【非常に幸運な段階と医師】「ステージ0」のがんとは何か、危険度や見つけ方、治療法は・・・「ステージ4では生命維持に欠かせない臓器に転移している場合が多く、がんの封じ込めや根絶は非常に困難だ」アーカイブ最終更新 2025/05/07 10:081.影のたけし軍団 ★???がんに1、2、3、そして恐ろしい4というステージ(病期)があることはほとんどの人が知っているが、「ステージ0」という早期のがんもあることを知っている人は少ない。それは意外ではない。ステージ0のがんと診断される人は少ない上、がんの種類によってはステージ0ではほとんど検出できなかったり、別の名前で呼ばれたりすることも多いからだ。米国の人気歌手ビヨンセの母ティナ・ノウルズさんも知らなかった。彼女は最近出版した回顧録の中で、乳がんと診断されたことを明かしている。米週刊誌「People」のインタビューでは、若いうちから定期的にがん検診を受けることの大切さを説き、こう語った。「私はがんにステージ0という段階があることさえ知りませんでした。きちんとマンモグラフィー検査を受けていれば、私のがんもステージ0で発見できたはずなのに」以下では、ステージ0のがんとは何なのか、他のステージとの違いはどこにあるのか、そして、定期的ながん検診がこのステージのがんを発見するのに重要な理由について説明する。一般に、がんには4つの主要なステージがあると考えられている。ステージの決定が複雑になる場合もあるが、基本的には、腫瘍の大きさや位置、そしてがん細胞が全身にどの程度広がっているかを基準とする「TNM分類」で表される。ステージ1:ほとんどの種類のがんでは、悪性細胞の増殖したもの(腫瘍)が確認されるがまだ小さく、発生した臓器にとどまっている状態をいう。ステージ1は、がん細胞がその臓器内には浸潤(しみ込むように広がること)しているがリンパ節には転移していないことを意味すると、米モフィットがんセンターの乳腺腫瘍専門医のハテム・ソリマン氏は説明する。リンパ節は主要な血管が合流するところにあり、全身に800個以上もあるので、リンパ節に転移しているかどうかは重要なのだ。ステージ2:原発腫瘍(最初にがんが発生した場所の腫瘍)が、がんの種類ごとに決まっている基準の大きさに達している。また、がんの種類によっては、近くのリンパ節でもがん細胞が見つかる段階。ステージ3:原発腫瘍が、ステージ2の大きさの基準を超えて大きくなり、がん細胞がより多くのリンパ節に転移している、より進行した段階。ステージ4:しばしば転移性がんと呼ばれる。腫瘍はさらに大きくなり、がんはさらに多くのリンパ節や他の部位に広がっている。米エール大学がんセンターの内科医で婦人科腫瘍専門医であるエレーナ・ラトナ―氏によると、ステージ4では生命維持に欠かせない臓器に転移している場合が多く、がんの封じ込めや根絶は非常に困難だという。ステージ0のがんは「上皮内新生物(上皮内がん)」と呼ばれることもある。他のステージのがんとの違いは、体内で異常な細胞が確認されてはいるものの、その細胞はまだがん化していない可能性がある点だ。また、ステージ1のがん細胞とは違い、異常な細胞が発生した臓器の周囲の組織にも浸潤していない。また、通常は腫瘍としては小さすぎるため、超音波やMRIのような内臓のスキャンでは大抵発見できない。しかし、乳房のような体の外側に近い組織では、定期的なマンモグラフィー検査で発見されることがある。乳房組織で発見されたステージ0のがんは「非浸潤性乳管がん(DCIS)」と呼ばれる。「DCISが乳管の外に広がりはじめると、ステージ1、2、3、4のがんになっていきます」と、エール大学がんセンターおよびスミローがん病院の外科サービス担当副医務長であるメーラ・ゴルシャン氏は言う。しかし、必ずしもそうなるとは限らない。「ステージ0の乳がんがすべて浸潤がんになるわけではありませんが、時間の経過とともに一部は浸潤がんになります」と氏は説明する。ステージ0のがんは予期せず進行することがある。異常な細胞が最初に発見されてからわずか数カ月後に進行が始まることもあれば、数年後に始まることもある。「ですから、この領域が(ステージ1以降の)がんへと進行していないことを確認するために、綿密な経過観察を行う必要があります」と、米南カリフォルニア大学ノリス包括がんセンターの消化器腫瘍専門医シマ・イクバル氏は言う。イクバル氏によると、医師や患者自身が、様子を見るのではなく、異常な細胞を標的とする放射線治療や外科治療を選択することもあるという。https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/050200243/?P=12025/05/07 10:08:431すべて|最新の50件
