円まで上昇した後に失速したが、2月3日の38401円で売り一巡感が出てきている。中期では38000円~4万円レベルのレンジ相場が続く中、2月3日が当面のボトムになったのであれば、目先は4万円辺りを目指す展開が期待できる。
【来週の見通し】
一進一退か。国内は決算発表が一巡して個別の材料が少なくなる。米国も注目度の高い銘柄の決算発表が一巡した上に月曜17日は休場で、焦点が定まりづらい。トランプ米大統領の言動や金利・為替動向に神経質となる状態が続くと思われる。物色は日替わりとなりやすく、全体では楽観ムードが高まれば利益確定売りが出てくる一方、警戒ムードが高まれば押し目は拾われるだろう。指数の日々の振れ幅は大きくなるかもしれないが、強気にも弱気にも傾きづらく、週間ではそれほど値幅が出ないと予想する。
【今週を振り返る】
堅調となった。前週末の日米首脳会談が友好ムードとなり、週明け10日の日経平均は米国株安を跳ね返してプラスで終了。休場明けの12日はスタンダード指数が史上最高値を更新するなど中小型株物色が盛り上がり、全体でも買いが優勢となった。NISAの日の13日は円安進行に強い反応を示して500円近い上昇。一時39500円を上回った。14日は円安が一服したことで大幅安となったものの、週末値では39000円を上回った。日経平均は週間では約362円の上昇となり、週足では3週ぶりに陽線を形成した。
【来週の予定】
国内では、10-12月期GDP、12月第三次産業活動指数(2/17)、20年国債入札(2/18)、12月機械受注、1月貿易統計、1月首都圏新規マンション販売、1月訪日外客数(2/19)、1月消費者物価指数(CPI)(2/21)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、独2月ZEW景況感指数、米2月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米2月NAHB住宅市場指数、米12月対米証券投資(2/18)、米1月住宅着工件数、米1月建設許可件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1/28~29開催分)、米20年国債入札(2/19)、米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(2/20)、米2月製造業購買担当者景気指数(PMI)(2/21)などがある。
なお、2/17の米国はプレジデント・デー(大統領の日)により休場となる。
今週の日経225先物は、トランプ政権の関税政策の影響を警戒しつつ、日米の金利動向や為替を睨んでの相場展開になりそうだ。先週は2月10日につけた3万8350円を安値にリバウンドをみせ、13日には3万9600円まで買われた。これにより3日の急落分(1030円安)をほぼ埋める形だった。3万9000円辺りで推移していた75日移動平均線を巡る攻防からのリバウンドで、上値を抑えられていた25日線を突破し、ボリンジャーバンドの+1σ水準を捉えた。週末は+1σに上値を抑えられる形でロング解消が優勢となり、25日線水準で終える形だった。今週は3万9000円近辺で推移する25日、75日線水準で底堅さをみせられるかが注目される。
14日の米国市場はNYダウ、S&P500が下落する一方で、ナスダックは上昇した。トランプ大統領は前日に、貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」の導入を指示する覚書に署名した。国ごとに調査したうえで個別に対応する方針であり、市場が警戒した即時発動が回避されたことで、貿易摩擦への過度な懸念が後退した。
一方、1月の米小売売上高は前月比0.9%減となり、市場予想以上に減少した。カリフォルニア州の山火事や昨年の年末商戦の反動の影響とみられているが、この結果を受けて米長期金利が低下し、為替市場ではドル円が一時1ドル=152円台前半までドルが売られる場面もあった。NYダウ構成銘柄では、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、トラベラーズ<TRV>、メルク<MRK>、アムジェン<AMGN>といった景気敏感株や消費関連株などが売られた。
半面、エヌビディア<NVDA>やシスコシステムズ<CSCO>、アップル<AAPL>、IBM<IBM>が買われた。そのほか、メタ・プラットフォームズ<META>が20営業日続伸したほか、ネットフリックス<NFLX>が買われ、ナスダック指数は3日続伸し1月23日以来の2万台を回復している。半導体SOX指数も3日続伸しており、日経平均型の下支えとなろう。
日経225先物は25日、75日線での攻防が意識され、底堅さがみられる局面では+1σ水準を試す可能性がある。ただし、バンドが下向きで推移しているため、バンドに上値を抑えられる状況が目立ってくるようだと、ショートが入りやすい需給状況になりそうだ。2月のSQ値(3万9432.64円)接近では戻り待ち狙いのショートに向かいやすい。
また、3万9000円処を下回ってくるようだと、-1σ(3万8660円)のほか200日線(3万8520円)が射程に入ってくる。-1σと+1σによるレンジで、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9500円での推移が想定されよう。もっとも、これまで200日線水準での底堅さがみられているため、同水準に接近する局面では押し目狙いのロング対応に向かわせるとみておきたい。週明け17日の米国はプレジデントデーで祝日となる。海外勢のフローが限られるなか、下へのバイアスが強まる局面ではロングのタイミングになりそうだ。
一方、足もとで日銀の早期利上げ観測が警戒されているが、日銀は次回3月の金融政策決定会合からレギュラー出席者を増やすと報じられている。金融機構局担当の幹部らを毎回出席させるようであり、大規模な保有ETF(上場投資信託)の放出を巡って思惑が高まる可能性がある。金融システム正常化に向けた動きの一環ではあるが、積極的なロングを手控えさせる一因として関連する報道には注意しておきたい。
7日の米VIX指数は14.77(13日は15.10)に低下し、1月24日以来の15.00割れとなった。先週は25日線(16.27)、200日線(16.27)、75日線(16.30)での攻防が継続し、12日には一時17.18まで上昇する場面もあったが、その後は各移動平均線が抵抗線として機能しており、リスク選好に向かわせよう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。週半ばには14.29倍まで上昇する場面もみられたが、同水準に位置する25日線(14.28倍)に上値を抑えられる形となり、週末には再び200日線(14.22倍)を割り込んでいる。ただし、週末要因に伴うリバランスの動きと考えられ、200日線での底堅さがみられてくるようだと、NTロングに向かわせる可能性はありそうだ。
2月第1週(2月3日-7日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の売り越しであり、売り越し額は6352億円(1月第4週は4865億円の売り越し)だった。なお、現物は2657億円の売り越し(同3133億円の売り越し)と2週連続の売り越しであり、先物は3694億円の売り越し(同1732億円の売り越し)と2週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で6039億円の買い越しと2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で200億円の買い越しとなり、3週ぶりの買い越し。
主要スケジュールでは、17日に10-12月期GDP、18日に米国2月ニューヨーク連銀製造業景気指数、19日に12月機械受注、1月貿易収支、中国1月70都市新築住宅価格動向、米国1月住宅着工件数、FOMC(1月28日~29日開催分)議事要旨、20日に米国2月フィラデルフィア連銀景況指数、米国1月コンファレンス・ボード景気先行指数、21日に1月全国消費者物価指数、米国2月製造業PMIなどが予定されている。
<国内>
○08:50 ☆ 10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.3%/前期比年率1.0%)
○13:30 ◇ 12月第三次産業活動指数(予想:前月比0.1%)
○13:30 ◇ 12月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 12月設備稼働率
<海外>
○19:00 ◇ 12月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済145億ユーロの黒字)
○20:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○22:15 ◇ 1月カナダ住宅着工件数(予想:25.25万件)
○22:30 ◇ 12月対カナダ証券投資
○23:30 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○18日00:20 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○米国(プレジデンツデー)、カナダ(ファミリーデー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末の海外市場でドル円は一時152.03円まで弱含んだ。1月の米小売売上高がヘッドラインと自動車を除いたベースともに予想より下振れたことで米長期金利が低下。これを受けて全般ドル売りが優勢となった。ユーロドルは1.0514ドルと1月27日以来の高値を更新した。
本日の東京時間でドル円は、方向感が出にくく引き続き神経質な動きになりそうだが、米長期金利の低下で上値は限られるか。指標では10-12月期の実質国内総生産(GDP)速報値が発表予定。
2月に入りドル円は非常にボラタイルに動き、最も狭い日でも11日の96銭レンジで、平均すると1日に1円66銭の値幅を伴った動きになっている。大きな値幅の要因としては、トランプ米大統領が関税賦課を示唆するものの、ディールを望んでいることもあり、関税が実際に発動されるのかが定まらず、米長期金利が激しく上下していることが主要因。また植田日銀総裁の就任後、日銀は経済指標の発表などが無い場合でも急に本邦の金融政策見通しに変化を加え、市場と対話が全く取れていないことも別要因としてある。
本日は米国市場がプレジデンツデーで休場。リスクを取るのは難しい相場で値幅は限られるかもしれないが、引き続きトランプ政権の動向や本邦要人の不用意な発言が相場をかき乱すことはありそうだ。
円相場で本日注目されるのは、本邦の10-12月期GDP速報値。市場は、年率換算で7-9月期の+1.2%から+1.0%へと低下を予想。今年1月に発表された日銀の展望レポートでは、2025年度のGDP予想は+1.1%となっていることで、昨年の第3四半期からは停滞するものの、概ね見通しに沿ったものになっている。本日は10-12月期のGDPが予想を上振れれば、賃金と物価の好循環が確認でき、3月に向けての日銀の利上げ期待が更に高まり円が買われることになるだろう。一方で成長率が鈍化した場合には、やや円が売られることになるか。
ドル円以外には、欧州通貨の値動きには要注目。引き続きロシアとウクライナの停戦協議の動向には目を向けておきたい。トランプ米大統領による停戦協議の提案は、ウクライナと地政学的に密接に結びついている欧州各国を無視している。これを懸案し、週末にマクロン仏大統領が本日月曜日「ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド、スペイン、オランダ、デンマークの政府首脳、および欧州理事会議長、欧州委員会委員長、NATO事務総長」と「非公式」会合を行う予定であると述べた。
トランプ米大統領は、和平よりもウクライナから同国の希土類鉱物へのアクセスを確保するというディールを持ち掛けている。ゼレンスキー・ウクライナ大統領はこれまでに提示された提案は、ウクライナにとって具体的な安全保障を保証するものではないと述べ、米ロ両国だけの協議に対してウクライナを含めた欧州各国が拒否反応を示している。安易に米ロの協議が行われることが停戦協議となるわけではなく、欧州の孤立がさらに進み、ユーロ相場に影響を与えるリスクもありそうだ。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39110 ±0 (±0.00%)
TOPIX先物 2760.5 +7.0 (+0.25%)
シカゴ日経平均先物 39100 -10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場はNYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。1月の米小売売上高は前月比0.9%減となり、市場予想以上に減少した。結果を受けて米長期金利は低下し、為替市場では一時1ドル=152円台前半までドルが売られるなか、景気敏感株や消費関連株などが売られた。
ただし、トランプ大統領は前日に貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」の導入を指示する覚書に署名したが、関税の即時発動が見送られたほか、国ごとに調査したうえで個別の対応を取るとしており、貿易摩擦への過度な懸念が後退したことが支えとなった。
NYダウ構成銘柄では、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、トラベラーズ<TRV>、メルク<MRK>、アムジェン<AMGN>が下落。半面、エヌビディア<NVDA>やシスコシステムズ<CSCO>、アップル<AAPL>、IBM<IBM>が買われた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、電気通信サービスが上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、医薬品・バイオテクノロジー、保険が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比10円安の3万9100円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比50円高の3万9160円で始まり、3万9230円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は3万9110円~3万9230円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜けて一時3万8990円まで売られた。終盤にかけて持ち直し、日中比変わらずでナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションで一時節目の3万9000円を割り込む場面もみられたが、25日移動平均線(3万9090円)、75日線(3万9060円)を上回って終えており、両線での攻防が意識される。底堅さがみられる局面ではボリンジャーバンドの+1σ(3万9520円)とのレンジでの推移になりそうだ。
3万9000円辺りを下回ってくるようだと、-1σ(3万8660円)のほか、200日線(3万8520円)が射程に入ってくる。-1σと+1σとのレンジにより、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9500円での推移が想定されよう。まずは25日、75日線水準での底堅さを見極めたいところである。17日の米国はプレジデンツデーで祝日となるため、海外勢のフローは限られ、短期的にショートが入りやすいだろう。
ただし、トランプ政権の「相互関税」については、詳細が明らかになるまではショートも仕掛けづらくさせる。積極的にポジションを傾けてくる動きにはならず、思惑的な売買が先行するなかでクローズの動きも早いだろう。そのため、3万9000円割れの局面では、押し目狙いのロング対応となりそうだ。
14日の米VIX指数は14.77(13日は15.10)に低下し、1月24日以来の15.00割れとなった。先週は25日線(16.27)、200日線(16.27)、75日線(16.30)での攻防が継続し、12日には一時17.18まで上昇する場面もあったが、その後は各移動平均線が抵抗線として機能しており、リスク選好に向かわせよう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。週半ばには14.29倍まで上昇する場面もみられたが、同水準に位置する25日線(14.28倍)に上値を抑えられる形となり、週末には再び200日線(14.22倍)を割り込んでいる。ただし、週末要因に伴うリバランスの動きと考えられる。米国ではエヌビディアなどハイテク株が買われており、200日線での底堅さがみられてくると、NTロングに向かわせる可能性はありそうだ。
東京市場は小動きか。先週末の米国株はまちまち。ダウ平均は下落し、ナスダックは上昇。S&P500はほぼ横ばいとなった。ダウ平均は165ドル安の44546ドルで取引を終えた。1月小売売上高が市場予想を下回り、10年債利回りが低下。景気敏感系の銘柄は売られた一方、グロース系の銘柄には資金が向かった。ドル円は足元152円20銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて10円安の39100円、ドル建てが15円高の39125円で取引を終えた。
米国動向を受けてグロース株には買いが入ると見込まれる。一方、弱い小売指標は米景気減速に対する警戒を高めるだけに、グロース株以外は手がけづらい。本日の米国は休場で、あすは手がかり難が予想される。決算発表銘柄の振れ幅は大きくなるだろうが、全体では方向感が出づらいとみる。場中は値幅が出ればそれが修正され、前営業日近辺での一進一退が続くだろう。日経平均の予想レンジは38950円-39300円。
日経225先物は11時30分時点、前日比80円高の3万9190円(+0.20%)前後で推移。寄り付きは3万9150円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9100円)を上回り、やや買い先行で始まった。その後、為替市場で円相場が1ドル=151円台後半と円高に振れるなか、一時3万8990円まで売られる場面もみられた。現物の寄り付き後ほどなくして3万9230円まで買われたが、ナイトセッションでつけたレンジ(3万8990円~3万9230円)内での推移であり、スキャルピング中心のトレードに限られているようだ。
指数インパクトの大きいところでは、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、ソニーグループ<6758.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が堅調な半面、オリンパス<7733.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]、リクルートホールディングス<6098.T>[東証P]が日経平均型の重荷となり、方向感をつかみづらくさせている。また、日経225先物はナイトセッションのレンジ内での推移により、仕掛けてくる動きは限られているだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.14倍に低下した。先週末の安値水準から始まり、一時14.13倍まで下げる場面もみられた。200日移動平均線(14.22倍)から下放れる形状となるなか、NTショートに振れやすくなりそうだ。
スターマー英首相はテレグラフ紙とのインタビューの中で「イギリス軍をウクライナに派遣する用意がある」との見解を示した。ウクライナへの安全保障に関する取り組みを加速させる上での一つの手段だとし、イギリスの軍人を危険にさらす可能性を伴う責任を非常に強く感じているとも述べている。
最新の世論調査の結果、アルバニージー豪労働党政権に対する国民の支持が低下し、再選に暗雲が立ち込めている。有権者の53%が政権再選に反対し、首相の支持率は過去最低を記録。物価高騰や雇用対策に取り組むも支持は伸び悩み、主要支持率も2022年の選挙結果を下回る31%に留まっている。一方で、野党連合も支持を伸ばしきれていない。5月までに予定される総選挙で同様の結果となれば、ハング・パーラメントとなる可能性も指摘されている。
先週末のドル円は、欧州時間は152.60円を挟んだもみ合いのなか一時152.39円まで値を下げる場面もみられましたが、12日の安値152.38円が目先の下値目処として意識されたこともあり、その後は152.84円まで買戻されました。NY時間に入ってからは1月米小売売上高が▲0.9%と予想の▲0.1%を大幅に下回る弱い数字。自動車を除く数字も0.3%の予想に反して▲0.4%とこちらもかなりの弱い結果となると、米長期金利の大幅な低下とともに152.03円まで売り込まれました。
引けにかけては152.39円まで買戻されましたが、週明けのアジア市場では、北米市場が休場となるなか、日本の10‐12月期GDP速報値が2.8%と予想の1.0%を大きく上回る強い結果となると再び下値を試す展開となりました。本邦実需の買いも観測されてはいますが、先週末安値の152.03円はもちろん、11日の安値151.65円も下抜けると一時151.51円まで値を下げているといったところです。
本日は、ドル円にとっては東京時間がメインの市場となりそうな状況ですが、目先は10日の安値151.16円や7日の安値150.93円が意識されて2番底を作るのかどうか。週足の一目雲が位置する151.10円から151.82円のレンジ内に入り込んでいるわけですが、いずれにしても、明日以降の日本サイドの事情ではなく、米国市場の状況を慎重に見極めることになりそうです。
本日の欧州時間では、ウクライナ戦争に関する緊急首脳会議に注目が集まる。
15日にミュンヘンで行われた安全保障会議でウクライナとロシア担当のケロッグ米特使は、欧州の停戦交渉の参加を拒否した。アメリカ・ファーストで米国の利益しか考えていないトランプ政権が、ウクライナとロシア間の和平交渉を進めようとしているのは、ウクライナにある鉱物資源獲得のためというのは明らか。
そもそも、ロシアがウクライナを侵攻したドネツクとルガンスクは、ウクライナ全体で12兆ドルの価値があるとされる鉱物資源の7兆ドル分を占めると見られている。この鉱物資源をロシアにだけ占有されることを避け、米国もその利益を得ようとしている。
米露でウクライナの分割案が浮上しているが、欧州圏にとってはロシアの侵攻は自国の主権にも影響を与えることで、米国と考え方に大きな隔たりがある。米国当局がリヤドでロシア当局と停戦に関する予備協議を開始する前に、欧州やウクライナは米国とロシアによるウクライナ分割の可能性に対する警告を直接伝える必要がある。
これまでは、欧州と米国とは北大西洋条約機構(NATO)の一員として防衛面でも協力姿勢を保ち、現時点でも米国の意向をある程度組んでいたが、NATOも一枚岩ではいかなくなっている。週末のテレグラフ紙でスターマー英首相は「平和維持のためウクライナに英国軍を派遣する用意がある」と述べ、欧州圏の立場はロシアに譲歩する可能性が少ない。
欧州の現政権と米政権の溝が深まりも懸念材料。トランプ政権の中枢を担うイーロン・マスク氏が英国の現労働政権を批判、バンス米副大統領は独総選挙を前に、移民排斥を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への実質的な支持を表明した。このような状況では、ウクライナとロシアへの停戦期待が急速に萎む可能性もあり、これまで買われていたユーロの上値が抑えられることもありそうだ。
なお本日は12月ユーロ圏貿易収支が発表予定だが、こちらは相場インパクトは弱そうだ。ほか、ナーゲル独連銀総裁の講演が欧州昼頃に予定されている。
・想定レンジ上限
ユーロドル:1月27日につけた年初来高値1.0533ドルや日足一目均衡表・雲の上限1.0558ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル:14日安値1.0447ドル。その下は日足一目均衡表・転換線1.0397ドル。
ドル円:1ドル=151.52円(前営業日NY終値比▲0.79円)
ユーロ円:1ユーロ=158.94円(▲0.89円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0489ドル(▲0.0003ドル)
日経平均株価:39174.25円(前営業日比△24.82円)
東証株価指数(TOPIX):2766.90(△7.69)
債券先物3月物:139.38円(▲0.32円)
新発10年物国債利回り:1.385%(△0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値
前期比 0.7% 0.4%・改
前期比年率 2.8% 1.7%・改
12月鉱工業生産・確報値
前月比 ▲0.2% 0.3%
前年同月比 ▲1.6% ▲1.1%
12月設備稼働率
前月比 ▲0.2% ▲1.9%
12月第三次産業活動指数
前月比 0.1% ▲0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。朝方に152.39円まで小幅に上げたものの、10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値が予想を大幅に上回る強い結果だったことが伝わると、日銀の早期利上げ観測から本邦長期金利の上昇とともに円買いが優勢に。先週末安値の152.03円を下抜けて151.48円まで下げ足を速めた。
・ユーロ円も弱含み。総じてドル円と同様の展開となった。本邦GDP速報値の強い結果を受けて円が全面高となり、13日安値159.02円を下回ると158.91円まで下げ幅を広げた。
・ユーロドルは強含み。中国人民銀行(PBOC)が基準値公表後にオフショア市場でドル安・人民元高が進むとその他の通貨に対してもドル売りが波及。ユーロドルは一時1.0506ドルまで上昇した。一方、先週末高値の1.0514ドルを試すほどの勢いはなかった。
・日経平均株価は反発。先週末のダウ平均が下落した流れを引き継いで120円超下落して始まったが、銀行株などに買いが観測されるとプラス圏を回復。一方で、一段と買いを進める雰囲気でもなく、その後はもみ合いが続いた。
・債券先物相場は反落。本邦GDP速報値が予想を大きく上回る結果となり、日銀の利上げが前倒しされるのではとの思惑から売りが優勢となった。
みずほ証券では、テクニカルリポートの中でNT倍率(日経平均/TOPIX)に着目している。NT倍率と10年国債利回りを比較すると、金利上昇工面ではNT倍率が低下していることが目立っているとのこと。足元で国内10年金利は上昇傾向にある。みずほでは、NT倍率は今後も金利上昇を背景に折に触れて低下しやすいとみており、3月から4月には24年のボトムである13.88倍を下回る可能性があると考えている。
米国1月の消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)が、インフレ率上昇の兆候を示す中、ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、1月のコアPCEは、前月比+0.27%、前年比+2.6%程度を見込んでいる。
理由として、「米連邦準備理事会(FRB)が重視するPCE価格指数に反映されるPPI項目(フィナンシャル&ヘルスケア・サービス)は全体的に、非常に抑制されていた」ことを挙げている。
1.米1月消費者物価指数(CPI)&卸売物価指数(PPI)
米国1月の物価指数は、トランプ米大統領が進める関税措置の発動と不法移民の強制送還が労働力不足と賃金上昇につながり、インフレが一段と上昇する可能性を高めている。
■消費者物価指数(CPI)
【前月比】 【前年比】(12月)
・総合指数:+0.5%(+0.4%)+3.0%(+2.9%)
・コア指数:+0.4%(+0.2%)+3.3%(+3.2%)
■卸売物価指数(PPI)
【前月比】 【前年比】
・総合指数:+0.4% (+0.5%)+3.5%(+3.3%)
・コア指数:+0.3% (+0.4%)+3.6%(+3.7%)
2.米連邦準備理事会(FRB)の「長期目標及び政策方針」:PCE価格指数
2012年1月25日のFOMCの終了後に発表された声明文「長期目標及び政策方針(Longer-run Goals and Policy Strategy)」において、「個人消費支出(PCE)価格指数」に基づく年間2%のインフレ率が、長期的に見て連邦準備理事会(FRB)の責務に最も一致した水準だと判断している、と発表した。
FRBが、価格変動が激しいエネルギーと食品を除いた「コア指数」ではなく「総合指数」としたのは、短期的な物価動向を見るにはコア指数が良いが、長期的には総合指数が適切と判断したものと思われる。また、「消費者物価指数(CPI)」を採用しなかった理由は、上方バイアスが生じる傾向にあるからだとされる。
3. シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の「フェドウオッチ」
・追加利下げ(-0.25%=4.00-25%):7月~9月FOMC
・12月末時点でのターミナルレート(利下げの最終到達点):4.00-25%
大阪3月限
日経225先物 39200 +90 (+0.23%)
TOPIX先物 2770.0 +16.5 (+0.59%)
日経225先物(3月限)は前日比90円高の3万9200円で取引を終了。寄り付きは3万9150円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9100円)を上回り、やや買い先行で始まった。その後、2024年10-12月期の国内総生産(GDP)が市場予想を大きく上回り、日銀の早期利上げを後押しする内容と受け止められて、円相場が1ドル=151円台後半と円高に振れるなか、一時3万8990円まで売られる場面もみられた。
もっとも、下へのバイアスは強まらず、現物の寄り付き後ほどなくして3万9230円まで買われた。ただし、海外勢のフローは限られ、買い一巡後はナイトセッションでつけたレンジ(3万8990円~3万9230円)内での推移が続いた。後場は現物の取引開始時につけた3万9090円を安値に底堅さが意識され、日中の高値は更新できなかったものの、プラス圏での推移が続いた。
日経225先物は朝方に売られた後は、概ね25日移動平均線(3万9090円)、75日線(3万9060円)を上回っての値動きだった。商いは膨らまず、スキャルピングの売買が中心だったとみられる。
なお、米国では連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事とウォラー理事の講演が予定されている。日本時間の18日朝方には講演内容が伝わるとみられ、これを受けた為替市場の動向などに振らされやすいだろう。ただし、短期的なトレードが中心のためクローズの動きも早く、引き続き3万9000円近辺では、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
本日の東証プライムの騰落銘柄は、値下がり数が6割を占めていた。そのなかで、先週末に決算を発表した銘柄に資金が集中していた。ストップ高で終えた銘柄などは明日も買いが継続する可能性がありそうだ。ただ、決算が一巡したこともあり、早い段階で利益確定に向かうようだと、手掛かり材料に欠ける状況のなか、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などの値動きに一段と振らされやすくなりそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍に低下した。先週末の安値水準から始まり、一時14.13倍まで下げる場面もみられた。200日線(14.22倍)から下放れる形状であり、NTショートに振れやすくなりそうだが、足もとでのレンジ下限水準の14.10倍辺りではNTロングの組成タイミングとなろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万1767枚、ソシエテジェネラル証券が9483枚、サスケハナ・ホンコンが2706枚、JPモルガン証券が1758枚、SBI証券が1537枚、バークレイズ証券が1398枚、日産証券が1173枚、ゴールドマン証券が745枚、野村証券が726枚、楽天証券が619枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券1万7036枚、ソシエテジェネラル証券が1万2114枚、JPモルガン証券が4884枚、バークレイズ証券が4469枚、UBS証券が3031枚、モルガンMUFG証券が2968枚、ゴールドマン証券が2319枚、ビーオブエー証券が949枚、日産証券が763枚、シティグループ証券が535枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、プレジデンツデーのため休場で閑散取引の中、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁やボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事の講演を見極める展開が予想される。
また、引き続き、トランプ米大統領による突発的な発言(ウクライナ関連、トランプ関税関連)には警戒しておきたい。
対日相互関税を巡る調査項目には「為替レートを市場価値から乖離させ、米国民に不利益をもたらすような政策および慣行」が含まれており、トランプ米大統領の「対日貿易赤字を削減したい」との発言とともに、「為替レート」への言及には警戒しておきたい。
米1月の小売売上高を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期が、7月FOMCに前倒しになっており、タカ派のハーカー米フィラデルフィア連銀総裁やボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事の見解に注目することになる。
ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は、先日、「今は小休止して、状況の推移を見守るのが適切だ」と1月FOMCでのタカ派的据え置きを支持していた。
ボウマンFRB理事も、1月のタカ派的据え置きを支持した上で、「追加利下げを行う前にはインフレ抑制のさらなる進展を見たい」と述べていた。
1月の米消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)が予想を上回っていたことで、両者ともタカ派的な見解が予想されており、利下げ開始時期への言及に注目することになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、152.70円(200日移動平均線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、150.93円(2/7安値)
今週のNY市場は関税問題と利下げ見通しに注目。先週はダウ平均が0.55%高と反発し、S&P500が1.47%高、ナスダック総合が2.58%高とともに3週ぶりに反発した。週初にトランプ米大統領が鉄鋼やアルミなどの輸入品に25%の関税を課すとしたほか、相互関税の導入の意向を示したが、即時発効が見送られたことで過度な警戒感は強まらなかった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で利下げを急く必要がないとしたことや、米1月消費者物価指数(CPI)や米1月生産者物価指数(PPI)が予想を上回る伸びとなったものの、FRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数の低下の可能性を示唆する内容と受けとめられ米10年債利回りが低下したことも米株の支援となった。米10年債利回りは前週末の4.487%から一時4.66%台まで上昇したが、4.478%で終了し、週間で小幅に低下した。S&P500の11セクターはヘルスケアと金融を除く9セクターが週間で上昇。エヌビディアが週間で6.94%高となり、ITが3.76%高となったほか、コミュニケーション、素材、生活必需品、エネルギー、公益も1%超上昇した。センチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の16.54ポイントから14.77ポイントに低下し、昨年12月26日以来の低水準となった。
今週は月曜日がプレジデンツデーの祝日で休場となるが、主要3指数が史上最高値に接近する中、トランプ政権の関税政策や利下げ見通しなどをにらんだ神経質な展開となりそうだ。トランプ関税は即時発効が見送られたことで警戒感が和らいでいるものの、引き続き不透明要因となりそうだ。利下げ見通しを巡っては先週の米1月生産者物価指数(PPI)の結果を受けて2月28日に発表される1月個人消費支出(PCE)価格指数が低下するとの見方が強まり、米10年債利回りの低下につながった。今週は2月NY連銀製造業業況指数、1月住宅着工件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、新規失業保険申請件数、1月中古住宅販売件数などが発表予定で、指標結果を受けた米10年債利回りの動向に引き続き要注目となる。決算発表はメドトロニック、アナログ・デバイセズ、ウォルマート、ハズブロなどS&P500採用の40銘柄強が発表予定。
今晩はプレジデンツデーの祝日のためNY株式市場が休場となります。主要な米経済指標や決算発表はなし。明朝の株式市場に関するニュース等は休信となります。
日経平均株価は小反発。場中の値動き自体が小さく、75日移動平均線(39041円 2/17)や25日移動平均線(39089円 同)などをサポートに底堅い展開となった。
RSI(9日)は前日の42.6%→67.8%(2/17)に上昇。あすは上昇のハードルが高くなるが、前日からの見方に大きな変化はない。依然として下向きが続く25日移動平均線が戻りを鈍くする要因になっている。短期的には39000円前後を下値で意識しながらも、25日移動平均線が下げ止まるまで値固めを維持できるかが一段高に向けたポイントになる。
上値メドは、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、100日移動平均線(38926円 同)、200日移動平均線(38656円 同)、心理的節目の38500円、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.38円(17日15時時点比▲0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.68円(▲0.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0482ドル(▲0.0007ドル)
FTSE100種総合株価指数:8768.01(前営業日比△35.55)
ドイツ株式指数(DAX):22798.09(△284.67)
10年物英国債利回り:4.527%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.489%(△0.058%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月ユーロ圏貿易収支
(季調済)146億ユーロの黒字 133億ユーロの黒字・改
(季調前)155億ユーロの黒字 164億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。東京時間に発表された10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値が好調な内容だったと受け止められ、日銀の追加利上げを巡る思惑が広がった。欧米市場に入っても円買い・ドル売りの流れが継続し、1時前に一時151.34円と日通し安値を更新した。市場では「日銀の利上げ継続観測が根強い中、日米金利差縮小への思惑から円買い・ドル売り地合いが強まった」との声が聞かれた。
なお、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事は「コアのインフレ指標は高いが、物価の変動率は今年さらに緩やかになるだろう」「インフレ率を2%の目標に下げる進展は遅くて、ばらつきがある」と述べたうで、「上振れリスクがある」ことに留意を促した。
・ユーロドルは小安い。前週末にユーロ高・ドル安が進んだ反動から、ポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いが出た。22時30分前には一時1.0467ドルと日通し安値を更新した。
ただ、前週末の安値1.0447ドルが目先サポートとして意識されると下げ渋った。米国がプレジデンツデーの祝日で休場となる中、市場参加者が少なく、ユーロ売り・ドル買いの勢いが限られた面もあった。市場では「欧州主要国と欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)の首脳が非公式で開く緊急会合の成り行きを見極めたいとの雰囲気もある」との声が聞かれた。
・ユーロ円は軟調。日銀の追加利上げ観測を背景に円買い・ユーロ売りが入ると、1時前に一時158.53円と本日安値を付けた。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。ただ、緊急の欧州首脳会議を控えて様子見ムードも強く、大きな方向感は出なかった。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は反発し、史上最高値を更新した。ウクライナ紛争に関する緊急の欧州首脳会議が開催される中、ウクライナ和平への期待から買いが優勢となった。個別ではラインメタル(14.03%高)やシーメンス・エナジー(3.35%高)、ミュンヘン再保険(2.54%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。欧州各国が軍備増強に動くとの思惑が広がる中、独国債など欧州長期債に売りが出た。
17日の日経平均は小幅反発。終値は24円高の39174円。まちまちの米国株を受けて、寄り付きは小幅安。場中は方向感が定まらず、プラス圏とマイナス圏を行き来した。下げ幅を3桁に広げても39000円は割り込まず、安値は早い時間につけた。一方、戻してプラス圏に浮上してくると上値が重くなった。後場は小高い水準でもみ合う時間が長かったが、終盤にはマイナス圏に沈む場面があり、ほぼ横ばいでクロージングオークションに突入。終値では小幅ながらプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3900億円。業種別ではゴム製品、石油・石炭、その他製品などが上昇した一方、鉱業、精密機器、輸送用機器などが下落した。前期の計画上振れや今期の大幅増収増益計画が好感された日本マイクロニクス<6871.T>がストップ高。半面、前期の営業減益着地が嫌気されたメドレー<4480.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり589/値下がり1000。防衛関連の川崎重工やIHIが大幅上昇。ディスコやソニーGなどグロース株の一角が米長期金利の低下を追い風に強い動きを見せた。上方修正や増配を発表したサンリオがストップ高。好決算が確認できたキオクシアが商いを伴って急伸した。ブリヂストンは保守的な今期見通しを提示したが、大規模な自己株取得・消却が好感されて5%を超える上昇となった。
一方、トランプ大統領の関税に対する発言などから、トヨタ、ホンダ、SUBARUなど自動車株が軒並み安。米長期金利低下で円安一服に対する警戒も高まった。レーザーテックや東京エレクトロンは米金利低下を受けても下落。楽天が本決算を受けて売りに押された。MS&ADは3Q大幅増益も通期見通し据え置きが嫌気されて4%を超える下落。下方修正を発表したオリンパスが急落した。
日経平均は小幅高。14日の3指数がまちまちであっただけに、方向感が定まらないのは仕方ない。終わってみればプライムでは値下がり銘柄が多かったが、それでもプラスで終えたのだから底堅かったと言える。安値を9時01分、高値を9時17分につけており、後場は投資家不在の感が強かった。本日の米国は休場で、あすもきょう同様に動きづらい地合いが想定される。決算発表は先週14日まででほぼ出そろっており、個別の材料も乏しくなる。そのような中、グロース250指数の動向が注目される。流動性の高さを求めて大型株に資金が向かうようなら、新興銘柄で値持ちの良かったものは利益確定売りに押される可能性がある。一方、引き続き値幅を求めた資金が滞留するようなら、新興銘柄のラリーがここから本格化する展開も想定される。
17日06:61 トランプ米大統領
「プーチン露大統領はウクライナ戦争の早期終結を望んでいる」
「平和実現に向けて懸命に取り組んでおり、ゼレンスキー大統領も関与」
「プーチン露大統領との会談が近々行われる可能性」
「ロシアが欧州での戦争を望んでいるとの見方に同意せず」
17日19:12 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「金利への段階的で慎重なアプローチを再確認」
「労働市場の軟化が認められる」
「経済は昨年春から極めて不活発」
17日21:17 ナーゲル独連銀総裁
「インフレ目標2%に到達する可能性が高まりつつある」
「トランプ関税は、ドイツに打撃を与える可能性が高い」
18日00:20 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「現在の経済状況では、今のところ政策金利を据え置くべき」
「今後の金利政策の選択は、データに基づいて行われる」
「FRBの政策スタンスは、引き続きインフレ率を低下させるだろう」
「インフレ率は高く、ここ数カ月は上昇傾向にある」
「労働市場は概ね均衡している」
「労働市場はかなり堅調に見える」
「インフレはゆっくりと低下しているが、リスクはある」
「バランスシート縮小の終点については依然として不透明」
18日00:24 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事
「インフレは低下すると予想するが、上昇リスクは残る」
「利下げを再開する前に、インフレ低下に対するより強い確信が必要」
「利下げを控えることで、政権の政策の影響についてより明確になるだろう」
「雇用減速により労働市場はひっ迫していないが、失業率は完全雇用の推定値を下回ったまま」
「賃金上昇率は、FRBのインフレ目標と一致する水準を上回っている」
「資産価格の高騰がインフレの進展を遅らせている可能性」
「インフレリスクとして、サプライチェーンや繰延需要の兆候も監視」
18日01:28 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「3月利下げの可能性はある程度ある」
「さらなる利下げへの支持はますます困難になっている」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○08:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:4.10%に引き下げ)
○16:00 ◎ 1月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 10-12月英失業率(ILO方式、予想:4.5%)
○16:30 ◇ 10-12月期スイス鉱工業生産
○16:45 ◇ 1月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比1.4%)
○18:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○18:30 ◎ 10-12月期南アフリカ失業率
○18:30 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○19:00 ◎ 2月独ZEW景況感指数(予想:20.0)
○19:00 ◎ 2月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:30 ◎ 1月カナダCPI(予想:前月比0.1%/前年比1.9%)
○22:30 ◎ 2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲1.0)
○23:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、イベントに参加
○24:00 ◎ 2月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:47)
○19日00:20 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○19日03:00 ◎ バーFRB副議長、講演
○19日06:00 ◎ 12月対米証券投資動向
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、東京時間に発表された10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値が好調な内容だったと受け止められた動きが継続され、一時151.34円まで弱含んだ。ユーロドルは一時1.0467ドルまで下落したが、一巡後は1.04ドル後半でもみ合いとなった。なお、米国市場はプレジデンツデーで休場だった。
本日の東京時間でドル円は上値の重さが続くか。昨日発表された10-12月期実質GDP速報値は年率換算で+2.8%まで上昇し、市場予想の+1.0%を大幅に上回る結果となった。また、7-9月期も速報値の+1.2%から+1.7%へと上方修正された。24年通年の名目成長率は前年比で+2.9%、実額で609兆2887億円と過去最高を記録。賃金と物価の好循環強まっているとの判断で、3月の日銀利上げ予想の高まりや、その後の更なる利上げ期待で円が買われやすくなりそうだ。
ただ、米国ではハーカー米フィラデルフィア連銀総裁やボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事が昨日行われた講演で、利下げ再開には慎重な姿勢を示した。米金利に対する思惑から、ドル円の下げ幅は大きく広がりにくいだろう。
円以外の通貨でも本日はボラタイルに動く可能性がある。まずは豪ドルの値動きに注目。昨日から行われている豪準備銀行(RBA)理事会が、日本時間12時半に政策金利を発表する。1月末に公表された豪州の10-12月消費者物価指数(CPI)は前年比では+2.4%、RBAが重視する基調インフレ率(トリム平均値)はこの3年間では最低水準の+3.2%まで減速した。
インフレ率の低下で、豪州の4大銀行全てが25ベーシスポイント(bp)利下げを予想し、政策金利は4.10%まで引き下げられる見込み。ただ、4大銀行のうちNABは今後5回の利下げで政策金利を3.10%まで引き下げるという予想だが、CBAとウェストパックは4回利下げの3.35%まで、ANZに至っては2回利下げの3.85%までという見通しだ。各行によって今後の利下げ予想幅にバラツキがある。今回の理事会で予想通りの25bp引き下げだった場合でも、声明文がタカ派になるのかハト派になるのかが、豪ドルにより重要となる。
更にユーロの動きにも引き続き警戒が必要。ウクライナを巡り本日、ルビオ米国務長官とラブロフ露外相の協議がサウジアラビアで行われる。15日にミュンヘンで開かれた安全保障会議でウクライナとロシア担当のケロッグ米特使は、欧州の停戦交渉の参加を拒否した。この件に関してウクライナをはじめ欧州各国が懸念を表明し、昨日急遽パリで緊急首脳会議が行われた。
歴史を振り返ると、1938年に同じミュンヘンにて話し合われたドイツのズデーテン併合問題についても、当事国だったチェコスロヴァキアが会議に招かれず国土の割譲が決定された。今回も米露が当事国のウクライナを無視し、欧州の意向も聞かずに、二国間で割譲や分割統治の話し合いがされるのではと懸念されている。また欧州各国はナチスによるオーストリア併合から宥和政策をとったことで、その後のナチスの領土拡大を進めた苦い過去を経験している。それだけに、ウクライナ問題を米露だけで交渉を進めるのを断固として反対し、欧米間の摩擦が更に強まる可能性もありそうだ。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39170 -30 (-0.07%)
TOPIX先物 2770.5 +0.5 (+0.01%)
シカゴ日経平均先物 39175 -25
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
17日の米国市場はプレジデンツデーの祝日で休場。英国市場はFTSE100指数が3日ぶりに反発。ドイツ市場ではDAX指数が反発し、最高値を更新した。ウクライナ紛争に関する緊急の欧州首脳会議が開催されるなか、防衛支出拡大への思惑から防衛関連株が買われた。
米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は、銀行業界の会合で、「インフレは低下すると予想するが、上昇リスクは残る」「利下げ再開にはインフレ率低下の確信が強まることが必要」との見解を示した。為替市場では1ドル=151円台半ばと円高に振れて推移している。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比25円安の3万9175円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万9170円で始まり、3万9140円まで売られた後は、3万9200円と日中比変わらずの水準まで戻す場面もみられた。ただし、米国市場が休場とあって市場参加者は限られ、手掛かり材料に欠けるなか、その後は3万9140円~3万9200円処の狭いレンジで推移。3万9170円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、方向感のつかみづらい相場展開になりそうだ。市場参加者が限られるなか、スキャルピングでのトレードも難しくさせよう。狭いレンジでの推移が予想されるが、25日移動平均線(3万9090円)、75日線(3万9070円)辺りに接近する局面があれば、押し目狙いのロング対応となりそうである。上値は前日の高値(3万9230円)水準を上回ってくると、ややロング優勢の動きが期待される。
なお、トランプ政権はウクライナでの停戦について、復活祭にあたる4月20日までに実現したいという意向を示したと報じられている。トランプ米大統領はロシアのプーチン大統領との会談について、「近い時期にあり得る」と述べており、ウクライナ和平への期待からショートは控えられそうだ。押し目狙いのロング対応となるなか、オプション権利行使価格の3万9125円から3万9375円辺りのレンジを想定する。
グローベックスの主要な株価指数先物は小幅ながらプラス圏で推移しており、強含む局面があれば、短期的にショートカバーを誘う動きも意識しておきたいところである。
17日の米VIX指数は15.37(14日は14.77)に上昇した。前週末に1月24日以来の15.00割れとなったこともあり、いったんは反発しやすいところだろう。200日線(16.29)、75日線(16.19)、25日線(16.11)を下回ってのボトム圏での推移であり、リスク選好に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍に低下した。200日線(14.22倍)から下放れる形状であり、NTショートに振れやすくなりそうだが、足もとでのレンジ下限水準の14.10倍辺りではNTショートを巻き戻す動きも入りそうである。
東京市場は小動きか。米国株はプレジデンツデーにより休場。欧州株は英独仏そろって上昇した。ドル円は足元151円50銭近辺で推移している。夜間の日経平均先物は日中比30円安の39170円で取引を終えた。
新たな手がかりには乏しく、動意薄の展開を予想する。欧州株高は下支え要因になる一方、ドル円がやや円高に振れていることから上値は追いづらい。きのうの日経平均は、プラス圏とマイナス圏を行き来しながら24円高(39174円)とほぼ横ばいで終えた。きょうも休場明けの米国株待ちで値幅が出づらい1日になるだろう。日経平均の予想レンジは39000円-39300円。
メキシコのシェインバウム大統領はGoogleがアメリカのユーザーにGoogleマップ上で「メキシコ湾」を「アメリカ湾」と表示し続ける場合、法的措置を取る可能性があると発表した。メキシコ政府はトランプ前大統領の命令は米国の大陸棚にのみ適用されるべきだとGoogleに再度通知。シェインバウム大統領は「メキシコの国土の一部を含む地理的領域の名称変更は認められない」と強調し、Googleの対応次第では訴訟も辞さない姿勢を示している。この問題は、2025年1月にトランプ氏が署名した行政命令に端を発しており、国際的な注目を集めている。
昨日の海外市場は、NYがプレジデンツデー、カナダがファミリーデーの祝日で北米市場が休場となったこともあり、為替市場は全般小動きに終始しました。ドル円は欧州時間にアジア勢のショートカバーから一時151.94円まで買戻される場面もみられましたが、先週末安値の152.03円手前で頭を抑えられるとその後はアジア時間の安値151.48円を下抜けて151.34円まで下押ししました。引けにかけては151.53円まで買戻されています。
アジア時間に入ってからは戻り売りが先行。昨日安値を下抜けると一時151.24円まで値を下げたものの、その後は株価が底堅い動きとなったほか、休場明けの米10年債利回りが4.5%台まで上昇するにつれて151.84円まで買戻されているといったところです。
目先は欧州時間の高値151.94円が戻りの目処として意識されていますが、米金利次第では昨日高値の152.39円や200日MAの152.68円、または一目転換線の位置する152.86円を目指す動きとなっていきそうです。米国勢が戻ってくる本日から、市場としては実質的な週明けとなるわけですが、海外勢の動向をしっかりと見極めていくことになりそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比80円高の3万9280円(+0.20%)前後で推移。寄り付きは3万9150円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9175円)にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まった。直後につけた3万9130円を安値にロング優勢の動きとなり、現物の寄り付き時には3万9300円を回復。買い一巡後に3万9140円と下げに転じる場面もみられたが、中盤にかけて再びロング優勢の流れのなか、一時3万9390円まで買われた。
日経225先物は25日移動平均線(3万9090円)、75日線(3万9070円)を上回っての推移となった。グローベックスの主要な株価指数先物は小幅ながらプラス圏で推移しており、押し目狙いのロング対応に向かわせているようだ。ただし、積極的なロングは限られており、オプション権利行使価格の3万9375円水準をキープできなかった。日経平均株価はアドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が牽引しており、強含みの展開が続くようだと、ショートカバーを誘う形でロングが強まる可能性はあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.16倍に上昇した。一時14.11倍に低下する場面もみられたが、直近のボトム水準に接近したこともあり、その後はNTショートを巻き戻す動きが入っているようだ。
本日の欧州時間では、ウクライナ戦争をめぐる米露高官協議や独・英の経済指標並びに中銀総裁の講演内容などで動意づくことになりそうだ。
本日、サウジアラビアのリヤドでルビオ米国務長官とラブロフ露外相、他両国の高官が会談を行う予定。ラブロフ外相は、この会談は両大国の関係における「異常な時期」を終わらせることを目指すと述べ、米露首脳会談の土台を築くものと位置付けている。話し合いで「和平協議が進行した」との共同声明が出た場合、ユーロ買いに反応する場面もあるか。しかしながら先週から欧米間の溝が更に深まっていることで、今回の和平協議を欧州サイドは受け入れ難いだろう。
トランプ氏の2期目大統領就任からわずか3週間余りで、欧米が団結していた多くは崩れつつある。先週ヘグゼス米国防長官は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は現実的な結果ではなく、ヨーロッパの安全保障はもはや米国にとって優先事項ではないと述べた。ヴァンス米副大統領も「欧州に対する最も心配な脅威はロシアではなく、内部からの脅威だ」と発言し、欧州の現政権を非難している。
これに欧州勢は反発し、英国のスターマー首相が「平和維持のためウクライナに英国軍を派遣する用意がある」と発言。欧州の対露政策は、これまで通りに強硬姿勢を維持するだろう。本日は米露協議の内容と欧米間の溝が埋まるのか、または深まるかなどを確かめながらユーロを取引する必要がありそうだ。
ロシア・ウクライナ戦争の停戦交渉の注目度が高いため、最近は欧州圏の経済指標や要人の講演での市場の反応がやや限られている。ただ、指標結果や要人発言がきっかけで相場が急変することもあり、注意を怠らないようにしたい。
本日は欧州午前には欧州圏(独・ユーロ圏)からは2月ZEW景況感指数が発表される。前月の同指標は市場予想を下回ったが、反応は限定的だった。これは市場の注目が、大きな振れを見せていた米長期金利に集まっていたからだ。今回については、結果が予想と大きくかい離した場合の市場急変リスクに注意したい。
他、フランスからは1月消費者物価指数(CPI)の改定値も発表予定。要人講演は、ホルツマン・オーストリア中銀総裁やチポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事などが予定されている。
英国からは、1月雇用統計が発表される。10-12月英失業率(ILO方式)では市場予想が4.5%とされ、見込み通りとなれば2021年9月以来の悪化となる。同時に平均賃金などが発表され、雇用情勢が悪化となればイングランド銀行(BOE)の追加利下げ観測が高まりそうだ。ポンドはそれらを見極めながらの取引となる。
なお本日はベイリー英中銀(BOE)総裁がブリュッセルで講演を行う。議題が「開かれた金融市場の維持・強化」ということで、金融政策などについての言及があるかは定かではないが注目しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1月27日につけた年初来高値1.0533ドルや日足一目均衡表・雲の上限1.0558ドル。
・ポンドドル:昨年12月19日高値1.2667ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル:14日安値1.0447ドル。その下は日足一目均衡表・転換線1.0397ドル。
・ポンドドル:昨日安値(1.2578ドル)の下に位置する日足一目均衡表・雲の上限1.2574ドル。同水準を割り込めば、日足一目均衡表・転換線1.2484ドル。
ドル円:1ドル=152.00円(前営業日NY終値比△0.49円)
ユーロ円:1ユーロ=158.92円(△0.07円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0455ドル(▲0.0029ドル)
日経平均株価:39270.40円(前営業日比△96.15円)
東証株価指数(TOPIX):2775.51(△8.61)
債券先物3月物:138.93円(▲0.45円)
新発10年物国債利回り:1.430%(△0.045%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。朝方に151.24円まで下落する場面があったが、その後は日経平均株価や時間外の米10年債利回りの上昇などを支えに買い戻しが入った。前日まで売りに押されていた反動もあり、一時152.22円まで反発した。
・豪ドルも下値が堅い。豪準備銀行(RBA)の金融政策公表前まではやや頭の重い動きとなっていたが、公表後は上下に振らされながらも徐々に下値が堅くなった。RBAは市場予想通りに政策金利を現行の4.35%から4.10%に引き下げることを決定。ただ、声明文やブロックRBA総裁の発言から今後の追加利下げに関して慎重な姿勢が示されたため、RBAの利下げ開始を手掛かりにした売りの動きは長続きしなかった。対ドルでは0.6335ドルまで下落した後に0.6360ドル台まで反発。対円でも96.21円付近から96.79円の高値まで切り返した。
・ユーロドルは小安い。米長期金利の上昇を手掛かりにしたドル買いの流れに沿って、一時1.0452ドルまで下押しした。
・ユーロ円は下値が堅い。朝方の下押しを158.55円までにとどめると、昨日安値の158.53円が目先のサポートとして意識されたこともあり、159.19円まで買い戻された。
・日経平均株価は続伸。寄り付き後に一時下げに転じる場面があったものの、次第に下値を切り上げた。外国為替市場で円安が進み、輸出関連株の一角に買いが入ると指数はプラス圏を回復。一時330円超高まで上昇する場面も見られた。
・債券先物相場は続落。日銀の早期利上げ観測を手掛かりとした売りが出たほか、20年物国債入札が低調な結果となったことも売りを促した。
中国の全国人民代表大会(全人代)委員長会議は17日、第14期全人代常務委員会の第14回会議を24-25日に北京で開くと決めた。常務委員会会議では民営経済促進法草案、民用航空法修正草案などを審議する予定。国営新華社が17日伝えた。
民営経済促進法草案は2024年2月に起草作業が始まり、同年10月にパブリックコメントを受け付けるため公表された。草案には民営経済組織による国家重大戦略と重大工程への参与を支援し、民営経済の投融資環境を最適化するなどの規定が盛り込まれている。
習近平国家主席は17日、6年ぶりに開催された「民営企業座談会」に出席し、「民営経済の発展には広大な前途があり、大いに活躍できる機会がある。民営企業や民営企業家たちが力を存分に発揮する時期が到来している」と強調。中国共産党の各クラス委員会と政府が実情に基づき、民間経済発展の政策措置を統括的に推進するよう指示した。
東海東京インテリジェンス・ラボでは欧州株に関して、ストックス・ヨーロッパ600指数の年初からのパフォーマンスが日米の主要株価指数を大きく上回っていることに注目している。株価好調の背景には、(1)今後の利下げ継続への期待、(2)相対的に割安な株価バリュエーション、(3)独仏などユーロ圏中核国の政局不安のピークアウト―などに加えて、ここにきての(4)ロシア-ウクライナ戦争の停戦合意への期待の高まりなどがあるとみている。東海東京ではさらにもう一つ、出遅れからの巻き戻しの動きという側面に着目しており、24年の主要株価指数の年間パフォーマンスでは、欧州株の出遅れが顕著となっていたことを指摘している。
中国当局は17日、バッテリーなどのエネルギー貯蔵製品・技術の支援策を公表した。2027年までに中国の新型エネルギー貯蔵製造業の全産業チェーンが国際競争での優位を確立し、優位企業のスケールを一段と拡大することで産業イノベーション能力と総合的な競争力を引き上げる目標を掲げた。工業情報化部など8部局が「新型エネルギー貯蔵製造業の高品質発展の行動方案」として各地方に通知し、実施を指示した。国営新華社が同日伝えた。
工業・情報化部電子情報司の担当者によると、新型エネルギー貯蔵製造業の主要分野は新型電池などのエネルギー貯蔵製品や各種の新型エネルギー貯蔵技術で、電力電子部品、熱管理・エネルギー制御システムなどの製造も含む。近年、こうした分野の市場規模は拡大し続け、産業チェーン体系の整備も加速しているという。「行動方案」の公表により、次世代情報技術と新エネルギーを成長の原動力として活用し、新型エネルギー貯蔵製造業の質の高い発展を促進することを目指す。
「行動方案」には新型エネルギー貯蔵技術のイノベーション、産業協調発展の推進、産業構造の転換と高度化、モデルとなる応用の開拓、産業エコシステム体系の整備、貿易・投資協力の6項目が盛り込まれた。関連技術の発展を支援するほか、新型エネルギー貯蔵を手掛ける独立したエネルギー貯蔵業者の電力市場参入を奨励し、新型エネルギー貯蔵電池の安全性評価基準の確立を加速する。
新華社によれば、工業情報化部は今後、新型エネルギー貯蔵関連の中核技術開発への支援や、多様な新型エネルギー貯蔵応用実証試験の展開、エネルギー貯蔵製品の輸送などの関連業務における企業への便益提供を行い、あわせてリチウム電池のカーボンフットプリント(CFP、製品ごとの出荷までの二酸化炭素の排出量表示)認証体系と全ライフサイクルのトレーサビリティー管理体系の構築を進める見通し。
「彼らが我々に課すものは、全て彼らに請求する。とてもシンプルで美しいシステムだ」
(トランプ米大統領)
2月13日、トランプ米大統領は、外国が米国製品にかけている関税と同水準まで米国の税率を引き上げる「相互関税」の導入を指示する大統領令に署名した。
今後、米通商代表部(USTR)や米商務省が国ごとに調査したうえで個別の対応を取ることになり、調査は4月1日までに終える見込みとなっている。
米政府高官は「戦略的な競争相手である中国であろうが、日本や欧州連合(EU)などの同盟国であろうが関係ない」と述べており、特に、日本に関して「構造的な障壁が高い」と批判しているらしい。
1.対日相互関税
トランプ米大統領は、日米首脳会談の後、「対日貿易赤字を削減したい」意向を示した。
現在、日本の対米自動車輸出では、乗用車に2.5%、トラックに25%の関税がかかっているが、相互関税が導入された場合、25%の関税が上乗せされることになる。
また、相互関税導入の目的は、米国の貿易赤字の削減であるため、不公平な補助金・規制、付加価値税(VAT)、為替レート、知的所有権保護の不備など、米国の貿易を制限する非関税障壁も対象とする方針であることが打ち出されている。
VATとは、生産から販売までのサプライチェーンの各段階で課せられる間接税であり、対外的な保護措置ではなく通常の税制として導入されているものである。
そして、相互関税を巡る調査項目には「為替レートを市場価値から乖離させ、米国民に不利益をもたらすような政策および慣行」が含まれている。
2.対日非関税障壁
米国政府は、米国製自動車の対日輸出が伸びない理由として、車検制度など日本の自動車輸入の「非関税障壁」を挙げてきた。すなわち、相互関税の調査では、米国から日本に輸出される自動車の「非関税障壁」を俎上に挙げて、日本から輸入する自動車への25%程度までの関税引き上げを実施する可能性が出てきたことには警戒しておきたい。
そして、「為替レート」、すなわち、ドル高・円安が日米貿易不均衡の要因と結論付けられた場合は、市場の片隅で囁かれている「プラザ合意II」が現実味を帯びることになる。
日米首脳会談の前に、ベッセント米財務長官は、植田日銀総裁と電話会談を行い、「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」と述べていた。
一連のトランプ米政権の発言からは、対日貿易赤字を解消するために、ドル高・円安を抑えたい、そのためには、円安の要因でもある低金利を解消してほしい、という要請がくみ取れる。
バイデン政権のイエレン米財務長官は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入には、否定的だったが、トランプ政権のベッセント米財務長官は、日米貿易不均衡の是正に繋がる円買い介入には、肯定的なのかもしれない。
大阪3月限
日経225先物 39290 +90 (+0.22%)
TOPIX先物 2776.5 +6.5 (+0.23%)
日経225先物(3月限)は前日比90円高の3万9290円で取引を終了。寄り付きは3万9150円とシカゴ日経平均先物清算値(3万9175円)にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まった。直後につけた3万9130円を安値にロングが優勢となり、現物の寄り付き時には3万9300円を回復。買い一巡後に3万9140円と下げに転じる場面もみられたが、前場中盤にかけて再びロング優勢となり、一時3万9390円まで買われた。その後は3万9270円~3万9380円辺りでの保ち合いを継続。現物の後場の取引開始後にロングの動きが強まり、3万9500円まで買われる場面もみられた。ただし、終盤にかけて持ち高調整とみられるロング解消の動きから軟化した。
日経225先物は25日移動平均線(3万9090円)、75日線(3万9070円)を上回っての推移となった。グローベックスの主要な株価指数先物は小幅ながらプラス圏で推移しており、押し目狙いのロング対応に向かわせたようだ。また、為替市場では朝方の1ドル=151円台半ばから152円台と円安に振れたほか、指数インパクトの大きいアドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が日経平均型を牽引していたことも、ロングを強める一因になったとみられる。
もっとも、一時3万9500円まで買われ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9520円)に接近したものの、短期的なトレードが中心であり、同水準を突破する勢いはなかった。前週末の米国市場はナスダックが3日続伸し1月23日以来の2万台を回復しており、昨年12月16日につけた上場来高値が射程に入っているほか、S&P500指数の高値更新も期待されている。3連休明け後の米国市場が堅調な展開となるようだと、これに連動する形で日経225先物は+1σ突破が意識されそうだ。
日経平均株価は一時3万9508円まで上昇し、2月のSQ値(3万9432.64円)を突破する場面もみられた。センチメントの改善から、ショートカバーを誘う流れに向かいやすくなろう。そのため、オプション権利行使価格の3万9125円から3万9625円のレンジを想定する。米国次第の面はあるが、+1σを突破してくるようだと+2σとのレンジに移行する形で、3万9500円から4万円での推移が期待されそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍と横ばいだった。一時14.12倍に低下する場面もみられたが、直近のボトム水準に接近したこともあり、NTショートを巻き戻す動きも入ったようだ。ナスダックが最高値を更新する動きをみせてくる局面では、まずは200日線(14.22倍)辺りを想定したNTロングに振れそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万2797枚、ソシエテジェネラル証券が1万0517枚、サスケハナ・ホンコンが2616枚、バークレイズ証券が1667枚、SBI証券が1417枚、JPモルガン証券が1325枚、日産証券が1272枚、モルガンMUFG証券が965枚、三菱UFJeスマートが889枚、楽天証券が758枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券1万4961枚、ソシエテジェネラル証券が1万3144枚、バークレイズ証券が4453枚、JPモルガン証券が4389枚、モルガンMUFG証券が2648枚、ゴールドマン証券が2164枚、日産証券が1234枚、ビーオブエー証券が1192枚、野村証券が805枚、シティグループ証券が575枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、サウジアラビアで開催予定のウクライナ停戦合意に向けた米露外相会談からのヘッドラインを注視しながら、2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の講演を見極める展開が予想される。
また、引き続き、トランプ米大統領による突発的な発言(ウクライナ関連、トランプ関税関連)には警戒しておきたい。
昨日は、タカ派のハーカー米フィラデルフィア連銀総裁やボウマンFRB理事による1月米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的据え置きを支持する見解にも関わらず、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期が、7月FOMCのままとなっており、12月末の段階でのFF金利誘導目標は4.00-25%となっている。
デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は、先日、トランプ政権による関税、移民などの政策変更の影響を精査するため、次の金利措置の判断に時間をかけることができるとの見方を示していた。
1月の米消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)が予想を上回っていたことで、本日もタカ派的な見解が予想されており、利下げ開始時期への言及に注目することになる。
2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数の予想は-1.0で、1月の-12.6からの大幅な改善が見込まれている。2月の物価情勢や雇用情勢を見極める意味から、物価・雇用指標の動向にも注目しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、152.87円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、150.93円(2/7安値)
今週のNY市場は関税問題と利下げ見通しに注目。先週はダウ平均が0.55%高と反発し、S&P500が1.47%高、ナスダック総合が2.58%高とともに3週ぶりに反発した。週初にトランプ米大統領が鉄鋼やアルミなどの輸入品に25%の関税を課すとしたほか、相互関税の導入の意向を示したが、即時発効が見送られたことで過度な警戒感は強まらなかった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で利下げを急く必要がないとしたことや、米1月消費者物価指数(CPI)や米1月生産者物価指数(PPI)が予想を上回る伸びとなったものの、FRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数の低下の可能性を示唆する内容と受けとめられ米10年債利回りが低下したことも米株の支援となった。米10年債利回りは前週末の4.487%から一時4.66%台まで上昇したが、4.478%で終了し、週間で小幅に低下した。S&P500の11セクターはヘルスケアと金融を除く9セクターが週間で上昇。エヌビディアが週間で6.94%高となり、ITが3.76%高となったほか、コミュニケーション、素材、生活必需品、エネルギー、公益も1%超上昇した。センチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の16.54ポイントから14.77ポイントに低下し、昨年12月26日以来の低水準となった。
今週は月曜日がプレジデンツデーの祝日で休場となるが、主要3指数が史上最高値に接近する中、トランプ政権の関税政策や利下げ見通しなどをにらんだ神経質な展開となりそうだ。トランプ関税は即時発効が見送られたことで警戒感が和らいでいるものの、引き続き不透明要因となりそうだ。利下げ見通しを巡っては先週の米1月生産者物価指数(PPI)の結果を受けて2月28日に発表される1月個人消費支出(PCE)価格指数が低下するとの見方が強まり、米10年債利回りの低下につながった。今週は2月NY連銀製造業業況指数、1月住宅着工件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、新規失業保険申請件数、1月中古住宅販売件数などが発表予定で、指標結果を受けた米10年債利回りの動向に引き続き要注目となる。決算発表はメドトロニック、アナログ・デバイセズ、ウォルマート、ハズブロなどS&P500採用の40銘柄強が発表予定。
今晩の経済指標・イベントは2月NY連銀製造業業況指数、2月NAHB住宅市場指数など。企業決算は寄り前にメドトロニック、引け後にオキシデンタル・ペトロリアム、アリスタ・ネットワークスなどが発表予定。
日経平均株価は続伸。場中は39500円を上回る場面があったが、直近高値を前に上げ幅を縮小する展開となった。ただ、上向き基調にある5日移動平均線(39203円 2/18)上で陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の67.8%→64.2%(2/18)に低下。前日からの見方に大きな変化はない。25日移動平均線(39092円 同)が上向きに変化しており、39500円超えから4万円トライにつながるかが短期的な注目ポイントになる。一方、きょうは長い上ヒゲを形成しており、目先は39000円付近までひと押しが入る動きも想定しておきたい。
上値メドは、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、25日移動平均線、100日移動平均線(38955円 同)、200日移動平均線(38664円 同)、心理的節目の38500円、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)などがある。
(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.93円(18日15時時点比▲0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.70円(▲0.22円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0446ドル(▲0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:8766.73(前営業日比▲1.28)
ドイツ株式指数(DAX):22844.50(△46.41)
10年物英国債利回り:4.558%(△0.031%)
10年物独国債利回り:2.493%(△0.004%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月英雇用統計
失業率 4.6% 4.5%・改
失業保険申請件数
2.20万件 ▲1.51万件・改
10-12月英失業率
(ILO方式) 4.4% 4.4%
10-12月期スイス鉱工業生産指数
(前年同期比) 2.3% 3.1%・改
1月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.2% ▲0.1%
(前年同月比) 1.7% 1.4%
2月独ZEW景況感指数
26.0 10.3
2月ユーロ圏ZEW景況感指数
24.2 18.0
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。ロシア侵攻下のウクライナの停戦を巡る米露高官協議がこの日、サウジアラビアの首都リヤドで開催。米露双方はウクライナ戦争の終結への道筋を模索することで合意した。ルビオ米国務長官は会合後、「今回の会合は長く困難な道のりの第一歩で、重要な一歩だった」と述べたほか、ラブロフ露外相は「今回の協議は有意義なものだった」とし、「両国間の協力関係を完全に回復するための条件整備で合意した」と語った。
ただ、米露首脳の対面形式での会談の日程は現時点で決まっておらず、市場では「ウクライナ停戦に向けた前向きな結果が出なかった」との受け止めからユーロ売り・ドル買いで反応。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、3時前に一時1.0439ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円は小幅安。日銀の早期追加利上げ観測を背景に円買い・ドル売りが入ると、1時前に一時151.53円付近まで値を下げた。一目均衡表の雲(上限:156.22円、下限:153.76円)や200日移動平均線152.68円を明確に下抜けており、テクニカル的にも売りが出やすかった。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値151.24円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出て、3時前には151.96円付近まで下値を切り上げた。
・ユーロ円は弱含み。ウクライナを巡る情勢に関心が集まる中、ユーロドルの下落につれた売りが出た。日銀の早期追加利上げ観測も相場の重しとなり、23時過ぎに一時158.37円と本日安値を付けた。
・ロンドン株式相場はほぼ横ばい。本日の日本株や香港株が上昇した流れを引き継ぎ、英株にも買いが先行したものの、買い一巡後は前日終値付近でのもみ合いに転じた。ウクライナを巡る情勢に関心が集まる中、成り行きを見極めたいと雰囲気が広がった。インターコンチネンタル・ホテルズ・グループなど一般消費財サービスが売られたほか、SSEなど公共事業株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。本日の日本株や香港株の上昇を受けて独株にも買いが入った。ただ、ウクライナを巡る情勢に関心が集まる中、前日に比べて株価上昇の勢いは弱かった。個別ではコメルツ銀行(1.90%高)やダイムラー・トラック・ホールディング(1.72%高)、エアバス(1.55%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
18日の日経平均は続伸。終値は96円高の39270円。米国株は休場で、寄り付きは小幅高。序盤ではプラス圏とマイナス圏を行き来するなど方向感が定まらなかった。ただ、マイナス圏ではすぐに切り返したほか、防衛株を中心に売買代金上位銘柄の動きが良く、次第にプラス圏が定着した。後場に入ると上を試す場面があり、13時近辺では上げ幅を300円超に広げて39500円を上回った。ただ、ここで天井感が出てきたことからその後は値を消す流れとなり、2桁の上昇で取引を終了。大引けが後場の安値となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3500億円。業種別では銀行、電気・ガス、空運などが上昇した一方、ゴム製品、水産・農林、小売などが下落した。前日決算を材料に強く買われたキオクシアホールディングス<285A.T>が商いを伴って14.9%高と急騰。半面、前日決算を材料に売られた楽天グループ<4755.T>が5.5%安と大きく崩れた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり930/値下がり664。欧州防衛株の上昇を手がかりに、三菱重工、川崎重工、IHIが大幅上昇。アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体の一角が強かった。ホンダとの交渉再開に関するニュースが出てきた日産自動車に買いが入り、三菱自動車が急伸。日本の長期金利上昇を追い風に三菱UFJが上場来高値を更新した。全市場の売買代金トップとなったサンリオは高値圏で売り買いが交錯したが、終値ではプラスを確保した。
一方、フジクラやソニーGが強めの下落。直近で決算を材料に買われていたアシックスやブリヂストンが利益確定売りに押された。国内長期金利の上昇が逆風となり、三菱地所や住友不動産など不動産株が全般軟調。化粧品株が弱く、資生堂やコーセーが昨年来安値を更新した。売り出しを発表したSREHDが急落し、プライムの値下がり率トップとなった。
日経平均は続伸。終盤には失速したが、高値は39508円まであった。安値は39151円までで、終値(39270円)ではきっちり5日線(39203円)を上回った。きのうも一度も39000円を割り込んでおらず、下値が固まりつつある。また、きょうは売買代金上位銘柄の動きの良さが目立ったものの、指数に関してはグロース250指数が日経平均やTOPIXをアウトパフォームしており、中小型株にも引き続き資金が向かっている。けん引役がはっきりしない一方で、何が強く買われても不思議はない環境。休場明けの米国株が堅調に推移するようなら、日本株は大型・中小型そろい踏みで水準を切り上げる展開も期待できる。
中国汽車工業協会(CAAM)が17日発表した2025年1月の新車販売台数は、前年同月比0.6%減の242万3000台だった。乗用車は小幅ながら増加したものの、商用車販売の減少が足を引っ張った。前月比では全体で30.5%減った。
乗用車の1月の販売台数は前年同月比0.8%増の213万3000台。うち、中国ブランドは14.1%増の145万9000台で、乗用車市場シェアは68.4%と前年同月比8ポイント上昇した。商用車は10.3%減の29万台に落ち込んだ。
新エネルギー車(純電気車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)の1月新車販売台数は94万4000台と前年同月比29.4%増え、自動車販売台数全体の38.9%を占めた。
18日08:23 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「関税が物価に与える影響は限定的かつ一時的であり、FRBは政策決定においてそれを無視すべき」
「直近のCPIは期待外れだったが、季節調整の問題が原因である可能性」
「今年のインフレ鈍化と利下げの再開を予想」
「寒波の影響を考慮すると、1月の小売売上高は重視していない」
18日08:49 マクロン仏大統領
「欧州委員会の提案に基づき、ウクライナ支援と防衛への投資・開発を継続」
「トランプ大統領、ゼレンスキー大統領と今話をしたところ」
「ウクライナに関する議論を今後数日間続ける」
18日11:57 中国国家発展改革委員会(NDRC)
「民間企業を支援する」
「民間経済促進法の実施準備を加速」
「民間企業の資金調達の困難さとコスト高の問題解決を継続」
18日12:33 オーストラリア準備銀行(RBA)声明
「引き続き、データとリスク評価の変化に基づいて決定」
「インフレを目標に戻す決意を固めており、その結果を達成するために必要なことを行う」
「政策の引き締めを若干緩和することで、見通しに対して慎重な姿勢を示している」
「インフレを持続的に目標に戻すことが最優先事項」
「今回の利下げ後も引き締め的な状態が続く」
「ディスインフレーションが以前の予想よりもやや速く進んでいる兆候」
「両方向にリスクが存在」
「長期的なインフレ期待はインフレ目標と一致」
「基礎インフレ率は、インフレ圧力の緩和が予想よりも若干早いペースで進んでいることを示唆」
「インフレ率が目標レンジ2-3%の中間値に向けて持続的に推移していると確信を深める」
「インフレの上振れリスクは残る」
「さらなる政策緩和の見通しについては慎重な姿勢を維持」
18日13:35 ブロック豪準備銀行(RBA)総裁
「インフレに対する勝利宣言はまだできない」
「高金利が想定通り機能していることは明らか」
「雇用市場の強さに驚いている」
「市場が示唆する追加利下げは保証されていない」
「利下げは難しい判断だった」
「市場の金利見通しが実現するかどうかはデータ次第」
「さらなるインフレに関する証拠を待っている」
「付利しないとコールレートが低下し、日銀の誘導目標が実現しない」
「日銀の考え方が市場に十分伝わっていなかったとの批判は認識している」
「今後とも丁寧な情報発信の努力を続けていきたい」
18日18:40 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「ディスインフレ傾向が続いている」
「英国は弱い成長環境に直面している」
「リスクは両サイドにあり、どちらの可能性もある」
「賃金の伸びは想定していたほどではない」
「英国の労働市場は、英中銀の予想の範囲内」
18日20:10 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「3月の金利決定はデータ次第となる」
「中立水準が近づくにつれて利下げは困難に」
「利下げが経済戦略に取って代わることはできない」
18日21:14 ウシャコフ露大統領補佐官(外交担当)
「あらゆる問題について米国と真剣な会話をした」
「プーチン露大統領とトランプ米大統領の会談に関して議論があった」
18日22:49 ラブロフ露外相
「米露は直ちに大使を任命することで合意」
「地政学に関する協議に大きな関心」
「米国側は我々の立場をよりよく理解し始めている」
「話し合いは非常に有益だった」
18日23:06 チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事
「政策金利は引き続き金融政策を調整するための主な手段」
「バランスシート縮小によって引き起こされる引き締めを、金利決定が適切に補うようにする必要」
18日23:42 ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「サウジアラビア訪問は中止、3月に訪問予定」
19日00:57 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「米国経済は好調」
「インフレは時間とともに低下しているものの、かなり不安定」
「FRBの政策は引き続き制限的」
「インフレに関して、実際に進展が続いていることがわかるまでは制限的姿勢を維持する必要」
「政策は非常に良い状態にあり、必要に応じて簡単に変更可能」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 12月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比0.1%/前年比6.9%)
○08:50 ◎ 1月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前2兆1005億円の赤字、季節調整済2436億円の赤字)
○10:30 ◇ 高田創日銀審議委員、あいさつ
○未定 ◇ 2月月例経済報告
<海外>
○06:45 ◎ 10-12月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○09:30 ◎ 10-12月期豪賃金指数(予想:前期比0.8%)
○10:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表(予想:3.75%に引き下げ)
○11:00 ◎ オアRBNZ総裁、記者会見
○16:00 ◎ 1月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.3%/前年比2.8%)
○16:00 ◎ 1月英CPIコア指数(予想:前年比3.7%)
○16:00 ◇ 1月英小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.1%/前年比3.7%)
○18:00 ◇ 12月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○20:00 ◇ 12月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比4.1%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◎ 1月米住宅着工件数(予想:139.0万件、前月比▲7.3%)
◎ 建設許可件数(予想:146.0万件、前月比▲1.5%)
○20日03:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○20日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月28日-29日分)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(18日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.06円(前営業日比△0.55円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.84円(▲0.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0446ドル(▲0.0038ドル)
ダウ工業株30種平均:44556.34ドル(△10.26ドル)
ナスダック総合株価指数:20041.26(△14.49)
10年物米国債利回り:4.55%(△0.07%)
WTI原油先物3月限:1バレル=71.85ドル(△1.11ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2949.0ドル(△48.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
5.7 ▲12.6
2月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
42 47
12月対米証券投資動向
短期債を含む 871億ドル 1341億ドル・改
短期債を除く 720億ドル 532億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。米露両政府はこの日、サウジアラビアの首都リヤドでウクライナ戦争の停戦交渉について話し合う初の高官会合を開催。戦争の終結への道筋を模索することで合意した。
ただ、米露首脳の対面形式での会談の日程は現時点で決まっておらず、市場では「ウクライナ停戦に向けた前向きな結果が出なかった」との受け止めからユーロ売り・ドル買いで反応した。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、3時過ぎには一時1.0435ドルと日通し安値を更新した。
なお、ゼレンスキー・ウクライナ大統領は戦争終結に向けた取り組みには「トルコも含めた欧州が参加すべきだ」と訴え、19日に予定していたサウジアラビア訪問を取りやめ、3月10日に延期すると明らかにした。
・ドル円は4日ぶりに反発。日銀の早期追加利上げ観測を背景に円買い・ドル売りが入ると、1時前に一時151.53円付近まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値151.24円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。予想を上回る2月米NY連銀製造業景気指数や米長期金利の上昇も相場の支援材料となり、6時30分前には152.13円付近まで持ち直した。
・ユーロ円はほぼ横ばい。ウクライナ戦争の停戦実現が依然として不透明な中、ユーロドルの下落につれた売りが先行。日銀の早期追加利上げ観測も相場の重しとなり、23時過ぎに一時158.37円と本日安値を付けた。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げ、158.92円付近まで値を戻す場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反発。米長期金利が上昇すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが出たため、しばらくはマイナス圏での推移が続いた。ただ、半導体株中心に買いが入ると、引けにかけて持ち直した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら4日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が利下げに慎重な姿勢を示したことなどを受けて売りが先行。トランプ米政権による関税引き上げがインフレ率を高めるとの見方も相場の重しとなった。
なお、トランプ米大統領はこの日、検討している自動車や半導体、医薬品への関税について「4月2日に発表するだろうが、税率は25%前後になるだろう」と話した。
・原油先物相場は反発。ロシアとカザフスタンをつなぐパイプラインがドローンによる攻撃を受けたことが伝わると、供給不安から需給の引き締まりが想起され、原油は買いが優勢となった。
・金先物相場は反発。ウクライナの停戦実現が依然として不透明となるなど、地政学的リスクを巡り不透明感がくすぶる中で安全資産としての金に買いが集まると、中心限月の清算値ベースで2営業日ぶりに史上最高値を更新した。
昨日の海外市場でドル円は、日銀の早期追加利上げ観測を背景に円買い・ドル売りが入ると、一時151.53円付近まで値を下げた。ただ、予想を上回る2月米NY連銀製造業景気指数や米長期金利の上昇が相場の支援材料となり152円台まで持ち直した。ユーロドルは米露会談でウクライナ停戦に向けた前向きな結果が出なかったと受け止められ、1.0435ドルまで弱含んだ。
本日の東京時間でドル円では、宮城県で行われる金融経済懇談会に出席する高田日銀審議委員の発言内容に動意づけられるか。高田審議委員はタカ派スタンスが目立ち、昨年の政策金利引き上げ後も「緩和的な金融環境はなお継続している」「経済物価の見通し実現なら緩和度合い調整が基本姿勢」と更なる利上げを促す発言をしていた。
17日に発表された本邦の10-12月期実質国内総生産(GDP)が日銀の展望レポートよりも上回る結果になっていることもあり、6日に講演をした田村審議委員に続いて高田審議委員の発言が連続してタカ派となった場合には、円買いになるだろう。
高田審議委員は、これまでの講演で為替の「水準」については話すべきではないとの前提だったが、過去には為替市場の影響を注視する発言もしている。今月に入り円安はやや修正されているものの、先週発表された12月輸入物価指数が円安の影響もあり2.3%増まで上昇していることで、円安及び為替市場についても言及する可能性があるので警戒したい。
なお、審議委員のあいさつ文は通常日銀のホームページに詳細が掲載され、本日は10時半の予定。もっともその後に質疑応答も行われ、あいさつ文が掲載されるタイミング以外でも発言が伝わることにも注視する必要がある。
ところで、早朝にトランプ米大統領が、記者会見時に自動車関税が25%前後となる可能性を示唆した。今後、SNSのTruthSocialなどで更なる関税について発表されることもあるため、こちらも要警戒となる。
円以外では、昨日に続きオセアニア通貨に注目が集まる。昨日は豪準備銀行(RBA)が25ベーシスポイント(bp)利下げし政策金利を4.10%まで引き下げた。声明文はサプライズが少なく、豪ドルの値動きは限られたものだった。ただ、本日は豪州から10-12月期の賃金指数が発表され、賃金の上昇率の結果次第では豪ドルが動意づくだろう。
また、本日はニュージーランド準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC)が政策金利を発表することで、NZドルの動きも注目。NZは高失業率と低成長(GDPは7-9月期1.0%減)などが経済の重しとなっており、3会合連続で50bpの利下げ予想が優勢。豪州の賃金指数が日本時間9時半、RBNZの政策金利が10時と短時間で重要指標が発表されるため、豪ドル/NZドルの値動きが激しくなるか。
また、引き続き欧州通貨の値動きにも目を向けておきたい。昨日は米露間の高官協議が行われたが、ロシアはドネツク、ルハンシク、ヘルソン、ザポリージャの各州全体の管理権を譲渡することを望んでいると述べたようだ。しかしながら、希少な鉱物資源のある地域の獲得をウクライナが認めることは考えられず、停戦協議が進む可能性は少ない。欧州各国も米露主導の和平協議には深い懸念を示しており、欧州各国の反応でユーロは引き続き神経質な動きを見せそうだ。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39290 ±0 (±0.00%)
TOPIX先物 2781.5 +5.0 (+0.18%)
シカゴ日経平均先物 39300 +10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
18日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米政権による関税引き上げの影響が警戒されるほか、前日のFRB高官らの発言で利下げが遠のくとの見方が根強いなか、一進一退の展開が続いた。米国とロシアの高官がサウジアラビアの首都リヤドで会談し、ウクライナでの戦闘の終結に向けて協議した。戦争終結への期待が支えとなった面がある。そのなかで、インテル<INTC>が16%超上昇したほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やアプライドマテリアルズ<AMA>などの半導体株が買われ、ナスダック指数は4日続伸、S&P500指数は1月23日以来の最高値を更新した。
NYダウ構成銘柄では、ナイキ<NKE>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ハネウェル・インターナショナル<HON>、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>が買われた。一方で、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>やホーム・デポ<HD>、マクドナルド<MCD>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が下げた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比10円高の3万9300円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万9330円で始まり、直後につけた3万9350円を高値に軟化し、3万9200円~3万9300円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に一時3万9160円まで売られる場面もみられた。終盤にかけてショートカバーとみられる動きにより持ち直し、3万9290円と日中比変わらずでナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まりそうだ。米国では半導体株の一角が買われたが、大幅高となったインテルについては、ブロードコム<AVGO>が同社の半導体設計事業などの買収を検討していると伝わったことが材料視されており、個別要因である。一時3%を超す上昇をみせたエヌビディア<NVDA>はその後軟化しており、半導体株上昇のインパクトは限られそうだ。
また、ウクライナ停戦についても米ロ首脳会談の日程は決まっていない。ロシアは米国との協議を控えるなかでも、前日17日にウクライナに大規模なドローン攻撃を行っており、期待感は高まりにくいだろう。
日経225先物は一時3万9160円まで下げたが、引き続き25日移動平均線(3万9120円)、75日線(3万9080円)が支持線として意識されやすい。同線に接近する局面では、押し目狙いのロング対応となろう。上値はボリンジャーバンドの+1σ(3万9540円)が抵抗線として意識される。同バンド接近では戻り待ち狙いのショートが警戒されそうだ。
ただし、25日線が上向きに転じてきたことで、バンドも上昇しつつある。徐々に下値を切り上げる形でのリバウンドをみせてくる可能性もあるため、ややロング優勢の展開が期待される。そのため、オプション権利行使価格の3万9125円から3万9375円のレンジを想定しつつ、+1σ突破を試す展開から3万9625円までのレンジ切り上がりもみておきたい。
17日の米VIX指数は15.35(17日は15.37)に低下した。一時16.03に上昇する場面もみられたが、25日線(15.98)、75日線(16.11)、200日線(16.30)が抵抗線として意識されていた。引き続きボトム圏での推移であり、リスク選好に向かわせよう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.15倍と横ばいだった。一時14.12倍に低下する場面もみられたが、直近のボトム水準に接近したこともあり、NTショートを巻き戻す動きも入ったようだ。米ハイテク株上昇のインパクトは限られそうだが、ややNTロングでのスプレッド狙いを想定しておきたい。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は10ドル高の44556ドルで取引を終えた。3指数とも方向感が定まらずプラス圏とマイナス圏を行き来したが、終盤にかけての動きが良く、そろってプラスで終えた。ドル円は足元152円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて10円高の39300円、ドル建てが35円高の39325円で取引を終えた。
米3指数は横ばいに近い動きであったが、引け味が良かったことから日本株にはプラスの影響が及ぶと予想する。海外市場が落ち着いており、急いで売りを出す理由が乏しい。きのうの日経平均は材料難の中で39500円を上回る場面があった。場中は下げる場面があったとしても米国同様に押し目では買いが入り、しっかりとした動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは39150円-39550円。
米上院本会議は、ハワード・ラトニック氏の商務長官指名を承認した。
日経225先物は11時30分時点、前日比200円安の3万9090円(-0.50%)前後で推移。寄り付きは3万9230円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9300円)を下回り、売り先行で始まった。その後3万9120円まで売られ、いったんは25日移動平均線(3万9120円)が支持線として機能し、中盤にかけて3万9280円まで下げ幅を縮めた。ただし、プラス圏を回復できなかったこともあり、再びショート優勢の流れのなか、一時3万8990円と節目の3万9000円を割り込む場面もみられた。終盤にかけては25日線、75日線(3万9080円)辺りで下げ渋る動きとなった。
日経225先物は3万9000円近辺では押し目待ち狙いのロングが入るものの、リバウンド狙いの動きは限られている。上値の重さからショートを誘う流れになりやすく、25日線、75日線辺りでの推移が続きそうだ。米国市場の流れからアドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が買われた一方で、ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の下げが日経平均型の重荷となった。
また、トランプ米大統領は、米国が輸入する自動車に課す税率が25%程度になるとの見通しを示しており、自動車など輸出関連株が弱い値動きで推移している。東証プライムの値下がり数は約6割を占めており、押し目狙いのロングも慎重にさせそうである。節目の3万9000円と25日線辺りでの狭いレンジでのスキャルピングになりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍と横ばいで推移。一時14.10倍に低下する場面もみられたが、直近のボトム水準に到達したことで、その後はNTショートを巻き戻す動きが入っているようだ。
昨日のドル円は、米国市場がロングウィークエンドを終えて、実施的な週明けという位置づけとなったわけですが、アジア時間から米10年債利回りの上昇につれて買いが先行。欧州時間に入ってからはポジション調整から151.53円まで下押す場面もみられましたが、NY時間午後に入って米10年債利回りが4.5581%まで大幅な上昇となるなか152.13円まで買戻されることになりました。
そして、本日は10時30分に予定されていた高田日銀審議委員の宮城県金融経済懇談会での挨拶待ち。高田審議委員といえば、6日の長野県金融経済懇談会で市場に早期追加利上げ観測を強引に投げ込んだ田村審議委員と同様に、日銀内ではかなりのタカ派であることは周知の事実だったわけで、挨拶で当然のことながら「一段のギアシフト、緩和度合いの更なる調整進める必要性」に言及すると151.75円まで下押し。ただ、その後はすぐにも昨日高値の152.22円を上抜けて一時152.31円まで買戻される展開となりました。
いずれにしても、市場では日銀の最もタカ派のシナリオをメインシナリオとして織込むという、かなりのリスクを伴う動きが観測されていますが、田村発言の後の踏み上げ相場を経験した市場にとっては、同じ轍を踏むことを避けようとするのは当然。本日の高田発言を受けても、昨日安値の151.24円はおろか、NY時間安値の151.53円さえも下抜けなかった事実が、2番底を確認するよい機会となったのかもしれません。目先は17日の高値152.39円や200日MAが位置する152.67円、一目転換線の152.87円を意識する動きとなっていきそうです。
本日の欧州時間でも、ウクライナとロシアの戦争をめぐる対応が市場の注目となりそうだ。
昨日発表された欧州圏(独・ユーロ圏)の2月ZEW景況感指数に対して市場の反応が薄かったことを考えると、本日の12月ユーロ圏経常収支でユーロが動意づくことを期待するのは難しい。よって本日も米国勢が参入するまでは、引き続きウクライナ情勢が市場の注目になる。
昨日サウジアラビアのリヤドで行われた米露間の高官会談は4時間半にも及んだものの、首脳会談の日程などは決まらなかった。ただ、ルビオ米国務長官は、「米国とロシアはウクライナ戦争の終結を交渉するために高官チームを任命し、外交ルートの再構築に取り組む」と述べている。トランプ米大統領も「2月末までにプーチン露大統領と会談するだろう」と18日午後(日本時間19日早朝)の会見で発言した。
更にトランプ大統領は、ロシアが主張しているように、ウクライナで新たな選挙の実施に前向きな姿勢を示した。そのうえで同大統領は「ウクライナの指導者は、支持率が4パーセントにまで落ち込んでいる」と根拠のない発言し、ウクライナのゼレンスキー大統領を非難。ここ最近の米国側の主張はロシアを擁護するものが多く、仮に米露間の交渉が進んだ場合でもウクライナを含め欧州圏が停戦協議に同意することは考えにくい。むしろ欧州と米国の摩擦の拡大になり、ユーロの重しになる可能性が高そうだ。
なおポンドは昨日、英国の雇用統計後に買い戻された。本日は1月消費者物価指数(CPI)と同月小売売上高(RPI)が序盤に発表され、結果次第ではポンド相場の動意に繋がるか。CPIは、ヘッドライン前年比が12月2.5%増から2.8%増、コア指数も3.2%から3.7%増へと加速予想。RPIは前年比では前回3.5%増から3.7%増へ上昇予想だが、前月比では0.3%増から0.1%減へと低下見込み。
イングランド銀行(BOE)は2月の金融政策委員会(MPC)で25ベーシスポイント(bp)利下げを決定。ベイリーBOE総裁は昨日も「ディスインフレ傾向が続いている」と講演で述べ、追加利下げの期待も高めている。総裁は英国が弱い経済環境に直面していると懸念を表明しており、CPIとRPIがともに予想から下振れた場合には、再利下げ期待が一気に強まることになりそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル:昨日高値1.0486ドルを目先のめどとし、超えると1月27日につけた年初来高値1.0533ドル。
・ポンドドル:昨年12月19日高値1.2667ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0397ドル。その下は同・基準線1.0337ドル。
・ポンドドル:日足一目均衡表・雲の上限1.2574ドルを意識し、割り込むと同・転換線1.2484ドル。
ドル円:1ドル=151.75円(前営業日NY終値比▲0.31円)
ユーロ円:1ユーロ=158.68円(▲0.16円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0456ドル(△0.0010ドル)
日経平均株価:39164.61円(前営業日比▲105.79円)
東証株価指数(TOPIX):2767.25(▲8.26)
債券先物3月物:138.98円(△0.05円)
新発10年物国債利回り:1.435%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月機械受注(船舶・電力除く民需)
前月比 ▲1.2% 3.4%
前年同月比 4.3% 10.3%
1月貿易統計(通関ベース)
季節調整前 2兆7588億円の赤字 1325億円の黒字・改
季節調整済 8566億円の赤字 2210億円の赤字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。高田日銀審議委員の発言を受けて神経質に振れる場面があったものの、次第に買いが強まり、11時過ぎには152.31円まで値を上げた。ただ、その後は151.60円まで失速。日銀の利上げ観測が手掛かりとなり、新発10年物国債利回りが2009年11月以来の高水準となる1.435%まで上昇したことが相場の重しとなった。
なお、高田日銀審議委員は「一段のギアシフト、金融緩和度合いの更なる調整を進めることが必要」「実質金利のマイナス幅はまだある」などの見解を示した。
・NZドルは下値が堅い。NZ準備銀行(RBNZ)はこの日、市場予想通りに政策金利を現行の4.25%から3.75%へと引き下げた。声明文では「第2四半期に政策金利の更なる引き下げを予想」「経済状況が予測どおりに推移すれば、2025年を通じて政策金利をさらに引き下げる余地がある」などの見解が示された。声明文を手掛かりに一時NZドル売りが進む場面も見られたが、今後の利下げ幅は25bpずつに縮小する見込みとなったこともあり、一巡後は買い戻しが優勢に。対ドルでは0.5678ドルから0.5730ドルまで反発。対円でも86.17円の安値を付けた後に87.03円まで下値を切り上げた。
・ユーロ円は上値が重い。11時過ぎに159.13円まで上昇したものの、昨日高値の159.20円には届かず、その後は158円台半ばまで押し戻された。総じてドル円につれた動きとなった。
・ユーロドルは小高い。しばらくは昨日終値付近でのもみ合いとなっていたが、ドル円の下落につれて1.0461ドルまでやや値を上げた。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。日銀の追加利上げ観測が相場の重しとなったほか、トランプ米政権による関税強化策を警戒する売りも出た。指数は一時270円超安まで下押す場面があったが、新規の取引材料を欠く中で売りも長続きせず、その後は下げ渋った。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。日銀の国債買い入れオペで需給の引き締まりが意識されたことから買いが入った一方、日銀の早期利上げ観測を手掛かりにした売りも根強く、相場は方向感が出なかった。
みずほ証券では、ドル円が円安にシフトした構造的な要因として、(1)日米の経済成長率格差、(2)日米金利差、(3)実需―の3点を挙げている。(1)に関しては、米国の経済成長率が中長期的に日本と比べて優位になっていることを指摘している。(2)については、日米の金利差は一定程度開いた状態が続くとみずほでは見込んでいる。(3)に関しては、日本の貿易収支やサービス収支が赤字傾向であること、直接投資の流出超が続く見通しであること、家計の対外証券投資が潜在的な円安材料になっていること―などを指摘している。
2025年2月18日、豪準備銀行(RBA)理事会は、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートを0.25ポイント引き下げて4.10%にすることを決定した。
2024年第4・四半期のコアインフレ率は+3.2%まで鈍化しており、中銀目標である2-3%の上限に近づいている。
一方で、3.5%前後と推定されている中立金利にも近づいており、声明文とブロックRBA総裁の会見では、追加利下げに慎重なスタンスが示された。
市場では、今年あと2回の利下げを予想しており、2025年末のキャッシュレートが3.6%になるとの見方を織り込んでいる。
2023年までの利上げ局面では13回、2020年までの利下げ局面では18回の連続利上げ・利下げが確認されており、金融当局の金融政策には慣性の法則があるため、RBAの年内2回の利下げの見立ては、「野心的」(ブロックRBA総裁)ではないと思われる。
■声明文:タカ派
「政策決定では、インフレの好ましい進展が認識されたが、委員会はさらなる政策緩和の見通しについて慎重な姿勢を維持している」
「委員会は引き続き、政策判断の指針としてデータとリスク評価の変化に頼ることになる」
■ブロックRBA総裁:タカ派
「インフレに対する勝利宣言は時期尚早であり、追加利下げにはインフレ抑制においてさらなる進展が必要」
■四半期経済見通し:ハト派
・2025年6月のコアインフレ率予想:3.0%から2.7%に引き下げ
・2027年6月までトリム平均値:2.7%・・・目標の中央値に達しない見込み
1.利下げ局面
・第1次利下げ(2025年2月18日):4.35%⇒4.10%
2.利上げ局面
・第13次利上げ(2023年11月):4.10%⇒4.35%
・第12次利上げ(2023年6月):3.85%⇒4.10%
・第11次利上げ(2023年5月):3.60%⇒3.85%
・第10次利上げ(2023年3月):3.35%⇒3.60%
・第9次利上げ(2023年2月):3.10%⇒3.35%
・第8次利上げ(2022年12月):2.85%⇒3.10%
・第7次利上げ(2022年11月):2.60%⇒2.85%
・第6次利上げ(2022年10月):2.35%⇒2.60%
・第5次利上げ(2022年9月):1.85%⇒2.35%
・第4次利上げ(2022年8月):1.35%⇒2.85%
・第3次利上げ(2022年7月):0.85%⇒1.35%
・第2次利上げ(2022年6月):0.35%⇒0.85%
・第1次利上げ(2022年5月):0.10%⇒0.35%
3.利下げ局面
・第18次利下げ(2020年11月):0.25%⇒0.10%
・第17次利下げ(2020年5月):0.50%⇒0.25%
ロシア大統領府は19日、前日にサウジアラビアの首都リヤドで実施された米露代表団による会合を受け、「リヤドの会合はウクライナ平和解決への一歩」との見解を示した。また、2月中のプーチン露大統領とトランプ米大統領の首脳会談についても排除しないとしている。
政府は19日、2月の月例経済報告を公表。景気の基調判断を「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」と7カ月連続で据え置いた。個別項目では輸出について判断を上方修正した一方、輸入については下方修正した。
大阪3月限
日経225先物 39170 -120 (-0.30%)
TOPIX先物 2767.5 -9.0 (-0.32%)
日経225先物(3月限)は前日比120円安の3万9170円で取引を終了。寄り付きは3万9230円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9300円)を下回り、売り先行で始まった。その後3万9120円まで売られたが、いったんは25日移動平均線(3万9120円)が支持線として機能し、前場中盤にかけて3万9280円まで下げ幅を縮めた。
だが、プラス圏を回復できなかったこともあり、再びショート優勢となり、一時3万8990円と節目の3万9000円を割り込む場面もみられた。前場終盤にかけて3万9180円まで持ち直したものの積極的なロングは限られ、後場の時間帯では概ね3万9050円~3万9180円での推移が続いた。25日線、75日線(3万9080円)辺りで下げ渋る動きをみせるなか、終盤にかけてショートカバーとみられる動きが入ったようである。
日経225先物は3万9000円近辺では押し目待ち狙いのロングが入るものの、上値追いの動きは限られていた。日銀の高田創審議委員が講演で「利上げで一段のギアシフトを進める局面」と述べたと伝わったことが、為替市場で円高に振れる要因となり、これが前場中盤にかけてショートを仕掛ける動きにつながった。後場は25日線、75日線辺りでの底堅さが意識されて、終盤にカバーとみられる動きで下げ渋る動きだった。
日経225先物は日中に3万9000円を割り込む場面があったものの、終値では25日、75日線を上回っており、両線を支持線とした押し目狙いのロング対応に向かわせている。上値を切り下げていることでチャート上では煮詰まり感が意識されてくるだろう。ボリンジャーバンドも収斂してくる可能性があるため、短期的に大きく振れやすいタイミングでもある。
ボリンジャーバンドの+1σは3万9540円辺りで推移しており、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円のレンジを想定。ただし、上値を切り下げていることから25日、75日線が抵抗線に変わるようだと、再び200日線が位置する3万8500円辺りを仕掛けてくる展開もありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍と横ばいで推移。一時14.09倍に低下する場面もみられたが、直近のボトム水準に到達したことで、NTショートを巻き戻す動きが入っているようだ。ただし、14.10倍から200日線(14.22倍)辺りのレンジを継続しており、スプレッドは狙いにくいだろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3212枚、ソシエテジェネラル証券が1万2247枚、サスケハナ・ホンコンが3897枚、SBI証券が2673枚、バークレイズ証券が1839枚、JPモルガン証券が1568枚、楽天証券が1056枚、三菱UFJeスマートが1005枚、日産証券が967枚、ゴールドマン証券が917枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券1万7188枚、ソシエテジェネラル証券が1万5573枚、バークレイズ証券が6036枚、JPモルガン証券が4347枚、モルガンMUFG証券が2773枚、ゴールドマン証券が2529枚、SBI証券が1587枚、ビーオブエー証券が1397枚、野村証券が946枚、ドイツ証券が753枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、1月米住宅着工件数・建設許可件数を見極めた後は、1月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で追加利下げの時期を探る展開が予想される。
また、引き続き、トランプ米大統領による突発的な発言(ウクライナ関連、トランプ関税関連)には警戒しておきたい。
今週の米連邦準備理事会(FRB)高官の講演では、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、ボウマンFRB理事、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が1月米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的据え置きを支持する見解、そしてハト派のウォラーFRB理事がトランプ関税による物価上昇圧力に否定的な見解が聞かれた。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期が、9月FOMCに先送りされており、12月末の段階でのFF金利誘導目標は4.00-25%となっており、ドル円の下値を限定的にしている。
本日は、1月FOMC議事要旨で、利下げ時期や年内の利下げ回数への言及を見極めることになる。
先週の米1月生産者物価指数(PPI)の内容を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が重視する2月28日発表の1月個人消費支出(PCE)価格指数の低下期待が高まっている。
ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、1月のコアPCEは、前月比+0.27%、前年比+2.6%程度を見込んでいる、と述べていた。
一方で、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆する日銀の利上げ時期は、これまでの7月会合から5月会合に前倒しされている。新発10年物国債の利回りは上昇基調を辿っており、ドル円の上値を抑える要因となっている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、152.87円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、150.93円(2/7安値)
今晩はFOMC議事要旨に注目。昨日は主要3指数がそろって上昇し、S&P500が約4週間ぶりに取引時間中と終値の史上最高値を更新した。ダウ平均も終値ベースで最高値まで1.02%に迫り、ナスダック総合は最高値まで0.66%の水準で終了した。引け後の動きではトランプ米大統領が自動車の輸入関税が25%くらいになるだろうと述べ、4月にも公表される予定となった。
今晩の取引ではトランプ関税による貿易摩擦問題が懸念される中、利下げ見通しを巡り取引時間午後に公表される1月28-29日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に注目が集まる。市場では利下げ見通しが後退し、CMEのフェドウォッチ・ツールの6月FOMCでの利下げ確率が45%に低下し、年内2回(0.50%)の利下げ確率も50%未満に低下した。ただ、先週の米1月生産者物価指数(PPI)の内容を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が重視する2月28日発表の1月個人消費支出(PCE)価格指数の低下期待も高まった。政策金利が据え置かれた1月FOMC議事要旨から今後の利下げ見通しのヒントを探る展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC議事要旨のほか、1月住宅着工件数、1月建設許可件数、 MBA住宅ローン申請指数、米20年債入札など。決算発表は寄り前にアナログ・デバイセズ、ガーミン、引け後にクラウン・キャッスルなどが発表予定。
UBS証券では、日本の第4四半期GDPは予想以上の強さであったと指摘。日本経済の基調的な傾向が特に強くなった訳ではないとしながらも、2024年年末の高い水準を受けて2025年暦年の実質GDP成長率予想を1.1%から1.2%に引き上げている。2026年の成長率予想に関しても、0.6%から潜在成長率に沿った0.7%に若干上方修正した。UBSでは賃金の伸び率が2026年以降も3%超えを維持するとの見方に一層の確信を持ったとしており、家計収入拡大を反映して消費予想を若干上方修正している。
中国の国家統計局が19日発表した2025年1月の住宅価格統計によると、主要70都市のうち、新築分譲住宅価格(保障性住宅を除く)が前月比で下落したのは42都市となり、前月から1都市減った。上昇は24都市で前月から1都市増えた。横ばいは4都市だった(前月も4都市)。前年同月比では、下落は68都市、上昇は2都市でいずれも前月と変わらず。横ばいの都市はなかった(前月もなし)。
規模別では、「一線都市」(北京、上海、広州、深セン)の新築分譲住宅価格は前月比0.1%上昇した(前月は0.2%上昇)。これに次ぐ規模の「二線都市」(31都市)は前月比0.1%上昇(前月は横ばい)。「三線都市」(35都市)は0.2%下落した(前月も0.2%下落)。前年同月比では、一線都市が3.4%下落(前月は3.8%下落)。二線都市は5.0%下落(前月は5.4%下落)、三線都市は6.0%下落(前月は6.2%下落)となった。
日経平均株価は反落。小安くスタートしてからは下げ幅拡大し、一時は100日移動平均線(38975円 2/19)付近まで下押す場面があった。一方、39000円処の心理的節目を意識して下げ渋り、日足は陰線だったものの下ヒゲの長い底堅さを示す動きとなった。
RSI(9日)は前日の64.2%→59.6%(2/19)に低下。あすも上昇のハードルは高くなるが、前日からの見方に大きな変化はない。25日移動平均線(39120円 同)が上向きに変化しており、39500円超えから4万円トライにつながるかが短期的な注目ポイントになる。
一方、あすは5日移動平均線(39244円 同)が下向きに変化する可能性が高く、同線に上値が抑えられ下押す動きも想定しておきたい。
上値メドは、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、100日移動平均線、200日移動平均線(38668円 同)、心理的節目の38500円、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)などがある。
米財務省によると、20年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.830%、応札倍率(カバー)が2.43倍となった。
(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.71円(19日15時時点比▲0.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.92円(▲0.76円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0410ドル(▲0.0046ドル)
FTSE100種総合株価指数:8712.53(前営業日比▲54.20)
ドイツ株式指数(DAX):22433.63(▲410.87)
10年物英国債利回り:4.611%(△0.053%)
10年物独国債利回り:2.557%(△0.064%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) ▲0.1% 0.3%
(前年比) 3.0% 2.5%
CPIコア指数
(前年比) 3.7% 3.2%
1月英小売物価指数(RPI)
(前月比) ▲0.1% 0.3%
(前年比) 3.6% 3.5%
12月ユーロ圏経常収支(季調済)
384億ユーロの黒字 251億ユーロの黒字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。東京時間に高田日銀審議委員が「もう一段のギアシフト、金融緩和度合いの更なる調整を進めることが必要」と発言したことを受けて、日銀の早期追加利上げ観測が改めて台頭。全般円買いが優勢となった。欧米株価の下落に伴うリスク回避の円買いも入り、24時過ぎに一時151.25円と日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値151.24円が目先サポートとして意識されると徐々に買い戻しが優勢に。対ユーロなどでドル高が進んだ影響も受けて、151.80円付近まで下げ幅を縮めた。
・ユーロドルは頭が重かった。欧州勢がユーロ売り・ドル買いで参入すると一時1.0419ドルまで下落。NY市場に入ると1.0441ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、ウクライナ情勢を巡る不透明感がくすぶる中、再びユーロ売りが強まると2時過ぎに一時1.0401ドと日通し安値を更新した。
なお、トランプ米大統領は自身のSNSに「ウクライナ戦争終結へ向けロシアとうまく交渉」と投稿した一方、ウクライナのゼレンスキー大統領については「選挙をしない独裁者、迅速に行動しないと国がなくなる」と指摘した。
・ポンドドルは失速。1月英消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、英中銀(BOE)が利下げに動きにくくなるとの見方が強まると1.2635ドル付近まで値を上げたものの、早朝取引で付けた日通し高値1.2640ドルが目先レジスタンスとして働くと上値が重くなった。NY市場ではユーロドルの下落につれた売りも出て一時1.2563ドルと日通し安値を付けた。
・ユーロ円は軟調。日銀の早期追加利上げ観測が根強い中、全般円買いが進んだ流れに沿った。ウクライナ情勢を巡る不透明感からユーロ売りも出やすく、1時30分前に一時157.72円と本日安値を付けた。
・ロンドン株式相場は下落。1月英CPIが予想を上回り、BOEが利下げに動きにくくなるとの見方が強まると株売りが広がった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、レレックスやアシュテッド・グループなど資本財サービス株が値下がりした。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株も軟調だった。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。トランプ米政権の関税政策を巡る懸念から売りが出た面もあった。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(5.35%安)やMTUエアロ・エンジンズ(5.00%安)、シーメンス・エナジー(4.74%安)などの下げが目立ち、エーオン(0.70%高)などを除く36銘柄が下落した。
・欧州債券相場は下落。シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事が「利下げの一時停止、または中止する地点に近づいている」と述べたことが相場の重し。
19日の日経平均は3日ぶり反落。終値は105円安の39164円。米国株高を受けても小幅安スタート。下げ幅を3桁に広げた後にいったん切り返したが、プラス圏に浮上したところではすぐに売り直された。10時台に入ると下げ幅を200円超に広げ、10時半近辺では節目の39000円を割り込んだ。10時半の高田日銀審議委員の金融経済懇談会における挨拶がリスクイベントとして意識されたもよう。39000円割れは一瞬であったが、ドル円の値動きが荒くなったこともあって、以降はマイナス圏が定着した。引けにかけてはやや戻したものの、3桁の下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5800億円。業種別ではパルプ・紙、金属製品、その他製品などが上昇した一方、精密機器、医薬品、卸売などが下落した。英投資会社の大株主浮上が判明した資生堂<4911.T>が後場急騰。半面、このところ商いが膨らんで振れ幅も大きくなっているサンリオ<8136.T>が4%近い下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり596/値下がり994。証券会社の目標株価引き上げを受けて、東京エレクトロンやSCREENなど半導体株が大幅上昇。直近で決算を受けて売られていた楽天Gが7.4%高と強い切り返しを見せた。日経新聞1面で下水道の老朽化が取り上げられたことを手がかりに、NJS、日本ヒューム、日本鋳鉄管などが関連銘柄として人気化。上場5周年記念優待を発表したリビングプラットフォームが一時ストップ高となったほか、増配と1:2の分割を発表した綜研化学、上方修正と増配を発表した扶桑化学など、株主還元強化策を出してきた銘柄に買いが入った。
一方、指数寄与度の大きいファーストリテイリングやソフトバンクGが軟調。トランプ大統領の自動車関税に対する発言や円高進行を嫌気して、ホンダやマツダなど自動車株が軒並み安となった。日銀の早期追加利上げへの警戒が高まる中、三井不動産や東急不動産など不動産株の多くが下落。証券会社が投資判断を引き下げたBASEが大幅安となった。
日経平均は3日ぶり反落。一時39000円を割り込むなど、さえない1日となった。最近は日米の長期金利に翻弄されることが多く、金利上昇が意識されて場中に弱い動きが出てくると買い手は尻込みする。次回の日銀会合は3月18日~19日。日銀が市場に何かを織り込ませるにしてもメッセージを届けるのはもう少し後になると思われるが、足元で日本の長期金利が上昇しているだけに、要人発言には神経質になってしまう。長期金利が上昇しても金融株に資金が向かうのであればリスク回避姿勢は強まらないが、きょうは買いが先行した三菱UFJ<8306.T>が下落で終えた。日本の長期金利上昇は円高も呼び込みやすいだけに、いったんは上昇ペースが鈍化してほしい局面だ。
米メディアが報じたところによると、ベッセント米財務長官は南アフリカ・ケープタウンで来週開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を欠席する見通し。
トランプ大統領が南アの土地政策を批判し、資金援助を凍結する大統領令に署名したことを受けて、両国の緊張はここ数週間高まっている。
19日06:21 トランプ米大統領
「自動車の関税率は25%前後の可能性」
「ロシアとの協議は非常に良好だった」
20日00:55
「ウクライナ戦争終結へ向けロシアとうまく交渉」
「ゼレンスキー氏は迅速に行動しないと国がなくなる」
19日10:34 高田日銀審議委員
「個人消費をみると、物価上昇の影響などがみられるものの、緩やかな増加基調」
「物価上昇が賃金上昇に先行してきたが、足もとでは、昨年の春季労使交渉を受けた名目賃金のはっきりとした上昇を背景に、実質賃金のプラス転化に向けた動きが生じている」
「物価と賃金のギャップが縮小することで、個人消費も緩やかな増加を続けると考えている」