それは意外ではない。ステージ0のがんと診断される人は少ない上、がんの種類によってはステージ0ではほとんど検出できなかったり、別の名前で呼ばれたりすることも多いからだ。
米国の人気歌手ビヨンセの母ティナ・ノウルズさんも知らなかった。彼女は最近出版した回顧録の中で、乳がんと診断されたことを明かしている。
米週刊誌「People」のインタビューでは、若いうちから定期的にがん検診を受けることの大切さを説き、こう語った。
「私はがんにステージ0という段階があることさえ知りませんでした。きちんとマンモグラフィー検査を受けていれば、私のがんもステージ0で発見できたはずなのに」
以下では、ステージ0のがんとは何なのか、他のステージとの違いはどこにあるのか、そして、定期的ながん検診がこのステージのがんを発見するのに重要な理由について説明する。
一般に、がんには4つの主要なステージがあると考えられている。ステージの決定が複雑になる場合もあるが、基本的には、腫瘍の大きさや位置、そしてがん細胞が全身にどの程度広がっているかを基準とする「TNM分類」で表される。
ステージ1:ほとんどの種類のがんでは、悪性細胞の増殖したもの(腫瘍)が確認されるがまだ小さく、発生した臓器にとどまっている状態をいう。
ステージ1は、がん細胞がその臓器内には浸潤(しみ込むように広がること)しているがリンパ節には転移していないことを意味すると、米モフィットがんセンターの乳腺腫瘍専門医のハテム・ソリマン氏は説明する。
リンパ節は主要な血管が合流するところにあり、全身に800個以上もあるので、リンパ節に転移しているかどうかは重要なのだ。
ステージ2:原発腫瘍(最初にがんが発生した場所の腫瘍)が、がんの種類ごとに決まっている基準の大きさに達している。また、がんの種類によっては、近くのリンパ節でもがん細胞が見つかる段階。
ステージ3:原発腫瘍が、ステージ2の大きさの基準を超えて大きくなり、がん細胞がより多くのリンパ節に転移している、より進行した段階。
ステージ4:しばしば転移性がんと呼ばれる。腫瘍はさらに大きくなり、がんはさらに多くのリンパ節や他の部位に広がっている。
米エール大学がんセンターの内科医で婦人科腫瘍専門医であるエレーナ・ラトナ―氏によると、ステージ4では生命維持に欠かせない臓器に転移している場合が多く、がんの封じ込めや根絶は非常に困難だという。
ステージ0のがんは「上皮内新生物(上皮内がん)」と呼ばれることもある。他のステージのがんとの違いは、体内で異常な細胞が確認されてはいるものの、その細胞はまだがん化していない可能性がある点だ。
また、ステージ1のがん細胞とは違い、異常な細胞が発生した臓器の周囲の組織にも浸潤していない。
また、通常は腫瘍としては小さすぎるため、超音波やMRIのような内臓のスキャンでは大抵発見できない。しかし、乳房のような体の外側に近い組織では、定期的なマンモグラフィー検査で発見されることがある。
乳房組織で発見されたステージ0のがんは「非浸潤性乳管がん(DCIS)」と呼ばれる。
「DCISが乳管の外に広がりはじめると、ステージ1、2、3、4のがんになっていきます」と、エール大学がんセンターおよびスミローがん病院の外科サービス担当副医務長であるメーラ・ゴルシャン氏は言う。
しかし、必ずしもそうなるとは限らない。「ステージ0の乳がんがすべて浸潤がんになるわけではありませんが、時間の経過とともに一部は浸潤がんになります」と氏は説明する。
ステージ0のがんは予期せず進行することがある。異常な細胞が最初に発見されてからわずか数カ月後に進行が始まることもあれば、数年後に始まることもある。
「ですから、この領域が(ステージ1以降の)がんへと進行していないことを確認するために、綿密な経過観察を行う必要があります」と、米南カリフォルニア大学ノリス包括がんセンターの消化器腫瘍専門医シマ・イクバル氏は言う。
イクバル氏によると、医師や患者自身が、様子を見るのではなく、異常な細胞を標的とする放射線治療や外科治療を選択することもあるという。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/050200243/?P=1