「輸入物価上昇率をみると、足もとは落ち着いており、2022年以降のように急な価格転嫁をもたらす大きさではない」
「一段のギアシフト、金融緩和度合いの更なる調整を進めることが必要だと考えてきました」
「1月にかけて米国経済の堅調さが改めて確認され、日米の金融政策スタンスの違いも縮小したといえる」
「2%の物価安定の目標に近づいているとの認識のなか、過度な緩和継続期待が醸成され、物価上振れリスクや金融の過熱リスクが顕在化しないよう、1月に実施した追加利上げ以降も、ギアシフトを段階的に行っていくという視点も重要」
19日14:43
「ギアシフト、金融緩和の度合い調整の意味で使っている」
「企業、前向きな動きが続いている」
「米経済の先行き、不確実性は低下している」
「実質金利のマイナス幅はまだある」
「経済の実態に沿った思惑で長期金利は動く」
「保有ETF売却はすぐの議論ではなく、時間かけた対応が必要」
「物価の2つの変動要因、どちらかといえば上昇方向」
「生鮮食品の価格、家計のマインドや物価予想には当然影響」
「中立金利は虹のようなもの、近づけばわからなくなる」
「先行きの利上げは、予断持って対応することではない」
19日11:12 オアNZ準備銀行(中央銀行、RBNZ)総裁
「インフレ見通しはさらなる利下げに自信を与える」
「7月までに50ベーシスポイント(bp)の利下げを予想」
「利下げは25bpずつ行われると予想」
「経済には大きな余力がある 」
「4月と5月に25bpの引き下げを想定 」
「3.75%は中立金利のレンジの上限」
「信頼感が回復すれば、NZ成長率が加速する可能性がある」
「長期的なリスクは、世界的な成長を鈍化させる米国の関税」
20日04:19
「年末までに政策金利は3%程度になると予想」
「NZドルの為替レートは概ね適正な水準」
19日17:23 パネッタ伊中銀総裁
「ユーロ圏経済の弱さの兆候は予想以上に続いている」
「消費者支出による回復を期待していたが実現しなかった」
「利下げの一時停止、または中止する地点に近づいている」
「制限は大幅に緩和され、もはや政策が制限的であると自信を持って言うことはできなくなった」
19日22:58 プーチン露大統領
「米露対話に仲介者は不要」
「リヤドで議論された議題は経済やエネルギーなど」
「サウジ、米国、ロシアによるエネルギーに関する議論が求められている」
「トランプ米大統領との会談がいつ行われるかはまだ発表できない」
「喜んでトランプ氏と会うが、会談の準備は必要」
20日03:37 欧州連合(EU)のシェフチョビッチ欧州委員(通商担当)
「米国との貿易について不公平なことは何もない」
「米国の突然の関税引き上げは正当性がない」
「EUは米国の関税に応じるしか選択肢はないが、関税引き上げは避けたい」
20日04:03 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月28日-29日分)
「当局者は経済が好調であれば、政策を抑制的な水準に維持可能と認識」
「当局者は金利調整の前にインフレのさらなる進展を希望」
「不確実性が高いため、慎重なアプローチが必要」
「インフレ率は不均一な進捗で2%に向かうと予想」
「インフレリスクは概して上向きに偏っている」
「金融安定に関するさまざまな要因を監視する必要」
20日04:22 メキシコ中銀
「2025年のGDP成長率予測を1.2%から0.6%に引き下げ」
「2026年の成長率は約1.8%と予測」
「今年のコアインフレ率は、前回の3.0%から3.3%に修正」
「インフレに対するリスクのバランスは引き続き上振れ傾向」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○07:00 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○09:30 ◎ 1月豪雇用統計(予想:失業率4.1%/新規雇用者数2.00万人)
○16:00 ◇ 1月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.6%)
○17:30 ◎ 1月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.8%)
○19:00 ◇ 12月ユーロ圏建設支出
○22:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○22:30 ◇ 1月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.8%)
○22:30 ◇ 1月カナダ原料価格指数(予想:前月比2.6%)
○22:30 ◎ 2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:20.0)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/187.1万人)
○23:35 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、質疑応答
○24:00 ◎ 2月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.0)
○24:00 ◎ 1月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○21日01:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○21日02:00 ◇ EIA週間在庫統計
○21日02:05 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○21日04:30 ◎ バーFRB副議長、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.47円(前営業日比▲0.59円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.88円(▲0.96円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0423ドル(▲0.0023ドル)
ダウ工業株30種平均:44627.59ドル(△71.25ドル)
ナスダック総合株価指数:20056.25(△14.99)
10年物米国債利回り:4.53%(▲0.02%)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.25ドル(△0.40ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2936.1ドル(▲12.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲6.6% 2.3%
1月米住宅着工件数
136.6万件 151.5万件・改
建設許可件数
148.3万件 148.2万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。日銀の早期追加利上げ観測が改めて台頭する中、全般円買いが先行。ダウ平均が一時240ドル超下落し、ナイト・セッションの日経平均先物が420円下げたことも相場の重しとなり、一時151.25円と日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値151.24円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。対ユーロなどでドル高が進んだ影響も受けて、151.83円付近まで下げ幅を縮める場面があった。
もっとも、米連邦準備理事会(FRB)が公表した1月28日-29日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「債務上限問題解決までバランスシート縮小の一時停止や減速が必要になる公算」との見解が示されると、米長期金利が低下。ドル円にも売りが出て151.39円付近まで押し戻された。
・ユーロドルは3日続落。しばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに向けてユーロ売り・ドル買いが強まると弱含む展開に。ウクライナ情勢を巡る不透明感がくすぶる中、欧州時間に付けた1.0419ドルを下抜けると一時1.0401ドルまで値を下げた。ただ、FOMC議事要旨公表後に米長期金利が低下すると、1.0433ドル付近まで下げ渋った。
なお、トランプ米大統領は自身のSNSに「ウクライナ戦争終結へ向けロシアとうまく交渉」と投稿した一方、ウクライナのゼレンスキー大統領については「選挙をしない独裁者、迅速に行動しないと国がなくなる」と指摘した。市場では「トランプ氏とゼレンスキー氏の関係は間違った方向に向かっている」との声が聞かれた。
・ユーロ円は下落。日銀の早期追加利上げ観測が根強い中、全般円買いが進んだ流れに沿った。ウクライナ情勢を巡る不透明感からユーロ売りも出やすく、1時30分前に一時157.72円と本日安値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。トランプ米政権の関税政策を巡る不透明感が相場の重しとなり、一時240ドル超下落した。ただ、ディフェンシブ株の一角に買いが集まると、指数は上げに転じた。1月28日-29日分のFOMC議事要旨で「債務上限問題解決までバランスシート縮小の一時停止や減速が必要になる公算」との見解が示されたことも株買いを誘ったもよう。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら5日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。1月28日-29日分のFOMC議事要旨で「債務上限問題解決までバランスシート縮小の一時停止や減速が必要になる公算」との見解が示されると買いがやや優勢となった。
・原油先物相場は続伸。18日にロシアとカザフスタンをつなぐパイプラインがドローンによる攻撃を受けたことで、引き続き供給不安を背景とした買いが優勢となった。
・金先物相場は反落。地政学的リスクがくすぶる中で買いが先行するも一時的となり、その後は利益確定の売りに押されて反落した。
昨日の海外市場でドル円は、ダウ平均が一時240ドル超下落し、ナイト・セッションの日経平均先物が420円下げたことも相場の重しとなり、一時151.25円と日通し安値を更新した。その後、米株が下げ渋ったため151.83円付近まで下げ幅を縮める場面があったが、FOMC議事要旨公表後に米長期金利が低下したことで再び下値を探る場面もあった。ユーロドルはウクライナ情勢を巡る不透明感がくすぶる中、一時1.0401ドルまで値を下げた。
本日の東京時間でドル円は、米金利の低下や日銀の早期利上げ観測もあり上値が限られそうだ。もっとも、本日は5・10日(ゴトー日)で相応のドル買いが出る可能性があることや、明日に全国1月消費者物価指数(CPI)の発表を控えて、様子見ムードが広がるかもしれない。
昨日の宮城県で行われた金融経済懇談会に出席した高田日銀審議委員は、2%の物価安定の目標に近づいているとの認識を示し、「過度な緩和継続期待が醸成され、物価上振れリスクや金融の過熱リスクが顕在化しないよう、1月に実施した追加利上げ以降も、ギアシフトを段階的に行っていくという視点も重要」とタカ派発言だった。
ただし、高田審議委員はこれまでもタカ派的な発言を繰り返していたこともあり、想定の範囲内と受けとめられて円買いの勢いは限られた。ここから先の日銀の動向を占うのは、今後発表される経済指標や春闘の結果などで、ほかの審議委員がどの程度まで追加利上げへと傾くかが市場の注目となる。
日米の金融政策以外では、欧州と米国の経済及び政治的な摩擦の拡大が顕著なことで、リスク回避的な動きで円が買われやすい地合いでもある。第1次政権時からトランプ米大統領は、北大西洋条約機構(NATO)の防衛費を巡る拠出金に不満を示し、欧州連合(EU)の通商政策に対しても強硬姿勢を見せていた。
第2次トランプ政権が発足すると、ウクライナとロシアをめぐる停戦協議が、トランプ大統領が思い描いていたような簡単な合意には達することができないことで、ウクライナや欧州各国を排除してロシアとの交渉を進めようとしている。このため、欧州各国が強い懸念を表明し欧米間の摩擦が拡大している。
トランプ大統領は昨日、ウクライナがロシアとの戦争を始めたと虚偽の非難をした。ウクライナのゼレンスキー大統領についても、「選挙のない独裁者」とロシアが主張していることを米国の大統領が追認するなど異常事態に陥っている。欧州と米国との溝は拡大する一方であり、和平交渉が進むのは難しいだけでなく、米露の接近により欧州リスクが再燃する可能性が高い。
更に、23日にはドイツで議会選挙が実施される。こちらも結果次第で欧州の政治が再び混迷を深めるリスクもあり、ユーロの重しになるだけではなく、避難通貨としての円買い意欲も増えそうだ。
円やユーロ以外では、本日は豪州から1月雇用統計が発表されるため豪ドルの動きにも注目。一昨日には豪準備銀行(RBA)、昨日はNZ準備銀行(RBNZ)とオセアニア国が相次いで政策金利を引き下げたが、声明文を含めてある程度織り込まれていたことで、市場が期待したほどの値動きにはならなかった。前回(昨年12月分)発表された豪州の失業率は4.0%と、RBAの四半期金融政策報告における2024年末見通し4.4%よりも好結果となった。先日のRBA理事会後にブロック総裁が「雇用市場の強さに驚いている」と発言したが、雇用情勢が引き続き強固だった場合にはRBAの追加利下げのペースが緩やかになる可能性もありそうだ。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38980 -190 (-0.48%)
TOPIX先物 2755.5 -12.0 (-0.43%)
シカゴ日経平均先物 38985 -185
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
19日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領は18日、自動車への追加関税について「25%くらいになる」と述べたほか、半導体や医薬品にも追加関税を課す考えを表明した。トランプ米政権による関税引き上げへが警戒されて、主要な株価指数は下落に転じる場面もみられた。ただ、ディフェンシブ株の一角が買われ、指数を支える形になった。ナスダック指数は小幅ながら5日続伸、S&P500指数は連日で最高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)が公表した1月28~29日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、インフレ抑制で進展を確認したい考えであり、追加利下げに慎重な姿勢を保っていることが改めて示された。
1月の米住宅着工件数は前月比9.8%減の年率換算136万6000戸となり、市場予想(139万戸程度)を下回った。一戸建て住宅の着工件数は前月比8.4%減の年率99万3000戸、集合住宅は同13.5%減の37万3000戸となり、一戸建て、集合住宅がともに減少。
NYダウ構成銘柄では、メルク<MRK>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、トラベラーズ<TRV>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、マイクロソフト<MSFT>が上昇。半面、セールスフォース、ホーム・デポ、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>が売られた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比185円安の3万8985円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比10円高の3万9180円で始まり、寄り付きを高値にショート優勢となり、中盤にかけて節目の3万9000円を割り込んだ。米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、一時3万8750円まで売られる場面もみられた。終盤にかけてショートカバーとみられる動きにより持ち直し、3万8980円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。米国市場は上昇したものの、トランプ関税への警戒や日銀の追加利上げ観測が根強いなか、戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。日経225先物はナイトセッションの開始後ほどなくして25日移動平均線(3万9140円)、75日線(3万9080円)を下抜け、これまで底堅さがみられていた節目の3万9000円を割り込んできた。ボリンジャーバンドの-1σ(3万8750円)まで下げた後は持ち直す形となったが、75日線と-1σによるレンジが意識されそうである。
そのため、早い段階で節目の3万9000円や75日線、25日線を回復できるかが注目される。25日線接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいため、オプション権利行使価格の3万8625円から3万9125円辺りのレンジを想定する。早い段階で25日線を回復してくるようだと、ショートカバーを誘う流れになる可能性はあるだろう。
19日の米VIX指数は15.27(18日は15.35)に低下した。一時15.96に上昇する場面もみられたが、25日線(15.95)、75日線(16.02)が抵抗線として意識されていた。引き続きボトム圏での推移であり、米国についてはリスク選好に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.15倍と横ばいで推移。一時14.09倍に低下する場面もみられたが、直近のボトム水準に到達したことで、NTショートを巻き戻す動きが入ったようだ。ただし、14.10倍から200日線(14.22倍)辺りでのレンジを継続しており、スプレッドは狙いにくい状況である。ナスダック指数が小幅ながら5日続伸したことで、ややNTロングに向かわせる可能性はあると考えられる。
東京市場は軟調か。米国株は上昇。ダウ平均は71ドル高の44627ドルで取引を終えた。トランプ政権の関税政策に対する警戒から弱めに始まり、中盤には200ドル超下げる場面もあったが、終盤に持ち直してプラスで終えた。ドル円は足元151円40銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて185円安の38985円、ドル建てが165円安の39005円で取引を終えた。
米国株は上昇したが、CME225先物は下落スタートを示唆している。夜間の日経平均先物も日中比190円安の38980円と39000円を割り込んで終えている。1月開催のFOMC議事要旨を受けて米10年債利回りは低下したが、ドル円が円高(ドル安)に振れており、為替に対する警戒が強くなっているもよう。きのうの日経平均は場中のドル円の変動に神経質となっており、米国株高を好感できずに下落した。きょうも円高を嫌って安く始まり、為替をにらみながら不安定な動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは38800円-39100円。
中国の全国銀行間同業折借中心が20日に発表した2025年2月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は、1年物を3.10%で据え置き、5年物も3.60%で据え置いた。
ドル円は、昨日のアジアで高田日銀審議委員の「もう一段のギアシフト」発言を確認した後は、予想通りのタカ派としての内容だったことから、逆に152.31円まで買戻されていたわけですが、海外勢からみれば、「田村委員に続き二人目のタカ派発言」としての認識が強かったようで、日銀の早期利上げ観測を更に高めることになったといったところ。全般、米10年債利回りの動向に左右されたものの、結局は戻りの鈍さが目立つ展開となりました。
そして、本日の東京市場では、日経平均が一時600円近い大幅な下落。予算案の修正協議が今週に入って正念場を迎えているなか、自民党が維新との高校授業料無料化の引上げをもって予算案通過の目処が立ってしまったわけで、市場が期待していた「恒久減税やガソリンの暫定税率廃止」といったことには全くやる気がないことが決定的。自民党が新たな年収の壁を設定するなど、ファンド勢が出遅れている日経平均での円キャリーを進める理由付けがなくなりつつあることがドル円の下抜けの要因となっています。
チャート的にも週足の一目雲下限の151.10円や7日の安値150.93円を下抜けてしまったことから、目先は150.00円という大台割れを目指すような動きとなっていますが、トランプ米大統領が米国民に対して「チップや残業代には税金をかけない」などと演説しているのとは裏腹に、政治的プレゼンスの絶望的な欠損が、日経平均とダウ平均の6000ポイントを超える大幅な拡大となって露になってきています。
いずれにしても、こうなってくると、構造的な円安の状況には変わりありませんが、目先は日銀のこちらも絶望的な市場とのコミュニケーション不足を逆手にとって、「市場が不安定になってきているので、利上げは当面見送り。円相場が輸入物価に与える影響は現在顕在化していない」などと言い始めることしか、本格的な反発の理由がなくなりつつあります。
日経225先物は11時30分時点、前日比590円安の3万8580円(-1.50%)前後で推移。寄り付きは3万8850円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8985円)を下回り、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万8950円を高値に下落幅を広げ、中盤にかけてボリンジャーバンドの-1σ(3万8720円)を割り込んだ。為替市場では1ドル=150円台半ばと円高に振れるなか、終盤にかけて下へのバイアスが強まり、一時3万8510円まで売られ、200日移動平均線(3万8550円)を割り込んだ。
日経225先物は-1σを割り込み、200日線まで下げてきた。日銀の追加利上げ観測を受けて円相場が円高基調を強めており、ショートを仕掛けてくる動きが強まっているようだ。200日線までの調整を経て、午後は持ち高調整によるカバーが入りやすいだろう。ただし、戻りの鈍さが意識される局面でカバーは強まりづらく、押し目待ち狙いのロングも入れにくいなかでは、-2σ(3万8320円)が意識されてくる可能性も警戒しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下した。ただし、積極的なスプレッド狙いの動きは限られているものの、14.11倍~14.16倍での推移をみせており、直近のボトム水準である14.10倍に接近する局面では、NTショートを巻き戻す動きが入りやすい面はある。
本日の欧州時間でも、通商問題やウクライナとロシアの戦争をめぐる対応など欧米間の溝が引き続き市場の注目となるか。
経済指標では、ドイツから1月生産者物価指数(PPI)、ユーロ圏から12月建設支出、2月消費者信頼感指数などが発表予定。ただし、18日に発表された欧州圏(独・ユーロ圏)からのZEW景況感指数でも市場は動意付かなかったところをみると、本日の指標で大きく反応するのは難しいだろう。
また、マクルーフ・アイルランド中銀総裁やナーゲル独連銀総裁の講演も控えているが、ここ最近の欧州中央銀行(ECB)関係者の発言にも市場の反応は鈍い。念のため、警戒は怠らないようにしたいが、あまり身構える必要ななさそうだ。
市場は経済指標よりも、米国の欧州への通商問題の圧力、ウクライナをめぐる停戦協議、そして週末に行われるドイツの選挙など、政治動向に目が向いている。
通商問題については、欧州連合(EU)で通商を担当するシェフチョビッチ欧州委員が昨日の欧州引け後、自動車やその他の一部の品目に対する関税を引き下げや撤廃する可能性をホワイトハウスと協議したいと述べた。ただし、同委員は「米国との貿易について不公平なことは何もない」「米国の突然の関税引き上げは正当性がない」「EUは米国の関税に応じるしか選択肢はないが、関税引き上げは避けたい」などとも発言している。
トランプ米大統領はディールを望んでいるとされているが、圧力を受ける側からすると脅迫に近い。シェフチョビッチ委員が米国の圧力には屈しない態度を表明したように、EUとしては簡単に引くことはないだろう。
更に事態を難しくしているのは、トランプ大統領がウクライナ和平交渉を欧州の関連諸国を無視して進めようとしていること。当然ながら、これにより欧州各国の態度が硬化している。
またトランプ大統領は支援の見返りとして、ウクライナ国内の鉱物資源の受け渡しを要求したが拒否された。停戦交渉が簡単に進むと考えていたトランプ大統領の不満が爆発し、連日にわたりウクライナのゼレンスキー大統領を非難している。トランプ氏は「ウクライナの指導者は、支持率が4パーセントにまで落ち込んでいる」と根拠のないことを述べ、「選挙をしない独裁者、迅速に行動しないと国がなくなる」とも発言。これまでプーチン露大統領が主張していたことを米国大統領が発言する異常事態に陥っている。
通商、戦争の両面で欧州圏とトランプ政権では埋めることが難しいほど溝が広がっており、これがユーロの重しとなる相場が当面は続きそうだ。
・想定レンジ上限
ユーロドル:18日高値1.0486ドル、その上は1月27日につけた年初来高値1.0533ドル。
ユーロ円:昨日米国勢参入後の高値158.49円。
・想定レンジ下限
ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0397ドル。その下は同・基準線1.0337ドル。
ユーロ円:11日安値156.26円。
ドル円:1ドル=150.40円(前営業日NY終値比▲1.07円)
ユーロ円:1ユーロ=156.84円(▲1.04円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0427ドル(△0.0004ドル)
日経平均株価:38678.04円(前営業日比▲486.57円)
東証株価指数(TOPIX):2734.60(▲32.65)
債券先物3月物:138.94円(▲0.04円)
新発10年物国債利回り:1.440%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
2410億円の取得超 1兆7556億円の所得超・改
対内株式
3528億円の処分超 3844億円の処分超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。日銀の利上げ観測や日経平均株価の下落を背景にした売りが出た。昨日安値の151.25円を下抜けると下げ足を速め、一時150.11円まで下押し。時間外の米10年債利回りが4.50%台までやや低下していることも相場の重しとなった。
なお、植田日銀総裁は石破首相と会談を行い、会談後に「経済金融動向について意見交換した」「長期金利について、そういう話はしていない」などの見解を示した。
・ユーロ円も軟調。株安を手掛かりにした円買いの流れに沿って、一時156.61円まで値を下げた。
・ユーロドルはもみ合い。円絡みの取引が中心となったため、前日終値付近でのやや方向感を欠いた動きとなった。
・日経平均株価は続落。日銀の追加利上げ観測などを手掛かりに外国為替市場で円高・ドル安が進み、輸出関連株を中心に売りが出た。株価指数先物主導で下げ幅を拡大し、指数は一時700円近く下げる場面も見られた。
・債券先物相場は反落。日経平均株価の下落を受けて安全資産としての債券需要が意識される場面もあったが、日銀の利上げ観測を手掛かりにした売りが上値を抑制。後場に入って相場は下げに転じた。
SMBC日興証券では、12月の機械受注を受けてリポートしている。受注総額は前月比-2.9%。単月では減少しているが、外需のけん引により基調としては緩やかな増加が続いているとのこと。内需は減少し、外需は増加した。SMBC日興では輸入物価の伸び率と設備投資デフレーターの伸び率との間に大きなかい離があることを指摘しており、こうした投資財のインフレが設備投資需要を抑制しているとみている。そのため、設備投資の回復には十分なインフレ鈍化を待つ必要があると考えている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは原油価格に関して、中長期的な過剰供給懸念は残るものの、足元ではロシア-ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学リスク、トランプ政権の関税政策などの要因から、底堅い推移を予想している。トランプ大統領がウクライナと欧州諸国抜きでロシアと直接停戦交渉に入ったことは、かえって混乱を招きかねないとコメント。原油価格のボラティリティを高める可能性があると指摘している。
トランプ米大統領は中国との新たな貿易合意を結ぶことを検討しているようだ。中国により多くの米製品を購入するよう促す考え。『信報』が米『ニューヨーク・タイムズ』を引用して20日伝えた。
報道によれば、トランプ氏周辺も中国との貿易協議を再開する構想を支持している。ただ、検討は初期段階にあり、確定案には至っていない。
トランプ氏は第一次政権後半の2020年に中国と貿易協議の「第1段階合意」を締結し、中国は米製品の購入額を2017年より2000億米ドル増やすと約束。ただ、その後はトランプ氏が落選し、中国による米製品の購入額は最終的に約束した金額に達さなかった。
「自動車関税は、4月2日に伝えることになるが税率は25%前後になるだろう」
(トランプ米大統領:2月18日)
第1次トランプ米政権(2017~20年)では、対日貿易赤字の減少を目論んで、輸出還付金が狙い撃ちされそうな展開だったが、米中貿易戦争やコロナのパンデミック(世界的大流行)により有耶無耶になった。
第2次トランプ米政権(2025~28年)では、トランプ米大統領は「対日貿易赤字を削減したい」意向を示し、相互関税政策によって、日本の消費税(※輸出還付金)が関税の一種とみなされ、対日関税が引き上げられる可能性が高まっている。
1.トランプ関税「相互関税(Reciprocal Tariff)」
トランプ大統領は、アメリカの貿易政策として「相互関税」を導入すると発表した。これは、アメリカが輸入する際に、相手国がアメリカに課している税金と同じ額の関税を課すというものである。
現在、日本の対米自動車輸出では、乗用車に2.5%、トラックに25%の関税がかかっているが、相互関税が導入された場合、25%の自動車関税が賦課される可能性が示唆されている。
また、相互関税導入の目的は、米国の貿易赤字の削減であるため、不公平な補助金・規制、付加価値税(VAT)、為替レート、知的所有権保護の不備など、米国の貿易を制限する非関税障壁も対象とする方針であることが打ち出されている。
2. 「消費税(付加価値税 VAT)」=関税
日本の消費税は、輸出企業にとって補助金のような有利な仕組みになっており、これがアメリカの企業にとって不公平な貿易条件を生んでいると指摘されている。
日本の輸出企業は、支払った消費税を輸出補助金のような形で受け取っており、その額は年間約2兆円とも言われている。
・国内での取引:企業が商品を仕入れたり加工したりする際、各段階で消費税が発生する
・輸出時の優遇措置:輸出する企業は、消費税を支払わずに済む(輸出免税)
・輸出還付金:輸出企業は、製造過程で支払った消費税を国から還付してもらえる
3.トランプ米政権の主張
トランプ米大統領は、「日本が消費税をやめれば関税を下げる」と示唆している。
また、4月1日を目処に調査に乗り出している米通商代表部(USTR)は、日本の貿易障壁に関して、「日本の自動車規制が厳しすぎて、アメリカの車が日本市場に参入しにくい」
などと報告しており、輸入規制、車検制度、輸出還付金などの非関税障壁を崩しにかかっていると思われる。
大阪3月限
日経225先物 38710 -460 (-1.17%)
TOPIX先物 2736.5 -31.0 (-1.12%)
日経225先物(3月限)は前日比460円安の3万8710円で取引を終了。寄り付きは3万8850円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8985円)を下回り、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万8950円を高値に下落幅を広げ、前場中盤にかけてボリンジャーバンドの-1σ(3万8740円)を割り込んだ。為替市場では1ドル=150円台半ばと円高に振れるなか、前場終盤にかけて下へのバイアスが強まり、200日移動平均線(3万8550円)を割り込んだ。
ランチタイムでは200日線を挟んでの推移をみせるなか、石破首相と日銀総裁の会談が伝わると、日銀の追加利上げが改めて意識される形から円相場は1ドル=150円台前半と円高に振れた。これを受けてショートを仕掛けてくる動きが強まり、後場中盤にかけて一時3万8450円まで下落幅を広げた。ただし、終盤にかけては短期筋のショートカバーとみられる動きから持ち直し、200日線を上回って終えている。
日経225先物は為替にらみのなか、ショート優勢の相場展開となった。2月に入ってからは200日線を割り込む局面では、下ヒゲを残す形での切り返しをみせてきた。本日も同線を上回り、-1σ水準まで戻してきた。目先的には-1σ水準で底堅さがみられるかが注目されそうである。
ただし、トランプ政権による米国第一主義の政策によって世界の金融市場が振らされるなか、海外勢のポジションは米国にシフトしやすく、日本からの資金流出が警戒されやすいだろう。そのため、自律反発の局面においては、戻り待ち狙いのショートに向かわせる可能性がある。本日は東証プライムの値下がり数が8割を占めた。為替が円高に振れるなかで輸出関連株の弱さが目立ったが、内需系に資金がシフトする動きは限られていた。
日経225先物は-1σ水準での底堅さがみられるようだと、25日線(3万9130円)、75日線(3万9080円)辺りまでの自律反発は可能だろう。一方で、-1σが抵抗になるようだと-2σ(3万8350円)から瞬間的に-3σ(3万7950円)に接近する展開は警戒しておきたい。来月のメジャーSQに向けて荒い値動きになる可能性もあるため、ロングを積み増す動きは期待しづらい。
NT倍率は先物中心限月で14.14倍に低下した。ただし、積極的なスプレッド狙いの動きは限られているだろう。本日は14.11倍~14.16倍での推移をみせており、直近のボトム水準である14.10倍に接近する局面では、NTショートを巻き戻す動きが入りやすい面はありそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0161枚、ソシエテジェネラル証券が1万7426枚、サスケハナ・ホンコンが4833枚、JPモルガン証券が3483枚、野村証券が2226枚、バークレイズ証券が2185枚、モルガンMUFG証券が2067枚、SBI証券が2060枚、ドイツ証券が1485枚、日産証券が1424枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3698枚、ソシエテジェネラル証券が1万9759枚、JPモルガン証券が5685枚、バークレイズ証券が5512枚、モルガンMUFG証券が5007枚、ゴールドマン証券が3965枚、ビーオブエー証券が1826枚、BNPパリバ証券が1493枚、ドイツ証券が1002枚、UBS証券が987枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、2月の米雇用統計調査対象週(12日週)の新規失業保険申請件数や2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、そして1月米景気先行指標総合指数などを見極めつつ、複数のFRB高官の講演から年内の利下げ時期や回数を探ることになる。
2月の米雇用統計の調査対象週の米新規失業保険申請件数の予想は21.5万件、前週の失業保険継続受給者数の予想は187.1万人となっており、雇用情勢を見極めつつ、利下げの時期を探ることになる。
連邦政府職員の大量解雇の影響があることで、ネガティブサプライズには警戒しておきたい。
また、2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や1月米景気先行指標総合指数にも要注目となる。
米連邦準備理事会(FRB)高官の発言では、先日、「向こう1年半で複数回の利下げを引き続き想定している」と述べたハト派のグールズビー米シカゴ連銀総裁の見解に注目しておきたい。
また、タカ派のムサレム米セントルイス連銀総裁の講演では、先日のタカ派的な見解「
利下げに一段と慎重な姿勢が必要」が繰り返されると想定される。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、7月FOMCと見込まれ、12月末の段階でのFF金利誘導目標は4.00-25%となっている。
トランプ米大統領による突発的な発言(ウクライナ関連、トランプ関税関連)には引き続き警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、152.64円(200日移動平均線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、149.37円(2024/12/6安値)
今晩は上値の重い展開か。昨日は主要3指数がそろって上昇し、S&P500が前日に続いて取引時間中と終値の史上最高値を更新した。トランプ米大統領の関税政策や利下げに慎重な米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が重しとなったものの、マイクロソフトが初の量子コンピューター用半導体を発表したことや、アナログ・デバイセズが予想を上回る決算を発表し、半導体株が幅広く上昇したこと、米10年債利回りが低下したことが追い風となった。
今晩の取引ではトランプ関税問題が引き続き懸念される中、S&P500が最高値を更新したことで上値の重い展開が予想される。利下げ見通しを巡っては、来週28日に発表される1月個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まっており、PCE価格指数の発表待ちの展開も予想される。今晩発表される新規失業保険申請件数やそれを受けた米10年債利回りの動向、寄り前に発表されるウォルマートの決算発表などをにらんだ神経質な展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、2月フィラデルフィア連銀業況指数、1月住景気先行指数など。決算発表は寄り前にウォルマート、サザン、ハズブロ、引け後にニューモント、ブッキング・ホールディングスなどが発表予定。
日経平均株価は大幅続落。前日下値で意識した100日移動平均線(38985円 2/20)を下回るスタートとなり、一段と下値を探る展開となった。一時は2/3安値(38401円)に迫る場面があったが、下げ幅を縮小して200日移動平均線(38673円 同)上を終値ベースは意識した。
RSI(9日)は前日の59.6%→40.1%(2/20)に低下。あすは上昇しやすいタイミングとなるが、1/24高値(40279円)からの二段下げ目が続いているという認識が復活した。25日移動平均線(39129円 同)が下向きに変化する前に同線上を早期に回復したところだ。
上値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、 200日移動平均線、心理的節目の38500円、2/3安値(38401円)、1/17安値(38055円)、11/28安値(37801円)などがある。
(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.47円(20日15時時点比▲0.93円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.78円(▲0.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0488ドル(△0.0061ドル)
FTSE100種総合株価指数:8662.97(前営業日比▲49.56)
ドイツ株式指数(DAX):22314.65(▲118.98)
10年物英国債利回り:4.607%(▲0.004%)
10年物独国債利回り:2.534%(▲0.023%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月独生産者物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.1% ▲0.1%
12月ユーロ圏建設支出
(前月比) 0.0% 0.6%・改
(前年比) ▲0.1% 0.3%・改
2月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値) ▲13.6 ▲14.2
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。日銀の早期追加利上げ観測が根強い中、全般円買いが先行。市場では「明日21日に発表される1月全国消費者物価指数(CPI)の上振れが警戒されている」との声も聞かれた。
NYの取引時間帯に入ると、2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数、1月米景気先行指標総合指数が軒並み予想より弱い内容だったことが伝わり、米長期金利が低下。全般ドル売りが活発化し、2時30分過ぎに一時149.40円と昨年12月6日以来の安値を更新した。
なお、ベッセント米財務長官は米長期債の発行増について「まだ遠い先のことだ」と言明。米国債相場の上昇(金利は低下)を促した。
・ユーロドルは上昇。しばらくは1.04ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、NY市場に入ると強含んだ。ベッセント米財務長官の発言や米経済指標の下振れを受けて米長期金利が低下すると、ユーロ買い・ドル売りが優勢に。前日の高値1.0461ドルを上抜けて一時1.0495ドルまで値を上げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.40まで低下した。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁は「関税で物価が上がれば、FOMCは考慮する必要」と述べたほか、ムサレム米セントルイス連銀総裁は「インフレが停滞するリスクは雇用市場が軟化するよりも大きい」「インフレが停滞し、上振れするリスクがある」と話した。
・ユーロ円は一進一退。ドル円の下落につれた売りが出た半面、ユーロドルの上昇につれた買いが入ったため、相場はもみ合いの展開となった。日本時間夕刻に一時156.32円と日通し安値を付けたあとは156.99円付近まで下げ渋ったものの、NY市場に入り再び下落。24時過ぎに156.32円まで押し戻された。ただ、そのあとは156円台後半まで下げ渋った。
・ロンドン株式相場は続落。時間外のダウ先物の下落などが嫌気されて、英株にも売りが出た。米関税政策への警戒感やウクライナ情勢の不透明感も相場の重し。BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。小幅に反発して始まったものの、米関税政策への警戒感やウクライナ情勢の不透明感は根強く、次第に売りに押された。個別ではMTUエアロ・エンジンズ(4.65%安)やラインメタル(4.63%安)、メルセデス・ベンツグループ(2.53%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
20日の日経平均は大幅続落。終値は486円安の38678円。米国株高は好感できず、寄り付きから3桁の下落。節目の39000円を下回った。東京時間でドル円が大きく円高に振れたことが嫌気され、前場は買い手不在の中で下値を試す展開。前引けは500円を超える下落となった。後場に入ると下げ幅を700円近くに拡大。38500円を割り込んだところでようやく売りが一巡した。13時台半ば辺りからは下げ幅を縮め、大引けが後場の高値とはなったものの、400円を超える下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4800億円。業種別では石油・石炭、鉱業、空運などが上昇した一方、建設、その他製品、非鉄金属などが下落した。自己株取得を発表した北洋銀行<8524.T>が大幅上昇。半面、決算が失望を誘ったメディシノバ・インク<4875.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり249/値下がり1344。株主優待の再導入がポジティブサプライズとなったくら寿司がストップ高比例配分。株主優待の内容見直しを発表したフジタコーポレーションが急騰した。原油価格上昇を手がかりにINPEXやENEOSが逆行高。日本鋳鉄管や日本ヒュームなど下水道関連が連日で買いを集めたほか、日経新聞の記事などを材料にテラドローン、リベラウェア、ブルーイノベーションなどドローン関連が人気化した。
一方、東京エレクトロンやレーザーテックなど半導体株の一角が大幅安。楽天Gやキオクシアなど、直近で振れ幅が大きかった銘柄が強めに売られた。米国で10年債利回りが低下したことが嫌気され、MS&ADやSOMPOなど保険株が軟調。幅広い銘柄が売られる中、清水建設や大林組など円高がそれほど逆風にはならないと思われる建設株にも値を崩すものが多く散見された。
グロース市場にフライヤーが新規上場。高い初値をつけたものの、全体の地合いが悪い中、終値は初値を大きく下回った。
日経平均は大幅安。きのうときょうの下げで「円高=日本株売り」のイメージが強くなった。来週月曜24日は天皇誕生日の振替休日により休場で、東京市場は三連休を控える。このタイミングで為替に神経質な反応を見せてしまっただけに、あすは休場の間の為替変動を警戒してリスク回避姿勢が強まるだろう。あすの寄り前には1月の消費者物価指数(CPI)が発表される。物価指標が強かった場合には日銀の早期追加利上げが意識されるだけに、あすもきょうと似たような動きが出てくる可能性はある。押し目買いを入れるにしても38000円辺りまで待った方が良い。
米政府は20日、トランプ大統領が24日にフランスのマクロン大統領、27日に英国のスターマー首相とワシントンでそれぞれ会談すると発表した。ロシアとウクライナの戦争終結に向けた和平交渉や関税について協議するとみられる。
20日05:24 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「インフレが一直線に進むとは予想していない」
「経済見通しにすべての政策変更を織り込むのは困難」
「2025年の見通しに対する信頼は低下」
21日01:10
「不確実性は大きいものの、今年2回の利下げを予想」
「量的引き締めを減速させる可能性は債務上限の問題だけではなく、FRBがオーバーシュートを望まないためでもある」
「今後の政策転換による経済減速は重大な懸念事項だが、企業は2025年が堅調な年になると予想」
「経済は今のところ回復力を維持」
「金融政策は現在良好な状態にあるが、リスクについて油断すべき時ではない」
20日07:08 ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「FRBは次の金融政策の検討に時間をかけることが可能」
「米国の経済状況は非常に好調」
「米国の金融政策は依然として抑制的」
「米労働市場は堅調で、インフレは緩和しているが、依然として高い」
「家計のバランスシートは良好な状態にあるようだ」
「2%のインフレへの回帰には困難が伴う可能性」
20日12:09 ハウザー豪準備銀行(RBA)副総裁
「金利維持はCPIのアンダーシュートにつながる」
20日13:03 植田日銀総裁
※石破首相との会談後
「経済金融動向について意見交換した」
「長期金利について、そういう話はしていない」
「来週、G7・G20に出席するので直前に懇談の機会を持たせてもらった」
20日17:36 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「ディスインフレプロセスは順調に進んでいる」
「金利は今年中に2%程度まで下がる可能性」
20日19:55 シムカス・リトアニア中銀総裁
「3月の欧州中央銀行(ECB)理事会で利下げをしない理由は見当たらない」
「今年はあと3回の利下げを見込んでいる」
20日21:34 ベッセント米財務長官
「米国以外の国には通貨を操作して欲しくない」
「米連邦準備理事会(FRB)の現時点での金融政策にはコメントしない」
「過去の金融政策にはコメントする。昨年秋の利下げは大幅なものだった」
「パウエルFRB議長とは定期的に連絡している」
「トランプ米政権の下では、歳入が増え、歳出は減少する見込み」
「FRBのバランスシート圧縮は、財務省の米国債発行計画に影響はない」
「1月PCEインフレデータはCPIほど厳しいものではないだろう」
「新たな不確実性が出る前は2%への道筋は良好に見えた」
「関税で物価が上がれば、FOMCは考慮する必要」
21日02:12 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「インフレが停滞するリスクは雇用市場が軟化するよりも大きい」
「政策変更は経済の進路に重大な影響を与える可能性」
「インフレが停滞し、上振れするリスク」
「インフレが緩和されるまで、政策は緩やかに抑制的であり続ける」
「インフレ率はいずれ2%に低下すると予想」
21日02:47 ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「トランプ米大統領と安全保障を巡り合意の用意がある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 1月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比3.1%)
○08:30 ☆ 1月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比2.5%)
<海外>
○06:45 ◎ 1月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○07:00 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○09:01 ◇ 2月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲22)
○16:00 ◎ 1月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.3%/前年比0.6%)
○16:00 ◎ 1月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.9%/前年比0.5%)
○16:45 ◇ 2月仏企業景況感指数(予想:96)
○17:15 ◎ 2月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:45.5)
○17:15 ◎ 2月仏サービス部門PMI速報値(予想:48.9)
○17:30 ◎ 2月独製造業PMI速報値(予想:45.5)
○17:30 ◎ 2月独サービス部門PMI速報値(予想:52.5)
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:47.0)
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.5)
○18:30 ◎ 2月英製造業PMI速報値(予想:48.4)
○18:30 ◎ 2月英サービス部門PMI速報値(予想:50.8)
○19:30 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○21:00 ◎ 10-12月期メキシコ国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比▲0.6%/前年比0.6%)
○22:30 ◎ 12月カナダ小売売上高(予想:前月比1.6%/自動車を除く前月比1.8%)
○23:30 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:45 ◎ 2月米製造業PMI速報値(予想:51.5)
○23:45 ◎ 2月米サービス部門PMI速報値(予想:53.0)
○23:45 ◎ 2月米総?⑰MI速報値(予想:53.2)
○24:00 ◎ 2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:67.8)
○24:00 ◎ 1月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲2.6%/年率換算413万件)
○22日01:30 ◎ ジェファーソンFRB副議長、講演
○22日02:30 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○23日 ドイツ総選挙
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.64円(前営業日比▲1.83円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.16円(▲0.72円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0501ドル(△0.0078ドル)
ダウ工業株30種平均:44176.65ドル(▲450.94ドル)
ナスダック総合株価指数:19962.36(▲93.89)
10年物米国債利回り:4.50%(▲0.03%)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.57ドル(△0.32ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2956.1ドル(△20.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
18.1 44.3
前週分の米新規失業保険申請件数
21.9万件 21.4万件・改
1月米景気先行指標総合指数
(前月比) ▲0.3% 0.1%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。ベッセント米財務長官が米長期債の発行増について「まだ遠い先のことだ」と言明すると、米国債相場が上昇(金利は低下)し全般ドル売りが先行。2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数、1月米景気先行指標総合指数が軒並み予想より弱い内容だったことも米長期金利の低下とドル売りを促した。2時30分過ぎには一時149.40円と昨年12月6日以来約2カ月半ぶりの安値を更新した。
市場では「米長期金利の低下と日銀による早期の追加利上げ観測が重なり、円買い・ドル売りがじりじりと進んでいる」との声が聞かれた。
・ユーロドルは4日ぶりに反発。ベッセント米財務長官の発言や米経済指標の下振れを受けて米長期金利が低下すると、全般ドル売りが優勢に。前日の高値1.0461ドルを上抜けて一時1.0504ドルまで値を上げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.34まで低下した。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁は「トランプ米政権の関税政策で、コロナ禍と同規模の衝撃につながれば、物価懸念を高めなければならない」と述べたほか、ムサレム米セントルイス連銀総裁は「このところの経済指標はインフレ期待の上昇傾向を示唆。米連邦準備理事会(FRB)は一段と制約的な金融政策を迫られる可能性がある」と話した。
・ユーロ円は続落。ドル円の下落につれた売りが先行すると一時156.32円と日本時間夕刻に付けた日通し安値に面合わせしたものの、ユーロドルの上昇につれた買いが入ると157.33円付近まで下げ渋った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。トランプ米政権の関税政策が経済に与える悪影響が懸念されて売りが優勢に。指数は一時670ドル超下落した。四半期決算や通期見通しが嫌気されたウォルマートが6%超急落した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反落。米国防総省の予算削減報道を受けてパランティア・テクノロジーズが大幅に下げた。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。ベッセント米財務長官の発言や米経済指標の下振れを受けて債券買いが優勢となった。
・原油先物相場は3日続伸。本日発表された米エネルギー省(EIA)週間石油在庫でガソリンが減少したことが明らかとなり、需給の引き締まりが意識されて買いが優勢となった。ユーロドル相場でドル安となったことで、ドル建てで取引されている原油の割安感が生じていることも、上昇を支えたもよう。
・金先物相場は反発。トランプ米大統領の通商政策に対する不透明感からくるインフレ再燃への警戒感が根強い中、安全資産としての金の需要を背景に、買いが優勢となると、中心限月の清算値ベースで2日ぶりに史上最高値を更新した。ウクライナを巡る地政学的リスクの高まりも上昇を後押しした。
昨日の海外市場でドル円は一時149.40円と昨年12月6日以来約2カ月半ぶりの安値を更新した。ベッセント米財務長官が米長期債の発行増について「まだ遠い先のことだ」と言明すると、米国債相場が上昇(金利は低下)したことが影響した。2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数、1月米景気先行指標総合指数が軒並み予想より弱い内容だったことも米長期金利の低下とドル売りを促した。ユーロドルは前日の高値1.0461ドルを上抜けて一時1.0504ドルまで値を上げた。
本日の東京時間でドル円は引き続き上値が重いことが予想されるなか、全国1月消費者物価指数(CPI)の結果を見定めることになるだろう。
日銀の早期利上げ期待が高まっていることで円買い意欲が強い。多少のアップダウンはあるものの、ここ最近の本邦長期金利は上昇傾向にある。こういった状況のもと、本日発表される1月CPIの結果で、更に円高に傾くのかに注目が集まる。市場予想では生鮮食料品を除くコア指数は12月3.0%増から3.1%増、更にエネルギーを除くコアコア指数は2.4%増から2.5%増へ加速する見込み。予想を上回れば円が急伸するだろうが、たとえ予想通りの結果、また多少弱い結果となった場合でも、「2%の物価安定」が達成されていることを確認できれば、本邦長期金利が急に低下することも考え難く、円買い意欲は変わらないか。
全国CPI発表後、植田日銀総裁が衆院予算委員会に出席する予定。午前10時15分から、立憲民主党の階猛委員、米山隆一委員、藤岡たかお委員の質問に答えることになっている。前回の予算委員会ではありきたりな質問内容で相場は動意づかなかった。ただ今回は長期金利が上昇幅を広げ、円高が進行中なこともあり、質問や返答内容次第では市場が急変するリスクには警戒をしておきたい。
円買い要因は、米金利低下と円金利上昇という面以外でも、ここ最近は避難通貨的な面もある。今週行われた米露高官会議後にトランプ米大統領がプーチン露大統領に同調する姿勢を示し、欧州の地政学リスクが高まった。昨日は、ユーロは対ドルでは買われたものの、ここ最近のユーロは対円や対豪ドルなどでは弱含んでいる。
引き続きロシアとウクライナ情勢に市場の大きな関心が集まっているだけではなく、今週末23日に実施されるドイツ議会選挙も材料視されるだろう。欧州政治が更に混迷を深めるリスクで、円や豪ドルなどの通貨が神経質に取引されそうだ。
本日は本邦CPI以外にはオセアニア・アジア圏からは市場の同意を付けるような経済指標の発表は予定されていない。ただし豪州では、ブロック豪準備銀行(RBA)総裁をはじめ、ハウザーRBA副総裁、経済動向を担当しているハンターRBA総裁補佐、金融市場担当のケントRBA総裁補佐、金融システム担当のジョーンズRBA総裁補佐が揃って議会で証言する予定。RBAは今週に2022年以来の利下げを決定したこともあり、議員からの厳しい質問が予想されている。なお、労働党関係者は3月25日に予定されている予算発表を行わず、早ければ4月5日や12日に総選挙が行われると予想していることも明らかにしている。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38550 -160 (-0.41%)
TOPIX先物 2727.0 -9.5 (-0.34%)
シカゴ日経平均先物 38555 -155
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
20日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。ウォルマート<WMT>が発表した2024年11月~25年1月期は売上高が市場予想を上回ったが、同時に発表した26年1月期通期の収益見通しが予想を下回ったことで、トランプ政権の関税政策による米国経済に与える影響が警戒された。ウォルマートは6.5%超の下落となるなか、消費関連や金融株に売りが広がった。
NYダウ構成銘柄では、ウォルマートのほかゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、セールスフォース<CRM>、ボーイング<BA>、ホームデポ<HD>、アメリカン・エキスプレス<AXP>が下落。一方で、メルク<MRK>やアムジェン<AMGN>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、ベライゾン<VZ>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比155円安の3万8555円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万8730円で始まり、一時3万8800円まで買われた。買い一巡後は軟化し、3万8670円~3万8750円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万8380円まで売られる場面もみられた。終盤にかけてショートカバーとみられる動きから持ち直し、3万8550円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで200日移動平均線(3万8550円)を割り込む場面もみられたが、終値では同線まで下げ幅を縮めており、支持線として底堅さをみせてくるかが注目される。同線での攻防から戻りの鈍さが意識されてくるようだと、ショート優勢の流れになりそうである。
また、前日行われた石破首相と植田日銀総裁の会談では、長期金利の上昇については話題に出なかったと報じられているが、為替市場では円相場が1ドル=149円台半ばで推移している。追加利上げ観測が根強いなか、本日も為替にらみの展開になりそうだ。円高進行をトリガーとしたショートによって下へのバイアスが強まる可能性があるため、自律反発狙いのロングも期待しづらいだろう。
日経225先物は200日線での攻防からボリンジャーバンドの-1σ(3万8730円)が心理的な抵抗になりそうだ。戻りの鈍さが意識されてくるようだと、-2σ(3万8320円)割れを狙ったショートが警戒されてくる。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8750円でのレンジを想定。週末要因から前日の大幅な下げに対するカバーが強まるようであれば、3万8500円から3万9000円でのレンジ推移になりそうだ。
20日の米VIX指数は15.66(19日は15.27)に上昇した。一時16.63に上昇する場面もみられたが、終値では25日線(15.91)、75日線(15.95)が抵抗線として意識されていた。引き続きボトム圏での推移であり、米国についてはリスク選好に向かわせやすい状況である。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.14倍に低下した。14.11倍まで下げる場面もみられたが、直近のボトム水準である14.10倍に接近する局面では、NTショートを巻き戻す動きが入りやすいようだ。ただし、レンジ上限の14.20倍辺りを明確に上抜けてこないと、NTロングでのスプレッド狙いの動きは強まらないだろう。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は450ドル安の44176ドルで取引を終えた。ウォルマートが決算を受けて大幅安。トランプ政策の景気に対する悪影響が懸念され、値幅を伴った下げとなった。株安を受けて米10年債利回りは低下。ドル円は足元149円60銭近辺と150円を割り込んでいる。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて155円安の38555円、ドル建てが135円安の38575円で取引を終えた。
米国株安や円高進行を嫌気した売りに押されると予想する。寄り前には1月消費者物価指数(CPI)が発表されるが、結果が強ければ一段と円高が進む可能性がある点には注意を要する。この場合、きのうのように買い手不在の中で売りだけが急がれる展開も想定される。CPIが弱めなどの理由で円高が一服すれば売り圧力は和らぐとみるが、東京市場は三連休前。現状では市場の空白はリスクとして意識されやすい。下げ渋るケースでも押し目を積極的に拾う動きは限られるだろう。日経平均の予想レンジは38000円-38700円。
昨日は海外市場に入ってもドル円は下落。欧州時間は一時149.95円まで値を下げた後は、オプション絡みの取引が交錯したこともありその後は150.43円まで買戻される場面もみられましたが、NY時間に入って2月米フィリー指数や米新規失業保険申請件数、1月米景気先行指標総合指数がいずれも予想よりも弱い数字となると米10年債利回りが4.4897%まで低下。ドル円も一時149.40円まで売り込まれることになりました。引けにかけては米長期金利が低下幅を縮めたこともあり、149.83円まで買戻されました。
そして、本日のアジア市場では、早朝から1月CPIを前に思惑的な売りが先行。コアの数字が予想を上回ると149.29円まで値を下げたものの、コアコアが予想通りとあって、その後は一転してショートカバー。3連休前でもあり、本邦実需勢の買い意欲も「かなり強い」との声も聞かれるなか戻りを試す展開となりました。植田日銀総裁が衆院予算委員会の答弁で「引き続き緩和的な環境を維持して経済活動をサポートする」との見解を示したほか、「長期金利が急激に上昇すれば、機動的に国債買入れを増額する」姿勢を示すと、一気に買戻しが加速。一時150.71円まで踏み上げとなり、昨日欧州時間の高値150.43円を上抜けて全戻しを演じることになっています。
市場からは「まあ、そうなるよね」といった苦笑とともに、植田日銀総裁の極めて日和見的な市場コミュニケーションに対する認識の薄さを、もはや、不可避的な市場の変動要因として認識するしかないのかもしれません。
いずれにしても、市場では日銀の二人のバリタカ派審議委員による利上げ期待の過剰な誘導から、長期金利が急騰。今度はその急騰に苦言を呈することになっているといった自作自演となっているわけで、ドル円はチャート的には、7日の安値150.93円や週足の一目雲下限が位置する151.10円、更には18日の安値151.24円を意識する動きとなっていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比20円高の3万8730円(+0.05%)前後で推移。寄り付きは3万8540円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8555円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。若干のリバウンドをみせた後はショート優勢のなか、中盤にかけて3万8450円まで下げ幅を広げた。ただし、為替市場では円相場が朝方の1ドル=149円台半ばから150円台半ばへと円が下落するなか、ショートカバーとみられる動きが強まった。終盤にかけて一時3万8810円まで買われており、プラス圏を回復した。
衆院委員会に出席している植田日銀総裁による「引き続き緩和的な環境を維持して、経済活動をサポートする」との発言が伝わった。これが円の下落につながり、トリガーとなる形で先物市場ではショートカバーを強める形となった。日経225先物は200日移動平均線(3万8560円)水準から始まり、同線を割り込む場面もみられたが、その後の切り返しでチャート上(ナイトセッションを含む)では長い下ヒゲを残す形状となった。円相場が1ドル=150円台後半に振れてきていることもあり、ショートは仕掛けづらくなった。改めて前日の大幅な下落に対する自律反発狙いのロングが期待されよう。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍に上昇した。前日同様、14.11倍~14.16倍での推移をみせており、スプレッドは狙いにくいところである。ただし、自律反発を強めてくるようだと、相対的に日経平均型優位の展開になりそうであり、ややNTロングを意識しておきたい。
本日の欧州時間では、欧州各国から製造業とサービス業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される。ここ最近、欧州の経済指標に市場の反応は限られていたが、今回のPMIの結果でこの流れが変わるか注目したい。
PMIは概ね横ばいか、小幅改善との予想が優勢。各国とユーロ圏から複数業種のPMIが発表され、この中では欧州最大の経済規模を誇るドイツのPMI、中でも製造業の結果が最も注視されそうだ。ドイツ製造業PMIは2022年6月に「景況の強弱を判断する節目50」50を割り込んでから、同水準を回復していない。2月は約1年ぶりに45.5まで持ち直す見込みであり、50まで距離があるものの、改善傾向が示せればユーロが買われる場面もあるだろう。
欧州高官の講演はセンテノ・ポルトガル中銀総やレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが予定されている。もっともここ最近は、欧州要人の発言に対して市場の反応は鈍い。そのため、PMIで動意付かなかった場合は米国待ちの相場展開となりそうだ。
欧州の政治動向には引き続き要注目。本日から明日21日まで南アで20カ国・地域(G20)外相会議が開催される。しかしながらルビオ米国務長官は「納税者のお金を無駄にしたり、反米主義を甘やかしたりすることはない」と、南アの土地収用問題も絡めて不参加を表明。ただ、欧州外相が一堂に集まることもあり、ロシアとウクライナについての協議が水面下で行われる可能性もある。
なお、23日にはドイツで議会選挙が実施される。先週12日の世論調査では、主要野党であるキリスト教民主同盟(CDU)とそのバイエルン州の姉妹政党であるキリスト教社会同盟(CSU)が、有権者の29%の支持を得てトップに立っていた。右派の「ドイツのための選択肢(AfD)」が21%でCDU・CSUに続いている。現首相ショルツ氏の社会民主党(SPD)は16%で3位、続いて同盟90/緑の党(通称グリーン党)が12%だった。
ポンドは、英国の1月小売売上高と2月PMIに注目。今週発表された1月英雇用統計では、賃金の伸び率が8カ月ぶりの高さ、消費者物価指数(CPI)も10カ月ぶりの高水準を記録した。依然としてベイリー英中銀(BOE)総裁をはじめ、BOE関係者はハト派な発言が目立っているが、経済指標が好結果となった場合にはポンドは支えられそうだ。
・想定レンジ上限
ユーロドル:1月27日につけた年初来高値1.0533ドル。その上は昨年11月20日以来超えていない節目の1.0600ドル。
ポンドドル:200日移動平均線1.2778ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル:19日安値1.0401ドル。
ポンドドル:日足一目均衡表・雲の上限1.2555ドル。
ドル円:1ドル=150.36円(前営業日NY終値比△0.72円)
ユーロ円:1ユーロ=157.77円(△0.61円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0493ドル(▲0.0008ドル)
日経平均株価:38776.94円(前営業日比△98.90円)
東証株価指数(TOPIX):2736.53(△1.93)
債券先物3月物:139.24円(△0.30円)
新発10年物国債利回り:1.420%(▲0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 3.2% 3.0%
1月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
前年同月比 2.5% 2.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。1月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)が市場予想を上回る結果となったことを受けて一時149.29円まで下落したが、約2カ月半ぶりに149円台で東京時間を迎えたとあって、本邦勢の本格参入後は買い戻しが優勢に。植田日銀総裁が「引き続き緩和的な環境を維持して経済活動をサポートする」との見解を示したことも買い戻しを誘い、150.74円まで下値を切り上げた。
・ユーロ円も下値が堅い。朝方に156.84円まで下落したものの、その後はドル円と同様に買い戻しが進み、一時158.22円まで反発した。
・ユーロドルはもみ合い。朝方から円絡みの取引が中心となるなか、1.0490ドル台を中心とするレンジ内取引が続いた。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反発。朝方こそ売り先行で始まったものの、本邦長期金利の低下や外国為替市場で円安が進むと買い戻しが入り、相場はプラス圏に浮上した。一方で、3連休前の利益確定売りが上値を抑え、買いの勢いが強まることもなかった。
・債券先物相場は反発。1月全国消費者物価指数(CPI)が予想を上回る強い結果となったことを受けて、一時138円73銭まで売りが先行した。ただ、植田日銀総裁が金融緩和政策を維持する姿勢を示したことで一転して139円76銭まで急反発。一巡後は再び139円台前半まで押し戻されるなど、荒く上下した。
2025年2月19日、NZ準備銀行(RBNZ)は、3会合連続で0.5ポイントの利下げを決定し、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレート(OCR)を4.25%から0.5ポイント引き下げて3.75%にした。
オアRBNZ総裁は、経済が予測通りなら4月と5月に0.25ポイントずつ利下げすると言及し、OCR3.75%は中立金利の水準の最上限と述べた。
ニュージーランド経済は、2四半期マイナス成長のリセッションに陥っている。
■NZ準備銀行(RBNZ)の利下げ路線(▲1.75%)
1)第1次利下げ(2024年8月):5.50% ⇒ 5.25%(▲0.25%)
2)第2次利下げ(2024年10月):5.25% ⇒ 4.75%(▲0.50%)
2)第3次利下げ(2024年11月):4.75% ⇒ 4.25%(▲0.50%)
2)第4次利下げ(2025年2月):4.25% ⇒ 3.75%(▲0.50%)
■NZ準備銀行(RBNZ)声明
「今後数四半期にわたって追加緩和策を実施する方針」
「経済状況が予測通りに推移すれば、委員会は2025年を通じてOCRをさらに引き下げる余地がある」
「インフレ率は年内に2.7%まで再び加速する見通し。政策当局者らが積極的な緩和姿勢を弱める可能性がある。トランプ米大統領の関税を巡る脅威などにより、世界的な成長とインフレ見通しに対する不確実性も高まっている。」
※OCR平均見通し
・2025年4-6月:3.45%
・2025年末:3.14%
・2026年初め:3.1%まで低下し、その後の見通し期間中は同水準で推移する。
■オアRBNZ総裁
「中銀は年半ばまでにOCRを0.5ポイント引き下げる可能性が高い」
「経済が予測通りに推移すれば、4月と5月におそらく0.25ポイントずつ引き下げられる」
「NZドル相場は『フェアバリュー』に近く、所得押し上げに資する」
■消費者物価指数(CPI):インフレ目標(1~3%)
・2024年7-9月期:前期比+0.6%、前年比+2.2%
・2024年10-12月期:前期比+0.5%、前年比+2.2%
みずほ証券では、日本の実質GDP成長率見通しを2024年度+0.8%、2025年度+1.1%、2026年度+1.2%と予測している。暦年ベースでは2025年+1.4%、2026年+1.2%としている。2025年度後半以降は実質所得の伸び率が明確なプラスに転じる中で、消費の回復が日本経済の成長をけん引するとみずほでは予想。ただし、過年の物価上昇を受けて大幅に落ち込んだ実質所得水準を取り戻すには相応の時間を要するとみている。これに加えて人手不足を背景とした供給制約の強まりを踏まえると、当面の実質GDP成長率は、あくまでも循環的回復の域にとどまると考えている。
大阪3月限
日経225先物 38790 +80 (+0.20%)
TOPIX先物 2735.0 -1.5 (-0.05%)
日経225先物(3月限)は前日比80円高の3万8790円で取引を終了。寄り付きは3万8540円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8555円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。若干のリバウンドをみせた後はショート優勢となり、前場中盤にかけて3万8450円まで下げ幅を広げた。
ただし、為替市場で朝方の1ドル=149円台半ばから150円台半ばへと円が下落するなか、ショートカバーとみられる動きが強まった。前場終盤にかけて一時3万8810円まで買われ、プラス圏を回復した。買い一巡後は軟化し、前場中盤には3万8600円とマイナスに転じる場面もみられたが、終盤にショートカバーとみられる動きが優勢となり、プラス圏を回復して終えた。
日銀の植田和男総裁が衆院予算委員会において「引き続き緩和的な環境を維持して、経済活動をサポートする」と発言。これを受けて国内長期金利の上昇が一服し、円の下落につながった。この発言がトリガーとなる形で先物市場ではショートカバーを強める形となった。もっとも、一時3万8810円まで買われたが、前日に460円安と大きく下げた反動としては神経質さがうかがえた。
とはいえ、後場中盤にかけて軟化する局面では200日移動平均線(3万8560円)が支持線として意識されており、終盤にかけては3連休を控えていることもあってカバーに向かわせたようである。2月以降は200日線を割り込む局面では底堅さがみられていたこともあり、売り込みにくい面もあっただろう。
また、明確な底打ちは確認できていないものの、ナイトセッションでボリンジャーバンドの-2σ(3万8350円)水準まで調整したことで、リバウンド狙いのタイミングでもあったと考えられる。ただし、足もとでは+1σと-2σ辺りでの推移のため、25日線から+1σに接近する局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。
引き続き為替動向に反応しやすいほか、トランプ政権の関税政策の影響を受けやすい。加えて来週はエヌビディア<NVDA>の決算も控えており、ポジションを傾けにくいなか、短期的な売買に振らされる需給状況になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.18倍に上昇した。一時14.10倍に低下する場面もみられたが、足もとでのレンジ下限に到達するなか、NTショートを巻き戻す動きに向かわせたようだ。200日線が14.22倍辺りで推移しており、同水準までの戻りは意識されやすいだろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5012枚、ソシエテジェネラル証券が1万3202枚、サスケハナ・ホンコンが4118枚、SBI証券が1765枚、ゴールドマン証券が1687枚、バークレイズ証券が1618枚、モルガンMUFG証券が1327枚、日産証券が1241枚、楽天証券が1026枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券1万7462枚、ソシエテジェネラル証券が1万3042枚、バークレイズ証券が6530枚、JPモルガン証券が4047枚、モルガンMUFG証券が2682枚、ゴールドマン証券が2326枚、野村証券が2167枚、ビーオブエー証券が1220枚、HSBC証券が1104枚、UBS証券が1013枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米債券市場の動向を眺めながら、2月の米製造業PMI速報値や2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)、そして1年先のインフレ期待などを見極める展開となる。
米10年債利回りは、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でのバランスシート圧縮の一時停止の協議や、ベッセント米財務長官による中長期債発行への否定的な見解を受けて低下基調にあり、ドルの上値を抑える要因となっている。
米国の長期債に関しては、ウォール街では、トランプ米政権が米国の債務負担軽減のため、外国の債権者の一部に対して、保有する米国債と超長期国債との交換を強制する可能性(マールアラーゴ合意)が警戒されており、今後の警戒事項となる。
2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)では、1年先のインフレ期待などに要注目となる。ブラード米セントルイス連銀総裁がインフレ期待上昇リスクへの警戒感を示していたことで警戒しておきたい。
本日講演予定のジェファーソンFRB副議長は、先日の講演では、景気の強さに伴い追加利下げを検討する前に時間的余裕があるとの見解、すなわち、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的据え置きを支持する見解を示していた。
FRB副議長は、「政策金利が昨年、計100ベーシスポイント引き下げられたことで、金融政策のスタンスは中立に近づいたが、金融政策はなお景気抑制的だ」とハト派的な見解述べつつも、「力強い経済と堅調な労働市場を背景に、さらなる政策金利調整に向け、今後入ってくるデータを評価する時間を十分に取れると考えている」とタカ派的な見解も示した。
本日の講演では、どちらに軸足を置いた見解になるのか要注目となる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、7月FOMCと見込まれ、12月末の段階でのFF金利誘導目標は4.00-25%となっている。
トランプ米大統領による突発的な発言(ウクライナ関連、トランプ関税関連)には引き続き警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、152.10円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、149.29円(本日これまでの安値)
今晩は底堅い展開か。昨日は主要3指数がそろって下落した。弱い見通しを発表したウォルマートが大幅安となったほか、1月景気先行指数などの経済指標が悪化したこともセンチメントの悪化につながった。ダウ平均は450.94ドル安(-1.01%)と3日ぶりに反落し、前日まで2日連続で史上最高値を更新したS&P500も0.43%安と3日ぶりに反落した。ハイテク株主体のナスダック総合は0.47%安と6営業日ぶりの反落となった。週初来ではS&P500が0.05%高とわずかにプラス圏を維持した一方、ナスダック総合が0.32%安となり、ダウ平均は0.83%安とS&P500、ナスダック総合をアンダーパフォームした。
今晩は週末の取引となるが、昨日の下落からの反発も期待され、底堅い展開か。昨日はウォルマートの大幅安や、経済指標が軒並み弱い結果となったことが重しとなったが、今晩発表の2月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値や1月中古住宅販売件数、2月ミシガン大消費者信頼感指数確報値などが強い結果となれば安心感が広がることも期待できそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは2月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、1月中古住宅販売件数、2月ミシガン大消費者信頼感指数確報値、同1年先・5年先期待インフレ率確報値など。決算発表は引け後にクラウン・キャッスルが発表予定。
日経平均株価は反発。前日安値を下回る場面もあったが、38500円付近を下値で意識する展開が続いた。戻りは限定的だったものの、200日移動平均線(38677円 2/21)上を維持する陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の40.1%→49.7%(2/21)に上昇。短期的な見方は前日から大きな変化はなく、1/24高値(40279円)からの二段下げ目が続いているという認識である。25日移動平均線(39137円 同)が下向きに変化する前に同線上を早期に回復したところである。
一方、200日移動平均線を意識しながらも反転を示唆するような陽線ではなく、依然として下振れリスクは残っている。
上値メドは、心理的節目の39000円、25日移動平均線、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、2/3安値(38401円)、1/17安値(38055円)、11/28安値(37801円)、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)などがある。
(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.21円(21日15時時点比▲1.15円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.12円(▲1.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0463ドル(▲0.0030ドル)
FTSE100種総合株価指数:8659.37(前営業日比▲3.60)
ドイツ株式指数(DAX):22287.56(▲27.09)
10年物英国債利回り:4.571%(▲0.036%)
10年物独国債利回り:2.470%(▲0.064%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) 1.7% ▲0.6%・改
(前年比) 1.0% 2.8%・改
1月英小売売上高(自動車燃料除く)
(前月比) 2.1% ▲0.9%・改
(前年比) 1.2% 2.1%・改
2月仏企業景況感指数
96 95
2月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
45.5 45.0
2月仏サービス部門PMI速報値
44.5 48.2
2月独製造業PMI速報値
46.1 45.0
2月独サービス部門PMI速報値
52.2 51.5
2月ユーロ圏製造業PMI速報値
47.3 46.6
2月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
50.7 51.3
2月英製造業PMI速報値
46.4 48.3
2月英サービス部門PMI速報値
51.1 50.8
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はさえない。欧州勢参入後もしばらくは150円台前半でのもみ合いが続いていたが、NY市場に入ると一転下落した。2月米購買担当者景気指数(PMI)速報値は製造業が51.6と予想の51.5を若干上回った一方、サービス部門が49.7と予想の53.0を大幅に下回り、好不況の分岐点とされる50を割り込んだ。また、2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値は64.7と予想の67.8を下回り、1月米中古住宅販売件数は年率換算で408万件と予想の413万件より弱い結果となった。米指標の悪化を受けて米長期金利が低下すると全般ドル売りが進んだ。
また、米株式市場でダウ平均が一時640ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比520円安の3万8270円まで下げるとリスク・オフの円買いも活発化。3時過ぎに一時148.98円と昨年12月3日以来約2カ月半ぶりの安値を更新した。
・ユーロドルは頭が重かった。一目均衡表雲の上限が位置する1.0502ドルや90日移動平均線が位置する1.0501ドルが引き続きレジスタンスとして意識されたほか、米関税政策への警戒感やウクライナ情勢の不透明感は根強く、ユーロ売り・ドル買いが出やすかった。
NY市場に入り、低調な米経済指標を受けてユーロ買い・ドル売りが強まると一時1.0493ドル付近まで値を戻す場面もあったが上値は限定的だった。欧米株価の下落を背景にリスク・オフのドル買いが優勢になると、一時1.0449ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は軟調。ドル円と同様に、しばらくは157.50円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、NY市場に入ると欧米株価や日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買いが優勢となった。アジア時間の安値156.84円や前日の安値156.32円を下抜けて一時155.90円と10日以来の安値を更新した。
・ロンドン株式相場は小幅ながら3日続落。英中銀(BOE)が利下げに動きにくくなるとの見方から売りが出た半面、この日発表の1月英小売売上高が予想を上回ったことなどが相場を下支えしたため、下げ幅は小さかった。BPやシェルなどエネルギー株が売られた一方、HSBCやバークレイズなど金融株が買われた。
・フランクフルト株式相場は3日続落。日本や中国株の上昇を受けて買いが入ったものの、上値は重かった。米国株相場が下落すると独株にも売りが波及し、終盤失速した。個別ではシーメンス・エナジー(3.17%安)やエアバス(3.17%安)、ザルトリウス(2.81%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.27円(前営業日比▲0.37円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.15円(▲1.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0458ドル(▲0.0043ドル)
ダウ工業株30種平均:43428.02ドル(▲748.63ドル)
ナスダック総合株価指数:19524.01(▲438.35)
10年物米国債利回り:4.43%(▲0.07%)
WTI原油先物4月限:1バレル=70.40ドル(▲2.08ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2953.2ドル(▲2.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月米製造業PMI速報値
51.6 51.2
2月米サービス部門PMI速報値
49.7 52.9
2月米総?⑰MI速報値
50.4 52.7
2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
64.7 67.8
1月米中古住宅販売件数
(前月比) ▲4.9% 2.9%・改
(年率換算件数)408万件 429万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。2月米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.6と予想の51.5を若干上回ったものの、サービス部門PMI速報値が49.7と予想の53.0を大幅に下回り、好不況の分岐点とされる50を割り込んだため、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行。その後発表の2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値と1月米中古住宅販売件数も予想より弱い内容だったことが分かりドル売りを促した。
また、低調な米経済指標を受けて米景気の先行き懸念が広がると、米株式市場でダウ平均が一時820ドル超下落。ナイト・セッションの日経平均先物も大証終値比740円安の3万8050円まで急落し、リスク・オフの円買いを誘った。アジア時間の安値149.29円を下抜けると、一時148.93円と昨年12月3日以来約2カ月半ぶりの安値を更新した。
なお、米国株の急落について市場では「中国でパンデミックの可能性がある新たなコロナウイルスが見つかり、株価急落につながった」「オプション満期による一時的なポジション整理が大半。機械的な売りが主因」との声も聞かれた。
・ユーロドルは反落。低調な米経済指標をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0493ドル付近まで値を戻す場面もあったが、米関税政策への警戒感やウクライナ情勢の不透明感は根強く上値は限定的だった。米国株の下落を背景にリスク・オフのドル買いが優勢になると、一時1.0449ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は3日続落。日米株価指数の下落を背景にリスク回避の円買いが優勢となった。アジア時間の安値156.84円や前日の安値156.32円を下抜けて一時155.82円と10日以来の安値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時188.15円、豪ドル円は94.65円、NZドル円は85.46円、カナダドル円は104.67円、南アフリカランド円は8.11円、メキシコペソ円は7.29円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落。本日発表の米経済指標が軒並み低調な結果となり、景気減速を警戒した売りが広がった。「請求業務巡り司法省が調査中」との報道が伝わったユナイテッドヘルス・グループが急落し、1銘柄でダウ平均を200ドル近く押し下げた。
市場では「中国でパンデミックの可能性がある新たなコロナウイルスが見つかり、株価急落につながった」「オプション満期による一時的なポジション整理が大半。機械的な売りが主因」との声も聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅続落。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。低調な米経済指標を受けて米景気の先行き懸念が広がると、米国株相場が大幅に下落。相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。
・原油先物相場は下落。18日にロシアのパイプラインが攻撃されたが原油供給に影響を与えていないことが分かったほか、弱い米指標を受けて米景気に対する不透明感もあり、需給引き締まり観測が後退すると、売りが優勢となった。米株の大幅安によるリスク回避の動きもまた、原油相場の重しとなった。
・金先物相場は反落。前日に史上最高値を更新した直後ということもあり利益確定売りが出やすかった。ただ、弱い米指標が相次いだことを受けて米長期金利が低下すると、金利を生まない金の投資妙味が増してプラスに転じる場面も見られた。
トランプ米大統領は21日、25%の自動車関税を4月2日に発動と改めて表明した。
21日07:05 クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「米国経済は引き続き堅調な基盤を維持している」
「2%のインフレ目標達成にはまだ道のり」
「FRBの政策金利は適度に引き締め的」
「雇用に対する下振れリスクは減少したが、インフレに対する上振れリスクは残っている」
21日07:41 ブロック豪準備銀行(RBA)総裁
「インフレが正しい方向に向かっているという確信が高まっている」
「インフレが目標範囲に持続的に戻ることを確信する必要がある」
「政策金利はかなり引き締め的」
「更なる金融緩和の見通しについて慎重な姿勢を維持」
「経済の見通しは不確実」
「理事会は金利に関して特定の行動方針を事前に約束しない」
「今後のデータと進展するリスク評価に基づいて判断を行う」
「さらなる利下げの可能性はあるが慎重」
21日08:42 加藤財務相
「円高進行局面でも為替に関する認識は従前の通り」
「長期金利上昇で利払い費増、国債の安定的な消化に努めたい」
21日09:48 武藤経済産業相
「なるべく早い時期に渡米し、カウンターパートと意見交換したい」
「来週早いタイミングで鉄鋼・アルミ・自動車業界と意見交換」
21日10:27 コンウェイNZ準備銀行(RBNZ)チーフエコノミスト
「利上げの見通しはないと考えている」
「NZドルの下落は輸出収入を押し上げる」
「政策金利を中立水準以下に引き下げることは、現時点での中心的な予測ではない」
「NZドルの弱さは経済回復を後押しする」
「OCR予測は0.75%のさらなる利下げを示唆」
「今年のインフレ上昇は一時的なものとして対応する用意がある」
21日10:32 植田日銀総裁
「YCC含む大規模緩和は物価目標の実現で必要だった」
「引き続き緩和的な環境を維持して、経済活動をサポートする」
「長期金利が急激に上昇すれば、機動的に国債買い入れを増額する」
「一般論として、財政への信認大きく失われれば金利上昇あり得る」
「金利上昇、景気の緩やかな回復や基調的な物価上昇率が高まっていることを反映」
「物価見通しがさらに改善していけば、金利をさらに引き上げることも視野」
22日01:32 トランプ米大統領
「ロシア、ウクライナと交渉している」
22日05:03 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「カナダ経済は堅調だが、米国との長期的な貿易摩擦が始まれば深刻な影響をもたらす」
「不確実性だけでも既に悪影響を及ぼしている」
※時間は日本時間
24日
○天皇誕生日の振替休日で休場
25日
○08:50 ◇ 1月企業向けサービス価格指数
26日
○14:00 ◇ 12月景気動向指数改定値
28日
○08:30 ◎ 2月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
○08:50 ◎ 1月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 1月商業販売統計速報(小売業販売額)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 1月新設住宅着工戸数
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
23日
○ドイツ総選挙
24日
○06:45 ◎ 10-12月期ニュージーランド(NZ)小売売上高
○14:00 ◎ 1月シンガポール消費者物価指数(CPI)
○18:00 ◎ 2月独Ifo企業景況感指数
○18:00 ◎ ロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁、講演
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏HICPコア改定値
○22:15 ◎ ラムスデンBOE副総裁、講演
○25日03:00 ◎ ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○25日03:00 ◎ 米財務省、2年債入札
○米仏首脳会談(ワシントン)
○ロシア(祖国防衛の日)、休場
25日
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表
○16:00 ☆ 10-12月期独国内総生産(GDP)改定値
○18:20 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○22:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23:00 ◎ ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○23:00 ◇ 12月米住宅価格指数
◇ 10-12月期米住宅価格指数
○23:00 ◎ 12月米ケース・シラー住宅価格指数
○24:00 ◎ 2月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○24:00 ◎ 2月米消費者信頼感指数
○26日01:45 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長、あいさつ
○26日03:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○26日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
26日
○09:30 ◎ 1月豪CPI
○未定 ◎ 10-12月期香港GDP確定値
○16:00 ◇ 3月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
○16:45 ◇ 2月仏消費者信頼感指数
○17:00 ◎ 1月南アフリカCPI
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○24:00 ☆ 1月米新築住宅販売件数
○27日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○27日02:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○27日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(南アフリカ・ケープタウン、27日まで)
○インド(ヒンドゥー教祭日)、休場
○09:00 ◇ 2月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 10-12月期豪民間設備投資
○16:00 ◇ 1月トルコ貿易収支
○16:45 ◇ 2月仏卸売物価指数(PPI)
○17:00 ◎ 10-12月期スイスGDP
○18:30 ◇ 1月南アフリカPPI
○19:00 ◎ 2月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○19:00 ◎ 2月ユーロ圏経済信頼感指数
○21:00 ◇ 1月メキシコ貿易収支
○21:00 ◇ 1月メキシコ失業率
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(1月29-30日分)
○22:30 ◇ 10-12月期カナダ経常収支
○22:30 ☆ 10-12月期米国内総生産(GDP)改定値
◎ 米個人消費/コアPCE改定値
○22:30 ◎ 1月米耐久財受注額
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◎ 1月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
○28日03:15 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○28日05:15 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○米英首脳会談(ワシントン)
28日
○16:00 ◇ 2月英ネーションワイド住宅価格指数
○16:00 ◎ 10-12月期スウェーデンGDP
○16:00 ◇ 1月トルコ失業率
○16:00 ◎ 10-12月期トルコGDP
○16:30 ◇ 1月スイス小売売上高
○16:45 ◇ 1月仏消費支出
○16:45 ◇ 2月仏CPI速報値
○16:45 ◎ 10-12月期仏GDP改定値
○17:00 ◇ 2月スイスKOF景気先行指数
○17:55 ◎ 2月独雇用統計
○19:30 ☆ 10-12月期インドGDP
○21:00 ◎ 1月南アフリカ貿易収支
○22:00 ◎ 2月独CPI速報値
○22:30 ☆ 12月カナダGDP
☆ 10-12月期カナダGDP
○22:30 ◎ 1月米個人消費支出(PCE)
◎ 1月米個人所得
☆ 1月米PCEデフレーター
☆ 1月米PCEコアデフレーター
○22:30 ◇ 1月米卸売在庫
○23:45 ◎ 2月米シカゴ購買部協会景気指数
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、金融政策の方向性不透明で経済指標を見極める展開
◆NZドル、利下げ方向変わらず上値は限定的
◆ZAR、国家予算演説が延期され国内政治の混迷が重し
予想レンジ
豪ドル円 94.00-97.50円
南ア・ランド円 7.70-8.30円
2月24日週の展望
豪ドルは方向感のない動きになりそうだ。豪準備銀行(RBA)理事会では、市場予想通りに25bp利下げし、政策金利を4.10%まで引き下げた。ただ、声明では更なる緩和については慎重な姿勢とした。豪4大銀行のうちNABは今後4回の利下げで政策金利を3.10%まで引き下げとの予想だが、CBAとウェストパックは3回利下げの3.35%まで、ANZに至っては1回利下げの3.85%までという見通しだ。各行によって利下げ予想幅にばらつきがあるように、今後のRBAの動向を見極めるのは難しく、経済指標の結果次第になるだろう。RBAの方向性の見極めが定まらない中で、来週は豪州から26日に1月の消費者物価指数(CPI)、27日には国内総生産GDP(3月5日発表予定)の構成の一つとなる10-12月期民間設備投資などが発表される。これらの経済指標の結果次第で、今後のRBAの方向性を探っていく展開になりそうだ。今週発表された1月の雇用統計では、新規雇用者数が予想を上回り、中でも常勤雇用者が増加するという強い雇用結果だった。来週の経済指標が好結果だった場合は、RBAの利下げ圧力が弱まり豪ドルを支えることになるだろう。
隣国ニュージーランド(NZ)の中銀・NZ準備銀行(RBNZ)は19日、3会合連続で50bpの利下げを行っただけではなく、オアRBNZ総裁は「4月と5月にも25bpの追加利下げを想定している」と述べた。サプライズではないものの、利下げ継続予想がNZドルの重しになりそうだ。NZからは24日に10-12月期小売売上高、27日に2月ANZ企業景況感・信頼感が発表される。
また、南アフリカ・ランド(ZAR)は南ア国内の政治的混迷が、売り要因として重くのしかかる。付加価値税(VAT)の15%から17%への引き上げについて国民統一政府(GNU)内で合意が得られなかったことで、19日発表予定だった国家予算演説が3月12日まで延期されるという異常事態に陥った。連立に参加している第2党・民主同盟(DA)は、VATを含め、税金の引き上げには反対を表明している。しかしながら、南アの財政が厳しいことは明らかであり、第1党・アフリカ民族会議(ANC)も対処方法が見いだせていない。ANCが財政再建のために強引にVATなどを引き上げた場合には、DAの連立離脱が確実視され、南アの政局がより混迷を深めるだろう。なお、経済指標では今週19日に予定されていた1月CPIが延期されて26日に発表予定。27日には卸売物価指数(PPI)、28日には貿易収支などが公表される。
2月17日週の回顧
豪ドルは対ドルでは底堅かったものの、対円ではドル円の急落を受けて下落した。対ドルでは1月の雇用統計を受けて買われる場面もあったが、株安を嫌気し上値も抑えられた。ただ、週末にかけては米金利低下から再び買われている。ZARは上値が重い。予算発表が延期されたことで、南ア政局への不安によるZAR売りが進んだ。ベッセント米財務長官が来週南アで開かれるG20を欠席すると報じられるなど、米国との関係悪化報道も流れたが、この1カ月にわたり米国の圧力報道が多いことで反応は薄れてきている。
◆ポンド、予想上回る雇用・物価データが下支え
◆加ドル、関税関連のヘッドラインに注目
◆加ドル、CPIの上振れで3月利下げ観測が後退するも関税次第か
予想レンジ
ポンド円 187.00-193.00円
加ドル円 104.00-108.00円
2月24日週の展望
今週発表の英雇用・物価データは予想より強い結果となった。ポンド買いの反応は限定的となったが、ポンドの下押し局面では下支えになりそうだ。ただ、足もとでドル高が一服したとは言え、ドルに売り材料が乏しいことや、日銀の早期利上げ観測が高まっていることを鑑みると、対ドル・対円でポンドの上値は重いだろう。
昨年10-12月の英賃金上昇率(除賞与)は5.9%と前回の5.6%から伸びが加速し、8カ月ぶりの高い伸びを示した。また、1月の雇用者数は3万人減の予想に対し2.1万人増と雇用も予想外に拡大した。1月消費者物価指数(CPI)は前年比3.0%と前回から予想以上に上昇し10カ月ぶりの高い水準となった。景気低迷にもかかわらず、イングランド銀行(英中銀、BOE)が追加利下げを慎重に見極めようとしている要因を改めて示す結果となり、市場では3月会合での利下げは先送りされるとの観測が高まっている。なお、ベイリーBOE総裁は「労働市場が中銀予想から逸脱しておらず、インフレも再燃する可能性は大きくない」と述べ、「景気低迷への懸念を強調し慎重で漸進的な利下げへのアプローチに変化はない」と表明している。
加ドルは引き続き米国との関税関連のヘッドラインに注目する動きとなるが、買戻しも一巡し、売りの再燃が警戒される。トランプ米政権は4日に予定していたカナダの輸入品に対する25%の関税を1カ月延期し、来週はその期限が近づくことで両国の交渉状況も注目される。ただトランプ大統領はその後に全貿易相手国を対象とした「相互関税」の導入を正式に表明し、早ければ4月にも「相互関税」を発効させるとしており、カナダ・メキシコを対象とした関税発動はいったん見送る可能性も出てきた。いずれにせよ、米国の主要貿易相手国であるカナダが関税の影響を大きく受けることは間違いない。世論調査によると、カナダ国内では関税による経済の悪化懸念で多くの人がすでに家庭での大型の買い物を延期するなど不必要な消費を控えているもよう。
加国内では来週、10-12月期GDP・経常収支と12月GDPなどの発表が予定されている。18日に発表された1月CPIは前年比で予想通りの1.9%と前月の1.8%から伸びが小幅に加速した。カナダ中銀(BOC)が重視するCPI中央値も前月の2.6%から2.7%に上昇し、3月会合での追加利下げ観測はやや後退した。ただ、トランプ米大統領が3月からカナダからの輸入品に関税賦課を決定すれば、市場の利下げ予想は大きく変わる可能性があるとの見方が強い。
2月17日週の回顧
今週は相場全体に目立つ材料が乏しかった。ポンドドルは良好な英雇用・物価データを支えに底堅い動きも1.26ドル前半で伸び悩んだが、週末にかけては米金利低下を受けて買戻された。ドル/加ドルは1月CPIの結果への反応は限られ、1.42加ドルを挟んでの小動きに始終した。対円では日銀の早期利上げ観測を背景とした円買い圧力が継続し、ポンド円は189円割れ、加ドル円は105円前半まで売りに押された。
◆ドル円、米1月PCEデフレーターや東京都区部2月CPIに注目
◆ドル円、米10-12月期GDP改定値にも注意
◆ユーロドル、ECB理事会議事要旨、ウクライナ停戦協議、欧米関税協議に注目
予想レンジ
ドル円 148.00-153.00円
ユーロドル 1.0300-1.0700ドル
2月24日週の展望
ドル円は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分や日本の全国2月CPIの先行指標となる東京都区部2月のCPIに注目する展開となる。
12日に発表された米国1月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.5%、前年比3.0%、13日公表の卸売物価指数(PPI)は前月比0.4%、前年比3.5%とかなり強めの数字となったが、PCEデフレーターの構成要素であるPPIの項目の伸び率がやや鈍化していたことで、市場では28日に発表の1月コアPCEデフレーターの予想を前年比2.6%への鈍化へと下方修正する動きがみられており、注目している。一方で、東京都区部2月のコアCPIは、1月分まで3カ月連続で伸びが拡大していたものの、予想は前年比2.3%で1月の2.5%からの伸び率鈍化が見込まれている。また、27日予定の米10-12月期国内総生産(GDP)の改定値が上方修正された場合はFOMCの利下げ時期の先送り、下方修正の場合は利下げ時期が前倒しされる観測が高まるため注意しておきたい。
また、今週明らかになった1月28‐29日開催のFOMC議事要旨では、「議会で債務上限を巡る協議が決着するまで、バランスシート圧縮の一時停止が協議された」ことが判明し、米10年債利回りの低下要因となった。トランプ米大統領は、債務上限の撤廃、あるいは適用の先送りを要請しているが、共和党の保守強硬派が大幅な歳出削減を求めており、早期解決は困難な情勢となっている。さらに、格付け会社ムーディーズは、米国の財政状況が弱体化する可能性が高いとして、米国の信用格付けを引き下げることを示唆していたことで、債務上限を巡る議会の協議にも注目しておきたい。
ユーロドルは、欧米による関税を巡る協議の行方、ウクライナ停戦合意の行方などを見極めつつ、ECB理事会議事要旨で3月理事会での追加利下げの可能性を探ることになるだろう。ハト派高官は、中立金利水準の上限である2.5%までの追加利下げを主張しているが、タカ派高官は、利下げ停止に近づいていると主張しており、多数派の見解を見極めたい。
2月17日週の回顧
ドル円は、高田日銀審議委員が「利上げで一段のギアシフトを進める局面にある」とのタカ派的見解を示したことなどを受けて日銀の早期追加利上げ観測が再燃。週明けの152.39円から149.29円まで売り込まれている。FOMC議事要旨でバランスシート圧縮の一時停止または減速が議論されていたほか、ベッセント米財務長官が中長期債の発行に否定的な見解を示したことも、米10年債利回りの低下を促しドル売り要因になった。
ユーロドルは、米露外相会談でウクライナ停戦合意に向けた進展がなかったこともあり、1.0506ドルから1.0401ドルまで下落したものの、米長期金利の低下などを受けて1.05ドル台を一時回復している。
21日の日経平均は3日ぶり反発。終値は98円高の38776円。米国株安やドル円の150円割れを嫌気して3桁下落スタート。ただ、東京時間では円高が一服して円安に振れたことから、安く始まった後の下値は限られた。10時台に円安に勢いがついたタイミングではプラス圏に浮上。上げ幅を3桁に広げると上値が重くなり、前場は小幅なプラスで終えた。後場はドル円の値動きが落ち着いたこともあり、じわじわと水準を切り上げる流れが続いた。終盤には再び上げ幅を3桁に広げる場面もあり、高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3100億円。業種別では医薬品、ゴム製品、保険などが上昇した一方、非鉄金属、海運、精密機器などが下落した。ディー・エヌ・エー<2432.T>が13.9%高と急騰。強い動きを見せる中で商いも膨らみ、売買代金は全市場でトップとなった。半面、日本鋳鉄管<5612.T>、日本ヒューム<5262.T>、NJS<2325.T>など、今週強く買われる場面があった下水道関連が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり556/値下がり1031。東京時間でドル円が円安に振れたことから、SUBARUや三菱自動車など自動車株の一角が大幅上昇。海外メディアの報道を材料に日産自動車が値を飛ばした。上方修正と増配を発表したクロスキャットや、自己株取得を発表したエンビプロHDが急騰。レーザーテック、SCREEN、ローツェなど半導体関連に強く買われるものが散見された。
一方、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって大きめの下落。日経平均は上昇したが値下がり銘柄は多く、日立、みずほ、リクルート、古河電工などが弱かった。売り出しを発表したぴあや相鉄HDが大幅安。決算内容の一部訂正を発表したフィスコが8%を超える下落となった。
グロース市場にブッキングリゾートが新規上場。高い初値をつけた後も買いを集めており、ストップ高で初日を終えた。
日経平均は3日ぶり反発。円高に一服感が出てきたことで、直近の下げに対する押し目買いが入った。寄り前に発表された1月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除く総合が前年比+3.2%と、市場予想の+3.1%を上回った。弱い内容ではなかっただけに円高が進んだとしても驚きはなかったが、そうはならなかった。円安でも円高でも短期間の急激な変動は株式市場にとってリスクとなる。その点において、心理的節目の150円付近で円高にブレーキがかかったのは安心材料。昨年11月半ばに円高が進んだ時も、150円を割り込んだところで切り返した。円高リスクが消えたわけではないが、来週は今週に比べると為替に気を揉む場面が少なくなると予想する。
【来週の見通し】
しっかりか。月曜が休場で立ち合いは4日。米国で水曜26日にエヌビディアが決算発表を予定している。現状、国内半導体株に過熱感は乏しい。それだけに、エヌビディアの決算反応が良ければ半導体株には素直に買いが入ると見込まれる。この場合、全体にもプラスの影響が及ぶだろう。生成AIに対する過剰な期待は後退しており、エヌビディアの決算が案外でも、ネガティブな反応は半導体株に限られるとみる。為替動向が気になるところではあるが、来週は米国で経済指標の発表が多い。米国の指標が強ければ円安(ドル高)要因となるだけに、ドル円の値動きはマイルドになると思われる。エヌビディアの決算を確認するまでは売り急ぎは抑制されるであろうし、エヌビディアの反応が良ければリスク選好ムードが高まる展開も期待できる。弱材料には一定の耐性を示し、週間では水準を切り上げると予想する。
独連邦議会選挙が23日投開票され、最大野党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党となり、政権交代が実現する見通しとなった。極右の「ドイツのための選択肢(AfD)」が第2党に。ショルツ首相率いる現与党の社会民主党(SPD)は大敗した。
<国内>
○天皇誕生日の振替休日で休場
<海外>
○06:45 ◎ 10-12月期ニュージーランド(NZ)小売売上高(予想:前期比0.5%)
○14:00 ◎ 1月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.3%)
○18:00 ◎ 2月独Ifo企業景況感指数(予想:85.8)
○18:00 ◎ ロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁、講演
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.5%)
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.7%)
○22:15 ◎ ラムスデンBOE副総裁、講演
○25日03:00 ◎ ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○25日03:00 ◎ 米財務省、2年債入札
○米仏首脳会談(ワシントン)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、低調な2月米サービス部門PMI速報値、
2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値、1月米中古住宅販売件数などを受けた米長期金利の低下とダウ平均の大幅下落により、148.93円まで下落した。ユーロドルは1.0493ドル付近から1.0449ドルまで下落した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が休場で閑散取引の中、先週末のNYダウの大幅下落や米10年債利回りの低下を背景に、下値を探る展開が予想される。
先週末発表された低調な米国経済指標を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、5月FOMC(-0.25%=4.00-25%)に前倒しされており、10月FOMCでも追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)が見込まれている。
一方で、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、日銀の0.25%の追加利上げ時期は5月の日銀金融政策決定会合まで前倒しされており、ドル売り・円買いに拍車がかかりつつある。
米10年債利回りに関しては、1月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で政府債務の上限引き上げを巡る問題が解決するまでバランスシート圧縮を一時停止または減速させる可能性が議論されたこと、ベッセント米財務長官が長期債発行に否定的な見解を示したことで、トランプ・トレードによる債券売りの巻き戻しが起こりつつある。
さらに、今週末発表される米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分の伸び率鈍化が見込まれていることも、ドル売り要因となっている。
本日は、閑散取引の中でのトランプ米大統領による突発的な発言や、ニューヨーク市場での噂「中国でパンデミックの可能性がある新たなコロナウイルスが見つかり、株価急落につながった」の続報に警戒しながら、相場に臨んでいきたい。
1月28-29日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、タカ派的な据え置きが決定されたが、政府債務の上限引き上げを巡る問題が解決するまでバランスシート圧縮を一時停止または減速させる可能性も議論された。
1.FRBの量的金融引締政策(QT:Quantitative tightening)
FRBのバランスシートは、量的金融緩和政策(QE:Quantitative Easing)により、2020年春の約3兆7600億ドルから、新型コロナウイルスのパンデミック期に約4兆6000億ドルの債券を購入して、2022年夏の8兆9655億ドルまで倍増した。そして、量的金融引締政策(QT:Quantitative tightening)の開始により、毎月950億ドル規模の保有する国債と住宅ローン担保証券の削減が行われており、2025年2月には、6兆8000億ドルまで減少している。しかし、新型コロナウイルス感染症流行前の水準の約4兆ドルを依然として大きく上回っている。
FRBによるインフレ抑制のための利上げは、2023年7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのFF金利誘導目標5.25-50%への引き上げで終了し、現状は、4.25-50%までの利下げサイクルに入っている。
すなわち、政策金利は緩和政策だが、量的金融政策面では、引締め政策となっていた。
2.債務上限
2025年1月1日に債務上限適用の停止期限を迎えた。
トランプ米大統領は、債務上限の撤廃、あるいは適用の先送りを要請しているが、共和党の保守強硬派が大幅な歳出削減を求めており、早期解決は困難な情勢となっている。
トランプ米大統領は「デフォルトが起これば、世界恐慌が始まった1929年のようになるかもしれない」と警告している。
議会が債務上限の停止または引き上げの合意に時間を要するほど、金融システムに還流する現金は増え、人為的な準備金増加が短期金融市場からのシグナルを見えにくくする。
さらに、米格付け会社ムーディーズ・インべスターズ・サービスは、債務上限を巡る混乱に対して米国債格下げの可能性を警告している。
3.トランプノミクス2.0
第2次トランプ米政権では、トランプ減税の延長やトランプ関税の引き上げなど、財政拡張政策が警戒されており、債券自警団は、米10年債利回りの5.0%に向けた売りを仕掛けていた。
しかし、米連邦準備理事会(FRB)がバランスシート圧縮の一時停止を検討していること、そしてベッセント米財務長官が長期債発行に否定的な見解を示したことは、米国債売り要因が少なくなるため、米国債の強材料となる。
先週末のドル円は、アジア時間に植田日銀総裁が衆院予算委員会において「長期金利が急激に上昇すれば機動的に国債買入れを増額する」との見解を表明したことを受けて、149.29円から一気に150.74円まで買い上げられたわけですが、7日の安値150.93円が目先の戻り目処として意識されると次第に上値を切り下げる展開に。一時150.12円まで下押ししたものの、欧州時間に入ってからは150.40円を挟んだもみ合いに終始しました。
NY時間に入ってからは、2月米サービス部門PMI速報値が節目の50を割り込んで49.7まで低下したことをきっかけに下落。2月米ミシガン大消費者態度指数確報値や1月米中古住宅販売件数が予想を下回ったことも売りを後押し。米長期金利の低下や株価の急落につれて一時148.93円まで売り込まれました。引けにかけては149円台を回復して週末の取引を終えています。
そして、本邦勢が不在の週明けのアジア市場では、先週末の安値148.93円を下抜けて一時148.85円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は149.50円まで買い戻されて様子見といったところです。
いずれにしても、ドル円は、先週末CFTCが公表した18日時点の投機筋の円ロングポジションが60569枚まで増加。前週の11日分からは5954枚増えていたわけですが、市場では、12日の1月米CPIをきっかけに完全な踏み上げ相場を演じた後、翌日の13日には1月米PPI後に再び急落。そして、20日には7日の安値を下抜けたことから、チャート的な下抜けとして更に売り込んでいるといった状況。現在の円ロングポジションが18日より拡大していることは容易に想像がつくというものです。
市場のセンチメントがかなり下向きに傾きつつあるなか、当局が日本国債の利回り急上昇について懸念を表明し始めたほか、日和見的発言が続いている植田日銀総裁が、それに合わせて長期金利急上昇に対処する姿勢を示しているという事実。また、本邦勢による米国への直接投資の予想以上の拡大が見込まれるという需給の恒常的方向性の確立は、こういったポジションのアンワインディングを予想以上に速めることになるのは当然の帰結。円ロング勢にとっては、時間軸の見極めが極めて重要になってくるのは言うまでもありません。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ドイツの政権交代を受けた市場動向を注視しつつ、2月独Ifo企業景況感指数や1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値などを見極めることになる。
独連邦議会選挙が23日に投開票され、最大野党の保守連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が予想通りに勝利し、政権交代が実現する見通しとなった。極右の「ドイツのための選択肢(AfD)」が第2党に躍進したものの、CDU・CSUは連立を拒否している。また、ショルツ首相率いる現与党の社会民主党(SPD)は大敗した。
連立政権の組み合わせ次第で、ウクライナに対する関与などが影響されるため、要注目となる。
アジア市場では、ドイツ総選挙が予想通りだったことで、先週末の高値1.0506ドルを上抜けて、1.0528ドルまで買われている。
2月独Ifo企業景況感指数(予想:85.8)や1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比+2.5%)では、3月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げの可能性を見極めることになる。
また、引き続き、トランプ米政権の相互関税を巡り、欧州連合(EU)に対する調査の状況に関するヘッドラインにも注目していきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0594ドル(2024/12/9高値)
・ユーロ円:157.89円(2/20高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0337ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:155.82円(2/21安値)
今週の日経225先物は、下へのバイアスが強まる展開を想定したセンチメントに傾きやすくなりそうだ。21日の米国市場では主要な株価指数が大幅に下落。NYダウは748ドル安と急落し、2日間でおよそ1200ドル下げた。また、S&P500指数の下落率は1.7%、ナスダックは2.2%となり、半導体SOX指数は3%を超えた。
2月の米ミシガン大消費者信頼感指数確報値は64.7と前月の71.7から低下し、市場予想を下回った。一方で1年先の期待インフレ率は4.3%(前月は3.3%)となり、2023年11月以来の高水準だった。2月の米購買担当者景気指数(PMI)は総合PMIが50.4と1年5カ月ぶりの低水準となり、サービス業PMIは49.9と約2年ぶりに景況感の分かれ目となる50を割り込んでいる。
これら経済指標の予想以上の悪化が嫌気された形だ。加えて、トランプ政権の関税政策を巡る不透明感やインフレ圧力への懸念、トランプ大統領による新たな政策発表も警戒されてリスク回避の動きが強まった。
日経225先物のナイトセッションは大阪比20円高の3万8810円で始まり、直後につけた3万8870円を高値に3万8760円~3万8860円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜け、3万8500円水準で攻防をみせる場面もあった。ただし、終盤にかけて下へのバイアスが強まると、一時3万8050円まで下落幅を広げた。祝日取引では11時時点で3万8100円~3万8300円辺りでの攻防をみせている。
これにより、日経225先物は1月17日につけた直近安値(3万8070円)を下回り、昨年12月2日以来の水準まで下げてきた。ボリンジャーバンドの-2σ(3万8280円)を割り込み、-3σ(3万7860円)に接近する場面をみせている。これまで-2σを割り込む場面では、いったんはボトムを形成してきたため、週初は売り一巡後のカバーを狙う動きに向かう可能性もある。
ただし、米国市場が一段の調整をみせてくると、下へのバイアスが強まり、ヘッジ対応のショートが膨れる展開が警戒されやすい。ヘッジの動きが新たなヘッジにつながるなか、押し目狙いのロングは入りにくいだろう。一目均衡表では先週の下げで「雲」下限を下抜き、遅行スパンは実線を割り込む形となって、下方シグナルを発している。
シグナルが悪化傾向をみせるなか、トランプ米大統領は21日、アルファベット<GOOG>やメタ・プラットフォームズ<META>など、米国の大手テック企業にデジタルサービス税を課す諸国に対し関税による対抗措置を検討する大統領覚書などに署名した。日本への影響は軽微とみられるもが、他国のIT投資抑制につながるようなことになれば、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となる可能性があろう。
日経225先物は下へのバイアスの強まりが警戒される一方で、リバウンド局面で-2σ水準で攻防をみせてくるようなら、200日移動平均線(3万8700円)が射程に入ってくる。そのため、オプション権利行使価格の3万7875円から3万8750円処と広めのレンジを想定しておきたい。
トランプ関税によるインフレリスクが警戒されなか、週末28日には1月の米個人消費支出(PCE)が発表される。米連邦準備理事会(FRB)が物価動向をみるうえで最重要とする指標であり、変動の激しい食品とエネルギーコストを除いたPCEコア価格指数は鈍化するとみられている。ただし、当局の2%目標を上回る見込みであり、利下げは慎重にさせそうだ。また、26日にエヌビディア<NVDA>の決算発表が予定されており、ハイテク株に対する影響が警戒されやすいだろう。
21日の米VIX指数は18.21(20日は15.66)に上昇し18.00を上回った。先週は15.50辺りを挟んでの推移が続き、75日線(15.98)、25日線(16.00)、200日線(16.35)が抵抗線として機能していたが、週末の上昇で一気にこれらを上抜いた。依然としてボトム圏での推移ではあるが、再び20.00を捉えてくる局面では、リスク回避に向かわせよう。
そのほか、中国・武漢で新種のコウモリコロナウイルスが発見され、動物から人に感染する危険があると各メディアが伝えていることも、ポジション圧縮を誘う一因となる可能性がある。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.18倍(20日は14.14倍)に上昇した。一時14.10倍に低下する場面もみられたが、足もとでのレンジ(14.10~14.22倍)の下限に到達したことで、NTショートを巻き戻す動きに向かわせたようだ。ボトム圏からのリバウンドで200日線が位置するレンジ上限が意識されやすいが、スプレッド狙いのトレードは限られそうである。
2月第2週(2月10日-14日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりの買い越しであり、買い越し額は1884億円(2月第1週は6352億円の売り越し)だった。なお、現物は964億円の買い越し(同2657億円の売り越し)と3週ぶりの買い越しであり、先物は920億円の買い越し(同3694億円の売り越し)と3週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で646億円の売り越しと3週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で3835億円の売り越しとなり、2週ぶりの売り越し。
主要スケジュールでは、25日に1月企業向けサービス価格指数、米国12月S&Pケースシラー住宅価格、米国2月コンファレンスボード消費者信頼感指数、26日に12月景気動向指数確報値、米国1月新築住宅販売件数、G20財務相・中央銀行総裁会議(~27日)、27日に米国10-12月期GDP確報値、米国1月耐久財受注、28日に1月鉱工業生産、米国1月個人所得、米国1月個人消費支出などが予定されている。
本日のNY時間のドル円は、米財務省による2年債の入札や政治状況により市場が動意づく可能性がありそうだ。なお、米国からは主だった経済指標の発表は予定されていない。
米2年債の入札は日本時間25日2時の予定。ここ最近のドル円は流動性悪化の影響で米債利回りに素直に追随する傾向が見られる。本日の入札結果で米債市場の売買が活発化するようであれば、ドル円も値幅を伴った動きが想定される。
ただし市場が今週注目するのは、株式市場が26日引け後のエヌビディアの決算発表、為替市場は28日の1月米個人消費支出(PCE)価格指数だろう。そうなると債券の入札結果だけでは、ドル円も大きなトレンドは作ることはできないかもしれない。
政治関連では、週末に行われたドイツ総選挙で、ヴァンス米副大統領が支持していた極右「ドイツのための選択肢(AfD)」を抑え、中道右派の野党「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」が第1党となった。こちらは、他の欧州国にとっても安堵する結果だった。
独選挙が終わった後の注目は、ワシントンDCで実施される米仏首脳会談。円絡みの通貨ペアが影響を受けるシナリオとしては、会談で両国の溝が埋まりそうにない場合だろう。欧州主要国と米国の関係改善が期待できないとなれば、欧州圏のリスク要素拡大と捉えられ、クロス円を中心に円買いが進む可能性はある。
今回の米仏会談では主要議題は、通商問題よりもウクライナ情勢との報道が一般的。マクロン仏大統領は、先週米国が欧州を除外して米露高官協議を決定すると、真っ先に地域間の協調を求め欧州首脳会談を開くなど、トランプ大統領のウクライナを巡る行動に強い警戒感を示している。仏大統領は、プーチン大統領を勝利させることは「大きな戦略的誤り」と主張すると訪問前のコメントで述べていた。
本日でロシアのウクライナ侵攻3周年を迎える。ウクライナとトランプ大統領の間に亀裂が生じる中、マクロン大統領がトランプ大統領の欧州を無視した行動の軌道を修正できるかが注目される。なお、27日にはスターマー英首相も訪米する予定。
ところでトゥスク・ポーランド首相は先週、欧州で凍結されているロシア資産をウクライナ支援に充てることや、ロシアとEUの国境沿いの防空を強化することなどをXで訴えた。同首相は、他の欧州国に対ロシアで断固とした行動をとることを求めている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、先週末に下落のきっかけとなった2月の米PMI速報値発表直前の水準150.35円近辺。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、昨年10月9日安値148.01円。
今週のNY市場はエヌビディアの決算と個人消費支出(PCE)価格指数に注目。先週は主要3指数がそろって大幅反落した。月曜日がプレジデンツデーの祝日で休場のため4日間の取引だったが、S&P500は3連休明けの火曜日と水曜日の連日で取引時間中と終値の史上最高値を更新した。ダウ平均とナスダック総合もプラス圏での推移となった。しかし、木曜日に弱い見通しを発表したウォルマートが大幅安となったことや、1月景気先行指数などの経済指標の悪化が嫌気され反落すると、週末金曜日は、2月ミシガン大消費者信頼感指数確報値や1月中古住宅販売件数などの経済指標が軒並み悪化し景気悪化懸念が強まったほか、週末を控えトランプ米大統領による新たな政策発表への警戒感もリスク回避の動きを強めた。ダウ平均は週間で1118.06ドル安(-2.51%)となり、S&P500が1.66%安、ナスダック総合も2.51%安と3指数がそろって大幅に反落した。
今週はAI関連株の今後の動きを決定するエヌビディアの決算発表(水曜日引け後)に注目が集まるほか、今後の利下げ見通しを巡り金曜日に発表される1月個人消費支出(PCE)価格指数が焦点となりそうだ。マグニフィセント・セブンの中で最後となるエヌビディアの11月-1月期決算は前年同期比で大幅増収増益が見込まれているが、データデンター向けAIチップの販売動向や、中国の新興AI企業のディープシークの影響についてのファン最高経営責任者(CEO)の見解などに注目が集まる。利下げ見通しについては2月中旬に発表された1月消費者物価指数(CPI)などが予想を上回る伸びとなったことでインフレ懸念が再び強まっており、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する1月個人消費支出(PCE)価格指数に要注目となる。変動の大きい食品、エネルギーを除く1月コアPCE価格指数の市場予想は前月比+0.3%と、12月分の+0.2%から上昇が見込まれている一方、前年比では+2.6%と12月の+2.8%から鈍化が見込まれている。PCE価格指数の鈍化が確認できれば、利下げ期待が再び高まることが相場の支援となりそうだ。このほかの経済指標は2月消費者信頼感指数、1月新築住宅販売件数、10-12月期GDP改定値など。決算発表ではエヌビディアのほか、セールスフォースや消費関連のドミノ・ピザ、ホーム・デポ、ロウズ、ベストバイなど。
今晩の米経済指標・イベントは1月シカゴ連銀全米活動指数、2月ダラス連銀 製造業景況指数など。企業決算は寄り前にドミノ・ピザ、引け後にパブリック・ストーレッジ、パブリック・ストーレッジ、ワンオーケーなどが発表予定。
一部通信社が伝えたところによると、メキシコは自由貿易協定を結んでいない国に対する関税を検討しているという。ただ、どの国が対象となるのか、どのような品目に関税がかけられるのかなど、具体的な内容は不明。
ハンガリーのオルバン首相は国家主権を保護するための新法案を議会に提出する意向を表明しした。これは、トランプ大統領のUSAID凍結決定を受けたもの。オルバン首相は米国や億万長者ジョージ・ソロスからの資金を受け取っているNGOやメディアに対する取り締まりを強化すると述べた。「西側の政治とメディアを支配する腐敗ネットワークを排除しなければならない」と主張し、外国からの資金流入経路を明らかにする必要性を強調した。この動きは、2026年の選挙を控え、新たな野党の台頭に直面するオルバン政権の対応とも見られている。
米財務省によると、2年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.169%、応札倍率(カバー)が2.56倍となった。
(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.58円(24日15時時点比△0.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.64円(▲0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0471ドル(▲0.0045ドル)
FTSE100種総合株価指数:8658.98(前営業日比▲0.39)
ドイツ株式指数(DAX):22425.93(△138.37)
10年物英国債利回り:4.564%(▲0.007%)
10年物独国債利回り:2.477%(△0.007%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月独Ifo企業景況感指数
85.2 85.2・改
1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 2.5% 2.5%
1月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.7% 2.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は欧米株価の動向につれて売買が交錯した。23日投開票の独総選挙が「事前の世論調査に沿った結果だった」として、独DAXが高く始まると円売り・ドル買いが先行。時間外のダウ先物の上昇につれた買いも入り一時149.87円と日通し高値を更新した。
ただ、高く始まった現物の米国株相場や独DAXが下げに転じると一転売りが優勢に。1時前に一時149.19円付近まで下押しした。ナイト・セッションの日経平均先物が21日の大証終値比920円安の3万7870円まで急落したことも相場の重し。
もっとも、ダウ平均や独DAXが再び上昇に転じるとドル円にも買い戻しが入り、149.76円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは下げ渋り。独DAXや米国株の失速を受けてリスク・オフのユーロ売り・ドル買いがじわりと強まると、24時前に一時1.0453ドルと日通し安値を更新した。ただ、前週末の安値1.0449ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。欧米株価の持ち直しに伴う買い戻しも入った。
・ユーロ円は下値が堅かった。欧米株相場が下げに転じたタイミングでリスク回避の円買い・ユーロ売りが入るとアジア時間の安値156.13円を下抜けて一時156.09円まで値を下げた。ただ、前週末の安値155.82円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米独株価の持ち直しに伴う買い戻しも入り、156.84円付近まで強含んだ。
・ロンドン株式相場はほぼ横ばい。時間外の米株価指数先物の上昇を背景に買いが先行したものの、現物の米国株相場が失速すると英株にも売りが出たため値を消した。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られた半面、ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が買われた。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反発。23日投開票の独総選挙が「事前の世論調査に沿った結果だった」として、買い安心感が広がると反発して始まった。ただ、そのあとは下げに転じるなど、上値の重さが目立つ場面もあった。個別ではラインメタル(6.40%高)やRWE(3.84%高)、ボノビア(3.26%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
一部通信社が報じたところによると、「独政府は2000億ユーロの緊急防衛費について議論する」ようだ。
国連総会は24日、ロシア軍のウクライナ撤退を求める欧州諸国提出の決議を採択した。
<国内>
○08:50 ◇ 1月企業向けサービス価格指数(予想:前年比3.1%)
<海外>
○08:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、メディア出演
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:2.75%に引き下げ)
○16:00 ☆ 10-12月期独GDP改定値(季節調整済、予想:前期比▲0.2%/前年同期比▲0.2%)
○16:00 ☆ 10-12月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比▲0.4%)
○18:20 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○22:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○23:00 ◇ 12月米住宅価格指数
◇ 10-12月期米住宅価格指数(予想:前期比0.3%)
○23:00 ◎ 12月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.4%)
○24:00 ◎ 2月米消費者信頼感指数(予想:102.5)
○24:00 ◎ 2月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲2)
○26日01:45 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○26日03:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○26日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
24日08:35 ビルロワドガロー仏中銀総裁(2/22付け仏経済誌インタビュー)
「ECB預金金利、夏までに2%へ引き下げる可能性」
24日09:09 ゼレンスキー・ウクライナ大統領(23日)
「平和が実現するなら大統領を辞任する用意がある」
「北大西洋条約機構(NATO)加盟と引き換えに辞任する用意もある」
24日10:04 ベッセント米財務長官
「ウクライナの重要鉱物資源への米国のアクセスは、今週中に合意する見通し」
24日10:29 リャプコフ露外務次官
「今週末にも米国との関係改善について両国の当局者が再協議する予定」
24日14:07 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「インフレ見通しには楽観的」
「インフレ目標2%の達成は簡単なことではない」
24日21:41 メルツ独キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)党首
「ドイツ社会民主党(SPD)と連立を組みたい 」
24日22:15 カラス欧州連合(EU)外相
「米政権の声明は私たち全員を心配させている」
「26-27日に米政権と会談予定」
「3月6日の特別サミットで決定を促す」
25日01:04 米国務省高官
「国連安全保障理事会における米国のウクライナ決議案に対するいかなる修正案も拒否権を行使」
25日02:51 トランプ米大統領
「プーチン露大統領との会談は間もなく行われるだろう」
「ゼレンスキー・ウクライナ大統領が今週または来週、鉱物資源の権益協定に署名するため訪米する可能性」
「ロシアと経済発展協定を結ぶつもりだ」
「落ち着いたらモスクワを訪れるつもりだ」
25日05:01
「ウクライナとの鉱物資源取引に向けて大きな進展があった」
「欧州は安全保障において中心的な役割を果たすべき」
「マクロン仏大統領との会談は戦争終結に向けてのさらなる一歩となった」
25日03:54 ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「英国の消費は欧州の中で異常に弱い」
「すでに金融引き締めの水準は高く、中期的なインフレ圧力は緩和している」
「英国の経済の弱さの多くは需要の弱さによるもの」
「緩やかな金利引き下げのペースの定義が委員によって異なる」
「四半期ごとに0.25%引き下げることは緩やかなペースではない」
※時間は日本時間
(24日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.72円(前営業日比△0.45円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.72円(△0.57円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0468ドル(△0.0010ドル)
ダウ工業株30種平均:43461.21ドル(△33.19ドル)
ナスダック総合株価指数:19286.93(▲237.08)
10年物米国債利回り:4.40%(▲0.03%)
WTI原油先物4月限:1バレル=70.70ドル(△0.30ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2963.2ドル(△10.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反発。日本が天皇誕生日の振替休日で休場となる中、アジア市場では一時148.85円と昨年12月3日以来の安値を付けた。ただ、同日の安値148.65円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。23日投開票の独総選挙が「事前の世論調査に沿った結果だった」として、独DAXが高く始まり、時間外のダウ先物が大幅に上昇すると円売り・ドル買いが強まり、23時前に一時149.87円と日通し高値を更新した。
高く始まった現物の米国株相場が下げに転じると一時149.19円付近まで下押ししたものの、引けにかけては再び強含んだ。対カナダドルなどで米ドル高が進んだ影響も受けて、149.80円付近まで持ち直した。
なお、米ドルカナダドルは一時1.4268カナダドルまで上昇した。トランプ米大統領がカナダとメキシコからの輸入品に課す25%の関税について「予定通り進められている」と述べ、3月4日から関税を課す考えを示したことから米ドル買い・カナダドル売りが入ったもよう。
・ユーロドルは小反発。独総選挙の結果を受けてアジア市場では一時1.0528ドルと1月27日以来の高値を付けたものの、海外市場では上値の重さが目立った。独DAXや米国株が失速したタイミングでリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出て、24時前に一時1.0453ドルと日通し安値を付けた。もっとも、前週末の安値1.0449ドルが目先サポートとして働くとやや下値を切り上げた。
・ユーロ円は4日ぶりに反発。米国株の失速を受けてリスク回避の円買い・ユーロ売りが入るとアジア時間の安値156.13円を下抜けて一時156.09円まで値を下げた。ただ、前週末の安値155.82円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。4時30分過ぎには156.99円付近まで持ち直した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに小反発。前週後半に急落した反動で短期的な戻りを期待した買いが入った。市場では「米経済指標の発表などがない中、主力株には押し目買いが入った」との声が聞かれた。半面、マイクロソフトなど一部ハイテク株に売りが出て、相場の上値を抑えた。指数は下げに転じる場面もあった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落。ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズが10%超下落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続伸。米政権による関税政策を巡る不透明感や米景気の先行き不安を背景に、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入りやすかった。
・原油先物相場は小反発。昨年12月末以来、約2カ月ぶりの70ドルを割り込んだことで値ごろ感からの買いが入った。
・金先物相場は反発。米政権の関税政策を巡る不透明感が高まるなか、安全資産とされる金需要が高まった。清算値ベースで史上最高値を更新した。
24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ関税への警戒感から149.87円まで上昇した。ユーロドルは、独DAXや米国株が失速したことで、1.0453ドルまで弱含みに推移した。ユーロ円は、米国株の失速を受けたリスク回避の円買い・ユーロ売りで156.09円まで下落後156.99円付近まで反発した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、1月企業向けサービス価格指数を見極めた後は、日米の債券利回りや株価指数の動向を眺めながらの相場展開が予想される。
ドルはトランプ関税への警戒感から底堅い展開となっているが、米10年債利回りが4.5%を下回っていることで、上値は限定的となっている。
8時50分に発表される1月企業向けサービス価格指数は前年比+3.1%と予想されており、12月の同比+2.9%からの伸び率の上昇が見込まれている。
企業向けサービス価格指数はモノの価格動向を示す企業物価指数とともに、川下の消費者物価指数というモノやサービスの価格に幅広く波及する可能性がある。そのため、日銀は、企業が人件費の上昇分を価格に反映する「賃金と物価の好循環」を示す指標として注視している。
予想通りならば、1月の輸入物価指数、コアCPI(生鮮食品を除く)に続いて、日本の物価上昇が確認されるため、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆するように、5月の日銀金融政策決定会合での0.75%への追加利上げ観測が高まることになる。
また本日は、14時頃に日銀が発表する1月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」にも注目しておきたい。植田日銀総裁は、2月21日に「総合指数は4%に乗せたが、基調的な物価上昇率はまだ2%を少し下回っている。基調的な物価の上昇が続くことになれば、引き続き金融緩和度合いの調整を続けていきたい」と述べていた。
2月6日には、田村日銀審議委員が「2025年度後半には、少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価目標達成のうえで必要」と述べていた。そして、2月19日には、高田日銀審議委員が「物価の上振れや金融が過熱するリスクを踏まえ、ギアシフトを段階的に行っていく視点も重要だ」と述べていた。
一方で、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)に前倒しされており、10月FOMCでも追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)が見込まれている。
今週末発表される米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分は、前年比+2.5%と予想されており、12月の同比+2.6%からの伸び率鈍化が見込まれている。コアPCEデフレーターの予想は同比+2.6%で、12月の同比+2.8%からの鈍化が見込まれている。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38050 -740 (-1.90%)
TOPIX先物 2695.5 -39.5 (-1.44%)
シカゴ日経平均先物 38020 -770
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
24日の米国市場はNYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックが下落。直近2日間で大きく下落したことで、主力株の一角には自律反発狙いの買いが入った。半面、マイクロソフト<MSFT>が人工知能(AI)データセンターの拡大路線を減速させているとの見方が伝わり、AI投資を拡大させているアマゾン・ドット・コム<AMZN>やAI向け半導体を手掛けるエヌビディア<NVDA>、ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズ<PLTR>などハイテク株への売りが強まった。
NYダウ構成銘柄では、ナイキ<NKE>やトラベラーズ<TRV>、ベライゾン<VZ>、ボーイング<BA>、ウォルト・ディズニー<DIS>、アムジェン<AMGN>が上昇。一方で、ハイテク株のほかウォルマート<WM>、JPモルガン・チェース<JPM>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が売られた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比770円安の3万8020円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万8810円始まり、直後につけた3万8870円を高値に3万8760円~3万8860円辺りで保ち合いを継続。21日の米国市場の取引開始後にレンジを下抜け、一時3万8050円まで下げ幅を広げた。祝日取引では3万8360円辺りでの攻防をみせていたが、24日の米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、3万7870円まで急落。終盤にかけて下げ幅を縮め、3万8050円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップダウンで始まりそうだ。ヘッジ対応のショートが強まりやすく、ヘッジの動きが新たなショートの動きにつながるなか、押し目狙いのロングは入りにくいだろう。まずは売り一巡後の底堅さを見極めることになりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで一時3万7870円まで売られ、ボリンジャーバンドの-3σ(3万7840円)水準まで下げたことで、いったんは売られ過ぎが意識される水準まで下落した。自律反発狙いの動きも入りやすいところだが、米国ではAI投資の減速懸念によりハイテク株の持ち高を圧縮する動きが強まっており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になりそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万8000円を中心とした上下の権利行使価格となる3万7875円から3万8375円辺りのレンジを想定する。早い段階で-2σを回復してくるようだと、200日移動平均線が位置する3万8550円辺りをターゲットとしたロング対応に向かわせよう。
24日の米VIX指数は18.98(21日は18.21)に上昇した。21日に2月3日以来となる18.00を上回っており、抵抗線として機能していた75日線(16.03)、25日線(16.12)、200日線(16.38)を一気に上抜いて終えていた。24日は一時20.24まで上昇する場面もみられており、リスク回避姿勢が強まろう。
21日のNT倍率は先物中心限月で14.18倍(20日は14.14倍)に上昇した。一時14.10倍に低下する場面もみられたが、足もとのレンジ(14.10~14.22倍)下限に到達し、NTショートを巻き戻す動きに向かわせたようだ。本日はハイテク株主導の下落が警戒され、再びレンジ下限を想定したNTショートに振れやすくなりそうだ。
東京市場は軟調か。米国株は21日は下落し、週明け24日はダウ平均が上昇、S&P500とナスダックが下落とまちまちとなった。ダウ平均は21日に748ドル安と今年最大の下げ幅を記録。24日は33ドル高の43461ドルで取引を終えた。21日は多くの経済指標が悪化したことで、景気後退に対する警戒が高まった。24日は反動で一部の銘柄には押し目買いが入ったが、終盤にかけては失速した。ドル円は足元149円70銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて770円安の38020円、ドル建てが750円安の38040円で取引を終えた。
21日の米国株の大幅安を受けて、センチメントの悪化が懸念される。CME225先物は大幅安スタートを示唆しており、幅広い銘柄が売りに押されることになるだろう。過去には38000円近辺で何度か反転しているだけに、大きく水準を切り下げて始まった後は下値を拾う動きも出てくるとみる。ただ、24日に反発したのはダウ平均だけで、米国株にはまだ下げ止まり感が出てきていない。38000円割れも想定しておいた方が良く、場中は警戒ムードの強い地合いが続くと予想する。日経平均の予想レンジは37800
円-38500円。
日経225先物は11時30分時点、前日比440円安の3万8350円(-1.13%)前後で推移。寄り付きは3万8040円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8020円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。開始直後につけた3万8000円を安値にリバウンドをみせており、中盤にかけて3万8400円台を回復。その後は3万8350円~3万8450円辺りでの保ち合いが続き、終盤にかけて一時3万8480円まで下げ幅を縮める場面もみられた。
日経225先物はナイトセッションで一時3万7870円まで急落し、ボリンジャーバンドの-3σ(3万7940円)まで下げてきたことで、売られ過ぎが意識されやすく、寄り付き後は自律反発の動きとなった。ボリンジャーバンドの-2σ(3万8330円)を上回ってきたことも、ショートカバーに向かわせた形だろう。-2σ水準での底固めの動きをみせてくるようだと、ショートカバーを誘う流れから、押し目狙いのロングが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.07倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となるなか、一時14.03倍まで低下する場面もみられた。これまでの14.10倍から200日移動平均線(14.22倍)辺りでのレンジを下抜けるなか、NTショートに振れやすい状況である。
昨日の海外市場では、ドル円は底堅い展開。株価動向に左右されるなか一時149.87円まで上昇。その後は株価が下落に転じたことから149.19円まで下押す場面もみられましたが、引けにかけてはやはり株価が買い戻されると149.80円まで再び下値を切り上げてNY市場を終えることになりました。米10年債利回りが4.3868%まで低下したものの、市場では「ドル円のショートがかなり溜まっている」との声も聞かれているわけで、ポジション調整を先行させる動きとなりました。
そして、3連休明けの東京市場では、「連休明けのゴトー日」とあって本邦実需の買いが当然のように観測されると、朝方から昨日高値の149.87円を上抜けて上昇。仲値にかけての買いも加わると一時150.30円まで値を上げました。その後は米長期金利が低下幅を広げるなか149.85円まで下押しているといったところです。
いずれにしても、本日は、本邦勢のフローをこなした後は、日米の金利動向を慎重に見極めることになりそうですが、アジア時間に入ってからの米10年債利回りの3bpの低下については、JGB利回りの6bp急低下につれた動きであることは明らか。昨日もお伝えした通り、二人のタカ派日銀審議委員が引き起こした長期金利急騰に対して、植田日銀総裁が「国債買入れ増額で対応する」との冷や水を浴びせるといった自作自演の喜劇に付き合わされている市場では、極めて足の速い円ロングポジションの調整が進んでいるわけで、目先は21日の高値150.74円や7日の安値150.93円を意識した動きとなっています。
1944年、米ニューハンプシャー州「ブレトンウッズ」で開催された連合国国際通貨金融会議では、第2次大戦後の国際通貨体制の枠組みを定めた「ブレトンウッズ協定」が締結され、米国ドルの通貨覇権体制が確立した。
1985年、米ニューヨークの「プラザホテル」で開催された先進5カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G5)では、米国の貿易赤字削減のためのドル高是正「プラザ合意」が締結された。
1987年、パリのルーブル宮殿ではドル安を阻止するための「ルーブル合意」が締結されたものの、失敗して10月のブラックマンデーに繋がった。
第2次トランプ米政権では、米国の債務負担軽減のため、外国の債権者(※最大の債権者は日本)に対し、保有する米国債と超長期国債との交換を強制する可能性「マールアラーゴ合意(Mar-a-Lago Accord)」(※フロリダ州のトランプ大統領の邸宅)が警戒されているらしい。
1.第2次トランプ米政権のアジェンダ
トランプ米大統領は、Make America Great Again(MAGA)、すなわち、アメリカ合衆国を再び偉大な国にすることを標榜している。
すなわち、米国の対外貿易赤字を削減するために、トランプ関税を打ち出している。
米国の歳出を削減するために、米政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)による指揮の下、北大西洋条約機構(NATO)への支出削減、世界保健機関(WHO)からの離脱、国際開発局(USAID)の撤廃、を推し進めている。
さらに、過去の債務に対する負担を軽減するため、債務スワップを目論んでいるらしい。
債務負担を軽減するには、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策は、低金利政策となり、財務省の通貨制作は、ドル安政策となる。
例えば、日本は米国債を1兆600億ドル(※2024年12月時点)保有しているが、この米国債を永久債に交換された場合、ほぼ永久に米国へ貸したお金は返ってこないことになる。
2.ミランCEA委員長の理論的背景
2024年11月、元財務省上級顧問のミラン氏(現在:大統領経済諮問委員会CEA委員長)は、「トリフィンのジレンマ(The Triffin dilemma)」をベースにして、「持続的なドル過大評価」に起因する経済的不均衡の解消と、国際貿易システム改革に向けロードマップを提示した。
【トリフィンのジレンマ(The Triffin dilemma)】
米国ドルを国際準備通貨にするには、外貨準備の世界需要を満たすようにドルの供給をしなければならないため、米国の貿易収支・経常収支は赤字にならざるをえない。
米国の貿易赤字を削減するには、1971年のニクソン・ショックや1985年のプラザ合意のように、ドル安に誘導せざるを得ない。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ドイツの総選挙で第1党となったキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)による景気刺激策が期待される中、10-12月期独GDP改定値を確認しながら、欧米の通商協議やウクライナ停戦協議の行方を探る展開となる。
トランプ米大統領とマクロン仏大統領の首脳会談の後、トランプ米大統領は「マクロン仏大統領との会談は戦争終結に向けてのさらなる一歩となった」と述べ、マクロン仏大統領も「ウクライナの停戦は今後数週間で起きる可能性がある」と楽観的な見解を述べており、今後の関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
10-12月期独GDP改定値(季節調整済)の予想は前期比▲0.2%/前年同期比▲0.2%、(季節調整前)の予想は前年同期比▲0.4%となっている。しかし、2月独製造業PMI速報値は46.1で1月の45.0から改善、2月独サービス部門PMI速報値は52.2で1月の51.5から50台を維持しており、新連立政権による景気刺激策への期待感もあることで、ユーロドルは底堅く推移している。
タカ派のシュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事は、先日、「利下げを一時停止または終了しなければならない局面に近づきつつある。3月の欧州中央銀行(ECB)理事会で、決定後の声明から『金融政策は依然として景気抑制的』という文言を削除するかどうかを議論すべきだ」と主張していた。
本日の講演でも同様のタカ派的な見解が見込まれている。
本日講演が予定されているタカ派のピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員は、先日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)の利下げに関して、「まだ仕事が終わったと宣言できる状況ではない。引き続き、制限のある金融政策スタンスを維持する必要がある」と否定的な見解を示しており、本日も慎重なスタンスを示すことが見込まれている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0533ドル(1/27高値)
・ユーロ円:158.51円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2691ドル(2/24高値)
・ポンド円:190.61円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0373ドル(2/13安値)
・ユーロ円:155.82円(2/21安値)
・ポンドドル:1.2513ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンド円:187.06円(2/7安値)
ドル円:1ドル=149.71円(前営業日NY終値比▲0.01円)
ユーロ円:1ユーロ=156.85円(△0.13円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0477ドル(△0.0009ドル)
日経平均株価:38237.79円(前営業日比▲539.15円)
東証株価指数(TOPIX):2724.70(▲11.83)
債券先物3月物:139.66円(△0.42円)
新発10年物国債利回り:1.380%(▲0.045)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月企業向けサービス価格指数
前年同月比 3.1% 3.0%・改
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は行って来いの展開。5・10日(ゴトー日)の仲値に向けた買いが観測されたほか、仲値後も買いの勢いが続くと、12時前に150.30円まで上昇。その後、時間外の米10年債利回りが低下した一方、本邦10年債利回りが1.355%を目先の底にやや持ち直すなかで150円を割り込むと、149.46円まで下値を広げる場面も見られた。トランプ米政権が対中半導体規制の強化を打ち出し、半導体関連株が売られたことも、リスク回避の円買いを後押しした。もっとも、売り一巡後は前日終値付近に戻している。
・ユーロ円は上昇一時的。仲値に絡んだドル円の上昇に連れて157.24円まで買われるも、その後は156.55円まで下押すなど、ドル円に連れた動きとなった。
・ユーロドルは小高い。時間外の米長期金利の低下をながめ、1.0480ドルまで小幅に値を上げた。ドル円でドル売り・円買いとなったことも追い風となったもよう。
・日経平均株価は反落。前日の米ハイテク株安を受けた半導体関連株の下げが日経平均の重しとなり、下げ幅は一時600円超に達した。トランプ政権による対中半導体規制の強化観測も重しとなった。その後は商社株の軒並み大幅高を手掛かりに緩やかに買い戻しが入り、下げ幅を縮小した。
・債券先物相場は続伸。前週末に植田日銀総裁が国内長期金利の上昇をけん制したことを手掛かりに買いが入ると、139円99銭まで上昇。米景気後退懸念を背景とした米長期金利の低下(国債価格は上昇)も債券相場の追い風となった。ただ、午後に入り財務省が実施した流動性供給入札が債券需給の緩みを意識させる結果となり、債券相場の重しとなって上げ幅を縮小した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
ドイツの政治安定は辛うじて守られた
次期政権の政策転換に期待も、債務ブレーキ見直しに不安要素
ドイツの連邦議会選挙は中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が勝利し、政権を明け渡す中道左派の社会民主党(SPD)とともに大連立を組む可能性が高い。これは経済再生を目指すドイツにとってベストな組み合わせ。CDU/CSUが重視する規制緩和、減税、企業負担の軽減措置を進めつつ、SPDの主張を盛り込む形で歳出拡大や所得分配を強化し、債務ブレーキの見直しが進む可能性がある。最大野党となるドイツのための選択肢(AfD)は債務ブレーキの改正に反対。左翼党は改正に賛成するが、国防費の増額に反対する。両党は改正を阻止可能な議会の3分の1以上の議席を持ち、財政柔軟化の不安要素となる
大阪3月限
日経225先物 38240 -550 (-1.41%)
TOPIX先物 2725.5 -9.5 (-0.34%)
日経225先物(3月限)は前日比550円安の3万8240円で取引を終了。寄り付きは3万8040円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8020円)にサヤ寄せする形で売りが先行した。開始直後につけた3万8000円を安値にリバウンドをみせ、前場中盤にかけて3万8400円台を回復。その後は3万8350円~3万8450円辺りで保ち合い、前場終盤にかけて一時3万8480円まで下げ幅を縮める場面もみられた。
日経225先物はナイトセッションで一時3万7870円まで急落し、ボリンジャーバンドの-3σ(3万7900円)まで下げてきたことで、売られ過ぎが意識されて、寄り付き後は自律反発の動きとなった。ただし、ランチタイムではボリンジャーバンドの-2σ(3万8310円)を上回って推移していたが、後場に入り同バンドを割り込むと、終盤にかけて下げ幅を広げる形となった。
-2σはナイトセッションで3万8200円、-3σは3万7750円辺りに切り下がってきており、これに沿った調整となるようだと、下へのバイアスが強まりやすいだろう。週間形状では-2σが3万8000円に位置しており、この水準を明確に下回ってくると、-3σの3万7400円辺りが射程に入ってきそうだ。
本日は大手商社や医薬品株の上昇が目立ち、上位5銘柄で日経平均株価を80円ほど支えた。一方で、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、ファーストリテイリング<9983.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の3銘柄で400円超押し下げる形だった。なお、グローベックスの米株先物は小幅安ながらナスダック100先物、S&P500先物がマイナス圏で推移している。今週はエヌビディア<NVDA>の決算発表を控えていることもあり、ハイテク株の動向には注視する必要があろう。
-2σ水準での攻防が続くなか、3万7500円から3万8500円辺りと広めのレンジを想定する。再来週には3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えているため、ヘッジ対応に伴う動きに振られやすい需給状況であることは警戒しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.03倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となるなか、一時14.01倍まで低下する場面もみられた。これまでの14.10倍から200日移動平均線(14.22倍)辺りのレンジを下抜け、NTショートに振れやすい状況である。トレンドとしては昨年9月5日につけた13.93倍が意識されそうだ。この水準を下回ってくるようだと、昨年8月6日の13.65倍がターゲットとなるため、TOPIX型に大きく傾く可能性がある。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9667枚、ソシエテジェネラル証券が1万4405枚、サスケハナ・ホンコンが6972枚、JPモルガン証券が3058枚、バークレイズ証券が2337枚、野村証券が2197枚、SBI証券が2157枚、ゴールドマン証券が1955枚、モルガンMUFG証券が1783枚、日産証券が1543枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券2万3802枚、ソシエテジェネラル証券が1万7840枚、バークレイズ証券が6875枚、JPモルガン証券が4889枚、モルガンMUFG証券が4252枚、ゴールドマン証券が3780枚、野村証券が1613枚、ビーオブエー証券が1561枚、みずほ証券が982枚、日産証券が978枚だった。
本日のニューヨーク為替市場でドル円は、米経済指標や金融当局者の発言、米5年債入札結果などを見定めながらの取引か。また、トランプ関税を巡るリスクセンチメントの強弱にも依然として注意が必要。東京午後から欧州前半までの流れを見る限り、下値を意識させる内容には神経質に動きそうだ。
経済データは複数の住宅指標がまずは発表される。市場予想を前回と比べると、12月米ケース・シラー住宅価格指数(前年比)は上振れだが、10-12月期米住宅価格指数(前期比)は下振れ見込み。これらデータの相場インパクトは通常それほど大きくないものの、先週からの流れを考えると弱めの結果には反応するかもしれない。
その後、2月の米消費者信頼感指数とリッチモンド連銀製造業景気指数が発表予定。先週後半に「米景気の先行き懸念」が強まっており、前月を下回る予想の消費者信頼感指数がどの程度まで下掘るかが注目される。一方、リッチモンドは改善度合いが目安か。
当局者の講演予定は、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長とバーキン米リッチモンド連銀総裁の2人。バー氏は今月末で銀行監督担当副議長を退任するものの、FRB理事は続ける。リッチモンド連銀総裁は今月前半、今年の政策について「依然として利下げに傾いている」との見解を示していた。
米国の関税についてはトランプ大統領が昨日、カナダやメキシコに対して予定通り来月4日に発動する考えを示した。今後1週間でまた二転三転することもありそうだが、トランプ政権の政策が世界経済の不確実性を高めているのは確かだろう。今後もトランプ大統領の標的となった国の通貨が神経質に上下させられる展開は続きそうだ。
想定レンジ上限
・ドル円、本日高値150.30円を超えると21日高値150.74円。
想定レンジ下限
・ドル円、昨年12月3日安値148.65円。
今晩はもみ合いか。昨日はトランプ米大統領が1カ月延期されたカナダやメキシコからの輸入品に対する関税発動に言及したことでセンチメントが悪化。ナイキやトラベラーズなどの上昇を支援にダウ平均が33.19ドル高(+0.08%)とわずかに上昇し、3営業日ぶりに反発した一方、S&P500が0.50%安、ナスダック総合が1.21%安と、ともに3営業日続落となった。パランティアやエヌビディアが大幅に下落したことでナスダック総合は年初来で0.12%安とマイナス圏に沈んだ。
今晩はS&P500やナスダック総合が3日続落したことで、押し目買いによる反発が期待されるものの、水曜日引け後のエヌビディアの決算発表や金曜日に発表される米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する1月個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えており、重要イベントを控えた様子見姿勢が強まりそうだ。ホーム・デポなどの決算や2月消費者信頼感指数などの経済指標、トランプ政権の関税に関する報道などをにらんでもみ合う展開となりそうだ。
今晩の米経済指標は12月ケースシラー住宅価格指数、2月消費者信頼感指数など。このほか、バーFRB副議長やバーキン米リッチモンド連銀総裁などの講演も予定されている。決算発表は寄り前にアメリカン・タワー、ホーム・デポ、引け後にファースト・ソーラー、インテュイットなどが発表予定。
SMBC日興証券ではテクニカルリポートの中で、2月はサイクル分析の観点から、米国株価指数、米国金利にとって2025年中で最も重要とみていた時間帯とコメント。トランプ政権下での経済政策の先行き不透明感などから、2月に入って米国長期金利やドルが軟化。一方、株式市場では米国株や欧州株は高値圏で推移しているが、こう着状況が続いている。煮詰まる米国株指数が一段の上昇に向かうのか、それとも急反落して米国長期金利やドルも一段の下げに向かうのか、今年前半の主要市場の動向を左右する大事な局面を迎えているとSMBC日興では指摘している。
一部報道が伝えたところによると、トランプ米政権はバイデン前政権の対中国半導体規制を強化する方針だという。エヌビディア半導体製品の対中輸出制限の強化を検討するほか、日本やオランダにも対中規制で米国と同等の対応を求めるとしている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では日本株市場に関して、トランプ政権による自動車関税強化などへの警戒感もあり、全体としては上値の重い展開が続いていると指摘。こうした警戒感が後退するまでは、業績が堅調な内需株が選好される可能性があると考えている。そのような中、インバウンド消費の拡大が日本経済にとってポジティブな要因となっていることに着目。コロナ後の訪日客旅行支出は円安などを追い風に上昇が続き、コロナ前の水準を上回っているとのこと。三菱UFJMSでは、内需ビジネスの中でもインバウンド関連銘柄に改めて注目したいとコメントしている。
メキシコのシェインバウム大統領は25日朝の定例記者会見で「冷静さを保ち、トランプ大統領の個別の発言を文脈から切り離して考えないことが重要」「我々は安全保障と貿易の問題について、引き続き米国側と対話を続けている」と発言した。3月4日の関税適用期限が迫る中、合意は今週中に最終決定する必要があるとした。
日経平均株価は大幅反落。大幅安スタートとなり、下値を模索する場面があった。心理的節目である38000円や、1/17安値(38055円)を意識して下げ渋ったものの、200日移動平均線(38676円 2/25)を下回る水準で安値を切り下げる格好となった。
RSI(9日)は前日の49.7%→37.8%(2/25)に低下。あすも低下しやすいタイミングとなり、下振れに警戒が必要となる。1/24高値(40279円)からの二段下げ目が続いているという認識である。38000円前後は昨年11月以降で反転上昇してきた水準であり、目先的には今回も同様の展開が想定される。しかし、5日・10日移動平均線などが下向きに悪化しており、戻りを抑える要因となる。
上値メドは、200日移動平均線、心理的節目の39000円、25日移動平均線(39129円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円などがある。下値メドは、1/17安値(38055円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)などがある。
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.123%、応札倍率(カバー)が2.42倍となった。
(25日終値:26日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.07円(25日15時時点比▲0.64円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.56円(▲0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0502ドル(△0.0025ドル)
FTSE100種総合株価指数:8668.67(前営業日比△9.69)
ドイツ株式指数(DAX):22410.27(▲15.66)
10年物英国債利回り:4.509%(▲0.055%)
10年物独国債利回り:2.458%(▲0.019%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10-12月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済)
(前期比) ▲0.2% ▲0.2%
(前年同期比) ▲0.2% ▲0.2%
10-12月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整前)
(前年同期比) ▲0.4% ▲0.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。20時30分過ぎに一時149.96円付近まで買い戻される場面もあったが、節目の150.00円には届かず。米景気減速への懸念が台頭する中、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入ると、徐々に上値を切り下げた。
NYの取引時間帯に入り、2月米消費者信頼感指数が98.3と予想の102.5を下回ったことが分かると全般ドル売りが活発化。サポートとして意識されていた昨年12月3日の安値148.65円を下抜けて一時148.57円と昨年10月11日以来約4カ月半ぶりの安値を更新した。市場関係者からは「トランプ米政権の政策運営を巡る不透明感から、企業や消費者の心理が下向いている」との声が聞かれた。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。急ピッチで下落した反動が出たほか、市場では「月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された」との指摘があり、149.26円付近まで下げ幅を縮めた。
・ユーロドルは強含み。低調な米経済指標を受けて米景気の先行き懸念が広がると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.2811%前後と昨年12月以来の低水準を記録。全般ドル売りが優勢となり、一時1.0519ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.19まで低下した。
ただ、前日の高値1.0528ドルが目先レジスタンスとして意識されると1.0484ドル付近まで伸び悩んだ。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも観測された。
・ユーロ円は一進一退。日本時間夕刻に一時156.09円と日通し安値を付けたものの、22時30分過ぎには157.31円と日通し高値を更新。ただ、1時30分過ぎには156.17円付近まで押し戻された。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は小反発。しばらくはじり高の展開が続いていたが、トランプ米政権の関税政策への警戒感から売りが出ると上げ幅を縮めた。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われたほか、HSBCやロイズ・バンキング・グループなど金融株が値上がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られた。
・フランクフルト株式相場は小反落。しばらくはじり高の展開が続いていたが、トランプ米政権の関税政策への警戒感から売りが出ると下げに転じた。現物の米国株が失速したことも相場の重し。個別ではシーメンス・エナジー(7.34%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(2.63%安)、バイヤスドルフ(2.44%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
25日の日経平均は大幅反落。終値は539円安の38237円。米国では21日にダウ平均が今年最大の下げ幅を記録。週明け24日の反発は小幅なものにとどまっており、これらを嫌気して寄り付きから400円を超える下落となった。下げ幅を600円超に広げた後、いったん切り返したが、38500円に接近したところで戻りは一服。材料のあった商社株には強い買いが入ったものの、他は総じて弱く、大型グロース株には派手に下げる銘柄が多かった。指数は前引け間際に高値をつけると後場は売り直され、500円程度下げた38200円~38300円近辺でもみ合う時間が長かった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆8600億円。業種別では卸売、医薬品、海運などが上昇した一方、非鉄金属、石油・石炭、電気機器などが下落した。全体では手がけづらさが意識される中、先週上場初日に人気化したブッキングリゾート<324A.T>に買いが殺到して連日のストップ高。半面、遅延していた本決算を発表し、着地が計画を下振れたブイキューブ<3681.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり725/値下がり845。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏による買い増し期待が高まったことで、三菱商事、伊藤忠、丸紅など商社株が軒並み大幅高。半導体株の多くが嫌われる中で、日経電子版の記事を手がかりにキオクシアが10.4%高と急騰した。JR東海や阪急阪神など鉄道株が堅調。証券会社が投資判断を引き上げたJパワーが買いを集めた。
一方、アドバンテスト、ディスコ、SCREEN、東京エレクトロンなど半導体株の多くが大幅安。フジクラや古河電工など電線株も弱さが目立った。鴻海がホンダに協業を提案したとの観測報道が売り材料となった日産自動車が8%安。米景気減速の場合、原油需要にも影響が出てくるとの警戒から、INPEXやENEOSなどエネルギー関連が売りに押された。
三連休明けの日経平均は大幅安。ただ、さえない動きとなった後場も前場の安値38131円は下回らなかった。過去の値動きから38000円近辺は買いゾーンであることが意識されているように見える。今週は26日の米エヌビディア決算が注目を集めるだけに、きょう弱かった半導体株はもうしばらく嫌われるかもしれない。フジクラなど電線株もデータセンター期待のはく落で強く売られており、日本株反転のカギを握るのは非グロース株となる。期待を集めるのはウォーレン・バフェット氏のお墨付きを得た商社株になるだろう。他では、きょうは三菱UFJ<8306.T>、みずほFG<8411.T>、トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>などがプラスで終えた。業種では海運株のパフォーマンスが良かった。これらの中から戻りの先導役になる銘柄が出てくるかが注目される。
一部通信社が報じたところによると、「ウクライナは米国の鉱物資源協定案に合意する」ようだ。
25日05:12 マクロン仏大統領
「我々は協議において実質的な進展を遂げた」
「米国とEUの間で公正な競争を望む」
「トランプ大統領と交渉の異なる段階について詳細に話し合い、ウクライナ領内への平和維持部隊の展開について議論」
25日08:15
「ウクライナでの停戦は実現可能」
「ウクライナの停戦は今後数週間で起きる可能性がある」
25日05:24 トランプ米大統領
「カナダとメキシコへの関税は予定通り進んでいる」
「関税は予定通り、スケジュール通りに進められる」
25日08:57 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「様子見の姿勢を依然として支持」
「トランプ関税による物価上昇について検討する必要がある」
25日15:41 クガニャゴSARB(南ア準備銀行)総裁
「南アのインフレは中期ターゲットのレンジまで上昇している」
「関税引き上げがインフレリスクを高める」
「地政学リスクが不確実性を増加させている」
「インフレの目標に近づけることに成功」
25日20:18 ナーゲル独連銀総裁
「貿易関税で誰もが損をする」
「中立領域に近づいている」
「中立金利を下回る金利は今のところ議論されていない」
25日22:35 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「現在の金融環境が消費や投資を大きく抑制しているとは考えにくくなってきている」
「インフレのプロセスの性質が持続的に変化した可能性が高い」
「ユーロ圏の自然利子率は過去2年間で顕著に上昇している」
25日23:04 メルツ独キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)党首
「連立協議をイースターまでに完了できると楽観視」
「社会民主党(SPD)との連立協議がすでに進行中」
「民間セクターは景気後退に入っている」
「10年国債利回りに特に注目している。トランプ大統領の政策によって低下するとみている」
「関税は重要な収入源であり、他の経済の不均衡を管理するのに役立つ」
「中国は経済的不均衡を引き続き拡大する可能性が高い」
「中国は本当にもっと消費を増やす必要がある」
26日01:48 バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)
「金融政策は金融安定性と密接に結びついている」
「今こそ金融安定性へのリスクを検討すべき時」
26日02:23 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「利下げ停止について議論するのは時期尚早」
26日02:25 スターマー英首相
「イギリスはGDPの2.5%を防衛費に支出する予定」
「防衛費の増額はイギリスの産業基盤を再構築する機会」
「経済および財政状況次第で、イギリスはGDPの3%を防衛費に充てることを目指す」
「国家安全保障へのアプローチを変更する必要がある」
26日02:26 エブラルド・メキシコ経済相
「メキシコと米国は次回の会合の日程を近々決定する予定」
26日02:58 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「経済は良好な状態」
「今後の政策変更が経済に与える影響については、様子を見る姿勢」
「不確実性があるため、インフレ抑制の最終段階では慎重な対応が求められる」
「インフレが目標に戻るという確信が得られるまで、金融政策は緩やかな引き締め状態を維持すべき」
※時間は日本時間
<国内>
○14:00 ◇ 12月景気動向指数改定値
<海外>
○09:30 ◎ 1月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.5%)
○16:00 ◇ 3月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲21.4)
○16:45 ◇ 2月仏消費者信頼感指数(予想:93)
○17:00 ◎ 1月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比3.3%)
○未定 ◎ 10-12月期香港域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比なし/前年比2.4%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00 ☆ 1月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲2.6%/68.0万件)
○27日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○27日01:30 ◎ ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○27日02:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○27日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(南アフリカ・ケープタウン、27日まで)
○インド(ヒンドゥー教祭日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回った2月米消費者信頼感指数を受けて米10年債利回りが4.2811%前後まで低下したことに伴う円買い・ドル売りで148.57円まで下落した。ユーロドルは1.0519ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの低下を受けて下値を探る展開が予想される。
米10年債利回りが4.2%台まで低下した背景として以下の要因が挙げられる。
・景況感悪化を示す米経済指標を受けて、「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)に前倒しされており、9月FOMCでも追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)が見込まれている。
・28日に発表されるFRBがインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分は、前年比+2.5%と予想されており、12月の同比+2.6%からの伸び率鈍化が見込まれている。
・1月28-29日のFOMC議事要旨で、政府債務の上限引き上げを巡る問題が解決するまでバランスシート圧縮(※米国債の売り)を一時停止または減速させる可能性が議論された。
・ベッセント米財務長官が長期債の割合を増やす措置は「まだ先のことだ」と述べ、「トランプ大統領の政策によって10年国債利回りは低下するとみている」と述べたこと。
一方で、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆する日銀の0.75%への追加利上げ時期は、5月の日銀金融政策決定会合となっている。
1月の日本の物価指数(※前年比)は、以下の通りインフレ目標2%を超えている。
・総合消費者物価指数(CPI):+4.0%
・コアCPI(生鮮食品を除く):+3.2%
・企業向けサービス価格指数:+3.1%
・企業物価指数:+4.2%
・輸入物価指数:+2.3%
9時30分に発表される1月豪消費者物価指数(CPI)は前年比+2.5%と予想されており、昨年12月の同比+2.5%と変わらずと見込まれている。もし、予想を上回っていた場合、先日の豪準備銀行(RBA)理事会での追加利下げに慎重なスタンスを裏付けることになり、豪ドル/ドル買いが予想される。
声明文は「政策決定では、インフレの好ましい進展が認識されたが、委員会はさらなる政策緩和の見通しについて慎重な姿勢を維持している」とタカ派的であり、ブロックRBA総裁も「インフレに対する勝利宣言は時期尚早であり、追加利下げにはインフレ抑制においてさらなる進展が必要」とタカ派だった。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 37960 -280 (-0.73%)
TOPIX先物 2706.5 -19.0 (-0.69%)
シカゴ日経平均先物 37955 -285
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
25日の米国市場はNYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。2月の米消費者信頼感指数は98.3と前月比7ポイント低下し、市場予想(102.5程度)を下回った。米景気減速懸念が重荷となり、NYダウは下落に転じる場面もみられた。ただし、2024年11月~25年1月期決算で売上高と一株利益が予想を上回ったホーム・デポ<HD>が買われたほか、アムジェン<AMGN>やトラベラーズ<TRV>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>などディフェンシブ株が上昇し、NYダウを支えた。
ナスダックは4日続落した。トランプ米政権が、日本とオランダの当局者と会談し、中国で行う半導体装置メンテナンスの制限について協議したと報じられた。半導体の対中規制を強化する方針が伝わり、主力ハイテク株の持ち高圧縮に向かわせたようである。
そのほかのNYダウ構成銘柄では、ウォルマート<WMT>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、シスコシステムズ<CSCO>が買われた。半面、エヌビディア<NVDA>、マイクロソフト<MSFT>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、アップル<AAPL>が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比285円安の3万7955円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比190円安の3万8050円で始まり、3万7990円まで下落した後はリバウンドをみせ、一時3万8320円とプラスに転じた。ただし、米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万7670円まで下げ幅を広げる場面もみられた。売り一巡後は終盤にかけてショートカバーが入ったが、3万7960円と節目の3万8000円を割り込んでナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。ナイトセッションで一時プラスに転じたが、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8340円)水準に上値を抑えられる形で、-3σ(3万7680円)まで売られた。-3σでは売られ過ぎが意識されやすく、ショートカバーに向かわせるものの、バンドは拡大傾向をみせてきており、下向きで推移する-2σ、-3σに沿った調整のなかでは、リバウンド狙いのロングは入りにくいだろう。
昨年10月以降のレンジ下限水準に到達しており、積極的なショートは仕掛けづらいだろうが、米テック株の調整が強まるなかで、早い段階で-2σを上回ってこないと、これまでの3万7500円~4万0500円辺処のレンジを下抜けてくる可能性が警戒されやすい。ヘッジ対応のショートが強まる展開も意識され、戻り待ち狙いのショート対応を誘いそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万8000円を挟んだ攻防のなか、権利行使価格の3万8375円から3万7625円のレンジを想定する。
25日の米VIX指数は19.43(24日は18.98)に上昇し、1月10日以来の19.00に乗せてきている。一時21.48まで切り上がってきており、リスク回避姿勢が強まろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.03倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となって14.01倍まで低下する場面もみられた。これまでの14.10倍から200日移動平均線(14.22倍)のレンジを下抜け、NTショートに振れやすい状況である。ただし、米国ではエヌビディアの決算を控えており、いったんはNTショートを巻き戻す動きが入る可能性はあろう。
東京市場は軟調か。米国株はダウ平均が上昇、S&P500とナスダックが下落とまちまち。ダウ平均は159ドル高の43621ドルで取引を終えた。市場予想を下回る2月消費者信頼感指数を受けて景気悪化に対する懸念が高まり、グロース株の多くが売られる展開。テスラが8%を超える下落となったほか、インテルや翌日に決算発表を控えたエヌビディアが大幅安となった。ダウ平均は下げる場面もあったが、決算が好感されたホーム・デポの上昇などが貢献してプラスで終えた。弱い指標を受けて米10年債利回りは大幅に低下。ドル円は足元149円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて285円安の37955円、ドル建てが265円安の37975円で取引を終えた。
米長期金利の低下を受けてもナスダックが弱かったことで、半導体株など大型グロース株にネガティブな影響が想定される。米金利低下は金融株に逆風で、ドル安(円高)が意識されることから自動車株も買いづらい。ダウ平均の上昇は好感できず、ナスダックの下落を嫌気した売りに押されることになるだろう。本日のエヌビディアの決算を見極めたい局面だけに、安く始まって序盤の売り買いをこなした後は、様子見姿勢が強まると予想する。日経平均の予想レンジは37900円-38300円。
日経225先物は11時30分時点、前日比460円安の3万7780円(-1.20%)前後で推移。寄り付きは3万7970円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7955円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。現物の開始時に3万8100円まで下げ幅を縮める場面もみられたがリバウンド基調は強まらず、中盤にかけて3万7730円まで下げ幅を広げた。売り一巡後は3万7730円~3万7800円辺りでの保ち合いを継続している。
日経225先物は寄り付き後に下げ渋る動きをみせたが、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8110円)に上値を抑えられる形から、ショート優勢の動きとなり、-3σ(3万7630円)とのレンジ内での推移をみせている。ただし、下げ渋る動きもみられており、週足の-2σ(3万7870円)辺りで底堅さをみせてくるようだと、押し目狙いのロングを誘う展開が意識されてきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.02倍に低下した。一時13.99倍と昨年9月半ば以来の14.00倍を下回る場面もみられた。東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が1社で日経平均株価を142円ほど押し下げており、同社が下げ止まりをみせてこないと、NTショートに振れやすい状況が続きそうである。
昨日のドル円は、東京時間に連休明けのゴトー日とあって本邦実需の買いが先行したことから150.30円まで値を上げる場面もみられましたが、その後は米長期金利の低下につれて次第に上値を切り下げる展開に。欧州時間に入って一時149.20円まで値を下げたものの、前日NY時間の安値149.19円が意識されると149.96円まで買い戻されました。ただ、NY時間に入って2月米消費者信頼感指数が予想を大幅に下回る弱い数字となると米10年債利回りが4.2811%まで10bpを超える急低下。つれるかたちで12月3日の安値148.65円を下抜けると一時148.57円まで売り込まれました。LDNフィキシングで月末絡みのまとまった買いが観測されると149.26円まで買い戻されたものの、戻りも限定的に終わっています。
そして、本日のアジア市場。日経平均が38000円を割込んで下落するとリスクオフの動きから148.63円まで値を下げる場面もみられましたが、昨日安値を手前に下げ止まるとその後はショートカバーが強まる展開となっています。米長期金利が上昇しているほか、朝方から続く本邦実需の月末絡みの買いが断続的に観測されると149.49円まで買い戻されているといったところです。
いずれにしても、日経平均が昨夜の先物から大幅な下落となっているなか、市場では「明日早朝のNVIDIA決算前のヘッジ売り」がずっと続いているわけで、何度もお伝えしている通り、決算発表後のライブ時間帯という、日経平均が背負う不可避的なリスクを一手に受けている状況。ドル円についても、リスクオフとしての売りがNY市場から観測されていますが、本日のアジア市場では、ドル円も株価も揃って、昨日安値手前で下げ止まり。一連の下落のなかでも、底堅さが意識されています。ドル円は連日観測されている、しっかりとした実需のフローが極めて足の速い円ロングのポジション調整を誘っているところです。
「トランプ大統領が打ち出した相互関税は、貿易相手国の為替操作の有無を検証し、関税率に反映させる。米国は強いドル政策を取るが、それは他国が通貨安政策を取ることを意味しない」(ベッセント米財務長官)
日本の長期金利を上昇させ、円高に誘導しているのは、ベッセント米財務長官ではないか、との検証をしてみたい。
トランプ米大統領が調査を指示した相互関税では、「為替レート」も検証の対象となっている。
■2月5日:植田日銀総裁と電話会談
※推定「ボス(トランプ米大統領)が対日貿易赤字を減らせ、とうるさいんでね。早く利上げして円高にして下さい」
■2月6日:発言
「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」
※田村日銀審議委員
「2025年度後半には、少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価目標達成のうえで必要」
「政策金利を現状の0.5%から0.75%へ引き上げたとしても、引き続き物価上昇を考慮した実質金利は大幅にマイナスであり、経済を引き締める水準にはまだ距離がある」
■2月7日:日米首脳会談
トランプ米大統領は、「対日貿易赤字を解消したい」と述べた。
■2月19日:高田日銀審議委員
「物価の上振れや金融が過熱するリスクを踏まえ、ギアシフトを段階的に行っていく視点も重要だ」
■2月20日:植田日銀総裁と石破首相の会談
「上昇基調にある長期金利に関する話はしていない」
※トランプ米大統領とベッセント米財務長官による金利上昇容認の圧力か?
■2月21日:植田日銀総裁
「最近の長期金利の上昇は景気回復や物価上昇を反映したものだが、例外的に急上昇する場合には機動的に国債買い入れを増額する」
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ関税への警戒感は残されているものの、ウクライナ停戦協議への楽観的な見方が強まりつつあることで、底堅い展開が予想される。
トランプ米大統領は、先日のマクロン仏大統領との首脳会談の後、ウクライナ戦争終結に向けてのさらなる一歩となった、と楽観的な見解を示した。
そして、昨日は、28日にウクライナのゼレンスキー大統領が訪米して、米国による安全保障支援の継続に向けたレアアース(希土類)などの資源権益の協定案に署名する見通し、と報じられている。
また、25日にはスターマー英首相とマクロン仏大統領が電話会談し、「ウクライナの恒久的な和平に向けたアメリカのトランプ大統領のリーダーシップを歓迎する」ことで一致している。
ユーロドルは、トランプ関税や北大西洋条約機構(NATO)拠出金への警戒感や3月欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げ観測などの売り材料があるものの、ウクライナ停戦合意への期待感という買い材料で買い戻しが優勢な展開となりつつある。
さらに、米10年債利回りが低下基調にあることもユーロ買い要因となっている。
本日は、3月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲21.4)や2月仏消費者信頼感指数(予想:93)などで、独仏の消費者レベルの景況感を確認することになる。
本日講演が予定されているMPCで最もハト派のディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員は、先日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)では4.25%への利下げを主張しており、本日も追加利下げの必要性を主張することが見込まれている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0630ドル(2024/12/6高値)
・ユーロ円:158.04円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2787ドル(200日移動平均線)
・ポンド円:190.33円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0465ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:155.82円(2/21安値)
・ポンドドル:1.2563ドル(2/19安値)
・ポンド円:187.26円(2/11安値)
ドル円:1ドル=149.43円(前営業日NY終値比△0.40円)
ユーロ円:1ユーロ=156.77円(△0.08円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0491ドル(▲0.0023ドル)
日経平均株価:38142.37円(前営業日比▲95.42円)
東証株価指数(TOPIX):2716.40(▲8.30)
債券先物3月物:139.72円(△0.06円)
新発10年物国債利回り:1.365%(▲0.015)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月景気動向指数改定値
先行指数 108.3 108.9
一致指数 116.4 116.8
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は切り返す動き。日経平均が取引開始後に下げ幅を拡大した動きを眺めながら売りが強まると148.63円まで下押すも、前日につけた昨年10月11日以来の安値148.57円を前に下げ止まった。その後は時間外の米10年債利回りが4.32%台に上昇した影響もあり、149.63円まで切り返した。
・ユーロドルは伸び悩み。時間外の米長期金利が低下して始まった事もあり1.0525ドルまで上昇したが、24日につけた直近の高値1.0528ドルがレジスタンスと意識されて伸び悩み。その後は米長期金利の上昇が重しとなり、15時過ぎに1.0487ドルまで下押した。
・ユーロ円は伸び悩み。本邦株安をながめて156.42円まで下押すも、その後はドル円の上昇に連れて157.10円まで切り返した。ただ、その後はユーロドルの下げが重しとなって156.70円台まで下押す場面も見られた。
・日経平均株価は下げ渋り。米景気の先行きが懸念されるなか、前日のナスダックやS&P500の下落を嫌気して安く始まると、節目の3万8000円を割り込んで下げ幅を拡大。もっとも、本日は米半導体大手エヌビディアの決算を控えていることもあり、後場に入ると大引けにかけて下げ幅を縮小した。
・債券先物相場は上昇するも一時的。低調な米経済指標を受けて米景気の先行き懸念が高まる中、前日の米国債上昇の流れを引き継ぎ、140円33銭まで買いが先行した。しかしながらその後、日銀が26日実施した定例の国債買いオペは債券需給の緩みが意識される結果となったほか、時間外の米長期金利が上昇した影響もあり、次第に上値を切り下げた。
大阪3月限
日経225先物 38220 -20 (-0.05%)
TOPIX先物 2720.5 -5.0 (-0.18%)
日経225先物(3月限)は前日比20円安の3万8220円で取引を終了。寄り付きは3万7970円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7955円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。現物の開始時に3万8100円まで下げ幅を縮めたがリバウンド基調は強まらず、前場中盤にかけて3万7730円まで下げ幅を広げた。
ただし、売り一巡後は3万7730円~3万7900円処で保ち合いが続いた。下値の堅さがみられるなか、後場中盤以降はショートカバーとみられる買いが入り、終盤にかけて朝方につけた日中高値を突破し、3万8220円まで下げ幅を縮めて終えた。
日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ(3万8210円)と-3σ(3万7760円)によるレンジ内での推移ではあった。前場中盤に-3σまで下げた後は、後場終盤に-2σまで回復しており、引け味は悪くない。後場に入りアドバンテスト<6857.T>[東証P]がプラス圏を回復しており、エヌビディア<NVDA>の決算を前にハイテク株の一角には買い戻しが入ったとみられ、先物市場でも短期筋のカバーにつながったようだ。
-2σはナイトセッションで3万8100円、-3σは3万7610円まで下がってきており、早い段階で-2σを上回っておきたいところである。あすの早朝にはエヌビディアの決算が発表され、朝方の東京市場に影響を与えることになろう。トランプ米政権による半導体の対中規制強化が警戒されるなか、エヌビディアがポジティブな反応をみせてくるかが注目される。投資家の関心が集まることで、初動反応としてオーバーシュート気味の展開には注意しておきたい。
ネガティブな反応となれば、日経225先物は再び-3σ水準を捉えてくることになりそうだ。週足の-2σは3万7990円に位置しており、週末の終値で同水準を割り込むようだと、-3σの3万7380円辺りがターゲットとして意識されてくる可能性がある。再来週には3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていることもあり、リバランスの動きも入りやすくなるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.04倍に上昇した。一時13.99倍と昨年9月半ば以来の14.00倍を下回る場面もみられた。東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が1社で日経平均株価を123円ほど押し下げたが、アドバンテストの後場に入ってからの切り返しの影響もあり、NTショートを巻き戻す動きが入ったようだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万4075枚、ソシエテジェネラル証券が1万7520枚、サスケハナ・ホンコンが5916枚、ゴールドマン証券が3881枚、JPモルガン証券が3229枚、バークレイズ証券が3125枚、モルガンMUFG証券が3071枚、SBI証券が2657枚、みずほ証券が1977枚、日産証券が1919枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券2万3912枚、ソシエテジェネラル証券が1万7582枚、JPモルガン証券が5220枚、バークレイズ証券が4918枚、ビーオブエー証券が3903枚、モルガンMUFG証券が3585枚、ゴールドマン証券が3120枚、みずほ証券が1247枚、BNPパリバ証券が1029枚、SMBC日興証券が877枚だった。
本日のニューヨーク市場でのドル円は、中長期の移動平均線がいずれも下向きとなるなど上値の重いなか、米経済イベントを確認する展開か。
経済指標は、MBA住宅ローン申請指数や1月米新築住宅販売件数など住宅関連などが予定されている。通常であれば材料視されにくいかもしれないが、米景気不安が台頭しているため、予想や前回を下回る結果となった場合はドル売り材料される可能性はある。
金融当局者の講演予定は、NY時間午前にバーキン米リッチモンド連銀総裁が、午後にボスティック米アトランタ連銀総裁の2人。市場ではタカ派的と見られている両者だが、共に今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権はない。直近でバーキン総裁は「インフレが目標に戻るという確信が得られるまで、金融政策は緩やかな引き締め状態を維持すべき」などと発言。ボスティック総裁は、「不確実性は大きいものの、今年2回の利下げを予想」とハト派的な見解も述べている。足もとの金融情勢についてコメントがあれば材料視されるかもしれない。
そのほか引き続き、トランプ政権の関税を始めとした政策や、ウクライナ和平の進展状況には引き続き気を付けたいところである。なお、NY株式市場の引け後になるが、米半導体大手エヌビディアの決算が発表予定。結果次第では、リスクセンチメントの強弱に影響する恐れがある。流動性が薄くなる時間帯でもあり、念のため注意したい。
ドル円の日足チャートを見ると、21日移動平均線が200日線を下抜いてデッドクロスが出現。上値の重いムードの中では、株安や米長期金利の低下などを手がかりに下値を試しやすいと見る。ただ前週末以降148円台での底堅さを考慮すると、株高や金利上昇などがきっかけとなって買い戻しを誘う展開にも備えておきたいところ。
他方、NY時間午後にディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員が講演予定。市場予想通り政策金利が0.25%引き下げられた今月6日の英中銀(イングランド銀行・BOE)MPCでは、同委員は0.50%の大幅利下げを主張していた。24日にも「英国の消費は欧州の中で異常に弱い」「緩やかな金利引き下げのペースの定義が委員によって異なる」などと発言している。2日でスタンスが変わるとは思えないが、発言が伝われば念のため確認しておきたい。
想定レンジ上限
・ドル円、本日高値149.63円を超えると昨日高値150.30円
・ポンドドル、200日移動平均線1.2787ドル
想定レンジ下限
・ドル円、昨日安値148.57円を割り込むと心理的節目148.00円
・ポンドドル、5日高値1.2550ドル
今晩のニューヨーク株式市場は堅調か。
昨日はウォルマートやホーム・デポなどが上昇し、159.95ドル高(+0.37%)と2日続伸した一方、S&P500が0.47%安、ナスダック総合が1.35%安とともに4営業日続落した。弱い経済指標を受けて景気悪化懸念が強まり、グロース株からディフェンシブ株へのローテーションが強まった。ハイテク・グロース株はテスラが8.39%安となったほか、翌日引け後に決算を発表するエヌビディアも2.80%下落した。
米10年債利回りは前日の4.393%から4.296%に低下したものの、投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の18.98ポイントから19.43ポイントに上昇するなどセンチメントが悪化した。
今晩は堅調な展開か。S&P500やナスダック総合が4日続落したことで、押し目買いが期待されるほか、昨日までの3日間で9.62%安となったエヌビディアも、引け後の決算発表を控えた持ち高調整の買い戻しが期待できそうだ。足もとでは米国の景気悪化懸念の高まりがセンチメントの悪化につながっており、発表されるMBA住宅ローン申請指数や1月新築住宅販売件数などの経済指標や、寄り前に発表されるホームセンターのロウズやアパレルのTJXの決算やガイダンスにも要注目となる。
今晩の米経済指標はMBA住宅ローン申請指数、1月建設許可件数、1月新築住宅販売、EIA週間原油在庫など。このほかバーキン米リッチモンド連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁の講演も予定されている。決算発表は寄り前にロウズ、TJX、ワークデイ、引け後にエヌビディア、セールスフォースなどが発表予定。
国際原子力機関(IAEA)の報告書によると、イランの高濃縮ウラン備蓄量が50%増加しており、イランのウラン備蓄に「深刻な懸念」を表明していると一部通信社が伝えた。
日経平均株価は続落。安寄りスタートから下値を模索する展開が続いた。38000円を下回る時間帯が長く続いたが、後場は次第に持ち直して長い下ヒゲのたくり足を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の37.8%→31.8%(2/26)に低下。あすも低下しやすいタイミングとなり、引き続き下振れに警戒が必要となる。1/24高値(40279円)からの二段下げ目が続いているという認識である。一方、38000円前後は昨年11月以降で反転上昇してきた水準である。きょうの下ヒゲパターンは1月安値時と同様であり、目先的には自律反発も想定される。
上値メドは、200日移動平均線(38676円 2/26)、10日移動平均線(38901円 同)、25日移動平均線(39098円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)などがある。下値メドは、心理的節目の37500円、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、心理的節目の36500円、9/17安値(35828円)などがある。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.194%、応札倍率(カバー)が2.64倍となった。
(26日終値:27日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.14円(26日15時時点比▲0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.48円(▲0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0492ドル(△0.0001ドル)
FTSE100種総合株価指数:8731.46(前営業日比△62.79)
ドイツ株式指数(DAX):22794.11(△383.84)
10年物英国債利回り:4.502%(▲0.007%)
10年物独国債利回り:2.433%(▲0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲24.7 ▲22.6・改
2月仏消費者信頼感指数
93 92
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ポンドドルは堅調。英中銀(BOE)が利下げに動きにくくなるとの見方が高まる中、全般ポンド買いが先行。前日の高値1.2678ドルを上抜けると目先のストップロスを誘発し、一時1.2716ドルと昨年12月18日以来の高値を付けた。また、ポンド円は189.87円、ユーロポンドは0.8266ポンドまでポンド高に振れた。市場では「月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだポンド買いのフローが観測された」との指摘もあった。
・ドル円は上値が重かった。米10年債利回りが上昇に転じた場面では円売り・ドル買いが優勢となり一時149.89円と日通し高値を付けたものの、節目の150.00円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると、149.01円付近まで下押しした。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重し。
なお、三村財務官は「最近の円相場の動きとGDPや国内インフレデータの好調さとの間に乖離は見られない」「輸入価格の上昇は為替要因も一部影響している」などと述べた。
・ユーロドルは荒い値動き。独長期金利の低下などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが進行すると、22時前に一時1.0475ドルと日通し安値を付けた。ただ、前日の安値1.0456ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。ロンドン・フィキシングにかけてドル売りのフローが観測されたほか、米長期金利の低下もユーロ買い・ドル売りを促し一時1.0529ドルと日通し高値を付けた。
もっとも、トランプ米大統領が「欧州連合(EU)に対して25%の関税を課す」「EUへの関税は自動車や他のモノが対象になるとし、詳細は追って通知する」と発言すると、一転下落した。3時前には1.0483ドル付近まで押し戻された。
・ユーロ円は弱含み。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、しばらくは大きな方向感が出なかったが、トランプ米大統領の対EU関税を巡る発言が伝わると一転下落した。3時前には一時156.34円と日通し安値を更新した。
・メキシコペソは堅調。ドルペソは一時20.2901ペソ、ペソ円は7.34円までペソ高に振れた。トランプ米大統領が「対メキシコ・カナダ関税は4月2日に発動する」と発言したことを受けた。なお、トランプ氏は24日には「関税は予定どおり、スケジュール通りに進んでいる」と述べ、来月から両国に関税を課す意向を示していた。
・ロンドン株式相場は続伸。中国香港株の急伸を受けて英株にも買いが波及した。市場では「このところ相場は下落基調だったことから、自律反発狙いの買いも入りやすかった」との声が聞かれた。バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど金融株が買われたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は大幅に反発。中国株の上昇を受けて独株にも買いの流れが波及した。四半期決算が好調だったフレゼニウス(6.48%高)やミュンヘン再保険(4.82%高)などが買われ、相場の押し上げ要因となった。前日に急落したシーメンス・エナジー(8.54%高)も大幅高となり、指数の上昇に寄与した。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
26日の日経平均は続落。終値は95円安の38142円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり619/値下がり948。米エヌビディアの大幅安を受けてもアドバンテスト、SCREEN、ソシオネクストなど半導体株の一角が上昇。米長期金利の低下を手がかりに三井不動産や三菱地所など不動産株が軒並み高となった。期末配当見通しを引き上げた秋田銀行や上方修正と増配を発表したバイタルKSKが大幅上昇。上方修正、増配、株主優待導入を発表したJPHDが急騰し、ストップ高まで買われる場面もあった。
一方、ナスダック安を嫌気してソフトバンクGが大幅安。エヌビディアの大幅安を受けてディスコやレーザーテックが強めに売られた。米長期金利の低下を受けて、三菱UFJやみずほFGなどメガバンクが軟調。三菱商事や丸紅など前日買いを集めた商社株が一転売りに押された。暗号資産価格の下落に関連銘柄が神経質に反応しており、リミックスポイントやフィスコが急落。メタプラネットはストップ安となった。
日経平均は続落。前場はなすすべなく売られたが、後場は節目の38000円を意識した動きが見られた。売買代金トップとなったフジクラは3.3%高。前日にはデータセンター期待のはく落で大きく下げており、買いづらさはあった。そういった銘柄が軟調相場の中で存在感を示したことは特筆される。
本日米国市場の引け後に出てくるエヌビディアの決算および時間外の反応が注目される。好内容が確認できれば国内半導体株が見直されることで、あすの日経平均にプラスの影響が見込まれる。失望決算なら半導体株は嫌われるだろうが、全面安とならなければ底割れに対する警戒は後退する。きょうは一時37742円まで下げたものの終値は38142円で、ローソク足では長い下ヒゲをつけた。場中はリスクオフムードが強まりそうな雰囲気もあったが、終わってみれば東京エレクトロン1銘柄の下げで説明がつく程度の下げまで持ち直している。調整一巡から反転攻勢の展開に期待したい。
財務省幹部は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催されている南アフリカ・ケープタウンで記者団に対して「為替の過度な変動に警戒を続けていく必要」「世界経済の不透明性は高い」などと述べた。
26日13:14 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)の利下げ停止の議論は、時期尚早」
27日00:23 シェインバウム・メキシコ大統領
「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の見直しは予定されている2026年より前倒しされる可能性」
「メキシコの財務省は米国財務長官と協議を行っている」
「メキシコの安全保障当局者が27日にワシントンで会合を行う予定」
27日01:52 トランプ米大統領
「インフレは高金利の影響で一部低下している」
「ゼレンスキー・ウクライナ大統領が28日に訪米する」
「卵やその他の物の価格を下げなければならない」
27日02:22
「関税は止めない」
「中国、ロシア、中東と良好な関係を築く」
「中国は米国を利用することはできない」
「中国との関係は非常に良好になる」
「中国に米国への投資を期待している」
「習近平主席と良好な関係を築く」
「対メキシコ・カナダ関税は4月2日に発動」
「EUへの関税を25%に決定」
「EUは関税に対して報復を試みるかもしれない」
「EUへの関税の詳細はまもなく発表される」
27日01:55 三村財務官
「最近の円相場の動きとGDPや国内インフレデータの好調さとの間に乖離は見られない」
「輸入価格の上昇は為替要因も一部影響している」
「日本銀行が強い経済指標とヘッドラインインフレ数値を考慮して金融政策の見通しについてメッセージを発信していると理解」
27日02:34 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「FRBの政策は引き締め的であり、引き締め的な状態を維持する必要」
「FRBは現状を維持し、世界の状況がどのように変化するかを見守る必要」
「雇用の均衡点の推定値は低く、75000-100000人程度」
「労働市場は緩和しているが、まだ緩和したとは言えない」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○09:00 ◇ 2月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 10-12月期豪民間設備投資(予想:前期比0.8%)
○16:00 ◇ 1月トルコ貿易収支(予想:77.0億ドルの赤字)
○16:45 ◇ 2月仏卸売物価指数(PPI)
○17:00 ◎ 10-12月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.2%/前年比1.6%)
○18:30 ◇ 1月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比1.0%)
○19:00 ◎ 2月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:96.0)
○19:00 ◎ 2月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲13.6)
○21:00 ◇ 1月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.70%)
○21:00 ◇ 1月メキシコ貿易収支(予想:36.39億ドルの赤字)
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(1月29-30日分)
○22:15 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30 ◇ 10-12月期カナダ経常収支(予想:37.5億カナダドルの赤字)
○22:30 ☆ 10-12月期米国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比年率2.3%)
○22:30 ◎ 10-12月期米個人消費(改定値、予想:前期比年率4.1%)
○22:30 ◎ 10-12月期米コアPCE(改定値、予想:前期比年率2.5%)
○22:30 ◎ 1月米耐久財受注額(予想:前月比2.0%/輸送用機器を除く前月比0.3%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.1万件/187.2万人)
○23:15 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○24:00 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○24:00 ◎ 1月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲0.9%/前年比▲1.1%)
○28日01:45 ◎ ボウマンFRB理事、講演
○28日03:15 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○28日05:15 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(南アフリカ・ケープタウン、最終日)
○米英首脳会談(ワシントン)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
時間外でエヌビディア株が急伸。四半期決算で1株利益などが予想を上回る内容だったことを受けて一時4%超上昇している。
(26日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.10円(前営業日比△0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.33円(▲0.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0485ドル(▲0.0029ドル)
ダウ工業株30種平均:43433.12ドル(▲188.04ドル)
ナスダック総合株価指数:19075.26(△48.87)
10年物米国債利回り:4.25%(▲0.04%)
WTI原油先物4月限:1バレル=68.62ドル(▲0.31ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2930.6ドル(△11.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲1.2% ▲6.6%
1月米新築住宅販売件数
(前月比) ▲10.5% 8.1%・改
(件数) 65.7万件 73.4万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロ円は続落。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、しばらくは大きな方向感が出なかった。ただNY午後に入り、トランプ米大統領が「欧州連合(EU)に対して25%の関税を課す」「EUへの関税は自動車や他のモノが対象になるとし、詳細は追って通知する」と発言すると売りが優勢となった。前日の安値156.09円を下抜けて一時156.04円まで値を下げた。
トランプ米政権の関税政策の影響が懸念され、高く始まった米国株相場が失速。ナイト・セッションの日経平均先物も下げに転じたことから、リスク・オフの円買い・ユーロ売りが進んだ。市場では「トランプ米大統領の高関税政策を背景に、消費者の景況感やインフレへの懸念を示す経済指標が相次いでいる。底堅さを保っていた米景気の先行きに対し、金融市場で不安が広がり始めた」との声が聞かれた。
・ドル円は3日ぶりに小反発。米10年債利回りが上昇に転じた場面では円売り・ドル買いが優勢となり一時149.89円と日通し高値を付けたものの、節目の150.00円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。市場では「月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測された」との指摘もあった。
その後、トランプ米大統領の関税を巡る発言が伝わると米国株相場の失速とともに米10年債利回りが一時4.2429%前後と昨年12月11日以来の低水準を更新。ドル円にも売りが出て一時148.81円付近まで下押しした。もっとも、アジア時間に付けた日通し安値148.63円や前日の安値148.57円がサポートとして意識されると149円台前半まで買い戻された。
なお、三村財務官は足もとの円高・ドル安傾向について「最近の経済指標や日銀の今後の金融政策に関する発信と基本的に齟齬はない」と述べ、理解を示した。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったほか、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると一時1.0529ドルと1月27日以来の高値を付けた。
ただ、トランプ米大統領の対EU関税を巡る発言が伝わると一転下落。6時30分頃に1.0479ドル付近まで押し戻された。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。このところ下げが目立っていたハイテク株の一角に見直し買いが入り、相場は上昇して始まったが、NY午後に入り失速した。トランプ米大統領がEUに対し関税を課す考えを示すと、貿易戦争や世界経済への悪影響を警戒した売りが広がった。指数は一時300ドル超下落する場面があった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは6日続伸。米政権による関税政策を巡る不透明感を背景に、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。利回りは一時4.2429%前後と昨年12月11日以来の低水準を付けた。
・原油先物相場は続落。ロシア産原油の供給が増えるのではとの思惑から売りが強まった。EIA週間在庫統計ではガソリンの在庫が増加した一方、原油は取り崩しとなるなど強弱入り混じる内容だった。
・金先物相場は反発。昨日と同様に利益確定売りが先行したが、一巡後は買い戻しが優勢に。米関税政策への警戒感から安全資産とされる金の需要が高まった。
26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが上昇に転じた局面では149.89円まで上昇したものの、米国株相場の失速とともに米10年債利回りが4.2429%前後まで低下したことで、148.81円付近まで下押しした。ユーロドルは米長期金利の低下やロンドン・フィキシングに絡んだドル売りで1.0529ドルまで上昇した後、トランプ米大統領の対EU関税を巡る発言で1.0479ドル付近まで押し戻された。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りが低下基調にあることで下値を探る展開が予想される。
トランプ関税に関しては、メキシコとカナダに対する関税発動が3月4日からを4月2日に再延期され、「EUに対して自動車や他のモノに25%の関税を課すが、詳細は追って通知する」とのことで、本日も突発的な発言には警戒しておきたい。
昨日の米10年債利回りは、東京時間には、米下院でトランプ大統領の看板政策である4.5兆ドル規模の大型減税や債務上限の4兆ドルの引き上げなどを含んだ予算決議案が可決されたことで、4.33%台まで上昇し、ドル円も149円台後半まで上昇した。しかし、海外市場では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ懸念よりも、景気鈍化懸念に軸足を置いて追加利下げを継続するのではないか、との見方から4.24%台まで低下し、ドルの上値を抑えている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している0.25%の追加利下げ時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)に前倒しされており、9月FOMCでも追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)が見込まれており、12月FOMCでの追加利下げ(-0.25%=3.50-75%)の確率も徐々に上昇しつつある。
今週の注目ポイントである明日発表の米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分は、前年比+2.5%と予想されており、12月の同比+2.6%からの伸び率鈍化が見込まれており、予想通りならば、今年の利下げ回数が3回になる可能性を高めることになる。
一方で、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆する日銀の0.75%への追加利上げ時期は、5月の日銀金融政策決定会合となっている。
1月の日本の物価指数(※前年比)は、以下の通りインフレ目標2%を超えている。
・総?④PI(+4.0%)、コアCPI(+3.2%)、企業向けサービス価格指数(+3.1%)、企業物価指数(+4.2%)、輸入物価指数(+2.3%)
※基調的なインフレ率を捕捉するための指標:刈り込み平均値(+2.2%)、加重中央値(+1.4%)、最頻値(+1.3%)
2月21日に長期金利の上昇に歯止めをかけた植田日銀総裁は、「総合指数は4%に乗せたが、基調的な物価上昇率はまだ2%を少し下回っている。基調的な物価の上昇が続くことになれば、引き続き金融緩和度合いの調整を続けていきたい」と述べており、「刈り込み平均値」の前年比+2.2%への上昇は、日銀の追加利上げ観測を高めている。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38060 -160 (-0.41%)
TOPIX先物 2707.0 -13.5 (-0.49%)
シカゴ日経平均先物 38055 -165
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
26日の米国市場はNYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。トランプ米大統領が欧州連合(EU)からの輸入品に25%の関税を課す方針を表明したことで、貿易戦争や世界経済への悪影響を警戒した売りが優勢となった。また、1月の米新築住宅販売が前月比10.5%減の65万7000戸と、市場予想(68万戸程度)を下回ったことも重荷となり、NYダウは3日ぶりに下落。
このところ下げが目立っていたハイテク株には値頃感から買いが入り、ナスダック指数は5日ぶりに反発した。なお、注目を集めていたエヌビディア<NVDA>の2024年11月~25年1月期決算は、AI半導体の需要が底堅く、売上高および見通しも市場予想を上回った。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほか、マイクロソフト<MSFT>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ウォルト・ディズニー<DIS>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、メルク<MRK>、アムジェン<AMGN>、アップル<AAPL>が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比165円安の3万8055円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比10円安の3万8210円始まり、その後はロング優勢となり、3万8300円を回復。米国市場の取引開始直後に3万8110円まで下げた後に切り返し、中盤にかけて3万8470円まで買われる場面もみられた。ただし、買い一巡後はショートの動きが強まり3万7920円まで下落幅を広げた。終盤にかけてはショートカバーにより下げ渋り、3万8060円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。トランプ氏の対EU関税発言を受けて節目の3万8000円を割り込む場面もみられたが、その後はボリンジャーバンドの-2σ(3万8080円)水準で下げ渋る動きとなったことで、売り一巡後は3万8000円処での底堅さが意識される可能性はありそうだ。
ただし、エヌビディアは時間外取引で一時4%超の上昇をみせたものの、その後マイナスに転じる場面もあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への影響は限られそうである。米国ではナスダック指数が5日ぶりに反発したものの、積極的なロングを手控えさせそうである。
もっとも、エヌビディアの予想を上回る決算によってショートも仕掛けづらく、-2σ水準で底堅さがみられるようだと、短期的ながらリバウンド狙いのロングに向かわせる展開がありそうだ。バンドは下向きで推移しているものの、-2σと-1σ(3万8570円)によるレンジが意識されよう。
そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円のレンジを想定する。3万8000円を割り込む局面では、権利行使価格の3万7875円処をサポートとした押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
26日の米VIX指数は19.10(25日は19.43)に低下した。概ね18.00~20.00辺りの推移であり、トランプ氏の関税発言を受けても急伸する流れにならなかったことは安心感につながりそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.04倍に上昇した。東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が日経平均株価を押し下げ、一時13.99倍と昨年9月半ば以来の14.00倍を下回る場面もみられた。その後はアドバンテスト<6857.T>[東証P]の後場に入ってからの切り返しの影響もあり、NTショートを巻き戻す動きが入ったようだ。エヌビディアのインパクトは限られそうだが、前日に14.00倍を下回ったこともあり、リバランスでNTロングに振れやすくなろう。
東京市場は小動きか。米国株はダウ平均が下落、S&P500とナスダックが上昇とまちまち。ダウ平均は188ドル安の43433ドルで取引を終えた。小高く始まり上げ幅を広げる場面もあったが、買いが続かず失速して下げに転じた。S&P500やナスダックも似たような動きではあったが、これらは下げに転じたところで持ち直し、小幅ながらプラスを確保した。決算発表を前にエヌビディアは大幅高。引け後の決算を受けて時間外では小幅に上昇している。ドル円は足元149円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて165円安の38055円、ドル建てが145円安の38075円で取引を終えた。
時間外のエヌビディアに値幅がそれほど出ていないだけに、本日の米国市場での反応を見極めたい局面。米3指数の方向がそろっておらず、日本株は強弱感が交錯しそう。日経平均はきのう取引時間中には37700円台まで下落したものの、終値では38100円台まで値を戻した。38000円を下回るようなら押し目は拾われるとみる。一方、半導体株にそこまで大きな期待は持てないことから、上値は重いだろう。振れ幅が大きくなればそれを修正する動きが出てきて、前日終値近辺での一進一退が続くと予想する。日経平均の予想レンジは37850円-38300円。
今週に入ってからのドル円は、東京時間に本邦実需の買いで上値を試すものの、NY勢が参入すると戻り売りに押されるリズムが続いていますが、需給と米長期金利の動向を受けてのレンジ相場。ただ、25日にチャート上での重要なサポートレベルとして意識されていた12月3日の安値148.65円を下抜けて148.57円まで値を下げて以降、下値を試す動きは失敗。昨日は東京時間に148.63円、NY時間に入って148.81円、そして本日の東京市場では148.75円と149円割れを3度トライしたにもかかわらず、しっかりと下値を切り上げる動きとなっています。
本日はこれまで、NVIDIA決算というイベントをこなした日経平均が落ち着いた動きとなっているほか、米10年債利回りもポジション調整からか2bpの上昇とあって、NY時間安値からの戻り高値149.23円を上抜けて一時149.40円まで買い戻されているといったところです。
いずれにしても、ドル円は目先の底値を確認して下値をしっかりと固めているような動きとなっているなか、連日お伝えしている通り、本邦実需の月末絡みの買い需要がかなり高水準であることは明らか。チャート上では一目転換線が150.48円まで下りてきているなか、市場では新たな展開に向けたエネルギーが溜まりつつあるのかもしれません。
日経225先物は11時30分時点、前日比10円安の3万8210円(-0.02%)前後で推移。寄り付きは3万8180円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8055円)を上回る形で、やや売りが先行して始まった。中盤にかけてリバウンドの動きが強まり、3万8390円とプラスに転じる場面もみられたが積極的なロングは限られ、終盤にかけては3万8090円と再び下落に転じた。ただし、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8110円)水準での底堅さがみられるなか、前日終値水準での推移となった。
日経225先物はエヌビディア<NVDA>の決算評価の流れもあり、中盤にかけて自律反発狙いのロングが優勢になったようだ。しかし、買い先行で始まった東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が上げ幅を縮め、アドバンテスト<6857.T>[東証P]は下落に転じるなかで神経質にさせた。-2σ水準での底堅さがみられているが、-1σ(3万8590円)を意識したロングは強まりにくいだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.99倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が買われるなか、14.07倍に上昇して始まり、14.09倍をつける場面もみられた。その後はハイテク株の不安定な値動きのほか、セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>[東証P]が11%を超える大幅な下落となり、日経平均型の重荷となった。
中国は向こう数カ月以内に、複数の大型国有銀行に資本注入を行う計画に着手するもようだ。昨年発表した大規模な景気刺激策の一環とみられる。事情に詳しい関係者によれば、第1弾として中国農業銀行(01288/601288)と交通銀行(03328/601328)などに少なくとも4000億元の新規資本を注入する。資本注入は早ければ6月末までに完了する見込み。ただ、各銀行への注入額などの細目は調整中であり、今後計画が変更される可能性もあるという。香港経済紙『信報』が外電を引用する形で伝えた。
同計画が実施されれば、中国は10年以上ぶりに大型商業銀行の資本を増強することになる。6大国有銀行の狭義の中核的自己資本(コアTier1)の比率は依然として高水準を維持しているが、中国政府は住宅ローン金利の全面引き下げや政策金利の引き下げを含む刺激措置を実施しており、銀行業界は歴史的低水準の純金利マージンや利益縮小、不良債権の増加といった課題に直面している。
中国当局は銀行システムへの資本注入により経済成長に向けた融資能力の増強を目指している。中国財政部は昨年10月、特別国債を発行して大手国有銀行への資本注入に充てる方針を明らかにした。
2月25日、米下院(435議席:共和党218議席・民主党215議席・欠員2)は、トランプ大統領の看板政策である4兆5000億ドル規模の大型減税を含んだ予算決議案を賛成多数(賛成217票 対 反対215票)で可決した。共和党の財政保守派の議員1名が反対し、民主党は1名が棄権した。
規制緩和やエネルギー増産を進めることで、経済成長を促進して税収を増やす方針だが、経済成長見通しの甘さや財政赤字膨張への懸念から、今後、各委員会が削減項目などの詳細を詰めることになるものの、審議は難航が予想されている。
1. 減税・雇用法(TCJA:Tax Cuts and Jobs Act):4.5兆ドル
2017年に第1次トランプ米政権が主導して成立したアメリカの大規模な税制改革法案は、2025年末に期限を迎えるが、今回の採決により、2034年度まで延長されることになる。
法案には2兆ドルの歳出削減が盛り込まれており、目標に達しなければ減税規模も圧縮される条件が付けられた。
野党民主党は「米史上最大のメディケイド(低所得者向け医療保険)削減が含まれる」として215人が反対し、1名が棄権した。
米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」は、法案について、「2.8兆ドルの財政赤字増へ道を開いた可能性がある」と懸念を表明した。
「責任ある連邦予算委員会」の試算によると、トランプ米大統領の政策を全て実行した場合、今後10年間で約7兆~16兆ドルの追加的な財政負担が必要になる。
財源としては、トランプ関税の引き上げ、グリーン・ニューディールの廃止、政府支出の無駄撤廃、一部政府機関の縮小・廃止などが挙げられている。
第1次トランプ米政権の財政赤字は、約8兆ドル拡大していた。
2.債務上限引き上げ:36兆ドル+4兆ドル=40兆ドル
2025年1月2日に復活した債務上限(約36兆ドル)に関しては、財務省は会計上の措置を通じて夏ごろまではデフォルト(債務不履行)は回避できると表明している。
2025年1月末時点の債務残高は、36兆2186億ドルとなっている。
共和党の財政保守強硬派「フリーダムコーカス」は、昨年12月の「つなぎ予算」では、債務上限の引き上げに反対したものの、今回は賛成に回った。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、2024年度の連邦政府の公的債務利子が累計で初めて1兆ドルを超え、1.2兆ドルとなった。
発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
大和総研では、2024年10-12月期のGDP1次速報の公表を受けて、経済見通しを改訂。メーンシナリオにおける実質GDP成長率は、2024年度+0.7%、2025年度+1.3%、2026年度+1.1%、暦年ベースでは2025年+1.5%、2026年+1.1%と見込んでいる。実質賃金は上昇基調が明確になり、2026年度にかけて前年比+1%程度で推移すると予想。賃上げと価格転嫁の循環などにより、CPI上昇率の基調は同+2%程度で安定すると見込んでいる。ただし、米トランプ新政権の政策や大幅な円高など、外部環境の変化には警戒が必要と指摘している。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ関税への警戒感が上値を抑える中、ウクライナ停戦への期待感から底堅い展開が予想される。
欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(1月29-30日分)では、3月ECB理事会での2.50%への追加利下げの可能性を見極めることになる。
タカ派のシュナーベルECB専務理事は、「利下げ休止か停止の可能性がある局面に近づいている。そこまで来ているとは言わないが、議論を始める必要がある」と述べており、利下げ休止のタカ派的な見解とハト派的な見解との議論を見極めることになる。
ECBが25日発表した昨年10-12月期の妥結賃金は、前年同期比4.1%上昇となり、前四半期の5.4%の上昇から低下していたことで、追加利下げ観測が高まっている。
トランプ関税に関しては、昨日、トランプ米大統領が「欧州連合(EU)に対して25%の関税を課す。EUへの関税は自動車や他のモノが対象になるとし、詳細は追って通知する」と述べたことで、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
ウクライナ停戦に向けた協議が進展している。
・24日:トランプ米大統領とマクロン仏大統領との首脳会談
「われわれが賢明であれば、数週間以内に戦争を終わらせられる」
・25日:スターマー英首相とマクロン仏大統領との首脳会談
「ウクライナの恒久的な和平に向けたトランプ米大統領のリーダーシップを歓迎する」
・27日:トランプ米大統領とスターマー英首相との首脳会談
・28日:トランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領との首脳会談
明日はゼレンスキー・ウクライナ大統領が訪米して、米国による安全保障支援の継続に向けたレアアース(希土類)などの資源権益の協定案に署名する見通し、と報じられている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0630ドル(2024/12/6高値)
・ユーロ円:157.85円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0416ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:155.61円(2/10安値)
ドル円:1ドル=149.34円(前営業日NY終値比△0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=156.28円(▲0.05円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0465ドル(▲0.0020ドル)
日経平均株価:38256.17円(前営業日比△113.80円)
東証株価指数(TOPIX):2736.25(△19.85)
債券先物3月物:139.52円(▲0.20円)
新発10年物国債利回り:1.390%(△0.025)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。朝方に148.75円まで弱含んだが、時間外の米10年債利回りの上昇が支えとなったほか、仲値公示に向けた買いもあり、149.40円まで上昇した。その後は弱めの2年債入札を受けて新発10年物国債利回りが1.40%前後まで上昇したこともあり下押すも149.00円台までとなり、売りが一巡すると15時過ぎに149.42円まで一段と上昇して日通し高値を更新した。
・ユーロドルは弱含み。時間外の米長期金利の上昇を受けたドル買いが重しとなり、1.0459ドルまでじりじりと値を下げた。
・ユーロ円はもみ合い。仲値後も上昇したドル円に連れて156.54円まで値を上げるも一時的となり、その後はユーロドルが下押した影響を受けて155.95円まで下押し。ただ、その後は日経平均のプラス圏回復もあって156.30円台に値を戻すなど、やや主体性を欠いた。
・日経平均株価は小幅高。高く始まった後で一時マイナス圏に沈むも、足元の底堅さが意識されて買いが入った。もっとも特段の好材料が乏しい中では上昇の勢いは限定的であった。なお、早朝に発表された米半導体大手エヌビディアは良好な決算が確認されたが影響は限定的であった。
・債券先物相場は反落。前日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで139円78銭まで上昇するも、一時的。その後は時間外の米長期金利が上昇したことを受けた債券売りが入ったほか、2年債入札の弱い結果が国債売りを促すと、139円27銭まで下落する場面も見られた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
インフレは目標に留まるなかでRBAの「タカ派姿勢」はどうなる?
コアインフレなどRBAが重視する指標は伸び加速も、豪ドルの対米ドル相場は動意の乏しい展開へ
オーストラリアでは、準備銀行(RBA)が今月の定例会合でコロナ禍一巡後初の利下げに動いた。この背景には、長期化する高金利政策による内需鈍化に加え、外需も低迷するなど景気の不透明感が高まっていることがある。さらに、一時は33年ぶりの高水準となったインフレも頭打ちするとともに、RBAが重視するすべてのインフレ指標が目標域に収まるなど落ち着きを取り戻す動きが確認されたことも後押ししたと捉えられる。
しかし、利下げ決定にも拘らずRBAは「タカ派」姿勢を示し、ブロック総裁も同様にタカ派的な発言を行うなど慎重姿勢を維持する考えをみせた。これは足下の雇用環境が堅調さを維持しており、1月の雇用統計も正規雇用を中心とする堅調さが確認された。企業マインドも幅広く改善するなど堅調さをうかがわせる動きがみられる。他方、1月のインフレ指標はすべて目標域で推移している一方、コアインフレ率や物価変動の大きい財と観光を除いたベースの伸びは加速して目標の上限に近づく動きがみられる。非貿易財を中心にインフレの粘着度の高さがうかがえる上、上昇圧力に晒される可能性に留意する必要がある。
足下の国際金融市場では、RBAのタカ派姿勢が豪ドルの対米ドル相場を押し上げているが、当面は米FRBもRBAもともにタカ派姿勢を強めるなかで方向感の乏しい展開が続く可能性がある。対日本円では日銀の追加利上げが意識されるなか、金融政策の方向性の違いが相場の重石となる展開となると見込まれる。
大阪3月限
日経225先物 38300 +80 (+0.20%)
TOPIX先物 2738.5 +18.0 (+0.65%)
日経225先物(3月限)は前日比80円高の3万8300円で取引を終了。寄り付きは3万8180円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8055円)を上回る形で、やや売りが先行して始まった。前場中盤にかけてリバウンドの動きが強まり、3万8390円とプラスに転じる場面もみられたが積極的なロングは限られ、前場終盤にかけては3万8090円と再び下落に転じた。後場中盤には3万8070円まで下げたが、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8110円)水準や節目の3万8000円接近での底堅さがみられるなか、終盤にかけてプラス圏での推移が続いた。
日経225先物はエヌビディア<NVDA>の決算評価の流れもあり、前場中盤にかけて自律反発狙いのロングが優勢になったようだ。しかし、買い先行で始まったアドバンテスト<6857.T>[東証P]が買い一巡後に下落に転じるなかで神経質にさせており、積極的なロングの動きは限られた。
ただし、円相場が早朝の1ドル=148円台から149円台半ばへと円高が一服し、輸出関連株への物色に向かわせた。日経225先物は-2σを上回って推移しショートを仕掛けづらくさせるなか、直近の大幅な調整に対する自律反発狙いのロングも意識され、終盤にかけてのショートカバーを交えた、ややロング優勢の動きとなったようだ。
日経225先物は、バンドが下向きで推移しているものの、-2σと-1σ(3万8600円)でのレンジが意識される。トランプ米政権の関税政策による世界経済への影響が警戒されるなか、大きくロングに傾くことは期待しづらいが、ウクライナのゼレンスキー大統領は28日に訪米し、トランプ大統領と会談する予定であり、地政学リスクは後退する可能性がある。直近の調整局面でショートに傾いているポジションについては、いったんニュートラルに近づけてくる可能性があるだろう。
そのため、リバランスが中心とみられるが、-1σおよび3万8560円辺りで推移している200日移動平均線を捉えてくる展開も想定しておきたいところである。オプション権利行使価格の3万8250円から3万8500円辺りで煮詰まり感が意識されてくるようだと、リバウンド基調が強まることが期待されそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.98倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が買われるなか、14.07倍に上昇して始まり、14.09倍をつける場面もみられた。その後はハイテク株の不安定な値動きのほか、セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>[東証P]の大幅な下げが日経平均型の重荷となった。一方で、為替の落ち着きから輸出関連株が買われるなど、相対的にTOPIX型優位となった。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が1万8929枚、ソシエテジェネラル証券が1万5570枚、サスケハナ・ホンコンが5240枚、JPモルガン証券が2882枚、モルガンMUFG証券が2240枚、バークレイズ証券が2155枚、SBI証券が2132枚、日産証券が2036枚、ドイツ証券が1522枚、野村証券が1189枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1374枚、ソシエテジェネラル証券が1万7101枚、バークレイズ証券が5441枚、JPモルガン証券が5299枚、モルガンMUFG証券が3387枚、ゴールドマン証券が2544枚、ビーオブエー証券が1862枚、野村証券が1417枚、日産証券が854枚、SMBC日興証券が640枚だった。
本日のニューヨーク為替市場では、複数の米経済指標や金融当局者の講演内容を確認しながらの取引か。ドル円は本日も含めて5営業日連続で148円台では下げ止まった。月末に絡んだフローにもよるが、本日に関しては経済データの上振れやタカ派的な発言内容により敏感に反応するかもしれない。また、G20財務相・中銀総裁会議から伝わるニュースや、米英首脳会談も注目される。
経済指標は、10-12月期の国内総生産(GDP)や個人消費とコアPCE、また1月耐久財受注額と週間の失業データなどが発表予定。四半期データは改定値ではあるものの、速報値では予想より弱かったGDPや、強かった個人消費の結果には目を向けておきたい。また、前週分の米新規失業保険申請件数は前回から悪化が見込まれており、こちらの振れ具合にも要注意か。
当局者発言は、バーキン米リッチモンド連銀総裁、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長がNY午前に予定されている。その後、ボウマンFRB理事、ハマック米クリーブランド連銀総裁、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁らも講演予定。このところ急速に進んだ金利低下や中立金利への各自の見解を見定めたい。
なおCMEのフェドウォッチによれば、今年残り7会合を残すFRBが「0.25%利下げ1回のみ」を見込む向きは2割強と少数派。残りは合計で2回または3回の利下げを織り込んでいる。
本日はトランプ米大統領とスターマー英首相がホワイハウスで会談する。話し合う内容は、ウクライナ情勢と二国間貿易がメインとなる見込み。先日はマクロン仏大統領がしっかりと意見をトランプ氏に伝えた印象があり、今度はスターマー首相が(ロシア寄りの姿勢を見せる)米大統領に何を述べるのかが興味深い。また英国に対する関税について、トランプ大統領の考えも注視する必要があるだろう。
想定レンジ上限
・ドル円、21日高値150.74円
想定レンジ下限
・ドル円、25日安値148.57円
本日のニューヨーク株式市場は底堅い展開か。
昨日は引け後に決算発表を控えるエヌビディアが上昇しナスダック総合が0.26%高と5日ぶりに反発し、S&P500も0.01%高とわずかに上昇した。一方、トランプ米大統領がEUに対する輸入関税を課す計画を示したことが嫌気されダウ平均が188.04ドル安(-0.43%)と3日ぶりに反落した。引け後の動きではエヌビディアが時間外で1.5%下落。予想を上回る決算やガイダンスを発表したものの、株価は売りが優勢だった。
今晩は底堅い展開か。昨日の時間外ではエヌビディアが下落したものの、決算やガイダンスは予想を上回った。AIラリーの終焉を示唆する結果とはならず、AI関連株に対する過度な警戒感が和らぐことが期待される。一方、足もとでは複数の弱い経済指標を受けて米国の景気悪化懸念が再び強まっており、今晩発表される10-12月期GDP改定値や新規失業保険申請件数、1月耐久財受注などの経済指標が注目される。利下げ見通しを巡っては、金曜日に発表される1月個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まっており、PCE価格指数の発表を控えて様子見姿勢も強まりそうだ。
米経済指標は1月耐久財受注、10-12月期GDP改定値、新規失業保険申請件数、1月中古住宅販売仮契約指数、2月カンザスシティー連銀製造業活動指数など。このほかバー米連邦準備理事会(FRB)副議長、ボウマンFRB理事、バーキン米リッチモンド連銀総裁、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁など講演も予定されている。決算発表は寄り前にイーベイ、ワーナー・ブロス、引け後にHP、デルなどなどが発表予定。
日経平均株価は反発。上値と下値ともに限定的だったが、前日の長い下ヒゲに続いて底堅い推移となった。
RSI(9日)は前日の31.8%→17.8%(2/27)に低下。あすは上昇しやすいタイミングとなり、5日移動平均線(38418円 2/27)を超えられるかが焦点となる。
短期的な見方は前日から大きな変化はない。1/24高値(40279円)からの二段下げ目が続いているという認識である。一方、38000円前後は昨年11月以降で反転上昇してきた水準である。前日の下ヒゲパターンは1月安値時と同様であり、目先的には自律反発も想定される。
上値メドは、200日移動平均線(38676円 同)、10日移動平均線(38831円 同)、25日移動平均線(39068円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)などがある。下値メドは、2/26安値(37742円)、心理的節目の37500円、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、心理的節目の36500円、9/17安値(35828円)などがある。
27日の日経平均は3日ぶり反発。終値は113円高の38256円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1222/値下がり380。前日強い動きを見せたフジクラが商いを伴って連日で大幅上昇。半導体株の一角が強く、キオクシアやソシオネクストが2桁の上昇率となった。社長退任観測が報じられた日産自動車が、再建交渉の進展期待から大幅上昇。トヨタ、SUBARU、スズキなど自動車株には強く買われる銘柄が多かった。防衛省から大型契約を獲得したと発表したアストロスケールがストップ高。セブン&アイの買収提案に関する検討を終了したと発表した伊藤忠が4%を超える上昇となった。
一方、セブン&アイは11.7%安と派手に下げた。半導体株は強弱まちまちとなっており、エヌビディア決算を前に前日期待買いが入っていたアドバンテストが強めに売られた。柏崎刈羽原発に関するニュースを材料に東電HDが4%を超える下落。今期は最終赤字に転落する見込みとなった栃木銀行が急落した。
日経平均は3日ぶり反発。今週はエヌビディアの決算が注目を集めるスケジュールであったが、決算発表後のエヌビディアの時間外の反応が小動きであっただけに、方向感が定まらなかった。本日の米国市場でエヌビディアがどう動くかが注目されるが、決算自体は良好であっただけに、仮に米国株が下げたとしても、あすの日本株は冷静に対応すると考える。なお、米国の26日引け後にはエヌビディアだけでなくセールスフォースも決算を発表しており、こちらは時間外で大幅安。ダウ平均構成銘柄でもあり、米国株はこちらの反応を嫌気するかもしれない。
現状では日本株を積極的に買う理由は見当たらないものの、日経平均はこれまで同様に38000円近辺では底堅くなってきた。ドル円の150円割れは気になるものの、今のところ円高加速とまではなっておらず、底割れに対する懸念は和らぎつつある。あすは大崩れしないことが重要となるが、その上で、5日線(38418円、27日時点)辺りまで水準を切り上げる動きが見られるかに注目したい。
(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.96円(27日15時時点比△0.62円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.07円(▲0.21円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0407ドル(▲0.0058ドル)
FTSE100種総合株価指数:8756.21(前営業日比△24.75)
ドイツ株式指数(DAX):22550.89(▲243.22)
10年物英国債利回り:4.512%(△0.010%)
10年物独国債利回り:2.413%(▲0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月仏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.7% 0.9%・改
10-12月期スイス国内総生産(GDP)
(前期比) 0.2% 0.4%
(前年比) 1.5% 1.9%・改
2月ユーロ圏消費者信頼感指数
(確定値) ▲13.6 ▲13.6
2月ユーロ圏経済信頼感指数
96.3 95.3・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。米長期金利の上昇などを手掛かりに、欧州勢が円売り・ドル買いで参入。前日の高値149.89円を上抜けて一時149.97円まで値を上げた。そのあとは149.37円付近まで下押しする場面もあったが、下値は限定的だった。
トランプ米大統領はこの日、自身のSNSに「メキシコとカナダに対する関税は3月4日に発動。中国に対しても同日に10%の追加関税を課す」と投稿。米国内での物価上昇圧力につながる一方、世界経済に悪影響が及ぶ可能性が改めて意識されて、全般ドル買いが活発化した。節目の150.00円を上抜けて一時150.16円まで上値を伸ばした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.28まで上昇した。
なお、植田和男日銀総裁は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で「不確実性の高さを指摘する参加者多かった」「(米国経済政策)まだ不確実なところ非常に多い」「長期金利が急上昇するような例外的な状況では機動的にオペを打っていく」などと話した。
・ユーロドルは下落。しばらくは1.04ドル台後半でのもみ合いが続いていたが、関税巡るトランプ米大統領のSNS投稿をきっかけに全般ドル買いが優勢になると一時1.0400ドルと日通し安値を更新した。トランプ氏は前日には「欧州連合(EU)からの輸入品に対する関税について近く公表する」「税率は一般的に言って25%になるだろう」などと述べていた。
なお、この日発表の10-12月期米GDP個人消費やコアPCEの改定値、1月米耐久財受注額は予想上回った一方、前週分の米新規失業保険申請件数や1月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)は予想より弱い内容となるなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロ円は頭が重かった。ドル円の上昇につれた買いが先行すると一時157.22円と本日高値を付けたものの、ユーロドルの下落につれた売りが出ると155.76円の本日安値まで下落した。
・ロンドン株式相場は3日続伸。米関税政策への警戒感から売りが先行したものの、ロールス・ロイス・ホールディングスなど好業績銘柄の一角に買いが入り、相場を下支えした。外国為替市場でのポンド安進行も相場の支援材料となった。BPやシェルなどエネルギー株の上昇も目立った。
・フランクフルト株式相場は反落。トランプ米大統領が前日に「EUに対して25%の関税を課す」と発言したことが嫌気されて売りが優勢となった。個別ではザランド(4.05%安)やBMW(3.80%安)、ポルシェ(3.62%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(南アフリカ・ケープタウン)は本日、2日間の日程を終えて閉幕。米国など複数の国が閣僚の出席を見送る中、共同声明は採択できなかった。
27日08:26 ラトニック米商務長官
「中国は私にとって最大の懸念材料」
「我々は金利を抑制する」
27日21:33 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(1月30日分)
「ディスインフレプロセスは順調に進んでおり、成長見通しは引き続き弱い」
「インフレは短期的に目標を上回ると予想されるが、タイムリーで持続的な収束への信頼感は高まった」
「政策金利は、経済を不必要に抑制することを避けるために、中立水準に向けてさらに引き下げられる可能性がある」
「金融政策は依然として制限的」
「インフレ見通しは、1年以上4%近くで推移しているサービスインフレの動向に大きく依存している。」
「サービスインフレの勢いはここ数カ月で緩和しており、特に25年後半には賃金圧力のさらなる低下が予想」
「インフレ見通しのリスクは両面にある」
「成長が予想よりも低くなる可能性につながる下方リスクがあった」
「政策金利が中立領域に近づくにつれて、さらなる利下げの規模とペースにはより慎重な姿勢が必要」
「会合ごとのデータ依存型アプローチを維持」
「あらゆる会合で全ての選択肢を持つことが賢明であり、正当化される」
「基調インフレのほとんどの指標動向は、インフレが持続的に目標付近で落ち着くことを示唆と、意見が一致」
27日22:44 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「景気低迷なしでインフレ抑制、これまでのところ順調」
「政府側の職員解雇は現実」
「雇用を増やすには企業が自信を持つ必要」
「解雇側には多くの不確実性が見られる」
「2004-05年のような住宅ローン金利の上昇に慣れる必要」
27日22:49 トランプ米大統領
「メキシコとカナダに対する関税は3月4日に発動」
「中国に対しても3月4日に10%の追加関税を課す」
27日23:07 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「最近のインフレ期待の上昇について懸念が高まっている」
「不確実性も成長の重荷となる可能性がある」
「FRBの信頼性を守るため、焦点はインフレーションに置かれるべき」
「バランスシートをできる限り縮小し続けることが望ましい」
「コアインフレの概念を再考する必要があるかもしれない」
28日00:18 ゲオルギエバ国際通貨基金(IMF)専務理事
「経済政策に関する不確実性は高い状況にある」
「短期的には米経済に上振れリスク」
「その他国に関しては全体的にリスクは下振れている」
28日00:26 シェインバウム・メキシコ大統領
「トランプ米大統領との対話を希望」
28日00:47 植田日銀総裁(G20財務相・中央銀行総裁会議後)
「(米国経済政策)まだ不確実なところ非常に多い」
「不確実性の高さを指摘する参加者多かった」
28日03:18 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「FRBは当面の間、金利を据え置く可能性が高い」
「インフレのさらなる緩和は確実ではなく、上昇リスクは高い」
「インフレの緩和は不均一」
「さらなる利下げを支持する前にインフレが2%に向かっている証拠を求める」
「現在、幅広い金融環境は緩和的である」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 2月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比2.3%)
○08:50 ◎ 1月鉱工業生産速報(予想:前月比▲1.1%/前年比2.8%)
○08:50 ◇ 1月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比4.0%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 1月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲2.6%)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○16:00 ◎ 1月独小売売上高(予想:前月比0.5%/前年比1.7%)
○16:00 ◇ 1月独輸入物価指数(予想:前月比0.7%/前年比2.7%)
○16:00 ◇ 2月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○16:00 ◎ ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○16:00 ◎ 10-12月期スウェーデン国内総生産(GDP、予想:前期比0.3%)
○16:00 ◎ 10-12月期トルコGDP(予想:前年比2.6%)
○16:00 ◇ 1月トルコ失業率
○16:30 ◇ 1月スイス小売売上高
○16:45 ◎ 10-12月期仏GDP改定値(予想:前期比▲0.1%)
○16:45 ◇ 2月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.2%/前年比1.0%)
○16:45 ◇ 1月仏消費支出(予想:前月比▲0.7%)
○17:00 ◇ 2月スイスKOF景気先行指数(予想:102.0)
○17:55 ◎ 2月独雇用統計(予想:失業率6.2%/失業者数変化1.50万人)
○19:30 ☆ 10-12月期インドGDP(予想:前年同期比6.2%)
○21:00 ◎ 1月南アフリカ貿易収支(予想:94億ランドの赤字)
○22:00 ◎ 2月独CPI速報値(予想:前月比0.4%/前年比2.3%)
○22:30 ☆ 12月カナダGDP(予想:前月比0.3%/前年比2.0%)
☆ 10-12月期カナダGDP(予想:前期比1.8%)
○22:30 ◎ 1月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.1%)
◎ 1月米個人所得(予想:前月比0.3%)
☆ 1月米PCEデフレーター(予想:前年比2.5%)
☆ 1月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.3%/前年比2.6%)
○22:30 ◇ 1月米卸売在庫(予想:前月比0.1%)
○23:45 ◎ 2月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:40.6)
○ゼレンスキー・ウクライナ大統領が訪米
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ米大統領がSNSに「メキシコとカナダに対する関税は3月4日に発動。中国に対しても同日に10%の追加関税を課す」と投稿したことで、150.16円まで上昇した。ユーロドルは1.0397ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、2月の全国消費者物価指数(CPI)の先行指標である東京都区部CPIを見極めた後は、今夜の米1月PCEデフレーターの発表を控えて動きづらい月末取引が予想される。
昨日のドル円は、トランプ米大統領が、メキシコとカナダへの関税発動時期に関して、前日の「4月2日へ先送り」から「3月4日へ前倒し」したことで、米10年債利回りの上昇に連れて150.16円まで上昇した。
本日もトランプ米大統領による突発的な発言には警戒しておきたい。
8時30分に発表される2月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)は、電気・ガス代の補助再開がエネルギー価格を押し下げることで前年比+2.3%と予想されており、1月の同比+2.5%からの伸び率鈍化が見込まれている。
2月東京都CPIが予想以下だった場合は、ドル買い・円売り要因となる。
1月分は、政府の電気・ガス代補助終了でエネルギー価格が上昇し、食料品の値上げも影響したことで、3カ月連続で伸び率は拡大していた。
2月のコアCPIは、食料品の値上げや賃金上昇を背景にサービス価格も緩やかに上昇することで、1月上昇率以上に上昇していた場合に警戒しておきたい。
もし、予想外に上昇していた場合、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆する日銀の0.75%への追加利上げ時期が、現在の5月の日銀金融政策決定会合(4/30-5/1)から3月会合(3/18-19)に前倒しされる観測を高めることになる。
昨年3月の日銀会合では、マイナス金利が解除されていた。
一部の市場筋は、日銀の3月の早期利上げ観測の背景として、農林中央金庫の赤字や資本増強策、そして令和の米騒動などを挙げている。
今夜発表される米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分は、前年比+2.5%と予想されており、12月の同比+2.6%からの伸び率鈍化、コアPCEの予想は同比+2.6%で12月の同比+2.8%からの伸び率鈍化が見込まれている。予想通りならば、今年の利下げ回数が2回から3回になる可能性を高めることになる。
WSJ紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、1月のコアPCEは、前月比+0.27%、前年比+2.6%程度を見込んでいる。
理由として、「FRBが重視するPCE価格指数に反映されるPPI項目(フィナンシャル&ヘルスケア・サービス)は全体的に非常に抑制されていた」ことを挙げている。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 37580 -720 (-1.87%)
TOPIX先物 2706.5 -32.0 (-1.16%)
シカゴ日経平均先物 37585 -715
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
27日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前日の取引終了後に好決算を発表したエヌビディア<NVDA>が買われ、NYダウは上昇して始まり、一時450ドルほど上げる場面もみられた。ただし、トランプ米大統領がカナダとメキシコに予定通り関税を課す考えを改めて示したほか、中国にも追加で10%の関税を課す方針を自身のSNSに投稿した。これをきっかけに関税による世界経済への悪影響が警戒されると次第に売りが広がった。エヌビディアは終盤にかけて急落し、下落率は8%を超えた。
週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万2000件増の24万2000件となり、市場予想(22万1000件)を上回った。1月の米中古住宅販売成約指数は前月比4.6%低下の70.6となり、2001年以降の最低を記録するなど、弱い経済指標の内容も重荷となった。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほかセールスフォース<CRM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、IBM<IBM>が下落。一方で、トラベラーズ<TRV>やユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、マクドナルド<MCD>、スリーエム<MMM>、シェブロン<CVX>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比715円安の3万7585円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比50円安の3万8250円で始まり、その後はロング優勢の展開となり、3万8400円まで買われる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始直後に3万7840円まで売られた。売り一巡後は、3万8260円まで下げ幅を縮めたものの、終盤にかけて再び下へのバイアスが強まり、3万7580円とナイトセッションの安値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップダウンで始まることになりそうだ。米国市場はトランプ大統領によるSNS投稿をきっかけにショートの動きが強まる形となった。買い先行で始まったエヌビディアが終盤にかけて急落しており、他の半導体関連株やAI関連株の一角に売りが広がったこともセンチメントを悪化させている。
日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ(3万7900円)を上回って始まり、-1σ(3万8450円)に迫る場面もあった。200日移動平均線が射程に入っていた状況のなか、その後の下げで-3σ(3万7360円)に接近している。-3σ水準ではショートを仕掛けづらくさせるものの、バンドが下向きで推移していることもあり、ボトムを見極めにくくさせそうだ。
週足の-2σ(3万7780円)を割り込んできたことから昨年10月以降のボックスレンジの下限を下抜け、ヘッジ対応のショートが強まる展開には注意したいところである。再来週には3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えるなか、レンジ割れとなればポジション調整の動きが加速することが警戒されよう。
昨年10月28日につけた3万7510円を割り込まなければ、いったんはショートカバーが入りやすいが、これを割り込むと昨年9月9日の3万4970円が射程に入る可能性はあるだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万7500円を中心とした上下の権利行使価格である3万7000円から3万8000円と広めのレンジを想定する。
27日の米VIX指数は21.13(26日は19.10)に上昇した。終値で20.00を上回るのは昨年12月19日以来となる。+3σ水準まで上昇してきたことで、いったんは調整が入る水準と考えられるものの、上へのトレンドを強めてきており、リスク回避姿勢に向かわせよう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.98倍に低下した。14.07倍に上昇して始まり、14.09倍をつける場面もみられたが、その後はハイテク株の不安定な値動きなどが日経平均型の重荷となった。米ハイテク株安の流れのなかでは、相対的にTOPIX型優位になりやすく、方向性としては昨年5月31日につけた13.85倍辺りが意識されそうだ。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は193ドル安の43239ドルで取引を終えた。買いが先行して中盤までは堅調に推移していたが、終盤に下げに転じて安値圏で取引を終了。トランプ大統領がカナダとメキシコに対して25%の輸入関税を予定通り3月4日に発動すると発表。中国に対しても10%の追加関税を課すとしたことが嫌気された。決算を発表したセールスフォースやエヌビディアの下落もセンチメントを悪化させた。エヌビディアは8%を超える下落となっており、他の半導体株にも売りが広がる展開。ナスダックが2.8%安と大きな下げとなった。ドル円は足元149円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて715円安の37585円、ドル建てが700円安の37600円で取引を終えた。
エヌビディアの下げがかなり大きい上に、関税リスクも改めて意識されたことから、日本株は大きく水準を切り下げると予想する。CME225先物からは節目の38000円を大きく下回るスタートが想定される。安寄りしたところでは押し目買いが入るとみるものの、大きく戻すようなら改めての売りも出やすい。大型グロース株の下げが大きくなると思われるだけに、場中はマイナス圏で荒い動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは37500円-38050円。
日経225先物は11時30分時点、前日比1110円安の3万7190円(-2.89%)前後で推移。寄り付きは3万7650円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7585円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。現物の取引開始時につけた3万7720円を高値に下へのバイアスが強まり、終盤にかけて3万7070円まで下落幅を広げた。
日経225先物はボリンジャーバンドの-3σ(3万7200円)を割り込んできたことで、売られ過ぎが意識されてくる可能性はある。ただし、昨年10月以降のボックスレンジの下限を明確に下抜けてきたことで、ヘッジ対応のショートが強まりやすい。-3σまでの下げに対する短期的なリバウンド狙いのロングが入る可能性はあるものの、戻りの局面ではショートが入りやすく、スキャルピング中心での値幅取りに限られそうである。
NT倍率は先物中心限月で13.84倍に低下した。一時13.83倍まで下げており、昨年9月5日の直近安値である13.93倍を割り込んできた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱さが目立つなか、昨年8月6日の13.65倍が意識されてきそうだ。
昨日の海外市場では、ドル全面高。トランプ米大統領がメキシコとカナダの関税に関して、前日の4月への再延期を覆すかたちで、自身のSNSで「3月4日に発動」と表明したことから、一気にリスクオフの動きに。ここ2週間ほどレンジ相場を続けていたユーロドルが下抜ける動きに繋がりました。前日にはEUに対しても25%関税が決定したことが報じられていましたから、ユーロドルの売りにダイレクトにつながったといったところです。
ドル円については、全般ドル高の流れとなるなか150.16円まで値を上げたものの、引けにかけてはナスダックを中心に米株が急落したほか、日経平均先物もそれにつれて大幅な下落となったこともあり149.63円まで下押ししてNY市場を終えています。
そして、月末となった週末の東京市場では、注目されていた2月東京都区部CPIが予想を下回ったことを受けて一時150.15円まで値を上げる場面もみられましたが、昨日高値の150.16円を上抜けることが出来ずに戻り売り。日経平均が1200円近い急落となるなか、リスクオフ的な売りから149.10円まで下押ししているといったところです。
いずれにしても、トランプ関税やら、ウクライナとロシアの停戦交渉やら、国際情勢はかなり流動的となっていますが、ドル円は株価の4桁急落といったリスクオフであっても、上昇分を消すのみにとどまっているわけで、いかに市場のポジションが傾いているかをうかがい知ることが出来るというもの。昨日の東京時間午後の下押しレベルまで値を下げたドル円は、再び下値を切り上げているところです。
SMBC日興証券では、トランプ大統領が中国からの輸入に課している関税を3月4日から10%上乗せする意向を示したことを受けてリポートしている。合計20%の上乗せ関税が賦課される見込み。こうした対中関税の強化に関してSMBC日興では、最終的な60%関税に向けた既定路線と位置付けている。同時にトランプ大統領は賦課を先送りしているカナダとメキシコからの輸入に対する25%関税に関して3月4日に発動する可能性を示唆した。こちらについてSMBC日興では、前回の先送りと同様に、米国とカナダおよびメキシコの経済関係性の深さなどに鑑み、発動が短期にとどまる、もしくは再び延期される可能性があると引き続き考えている。
「総合指数は4%に乗せたが、基調的な物価上昇率はまだ2%を少し下回っている。基調的な物価の上昇が続くことになれば、引き続き金融緩和度合いの調整を続けていきたい」
(植田日銀総裁:2025年2月21日)
2月26日、2%の物価安定目標の実現を目指す日銀が公表した1月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」は、3指標とも前月を上回った。
1月の上昇品目の比率は77.0%と、12月の75.7%を上回り、下落品目は17.2%で、12月の19.0%を下回った。
1. 基調的なインフレ率を捕捉するための指標
物価動向の分析にあたっては、現実に観測される「消費者物価」の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率(「コア指標」)が利用されている。
生鮮食品を除いた「コアCPI」や生鮮食品およびエネルギーを除いたコアコアCPIの他に、様々なコア指標を総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握できると思われる。
日本銀行調査統計局では、毎月の全国消費者物価指数の公表に合わせて、上昇・下落品目比率、刈込平均値、最頻値、加重中央値を試算し、原則として、全国消費者物価指数の公表日の2営業日後の14時を目途に公表している。
2.1月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(※コア3指標)
■刈り込み平均値:前年比+2.2%
・2024年6月以来の2%台(12月+1.9%、11月+1.7%、10月+1.5%、9月+1.7%、8月+1.8%、7月+1.8%、6月+2.1%、5月+2.1%、4月+1.8%、3月+2.2%、2月+2.3%)
・価格変動が大きい上下10%の品目を異常値として機械的に除き算出する
■加重中央値:前年比+1.4%
・3カ月連続で前月を上回った(12月+1.0%、11月+0.9%、10月+0.8%、9月+0.8%、8月+0.7%、7月+1.1%、6月+1.4%、5月+1.3%、4月+1.1%、3月+1.3%、2月+1.4%)
・価格上昇率の高い順にウエートを累積して50%付近にある価格変化率
■最頻値:前年比+1.3%
・2カ月連続の+1.1%から上昇(12月+1.1、11月+1.1%、10月+1.3%、9月+1.4%、8月+1.3%、7月+1.5%、6月+1.6%、5月+1.5%、4月+1.6%、3月+1.9%、2月+2.0%)
・品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率
3.1月の消費者物価指数(CPI)
■消費者物価指数(CPI):+4.0%(12月+3.6%、11月+2.9%、10月+2.3%、9月+2.5%、8月+3.0%、7月+2.8%、6月+2.8%、5月+2.8%、4月+2.5%、3月+2.7%、2月+2.8%)
■コアCPI(生鮮食品を除く):+3.2%(12月+3.0%、11月+2.7%、10月+2.3%、9月+2.4%、8月+2.8%、7月+2.7%、6月+2.6%、5月+2.5%、4月+2.2%、3月+2.6%)
■コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーを除く):+2.5%(12月+2.4%、11月+2.4%、10月+2.3%、9月+2.1%、8月+2.0%、7月+1.9%、6月+2.2%、5月+2.1%、4月+2.4%)
生鮮を除く食料は+5.1%上昇と、伸び率は12月の+4.4%を大きく上回り、6カ月連続で加速した。コメ類が70.9%上昇して1971年1月以降で最高の伸び率を更新、うるち米(コシヒカリを除く)は71.8%上昇で、伸び率は76年1月以降で最高となった。
政府の補助金縮小でガソリンは3.9%上昇と、12月の0.7%上昇を大きく上回った。
本日のロンドン為替市場のポンドドルは、ハト派のラムスデンBOE副総裁の講演に注目しつつ、米1月PCEデフレーターを待つ展開が予想される。
先日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)では、4.50%への利下げが決定された。しかし、金融政策報告では、経済予測の前提となる金利軌道では向こう3年間に2回の追加利下げしか想定されず、今年についてはあと1回しか想定していないことで、タカ派的だった。ハト派のラムスデンBOE副総裁の見解に要注目となる。
トランプ関税に関しては、先日、トランプ米大統領が「欧州連合(EU)に対して25%の関税を課す。EUへの関税は自動車や他のモノが対象になるとし、詳細は追って通知する」と述べたことがユーロ売り要因となっており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
ウクライナ停戦に向けた協議が進展していることは、ユーロ買い要因となる。
・24日:トランプ米大統領とマクロン仏大統領との首脳会談
「われわれが賢明であれば、数週間以内に戦争を終わらせられる」
・25日:スターマー英首相とマクロン仏大統領との首脳会談
「ウクライナの恒久的な和平に向けたトランプ米大統領のリーダーシップを歓迎する」
・27日:トランプ米大統領とスターマー英首相との首脳会談
「ロシアによるウクライナ侵略戦争で和平が合意されれば、ロシアによるウクライナへの再侵略はないと思う」
・27日:米露の外交担当者が会談
・28日:トランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領との首脳会談
本日は、ゼレンスキー・ウクライナ大統領が訪米して、米国による安全保障支援の継続に向けたレアアース(希土類)などの資源権益の協定案に署名する見通し、と報じられており、合意内容に要注目か。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0463ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:157.43円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2689ドル(2/27高値)
・ポンド円:190.16円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0337ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:154.42円(2024/8/5安値)
・ポンドドル:1.2483ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:185.83円(2024/9/18安値)
ドル円:1ドル=149.83円(前営業日NY終値比△0.02円)
ユーロ円:1ユーロ=155.65円(▲0.14円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0388ドル(▲0.0010ドル)
日経平均株価:37155.50円(前営業日比▲1100.67円)
東証株価指数(TOPIX):2682.09(▲54.16)
債券先物3月物:139.77円(△0.25円)
新発10年物国債利回り:1.370%(▲0.020)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.2% 2.5%
1月鉱工業生産・速報値
前月比 ▲1.1% ▲0.2%
前年同月比 2.6% ▲1.6%
1月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 3.9% 3.5%・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
2008億円の処分超 2396億円の取得超・改
対内株式
1兆380億円の処分超 3519億円の処分超・改
1月新設住宅着工戸数
前年同月比 ▲4.6% ▲2.5%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は神経質な動き。2月東京都区部CPIが市場予想を下回る伸びに留まったことで円売りが強まると150.15円まで上昇するも、内田日銀副総裁が衆院財務金融委員会で「基調的な物価は2%に向かって徐々に高まっている」などと発言したことで反落。その後は日経平均株価が大幅安となるなか、リスク回避目的の円買いが進んだ。時間外の米10年債利回りが低下したことも重しとなって149.10円まで下値を広げたが、売り一巡後は150.00円台まで値を戻した。
・ユーロ円も神経質に上下。2月東京都区部CPIを受けた円売りの流れの中で156.06円まで上昇するも、その後は本邦株安が重しとなり154.80円まで下落。ただ、売り一巡後は155円台後半まで戻すなど、ドル円同様荒い値動きとなった。
・ユーロドルは上値が重い。時間外の米長期金利の低下を受けて1.0404ドルまで値を上げるも、その後はユーロ円が下落した影響を受けて1.0381ドルまで下押した。
・日経平均株価は大幅反落。前日の米半導体大手エヌビディアの急落が波及したほか、米政権の関税政策が警戒されて幅広い銘柄で運用リスクを回避する動きが広がったことから、日経平均は寄り付きから大幅に下落。一時は3万7000円の大台を割り込み、下げ幅は1400円超に達した。
・債券先物相場は反発。2月東京都区部CPIが市場予想を下回る結果となり、日銀の追加利上げを巡る警戒感が和らいだ。日経平均株価が大幅安となり、安全資産としての債券需要も意識されると、139円91銭まで上昇する場面が見られた。
大阪3月限
日経225先物 37110 -1190 (-3.10%)
TOPIX先物 2676.0 -62.5 (-2.28%)
日経225先物(3月限)は前日比1190円安の3万7110円で取引を終了。寄り付きは3万7650円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7585円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。現物の取引開始時につけた3万7720円を高値に下へのバイアスが強まり、現物の後場の取引開始直後には3万6840円まで下げ幅を広げた。その後はやや下げ渋る動きをみせ、3万7000円~3万7200円辺りでの保ち合いが続いた。
日経225先物は昨年10月以降のボックスレンジの下限を明確に下抜いたことで、ヘッジ対応のショートが強まり、昨年9月20日以来となる3万7000円を割り込む場面もみられた。ボリンジャーバンドの-3σ(3万7180円)を下回ってきたことにより、売られ過ぎが意識されやすく、その後は下げ渋る動きとなったが-3σ水準での保ち合いだった。
週足では-2σ(3万7560円)を下抜け、-3σ(3万6780円)に接近してきた。シグナルとしては売られ過ぎが意識されるため、いったんは自律反発を想定した押し目狙いのスタンスに向かわせやすいところではある。また、トランプ大統領のSNS投稿をきっかけにショートが集中しており、イレギュラー的な動きもあったと考えられる。
東証プライム市場の売買高は27億株と、前日の18億株から一気に膨らんだ。相対的に日経平均型のインデックス売りが断続的に入ったとみられ、ポジションはかなり圧縮しただろう。積極的にポジションを積み増す動きは限られそうだが、28日にトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談が予定されており、ウクライナ停戦に向けた動きに進展がみられるようだと、ロングが入りやすくなりそうだ。
-3σはナイトセッションで3万6940円、-2σは3万7580円辺りに下がってきた。目先的には-3σを上回って推移してくるようであれば、-2σ辺りへのリバウンド狙いに向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.86倍に低下した。一時13.79倍まで下げ、昨年9月5日の直近安値である13.93倍を割り込み、同年8月6日の13.65倍以来の水準まで低下した。‐3σ(13.80倍)まで下げたことで、いったんはNTショートを巻き戻す動きが入りそうである。エヌビディア<NVDA>がリバウンドをみせてくるかがポイントになろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万8084枚、ソシエテジェネラル証券が2万7611枚、サスケハナ・ホンコンが8660枚、JPモルガン証券が5711枚、モルガンMUFG証券が3877枚、バークレイズ証券が3749枚、みずほ証券が3216枚、ゴールドマン証券が2739枚、SBI証券が2544枚、野村証券が2126枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券3万6797枚、ソシエテジェネラル証券が2万9509枚、バークレイズ証券が1万0671枚、JPモルガン証券が8417枚、モルガンMUFG証券が6942枚、ゴールドマン証券が4280枚、ビーオブエー証券が4046枚、ドイツ証券が2882枚、シティグループ証券が2650枚、野村証券が1939枚だった。
本日のNY時間は、今週最も注目される経済指標・1月米個人消費支出(PCE)デフレーターが発表される。ドル円はすでにアジア時間から欧州前半にかけて1円50銭超のレンジを作っており、指標の結果次第でドル買い・ドル売りともに値幅を伴う動きになりそうだ。
PCEデフレーターの1月分は前年比+2.5%と予想されており、12月同比+2.6%からの伸び率鈍化、コアPCEの前年比予想は+2.6%とこちらも12月+2.8%から伸び率鈍化が見込まれている。
PCEと消費者物価指数(CPI)は同じ個人消費の重要なインフレ指標。ただCPIは、購入した商品やサービスに対する自己負担支出のみをカバーする一方で、雇用主が提供する保険、メディケアなどは除外される。12日に発表された1月CPIはヘッドラインもコア指数も予想や前回値を上回った。しかしながら、13日発表の卸売物価指数(PPI)ではこれら(保険やメディケアなど)の結果が抑制的だったことで、PCEデフレーターの鈍化が予想されている。
本日、市場予想通りに1月PCEデフレーターが鈍化した場合は、早ければ5月の利下げ期待が高まるかもしれない。なお、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、次回3月の米連邦公開市場委員(FOMC)は9割を超えて据え置き予想となっているが、5月は据え置き予想が徐々に減少し7割を割り込んでいる。
PCE以外では、引き続きトランプ政権の関税に関する報道には要警戒。トランプ大統領はメキシコとカナダへの関税賦課は4月まで延期されると述べていたが、昨日には3月4日に戻すなど朝令暮改の状態だ。これまでは強気に脅せばディールを勝ち取れるとみていたトランプ氏だが、相手国がディールに乗らなくなってきている。あまりにも無理難題を要求していることで、英国やEUはインドとFTAの交渉を進めるなど、これまでの友好国も米国依存の軌道修正をとっている状況だ。
また、関税の悪影響で米株も弱含むなど、徐々にトランプ政権の思惑通りに事が進まなくなっている。今後の課税強化が日程通りに行われるのか延期されるのか、市場も確信を持てず、その都度の発言で相場が反応しそうだ。
一部ではディールが進まないため、メキシコとカナダに対しては、移民やフェンタニルに関して進展があったとの言い訳で再延期を発表するとのうわさもある。為替市場では、直接影響を受けるのは対象国の通貨だろう。ただ株式市場の動向次第ではリスク選好・回避に傾き、ドル円相場にも影響が及ぶことには注意を払いたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、20日高値151.48円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、25日につけた年初来安値148.57円。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
トランプ関税は再び発動間近、メキシコ経済の行方はどうなる?
市場は再延長を期待している可能性、ペソ相場の混乱や実体経済への悪影響に要注意
メキシコ経済は米国経済への依存度が極めて高い一方、米トランプ大統領は関税賦課を材料にディールを持ち掛ける動きをみせる。トランプ氏は2月4日付で同国からのすべての輸入品に25%の関税を課す大統領令の発令を決定したが、両国首脳間の電話協議を経て30日間延長された。なお、電話協議で合意に至った内容は過去に示された対応の焼き増しに過ぎないことに留意する必要がある。他方、仮に関税措置が発動すればメキシコ経済に深刻な悪影響が出るため、何が何でも回避したいのが実情と捉えられる。
他方、トランプ関税発動前の昨年10-12月の実質GDP成長率は前期比年率▲2.50%とマイナス成長となり、すでに同国景気にブレーキが掛かる動きがみられる。ペソ安による移民送金押し上げやインフレ鈍化にも拘らず、マインドの悪化が幅広い経済活動に悪影響を与えている可能性がある。金融市場ではペソ相場は底堅く推移するなど3月4日に迫る関税賦課の再延長を期待している向きがあるが、仮に発動されれば混乱は避けられない。政府は景気に楽観的な見通しを示す一方、中銀は今年の成長率見通しを大幅に下方修正しているが、関税賦課に伴う悪影響が甚大と見込まれるなかで不透明な展開が続くと見込まれる。
本日のニューヨーク株式市場はインフレ指標に注目。
昨日はトランプ米大統領が1カ月延期したカナダとメキシコに対する25%の輸入関税を予定通り3月4日に発動すると発表し、中国に対しても10%の追加関税を課すとしたことや、予想を上回る決算やガイダンスを発表したエヌビディアが大きく売られたことでハイテク株を中心に大きく下落した。新規失業保険申請件数が予想以上に増加したことで景気悪化懸念が強まったこともセンチメントの悪化につながった。ダウ平均は193.62ドル安(-0.45%)と2日続落し、S&P500とナスダック総合はそれぞれ1.59%安、2.78%安と大幅に反落。週初来ではダウ平均が0.43%安、S&P500が2.52%安、ナスダック総合は5.02%安となり、2月月初来ではダウ平均が2.93%安。S&P500が2.96%安、ナスダック総合が5.52%安とそろって大幅反落ペースとなった。
本日は週末、月末の取引となることで、大きく下落した銘柄を中心に買い戻しが期待されるが、利下げ見通しを巡り寄り前に発される1月個人消費支出(PCE)価格指数が焦点となりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する1月PCE価格指数の市場予想は前月比+0.3%と12月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.5%と12月の+2.6%から鈍化が見込まれている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数は前月比+0.3%と12月の+0.2%から加速が見込まれ、前年比で+2.6%と12月+2.8%から鈍化が見込まれている。PCE価格指数がおおむね弱い結果となれば、利下げ期待の復活が相場の支援となることが期待される。
今晩の米経済指標は1月個人消費支出 (PCE) 価格指数のほか、同個人所得、1月財貿易収支速報値、1月卸売在庫速報値、2月シカゴ地区購買部協会景気指数など。決算発表は寄り前にエジソン・インターナショナル、AESなどが発表予定。
日経平均株価は大幅反落。弱いスタートから下値模索の展開となり、一時は37000円を割り込む場面があった。昨年9月に形成したダブルボトムのネックラインである36900円付近を下値で意識して下げ幅を縮小したが、10月以降のレンジを下放れるような陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の17.8%→12.5%(2/28)に低下。1/24高値(40279円)からの二段下げ目が続いているという認識である。
一方、月足の一目均衡表では転換線(36791円)を最終日に下値で意識する格好となった。目先は自律反発に期待したいところだが、下向きの5日移動平均線(38113円 2/28)や10日移動平均線(38600円 同)に上値抵抗に合う可能性が高く、当面は値固めに時間を要す可能性が高い。
上値メドは、5日移動平均線や10日移動平均線、200日移動平均線(38668円 同)、25日移動平均線(38968円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)などがある。下値メドは、心理的節目の37000円、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、心理的節目の36500円、9/17安値(35828円)などがある。
アトランタ連銀が発表した米国の国内総生産(GDP)成長率の現時点予測である1-3月期GDPNowは-1.5%と前回の+2.3%から引き下げられた。
(28日終値:1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.34円(28日15時時点比△0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.30円(△0.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0396ドル(△0.0008ドル)
FTSE100種総合株価指数:8809.74(前営業日比△53.53)
ドイツ株式指数(DAX):22551.43(△0.54)
10年物英国債利回り:4.482%(▲0.030%)
10年物独国債利回り:2.406%(▲0.007%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月独小売売上高
(前月比) 0.2% ▲0.9%・改
1月独輸入物価指数
(前月比) 1.1% 0.4%
2月英ネーションワイド住宅価格
前月比 0.4% 0.1%
1月スイス小売売上高 (前年同月比)
1.3% 2.1%・改
10-12月期仏国内総生産(GDP)改定値
(前期比) ▲0.1% ▲0.1%
2月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.0% 0.2%
1月仏消費支出
(前月比) ▲0.5% 0.7%
2月独雇用統計
失業率 6.2% 6.2%
失業者数変化 0.50万人 1.10万人
2月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.4% ▲0.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。東京午後から強まった円売り・ドル買いの流れが海外市場に入っても継続。前日の高値150.16円を上抜けると目先のストップロスを巻き込み、一時150.99円まで上げ幅を広げた。市場では「ヘッジファンドなどが月末のポジション調整、もしくは株の損失を埋めるために含み益のある円ロング(ドル円ショート)ポジションを解消している」との声が聞かれた。
ただ、節目の151.00円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.2177%前後と昨年12月11日以来の低水準を付けたことも相場の重しとなり、一時150.24円付近まで下押しした。
なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している1月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前月比0.3%/前年比2.6%と市場予想に一致。伸び率は上方修正された12月の前年比2.9%から鈍化した。
・ユーロドルは小幅高。安く始まった独DAXが持ち直したほか、本日の米国株相場が上昇すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎユーロ買い・ドル売りが入った。0時30分過ぎには一時1.0420ドルと日通し高値を付けた。
ただ、月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測されると1.0391ドル付近まで下押しした。26日にトランプ米大統領が欧州連合(EU)からの輸入品に関税を課す方針を表明したことで、EU経済の悪化を見越したユーロ売りも出やすい。
・ユーロ円は堅調。東京午後から強まった円売り・ユーロ買いの流れが欧米市場に入っても続き、22時30分過ぎに一時157.16円と日通し高値を付けた。日米株価指数が上昇したことも相場の支援材料。ただ、1時30分過ぎには156.27円付近まで伸び悩んだ。総じてドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は4日続伸。トランプ米政権の関税政策への警戒感から売りが先行したものの、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢となり上げに転じた。本日の米国株相場が底堅く推移したことなどが相場の支援材料。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が買われたほか、BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場はほぼ横ばい。トランプ米政権の関税政策への警戒から続落して始まったものの、引けにかけては持ち直した。米国株相場の上昇などが相場を下支えした。個別ではMTUエアロ・エンジンズ(3.21%高)やフレゼニウス・メディカル・ケア(1.84%高)などの上昇が目立った半面、インフィニオン・テクノロジーズ(1.68%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は28日、フランスの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げると発表した。
(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.63円(前営業日比△0.82円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.27円(△0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0375ドル(▲0.0023ドル)
ダウ工業株30種平均:43840.91ドル(△601.41ドル)
ナスダック総合株価指数:18847.28(△302.86)
10年物米国債利回り:4.21%(▲0.05%)
WTI原油先物4月限:1バレル=69.76ドル(▲0.59ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2848.5ドル(▲47.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月米個人所得
(前月比) 0.9% 0.4%
1月米個人消費支出(PCE)
(前月比) ▲0.2% 0.8%・改
1月PCEデフレーター
(前年比) 2.5% 2.6%
1月PCEコアデフレーター
(前月比) 0.3% 0.2%
(前年比) 2.6% 2.9%・改
(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。東京午後から強まった円売り・ドル買いの流れがNY市場に入っても継続し、22時30分過ぎに一時150.99円と日通し高値を付けた。市場では「投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、週末を控えたポジション調整目的の円売りが出た」との声が聞かれた。
ただ、節目の151.00円が目先レジスタンスとして意識されると上昇は一服した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1912%前後と昨年12月10日以来の低水準を付けたことも相場の重しとなり、一時150.24円付近まで下押しした。
なお、米商品先物取引委員会(CFTC)がこの日発表した25日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は9万5980枚の円買い越しと過去最大の大きさとなった。
・ユーロドルは3日続落。米国株相場が上昇すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎユーロ買い・ドル売りが先行。0時30分過ぎに一時1.0420ドルと日通し高値を付けた。
ただ、月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測されると上値が重くなった。その後、米ウクライナ首脳会談が決裂し共同会見も取りやめになったと伝わると、地政学リスクの高まりを嫌気したユーロ売りが出た。4時過ぎには一時1.0360ドルと約2週間ぶりの安値を付けた。
なお、トランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領はこの日、ホワイトハウスで会談を行った。記者を入れた会談の冒頭で激しい口論になり、予定されていた記者会見は中止に。ウクライナの資源権益に関する協定の署名も見送られた。トランプ氏はSNSへの投稿で「ゼレンスキー氏は和平への準備ができていない」と指摘し、「ゼレンスキー氏は和平の用意ができたらまた来ることができる」と続けた。
・ユーロ円は4日ぶりに反発。東京午後から強まった円売り・ユーロ買いの流れが欧米市場に入っても続き、22時30分過ぎに一時157.16円と日通し高値を付けた。ただ、米ウ首脳会談が決裂すると155.77円付近まで伸び悩んだ。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに大幅反発。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している1月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは市場予想に一致。インフレが再加速するとの警戒感が薄れ、買い安心感につながった。米ウ首脳会談が決裂すると下げに転じる場面もあったが、このところ相場下落が続いたあとだけに、引けにかけてはショートカバーが強まった。上げ幅は600ドルを超え、ほぼ高値引けとなった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。この日発表の米インフレ指標が市場予想通りの結果になると、インフレが再加速するとの警戒感が薄れた。利回りは一時4.1912%前後と昨年12月10日以来の低水準を付けた。アトランタ連銀が発表した米国内総生産(GDP)成長率の現時点予測である1-3月期GDPNowがマイナス1.5%と前回の2.3%から大幅に引き下げられたことも債券買いにつながった。
・原油先物相場は反落。米政権による関税政策が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念から需要減を警戒した売りが広がった。
・金先物相場は続落。月末最終日とあって利益確定を含めて持ち高調整する売りが活発化した。
複数のメディアが報じたところによると、「トランプ米大統領、バンス副大統領、ゼレンスキー・ウクライナ大統領が大統領執務室で口論になっている」ようだ。
本日行われる予定だったトランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領との記者会見は中止になった。
28日05:39 トランプ米大統領
「英国との貿易協定はすぐに成立するだろう」
「英国と貿易についてまもなく合意する可能性」
「米英にとって素晴らしい貿易協定を結ぶ」
1日01:38
「プーチン露大統領と話をし、良い議論ができた」
「ウクライナとの取引はアメリカにとって大きな約束事」
「本日、鉱物資源に関する協定に署名する予定」
「本日この後、ウクライナとの合意に署名する」
「(ゼレンスキー・ウクライナ大統領に対して)ディールで合意するか、決裂かだ」
「ウクライナは現時点で持ち札ない」
(SNSで声明発表)
「ゼレンスキー・ウクライナ大統領は和平の準備ができたら戻ってくることが可能」
「ゼレンスキー氏と有意義な会談を行った」
「ゼレンスキー氏は和平の準備ができていない」
28日05:51 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「政策はインフレに下押し圧力をかけるのに十分なほど引き締められている」
「FRBはデータを監視し、必要に応じて対応」
「2%のインフレ目標に向けた進展は鈍化」
28日09:13 内田日銀副総裁
「付利を行わない場合、政策金利誘導できない」
「経済は一部に弱めの動きが見られるが穏やかに回復している」
「基調的な物価は2%に向かって徐々に高まっている」
「国債購入は減額計画に沿って段階的に減額している」
「短期金利や国債買い入れの考え方に変更はない」
「長期金利は市場における経済・物価の見方や海外金利の変動を反映して変動していく」
28日10:18 赤沢経済再生相
「物価・賃上げの状況はこれからも注視、痛みのある家計などには必要な対策講じる」
「物価上昇続いており、現在はインフレとの日銀の認識と違いはない」
28日14:12 中国商務省
「米大統領の中国製品に対する最近の関税に反対」
「米国ができるだけ早く対話を通じて相違を適切に解決することを期待」
「米国が独自の路線を主張すれば、中国は正当な権利と権益を守るため必要なあらゆる対抗措置を取る」
「利下げには緩やかで慎重なアプローチが必要」
「予想より遅い利下げが正当化される状況もあるだろうが、ペースを速めなければならない状況もあるだろう」
「金融政策委員会(MPC)は会議のたびに証拠を新たに判断する必要がある」
「インフレ率2%達成のリスクはもはや下振れだけでなく、両面にある」
「核心的なディスインフレプロセスは維持されている」
「昨年を通しての私の立場と比較すると、英国の労働市場の見通しについては、以前ほど確信が持てなくなった」
「米国の関税の影響は、英国にとってインフレにもディスインフレにもなりうる」
「現在の供給能力は我々の評価よりも弱く、予想ではさらに弱さが持続する可能性は十分にある」
「2024年12月の25BP引き下げに一票を投じたが、その理由は、需要の減退と労働市場の緩みとの相互作用が相乗的に作用し、過剰なスラックが生じる可能性があるとの懸念からだ」
28日20:26 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「政府の財政見通しが不透明でも、FRBはバランスシートを着実に縮小できる」
「利上げ支持に消極的」
28日22:43 マクロン仏大統領
「関税を巡る進展についてほとんど希望を持てないままワシントンを去る」
「関税はインフレを引き起こすため、誰にとっても悪影響」
1日02:03 ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「(鉱物取引協定について)この文書だけでは不十分」
「ウクライナは防空を強く必要としている」
※時間は日本時間
3月4日
○08:30 ◎ 1月完全失業率
○08:30 ◎ 1月有効求人倍率
○08:50 ◇ 10-12月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額)
○08:50 ◇ 2月マネタリーベース
○14:00 ◇ 2月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
5日
○10:30 ◎ 内田眞一日銀副総裁、あいさつ
6日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
7日
○08:50 ◇ 2月外貨準備高
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
3月3日
○10:45 ◎ 2月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00 ◇ 2月トルコ製造業PMI
○16:00 ◎ 2月トルコ消費者物価指数(CPI)
○17:30 ◇ 2月スイス製造業PMI
○17:50 ◎ 2月仏製造業PMI改定値
○17:55 ◎ 2月独製造業PMI改定値
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏製造業PMI改定値
○18:30 ◎ 2月英製造業PMI改定値
○18:30 ◇ 1月英消費者信用残高
○18:30 ◇ 1月英マネーサプライM4
○19:00 ☆ 2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○19:00 ☆ 2月ユーロ圏HICPコア速報値
○23:45 ◎ 2月米製造業PMI改定値
○24:00 ◇ 1月米建設支出
○24:00 ☆ 2月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○24:00 ◇ 2月メキシコ製造業PMI
○4日02:35 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○韓国(三一節の振替休日)、ブラジル(カーニバル)、休場
4日
○06:45 ◎ 1月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○09:30 ◇ 10-12月期豪経常収支
○09:30 ◎ 1月豪小売売上高
○09:30 ◎ 2月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○18:30 ◎ 10-12月期南アフリカ国内総生産(GDP)
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏失業率
○5日04:20 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、投資フォーラムに参加
○ブラジル(カーニバル)、休場
5日
○09:30 ☆ 10-12月期豪GDP
○10:45 ◎ 2月Caixin中国サービス部門PMI
○16:30 ◎ 2月スイスCPI
○16:45 ◇ 1月仏鉱工業生産
○17:50 ◎ 2月仏サービス部門PMI改定値
○17:55 ◎ 2月独サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○18:30 ◎ 2月英サービス部門PMI改定値
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○19:00 ◇ 1-3月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 2月ADP全米雇用報告
○22:30 ◇ 10-12月期カナダ労働生産性指数
○23:30 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、グリーン英中銀MPC委員、講演
○23:45 ◎ 2月米サービス部門PMI改定値
○23:45 ◎ 2月米総?⑰MI改定値
○24:00 ☆ 2月米ISM非製造業指数
○24:00 ◎ 1月米製造業新規受注
○6日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○6日01:00 ◎ 1月ロシア失業率
○6日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○中国全国人民代表大会(全人代)開幕(北京)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
6日
○09:30 ◎ 1月豪住宅建設許可件数
○09:30 ◇ 1月豪貿易収支
○15:45 ◇ 2月スイス失業率(季節調整前)
○16:00 ◎ 2月スウェーデンCPI
○18:00 ◎ 10-12月期南アフリカ経常収支
○18:30 ◎ 2月英建設業PMI
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏小売売上高
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表
○21:30 ◇ 2月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表
○22:30 ◇ 1月カナダ貿易収支
○22:30 ◎ 1月米貿易収支
○22:30 ◇ 10-12月期米非農業部門労働生産性・改定値
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○24:00 ◇ 2月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00 ◇ 1月米卸売売上高
○7日05:30 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
7日
○09:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○未定 ◎ 2月中国貿易収支
○16:00 ◎ 1月独製造業新規受注
○16:45 ◇ 1月仏貿易収支
○16:45 ◇ 1月仏経常収支
○18:30 ◎ ラガルドECB総裁、ナーゲル独連銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、パネッタ伊中銀総裁、イベントに参加
○19:00 ☆ 10-12月期ユーロ圏GDP確定値
○21:00 ☆ 10-12月期ブラジルGDP
○21:00 ◎ 2月メキシコCPI
○22:30 ☆ 2月カナダ雇用統計
○22:30 ◇ 10-12月期カナダ設備稼働率
○22:30 ☆ 2月米雇用統計
○8日00:45 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○8日03:00 ◎ 2月ブラジル貿易収支
○8日05:00 ◇ 1月米消費者信用残高
9日
○米国が夏時間に移行
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、10‐12月期GDPに注目
◆豪ドル、引き続きトランプ関税の行方に警戒
◆ZAR、米国の圧力や予算案の不透明感が重しに
予想レンジ
豪ドル円 92.00-96.00円
南ア・ランド円 7.70-8.30円
3月3日週の展望
豪ドルは豪州の経済指標とトランプ政権による関税の行方を見極める展開になる。来週、豪州からの経済指標では、3月5日の10-12月期国内総生産(GDP)に注目。GDPは、前期比で前回値の0.3%から0.5%へ、前年比でも0.8%から1.2%へ上昇するとの予想。1月の雇用指標が好結果で、今週発表された消費者物価指数(CPI)はトリム平均値が前月の2.7%から2.8%へ上昇した。GDPが予想を上回ると、堅調な雇用情勢とインフレ低下の勢いの弱まりで、RBAの再利下げ期待も遠ざかり、豪ドルは買われやすいだろう。他の経済指標では、3月6日に1月の住宅建設許可件数、貿易収支が発表予定。なお、3月4日には豪準備銀行(RBA)の議事要旨が公表されるが、目新しいことが記されているとは考えにくく影響は限定的となりそうだ。
また、5日にはハウザーRBA副総裁が講演を行う予定。トランプ関税についてはカナダとメキシコへの課税は再延期されたと思われたが、トランプ米大統領は週末にかけて再び「3月4日に発動」と言及している。また、欧州連合(EU)にも関税圧力をかけるなど、予断を許さない状況は変わらず、引き続きトランプ米大統領の動向には警戒しておきたい。
隣国ニュージーランド(NZ)からは3月4日に1月住宅建設許可件数が発表予定。また、3月6日にはNZ政府の7カ月財政ステートメントが公表され、3月6-7日にはNZ準備銀行(RBNZ)がインフレ・リサーチ・コンフェレンスを開催する。この会合にはオアRBNZ総裁のほか、マン英中銀MPC(金融政策委員会)委員やバーナンキ元米連邦準備理事会(FRB)議長も登壇する。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重さは変わらないだろう。今週南アで開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議では、ベンセント米財務相が参加しないなど米国の南アに対する圧力が継続されている。米国にとって、南アとの関係悪化は経済的にも政治的にも影響力が少なく、今後も圧力が増すことが想定される。ZARの重しとなりそうだ。また、3月12日に延期された予算発表を前に、南ア歳入庁(SARS)長官が増税に反対するなど、アフリカ民族会議(ANC)は内外両面から増税案を反対されている。予算前に様々な憶測が流れ、内容次第ではZARが動意づきそうだ。なお、南アからは3月4日に10-12月期のGDP、3月6日に経常収支、3月5日にBER企業信頼感が発表される。経常赤字拡大の場合には注意が必要。
2月24日週の回顧
豪ドルは対ドル、対円ともに上値が重かった。先週末に対ドルでは年初来高値となる0.64ドル台に乗せたが、今週は上値の重い展開。週末にかけてトランプ関税を嫌気して大幅な下落となっている。対円では、依然として日銀の利上げ期待が高いことが重しになった。ZARも上値が重い。値幅は限られたものの対円では年初来安値を更新した。トランプ政権発足後に国際情勢の不安が高まっていることによるリスク回避の動きや、南アの予算をめぐる不透明感がZARの売り要因として響いている。
◆ポンド、独自材料に乏しくドルや円に左右
◆加ドル、3月4日に米国の対カナダ関税発動で軟調か
◆加ドル、2月雇用統計に注目
予想レンジ
ポンド円 186.00-192.00円
加ドル円 102.00-106.00円
3月3日週の展望
来週、英国内では2月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の発表が予定されているが、改定値の発表であるので注目度は低い。速報値は、製造業が46.4と予想外に1月から鈍化し約14カ月ぶりの低水準となった一方で、サービス部門は51.1と前月を上回った。目立ったイベントが見当たらず、ポンド自身は方向感が出にくい。ドルや円の動きに左右されやすいだろう。
英国では低成長と高インフレが併存するスタグフレーション懸念が再燃しており、イングランド銀行(英中銀、BOE)はジレンマに陥っている。0.25%の利下げを決定した2月会合で0.50%の利下げを主張した金融政策委員会(MPC)のディングラ委員は、「メンバーが利下げのペースについて段階的という表現を用いることで一致しているものの、どの程度のペースで引き下げるべきかを巡る見解は一致していない」と述べた。BOEの追加利下げをめぐっては、3月会合では見送り。その次の5月か6月が有力視されている。
加ドルは関税合戦懸念が重しとなる。トランプ米政権は1カ月猶予を与えたカナダへの関税について4月2日まで再延期すると伝わっていたが、27日にトランプ米大統領は自身のSNSに「メキシコとカナダに対する関税は3月4日に発動する」と投稿した。関税をめぐる発言が二転三転しており、土壇場で覆される可能性もあるが、発動になるとカナダの報復関税も必至だ。
また、週末の加雇用統計にも注目。1月の雇用統計では、失業率が6.6%と予想外に2カ月連続で改善。新規雇用者数も7.6万人増と予想を大きく上回ったが、失業者総数は約150万人と高止まりしており、最近の雇用増にもかかわらず就職難が続いていることが示された。カナダ中銀(BOC)は「利下げによる効果で経済に改善の兆しがみられる」との見解を示しているが、個人消費や企業投資に力強さを欠いている。関税懸念が加ドルの重しとなる相場が当面続きそうだが、辞意を表明したトルドー加首相の後継を選ぶ与党・自由党の党首選を3月9日に控え関連のヘッドラインにも注目したい。次の首相にとってトランプ米政権への対応が大きな課題となるだろう。
なお、商品先物取引委員会(CFTC)統計による加ドルのポジションは昨年11月に米大統領選に勝利したトランプ氏がカナダへの関税を示唆したことを受けて売り越しが18万枚超と過去最高規模に拡大した。1月にかけても高い水準が続いたが、関税の発動が延期されたことでショートポジションは縮小するも2月18日時点での売り越しは14万枚超と依然として主要通貨のなかで圧倒的にショートが目立っており、加ドルの弱気見通しに変わりがないことが示唆されている。
2月24日週の回顧
ポンドは独自の手がかりが乏しく、方向感が限られた。ポンドドルは1.27ドル台で上値が抑えられ、ポンド円は189円を挟んでの動きとなった。加ドルは、トランプ米大統領が1カ月延期されたカナダへの関税を「予定通りに発動する」と表明したことが重しとなり、ドル/加ドルは1.44加ドル半ば、加ドル円は103円半ばまで加ドル安が進んだ。
◆ドル円、米2月雇用統計、ISM製造業・非製造業景気指数で利下げ時期を見極め
◆ドル円、トランプ米大統領の施政方針演説などにも注意
◆ユーロドル、ECB理事会やウクライナ停戦協議などに注目
予想レンジ
ドル円 147.00-152.00円
ユーロドル 1.0200-1.0600ドル
3月3日週の展望
ドル円は、米2月の雇用統計やISM製造業・非製造業景気指数などで、米連邦公開市場委員会(FOMC)の追加利下げの時期や年内の利下げ回数を見極めることになる。
週末3月7日に発表される米2月雇用統計は、失業率が1月同様に4.0%、非農業部門雇用者数が15.5万人で、1月14.3万人からの増加が見込まれている。雇用統計が予想通りだった場合、FOMCでの利下げ時期先送り観測が高まることでドル買い要因となるだろう。
なお、現在CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している0.25%の追加利下げ時期は、6月FOMCに前倒しされており、9月FOMCでも追加利下げが見込まれている。また、12月FOMCでの追加利下げの確率も徐々に上昇しつつある。政治面にも注目だ。3月4日に予定されているトランプ米大統領の施政方針演説では、関税の発動時期や減税などに注目しておきたい。米下院は、トランプ大統領の看板政策である4.5兆ドル規模の大型減税や債務上限の4兆ドルの引き上げなどを含んだ予算決議案を可決している。また、3月5日に開幕する中国人民代表大会では、トランプ関税への対策や景気刺激策に注目しておきたい。米国の関税は、3月4日に10%追加されれば20%。最終的には60%程度への引き上げが警戒されている。
ユーロドルは、2月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)を確認した後、欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げの有無を見極めることになる。1月HICPは2.5%。また、昨年10-12月期の妥結賃金が4.1%だったことで、政策金利の2.5%への追加利下げが見込まれている。ただ、中立金利水準の上限まで低下することで、タカ派のシュナーベルECB専務理事は利下げの停止を主張しており、利下げの有無やターミナルレート(利下げの最終到達点)への言及に注目することになるだろう。
また、トランプ米大統領は「欧州連合(EU)に対して25%の関税を課す。EUへの関税は自動車や他のモノが対象になるとし、詳細は追って通知する」と述べており、関税の動向には警戒すべきだろう。ウクライナ停戦合意に関しては、ゼレンスキー、プーチン両大統領と、EUが妥協できる決着となるのか否かに注目しておきたい。
2月24日週の回顧
ドル円は、3連休明けの本邦実需の買いから150.30円まで値を上げたものの、米2月消費者信頼感指数が大きく予想を下回ったことなどを受けて、米長期金利が急低下。一時148.57円まで下落した。ただ、週末にかけてはトランプ米大統領が「メキシコとカナダのへ関税を3月4日に発動」と述べたことから150.16円まで反発した。ユーロドルは、ウクライナ停戦合意への期待感から1.0529ドルまで上昇したものの、トランプ関税が嫌気されると1.04ドル割れまで売り込まれている。
28日の日経平均は大幅反落。終値は1100円安の37155円。
日経平均は大幅安。エヌビディアの決算は先んじて消化していたが、米国市場での株価の反応がかなり悪かったことで、リスクオフに傾いた。決算自体は評価する見方が多かっただけに、エヌビディア株が大幅安となったのはやっかいだ。悪くない内容で売られる前例ができたことで、次回の決算に向けては期待よりも警戒の方が大きくなってくる。日経平均は半導体株の影響を大きく受けるだけに、エヌビディア株に天井感が出てくると先高期待が後退する。半導体とは距離を置いた業種・テーマで強く買われる銘柄が出てこないと、上値の重い状況がしばらく継続することになるだろう。
【来週の見通し】
乱高下か。3月相場に突入し、金曜7日には米国で2月の雇用統計が発表される。米雇用統計を前に様子見姿勢が強まりやすいタイミングではあるが、日経平均は2月28日に4桁の下落となっており、押し目買いと見切り売りがせめぎ合う状況が続くだろう。国内はやや材料に乏しく、米国要因に一喜一憂することになると思われる。その米国も決算を受けてエヌビディアが大幅安となったことで、不安定な地合いが想定される。トランプ大統領の言動にも神経質となりやすい。上がる時は大幅高、下がる時は大幅安となり、方向感が定まらないと予想する。
【今週を振り返る】
軟調となった。前週末にダウ平均が大きく下げたことから、三連休明け25日の日経平均は500円を超える下落。26日も下落し、取引時間中には38000円を割り込んだ。27日はナスダック高を好感して上昇。しかし、エヌビディアが好決算を発表したにもかかわらず大幅安となったほか、トランプ関税のリスクが意識されたことなどから、27日の米国ではナスダックが大幅安。これを受けた28日は4桁の下落となり、37000円を割り込む場面もあった。日経平均は週間では約1621円の下落。週足では2週連続で陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、1月失業率、1月有効求人倍率、2月マネタリーベース、10-12月期法人企業統計、10年国債入札(3/4)、2月都心オフィス空室率、30年国債入札(3/6)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、中国2月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)、2月米ISM製造業景況指数(3/3)、中国で全国人民代表大会(全人代)開幕
、中国2月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)、米2月ADP雇用統計、米1月貿易収支、米1月製造業新規受注、米2月ISM非製造業景況指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)(3/5)、ECB定例理事会、米1月貿易収支(3/6)、米2月雇用統計(3/7)などがある。
今週の日経225先物は、米景気減速懸念が根強いなか、米国市場を睨んでの相場展開となりそうだ。2月28日の米国市場は主要な株価指数が上昇した。1月の米個人消費支出(PCE)統計では、総合指数が前年比2.5%上昇、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は2.6%上昇といずれも前月から減少したが、概ね市場予想に一致。ただ、個人消費支出は前月比では0.2%減と予想外のマイナスとなったことを受けて、NYダウは下げに転じる場面もみられた。その後、米長期金利が低下したことで主力株に買いが入ったほか、前日までの大幅な調整で売りに傾いていたポジションを買い戻す動きにより切り返した。
NYダウは先週の下げで割り込んだ75日移動平均線水準を回復し、ナスダックは200日線が支持線として機能する形で反発した。この流れを引き継ぎ、週明けの東京市場は買い先行で始まりそうだ。ただし、前週末28日の日経225先物は1190円安と3%を超す下落を演じ、一時3万6840円まで下げてボリンジャーバンドの-3σ(3万7180円)を下回る場面もみられた。-3σを割り込んだことで売られ過ぎが意識されやすく、当然の自律反発といったところである。
ナイトセッションで-3σは3万6990円、-2σは3万7620円まで下がってきた。-2σに上値を抑えられるようだと、下向きで推移するバンドに沿った調整が続く可能性もあろう。前週の下落によって昨年10月以降のレンジ下限を割り込んだこともあり、これまでのレンジ下限水準であった3万7500円辺りを明確に上回ってこないと、同水準が抵抗線として強く意識されてくる可能性がある。戻り待ち狙いのショートを吸収しつつ、3万7500円水準で底堅さをみせてくるかを見極めたいところだ。
3万7500円処で底堅さがみられれば、自然体で-2σを上回ってくる。-2σと-1σ(3万8250円)によるレンジに移行することで、ショートカバーが入りやすくなるだろう。週足ではナイトセッションで-2σ(3万7230円)を上回ってきており、-1σ(3万8120円)とのレンジになりそうだ。そのため、まずはオプション権利行使価格の3万7500円を中心とした上下の権利行使価格である3万7125円から3万8125円のレンジを想定する。
ただし、3万7500円処で上値の重さが強く意識されてくると、バンドに沿った調整が警戒されやすい。昨年10月以降のレンジ下限が抵抗線に変わることで、トレンドとしては昨年9月9日安値の3万4970円が射程に入ってくるだろう。今週の米国では3月3日にISM製造業景気指数、5日にISM非製造業景気指数、ADP雇用統計、6日に卸売売上高、7日に雇用統計の発表を控えており、積極的なロングの動きは期待しづらい。
来週末には3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)が控えている。限月交代に伴うロールオーバーの動きは来週に入ってからになるが、先週の大幅な下げによってレンジが切り下がっていることもあり、ポジションを圧縮する動きが続く可能性がある。現物市場でも、週末に米雇用統計の発表を控えて積極的にポジションを積み上げる動きは期待しづらい。商いは膨らみづらく、先物主導によるインデックス売買に振られやすい需給状況である。
28日の米VIX指数は19.63(27日は21.13)に低下した。一時22.40まで切り上がり、1月27日の高値(22.51)に接近する場面もみられた。2月21日に15.63で始まり、一時19.03まで急伸した後は、18.00~21.00辺りでの推移が続いている。1月の戻り高値水準では上値を抑えられていることもあり、過度なリスク回避姿勢には向かっていないようである。ただし、20.00を上回る状態が恒常化してくる局面では慎重姿勢が強まろう。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.86倍に低下した。連休明け25日は14.12倍で始まり、その後はNTショートの動きが強まった。昨年9月5日の直近安値である13.93倍を割り込んでおり、方向性としては昨年8月6日につけた13.65倍が射程に入っている。28日の米国市場でエヌビディア<NVDA>が自律反発したこともあり、週初はNTショートの巻き戻しが入りやすい。ただし、トランプ政権による対中半導体規制の強化が警戒されるなか、方向性としてはTOPIX型優位になりそうだ。
2月第3週(2月10日-14日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は6248億円(2月第2週は1884億円の買い越し)だった。なお、現物は1632億円の売り越し(同964億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は4616億円の売り越し(同920億円の買い越し)と2週ぶりの売り越し。個人は現物と先物の合算で930億円の買い越しと2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1164億円の買い越しとなり、2週ぶりの買い越し。
主要スケジュールでは、3日に中国2月財新製造業PMI、米国2月ISM製造業景気指数、4日に1月完全失業率、10-12月期法人企業景気予測調査、トランプ政権による中国輸入品への追加関税引き上げ、5日に中国全人代開幕、中国2月財新サービス業PMI、米国2月ADP雇用統計、米国2月ISM非製造業景気指数、6日にECB(欧州中央銀行)政策金利、ラガルドECB総裁記者会見、米国1月貿易収支、米国1月卸売売上高、7日に中国2月貿易収支、米国2月雇用統計などが予定されている。
欧州首脳は2日、停戦後のウクライナの安全保障に向けて有志国連合の協議を始めた。一部報道によれば、英仏を軸に参加国を募るもよう。スターマー英首相は首脳会合の終了後「いくつかの国が参加の意向を示した」と述べている。
<国内>
特になし
<海外>
○10:45 ◎ 2月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.4)
○16:00 ◎ 2月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比2.90%/前年比39.90%)
○16:00 ◇ 2月トルコ製造業PMI
○17:30 ◇ 2月スイス製造業PMI(予想:48.2)
○17:50 ◎ 2月仏製造業PMI改定値(予想:45.5)
○17:55 ◎ 2月独製造業PMI改定値(予想:46.1)
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:47.3)
○18:30 ◎ 2月英製造業PMI改定値(予想:46.4)
○18:30 ◇ 1月英消費者信用残高(予想:12億ポンド)
○18:30 ◇ 1月英マネーサプライM4
○19:00 ☆ 2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.3%)
○19:00 ☆ 2月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.5%)
○23:45 ◎ 2月米製造業PMI改定値(予想:51.6)
○24:00 ☆ 2月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:50.5)
○24:00 ◇ 1月米建設支出(予想:前月比▲0.1%)
○24:00 ◇ 2月メキシコ製造業PMI
○4日02:35 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○韓国(三一節の振替休日)、ブラジル(カーニバル)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 37550 +440 (+1.18%)
TOPIX先物 2701.0 +25.0 (+0.93%)
シカゴ日経平均先物 37590 +480
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
28日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。1月の米個人消費支出(PCE)価格指数は総合指数、コア指数が前月から減少したが、概ね市場予想に一致。ただ、個人消費支出が予想外にマイナスとなったことで、NYダウは下落に転じる場面もみられた。ただし、米長期金利が低下したことで主力株に買いが入ったほか、週末要因もあって前日の大幅な調整で売りに傾いていたポジションを買い戻す動きにより切り返した。
NYダウ構成銘柄では、前日に8%を超える大幅な下落となったエヌビディア<NVDA>が買われたほか、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMGN>、スリーエム<MMM>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、アップル<AAPL>が上昇。半面、IBM<IBM>、マクドナルド<MCD>、ベライゾン<VZ>、ナイキ<NKE>が下落した。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比480円高の3万7590円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比120円高の3万7230円で始まり、その後は3万7200円~3万7400円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後にレンジを割り込み、3万7040円まで売られる場面もあった。ただし、売り一巡後はプラス圏に浮上し、3万7500円台を回復。中盤にかけて3万7110円と日中比変わらずの水準まで軟化したが、終盤に再びロング優勢となり、3万7550円とナイトセッションの高値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ただし、前週末に1190円安と3%を超える下落だったほか、一時3万6840円まで下げてボリンジャーバンドの-3σ(3万7180円)を下回ったことで売られ過ぎが意識されやすく、当然の自律反発といったところであろう。
一方で、28日に行われたトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談は激しい応酬となった。レアアース資源の権益を巡る合意文書の署名が見送られ、予定されていた共同記者会見は行われなかった。欧州各国はウクライナを支援する姿勢を鮮明にしており、ウクライナや関税を巡り欧米関係がこじれるようだと、リスク回避姿勢が強まりやすいだろう。
日経225先物はナイトセッションで-3σは3万6990円、-2σは3万7620円まで下がってきた。-2σに上値を抑えられる状況になるようだと、下向きで推移するバンドに沿った調整が続く可能性が警戒される。前週の下落によって昨年10月以降のレンジ下限を割り込んだこともあり、これまでのレンジ下限水準であった3万7500円辺りを明確に上回ってこないと、同水準が抵抗線として意識されてくるだろう。まずは戻り待ち狙いのショートを吸収しつつ、3万7500円水準で底堅さをみせてくるかを見極めたい。
そのため、オプション権利行使価格の3万7500円を中心とした上下の権利行使価格である3万7250円から3万7750円のレンジを想定する。3万7500円処で上値の重さが意識される局面では、3万7000円から3万7500円のレンジになりそうだ。一方で、-2σを捉えてくる局面では3万7500円から3万8000円のレンジに移行しよう。
28日の米VIX指数は19.63(27日は21.13)に低下した。一時22.40まで切り上がり、1月27日の高値(22.51)に接近する場面もみられた。1月の戻り高値水準では上値を抑えられていることもあり、過度なリスク回避姿勢には向かっていないようだが、20.00を上回る状態が恒常化してくる局面では慎重姿勢が強まる可能性がある。
28日のNT倍率は先物中心限月で13.86倍に低下した。昨年9月5日の直近安値である13.93倍を割り込んでおり、方向性としては昨年8月6日につけた13.65倍が射程に入っている。米国市場でエヌビディアが自律反発したこともあり、本日はややNTショートの巻き戻しが入りやすい。ただし、トランプ政権による対中半導体規制の強化が警戒されて、方向性としてはTOPIX型優位になりそうであり、戻りの鈍さがみられる局面ではNTショートに向かわせよう。
先週末のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。ショートポジションの調整が進み、一時150.99円まで上昇した。ユーロドルは3日続落。買いが先行し1.0420ドルの高値をつけたが、米ウクライナ首脳会談が決裂し共同会見も取りやめになったと伝わるとユーロ売りが優勢となり1.0360ドルまで安値を更新した。ユーロ円はドル円の上昇につられ一時157.16円まで高値を更新し、4営業日ぶりの反発で取引を終えたが、米ウ首脳会談の決裂を重しに伸び悩んだ。
本日の東京市場で予定されているのは中国の2月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)程度で注目の手がかりは乏しく、ドル円は日本株や時間外の米長期金利の動向を眺めながら動きとなるか。週明けの日本株は先週末の大幅安の反動や米株の反発を手がかりに堅調な動きが見込めるも、関税と地政学リスクへの警戒感で投資家のリスク選好姿勢が大きく高まる可能性は低く、ドル円の上値は限られそうだ。
トランプ関税によるインフレ高懸念は根強いものの、関税の米経済への悪影響がクローズアップされており、関税懸念がドル高よりもリスク回避の円買いに傾く可能性がある。また、2月28日のトランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の会談は激しい口論になり、ウクライナの資源権益に関する協定の署名も見送られた。今回の対立により、ウクライナはロシアの侵攻に対する3年間の戦いで最も重要な同盟国であり武器供給国だった米国との不和に直面しており、地政学リスクの高まりが警戒される。目先はドル高・円高に振れやすく、ドル円は方向感が出にくい。
なお、日銀の早期利上げ観測の高まりを背景とした円買いは一巡しているが、ドル円の上値では引き続き圧迫要因として意識されそうだ。
本日の海外市場では2月米ISM製造業景況指数の結果が注目されるも、市場の関心度が高いのはやはりトランプ関税であり、トランプ米大統領の突発的な発言が相場の攪乱要因になる。トランプ米大統領は4日からカナダとメキシコへの25%関税と中国への10%追加関税を発動すると述べたが、もう同氏の「朝令暮改」は日常茶飯事となっており、その日になってみないと分からない。仮に4日に発動されたとしてもいつ撤回してもおかしくない。世の中の関心を集めているトランプ関税に対し、市場は徐々に免疫力を強めそうだ。
東京市場は堅調か。先週末の米国株は上昇。ダウ平均は601ドル高の43840ドルで取引を終えた。FRBがインフレ指標として注視するPCE価格指数が市場予想並みの結果となり、利下げ期待が高まった。10年債利回りが低下し、幅広い銘柄が上昇。前の日に決算で売られたエヌビディアも4%近く上昇した。トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の交渉決裂が伝わったことで下げに転じる場面はあったものの、終盤にかけては騰勢を強め、高値圏で取引を終了した。ドル円は足元150円70銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて480円高の37590円、ドル建てが495円高の37605円で取引を終えた。
米国株の上昇を好感した買いが入ると予想する。地政学リスクの高まりは懸念材料ではあるが、米国株には非常に強い動きが見られた。米長期金利の低下を受けてもドル円は円安(ドル高)に振れており、日本株には素直に買いが入りやすい。直近で大きく売られた半導体株がエヌビディア株高や円安を追い風として、戻りの先導役になると見込まれる。日経平均は前営業日に4桁下落となった反動で、大きく水準を切り上げることになるだろう。予想レンジは37400円-37900円。
先週末の海外市場では、ドル円は終始底堅い動きとなりました。NY時間午後にCFTCが公表した2月25日時点のCMEの通貨先物ポジションが、投機筋ではネットの円ロングがなんと95980枚まで急増。過去最高の持高を記録したことが全て。先週のドル円の値動きに正当性を与えることになりました。日経平均の4桁急落にもかかわらず、リスクオフでの反応が限定的に終わると、週末にはショートカバー一色に。一時150.99円まで買い戻されることになりました。
週明けのアジア市場では、ホワイトハウスでの首脳会談が冒頭のプレスを入れてのお披露目中から口論となって、トランプ米大統領と喧嘩別れしたウクライナのゼレンスキー大統領が、週末には欧州に移動。欧州首脳会談では、英仏を中心とした有志国連合が協議されたようで、市場では、NY引けにかけて売られたユーロ円の買い戻し。ドル円もつれるかたちで一時151.02円まで値を上げる場面もみられましたが、その後は月初とあって輸出の売りなども観測されると150.27円まで下押ししているといったところです。
いずれにしても、目先は一目転換線の150.44円付近を意識しつつ、下値ではNY時間の安値150.24円や欧州時間の安値150.19円付近がサポートレベル。米10年債利回りが4bpの大幅な上昇となっているなか、まだまだ、過去最高値まで達してしまったポジション調整の動きが続いていくことになりそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比440円高の3万7550円(+1.18%)前後で推移。寄り付きは3万7680円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7590円)を上回る形で、買いが先行して始まった。現物の取引開始時につけた3万7790円を高値に軟化し、3万7370円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、中盤以降は3万7500円~3万7600円辺りでの推移を継続している。
日経225先物は3万7790円まで買われる場面もみられたが、その後はボリンジャーバンドの-2σ(3万7630円)辺りに上値を抑えられている。前場中盤以降は3万7500円処での底堅さがみられており、改めて-2σ突破を試す展開が意識されてきそうだ。東証プライム市場の騰落銘柄は値上がり数が8割を占めているほか、セクターでは東証33業種すべてがプラス圏で推移しており、ショートを仕掛けづらくさせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.82倍に低下した。13.90倍で始まり、13.92倍まで上昇する場面もみられたが、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が上げ幅を縮めたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]は下落に転じるなか、NTショートに振れやすい需給状況になっている。
本日のロンドン為替市場では、週明けオセアニア市場から見られた「ウクライナ情勢を巡る過度な警戒感の後退」が継続されるかを見極める展開か。経済指標では、欧州の2月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値や同月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表される。
先週末は、トランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の会談が物別れに終わり、ウクライナ戦争の先行き不透明感が強まった。しかしながらその後、スターマー英首相の呼びかけで緊急の欧州首脳会議が開かれ、ウクライナ支援や停戦後の安全保障に向けた動きが見られた。一部報道によれば英仏首脳は現在、ウクライナとロシアによる1カ月間の停戦合意をまとめる計画に取り組んでいるもよう。
週明けのユーロ相場は、欧州主要国の対応を好感して買いが先行。ただし今後、更にユーロポジティブに傾くとは言い切れない。というのも、英仏や独など欧州主要国と、ロシアと国境を接している(または近い)国で必ずしも意見が一致しているとは限らないからだ。停戦案の内容次第では、欧州サイドからも強い反対意見が出てきてもおかしくはない。欧州の足並みの乱れが目立つようだと、市場のリスクセンチメントの改善も遅れるだろう。
欧州前半に発表される2月製造業PMIは改定値のため、基本的には相場へのインパクトはそれほど大きくない。ただ、欧州経済のけん引役であるドイツの同指標は底打ち感も出てきており、前回1月分のときのように速報値からの上振れとなればユーロの支えとなりそうだ。
2月ユーロ圏HICP速報値は前年比総合が2.3%、同比コアは2.5%とどちらも前回から減速が予想されている。特にコア指数が予想に沿った結果であれば、2022年1月以来の低い水準となる。今週は6日に欧州中央銀行(ECB)が政策金利を公表予定。「0.25%追加利下げ予想」は維持されたままだろうが、本日の結果で利下げペースの思惑に変化がでるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、2月26日高値1.0529ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0337ドル
ドル円:1ドル=150.40円(前営業日NY終値比▲0.23円)
ユーロ円:1ユーロ=156.63円(△0.36円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0414ドル(△0.0039ドル)
日経平均株価:37785.47円(前営業日比△629.97円)
東証株価指数(TOPIX):2729.56(△47.47)
債券先物3月物:139.44円(▲0.33円)
新発10年物国債利回り:1.405%(△0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは強含み。前週末に欧州の西側諸国首脳がウクライナへの支持を改めて表明。英仏とウクライナで停戦案を作成したうえで米国に提示するとしたほか、欧州首脳らは停戦後のウクライナの安全保障に向けて有志国連合の協議を始めたと報じられた。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退したことで週明けから買いが強まり、先週末高値の1.0420ドルを上抜けて1.0423ドルまで値を上げた。
・ドル円は上値が重い。早朝はユーロ円の上昇につれて一時151.02円と先週末高値の150.99円を上抜ける場面があった。ただ、151円台での滞空時間は短く、月初に絡んだ本邦輸出企業の売りが観測されると失速。一時150.25円まで下げ、その後の戻りも鈍かった。
・ユーロ円は強含み。ウクライナを巡る不透明感が和らいだとの見方から早朝取引で買いが進み、一時157.31円まで値を上げた。ただ、その後はドル円が失速した影響を受けたため156円台半ばまで押し戻された。
・日経平均株価は反発。先週末に大幅下落した反動から週明けは自律反発狙いの買いが強まった。自動車や機械など主力株の買いが目立ち、終始堅調に推移した。
・債券先物相場は反落。日経平均株価が前週末の大幅下落の反動から堅調に推移し、安全資産とされる債券需要が低下。明日の10年債入札を前にした持ち高調整売りも見られた。
日本銀行と米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標は2%に設定されている。
日銀は、『コアCPI』を指針としているが、1月は前年比+3.2%だった。
FRBは、『PCEデフレーター』を指針としているが、1月は前年比+2.5%だった。
1.1月の日本の物価指数
■政策金利(無担保コールレート):0.50%
■インフレ目標2%:コアCPI(生鮮食品を除く)=+3.2%
・総合消費者物価指数(CPI):+4.0%
・コアCPI(生鮮食品を除く):+3.2%
・企業向けサービス価格指数:+3.1%
・企業物価指数:+4.2%
・輸入物価指数:+2.3%
※基調的なインフレ率を捕捉するための指標
・刈り込み平均値:+2.2%
・加重中央値:+1.4%
・最頻値:+1.3%
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆する日銀の0.75%への追加利上げ時期は、5月の日銀金融政策決定会合となっている。
2.1月の米国の物価指数
■政策金利(FF金利誘導):4.25-50%
■インフレ目標2%:PCEデフレーター=+2.5%
・消費者物価指数(CPI):+3.0%
・コアCPI:+3.3%
・卸売物価指数(PPI):+3.5%
・コアPPI:+3.6%
・PCEデフレーター:+2.5%
・コアPCEデフレーター:+2.6%
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している0.25%の追加利下げ時期は以下の通りとなっている。
・6月FOMC:▲-0.25%=4.00-25%
・9月FOMC:▲-0.25%=3.75-4.00%
・12月FOMC:▲-0.25%=3.50-75%
ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、1月のコアPCEは、前月比+0.27%、前年比+2.6%を予想していた。理由として、「米連邦準備理事会(FRB)が重視するPCE価格指数に反映されるPPI項目(フィナンシャル&ヘルスケア・サービス)は全体的に、非常に抑制されていた」ことを挙げていた。
大阪3月限
日経225先物 37860 +750 (+2.02%)
TOPIX先物 2735.0 +59.0 (+2.20%)
日経225先物(3月限)は前日比750円高の3万7860円で取引を終了。寄り付きは3万7680円とシカゴ日経平均先物清算値(3万7590円)を上回る形で、買いが先行した。現物の取引開始時につけた3万7790円を高値に軟化し、前場中盤には3万7370円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
しかし、その後は再びロング優勢の流れとなり、ランチタイムで3万7700円台を回復。後場終盤にかけて3万7750円から3万7850円の高値圏で保ち合い、一時3万7890円まで買われる場面もみられた。
日経225先物は3万7370円まで上げ幅を縮めた後は、3万7500円辺りで強弱感が対立する形だったが、ランチタイムでボリンジャーバンドの-2σ(3万7680円)水準を突破すると、後場はショートカバーを交えてのリバウンドとなった。自律反発の域は脱していないとはいえ、-2σを上回って終えており、予想以上に強かった印象である。
バンドは下向きで推移しているため、これに沿った形での調整が警戒されるものの、-2σを上回って推移するようだと、次第に-1σ(3万8190円)とのレンジに移行する展開が期待されてくる。また、先週末の大幅な下落で昨年10月以降のレンジ下限を明確に割り込んだが、このレンジ下限が3万7500円水準であった。前場中盤以降は同水準を上回って推移したことで、3万7500円が上値抵抗線に変わらなかったことは安心感につながったとみられる。
週足では-2σ(3万7280円)を上回っての推移が続き、-1σ(3万8150円)とのレンジに向かわせそうだ。なお、トランプ政権は4日にカナダ、メキシコからの輸入品に25%の関税を発動する計画である。関税撤回に向けた働き掛けを続けており、影響が警戒されそうだ。緩和措置などが出されれば株式市場にはプラスに作用しようが、計画通りに実施され、対抗措置の発動など貿易摩擦に発展する可能性が高まるようだと、神経質な相場展開となりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.84倍に低下した。13.90倍で始まり、13.92倍まで上昇する場面もみられたが、その後はNTショートに振れやすい需給状況となり、一時13.79倍まで低下した。イレギュラー的な下げとなった昨年8月6日につけた13.65倍が目先的なターゲットになろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万8253枚、ソシエテジェネラル証券が2万0337枚、サスケハナ・ホンコンが6778枚、JPモルガン証券が3790枚、バークレイズ証券が3542枚、野村証券が3502枚、ゴールドマン証券が2910枚、モルガンMUFG証券が2221枚、日産証券が1996枚、三菱UFJeスマート証券が1934枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券2万9278枚、ソシエテジェネラル証券が2万3243枚、バークレイズ証券が8060枚、JPモルガン証券が7100枚、モルガンMUFG証券が5307枚、ビーオブエー証券が4234枚、ゴールドマン証券が3780枚、野村証券が1873枚、みずほ証券が1786枚、シティグループ証券が1244枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、ウクライナ関連のヘッドラインに警戒しながら、2月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数を見極める展開となる。
2月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数は50.5と予想されており、1月の50.9からの悪化が見込まれている。インフレ状況を見極める意味で「価格指数」(※1月は54.9)、今週末の雇用統計を見極める意味で「雇用指数」(※1月は50.3)の変化にも注目しておきたい。
本日、三村財務官は、ドル円が150円台で推移している状況で、「円安は懸念事項の一つ、実質賃金や物価高との関連で」と述べており、海外勢の反応に注目しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)と見込まれ、9月に追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)、そして12月にも追加利下げ(-0.25%=3.50-75%)が見込まれている。
また、2月25日時点のIMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円のポジションは、過去最大の95,980枚の買い持ちポジションだった。おそらく、先週末や本日の151円前後までの上昇で大半が手仕舞われたと思われるが、ドル買いの材料が出た場合には、上値リスクに警戒しておきたい。
米10年債利回りは、ベッセント米財務長官が示唆したように、低下基調にあるものの、ドル円は下げ渋る展開となっている。
しかし、5日の内田日銀副総裁の講演を控えて上値は限定的だと思われる。
本日も、トランプ米大統領による突発的な発言(ウクライナ関連、トランプ関税関連)には引き続き警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、151.48円(2/20高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、149.10円(2/28安値)
今週のNY市場はトランプ関税と経済指標に注目。先週はダウ平均が412.89ドル高(+0.95%)と反発したが、S&P500が0.98%安、ナスダック総合が3.47%安とともに2週続落した。トランプ米大統領が延期されたカナダやメキシコからの輸入品に対する25%の関税や中国に対する10%の追加関税発動に言及したことでセンチメントが悪化した。エヌビディアが予想を上回る決算を発表したものの株価が大幅に下落し、ハイテク株全般に売りが強まったことも相場の重しとなった。S&P500の11セクターはITが週間で4.01%安、コミュニケーションが2.55%安、一般消費財が2.10%安、公益が1.49%安となった一方、金融、不動産が週間で2%超上昇し、ヘルスケア、生活必需品、資本財も1%超上昇した。2月月間ではダウ平均が1.58%安、S&P500が1.42%安とともに反落。ナスダック総合は3.97%安と4カ月ぶりに反落し、2024年4月以来の大幅安を記録した。
今週は3月4日に発動が予定されるカナダ、メキシコからの輸入品に対する25%関税や中国に対する10%の追加関税の行方に注目が集まるほか、年内の利下げ見通しを巡り米2月雇用統計などの経済指標が焦点となりそうだ。金曜日に発表される2月雇用統計では非農業部門雇用者数が1月の14.3万増から15.3万人増へと増加が見込まれ、失業率は1月から横ばいの4.0%が見込まれている。足もとでやや弱い経済指標の発表が相次いだことで年内の利下げ期待が再び高まっているが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長などは利下げを急ぐ必要はないとのスタンスを繰り返し示しており、雇用統計を受けた利下げ見通しが焦点となる。このほかの経済指標は2月ISM製造業PMI、2月ADP民間部門雇用者数、2月ISM非製造業PMIなど。決算発表では半導体のブロードコムやターゲット、ベストバイ、コストコなどの消費関連株の決算やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは2月S&P製造業PMI確定値、2月ISM製造業PMIなど。主要な企業の決算発表はなし。
日銀は3日、新たな理事に正木一博企画局長を充てる人事を発表した。
日経平均株価は大幅反発。買い先行から上げ幅を縮小する場面があったが、後場は買いが継続して高値圏で取引を終えた。先週末に形成したマド埋めには至らなかったが、陽線で終えた点はポジティブといえよう。
RSI(9日)は前日の12.5%→28.7%(3/3)に上昇。1/24高値(40279円)からの二段下げ目が続いているが、昨年9月に形成したダブルボトムのネックラインである36900円付近のフシ到達後の反発であり、目先的には先週末を底値に値固めの展開か。ただ、下向きの5日移動平均線(37915円 3/3)や10日移動平均線(38464円 同)が上値抵抗になる。
2月相場は月足の一目均衡表で転換線(36791円)付近まで下げたが、3月は基準線(34529円)の上昇が再開するタイミングでもあり、反発基調が続くことに期待したい。
上値メドは、5日移動平均線や10日移動平均線、200日移動平均線(38665円 同)、25日移動平均線(38881円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)などがある。下値メドは、心理的節目の37000円、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、心理的節目の36500円、9/17安値(35828円)などがある。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.18円(3日15時時点比▲0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.53円(△0.90円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0490ドル(△0.0076ドル)
FTSE100種総合株価指数:8871.31(前営業日比△61.57)
ドイツ株式指数(DAX):23147.02(△595.59)
10年物英国債利回り:4.555%(△0.073%)
10年物独国債利回り:2.491%(△0.085%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月スイス製造業PMI
49.6 47.5
2月仏製造業PMI改定値
45.8 45.5
2月独製造業PMI改定値
46.5 46.1
2月ユーロ圏製造業PMI改定値
47.6 47.3
2月英製造業PMI改定値
46.9 46.4
1月英消費者信用残高
17億ポンド 11億ポンド・改
1月英マネーサプライM4
(前月比) 1.3% 0.1%
(前年比) 4.1% 2.6%・改
2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.4% 2.5%
2月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.6% 2.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い。前週末に欧州の西側諸国首脳がウクライナへの支持を改めて表明。英仏とウクライナで停戦案を作成したうえで米国に提示するとしたほか、欧州首脳らは停戦後のウクライナの安全保障に向けて有志国連合の協議を始めたと報じられた。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退する中、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。2月の仏・独・ユーロ圏製造業PMI改定値や2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を上回ったこともユーロ買いを誘った。
NYの取引時間帯に入ると、2月米ISM製造業景況指数が50.3と予想の50.5を下回ったことを受けて、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化。24時30分過ぎに一時1.0503ドルと日通し高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.1797%前後と昨年12月9日以来の低水準を付けた。
・ドル円は荒い値動き。三村淳財務官が「物価上昇を上回る賃金上昇を実現するうえで円安がマイナスの影響を及ぼす可能性があるため、為替動向を注視する必要がある」との見解を示すと、円買い・ドル売りで反応。18時過ぎに一時149.95円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、欧州株相場の上昇に伴う円売り・ドル買いが進んだ。ナイト・セッションの日経平均先物が底堅く推移したことも相場の支援材料となり、21時過ぎに一時151.30円と日通し高値を付けた。
もっとも、2月20日の高値151.48円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。2月米ISM製造業景況指数の下振れと米長期金利の低下も相場の重しとなり、1時30分過ぎには150.05円付近まで押し戻された。
・ユーロ円は一転上昇。日本時間夕刻に一時155.93円と日通し安値を付けたものの、この日発表のユーロ圏経済指標が予想を上回ると買い戻しが優勢に。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退する中、英独株価指数が史上最高値を更新したことも相場の支援材料となり、一時158.47円と日通し高値を付けた。
・ロンドン株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。英国やフランス、ドイツなど欧州主要国の首脳が防衛費を早期に増額することで一致したのを受けて、BAEシステムズやといった防衛関連銘柄が軒並み大幅高となった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も買われた。
・フランクフルト株式相場は大幅に上昇し、史上最高値を更新した。前週末に欧州の西側諸国首脳がウクライナへの支持を改めて表明。英仏とウクライナで停戦案を作成したうえで米国に提示するとしたほか、欧州首脳らは停戦後のウクライナの安全保障に向けて有志国連合の協議を始めたと報じられた。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退したことで買いが優勢となった。
・欧州債券相場は下落。防衛費増大が各国の国債増発につながるとの見方から売りが出た。
3月に入り3日の日経平均は大幅反発。終値は629円高の37785円。2月28日の米国では、長期金利の低下やエヌビディアの大幅高を好感して、ダウ平均が600ドルを超える上昇。これを受けて400円超上昇して始まった。前場では開始直後に上げ幅を500円超に広げた後は伸び悩んだ。一方、萎んでも37300円台では改めての買いが入った。下値不安が和らいだ後場には、緩やかに水準を切り上げる流れが続いた。終盤にかけては上げ幅を600円超に拡大。37800円台に乗せる場面もあり、高値圏で終了した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1800億円。業種別では全33業種が上昇。サービス、保険、輸送用機器などの動きが良かった一方、その他製品、金属製品、化学などが相対的に見劣りする上昇となった。トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領のホワイトハウスでの交渉が決裂し、地政学リスクが意識されたことから、IHI<7013.T>、三菱重工業<7011.T>、川崎重工業<7012.T>など防衛関連が急伸。半面、1Qが大幅な減益となったキタック<4707.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1407/値下がり202。自己株取得を発表したリクルートHDが6.9%高。主力どころではトヨタやファーストリテイリングの動きが良かった。トランプ大統領のSNSへの投稿を手がかりに暗号資産関連が物色されており、足元で売り込まれていたメタプラネットが一転ストップ高と騰勢を強めた。グループ再編に関連するリリースを材料にイオンモールが急騰し、イオンディライトがストップ高。イオンファンタジーやイオンFSなどイオン系銘柄の物色が活発となり、イオンも3%を超える上昇となった。
一方、DeNAが商いを伴って7%を超える下落。米エヌビディアの大幅高を受けて躍進が期待された半導体はレーザーテックやSCREENなど下げる銘柄が結構あり、キオクシアやソシオネクストは大幅安となった。任天堂やソニーGなどゲーム株が逆行安。遅延していた本決算を発表し、前期が大幅な最終赤字となったアドバンスクリエイトがストップ安比例配分となった。
日経平均は大幅高。米長期金利の低下を受けても為替は円安(ドル高)に振れたことから、米国株の上昇を素直に好感する動きとなった。半導体株主導とならなかったことにはやや意外感もあるが、全面高かつ、ローソク足では下に長いヒゲをつけた陽線を形成しており、あす以降の上昇にも期待が持てる。きょうの終値は37785円。早々に38000円を上回ることができるようなら、2月28日の1100円安が下にオーバーシュートしすぎたとの見方が強まる。きょう下げなかったことがひとまず安心できる動きではあるが、大きな上昇となっただけに、間を置かず一段高となる展開に期待したい。
ホワイトハウスが、トランプ米大統領が中国に20%の関税を課す措置に署名したと報じた。
石油輸出国機構(OPEC)プラスは4月の原油増産に踏み切ると、一部通信社が報じた。
ロシア政府は3日、岩屋毅外相を入国禁止すると発表した。
WSJが報じたところによると、「トランプ米大統領と半導体受託製造の世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)は1000億ドル規模の投資を発表する」ようだ。
3日16:30 中国商務省
「関税に対応して自国の利益を守ると改めて表明」
3日16:41 三村財務官
「円安は懸念事項の一つ、実質賃金や物価高との関連で」
「金利上昇、利払い費の増加という点ではネガティブ」
3日18:28 クレムリン(ロシア大統領府)
「ゼレンスキー・ウクライナ大統領は少なくとも外交能力の完全な欠如を示した」
「ゼレンスキー・ウクライナ大統領は平和を望んでいない」
「西側の一部はウクライナ戦争の継続を望んでいる」
「ロシアは二国間関係の正常化に向けて米国との対話を継続」
4日00:44 スターマー英首相
「欧州の対ウクライナ計画には軍事援助継続が盛り込まれる」
「ウクライナの安全確保には米国が不可欠」
「和平協定はウクライナの主権を保証しなければならない」
4日01:42 トランプ米大統領
(ゼレンスキー・ウクライナ大統領の「戦争終結はまだ遠い」との発言を引用)
「ゼレンスキー氏、最悪の発言」
4日03:44
「4月2日、外部製品(外国産農産物)に関税がかけられる」
「米国の偉大なる農民たちへ、米国内で販売する農産物をたくさん作り始める準備をしておくように」
「明日、カナダとメキシコに関税を課す」
「議会演説でウクライナについて言及する」
「ウクライナの鉱物資源取引が終わったとは思わない」
「カナダ、メキシコ関税の合意には余地はない」
「円や中国元は通貨として弱い」
「通貨安の国に関税を課す」
4日02:40 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「経済成長の見通しは良好、雇用市場は健全」
「最近のデータは経済成長の下振れリスクを示唆」
「FRBがインフレ期待を抑制することが重要」
「政策は適度に抑制的、忍耐強いアプローチが望ましい」
「物価安定にはさらなる金融政策の取り組みが必要」
4日02:56 ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「可能な限り早期にこの戦争を終わらせることが重要」
「平和への道における米国の支援を期待」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 1月完全失業率(予想:2.4%)
○08:30 ◎ 1月有効求人倍率(予想:1.25倍)
○08:50 ◇ 10-12月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額、予想:前年比5.0%)
○08:50 ◇ 2月マネタリーベース(予想:前年比▲1.8%)
○14:00 ◇ 2月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:35.3)
<海外>
○06:45 ◎ 1月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○09:30 ◇ 10-12月期豪経常収支(予想:119億豪ドルの赤字)
○09:30 ◎ 1月豪小売売上高(予想:前月比0.3%)
○09:30 ◎ 2月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○18:30 ◎ 10-12月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比0.9%/前年同期比0.9%)
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏失業率(予想:6.3%)
○5日04:20 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、投資フォーラムに参加
○5日午前 トランプ米大統領、議会演説
○ブラジル(カーニバル)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.50円(前営業日比▲1.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.79円(△0.52円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0487ドル(△0.0112ドル)
ダウ工業株30種平均:43191.24ドル(▲649.67ドル)
ナスダック総合株価指数:18350.19(▲497.09)
10年物米国債利回り:4.15%(▲0.06%)
WTI原油先物4月限:1バレル=68.37ドル(▲1.39ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2901.1ドル(△52.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月米製造業PMI改定値
52.7 51.6
2月米ISM製造業景況指数
50.3 50.9
1月米建設支出
(前月比) ▲0.2% 0.5%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、欧州株相場の上昇を手掛かりに円売り・ドル買いが先行。21時過ぎに一時151.30円と日通し高値を付けた。
ただ、2月米ISM製造業景況指数が50.3と予想の50.5を下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢に。NY午後に入ると、トランプ米大統領が「日本と中国が通貨安政策を取るなら米国は不当に不利な立場に立たされる」と述べ、両国を名指しして「こうした国に関税を課す」と表明。円買い・ドル売りが活発化した。米国株や日経平均先物の下落に伴うリスク・オフの円買いも入り、三村淳財務官の発言後に付けた149.95円を下抜けると一時149.10円まで下げ幅を広げた。
・ユーロドルは4日ぶり反発。欧州の主要国が米国とウクライナの関係修復を目指すとの見方から、ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぐと全般ユーロ買いが先行。2月米ISM製造業景況指数の下振れと米長期金利の低下も相場の支援材料となり、0時30分過ぎに一時1.0503ドルと日通し高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.1456%前後と昨年12月9日以来の低水準を付けた。
ただ、トランプ米大統領は予定通り4日にカナダとメキシコに対する関税を発動することを決めたと伝わると、ユーロ売り・ドル買いがやや優勢に。5時30分過ぎに1.0467ドル付近まで伸び悩んだ。
・メキシコペソとカナダドルは急落。トランプ米大統領が「明日、カナダとメキシコに関税を課す」「(発動までに合意できる余地は)全くない」と発言したことを受けた。ドルペソは一時20.7452ペソ、ペソ円は7.20円までペソ安に振れたほか、米ドルカナダドルは一時1.4542カナダドル、カナダドル円は102.55円までカナダドル安に振れた。
・ユーロ円は続伸。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退する中、英独株価指数が史上最高値を更新したことなどが相場の支援材料となり、22時前に一時158.47円と日通し高値を付けた。
ただ、NY午後に入りトランプ米大統領の発言が伝わると米株式市場でダウ平均が一時920ドル超下落し、リスク・オフの円買いが活発化。5時30分過ぎに156.09円付近まで下押しする場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅反落。エヌビディアの大幅下落や2月米ISM製造業景況指数の下振れが投資家心理の悪化につながった。トランプ米政権の関税政策が経済に与える悪影響も懸念されて、指数は一時920ドル超下落した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。米国株相場の下落や米経済指標の下振れを受けて、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。利回りは一時4.1456%前後と昨年12月9日以来の低水準を付けた。
・原油先物相場は続落。米長期金利が低下していることで、ドルで取引される原油先物は割安感から堅調に推移していた。しかし、石油輸出国機構(OPEC)プラスが4月に増産を実施する予定との報道が伝わると、一転原油先物は売りに押され一時68ドルを割り込み、年初来安値を更新し続落して引けた。
・金先物相場は3日ぶりに反発。米国が明日4日にカナダ、メキシコからの輸入品に25%、中国からは輸入品には20%の関税賦課の発動期日を前に、避難通貨として金先物に買いが集まり3営業日ぶりに反発した。また、米長期金利が低下しドルが弱含むと、ドルで取引される金先物は割安感からも買われやすかった。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 37300 -560 (-1.47%)
TOPIX先物 2711.5 -23.5 (-0.85%)
シカゴ日経平均先物 37310 -550
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2月の米ISM製造業景況指数は50.3となり市場予想(50.7程度)を下回ったことで、米経済の先行き不安が一段と広がった。項目別では仕入れ価格が2022年6月以来の水準へと大幅に上昇し、インフレ懸念につながった。また、トランプ米大統領は4日からメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課す方針を改めて示したほか、中国に対する追加関税を10%から20%に引き上げる考えも示しており、NYダウの下落幅は一時900ドルを超える場面もみられた。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>の下げがセンチメントを冷やした。中国の業者が輸出規制を回避して同社のAI半導体を注文しているとの一部報道を受け、対中半導体規制が強化されるとの懸念を背景に下落率は8%を超えた。
そのほか、アマゾン・ドット・コム<AMGN>、マイクロソフト<MSFT>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、アップル<AAPL>、キャタピラー<CAT>が値を下げた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>やコカ・コーラ<KO>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比550円安の3万7310円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比40円安の3万7820円で始まり、その後3万7640円まで売られた後に切り返し、米国市場の取引開始直後には3万8260円まで上げ幅を広げる場面もみられた。買い一巡後は3万7850円~3万8100円辺りのレンジで推移。しかし、トランプ大統領の関税を巡る発言を受け、終盤にかけて下へのバイアスが強まると3万7090円まで下落幅を拡大。終了間際にショートカバーが入り下げ渋る動きもみられ、3万7300円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。一時3万8260円まで買われ、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8150円)を上回る場面もあったがキープできず、その後の下げで-2σ(3万7500円)を下抜け、-3σ(3万6860円)に接近する形となった。-2σ水準で強弱感が対立すると考えられるが、抵抗線として機能するようだと-3σとのレンジが意識されてきそうだ。
日経225先物は前日の自律反発分をほぼ打ち消す形となったことで、押し目狙いのロングも手控えられそうだ。また、トランプ大統領は為替にも言及しており、通貨安の国に関税を課すと述べたようだ。これを受けて円相場は1ドル=149円台半ばと円高に振れており、為替を睨んでの展開になりそうである。
-2σと-3σによるレンジから、オプション権利行使価格の3万6875円から3万7500円の推移を想定する。3万7000円を割り込む場面ではヘッジ対応のショートの強まりが見込まれる。一方で、早い段階で-2σ水準を回復するようだと、改めて-1σを意識したトレンドに向かわせそうだ。
3日の米VIX指数は22.78(28日は19.63)に上昇した。一時24.31まで切り上がり、1月27日の高値(22.51)を突破し、昨年12月半ば以来の水準に上昇してきた。12月18日の高値28.32が射程に入ってきており、リスク回避姿勢が強まりそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.84倍に低下した。13.90倍で始まり、13.92倍まで上昇する場面もみられたが、その後はNTショートに振れやすい需給状況となり、一時13.79倍まで低下した。前日のリバランスは入りそうだが、エヌビディアの大幅な下落の影響もあり、方向性としては昨年8月6日につけた13.65倍が目先的なターゲットになろう。
昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。2月米ISM製造業景況指数が予想を下振れし、ドル売りが強まったことやトランプ米大統領が円安に言及したことも材料視され、149.10円まで下落した。ユーロドルは4日ぶり反発。ウクライナ情勢を巡る懸念が和らいだことを背景としたユーロ買いと米長期金利の低下に伴ったドル売りで1.0503ドルまで上昇した。また、ユーロ円は一時158.47円まで買われたが、米株の大幅安で伸び悩んだ。
本日の東京タイムでは、1月失業率・有効求人倍率や10-12月期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額などの発表が予定されているが、ドル円の動意につながる可能性は低い。ドル円は昨日の大幅安の反動で調整の買い戻しが入る可能性はあるものの、円安に言及したトランプ米大統領の発言も重しに戻りの鈍い動きが想定される。昨日、トランプ大統領は「円や中国元は通貨として弱い」「通貨安の国に関税を課す 」などと述べた。昨日は三村淳財務官も円安の経済へのマイナス影響に言及し、為替動向を注視する必要があると発言した。米株の大幅安と米長期金利の低下もドル円の重しとなる。
依然として市場のメインテーマはトランプ関税であるが、関税による米インフレ高への懸念は根強いものの最近の米長期金利は低下気味と、インフレ高による景気鈍化への警戒感が根強いことが反映されている。トランプ関税はドル高よりもリスク回避の円買いに傾く可能性がある。トランプ米大統領は4日から予定通りにカナダとメキシコに関税を課すと述べた。
また、ウクライナ停戦交渉関連のヘッドラインにも注目。先週末に米ウクライナ首脳会談が決裂し、米国がウクライナへの軍事支援停止を検討しているとの報道も出るなか、スターマー英首相主導で欧州各国の首脳が緊急の会議を開いた。欧州独自の停戦案を作成し米国に提示するとしているが、ウクライナの平和よりも自分たちの利益に目線が置かれており、停戦案は順調に進まず市場のセンチメント悪化につながる可能性もある。また、ウクライナ停戦をめぐり米国と欧州の溝が深まると、トランプ米大統領が近いうちに発動すると示唆している欧州連合(EU)への関税決断にも影響を与える可能性もあるか。
東京市場は軟調か。米国株は下落。ダウ平均は649ドル安の43191ドルで取引を終えた。小高く始まったものの、すぐにマイナス圏に沈むと終盤には下げ幅を広げる展開。トランプ大統領がメキシコとカナダからの輸入品に予定通り4日から25%の関税を発動すると表明した上に、2月ISM製造業景況指数が市場予想を下回ったことで、景気減速に対する警戒が高まった。エヌビディアが8%を超える下落となるなどグロース株が弱く、ナスダックが2.6%安と大きな下げとなった。ドル円は足元149円50銭近辺で推移している。トランプ大統領が通貨安を誘導している国として日本を名指ししており、円高が進む場面があった。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて550円安の37310円、ドル建てが540円安の37320円で取引を終えた。
米国株安と円高を嫌気した売りに押されると予想する。ナスダックの大幅安はグロース株に逆風、円高は外需株に逆風で、主力大型株の多くが敬遠されることになると思われる。大幅安スタートが想定されるが、CME225先物は37000円割れまでは示唆していない。きのうそれなりに反発したこともあり、安寄りした後に37000円に接近するようなら下値は拾われるとみる。とはいえ、トランプ発言に一喜一憂する状況がまだしばらくは続きそうで、腰の入った買いは期待しづらい。場中はマイナス圏で不安定な動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは36900円-37550円。
一部報道が国防当局者の話として伝えたところによると、トランプ米政権はウクライナへの現行の軍事支援を全て停止するもよう。
日経225先物は11時30分時点、前日比770円安の3万7090円(-2.03%)前後で推移。寄り付きは3万7320円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7310円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。現物の取引開始時に3万7430円まで下げ幅を縮めたが、ボリンジャーバンドの-2σ(3万7450円)を捉えることはできなかった。その後は中盤にかけてショート優勢の流れが強まり、一時3万6810円と、‐3σ(3万6810円)水準まで下落幅を広げる場面もみられた。
米政権による関税政策の強化や為替市場での円高進行、さらに米政権がウクライナへの軍事支援をすべて停止する方針を示したと伝えられるなか、リスク回避姿勢に向かわせた。日経225先物は売り一巡後に-2σ水準を試したものの、同水準を突破することができず、ショート優位の需給状況になった。-3σまで下げたことで、いったんは売られ過ぎによるショートカバーを誘う動きが意識されやすいが、戻りの鈍さが目立つ局面では短期的ながらもショートを仕掛けてくる可能性はあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.74倍に低下した。一時13.70倍で下げる場面もみられており、昨年8月6日につけた13.65倍に接近してきた。同水準を割り込んでくるようだと、2023年9月下旬につけた13.55倍が射程に入ることで、一段とNTショートに振れやすくなりそうだ。
UBS証券では国内政局に関して、2月25日の与党と維新の会との合意により、予算案が24年度末までに国会を通過することが確実となったことに注目している。石破政権は今国会で2025年度予算の成立に苦戦してきた。予算は2025年度の財政赤字が2024年度よりも少ないことを示しているとのこと。少数与党による政情不安は続くものの、当面は政治的混乱のリスクはなくなったとUBSでは考えている。
昨日のドル円は、欧州時間に三村財務官の円安牽制発言を受けて149.95円まで下押ししたものの、その後は買い戻しが強まる展開に。アジア時間の高値151.02円を上抜けて一時151.30円まで値を上げました。上値では2月20日の高値151.48円が戻りの目処として意識されると次第に上値を切り下げる動き。NY時間に入って2月米ISM製造業景気指数が予想を下回る弱い数字となると米長期金利の低下とともに150.05円まで下押ししました。
しばらくは150円台前半でのもみ合いが続いたわけですが、トランプ米大統領が日本を名指しして関税に言及。カナダとメキシコに対しての関税も予定通り4日から発動することが分かったほか、中国に対して更に10%追加して20%の追加関税をかけることも発言すると、株価の急落を受けたリスクオフから149.10円まで売り込まれることになりました。
アジア時間に入ってからも、日経平均が寄付きから急落。先週末の安値を割込んで一時970円近い下落となるなか、米10年債利回りも低下幅を拡大。ドル円は昨日安値や2月26日、2月27日の安値を下抜けて一時148.60円まで売り込まれました。ただ、その後は2月25日の安値148.57円が目先の目処として意識されたほか、日経平均が下げ幅を縮めて37000円台を回復。米長期金利も低下幅を縮めるにつれて149.42円まで買い戻されるなど、極めて神経質な動きが続いています。
いずれにしても、目先はトランプ関税に関する報道や発言などに上下に振らされる展開となっているわけで、値動きは「かなり軽くなってきている」ような状況。市場のポジションや政治的な動きが複雑に絡みあった、一筋縄ではいかない、極めて難しい相場展開となっています。
本日のロンドン為替市場でも、ウクライナ情勢を巡る報道に右往左往させられる展開か。東京午前には一部通信社が、トランプ米政権がウクライナに対する現行の軍事支援を停止するという国防省当局者の見解を伝えた。欧州の経済指標は1月ユーロ圏失業率が発表される程度。ほか、南アフリカからは10-12月期の国内総生産(GDP)が公表予定。
米メディアがホワイハウス関係者の話しとして報じたところによると、トランプ大統領は、ゼレンスキー・ウクライナ大統領がロシアとの和平交渉に向けて「誠意を持って努力している」と判断するまで、軍事援助を再開しないもよう。先週末の米・ウクライナ首脳会談の決裂で「米国による援助が停止される」との見方が広がっていたこともあり、米国の決定自体はサプライズではない。ただ先行き不透明感の深まりは、地政学リスクへの警戒感を高めることにはなる。
一方、欧州主要国はウクライナを守るという方向性では一致している。ウクライナへの軍事支援継続が確認され、英国などは16億ポンド規模の防空ミサイルの供与を発表。スターマー英首相が主催した首脳会議では、米露主導の停戦協議へのけん制も含めて、和平交渉にはウクライナが参加しなければいけないと合意した。
トランプ政権の発足後、関税問題も含めて欧米の関係悪化が目立っていた。ユーロ相場にとってネガティブというのが当初の反応だったが、週明けからの値動きを見る限り、対ドルではユーロ買いが優勢だ。ウクライナへの軍事支援拡大は、欧州の軍需産業にとって業績押し上げにも繋がるということも、目先はユーロの支えとなっているのかもしれない。
なお、10-12月期南アGDPは前期比/前年比ともに0.9%が市場予想。もっとも前期比については、5四半期連続で予想より弱かったことは念頭に入れておきたい。今年に入り、南アが経済関係を強める中国に対して現在の米政権は圧力を強めている。前政権時にどの程度まで南ア経済が持ち直していたかを確認することになりそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル、昨年12月9日高値1.0594ドル
・南ア・ランド円、昨日高値8.12円
想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.0404ドル
・ランド円、昨年9月11日安値7.86円
ドル円:1ドル=149.38円(前営業日NY終値比▲0.12円)
ユーロ円:1ユーロ=156.61円(▲0.18円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0483ドル(▲0.0004ドル)
日経平均株価:37331.18円(前営業日比▲454.29円)
東証株価指数(TOPIX):2710.18(▲19.38)
債券先物3月物:139.33円(▲0.11円)
新発10年物国債利回り:1.420%(△0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月完全失業率
2.5% 2.5%・改
1月有効求人倍率
1.26倍 1.25倍
10-12月期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
前年同期比 ▲0.2% 8.1%
2月マネタリーベース
前年同月比 ▲1.8% ▲2.5%
2月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
35.0 35.2
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は一進一退。日経平均株価が大幅に下落したほか、時間外の米10年債利回りが低下したことを受けて売りが強まり、一時148.60円まで値を下げた。ただ、2月25日安値の148.57円が目先のサポートとして意識されると反発。午後には一時149.50円台まで持ち直す場面も見られた。
・ユーロ円も一進一退。総じてドル円と同様の展開となった。序盤は日本株安を受けて155.93円まで下落したが、昨日安値との面合わせに留まると156.70円台まで切り返した。
・ユーロドルは小動き。東京市場では1.0471-96ドルと狭い値幅でのレンジ取引となった。
・日経平均株価は反落。米政権による関税政策の強化が嫌気され売りが優勢に。外国為替市場での円高進行やウクライナ情勢の緊迫化も重しとなった。下げ幅は前場に一時1000円に迫ったが、内需株に買いが入ったため、引けにかけては下げ渋った。
・債券先物相場は続落。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで139.58円まで買いが先行した。ただ、10年債入札が弱い内容だったことで一転して139.17円まで急落した。
「トランプ関税が発動されれば、米国の貿易赤字が減少するためドル高要因となる。仮に10%の関税を発動した場合、ドルが4%上昇し、10%が消費者に転嫁されるわけではない」
(ベッセント米財務長官)
ベッセント米財務長官の不可解な発言を確認しておきたい。
ベッセント米財務長官は、元々ジョージ・ソロス氏のSoros Fund Managementの運用を任されていたヘッジファンドマネージャーであり、米国債市場や為替相場に精通した人物である。
1.米国の「三本の矢」
ベッセント財務長官は、トランプ米大統領に「3-3-3」(三本の矢?)と呼ぶ政策を推進するように提言したとのことである。
1)2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減する
2)日量3百万バレル相当の原油増産を目指す
3)GDP成長率3%の実現を規制緩和で目指す
2024年度の米国の財政赤字(1兆8330億ドル)の対国内総生産(GDP)比は、6.4%となっており、2023年度の6.2%から悪化している。
財政赤字を、対GDP比6.4%から3%まで削減するということは、3.4%のGDPの減少となるため、「GDP成長率3%」はほとんど不可能となる。
2.トランプ関税
トランプ関税を負担するのは、米国の消費者である。
しかし、ベッセント財務長官は、ドルが上昇すれば、トランプ関税の負担者は海外の輸出業者に転嫁されると述べている。
例えば、日本から米国に1万ドルの車を輸出した場合、ドル円の為替相場と輸入関税25%との関係を検証してみる。
■ドル円:150円
・日本の輸出業者:1万ドル(@150円=150万円)
・米国の購入者:1万ドル+2500ドル=12,500ドル(@150円=187.5万円)
■ドル円:200円
・日本の輸出業者:1万ドル(@200円=200万円)
・米国の購入者:1万ドル+2500ドル=12,500ドル(@200円=250万円)
大阪3月限
日経225先物 37360 -500 (-1.32%)
TOPIX先物 2711.0 -24.0 (-0.87%)
日経225先物(3月限)は前日比500円安の3万7360円で取引を終了。寄り付きは3万7320円とシカゴ日経平均先物清算値(3万7310円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。現物の取引開始時に3万7430円まで下げ幅を縮めたが、ボリンジャーバンドの-2σ(3万7510円)を捉えることはできなかった。その後は前場中盤にかけてショート優勢となり、一時3万6810円と-3σ(3万6880円)水準まで下げ幅を広げる場面もみられた。
ただし、-3σまで下げたことで、いったんは売られ過ぎによるショートカバーを誘う動きが意識される形となり、ランチライム以降は3万7000円~3万7200円処のレンジを継続。後場中盤辺りにこの水準を上抜けると、終盤にショートカバーとみられる動きが優勢になり、3万7360円まで下げ幅を縮めた。
米国の関税引き上げや為替市場での円高進行に加え、米政権がウクライナへの軍事支援をすべて停止する方針を示したと伝わり、リスク回避姿勢が強まった。トランプ米大統領は、4日からメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を発動させる方針だが、カナダのトルドー首相が3日、報復関税の実施を宣言したと報じられており、大規模な貿易戦争が各国経済に悪影響をもたらすことになろう。
また、3日の米国市場では2月の米ISM製造業景況指数が予想を下回ったことも重荷となっていた。今週は5日に2月のISM非製造業景況指数、2月のADP雇用統計、6日に1月の卸売売上高、7日に2月の雇用統計の発表を控えており、積極的なロングの動きは期待しづらい。
なお、米国では4日、トランプ大統領が施政方針演説を行う予定である。SNSで「明日の夜は大きな出来事になる。ありのままを語る」と投稿しているようだ。日本時間では明日の昼頃からヘッドラインが伝わってくると考えられ、ランチタイム辺りから思惑的なトレードが入りやすいとみておきたい。ポジティブな内容は期待しづらく、先回り的にショートを仕掛けてくる動きがありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.78倍に低下した。一時13.70倍で下げる場面もみられており、昨年8月6日につけた13.65倍に接近してきた。同水準を割り込んでくるようだと、2023年9月下旬につけた13.55倍が射程に入ることで、一段とNTショートに振れやすくなりそうだ。ただし、-3σまで下げてきているため、短期的にはNTショートを巻き戻す動きも入りやすいところである。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万3862枚、ソシエテジェネラル証券が2万3703枚、サスケハナ・ホンコンが9212枚、SBI証券が4719枚、JPモルガン証券が4248枚、バークレイズ証券が4092枚、ゴールドマン証券が3772枚、野村証券が2159枚、日産証券が1745枚、みずほ証券が1695枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券2万7738枚、ソシエテジェネラル証券が2万1983枚、バークレイズ証券が8059枚、JPモルガン証券が4467枚、ゴールドマン証券が3312枚、ビーオブエー証券が2274枚、みずほ証券が2193枚、SBI証券が1518枚、野村証券が1220枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領の施政方針演説への警戒感から上値が重い展開が予想される。
トランプ米大統領は、2月の日米首脳会談の後に、「対日貿易赤字を減らしたい」と述べていたが、昨日は、「日本と中国が通貨安政策を取るなら、米国は不当に不利な立場に置かれる」と述べ、円安を牽制した。
三村財務官も、ドル円が150円台で推移している状況で、「円安は実質賃金の上昇実現に悪影響を及ぼすため懸念事項」と述べており、日米がドル安・円高を指向する構図が窺える。
本日からメキシコとカナダへの25%の関税が発動され、中国への関税率が10%から20%に引き上げられる。
トランプ米大統領の施政方針演説では、4月2日から発動予定の相互関税への言及、すなわち、日本の非関税障壁を念頭に置いた自動車関税の引き上げ、そして、円高圧力をかける可能性に警戒しておきたい。
また、中国が米国に対して最大15%の関税賦課で報復する措置を取る、と表明しており、第1次トランプ米政権の時のような関税引き上げ合戦にも警戒しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ開始時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)と見込まれ、9月に追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)、そして12月にも追加利下げ(-0.25%=3.50-75%)が見込まれている。
米10年債利回りは4.20%を割り込んでおり、FF金利誘導目標4.25-50%の下限を下回っている。すなわち、米国債券市場は、トランプ関税によるインフレ圧力よりも、景況感悪化への警戒感を高めていることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、150.03円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、148.57円(2/25安値)
今晩は神経質な展開か。昨日はトランプ米大統領がメキシコとカナダからの輸入品に予定通り4日から25%の関税を発動すると表明したことや、エヌビディアが8%以上下落したことで主要3指数がそろって大幅に下落した。ダウ平均が649.67ドル安(-1.48%)と反落し、S&P500も1.76%安と反落し、今年最大の下落率を記録。年初来では0.54%安とマイナス圏に沈んだ。ハイテク株主体のナスダック総合も2.64%安と大幅反落し、年初来下落率が4.97%に拡大した。センチメントは大幅に悪化。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の19.63ポイントから22.78ポイントに上昇した。
今晩は神経質な展開か。昨日の大幅安で押し目買いも期待されるが、ホワイトハウスが4日、メキシコとカナダからからの輸入品に対して25%、中国に対して10%追加関税を発動したと発表したことで、その影響や相手国からの報復関税問題が重しとなりそうだ。取引時間中にも新たなニュースが発表される可能性があり、トランプ関税をにらんだ神経質な展開となりそうだ。企業決算では寄り前に小売り大手のターゲットとベストバイが発表予定で、足もとの消費動向や発表されるガイダンスに注目が集まる。
今晩の米経済指標は2月乗用車総販売台数などなど。決算発表は寄り前にターゲット、ベストバイ、オートゾーン、引け後にロス・ストアーズ、クラウドストライクなどが発表予定。(執筆:3月4日、14:00)
中国は4日、米国が中国を対象として関税措置を発動したことに対し、最大15%の関税賦課で報復する措置を取るとともに、米国の追加関税を巡ってWTOに提訴する意向を示した。
米ホワイトハウスは4日、トランプ氏はカナダとメキシコ、中国を対象に予定通りに関税措置を発動したと発表した。
日経平均株価は大幅反落。波乱含みの展開が続いている。前日から下落して寄り付いたあとは下値模索の展開となり、一時は先週末の安値(36840円)を下回る場面もあった。一方、売り一巡後は下値買い優勢の展開となり、日足ローソク足は陰線ながらも下ヒゲの長いたくり足を形成した。
RSI(9日)は前日の28.7%→23.2%(3/4)に低下。1/24高値(40279円)からの二段下げ目が続いているが、昨年9月に形成したダブルボトムのネックラインである36900円付近のフシや、月足の一目均衡表の転換線(36791円)付近などが意識された可能性が高い。目先は、下向きの5日移動平均線(37734円 3/4)や10日移動平均線(38279円 同)下で値固め続く公算が大きい。
2月相場は月足の一目均衡表で転換線(36791円)付近まで下げたが、3月は基準線(34529円)の上昇が再開するタイミングでもあり、月間ベースでの反発に期待したい。
上値メドは、5日移動平均線や10日移動平均線、200日移動平均線(38662円 同)、25日移動平均線(38777円 同)、心理的節目の39000円や39500円、1/31高値(39681円)などがある。下値メドは、心理的節目の37000円、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、心理的節目の36500円や36000円、9/17安値(35828円)などがある。
(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.75円(4日15時時点比▲0.63円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.80円(△0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0541ドル(△0.0058ドル)
FTSE100種総合株価指数:8759.00(前営業日比▲112.31)
ドイツ株式指数(DAX):22326.81(▲820.21)
10年物英国債利回り:4.534%(▲0.021%)
10年物独国債利回り:2.495%(△0.004%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月ユーロ圏失業率
6.2% 6.2%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下げ渋り。トランプ米政権の関税政策が経済に与える悪影響が懸念されて、アジアや欧州の株式相場が大幅に下落。時間外のダウ先物も下落し、世界同時株安の様相を呈した。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢になると、2月25日の安値148.57円を下抜けて一時148.10円と昨年10月9日以来約5カ月ぶりの安値を更新した。市場では「日本時間5日11時に予定されているトランプ米大統領の施政方針演説への警戒感から売りが出た」との声も聞かれた。
ただ、節目の148.00円がサポートとして意識されると下げ渋った。一時は4.1040%前後と昨年10月21日以来の低水準を付けた米10年債利回りが上昇に転じたことも相場を下支えし、148.92円付近まで下値を切り上げた。
・ユーロドルは底堅い。フォンデアライエン欧州委員長が提案した8000億ユーロ規模の欧州再軍備などが好感されてユーロ買い・ドル売りが先行。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.0559ドルと昨年12月10日以来の高値を付けた。
独DAXが3.5%超下落するなど、欧州株相場が大幅に下落したことが相場の重しとなり、一時1.0497ドル付近まで伸び悩む場面もあったが下押しは限定的だった。2時過ぎには1.0541ドル付近まで切り返した。
なお、米短期金融市場では米利下げ観測が高まり、年内に0.25%の利下げが3回行われるとの見方を完全に織り込んだ。
・メキシコペソとカナダドルは下落。ドルペソは一時20.9982ペソ、ペソ円は7.07円までペソ安に振れたほか、米ドルカナダドルは一時1.4543カナダドル、カナダドル円は102.20円までカナダドル安に振れた。
なお、トランプ米大統領が両国に対する関税を予定通り発動したことを受けて、シェインバウム・メキシコ大統領は「メキシコに対する米国の関税は正当性がない」「対抗措置を9日に発表する」と表明。また、トルドー加首相は「米国からの輸入品300億カナダドル相当に25%の関税を即時課す」と述べ、「カナダ国民は戦いから退かない」と米政権との対立姿勢を示した。
・ユーロ円は一進一退。ユーロドルの上昇につれた買いが先行すると一時157.20円と日通し高値を付けたものの、世界的な株価の下落を受けてリスク回避の円買いが強まると一時155.60円と日通し安値を更新した。ただ、そのあとはドル円や米国株の下げ渋りにつれた買いが入り156.96円付近まで持ち直した。
・ロンドン株式相場は6日ぶりに反落。前日まで5日続伸し史上最高値を更新していただけに、利益確定目的の売りが先行した。米国がメキシコとカナダ、中国に対して関税を発動したことで貿易摩擦激化への懸念が広がり、相場の重しとなった面もある。BPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は大幅に反落。前日に史上最高値を更新しただけに、利益確定目的の売りが広がった。米政権による関税政策が世界経済に悪影響を及ぼすとの警戒感も売りを誘った。なお、フランスの株価指数は1.85%安、イタリアは3.41%安、スペインは2.55%安となった。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
4日の日経平均は大幅反落。終値は454円安の37331円。3日の米国株は3指数がそろって下落したが、エヌビディアが大幅安となっており、ナスダックの下げが大きかった。ドル円が円高に振れたことも警戒材料となり、寄り付きから200円を超える下落。安く始まった後はしばらく下値模索が続いた。
節目の37000円も割り込み、10時台半ばには下げ幅を900円超に拡大。36800円台に突入したところでようやく売り圧力が和らいだ。37000円を上回って前場を終えると、後場は同水準より上が定着し、値を戻す流れが続いた。終盤には東京エレクトロン<8035.T>がプラス転換するなど、半導体株の一角には押し目を拾う動きも見られた。指数は序盤の下げの度合いが大きく400円を超える下落とはなったものの、後場の高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆8600億円。業種別では機械、空運、繊維などが上昇した一方、非鉄金属、証券・商品先物、鉱業などが下落した。プライムへの上場市場区分変更が承認されたことを発表したボードルア<4413.T>が急伸。半面、一部メディアで、カナダのコンビニ大手からの買収提案を受け入れず、自力での企業価値向上を目指す方針を固めたとの観測が報じられたセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり513/値下がり1609。トランプ大統領がウクライナへの武器供与の一時停止を指示したと伝わったことなどから、IHIや三菱重工など防衛関連が連日の大幅上昇。半導体株には大きく下げる銘柄も多かった中、SCREENは4.7%高と動きの良さが目立った。日経新聞1面で政府が新たなサイバーセキュリティー対策をまとめると報じられたことを手がかりに関連銘柄が物色されており、FFRIセキュリティがストップ高。自己株取得発表といった独自の買い材料もあった網屋が急伸した。
一方、米エヌビディアの大幅安を受けて、アドバンテスト、ディスコ、レーザーテックなど半導体株の多くが売りに押された。フジクラや古河電工など電線株も大幅安。暗号資産の値動きが荒くなっており、メタプラネットやセレスなど関連銘柄が急落した。地合いの悪い中、3Q累計で減益着地となった伊藤園が12.8%安と派手に下げ、昨年来の安値を更新した。
日経平均は大幅安。ただ、前場で下を試した後、後場にはかなり持ち直した。終値(37331円)は安値36816円から500円近く水準を切り上げている。場中に37000円は割り込んでしまったが、前回割り込んだ2月28日同様にローソク足では下に長いヒゲをつけており、きょうの方がヒゲが長い。大きく下げているので底打ち感は出てきていないが、引け味が悪くなかったことはあすへの期待を高める。直近の株価下落で多くの銘柄の過熱感が削がれているだけに、上がる時には全面高となりやすい。5日線(37734円、4日時点)を超えて安値圏を脱出できるかに注目したい。
一部通信社が報じたところによると、「米国とウクライナは鉱物資源協定に署名する予定だ」という。
一部通信社が報じたところによると、「ドイツは防衛費増額に向けて債務ブレーキを改革する」ようだ。
ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙によると、カナダ・オンタリオ州は米国向け電力への25%の輸出税を導入すると報じている。
4日08:44 加藤財務相
「日本は通貨安政策を取っていない」
「先般の為替介入を見ればそれは理解できるだろう」
「為替の基本スタンスはベッセント氏ともG7などで確認」
4日09:33 2月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
「基調的なインフレ率は11月に予測されていたよりも短期的にはやや低くなると予想」
「労働市場は依然として逼迫していると判断」
「賃金の伸びは鈍化」
「メンバーは12月の四半期のインフレが予想よりも弱かったことに留意した」
「メンバーは今回の会合で金利を引き下げるという論拠が総合的に見てより有力であると決定」
「基調インフレが引き続き低下し、予想よりもやや速いペースで低下していることから、インフレの上昇リスクは十分に緩和された」
「2023年11月に金利を引き上げた際の保険はもはや不要であると判断」
「メンバーは政策をあまりに早く緩和するとインフレ圧力が高まるリスクを考慮」
「今回の会合での決定はインフレ率の抑制に向けた進展を認める一方で、理事会が政策をさらに緩和することを約束するものではない」
「今後の決定は入手されるデータとリスク評価の進展に基づいて行われる」
「インフレ率を目標に戻すことは、引き続き理事会の最優先事項であり、理事会はその成果を達成するために必要なことを行う」
4日09:53 中国商務省
「中国は米関税措置に断固として反対」
「中国は利益を守るために必要な措置を講じる」
4日11:05 トルドー・カナダ首相
「カナダの報復関税は午前0時1分に発動」
5日01:16
「カナダ国民は戦いから退かない」
「米国からの輸入品300億カナダドル相当に25%の関税を即時課す」
「21日以内にさらに1250億カナダドル相当の米国輸入品に25%の関税を課す」
「WTOとUSMCAを通じて米国の関税に異議を唱える」
「米政府が米国民の雇用を危険にさらすことを選んだ」
4日12:46 石破首相
「日本として通貨安政策を取っていない」
「為替については日米の財務相で引き続き緊密に議論」
「為替について米大統領から電話があった事実はない」
4日16:19 ウクライナ政府
「米国によるウクライナ軍事支援の一時停止は、ロシアへの降伏を意味する」
4日16:59 ロンバール仏財務相
「防衛費をより多く、より迅速に支出しなければならない」
「企業への増税は望んでいない」
4日17:36 フォンデアライエン欧州委員長
「欧州再軍備で8000億ユーロ近くを投入する可能性」
「全欧州的な防衛で1500億ユーロの融資を提案」
4日18:19 ロシア大統領府
「武器供給の停止はウクライナを和平に向かわせる可能性がある」
「関係を正常化するためには、制裁の負担を解除する必要がある」
「中国の輸出モデルは受け入れられない」
「米国はエネルギーの主要輸出国になる」
「市場はトランプのエネルギー支配計画を理解している」
「金利を引き下げることに注力している」
「銀行規制緩和を実施する」
4日21:41 英首相報道官
「スターマー英首相とトランプ米大統領が3日に電話会談を行った」
「英米首脳は、ウクライナの恒久的な平和を望んでいる」
4日22:43 シェインバウム・メキシコ大統領
「政府はフェンタニルと安全保障の面で成果を上げた」
「メキシコに対する米国の関税は正当性がない」
「対抗措置を9日に発表する」
4日23:01 ラトニック米商務長官
「各国がフェンタニルの流通を止められることを証明できれば、関税は撤廃できる」
「4月2日に貿易はリセットされる」
「短期的な価格変動はあり得る」
「(中国について)彼らは米国に巨額の関税を課している」
5日00:41 トランプ米大統領
「企業が米国に移転すれば関税はかからない」
5日02:49
「カナダが米国に報復関税を課した場合、米国の報復関税は直ちに同額増加する」
5日00:47 ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「戦争終結に向けて速やかに取り組む用意」
「ウクライナは天然資源と安全保障の取引に調印の用意」
5日03:52 メルツ独次期首相
「国防費に対する債務ブレーキを改革し、1%を超える支出を免除する」
「5000億ユーロの特別防衛基金を設立する」
5日04:33 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「関税はインフレにいくらか影響を与える」
「関税がどのように機能するかについては依然として不確実性が高い」
「インフレ率は時間の経過とともに2%まで低下すると予想」
「現時点で政策変更の必要性は感じない」
「関税が物価に及ぼす影響を織り込み始めている」
「物価見通しはいくらか高くなった」
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